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特許7616693ヘテロ環化合物、これを含む有機発光素子、および有機発光素子の有機物層用組成物
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  • 特許-ヘテロ環化合物、これを含む有機発光素子、および有機発光素子の有機物層用組成物 図1
  • 特許-ヘテロ環化合物、これを含む有機発光素子、および有機発光素子の有機物層用組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ヘテロ環化合物、これを含む有機発光素子、および有機発光素子の有機物層用組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/04 20060101AFI20250109BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20250109BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20250109BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20250109BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20250109BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20250109BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20250109BHJP
   H10K 50/16 20230101ALI20250109BHJP
   H10K 50/15 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
C07D405/04
C07D405/14 CSP
C07D409/14
C07D487/04 137
C07D491/048
C07D495/04 105Z
H05B33/14 B
H05B33/22 B
H05B33/22 D
H10K50/10
H10K50/15
H10K50/16
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022532663
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 KR2020018560
(87)【国際公開番号】W WO2021132984
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2019-0175840
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513298491
【氏名又は名称】エルティー・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LT Materials Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】113-19, Dangha-Ro, Namsa-Myeon, Cheoin-Gu, Yongin-si, Gyeonggi-do 17118, korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミン-ジ
(72)【発明者】
【氏名】モ,ジュン-テ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン-ジュン
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2021294(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0054265(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1535606(KR,B1)
【文献】国際公開第2019/203550(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109705100(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110317195(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109879812(CN,A)
【文献】国際公開第2014/054912(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0367477(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0033017(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0007789(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0198780(US,A1)
【文献】特表2022-516750(JP,A)
【文献】特表2022-504855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
H10K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるヘテロ環化合物:
【化1】

前記化学式1中、
Lは、直接結合;または置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基であり、
Xは、Oであり、
N-hetは、下記化学式Aで表され、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;OもしくはSを含む、置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基;または下記化学式B-1、B-2、B-4およびB-5のいずれか一つで表される基であり、
は、水素;または重水素であり、
aは~3の整数であり、aが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
bは~4の整数であり、bが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
pは0~6の整数であり、pが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる;
【化5】

前記化学式A中、
*は、前記化学式1とN-hetが結合する位置であり、
~Yは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCRaであり、Y~Yのうち少なくとも2以上はNであり、CRaが2以上である場合、それぞれのRaは互いに同一または異なり、
前記Raは、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;および置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して、置換もしくは非置換の炭素数6~60の芳香族炭化水素環、または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロ環を形成する;
【化15】

【化16】

【化18】

【化19】

前記化学式B-1、B-2、B-4およびB-5中、
13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリーレン基であり、
Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリール基であり、
20、R23~R26は、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリール基であり、
11は、O;S;またはNRcであり、前記Rcは、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
cおよびdは、それぞれ0または1であり、
e、jおよびkは、それぞれ0~4の整数であり、hおよびiは、それぞれ0~6の整数であり、e~kがそれぞれ2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
【化20】

は、前記化学式1のLと結合する位置を意味する。
【請求項2】
前記「置換もしくは非置換」とは、炭素数1~60の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;炭素数2~60の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基;炭素数2~60の直鎖もしくは分岐鎖のアルキニル基;炭素数3~60の単環もしくは多環のシクロアルキル基;炭素数2~60の単環もしくは多環のヘテロシクロアルキル基;炭素数6~60の単環もしくは多環のアリール基;炭素数2~60の単環もしくは多環のヘテロアリール基;シリル基;ホスフィンオキシド基;およびアミン基からなる群より選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換であるか、前記例示された置換基の中から選択された2以上の置換基が連結された置換基で置換もしくは非置換であるという意味である、請求項1に記載のヘテロ環化合物。
【請求項3】
前記化学式1は、下記化学式1-1~1-3のいずれか一つで表される、請求項1に記載のヘテロ環化合物:
【化2】

【化3】

【化4】

前記化学式1-1~1-3中、各置換基の定義は化学式1と同様である。
【請求項4】
前記化学式Aは、下記化学式A-1~A-7のいずれか一つで表される、請求項1に記載のヘテロ環化合物:
【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

前記化学式A-1~A-7中、
*は、前記化学式1とN-hetが結合する位置であり、
~Z16は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z~Zのうち少なくとも2以上はNであり、Z~Zのうち少なくとも2以上はNであり、ZおよびZはNであり、ZおよびZ10はNであり、Z11およびZ12はNであり、Z13およびZ14はNであり、Z15およびZ16はNであり、
~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリーレン基であり、
Ar~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基であり、
~Xは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
q1~q9は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、前記q1~q9がそれぞれ2である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
r1~r4は、それぞれ独立して、1~3の整数であり、r5~r9は、それぞれ独立して、1~5の整数であり、前記r1~q9がそれぞれ2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【請求項5】
前記化学式1は、下記化合物のいずれか一つで表される、請求項1に記載のヘテロ環化合物:
【化21】


















