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特許7616670バイオプロセス精製システムにおける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】バイオプロセス精製システムにおける方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/18 20060101AFI20250109BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
B01D15/18
C12M1/00 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021576500
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2020066639
(87)【国際公開番号】W WO2020260073
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】1909274.1
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】グンナール・マルムクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】オラ・リンド
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・タウンゼント
(72)【発明者】
【氏名】イアン・スキャンロン
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・マイケル・セクストン
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表平03-504374(JP,A)
【文献】国際公開第2018/153743(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/153776(WO,A1)
【文献】特開平01-212358(JP,A)
【文献】特表2006-515562(JP,A)
【文献】特開2014-202749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 15/00-15/42
C12M 1/00-3/10
B01J 20/281-20/292
G01N 30/00-30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするための方法であって、前記カラムキャプチャクロマトグラフィシステムは、ローディングの間にカラム内にキャプチャされるように構成されている少なくとも1つの生産物を含む所定体積のサンプルフィードに対して実施される循環的反復精製のために構成されており、前記方法は、
ステップa) 所定量のサンプルフィードを前記カラム上にロードすること、前記カラムを洗浄すること、および、少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物を溶出させることを含む、精製サイクルを実施するステップ(51)と;
ステップb) サンプルフィードのローディングの間に、前記カラムの後の少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物のブレークスルーを示す、前記精製サイクルの間の少なくとも1つのパラメータを測定するステップ(52)と;
ステップc) 少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物のブレークスルーが検出される場合には、次の精製サイクルの中のローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を低減させるステップ(56a)と;
ステップd) ステップa)~c)を繰り返すステップと
を含み、
ステップa)におけるサンプルのローディングは、ローディング時間(Δt)の間に実施され;前記ローディング時間は、ステップc)において低減され、前記次の精製サイクルの間のブレークスルーを防止する、方法。
【請求項2】
所定の数の連続する精製サイクルの間に、前記ローディング時間がステップc)において維持されているときには、前記ローディング時間が、前記次の精製サイクルのために増加される(58a)、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)において測定されるパラメータは、前記カラムの後に装着されたUV検出器からの信号である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記カラムの精製容量を示す、少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物の溶出の間に測定される少なくとも1つの追加的なパラメータをモニタリングするステップと、精製容量がブレークスルーのインディケーションなしに低下している場合には、前記次の精製サイクルのローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を増加させるステップとをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、ステップc)の前に、少なくとも1つの前記追加的なパラメータを評価するステップ(54)と;前記精製容量が上側の所定の閾値を下回る場合には、前記カラムをクリーニングするステップ(55a)とをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記評価は、時間の経過に伴う、測定された少なくとも1つの前記追加的なパラメータのトレンド分析である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記追加的なパラメータは、前記カラム上にロードされたサンプルフィードの量に関係して、少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物を溶出させるときに測定される溶出ピーク面積である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの前記追加的なパラメータを評価する前記ステップは、ブレークスルーが検出されている間に前記精製容量が下側の所定の閾値を下回っている場合には、前記カラムを新しいカラムと交換するステップ(59)をさらに含み、かつ/または、
