IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社CPMの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】駐輪機
(51)【国際特許分類】
   B62H 3/08 20060101AFI20250109BHJP
   E04H 6/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B62H3/08
E04H6/04 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024023635
(22)【出願日】2024-02-20
(65)【公開番号】P2024150399
(43)【公開日】2024-10-23
【審査請求日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2023063258
(32)【優先日】2023-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519317114
【氏名又は名称】株式会社CPM
(74)【代理人】
【識別番号】100131048
【弁理士】
【氏名又は名称】張川 隆司
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 敬子
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-037782(JP,A)
【文献】特開2015-117541(JP,A)
【文献】特開2022-121349(JP,A)
【文献】特開2022-122339(JP,A)
【文献】特開2021-095083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 3/08
E04H 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車を水平姿勢で搭載可能な昇降ラックと、垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って前記昇降ラックを片持ち状に長手方向へ突出支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘であり、
前記オートリターン作動の開始時に、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が配置されていることを特徴とする駐輪機。
【請求項2】
基準面に設定される横方向に沿って直線状に配設された固定レールに対し平面視で直交又は斜め交差する長手方向に載置され前記固定レール上をスライド可能な複数のスライドラックを含む下段駐輪装置と、横方向に沿って基準面から一定のピッチで垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱ごとに片持ち状に長手方向へ突出して支持され前記支柱に沿って昇降可能な昇降ラックを含む上段駐輪装置とを有し、前記スライドラックの横方向へのスライドにより生じた空きスペースにおいて前記昇降ラックが前記支柱の上部と下部との間で昇降可能となる上下2段式の駐輪機であり、
さらに前記上段駐輪装置は、
自転車を水平姿勢で搭載可能な前記昇降ラックと、前記昇降ラックを支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘であり、
前記オートリターン作動の開始時に、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が配置されていることを特徴とする駐輪機。
【請求項3】
前記係合部は、前記第一可動体から下向きに突出形成され、第一圧接面を有する第一係合部と、前記第二可動体から上向きに突出形成され、前記第一圧接面に対向し長手方向に沿って相対移動可能な第二圧接面を有する第二係合部と、を含み、
前記実車状態においては、前記第一圧接面と前記第二圧接面との圧接により生じる水平方向の圧接力により前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動が可能となる一方、
前記オートリターン作動においては、前記昇降ラックから自転車の搬出が開始され終了するまでの間に前記第一圧接面と前記第二圧接面とが離間して水平方向の圧接力が作用しなくなるとともに、前記昇降ラックから自転車の搬出が完了したときに前記助勢部材の上下方向の補助付勢力が作用する請求項1又は請求項2に記載の駐輪機。
【請求項4】
前記助勢部材の補助付勢力は、前記第一圧接面と前記第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に前記第一可動体を上向きに押し上げるように作用する請求項3に記載の駐輪機。
【請求項5】
前記助勢部材は前記第一可動体の下面と前記第二可動体の上面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばねであり、
前記圧縮コイルばねは前記第一圧接面と前記第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に上下方向に伸長し、前記補助付勢力が前記第一可動体の下面を上向きに押し上げるように作用する請求項4に記載の駐輪機。
【請求項6】
前記圧縮コイルばねは、前記第一可動体と前記第二可動体のうちのいずれか一方に固定されている請求項5に記載の駐輪機。
【請求項7】
前記助勢部材は、前記支柱の内壁部下面と前記重錘の頂面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばねであり、
前記圧縮コイルばねは前記第一圧接面と前記第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に上下方向に伸長し、前記補助付勢力が前記重錘の頂面を下向きに押し下げるように作用する請求項4に記載の駐輪機。
【請求項8】
前記第一昇降部において前記昇降ラックと前記重錘とを連結するための巻き掛け伝動機構のワイヤロープの一端が前記圧縮コイルばねを挿通し、前記重錘の頂面に接続されるとともに、前記オートリターン作動の開始時において前記圧縮コイルばねの両端が前記支柱の内壁部下面及び前記重錘の頂面に接触して圧縮保持される請求項7に記載の駐輪機。
【請求項9】
前記係合部は、前記第二可動体をロック状態に拘束するために前記支柱の下部に固定配置された規制片と、前記支柱の下部において前記昇降ラックから自転車の搬出が開始され終了するまでの間に長手方向支持側に進出して前記第二可動体を前記支柱にロック状態とするために前記第二可動体に支持されたロック体と、を含み、
前記第二可動体が前記支柱の下部においてロック状態にあるとき、前記ロック体の上面は前記規制片の下面に対し上下方向で対向配置されるとともに、前者は上下方向へ移動して後者と接触又は離間可能であり、
前記オートリターン作動の開始直前においては前記ロック体の上面は前記規制片の下面から下方に離間して対向する実質ロック位置にて前記支柱にロック状態となる一方、前記オートリターン作動の開始直後においては前記ロック体の上面は前記規制片の下面と接触する完全ロック位置にて前記支柱にロック状態となる請求項4に記載の駐輪機。
【請求項10】
前記重錘は組立可能に分割して形成されるとともに、前記支柱の内部に挿入されたとき前記支柱の外部から着脱可能に固定保持される請求項1又は請求項2に記載の駐輪機。
【請求項11】
前記支柱の上部には、前記第一可動体との当接により作動して前記第一昇降部に緩衝作用を及ぼす緩衝器が配置され、
前記オートリターン作動において前記空車状態の前記第一昇降部が前記第二昇降部から分離して上昇するとき、前記空車状態における前記第一可動体は、前記緩衝器に当接すると衝撃が吸収又は緩和されて上昇を停止する請求項1又は請求項2に記載の駐輪機。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐輪機に関し、上下2段式の駐輪機にも適用できる。
【背景技術】
【0002】
近年の駐輪機では、自転車を水平姿勢で搭載し垂直上下方向に移動する昇降ラックを有し、自転車の搭載時(実車状態)及び非搭載時(空車状態)に作業者(利用者)による昇降ラックの上下動操作をアシストするものが普及している。さらに、自転車を搬出して空車状態の昇降ラックを自動的に持ち上げる、昇降ラックの自動戻し(以下の記載では、オートリターン作動ともいう)を可能とするものも広く採用されている。
【0003】
このような駐輪機は特許文献1~3に開示されるように、第一昇降部と第二昇降部と係合部とを備える。具体的には次のような構造を有している。
・第一昇降部は、自転車を水平姿勢で搭載可能な昇降ラックと、垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って昇降ラックを片持ち状に長手方向へ突出支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の昇降ラックと第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される。
・第二昇降部は、第一昇降部の下方に配置され、支柱に沿って第一可動体と一体化した状態で昇降可能な第二可動体を有し、昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される。
・係合部は、第一可動体と第二可動体との間に設けられ、それらを支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、実車状態では第一昇降部及び第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ支柱の下部において実車状態の昇降ラックから自転車を搬出して空車状態となったときには第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする。
【0004】
そして、特許文献1~3の第一付勢部材には、いずれも定荷重ばねが用いられている。定荷重ばねは、長尺の板ばねをコイル状に巻いたものであり、撓み量が変化してもばね力(直線に引き伸ばすときに生じる戻り力)がほぼ一定になる(変化量が小さい)利点があるとされている。
【0005】
ところが、実際には、定荷重ばねのばね力(付勢力)には定格値に対して±15%程度の許容幅が設定され、定格値(標準ばね力)に対し-15%~+15%の範囲内(許容幅)のばね力を発生する製品であれば定格値の合格品として扱われている。例えば定常負荷が7.0kgの場合、一般的には超過分7%の付勢力(すなわち約7.5kg)でも十分に牽引可能であるところ、定格値(標準ばね力)=7.0kgの定荷重ばねを用いると-側の許容幅において付勢力不足(定常負荷に届かない)が発生するので、定格値(標準ばね力)=8.2kg[ばね力許容幅は7.0kg(-15%)~9.4kg(+15%)]以上を採用する必要がある。そして、製造工程等の理由から、製品個々の定荷重ばねが発生するばね力は定格値(8.2kg)に対する許容幅(±15%)の中で広範囲にばらつく傾向があることも知られている。したがって、駐輪場に複数の駐輪機を設置する際に、オートリターン作動における昇降ラックの上昇スピードが駐輪機毎に大きく異ならないようにすべての定荷重ばねのばね力を初期調整しなければならなくなる。
【0006】
さらに、長期間の使用によって定荷重ばねの巻胴部分には塵埃、土砂、錆等が付着しやすく、これら回転部分の摺動抵抗の増加により定荷重ばねのばね力は低下しやすい。しかも、使用者にとって便利であるはずのオートリターン作動が繰り返し実行されるほどばね力の低下が早くなるという皮肉な結果を招来することになる。したがって、すべての駐輪機について定荷重ばねの経時変化(ばね力の低下)に応じて定期的に又は臨時に補修調整(ばね力再生又は交換)しなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第4265692号公報