【請求項6】
第1電極;第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、請求項1~5のいずれか1項に記載のヘテロ環化合物を含む、有機発光素子。
【請求項7】
前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、前記ヘテロ環化合物を含む、請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、前記ヘテロ環化合物を発光材料のホスト物質として含む、請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記有機発光素子は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔補助層および正孔阻止層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含む、請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記発光層は、2個以上のホスト物質を予備混合(pre-mixed)して使用可能であり、前記2個以上のホスト物質のうち少なくとも1個は、前記ヘテロ環化合物を発光材料のホスト物質として含む、請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項11】
請求項1に記載の前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種以上を含む、有機発光素子の有機物層用組成物。
【請求項12】
前記組成物中の2種の前記化学式1で表されるヘテロ環化合物の重量比は1:10~10:1である、請求項11に記載の有機発光素子の有機物層用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2019年12月27日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2019-0175840号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【0002】
本明細書は、ヘテロ環化合物、これを含む有機発光素子、および有機発光素子の有機物層用組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
電界発光素子は、自発光型表示素子の一種であって、視野角が広く、コントラストに優れるだけでなく、応答速度が速いという長所を有している。
【0004】
有機発光素子は、二つの電極の間に有機薄膜を配置させた構造を有している。このような構造の有機発光素子に電圧が印加されると、二つの電極から注入された電子と正孔が有機薄膜において結合して対をなした後、消滅しつつ光を発することになる。前記有機薄膜は、必要に応じて、単層または多層で構成されることができる。
【0005】
有機薄膜の材料は、必要に応じて、発光機能を有することができる。例えば、有機薄膜の材料としては、それ自体が単独で発光層を構成できる化合物が用いられてもよく、または、ホスト-ドーパント系発光層のホストまたはドーパントの役割ができる化合物が用いられてもよい。その他にも、有機薄膜の材料としては、正孔注入、正孔輸送、電子遮断、正孔遮断、電子輸送、電子注入などの役割ができる化合物が用いられてもよい。
【0006】
有機発光素子の性能、寿命または効率を向上させるために、有機薄膜の材料の開発が求められ続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第4,356,429号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書は、ヘテロ環化合物、これを含む有機発光素子、および有機発光素子の有機物層用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の一実施態様は、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物を提供する。
【化1】
【0010】
前記化学式1中、
Lは、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリーレン基であり、
Xは、O;またはSであり、
N-hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環基であり、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基および置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択された1以上で置換もしくは非置換のアミン基であり、
は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数6~40のヘテロアリール基であり、
aは0~3の整数であり、aが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
bは0~4の整数であり、bが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
pは0~6の整数であり、pが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0011】
また、本出願の一実施態様は、第1電極;第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む、有機発光素子を提供する。
【0012】
最後に、本出願の一実施態様は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種以上を含む、有機発光素子の有機物層用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に記載されたヘテロ環化合物は、有機発光素子の有機物層の材料として用いることができる。前記化合物は、有機発光素子において、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料、電子注入材料などの役割をすることができる。
【0014】
具体的に、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を有機物層に用いる場合、素子の駆動電圧を下げ、光効率を向上させ、素子の寿命特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本出願の一実施態様による有機発光素子の積層構造を例示的に示した図である。
図2】本出願の一実施態様による有機発光素子の積層構造を例示的に示した図である。
図3】本出願の一実施態様による有機発光素子の積層構造を例示的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本明細書についてより詳しく説明する。
【0017】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0018】
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合された水素原子が他の置換基に置き換わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0019】
本明細書において、「置換もしくは非置換」とは、炭素数1~60の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;炭素数2~60の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基;炭素数2~60の直鎖もしくは分岐鎖のアルキニル基;炭素数3~60の単環もしくは多環のシクロアルキル基;炭素数2~60の単環もしくは多環のヘテロシクロアルキル基;炭素数6~60の単環もしくは多環のアリール基;炭素数2~60の単環もしくは多環のヘテロアリール基;シリル基;ホスフィンオキシド基;およびアミン基からなる群より選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換であるか、前記例示された置換基の中から選択された2以上の置換基が連結された置換基で置換もしくは非置換であることを意味する。
【0020】
より具体的に、本明細書において、「置換もしくは非置換」とは、炭素数6~60の単環もしくは多環のアリール基;または炭素数2~60の単環もしくは多環のヘテロアリール基;からなる群より選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換であることを意味し得る。
【0021】
本明細書において、前記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であってもよい。
【0022】
本明細書において、前記アルキル基は、炭素数1~60の直鎖もしくは分岐鎖を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。前記アルキル基の炭素数は1~60、具体的には1~40、より具体的には1~20であってもよい。具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、1-メチル-ブチル基、1-エチル-ブチル基、ペンチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、ヘプチル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、n-ノニル基、2,2-ジメチルヘプチル基、1-エチル-プロピル基、1,1-ジメチル-プロピル基、イソヘキシル基、2-メチルペンチル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書において、前記アルケニル基は、炭素数2~60の直鎖もしくは分岐鎖を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。前記アルケニル基の炭素数は2~60、具体的には2~40、より具体的には2~20であってもよい。具体的な例としては、ビニル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、アリル基、1-フェニルビニル-1-イル基、2-フェニルビニル-1-イル基、2,2-ジフェニルビニル-1-イル基、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル基、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本明細書において、前記アルキニル基は、炭素数2~60の直鎖もしくは分岐鎖を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。前記アルキニル基の炭素数は2~60、具体的には2~40、より具体的には2~20であってもよい。
【0025】
本明細書において、アルコキシ基は、直鎖、分岐鎖もしくは環状鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1~20であることが好ましい。具体的に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、3,3-ジメチルブチルオキシ、2-エチルブチルオキシ、n-オクチルオキシ、n-ノニルオキシ、n-デシルオキシ、ベンジルオキシ、p-メチルベンジルオキシなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本明細書において、前記シクロアルキル基は、炭素数3~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。ここで、多環とは、シクロアルキル基が他の環状基と直接連結されるか縮合された基を意味する。ここで、他の環状基とは、シクロアルキル基であってもよいが、他種類の環状基、例えば、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などであってもよい。前記シクロアルキル基の炭素数は3~60、具体的には3~40、より具体的には5~20であってもよい。具体的に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、2,3-ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、2,3-ジメチルシクロヘキシル基、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本明細書において、前記ヘテロシクロアルキル基は、ヘテロ原子としてO、S、Se、NまたはSiを含み、炭素数2~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。ここで、多環とは、ヘテロシクロアルキル基が他の環状基と直接連結されるか縮合された基を意味する。ここで、他の環状基とは、ヘテロシクロアルキル基であってもよいが、他種類の環状基、例えば、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などであってもよい。前記ヘテロシクロアルキル基の炭素数は2~60、具体的には2~40、より具体的には3~20であってもよい。
【0028】
本明細書において、前記アリール基は、炭素数6~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。ここで、多環とは、アリール基が他の環状基と直接連結されるか縮合された基を意味する。ここで、他の環状基とは、アリール基であってもよいが、他種類の環状基、例えば、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基などであってもよい。前記アリール基は、スピロ基を含む。前記アリール基の炭素数は6~60、具体的には6~40、より具体的には6~25であってもよい。前記アリール基の具体的な例としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、クリセニル基、フェナントレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フェナレニル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、フルオレニル基、インデニル基、アセナフチレニル基、ベンゾフルオレニル基、スピロビフルオレニル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル基、これらの縮合環基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
本明細書において、ホスフィンオキシド基は、-P(=O)R101R102で表され、R101およびR102は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;シクロアルキル基;アリール基;およびヘテロ環基のうち少なくとも一つからなる置換基であってもよい。前記ホスフィンオキシド基は、具体的に、ジフェニルホスフィンオキシド基、ジナフチルホスフィンオキシドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本明細書において、シリル基は、Siを含み、前記Si原子がラジカルとして直接連結される置換基であり、-SiR104R105R106で表され、R104~R106は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;シクロアルキル基;アリール基;およびヘテロ環基のうち少なくとも一つからなる置換基であってもよい。シリル基の具体的な例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本明細書において、前記フルオレニル基は置換されていてもよく、隣接した置換基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0032】
本明細書において、前記スピロ基は、スピロ構造を含む基であって、炭素数15~60であってもよい。例えば、前記スピロ基は、フルオレニル基に2,3-ジヒドロ-1H-インデン基またはシクロヘキサン基がスピロ結合された構造を含んでもよい。具体的に、下記スピロ基は、下記構造式の基のいずれか一つを含んでもよい。
【化2】
【0033】
本明細書において、前記ヘテロアリール基は、ヘテロ原子としてS、O、Se、NまたはSiを含み、炭素数2~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によりさらに置換されていてもよい。ここで、前記多環とは、ヘテロアリール基が他の環状基と直接連結されるか縮合された基を意味する。ここで、他の環状基とは、ヘテロアリール基であってもよいが、他種類の環状基、例えば、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基などであってもよい。前記ヘテロアリール基の炭素数は2~60、具体的には2~40、より具体的には3~25であってもよい。前記ヘテロアリール基の具体的な例としては、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、フラニル基、チオフェン基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、フラザニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ジチアゾリル基、テトラゾリル基、ピラニル基、チオピラニル基、ジアジニル基、オキサジニル基、チアジニル基、ジオキシニル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、イソキナゾリニル基、キノゾリリル基、ナフチリジル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、イミダゾピリジニル基、ジアザナフタレニル基、トリアザインデン基、インドリル基、インドリジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、フェナジニル基、ジベンゾシロール基、スピロビ(ジベンゾシロール)、ジヒドロフェナジニル基、フェノキサジニル基、フェナントリジル基、イミダゾピリジニル基、チエニル基、インドロ[2,3-a]カルバゾリル基、インドロ[2,3-b]カルバゾリル基、インドリニル基、10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[b,f]アゼピン基、9,10-ジヒドロアクリジニル基、フェナントラジニル基、フェノチアチアジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル基、5,10-ジヒドロジベンゾ[b,e][1,4]アザシリニル、ピラゾロ[1,5-c]キナゾリニル基、ピリド[1,2-b]インダゾリル基、ピリド[1,2-a]イミダゾ[1,2-e]インドリニル基、5,11-ジヒドロインデノ[1,2-b]カルバゾリル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本明細書において、前記アミン基は、モノアルキルアミン基;モノアリールアミン基;モノヘテロアリールアミン基;-NH;ジアルキルアミン基;ジアリールアミン基;ジヘテロアリールアミン基;アルキルアリールアミン基;アルキルヘテロアリールアミン基;およびアリールヘテロアリールアミン基からなる群より選択されてもよく、炭素数は、特に限定されないが、1~30であることが好ましい。前記アミン基の具体的な例としては、メチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、ジビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9-メチル-アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、トリフェニルアミン基、ビフェニルナフチルアミン基、フェニルビフェニルアミン基、ビフェニルフルオレニルアミン基、フェニルトリフェニレニルアミン基、ビフェニルトリフェニレニルアミン基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が二つ存在するもの、すなわち、2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除いては、前述したアリール基の説明が適用されてもよい。また、ヘテロアリーレン基は、ヘテロアリール基に結合位置が二つ存在するもの、すなわち、2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除いては、前述したヘテロアリール基の説明が適用されてもよい。
【0036】
本明細書において、「隣接した」基は、当該置換基が置換された原子と直接連結された原子に置換された置換基、当該置換基と立体構造的に最も近く位置した置換基、または当該置換基が置換された原子に置換された他の置換基を意味し得る。例えば、ベンゼン環におけるオルト(ortho)位に置換された2個の置換基、および脂肪族環における同一炭素に置換された2個の置換基は、互いに「隣接した」基と解釈することができる。
【0037】
本明細書において、「化学式または化合物の構造に置換基が表示されていない場合」は、炭素原子に水素原子が結合されていることを意味する。ただし、重水素(H、Deuterium)は水素の同位元素であるため、一部の水素原子は重水素であってもよい。
【0038】
本出願の一実施態様において、「化学式または化合物の構造に置換基が表示されていない場合」は、置換基として来れる位置が全て水素または重水素であることを意味し得る。すなわち、重水素の場合、水素の同位元素であって、一部の水素原子は、同位元素である重水素であってもよく、この際、重水素の含量は、0%~100%であってもよい。
【0039】
本出願の一実施態様において、「化学式または化合物の構造に置換基が表示されていない場合」において、重水素の含量が0%、水素の含量が100%、置換基はいずれも水素であるなど、重水素を明らかに排除していない場合には、水素と重水素は、化合物において混在して用いられてもよい。
【0040】
本出願の一実施態様において、重水素は、水素の同位元素(isotope)のうち一つであり、1個の陽子(proton)と1個の中性子(neutron)とからなる重陽子(deuteron)を原子核(nucleus)として有する元素であって、水素-2で表されてもよく、元素記号はDまたは2Hと表記してもよい。
【0041】
本出願の一実施態様において、原子番号(atomic number、Z)は同一であるものの、質量数(mass number、A)が異なる原子を意味する同位元素は、同じ数の陽子(proton)を有するものの、中性子(neutron)の数が異なる元素と解釈することができる。
【0042】
本出願の一実施態様において、特定の置換基の含量T%の意味は、基本となる化合物が有し得る置換基の総個数をT1と定義し、そのうち特定の置換基の個数をT2と定義する場合、T2/T1×100=T%と定義することができる。
【0043】
すなわち、一例示において、
【化3】