前記循環的反復精製は、サンプルフィードのバッチに対して、または、細胞培養リアクタから連続的に提供されるサンプルフィードに対して実施される、請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
カラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするための方法であって、前記カラムキャプチャクロマトグラフィシステムは、ローディングの間にカラム内にキャプチャされるように構成されている少なくとも1つの生産物を含む所定体積のサンプルフィードに対して実施される循環的反復精製のために構成されており、前記方法は、
ステップa) 所定量のサンプルフィードを前記カラム上にロードすること、前記カラムを洗浄すること、および、少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物を溶出させることを含む、精製サイクルを実施するステップ(61)と;
ステップb) 前記サンプルフィードのローディングの間に、前記カラムの後の少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物のブレークスルーを示す、前記精製サイクルの間の少なくとも1つのパラメータを測定するステップ(62)と;溶出の間に、前記カラムの後の少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物の量を示す、前記精製サイクルの間の追加的なパラメータを測定するステップ(64)と;
ステップc) 少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物の前記量がブレークスルーのインディケーションなしに低下している場合には、次の精製サイクルの中のローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を増加させるステップ(68a)と;
ステップd) ステップa)~c)を繰り返すステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記方法は、ステップc)の前に、少なくとも1つの前記追加的なパラメータを評価するステップ(65)と;精製容量が上側の所定の閾値を下回る場合には、前記カラムをクリーニングするステップ(65a)とをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記評価は、時間の経過に伴う、測定された少なくとも1つの前記追加的なパラメータのトレンド分析である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記追加的なパラメータは、前記カラム上にロードされたサンプルフィードの量に関係して、少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物を溶出させるときに測定される溶出ピーク面積である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの前記追加的なパラメータを評価する前記ステップは、ブレークスルーが検出されている間に精製容量が下側の所定の閾値を下回っている場合には、前記カラムを新しいカラムと交換するステップ(69)をさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップc)は、少なくとも1つのキャプチャされた前記生産物のブレークスルーが検出される場合には、前記次の精製サイクルの中のローディングの間にロードされるサンプルフィードの前記量を低減させるステップ(66a)をさらに含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップa)におけるサンプルのローディングは、ローディング時間(Δt)の間に実施され;前記ローディング時間は、ステップc)において低減され、前記次の精製サイクルの間のブレークスルーを防止する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも25の連続する精製サイクルの間に、前記ローディング時間がステップc)において維持されているときには、前記ローディング時間が、前記次の精製サイクルのために増加される(68a)、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステップb)において測定されるパラメータは、前記カラムの後に装着されたUV検出器からの信号であり、かつ/または、
