(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】骨を治療するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/72 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61B17/72
(21)【出願番号】P 2022525731
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(86)【国際出願番号】 IB2020060378
(87)【国際公開番号】W WO2021090211
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-11-02
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スプライター・グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】デフォッセ・ヘンリ
(72)【発明者】
【氏名】シェラー・サイモン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0326533(US,A1)
【文献】特開平07-255740(JP,A)
【文献】特表2006-525844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/72
A61B 17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を治療するためのナットであって、
ヘッド、及び前記ヘッドから自由端まで長手方向に延在する本体であって、前記本体が、前記自由端から長手方向に中へと延在し、骨ねじの端部に係合するように構成されているチャネルを含む、ヘッド及び本体と、
前記本体の外面から前記本体の周りに、前記本体の長さ全体に沿って延在する雄ねじ山であって、前記雄ねじ山の、径方向に最も外側の縁部によってその外側輪郭が画定され、前記外側輪郭のうちの、
前記ヘッドに隣接した第1の部分が、前記外側輪郭のうちの、前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分よりも小さい直径を有する、雄ねじ山と、を備える、ナット。
【請求項2】
前記外面のうち、前記雄ねじ山が延在する第1の部分のねじ谷の径が、前記外面のうち、前記外面の前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分のねじ谷の径よりも大きい、請求項1に記載のナット。
【請求項3】
前記外面のうちの前記第1の部分の長さが、前記外側輪郭のうちの前記第1の部分の長さよりも小さい、請求項2に記載のナット。
【請求項4】
前記雄ねじ山が、3つのねじ山付き部分、すなわち、前記外側輪郭の前記第2の部分が延在する前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第1のねじ山付き部分と、前記外側輪郭の前記第1の部分及び前記外面の前記第2の部分が重なり合っている前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第2のねじ山付き部分と、前記外面の前記第1の部分が延在する前記本体の長さに対応する、前記雄ねじ山の第3のねじ山付き部分と、を含む、請求項3に記載のナット。
【請求項5】
前記雄ねじ山の、前記第1のねじ山付き部分に沿った深さが、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った深さよりも深く、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記深さが、前記雄ねじ山の、前記第3のねじ山付き部分に沿った深さよりも深い、請求項4に記載のナット。
【請求項6】
前記外側輪郭の前記第1の部分の長さが、前記外面の前記第1の部分の長さに対応し、前記外側輪郭の前記第2の部分の長さが、前記外面の前記第2の部分の長さに対応する、請求項2に記載のナット。
【請求項7】
前記雄ねじ山が、2つのねじ山付き部分、すなわち、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の前記第2の部分及び前記外面の前記第2の部分に対応する第1のねじ山付き部分と、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の第1の部分及び前記外面の第1の部分に対応する第2のねじ山付き部分と、を含む、請求項6に記載のナット。
【請求項8】
