(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】移動体、移動体に椅子を配置する方法
(51)【国際特許分類】
B60N 2/34 20060101AFI20250109BHJP
B60P 3/345 20060101ALI20250109BHJP
B60N 2/20 20060101ALI20250109BHJP
B60N 2/005 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60N2/34
B60P3/345
B60N2/20
B60N2/005
(21)【出願番号】P 2024112999
(22)【出願日】2024-07-13
【審査請求日】2024-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2024077629
(32)【優先日】2024-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515120143
【氏名又は名称】井澤 佑斗
(73)【特許権者】
【識別番号】596034056
【氏名又は名称】有限会社加藤モーター
(72)【発明者】
【氏名】加藤 健資
(72)【発明者】
【氏名】井澤 佑斗
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-172223(JP,A)
【文献】特開2017-190082(JP,A)
【文献】実開昭59-135242(JP,U)
【文献】中国実用新案第201961221(CN,U)
【文献】特開2008-254662(JP,A)
【文献】特開2001-341564(JP,A)
【文献】特開2021-035793(JP,A)
【文献】特開2015-223844(JP,A)
【文献】特開2003-285673(JP,A)
【文献】中国実用新案第215042397(CN,U)
【文献】実開昭63-085138(JP,U)
【文献】実開昭50-032717(JP,U)
【文献】特開2000-158987(JP,A)
【文献】特開2019-209026(JP,A)
【文献】特開2007-020848(JP,A)
【文献】特表2002-533256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 ー B60N 2/90
B60P 3/345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体であって、
物体が、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、
第1の物体と第2の物体が、それぞれの電動回転体部で隣接し、
移動体が、
設備として、水道設備、炊事設備、トイレ、冷蔵庫の1以上を有し、
前記物体が移動体の矢状方向に移動できる移動装置を有し、
移動体の搭乗口に隣接する前記設備又は隔壁に、前記物体の電動回転体を駆動又は前記物体を移動体の矢状方向に移動するスイッチを備える、
移動体。
【請求項2】
移動体に椅子を配置する方法であって、
物体が、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、
第1の物体と第2の物体が、それぞれの電動回転体部で隣接し、
移動体が、
設備として、水道設備、炊事設備、トイレ、冷蔵庫の1以上を有し、
前記物体が移動体の矢状方向に移動できる移動装置を有し、
移動体の搭乗口に隣接する前記設備又は隔壁に、前記物体の電動回転体を駆動又は前記物体を移動体の矢状方向に移動するスイッチを備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体および移動体に備える物体、又はキャンピングカーに備えられる椅子およびキャンピングカーに椅子を配置する方法に関する。本願は、日本に2024年 5月11日に出願された、特願2024-077629を基礎としてその優先権を主張するものであり、その開示内容を参照することにより本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
この項における供述は、本開示に関する背景の情報を提供するだけであり、先行技術を必ずしも構成しない。
【0003】
特許文献1には、 左右の座席と、中央座席と、を備え、前記中央座席は、フロアに設けられたレールに沿って、前記中央座席が前記左右の座席の間に位置する第1位置と、前記中央座席が前記左右の座席の前端よりも車両前方に位置する第2位置と、の間をスライド移動可能である、車両のシート構造が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし発明者は少なくとも上記実施形態には、キャンピングカーに備えられる椅子としての使用する居住快適性が無いという短所が存在すると認識した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも一つの本開示は、
キャンピングカーに備えられる椅子であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置され、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の物体に隣接可能に配置される、
構成を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本構成では少なくとも4通りの座面を電動で提供することができ、キャンピングカーに備えられる椅子として居住快適性を提供できる有用性がある。
【0008】
本開示のこれらおよび他の態様、特徴、および利点は、以下の図面と併せて取られる好ましい実施形態および態様の以下の詳細な書面の説明から明らかになるが、その変形および修正は、本開示の新規概念の精神および範囲から逸脱せずに実施され得る。本開示におけるある実施形態における態様は、矛盾しない限りにおいて、本開示される別の実施形態における態様として採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の開示において、提示された主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態や実施例を提供する。本開示を平易にするために、構成部品や配置の具体例を以下に開示する。もちろんこれらは単なる例であり、限定的であることを意図するものではない。例えば、第1の特徴が、続いて開示する第2の特徴に覆われる、あるいはこれと接する、あるいはこれと隣接する構造は、第1の特徴および第2の特徴が直接接触するように形成されている実施形態とともに、第1の特徴と第2の特徴との間に付加的な特徴を形成して、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触しないようになっている実施形態を含んで良い。さらに、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触しないようになっている実施形態や、近接(0cmないし1m程度)する実施形態を含んで良い。さらに、本開示では、さまざまな例において参照番号および/または文字を反復している場合がある。このように反復するのは、簡潔明瞭にするためであり、それ自体が、さまざまな実施形態および/または説明されている構成との間に関係があることを必要とするものではない。さらに、第1の要素が第2の要素に「連結されている」または「結合されている」または「隣接する」と記述するとき、そのような記述は、第1の要素と第2の要素とが互いに直接的に連結または結合されている実施形態を含むとともに、第1の要素と第2の要素とが、その間に介在する1以上の他の要素を有して互いに間接的に連結または結合または隣接されている実施形態も含む。
【0011】
本明細書中で使用されるように、「少なくとも1の(at least one of)」という記載は、例示するすべての変形例を包合する。例えば、「AとBとCの少なくとも1の(comprises at least one of !, B, or C)」の記載は、「AとBとCと、これらのコンビネーション(consisting of A, B, C and combinations thereof)」と同義である。そして、A、B、C、A+B、A+C、B+C、A+B+Cの考えうる限りの全ての変形例を抱合する。
【0012】
本開示において、機械、電子オペレータまたはコンピュータを使用する開示は、方法、記録媒体、装置、またはプログラムの実施形態を含むことができる。本明細書で使用される「AはBである」という記述は、矛盾がない限り、あるいは本明細書に別段の記載がない限り、「AはBを含む」と置き換えることができる。
【0013】
本開示における用語は、特許請求の範囲に記載された用語を含めて、明細書に記載された記載や図面を考慮して解釈でき、さらには、本開示における示唆と矛盾がない限り、過去もしくは現在、未来において、市民の一人以上がそのように呼称し、表示し、理解しもしくは実行した、またはその可能性のある事柄をもとに解釈できる。
【0014】
キャンピングカーについて開示する。少なくとも1つの実施形態によれば、キャンピングカーは、寝泊まりができる設備を備えた自動車である。少なくとも1つの実施形態によれば、ベッド、キッチン、トイレ、テーブルなどの設備のいずれか一以上を有する。車と居室が一体になった「自走式」と、車で牽引する「牽引式」に大きく分類され、自走式には専用のフレームやエンジンなどに架装したタイプや、バンやワゴン車などの国産車をベースに架装されたものなどがある。キャンピングカーは、アメリカでは「モーターホーム」、大型バスの車内に内装を施したものは「モービルホーム」、家庭に近い設備を設けたものは「ハウストレーラー」などと呼ばれている。
【0015】
本開示における構成は、キャンピングカーに限定されない。すなわち、本開示におけるキャンピングカーという記載は、他のあらゆる移動体の記載に置き換えることができる。例示すれば、車(車全般)、セダン、クーペ、オープンカー、ステーションワゴン、ワンボックス、ミニバン、SUV、ハッチバック、電車、新幹線、飛行機、船舶、などである。少なくとも1の実施形態において、キャンピングカーとは、国土交通省の発行する平成13年4月6日付け「自動車の用途等の区分について(依命通達)」(国自技第49号、以下「依命通達1」という)における4ー1ー3(4)又は4ー2に該当する車両を指す。少なくとも1の実施形態において、キャンピングカーとは、国土交通省の発行する令和4年3月1日付け「「自動車の用途等の区分について(依命通達)」の細部取扱いについて」(国自整第278号、以下「依命通達2」という)における「3-4 用途区分通達4-1-3(4)の自動車」「キャンピング車」(80頁)に列記される構造要件のうち1以上又は全てを満たす車両を指す。少なくとも1の実施形態において、これらの依命通達が更新される場合には、最新の依命通達の構造要件に従う。そのため、キャンピングカーとは、国土交通省の発行する依命通達の構造要件を満たす移動体(車両)である。依命通達の少なくとも1の内容は、追って記載する。
【0016】
キャンピングカーに備えられる物体1について開示する(少なくとも