前記循環的反復精製は、サンプルフィードのバッチに対して、または、細胞培養リアクタから連続的に提供されるサンプルフィードに対して実施される、請求項9から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの生産物を含む所定体積のサンプルフィードに対して実施される循環的反復精製のために構成されているカラムと、前記カラム内の精製を制御するように構成されている制御ユニットとを含み、前記制御ユニットは、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法を実施するようにさらに構成されている、キャプチャクロマトグラフィシステム。
【請求項19】
カラムクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするためのコンピュータプログラムであって、少なくとも1つのプロセッサで実行されたとき、少なくとも1つの前記プロセッサに請求項1から17のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のカラムクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするためのコンピュータプログラムを実施するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオリアクターシステム内の少なくとも1つの生産物の循環的反復精製(cyclical repetitive purification)のためのバイオプロセス精製システムをモニタリングおよび制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオリアクタ内で(細胞培養システム内で)生産される材料の品質は、バイオリアクタからの収穫物を精製するときに、信頼性の高いロバストで経済的な製造手順を実現するために重要である。
【0003】
現在、バイオリアクタからの浄化されたまたは清浄なフィードが、生産物を抽出するための循環式精製プロセスのために構成されたカラムキャプチャクロマトグラフィシステム内へ導入される。循環式プロセスは、カラム上にフィードをロードすることと、カラムを洗浄することと、生産物を溶出させることと、その後に、カラムが反復的に新しいフィードをロードされる前に、カラムをクリーニングすることとを含む。所与の体積のフィードに関して、小体積カラムを使用する精製プロセスは、大体積カラムを使用するときよりも時間がかかることになる。
【0004】
したがって、所与の体積のフィードのためにカラムキャプチャクロマトグラフィシステムを使用する精製において、特に、小体積カラムに対して、より効率的な循環式プロセスを実現するために、精製プロセスを修正する必要性が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、単独でまたは任意の組み合わせで、当技術分野における上記に識別された欠陥および不利益のうちの1つまたは複数を緩和するか、軽減するか、または排除しようとする方法、方法を実行するように構成されたデバイス、およびコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、独立請求項によって定義されるような方法によって実現される。
【0007】
利点は、高収率を維持しながら、生産物の精製を実施するための時間が低減され得ることである。
【0008】
別の利点は、精製プロセスが、クロマトグラフィシステム内で利用可能な容量をより効率的に使用するように適合され得ることである。
【0009】
さらなる目的および利点は、当業者によって詳細な説明から取得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】バイオリアクタからの収穫物流体から生産物を精製するように設計されたバイオプロセス精製システムの概観を図示する図である。
図2】バイオプロセス精製システム内の上流プロセス/下流プロセスを制御する概念を図示する図である。
図3a】1つのみのカラムを使用してサンプルフィードから生産物を送達するように構成されている理想的な循環式キャプチャクロマトグラフィプロセスを図示する図である。
図3b】いくつかのカラムを順番に使用する循環式キャプチャクロマトグラフィプロセスを図示する図である。
図4】循環式キャプチャクロマトグラフィプロセスの中の圧力挙動を図示するグラフである。
図5】シングルカラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするためのプロセスの第1の実施形態を図示する図である。
図6】シングルカラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするためのプロセスの第2の実施形態を図示する図である。
図7】シングルカラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするためのプロセスの第3の実施形態を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
バイオプロセス精製システムは、細胞培養バイオリアクタ内で生産物を発現させることができる細胞を増殖させることによって(生産物を精製するための下流の精製プロセス(下流プロセスとも称される)がそれに続く)、生産物(たとえば、タンパク質、細胞培養/発酵からの生体分子、天然抽出物など)の生産および精製のために設計されている。下流の精製プロセスは、精製された生産物を提供することができる任意の適切なプロセスであることが可能であり、プロセスは、1つまたは複数のステップを含むことが可能である。下流の精製プロセスの中の一般に使用される1つのステップは、クロマトグラフィである。とりわけ、本発明は、所定体積のサンプルフィードから長期間の間に精製された生産物を生産および提供するように配置されているバイオプロセス精製システムに関する。生産物は、カラムの体積よりも大きい体積を有するバッチとして提供され、または、生産物は、バイオリアクタから収穫され、細胞培養が維持されている間に下流の精製プロセスによって精製される。このタイプの細胞培養は、本明細書で「連続的な細胞培養プロセス」と称され、そのような細胞培養の例は、灌流細胞培養およびケモスタット細胞培養を含む。
