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特許7616738シンボル配列を成形するための通信デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】シンボル配列を成形するための通信デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20250109BHJP
   H04L 27/36 20060101ALI20250109BHJP
   H01Q 19/00 20060101ALI20250109BHJP
   H01Q 3/44 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H04B7/06 950
H04L27/36
H01Q19/00
H01Q3/44
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022547970
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020052938
(87)【国際公開番号】W WO2021155927
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ナシリ クォルムジ,マジド
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-521551(JP,A)
【文献】Yalagala NARESH et al.,“On Media-Based Modulation Using RF Mirrors”,IEEE Transactions on Vehicular Technology,2017年06月,Vol. 66, No. 6,p.4967-4983
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04L 27/36
H01Q 19/00
H01Q 3/44
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとを含む通信システムであって、
前記第1の通信デバイスは、
m個のPINダイオードのオン/オフを独立に制御することにより、放射パターンのセットで動作するように構成されるアンテナ素子のセットと、
プロセッサと、を含み、
前記第2の通信デバイスは、
前記第1の通信デバイスから参照信号のセットを受信し、前記参照信号のセットは、前記第1の通信デバイスの前記アンテナ素子のセットの前記放射パターンのセットと関連し、
受信した前記参照信号のセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定し、各々のチャネル推定は、前記放射パターンのセットのうちの放射パターンに対応し、
前記チャネル推定のセットのうちのチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出し、
前記第1の通信デバイスに前記第1のシンボル配列を送信し、
前記チャネル推定のセットのうちのチャネル推定及び前記第1のシンボル配列に基づいて、重みのセットを算出し、前記重みのセットは、前記放射パターンのセットのうちのi番目の放射パターンについて、以下の(a)~(d)により算出され:
(a)ステージkの重みをwi (k)と表し、k=0の場合に初期重みwi (0)を1に設定し、i=1,2,…,2mであり、
(b)ステージk-1のすべての重みwi (k-1)にランダムに選択された摂動を与え、kは1より大きい整数であり、
(c)ステージkとステージk-1の、電力制約にしたがう最小対形成ユークリッド距離dk及びdk-1をそれぞれ決定し、
(c-1)dk>dk-1を満たす場合、摂動を受け入れ、kの値を1だけ増大して上記(b)を繰り返し、
(c-2)dk>dk-1を満たさない場合にkの値を維持したままランダムに選択された新たな摂動により上記(b)を繰り返し、
(d)すべてのiについて得た最後のステージkの重みを前記重みのセットとして決定し、
前記第1の通信デバイスに前記重みのセットを伝送する、
ように構成され、
前記第1の通信デバイスの前記プロセッサは、
前記第2の通信デバイスから、前記放射パターンのセットのうちの放射パターンに基づく第1のシンボル配列を取得し、
前記第2の通信デバイスから、前記第1のシンボル配列と関連する前記重みのセットを取得し、
前記第1のシンボル配列及び前記重みのセットに基づいて、第2のシンボル配列を取得し、そして、
前記放射パターンにしたがって前記アンテナ素子のセットを制御して、前記第2のシンボル配列にマッピングされている情報ビットのセットを伝送する、
通信システム。
【請求項2】
前記アンテナ素子のセットのうちの各々のアンテナ素子は、複数の放射状態で動作するように構成され、それによって、前記アンテナ素子のセットは、前記放射パターンのセットで動作する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記アンテナ素子のセットは、電磁波を放射するように構成される放射素子の範囲の中に配置され、前記アンテナ素子のセットは、無線周波数ミラーのセットである、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第2のシンボル配列を取得することは、
前記重みのセットへと前記第1のシンボル配列をマッピングして、前記第2のシンボル配列を取得することを含む、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第2のシンボル配列を取得することは、
前記重みのセットへと前記第1のシンボル配列をマッピングした後に、電力制御及び位相シフトを実行して、前記第2のシンボル配列を取得することを含む、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2のシンボル配列は、M-PSK又はM-QAMのうちのいずれかである、請求項4に記載の通信システム。
【請求項7】
第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとを含む通信システムにより実施される方法であって、
前記第1の通信デバイスにより、
参照信号のセットを送信するステップであって、前記参照信号のセットは、前記第1の通信デバイスのアンテナ素子のセットの放射パターンのセットと関連する、ステップと、
前記第2の通信デバイスにより、
受信した前記参照信号のセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定するステップであって、各々のチャネル推定は、前記放射パターンのセットのうちの放射パターンに対応する、ステップと、
前記チャネル推定のセットのうちのチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出するステップと、
前記第1の通信デバイスに前記第1のシンボル配列を送信するステップと、
前記チャネル推定のセットのうちのチャネル推定及び前記第1のシンボル配列に基づいて、重みのセットを算出するステップであって、前記重みのセットは、前記放射パターンのセットのうちのi番目の放射パターンについて、以下の(a)~(d)により算出され:
(a)ステージkの重みをwi (k)と表し、k=0の場合に初期重みwi (0)を1に設定し、i=1,2,…,2mであり、
(b)ステージk-1のすべての重みwi (k-1)にランダムに選択された摂動を与え、kは1より大きい整数であり、
(c)ステージkとステージk-1の、電力制約にしたがう最小対形成ユークリッド距離dk及びdk-1をそれぞれ決定し、
(c-1)dk>dk-1を満たす場合、摂動を受け入れ、kの値を1だけ増大して上記(b)を繰り返し、
(c-2)dk>dk-1を満たさない場合にkの値を維持したままランダムに選択された新たな摂動により上記(b)を繰り返し、
(d)すべてのiについて得た最後のステージkの重みを前記重みのセットとして決定する、ステップと、
前記第1の通信デバイスに前記重みのセットを伝送するステップと、
前記第1の通信デバイスにより、
前記第2の通信デバイスから、前記放射パターンのセットのうちの放射パターンに基づく第1のシンボル配列を取得するステップと、
前記第2の通信デバイスから、前記第1のシンボル配列と関連する前記重みのセットを取得するステップと、
前記第1のシンボル配列及び前記重みのセットに基づいて、第2のシンボル配列を取得するステップと、
前記放射パターンにしたがって前記アンテナ素子のセットを制御して、前記第2のシンボル配列にマッピングされている情報ビットのセットを伝送するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
通信システムに含まれる第1の通信デバイスと第2の通信デバイスで実行されるときに、請求項7に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線伝送においてシンボル配列を成形するための第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスに関する。さらに、本発明は、また、対応する方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報の送信及び受信を容易にするための媒体の使用は、最近、いくつかの注目を集めており、この場合には、目的地に向かう途中で、情報を搬送する信号を操作して強化し、それによって、送信機から受信機へのより信頼性の高い無線リンクを確立することを可能とする。したがって、このことは、新たな自由度を追加したスマート無線環境を可能として、さらに、ネットワーク性能を改善する。それらのスマート無線環境において、その環境は、受動的な環境とはならないが、その環境を変更し及びカスタマイズして、ネットワーク容量及びユーザ体験を強化することが可能である。この目的のために、特に、いわゆるミラーは、好ましい信号操作を可能とするのに使用される。このような方向性にしたがって、1つ又は複数の送信アンテナの近傍又は周囲に取り付けられているいわゆる無線周波数(RF)ミラーを使用することにより、いわゆる媒体ベースの変調(MBM)を可能としている。RFミラーを使用することによって、放出されるときの送信信号は、その信号が宛先に到達する前に成形されるであろう。MBMは、例えば、6G等の5G以降の無線通信システムのために提案されている。MBMは、今後の技術として出現し、その技術は、5G以降のネットワーキングのための現代的な通信パラダイムに対する代替手段及び/又は補足的な手段となる場合がある。
【0003】
従来の解決方法において、RFチェーンに接続されている単一のアンテナは、ある与えられている周波数で電磁波を放射する。送信アンテナは、RFミラーのセットによって囲まれている。放射される信号は、目的地に向かって発出される前に、それらのRFミラーを通過するであろう。情報ビットは、ミラーコントローラに渡され、入力ビットの組み合わせに基づいて、ビットの与えられているサブセットに対応するミラーパターンを有効化する信号を生成する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の複数の実施形態の目的は、従来の解決方法の欠点及び問題を緩和するか又は解決する解決方法を提供することである。
【0005】
上記の及びさらなる目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、上記の目的及び他の目的は、第1の通信デバイスであって、
放射パターンのセットを生じるように動作するように構成されるアンテナ素子のセットと、
プロセッサと、を含み、前記プロセッサは、
放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに基づいて、第1のシンボル配列を取得し、
前記第1のシンボル配列と関連する重みのセットを取得し、
前記第1のシンボル配列及び重みの前記セットに基づいて、第2のシンボル配列を取得し、そして、
前記放射パターンにしたがってアンテナ素子の前記セットを制御して、前記第2のシンボル配列にマッピングされている情報ビットのセットを伝送する、ように構成される、
第1の通信デバイスによって達成される。
【0007】
したがって、第1の通信デバイスは、また、第2のシンボル配列にマッピングされている情報ビットのセットを伝送するように構成される送信機であると考えることが可能であり、第2のシンボル配列は、第1のシンボル配列及び重みのセットに基づいて取得される。
【0008】
シンボル配列は、本明細書においては、信号空間の中の信号点のセットから選択されるある信号点を意味し、環境によって部分的にその信号空間を生成することが可能であるする。信号点は、信号配列であると理解されてもよい。信号空間のある1つの例は、2次元複素平面であり、その2次元複素平面のために、信号点は、その複素平面の中で信号空間の同相及び直交(I/Q)マッピングとして形成されてもよい。また、より高次の多次元信号配列を形成することが可能である。
【0009】
放射パターンは、(例えば、近接フィールド等の)アンテナ素子に近接して測定されるか又は(例えば、非近接フィールド等の)受信機に近接して測定されるアンテナ素子からの電磁波の強度の(例えば、角度等の)方向依存性であると理解されてもよい。