前記第1のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さが、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さよりも深い、請求項7に記載のナット。
【請求項9】
前記骨ねじの対応するねじ山に係合させるために、前記チャネルの内面に沿って延在する雌ねじ山を更に備える、請求項1に記載のナット。
【請求項10】
骨を治療するためのシステムであって、
骨の髄管を通して挿入可能で、近位端から遠位端まで延在する髄内釘であって、前記髄内釘の長手方向軸線に対してある角度で延在する軸線に沿って前記髄内釘を通って延在する止め穴を含む、髄内釘と、
前記骨内に、かつ前記止め穴を通って挿入されるように構成されている止めねじであって、ヘッド部分と、前記ヘッド部分から自由端まで延在するシャフトと、を含み、前記シャフトが、それに沿って延在するねじ山を含む、止めねじと、
骨内に挿入されるように構成されているナットであって、ヘッドと前記ヘッドから自由端に延在する本体とを含み、前記本体が、前記自由端から長手方向に中へと延在し、前記止めねじの前記自由端にねじ方式で係合するように構成されているチャネルと、前記本体の外面から、前記本体の長さ全体に沿って、前記本体の周りに延在する雄ねじ山と、前記雄ねじ山の径方向に最も外側の縁部によって画定される前記雄ねじ山の外側輪郭と、を含み、前記外側輪郭のうちの、
前記ヘッドに隣接した第1の部分が、前記外側輪郭のうちの、前記第1の部分から前記本体の前記自由端に延在する第2の部分よりも小さい直径を有する、ナットと、を備える、システム。
【請求項11】
前記止め穴が、前記髄内釘の遠位部分を通って延在する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記外面のうち、前記雄ねじ山が延在する第1の部分のねじ谷の径が、前記外面のうち、前記外面の前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分のねじ谷の径よりも大きい、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記外面のうちの前記第1の部分の長さが、前記外側輪郭のうちの前記第1の部分の長さよりも小さい、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記雄ねじ山が、3つのねじ山付き部分、すなわち、前記外側輪郭の前記第2の部分が延在する前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第1のねじ山付き部分と、前記外側輪郭の前記第1の部分及び前記外面の前記第2の部分が重なり合っている前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第2のねじ山付き部分と、前記外面の前記第1の部分が延在する前記本体の長さに対応する、前記雄ねじ山の第3のねじ山付き部分と、を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記雄ねじ山の、前記第1のねじ山付き部分に沿った深さが、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った深さよりも深く、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記深さが、前記雄ねじ山の、前記第3のねじ山付き部分に沿った深さよりも深い、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記外側輪郭の前記第1の部分の長さが、前記外面の前記第1の部分の長さに対応し、前記外側輪郭の前記第2の部分の長さが、前記外面の前記第2の部分の長さに対応する、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記雄ねじ山が、2つのねじ山付き部分、すなわち、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の前記第2の部分及び前記外面の前記第2の部分に対応する第1のねじ山付き部分と、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の第1の部分及び前記外面の第1の部分に対応する第2のねじ山付き部分と、を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さが、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さよりも深い、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えば大腿骨などの長骨の骨折は、骨の骨折を低減させた後に骨の髄管に挿入される髄内釘を使用して治療され得る。