で表されるフェニル基において重水素の含量が20%であるとは、フェニル基が有し得る置換基の総個数は5(式中のT1)個であり、そのうち重水素の個数が1(式中のT2)個である場合に20%と表すことができる。すなわち、フェニル基において重水素の含量が20%であるというものは、下記構造式で表されてもよい。
【化4】
【0044】
また、本出願の一実施態様において、「重水素の含量が0%であるフェニル基」の場合、重水素原子が含まれていない、すなわち、5個の水素原子を有するフェニル基を意味し得る。
【0045】
本出願の一実施態様において、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物を提供する。
【化5】
【0046】
前記化学式1中、
Lは、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリーレン基であり、
Xは、O;またはSであり、
N-hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環基であり、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基および置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択された1以上で置換もしくは非置換のアミン基であり、
は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数6~40のヘテロアリール基であり、
aは0~3の整数であり、aが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
bは0~4の整数であり、bが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
pは0~6の整数であり、pが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0047】
前記化学式1で表されるヘテロ環化合物は、熱安定性が高いながらも、前記N-hetがリンカーなしに連結され、適切な分子量およびバンドギャップを有する。このような化合物を有機発光素子の発光層に用いる場合、電子および正孔の流失を防ぎ、効果的な電子と正孔の再結合領域(recombination zone)の形成に役立つことになる。このように再結合効率が増加すると、電流効率が増加するため、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を有機発光素子中の有機物質として用いる場合、有機発光素子の高い効率および寿命増加を期待することができる。
【0048】
本出願の一実施態様において、前記化学式1は、下記化学式1-1~1-3のいずれか一つで表されてもよい。
【化6】