【0010】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスの利点は、無線環境に合わせて第2のシンボル配列をカスタマイズして、信号設計を改善するとともに、それにより、性能を向上させたスマート無線を可能にするということである。このことは、また、重みによって可能になるシンボル成形、すなわち、データ伝送のために環境を制御し及び適応させるということであると理解されてもよい。
【0011】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、アンテナ素子の前記セットのうちの各々のアンテナ素子は、複数の放射状態を生じるように動作するように構成され、それによって、アンテナ素子の前記セットは、放射パターンの前記セットを生じるように動作する。
【0012】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、アンテナ素子の前記セットは、電磁波を放射するように構成される放射素子の範囲の中に配置され、アンテナ素子の前記セットは、無線周波数ミラーのセットである。
【0013】
放射素子は、例えば、RF信号等の電磁波を放射するための手段であると考えられてもよい。このことは、例えば、RFチェーンに従来のアンテナを接続することによって達成されてもよく、そのRFチェーンは、RF信号を生成し及び伝送するのに必要である電子構成要素のカスケード接続となっている。
【0014】
この実装形態による利点は、単一のRFチェーンによって最終的なシンボル空間を生成することが可能であり、それによって、放射素子からRF信号を受信するアンテナ素子によってシンボル空間を拡大するということである。このことは、同様に、送信機デバイスがより安価に且つコンパクトになることを可能とする。このことは、また、アンテナ素子の割り当てを分散させることを可能とする。
【0015】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、前記第1のシンボル配列を取得することは、
第2の通信デバイスからチャネル推定のセットを受信することであって、各々のチャネル推定は、放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに対応する、ことと、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定に基づいて、前記第1のシンボル配列を算出することと、を含む。
【0016】
この実装形態による利点は、チャネル変動に基づいて、第1のシンボル配列を形成し、更新し、そして、最適化することが可能であり、より高速で且つ信頼性の高い伝送を可能とするということである。
【0017】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、前記第1のシンボル配列を取得することは、
第2の通信デバイスから放射パターンの前記セットと関連する参照信号のセットを受信することと、
参照信号の前記受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定することであって、各々のチャネル推定は、放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに対応する、ことと、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定に基づいて、前記第1のシンボル配列を算出することと、を含むか、又は、
第2の通信デバイスから前記第1のシンボル配列を受信することを含む。
【0018】
この実装形態による利点は、第1のシンボル配列を得るための第2の通信デバイスからのフィードバックオーバーヘッドを減少させることが可能であるということである。
【0019】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、前記第1のシンボル配列を算出することは、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定及びソースベースの変調に基づいて、前記第1のシンボル配列を算出すること、を含む。
【0020】
ソースベースの変調は、RFチェーンの前の情報ビットに基づいてディジタル信号を変更する従来の変調スキームであると理解されてもよい。例として、(例えば、BPSK及びQPSK等の)M値位相シフトキーイング及び(例えば、16QAM及び64QAM等の)M値直交振幅変調M-QAMを含む。
【0021】
この実装形態による利点は、放射パターンのみならずソースベースの変調を使用することによって、結合シンボル構築を使用して、さらに、第1のシンボル配列を拡大することが可能であるということである。このことは、より高速な伝送を可能とするより大きなシンボル配列を強化することにつながる。このことは、また、誤り訂正符号によって符号化されている情報ビット及び放射パターンの結合符号化を可能とする。
【0022】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、重みの前記セットを取得することは、
第2の通信デバイスからチャネル推定のセットを受信することであって、各々のチャネル推定は、放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに対応する、ことと、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定及び前記第1のシンボル配列に基づいて、重みの前記セットを算出することと、を含む。
【0023】
この実装形態による利点は、重みを取得するための第2の通信デバイスからのフィードバックオーバーヘッドを減少させることが可能であるということである。
【0024】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、重みの前記セットを取得することは、
第2の通信デバイスから放射パターンの前記セットと関連する参照信号のセットを受信することと、
参照信号の前記受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定することであって、各々のチャネル推定は、放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに対応する、ことと、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定に基づいて、重みの前記セットを算出することと、を含むか、又は、
第2の通信デバイスから重みの前記セットを受信することを含む。
【0025】
この実装形態による利点は、重みを取得するための第2の通信デバイスからのフィードバックオーバーヘッドを減少させることが可能であるということである。
【0026】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、前記第2のシンボル配列を取得することは、
重みの前記セットへと前記第1のシンボル配列をマッピングして、前記第2のシンボル配列を取得することを含む。
【0027】
マッピングは、場合によっては、線形マッピングであると理解されてもよい。
【0028】
この実装形態による利点は、線形マッピングによる複雑性の低い実装によって、より高速で且つ信頼性の高い伝送を可能とする第2のシンボル配列の強化された特性を達成することが可能であるということである。
【0029】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、前記第2のシンボル配列を取得することは、
重みの前記セットへと前記第1のシンボル配列をマッピングした後に、電力制御及び位相シフトを実行して、前記第2のシンボル配列を取得することを含む。
【0030】
この実装形態による利点は、複雑性がより低く且つより安価なアナログ領域の実装又はハイブリッドディジタルアナログ実装を可能とすることができる移相器の支援によって、第2のシンボル配列を形成することが可能であるということである。
【0031】
第1の態様にしたがった第1の通信デバイスのある1つの実装形態において、前記第2のシンボル配列は、M-PSK又はM-QAMのうちのいずれかである。
【0032】
Mは、正の整数である。
【0033】
この実装形態による利点は、重みを使用して、上記の複数の変調スキームを使用する既存の通信システムとの後方互換性を可能とし、それによって、受信機が受信する有効な配列は、複数のレガシー配列のうちの1つとなるということである。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、上記の目的及び他の目的は、第2の通信デバイスであって、当該第2の通信デバイスは、
第1の通信デバイスから参照信号のセットを受信し、参照信号の前記セットは、アンテナ素子のセットの放射パターンのセットと関連し、
参照信号の前記受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定し、各々のチャネル推定は、放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに対応し、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出する、ように構成される、
第2の通信デバイスによって達成される。
【0035】
第2の態様にしたがった第2の通信デバイスの利点は、無線環境に合わせて第2のシンボル配列をカスタマイズして、信号設計を改善するとともに、それにより、性能を向上させたスマート無線を可能にするということである。
【0036】
第2の態様にしたがった第2の通信デバイスのある1つの実装形態において、
前記第1の通信デバイスに前記第1のシンボル配列を送信する、ように構成される。
【0037】
第2の態様にしたがった第2の通信デバイスのある1つの実装形態において、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定及び前記第1のシンボル配列に基づいて、重みのセットを算出し、そして、
前記第1の通信デバイスに重みの前記セットを伝送する、ように構成される。
【0038】
本発明の第3の態様によれば、上記の目的及び他の目的は、アンテナ素子のセットを含む第1の通信デバイスのための方法であって、アンテナ素子の前記セットは、放射パターンのセットを生じるように動作するように構成され、当該方法は、
放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに基づいて、第1のシンボル配列を取得するステップと、
前記第1のシンボル配列と関連する重みのセットを取得するステップと、
前記第1のシンボル配列及び重みの前記セットに基づいて、第2のシンボル配列を取得するステップと、
前記放射パターンにしたがってアンテナ素子の前記セットを制御して、前記第2のシンボル配列にマッピングされている情報ビットのセットを伝送するステップと、を含む、
方法によって達成される。
【0039】
第3の態様にしたがった方法は、第1の態様にしたがった第1の通信デバイスの複数の実装形態に対応する複数の実装形態に拡張されてもよい。したがって、その方法のある1つの実装形態は、第1の通信デバイスの対応する実装形態の1つ又は複数の特徴を含む。
【0040】
第3の態様にしたがった方法の利点は、第1の態様にしたがった第1の通信デバイスの複数の対応する実装形態の利点と同じである。
【0041】
本発明の第4の態様によれば、上記の目的及び他の目的は、第2の通信デバイスのための方法であって、当該方法は、
第1の通信デバイスから参照信号のセットを受信するステップであって、参照信号の前記セットは、アンテナ素子のセットの放射パターンのセットと関連する、ステップと、
参照信号の前記受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定するステップであって、各々のチャネル推定は、放射パターンの前記セットのうちのある放射パターンに対応する、ステップと、
チャネル推定の前記セットのうちのあるチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出するステップと、を含む、
方法によって達成される。
【0042】
第4の態様にしたがった方法は、第2の態様にしたがった第2の通信デバイスの複数の実装形態に対応する複数の実装形態に拡張されてもよい。したがって、その方法のある1つの実装形態は、第2の通信デバイスの対応する実装形態の1つ又は複数の特徴を含む。
【0043】
第4の態様にしたがった方法の利点は、第2の態様にしたがった第2の通信デバイスの複数の対応する実装形態の利点と同じである。
【0044】
第5の態様によれば、この出願は、チップを提供し、そのチップは、第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスのために使用されてもよい。そのチップは、少なくとも1つの通信インターフェイス、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのメモリを含み、通信インターフェイス、プロセッサ、及びメモリは、回路を使用することによって(場合によっては、バスを使用することによって)相互接続され、そのプロセッサは、メモリの中に格納されている命令を呼び出して、第3の態様又は第4の態様にしたがった方法を実行する。