場合によっては、特に遠位顆部骨折の場合、骨の遠位端から髄管に挿入可能な逆行性釘を使用して骨は治療され得る。止めねじは、骨を通り、髄内釘を通って横方向に延在する止め穴に挿入されて、髄内釘を骨に固定し、かつ/又は骨に追加の安定性を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、骨を治療するためのナットに関する。このナットは、ヘッド、及びヘッドから自由端まで長手方向に延在する本体であって、本体が、自由端から長手方向に中へと延在し、骨ねじの端部に係合するように構成されているチャネルを含む、ヘッド及び本体と、本体の外面から本体の周りに、本体の長さ全体に沿って延在する雄ねじ山であって、雄ねじ山の、径方向に最も外側の縁部によってその外側輪郭が画定され、外側輪郭のうちの、ヘッド部分に隣接した第1の部分が、外側輪郭のうちの、第1の部分から本体の自由端まで延在する第2の部分よりも小さい直径を有する、雄ねじ山と、を備える。
【0003】
本開示はまた、長骨を治療するためのシステムに関する。このシステムは、骨の髄管を通して挿入可能で、近位端から遠位端まで延在する髄内釘であって、髄内釘の長手方向軸線に対してある角度で延在する軸線に沿って髄内釘を通って延在する止め穴を含む、髄内釘と、骨内に、かつ止め穴を通って挿入されるように構成されている止めねじであって、ヘッド部分と、ヘッド部分から自由端まで延在するシャフトと、を含み、シャフトが、それに沿って延在するねじ山を含む、止めねじと、骨内に挿入されるように構成されているナットであって、ヘッドとヘッドから自由端に延在する本体とを含み、本体が、自由端から長手方向に中へと延在し、止めねじの自由端にねじ方式で係合するように構成されているチャネルと、本体の外面から、本体の長さ全体に沿って、本体の周りに延在する雄ねじ山と、雄ねじ山の径方向に最も外側の縁部によって画定される雄ねじ山の外側輪郭と、を含み、外側輪郭のうちの、ヘッド部分に隣接した第1の部分が、外側輪郭のうちの、第1の部分から本体の自由端に延在する第2の部分よりも小さい直径を有する、ナットと、を備える。
【0004】
本開示はまた、骨を治療するための方法に関する。この方法は、大腿骨の遠位端の挿入点を通して、大腿骨の髄管に髄内釘を挿入することと、髄内釘の長手方向軸線に対して角度を付けた軸線に沿って髄内釘の遠位部分を通って延在する止め穴を通して、止めねじのシャフトを延在させ、止めねじのヘッド部分を、大腿骨の第1の側部に沿った皮質に接触させるように、大腿骨の第1の側部を通して止めねじを打ち込むことと、止めねじのシャフトの自由端が、ナットのチャネル内にねじ方式で受容されるように、大腿骨の第1の側部とは反対側にある大腿骨の第2の側部を通してナットを挿入することと、を含み、ナットが、ヘッドと、ヘッドから自由端へ延在する本体部分と、を含み、チャネルは、自由端から本体内に長手方向に延在し、雄ねじ山は、本体の外面から本体の周りに、本体の長さ全体に沿って延在し、雄ねじ山の外側輪郭は、雄ねじ山の径方向に最も外側の縁部によって画定され、外側輪郭のうちの、ヘッド部分に隣接した第1の部分は、外側輪郭のうちの、第1の部分から本体の自由端に延在する第2の部分よりも小さい直径を有し、その結果、ナットが骨を通って挿入され、止めねじと係合すると、ナットは回転して、チャネルを止めねじのねじ山と位置揃えする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の例示的な一実施形態によるシステムの一部の長手方向側面図を示す。
【
図2】
図1のシステムによる、ナットの長手方向断面図を示す。
【
図3】本開示の別の例示的な一実施形態によるシステムの一部分の長手方向側面図を示す。
【
図4】本開示の別の例示的な一実施形態によるナットの長手方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、以下の説明及び添付の図面を参照して理解することができ、類似の構成要素は同じ参照番号で言及される。本実施形態は骨の治療に関し、具体的には長骨の治療に関する。例示的な実施形態は、髄内釘を通って横方向に延在する止め穴を通して挿入可能な止めねじと、止めねじのねじ山付き端部に係合するように構成されたナットとを組み合わせて、長骨(例えば、大腿骨)の髄管を通して挿入されるように構成された髄内釘を含むシステムを説明する。止めねじ及びナットは共に、例えば、骨の遠位端において追加的安定性、固定、及び/又は圧縮を提供するように作用する。
【0007】
