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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】物品の収容構造、及び、収容ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20250109BHJP
   B65D 21/02 20060101ALI20250109BHJP
   B65D 43/04 20060101ALI20250109BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65D6/18 D
B65D21/02
B65D43/04
B65D51/24
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021132136
(22)【出願日】2021-08-16
(65)【公開番号】P2023026784
(43)【公開日】2023-03-01
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】山内 寿敏
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-177904(JP,A)
【文献】特開2014-040249(JP,A)
【文献】米国特許第05662223(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0014310(US,A1)
【文献】特開2014-201319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
B65D 21/02
B65D 43/04
B65D 51/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状をなす底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部に沿って上方に立設される起立姿勢とすることが可能な側壁部とを具備する複数の容器と、
複数の前記容器を水平方向において並べて設置することにより構成される容器集合体をまとめて覆うようにして被せられる蓋部材とを備える物品の収容構造において、
前記蓋部材は、前記容器集合体に対して被せられた場合に、当該容器集合体を構成する各前記容器の前記側壁部の内面に対してそれぞれ当接、又は、近接して配置可能なガタ止め突起を備え、
前記容器の前記側壁部は、前記底壁構成部の相対する一対の第1側辺部に沿ってそれぞれ前記起立姿勢とされる一対の第1側壁部と、前記底壁構成部の前記第1側辺部とは異なる相対する一対の第2側辺部に沿ってそれぞれ前記起立姿勢とされる一対の第2側壁部とを備えるとともに、前記起立姿勢とされた前記第1側壁部と、前記起立姿勢とされた前記第2側壁部との間の相対変位を規制する規制手段を備え、
前記側壁部の上辺部には、上方に開口し、前記容器の内外方向に貫通する側壁凹部が設けられ、
前記蓋部材が前記容器集合体に被せられた場合に、前記側壁凹部に対して、当該側壁凹部が設けられた前記側壁部の厚み方向において当該側壁部の厚みよりも長い前記ガタ止め突起である特定ガタ止め突起が挿入可能に構成されていることを特徴とする物品の収容構造。
【請求項2】
前記側壁凹部は、前記第1側壁部と、前記第2側壁部とに亘って設けられ、前記側壁凹部の内底面が、前記第1側壁部と、前記第2側壁部とにより構成され
前記側壁凹部の内側面は、当該側壁凹部が上方に向けて次第に幅が広くなるように傾斜して延在していることを特徴とする請求項1に記載の物品の収容構造。
【請求項3】
前記側壁部は、前記起立姿勢と、前記底壁構成部の中央部側に倒される折畳姿勢とに姿勢変位可能に構成され、前記容器は、全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とすることが可能に構成され、
前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方は、その内面の側辺部から前記容器の内方側に突出し、前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち他方の外面側に対して前記容器の内外方向において重なる重複部を備え、
前記重複部には係止部が設けられ、
前記他方には、前記係止部に対して前記他方の厚み方向において略凹凸嵌合して係止状態とされる被係止部が設けられ、
前記規制手段は、前記重複部、前記他方のうち前記重複部に対向する部位、前記係止部、及び、前記被係止部により構成され、
前記側壁凹部は、前記他方のうち前記重複部と重なる部位と、前記重複部とを含む範囲において、前記側壁凹部の内底面の少なくとも一部が、前記他方のうち前記重複部と重なる部位と、前記重複部とにより構成されるようにして設けられるとともに、前記他方により構成される前記側壁凹部の内底面と、前記重複部により構成される前記側壁凹部の内面とが略同一平面上に設けられ、
前記係止部、及び、前記被係止部は、前記側壁凹部の鉛直方向下方領域に少なくとも一部が配置されるようにして設けられ
前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方は、側壁上辺突部を備え、
前記側壁上辺突部は、前記規制手段が連結されている側端部にまで延設されており、
前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方の前記側壁上辺突部のうち前記側壁凹部の内側面を画定する部位は、その他の部位に比べ、厚肉とされていることを特徴とする請求項2に記載の物品の収容構造。
【請求項4】
上記請求項1乃至3のいずれかに記載の前記容器集合体、及び、前記蓋部材と、
前記容器集合体を載置可能な平面視略矩形状のパレットとを具備する収容ユニットにおいて、
前記パレットは、少なくとも相対する一対の側面に対応してフォークを具備するリフト手段のフォークを差込み可能なフォーク差込み部を備え、