【0045】
第6の態様によれば、この出願は、メモリ及びプロセッサを含む第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスを提供する。そのメモリは、プログラム命令を格納するように構成され、そのプロセッサは、メモリの中のプログラム命令を呼び出して、第1の態様又は第2の態様における第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスの機能を実装するように構成される。
【0046】
第7の態様によれば、この出願は、不揮発性記憶媒体を提供し、その不揮発性記憶媒体は、1つ又は複数のプログラムコードを格納する。第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスがそのプログラムコードを実行するときに、第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスは、第3の態様又は第4の態様における第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスが実行する関連する方法のステップを実行する。
【0047】
本発明は、また、プログラムコードを特徴とするコンピュータプログラムに関し、そのプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、それらの少なくとも1つのプロセッサに、本発明の複数の実施形態にしたがったいずれの方法を実行させる。さらに、本発明は、また、コンピュータ読み取り可能な媒体及びコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品に関し、そのコンピュータプログラムは、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically EPROM)、及びハードディスクドライブのグループのうちの1つ又は複数を含むコンピュータ読み取り可能な媒体の中に含まれる。
【0048】
本発明の複数の実施形態のさらなる適用及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
それらの複数の添付の図面は、本発明の複数の異なる実施形態を明確にしそして説明することを目的としている。
図1】本発明のある1つの実施形態にしたがった第1の通信デバイスのブロック図を示している。
図2a】複数の異なる放射パターンを図示している。
図2b】放射素子と関連するアンテナ素子の2つの異なる配置を図示している。
図3】本発明のある1つの実施形態にしたがった第1の通信デバイスのための方法を示している。
図4】本発明のある1つの実施形態にしたがった第2の通信デバイスを示している。
図5】本発明のある1つの実施形態にしたがった第2の通信デバイスのための方法を示している。
図6】第2の通信デバイスのさらなる実施形態を示している。
図7】本発明のある1つの実施形態にしたがった無線通信システムを示している。
図8】また、電力制御及び位相シフトを採用する第1の通信デバイスのある1つの実施形態を示している。
図9】また、ソースベースの変調を採用する第1の通信デバイスのある1つの実施形態を示している。
図10】また、MIMOを採用する第1の通信デバイスのある1つの実施形態を示している。
図11】本発明の複数の実施形態の達成可能な伝送速度対SNRを示している。
図12】第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとの間の相互作用を図示している信号線図である。
図13】重みのセットを算出するためのアルゴリズムのフローチャートを示している。
図14】シンボル配列を成形するための2つの実施形態を図示している。
図15】シンボル配列の母集団についての最小対形成距離の分布を示している。
図16】3つの異なる伝送スキームの性能を示している。
図17】重みのセットを使用するシンボル配列の成形を図示している。
図18】シンボル配列の中でのエッジ点の回転を図示している。
図19】複数の異なる解決方法についての性能結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
前に説明されている単一の送信アンテナ及び単一の受信アンテナのためのMBMのシンボル配列は、小さな最小対形成距離を有することが可能である。その主たる理由は、媒体が与えるチャネル分布則にしたがう配列シンボルが、ランダムに形成されるということによる。このようにして、MBMのための受信シンボル配列の最小対形成距離は、媒体によって変動し、非常に小さくてもよい。このことが理由となって、単一入力単一出力(SISO)MBMの性能、すなわち、単一アンテナの受信機を使用するRFミラーに囲まれている単一送信アンテナの性能は、SISOソースベースの変調、すなわち、直交振幅変調(QAM)を使用する従来のSISOチャネルの性能よりも劣悪であるという事実をもたらす。このことは、MBMをSISOチャネルのための魅力的な候補にはしない。
【0051】
したがって、発明者は、将来的な無線通信システムのために必要であるスペクトラム効率を高めるのに、信号処理の点で改善された解決方法が必要とされているということに気づくに至った。
【0052】
図1は、複数の通信システムの中で通信するように構成される第1の通信デバイス100のある1つの実施形態を示している。第1の通信デバイス100は、放射パターンのセット600a,600b,…,600nを生じるように動作するように構成されるアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nを含む。第1の通信デバイス100は、破線の制御線を介して、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nを制御するように構成されるプロセッサ108をさらに含む。制御信号は、プロセッサ108において形成され、そして、有線の制御線を介して、アンテナ素子106a,106b,…,106nに送信されて、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの状態を調整してもよい。また、(図には図示されていないが)状態を制御するために、むしろ、プロセッサ108からアンテナ素子106a,106b,…,106nのセットへと無線制御信号を送信する無線解決方法が可能である。有線の制御信号又は無線の制御信号は、複数の実施形態において、情報ビットに依存してもよく、それによって、それらの情報ビットは、放射パターンのセット600a,600b,…,600nにマッピングされる。したがって、入力情報ビットに基づいて、制御信号を修正して、与えられている放射パターンを構成する。
【0053】
アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの放射パターンは、アンテナ素子からの電磁波の強度の方向依存性であると理解されてもよい。放射パターンの強度は、方位角及び仰角等の複数の異なる角度で測定されてもよい。その方向に加えて、放射パターンは、(例えば、近接フィールドにおいて)アンテナ素子に近接して又は(例えば、非近接フィールドにおいて)受信機に近接して測定されてもよい。アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの活性化パターンは、放射パターンとなるということに留意すべきである。したがって、放射パターンの語は、以下の開示において活性化パターンとして示される場合がある。放射パターンは、また、伝送ビーム又は無線ビームであると理解されてもよい。
【0054】
さらに、放射素子104は、RFチェーンブロック124に接続され、そのRFチェーンブロック124は、RF信号を生成し及び送信するのに必要である電子構成要素のカスケード接続となっていてもよい。RFチェーンブロック124は、放射素子104にRF信号を提供し、その放射素子104は、そのようには限定されないが、RF信号の与えられた周波数で電磁波を放射するように構成される。したがって、第1の通信デバイス100は、また、マルチ周波数又は任意のマルチキャリアスキームを使用してもよい。放射素子104は、用途に応じて複数の異なる構成又は設計となっているアンテナ素子106a,106b,…,106nのセットによって囲まれている。放射素子104からの放射されるRF信号は、アンテナ素子106a,106b,…,106nのセットに向かって伝播する。図1においては、設計を例示する目的のみのために、放射素子104は、16個のアンテナ素子によって囲まれ、それらの16個のアンテナ素子は、放射素子104の周りに円筒状に配置される。にもかかわらず、アンテナ素子の数、アンテナ素子のタイプに関して、及び、アンテナ素子をどのような順序で、どのように選択するか、及びどのように配置するかに関して、アンテナ素子の他の配置を考えてもよい。
【0055】
さらに、第1の通信デバイス100は、また、ビットフィーダブロック120を含んでもよく、そのビットフィーダブロック120は、第2の通信デバイス300への伝送のために情報ビットを供給するように構成される。情報ビットは、ビットフィーダーブロック120によってシリアルパラレルブロック122に供給され、そのシリアルパラレルブロック122は、情報ビットをシリアルからパラレルへと変換して、放射パターンを変更するように構成される。シリアルパラレル変換の後に、情報ビットは、シリアルパラレルブロック122から重み処理ブロック132に提供され、重み処理ブロック132は、プロセッサ108から重み処理ブロック132への破線の制御線を介して、プロセッサ108によって制御される。
【0056】
第1の通信デバイス100のプロセッサ108は、これらには限定されないが、1つ又は複数の汎用中央処理ユニット(CPU)、1つ又は複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は複数のプログラム可能な論理デバイス、1つ又は複数の離散ゲート、1つ又は複数のトランジスタ論理デバイス、1つ又は複数の離散ハードウェア構成要素、及び1つ又は複数のチップセットと称されてもよい。さらに、プロセッサ108は、第1の通信デバイス100の複数の他の機能ブロックのうちの1つ又は複数を制御するように構成されてもよい。
【0057】
本発明の複数の実施形態によれば、プロセッサ108は、活性化パターン600a,600b,…,600nのセットのうちの(iがインデックス番号を示す)放射パターン600iに基づいて、第1のシンボル配列を取得するように構成される。各々の活性化パターンは、対応する放射パターンになる。プロセッサ108は、さらに、第1のシンボル配列と関連する重みのセットを取得するように構成される。プロセッサ108は、さらに、第1のシンボル配列及び第1のシンボル配列と関連する重みのセットに基づいて、第2のシンボル配列を取得するように構成される。プロセッサ108は、さらに、放射パターン600iにしたがってアンテナ素子106a,106b,…,106nのセットを制御して、第2のシンボル配列へとマッピングされている情報ビットのセットを伝送するように構成される。
【0058】
複数の実施形態においては、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nのうちの各々のアンテナ素子106nは、複数の放射状態を生じるように動作するように構成され、それによって、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、放射パターンのセット600a,600b,…,600nを生じるように動作する。複数の放射状態は、2つ又はそれ以上の放射状態を意味する。複数の異なる解決方法を使用して、複数の異なる放射状態を達成することが可能である。例えば、この点に関して、可変容量ダイオードを使用して、アンテナ素子106a,106b,…,106nを制御することが可能である。さらに、アンテナ素子の負荷、極性、インピーダンスを制御して、放射状態を制御することが可能である。また、アンテナ素子106a,106b,…,106nの空間的な位置を変更すると、放射状態が変化する。この最後の例は、実際には、アンテナ素子の物理的な位置を変更するが、依然として、複数の異なる放射パターンを生成することが可能であり、それらの複数の異なる放射パターンは、第1の通信デバイス100からRF信号を受信するように構成される第2の通信デバイス300から観測される。このことは、空間シフトキーイング(SSK)の変形であると理解されてもよい。アンテナ素子106a,106b,…,106nは、また、メタサーフェスベースの変調を可能とするために、いわゆるメタサーフェス(又は、任意のインテリジェントサーフェス)を損なう場合がある。
【0059】