【化7】

【化8】
【0049】
前記化学式1-1~1-3中、各置換基の定義は化学式1と同様である。
【0050】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のLは、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0051】
他の一実施態様において、前記Lは、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0052】
また他の一実施態様において、前記Lは、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0053】
さらに他の一実施態様において、前記Lは、直接結合;置換もしくは非置換のフェニレン基;置換もしくは非置換のナフチレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0054】
さらに他の一実施態様において、前記Lは、直接結合;置換もしくは非置換のフェニレン基;または置換もしくは非置換のナフタレン基であってもよい。
【0055】
さらに他の一実施態様において、前記Lは、直接結合;フェニレン基;またはナフタレン基であってもよい。
【0056】
さらに他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0057】
さらに他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0058】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0059】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のXは、O;またはSであってもよい。
【0060】
本出願の一実施態様において、前記XはOである。
【0061】
本出願の一実施態様において、前記XはSである。
【0062】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のN-hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環基であってもよい。
【0063】
他の一実施態様において、前記N-hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上3個以下で含む単環もしくは多環のヘテロ環基であってもよい。
【0064】
また他の一実施態様において、前記N-hetは、炭素数6~60のアリール基および炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択される1以上の置換基で置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環の炭素数2~60のヘテロ環基であってもよい。
【0065】
さらに他の一実施態様において、前記N-hetは、炭素数6~60のアリール基および炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択される1以上の置換基で置換もしくは非置換であり、Nを1個以上3個以下で含む単環もしくは多環の炭素数2~60のヘテロ環基であってもよい。
【0066】
さらに他の一実施態様において、前記N-hetは、下記化学式Aで表されてもよい。
【化9】
【0067】
前記化学式A中、
*は、前記化学式1とN-hetが結合する位置であり、
~Yは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCRaであり、Y~Yのうち少なくとも1以上はNであり、CRaが2以上である場合、それぞれのRaは互いに同一または異なり、
前記Raは、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;および置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して、置換もしくは非置換の炭素数6~60の芳香族炭化水素環、または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロ環を形成してもよい。
【0068】
本出願の一実施態様において、前記化学式Aは、下記化学式A-1~A-7のいずれか一つで表されてもよい。
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】
【0069】
前記化学式A-1~A-7中、
*は、前記化学式1とN-hetが結合する位置であり、
~Z16は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z~Zのうち少なくとも1以上はNであり、Z~Zのうち少なくとも1以上はNであり、ZおよびZのうち少なくとも1以上はNであり、ZおよびZ10のうち少なくとも1以上はNであり、Z11およびZ12のうち少なくとも1以上はNであり、Z13およびZ14のうち少なくとも1以上はNであり、Z15およびZ16のうち少なくとも1以上はNであり、
~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリーレン基であり、
Ar~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基であり、
~Xは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
q1~q9は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、前記q1~q9がそれぞれ2である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
r1~r4は、それぞれ独立して、1~3の整数であり、r5~r9は、それぞれ独立して、1~5の整数であり、前記r1~q9がそれぞれ2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0070】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-1のZ~Zは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z~Zのうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0071】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZおよびZはCHである。
【0072】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZおよびZはCHである。
【0073】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZおよびZはCHである。
【0074】
本出願の一実施態様において、前記ZはCHであり、ZおよびZはNである。
【0075】
本出願の一実施態様において、前記ZはCHであり、ZおよびZはNである。
【0076】
本出願の一実施態様において、前記ZはCHであり、ZおよびZはNである。
【0077】
本出願の一実施態様において、前記Z~ZはNである。
【0078】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-2のZ~Zは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z~Zのうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0079】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZおよびZはCHである。
【0080】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZおよびZはCHである。
【0081】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZおよびZはCHである。
【0082】
本出願の一実施態様において、前記ZはCHであり、ZおよびZはNである。
【0083】
本出願の一実施態様において、前記ZはCHであり、ZおよびZはNである。
【0084】
本出願の一実施態様において、前記ZはCHであり、ZおよびZはNである。
【0085】
本出願の一実施態様において、前記Z~ZはNである。
【0086】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-3のZおよびZは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、ZおよびZのうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0087】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZはCHである。
【0088】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、ZはCHである。
【0089】
本出願の一実施態様において、前記ZおよびZはNである。
【0090】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-4のZおよびZ10は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、ZおよびZ10のうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0091】
本出願の一実施態様において、前記ZはNであり、Z10はCHである。
【0092】
本出願の一実施態様において、前記Z10はNであり、ZはCHである。
【0093】
本出願の一実施態様において、前記ZおよびZ10はNである。
【0094】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-5のZ11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z11およびZ12のうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0095】
本出願の一実施態様において、前記Z11はNであり、Z12はCHである。
【0096】
本出願の一実施態様において、前記Z12はNであり、Z11はCHである。
【0097】
本出願の一実施態様において、前記Z11およびZ12はNである。
【0098】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-6のZ13およびZ14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z13およびZ14のうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0099】
本出願の一実施態様において、前記Z13はNであり、Z14はCHである。
【0100】
本出願の一実施態様において、前記Z14はNであり、Z13はCHである。
【0101】
本出願の一実施態様において、前記Z13およびZ14はNである。
【0102】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-7のZ15およびZ16は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、NまたはCHであり、Z15およびZ16のうち少なくとも1以上はNであってもよい。
【0103】
本出願の一実施態様において、前記Z15はNであり、Z16はCHである。
【0104】
本出願の一実施態様において、前記Z16はNであり、Z15はCHである。
【0105】
本出願の一実施態様において、前記Z15およびZ16はNである。
【0106】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-1~A-7のL~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0107】
本出願の一実施態様において、前記L~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0108】
本出願の一実施態様において、前記L~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0109】
本出願の一実施態様において、前記L~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基であってもよい。
【0110】
本出願の一実施態様において、前記L~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換のフェニレン基;または置換もしくは非置換のナフタレン基であってもよい。
【0111】
本出願の一実施態様において、前記L~Lは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;フェニレン基;またはナフタレン基であってもよい。
【0112】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0113】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0114】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0115】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0116】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0117】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0118】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0119】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0120】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0121】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0122】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0123】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0124】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0125】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0126】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0127】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0128】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0129】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0130】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0131】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0132】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0133】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0134】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0135】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0136】
他の一実施態様において、前記Lは直接結合である。
【0137】
また他の一実施態様において、前記Lはフェニレン基である。
【0138】
さらに他の一実施態様において、前記Lはナフチレン基である。
【0139】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-5~A-7のX~Xは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであってもよい。
【0140】
本出願の一実施態様において、前記Xは、O;またはSであってもよい。
【0141】
本出願の一実施態様において、前記XはOである。
【0142】
本出願の一実施態様において、前記XはSである。
【0143】
本出願の一実施態様において、前記Xは、O;またはSであってもよい。
【0144】
本出願の一実施態様において、前記XはOである。
【0145】
本出願の一実施態様において、前記XはSである。
【0146】
本出願の一実施態様において、前記Xは、O;またはSであってもよい。
【0147】
本出願の一実施態様において、前記XはOである。
【0148】
本出願の一実施態様において、前記XはSである。
【0149】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-1~A-7のq1~q9は、それぞれ独立して、0~2の整数であり、前記q1~q9がそれぞれ2である場合、括弧内の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0150】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-1~A-7のAr~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基であってもよい。
【0151】
本出願の一実施態様において、前記Ar~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基であってもよい。
【0152】
本出願の一実施態様において、前記Ar~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリール基であってもよい。
【0153】
本出願の一実施態様において、前記Ar~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のテルフェニル基;置換もしくは非置換のトリフェニル基;置換もしくは非置換のジベンゾフラン基;置換もしくは非置換のジベンゾチオフェン基;または置換もしくは非置換のカルバゾリル基であってもよい。
【0154】
本出願の一実施態様において、前記Ar~Arは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、フェニル基;ビフェニル基;テルフェニル基;トリフェニル基;ジベンゾフラン基;ジベンゾチオフェン基;またはカルバゾリル基であってもよい。
【0155】
本出願の一実施態様において、前記化学式A-1~A-7のr1~r4は、それぞれ独立して、1~3の整数であり、r5~r8は、それぞれ独立して、1~5の整数であり、前記r1~r9がそれぞれ2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0156】
他の一実施態様において、前記N-hetは、炭素数6~60のアリール基および炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換であり、ピリジル基;ピリミジル基;ピリダジニル基;ピラゾリル基;トリアジニル基;キノリル基;イソキノリル基;キナゾリニル基;イソキナゾリニル基;キノゾリリル基;ナフチリジル基;ベンゾチアゾール基;またはベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジン基であってもよい。
【0157】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のArは、置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基、または置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基および置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基からなる群より選択された1以上で置換もしくは非置換のアミン基であってもよい。
【0158】
前記化学式1のArがアミン基である化合物の場合、さらに強いドナー特性を有するため、これを有機発光素子の有機物層に用いる場合、ホール注入にさらに役立つことによりドーパントのホールトラップ現象を解消させるため、有機発光素子の効率をさらに改善させることができる。
【0159】
また、前記化学式1のArがアミン基である化合物の場合、さらに低いHOMOおよびLUMOレベルを有するため、前記化学式1のArがアリール基またはヘテロアリール基である化合物のように有機発光素子の有機物層に用いる場合、エキシプレックス(exciplex)の形成に有利なエネルギー準位差を有することで、有機発光素子の効率および寿命をさらに改善させることができる。
【0160】
本出願の一実施態様において、前記Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~60のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロアリール基;または下記化学式Bで表される基であってもよい。
【化17】
【0161】
前記化学式B中、
11およびL12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリーレン基、または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリーレン基であり、
Ar11およびAr12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;および置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリール基からなる群より選択されるか、前記Ar11およびAr12は、互いに結合して、置換もしくは非置換の炭素数6~60の芳香族炭化水素環、または置換もしくは非置換の炭素数2~60のヘテロ環を形成し、
mおよびnは、それぞれ0または1であり、
【化18】

は、前記化学式1のLと結合する位置を意味する。
【0162】
本出願の一実施態様において、前記化学式Bは、下記化学式B-1~B-5のいずれか一つで表されてもよい。
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】
【0163】
前記化学式B-1~B-5中、
13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリーレン基であり、
Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリール基であり、
20~R26は、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリール基であり、
11は、O;S;またはNRcであり、前記Rcは、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、
cおよびdは、それぞれ0または1であり、
e、g、jおよびkは、それぞれ0~4の整数であり、f、hおよびiは、それぞれ0~6の整数であり、e~kがそれぞれ2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なり、
【化24】