前記パレットのうち前記フォーク差込み部が設けられた側面の横幅を3等分した場合の中央の領域である中央領域において、前記容器集合体を構成する少なくとも1つの前記容器の前記側壁凹部が配置され、当該側壁凹部に前記特定ガタ止め突起が挿入されていることを特徴とする収容ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の容器と蓋部材とを具備する物品の収容構造、及び、収容ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、上方に開口した略四角箱状の容器に物品を収容し、当該容器をパレットに対して水平方向に複数並べて載置するとともに、パレットに載置された複数の容器をまとめて覆うようにして蓋部材を被せることで物品の収容ユニットとして構成し、運搬等することが知られている。また、当該収容ユニットを運搬等する際に、容器と蓋部材とが水平方向において相対変位してしまうことを防止するべく、蓋部材から下方に突出し、パレットに載置された各容器の内壁面の4隅部にそれぞれ当接、又は、近接するガタ止め突起を設けるといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-177904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記収容ユニットの容器として、例えば、平面視略矩形状をなす底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と底壁構成部の中央部側に倒される折畳姿勢とに姿勢変化可能に構成された側壁部とを備える可変形状の容器を適用する場合、収容ユニットを運搬等する際に、蓋部材の所定のガタ止め突起が容器の内壁面の隅部に接触(衝突・圧接)して、側壁部同士の連結状態が解除されてしまう等の不具合を招くことが懸念される。
【0005】
本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、ガタ止め突起を具備する蓋部材を複数の容器に対して好適に被せることのできる物品の収容構造、及び、収容ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.平面視略矩形状をなす底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部に沿って上方に立設される起立姿勢とすることが可能な側壁部とを具備する複数の容器と、
複数の前記容器を水平方向において並べて設置することにより構成される容器集合体をまとめて覆うようにして被せられる蓋部材とを備える物品の収容構造において、
前記蓋部材は、前記容器集合体に対して被せられた場合に、当該容器集合体を構成する各前記容器の前記側壁部の内面に対してそれぞれ当接、又は、近接して配置可能なガタ止め突起を備え、
前記容器の前記側壁部は、前記底壁構成部の相対する一対の第1側辺部に沿ってそれぞれ前記起立姿勢とされる一対の第1側壁部と、前記底壁構成部の前記第1側辺部とは異なる相対する一対の第2側辺部に沿ってそれぞれ前記起立姿勢とされる一対の第2側壁部とを備えるとともに、前記起立姿勢とされた前記第1側壁部と、前記起立姿勢とされた前記第2側壁部との間の相対変位を規制する規制手段を備え、
前記側壁部の上辺部には、上方に開口し、前記容器の内外方向に貫通する側壁凹部が設けられ、
前記蓋部材が前記容器集合体に被せられた場合に、前記側壁凹部に対して、当該側壁凹部が設けられた前記側壁部の厚み方向において当該側壁部の厚みよりも長い前記ガタ止め突起である特定ガタ止め突起が挿入可能に構成されていることを特徴とする物品の収容構造。
【0008】
手段1によれば、蓋部材にガタ止め突起が設けられることで、複数の容器と、蓋部材との間の水平方向における相対変位を抑止することができる。さらに、側壁凹部が特定ガタ止め突起に挿入される構成に関しては、当該側壁凹部が設けられた側壁部の厚み方向において当該側壁部と、特定ガタ止め突起(蓋部材)との間の相対変位が許容される。つまり、側壁凹部が設けられた側壁部の厚み方向において、特定ガタ止め突起と、側壁部との間の干渉が回避され、結果として、特定ガタ止め突起と、側壁部との間の衝突や圧接が抑制される。従って、特定ガタ止め突起と、側壁部とが衝突、圧接する等して、(ガタ止め突起と側壁部とに対して瞬間的に比較的大きな力が作用し)規制手段による規制状態が解除されてしまうといった事態を防止するとともに、特定ガタ止め突起、及び、側壁部(規制手段)の損傷等を抑止することができる。また、このような構成により、ガタ止め突起を設けることで、容器集合体と蓋部材との間の相対変位を防止する効果が高いものの、ガタ止め突起の側壁部への接触等に起因する不具合も発生し易いといった箇所(容器の隅部等)にも特定ガタ止め突起を配置することができる。さらに、特定ガタ止め突起を省略する場合に比べ、特定ガタ止め突起により側壁凹部が設けられた側壁部の横幅方向における相対変位を防止することができる。その上、特定ガタ止め突起が側壁凹部の内底面や内側面に接触し得るような構成においては、側壁凹部が設けられた側壁部の厚み方向において、蓋部材と、容器とが相対変位した場合に、特定ガタ止め突起が側壁凹部に摺接する際の摩擦力により前記相対変位の勢いが抑制され、その後、その他のガタ止め突起が側壁部と接触する場合の衝撃を緩和することができる。
【0009】
特に、物品を収容した複数の容器(容器集合体)をパレット等の載置手段に載置するとともに、容器集合体に対して蓋部材を覆い被せることで物品の収容ユニットを形成し、さらに、当該収容ユニット同士を積み重ねて運搬等する場合には、下段の収容ユニットにおいて、容器集合体に対し蓋部材から略水平方向に比較的大きな力が作用することも考えられる。このような使用状況において、容器の側壁部(側壁凹部が設けられた側壁部)と、蓋部材のガタ止め突起(特定ガタ止め突起)との間の干渉が抑制されることで、規制手段による規制状態の解除を防止しつつ、特定ガタ止め突起、及び、側壁部の損傷等を防止するといった作用効果がより顕著に奏される。さらに、容器集合体が載置された載置手段の載置面が部分的に変形して傾く等している場合、所定の容器のうち当該変形が生じた箇所に載置されている部位に関しては、ガタ止め突起と、側壁部とが衝突・圧接した場合の影響が比較的大きくなることが懸念される。この点、容器のうち載置面の変形が生じ易い箇所に載置される部位に、側壁凹部、及び、特定ガタ止め突起が配置されるように構成することで、かかる懸念を抑止することができる。尚、収容ユニットとして、ガタ止め突起の他に、パレット、容器、及び、蓋部材の相対変位を防止する相対変位防止手段を備えることとしてもよい。例えば、収容ユニットに結束バンドを掛けることで、側壁凹部が設けられた側壁部の厚み方向における蓋部材と、容器集合体との間の相対変位を比較的柔軟に防止することができる。
【0010】