図2aは、放射素子104の周囲に矩形形状に配置されているアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nのための複数の異なる構成又は放射パターンを図示している。アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、複数の放射状態を有してもよい。この例示的な図の中では、各々のアンテナ素子106a,106b,…,106nのための3つの放射状態が示されている。例えば、各々のアンテナ素子について(ダイオード等の)2つのスイッチを使用することによって、アンテナ素子の負荷を変更することによって、それらの放射状態を生成することが可能である。負荷を変化させることによって、(a) 開放放射状態(すなわち、双方のスイッチが開いている放射状態)、(b) 閉鎖放射状態(すなわち、双方のスイッチが閉じられている放射状態)、及び、(c) 半開放又は半閉鎖放射状態(すなわち、それらのスイッチのうちの1つのみが開いているか又は閉じている放射状態)を取得することが可能である。黒い点は、閉じた放射状態となっているアンテナ素子を図示しており、白い点は、開いた放射状態となっているアンテナ素子を図示しており、縦線が入った点は、半開放の放射状態又は半閉鎖の放射状態のアンテナ素子を図示している。アンテナ素子106a,106b,…,106nのために複数の異なる放射状態を選択することによって、複数の異なる放射パターンを取得することが可能である。例えば、図2aの中の構成パターン又は放射パターン600aは、第1の通信デバイス100のための第1の放射パターンとなり、図2aの中の放射パターン600bは、第2の放射パターンとなり、図2aの中の放射パターン600iは、第3の放射パターンとなる等である。
【0060】
アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、放射素子104の範囲の中に配置される。その範囲は、アンテナ素子のセットが、放射素子104が放射するRF信号の伝播に影響を与えるような範囲となっている。また、範囲が、設計のための追加的な次元としてのアンテナ素子の状態であると考えてもよいということに留意すべきである。アンテナ素子のセットは、例えば、放射素子104の(反応性の又は放射性の近接フィールドを含む)近接フィールド又は非近接フィールドの中に配置されてもよい。放射素子104に対するアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの位置は、放射される電波の伝播モデルに影響を与え、したがって、重みのセットを使用することによって、性能の点で有利な方式によって第2のシンボル配列を構築することが可能である。
【0061】
したがって、図2bは、放射素子104の範囲の中に配置されるアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの2つの異なる設計を図示している。アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、図2aと同じ形状で放射素子104の周りに配置されている。一方で、図2bの中の例Aにおいては、アンテナ素子は、放射素子104からの距離d1で配置されているのに対し、図2bの例Bにおいては、アンテナ素子は、放射素子104からの距離d2配置され、d2>>d1であり、図2bは、放射パターンが、放射素子104からの距離の違いによって、例Aと例Bについて異なるということを意味している。すなわち、スイッチを調整することによって、開放、閉鎖、又は半開放/半閉鎖といった放射状態の以前の例に加えて、また、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの位置を変動させることによって、追加的な放射パターンを取得することが可能である。アンテナ素子のセットの位置の変動は、放射素子104に対して近接フィールドに位置するように又は/及び放射素子104に対して非近接フィールドに位置するように行われてもよい。また、各々のグループの中のアンテナ素子は、放射素子104からほぼ同じ距離を保つが、そのグループは、放射素子104まで複数の異なる距離を有するように、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nをグループ化してもよい。アンテナ素子のセットの配置は、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの間で、不規則な内部距離を有するようにのみならず、規則的な内部距離を有するように、任意の3次元形状で行われてもよい。
【0062】
示されていない実装において、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、例えば従来の基地局のシールドの下等の放射素子104の外部シールドの真下に取り付けられてもよい。そのような例では、ほぼ正規の2次元格子上にアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nを配置してもよい。特定の通信シナリオについて、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nのサイズ、形状、及び幾何学的配置のみならず、各々のアンテナ素子についての対応する放射状態を変更し又は適応させ、及び最適化することが可能であり、それによって、より好ましいチャネル条件をもたらす。
【0063】
複数の実施形態において、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、また、前に言及されているRFスイッチとして知られている正の真性負性(PIN)ダイオードによって制御される。各々のアンテナ素子において、複数のPINダイオードのすべてが、同時にオンになり又はオフになる場合に、各々のアンテナ素子は、その次に、PINダイオードが開いている場合に、アンテナ素子が入射波を通過させる第1の放射状態、及び、ダイオードが閉じている場合に、アンテナ素子がその入射波を反射する第2の放射状態の2つの放射状態を有するであろう。
【0064】
アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、複数の実施形態においては、RFミラーのセットであり、そのRFミラーのセットは、無線チャネルへの摂動を可能とする装置であると理解されてもよい。これらの摂動は、送信機から受信機へと情報を伝えるように制御される。例えば、RFミラーは、上記のPINダイオード及びパッチアンテナによって構築されてもよく、それによって、摂動は、PINダイオードの支援によって制御される。アンテナ素子は、インテリジェント反射表面(IRS)、大型インテリジェント表面(LIS)、再構成可能なインテリジェント表面(RIS)、受動的な/能動的な中継アレイ(PRA)、及びメタサーフェス(MS)を形成してもよい。したがって、開示されている発明は、そのような配置のために使用されてもよい。そのような場合については、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nは、IRS、LIS、RIS、PRA、及びMSに配置され、それらのIRS、LIS、RIS、PRA、及びMSは、送信機と受信機との間に配置されてもよい。アンテナ素子106a,106b,…,106nは、併置されてもよく又は分散されてもよい。
【0065】
アンテナ素子のセットの複数の放射パターンのすべてのセットを
【数1】
によって示し、mは、独立してオン/オフにスイッチングすることが可能であるPINダイオードの総数であり、πiは、長さmのバイナリシーケンスであり、1は、ダイオードがオンにスイッチングされているということを表し、0は、ある与えられたミラーのダイオードがオフにスイッチングされている場合を指す。2より大きい複数の状態については、より大きなアルファベットサイズを使用してアンテナ素子の状態を表してもよいということに留意すべきである。mは、独立してオン/オフにスイッチングすることが可能であるPINダイオードの総数なので、放射パターンの総数は、2mに等しい。バイナリ文字列πiは、実用上の理由により複数のアンテナ素子のすべてを使用しないことによって、又は、他のアンテナ素子、すなわち、ダイオードが同時にオン/オフするアンテナ素子のサブセットと相関させられている方式によって複数のアンテナ素子のすべてを使用することによって、放射パターン全体が提供することが可能である最大の可能な長さよりも短くなる場合があるということに留意すべきである。各々のアンテナ素子が、独立してオン及びオフにスイッチングするダイオードを有するということを仮定し、Mは、アンテナ素子の総数である。放射パターンのセット
【数2】
は、mビットの伝送を可能とする。
【0066】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、第2の通信デバイス300からのフィードバックを受信する。第1の通信デバイス100は、そのフィードバックを使用して、例えば、電力制約にしたがう重み
【数3】
を算出してもよい。重みは、第2の通信デバイス300において算出され、第1の通信デバイス100に送信されて戻されてもよい。他の代替案は、第1の通信デバイス100が、第2の通信デバイス300が第1の通信デバイス100に送信する制御信号を使用して重みを算出するということである。各々の放射パターンのための信号点を
【数4】
として示し、siは、重みのユニタリ集合を使用して、i=1,2,…,2m である場合にπiに対応し、それによって、重みは、第1の通信デバイス100において、同じシンボル配列
【数5】
を生成する。第2の通信デバイス300は、第2の通信デバイス300に伝送される各々の放射パターンと関連する参照信号を使用して、これらの信号点を算出することが可能である。ある1つの実施形態において、第2の通信デバイスは、
【数6】
の知識を使用して、電力制約にしたがう重みを算出する。重み
【数7】
は、新たなシンボル配列
【数8】
をもたらす。情報ビットの入力される組み合わせは、関連する重みを使用して対応する放射パターンにマッピングされる。情報ビットは、第1の通信デバイス100のプロセッサ108に渡され、その情報ビットの組み合わせに基づいて、情報ビットの与えられたサブセットに対応するアンテナ素子のセットの放射パターンのセットのうちのある1つの放射パターンを活性化する制御信号を生成する。第1の通信デバイス100と第2の通信デバイス300との間の相互作用のさらなる態様は、以下の開示の中で説明される。
【0067】
図3は、図1に示されている第1の通信デバイス等の第1の通信デバイス100で実行されてもよい対応する方法200のフローチャートを示している。したがって、第1の通信デバイス100は、放射パターンのセット600a,600b,…,600nを生じるように動作するように構成されるアンテナ素子のセット106a,106b,…,106n及びアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nを制御するように構成されるプロセッサ108を含む。プロセッサ108が実行することが可能である方法200は、放射パターンのセット600a,600b,…,600nのうちのある1つの放射パターン600iに基づいて、第1のシンボル配列を取得するステップ202を含む。その方法200は、第1のシンボル配列と関連する重みのセットを取得するステップ204をさらに含む。その方法200は、第1のシンボル配列及び重みのセットに基づいて、第2のシンボル配列を取得するステップ206をさらに含む。その方法200は、放射パターン600iにしたがって、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nを制御して、第2のシンボル配列にマッピングされている情報ビットのセットを伝送するステップ208をさらに含む。
【0068】
図4は、本発明のある1つの実施形態にしたがった第2の通信デバイス300を示している。第2の通信デバイス300は、また、受信機と示されてもよい。図4に示されている実施形態において、第2の通信デバイス300は、受信機ブロック302、チャネル推定ブロック304、及び本発明の技術分野において知られている通信手段と互いに結合される第1のシンボル配列ブロック306を含む。さらに、受信機ブロック302は、アンテナ又はアンテナアレイ308に結合されている。
【0069】
第2の通信デバイス300のプロセッサ302は、1つ又は複数の汎用中央処理ユニット(CPU)、1つ又は複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は複数のプログラマブル論理デバイス、1つ又は複数の離散ゲート、1つ又は複数のトランジスタ論理デバイス、1つ又は複数の離散ハードウェア構成要素、及び1つ又は複数のチップセットと称されてもよい。第2の通信デバイス300のメモリ306は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、又は不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)であってもよい。第2の通信デバイス300のトランシーバ304は、トランシーバ回路、電力コントローラ、アンテナ、又は他のモジュール又はデバイスとの間で通信するインターフェイスであってもよい。複数の実施形態において、第2の通信デバイス300のトランシーバ304は、個別のチップセットであってもよく、プロセッサ302と一体化されて1つのチップセットとなっていてもよい。一方で、複数の実施形態のうちのいくつかにおいては、第2の通信デバイス300のプロセッサ302、トランシーバ304、及びメモリ306は、一体化されて1つのチップセットとなっている。