図1)。なお、以下の記載において「椅子」と記載されるものは「物体」と読み替えることができる。鋭意検討した結果、以下の構成で少なくとも4通りの座面を電動で提供できることを発見した。少なくとも1つの実施形態によれば、物体は、第1の電動回転体2と第2の電動回転体3とを有する。電動回転体は、回転軸4を有し、回転軸は電気によって正回転と逆回転と自在に回転する。回転軸の長さは、椅子の横幅に相当する。例えば、回転軸の長さと、椅子の横幅の比は略1:1である。第1の電動回転体と第2の電動回転体とは、それぞれの電動回転体もしくは回転軸の両端部同士に接する2本のフレームで結合されている。例示すれば、第1の電動回転体の第1の端部と、第2の電動回転体の第1の端部とが、第1のフレーム5で結合され、第2の電動回転体の第2の端部と、第2の電動回転体の第2の端部とが、第2のフレーム6で結合される。例示すれば、このように第1と第2のフレームで結合されることで、第1の電動回転体と第2の電動回転体とは、フレームの長さだけ離れて位置を固定される。例示すれば、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略1:1:1である。他の実施例によれば、後述する通り、第1の物体と第2の物体とは骨格にクッションが肉付けされるので、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略7:7:10から略9:9:10(第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さとの比は同一)である。もしくは、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略7:7:10から略1:1:1(第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さとの比は同一)である。
【0017】
第1の電動回転体に連動する第1の物体7について開示する(少なくとも
図2)。第1の電動回転体に、板状の物体が結合されており、これが第1の物体である。第1の物体は、第1の電動回転体に結合されているので、第1の電動回転体が正回転すれば連動して正回転し、それが逆回転すれば連動して逆回転する。第1の物体の骨格は、フレームもしくは中がメッシュ構造になっているフレームである。第1の物体は、その骨格に、椅子もしくはベッドに使われるようなクッションが肉付けされる。すなわち、第1の物体は、フレームで構成された板状の骨格の両面にクッションが肉付けされる。例示すれば、第1の物体は、フレームで構成された板状の骨格の一面である第1面14に肉付けされるクッションの量(もしくは厚さ)と、その反面である第2面15に肉付けされるクッションの量(もしくは厚さ)との比が、略1:1である。第1の物体は、その板が車両の床面に対して略直立する場合には、椅子の背面(背もたれ)の構成になる。例示すれば、第1の物体の長さのうち回転軸に直交する長さと、人の背骨の長さとの比が略1:1である。第1の物体は、その板が車両の床面に対して略水平になる場合には、椅子の座面の構成になる。すなわち、第1の物体は、正回転して水平位置に配置されることでその第2面が座面を構成し、逆回転して水平位置に配置されることでその第1面が座面を構成することができ、回転して垂直位置に配置されることでその第1面もしくは第2面が背面を構成することができる。例示すれば、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1の電動回転体と第2の電動回転体との配置距離との比が、略1:1:1である。例示すれば、上述した通り、第1の物体と第2の物体とは骨格にクッションが肉付けされるので、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1の電動回転体と第2の電動回転体との配置距離との比が、略7:7:10から略9:9:10(第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さとの比は同一)である。
【0018】
第2の電動回転体に連動する第2の物体8について開示する(少なくとも
図2)。これらの構成は、第1の電動回転体に連動する第1の物体について開示内容を準用する。すなわち、例示すれば、第1の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して直交方向の長さと、第2の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して直交方向の長さとの比が、略1:1である。例示すれば、第1の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して並行方向の長さと、第2の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して並行方向の長さとの比が、略1:1である。例示すれば、第1の物体のフレームで構成された板状の骨格の面積と、第2の物体のフレームで構成された板状の骨格の面積との比が、略1:1である。
【0019】
第1の物体が、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置される構成について開示する(少なくとも
図3)。上述の通り、第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置される。これにより、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略1:1であるから、第1の物体は、略水平に配置されることで、第2の物体(もしくはそれに近接する部位)に隣接可能に配置される。例示すれば、第1の物体は、略水平に配置されることで、第2の電動回転体(もしくはそれに近接する部位)に隣接可能に配置される。例示すれば、第1の物体は、略水平に配置されることで、第2の物体のうち第2の電動回転体に隣接する部位に隣接可能に配置される。このことで、略水平になった第1の物体の第1面が座面(他の実施形態と区別するため、以下、第1の座面12という)を提供し、略垂直になった第2の物体の第1面16が背面を提供する椅子になる。
【0020】
第2の物体が、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の物体に隣接可能に配置される構成について開示する(少なくとも
図4)。上述の通り、第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置される。これにより、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略1:1であるから、第2の物体は、略水平に配置されることで、第1の物体(もしくはそれに近接する部位)に隣接可能に配置される。例示すれば、第2の物体は、略水平に配置されることで、第1の電動回転体(もしくはそれに近接する部位)に隣接可能に配置される。例示すれば、第2の物体は、略水平に配置されることで、第1の物体のうち第1の電動回転体に隣接する部位に隣接可能に配置される。このことで、略水平になった第2の物体の第2面17が座面(以下、第2の座面13という)を提供し、略垂直になった第1の物体の第2面が背面を提供する椅子になる。
【0021】
第1の物体が、第2の物体に隣接し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、第2の物体が、第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第2の物体の第1面が座面を提供する構成について開示する(少なくとも
図5)。上述の通り、第1の物体が、第2の物体に隣接し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供する。第2の物体は、第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第2の物体の第1面が座面(以下、第3の座面18という)を提供する。すなわち、第1の物体と第2の物体とが隣接し、第1の物体と第2の物体がそれぞれ第1の座面と第3の座面を提供するので、車内に広い面積の座面を提供する。例示すれば、第1の物体が、車両の床面に対して略水平に第2の物体に隣接し、第2の物体が、車両の床面に対して略水平に配置され、第1の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して直交方向と、第2の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して直交方向と、車両の床面の方向とが、略並行である。
【0022】
第2の物体が、第1の物体に隣接し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供し、第1の物体が、第2の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第1の物体の第2面が座面を提供する構成について開示する(少なくとも
図6)。上述の通り、第2の物体が、第1の物体に隣接し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供する。第1の物体が、第2の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第1の物体の第2面が座面(以下、第4の座面19という)を提供する。すなわち、第1の物体と第2の物体とが隣接し、第1の物体と第2の物体がそれぞれ第4の座面と第2の座面を提供するので、車内に広い面積の座面を提供する。例示すれば、第2の物体が、車両の床面に対して略水平に第1の物体に隣接し、第1の物体が、車両の床面に対して略水平に配置され、第1の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して直交方向と、第2の物体のフレームで構成された板状の骨格の回転軸に対して直交方向と、車両の床面の方向とが、略並行である。
【0023】
少なくとも1の実施形態において、本開示における椅子は、依命通達2に大人用就寝設備又は子供用就寝設備の要件を満たす。さらに、その椅子は、依命通達に定める就寝設備と座席の兼用の構成要件を満たす。これらの要件は依命通達の記載を準用する。非包括的に、その構成要件の例として、乗車装置の座席の座面及び背あて部が就寝設備になることを前提に製作されたものであること、乗車装置の座席の座面及び背あて部を就寝設備として使用する状態にした場合に、就寝設備の上面全体が 連続した平面を作るものであること、などである。すなわち、本開示における椅子は、第1の座面と第3の座面は、依命通達2に定める大人用就寝設備又は子供用就寝設備の構造及び寸法を満たす。第2の座面と第4の座面は、依命通達2に定める大人用就寝設備又は子供用就寝設備の構造及び寸法を満たす。さらに、これらの座面は、同通達に定める就寝設備と座席の兼用の要件を満たす。すなわち、本開示における椅子は、車両においても依命通達を満たす椅子又は就寝設備を提供できる観点で、産業上の利点を有する。また、これらの椅子は、第1もしくは第2の物体を垂直にすることで、第1ないし第4の座面が、それぞれ座席の構造及び寸法を満たす。すなわち、本開示における椅子は、車両においても依命通達を満たす就寝設備と座席の兼用を実現できる観点で、産業上の利点を有する。
【0024】
第1の物体が第2の物体に隣接した際の第1の物体の位置の下方に、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の駆動機械が配置される構成について開示する。上述の通り、第1の電動回転体と第2の電動回転体は、動力を必要とする。第1の電動回転体と第2の電動回転体の駆動機械は、第1の物体が第2の物体に隣接した際の第1の物体の位置の下方に配置する。例示すれば、第1の座面、第2の座面のいずれかの下に駆動機械が配置される。