また、蓋部材が被せられる容器集合体を構成する容器を大きさや形状の異なる別の容器とする場合に、所定の容器に合わせて形成されたガタ止め突起が別の容器の側壁部の上辺部に接触する等して蓋部材を被せられない(蓋部材についても別途用意しなければならない)ことが考えられる。この点、別の容器に側壁凹部を設けることにより、所定の側壁部の上方に交差して配置されるガタ止め突起(特定ガタ止め突起)の容器の内側空間への挿入を許容し、蓋部材を被せることが可能となる。このため、複数種類の容器に対して被せる蓋部材の共通化を図ることができ、利便性の向上、及び、省資源化等を図ることができる。
【0011】
手段2.前記側壁凹部は、前記第1側壁部と、前記第2側壁部とに亘って設けられ、前記側壁凹部の内底面が、前記第1側壁部と、前記第2側壁部とにより構成され
前記側壁凹部の内側面は、当該側壁凹部が上方に向けて次第に幅が広くなるように傾斜して延在していることを特徴とする手段1に記載の物品の収容構造。
【0012】
手段2によれば、蓋部材の特定ガタ止め突起が側壁凹部の内底面に圧接する等した場合に、当該特定ガタ止め突起から受ける力を、第1側壁部と第2側壁部とに好適に分散させることができる。従って、容器の損傷等を防止することができる。
【0013】
手段3.前記側壁部は、前記起立姿勢と、前記底壁構成部の中央部側に倒される折畳姿勢とに姿勢変位可能に構成され、前記容器は、全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とすることが可能に構成され、
前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方は、その内面の側辺部から前記容器の内方側に突出し、前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち他方の外面側に対して前記容器の内外方向において重なる重複部を備え、
前記重複部には係止部が設けられ、
前記他方には、前記係止部に対して前記他方の厚み方向において略凹凸嵌合して係止状態とされる被係止部が設けられ、
前記規制手段は、前記重複部、前記他方のうち前記重複部に対向する部位、前記係止部、及び、前記被係止部により構成され、
前記側壁凹部は、前記他方のうち前記重複部と重なる部位と、前記重複部とを含む範囲において、前記側壁凹部の内底面の少なくとも一部が、前記他方のうち前記重複部と重なる部位と、前記重複部とにより構成されるようにして設けられるとともに、前記他方により構成される前記側壁凹部の内底面と、前記重複部により構成される前記側壁凹部の内面とが略同一平面上に設けられ、
前記係止部、及び、前記被係止部は、前記側壁凹部の鉛直方向下方領域に少なくとも一部が配置されるようにして設けられ
前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方は、側壁上辺突部を備え、
前記側壁上辺突部は、前記規制手段が連結されている側端部にまで延設されており、
前記第1側壁部、及び、前記第2側壁部のうち一方の前記側壁上辺突部のうち前記側壁凹部の内側面を画定する部位は、その他の部位に比べ、厚肉とされていることを特徴とする手段2に記載の物品の収容構造。
【0014】
例えば、特定ガタ止め突起が側壁凹部の内底面に圧接した場合に、第1側壁部、及び、第2側壁部の片方にだけ力が作用する構成とした場合、当該片方に変形が生じてしまうと、係止部、及び、被係止部のうち一方が他方に対して相対変位し、係止状態が解除されたり、係止部、及び、被係止部が損傷・変形したりすることが懸念される。これに対し、手段3によれば、特定ガタ止め突起が側壁凹部の内底面に圧接した場合に、第1側壁部、及び、第2側壁部の両方に力が作用することとなり、第1側壁部、及び、第2側壁部の両方に若干の変形が生じたとしても、係止部、及び、被係止部のそれぞれが同様に変位することで、係止部、及び、被係止部の間の相対変位が抑制される。従って、係止部、及び、被係止部の係止状態の安定化を図るとともに、係止部、及び、被係止部の損傷等を防止することができる。
【0015】
手段4.上記手段1乃至3のいずれかに記載の前記容器集合体、及び、前記蓋部材と、
前記容器集合体を載置可能な平面視略矩形状のパレットとを具備する収容ユニットにおいて、
前記パレットは、少なくとも相対する一対の側面に対応してフォークを具備するリフト手段のフォークを差込み可能なフォーク差込み部を備え、
前記パレットのうち前記フォーク差込み部が設けられた側面の横幅を3等分した場合の中央の領域である中央領域において、前記容器集合体を構成する少なくとも1つの前記容器の前記側壁凹部が配置され、当該側壁凹部に前記特定ガタ止め突起が挿入されていることを特徴とする収容ユニット。
【0016】
フォーク差込み部のうち中央領域に対応する部位は、比較的撓み易く、変形が生じるおそれがある。当該中央領域に容器の規制手段が配置されるとともに、当該規制手段の近傍部位にガタ止め突起が配置される場合、収容ユニットの運搬等に際してガタ止め突起が規制手段の近傍部位に接触してしまうと、規制手段に対して変形、回動させるような力が比較的大きく加わることが懸念される。これにより、規制手段による規制状態が解除されたり、側壁部(規制手段)が損傷したりすることが懸念される。
【0017】
この点、手段4によれば、パレットの中央領域に側壁凹部を配置することで、ガタ止め突起と側壁部との干渉をより効果的に回避することができ、規制手段による規制状態の解除を回避しつつ、規制手段の損傷等を抑制するといった作用効果がより顕著に奏される。尚、パレットの4側面にフォーク差込み部が設けられる構成においては、パレットの長手幅を3等分した場合の中央の領域を中央領域とすることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】収容ユニットを積み重ねた状態を示す斜視図である。
図2】収容ユニットを構成する容器(組立容器集合体)、パレット、及び、蓋部材を示す分解斜視図である。
図3】組立状態にある容器の斜視図である。
図4】折畳状態にある容器を積み重ねた状態を示す斜視図である。
図5】容器の隅部(長辺側側壁部と短辺側側壁部との連結部位)を示す部分拡大斜視図である。
図6】長辺側側壁部と短辺側側壁部との連結部位を示す部分拡大分解斜視図である。
図7】長辺側側壁部と短辺側側壁部との連結部位を示す部分拡大分解斜視図である。
図8】蓋部材の下面側の斜視図である。
図9】組立容器集合体に蓋部材を被せた状態を示す部分拡大斜視図である。
図10】ガタ止め突起と、容器(側壁部)との位置関係等を示す収容ユニットの水平断面図である。