【0012】
図1では、1つの実施形態によるバイオプロセス精製システムの概観が示されており、それは、分離プロセスを使用して生産物を精製するように構成されている。バイオプロセス精製システムは、細胞培養11、保持12、キャプチャ13、ウィルス不活性化14、ポリッシュ15、および送達16に関係付けられる複数のステップを含む。
【0013】
本発明の開示されている実施形態の1つにおいて、細胞培養ステップ11は、連続的な細胞培養プロセスであることが可能であり、それは、栄養素の連続的な追加、ならびに、長期間にわたる生産物および廃棄物の連続的な除去(収穫)を含む。プロセスは、たとえば、Alternate Tangential Filtration(ATF)デバイスを使用することによって、バイオリアクタ内に細胞を保持する灌流の中で動作され得る。代替として、バイオリアクタは、細胞保持(すなわち、ケモスタット)なしに動作される。細胞培養ステップは、生細胞密度(VCD)のためのプロセス制御を含み、また、栄養素および代謝産物のためのプロセス制御を含むことが可能である。VCD、生産性、および生産物品質は、培養物に給送される細胞培養培地の成分を適合させることによって、または、より詳細に下記に説明されているように、特定の成分を直接的に培養物に追加することによって制御され得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、生産物を含有する収穫物は、たとえば、濾過、遠心分離、または別の技法によって、下流の精製プロセスに収穫物を給送する前に浄化され得る。
【0015】
保持ステップ12は、プロセスのニーズに応じた随意的なステップである(たとえば、フィルタがキャプチャステップ13の前にインラインになっている場合)。ステップは、重量に対するプロセス制御を含むことが可能であり、プロセスの中の次のステップは、事前決定された体積値が到達された後に開始するか、または、代替として、特定の時間期間の後に、もしくは、事前決定された質量が到達されたときに開始する。保持ステップは、灌流細胞培養からの濾過された所定体積のフィードを収集するために使用され得る。
【0016】
本発明の別の実施形態では、細胞培養ステップが省略されており、生産物を含有するサンプルフィードのバッチが、保持ステップ12の中で提供され、精製プロセスに提供される。
【0017】
開示されている実施形態において、下流の精製プロセスは、3つのステップ(キャプチャ13、ウィルス不活性化14、およびポリッシュ15)を含む。キャプチャステップ13は、単一のクロマトグラフィカラム内のクロマトグラフィプロセスを含むことが可能である。フィルタは、キャプチャステップの前にインラインで提供され得る。キャプチャステップは、複数のバッチ溶出を含み、プロセス制御(たとえば、インラインUVセンサを使用する)は、フィード濃度および樹脂容量の変動をハンドリングする。次のステップは、事前決定された量の値(たとえば、体積、質量、または時間)が到達されるときに開始する。
【0018】
ウィルス不活性化ステップ14において、ウィルス不活性化のための異なるオプションが、プロセスのニーズに応じて利用可能である。1つのオプションは、ホールドアップタンク内で30~60分にわたって低pHによるバッチモードを使用することである。ステップは、体積、時間、温度、およびpHに対するプロセス制御を含むことが可能である。次のステップは、事前決定された時間が到達されるときに開始する。
【0019】
ポリッシュステップ15は、接続されたバッチステップを伴うストレートスループロセッシング(STP)、もしくは、連続的なロードステップを伴う連続的なクロマトグラフィ、または、それらの組み合わせであることが可能である。流量は、プロデューサー細胞によって必要とされる灌流量に調節され、それは、流量が先行するステップによって決定されることを意味している。ステップは、UV、フロー、および体積に関するプロセス制御を含むことが可能であり、次のステップは、事前決定された体積および量が到達されるときに開始し、代替として、タイムアウトが到達されるときに開始する。
【0020】
送達ステップ16は、限外濾過ステップの前に、ウィルス除去ステップ(たとえば、ウィルスフィルタ)を含むことが可能である。送達ステップは、ポリッシュステップからの処理された収穫物のバッチ追加のための濃縮ステップとして使用され得る。送達ステップ16は、生産物の連続的なまたはバッチ式の送達を含むことが可能であり、廃棄物の連続的なまたはバッチ式の除去を含むことが可能である。ステップは、pH、導電率、吸光度、体積、および圧力に関するプロセス制御を含むことが可能であり、送達は、事前定義された環境における事前決定された生産物濃度が到達されるときに実現される。
【0021】
オートメーションレイヤ17が、プロセスの中の次のステップのための決定ポイントをハンドリングするために使用される。異なるタイプのセンサ(図示せず)(インラインセンサおよびオフラインセンサの両方)が、プロセスフローの中へ一体化され、決定ポイントをハンドリングするために使用され得るデータをオートメーションレイヤ17に提供するために使用され得る異なるパラメータをモニタリングする。センサは、それのみに限定されないが、フロー、VCD、重量、圧力、UV、体積、pH、導電率、吸光度などを測定することを含む。
【0022】
UV吸収は、精製されている収穫物の組成を検出するためにモニタリングされ得るパラメータの例であることが留意されるべきである。しかし、他の周波数範囲(たとえば、IR、蛍光、X線など)で動作する他のパラメータも使用され得る。
【0023】