【文献】特開2014-156238号公報
【文献】特許第6183873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、第一付勢部材に重錘を用いかつ助勢部材を設けることにより、定荷重ばねを用いた場合のような付勢力調整の煩わしさを解消し、オートリターン作動(すなわち定常負荷牽引機能)の安定性を長期にわたり確保するとともに、耐久性を向上して保守管理の容易化を図ることのできる駐輪機を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の駐輪機は、
自転車を水平姿勢で搭載可能な昇降ラックと、垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱に沿って前記昇降ラックを片持ち状に長手方向へ突出支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘[即ちバランスウェイト/カウンターウェイト]であり、
前記オートリターン作動の開始時に[厳密に言うと開始に先立って]、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間(浮上)させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が(例えば前記支柱の内部に)配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の駐輪機は、
基準面に設定される横方向に沿って直線状に配設された固定レールに対し平面視で直交又は斜め交差する長手方向に載置され前記固定レール上をスライド可能な複数のスライドラックを含む下段駐輪装置と、横方向に沿って基準面から一定のピッチで垂直上下方向に筒状形態で立設された支柱ごとに片持ち状に長手方向へ突出して支持され前記支柱に沿って昇降可能な昇降ラックを含む上段駐輪装置とを有し、前記スライドラックの横方向へのスライドにより生じた空きスペースにおいて前記昇降ラックが前記支柱の上部と下部との間で昇降可能となる上下2段式の駐輪機であり、
さらに前記上段駐輪装置は、
自転車を水平姿勢で搭載可能な前記昇降ラックと、前記昇降ラックを支持しつつ昇降可能な第一可動体とを有し、自転車が非搭載である空車状態の前記昇降ラックと前記第一可動体との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第一昇降部と、
前記第一可動体の下方に位置しそれと一体化した状態で前記支柱に沿って昇降可能な第二可動体を有し、前記昇降ラックを実車状態となすために搬入・搭載される自転車と前記第二可動体との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材によって常時上方に引き上げるように付勢される第二昇降部と、
前記第一可動体と前記第二可動体との間に設けられ、それらを前記支柱の下部において個別にロック可能にするとともに、前記実車状態では前記第一昇降部及び前記第二昇降部の一体昇降作動を可能とし、かつ前記支柱の下部において前記実車状態の前記昇降ラックから自転車を搬出して前記空車状態となったときには前記第一昇降部が単独で上昇するオートリターン作動を可能とする係合部と、を備える駐輪機において、
前記第一付勢部材は、前記定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘[即ちバランスウェイト/カウンターウェイト]であり、
前記オートリターン作動の開始時に[厳密に言うと開始に先立って]、前記支柱の下部においてロック状態の前記第二可動体に対しロック解除された前記第一可動体を上方へ離間(浮上)させるように作用することにより、前記支柱の上部に位置する前記重錘の重力に基づく前記第一昇降部への上方付勢力を補助するための助勢部材が(例えば前記支柱の内部に)配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明では、第一付勢部材として、定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘を用いたことにより、例えば定常負荷Nが7.0kgの場合、第一付勢部材である重錘の重量W(第一付勢力)は、
N=7.0kg<W<8.05kg=1.15×N (1)
の範囲内で一定(不変)に保たれている。
また、オートリターン作動の開始時に機能する助勢部材を付加したことにより、重錘に特有の傾向、すなわちオートリターン作動の開始直後には慣性により重力加速度が0(よって第一付勢力W=0)であるが、重力加速度が増すにつれて第一付勢力が急増して(1)式に収束する傾向を是正し、オートリターン作動の開始直後に助勢部材の補助付勢力A(例えばA=1kg)を第一付勢力W=0に付加して、スムーズなオートリターン作動を可能にする。
さらに、重錘の重量は一定であり経時変化がないから、第一付勢力の初期調整はもちろん補修調整の必要もなく、メンテナンスをほとんど不要にすることができる。
【0012】
このように、第一付勢部材に重錘を用いかつ助勢部材を設けることにより、定荷重ばねを用いた場合のような付勢力調整の煩わしさが解消され、オートリターン作動(すなわち定常負荷牽引機能)の安定性が長期にわたり確保できる。また、第一付勢部材ひいては駐輪機全体の耐久性を向上して保守管理の容易化を図ることができる。
【0013】
また、本発明を上下2段式の駐輪機に適用した場合には、オートリターン作動が長期にわたり安定して機能することにより、昇降ラックは自転車が搬出されて空車状態となれば直ちに支柱の上部に移動して待機する態勢となる。このように、オートリターン機能を取り入れることによって、下方空間はスライドラックの移動可能領域として広く安全に確保でき、下段駐輪装置における駐輪台数(スライドラックの個数)を増やすことも可能になる。
【0014】
なお、駐輪負荷の大部分を占める自転車の重量について、駐輪機の技術基準(業界基準)では、「13kg~20kgの自転車を対象とする」と定められている。よって、本発明の第二付勢部材として、重錘、定荷重ばね、ガススプリング等から選択されたいずれか1種を単独で用い、又は複数種を組み合わせて用いることによって、最大20kg~25kg程度の付勢力(駐輪負荷相当)を発揮できるものが望ましい。
【0015】
ところで、上記係合部は、第一可動体から下向きに突出形成され、第一圧接面を有する第一係合部と、第二可動体から上向きに突出形成され、第一圧接面に対向し長手方向に沿って相対移動可能な第二圧接面を有する第二係合部と、を含み、
実車状態においては、第一圧接面と第二圧接面との圧接により生じる水平方向の圧接力により第一昇降部及び第二昇降部の一体昇降作動が可能となる一方、
オートリターン作動においては、昇降ラックから自転車の搬出が開始され終了するまでの間に第一圧接面と第二圧接面とが離間して水平方向の圧接力が作用しなくなるとともに、昇降ラックから自転車の搬出が完了したときに助勢部材の上下方向の補助付勢力が作用する。
【0016】
具体的には、上記助勢部材の補助付勢力は、第一圧接面と第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に第一可動体を上向きに押し上げるように作用する。
【0017】
このように、オートリターン作動において、助勢部材の補助付勢力が圧接力とは異なる方向(具体的には、圧接力の作用方向である水平方向と直交する方向)であり第一付勢力(第一付勢部材=重錘の付勢力)と同一方向である上下方向に作用することにより、オートリターン作動の開始直後には重錘の慣性により重力加速度が0(よって第一付勢力=0)であっても第一昇降部の単独での上昇を迅速にスタートさせることができる。
【0018】
例えば、上記助勢部材は第一可動体の下面と第二可動体の上面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばねであり、
圧縮コイルばねは第一圧接面と第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に上下方向に伸長し、補助付勢力が第一可動体の下面を上向きに押し上げるように作用する。
【0019】
助勢部材として圧縮コイルばねを第一可動体と第二可動体との間に配置することにより、安価かつ簡潔な構造であっても、第一可動体に対して上向きに押し上げる補助付勢力を水平方向の圧接力が作用しなくなった後にタイミングよく付加することができる。
なお、上記圧縮コイルばねが第一可動体と第二可動体のうちのいずれか一方に固定されている場合には、圧縮コイルばねの取り付けや取り替えが容易である。
【0020】
あるいは、上記助勢部材は、支柱の内壁部下面と重錘の頂面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばねであり、
圧縮コイルばねは第一圧接面と第二圧接面との離間に基づき水平方向の圧接力が作用しなくなった後に上下方向に伸長し、補助付勢力が重錘の頂面を下向きに押し下げるように作用する。
【0021】
助勢部材として圧縮コイルばねを支柱の内壁部下面と重錘の頂面との間に配置することにより、安価かつ簡潔な構造であっても、重錘の頂面に対して下向きに押し下げる補助付勢力(すなわち、第一可動体に対して上向きに押し上げる補助付勢力)を水平方向の圧接力が作用しなくなった後にタイミングよく付加することができる。そして、オートリターン作動(重錘が上段位置にあり昇降ラックが下段位置において実車状態→空車状態へ移行する際に、重錘下降&昇降ラック上昇を開始する)時は勿論、
(a)重錘が上段位置にあり昇降ラックが下段位置において空車状態から、手動操作により重錘下降&昇降ラック上昇を開始する時や
(b)重錘が上段位置にあり昇降ラックが下段位置において実車状態から、手動操作により重錘下降&昇降ラック上昇を開始する時
においても、重錘は圧縮コイルばねの伸張によって支柱の内壁部下面に保持されており、重錘の振動・騒音が低減される。
なお、上記第一昇降部において昇降ラックと重錘とを連結するための巻き掛け伝動機構のワイヤロープの一端が圧縮コイルばねを挿通し、重錘の頂面に接続されるとともに、オートリターン作動において圧縮コイルばねの両端が支柱の内壁部下面及び重錘の頂面に接触して保持される場合には、スペースを取らずにシンプルな構造を実現することができる。
【0022】
さらに、上記係合部は、第二可動体をロック状態に拘束するために支柱の下部に固定配置された規制片と、支柱の下部において昇降ラックから自転車の搬出が開始され終了するまでの間に長手方向支持側に進出して第二可動体を支柱にロック状態とするために第二可動体に支持されたロック体と、を含み、
第二可動体が支柱の下部においてロック状態にあるとき、ロック体の上面は規制片の下面に対し上下方向で対向配置されるとともに、前者は上下方向へ移動して後者と接触又は離間可能であり、
オートリターン作動の開始直前においてはロック体の上面は規制片の下面から下方に離間して対向する実質ロック位置にて支柱にロック状態となる一方、オートリターン作動の開始直後においてはロック体の上面は規制片の下面と接触する完全ロック位置にて支柱にロック状態となる。
【0023】
オートリターン作動を実行する際に、例えば支柱の下部において作業者が昇降ラックから自転車を急速に搬出した場合、仮に上向きの補助付勢力が作用する現象と水平方向の圧接力が一部残存する現象とが錯綜(同時発生)したとしても、第二可動体に支持されたロック体が(ロック状態を維持しつつ)実質ロック位置から完全ロック位置に移行する過程を経ることにより、この間に残存圧接力を消滅させて第一昇降部と第二昇降部との一体上昇を回避できる。なお、その際ロック体の上面が実質ロック位置と完全ロック位置とのいずれであっても(第二可動体は支柱に対しロック状態であるから)、補助付勢力(例えば圧縮コイルばねの伸張力)は等しく機能を発揮してオートリターン作動を阻害することはないので、(圧縮コイルばね等の)諸部品の加工精度や組付精度に余裕度を付与することができる。