【0070】
複数の実施形態によれば、受信機ブロック302は、アンテナ308を介して、第1の通信デバイス100から参照信号のセットを受信するように構成される。参照信号のセットは、第1の通信デバイス100のアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの放射パターンのセット600a,600b,…,600nと関連する。チャネル推定ブロック304は、参照信号の受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定するように構成される。各々のチャネル推定は、第1の通信デバイス100の放射パターン600a,600b,…,600nのセットのうちのある1つの放射パターン600iに対応する。第1のシンボル配列ブロック306は、チャネル推定のセットのうちのある1つのチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出するように構成される。
【0071】
複数の実施形態において、受信機ブロック302、チャネル推定ブロック304、及び第1のシンボル配列ブロック306が実行する1つ又は複数の操作は、1つ又は複数の汎用中央処理ユニット(CPU)、1つ又は複数のディジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は複数のプログラム可能な論理デバイス、1つ又は複数の離散ゲート、1つ又は複数のトランジスタ論理デバイス、1つ又は複数の離散ハードウェア構成要素、及び1つ又は複数のチップセットと称されてもよい第2の通信デバイス300のプロセッサ302によって実行される。プロセッサは、第2の通信デバイス300のメモリと共同してもよく、そのメモリは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、又はその他の任意の適切なメモリであってもよい。
【0072】
図5は、図4に示されている第2の通信デバイス等の第2の通信デバイス300によって実行されてもよい対応する方法400のフローチャートを示している。その方法400は、第1の通信デバイス100から参照信号のセットを受信するステップ402を含む。参照信号のそのセットは、第1の通信デバイス100のアンテナ素子のセット106a,106b,…,106nの放射パターンのセット600a,600b,…,600nと関連する。その方法400は、参照信号の受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定するステップ404を含む。各々のチャネル推定は、第1の通信デバイス100の放射パターンのセット600a,600b,…,600nのうちのある1つの放射パターン600iに対応する。その方法400は、チャネル推定のセットのうちのある1つのチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出するステップ406をさらに含む。
【0073】
図6は、第2の通信デバイス300のさらなる実施形態を示している。(例えば、DLで)第1の通信デバイス100から第2の通信デバイス300へとパイロットを伝送するときに、第2の通信デバイス300は、アンテナ又はアンテナアレイ308においてそれらのパイロットを受信する。それらの受信したパイロットは、受信機ブロック302において非多重化される、すなわち、時間領域、周波数領域、又は符号領域においてリソースをマッピング解除される。非多重化されているパイロットは、チャネル推定ブロック304に提供され、そのチャネル推定ブロック304は、それらの受信したパイロットに基づいて、ある1つのパイロットと関連するある1つの放射パターンのためのチャネルを推定する。チャネル推定値は、その次に、それらのチャネル推定値に基づいて第1のシンボル配列を形成する第1のシンボル配列ブロック306に提供される。第1のシンボル配列に基づいて、ある与えられた設計メトリックについての重み算出ブロック310において、重みを計算する。さらに、それらの重み及び第1のシンボル配列に基づいて、例えば、線形マッピングを使用することによって、第2のシンボル配列ブロック318において第2のシンボル配列を形成する。既知のシンボル及びそれらのシンボルの関連する(いずれの情報ビットが異なるシンボルによって搬送されるかを示す)ビット対シンボルマッピング復調とともに第2のシンボル配列を使用することは、復調ブロック312の中の受信シンボルに対して実行される。復調ブロック312は、デコーダブロック314への入力として、複数の異なるシンボル又はビットについて、対数尤度比(LLR)の値を算出してもよい。LLRの値を算出するために、復調ブロック312は、また、入力として、チャネル推定ブロック304からのチャネル推定を使用してもよい。その後に、復調されているシンボルは、デコーダブロック314において復号化される。情報シンクブロック316は、望ましい用途のために、デコーダブロック314から、復号化されているシンボルを受信する。さらに、チャネル推定ブロック304からのチャネル推定、第1のシンボル配列ブロック306からの第1のシンボル配列、重み算出ブロック310からの複数の重み、及び第2のシンボル配列ブロック318からの第2のシンボル配列、又は、これらのパラメータの圧縮、変形、又はあらかじめ定義されているテーブルに基づくインデックスを含んでもよいこれらのパラメータのいずれかの指標のいずれかの組み合わせに基づいて、フィードバック生成器320において、フィードバック信号を形成する。そのフィードバック信号は、第1の通信デバイス100に伝送される。
【0074】
代わりに、(例えば、ULで)第2の通信デバイス300から第1の通信デバイス100へと逆方向にパイロットを伝送するときの実施形態において、第2の通信デバイス300で使用されている方法と同じ方法を使用して、第1の通信デバイス100において、重み及び第2のシンボル配列を算出してもよいということに留意すべきである。それにより、第2の通信デバイス300からのフィードバック信号を取り除いてもよく、又は、減少させてもよい。場合によっては、第1の通信デバイス100は、制御チャネルを使用して、第2のシンボル配列について第2の通信デバイス300に通知してもよい。
【0075】
複数の実施形態において、適切な重みを選択することによって実装されてもよいレガシーシンボル配列を形成するときに、重みが算出されて、レガシーシンボル配列と同じ配列点を有するシンボル配列を生成するため、第2のシンボル配列について復調器ブロック312及びデコーダブロック314に通知する必要はない。
【0076】
図7は、本発明のある1つの実施形態にしたがった無線通信システム500を示している。本開示における無線通信システムは、これらには限定されないが、LTE、5G、又は、いずれかの将来的な無線通信システムを含む。無線通信システム500は、無線通信システム500の中で通信するように構成される第1の通信デバイス100及び第2の通信デバイス300を含んでもよい。簡単さのために、図7に示されている無線通信システム500は、第1の通信デバイス100及び第2の通信デバイス300のみを含む。一方で、無線通信システム500は、本発明の範囲から離れることなく、任意の数の第1の通信デバイス及び任意の数の第2の通信デバイスを含んでもよい。
【0077】
図7に図示されている無線通信システム500において、第1の通信デバイス100は、gNB等のネットワークアクセスノードとして動作するか又はそのネットワークアクセスノードの中に含まれ、一方で、第2の通信デバイス300は、UE等のクライアントデバイスとして動作するか又はそのクライアントデバイスの中に含まれる。一方で、逆の状況が可能である、すなわち、第1の通信デバイス100は、クライアントデバイスとして動作し、第2の通信デバイス300は、ネットワークアクセスノードとして動作するということに留意すべきである。例示的なシナリオにおいて、第1の通信デバイス100及び第2の通信デバイス300は、例えば、Uuインターフェイスを介して、ダウンリンク(DL)及び/又はアップリンク(UL)において互いの間で通信することが可能である。
【0078】
本開示におけるクライアントデバイスは、これらには限定されないが、スマートフォン、セルラ電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカルループ(WLL)局、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス、無線モデムに接続されるコンピューティングデバイス又は他の処理デバイス、車載型デバイス、ウェアラブルデバイス、移動可能な車両又は自動車に搭載されている機器等の統合アクセス及びバックホールノード(IAB)、ドローン、デバイストゥデバイス(D2D)デバイス、無線カメラ、モバイル局、アクセス端末、ユーザユニット、無線通信デバイス、無線ローカルアクセスネットワーク(WLAN)の局、無線対応タブレットコンピュータ、ラップトップ組み込み機器、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドングル、無線顧客構内機器(CPE)、及び/又はチップセット等のUEを含む。モノのインターネット(IOT)のシナリオにおいて、クライアントデバイスは、他の無線デバイス及び/又はネットワーク機器との間の通信を実行するマシン又は他のデバイス又はチップセットを表してもよい。
【0079】
UEは、さらに、無線能力を有する携帯電話、セルラ電話、コンピュータタブレット、又はラップトップと称されてもよい。この文脈におけるUEは、例えば、携帯可能な、ポケット収納可能な、ハンドヘルドの、コンピュータ組み込み型の、又は車載型のモバイルデバイスであってもよく、そのモバイルデバイスが、無線アクセスネットワークを介して、他の受信機又はサーバ等の他のエンティティとの間で、音声及び/又はデータを通信することを可能とする。そのUEは、局(STA)であってもよく、そのUEは、無線媒体(WM)へのIEEE802.11準拠のメディアアクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)インターフェイスを含むいずれかのデバイスである。UEは、また、3GPP関連のLTE及びLTE-Advanced、WiMAX及びその進化型の規格、及び、NR等の第5世代無線技術による通信のために構成されてもよい。
【0080】
本開示におけるネットワークアクセスノードは、これらには限定されないが、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)システムにおけるNodeB、LTEシステムにおける進化型ノードB(eNB)又は進化型NodeB(eNodeB)、或いは、第5世代(5G)ネットワークにおける中継ノード又はアクセスポイント、又は、車載型デバイス、ウェアラブルデバイス、又はgNBを含む。
【0081】
さらに、ネットワークアクセスノードは、本明細書においては、無線ネットワークアクセスノード、アクセスネットワークアクセスノード、アクセスポイント、又は、例えば、無線基地局(RBS)等の基地局として示されてもよく、基地局は、ネットワークによっては、使用される技術及び用語に応じて、送信機、"gNB"、"gNodeB"、"eNB"、"eNodeB"、"NodeB"、又は"B node"と称されてもよい。無線ネットワークアクセスノードは、送信電力、及び、また、送信電力によるセルサイズに基づいて、例えば、マクロeNodeB、ホームeNodeB、又はピコ基地局等の複数の異なるクラスの無線ネットワークアクセスノードであってもよい。無線ネットワークアクセスノードは、無線媒体へのIEEE802.11準拠のMAC及びPHYインターフェイスを含むいずれかのデバイスである局(STA)であってもよい。無線ネットワークアクセスノードは、また、5G無線システムに対応する基地局であってもよい。
【0082】
複数の実施形態においては、また、図8におけるブロック図の中に図示されている電力制御及び位相シフトを採用している。したがって、第2のシンボル配列を取得することは、重みのセットへと第1のシンボル配列をマッピングした後に、電力制御及び位相シフトを実行して、第2のシンボル配列を取得することを含む。それにより、第1のシンボル配列のシンボル配列成形は、2つの独立したブロック、すなわち、電力コントローラ及び重み処理ブロック132と移相器ブロック134とによって実装される。これらのブロックの双方は、プロセッサ108から延びる破線の制御線を介してプロセッサ108によって構成され及び制御される。電力コントローラ及び重み処理ブロック132は、2次元平面の中の原点からのシンボル点の距離を変更することを可能とし、移相器ブロック134(又は、同様に、時間遅延ブロック)は、2次元平面の中でのシンボルの回転を可能とする。これらの2つの操作の組み合わせは、好ましい第2のシンボル配列を形成することを可能とする。移相器ブロック134(又は、同様に、時間遅延ブロック)は、アナログ領域において実装されてもよく、又は、アンテナ素子と共同で実装されてもよく、又は、アンテナ素子の一部として実装されてもよい。電力コントローラ及び重み処理ブロック132と移相器ブロック134は、第1の通信デバイス100の複数の放射パターンのすべてについて構成されてもよい。電力コントローラ又は移相器は、構成のために量子化されたステップを使用してもよい。例えば、電力コントローラ又は移相器は、電力及び/又は位相調整のためのステップサイズがシンボル配列又はチャネルの変動にしたがって変化する式にしたがって構成されてもよい。