は、前記化学式1のLと結合する位置を意味する。
【0164】
本出願の一実施態様において、前記化学式B-1のL13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0165】
本出願の一実施態様において、前記化学式B-1のL13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリーレン基であってもよい。
【0166】
本出願の一実施態様において、前記L13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基であってもよい。
【0167】
本出願の一実施態様において、前記L13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;置換もしくは非置換のフェニレン基;置換もしくは非置換のビフェニレン基;または置換もしくは非置換のナフタレン基であってもよい。
【0168】
本出願の一実施態様において、前記L13およびL14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、直接結合;フェニレン基;ビフェニレン基;またはナフタレン基であってもよい。
【0169】
本出願の一実施態様において、前記L13は直接結合である。
【0170】
本出願の一実施態様において、前記L13はフェニレン基である。
【0171】
本出願の一実施態様において、前記L13はビフェニレン基である。
【0172】
本出願の一実施態様において、前記L13はナフチレン基である。
【0173】
本出願の一実施態様において、前記L14は直接結合である。
【0174】
本出願の一実施態様において、前記L14はフェニレン基である。
【0175】
本出願の一実施態様において、前記L14はビフェニレン基である。
【0176】
本出願の一実施態様において、前記L14はナフチレン基である。
【0177】
本出願の一実施態様において、前記化学式B-1のAr13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリール基であってもよい。
【0178】
本出願の一実施態様において、前記Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基、または置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロアリール基であってもよい。
【0179】
本出願の一実施態様において、前記Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;置換もしくは非置換のジベンゾチオフェン基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラン基であってもよい。
【0180】
本出願の一実施態様において、前記Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;フェニル基および炭素数1~10のアルキル基からなる群より選択された1以上で置換もしくは非置換のフルオレニル基;置換もしくは非置換のジベンゾチオフェン基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラン基であってもよい。
【0181】
本出願の一実施態様において、前記Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;フェニル基およびメチル基からなる群より選択された1以上で置換もしくは非置換のフルオレニル基;置換もしくは非置換のジベンゾチオフェン基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラン基であってもよい。
【0182】
本出願の一実施態様において、前記Ar13およびAr14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、フェニル基;ビフェニル基;ナフチル基;フェニル基およびメチル基からなる群より選択された1以上で置換もしくは非置換のフルオレニル基;置換もしくは非置換のジベンゾチオフェン基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラン基であってもよい。
【0183】
本出願の一実施態様において、前記化学式B-1のcおよびdは、それぞれ0または1であってもよい。
【0184】
本出願の一実施態様において、前記化学式B-1~B-5のR20~R26は、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリール基であってもよい。
【0185】
本出願の一実施態様において、前記R20~R26は、それぞれ独立して、水素;重水素;または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であってもよい。
【0186】
本出願の一実施態様において、前記R20~R26は、それぞれ独立して、水素;重水素;または置換もしくは非置換のフェニル基であってもよい。
【0187】
本出願の一実施態様において、前記R20~R26は、それぞれ独立して、水素;またはフェニル基であってもよい。
【0188】
本出願の一実施態様において、前記R20は、水素;またはフェニル基であってもよい。
【0189】
本出願の一実施態様において、前記化学式B-5のX11は、O;S;またはNRcであり、前記Rcは、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であってもよい。
【0190】
本出願の一実施態様において、前記X11は、O;S;またはNRcであり、前記Rcは、フェニル基であってもよい。
【0191】
本出願の一実施態様において、前記X11はOである。
【0192】
本出願の一実施態様において、前記X11はSである。
【0193】
本出願の一実施態様において、前記X11はNRcであり、前記Rcはフェニル基である。
【0194】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のXは、O;またはSであってもよい。
【0195】
本出願の一実施態様において、前記XはOである。
【0196】
本出願の一実施態様において、前記XはSである。
【0197】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のaは0~3の整数であり、前記aが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0198】
本出願の一実施態様において、前記aは3である。
【0199】
本出願の一実施態様において、前記aは2である。
【0200】
本出願の一実施態様において、前記aは1である。
【0201】
本出願の一実施態様において、前記aは0である。
【0202】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のbは0~4の整数であり、前記bが2以上である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0203】
本出願の一実施態様において、前記bは4である。
【0204】
本出願の一実施態様において、前記bは3である。
【0205】
本出願の一実施態様において、前記bは2である。
【0206】
本出願の一実施態様において、前記bは1である。
【0207】
本出願の一実施態様において、前記bは0である。
【0208】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のRは、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~40のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数6~40のヘテロアリール基であってもよい。
【0209】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のRは水素である。
【0210】
本出願の一実施態様において、前記化学式1のpは0~6の整数であり、pが2である場合、括弧内の置換基は互いに同一または異なる。
【0211】
本出願の一実施態様において、前記pは6である。
【0212】
本出願の一実施態様において、前記pは5である。
【0213】
本出願の一実施態様において、前記pは4である。
【0214】
本出願の一実施態様において、前記pは3である。
【0215】
本出願の一実施態様において、前記pは2である。
【0216】
本出願の一実施態様において、前記pは1である。
【0217】
本出願の一実施態様において、前記pは0である。
【0218】
本出願の一実施態様において、前記化学式1は、下記化合物のいずれか一つで表される、ヘテロ環化合物を提供する。
【化25】

