【0025】
第1の電動回転体と第2の電動回転体の回転軸が、前記キャンピングカーの進行方向に対して略直交して設置される構成について開示する。第1の電動回転体と第2の電動回転体の回転軸は、キャンピングカーの車体の進行方向に対して略直交して設置される。例示すれば、第1の電動回転体と第2の電動回転体の回転軸は、キャンピングカーのドアから人が乗車する方向に対して並行に設置される。例示すれば、第1の電動回転体と第2の電動回転体の回転軸は、キャンピングカーのドアの面の方向に対して略直交して設置される。
【0026】
第1の電動回転体と第2の電動回転体とを結合するフレームに、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の回転を指示する指示器を備える構成について開示する。上記の通り、各電動回転体の自在な回転を指示する指示器を、第1のフレームもしくは第2のフレームに備える。例示すれば、第1の電動回転体の第1の回転方向による回転と、第2の回転方向による回転とを指示するスイッチ9、第2の電動回転体の第1の回転方向による回転と、第2の回転方向による回転とを指示するスイッチを、第1のフレームもしくは第2のフレームに備える。
【0027】
上記の実施形態のいずれかに記載の椅子を固定設置したキャンピングカーについて開示する。上記の実施形態のいずれかを用いれば、その椅子を固定設置したキャンピングカーを作成できる。
【0028】
上記の実施形態のいずれかに記載の物は、その要旨を逸脱しない限りにおいて、方法としても開示される。すなわち、それぞれの実施形態は、キャンピングカーに椅子を配置する方法についても開示している。
【0029】
上述の通り、第1の物体と第2の物体とは骨格にクッションが肉付けされるので、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略1:1:1である。より好ましくは、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略7:7:10から略9:9:10(第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さとの比は同一)である。発明者らは、第1の物体と第2の物体とは骨格にクッションが肉付けされた状態において、第1の物体が、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に略水平に隣接するための、最適な長さの比について鋭意検討した。その結果、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略7:7:10から略9:9:10(第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さとの比は同一)の間である場合に、第1の物体と第2の物体のクッションの摩擦が減り、電動回転体の動力に負荷をかけずに略水平に隣接出来ることを見出した。このような効果は、意外にも、第1の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第1の物体の長さと、第2の電動回転体の回転軸に対して直交方向の第2の物体の長さと、第1のフレームの長さとの比が、略1:1:1の場合よりも認められた。その理由は、これらの長さが均等である結果、少なくとも、第1のフレームと第2のフレームの間に第1の物体を水平に配置する空隙が、各クッションの厚みによって不足し、第1の物体と第2の物体の各クッションが擦れることによる摩擦が大きくなるためであった。少なくとも、この摩擦により電動回転体の動力に負荷がかかることが判明した。
【0030】
上記と異なる実施形態について開示する。上記の駆動機械については、第3の座面、第4の座面のいずれかの下に駆動機械が配置される。
【0031】
以下、上記において説明した実施形態の概要について開示する。
【0032】
キャンピングカーに備えられる椅子であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置され、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の物体に隣接可能に配置される。
【0033】
本構成では、少なくとも、4通りの座面(第1ないし第4の座面)を提供することができ、キャンピングカーに備えられる椅子として使用する居住快適性という有用性や産業上の実施可能性がある。そのような座面を電動で提供することができる有用性がある。
【0034】
上記椅子であって、
第1の物体は、第2の物体に隣接し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、
第2の物体は、第2の物体の第1面が背板を提供する。
【0035】
本構成では、車両の進行方向に対して同方向に向く車両の椅子(第1の座面)を提供できるという有用性や産業上の実施可能性がある。そのような椅子を電動で提供することができる。
【0036】
上記椅子であって、
第2の物体は、第1の物体に隣接し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供し、
第1の物体は、第1の物体の第2面が背板を提供する。
【0037】
本構成では、車両の進行方向に対して反対方向に向く車両の椅子(第2の座面)を提供できるという有用性や産業上の実施可能性がある。第2の座面に対する別の椅子を設置することで、互いに向かい合った1組の椅子に座って会話することが可能となり、キャンピングカーの居住空間の利便性が向上する。そのような椅子を電動で提供することができる。
【0038】
上記椅子であって、
第1の物体は、第2の物体に隣接し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、
第2の物体は、第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第2の物体の第1面が第3の座面を提供する。
【0039】
本構成では、車体に対して略水平に配置される連続した広い座面(第1と第3の座面)を提供できるという有用性や産業上の実施可能性がある。そのような椅子を電動で提供することができる。そのような座面は、足を伸ばして座ったり、寝ることが可能となり、キャンピングカーの居住快適性を向上させる。
【0040】
上記椅子であって、
第2の物体は、第1の物体に隣接し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供し、
第一の物体は、第2の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第1の物体の第2面が第4の座面を提供する。
【0041】
本構成では、車体に対して略水平に配置される連続した広い座面(第2と第4の座面)を提供できるという有用性や産業上の実施可能性がある。そのような椅子を電動で提供することができる。そのような座面は、足を伸ばして座ったり、寝ることが可能となり、キャンピングカーの居住快適性を向上させる。
【0042】
上記椅子であって、
第1の物体が第2の物体に隣接した際の第1の物体の位置の下方に、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の駆動機械が配置される。
【0043】
本構成では、電動回転体の駆動機器を座面の下方に配置することにより、キャンピングカーのユーザーの居住空間から駆動機器を隠蔽し、居住空間を広くできるという有用性や産業上の実施可能性がある。少なくとも1の実施形態において、「第1の物体の位置の下方に、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の駆動機械が配置される」とは、物体を観察もしくは分解した際に、少なくとも1以上の駆動機械が、第1の物体の下方に存在していれば、この構成を少なくとも満たすものと判断する。
【0044】
上記椅子であって、
第1の電動回転体と第2の電動回転体の回転軸は、前記キャンピングカーの進行方向に対して略直交して設置される。
【0045】
本構成では、第1の座面が車両の進行方向に対して同じ方向を向くので、キャンピングカーが走行する方向を向くことができ、車両のフロントガラスの景色をみたり、車酔いを防止することができるという有用性や産業上の実施可能性がある。車両の座席は、車両の進行方向に対して垂直方向から(すなわち、車両の横側のドアから)乗り込むことが多いので、ユーザーが椅子の背面に邪魔されずに座面に座ることができるという有用性や産業上の実施可能性がある。
【0046】
上記椅子であって、
第1の電動回転体と第2の電動回転体とを結合するフレームに、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の回転を指示する指示器を備える。
【0047】
本構成では、ユーザーが電動回転体の制御を容易の実行できるという有用性や産業上の実施可能性がある。ユーザーは、車両の進行方向に対して垂直方向から(すなわち、車両の横側のドアから)乗り込むことが多く、第1もしくは第2のフレームに触れやすいので、第1もしくは第2のフレームに指示器があることにより、操作容易性が向上するという有用性や産業上の実施可能性がある。
【0048】
上記椅子を固定設置したキャンピングカー。
【0049】
本構成では、ユーザーが第1ないし第4の座面を自在に電動で配置できるキャンピングカーができるという有用性や産業上の実施可能性がある。少なくとも4種類の座面をユーザーの好みに合わせて配置することがで、キャンピンカーの居住快適性が向上するという有用性や産業上の実施可能性がある。
【0050】
キャンピングカーに椅子を配置する方法であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体を、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置するステップと、
第2の電動回転体に連動する第2の物体を、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の物体に隣接可能に配置するステップと、
を有する。
【0051】
本構成では、ユーザーが第1ないし第4の座面を自在に電動で配置できるという有用性や産業上の実施可能性がある。少なくとも4種類の座面をユーザーの好みに合わせて配置することがで、キャンピンカーの居住快適性が向上するという有用性や産業上の実施可能性がある。
【0052】
以下に、上記と異なる実施形態について開示する。これらの産業応用性や作業機序については、上記の記載を援用する。
【0053】
キャンピングカーに備えられる椅子であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して第2の物体の方向に回転運動し、車両の床面に対して略水平に固定可能に配置され、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して第1の物体の方向に回転運動し、車両の床面に対して略水平に固定可能に配置される。
【0054】
上記椅子であって、
第1の物体は、車両の床面に対して略水平に固定し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、
第2の物体は、第2の物体の第1面が背板を提供する。
【0055】
上記椅子であって、