【0083】
複数の実施形態において、また、図9におけるブロック図の中に図示されている第1のシンボル配列を算出するのに、従来のソースベースの変調を使用する。したがって、第1のシンボル配列の算出は、チャネル推定のセットのうちのある1つのチャネル推定及びソースベースの変調に基づいて、第1のシンボル配列を算出することを含む。ソースベースの変調は、RFチェーン124を通過する前の情報ビットに基づいてディジタル信号を変更する従来の変調スキームであると理解されてもよい。従来の変調スキームの例は、(例えば、BPSK及びQPSK等の)M値位相シフトキーイング及び(例えば、16QAM及び64QAM等の)M値直交振幅変調M-QAMを含む。
【0084】
第1の通信デバイス100は、図9におけるシリアルパラレルブロック122の後に配置されるビットスプリッタブロック126を含む。ソースベースの変調の各々のシンボル点は、信号点ごとにm1ビットを使用することが可能であるということを仮定する。すなわち、QPSK及び16QAMの場合には、m1は、それぞれ、2及び4と等しい。その次に、放射パターンのセット
【数9】
は、チャネル使用ごとにm2ビットの伝送を可能としてもよい。情報ビットは、シリアルパラレルブロック122によって、m1+m2ビットにグループ化される。グループ化されたビットは、その後に、ビットスプリッタブロック126の中で、m1ビット及びm2ビットに分配され、m1ビットは、ソースベースの変調のシンボル点を決定し、m2ビットは、放射パターンのセットのうちのある1つの放射パターンに対応する。重みのセットは、シンボルを成形することを可能とする。重みのセットは、入力ビットの
【数10】
個の組み合わせのすべてを変更するのに使用されてもよい。このようにして、第1の実装及び第2の実装の場合の重みの数は、それぞれ、
【数11】
及び
【数12】
になる。それにより、ソースベースの及び放射パターンによって生成される実効シンボル配列は、拡大され、それによって、その実効シンボル配列は、シンボルごとにm1+m2ビットを搬送することが可能であり、スペクトラム効率を改善し、したがって、リンクスループットを改善する。
【0085】
図9における第1の通信デバイス100は、また、随意的なフィード線144を含んでもよい。第1の通信デバイス100がフィード線144を含む場合に、そのフィード線144は、ソースベースの変調によって得られるシンボルの選択が、また、アンテナ素子のセット106a,106b,…,106nについての活性化パターンを選択することによって得られる放射パターンに加えて、それらの重みを変更することを可能とするということを可能とする。この実装の利点は、ソースベースの変調及び複数のアンテナ素子(すなわち、複数の異なる放射パターン)によって得られる結果としてのハイブリッドの第2のシンボル配列を共同で最適化することが可能であるということである。このことは、同様にして、第2のシンボル配列が改善された性能を有することを可能とする。
【0086】
(この場合は、図9には示されていないが)第1の通信デバイス100がフィード線144を含まない場合に、アンテナ素子にのみ依存することが可能である最適化のための重みの数を減少させ、したがって、第2のシンボル配列の最適化の複雑さを減少させるが、フィード線144を使用する解決方法と比較して性能がより低くなる。
【0087】
ビットスプリッタブロック126は、また、バイナリビットのセットであってもよい情報ビットをビットの2つの情報シーケンスとして配列する。ビットのそれらの2つの情報シーケンスは、情報の結合セットであってもよく又は情報の非結合セットであってもよい。ビットの第1の情報シーケンスは、ソースベースの変調器142に供給され、ビットの第2の情報シーケンスは、プロセッサ108に直接的に供給され、そのプロセッサ108は、ビットの第2の情報シーケンスを受信すると、ビットのその第2の情報シーケンスに基づいて、重みのみならずアンテナ素子106aを適応させる。
【0088】
ソースベースの変調の例は、これらには限定されないが、例えば、バイナリPSK(BPSK)及び直角位相PSK(QPSK)等の位相シフトキーイング(PSK)、及び、16QAM及び64QAM等の直交振幅変調(QAM)等のソース変調を含む。
【0089】
複数の実施形態においては、また、図10におけるブロック図の中に図示されている多入力多出力(MIMO)を使用する。さらなる容量の増加のために、この解決方法によって、第1の通信デバイス100において2つ又はそれ以上のRFチェーンを使用するときの従来のMIMOシステムを強化することが可能である。図10における例は、簡素化のために、2つのMIMOブランチ及びそれらの対応するRFチェーンのみを示しているということに留意すべきであるが、第1の通信デバイス100は、任意の数の適切なMIMOブランチを含んでもよいということに留意すべきである。
【0090】
図10は、第1の通信デバイス100がMIMOによる結合のソースベースの変調を使用する状況を示している。加えて、第1の通信デバイス100は、ソースベースの変調ブロック142と重み処理ブロック132及び132´との間に配置されるプリコーディングブロック152を含み、それらの重み処理ブロック132及び132´は、破線の制御線を介してそれぞれのプロセッサ108及び108'によって制御される。ソース変調ブロック142からのソース変調されているビットは、受信したシンボルをプリコーディングするプリコーディングブロック152に提供される。プリコーディングは、選択された放射パターンに基づいて調整されてもよく、プロセッサ108及び108'がプリコーダを選択するように適応されている場合にはその逆も可能である。上記のソース変調を使用することが可能である。ソースベースの変調の各々のシンボル点は、シンボル点ごとにm1ビットを搬送することが可能であるということを仮定する。すなわち、QPSK及び16QAMの場合には、m1は、それぞれ、2及び4に等しい。第1の通信デバイス100におけるプリコーディングは、LTE及びNRにおけるプリコーディングと同様にディジタル的に実行されてもよく、受信機、すなわち、第2の通信デバイス300は、また、ランク指標(RI)及びプリコーディングマトリクスインデックス(PMI)を受信する。第1の通信デバイス100は、フィードバック線を介してRI及びPMIを選択することに基づいて、さらに、自身のアンテナ素子を調整して、サービス品質(QoS)のための与えられたメトリックを強化する放射パターンを生成することが可能である。
【0091】
MIMO実装の非限定的な例は、そのような実装の理解をより良くするために、本明細書において説明される。図10に示されているように、各々の放射素子がアンテナ素子のセットによって囲まれるように、2つの放射素子104及び104'が存在するということを仮定する。その次に、制御シグナリングの中で第2の通信デバイス300から第1の通信デバイス100へと送信される2つのフィードバックビットを考慮し、その制御シグナリングは、適切な活性化パターンを選択して起動するように第1の通信デバイス100に通知する。このフィードバックは、図10においてFeedback_1として示され、プリコーディングブロック152に提供される。異なるPMIを使用する単一ランクの伝送、すなわち、RI=1を考慮する。NRの場合に、4つの異なるプリコーディング行列とともに4つのインデックスが存在する。その次に、提案されている解決方法とともにこれらのプリコーディング行列を使用する設計を開示する。この目的のために、開示されている解決方法においては、2つの追加的なフィードバックビットは、活性化パターンの選択のための第2の通信デバイス300から第1の通信デバイス100への制御シグナリングの中で伝送される。このフィードバックは、図10の中でFeedback_2として示され、重み処理ブロック132及び132'とそれぞれのプロセッサ108及び108'とに提供される。
【0092】
表1は、MIMOにおけるそのようなNRプリコーディング行列を使用する設計のある1つの例を示す。第1の列は、結合インデックスを示し、第2の列の中で示されているように、16個のインデックスを示す合計で4つのフィードバックビットが存在する。(列3の中の)最初の2ビットは、活性化パターンを示し、残りの2ビットは、(列4の)プリコーディング行列を選択し、そのプリコーディング行列によって、ソースベースの変調によって得られる変調されているシンボルは、フィードバックの中の示されているビットを使用してプリコーディングされる。
【0093】
図11は、dBであらわされているSNRの関数として使用チャネルごとのビット数(bpcu)のレートを示している。破線は、プリコーディングを使用する従来のベースラインMIMOスキームを示し、実線は、プリコーディングを使用する開示されている解決方法を示している。開示されている解決方法は、従来の解決方法と比較して、倍数のdBの電力利得を提供することが観察される。
【表1】

【0094】
図12は、本発明の複数の実施形態にしたがった通信システム500における第1の通信デバイス100と第2の通信デバイス300との間の対話を図示している信号線図を示している。
【0095】
図12の中のステップIにおいて、第1の通信デバイス100は、第2の通信デバイス300に、放射パターン(又は、活性化パターン)のセットに対応する参照信号のセット(RS)又はパイロットのセットを伝送する。一般的には、第1の通信デバイス100は、アンテナ素子のセットに対する放射パターンのセットのうちの各々の放射パターンについて、少なくとも1つの参照信号又はパイロットを伝送する。参照信号の非限定的な例は、サウンディング参照信号(SRS)、復調参照信号(DMRS)、又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)である。また、例えば、この特定の適用のために設計されているミラー状態情報参照信号(MSI-RS)等のこの特定の適用のためのみの新たな参照信号を将来的な規格に含めることが想定されてもよい。RSは、さまざまなシーケンスを使用して伝送されてもよい。ある1つの例は、パイロットシーケンスの符号分割に加えて、時間又は周波数で伝送される相互に直交するシーケンスを含む。また、アンテナ素子に依存するカバーコードの使用を考慮してもよい。活性化パターンのサブセット又はアンテナ素子のサブセットについて、パイロットを伝送して、パイロットオーバーヘッドを減少させることが可能である。第2の通信デバイス300から第1の通信デバイス100へと他の方向にRSを伝送して、同様の手順を実行することが可能であるということに留意すべきである。このアプローチは、時分割複信又は周波数分割複信における部分的な相反性を有するときに、より有用であり、UL及びDLについての部分的な相反性は、角度及びチャネルの遅延について保持される。
【0096】
上記で説明されているようにPINダイオードにより実装するアンテナ素子の場合に、複数の放射パターンのすべてのセットを
【数13】
によって示し、mは、独立してオン/オフにスイッチングすることが可能であるPINダイオードの総数であり、πiは、長さmのバイナリシーケンスであり、1は、PINダイオードがオンにスイッチングされているということを表し、0は、与えられたミラーのPINダイオードがオフにスイッチングされている場合を示す。各々のアンテナ素子が、独立してオン及びオフにスイッチングするPINダイオードを有し、m≦Mであり、Mは、アンテナ素子の総数であるということを仮定する。したがって、この実装の場合には、時間多重化されている2m個のパイロット信号を使用して、複数の可能な放射パターンのすべてについてチャネル推定を可能にすることができる。第1の通信デバイス100は、放射パターンのサブセットについてのみパイロットを伝送することを決定して、オーバーヘッドを減少させてもよく、それによって、第2の通信デバイス300は、補間等の他の信号処理方法によって完全なシンボル配列を取得する。
【0097】
図12の中のステップIIにおいて、第2の通信デバイス300は、参照信号の受信したセットに基づいて、放射パターンのセットのうちの各々の放射パターンについて無線チャネルを推定する。各々の放射パターンについての推定されたチャネルは、受信したシンボル配列の中の配列シンボルを表す。
【0098】
複数の実施形態において、第2の通信デバイス300は、選択的に、ボックスIIから延びる破線の矢印によって図示されているように、第1の通信デバイス100へと直接的にチャネル推定600a,600b,…,600nをシグナリングにより送ってもよい。この場合には、第2の通信デバイス300によって、図12の中の後に続くステップIII乃至Vを実行しなくてもよい。チャネル推定600a,600b,…,600nのシグナリングは、例えば、テーブルにマッピングされているチャネル推定の指標、バイナリビット列によってインデックスを付されているチャネル推定の指標、或いは、第1の通信デバイス100にシグナリングにより送られる以前のチャネル推定に基づいて圧縮され又は差動的に示されているチャネル推定の指標等のチャネル推定の指標であってもよい。