【0219】
また、前記化学式1の構造に多様な置換基を導入することで、導入された置換基の固有特性を有する化合物を合成することができる。例えば、有機発光素子の製造時に用いられる正孔注入層物質、正孔輸送層物質、発光層物質、電子輸送層物質および電荷生成層物質に主に用いられる置換基を前記コア構造に導入することで、各有機物層に求められる条件を満たす物質を合成することができる。
【0220】
また、前記化学式1の構造に多様な置換基を導入することで、エネルギーバンドギャップを微細に調節可能にし、その一方で、有機物間の界面における特性を向上するようにし、物質の用途を多様にすることができる。
【0221】
一方、前記ヘテロ環化合物は、ガラス転移温度(Tg)が高いため、熱的安定性に優れる。このような熱的安定性の増加は、素子に駆動安定性を提供する重要な要因となる。
【0222】
本出願の一実施態様によるヘテロ環化合物は、多段階の化学反応により製造することができる。一部の中間体化合物が先に製造され、その中間体化合物から化学式1の化合物を製造することができる。より具体的に、本出願の一実施態様によるヘテロ環化合物は、後述する製造例に基づいて製造することができる。
【0223】
本出願の他の実施態様は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む有機発光素子を提供する。前記「有機発光素子」は、「有機発光ダイオード」、「OLED(Organic Light Emitting Diodes)」、「OLED素子」、「有機電界発光素子」などの用語で表現されてもよい。
【0224】
本出願の一実施態様において、第1電極;第2電極;および前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を含む、有機発光素子を提供する。
【0225】
本出願の一実施態様において、前記第1電極は、陽極であってもよく、前記第2電極は、陰極であってもよい。
【0226】
本出願のまた一つの実施態様において、前記第1電極は、陰極であってもよく、前記第2電極は、陽極であってもよい。
【0227】
本出願の一実施態様において、前記有機発光素子は、青色有機発光素子であってもよく、前記化学式1によるヘテロ環化合物は、前記青色有機発光素子の材料として用いられてもよい。
【0228】
本出願のまた一つの実施態様において、前記有機発光素子は、緑色有機発光素子であってもよく、前記化学式1によるヘテロ環化合物は、前記緑色有機発光素子の材料として用いられてもよい。
【0229】
本出願のさらに一つの実施態様において、前記有機発光素子は、赤色有機発光素子であってもよく、前記化学式1によるヘテロ環化合物は、前記赤色有機発光素子の材料として用いられてもよい。
【0230】
前記化学式1で表されるヘテロ環化合物に関する具体的な内容は前述したものと同様である。
【0231】
本出願の有機発光素子は、前述したヘテロ環化合物を用いて1層以上の有機物層を形成することを除いては、通常の有機発光素子の製造方法および材料により製造されてもよい。
【0232】
前記ヘテロ環化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法により、有機物層に形成されてもよい。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらのみに限定されるものではない。
【0233】
本出願の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなってもよいが、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなってもよい。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔補助層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有してもよい。しかし、有機発光素子の構造は、これに限定されず、さらに少ない数の有機物層を含んでもよい。
【0234】
本出願の有機発光素子において、前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、前記ヘテロ環化合物を含んでもよい。前記ヘテロ環化合物が発光層に用いられる場合、ホモ(HOMO、Highest Occupied Molecular Orbital)およびルモ(LUMO、HOMO、Lowest ighest Unoccupied Molecular Orbital)を空間的に分離して強い電荷移動(charge transfer)が可能であるため、有機発光素子の駆動効率および寿命に優れることができる。有機発光素子の駆動、効率および寿命に優れることができる。
【0235】
本発明の有機発光素子は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔補助層および正孔阻止層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含んでもよい。
【0236】
図1~3に本出願の一実施態様による有機発光素子の電極と有機物層の積層順を例示した。しかし、これらの図面により本出願の範囲を限定しようとするものではなく、当該技術分野で周知の有機発光素子の構造が本出願に適用されてもよい。
【0237】
図1によると、基板100上に、陽極200、有機物層300および陰極400が順次積層された有機発光素子が示される。しかし、このような構造のみに限定されるものではなく、図2のように、基板上に、陰極、有機物層および陽極が順次積層された有機発光素子が実現されてもよい。
【0238】
図3は、有機物層が多層である場合を例示したものである。図3による有機発光素子は、正孔注入層301、正孔輸送層302、発光層303、正孔阻止層304、電子輸送層305および電子注入層306を含む。しかし、このような積層構造により本出願の範囲が限定されるものではなく、必要に応じて、発光層を除いた残りの層は省略されてもよく、必要な他の機能層がさらに追加されてもよい。
【0239】
前記化学式1で表される化合物を含む有機物層は、必要に応じて、他の物質をさらに含んでもよい。
【0240】
本出願の一実施態様による有機発光素子において、前記化学式1の化合物以外の材料を下記に例示するが、これらは例示するためのものにすぎず、本出願の範囲を限定するためのものではなく、当該技術分野で公知の材料に代替されてもよい。
【0241】
陽極材料としては、比較的に仕事関数の大きい材料を用いてもよく、透明導電性酸化物、金属または導電性高分子などを用いてもよい。前記陽極材料の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0242】
陰極材料としては、比較的に仕事関数の低い材料を用いてもよく、金属、金属酸化物または導電性高分子などを用いてもよい。前記陰極材料の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造の物質などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0243】
正孔注入材料としては、公知の正孔注入材料を用いてもよく、例えば、米国特許第4,356,429号に開示された銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、または文献[Advanced Material、6、p.677(1994)]に記載されたスターバースト型アミン誘導体類、例えば、トリス(4-カルバゾイル-9-イルフェニル)アミン(TCTA)、4,4’,4’’-トリ[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン(m-MTDATA)、1,3,5-トリス[4-(3-メチルフェニルフェニルアミノ)フェニル]ベンゼン(m-MTDAPB)、溶解性のある導電性高分子であるポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonic acid)、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(4-styrenesulfonate))、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Polyaniline/Camphor sulfonic acid)、またはポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(Polyaniline/Poly(4-styrene-sulfonate))などを用いてもよい。
【0244】
正孔輸送材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン系誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが用いられてもよく、低分子または高分子材料が用いられてもよい。
【0245】
電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8-ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体などが用いられてもよく、低分子物質だけでなく、高分子物質が用いられてもよい。
【0246】
電子注入材料としては、例えば、LiFが当業界で代表的に用いられるが、本出願がこれに限定されるものではない。
【0247】
発光材料としては、赤色、緑色または青色の発光材料が用いられてもよく、必要な場合、2以上の発光材料を混合して用いてもよい。この際、2以上の発光材料を個別的な供給源として蒸着して用いるか、予備混合(pre-mixed)して一つの供給源として蒸着して用いてもよい。また、発光材料として、蛍光材料を用いてもよいが、燐光材料を用いてもよい。発光材料としては、単独として陽極と陰極からそれぞれ注入された正孔と電子を結合して発光させる材料が用いられてもよいが、ホスト材料とドーパント材料が共に発光に関与する材料が用いられてもよい。
【0248】
発光材料のホストを混合して用いる場合には、同一系のホストを混合して用いてもよく、異なる系のホストを混合して用いてもよい。例えば、nタイプのホスト材料またはpタイプのホスト材料のいずれか2種類以上の材料を選択して発光層のホスト材料として用いてもよい。
【0249】
本出願の有機発光素子において、前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、前記ヘテロ環化合物を発光材料のホスト物質として含んでもよい。
【0250】
本出願の有機発光素子において、前記発光層は、2個以上のホスト物質を含んでもよく、前記ホスト物質のうち少なくとも1個は、前記ヘテロ環化合物を発光材料のホスト物質として含んでもよい。
【0251】
本出願の有機発光素子において、前記発光層は、2個以上のホスト物質を予備混合(pre-mixed)して用いてもよく、前記2個以上のホスト物質のうち少なくとも1個は、前記ヘテロ環化合物を発光材料のホスト物質として含んでもよい。
【0252】
前記予備混合(pre-mixed)は、前記発光層は、2個以上のホスト物質を有機物層に蒸着する前に先に材料を混ぜて一つの供源に入れて混合することを意味する。
【0253】
本出願の有機発光素子において、前記発光層は、2個以上のホスト物質を含んでもよく、前記2個以上のホスト物質は、それぞれ1個以上のpタイプのホスト材料およびnタイプのホスト材料を含み、前記ホスト物質のうち少なくとも1個は、前記ヘテロ環化合物を発光材料のホスト物質として含んでもよい。この場合、有機発光素子の駆動、効率および寿命に優れることができる。
【0254】
本出願の有機発光素子において、前記発光層は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種以上を含んでもよい。
【0255】
本出願の有機発光素子において、前記発光層は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種を含んでもよい。
【0256】
前記化学式1で表されるヘテロ環化合物を2種以上共に発光層に用いる場合、エキシプレックス(exciplex)を形成して素子性能を向上させることができる。
【0257】
本出願の一実施態様において、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種以上が同時にホスト物質として用いられてもよい。
【0258】
本出願の一実施態様において、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種以上を含む、有機発光素子の有機物層用組成物を提供する。
【0259】
本出願の一実施態様において、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物のうち2種を含む、有機発光素子の有機物層用組成物を提供する。
【0260】
前記組成物中の2種の前記化学式1で表されるヘテロ環化合物の重量比は1:10~10:1であってもよく、1:8~8:1であってもよく、1:5~5:1であってもよく、1:2~2:1であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0261】
本出願の一実施態様による有機発光素子は、用いられる材料に応じて、前面発光型、背面発光型または両面発光型であってもよい。
【0262】
本出願の一実施態様によるヘテロ環化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどをはじめとする有機電子素子においても有機発光素子に適用されるのと類似した原理で作用することができる。
【実施例
【0263】
以下、実施例により本明細書をさらに詳しく説明するが、これらは本出願を例示するためのものにすぎず、本出願の範囲を限定するためのものではない。
【0264】
<製造例>
[製造例1]化合物1の製造
【化26】
【0265】
1)化合物1-1の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-ヨードベンゼン(50g、150mmol)、(3-メトキシナフタレン-2-イル)ボロン酸(30g、150mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17g、15mmol)、炭酸カリウム(62g、450mmol)、トルエン/エタノール/水(500ml/100ml/100ml)の混合物を110℃で還流撹拌した。その後、ジクロロメタンで抽出し、MgSOで乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製法を用いて化合物1-1を得た(48g、88%)。
【0266】
2)化合物1-2の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物1-1(48g、132mmol)、ジクロロメタン(1000ml)の混合物を0℃に冷却した。BBr(26mL、270mmol)を滴加した後、常温に昇温して2時間撹拌した。その後、蒸留水で反応を終結した後、ジクロロメタンで抽出し、MgSOで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製法を用いて化合物1-2を得た(37g、80%)。
【0267】
3)化合物1-3の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物1-2(37g、106mmol)、CsCO(172g、530mmol)のジメチルアセトアミド(400ml)混合物を120℃で撹拌した。その後、常温に冷却した後に濾過し、濾液の溶媒を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製法を用いて化合物1-3を得た(32g、88%)。
【0268】
4)化合物1-4の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物1-3(10g、30mmol)、7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(7H-dibenzo[c,g]carbazole)(8g、30mmol)、CsCO(48g、150mmol)のジメチルアセトアミド(100ml)混合物を170℃で12h還流撹拌した。その後、常温に冷却した後に濾過し、濾液の溶媒を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製法を用いて化合物1-4を得た(11.3g、73%)。
【0269】
5)化合物1-5の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物1-4(11.8g、22mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(12g、44mmol)、XPhos(2.0g、4.4mmol)、酢酸カリウム(6.4g、66mmol)、Pd(dba)(1.2g、2.2mmol)の1,4-ジオキサン(100ml)混合物を140℃で還流撹拌した。その後、ジクロロメタンで抽出した後に濃縮して生成された固体をジクロロメタン/MeOHを用いた再結晶精製法により化合物1-5を得た(12.8g、96%)。
【0270】
6)化合物1の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物1-5(12.8g、21.1mmol)、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(5.8g、22mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.4g、2.11mmol)、炭酸カリウム(8.7g、63.3mmol)、1,4-ジオキサン/水(120ml/24ml)を入れた混合物を120℃で3時間還流撹拌した。反応中に析出された固体を熱い状態で濾過し、1,4-ジオキサン、蒸留水、MeOHで精製して化合物1を得た(10.5g、70%)。
【0271】
前記製造例1において、7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(7H-dibenzo[c,g]carbazole)の代わりに下記表1のAを用い、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに下記表1のBを用いたことを除いては、前記製造例1の化合物1の製造と同様の方法により、下記表1の目的化合物を合成した。
【0272】
【表1】
【0273】
前記製造例1の化合物1-3の製造において、1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-ヨードベンゼンの-Br、-Clに応じて、化合物1-3における-Br、-Clの位置が異なり、それにより合成可能な中間体は下記のとおりである。
【化27】
【0274】
前記製造例1において、化合物1-3の代わりに下記表2に記載されたように前記中間体C-0、D-0、E-0、F-0およびG-0のうち一つを用い、下記表2のAおよびBを用いたことを除いては、化合物1の製造と同様の方法により、下記表2の目的化合物を合成した。
【0275】
【表2】
【0276】
[製造例2]化合物9の製造
【化28】
【0277】
1)化合物9-1の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物1-3(30g、90mmol)、N-フェニル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-アミン(42g、90mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10g、9mmol)、炭酸カリウム(37g、270mmol)、トルエン/エタノール/水(300ml/60ml/60ml)の混合物を110℃で還流撹拌した。その後、ジクロロメタンで抽出し、MgSOで乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製法を用いて化合物9-1を得た(66g、92%)。
【0278】
2)化合物9-2の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物9-1(10g、16mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8g、32mmol)、XPhos(1.5g、3.2mmol)、酢酸カリウム(4.7g、48mmol)、Pd(dba)(0.9g、1.6mmol)の1,4-ジオキサン(100ml)混合物を140℃で還流撹拌した。その後、ジクロロメタンで抽出した後に濃縮して生成された固体をジクロロメタン/MeOHを用いた再結晶精製法により化合物9-2を得た(8.8g、88%)。
【0279】
3)化合物9の製造
一口丸底フラスコ(One neck r.b.f)にて、化合物9-2(8.8g、14mmol)、6-クロロ-3,5-ジフェニル-1,2,4-トリアジン(3.7g、14mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.6g、1.4mmol)、炭酸カリウム(5.7g、42mmol)、1,4-ジオキサン/水(100ml/20ml)を入れた混合物を120℃で3時間還流撹拌した。その後、反応中に析出された固体を熱い状態で濾過し、1,4-ジオキサン、蒸留水、MeOHで精製して化合物9を得た(9.0g、81%)。
【0280】
前記製造例2において、N-フェニル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-アミンの代わりに下記表3のAを用い、6-クロロ-3,5-ジフェニル-1,2,4-トリアジンの代わりに下記表3のBを用いたことを除いては、前記製造例2の化合物9の製造と同様の方法により、下記表3の目的化合物を合成した。
【0281】
【表3】
【0282】
前記製造例2においても同様に、化合物1-3の代わりに下記の中間体を用いてもよい。
【化29】
【0283】
前記製造例2において、化合物1-3の代わりに前記表2に記載されたように前記C-0、D-0、E-0、F-0およびG-0のうち一つを用い、下記表4のAおよびBを用いたことを除いては、化合物9の製造と同様の方法により、下記表4の目的化合物を合成した。
【0284】
【表4】