バイオプロセス精製システム内で生産される生産物の生産物品質は、プロセスランの間の生産物、または、生産される生産物それ自体に関係する情報を取得することによって改善され得る。生産物品質に関連する属性が測定されなければならず、異なる分析方法が使用され得る(たとえば、質量分析法、MS、光散乱法、サイズ排除クロマトグラフィ、SEC、ラマン分光法など)。
【0024】
細胞培養システムは、生産物を含有する収穫物を生産するバイオリアクタを含み、細胞培養プロセスは、生産物の生産物品質を最適化するために制御され得る。バイオリアクタ内で制御され得るパラメータの例は、温度、通気、撹拌などである。
【0025】
図2は、バイオプロセス精製システム内の上流プロセス/下流プロセスを制御する概念を図示している。バイオプロセス精製システムの図示は簡単化されており、サンプルフィード20、分離21、およびバッチ化22、の3つのステップを含む。生産物(この例では、「医薬品有効成分(API)」によって例示されている)は、バッチ化ステップの後に送達される。
【0026】
サンプルフィード20は、上記に説明されているような連続的な細胞培養プロセスの中の細胞培養ステップであることが可能であり、それは、たとえば、生産物および廃棄物の連続的な収穫、または、シングルカラムクロマトグラフィシステムの容量よりも大きい体積で提供されるサンプルフィードのバッチを伴う、細胞灌流プロセスへの栄養素の連続的な追加を含む。生産物および廃棄物を含むサンプルフィードは、分離ステップ21の中へ給送される収穫物であると考えられ、分離ステップ21は、下流の精製プロセスの1つまたは複数のステップを含むことが可能である。分離ステップは、収穫物の中の廃棄物から生産物を少なくとも部分的に分離するためのプロセスを含み、生産物は、最終的なステップバッチ化22に転送され、そこでは、生産物が、APIとしての送達のための準備ができるようハンドリングされる。
【0027】
分離ステップの後に、質量スペクトロメータ、MS、または分光法を使用して、特定のパラメータまたは、品質属性が測定され得る(たとえば、生産物の中の不純物の組成、または、生産物の断片もしくは凝集体の量)。この情報は、上流プロセスを制御する23ために使用され得る。たとえば、分離の後に、高い量の劣化した生産物が検出される場合には、これは、細胞培養ステップにおけるパラメータを変化させることによって、たとえば、バイオリアクタ内への培地の流量の増加によって対抗され、分離ステップ21の中へ導入される前の生産物分子の劣化を防止することが可能である。代替として、栄養素を給送することまたは細胞培養におけるプロセスパラメータは、より詳細に下記に説明されているように、測定される品質属性に基づいて調節され得る。分離ステップ21に提供されるサンプルフィードの組成の変動は、たとえば、キャプチャされた生産物のブレークスルーが検出される場合に(それは、カラム上にロードされるサンプルフィードの量を変化させることによって対抗され得る)、カラムの後に検出され得る。
【0028】
同じ概念が、下流プロセスを制御する24ために使用され得る。分離ステップ21の中へ給送されている収穫物の中の生産物の濃度は、それぞれのカラムにロードするための時間、および、溶出の後の生産物のピーク量を測定することによって決定され得る。この情報は、分離ステップの中へ給送されている収穫物の中の生産物の濃度に基づいて溶出を調節するために使用され得る。
【0029】
図3aは、理想的な循環式キャプチャクロマトグラフィプロセスを図示しており、それは、循環的反復精製プロセスを伴う1つのみのカラムを使用して、所定体積のサンプルフィードから少なくとも1つの生産物を送達するように構成されている。この例では、同じカラムが、200サイクルにわたって使用され、それぞれの精製サイクルは、カラム上に所定量のサンプルフィードをロードすることと、カラムを洗浄することと、少なくとも1つのキャプチャされた生産物を溶出させることとを含む。しかし、これは、真実ではない。その理由は、システムの性能が実施されるサイクルの関数として劣化するからであり、性能が減少されるときには、カラムは、定置クリーニング(CIP: Cleaning-in-place)を使用してクリーニングされる必要があり、CIPは、クロマトグラフィカラムの性能を改善する。また、カラムの性能がCIPによって改善されないときには、カラムは、新しいカラムによって交換される必要がある。このプロセスは、図3bに図示されている。
【0030】
図3bは、いくつかのカラムを順番に使用する循環式キャプチャクロマトグラフィプロセスを図示している。CIPトリガが示されており、CIPは、結果としてカラムに対して実施される。CIPトリガは、以下のいずれかであることが可能である。
- サンプルフィードのローディングの間の圧力が、10%だけ増加する場合
- 溶出の間の溶出ピーク幅が、たとえば、>5%だけ増加する場合
- 溶出ピーク非対称性が増加する場合
【0031】
CIPは、カラムが交換されなければならない前に、システムの性能を特定のレベルまで改善することになる。下記は、いつカラムが交換される必要があるかことを決定するために使用され得るインディケーションのいくつかの例である。
- サンプルフィードのローディングの間の圧力が、(図4の中の鎖線40によって示されているような)安全限界を超えて増加する場合
- サンプルフィードの量が、カラム内の樹脂の動的結合容量(DBC: Dynamic Binding Capacity)の70%を下回って降下する場合
- 溶出ピーク幅または溶出ピーク非対称性の増加によってCIPが開始された後に3サイクル以内に改善が見られない場合
【0032】
図3bでは、CIPは、CIPトリガに応答して実施され、第1のカラム「ユニット1」は、DBCに重大な降下が検出されるときに、新しいカラム「ユニット2」によって交換される。そのうえ、いくつかのCIPがユニット2に対して実施されるが、圧力の重大な増加が検出され、「ユニット2」が「ユニット3」によって交換される。生産物の最終的な量は、ユニット3を使用して生産される。