【0099】
図12の中のステップIIIにおいて、第2の通信デバイス300は、また、ベースライン信号空間配列として知られている第1のシンボル配列を算出する。複数の放射パターンのすべてについてのシンボル点のセットを
【数14】
として表し、シンボル点siは、i=1,2,…,2mである放射パターンπiに対応する。その表記siが、また、実際には、アンテナ素子のある特定の構成(又は、放射パターン)によって成形されている伝送される信号であるために、その表記siが、また、放射パターンπiによって構成されている伝送されるものからのチャネルを表す場合であっても、この表記siを使用するということに留意すべきである。そのセット
【数15】
は、シンボル空間におけるシンボル配列であると理解されてもよい。
【0100】
選択的に、第2の通信デバイス300は、ボックスIIIから伸びる破線の矢印によって図示されているように、第1の通信デバイス100に直接的に第1のシンボル配列S1(セット
【数16】
)をシグナリングにより送ってもよい。そのような場合には、ステップIV及びVは、第2の通信デバイス300によって実行されなくてもよい。
【0101】
図12の中のステップIVにおいて、第1のシンボル配列
【数17】
の知識を使用する第2の通信デバイス300は、電力制約にしたがう複素重みのセット
【数18】
を算出する。図13は、どのようにして重みのセットを算出するかをフローチャートでより詳細に示している。i=1,2,…,2mである複素重みwiのセットを算出した後に、第2の通信デバイス300におけるシンボルは、
【数19】
として表現されるセットによって表される。複素重みのセットは、シンボルのセット
【数20】
がより良好なサービス品質の伝送を可能とするより良好な特徴を所有するように、受信したシンボル配列を成形することを目的とする。
【0102】
図12の中のステップVにおいて、複素重みのセットを計算した後に、第2の通信デバイス300は、第1の通信デバイス100に、i=1,2,…,2mである算出された複素重みのセット{wi}を示すフィードバックシグナリングを提供する。
【0103】
実際には、フィードバックシグナリングオーバーヘッドを低くすることが望ましい。このことを可能とするために、フィードバックシグナリングを圧縮して、オーバーヘッドを減少させることが可能である。複数の実施形態において、フィードバックは、わずか数ビットを含むバイナリ列によって形成されそして表現される。最も簡単な場合には、第2の通信デバイス300は、各々のアンテナ素子についてある1つの放射パターンを取得し、そのため、RFチェーンを使用するNt個のアンテナを有するシステムについての合計m個の放射パターンが存在する場合に、フィードバックオーバヘッドは、mNtビットになるということを仮定する。すなわち、各々が2つの放射パターンを有する2つの送信アンテナの場合には、第1の通信デバイス100を構成するために、第2の通信デバイス300から第1の通信デバイス100への2ビットのフィードバックが必要であるにすぎない。
【0104】
図12の中のステップVIにおいて、第1の通信デバイス100は、第2の通信デバイス300から受信する重みのセット及び第1のシンボル配列に基づいて、第2のシンボル配列を取得する。
【0105】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、第2のシンボル配列を取得するために、重みのセットへと第1のシンボル配列をマッピングすることによって、第2のシンボル配列を取得する。そのマッピングは、線形マッピングであってもよい。線形マッピングのある1つの簡単な例は、第1のシンボル配列とそれらの重みとを要素ごとに乗算して、第2のシンボル配列を生成することである。
【0106】
複数の実施形態において、重みのセットへと第1のシンボル配列をマッピングした後に、電力制御及び位相シフトを実行して、第2のシンボル配列を取得する。
【0107】
複数の実施形態において、第2のシンボル配列は、例えば、BPSK及びQPSK等のM-PSK、又は、例えば、16-QAM及び64QAM等のM-QAMのうちのいずれかであり、Mは、正の整数である。重みのセットは、第2のシンボル配列の中のシンボルが、レガシーシンボル配列を形成して、第2の通信デバイス300の他のレガシー受信機にアクセス可能である伝送を行うように算出されてもよい。他の例は、新たなシンボル配列が強化された成形利得を有するように得られる重みである(その強化された成形利得は、コーディング理論において知られており、例えば、信号空間の中の位置配列点の最適化又は信号点の確率分布の最適化によって達成される)。重みは、また、新たなシンボル配列を生成して、基本的な平行体を有する望ましい生成器行列を有する多次元格子を形成するように取得されてもよい。それらの格子が特定のチャネル条件に適するようにさせる重みを使用して、それらの格子の特性を最適化することが可能である。
【0108】
図12の中のステップVIIにおいて、第1の通信デバイス100は、第2の通信デバイス300に、ステップVIからの算出されている第2のシンボル配列S2へとマッピングされている情報ビットのセットを伝送する。
【0109】
図12の中のステップVIIIにおいて、第2の通信デバイス300は、算出されている第2のシンボル配列S2へとマッピングされている情報ビットのセットを受信する。第2の通信デバイス100は、その後に、第2のシンボル配列及び使用されたビット対シンボルマッピングに基づいて、受信した情報の復調及び復号化を実行する。
【0110】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、にもかかわらず、第2の通信デバイス300から直接的に重みのセットを受信するのではなく、他の手法によって重みのセットを取得することが可能である。
【0111】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、第2の通信デバイス300から、図12の中のステップIIにおける随意的な伝送に対応するチャネル推定のセット610a,610b,…,610nを受信する。各々のチャネル推定は、放射パターンのセット600a,600b,…,600nのうちのある1つの放射パターン600iに対応する。第1の通信デバイス100は、さらに、チャネル推定のセット610a,610b,…,610nのうちのある1つのチャネル推定610n及び第1のシンボル配列に基づいて、重みのセットを算出する。
【0112】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、(図12には示されていないが)第2の通信デバイス300から、放射パターンのセットと関連する参照信号のセットを受信し、そして、参照信号の受信したセットに基づいて、チャネル推定のセット610a,610b,…,610nを決定する。各々のチャネル推定は、放射パターンのセットのうちのある1つの放射パターンに対応する。第1の通信デバイス100は、その後に、チャネル推定のセットのうちのある1つのチャネル推定に基づいて、重みのセットを算出する。したがって、この場合は、図12に図示されているように、無線チャネルを推定するために、第2の通信デバイス300が、第1の通信デバイス100の代わりに参照信号を伝送するときの例に関連する。アンテナ素子がRF信号の送信及び受信に関して相互的であるため、このことが可能となる。
【0113】
さらに、第1の通信デバイス100は、また、複数の異なる手法によって第1のシンボル配列を取得してもよい。
【0114】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、(図12の中のステップIIを参照して)第2の通信デバイス300からチャネル推定のセット610a,610b,…,610nを受信する。各々のチャネル推定は、放射パターンのセット600a,600b,…,600nのうちのある1つの放射パターン600iに対応する。第1の通信デバイス100は、チャネル推定のセット610a,610b,…,610nのうちのある1つのチャネル推定610nに基づいて、第1のシンボル配列を算出する。
【0115】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、第2の通信デバイス300から、放射パターンのセットと関連する参照信号のセットを受信し、そして、参照信号の受信したセットに基づいて、チャネル推定のセットを決定する。各々のチャネル推定は、放射パターンのセットのうちのある1つの放射パターンに対応する。第1の通信デバイス100は、チャネル推定のセットのうちのある1つのチャネル推定に基づいて、第1のシンボル配列を算出する。この場合は、また、第2の通信デバイス300が、無線チャネルを推定するために、第1の通信デバイス100の代わりに参照信号を伝送するときの例に関連する。アンテナ素子のセットがRF信号の送信及び受信に関して相互的であるために、このことが可能となる。
【0116】
複数の実施形態において、第1の通信デバイス100は、図12の中のボックスIIIにおける破線矢印によって図示されているように、制御シグナリングの中で、第2の通信デバイス300から直接的に第1のシンボル配列を受信する。第1のシンボル配列は、例えば、第1の通信デバイス100及び第2の通信デバイス300の双方に知られているあらかじめ決定されているコードブックのセットから選択されてもよい。それにより、コードブックのインデックスのみをシグナリングにより送る必要があり、したがって、制御シグナリングオーバーヘッドを減少させる。
【0117】
さらに、図13は、重みのセットを算出するアルゴリズムのフローチャートをより詳細に示している。このアルゴリズムは、与えられた設計メトリックについて確率的摂動法を使用する。
【0118】
図13の中のステップIにおいて、複数の放射パターンのすべてについて、初期の第1のシンボル配列を形成する。
【0119】
図13の中のステップIIにおいて、放射パターンのセットのうちの複数の放射パターンのすべてに対応する複素重みの初期のセットを設定する。
【0120】
図13の中のステップIIIにおいて、メトリックを算出する。そのアルゴリズムは、設計メトリックを設定し、入力として、セット
【数21】
が形成する初期の信号空間を利用し、例えば、出力として、平均電力制約又はピーク電力制約であってもよい電力制約にしたがう複素重みのセット
【数22】
を生成する。
【0121】
設計メトリックは、ステップIVにおいて設定され、ステップIIIに提供される。設計メトリックは、例えば、ユークリッド距離、又は、非コヒーレント通信のために通常使用されるコーダル距離、シャノン容量、シンボルエラー率、ブロックエラー率、有限長容量、ビットインターリーブ容量、停止容量、及び成形利得等のいずれかの他の関連する距離測定等の最小対形成距離を含んでもよい。設計メトリックとして、遅延制約のみならず信頼性を使用してもよい。
【0122】
図13の中のステップVにおいて、重みの初期のセットに摂動が与えられる。ある1つの例において、それらの重みは、
【数23】
となるように、確率的な方式によって、摂動を与えられ、
【数24】
は、与えられたランダム分布にしたがって選択される摂動変数を示し、αkは、べき乗正規化係数を示す。そのアルゴリズムは、最初に、すべてのi=1,2,…,2mについての単位重み
【数25】
から開始する。すなわち、ステージ(k)について、摂動
【数26】
は、i番目の信号点と関連する以前に選択された重み
【数27】
で発見されたi番目の重みに適用される。使用されてもよい分布の1つは、最初に、整数{1,2,…,2m}からインデックスを選択することであり、その次に、選択したインデックスについて、摂動
【数28】
を選択するように、一様な円分布を設定する。一様分布のサポートは、時間の経過とともに変化してもよく、それによって、そのアルゴリズムが実行されるのに伴って、摂動は、小さくなってもよい。その他の選択されていないインデックスについては、摂動は、適用されない。
【0123】
ステップVIにおいて、要素ごとの乗算を採用する単純な線形マッピングを使用して、セット
【数29】
によって、新たな信号配列(すなわち、シンボル配列)を形成する。
【0124】
ステップVIIにおいて、メトリックを算出する。例示の目的のために、目的関数として、最小対形成ユークリッド距離を考慮する。目的関数は、
【数30】
にしたがって、再計算される。
【0125】
ステップVIIIにおいて、摂動が、より大きな最小距離を生成する場合、すなわち、dk>dk-1である場合に、その摂動は、受け入れられ、それ以外の場合には、設計メトリックが強化されるまで、新たなランダムな摂動を選択する。
【0126】
ステップIXにおいて、メトリックの中に有意な変化が存在しなくなるまで、又は、最適化のために選択されている試行の合計数を使い果たすまで、プロセスを継続する、すなわち、図13の中のNOブランチを継続する。それ以外の場合には、図13の中のYESブランチが選択され、ステップXが実行される。
【0127】
ステップXにおいて、i=1,2,…,2mである複素重みwiを発見した後に、第1の通信デバイス100に、これらの重み又は(これらの重みを示す信号)をフィードバックする。第2の通信デバイス300における新たなシンボル配列は、セット
【数31】
によって表わされ、