【0285】
[製造例3]化合物77の製造
【化30】
【0286】
1)化合物77-1の製造
前記製造例1において、(3-メトキシナフタレン-2-イル)ボロン酸の代わりに、(1-メトキシナフタレン-2-イル)ボロン酸を用いたことを除いては、化合物1-3の製造と同様の方法により、化合物77-1を製造した。
【0287】
2)化合物77の製造
前記製造例1の化合物1-3の代わりに化合物77-1を用いたことを除いては、化合物1の製造と同様の方法により、化合物77(8.3g、72%)を製造した。
【0288】
前記製造例3において、7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(7H-dibenzo[c,g]carbazole)の代わりに下記表5のAを用い、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに下記表5のBを用いたことを除いては、前記製造例3の化合物77の製造と同様の方法により、下記表5の目的化合物を合成した。
【0289】
【表5】
【0290】
前記製造例3において、1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-ヨードベンゼンの-Br、-Clに応じて、化合物1-3における-Br、-Clの位置が異なり、それにより合成可能な中間体は下記のとおりである。
【化31】
【0291】
前記製造例3において、化合物77-1の代わりに下記表6に記載されたように前記中間体C-1、D-1、E-1、F-1およびG-1のうち一つを用い、下記表6のA、Bを用いたことを除いては、化合物77の製造と同様の方法により、下記表6の目的化合物を合成した。
【0292】
【表6】
【0293】
[製造例4]化合物90の製造
【化32】
【0294】
1)化合物90-1の製造
前記製造例2の化合物9-1の代わりに前記製造例3の化合物77-1を用い、N-フェニル-N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-アミンの代わりに9-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-9H-カルバゾールを用いて化合物90-1を得た。
【0295】
2)化合物90の製造
前記製造例2の化合物9-1の代わりに前記化合物90-1を用いたことを除いては、同様の方法により、化合物90(13.2g、72%)を得た。
【0296】
前記製造例4において、下記表7のAおよびBを用いたことを除いては、前記製造例4の化合物90の製造と同様の方法により、下記目的化合物を合成した。
【0297】
【表7】
【0298】
前記製造例4においても同様に、化合物77-1の代わりに下記の中間体を用いてもよい。
【化33】
【0299】
前記製造例4において、化合物77-1の代わりに下記表8に記載されたようにC-1、D-1、E-1、F-1およびG-1のうち一つを用い、下記表8のAおよびBを用いたことを除いては、化合物90の製造と同様の方法により、下記表8の目的化合物を合成した。
【0300】
【表8】

【0301】
[製造例5]化合物157の製造
【化34】
【0302】
1)化合物157-1の製造
前記製造例1の(3-メトキシナフタレン-2-イル)ボロン酸の代わりに、(2-メトキシナフタレン-1-イル)ボロン酸を用いたことを除いては、化合物1-3の製造と同様の方法により、化合物157-1を製造した。
【0303】
2)化合物157の製造
前記製造例1の化合物1-3の代わりに前記化合物157-1を用いたことを除いては、化合物1の製造と同様の方法により、化合物157(9.5g、84%)を製造した。
【0304】
前記製造例5において、7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(7H-dibenzo[c,g]carbazole)の代わりに下記表9のAを用い、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに下記表9のBを用いたことを除いては、前記製造例5の化合物157の製造と同様の方法により、下記表9の目的化合物を合成した。
【0305】
【表9】
【0306】
前記製造例5において、1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-ヨードベンゼンの-Br、-Clに応じて、化合物157-1における-Br、-Clの位置が異なり、それにより合成可能な中間体は下記のとおりである。
【化35】
【0307】
前記製造例5において、化合物157-1の代わりに下記表10に記載されたようにC-2、D-2、E-2、F-2およびG-2のうち一つを用い、下記表10のAおよびBを用いたことを除いては、化合物157の製造と同様の方法により、下記表10の目的化合物を合成した。
【0308】
【表10】

【0309】
[製造例6]化合物165の製造
【化36】
【0310】
1)化合物165の製造
前記製造例4の化合物77-1の代わりに化合物157-1を用いたことを除いては、同様の方法により製造し、化合物165(5.8g、68%)を得た。
【0311】
前記製造例6において、下記表11のA、Bを用いたことを除いては、前記製造例6の化合物165の製造と同様の方法により、下記表11の目的化合物を合成した。
【0312】
【表11】
【0313】
前記製造例6においても同様に、化合物157-1の代わりに下記の中間体を用いてもよい。
【化37】
【0314】
【表12】

【0315】
前記製造例と同様の方法により化合物を製造し、その合成の確認結果を下記表13および表14に示す。下記表13は、H NMR(CDCl、300Mz)の測定値であり、下記表14は、FD-MS(Field desorption mass spectrometry)の測定値である。
【0316】
【表13】