【0033】
図4は、「ユニット1」、「ユニット2」、および「ユニット3」と示される、順次使用されるカラムに関する圧力曲線41を図示するグラフである。Xサイクル(たとえば、70サイクル)の後に、DBCの重大な降下が検出され、カラムが交換される。圧力曲線41は、このポイントにおいて、一点鎖線40(圧力に関する安全限界を示している)を依然として下回っている。しかし、さらにYサイクル(たとえば、追加的な65サイクル)に関して、精製が開始するとき、圧力は安全限界を超えて増加し、「ユニット2」は、X+Yサイクル(この例では、135サイクル)の後に「ユニット3」によって交換される。追加的なZサイクル(この例では、65サイクル)の後に、プロセスが完了され、最終的な量の生産物が、200サイクルの後に生産される。
【0034】
圧力曲線の形状は、トレンドを識別するために、および、それによって、カラムの劣化した性能をより効率的に検出するために使用され得る。
【0035】
図5は、カラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするための方法50の第1の態様を図示しており、カラムキャプチャクロマトグラフィシステムは、ローディングの間にカラム内にキャプチャされるように構成されている少なくとも1つの生産物(たとえば、ターゲット生産物)を含む所定体積のサンプルフィードに対して実施される循環的反復精製のために構成されている。サンプルフィードの体積は、同じフィード(たとえば、バッチ式のまたは連続的なフィード)から生じる。キャプチャクロマトグラフィシステムは、1つのシングルカラムまたは、代替として、並列に連結されているいくつかのカラムを含み、バイオリアクタがそれに接続され得、バイオリアクタは、所定体積のサンプルフィードをカラムに提供するように構成されており、サンプルフィードの体積は、キャプチャクロマトグラフィシステムの体積容量よりも大きい。したがって、反復的に循環式精製を必要とする。プロセスは、複数のステップ:
a) 所定量のサンプルフィードをカラム上にロードすること、カラムを洗浄すること、および、キャプチャされた生産物を溶出させることを含む、精製サイクルを実施するステップ51と;
b) サンプルフィードのローディングの間に、カラムの後の少なくとも1つのキャプチャされた生産物のブレークスルーを示す、精製サイクルの間の少なくとも1つのパラメータを測定するステップ52と;
c) 56によって図示されているように、少なくとも1つのキャプチャされた生産物のブレークスルーが検出される場合には、次の精製サイクルの中のローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を低減させるステップ56aと;
d) 所望の量の生産物が生産されるまで、ステップa)~c)を繰り返すステップと
を含む。これは、上記の図3aおよび図3bに関連して図示されている。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、51におけるサンプルのローディングは、ローディング時間(Δt)の間に実施され;ローディング時間は、56aにおいて低減され、ロードされるサンプルフィードの量を低減させ、次の精製サイクルの間のブレークスルーを防止する。いくつかの実施形態によれば、ローディング時間は、少なくとも5%低減される。いくつかの実施形態において、ローディング時間は、ブレークスルーが検出されるときに、10%以下低減される。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、58によって図示されているように、所定の数の連続する精製サイクル(x)の間に、サンプルフィードの量がステップc)において維持されているときには、次の精製サイクルの間にロードされるサンプルフィードの量を増加させるために、ローディング時間が増加される58a。例xは、少なくとも25サイクルである。いくつかの実施形態によれば、ローディング時間は、収率損失のリスクを冒すことなく、最適なローディングを見出すために、1%だけ増加される。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、52において測定される少なくとも1つのパラメータは、カラムの後に装着されたUV検出器からの信号である。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、方法は、54によって図示されているように、少なくとも1つのキャプチャされた生産物の溶出の間に測定される少なくとも1つの追加的なパラメータをモニタリングするステップをさらに含む。少なくとも1つの追加的なパラメータは、カラムの精製容量を示しており、方法は、57によって図示されているように、精製容量がブレークスルーのインディケーションなしに低下している場合には、58aによって図示されているように、次の精製サイクルのローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を増加させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、サンプルフィードの量は、1%だけ増加される。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、方法は、56の前に、クロマトグラフィシステム内の精製容量を示す、キャプチャされた生産物の溶出の間に測定された少なくとも1つの追加的なパラメータを評価するステップ54と;55によって示されているように、精製容量が上側の所定の閾値を下回る場合には、たとえば、CIPを使用して、カラムをクリーニングするステップ55aとをさらに含む。たとえば、上側閾値は、少なくとも1つの追加的なパラメータが精製容量の5~10%の降下を示すときのレベルに対応している。