例示的な実施形態は、ヘッド部分と、止めねじのねじ山付き端部をねじ方式で受容するように構成されたチャネルを含む本体部分と、を含むナットを説明する。この実施形態のナットはまた、本体の外面に沿った雄ねじ山を含む。雄ねじ山の径方向に最も外側の縁部によって画定されたナットの外側輪郭は、ナットが回転してチャネルのねじ山を止めねじと位置揃えさせるように、ヘッド部分に向かって狭くなっている。本体部分の外面の、径方向に最も内側の部分(すなわち、雄ねじ山が径方向外向きに突出する外面の部分)の直径として画定されるねじ谷の径は、ナットのヘッド部分に向かって増加して、ナットが完全に挿入されたときに皮質にて安定性を提供する。例示的な実施形態は、大腿骨逆行性釘システムを具体的に示し説明するが、本開示のシステムは、例えば、アプローチの方向に関係なく、例えば上腕骨などの様々な長骨のいずれかを治療するために使用され得ることが当業者には理解されるであろう。更に、例示的な実施形態は、骨の遠位端に安定性及び/又は圧縮を提供するように止めねじ及びナットを示し説明するが、骨のいずれかの部分にわたって追加的安定性/圧縮を提供するために、止めねじ及びナットを使用することができることが当業者には理解されるであろう。本明細書で使用される場合、近位及び遠位といった用語は、それぞれ、骨の近位端及び遠位端に対応する方向を指すことが意図され、当業者によって理解されるように、遠位とは、本体の中心に対し取り付け点から離れる方向を指し、近位は、この取り付け点に向かって体の中心に近い方向を指す。
【0008】
図1及び
図2に示されるように、本開示の例示的な一実施形態によるシステム100は、例えば骨に対して髄内釘102の遠位端108を固定して、骨折部にわたって安定性及び/又は圧縮を提供するための止めねじ104及びナット106とともに、長骨(例えば、大腿骨)の髄管を通して挿入されるように構成された髄内釘102を備える。止めねじ104は、骨の第1の側部から、髄内釘102の一部分を通って横方向に延在する止め穴110を通して挿入されるように構成されている。
【0009】
ナット106は、ヘッド114、及びヘッド114から延在する本体116を含む。本体116は、骨の第1の側部の反対側にある第2の側部からの止めねじ104の自由端118と係合し、止めねじ104がその内部を通って延在する骨の一部分に、追加的安定性、固定、及び/又は圧縮を提供するように構成されている。本体116は、その外面124の長さの全て又は一部に沿って径方向外向きに延在する雄ねじ山120を含む。雄ねじ山120の、径方向に最も外側の縁部122によって画定される、本体116の外側輪郭150は、ヘッド114に隣接した本体116の一部分に沿って狭くなって、ナット106が止めねじ104の長手方向軸線を中心に回転するときに、止めねじ104との位置揃えを容易にする。
【0010】
更に、ねじ谷の径、すなわち、外面124上の径方向に最も内側の点152(すなわち、雄ねじ山120が径方向外向きに延在する点)において画定される本体116の直径として画定される直径は、ヘッド114に隣接した位置でより大きく、ナット106の本体116が骨に完全に挿入されたときに、ナット106が第2の側部に沿った皮質にて安定性を提供するようになっている。ねじ谷の径は、ヘッド114に隣接した位置でより大きくなっているが、ねじ谷の径の増加はヘッド114に隣接した外側輪郭150の減少によって相殺されるので、骨の第2の側部に沿った皮質の亀裂が回避されるということが当業者によって理解されるであろう。
【0011】
髄内釘102は、遠位端108から近位端(図示せず)まで延在する。例示的な一実施形態では、髄内釘102は、骨の遠位端の挿入点を経由して大腿骨の髄管に挿入されるように構成された、大腿骨逆行性釘である。この実施形態における髄内釘102は、標的骨の髄管のサイズ及び形状に対応するようにサイズ決めされ、成形され、構成される。この実施形態では、止め穴110は、釘102の遠位部分126を通って横方向に延在し、そこを通して止めねじ104を受容して、例えば、大腿骨の遠位端にわたって安定性を提供するように構成されている。
【0012】
止め穴110は、釘102の長手方向軸線に対して角度を付けられた軸線に沿って、遠位部分を通って延在する。一実施形態では、止め穴110は、釘102の長手方向軸線に実質的に垂直な軸線に沿って、遠位部分126を通って延在する。別の実施形態では、止め穴110は、釘102の長手方向軸線に対して非垂直に角度を付けられた軸線に沿って、遠位部分126を通って延在する。例示的な実施形態は単一の止め穴110があるものとして説明しているが、髄内釘102はそこを通る止めねじ104を受容するようにそれぞれ構成された2つ以上の止め穴110を含み得るということを、当業者は理解するであろう。
【0013】