【0024】
そして、上記重錘は組立可能に分割して形成されるとともに、支柱の内部に挿入されたとき支柱の外部から着脱可能に固定保持される。
【0025】
設置前の搬送時に重錘が支柱の内部で移動しないように固定でき、またモデルチェンジ等によって材質や仕様が変更され定常負荷が変動しても、分割形成された重錘によって重量の調整が容易に行える。
【0026】
さらに、上記支柱の上部には、第一可動体との当接により作動して第一昇降部に緩衝作用を及ぼす緩衝器が配置され、
オートリターン作動において空車状態の第一昇降部が第二昇降部から分離して上昇するとき、空車状態における第一可動体は、緩衝器に当接すると衝撃が吸収又は緩和されて上昇を停止する。
【0027】
これによって、オートリターン作動時に重錘の重力加速度が増すにつれて第一付勢力が急増し、第一昇降部のストローク上方部を一気に急速上昇することが防止され、利用者の安全性を高めることができる。また、上昇位置での衝撃の吸収・緩和により振動や騒音の発生を抑制できるので、例えば集合住宅内の駐輪場において早朝・深夜の時間帯でも自転車の出し入れが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第一実施例の駐輪機の昇降ラック及びスライドラックを示した右側面図。
図2】昇降ラック及びスライドラックの動きを示した斜視図。
図3】実車状態の昇降ラックが上段位置にある上段駐輪装置を示した右側面図。
図4図3のA1、A2において、支柱右側の構造を拡大して示した拡大図。
図5図3のA1、A2において、支柱左側の構造を拡大して示した拡大図。
図6図3のB1において、支柱右側の構造を拡大して示した拡大図。
図7】支柱の背面図(a)と正面図(b)。
図8】支柱内に配置される第一昇降機構の作動を示した右側面図。
図9】重錘の右側面図(a)と正面図(b)。
図10】支柱内に配置される第二昇降機構の作動を示した右側面図。
図11図7のC1-C1断面図(a)とC2-C2断面図(b)とC3-C3断面図(c)。
図12】上側係合部の底面図(a)と上側係合部の支柱右側の構造を示した右側面図(b)と上側係合部の支柱左側の構造を示した右側面図(c)。
図13】連結状態の上部台車と下部台車を示した背面図。
図14】下部台車の平面図(a)と下部台車の支柱左側の構造を示した右側面図(b)。
図15】昇降ラックの前端側の車輪受けを示した右側面図。
図16】昇降ラックの後端の操作レバーを示した右側面図。
図17図4において操作レバーが操作された状態を示した図。
図18】実車状態の昇降ラックが下段位置にある上段駐輪装置を示した右側面図。
図19図18のB2において、支柱右側の構造を拡大して示した拡大図。
図20図18のB2において、支柱左側の構造を拡大して示した拡大図。
図21】下段位置にある昇降ラックから自転車を搬出開始した直後あるいは搬入完了する直前の状態の上段駐輪装置を示した右側面図。
図22】下段位置にある昇降ラックから自転車を搬出完了する直前あるいは搬入開始した直後の状態の上段駐輪装置を示した右側面図。
図23図20において車輪受けが前傾状態となったときの状態を示した図。
図24図19において操作レバーが操作された状態を示した図。
図25】空車状態の昇降ラックが下段位置にある上段駐輪装置を示した右側面図。
図26】空車状態の昇降ラックが上段位置にある上段駐輪装置を示した右側面図。
図27】連結解除状態の上部台車の背面図(a)と下部台車を示した背面図(b)。
図28図26のA3、A4において、支柱右側の構造を拡大して示した拡大図。
図29図26のA3、A4において、支柱左側の構造を拡大して示した拡大図。
図30図26のB3において、支柱左側の構造を拡大して示した拡大図。
図31】横倒しの支柱に重錘を外部から固定保持した状態を示した支柱下部の右側面拡大図。
図32】第二実施例の駐輪機の支柱上部及びその内部の重錘周辺を拡大して示した右側面拡大図。
図33】第二実施例の駐輪機の支柱下部及びその内部の重錘周辺を拡大して示した右側面拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
【0030】
本実施例の駐輪機3000は、図1及び図2に示すように、地表面E(基準面)に設定される横方向Yに沿って直線状に配設された固定レール2に対し平面視で直交又は斜め交差する長手方向X(スライドラック長手方向)に載置され固定レール2上をスライド可能な複数のスライドラック200を含む下段駐輪装置2000と、横方向Yに沿って地表面E(基準面)から一定のピッチで上下方向Z(垂直上下方向、高さ方向)に筒状形態で立設された支柱1ごとに片持ち状に長手方向X(昇降ラック長手方向)へ突出して支持され支柱1に沿って昇降可能な昇降ラック100を含む上段駐輪装置1000とを有し、スライドラック200の横方向Yへのスライド(図2(a)→図2(b))により生じた空きスペースES(図2(b)参照)において昇降ラック100が支柱1の上段位置(上部)と下段位置(下部)との間で昇降可能となる上下2段式の駐輪機3000である。
【0031】
昇降ラック100及びスライドラック200は、自転車BCLを搭載及び降車させる際の前後進方向(前後方向)を長手方向Xとする長手状をなし、上面開放された樋形状で片持ち状に延びる。ラック100、200の先端(後端)には、自転車BCLを搬出入するための出入口4が形成される。また、ここでのラック100、200には、搭載された自転車BCLの横転を防ぐためのブレース5(サイドガード)がラック幅方向の両側に対をなして設けられるとともに、搭載された自転車BCLの先行搬入車輪FW(例えば前輪)を保持するタイヤガード6が前方側に設けられる。
【0032】
スライドラック200は、図1及び図2に示すように、地表面E(基準面)に設定される横方向Y(図2参照)に沿って直線状に配設された単一の又は平行な複数の固定レール2に対し、平面視で直交又は斜め交差する長手方向Xに載置され、固定レール2上をスライド可能である。各スライドラック200は、自身の長手方向Xに自転車1台分相当の長さを有し、その長手方向Xの一方側(ここでは後端部側)から自転車BCLを出し入れ可能かつ自転車BCLの搭載有無とは関係なく固定レール2上を横方向Yにスライド可能である。
【0033】
ここでの各スライドラック200は、図1に示すように、自身の長手方向Xの一端部(ここでは前端部)の底面側に複数のころ8(転動体)が取り付けられ、それら複数のころ8(転動体)を介して、地表面Eに設置された固定レール2に沿って横方向(図2参照)に移動可能な横スライド移動式に構成される。また、各スライドラック200の他端部(ここでは後端部)には、その底面側にキャスタ7が取り付けられており、キャスタ7は、地表面E(基準面)に着地してラック200を支持するとともにその際に横方向Yへの転動が可能に構成される。
【0034】
昇降ラック100は、図2に示すように、横方向Yに沿って地表面E(基準面)から一定のピッチで立設された支柱1ごとに片持ち状に長手方向Xへ突出して支持される。また、各昇降ラック100は、図1及び図3に示すように、下段にて長手方向Xの後端側から自転車BCLを出し入れ可能であり、自転車BCLの搭載有無とは関係なく支柱1に沿って昇降可能である。具体的に言えば、各昇降ラック100は、自転車BCL1台分相当の長さを有し、下段位置(下部)に位置するスライドラック200の横方向Y(支柱1の配列方向)へのスライドにより生じた空きスペースES(図2及び図3参照)において上段位置(上部)と下段位置(下部)との間で昇降可能となる(即ち、図1のようにラック100の直下に空きスペースが無い状態では昇降不可)。
【0035】
上段駐輪装置1000は、図1に示すように、第一昇降部10と、第二昇降部20と、係合部30と、助勢部材40(図13参照)と、緩衝器50と、を備える。
【0036】
第一昇降部10は、図8に示すように、自転車BCLを水平姿勢で搭載可能な昇降ラック100と、昇降ラック100を支持しつつ昇降可能な上部台車11(第一可動体)とを有し、自転車BCLが非搭載である空車状態の昇降ラック100と上部台車11との合計荷重である定常負荷を牽引する機能を有する第一付勢部材12によって常時上方に引き上げるように付勢される。
【0037】
上部台車11(第一可動体)は、支柱1に沿って昇降するものであり、その台車本体部11Aには昇降ラック100の前端が組み付けられている。また、ここでの上部台車11は、支柱1の後方側側面1f(図7(b)参照)上を昇降する台車であり、その台車本体部11Aには、支柱1の後方側側面1fにおいて支柱幅方向の両側に設けられた上下方向Zに延びるガイドレール11G(図11参照)上を転がるローラ11R(図8参照)が組み付けられている。
【0038】
第一昇降部10(昇降ラック100及び上部台車11)を昇降させる第一昇降機構13は、図8に示すように、上昇付勢力発生源としての第一付勢部材12と、対応する第一昇降部10(昇降ラック100及び上部台車11)に上昇付勢力を伝達する第一伝動機構14と、を有する。
【0039】
第一付勢部材12は、定常負荷に比して15%未満の超過分を含む重量を有する釣り合い用の重錘12(即ちバランスウェイト/カウンターウェイト)である。重錘12は、ここでは組立可能に分割して形成される。具体的にいえば、重錘12は、図9に示すように、所定形状をなす複数の金属板材12aにボルトを挿通して締結固定することにより一体化した重錘本体部12Aを有するとともに、重錘本体部12Aの前後に車輪をなすローラ12Rを取り付けて重錘台車を形成している。これにより、重錘12は、支柱1に沿って昇降可能となる。ここでの重錘12は、図7(a)に示すように、支柱1の内部のうち支柱幅方向の第一側(ここでは支柱右側)の区画に挿入され、その区画内における支柱幅方向の両側に設けられた上下方向Zに延びるガイドレール12G(図11参照)上をローラ12Rが転がる形で昇降する。
【0040】
本実施例では、第一付勢部材12として、定常負荷7kgに比して15%未満の超過分を含む重量8kg程度を有する重錘12を用いている。
【0041】
また、組立可能に分割して形成された重錘12は、支柱1の内部に挿入されたとき支柱1の外部から着脱可能に固定保持される。具体的にいえば、図31に示すように、支柱1の内部に挿入された重錘12が所定位置にあるときに、支柱1の貫通孔1Hを通って内部の重錘12の挿通孔12H(図9参照)へとボルト9を挿通することが可能であり、これがナット(図示なし)で締結固定されることで、支柱1の内部での重錘12の移動ができなくなる。例えば、支柱1の設置前の搬送の段階で、横倒しされた支柱1(図31参照)の内部に収容された重錘12が移動しないように固定できる。
【0042】
なお、重錘12は、組立可能に分割して形成されたものでなく、例えば鋳物として形成された単一の重錘本体部12Aにローラ12Rを組付けたものとしてもよい。
【0043】
第一伝動機構14は、図8に示すように、ここでは定滑車14Cと、ワイヤロープ14Wと、を有する。ワイヤロープ14Wは単一のロープであり、一端が支柱1の内部の重錘12に連結し、その先で支柱1の上端部に設けられた定滑車14Cに巻回され、他端側が第一昇降部10(ここでは上部台車11)に連結される。定滑車14Cは、支柱幅方向に交差するように延びる回転軸部C14の周りを回転するものであり、支柱1の前方側の内部のうち支柱幅方向の第一側(支柱右側)を上方に延びてくるワイヤロープ14Wの他端側を、支柱1の後方側の支柱幅方向の中央位置(図11(a)参照)に降ろして、第一昇降部10(ここでは上部台車11)と連結する。
【0044】
この第一伝動機構14により、第一昇降部10(上部台車11及び昇降ラック100)は、重錘台車を形成する重錘12が上昇するときに下降し(図8(b)参照)、重錘12が下降するときに上昇する(図8(a)参照)。
【0045】
