(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】金属多孔体栽培培地及び栽培容器
(51)【国際特許分類】
A01G 24/10 20180101AFI20250109BHJP
A01G 24/42 20180101ALI20250109BHJP
A01G 9/02 20180101ALI20250109BHJP
【FI】
A01G24/10
A01G24/42 ZAB
A01G9/02 A
(21)【出願番号】P 2021006113
(22)【出願日】2021-01-19
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】521027559
【氏名又は名称】土井 一矢
(74)【代理人】
【識別番号】100132964
【氏名又は名称】信末 孝之
(74)【代理人】
【識別番号】100074055
【氏名又は名称】三原 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】土井 一矢
(72)【発明者】
【氏名】小畠 玲子
(72)【発明者】
【氏名】吉賀 ちひろ
(72)【発明者】
【氏名】若松 海燕
(72)【発明者】
【氏名】田口 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 剛
(72)【発明者】
【氏名】森川 英彦
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-239898(JP,A)
【文献】国際公開第2020/117062(WO,A1)
【文献】特開2002-305961(JP,A)
【文献】実開昭50-083235(JP,U)
【文献】特開2017-209328(JP,A)
【文献】実開平06-005430(JP,U)
【文献】特開2010-130939(JP,A)
【文献】国際公開第2015/075465(WO,A2)
【文献】特開2020-146671(JP,A)
【文献】特開2012-093059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 2/00- 2/38
A01G 5/00- 7/06
A01G 9/28
A01G 17/00-17/02
A01G 17/18
A01G 20/00-22/67
A01G 24/00-24/60
A01G 9/00- 9/08
A01G3 1/00-31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均孔径が0.5mm以上2mm以下で、空孔率が65%以上98%以下のスポンジ状金属多孔体からなる金属多孔体栽培培地
であって、
前記スポンジ状金属多孔体がチタン、チタン合金及びコバルトクロム合金のいずれか1つであることを特徴とする金属多孔体栽培培地。
【請求項2】
前記スポンジ状金属多孔体の表面にアルカリ処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載の金属多孔体栽培培地。
【請求項3】
前記スポンジ状金属多孔体の上面に種子を保持するための凹部を有することを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の金属多孔体栽培培地。
【請求項4】
前記凹部の下部に落下防止部を有することを特徴とする請求項
3に記載の金属多孔体栽培培地。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つに記載の金属多孔体栽培培地を収容した栽培容器であって、
前記金属多孔体栽培培地が見えるように側面が透明であることを特徴とする栽培容器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つに記載の金属多孔体栽培培地を収容した栽培容器であって、
側面に前記金属多孔体栽培培地を取り出すための切り欠き部を有することを特徴とする栽培容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の栽培培地及び栽培容器に関するものであり、詳細には栽培培地として金属多孔体を用いた金属多孔体栽培培地及び栽培容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物は土壌栽培や養液栽培により栽培されるが、主に屋外での栽培となる土壌栽培は天候や自然災害の影響を受けやすいことや、水量や養分の管理が困難であることなどから、安定した生産計画や規格に不安がある。また、屋内栽培で土壌を用いる場合は、広大な土地面積の確保や土の機器迷入といった問題がある。
【0003】
そのため近年では、スマート農業分野での都市型農園など、土壌を用いない養液栽培が広く普及し始めている。養液栽培は、固形培地栽培と水耕栽培に大別される。このうち固形培地栽培は、培地を用いる栽培様式で、植物の根が伸展できるよう網目状構造を持つ脱脂綿や樹脂材料が使用される。固形培地栽培による屋内栽培は、季節や天候に左右されることが少なく、虫や病害などの外的要因による被害を受けにくい。
【0004】
固形栽培培地としては、様々な材料が提案されている。例えば特許文献1には、乾式パルプ不織布を使用したスプラウト栽培シートに関する発明が記載されている。また特許文献2には、ロックウールを使用した育苗用培地に関する発明が記載されている。
【0005】