止めねじ104は、当業者によって理解されるように、ヘッド部分128と、そこから自由端118に延在するシャフト130とを含む、標準的な骨ねじであり得る。止めねじ104が、止めねじ104の長手方向軸線を中心とした止めねじ104の回転によって、骨内にかつ止め穴110を通して挿入されることができるように、シャフト130はその外面に沿ったねじ山132を含む。当業者に理解されるように、止めねじ104は、例えば、ヘッド部分128内の打込み用凹みと係合可能なドライバを使用して、骨内に打ち込まれ得る。当業者に理解されるように、ドライバ及び頭部穴の両者が係合したときに、ドライバの回転が対応して止めねじ104を回転させて、止めねじ104を骨内に打ち込むことができるように、ドライバ及び頭部穴は対応するサイズ及び形状に決定される。止めねじ104は、止めねじ104が完全に挿入されると、ヘッド部分104が骨の第1の側部に沿った骨の皮質に当接するように、骨内にかつ止め穴110を通して挿入可能である。一実施形態では、止めねじ104の長さは、止めねじ104が骨に完全に挿入されると、シャフト130の自由端118が、遠い側の皮質から約2mm突出するように選択される。
【0014】
上述のように、ナット106は、ヘッド114、及びヘッド114から自由端134へ延在する本体116と、を含み、自由端134は、止めねじ104の自由端118を取り囲んで係合するように構成されている。止めねじ104と同様に、ナット106のヘッド114は、ナット106を骨内に打ち込む(すなわち、ナット106を回転させる)ための、ドライバと係合可能な打込み用凹みを含む。自由端134は、骨の皮質を通してナット106を挿入するのを容易にするように構成された刃先135を含み得る。本体116は、自由端134から本体116内に長手方向に延在する、チャネル136を含む。チャネル136は、止めねじ104の自由端118を自らの内部に受容するように構成され、その内面140に沿った雌ねじ山138を含む。この雌ねじ山138は、止めねじ104のねじ山132に対応するようなサイズ及びピッチに形成されて、止めねじ104のねじ山132と、ねじ方式で係合する。一実施形態では、ヘッド114に隣接した本体116を通り延在するチャネル136の一部分154は、本体116を通って延在するチャネル136のうちの残りの部分156よりも大きな直径を有し得る。一例によれば、ねじ山138はより大きな直径部分154がねじ山を含まないように、残りの部分156に沿って延在していてよい。別の実施形態では、ねじ山138は、チャネル136の長さ全体に沿って延在し得る。別の実施形態では、チャネル136の直径は、その長さ全体に沿って一定であり得る。
【0015】
上述のように、この実施形態におけるナット106の本体116は、本体116の長さ全体に沿って外面124上に雄ねじ山120を含む。したがって、ナット106が骨内に打ち込まれると、雄ねじ山120は骨と係合する。特に、ナット106は、第1の側部の反対側の骨の第2の側部内に打ち込まれてもよく、ナット106が骨内に打ち込まれると、本体116が、止めねじ104の自由端118を覆うようにねじ止めされるように、ナット106の長手方向軸線は止め穴を通して挿入された止めねじ104の長手方向軸線と実質的に位置揃えされてよい。
【0016】
ナット106の外側輪郭150(
図2に点線によって示されている)は、雄ねじ山120の径方向に最も外側の縁部122によって画定されるが、その外側輪郭150は、ヘッド114に向かって狭くなっている。言い換えれば、ヘッド114に隣接する本体116の第1の部分142に沿った外側輪郭150の直径は、第1の部分142から自由端134まで延在する本体116の第2の部分144に沿った外側輪郭150の直径よりも小さい。ヘッド114に近接する第1の部分142に沿った、ナット106の外側輪郭150(雄ねじ山120上の径方向に最も外側の点によって画定される経路)は、第2の部分144における外側輪郭150の直径よりも小さい直径を画定するので、ナット106が骨内に回転して挿入される際には、チャネル136の雌ねじ山138は、止めねじ104のねじ山132と位置揃えされる。言い換えれば、ナット106の外側輪郭150の第1の部分が骨に貫入するにつれて、第1の部分は、第2の部分144よりもわずかに広い経路を切削し、このわずかに増加した直径により、挿入軸線に対してナット106がわずかに移動するのが可能になり、ナット106が位置を調整して、ナット106のチャネル136の軸線を止めねじ104のシャフト130の軸線とより正確に位置揃えすることが可能になる。
【0017】