図11】収容ユニットの一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図12】側壁凹部(機能側壁凹部)と、ガタ止め突起(特定ガタ止め突起)との位置関係等を示す収容ユニットの部分拡大断面図である。
図13】収容ユニットの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1図2に示すように、収容ユニット1は、上方に開口する略四角箱状の容器2と、複数の容器2が載置される平面視略矩形状のパレット3と、パレット3に載置された複数の容器2をまとめて覆うようにして被せられる蓋部材4とを備えている。
【0020】
図3図4に示すように、容器2は、略矩形板状をなす底壁部12と、底壁部12の各長辺部に沿って底壁部12からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部13と、底壁部12の各短辺部に沿って底壁部12からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部14とを具備する平面視略矩形状をなす底壁構成部11を備えている。さらに、容器2は、各長辺側土台部13に対してそれぞれ回動変位可能に連結された長辺側側壁部15と、各短辺側土台部14に対してそれぞれ回動変位可能に連結された短辺側側壁部16とを備えている。尚、本実施形態の容器2は、ポリプロピレンによって構成されている。また、長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16のうち一方が第1側壁部に相当し、他方が第2側壁部に相当する。
【0021】
長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16は、それぞれ長辺側土台部13、及び、短辺側土台部14の上方に立設される起立姿勢と、底壁部12の中央部側に倒され、当該底壁部12と略平行して延在する折畳姿勢との間を回動変位可能に構成されている。このため、容器2に物品を収容する場合には、全ての長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16が起立姿勢とされた組立状態とし、容器2を保管等する場合には、全ての長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16が折畳姿勢とされた折畳状態とし、省スペース化等を図ることが可能に構成されている。
【0022】
また、本実施形態では、長辺側土台部13の底壁部12からの突出長は、短辺側土台部14の底壁部12からの突出長よりも長くなっており、長辺側側壁部15を回動可能に支持するための長辺側軸受部17の形成位置も、短辺側側壁部16を回動可能に支持するための短辺側軸受部18の形成位置よりも上方に位置している。さらに、各短辺側土台部14は、相対する一対の長辺側土台部13の内面同士を連結するようにして設けられており、長辺側側壁部15の横幅は、底壁構成部11の長手幅とほぼ同じに構成される一方で、短辺側側壁部16の横幅は、一対の長辺側土台部13間の距離とほぼ同じに構成されている。
【0023】
このため、本実施形態では、組立状態にある容器2を折畳状態とする場合には、一対の短辺側側壁部16を先に折畳姿勢としてから、長辺側側壁部15を折畳姿勢へと変位させる構成となっている。容器2の折畳状態では、折畳姿勢とされた短辺側側壁部16が底壁部12の上方に重なるとともに、折畳姿勢とされた長辺側側壁部15が短辺側側壁部16の上方に重なるようになっている。加えて、本実施形態では、折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部16は、両方とも底壁部12の上面に当接して支持され、折畳姿勢とされた一対の長辺側側壁部15は、それぞれ折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部16に当接して、互いに同じ高さ位置で支持されるように構成されている。また、長辺側土台部13の上辺部(上面)は、折畳姿勢にある長辺側側壁部15よりも上方に位置している。
【0024】
図3図5図7に示すように、長辺側側壁部15には、内面の両側辺部から容器2の内方側に突出する重複部としての規制壁部21が設けられている。規制壁部21は、容器2が組立状態とされた場合に、短辺側側壁部16の外面側に対して容器2の内外方向において重なるように構成されている。さらに、規制壁部21には、長辺側側壁部15の横幅方向に貫通する係止部としての挿入孔部22が設けられている。加えて、長辺側側壁部15には、規制壁部21のうち長辺側側壁部15の横幅方向中央部側の面に連結され、短辺側側壁部16の横幅方向中央部側に開口する略四角筒状のロック係止部23(図7参照)が設けられている。
【0025】
これに対し、短辺側側壁部16の外面の両側部には、短辺側側壁部16の外面側の厚みを省略するようにして構成され、容器2の組立状態において長辺側側壁部15の規制壁部21と略当接する被規制壁部24と、被規制壁部24の外面から容器2の外方側に突出し、容器2が組立状態とされた場合に、規制壁部21の挿入孔部22に挿入される(挿入孔部22に対して略凹凸嵌合して係止状態とされる)被係止部としての挿入突部25とが設けられている。当該構成により、長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16の容器2の外方側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部15と、短辺側側壁部16との間の上下方向における相対変位が規制されるようになっている。
【0026】
さらに、短辺側側壁部16の外面側には、短辺側側壁部16の内側への傾倒変位を防止する、ひいては、容器2の組立状態を維持するためのロック機構26(図3参照)が設けられている。ロック機構26は、容器2の組立状態において、長辺側側壁部15のロック係止部23に挿入されて係止状態とされる突出位置と、ロック係止部23から抜け出して係止状態が解除される退避位置とに変位可能に構成される左右一対のスライド片27と、左右一対のスライド片27を一度に退避位置へと変位させる操作を可能とする操作部28とを備えている。尚、本実施形態では、規制壁部21、被規制壁部24、挿入孔部22、挿入突部25、ロック機構26、及び、ロック係止部23により、長辺側側壁部15と短辺側側壁部16との間の相対変位を規制する(長辺側側壁部15と短辺側側壁部16とを連結して容器2の組立状態を維持する)規制手段が構成される。