第2の物体は、車両の床面に対して略水平に固定し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供し、
第1の物体は、第1の物体の第2面が背板を提供する。
【0056】
上記椅子であって、
第1の物体は、車両の床面に対して略水平に固定し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、
第2の物体は、第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第2の物体の第1面が第3の座面を提供する。
【0057】
上記椅子であって、
第2の物体は、車両の床面に対して略水平に固定し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供し、
第一の物体は、第2の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第1の物体の第2面が第4の座面を提供する。
【0058】
上記椅子であって、
第1の物体が第2の物体の方向に回転運動し、車両の床面に対して略水平に固定した際の第1の物体の位置の下方に、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の駆動機械が配置される。
【0059】
上記椅子であって、
第1の電動回転体と第2の電動回転体の回転軸は、前記キャンピングカーの進行方向に対して略直交して設置される。
【0060】
上記椅子であって、
第1の電動回転体と第2の電動回転体とを結合するフレームに、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の回転を指示する指示器を備える。
【0061】
上記椅子を固定設置したキャンピングカー。
【0062】
キャンピングカーに椅子を配置する方法であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体を、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して第2の物体の方向に回転運動し、車両の床面に対して略水平に固定可能に配置するステップと、
第2の電動回転体に連動する第2の物体を、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して第1の物体の方向に回転運動し、車両の床面に対して略水平に固定可能に配置するステップと、
を有する。
【0063】
キャンピングカーの床面は、少なくとも、その車体のうちユーザーが乗車もしくは居住した際に足が触れる部分である。少なくとも1の実施例において、キャンピングカーの「床面」という記載は、「底面」という記載に置換可能である。キャンピングカーに備えられる椅子について鋭意検討した結果、キャンピングカーの床面に対して、略水平に第1もしくは第2の物体を略水平に固定可能に配置することで、ユーザーが最も違和感を感じない車両に対する座面の立体配置になった。このことで、ユーザーの乗車や居住の快適性が向上することが判明した。
【0064】
上記椅子であって、
キャンピングカーに備え付けられるキッチン部もしくは収納部、または隔壁29のいずれか1以上に、第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体の回転を指示する指示器を備える。隔壁とは、外気と移動体内(車室内)とを遮断できる構造を含む。車室内とは、隔壁により外気と遮断できる構造を含む。キャンプ時に、屋根部がポップアップすることにより二重構造となるもの、車体が車幅、社長方向に拡張し、新たな床面を構成するもので隔壁により外気と遮断される構造であるものは、車室として扱うことができる。
【0065】
鋭意検討した結果、上記の構成で、少なくともユーザーがキャンピングカーにおいて指示をする利便性が著しく向上することを発見した。すなわち、キャンピングカーの内装は、車両の乗車口に近接してキッチンが備え付け、キッチンに対して運転席側とは反対方向に椅子やベッドが備え付けることで居住空間を作ることがある。この場合、ユーザーが乗車してすぐに接触可能な物がキッチンであるから、キッチンに指示器を備えることで、乗車して直ちに座席を自在に配置する指示を出せる。このことで、ユーザーの指示の利便性が、キャンピングカーの荷室やベッドに指示器を設置するよりも、向上することを発見した。さらに、キャンピングカーの内装は、車両の内装の上部、天井部、壁部に物置や棚(戸棚を含む)を備え付け、居住の際の収納部を作ることがある。この場合、物置はユーザーが手を触れやすい場所に備え付けられているから、物置に指示器を備えることで、ユーザーが容易に指示器に触れることができる。このことで、ユーザーの指示の利便性が、キャンピングカーの荷室やベッドに指示器を設置するよりも、向上することを発見した。なお、収納部とは、物を一定の場所に整理して納める部分である。収納するものは、衣類、器具・道具、貯蔵品、書籍、食器など多種多様である。さらに、キャンピングカーの居住空間は、ユーザーが車両の隔壁にすぐに触れられる程度の狭さがある。この特性を利用すれば、隔壁に指示器を備えることで、ユーザーが容易に指示器に触れることができる。このことで、ユーザーの指示の利便性が、キャンピングカーの荷室やベッドに指示器を設置するよりも、向上することを発見した。上記の実施形態は、その一つを実装してもよく、選択する二以上を実装しても良い。上記の効果は、住宅の部屋備えつけられる椅子において実装しても同様の著効は確認できず、キャンピングカー(移動体)という特殊な空間において特有の問題を解決している。なお、キッチン部は、キッチン本体およびその周辺の構造を含む。
【0066】
上記椅子であって、
第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体に対して、電磁的方法で回転を指示する発信機器と、
前記発信機器による信号を受信する受信装置と、
を備える。
【0067】
鋭意検討した結果、電磁的方法で回転を指示する指示器を有することで、ユーザーがキャンピングカーにおいて指示をする利便性が著しく向上することを発見した。すなわち、電磁的方法で発信をする発信機器(リモートコントローラー、電磁的発信を行うプログラムをインストールしたスマートフォン(アプリケーションのダウンロードを含む)、等)から発信を行う。第1の電動回転体若しくは第2の電動回転体は、その信号を受信する受信装置を備える。受信装置は、有線もしくは無線にて、制御部に信号を伝達し、制御部が電動回転体を信号に応じて電気的に制御する。電動回転体は、信号に応じた回転運動を行う。この場合、ユーザーは指示器に触れなくても、手元にある発信機器を用いて電動回転体に指示をすることができる。このことで、ユーザーの指示の利便性が、キャンピングカーの荷室やベッドに指示器を設置するよりも、向上する。
【0068】
誠意検討した結果、第1又は第2の物体に着脱可能な付属物体を備えることで、車両の利便性が向上し、顕著な産業上の利点があることを発見した。
【0069】
第1の物体に着脱可能な第1の付属物体10を有する構成について開示する(少なくとも
図7)。少なくとも1の実施形態において、第1の物体は、第1の付属物体を着脱可能に配置する着脱装置20を有する。着脱装置は、第1の物体に差し込み口や穴を備えることで実装できる。第1の付属物体は、その差し込み口や穴に刺さる棒を備える。差し込み口、穴または棒は単なる例示である。着脱装置は、着脱可能な機能を有すれば足りる。第1の付属物体は、着脱装置に装着する機能を有すれば足りる。着脱装置は、第1の物体が略垂直に位置した際の上部に備えられる。すなわち、着脱装置は、第1の物体が略垂直に位置した際の上部に備えられる。それが、第1の物体の第1面の側にあってもよく、第2面の側にあっても良い。すなわち、第1の物体が略垂直に位置した際には、第1の付属物体を第1の物体のさらに上部に着脱可能に備えることができる。この第1の付属物体は、少なくともネックレストの機能を有する。すなわち、この第1の付属物体は、車両に座っている搭乗者の頭部を支えることができる。そのことで、産業上の利点を有する。より好ましくは、第1の付属物体の着脱装置は、第1の物体の第2面の側にある。その理由は、第1の物体の第2面と第1の付属物体とが、より段差なく連結することができるためである。そのことによって、搭乗者が違和感なく背もたれとネックレスとに体を預けることができる。誠意検討した結果、第1の付属物体の着脱装置は、第1の物体の第1面の側にある場合、第1の物体の第2面と第1の付属物体とに段差が発生するので、搭乗者が体を預ける際に違和感があった。
【0070】
第2の物体に着脱可能な第2の付属物体11を有する構成について開示する(少なくとも
図7)。これらの構成、機能又は効果は、第1の物体に着脱可能な第1の付属物体の構成についての開示内容を準用する(その際、少なくとも「第1の物体」は「第2の物体」に、「第1の付属物体」は「第2の付属物体」と読み替えることができる)。なお、より好ましくは、第2の付属物体の着脱装置は、第2の物体の第1面の側にある。その理由は、第2の物体の第1面と第2の付属物体とが、より段差なく連結することができるためである。そのことによって、搭乗者が違和感なく背もたれとネックレスとに体を預けることができる。誠意検討した結果、第2の付属物体の着脱装置は、第2の物体の第2面の側にある場合、第2の物体の第1面と第2の付属物体とに段差が発生するので、搭乗者が体を預ける際に違和感があった。
【0071】
第1の付属物体を外すことで、第1の物体が第2の物体に隣接可能に配置され、第2の付属物体を外すことで、第2の物体が第1の物体に隣接可能に配置される構成について開示する(少なくとも
図7)。第1の物体が、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に略水平に隣接する。この際、第1の付属物体が第2の物体に当たり、物理的な障害になるので、第1の物体を略水平に第2の物体に隣接することができない。第2の物体が、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の物体に略水平に隣接する。この際、第2の付属物体が第1の物体に当たり、物理的な障害になるので、第2の物体を略水平に第1の物体に隣接することができない。そのため、第1の付属物体を外すことで、第1の物体が第2の物体に隣接可能に配置できる。第2の付属物体を外すことで、第2の物体が第1の物体に隣接可能に配置できる。この構成は、本開示における椅子において、顕著な産業上の利点がある。
【0072】
誠意検討した結果、上記椅子をキャンピングカー内に特定の配置をすることで、顕著な産業上の利点があることを発見した。
【0073】
椅子を、移動体の進行方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置し、椅子が移動体の隔壁と接する(椅子と隔壁との間に付加的な特徴を形成して、椅子と隔壁とが直接接触しないようになっている実施形態を含む)、移動体について開示する(少なくとも