雄ねじ山120は、本体116の外面124のねじ谷の径に沿って延在するが、その長さに沿ってもこれはまた変化する。ねじ谷の径は、雄ねじ山120の各ターン上の径方向に最も内側の点152どうしを互いに接続する経路によって画定される。この実施形態では、外面124のうち、ヘッド114に隣接する第1の部分146に沿ったねじ谷の径は、外面124のうち、第1の部分146から自由端134まで延在する第2の部分148のねじ谷の径よりも大きい。したがって、ヘッド114が骨の第2の側部に当接するようにナット106が骨に完全に挿入されると、第1の部分146のねじ谷の拡げられた径により、ナット106の挿入された場所の皮質での安定性を提供する。外面124の第1の部分146(ヘッド114に隣接する部分)はそのねじ谷の径が大きいものの、ヘッド114に隣接した第1の部分142に沿った外側輪郭150が小さくなっているため、ナット106が完全に挿入されたときに皮質に亀裂を生じるリスクが低減される。
【0018】
図2に示すように、外側輪郭150の第1の部分142は、外面124のねじ谷の径の第1の部分146と重なるものの、外側輪郭150の第1の部分142の長さは、外面124の第1の部分146の長さよりも長くなっている。したがって、この実施形態のナット106は、3つの異なるねじ山付き部分を含む。ねじ山付き部分Aは、本体116のうちの外側輪郭150の第2の部分144の長さに対応する本体116の長さに沿って延在する部分であり、ねじ山付き部分Bは、本体116のうちの、外側輪郭150の第1の部分142及び外面124の第2の部分148が延在する本体116の長さに沿って延在する部分であり、ねじ山付き部分Cは、本体部分のうちの、外面124の第1の部分146の長さに対応する本体116の長さに沿って延在する部分である。
【0019】
一実施形態では、ねじ山付き部分Aの長さは、約2mmから10mmの範囲であってよく、ねじ山付き部分Bの長さは、約2mmから15mmの範囲であってよく、ねじ山付き部分Cの長さは、約1mmから5mmの範囲であってよい。ねじ山付き部分Aに沿って延在する雄ねじ山120の深さ(すなわち、径方向に最も外側の縁部122と外面のねじ谷部との間の距離)は、ねじ山付き部分B及びCの両方に沿った雄ねじ山120の深さよりも深くなっている。ねじ山付き部分Bに沿って延在する雄ねじ山120の深さは、ねじ山付き部分Aに沿った雄ねじ山120の深さよりも浅いが、ねじ山付き部分Cに沿った雄ねじ山120の深さよりも深くなっている。したがって、ねじ山付き部分Cに沿って延在する雄ねじ山120は、ねじ山付き部分A及びねじ山付き部分Bに対して最も浅い深さを有する。
【0020】
上記の雄ねじ山120はナットの壁を切削して形成され得るが、その壁は、外側輪郭150及びチャネル136によって画定され、外面124に対応する軌道に沿って切削されるということが当業者には理解されるであろう。
【0021】
上述のように、システム100は、長骨の骨折を治療するために使用され得るが、特定の実施形態では、大腿骨の遠位部の骨折を治療するために使用され得る。髄内釘102は、髄内釘102の遠位部分126が、大腿骨の遠位端内に受容され、かつ釘102の遠位部分126を通って横方向に延在する対応する止め穴110を通して挿入された止めねじ104を介し、大腿骨の遠位端に対して固定されるように、大腿骨の遠位端を通して挿入され得る。一実施形態では、止めねじ104は、シャフト130が止め穴110を通って延在し、止めねじ104のヘッド部分128が骨の第1の側部に沿って皮質に当接するように、大腿骨の第1の側部を通して挿入され得る。ヘッド部分128は、骨に当接するものとして説明されているが、ワッシャ112が、ヘッド部分128と骨の皮質との間に配置され得るということを、当業者ならば理解するであろう。
【0022】
次いで、ナット106は、骨ねじ104の長手方向軸線と実質的に位置揃えされつつ、骨の第2の側部を通して挿入されて、止めねじ104の自由端118に係合され得る。ナット106の本体116が骨内に打ち込まれるにつれ、外側輪郭150の第1の部分142は、ナット106がその長手方向軸線に対してわずかに移動することを可能にし、ナット106のチャネル136の内面140に沿った雌ねじ山138の、止めねじ104のねじ山132との位置揃えを容易にする。ナット106のヘッド114が骨の第2の側に沿って皮質に当接するように、ナット106は骨に完全に挿入され得る。外面124の第1の部分146に沿ってねじ谷の径が大きくなることで、ナット106が完全に挿入されたときには、皮質での安定性がもたらされる。
【0023】