【0041】
CIPは、カラムが交換されなければならない前に、システムの性能を特定のレベルまで改善することになる。いくつかの実施形態によれば、カラム性能は、ステップ53においてモニタリングされ、悪い性能が検出される場合には、カラムは交換される必要がある。
【0042】
前述のように、下記は、いつカラムが交換される必要があるかことを決定するために使用され得るインディケーションのいくつかの例である。
- サンプルフィードのローディングの間の圧力が、(図4の中の鎖線40によって示されているような)安全限界を超えて増加する場合
- サンプルフィードの量が、カラム内の樹脂の動的結合容量(DBC)の70%を下回って降下する場合
- 溶出ピーク幅または溶出ピーク非対称性の増加によってCIPが開始された後に3サイクル以内に改善が見られない場合
【0043】
いくつかの実施形態によれば、ステップ54における評価は、時間の経過に伴う、測定された少なくとも1つの追加的なパラメータのトレンド分析である。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、ステップ54における追加的なパラメータは、カラム上にロードされたサンプルフィードの量に関係して、少なくとも1つのキャプチャされた生産物を溶出させるときに測定される溶出ピーク面積である。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの追加的なパラメータを評価するステップは、ブレークスルーが検出されている間に、55bによって示されているように、精製容量が下側の所定の閾値を下回っている場合には、カラムを新しいカラムと交換するステップ59をさらに含む。たとえば、下側閾値は、少なくとも1つの追加的なパラメータが精製容量の10~20%の降下を示すときのレベルに対応している。
【0046】
また、本発明は、キャプチャクロマトグラフィシステムに関し、キャプチャクロマトグラフィシステムは、ローディングの間にカラム内にキャプチャされるように構成されている少なくとも1つの生産物を含むサンプルフィードに対して実施される精製のために構成されているカラムと、カラム内の精製を制御するように構成されている制御ユニットとを含み、制御ユニットは、図5に関連して説明されている方法を実施するようにさらに構成されている。
【0047】
図6において、本発明の第2の態様による方法60が開示されており、方法は、
a) 所定量のサンプルフィードをカラム上にロードすること、カラムを洗浄すること、および、少なくとも1つのキャプチャされた生産物を溶出させることを含む、精製サイクルを実施するステップ61と;
b) サンプルフィードのローディングの間に、カラムの後の少なくとも1つのキャプチャされた生産物のブレークスルーを示す、精製サイクルの間の少なくとも1つのパラメータを測定するステップ62と;溶出の間に、カラムの後の少なくとも1つのキャプチャされた生産物の量を示す、精製サイクルの間の追加的なパラメータを測定するステップ64と;
c) 67において示されているように、少なくとも1つのキャプチャされた生産物の量がブレークスルーのインディケーションなしに低下している場合には、次の精製サイクルの中のローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を増加させるステップ68aと;
d) ステップa)~c)を繰り返すステップと
を含むことが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、ステップc)におけるサンプルフィードの量は、1%だけ増加される。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、方法は、ステップc)の前に、少なくとも1つの追加的なパラメータを評価するステップ65と;精製容量が上側の所定の閾値を下回る場合には、カラムをクリーニングするステップ65aとをさらに含む。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、評価は、時間の経過に伴う、測定された少なくとも1つの追加的なパラメータのトレンド分析である。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、追加的なパラメータは、カラム上にロードされたサンプルフィードの量に関係して、少なくとも1つのキャプチャされた生産物を溶出させるときに測定される溶出ピーク面積である。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの追加的なパラメータを評価するステップは、65bによって示されているように、ブレークスルーが検出されている間に精製容量が上述の下側の所定の閾値を下回っている場合には、カラムを新しいカラムと交換するステップ69をさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、ステップc)は、66によって示されているように、少なくとも1つのキャプチャされた生産物のブレークスルーが検出される場合には、次の精製サイクルの中のローディングの間にロードされるサンプルフィードの量を低減させるステップ66aをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、サンプルフィードの量は、少なくとも5%低減される。いくつかの実施形態において、サンプルフィードの量は、ブレークスルーが検出されるときに、10%以下低減される。