図8)。少なくとも1の実施形態において、移動体21は、1以上の椅子1を備える。移動体は、付加的な特徴として、付加的な機器又は構造を備える。機器の例は、ヒーター22、冷蔵庫23、バッテリー24、シンク25、換気扇26、トイレ30、縦型クーラー31、コンロ32などである。これらの機器は、他の生活家電であってもよく、他の何らかの機能を有する機器に置き換えても良い。構造の例として、収納部、トイレ、生活に必要な家具類などが挙げられる。図に例示されたこれらの機器の配置は一例に過ぎず、配置を適宜置き換えたり、別の何らかの機能を有する機器に置き換えても良い。椅子は、移動体の進行方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置する。この配置によって、搭乗者は移動体の進行方向を向いて座ることが可能になる。椅子は、移動体の隔壁29と接する。他の実施形態では、椅子は、椅子と隔壁との間に付加的な特徴を形成して、椅子と隔壁とが直接接触しないようになって、隔壁と接する。他の実施形態では、椅子は、椅子と隔壁との間に付加的な特徴を形成して、その付加的な特徴を介して、隔壁と接する。本開示において、「付加的な特徴」とは「付加的な構造体」と置き換えることができる(以下同じ)。
【0074】
少なくとも1の実施形態において、「付加的な特徴」又は「付加的な構造体」は、依命通達によりキャンピング車の構造要件として掲げられる水道設備又は炊事設備を含むことができる。すなわち、依命通達1又は2によれば、キャンピングカーの車室内には、構造上の要件を満足する居住するための各設備(就寝、炊飯、洗面)を有していることが必要である。その設備の各要件は通達で定められている。非包括的な例として、依命通達で定める特徴もしくは構造体として、水を貯蔵できるタンク、洗面台(シンク)、調理台、コンロ、換気扇、燃料タンクこれらの設備に付帯する配線・配管などである。少なくとも1の実施形態において、依命通達のいずれか1の構造上の要件を満足する設備のことを、本開示における「付加的な特徴」又は「付加的な構造体」と定義することができる。
【0075】
上記の配置によれば、椅子の電動回転体を動かすことによって、椅子の方向を移動体の進行方向に対して反対にすることができる(少なくとも
図9)。すなわち、ある椅子は、第1の物体が第2の物体に隣接し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、第2の物体が第2の物体の第1面が背板を提供する。ある椅子は、第2の物体が第1の物体に隣接し、第2の物体の第2面が第2の座面を提供し、第1の物体が第1の物体の第2面が背板を提供する。このようにして、車両の中で様々な居住空間のレイアウトを自動で提供することができる。この構成は、本開示における移動体において、顕著な産業上の利点がある。
【0076】
上記の配置によれば、椅子の電動回転体を動かすことによって、移動体の全面がクッションとなる居住空間のレイアウトを自動で提供することができる(少なくとも
図10)。すなわち、椅子の第1の物体が第2の物体に隣接し、第1の物体の第1面が第1の座面を提供し、第2の物体が第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置可能となり、第2の物体の第1面が第3の座面を提供する。移動体に備えられるすべての椅子が、上記の構成を取ることにより、移動体の全面がクッションとなる。このことにより、移動体において搭乗者が寝たり、睡眠をして休息を取ることが可能となる。さらなる利点として、搭乗者が移動体の中を椅子のクッションの上で歩き回ることができるので、移動体に別途床面を設ける必要がなくなる。このことにより、より広く椅子を配置でき(より広い居住空間を構成でき)、より多くの付加的な機器または構造を備えることができる。この構成は、本開示における移動体において、顕著な産業上の利点がある。
【0077】
上記の構成を言い換えれば、移動体の進行方向に対して直交する、前記椅子を含む1の断面において、床面が存在しない(少なくとも、
図8ないし10)。
【0078】
上記の構成を言い換えれば、移動体の進行方向に対して直交する、前記椅子を含む1の断面において、前記椅子の少なくとも一側に付加的な構造が隣接する。
【0079】
誠意検討した結果、上記椅子をキャンピングカー内に特定の配置をすることで、顕著な産業上の利点があることを発見した。
【0080】
椅子を、第1の物体と第2の物体が座面を提供した際に、前記椅子を含む1の断面において椅子が移動体の隔壁と接し(椅子と隔壁との間に付加的な特徴又は構造を形成して、椅子と隔壁とが直接接触しないようになっている実施形態を含む)、第2の物体が背もたれを提供し、第1の物体が第2の物体に隣接して座面を提供した際に、前記断面において椅子が移動体の隔壁又は付加的な特徴又は構造から離れる、移動体について開示する(少なくとも
図11、12)。椅子は、移動体の進行方向に対して電動回転体の回転軸が略並行に配置する。第1の物体が回転して第4の座面を、第2の物体が回転して第2の座面を提供した際に、前記椅子を含む1の断面において椅子が移動体の隔壁と接する(椅子と隔壁との間に付加的な特徴又は構造を形成して、椅子と隔壁とが直接接触しないようになっている実施形態を含む)。すなわち、この場合においてはその断面においては、車両の床面が消失する。
【0081】
第2の物体が背もたれを提供し、第1の物体が第2の物体に隣接して座面を提供した際に、前記断面において椅子が移動体の隔壁又は付加的な特徴又は構造から離れる。すなわち、この場合においてはその断面においては、車両の床面27が出現する。この構成は、椅子の構成の場合には、搭乗者が冷蔵庫23やトイレ30といった付加的な特徴又は構造に床面を歩いてアクセスできる利便性が提供できる。さらに、第1の物体と第2の物体が座面を提供した際には、車両に依命通達の構造要件を満たす就寝設備を提供できる産業上の利点がある。
【0082】
移動体の搭乗口に最も近い付加的な特徴又は構造に、前記椅子の電動回転体を駆動するスイッチを備える構成について開示する。第1の物体と第2の物体が座面を提供した際には、搭乗口から冷蔵庫やトイレといった付加的な特徴または構造に床面を歩いてアクセスすることができない。そのため、搭乗口に最も近い付加的な特徴又は構造に、前記椅子の電動回転体を駆動するスイッチを備える。そのスイッチを作動させることで、第2の物体が背もたれを提供し、第1の物体が第2の物体に隣接して座面を提供し、前記断面において椅子が移動体の隔壁又は付加的な特徴又は構造から離れる。そのことで移動体に床面が発生するので、搭乗者が冷蔵庫やトイレといった付加的な特徴または構造に床面を歩いてアクセスすることができる。
【0083】
以下、上記において説明した実施形態の概要について開示する。
【0084】
移動体に備える物体であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体と、
第1の物体に着脱可能な第1の付属物体と、
第2の物体に着脱可能な第2の付属物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の付属物体を外すことで、第2の物体に隣接可能に配置され、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の付属物体を外すことで、第1の物体に隣接可能に配置される
物体。
【0085】
本構成では、以下の産業上の利点がある。第1の物体と第2の物体を水平に連結した際に、依命通達の就寝設備を満たす大きさに設計するとする。この場合、第1又は第2の物体を略垂直にして背もたれとした場合、人の座高よりも短くなり、人の頭部がその物体で支えられない場合がある。そのため、ネックレストを構成する必要があり、付属物体によりネックレストの構成を付与した。この場合、付属物体により、第1又は第2の物体が水平に連結する際には、付属物体が邪魔になり水平に連結することができないので、この付属物体を着脱可能に構成した。このことにより、ネックレストを提供するとともに、依命通達を満たす就寝設備を車両に付与することができる。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。
【0086】
移動体であって、
移動体に備える国土交通省の依命通達に定めるキャンピング車の就寝設備として請求項1に記載の物体のみを採用する、
移動体。
【0087】
本構成では、以下の産業上の利点がある。
図8ないし
図12に示すように、キャンピング車の依命通達の構造要件を満たすためには、車室内に必要な構造を付与するために、構造物は効率よくレイアウトする必要がある。本構成における物体は、椅子を提供するとともに、依命通達を満たす就寝設備としても機能するため、これを構造物として車室に搭載することは、車室内の空間の効率が良くなる。そのため、移動体に備える国土交通省の依命通達に定めるキャンピング車の就寝設備としては、この物体のみを採用することで、依命通達を満たしつつ、車室の空間効率が良くなる顕著な効果がある。例えば、
図8においては、搭乗口28からバッテリー24までは床面が連続しておらず、歩いて到達することができない。しかし、物体を電動させることで、
図10に示す構成とすることができ、この場合には、人は搭乗口28からバッテリー24までは、第1又は第2の物体の水平面上を歩いて到達することができる。このように、明細書で開示する物体を1以上(必要に応じて、2、3、4つ以上)を搭載することで、車室内の空間における歩きやすさや、他の構造物へのアクセスのしやすさが格段に向上する。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。(なお、この利点は、本明細書中の他の発明の構成においても、同様に確認することができる)
【0088】
移動体であって、
請求項1に記載の物体を、
前記物体の第1の物体が、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置され、
前記物体の第2の物体が、第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置されることで、
移動体の車室のうち、第1と第2の物体の占める面積が、車室のうち床面が露出する面積の半分以上を覆う、
移動体
【0089】
本構成では、以下の産業上の利点がある。
図8ないし
図12に示すように、明細書で開示する物体を、第1又は第2の物体が水平になるように電動させることで、車室の床面が露出する面積の半分以上を覆うことができる。例えば、
図8における床面27の面積は、
図10においてその面積の半分以上は、第1と第2の物体により覆われている。例えば、
図11における床面27の面積は、
図12においてその面積の半分以上は、第1と第2の物体により覆われている。この構成により、少なくとも就寝時には、依命通達を満たす就寝設備の面積を増やすとともに、就寝時には無駄なスペースである床面が占める面積を極限まで少なくすることができる。この効果により、搭乗者の就寝の快適性が向上し、車室内の空間の利用効率が顕著に向上する。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。
【0090】
移動体であって、
請求項1に記載の物体を、
移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置し、
前記物体の少なくとも1以上が、両側が移動体の隔壁又は国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備のいずれか1以上に接する、
移動体。
【0091】
本構成では、以下の産業上の利点がある。
図8ないし