一方、腫瘍や外傷などにより広範囲の顎骨欠損が生じると審美的および機能的な問題が生じるため、骨再建材料を用いる顎骨再建療法が行われている。こうした再建材料として、特許文献4には、骨形成に適した連通多孔構造をもつチタン多孔体を使用した骨再建部材に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-6868号公報
【文献】特開2001-37326号公報
【文献】特開2017-209328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、網目状構造を持つ脱脂綿や樹脂材料、パルプ不織布、ロックウールといった従来の栽培培地は、使い捨てであり繰り返し使用ができない。そのため、継続的な廃棄材の排出による環境問題への影響が懸念され、消費型社会から持続・循環型社会へと目指す世界のなかでその使用には問題が残されている。
【0008】
本発明は、骨再建材料として使用されるチタン多孔体を含む金属多孔体を植物育成分野に展開することにより上記従来の課題を解決するものであり、繰り返し利用可能で植物の育成にも適した金属多孔体栽培培地及び栽培容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明者らは、骨再建材料として使用されるチタン多孔体を含む金属多孔体の開発技術を利用し、植物育成に適した平均孔径及び空孔率などの構造を検討することにより、繰り返し利用可能で植物の育成にも適した金属多孔体栽培培地の発明に至ったものである。
【0010】
本発明の金属多孔体栽培培地は、平均孔径が0.5mm以上2mm以下で、空孔率が65%以上98%以下のスポンジ状金属多孔体からなる。
【0011】
また好ましくは、前記スポンジ状金属多孔体の上面に種子を保持するための凹部を有することを特徴とする。
【0012】
また好ましくは、前記凹部の下部に落下防止部を有することを特徴とする。
【0013】
また好ましくは、前記スポンジ状金属多孔体がチタン、チタン合金及びコバルトクロム合金のいずれか1つであって、表面にアルカリ処理がなされていることを特徴とする。
【0014】
また本発明の栽培容器は、本発明の金属多孔体栽培培地を収容した栽培容器であって、前記金属多孔体栽培培地が見えるように側面が透明であることを特徴とする。
【0015】
また本発明の栽培容器は、本発明の金属多孔体栽培培地を収容した栽培容器であって、側面に前記金属多孔体栽培培地を取り出すための切り欠き部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の金属多孔体栽培培地は、スポンジ状金属多孔体からなるため、従来の栽培培地と比べて強度的に優れており、使用後に洗浄することで繰り返し利用が可能である。また、平均孔径を0.5mm以上2mm以下とし、空孔率を65%以上98%以下とすることにより、根が栽培培地に入り込みやすく植物が栽培培地から離脱しにくくなるとともに、栽培培地に配置した種子が空孔内に入り込んで水中に落ち込みにくく、種子の発芽・伸展に効果的である。
【0017】
また、スポンジ状金属多孔体の上面に種子を保持するための凹部を有する場合には、栽培培地に配置した種子が発芽するまで凹部で保持することにより、種子が水に浮いてしまい栽培培地から離脱してしまうのを防止することができる。
【0018】
また、凹部の下部に落下防止部を有する場合には、凹部に配置した種子が空孔内に入り込んで水中に落ち込むのを確実に防止することができる。
【0019】
また、スポンジ状金属多孔体がチタン、チタン合金及びコバルトクロム合金のいずれか1つであって、表面にアルカリ処理がなされている場合には、植物育成促進効果が得られる可能性がある。
【0020】
また、本発明の栽培容器は、本発明の金属多孔体栽培培地を収容した栽培容器であって、金属多孔体栽培培地が見えるように側面が透明であるので、栽培培地に入り込んだ根の部分が可視化されて発育状態の観察が可能となり、また観賞用としての視覚効果が期待できる。
【0021】
また、本発明の栽培容器は、本発明の金属多孔体栽培培地を収容した栽培容器であって、側面に金属多孔体栽培培地を取り出すための切り欠き部を有するので、栽培培地の洗浄や移し替えの作業が容易である。
【0022】
このように、本発明の金属多孔体栽培培地及び栽培容器は、繰り返し利用可能で植物の育成にも適したものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態1に係る金属多孔体栽培培地を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態2に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器を示す(A)斜視図、(B)a-a断面図である。
【
図3】本発明の実施形態3に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器を示す(A)斜視図、(B)b-b断面図である。
【
図4】本発明の実施形態4に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態5に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態6に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、
図1乃至
図6を参照して、本発明の実施形態に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器について説明する。