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、ステップa)におけるサンプルのローディングは、ローディング時間Δtの間に実施され;ローディング時間は、ステップc)において低減され、次の精製サイクルの間のブレークスルーを防止する。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、68によって示されているように、少なくとも「x」の連続する精製サイクル(たとえば、25の連続するサイクル)の間に、ローディング時間がステップc)において維持されているときには、ローディング時間が、次の精製サイクルのために増加される68a。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、ステップb)において測定されるパラメータは、カラムの後に装着されたUV検出器からの信号である。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、循環的反復精製は、サンプルフィードのバッチに対して、または、細胞培養リアクタから連続的に提供されるサンプルフィードに対して実施される。
【0058】
また、本発明は、キャプチャクロマトグラフィシステムに関し、キャプチャクロマトグラフィシステムは、ローディングの間にカラム内にキャプチャされるように構成されている少なくとも1つの生産物を含むサンプルフィードに対して実施される精製のために構成されているカラムと、カラム内の精製を制御するように構成されている制御ユニットとを含み、制御ユニットは、図6に関連して説明されている方法を実施するようにさらに構成されている。
【0059】
図7は、カラムキャプチャクロマトグラフィシステム内の動作状態をモニタリングするための方法の第3の態様を図示しており、カラムキャプチャクロマトグラフィシステムは、ローディングの間にカラム内にキャプチャされるように構成されている少なくとも1つの生産物を含む所定体積のサンプルフィードに対して実施される循環的反復精製のために構成されている。サンプルフィードの体積は、同じフィード(たとえば、大きいバッチ式のまたは連続的なフィード)から生じる。キャプチャクロマトグラフィシステムは、1つのシングルカラムまたは、代替として、並列に連結されているいくつかのカラムを含み、バイオリアクタがそれに接続され得、また、所定体積のサンプルフィードをカラムに提供するように構成されており、サンプルフィードの体積は、キャプチャクロマトグラフィシステムの体積容量よりも大きい。したがって、反復的に循環式精製を必要とする。プロセスは、複数のステップ:
a) 所定量のサンプルフィードをカラム上にロードすること、カラムを洗浄すること、および、少なくとも1つのキャプチャされた生産物を溶出させることを含む、精製サイクルを実施するステップ71と;
b) クロマトグラフィシステム内の精製容量を示す、少なくとも1つのキャプチャされた生産物の溶出の間の少なくとも1つのパラメータを測定するステップ72と;
c) 少なくとも1つのパラメータを評価するステップ74と;精製容量が上側の所定の閾値よりも低い場合には、カラムをクリーニングするステップ75aと;
d) ステップa)~c)を繰り返すステップと
を含む。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、ステップb)における少なくとも1つのパラメータは、カラム上にロードされるサンプルフィードの量に関係して、溶出された生産物の量になるように選択される。いくつかの実施形態によれば、ステップb)における少なくとも1つのパラメータは、力価(titer)になるように選択され、方法は、溶出の間のピーク面積を決定するステップと、決定されたピーク面積に基づいて力価を推定するステップとをさらに含む。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、循環的反復精製は、サンプルフィードのバッチに対して、または、細胞培養リアクタから連続的に提供されるサンプルフィードに対して実施される。
【0062】
また、本発明は、キャプチャクロマトグラフィシステムに関し、キャプチャクロマトグラフィシステムは、少なくとも1つの生産物を含む所定量のサンプルフィードに対して実施される循環的反復精製のために構成されているカラムと、カラム内の精製を制御するように構成されている制御ユニットとを含み、図7に関連して説明されている方法を実施するようにさらに構成されている。
【0063】
上記に説明されている方法は、バイオプロセス精製システムを制御するためのコンピュータプログラムの中に実装され得る。コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたとき、少なくとも1つのプロセッサに図5図7に関連して説明されている方法を実施させる命令を含む。バイオプロセス精製システムを制御するためのコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ可読記憶媒体によって担持され得る。
【0064】
したがって、本発明のさまざまな態様および実施形態は、手動介入なしに(たとえば、自動的に)第1のクロマトグラフィカラムを稼働するための、および、第1のクロマトグラフィカラムが使い果たされた場合にのみ、別のクロマトグラフィカラムの使用に切り替えるためのプロセスを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0065】
11 細胞培養
12 保持
13 キャプチャ
14 ウィルス不活性化
15 ポリッシュ
16 送達
17 オートメーションレイヤ
20 サンプルフィード
21 分離
22 バッチ化
23 上流プロセスを制御する
24 下流プロセスを制御する
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7