【0027】
尚、図1に示すように、容器2は、組立状態にある(物品を収容した)容器2同士を、水平方向における位置ずれを防止しつつ、上下に積み重ねる(スタッキングする)ことができるように構成されている。また、図4に示すように、容器2は、折畳状態にあっても、容器2同士を、水平方向における位置ずれを防止しつつ、上下に積み重ねる(スタッキングする)ことができるように構成されている。
【0028】
加えて、図3等に示すように、長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16の上辺部は、容器2の外方側に位置する部位が一段低く構成されている。これにより、各長辺側側壁部15、及び、各短辺側側壁部16は、当該長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16の上辺部のうち容器2の内方側の部位から上方に突出し、それぞれ長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16の横幅方向に沿って延在する側壁上辺突部29を備える格好となっている。
【0029】
また、図3図9に示すように、底壁部12は、容器2の内底面を構成する略矩形板状の底板部31と、底板部31の外周縁に隣接して設けられ、組立状態にある容器2をスタッキングした場合に、下側の容器2の長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16の上辺部(側壁上辺突部29)に当接して支持される(上面側において長辺側土台部13、及び、短辺側土台部14が形成されている部位である)外周対応部32と、底板部31の下面から下方に突出する支持部33とを備えている。支持部33は、底板部31から下方に突出するリブが下面視で格子状に設けられることにより構成されている。
【0030】
さらに、底壁部12は、支持部33との間に隙間が形成されるようにして外周対応部32から下方に突出する底壁側辺突部34を備えている。底壁側辺突部34の下辺部は、支持部33の下面よりも上方に位置している。そして、組立状態にある容器2をスタッキングした場合に、上側の容器2の底壁側辺突部34と、支持部33との間の隙間に、下側の容器2の側壁上辺突部29が挿入され、上側の容器2の外周対応部32の下面が、下側の容器2の側壁上辺突部29に当接して支持される。
【0031】
加えて、図4に示すように、長辺側土台部13は、長辺側土台部13の上辺部のうち容器2の内方側(土台部13、14の内周側)の部位から上方に突出し、長辺側土台部13の長手方向に沿って延在する土台上辺突部35を備えている。そして、折畳状態にある容器2をスタッキングした場合に、上側の容器2の底壁側辺突部34と、支持部33との間の隙間に、下側の容器2の土台上辺突部35が挿入され、上側の容器2の外周対応部32の下面が、下側の容器2の土台上辺突部35に当接して支持される。
【0032】
図2等に示すように、パレット3は、パレット3の四隅に設けられる4本の隅柱部41と、パレット3の側辺部に沿って並ぶ一対の隅柱部41の中間部位に設けられる中間柱部42と、パレット3の中央部に設けられる図示されない中央柱部と、隅柱部41、中間柱部42、及び、中央柱部の上端部間を連結する上デッキ部44と、隅柱部41、中間柱部42、及び、中央柱部の下端部間を連結する下デッキ部45とを備えている。加えて、各隅柱部41と中間柱部42との間には、リフト手段としてのフォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込み部46が形成されている。本実施形態では、パレット3の外周面を構成する4つの側面からフォークを差込み可能な4方差しタイプのパレットとなっている。尚、本実施形態のパレット3はポリプロピレンによって構成されている。
【0033】
また、本実施形態では、隅柱部41、中間柱部42、中央柱部、及び、上デッキ部44の上面によって物品を載置可能な「載置面47」が構成されている。さらに、隅柱部41、中間柱部42、中央柱部、及び、下デッキ部45の下面によって床面等の設置面に接地する「接地面48」が構成されている。図2に示すように、本実施形態では、パレット3の載置面47に対して3つの容器2を水平方向において互いに当接又は近接させつつ並べて設置可能となっている。すなわち、パレット3の短手幅は、容器2の短手幅の2倍とされており、パレット3の長手幅は、容器2の長手幅と、容器2の短手幅とを足した長さとなっている。そして、パレット3の一方の短側辺部に沿って底壁構成部11の短側辺部が延在するようにして2つの容器2をパレット3の短手幅方向に並べてパレット3に載置し、さらに、パレット3の他方の短側辺部に沿って底壁構成部11の長側辺部が延在するようにして1つの容器2を前記2つ並べて載置された容器2の側方に並べてパレット3に載置することとしている。本実施形態では、パレット3に対し水平方向に3つ並べて載置された組立状態の容器2に対して組立状態の容器2をもう1段ずつスタッキングして蓋部材4を被せることで、収容ユニット1を構成している。尚、載置面47において、相対変位防止手段としてのゴム製の滑り止め部材を設置する設置凹部を設けることとしてもよい。
【0034】
図1図2に示すように、蓋部材4は、平面視の外周形状(外寸)が、パレット3の平面視の外周形状(外寸)とほぼ同じ略矩形状をなしている。本実施形態の蓋部材4は、ポリプロピレンによって一体的に形成されている。また、本実施形態の蓋部材4は、上記のように水平方向において並べてパレット3に設置された上段の3つの容器2に対し、当該3つの容器2が組立状態、及び、折畳状態のどちらであっても、当該3つの容器2をまとめて覆うようにして被せられるようになっている。以下、組立状態とされて水平方向において並べて(互いに隣接して)パレット3に載置された複数の容器2のことをまとめて「組立容器集合体51(容器集合体)」と称し、折畳状態とされて水平方向において並べて(互いに隣接して)パレット3に載置された複数の容器2のことを「折畳容器集合体」と称する。
【0035】
さらに、図8図10等に示すように、蓋部材4は、組立容器集合体51に対して被せられた場合に、当該組立容器集合体51を構成する各容器2の内側にそれぞれ挿入されるとともに、側壁部15、16の内面に対してそれぞれ当接、又は、近接して配置可能なガタ止め突起53を備えている。図9に示すように、ガタ止め突起53は、蓋部材4の対象部位を、蓋部材4のうち容器2の側壁部15、16の上辺部(側壁上辺突部29)に当接して支持される部位よりも下方にまで膨出させるようにして形成されている。加えて、各ガタ止め突起53は、下方に向けて幅が次第に狭くなるように構成され、下面は略水平方向に延在している。