【数32】
は、重みのセットである。
【0128】
図14は、シンボル配列を成形するための本明細書に開示されている解決方法の2つの例を図示している。これらの例において、PINダイオードを独立してオン及びオフにスイッチングすることが可能であるアンテナ素子が4つ存在する、すなわち、m=4であり、そのmは、2m=16個の点を有する信号配列を生じさせる。第1のシンボル配列は、
【数33】
によって示され、第2のシンボル配列は、
【数34】
によって示され、
【数35】
は、電力制約にしたがう最小対形成距離を最大化することによって、アルゴリズムを使用して算出される重みのセットである。各々のアンテナ素子から第2の通信デバイス300へのチャネルは、単位分散を有するレイリーフェージングにしたがうということを仮定する。図14の中のこれらの例から、第1のシンボル配列は、最小対形成距離が小さく、シンボル点は、2次元平面に不規則に分布しているということを理解することが可能である。このことは、2つの上の図に示されている。一方で、重みのセットを導入することによって開示されている解決方法は、設計基準にしたがって、好ましい方式によって、第1のシンボル配列を成形して、第2のシンボル配列を取得することが可能である。最小対形成距離は、設計メトリックとして選択されているため、そのアルゴリズムは、2つの下の図面に示されているように、最小対形成距離がよりいっそう良好であるほぼ三角形のグリッドに、第2のシンボル配列の中のシンボルを配置するような方法で機能する。
【0129】
図15は、従来の解決方法及び開示されている解決方法にしたがったシンボル配列の母集団についての最小対形成距離の分布を示している。この例において、ダイオードを独立してオン及びオフにスイッチングすることが可能であるアンテナ素子が4つ存在する、すなわち、m=4であり、そのmは、2m=16個の点を有するシンボル配列を生じさせる。各々のアンテナ素子から第2の通信デバイス300への無線チャネルは、単位分散を有するレイリーフェージングにしたがうということを仮定する。
【0130】
図15の中の上の図は、
【数36】
の分布を示し、
【数37】
は、従来の解決方法にしたがったシンボル配列を示している。
【0131】
一方で、図15の中の下の図は、
【数38】
の分布を示し、
【数39】
は、開示されている解決方法を示し、それによって、
【数40】
は、図13の中で与えられている電力制約にしたがう最小対形成距離を最大化するためのアルゴリズムを使用して算出される重みのセットとなる。図15から、従来の解決方法は、顕著な確率を有するより小さな最小対形成距離を有し、一方で、開示されている解決方法は、はるかに大きな最小対形成距離を有するということを導き出すことが可能である。このことは、開示されている解決方法が、はるかに良好な特徴を有するシンボル配列を可能とすることができ、ひいては、より高いサービス品質につながるということを図示している。
【0132】
図16は、3つの異なる伝送スキームの信号対雑音比(Es/No)に対するシンボル誤り率(SER)を示している。
【0133】
スキーム1は、従来の解決方法にしたがったベースライン開ループMBMであり、スキーム1においては、ダイオードを独立してオン及びオフにスイッチングすることが可能であるアンテナ素子が4つ存在する、すなわち、m=4であり、そのmは、2m=16個の点を有するシンボル配列を生じさせる。各々のアンテナ素子から受信機へのチャネルは、受信機においてAWGN雑音を伴う単位分散を有する独立したレイリーフェージングにしたがうということを仮定する。スキーム2は、スキーム1の実施形態と同様の実施形態にしたがった開示されている閉ループMBMであり、スキーム2においては、ダイオードを独立してオン及びオフにスイッチングすることが可能であるアンテナ素子が4つ存在する、すなわち、m=4であり、そのmは、2m=16個の点を有するシンボル配列を生じさせるが、送信機は、各々のチャネルの変動についての重みを構成することが可能である。各々のミラーから受信機へのチャネルは、単位分散を有するレイリーフェージングにしたがうということを仮定する。スキーム3は、AWGNによる従来の16QAM変調であり、ベンチマークと考えられる。
【0134】
図16から、開示されている解決方法は、低SERで数十dBの電力利得を達成するベースラインMBMスキームを顕著に改善するという結論が得られる。追加的に、開示されている解決方法は、AWGNチャネルの近傍で動作する。
【0135】
さらに、以下の開示においては、従来の解決方法を使用する低密度パリティチェック(LDPC)コーディングされているビットの伝送を考慮する。以下では、送信機は、PINダイオードを独立してオン及びオフにスイッチングすることが可能であるアンテナ素子を4つ有する、すなわち、m=4である。このことは、2m=16個の点を有するシンボル配列を生じさせる。従来の解決方法にしたがったシンボル配列は、
【数41】
によって示され、開示されているシンボル配列は、
【数42】
によって示され、
【数43】
は、電力制約にしたがう最小対形成距離を最大化することによって、そのアルゴリズムを使用して算出される重みのセットである。図17aは、使用される重みのセットが存在しないときのシンボル空間を示し、図17 bは、重みのセット
【数44】
が、第1のシンボル配列を成形するのに使用されるときの開示されている解決方法の場合のシンボル空間を示している。第2のシンボル配列のシンボル点は、図17 cに示されている2次元の三角グリッドに配置される。
【0136】
ビットの伝送を可能とするために、また、ビットからシンボルへのマッピングを設計する必要がある。ある1つのアプローチは、複数の摂動方法を使用することであり、それによって、設計メトリックは、最も近い近傍へのビットラベルのハミング距離を最小化するということとなる。その摂動は、初期のランダムマッピングから開始して、その次に、ランダムなビットフリップを実行することによって実現されてもよい。また、最適化の他の方法を適用してもよい。図17dは、摂動によって得られる結果のある1つの例を示す。複数のシンボルが分離可能な行に配置されるようにそれらの複数のシンボルがグループ化され、そして、その次に、各々の行に2ビットを割り当て、2つの追加的なビットを割り当てて、各々の行にあるシンボルを判別するように、マッピングを記述してもよいということを理解することが可能である。すなわち、b0b1が、4つの行のうちの1つを示し、b2b3が、各々の行にある4つのシンボル点のうちの1つを決定するように、列b0b1b2b3は、割り当てられる。また、この方法を使用して得られるシンボル配列は、いくつかのエッジ点を与えるということが観測されている。これらのエッジ点の回転は、図18a及び図18bに示されているように、より良好なビット対シンボルマッピングを発見することを可能とすることによって、向上させられたパフォーマンスを提供することを可能とする。
【0137】
図18bは、初期の重みを適用した後の第2のシンボル配列を図示し、図18aは、回転したエッジ点を有する同じ配列を示している。図18aは、2つのエッジ点を囲んだときのシンボル配列を示し、そのシンボル配列においては、対応するシンボル点の回転角を計算することが可能であり、対応する重みを再調整することが可能である。回転は、送信電力を変化させないということに留意すべきである。
【0138】
図19は、符号レートが半分であるときに、4つのLDPC伝送符号方式、すなわち、従来の解決方法にしたがったベースライン開ループMBM、複数の実施形態にしたがった開示されている閉ループMBM、複数の実施形態にしたがった回転させられているエッジ点を有する開示されている閉ループMBM、及びベンチマークとしてAWGNによる16QAMを使用する従来の解決方法について、SNRの関数としてのビット誤り率(BER)をdBで示している。また、シャノンの限界を示している。図19から、開示されている解決方法は、有意なエネルギー節約を可能とする複数のdBの電力利得を有するベースラインMBMスキームを顕著に改善するという結論が得られる。代替的に、その解決方法は、カバレッジを拡張するために使用されてもよい。エッジ点の回転は、さらに、パフォーマンスを向上させることが可能であり、AWGNチャネルを介する16QAM伝送の解決方法とほぼ同じように、その開示されている解決方法を動作させることが可能である。
【0139】
本発明の主要な結果の1つは、開示されている解決方法を使用することによって、フェージングチャネルをAWGNチャネルに変換することが可能であるということである。すなわち、本発明は、重みを使用して、有効な無線チャネルにおけるランダム性を除去することによって、チャネルの強化を効果的に可能とし、それによって、フェージングは、データ伝送のために使用されるということを理解することが可能である。したがって、その解決方法は、フェージングチャネルをAWGNチャネルに変換しながらデータ伝送のためにフェージングを制御することによって、チャネルの強化を可能とするシンボル成形を可能とするものであると理解されてもよい。
【0140】
さらに、本発明の複数の実施形態にしたがったいずれかの方法は、コード手段を有するコンピュータプログラムによって実装されてもよく、それらのコード手段は、処理手段によって実行されるときに、その処理手段に方法のステップを実行させる。コンピュータプログラムは、コンピュータプログラム製品のコンピュータ読み取り可能な媒体の中に含まれる。そのコンピュータが読み取り可能な媒体は、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、又はハードディスクドライブ等の基本的に任意のメモリを含んでもよい。
【0141】
複数の実施形態によれば、本開示は、チップを提供し、そのチップは、第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスのために使用されてもよい。そのチップは、少なくとも1つの通信インターフェイス、少なくとも1つのプロセッサ、及び少なくとも1つのメモリを含み、通信インターフェイス、プロセッサ、及びメモリは、回路を使用することによって(又は、場合によっては、バスを使用することによって)相互接続され、プロセッサは、メモリの中に格納されている命令を呼び出して、本発明の複数の実施形態にしたがった方法を実行する。
【0142】
複数の実施形態によれば、本開示は、メモリ及びプロセッサを含む第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスを提供する。そのメモリは、プログラム命令を格納するように構成され、そのプロセッサは、メモリの中のプログラム命令を呼び出して、本発明の複数の実施形態にしたがった第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスの機能を実装するように構成される。
【0143】
複数の実施形態によれば、本開示は、不揮発性記憶媒体を提供し、その不揮発性記憶媒体は、1つ又は複数のプログラムコードを格納する。第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスが、そのプログラムコードを実行するときに、第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスは、本発明の複数の実施形態にしたがって第1の通信デバイス及び/又は第2の通信デバイスが実行する関連する方法のステップを実行する。
【0144】
さらに、当業者は、第1の通信デバイス100及び第2の通信デバイス300の複数の実施形態が、解決方法を実行するために、例えば、機能、手段、ユニット、要素等の形態で、必要な通信能力を含むということを認識する。他のそのような手段、ユニット、要素、及び機能の例は、プロセッサ、メモリ、バッファ、制御ロジック、エンコーダ、デコーダ、レートマッチャ、デレートマッチャ、マッピングユニット、乗算器、決定ユニット、選択ユニット、スイッチ、インターリーバ、デインターリーバ、変調器、復調器、入力、出力、アンテナ、増幅器、受信ユニット、送信ユニット、DSP、MSD、TCMエンコーダ、TCMデコーダ、電源ユニット、電力フィーダ、通信インターフェイス、通信プロトコル等であり、これらは、ともに、解決方法を実行するために適切に配置される。
【0145】
特に、第1の通信デバイス100及び第2の通信デバイス300の1つ又は複数のプロセッサは、例えば、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、又は命令を解釈しそして実行することが可能である他の処理ロジックの1つ又は複数のインスタンスを含んでもよい。このようにして、"プロセッサ"という表現は、例えば、上記で言及したもののうちのいずれか、一部、又はすべて等の複数の処理回路を含む処理回路を表してもよい。処理回路は、さらに、呼処理制御又はユーザインターフェイス制御等のデバイス制御機能及びデータバッファリング機能を含むデータの入力、出力、及び処理のためのデータ処理機能を実行してもよい。
【0146】
最後に、本発明は、上記で説明されている実施形態には限定されず、また、添付の独立請求項の範囲の中の実施形態のすべてに関連し、それらの実施形態のすべてを組み込んでいるということを理解すべきである。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19