第二昇降部20は、図3及び図10に示すように、上部台車11の下方に位置しそれと一体化した状態(図5参照)で支柱1に沿って昇降可能な下部台車21(第二可動体)を有し、昇降ラック100を実車状態となすために搬入・搭載される自転車BCLと下部台車21との合計荷重である駐輪負荷を牽引する機能を有する第二付勢部材22によって常時上方に引き上げるように付勢される。
【0046】
下部台車21(第二可動体)は、支柱1に沿って昇降するものである。ここでの下部台車21は、上部台車11の下方で支柱1の後方側側面1f(図7(b)参照)上を昇降する台車であり、その台車本体部21Aには、支柱1の後方側側面1fにおいて支柱幅方向の両側に設けられた上下方向Zに延びるガイドレール11G(図11参照)上を転がるローラ21Rが組み付けられている。
【0047】
第二昇降部20(ここでは下部台車21)を昇降させる第二昇降機構23は、図10に示すように、上昇付勢力発生源としての第二付勢部材22と、対応する第二昇降部20(下部台車21)に上昇付勢力を伝達する第二伝動機構24と、を有する。
【0048】
第二付勢部材22は、ここでは第二昇降部20(下部台車21)を常時上方に引き上げるように付勢するガススプリング22である。ガススプリング22は、支柱1の内部上方において後端部が取り付けられたシリンダ22Sと、シリンダ22Sから下向きに突出(前進)して牽引力を発揮するピストンロッド22Pと、を有する。シリンダ22Sは、その後端部が支柱1の内を支柱幅方向に延びる組付け軸部(図示なし)に揺動可能に組付けられ、ピストンロッド22Pの先端側(下端側)が長手方向X(前後方向)に揺動可能とされている。ピストンロッド22Pの先端部は、車輪をなすローラ22Rが取り付けられて支柱1に沿って昇降する内部台車22A(支柱内昇降部)を形成しており、支柱1に沿って昇降可能である。ここでのピストンロッド22P及びその先端部である内部台車22Aは、図7(a)に示すように、支柱1の内部のうち支柱幅方向の第一側とは逆の第二側(ここでは支柱左側)の区画に挿入され、内部台車22Aは、その区画内における支柱幅方向の両側に設けられた上下方向Zに延びるガイドレール22G(図11参照)上をローラ22Rが転がる形で昇降する。
【0049】
なお、駐輪負荷の大部分を占める自転車の重量について、駐輪機の技術基準(業界基準)では、「13kg~20kgの自転車を対象とする」と定められている。よって、第二付勢部材としてのガススプリング22は、ここでは最大20kg~25kg程度の付勢力(駐輪負荷相当)を発揮できるものが望ましい。
【0050】
ただし、第二付勢部材22はガススプリング22に限るものではない。
【0051】
また、第二昇降部20は、本実施例においては下部台車21(第二可動体)を有するが、他のものを含んでもよい。例えば、内部台車22Aが第二昇降部20に含まれるとして考えてもよい。
【0052】
第二伝動機構24は、図10に示すように、動滑車24A、24Cと定滑車24B、24Dと、ワイヤロープ24Wと、が組み込まれる。動滑車24A、24Cは、ここでは互いに同径をなし、支柱1の上方内部において後端部が取り付けられたガススプリング22のシリンダ22Sから下向きに突出して牽引力を発揮するピストンロッド22Pの先端部(内部台車22A)に接続され、支柱1の支柱幅方向に延びる共通の回転軸部R24の周りを回転する。定滑車24B、24Dは、ここでは互いの径が異なっており、シリンダ22Sよりも高位置において支柱1の内部に位置固定される。定滑車24Dは、支柱1内を支柱幅方向に延びる回転軸部D24の周りを回転し、定滑車24Bは、支柱幅方向に交差するように延びる回転軸部B24の周りを回転する。ワイヤロープ24Wは単一のロープであり、各々の動滑車24A、24C及び各々の定滑車24B、24Dに交互に1回ずつ巻回される。
【0053】
具体的にいえば、ワイヤロープ24Wは、一端(始端)が支柱1内の上方位置に設けられたロープ固定部W24に掛け止め固定され、その掛け止め位置から、ピストンロッド22Pの先端側に取り付けられた一方の動滑車24Aに巻回される形で当該動滑車24Aから始まり、シリンダ22Sの後端部側に配置された定滑車24Bとピストンロッド22Pの先端側に配置された他方の動滑車24Cとに交互に巻回される形で継続し、さらにシリンダ22Sの後端部側に取り付けられた残りの定滑車24Dに巻回される。つまり、ワイヤロープ24Wは、支柱1の前方側の内部のうち支柱幅方向の第二側(支柱左側)の区画おいて、支柱1に掛け止めされる一端(始端)側から、動滑車24A、定滑車24B(中間定滑車)、動滑車24C、定滑車24D(末端定滑車)の順で掛け回される。そして、上方に延びてくるワイヤロープ24Wの他端側を、定滑車24D(末端定滑車)が支柱1の後方側の支柱幅方向の中央位置(図11(a)参照)に降ろし、その先の他端(終端)が第二昇降部20(ここでは下部台車21)と連結する。
【0054】
この第二伝動機構24により、下部台車21は、ピストンロッド22Pの退入(収縮)により動滑車24A、24Cを有する内部台車22Aが上昇するときに下降し(図10(b)参照)、ピストンロッド22Pの突出(伸長)により動滑車24A、24Cを有する内部台車22Aが下降するときに上昇する(図10(a)参照)。
【0055】
係合部30と助勢部材40について説明する。
【0056】
係合部30は、図4及び図5に示すように、上部台車11(第一可動体)と下部台車21(第二可動体)との間に設けられ、それらを支柱1の下段位置(下部)において個別にロック可能(図19:上部台車11をロック/図23及び図30:下部台車21をロック)にする。また、係合部30は、昇降ラック100が実車状態のときには第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)及び第二昇降部20(下部台車21)の一体昇降作動を可能とし(図5及び図23参照)、かつ支柱1の下段位置(下部)において実車状態の昇降ラック100から自転車BCLを搬出して空車状態となったとき(図18図25)には第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が単独で上昇するオートリターン作動(図18図21図22図25図26)を可能とする。
【0057】
助勢部材40は、図13及び図27に示すように、上部台車11(第一可動体)と下部台車21(第二可動体)との間に設けられ、オートリターン作動の開始時に(厳密に言うと開始に先立って)、支柱1の下部においてロック状態の下部台車21(第二可動体)に対しロック解除された上部台車11(第一可動体)を上方へ離間(浮上)させるように作用することにより(図13図27)、支柱1の上部に位置する重錘12に基づく第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)への上方付勢力を補助する。助勢部材40は、例えば支柱1の内部に配置できる。
【0058】
ここでの係合部30は、図7(b)に示すように、上部台車11(第一可動体)をロック状態に拘束するために支柱1の上段位置(上部)に固定配置された第一上段規制片31Uと、上部台車11(第一可動体)をロック状態に拘束するために支柱1の下段位置(下部)に固定配置された第一下段規制片31Lと、を含む。さらに係合部30は、図4及び図12に示すように、自転車BCLの搬出完了時(搬出完了直前)に支柱1から長手方向X突出側に待避して支柱1に対するロックを解除するために上部台車11に支持された第一ロックプレート31(第一ロック体)と、を含む。なお、図7(b)では示していないが、図7(a)は支柱1を背面から見た図であり、支柱1の内部に配置される第一昇降機構13及び第二昇降機構23についても示している。
【0059】
上部台車11が支柱1の下段位置(下部)においてロック状態にあるときは、図19に示すように、第一ロックプレート31の上面が第一下段規制片31Lの下面に対し上下方向Zで対向配置されるとともに、前者(第一ロックプレート31の上面)が後者(第一下段規制片31Lの下面)と接触する。なお、図19の左側には、このときの助勢部材40の圧縮状態が拡大して示されている。
【0060】
上部台車11が支柱1の上段位置(上部)においてロック状態にあるときは、図4及び図28に示すように、第一ロックプレート31の下面が第一上段規制片31Uの上面に対し上下方向Zで対向配置されるとともに、前者(第一ロックプレート31の下面)が後者(第一上段規制片31Uの上面)と接触する。なお、図28では上部台車のみが支柱1の上段に位置している。図28の左側には、このときの助勢部材40の非圧縮状態(伸長状態)が拡大して示されている。また、図4では上部台車11が下部台車21と連結した形で支柱1の上段に位置している。このときの助勢部材40の状態は図19の左側に示す圧縮状態と同じである。
【0061】
また、この係合部30は、図7(b)に示すように、下部台車21(第二可動体)をロック状態に拘束するために支柱1の下部に固定配置された第二下段規制片33L(規制片)を含むとともに、図12及び図23に示すように、支柱1の下段位置(下部)において昇降ラック100から自転車BCLの搬出が開始され終了するまでの間に長手方向Xの支持側に進出して下部台車21(第二可動体)を支柱にロック状態とするために第二可動体に支持された第二ロックプレート33(第二ロック体、ロック体)と、を含む。
【0062】
下部台車21が支柱1の下段位置(下部)においてロック状態にあるときは、図23及び図30に示すように、第二ロックプレート33の上面は第二下段規制片33L(規制片)の下面に対し上下方向Zで対向配置されるとともに、前者(第二ロックプレートの上面)が後者(第二下段規制片33Lの下面)と接触した状態(図30)と離間した状態(図23)とがある。
【0063】
図18図21図22図25図26の手順で作動する昇降ラック100のオートリターン作動の開始直前(作動直前:図25参照)においては、第二ロックプレート33(ロック体)の上面は第二下段規制片33L(規制片)の下面から下方に離間して対向する実質ロック位置(図23参照)にて支柱1にロック状態となる一方、オートリターン作動の開始直後(図25図26)においては第二ロックプレート33(ロック体)の上面は第二下段規制片33L(規制片)の下面と接触する完全ロック位置(図30参照)にて支柱1にロック状態となる。
【0064】
また、この係合部30は、上部台車11(第一可動体)から下向きに突出形成され、第一圧接面321pを有する上側当接部321(第一係合部:図12参照)と、下部台車21(第二可動体)から上向きに突出形成され、第一圧接面321pに対向し長手方向Xに沿って相対移動可能な第二圧接面331pを有する下側当接部331(第二係合部:図14参照)と、を含む。
【0065】
また、本実施例の助勢部材40は、図13及び図27に示すように、上部台車11(第一可動体)の下面と下部台車21(第二可動体)の上面との間に上下方向Zに配置された圧縮コイルばね40である。圧縮コイルばね40は、第一圧接面321pと第二圧接面331pとの離間に基づき水平方向(ここでは上下方向Zに対する直交方向)の圧接力が作用しなくなった後に上下方向Zに伸長し、補助付勢力が上部台車11(第一可動体)の下面を上向きに押し上げるように作用する。
【0066】
本実施例では、重錘12の重量8kg程度(第一付勢力)に圧縮コイルばね40による補助付勢力1kg程度を付加することにより、昇降ラック100のスムーズな押し上げを可能にしている。
【0067】
昇降ラック100の空車状態においては、図23と、図29及び図30とに示すように、第一圧接面321pと第二圧接面331pとが非圧接であり、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)の単独昇降作動が可能となる。このとき、第一昇降部10(上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)が上下方向Zに離間していれば(図29及び図30参照)、圧縮コイルばね40は非圧縮状態(伸長状態:図27参照)に保持される。