【0025】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る金属多孔体栽培培地10を示す斜視図である。
図1(A)に示すように、金属多孔体栽培培地10はスポンジ状金属多孔体11からなるものである。そして、
図1(B)に示すように、上面に種子1を配置して発芽させ、根をスポンジ状金属多孔体11の内部に入り込ませて植物を育成する。種子1を発芽させるために、スポンジ状金属多孔体11は、適当な大きさ、形状の栽培容器に収容されて容器内に入れた水に浸される。
【0026】
スポンジ状金属多孔体11の金属材料としては、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼などの耐腐食性を持つものが好ましく、特にチタン、チタン合金、コバルトクロム合金が好ましい。
【0027】
特にチタンやチタン合金は、大気中で酸化膜を形成し防錆性に優れ、軽量であるが水より比重が高いため水中での繰り返し利用が可能である。また高い生体親和性があり毒性がなく、イオン溶出しにくいといった特徴から水質汚染の問題がない。
【0028】
スポンジ状金属多孔体11の製造方法としては、焼結やレーザー溶接による方法があるが、任意の形態や空孔率を高い精度で付与することは困難である。また、3Dプリンターによる方法もあるが、一個あたりの製作時間が長くなるなどの問題がある。これに対して、以下のような「樹脂基材含浸焼結法」と呼ばれる方法があり、スポンジ状金属多孔体11の製造方法として好ましい。以下、チタンを材料とした場合について説明する。
【0029】
まず、イソプロピルアルコールなどからなるバインダにチタン粉末を混ぜてチタン粉末含有スラリーを形成する。このチタンスラリーに樹脂基材を浸漬し取り出し乾燥させることで、基材空隙部に侵入していたチタンスラリーを排出し,網目構造の骨格表面にのみ残留させる。次に,真空炉において600℃に加熱し、樹脂基材やバインダを除去する。これにより基材表面に存在していたチタン粒子同士がそのままの位置に配置された状態で結合し、樹脂基材表面とほぼ同じ網目構造が形成される。その後1300℃にて焼成することで隣接するチタン粉末同士が拡散接合し、チタン粉末によって形成された網目構造の骨格を有するチタン多孔体が完成する。この製造方法により、任意の形態および空孔率の樹脂基材をもとに、ほぼ相似する金属多孔体に置換することができる。
【0030】
スポンジ状金属多孔体11の平均孔径及び空孔率について説明する。平均孔径及び空孔率は、種子1の発芽及び発芽後の生育に大きな影響を及ぼすものである。平均孔径が小さすぎると、根が空孔内に入り込みにくく植物が栽培培地から離脱しやすくなる。反対に平均孔径が大きすぎると、栽培培地に配置した種子1が空孔内に入り込んで水中に落ち込んでしまい生育が妨げられてしまう。同様に空孔率が小さすぎると、根が空孔内に入り込みにくく植物が栽培培地から離脱しやすくなる。反対に空孔率が大きすぎると、種子1の落下の可能性が高くなるのに加え、強度が低下する恐れがある。
【0031】
そのため、スポンジ状金属多孔体11の平均孔径は、0.5mm以上2mm以下が好ましく、0.5mm以上1.5mm以下がより好ましく、0.75mm以上1.25mm以下がさらに好ましい。また、スポンジ状金属多孔体11の空孔率は、65%以上98%以下が好ましく、75%以上95%以下がより好ましく、80%以上90%以下がさらに好ましい。
【0032】
また、スポンジ状金属多孔体11の表面にアルカリ処理を施すことが好ましい。特に、金属材料としてチタン、チタン合金及びコバルトクロム合金のいずれか1つを用いた場合に、アルカリ処理を行うことにより表面性状を改質することが好ましい。スポンジ状金属多孔体11は多孔構造であるため内部まで均一な処理が難しいが、内部まで処理が可能である化学的処理として、水酸化ナトリウム水溶液によるアルカリ処理が可能である。
【0033】
アルカリ処理された金属多孔体の例として、アルカリ処理されたチタン多孔体を歯科インプラントや人工関節材料などに使用した場合に、生体活性作用により骨形成を促進することが認められる。従って、植物栽培においても表面改質処理を行った金属多孔体を栽培培地に用いることで、植物育成促進効果が得られる可能性がある。
【0034】
実施形態1に係る発明の金属多孔体栽培培地10は、スポンジ状金属多孔体11からなるため、従来の栽培培地と比べて強度的に優れており、使用後に洗浄することで繰り返し利用が可能である。また、平均孔径を0.5mm以上2mm以下とし、空孔率を65%以上98%以下とすることにより、根が栽培培地に入り込みやすく植物が栽培培地から離脱しにくくなるとともに、栽培培地に配置した種子が空孔内に入り込んで水中に落ち込みにくく、種子の発芽・伸展に効果的である。
【0035】
また、スポンジ状金属多孔体11がチタン、チタン合金及びコバルトクロム合金のいずれか1つであって、表面にアルカリ処理がなされている場合には、植物育成促進効果が得られる可能性がある。
【0036】
以下に説明する実施形態2-6において、各スポンジ状金属多孔体の材料、製造方法、平均孔径及び空孔率は、実施形態1に係るスポンジ状金属多孔体11と同様であり、その作用効果についても同様である。
【0037】
(実施形態2)