図10に示すように、移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置する。前記物体の少なくとも1以上が、両側が移動体の隔壁又は国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備のいずれか1以上に接する。この構成は、依命通達で定める就寝設備と、水道設備又は炊事設備を近接させることで、車室内のデッドスペースを極力減らすことができ、搭乗者にとっては空間が広く使える。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。この構成は、「前記物体の少なくとも1以上」を「前記物体の少なくとも2以上」、「前記物体のすべて」と置き換えても良い。この構成は、「両側」を「少なくとも片側」と置き換えても良い。このように置き換えても、同様の産業上の効果を奏する。
【0092】
移動体であって、
請求項1に記載の物体を、
移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略並行に配置し、
前記物体の少なくとも1以上が、少なくとも片則に国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備に接する、
移動体。
【0093】
本構成では、以下の産業上の利点がある。
図11ないし
図12に示すように、移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略並行に配置する。前記物体の少なくとも1以上が、少なくとも片則に国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備に接する。この構成は、依命通達で定める就寝設備と、水道設備又は炊事設備を近接させることで、車室内のデッドスペースを極力減らすことができ、搭乗者にとっては空間が広く使える。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。この構成は、「前記物体の少なくとも1以上」を「前記物体の少なくとも2以上」、「前記物体のすべて」と置き換えても良い。この構成は、「片側」を「両側」と置き換えても良い。このように置き換えても、同様の産業上の効果を奏する。
【0094】
移動体であって、
請求項1に記載の物体を、
移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略並行に配置し、
請求項1に記載の物体を、
前記物体の第1の物体が、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置され、
前記物体の第2の物体が、第1の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車体に対して略水平に配置された際、
前記物体が、国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備のいずれか2以上に接する、
移動体。
【0095】
本構成では、以下の産業上の利点がある。
図11ないし
図12に示すように、移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略並行に配置する。上記の通り配置した際、前記物体が、国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備のいずれか2以上に接する。この構成は、依命通達で定める就寝設備と、水道設備又は炊事設備を近接させることで、車室内のデッドスペースを極力減らすことができ、搭乗者にとっては空間が広く使える。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。この構成は、「前記物体の少なくとも1以上」を「前記物体の少なくとも2以上」、「前記物体のすべて」と置き換えても良い。この構成は、「片側」を「両側」と置き換えても良い。このように置き換えても、同様の産業上の効果を奏する。
【0096】
移動体の搭乗口に隣接する国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備又は隔壁に、前記物体の電動回転体を駆動するスイッチを備える、
移動体。
【0097】
本構成では、以下の産業上の利点がある。
図11ないし
図12に示す。例えば、
図12の状態で、搭乗者が搭乗口28からトイレ30に行くためには、床面27から物体1の上を跨いで行かなければいけない。それでは、やや不便であるから、搭乗口28に隣接する依命通達に定める水道設備又は炊事設備又は隔壁(図においてはコンロ28。なお、コンロは例示に過ぎない)に、前記物体の電動回転体を駆動するスイッチを備える。このことで、搭乗者は、搭乗口28からスイッチ9を押し(
図12)、物体1を回転させて床面27を作り(
図11)、できた床面27を通ってトイレ30に歩いていける。このように、スイッチが上記の場所にあることは、明細書で開示した物体1を搭載した移動体においては、搭乗者の搭乗時の利便性を格段に向上させる。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。
【0098】
本明細書のいずれかに記載の以下の文言について、以下の解釈が可能である。「移動体に備える椅子」の記載は、「移動体に備える物体」に置き換えることができる。「椅子」は「物体」に置き換えることができる。「国土交通省」の記載は、日本の国土交通省を含むが、世界中の1の国における日本の国土交通省と同等の官庁の意味を含むものとし、キャンピング車の構成要件を定める1の官庁を含むものとする。「床面」とは、車室内を上方から観察した際に、国土交通省の依命通達に定める就寝設備又は水道設備又は炊事設備、運転席部、が占めない面である。「床面」とは、
図8又は
図12が示すグレースケールの部分を参考に解釈でき、車室内を上方から観察した際に、国土交通省の依命通達に定める就寝設備又は水道設備又は炊事設備、運転席部、その他人が足で乗らない部分、が占めない面である。「車室」とは、隔壁で外気から隔てられた車両内側の空間である。
【0099】
依命通達の内容は、以下の通りである。
1 次の各号に掲げる要件を満足する就寝設備を車室内に有すること。 (1) 就寝設備の数 乗車定員の3分の1以上(端数は切り捨てることとし、乗車定員2人以下の自動車にあっては1人以上)の 大人用就寝設備を有すること。 この場合において、大人用就寝設備を少なくとも1人 分以上有している場合は、子供用就寝設備2人分をもって大人用就寝設備1人分と見なすことができる。 (2) 大人用の構造及び寸法 ア 就寝部位の上面は水平かつ平らである等、大人が十 分に就寝できる構造であること。 イ 就寝部位は1人につき長さ1.8m以上、かつ、幅0.5m 以上の連続した平面を有すること。 ウ 1人当たりの就寝部位毎に、就寝部位の上面から上 方に0.5m以上の空間を有すること。ただし、就寝部位 の一方の短辺から就寝部位の長手方向に0.9mまでの範 囲にあっては、0.3m以上の空間があればよい。 (3) 子供用就寝設備の構造及び寸法 (2)の要件は、子供用就寝設備について準用する。この 場合において、(2)イ中「1.8m」とあるのは「1.5m」と、 「0.5m」とあるのは「0.4m」と、(2)ウ中「0.5m」とある のは「0.4m」と、「0.9m」とあるのは「0.8m」と読み替 えるものとする。 (4) 就寝設備と座席の兼用 就寝設備は、乗車装置の座席と兼用でないこと。 ただし、就寝設備及び乗車装置の座席が次の各号のす べての要件を満足する場合は、就寝設備と乗車装置の座 席を兼用とすることができる。 ア 乗車装置の座席の座面及び背あて部が就寝設備にな ることを前提に製作されたものであること。 イ 乗車装置の座席の座面及び背あて部を就寝設備とし て使用する状態にした場合に、就寝設備の上面全体が 連続した平面を作るものであること。 (5) 格納式、折りたたみ式及び脱着式の就寝設備は、これ を展開又は拡張した状態で(2)又は(3)の要件を満足する こと。
2 次の各号に掲げる要件を満足する水道設備及び炊事設備 を有すること。 (1) 水道設備 水道設備とは、次の各号に掲げる要件を満足するもの をいう。 ア 10リットル以上の水を貯蔵できるタンク及び洗面台 等(水を溜めることができる設備をいう。以下同 じ。)を有し、タンクから洗面台等に水を供給できる 構造機能を有していること。イ 10リットル以上の排水を貯蔵できるタンクを有して いること。 ウ 洗面台等は、車室内において容易に使用することが できる位置(洗面台等に正対して使用でき、洗面台等 と利用者の間に他の設備等がなく、かつ、洗面台等を 利用するための床面がその他の床面との間に著しい段 差を有していないことをいう。)にあること。 エ 洗面台等を利用するための床面から上方には有効高 さ1,600mm(洗面台等の上端(蛇口、レバー及び浄水器 等、水を供給する構造を除く。)が、これを利用する ための床面から上方に850mm以下の場合にあっては 1,200mm)以上の空間を有していること。 (2) 炊事設備 炊事設備とは、次の各号に掲げる要件を満足するもの をいう。 ア 調理台等調理に使用する場所は0.3m以上×0.2m以上 の平面を有すること。 イ コンロ等により炊事を行うことができること。 ウ 火気等熱量を発生する場所の付近は、発生した熱量 により火災を生じない等十分な耐熱性・耐火性を有 し、その付近の窓又は換気扇等により必要な換気が行 えること。 エ コンロ等に燃料を供給するためのLPガス容器等の 常設の燃料タンクを備えるものにあっては、燃料タン クの設置場所は車室内と隔壁で仕切られ、かつ、車外 との通気が十分確保されていること。 オ エの燃料タンクは、衝突等により衝撃を受けた場合 に、損傷を受けるおそれの少ない場所に取り付けられ ていること。 カ コンロ等に燃料を供給するための燃料配管は振動等 により損傷を生じないように確実に取り付けられ、損 傷を受けるおそれのある部分は適当なおおいで保護さ れていること。 キ 調理台等は、車室内において容易に使用することが できる位置(調理台・コンロ等に正対して使用でき、 調理台・コンロ等と利用者の間に他の設備等がなく、 かつ、調理台・コンロ等を利用するための床面がその 他の床面との間に著しい段差を有していないことをい う。)にあること。 ク 調理台等を利用するための床面から上方には有効高 さ1,600mm(調理台等の上面が、これを利用するための 床面から上方に850mm以下の場合にあっては1,200mm) 以上の空間を有していること。 (3) 水道設備及び炊事設備の設置方法 水道設備のうちの水タンク、炊事設備のうちの常設の 燃料タンクその他これらの設備に付帯する配線・配管に ついては、床下等に配置しても差し支えない。また、水 道設備のうちの水タンク及び炊事設備の設置場所が他の 部位と明確に区別ができる等専用の設置場所を有する場合には、取り外すことができる構造のものでもよい。 3 水道設備の洗面台等及び炊事設備の調理台・コンロ等並 びにこれらの設備を利用するための場所の床面への投影面 積は、0.5平方m以上あること。 4 「特種な設備の占有する面積」について、次のとおり取 り扱うものとする。 (1) 車室内の他の設備と隔壁により区分された専用の場所 に設けられた浴室設備及びトイレ設備の占める面積は、 「特種な設備の占有する面積」に加えることができる。 (2) 車室内が明らかに二層構造(注)である自動車(キャ ンプ時において屋根部を拡張させることにより車室内が 二層構造となる自動車を含む。)の上層部分に就寝設備 を有する場合には、用途区分通達4-1-3 まる3の「運転 者席を除く客室の床面積及び物品積載設備並びに特種な 設備の占有する面積の合計面積」に当該就寝設備の占め る面積を加える場合に限り、「特種な設備の占有する面 積」に当該就寝設備の占める面積を加えることができる ものとする。 (3) 1(4)ただし書きの規定により、就寝設備と乗車装置の 座席を兼用とする場合には、当該就寝設備のうちの乗車 装置の座席と兼用される部分の2分の1は、「特種な設 備の占有する面積」とみなすことができる。 (4) 1(5)に規定する格納式及び折りたたみ式の就寝設備で あって、当該設備を展開又は拡張した部分の基準面への 投影面積と乗車装置の座席の基準面への投影面積が重複 する場合、その重複する面積の2分の1は、「特種な設 備の占有する面積」とみなすことができる。 5 構造要件に規定されない任意の設備(乗車設備以外の座 席(道路運送車両の保安基準の適用を受けない座席をい う。)及びテーブルに限る。)は、その他の面積とし、そ の基準面への投影面積と1(5)に規定する格納式及び折りた たみ式の就寝設備を展開又は拡張した部分の基準面への投 影面積が重複する場合にあっては、用途区分通達4-1- 3 まる3の「運転者席を除く客室の床面積及び物品積載設備並 びに特種な設備の占有する面積の合計面積」に当該就寝設 備の重複する部分を加える場合に限り、「特種な設備の占 有する面積」に当該就寝設備の重複する部分の2分の1を 加えることができるものとする。 6 脱着式の設備は、走行中の振動等により移動することが ないよう所定の場所に確実に収納又は固縛することができ るものであること。 また、専用の収納場所を有する場合にあっては、「特種 な設備の占有する面積」に当該収納場所の占める面積を、 脱着式の設備を当該格納場所に格納する面積を上限とし て、加えることができるものとする。 7 物品積載設備を有していないこと。