【0036】
尚、図10に示すように、本実施形態では、蓋部材4の複数箇所に設けられるガタ止め突起53は、蓋部材4の長手幅方向、及び、短手幅方向において対称(点対称)に配置されている。これに対し、蓋部材4が被せられる組立容器集合体51(3つの容器2)は、蓋部材4の長手幅方向において対称な配置とされていない。このため、いずれの側壁部15、16にも当接、及び、近接しないガタ止め突起53も存在することとなるが、当該ガタ止め突起53は、組立容器集合体51に被せる蓋部材4の向きが180度回転するようにして変更された場合や、パレット3に載置される容器(大きさや形状等)が変更された場合等において、対応する側壁部15、16に当接、又は、近接することとなる。
【0037】
尚、蓋部材4は、折畳容器集合体に対して被せられた場合に、蓋部材4の下面が、各容器2の長辺側土台部13の上辺部(土台上辺突部35)に当接して支持され、所定のガタ止め突起53が、各容器2の一対の長辺側土台部13の間にそれぞれ挿入されるとともに、各容器2の長辺側土台部13の内面に対してそれぞれ当接、又は、近接して配置可能に構成されている。
【0038】
さて、図3図5に示すように、短辺側側壁部16の上辺部には、上方に開口し、容器2の内外方向(短辺側側壁部16の厚み方向)に貫通する側壁凹部61が設けられている。側壁凹部61は、長辺側側壁部15の規制壁部21と、短辺側側壁部16の被規制壁部24(短辺側側壁部16の横幅方向端部を含む部位)を含む範囲において、側壁凹部61の内底面の少なくとも一部が、規制壁部21と、被規制壁部24とにより構成されるようにして設けられている。すなわち、各側壁凹部61は、長辺側側壁部15(規制壁部21)と、短辺側側壁部16(被規制壁部24)とに亘って設けられていることとなる。
【0039】
さらに、規制壁部21により構成される側壁凹部61の内底面と、被規制壁部24により構成される側壁凹部61の内面とが略水平方向に延在する略同一平面上に設けられている。図6に示すように、本実施形態では、短辺側側壁部16の上辺部のうち被規制壁部24に連接する部位にまで側壁凹部61が延在している。さらに、本実施形態の各側壁凹部61は、側壁上辺突部29の対応部位を省略するような格好で形成されており、短辺側側壁部16の側壁凹部61においては、短辺側側壁部16の上辺部のうち容器2の外方側に位置する一段低い部位が短辺側側壁部16の内面にまで拡張されるとともに、当該上辺部が被規制壁部24の上辺部と連続して延在している。
【0040】
加えて、図6図7に示すように、長辺側側壁部15の側壁上辺突部29は、長辺側側壁部15のうち規制壁部21が連結されている側端部にまで延設されている。特に、本実施形態では、長辺側側壁部15の側壁上辺突部29のうち側壁凹部61の内側面を画定する部位は、その他の部位に比べ、厚肉とされている。さらに、図5に示すように、長辺側側壁部15の側壁上辺突部29、及び、短辺側側壁部16の側壁上辺突部29により構成される側壁凹部61の内側面は、側壁凹部61が上方に向けて次第に幅が広くなるように傾斜して延在している(上端部はR面取り形状とされている)。
【0041】
また、図5に示すように、規制壁部21に設けられる挿入孔部22、及び、挿入孔部22に挿入される挿入突部25は、側壁凹部61の鉛直方向下方領域に配置されている。本実施形態では、各規制壁部21において挿入孔部22が3つずつ(各被規制壁部24において挿入突部25が3つずつ)設けられているが、いずれも側壁凹部61の鉛直方向下方領域に配置されている(各規制壁部21に設けられた3つの挿入孔部22の横幅はいずれも同じであり、当該3つの挿入孔部22は、短辺側側壁部16の横幅方向において同じ位置に設けられている)。
【0042】
また、図10に示すように、本実施形態では、パレット3の一方の短側辺部に沿って底壁構成部11の短側辺部が延在するようにしてパレット3の短手幅方向に2つ並べて設置された容器2(図10の左側2つの容器2)のパレット3の長手幅方向中央部に近い短辺側側壁部16に設けられた側壁凹部61(以下、「機能側壁凹部62」とも称する)が、パレット3の長手幅を3等分した場合の中央の領域である中央領域63に配置されている。
【0043】
そして、図9図11図13に示すように、組立容器集合体51に対して蓋部材4が被せられた場合に、前記中央領域63に配置された側壁凹部61(機能側壁凹部62)に対して、当該機能側壁凹部62が設けられた短辺側側壁部16の厚み方向において当該短辺側側壁部16の厚みよりも長いガタ止め突起53である特定ガタ止め突起64が、容器2の内外方向において当該短辺側側壁部16を貫通するようにして挿入されるように構成されている。
【0044】
尚、図示は省略するが、収容ユニット1は相対変位防止手段としての結束バンドにより結束される。つまり、パレット3の上デッキ部44の側辺部には、各フォーク差込み部46の開口部の横幅方向中央部に対応してパレット側バンド掛け部65が設けられている。さらに、蓋部材4の外周面には、蓋部材4の周方向においてパレット側バンド掛け部65と対応する位置に蓋側バンド掛け部66が設けられている。そして、パレット3に組立容器集合体51を載置して蓋部材4を被せることで構成される収容ユニット1に対し、パレット3のフォーク差込み部46と、蓋部材4の上面側とにかけて結束バンドを回して結束することとしている。
【0045】
以上詳述したように、本実施形態によれば、蓋部材4にガタ止め突起53が設けられることで、複数の容器2と、蓋部材4との間の水平方向における相対変位を抑止することができる。さらに、側壁凹部61が特定ガタ止め突起64に挿入される構成に関しては、当該側壁凹部61が設けられた短辺側側壁部16の厚み方向において当該短辺側側壁部16と、特定ガタ止め突起64(蓋部材4)との間の相対変位が許容される。つまり、側壁凹部61が設けられた短辺側側壁部16の厚み方向において、特定ガタ止め突起64と、短辺側側壁部16との間の干渉が回避され、結果として、特定ガタ止め突起64と、短辺側側壁部16との間の衝突や圧接が抑制される。従って、特定ガタ止め突起64と、短辺側側壁部16とが衝突、圧接する等して(特定ガタ止め突起64と短辺側側壁部16とに対して瞬間的に比較的大きな力が作用し)、挿入孔部22及び挿入突部25の凹凸嵌合等による長辺側側壁部15と短辺側側壁部16との連結状態(規制手段による規制状態)が解除されてしまうといった事態を防止するとともに、特定ガタ止め突起64、長辺側側壁部15、及び、短辺側側壁部16(規制壁部21、挿入孔部22、被規制壁部24、挿入突部25、及び、ロック機構26等)の損傷等を抑止することができる。