【0068】
昇降ラック100の実車状態(図3図18)においては、第一圧接面321pと第二圧接面331pとの圧接により生じる水平方向(ここでは上下方向Zに対する直交方向)の圧接力により第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)及び第二昇降部20(下部台車21)の一体昇降作動が可能となる。このとき、第一昇降部10(ここでは上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)は上下方向Zに接しており、圧縮コイルばね40は、それらの間で上下方向Zに圧縮した状態(図13参照)に保持される。
【0069】
図18図21図22図25図26の手順で作動する昇降ラック100のオートリターン作動においては、昇降ラック100から自転車BCLの搬出が開始され終了するまでの間(図18図25)に第一圧接面321pと第二圧接面331pとが離間して水平方向(上下方向Zに対する直交方向)の圧接力が作用しなくなるとともに、昇降ラック100から自転車BCLの搬出が完了(図25)したときに助勢部材40の上下方向Zの補助付勢力が作用する(図13図27)。
【0070】
第一及び第二圧接面321p、331pは互いに平行で平坦な垂直面(ここでは地表面Eに対する鉛直面)をなす。そして、上記助勢部材40の補助付勢力は、それら第一及び第二圧接面321p、331pのいずれに対しても平行な上下方向Zに作用する。
【0071】
ここでの上側当接部321(第一係合部)及び下側当接部331(第二係合部)のうち一方(ここでは上側当接部321)は、図12(c)に示すような上下方向Zに延びる壁部であって、図12(a)に示すように他方に向けて対向幅を広げるように延びる底面視でV字状の対向壁部として形成され、そのV字状をなす対向面が圧接面(ここでは第一圧接面321p)をなす。さらに言えば、ここでのV字状対向壁部(ここでは上側当接部321)は、対向幅が広がる方向とは逆向きにも延びており、Y字状壁部を形成している。
【0072】
また、上側当接部321(第一係合部)及び下側当接部331(第二係合部)のうち他方(ここでは下側当接部331)は、底面視でV字状をなす一方側の圧接面(ここでは第一圧接面321p:図12(a)参照)の間に嵌る形で受け入れ可能となるよう、図14(b)に示すような上下方向Zに延びる柱状部をなし、その表面のうち一方側(第一圧接面321p側:図14(b)の下側)を臨む面が圧接面(ここでは第二圧接面331p)をなす。その柱状部(ここでは下側当接部331)の一方側(第一圧接面321p側)の端部(前端部)は、図14(a)に示すように、底面視で一方側(第一圧接面321p側)に向けて先細る形状、具体的には先端が湾曲状をなす略三角形状をなし、その圧接面(第二圧接面331p)は、その湾曲状の先端とそこから後方へ続く略三角形状の2辺に対応する側面であり、それらがV字状をなす一方側の圧接面(第一圧接面321p)と平行をなす。これにより、接触面積が広くなり、圧接力が大きくなる。
【0073】
本実施例の係合部30について詳細に説明する。
【0074】
係合部30は、上部台車11(上部可動体)の底面側に配置される上側係合部30U(図12参照)と、下部台車21(下部可動体)の上面側に配置される下側係合部30L(図14参照)とに分割形成されている。上側係合部30Uは、第一ロックプレート31と、連結プレート32と、を有する。下側係合部30Lは、第二ロックプレート33を有する。
【0075】
第一ロックプレート31は、図12に示すように、操作レバー310(図16参照)とリンク等の連結機構314(連動機構)を介して連結(連動)するとともに、引張コイルばね312(付勢部材)によって常時支柱1側(前方側:図12右側)へ付勢されている。第一ロックプレート31は、図16に示す操作レバー310(操作部)の作動により引張コイルばね312の付勢力(ばね力)に抗して支柱1とは逆側(後方側:図12左側)に後退移動し、操作レバー310の作動解除により引張コイルばね312の付勢力(ばね力)に従い支柱1側に前進移動する。図16に示す操作レバー310(操作部)の作動は、ユーザーの手や足による人為的操作や、昇降ラック100への自転車110の出し入れの際のタイヤFW、RWによる押し下げ等により生じる。なお、図12の第一ロックプレート31は前進位置にある。
【0076】
第一上段規制片31Uは、図4に示すように、後方側(図4左側)の面が上下方向Zにおける上側ほど後方に位置する傾斜面を有した直角三角形状(楔形形状)に形成される。第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が上段位置に向けて上方へ移動するとき、前進位置にある第一ロックプレート31(操作レバー310が非作動)は、引張コイルばね312の付勢力に抗して後退していく形で第一上段規制片31Uの傾斜面を乗り越えた後、引張コイルばね312の付勢力に従い前進移動して、第一上段規制片31Uの上面に着座(当接)する。これにより、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が上段位置にロックされて下方移動(下降)が規制された状態になる。また、このロック状態において図16に示す操作レバー310を作動させ、引張コイルばね312の付勢力に抗して第一ロックプレート31を後退移動させると、図17に示すように、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が、第一上段規制片31Uに接することなく下方に移動可能なロック解除状態となる。
【0077】
第一下段規制片31Lは、図19に示すように、後方側(図19左側)の面が下側ほど後方に位置する傾斜面を有した直角三角形状(楔形形状)に形成される。第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が下段位置に向けて下方へ移動するとき、前進位置にある第一ロックプレート31(操作レバー310が非作動)は、引張コイルばね312の付勢力に抗して後退していく形で第一下段規制片31Lの傾斜面を乗り越えた後、引張コイルばね312の付勢力に従い前進移動して、第一下段規制片31Lの下面に着座(当接)する。これにより、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が下段位置にロックされて上方移動(上昇)が規制された状態になる。このロック状態において図16に示す操作レバー310を作動させ、引張コイルばね312の付勢力に抗して第一ロックプレート31を後退移動させると、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)が、第一下段規制片31Lに接することなく上方に移動可能なロック解除状態となる。
【0078】
連結プレート32は、図12に示すように、昇降ラック100のタイヤ受け320(図15参照)に対しリンク等の連結機構324(連動機構)を介して連結(連動)するとともに、引張コイルばね322(付勢部材)によって常時支柱1側(前方側:図12右側)へ付勢されている。タイヤ受け320は、昇降ラック100の前方側上部に設置され、図15に示す引張コイルばね325の付勢力(ばね力)によって後方に倒れた後傾状態を維持するよう付勢保持されており、基本的には自転車BCLの搬入・搬出によって後傾状態と前傾状態が切り替わるように作動する。具体的にいえば、タイヤ受け320は、昇降ラック100に自転車BCLが搬入されて実車状態となるとき、その自転車BCLの先行搬入車輪FWの受け入れにより引張コイルばね325の付勢力(ばね力)に抗して前傾状態となり、昇降ラック100から自転車BCLが搬出されて空車状態となるとき、その自転車BCLの先行搬入車輪FWの離脱により引張コイルばね325の付勢力(ばね力)に従い後傾状態に戻る。なお、図12の第二ロックプレート33は後退位置にある。
【0079】
第二ロックプレート33は、連結プレート32と連動するとともに、図14に示すように、引張コイルばね332(付勢部材)によって常時支柱1側(前方側:図14(b)右側)へ付勢されている。第二ロックプレート33は、連結プレート32の後退移動により引張コイルばね332の付勢力(ばね力)に抗して支柱1とは逆側(後方側:図14(b)左側)に後方移動し、連結プレート32の前進移動により引張コイルばね332の付勢力(ばね力)に従い支柱1側(前方側:図14(b)右側)に前進移動する。
【0080】
具体的にいえば、連結プレート32が後退移動したとき、図5及び図20に示すように、連結プレート32から下向きに突出形成された上側当接部321(第一係合部)の後面321p(第一圧接面:図12(a)、(c)参照)が、第二ロックプレート33から上向きに突出形成された下側当接部331(第二係合部)の前面331p(第二圧接面:図14参照)を後方(図5及び図20の左側)に押し付け、その押し付け力により第二ロックプレート33は引張コイルばね332の付勢力(ばね力)に抗して後方移動する。このとき後退移動した連結プレート32とそれに連動して(押し付けられて)後方移動した第二ロックプレート33は、上側当接部321の後面321pが下側当接部331の前面331pに圧接した状態に維持される。この圧接により、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)とが連結し、双方が一体化した状態で支柱1に対し昇降可能になる。
【0081】
一方、連結プレート32が前進移動したとき、図23に示すように、連結プレート32から下向きに突出形成された上側当接部321(第一係合部)の後面321p(第一圧接面:図12(a)、(c)参照)が、第二ロックプレート33から上向きに突出形成された下側当接部331(第二係合部)の前面331p(第二圧接面:図14参照)から離間(前方へ離脱)し、第二ロックプレート33は引張コイルばね332の付勢力(ばね力)に従い前方移動する。このとき前進移動した連結プレート32とそれに連動して前方移動した第二ロックプレート33は、上側当接部321の後面321pが下側当接部331の前面331pから離間し非圧接となる。この離間により、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)とが非連結(連結解除)となり、双方が一体化した状態で支柱1に対し昇降できなくなる。
【0082】
このように、昇降ラック100が自転車BCLの搬入により実車状態となってタイヤ受け320が前傾状態となると、連結プレート32が後退移動して第二ロックプレート33に圧接し、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)が連結状態(圧接状態)となる。一方で、昇降ラック100が自転車BCLの無い空車状態となってタイヤ受け320が後傾状態となると、連結プレート32が前進移動して第二ロックプレート33との圧接が解除され、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)が連結解除状態(非圧接状態)となる。
【0083】
第二下段規制片33Lは、図6に示すように、後方側(図6左側)の面が上下方向Zにおける下側ほど後方に位置する傾斜面を有した直角三角形状(楔形形状)に形成される。第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)が下段位置にあって昇降ラック100が実車状態から空車状態となると、図23に示すように、後方位置にある第二ロックプレート33は、引張コイルばね332の付勢力に従い前方移動する。前方位置となった第二ロックプレート33は、第二下段規制片33Lにおいて上記傾斜面の下側から支柱1へ向かって広がる下面よりもやや下方に離れた実質ロック位置に位置する。この状態で仮に第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)のみが上昇したとすると、第二昇降部20(下部台車21)はわずかに上昇し、図30に示すように、第二ロックプレート33が第二下段規制片33Lの下面に着座(当接)した完全ロック位置になる。これら双方の位置状態は、第二昇降部20(下部台車21)が下段位置にロックされて上方移動(上昇)が規制されるロック状態である。なお、第二ロックプレート33は、基本的には昇降ラック100が実車状態にあれば後方位置(図5及び図20参照)にあって第二下段規制片33Lと接することはなく、第二昇降部20(下部台車21)の上下移動を規制しないロック解除状態となる。