図2は、実施形態2に係る金属多孔体栽培培地20及び栽培容器2を示す(A)斜視図、(B)a-a断面図である。金属多孔体栽培培地20は、スポンジ状金属多孔体21からなり、栽培容器2に収容されている。スポンジ状金属多孔体21の上面には、凹部22が形成されている。凹部22は、配置される種子1を保持して栽培培地から離脱してしまうのを防止するためのものである。すなわち、スポンジ状金属多孔体21の上面に凹部22が形成されておらず、そのまま種子1を配置した場合には、種子1を発芽させるために種子1が浸るように栽培容器2に水を入れてしまうと、種子1が水に浮いて栽培培地から離脱してしまう。これに対して、凹部22に種子1を配置すれば、種子1が水に浸されても凹部22に留まり、栽培培地から離脱することがない。なお、凹部22の大きさ及び深さは、配置する種子1に応じて適宜設定することができる。
【0038】
実施形態2に係る金属多孔体栽培培地20は、スポンジ状金属多孔体21の上面に種子1を保持するための凹部22を有しているので、栽培培地に配置した種子1が発芽するまで凹部22で保持することにより、種子1が水に浮いてしまい栽培培地から離脱してしまうのを防止することができる。
【0039】
(実施形態3)
図3は、実施形態3に係る金属多孔体栽培培地30及び栽培容器3を示す(A)斜視図、(B)b-b断面図である。金属多孔体栽培培地30は、スポンジ状金属多孔体31からなり、栽培容器3に収容されている。スポンジ状金属多孔体31の上面には、3列の凹部32,32,32が形成されている。凹部32,32,32は、実施形態2における凹部22と同様に、配置される種子1を保持して栽培培地から離脱してしまうのを防止するためのものであり、その作用効果も同様である。
【0040】
(実施形態4)
図4は、実施形態4に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器を示す断面図である。
図4(A)は、実施形態2に係る金属多孔体栽培培地20のスポンジ状金属多孔体21の上面に形成された凹部22の下部に落下防止部23を設けたものである。また、
図4(B)は、実施形態3に係る金属多孔体栽培培地30のスポンジ状金属多孔体31の上面に形成された凹部32,32,32の下部に落下防止部33,33,33を設けたものである。
【0041】
落下防止部23,33は、凹部22,32に配置した種子1が空孔内に入り込んで水中に落ち込むのを防止するためのものである。前述したように、平均孔径及び空孔率を好ましい値に設定することにより、種子1を空孔内に入り込みにくくすることが可能であるが、落下防止部23,33を設けることにより、確実に防止することができる。
【0042】
落下防止部23,33の形成方法としては、凹部22,32の下部に別部材を取り付けることもできるが、前述した「樹脂基材含浸焼結法」において、スポンジ状金属多孔体21,31の凹部22,32の下部の密度を周辺よりも緻密にすることにより、落下防止部23,33として形成することができる。
【0043】
金属多孔体栽培培地20,30は、凹部22,32の下部に落下防止部23,33を有しているので、凹部22,32に配置した種子1が空孔内に入り込んで水中に落ち込むのを確実に防止することができる。
【0044】
(実施形態5)
図5は、実施形態5に係る金属多孔体栽培培地40及び栽培容器4を示す斜視図である。金属多孔体栽培培地40は、スポンジ状金属多孔体41からなり、栽培容器4に収容されている。スポンジ状金属多孔体41には植物5が植えられており、植物5の根6がスポンジ状金属多孔体41の内部に根付いている。栽培容器4の側面は透明であり、植物5の根6が外側から視認できるようになっている。栽培容器4の側面には、ガラスやアクリル樹脂を用いることができる。
【0045】
栽培容器4は、金属多孔体栽培培地40を収容した栽培容器であって、金属多孔体栽培培地40が見えるように側面が透明であるので、栽培培地に入り込んだ根6の部分が可視化されて発育状態の観察が可能となり、また観賞用としての視覚効果が期待できる。
【0046】
(実施形態6)
図6は、実施形態6に係る金属多孔体栽培培地30及び栽培容器3を示す斜視図である。栽培容器3の側面には、切り欠き部34,34が設けられている。切り欠き部34,34を設けることにより、収容された金属多孔体栽培培地30の上部側面が出現し、切り欠き部34,34から出現した上部側面に指を掛けて金属多孔体栽培培地30を取り出すことができるようになっている。
【0047】
栽培容器3は、金属多孔体栽培培地30を収容した栽培容器であって、側面に金属多孔体栽培培地30を取り出すための切り欠き部34,34を有するので、栽培培地の洗浄や移し替えの作業が容易である。
【0048】
このように、実施形態1-6に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器は、繰り返し利用可能で植物の育成にも適したものである。
【0049】
以上、本発明の実施形態に係る金属多孔体栽培培地及び栽培容器について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0050】
例えば、本発明の金属多孔体栽培培地は、水中での植物植生、都市空間に設置される人工池での植物植生、観賞魚水槽での水質低下を抑制できる水草植生といった緑化促進や趣向性などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 種子
2 栽培容器
3 栽培容器
4 栽培容器
5 植物
6 根
10 金属多孔体栽培培地
11 スポンジ状金属多孔体
20 金属多孔体栽培培地
21 スポンジ状金属多孔体
22 凹部
23 落下防止部
30 金属多孔体栽培培地
31 スポンジ状金属多孔体
32 凹部
33 落下防止部
34 切り欠き部
40 金属多孔体栽培培地
41 スポンジ状金属多孔体