また、このような構成により、ガタ止め突起53を設けることで、組立容器集合体51と蓋部材4との間の相対変位を防止する効果が高いものの、ガタ止め突起53の短辺側側壁部16(長辺側側壁部15)への接触等に起因する不具合も発生し易いといった箇所(規制壁部21に近い容器2の隅部等)にも特定ガタ止め突起64を配置することができる。さらに、特定ガタ止め突起64を省略する場合に比べ、特定ガタ止め突起64により側壁凹部61が設けられた短辺側側壁部16の横幅方向における相対変位を防止することができる。その上、特定ガタ止め突起64が側壁凹部61の内底面や内側面に接触し得るような構成においては、側壁凹部61が設けられた短辺側側壁部16の厚み方向において、蓋部材4と、容器2とが相対変位した場合に、特定ガタ止め突起64が側壁凹部61に摺接する際の摩擦力により前記相対変位の勢いが抑制され、その後、その他のガタ止め突起53が側壁部15、16と接触する場合の衝撃を緩和することができる。
【0046】
特に、収容ユニット1同士を積み重ねて運搬等する場合には、下段の収容ユニット1において、組立容器集合体51に対し蓋部材4から略水平方向に比較的大きな力が作用することも考えられる。このような使用状況において、容器2の側壁部(短辺側側壁部16)と、蓋部材4のガタ止め突起53(特定ガタ止め突起64)との間の干渉が抑制されることで、長辺側側壁部15と短辺側側壁部16との連結状態の解除を防止しつつ、特定ガタ止め突起64、及び、側壁部15、16の損傷等を防止するといった作用効果がより顕著に奏される。
【0047】
さらに、組立容器集合体51が載置されたパレット3の載置面47が部分的に変形して傾く等している場合、所定の容器2のうち当該変形が生じた箇所に載置されている部位に関しては、ガタ止め突起53と、側壁部15、16とが衝突・圧接した場合の影響が比較的大きくなることが懸念される。より具体的に、フォーク差込み部46のうち中央領域63に対応する部位は、比較的撓み易く、載置面47に変形が生じるおそれがある。当該中央領域63に容器2の隅部(規制壁部21等)が配置されるとともに、当該隅部の近傍部位にガタ止め突起53が配置される場合、収容ユニット1の運搬等に際してガタ止め突起53が容器2の隅部に接触してしまうと、容器2の隅部(ひいては、規制壁部21等)に対して変形、回動させるような力が比較的大きく加わることが懸念される。これにより、挿入孔部22及び挿入突部25等による側壁部15、16の連結状態が解除されたり、側壁部15、16(規制壁部21、及び、被規制壁部24等)が損傷したりすることが懸念される。
【0048】
この点、容器2のうち載置面47の変形が生じ易い箇所(パレット3の中央領域63)に載置される部位に対し、側壁凹部61、及び、特定ガタ止め突起64が配置されることで、ガタ止め突起53(特定ガタ止め突起64)と短辺側側壁部16との干渉をより効果的に回避することができ、側壁部15、16の連結状態の解除を回避しつつ、規制壁部21及び被規制壁部24等の損傷等を抑制するといった作用効果がより顕著に奏される。尚、収容ユニット1は結束バンドで結束されることとされており、側壁凹部61が設けられた短辺側側壁部16の厚み方向における蓋部材4と、組立容器集合体51との間の相対変位を比較的柔軟に防止することができる。
【0049】
また、蓋部材4が被せられる組立容器集合体51を構成する容器2を大きさや形状の異なる別の容器とする場合に、所定の容器に合わせて形成されたガタ止め突起53が別の容器2の所定の側壁部(例えば、短辺側側壁部16)の上辺部に接触する等して蓋部材4を被せられない(蓋部材についても別途用意しなければならない)ことが考えられる。この点、別の容器2に側壁凹部61を設けることにより、短辺側側壁部16の上方に交差して配置されるガタ止め突起53(特定ガタ止め突起64)の容器2の内側空間への挿入を許容し、蓋部材4を被せることが可能となる。このため、複数種類の容器2に対して被せる蓋部材4の共通化を図ることができ、利便性の向上、及び、省資源化等を図ることができる。
【0050】
また、側壁凹部61は、長辺側側壁部15(規制壁部21)と、短辺側側壁部16(被規制壁部24及びそれに連接する部位)とに亘って設けられ、側壁凹部61の内底面が、長辺側側壁部15と、短辺側側壁部16とにより構成され、規制壁部21により構成される側壁凹部61の内底面と、短辺側側壁部16により構成される側壁凹部61の内面とが略同一平面上に設けられている。このため、例えば、蓋部材4の特定ガタ止め突起64が側壁凹部61の内底面に圧接する等した場合に、当該特定ガタ止め突起64から受ける力を、長辺側側壁部15と、短辺側側壁部16とに好適に分散させることができる。従って、容器2の損傷等を防止することができる。さらに、例えば、特定ガタ止め突起64が側壁凹部61の内底面に圧接した場合に、長辺側側壁部15(規制壁部21)、及び、短辺側側壁部16の片方にだけ力が作用する構成とした場合、当該片方に変形が生じてしまうと、側壁凹部61の鉛直方向下方領域に設けられた挿入孔部22(の周辺部)、及び、挿入突部25のうち一方が他方に対して相対変位し、係止状態が解除されたり、挿入孔部22(の周辺部)、及び、挿入突部25が損傷・変形したりすることが懸念される。これに対し、本実施形態によれば、特定ガタ止め突起64が側壁凹部61の内底面に圧接した場合に、長辺側側壁部15(規制壁部21)、及び、短辺側側壁部16の両方に力が作用することとなり、長辺側側壁部15(規制壁部21)、及び、短辺側側壁部16の両方に若干の変形が生じたとしても、挿入孔部22、及び、挿入突部25のそれぞれが同様に変位することで、挿入孔部22、及び、挿入突部25の間の相対変位が抑制される。従って、挿入孔部22、及び、挿入突部25の係止状態の安定化を図るとともに、挿入孔部22、及び、挿入突部25の損傷等を防止することができる。
【0051】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0052】
(a)上記実施形態では、パレット3に対し3つの容器2を水平方向に並べて載置する構成とされているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、パレットや容器の形状や大きさ等に応じて適宜変更可能である。さらに、パレット3に載置される複数の容器がいずれも同一の形状及び大きさである必要はなく、高さが揃い、側壁凹部61が好適に設けられていれば、異なる大きさ及び形状の容器をパレット3に載置してユニット化することができる。