【0084】
なお、本実施例において、第二ロックプレート33の前進移動による支柱1(第二下段規制片33L)に対する下部台車21のロックと、上部台車11と下部台車21の連結解除(圧接解除)は、ほぼ同時に発生する。それらに時間差を設定する場合は、上部台車11と下部台車21の連結解除(圧接解除)よりも支柱1(第二下段規制片33L)に対する下部台車21のロックの方が先に生じることが望ましい。
【0085】
また、第二ロックプレート33による支柱1(第二下段規制片33L)に対する第二昇降部20(下部台車21)のロック状態は、既に述べたように実質ロック位置と完全ロック位置とが存在する。これら両位置は、昇降ラック100のオートリターン作動時(図18図21図22図25図26)において、タイヤ受け320からの先行搬入車輪FWの離脱に伴う第二昇降部20(下部台車21)の支柱1の下段位置でのロックと、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)の連結解除(非圧接)との双方と、その後に生じる、操作レバー310の操作(先行搬入車輪FWによる通過)に伴う第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)の下段位置でのアンロックとの間に、一定の時間差を設けるために設定されたものであり、それらの同時発生を防ぐことを目的としている。
【0086】
なお、図6及び図7(b)等に示す33Sは、第二下段規制片33Lよりも上方位置の支柱1に設けられた補助規制片(安全ストッパー)であり、例えば第二下段規制片33Lに対する第二ロックプレート33のロックが誤動作したような場合に第二ロックプレート33を緊急ロックするための安全装置として機能し、第二下段規制片33Lと同様のものが使用されている。
【0087】
操作レバー310は、図16に示すように、昇降ラック100の後方側端部に設けられる。昇降ラック100の後方側端部に位置するタイヤ出入口4には、左右一対の補強板111、111が固定されるとともに、連結軸111Rによりそれら補強板111、111の後端が連結されている。操作レバー310は、昇降ラック100に対して回動可能となるように、左右の補強板111に跨って取り付けられている。具体的にいえば、操作レバー310は、補強板111、111間に架設された支軸R310に回動可能に取り付けられ、上方を臨む足踏み面を有した足踏み部310aと、その下側に位置する把手部310bと、を一体に備える。操作レバー310のロック解除操作を行う際には、操作レバー310は後方側が下方に沈むように回動させる。昇降ラック100が上段位置にあって空車状態(図26参照)又は実車状態(図3参照)にあるときは、ユーザーが把持部310bを押し下げることでロック解除操作を行うことができる。昇降ラック100が下段位置にあって空車状態(図25参照)又は実車状態(図18参照)であるときは、ユーザーが足踏み部310aを踏むことでロック解除操作を行うことができる。下段位置で空車状態の昇降ラック100(図25参照)に自転車BCLを搬入するときや、下段位置で実車状態の昇降ラック100(図18参照)から自転車BCLを搬出するときは、搬入・搬出される自転車BCLのタイヤFW、RWが足踏み部310aに載ることでロック解除操作を行うことができる。
【0088】
緩衝器50について説明する。
【0089】
緩衝器50は、図8に示すように、支柱1の上部において上部台車11(第一可動体)との当接により作動して第一昇降部10(上部台車11及び昇降ラック100)に緩衝作用を及ぼすように配置される。オートリターン作動(図18図21図22図25図26)において空車状態の第一昇降部10が第二昇降部20から分離して上昇するとき(図25図26)、空車状態における上部台車11は、緩衝器50に当接すると衝撃が吸収又は緩和されて上昇を停止する。ここでの緩衝器50は、小型のガススプリングを用いたエアダンパーとして構成される。具体的にいえば、シリンダ50Sから下方に伸長したピストンロッド50Pの先端に対し、上昇してきた上部台車11の当接板部11Pが接触してこれを押し上げる。これにより、上部台車11は、上段位置に到達直前で減速する。
【0090】
なお、緩衝器50は、オートリターン作動時にのみ作動するものではなく、昇降ラック100の空車状態、実車状態を問わず、昇降ラック100が上昇して上段位置(上部、最高部)に到達する過程で必ず緩衝機能を発揮する。
【0091】
支柱1には、上昇する上部台車11(第一可動体)が上段位置を越えて上昇した際にこれと当接しそれ以上の上昇を阻止する上側弾性緩衝部61(図4及び図5参照)と、下降する下部台車21が下段位置を越えて下降した際にこれと当接しそれ以上の下降を阻止する下側弾性緩衝部62(図23及び図24参照)と、が設けられる。
【0092】
上部台車11と下部台車21のいずれか又は双方には、双方が上下方向Zにおいて接触した際に当接する弾性緩衝部60が設けられる。ここでの弾性緩衝部60は、図13及び図27に示すように、上部台車11の下面において、圧縮コイルばね40を支柱幅方向において挟むように対をなして設けられる。第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)の連結状態(圧接状態)においては、上部台車11の弾性緩衝部60が下部台車21の上面板部21Bと接触した状態に維持される。
【0093】
圧縮コイルばね40は、上部台車11(第一可動体)の下面と下部台車21(第二可動体)の上面のうちのいずれか一方に対し固定される。ここでの圧縮コイルばね40は、図13及び図27に示すように、上部台車11の下面を形成する下面板部11Bに対し、ボルト40Bを頭部40bを下にして上向きに貫通させ、貫通した先をナット40Nにより締結して抜け止めされた締結部41に配置される。具体的にいえば、圧縮コイルばね40は、ボルト40Bの頭部40bと下面板部11Bとの間をボルト40Bの軸部40aを取り巻くように配置される形で上部台車11(第一可動体)の下面に固定され、上部台車11と一体移動可能となるよう設けられている。非圧縮状態においては、ナット40Nが下面板部11B上に載置され、ボルト40Bの頭部40bが弾性緩衝部60よりも下方に位置する。一方、圧縮コイルばね40は、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)と第二昇降部20(下部台車21)とが連結することにより圧縮し、圧縮状態において、上部台車11の下面板部11Bと下部台車21の上面を形成する上面板部21Bとの間に挟まれる。このとき、下部台車21の上面板部21Bによってボルト40Bが上方に押し上げられ、頭部40bが下面板部11Bに接近し、かつナット40Nが下面板部11Bから上方に浮上した状態となり、圧縮コイルばね40は、押し上げられたボルト40Bの頭部40bと下面板部11Bとの間で圧縮される。
【0094】
上段駐輪装置1000のオートリターン作動について、操作の順序に沿って概略を説明する。
【0095】
(1-0)<実車状態の昇降ラックが上段位置にある>(図3
・第一ロックプレート31は前進位置(ロック位置)にあり、第一上段規制片31Uの上面に当接して支柱1にロックされている(図4)。これにより上部台車11及び昇降ラック100は上段位置で下降阻止される。
・タイヤ受け320は前傾状態(図15の破線)にあり、これに連動する連結プレート32は後退位置にある(図5)。
・後退している連結プレート32を介して第二ロックプレート33も後方位置まで引かれており(図5)、上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)にある(図5)。上段位置にある下部台車21は常時下降可能(上段位置に下部台車21を直接的にロックする機構が無い)であるが、上部台車11との連結(圧接)により、間接的に下降が阻止されている。
・上部台車11と下部台車21の連結(圧接)により助勢部材40(圧縮コイルばね)は圧縮状態を維持している(図13)。
・緩衝器50(エアダンパー)は圧縮状態を維持している(図8(a))。
【0096】
(1-1)<実車状態の昇降ラックが上段位置から下降開始>(図3図18
・ユーザーが操作レバー310を操作する(図16の実線→破線)。これにより、第一ロックプレート31が後退位置まで引かれ、支柱1とのロック状態が解除される(図17)。上部台車11及び昇降ラック100は上段位置で下降可能になる。
・タイヤ受け320は前傾状態のまま(図15の破線)。連結プレート32も後退位置のまま(図5)。
・第二ロックプレート33も後方位置まで引かれたまま(図5)。上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)のままであり、下部台車21は下降可能(間接的に下降不可)。
・この状態において、ユーザーの力(押し下げ力)により、上部台車11、昇降ラック100、下部台車21を、重錘12とガススプリング22による引き上げ力に抗して一体的に下降させる。
・下降開始したら操作レバー310への操作が解除される(図16の破線→実線)。これにより、第一ロックプレート31は、第一上段規制片31Uを下方に通過した位置で前進位置に戻る。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は下降に伴い伸長していく(図8(a)→(b))。
【0097】
(1-2)<実車状態の昇降ラックが下段位置に到達する直前>(図3図18
・ユーザーの力(押し下げ力)により上部台車11、昇降ラック100、下部台車21は上段位置を離れ、一体状態で下降中である。
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一下段規制片31Lの傾斜面に載り上がる。
・タイヤ受け320は前傾状態のまま。連結プレート32も後退位置のまま。
・第二ロックプレート33は後方位置に引かれたまま、第二下段規制片33Lを下方に通過する。上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)を維持。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0098】
(2-0)<実車状態の昇降ラックが下段位置に到達>(図18
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一下段規制片31Lの傾斜面を乗り越えた先で、第一下段規制片31Lの下面に当接して支柱1にロックされる(図19)。これにより、上部台車11及び昇降ラック100の上昇が阻止される。
・タイヤ受け320は前傾状態のまま(図15の破線)。連結プレート32も後退位置のまま(図20)。
・第二ロックプレート33も後方位置に引かれたままであり(図20)、上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)を維持している。
・下部台車21は上部台車11に押し下げられ、第二ロックプレート33が第二下段規制片33Lの下面位置よりもさらに下方の位置にある(図20)。ただし、下部台車21は支柱1に対しアンロック状態(上昇可能)。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0099】
(2-1)<昇降ラックから自転車の搬出を開始>(図18図21図22