【0100】
本開示に係る発明は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。さらに、各開示内容の全部又は一部を、他の開示内容の構成に繋げたり、置き換えることができる。
【0101】
移動体に備える物体であって、前記電動回転体を駆動する駆動機械が、第1又は第2の物体に隣接して設置され、前記駆動機械が、前記電動回転体の駆動に合わせて移動する、物体について開示する(少なくとも
図13)。すでに説明したとおり、駆動機械は、第1の物体が第2の物体に隣接した際の第1の物体の位置の下方に配置することができる。一方で、鋭意検討した結果、駆動機械を第1又は第2の物体に隣接して設置することもできる。この構成では、第1又は第2の物体と駆動機械34とをクッション35で覆うことができる。この構成により、少なくとも、第1の物体の位置の下方は空間が空くことになるので、移動体の収納スペースとして活用できるという、優れた産業上の利点がある。さらに、駆動機械と電動回転体との距離を最短にできる構成なので、物体の電気回路をより小さい空間内で構成することができ、又は、電気回路の断線などの故障のリスクが減るという、産業上の利点がある。さらに、駆動機械を、第1又は第2の物体とともにクッションで覆う事ができるので、搭乗者から駆動機械が見え、又は触れられることがないから、より安全で、美観の優れた移動体を提供できるという、産業上の利点がある。
【0102】
上記の構成における実施形態の例は、以下のとおりである。第1の物体の端部に隣接するように、第1の電動回転体の動力である第1の駆動機械を設置する。第1の駆動機械は、第1の電動回転体を回転させる指令を受け取り、第1の電動回転体を第1又は第2の回転方向に回転させる。この時、第1の駆動機械は、第1の電動回転体の回転によって回転する第1の物体に随伴して回転(又は移動)することになる。
【0103】
少なくとも1の実施形態において、第2の物体の端部に隣接するように、第2の電動回転体の動力である第2の駆動機械を設置する。第2の駆動機械は、第2の電動回転体を回転させる指令を受け取り、第2の電動回転体を第1又は第2の回転方向に回転させる。この時、第2の駆動機械は、第2の電動回転体の回転によって回転する第2の物体に随伴して回転(又は移動)することになる。
【0104】
少なくとも1の実施形態において、第2の物体の端部に隣接するように、第2の電動回転体の動力である第2の駆動機械を設置する。第2の駆動機械は、第2の電動回転体を回転させる指令を受け取り、第2の電動回転体を第1又は第2の回転方向に回転させる。この時、第2の駆動機械は、第2の電動回転体の回転によって回転する第2の物体に随伴して回転(又は移動)することになる。
【0105】
少なくとも1の実施形態において、クッションとは、第1又は第2の物体、駆動機械又は電動回転体の外部を覆い、国土交通省の道路運送車両の保安基準第22条における「座席は、安全に着席できるもの」の基準を満たす覆う物体をさす(少なくとも
図14)。クッションは、ある程度柔らかい素材であり、搭乗者が安全に着席する事ができる素材である。本構成においては、上記の物体又は機械類が覆われるので、保安基準を満たすことになる。逆に、同保安基準を満たす就寝設備または座席であれば、その就寝設備または座席の外部を覆う物体は、少なくとも本明細書における「クッション」に相当すると判断する。
【0106】
少なくとも1の実施形態において、駆動機械の設置場所を示す。駆動機械34は、回転軸4又は回転軸に動力を伝達する動力伝達手段(例として、ギアシャフト、アルミのギアシャフト、双方を繋ぐワイヤー、又はこれらに準ずるいずれか1を含む)を有する。動力伝達手段は、駆動機械と回転軸との間の付加的な特徴として作用してもよく、その付加的な特徴に動力を伝える手段であっても良い。駆動機械は、第1の物体を動かすための第1の駆動機械を1以上有する。少なくとも1の実施形態において、駆動機械を3つ有する場合、第1の物体に隣接して3つ有する。これらはクッション等に隠れて外部からは見えない。駆動機械は第1の物体の両端部及び中央部に設置される。これらの構造により、駆動機械は等間隔で回転軸に隣接する。この構造によって、駆動機械の動力が等しく回転軸に伝わるから、最大の動力を得られる産業上の利点がある。他の実施形態では、駆動機械は第1の物体の下方に設置する。この場合も、駆動機械の回転軸の両端部及び中央部に設置される。これらの構造により、駆動機械は等間隔で回転軸に隣接するので、駆動機械の動力が等しく回転軸に伝わるから、最大の動力を得られる。
【0107】
少なくとも1の実施形態において、駆動機械を2つ有する場合、第1の物体に隣接して2つ有する。これらはクッション等に隠れて外部からは見えない。駆動機械は、シャフト36へ動力を伝え、シャフトが回転軸4へ動力を伝える。駆動機械の作用について、このように、駆動機械と回転軸4が直接接触するように形成されている実施形態とともに、駆動機械と回転軸との間に付加的な特徴を形成して、駆動機械と回転軸とが直接接触しないようになっている実施形態を含んで良い(本明細書全体において同じ)。駆動機械は第1の物体の両端部に設置される。これらの構造により、駆動機械は回転軸の両端部に隣接する。この構造によって、駆動機械の動力が等しく回転軸に伝わるから、最大の動力を得られる産業上の利点がある。他の実施形態では、駆動機械は第1の物体に隣接して設置されるが、クッションで覆われていない。駆動機械は、回転軸の両端外側部(又は両端外部)に隣接し、必要に応じて第1の物体の外縁部に接着される。この実施形態が明らかにする通り、本開示の効果を発揮するためには、駆動機械は必ずしもクッションに覆われている必要はない。他の実施形態では、駆動機械は、回転軸の両端外側部(又は両端外部)に隣接し、第1の物体の下方に位置し、必要に応じてフレーム37に接着される。この構造によって、駆動機械は回転軸の両端部に隣接し、駆動機械の動力が等しく回転軸に伝わるから、最大の動力を得られる産業上の利点がある。
【0108】
少なくとも1の実施形態において、駆動機械を1つ有する場合、第1の物体に隣接して1つ有する。1つの物体に対して駆動機械が1つである場合、設計がシンプルになるという産業上の利点がある。1つの物体に対して駆動機械が2以上に増えると、動力の合計が増えるので各々の駆動機械を小さくすることができる。このことで、駆動機械を第1の物体に隣接又は第1の物体の内部に配置しやすくなるという、産業上の利点を有する。少なくとも1の実施形態において、「第1の電動回転体を駆動する駆動機械が、第1の物体に隣接して設置され、駆動機械が第1の電動回転体の回転に随伴して移動する」とは、第1の物体を観察又は解体した時に、少なくとも1以上の駆動機械が、第1の物体に隣接して設置され、駆動機械が第1の電動回転体の回転に随伴して移動可能であれば、この構成を少なくとも満たすものと判断する。駆動装置の数は1つでも、複数でも上記の構成を満たすものと判断する。
【0109】
上記の実施形態群において、「第1の物体」に関する説明は「第2の物体」に関する説明に置き換える事ができる。すなわち、第2の物体を動かすための第2の駆動機械の実施形態は、第1の物体を動かすための第1の駆動機械の実施形態の1を任意に採用する事ができる。当然、第1の駆動機械の実施形態と、第2の駆動機械の実施形態が同じであっても良いし、それぞれが異なっていても良い。
【0110】
以下の実施形態について開示する(少なくとも
図15)。
移動体に備える物体であって、
第1の電動回転体に連動する第1の物体と、
第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、
第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、
第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、
第1の物体と第2の物体は、それぞれの電動回転体部で隣接する、
物体。
【0111】
第1又は第2の物体は、すでに説明したいずれか1の方法で実施できる。少なくとも1の実施形態において、第1の物体は、第1の電動回転体の回転に連動して回転(又は移動)する。第1の電動回転体は、第1の回転方向と、第1の回転方向とは逆の回転方向である第2の回転方向に回転する事ができる。第1の物体は、第1の電動回転体の回転に連動して、車両の床面に対して略水平に配置可能であり、第1の回転方向によって第1の水平配置が可能であり、第2の回転方向によって第2の水平配置が可能である(以上、第2の物体と第2の電動回転体においても同じ)。
【0112】
電動回転体は、物体の土台部でもあるフレームに隣接するように配置されている。第1の物体と第2の物体は、それぞれの電動回転体部で隣接する。少なくとも1の実施形態によれば、
第1の電動回転体および第2の電動回転体が直接接触するように形成されている実施形態とともに、第1の電動回転体と第2の電動回転体との間にクッションなどの付加的な特徴を形成して、第1の電動回転体と第2の電動回転体とが直接接触しないようになっている実施形態を含んで良い。電動回転体部とは、電動回転体又は電動回転体に付加的な特徴を形成した隣接部分を含む。この構成によって、第1及び第2の物体が略水平に配置された際に、第1及び第2の物体が連続した平面を構成するので、依命通達の定める「就寝設備の上面全体が連続した平面を作る」という要件を満たす事ができるという、産業上の利点を有する。
【0113】
少なくとも1の実施形態において、第1の物体が第2の物体よりも長い(少なくとも
図16)。この非対称的な構成により、第1の物体が床面に対して略垂直に位置する際に、第1の物体は背当て及び搭乗者の頭部を支えるネックレストの機能を発揮する。第2の物体は、床面に対して略水平に位置し、座面の機能を発揮する。すなわち、人間の骨盤から頭蓋骨までの長さは、大腿骨の長さよりも長いので、第1又は第2の物体に長さの差を与えることで、人体にとって最適な座席を提供でき、かつ、これを水平に展開した際には就寝設備も提供できる点が、本開示の極めて大きい産業上の利点の一つである。この段落における「長さ」とは、第1及び第2の物体を床面に対して略水平に配置し、移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置した際の車両の矢状方向における長さであり、この長さが第1の物体が第2の物体よりも長い場合は、本構成を少なくとも満たすものと判断する。