【0317】
【表14】




【0318】
<実験例1>-有機発光素子の作製
1)有機発光素子の作製(Red single host)
1,500Åの厚さでインジウムスズ酸化物(ITO)が薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水で超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV洗浄機にてUVを用いて5分間UVO処理した。その後、基板をプラズマ洗浄機(PT)に移送させた後、真空状態でITOの仕事関数および残膜除去のためにプラズマ処理をし、有機蒸着用熱蒸着装置に移送した。
【0319】
前記ITO透明電極(陽極)上に、共通層として、正孔注入層2-TNATA(4,4’,4’’-トリス[2-ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン)、および正孔輸送層NPB(N,N’-ジ(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン)を形成させた。
【0320】
その上に、発光層を次のように熱真空蒸着させた。発光層は、赤色ホストとして下記表15に記載された化合物、赤色燐光ドーパントとして(piq)(Ir)(acac)を用い、ホストに(piq)(Ir)(acac)を3wt%ドープして500Å蒸着した。その後、正孔阻止層としてBCPを60Å蒸着し、その上に電子輸送層としてAlqを200Å蒸着した。その後、正孔阻止層としてBCPを60Å蒸着し、その上に電子輸送層としてAlqを200Å蒸着した。最後に、電子輸送層上にフッ化リチウム(lithium fluoride:LiF)を10Åの厚さで蒸着して電子注入層を形成した後、電子注入層上にアルミニウム(Al)陰極を1,200Åの厚さで蒸着して陰極を形成することで、有機発光素子を製造した(実施例1~18および比較例1~6)。
【0321】
一方、OLED素子の作製に必要な全ての有機化合物は、材料別にそれぞれ10-6~10-torr下で真空昇華精製し、OLEDの作製に用いた。
【0322】
2)有機発光素子の駆動電圧および発光効率
上記のように作製された実施例1~18および比較例1~6の有機発光素子に対して、マックサイエンス(McScience)社のM7000を介して電界発光(EL)特性を測定し、その測定結果を用いて、マックサイエンス社製の寿命測定装置(M6000)を介して、基準輝度が6,000cd/mである際のT90を測定した。前記T90は、初期輝度と対比して90%となる時間である寿命(単位:h、時間)を意味する。
【0323】
本発明の有機発光素子の特性は下記表15のとおりである。
【0324】
【表15】
【0325】
前記表15の比較化合物A~Fは下記のとおりである。
【化38】
【0326】
前記表15の結果から分かるように、本発明のヘテロ環化合物を用いた有機発光素子の場合、比較例1~6に比べて、駆動電圧が低く、発光効率および寿命が顕著に改善された。これは、本発明の化合物は、熱安定性が高いながらも、ヘテロアリール基がリンカーなしに連結され、適切な分子量およびバンドギャップを有するためであると判断される。すなわち、本発明のヘテロ環化合物を発光層に用いる場合、発光層に適切なバンドギャップが形成され、電子および正孔の流失を防ぎ、効果的な電子と正孔の再結合領域(recombination zone)の形成に役立つことができる。
【0327】
特に、アリールアミン基が付いた化合物は、本発明の化合物の中でも、寿命が比較的に減少し、さらに高い効率を有し、アリールアミン基の強いHT特性がドーパントで発生するホールトラップ(Hole trap)を解消させることを確認することができる。
【0328】
<実験例2>-有機発光素子の作製(Red N+P mixed host)
1)有機発光素子の作製(Red N+P mixed host)
1,500Åの厚さでインジウムスズ酸化物(ITO)が薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水で超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV洗浄機にてUVを用いて5分間UVO処理した。その後、基板をプラズマ洗浄機(PT)に移送させた後、真空状態でITOの仕事関数および残膜除去のためにプラズマ処理をし、有機蒸着用熱蒸着装置に移送した。
【0329】
前記ITO透明電極(陽極)上に、共通層として、正孔注入層2-TNATA(4,4’,4’’-トリス[2-ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン)、および正孔輸送層NPB(N,N’-ジ(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン)を形成させた。
【0330】
その上に、発光層を次のように熱真空蒸着させた。発光層は、赤色ホストとして下記表16に記載されたようにアリールアミン化合物とUnipolar化合物を混合するか、アリールアミン化合物とBipolar化合物を混合して400Å蒸着し、赤色燐光ドーパントは、(piq)(Ir)(acac)を3wt%ドープして蒸着した。
【0331】
化合物14と化合物295の素子評価結果(実施例19~23)から、1:1の比率が最も優れたパフォーマンスを示すことを確認した上で、その後のアリールアミン、Unipolar化合物の蒸着比率は1:1に固定して行い、化合物13と化合物22の素子評価結果(実施例34~38)から、アリールアミン、Bipolar化合物の蒸着比率は1:2に固定して行った。
【0332】
その後、正孔阻止層としてBCPを60Å蒸着し、その上に電子輸送層としてAlqを200Å蒸着した。最後に、電子輸送層上にフッ化リチウム(lithium fluoride:LiF)を10Åの厚さで蒸着して電子注入層を形成した後、電子注入層上にアルミニウム(Al)陰極を1,200Åの厚さで蒸着して陰極を形成することで、有機発光素子を製造した(実施例19~41)。
【0333】
また、下記表17に記載されたように、本発明の化合物および化合物G~Pを用いたことを除いては、実施例19~41の有機発光素子の製造と同様の方法により、実施例42~65の有機発光素子を製造した。
【0334】
具体的に、化合物Gと化合物243の蒸着比率テストから、1:1の比率で最も優れたパフォーマンスを示すことを確認した上で、その後の素子の評価は、比率を固定して行った。
【0335】
一方、OLED素子の作製に必要な全ての有機化合物は、材料別にそれぞれ10-6~10-8torr下で真空昇華精製し、OLEDの作製に用いた。
【0336】
2)有機発光素子の駆動電圧および発光効率
上記のように作製された実施例19~65の有機発光素子に対して、マックサイエンス社のM7000を介して電界発光(EL)特性を測定し、その測定結果を用いて、マックサイエンス社製の寿命測定装置(M6000)を介して、基準輝度が6,000cd/mである際のT90を測定した。前記T90は、初期輝度と対比して90%となる時間である寿命(単位:h、時間)を意味する。
【0337】
本発明の有機発光素子の特性は下記表16および表17のとおりである。
【0338】
【表16】

【0339】
【表17】

【0340】
表17に記載された化合物G~Pは下記のとおりである。
【化39】
【0341】
前記化合物G~Kは、本発明の化合物とは異なるアリールアミン誘導体であり、前記化合物L~Pは、P-typeのホストとして用いられる通常のビスカルバゾール(Biscarbazole)またはインドールカルバゾール(indolecarbazole)誘導体に該当する化合物である。
【0342】
前記表16および17の結果から分かるように、有機発光素子の発光層を本出願に係る化合物を混合して蒸着する場合、さらに優れた効率および寿命効果を示した。この結果は、一般にアリールアミン基を含む化合物を有機発光素子の発光層に用いる場合に発生する寿命減少現象を改善した結果であると判断される。
【0343】
すなわち、強いHT特性を有するホストおよび本出願に係る化合物を同時に含む場合、N+P化合物のエキシプレックス(exciplex)現象が起こることを予想することができる。N+P化合物のエキシプレックス(exciplex)現象とは、二つの分子間の電子交換によりドナー(p-host)のHOMOレベル、アクセプター(n-host)のLUMOレベル大きさのエネルギーを放出する現象を意味する。このように、正孔輸送能力の良いドナー(p-host)と電子輸送能力の良いアクセプター(n-host)が発光層のホストとして用いられる場合、N+P化合物のエキシプレックス(exciplex)現象により、正孔はp-hostに注入され、電子はn-hostに注入されるため、駆動電圧を下げることができ、それによって寿命の向上に役立つことができる。
【符号の説明】
【0344】
100 ・・・基板
200 ・・・陽極
300 ・・・有機物層
301 ・・・正孔注入層
302 ・・・正孔輸送層
303 ・・・発光層
304 ・・・正孔阻止層
305 ・・・電子輸送層
306 ・・・電子注入層
400 ・・・陰極
図1
図2
図3