・自転車の先行搬入車輪FW(ここでは前輪)が後方に移動し、タイヤ受け320が前傾状態から後傾状態に戻る(図15の破線→実線)。
・タイヤ受け320の作動に連動して連結プレート32が前進位置(ロック位置)に引き戻され(図23)、上部台車11と下部台車21は連結解除状態(当接部321、331の圧接解除状態)になる。
・連結プレート32の前進移動に連動して第二ロックプレート33は前方位置に戻る(図23)。これにより、第二ロックプレート33は第二下段規制片33Lの下面に対向する位置を取り、支柱1にロックされる(実質ロック位置)。下部台車21は上昇阻止される。
・タイヤ受け320が前傾状態から後傾状態に戻るあたりで、自転車の後続搬入車輪RW(ここでは後輪)が操作レバー310を押し下げる(図16の実線→破線)。その押し下げにより、一時的に第一ロックプレート31が後退位置まで引かれ(図24)、支柱1とのロック状態が解除される。ところが、後続搬入車輪RW(ここでは後輪)が操作レバー310を通り過ぎると(図16の破線→実線)、第一ロックプレート31は再び前進位置(ロック位置)に引き戻され(図19)、支柱1にロックされる。したがって、上部台車11及び昇降ラック100は瞬間的に上昇可能となるもののすぐに上昇不可となる。自転車BCLの自重も作用するため、上部台車11及び昇降ラック100の上昇は生じない。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0100】
(2-2)<自転車を搬出完了して昇降ラックがオートリターン開始>(図22図25図26
・自転車の後続搬入車輪RW(ここでは後輪)は既に搬出されており、続いて先行搬入車輪FW(ここでは前輪)が操作レバー310を押し下げた上で(図22)通過する。これにより、自転車BCLが昇降ラック100から完全に搬出される(図25)。
・先行搬入車輪FW(ここでは前輪)による操作レバー310の押し下げ(図16の実線→破線)により、第一ロックプレート31が一時的に後退位置に引かれて(図24)、支柱1とのロック状態が解除され、上部台車11及び昇降ラック100は上昇可能となる。
・タイヤ受け320は後傾状態(図15の実線)、連結プレート32は前進位置(図23)、上部台車11と下部台車21は連結解除状態(当接部321、331の圧接解除状態)のまま。
・連結プレート32に連動する第二ロックプレート33は前方位置にあり(図23)、支柱1にロックされる(実質ロック位置)。下部台車21は上昇阻止される。
・上部台車11及び昇降ラック100が上昇可能、上部台車11と下部台車21は連結解除、下部台車21が上昇不可となることにより、昇降ラック100は重錘12の力により上部台車11と共にオートリターン(自動上昇)を開始する(図25図26)。
・昇降ラック100及び上部台車11の上昇開始直後、圧縮状態の助勢部材40が開放され(図13図27)、上昇加速をアシストする。
・昇降ラック100と上部台車11の上昇に伴い下部台車21はガススプリング22の力によってわずかに上昇するが、前方位置の第二ロックプレート33が第二下段規制片33Lの下面に当接して支柱1にロックされる(完全ロック位置:図30)。下部台車21は下段位置で上昇阻止される。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0101】
(2-3)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達する直前>(図25図26
・上部台車11及び昇降ラック100は下段位置を離れて上昇中であり、下部台車21は下段位置にある。
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一上段規制片31Uの傾斜面に載り上がる。
・タイヤ受け320は後傾状態のまま(図15の実線)。連結プレート32も前進位置のまま。
・第二ロックプレート33も前方位置のままであり(図30)、支柱1にロックされる(完全ロック位置)。下部台車21は下段位置で上昇阻止される。
・助勢部材40は開放状態のまま(図27)。
・緩衝器50は上部台車11に押し上げられて圧縮されていく(図8(b)→図8(a))。
【0102】
(2-4)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達>(図26
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一上段規制片31Uの傾斜面を乗り越えた先で、第一上段規制片31Uの上面に当接して支柱1にロックされる(図28)。これにより、上部台車11及び昇降ラック100は上段位置で下降阻止される。
・タイヤ受け320は後傾状態のまま(図15の実線)。連結プレート32も前進位置のまま(図29)。
・第二ロックプレート33も前方位置のままであり(図30)、支柱1にロックされる(完全ロック位置)。下部台車21は下段位置で上昇阻止される。
・助勢部材40は開放状態のまま(図27)。
・緩衝器50は圧縮状態になる(図8(a))。
【0103】
次に、空車状態の昇降ラック100が上段位置から下段位置へ下降するときの上段駐輪装置1000の作動について、その概略を操作の順序に沿って説明する。
【0104】
(3-1)<空車状態の昇降ラックが上段位置から下降開始>(図26図25
・ユーザーが操作レバー310を操作する(図16の実線→破線)。これにより、第一ロックプレート31が前進位置(図28)から後退位置(図示無し)まで引かれ、支柱1とのロック状態が解除される。その上で、ユーザーの力(押し下げ力)により上部台車11及び昇降ラック100が下降する。
・上部台車11及び昇降ラック100が下降したら、操作レバー310の操作が解除される(図16の破線→実線)。これにより、第一ロックプレート31は、第一上段規制片31Uを通過した位置で前進位置に戻る。
・タイヤ受け320は後傾状態のまま(図15の実線)。連結プレート32も前進位置のまま。
・第二ロックプレート33も前方位置のままであり(図30)、支柱1にロックされる(完全ロック位置)。下部台車21は下段位置で上昇阻止される。
・助勢部材40は開放状態のまま(図27)。
・緩衝器50は伸長していく(図8(a)→図8(b))。
【0105】
(3-2)<空車状態の昇降ラックが下段位置に到達する直前>(図26図25
・ユーザーの力(押し下げ力)により上部台車11及び昇降ラック100は下降中である。
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一下段規制片31Lの傾斜面に載り上がる。
・タイヤ受け320は後傾状態のまま(図15の実線)。連結プレート32も前進位置のまま。
・第二ロックプレート33は前方位置のままであり(図30)、支柱1にロックされる(完全ロック位置)。これにより、下部台車21は下段位置で上昇阻止される。
・助勢部材40は開放状態のまま(図27)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0106】
(3-3)<空車状態の昇降ラックが下段位置に到達>(図25
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一下段規制片31Lの傾斜面を乗り越えた先で、第一下段規制片31Lの下面に当接して支柱1にロックされる(図19)。これにより、上部台車11及び昇降ラック100は上段位置で上昇阻止される。
・下部台車21は上部台車11に押し下げられ、第二ロックプレート33が第二下段規制片33Lの下面位置よりもさらに下方の位置となる(図19図23)。
・第二ロックプレート33は前方位置のまま、第二下段規制片33Lの下面に対向する位置を取り(図23)、支柱1にロックされる(実質ロック位置)。下部台車21は上昇阻止される。
・タイヤ受け320は後傾状態のまま(図15の実線)。連結プレート32も前進位置のまま(図23)。上部台車11と下部台車21は連結解除状態(当接部321、331の圧接解除状態)にある。
・助勢部材40は互いに接する上部台車11と下部台車21との間で圧縮され、圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0107】
次に、実車状態の昇降ラック100が下段位置から上段位置へ上昇するときの上段駐輪装置1000の作動について、その概略を操作の順序に沿って説明する。
【0108】
(4-1)<昇降ラックへの自転車の搬入開始>(図25図22図21
・自転車の先行搬入車輪FW(ここでは前輪)が操作レバー310を押し下げ(図16の実線→破線)、これにより一時的に第一ロックプレート31が後退位置に引かれ、支柱1とのロック状態が解除される(図24)。ただし、先行搬入車輪FW(ここでは前輪)が操作レバー310を通り過ぎると(図16の破線→実線)、第一ロックプレート31は再び前進位置(ロック位置)に引き戻され(図19)、第一下段規制片31Lの下面に当接して支柱1にロックされる。したがって、下段位置の上部台車11及び昇降ラック100は瞬間的に上昇可能となるもののすぐに上昇不可となる。搬入された自転車BCLの自重も作用し、上部台車11及び昇降ラック100の上昇は生じない。
・タイヤ受け320は後傾状態のまま(図15の実線)。連結プレート32も前進位置(図23)のまま。上部台車11と下部台車21も連結解除状態(当接部321、331の圧接解除状態)のまま。
・連結プレート32に連動する第二ロックプレート33も前方位置のままであり(図23)、支柱1にロックされる(実質ロック位置)。下部台車21は下段位置で上昇阻止される。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0109】
(4-2)<昇降ラックへの自転車の搬入完了>(図22図21図18
・自転車の先行搬入車輪FW(ここでは前輪)が前方に移動し、タイヤ受け320がこれを受け入れて後傾状態から前傾状態に移行する(図15の実線→破線)。
・タイヤ受け320に連動して連結プレート32は後退位置(ロック解除位置)に引かれる(図20)。これにより、上部台車11と下部台車21が連結状態(当接部321、331の圧接状態)になる。
・連結プレート32に連動して第二ロックプレート33は後方位置に引かれる(図20)。これにより、支柱1とのロック状態が解除され、下段位置の下部台車21は上昇可能になる。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0110】
(4-3)<実車状態の昇降ラックが下段位置から上昇開始>(図18図3
・ユーザーが操作レバー310を例えば足で操作する(図16の実線→破線)。これにより、第一ロックプレート31が後退位置まで引かれ(図24)、支柱1とのロック状態が解除される。下段位置の上部台車11及び昇降ラック100は上昇可能。
・タイヤ受け320は前傾状態のまま(図15の破線)。連結プレート32も後退位置のまま(図20)。上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)を維持。
・連結プレート32に連動する第二ロックプレート33も後方位置まで引かれたまま(図20)であり、下段位置の下部台車21は上昇可能。
・上部台車11と下部台車21が連結し、共に上昇可能となることで、重錘12とガススプリング22による引き上げ力により、上部台車11、昇降ラック100、下部台車21が一体となって上昇する。
・上昇開始したら操作レバー310への操作が解除される(図16の破線→実線)。これにより、第一ロックプレート31は、第一下段規制片31Lを上方に通過した位置で前進位置に戻る。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は伸長状態(図8(b))。
【0111】
(4-4)<実車状態の昇降ラックが上段位置に到達する直前>(図16図3