【0053】
また、上記実施形態において、蓋部材4のガタ止め突起53(特定ガタ止め突起64)の形状、配置等は特に限定されるものではなく、蓋部材4が被せられる組立容器集合体51を構成する容器2の配置や形状等に応じて適宜変更可能である。但し、特定ガタ止め突起64は、パレット3のうち比較的変形等が生じ易い中間柱部42付近の上デッキ部44やその近傍に対応して設けられることが望ましく、また、対応する側壁凹部61が設けられた短辺側側壁部16の厚み方向において比較的長尺状(例えば、短辺側側壁部16の厚みの2倍以上)に構成されることが望ましい。さらに、例えば、所定の特定ガタ止め突起64が、水平方向に並んで設置された(互いに隣り合う)2つの容器2の側壁凹部61に挿入されるように構成してもよい。
【0054】
(b)上記実施形態では、組立状態にある容器2を折畳状態とする際に、短辺側側壁部16を長辺側側壁部15よりも先に折畳姿勢とするように構成されているが、長辺側側壁部15を短辺側側壁部16よりも先に折畳姿勢とするような構成としてもよい。当該構成を採用する場合、短辺側側壁部16に規制壁部21が設けられることとなる。さらに、上記実施形態では、規制壁部21に挿入孔部22が設けられ、短辺側側壁部16の被規制壁部24に挿入突部25が設けられているが、規制壁部21に挿入突部を設け、被規制壁部24において、容器2の外方側に開口する挿入穴部(容器2の内方側に開口させないことが望ましい)を設けることとしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、規制壁部21、及び、被規制壁部24を含む位置に側壁凹部61が設けられる構成とされているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、規制壁部21、及び、被規制壁部24とは異なる位置に側壁凹部61が設けられる構成としてもよい。さらに、例えば、被規制壁部24(ひいては、挿入突部25、挿入孔部22)を省略するとともに、規制壁部21を短辺側側壁部16と同等の厚みとして、ロック機構26により、容器2の組立状態において長辺側側壁部15と短辺側側壁部16とを連結する構成とし、短辺側側壁部16と長辺側側壁部15との連接部位において、短辺側側壁部16と長辺側側壁部15とに亘って側壁凹部を設けることとしてもよい。尚、ロック機構26を省略することも可能である。
【0056】
加えて、上記実施形態において側壁上辺突部29、及び、土台上辺突部35を省略することとしてもよい。側壁上辺突部29を省略する場合には、側壁凹部61についてもかかる構成を採用する場合の短辺側側壁部16の上辺部に適応させて、上方に開口し、容器2の内外方向に貫通する凹状に形成することとする。
【0057】
(c)上記実施形態では、側壁部15、16が底壁構成部11に対して回動変位可能に連結された折畳み式の容器2に具体化されているが、例えば、側壁部15、16のうち一方、又は、両方を底壁構成部11に対して着脱自在な組立式の容器に具体化することも可能である。また、取外した側壁部15、16は、底壁構成部11の上に寝かせた姿勢で重ねる(折畳状態とする)ことができるように構成してもよいし、取外した側壁部15、16のうち一方又は両方を底壁構成部11とは別に積み重ねて保管するような構成であってもよい。さらに、底壁構成部、長辺側側壁部、及び、短辺側側壁部が別々に形成されるとともに、長辺側側壁部、及び、短辺側側壁部を起立姿勢として底壁構成部に取付可能に構成され、基本的に、長辺側側壁部、及び、短辺側側壁部を底壁構成部に取付けた場合にはそれ以後に取外さない(取外不可能)ような構成の容器に具体化することも可能である。加えて、パレット3に載置される容器2として、少なくとも1つが折畳み式、又は、組立式の容器であって、当該容器において側壁凹部61が設けられて当該側壁凹部61に特定ガタ止め突起64が挿入されるように構成されていれば、パレット3に載置されるその他の容器は、底壁構成部と側壁部とが一体的に形成された容器であってもよい。
【0058】
(d)上記実施形態では、収容ユニット1として、パレット3と、複数の容器2と、蓋部材4とを備える構成とされているが、例えば、パレット3に代えて、複数の容器2の下部を収容可能とする比較的大型のトレー状の容器(ダネッジ)を適用することも可能である。さらに、例えば、パレット3を省略し、複数の容器2を床面や荷台等の設置面に直接設置し、当該容器2に蓋部材4を被せるような物品の収容構造とする場合においても、側壁凹部61及び特定ガタ止め突起64を設けることにより、特定ガタ止め突起64と、短辺側側壁部16とが衝突、圧接する等して、側壁部15、16間の連結する機構への悪影響を抑止するとともに、複数種類の容器2に対して被せる蓋部材4の共通化を図ることができ、利便性の向上、及び、省資源化等を図ることができるといった作用効果が奏される。尚、上記実施形態では特に言及していないが、収容ユニット1を積み重ねる場合に、収容ユニット1同士の水平方向における相対変位を規制するユニット段積み手段(例えば、蓋部材4の上面側の突部(又は凹部)と、パレット3の接地面48側の凹部(又は突部)とが凹凸嵌合する)を備えることとしてもよい。
【0059】
加えて、上記実施形態のパレット3は、4方差しタイプのパレットに具体化されているが、相対する一対の側面に対応してフォーク差込み部46が設けられた2方差しタイプのパレットに具体化することも可能である。また、上記実施形態の下デッキ部45において、中央柱部と、各隅柱部41との間に、ハンドリフトのフォークの下面側に設けられたキャスターを接地させるためのキャスター用開口部(図示略)を設けることとしてもよい。
【0060】
(e)上記実施形態では、パレット3、容器2、及び、蓋部材4は、ポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…収容ユニット、2…容器、3…パレット、4…蓋部材、11…底壁構成部、15…長辺側側壁部、16…短辺側側壁部、21…規制壁部、22…挿入孔部、23…ロック係止部、24…被規制壁部、25…挿入突部、26…ロック機構、46…フォーク差込み部、51…組立容器集合体、53…ガタ止め突起、61…側壁凹部、62…機能側壁凹部、63…中央領域、64…特定ガタ止め突起。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13