【0114】
少なくとも1の実施形態において、第1又は第2の物体に着脱可能な付属物体を備える(少なくとも
図17)。付属物体の実施形態については、本明細書の別の段落において十分に説明をしている。この構成により、少なくともネックレストの機能を付加する事ができ、産業上の利点を有する。
【0115】
以下の実施形態について開示する。(少なくとも
図18)
上記物体を、
移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置し、
矢状方向に対して第2の物体が前方に配置される、
移動体。
【0116】
少なくとも1の実施形態において、少なくとも1の上記物体を、移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置する。その際、矢状方向に対して第2の物体が前方に配置されるように配置する。この構成によって、第1の物体が背当てになり、第2の物体が座面になるので、移動体の進行方向を向く座面を提供できる。このことで、物体を移動体走行時の座席として提供できる産業上の利点がある。
【0117】
少なくとも1の実施形態において、物体が移動体の矢状方向に移動できる移動装置を有する(少なくとも
図18ないし21)。一例として、移動体に、移動体の矢状方向に物体を移動させるレールを有する。移動体は、移動体の矢状方向に並行又は矢状方向に伸びるレールを有する。レールは1本または複数の実施形態を含む。好ましくは2本のレールを有する。物体は、レール上を移動可能に連結する連結部(一例として車輪)によってレール上を移動できる。もしくは、移動体はスライドレールとしてアウターレールを床面に備え、物体はインナーレールに連結しており、アウターレールとインナーレールのスライドによって物体が移動できても良い。スライドレールの種類は、ローラータイプやベアリングタイプを含む。他にも、物体が車輪を有しており、直接移動体の床面を矢状方向に移動できる実施形態を含む。物体が移動体の矢状方向に移動できる何らかの構造または装置があれば、それを移動装置と認定する。少なくとも1の実施形態において、「物体が移動体の矢状方向に移動できる移動装置」は、手動で行う実施形態と、電動で行う実施形態とを含む。手動で行う場合は、レールや上記のとおりの連結部を一例とした構造物の1又は全てが、少なくともこの「移動装置」に相当すると認定する。搭乗者は物体を押してレール上を移動させる。もちろん、物体を電動で移動する移動動力を含む構成としても良い。その場合、移動は電動で行う事ができる。すなわち、連結部(一例として)車輪は、電動で動く動力と接続されており、スイッチや無線といった指令を動力が受信すると、動力が働いて車輪が回転する。もしくは、スライドレールが電動で動く動力と接続されており、スイッチや無線といった指令を動力が受信すると、動力が働いてアウターレールもしくはインナーレールがスライドによる運動を行う。これらの実施形態によって、搭乗者が重い物体を動かす事なく、自動で移動体内のレイアウトを自在に設計できる産業上の利点がある。この場合、レールや上記のとおりの連結部を一例とした構造物に加え、物体を電動で動かす電動動力の1又は全てが、少なくともこの「移動装置」に相当すると認定する。
【0118】
少なくとも1の実施形態において、物体が、移動体の矢状方向における全長の半分以上の長さを矢状方向に移動できる移動装置を有する(少なくとも
図18ないし21)。一例として、レールは移動体の矢状方向における長さの半分以上の長さを有する。より好ましくは、移動体の運転座席部以外の床面において、移動体の矢状方向で可能な限り長いレールを有する。この構成によれば、物体の第1又は第2の物体を床面に対して垂直に配置し、かつ物体を矢状方向における一端部に移動させれば、移動体内において、広い床面のスペースを得る事ができる。このスペースを移動体の後方に設ければ積荷の空間を確保する事ができる。このスペースを移動体の前方に設ければ、搭乗口からの積荷の空間を確保する事ができる。本構成は、これらの類まれな産業上の利点を発揮する。
【0119】
少なくとも1の実施形態において、移動体に上記物体を2以上設ける際に、すべての上記物体を矢状方向に対して第2の物体が前方に配置されるように配置する。この構成によって、第1の物体が背当てになり、第2の物体が座面になるので、移動体の進行方向を向く座面を提供できる。別の実施形態において、移動体に上記物体を2以上設ける際に、少なくとも1の物体を矢状方向に対して第1の物体が前方に配置されるように配置してもよい。この場合、搭乗者が相対する座席を提供する事ができる。
【0120】
以下の実施形態について開示する。
上記物体を2以上設け、
移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置し、
前記物体の第1の物体が、車両の床面に対して略水平に配置に配置され、
前記物体の第2の物体が、車両の床面に対して略水平に配置に配置されるとき、
1の物体の第1の物体が、1の物体の第2の物体に隣接する、
移動体。
【0121】
少なくとも1の実施形態において、前記物体の第1の物体が、車両の床面に対して略水平に配置に配置され、前記物体の第2の物体が、車両の床面に対して略水平に配置されることで、物体が就寝設備を提供することができる。移動体に2以上の物体を設け、それぞれの物体を略水平に配置する。それぞれの第1及び第2の物体を略水平に配置すると、1の物体の第1の物体が1の物体の第2の物体に隣接するように、上記物体を2以上移動体に設ける。もしくは、上記物体を2以上移動体に設け、それぞれの物体がレールで矢状方向に移動可能になるように配置し、レールで移動させることで、1の物体の第1の物体が1の物体の第2の物体に隣接するように構成しても良い。これらの構成によって、「就寝設備の上面全体が 連続した平面を作るもの」という依命通達の要件を満たせるので、産業上の利点がある。搭乗者は、物体を1つだけ移動体に設ける場合に比べれば、より広い就寝設備を得る事ができるので、搭乗者が移動体の中で就寝をする快適性が向上する。
【0122】
以下の実施形態について開示する。(少なくとも
図18ないし21)
移動体であって、
前記物体を、
前記物体の第1の物体が、車両の床面に対して略水平に配置に配置され、
前記物体の第2の物体が、車両の床面に対して略水平に配置に配置されることで、
移動体の車室のうち、第1と第2の物体の占める面積が、車室のうち床面が露出する面積の半分以上を覆う、
移動体
【0123】
この詳細や産業上の利点は、本明細書の別の段落で詳述した同様の記載の通りである。例えば、
図21においては、第1または第2の物体が車両の床面に対して垂直に配置されているので、床面が露出する面積が大きい。第1または第2の物体が略水平に配置に配置されることで、移動体の車室のうち、第1と第2の物体の占める面積が、車室のうち床面が露出する面積の半分以上を覆うことになる。このことで、就寝設備の面積が大きく増えるので、搭乗者が快適に就寝できるという産業上の利点がある。この構成を作るために、1以上の物体を移動体に搭載する。その構成は、2または3以上の物体を移動体に搭載する形態を含む。
【0124】
以下の実施形態について開示する。(少なくとも
図18ないし21)
移動体であって、
前記物体を、
移動体の矢状方向に対して電動回転体の回転軸が略直交するように配置し、
前記物体の少なくとも1以上が、両側が移動体の隔壁又は国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備のいずれか1以上に接する、
移動体。
【0125】
この詳細や産業上の利点は、本明細書の別の段落で詳述した同様の記載の通りである。例えば、
図18においては、物体の少なくとも1以上が、両側が移動体の隔壁又は国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備のいずれか1以上に接している。この構成は、依命通達で定める就寝設備と、水道設備又は炊事設備を近接させることで、車室内のデッドスペースを極力減らすことができ、搭乗者にとっては空間が広く使える。この構成は、従来見たことのない構成であるとともに、従来の技術では発揮し得ない利点がある。この構成は、「前記物体の少なくとも1以上」を「前記物体の少なくとも2以上」、「前記物体のすべて」と置き換えても良い。この構成は、「片側」を「両側」と置き換えても良い。このように置き換えても、同様の産業上の効果を奏する。
【0126】
以下の実施形態について開示する。(少なくとも
図18、
図20)
移動体の搭乗口に隣接する国土交通省の依命通達に定める水道設備又は炊事設備又は隔壁に、前記物体の電動回転体を駆動又は前記物体を移動体の矢状方向に移動するスイッチを備える、
移動体。
【0127】
この詳細や産業上の利点は、本明細書の別の段落で詳述した同様の記載の通りである。例えば、
図18に示すとおり、第1の物体と第2の物体が座面を提供した際には、搭乗口からバッテリーなどの付加的な特徴または構造に床面を歩いてアクセスすることができない。そのため、搭乗口に最も近い付加的な特徴又は構造に、前記椅子の電動回転体を駆動又は前記物体を移動体の矢状方向に移動するスイッチを備える。そのスイッチを作動させることで、第1又は第2の物体は床面に垂直に位置し、かつ移動体の矢状方向に対して片側に電動で移動する(
図19ないし21)。このことにより、そのことで移動体に床面が発生するので、搭乗者がバッテリーといった付加的な特徴または構造に床面を歩いてアクセスすることができる。さらには、電動で床面を増やすことにより、その床面を積載スペース(又は収納部、収納スペース、居住スペース)として利用する事ができる。そのような積載スペースを、搭乗口前にボタンを押すことで自動で作る事ができるという、産業上の利点がある。
【0128】
本開示において、移動装置は、本開示に説明されるいずれか1以上の物体又は移動体に備える物体に適用できる。
【符号の説明】
【0129】
1 物体
2 第1の電動回転体
3 第2の電動回転体
4 回転軸
5 第1のフレーム
6 第2のフレーム
7 第1の物体
8 第2の物体
9 スイッチ
10 第1の付属物体
11 第2の付属物体
12 第1の座面
13 第2の座面
14 第1の物体の第1面
15 第1の物体の第2面
16 第2の物体の第1面
17 第2の物体の第2面
18 第3の座面
19 第4の座面
20 着脱装置
21 移動体
22 ヒーター
23 冷蔵庫
24 バッテリー
25 シンク
26 換気扇
27 床面
28 搭乗口
29 隔壁
30 トイレ
31 縦型クーラー
32 コンロ
33 矢状方向
34 駆動機械
35 クッション
36 レール
37 フレーム
【要約】 (修正有)
【課題】居住快適性を備えるキャンピングカーに備えられる椅子を提供する。
【解決手段】キャンピングカーに備えられる椅子であって、第1の電動回転体に連動する第1の物体と、第2の電動回転体に連動する第2の物体とを有し、第1の物体は、第1の回転方向による第1の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第2の物体に隣接可能に配置され、第2の物体は、第1の回転方向とは逆である第2の回転方向による第2の電動回転体の回転に連動して回転運動し、第1の物体に隣接可能に配置される。
【選択図】
図1