・重錘12とガススプリング22による引き上げ力により、上部台車11、昇降ラック100、下部台車21は一体上昇中である。
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一上段規制片31Uの傾斜面に載り上がる。
・タイヤ受け320は前傾状態のまま(図15の破線)。連結プレート32も後退位置のまま。上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)を維持。
・連結プレート32に連動する第二ロックプレート33も後方位置に引かれたまま。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は圧縮されていく(図8(b)→図8(a))。
【0112】
(4-5)<実車状態の昇降ラックが上段位置に到達>(図3
・第一ロックプレート31は前進位置のままであり、第一上段規制片31Uの傾斜面を乗り越えた先で、第一上段規制片31Uの上面に当接して支柱1にロックされる(図4)。これにより、上部台車11及び昇降ラック100が上段位置で下降阻止される。
・タイヤ受け320は前傾状態のまま(図15の破線)。連結プレート32も後退位置のまま(図5)。上部台車11と下部台車21は連結状態(当接部321、331の圧接状態)を維持。
・第二ロックプレート33も後方位置に引かれたまま(図5)。上段位置にある下部台車21は常時下降可能。ただし、下部台車21は上部台車11との連結(圧接)により間接的に下降が阻止されている。
・助勢部材40は圧縮状態を維持(図13)。
・緩衝器50は圧縮状態(図8(a))。
【0113】
最後に、空車状態の昇降ラックの下段位置から上段位置への上昇するときの上段駐輪装置1000の作動について、その概略を操作の順序に沿って説明する。
【0114】
(5-1)<空車状態の昇降ラックが下段位置から上昇開始>(図25図26
・自転車BCLの先行搬入車輪FWではなく、ユーザーが操作レバー310を操作するという上記の点を除き、(2-2)のオートリターンの場合と同じ作動状態となるため、記載を省略する。
・ユーザーが操作レバー310を例えば足で操作することにより、空車状態の昇降ラック100は、ユーザーの力を要せず、重錘12の力により上部台車11と共に上昇する。
・昇降ラック100及び上部台車11の上昇開始直後、圧縮状態の助勢部材40が開放され(図8図23)、上昇加速をアシストする。
【0115】
(5-2)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達する直前>(図25図26
・(2-3)と同じのため、記載省略。
【0116】
(5-3)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達>(図26
・(2-4)と同じのため、記載省略。
【0117】
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
【0118】
第一実施例の駐輪機3000(上段駐輪装置1000)において、オートリターン作動の開始時に、支柱1の下部においてロック状態の下部台車21(第二可動体)に対しロック解除された上部台車11(第一可動体)を上方へ離間(浮上)させるように作用することにより(図13図27)、支柱1の上部に位置する重錘12の重力に基づく第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)への上方付勢力を補助するための助勢部材42を、助勢部材40に代わり設けてもよい(第二実施例)。
【0119】
助勢部材42は、支柱1の内部に配置できる。例えば図32及び図33に示すように、助勢部材42は、支柱1の内壁部1T(ここでは天井板部)の下面(内壁部下面)と重錘12の頂面との間に上下方向に配置された圧縮コイルばね42とすることができる。この場合、圧縮コイルばね42は、上部台車11(第一圧接面321p)と下部台車21(第二圧接面331p)との離間に基づき水平方向(ここでは上下方向Zに対する直交方向)の圧接力が作用しなくなった後に上下方向Zに伸長し、補助付勢力が重錘12の頂面を下向きに押し下げるように作用する。
【0120】
具体的にいえば、第一昇降部10(昇降ラック100と上部台車11)において昇降ラック100と重錘12とを連結するための第一伝動機構14(巻き掛け伝動機構)のワイヤロープ14Wの一端が圧縮コイルばね42を挿通し、重錘12の頂面に接続される。オートリターン作動において圧縮コイルばね42の両端が支柱1の内壁部1T(ここでは天井板部)の下面及び重錘12の頂面に接触して保持される。
【0121】
第一実施例の上段駐輪装置1000の助勢部材40に代わり助勢部材42を配置した第二実施例の各種作動について、第一実施例の(1-0)~(5-3)の順序に沿って概略を説明する。
【0122】
なお、(1-0)~(5-3)において、第一実施例と共通の内容については記載を省略する。
【0123】
(1-0)<実車状態の昇降ラックが上段位置にある>(図3
・重錘12は下段位置にあり、助勢部材42は圧縮から開放された開放状態(非圧縮状態)にある(図33)。
(1-1)<実車状態の昇降ラックが上段位置から下降開始>(図3図18
・重錘12は上部台車11の下降開始に連動して下段位置から上昇を開始し(図33図32)、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま。
(1-2)<実車状態の昇降ラックが下段位置に到達する直前>(図3図18
・重錘12は下段位置を離れて上昇中であり(図33図32)、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま。
(2-0)<実車状態の昇降ラックが下段位置に到達>(図18
・重錘12は上段位置にあり、助勢部材42は支柱1の内壁部1T(天井板部)と重錘12の頂面との間で圧縮され、圧縮状態を維持(図32)。
【0124】
(2-1)<昇降ラックから自転車の搬出を開始>(図18図21図22
・重錘12は上段位置に維持され、助勢部材40は圧縮状態を維持(図32)。
(2-2)<自転車を搬出完了して昇降ラックがオートリターン開始>(図22図25図26
・昇降ラック100及び上部台車11の上昇開始直後、圧縮状態の助勢部材42が開放され、上昇加速をアシスト(重錘12の下降加速をアシスト)する(図32図33)。
(2-3)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達する直前>(図25図26
・重錘12は上段位置を離れて下降中であり(図32図33)、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま。
(2-4)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達>(図26
・重錘12は下段位置にあり、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま(図33)。
【0125】
(3-1)<空車状態の昇降ラックが上段位置から下降開始>(図26図25
・重錘12は上部台車11の下降開始に連動して下段位置から上昇を開始し(図33図32)、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま。
(3-2)<空車状態の昇降ラックが下段位置に到達する直前>(図26図25
・重錘12は下段位置を離れて上昇中であり(図33図32)、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま。
(3-3)<空車状態の昇降ラックが下段位置に到達>(図25
・重錘12は上段位置にあり、助勢部材42は支柱1の内壁部1T(天井板部)と重錘12の頂面との間で圧縮され、圧縮状態を維持(図32)。
【0126】
(4-1)<昇降ラックへの自転車の搬入開始>(図25図22図21
・重錘12は上段位置に維持され、助勢部材42は圧縮状態を維持(図32)。
(4-2)<昇降ラックへの自転車の搬入完了>(図22図21図18
・重錘12は上段位置に維持され、助勢部材42は圧縮状態を維持(図32)。
(4-3)<実車状態の昇降ラックが下段位置から上昇開始>(図18図3
・昇降ラック100、上部台車11、下部台車21の上昇開始直後、圧縮状態の助勢部材42が開放され、上昇加速をアシスト(重錘12の下降加速をアシスト)する(図32図33)。
(4-4)<実車状態の昇降ラックが上段位置に到達する直前>(図16図3
・重錘12は上段位置を離れて下降中であり(図32図33)、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま。
(4-5)<実車状態の昇降ラックが上段位置に到達>(図3
・重錘12は下段位置にあり、助勢部材42は開放状態(非圧縮状態)のまま(図33)。
【0127】
(5-1)<空車状態の昇降ラックが下段位置から上昇開始>(図25図26
・昇降ラック100、上部台車11の上昇開始直後、圧縮状態の助勢部材42が開放され、上昇加速をアシスト(重錘12の下降加速をアシスト)する(図32図33)。
(5-2)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達する直前>(図25図26
・(2-3)と同じのため、記載省略。
(5-3)<空車状態の昇降ラックが上段位置に到達>(図26
・(2-4)と同じのため、記載省略。
【0128】
このように助勢部材42は、空車状態の昇降ラック100の上昇(オートリターンを含む)のときに圧縮状態から開放され、昇降ラック100の上昇加速をアシストする。さらに助勢部材42は、実車状態の昇降ラック100の上昇のときにも圧縮状態から開放され、昇降ラック100の上昇加速をアシストする。また、助勢部材42は、重錘12が上段位置に到達したときに圧縮されるから、ダンパーとしても機能する。
【0129】
なお、上述の駐輪機3000(上段駐輪装置1000)において、助勢部材40、42の双方を配置することもできる(第三実施例に相当)。
【0130】
本発明の上下2段式駐輪施設(駐輪機)は、歩道上・公園内等に常設された屋外駐輪場、マンション・アパート等に開設された屋内駐輪場、ビル・地下駅等に併設された地下駐輪場を問わず適用できる。
【符号の説明】
【0131】
1000 上段駐輪装置
100 昇降ラック
2000 下段駐輪装置
200 スライドラック
3000 駐輪機
1 支柱
1H 貫通孔
2 固定レール
10 第一昇降部
11 上部台車(第一可動体)
12 重錘(重錘台車、第一付勢部材)
12a 金属板材
12H 挿通孔
13 第一昇降機構
14 第一伝動機構(巻き掛け伝動機構)
20 第二昇降部
21 下部台車(第二可動体)
22 ガススプリング(第二付勢部材)
22A 内部台車(支柱内昇降部)
23 第二昇降機構
24 第二伝動機構
30 係合部
30U 上側係合部
30L 下側係合部
31 第一ロックプレート
310 操作レバー
312 引張コイルばね
314 リンク等の連結機構
31L 第一下段規制片
31U 第一上段規制片
32 連結プレート
320 タイヤ受け
321 上側当接部(第一係合部)
321p 第一圧接面
322 引張コイルばね
324 リンク等の連結機構
325 引張コイルばね
33 第二ロックプレート(ロック体)
331 下側当接部(第二係合部)
331p 第二圧接面
332 引張コイルばね
33L 第二下段規制片(規制片)
33S 補助規制片(安全ストッパー)
40 圧縮コイルばね(助勢部材)
40B ボルト
40N ナット
42 圧縮コイルばね(助勢部材)
50 緩衝器
BCL 自転車
FW 先行搬入車輪(タイヤ)
RW 後続搬入車輪(タイヤ)
X 長手方向
Y 横方向
Z 上下方向(高さ方向、垂直上下方向)
E 地表面(基準面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33