しかしながら、ナット106はまた、皮質での亀裂を防止するが、それは、ヘッド114に隣接した第1の部分142に沿った雄ねじ山120の外側輪郭150が第2の部分144に沿った外側輪郭よりも小さいためである。例示的な実施形態は、大腿骨遠位部を治療するためのシステムの使用を具体的に説明し、図示するが、止めねじ104及びナット106によって提供される安定性及び/又は圧縮は、様々な骨のうちいずれかを治療するために使用され得るということを、当業者ならば理解するであろう。当該技術分野で既知の様々な方法のうちのいずれかを使用して、髄内釘102、止めねじ104、及びナット106を、骨に挿入/埋め込むことができるということも、当業者ならば理解するであろう。
【0024】
別の例示的な実施形態によれば、
図3に示されるように、システム100’は、止めねじ104’の両端を固定して釘による構成上の安定性を高めるために使用され得る、第1のナット106a’と第2のナット106b’とを備える。第1のナット106a’及び第2のナット106b’の各々は、システム100のナット106と実質的に同様であってよい。止めねじ104’は、止めねじ104’の両端が、ナット106a’内及びナット106b’内に受容され得るようにねじ頭を含まないことを除いては、止めねじ104と実質的に同様であり得る。しかしながら、この実施形態では、第1のナット106a’は、第1のナット106’のヘッド部分114’が第1の側部に沿った皮質に接触するまで、骨の第1の側部に沿った皮質を通して挿入される。
【0025】
止めねじ104’の自由端は、止めねじ104’のシャフト130’が本体116’の内部に沿ったねじ山と係合するように、第1のナット106a’のヘッド部分114’内に、かつナット106a’の本体116’を通って挿入される。止めねじ104’は、その自由端が本体を越えて延在して骨に係合し、止めねじ104’のヘッド部分128’が第1のナット106a’のヘッド部分114’に当接するまで、第1のナット106a’に対して長手方向に移動される。この実施形態では、第1のナット106a’の本体116’を通って延在するチャネルは、止めねじ104’が本体116’に挿入されているときに、止めねじ104’がより正確にチャネルの軸と位置揃えされ得るように、ヘッド部分114’に隣接する部分でより大きな直径を有し得る。
【0026】
言い換えれば、固定ねじ104’がナット106a’に対してわずかに移動することは、止めねじ104’が第1のナット106a’とより正確に位置揃えされることを目的として、止めねじ104’の挿入初期中に許容される。上述のように、ひとたび止めねじ104’が第1のナット106a’を通して骨内に挿入されると、第2のナット106b’は、骨の第1の側部の反対側にある第2の側部に沿って皮質を通して挿入されて、止めねじ104’の自由端に係合することができる。自由端118’に係合するための第2のナット106b’の挿入は、システム100に関して上に説明したナット106の挿入と、実質的に同様であり得るということを、当業者ならば理解するであろう。
【0027】
図4に示すように、別の例示的な一実施形態によるナット206は、システム100に関して既に説明したナット106と実質的に同様であり得る。ナット106と同様に、ナット206は、止めねじの自由端に係合するように構成されており、これはシステム100に関して既に説明した止めねじ104と、実質的に同様であり得る。ナット206は、ヘッド214、及びヘッド214から自由端234に長手方向に延在する本体216と、を備える。自由端から長手方向に延在するチャネル236は、その内部に、止めねじの端部を受容するように構成されている。ナット106の場合と同様に、本体216の外面224に沿って延在する雄ねじ山220の、径方向に最も外側の点222によって画定される外側輪郭250は、ヘッド214に隣接した第1の部分242と、第1の部分242から延在する第2の部分244とを含み、外側輪郭250の第1の部分242は、第2の部分244よりも小さい直径を有する。
【0028】
また、ナット106の場合と同様に、本体216は、ヘッド214に隣接した第1の部分246を含み、その第1の部分246に沿った場所では、外面224に沿ったねじ谷の径(雄ねじ山220の、径方向に最も内側の点252によって画定される)は、第1の部分246から延在する第2の部分248に沿ったねじ谷の径よりも大きい。しかしながら、この実施形態では、外側輪郭250の第1の部分242と、外面224の第1の部分246とは、実質的に対応しており(例えば、実質的に同じ長さを有し、本体216の同じ部分に沿って延在する)、そのため、本体216に沿ったねじ山220は、ナット106に関して上述したような3つのねじ山付き部分ではなく、2つのねじ山付き部分、すなわち、ねじ山付き部分A及びねじ山付き部分Cを含む。
【0029】
ねじ山付き部分Aは、本体216のうちの、外側輪郭250の第2の部分244及び外面224の第2の部分248に対応する一部分に沿って延在する。他方、ねじ山付き部分Cは、本体216のうちの、外側輪郭250の第1の部分242及び外面224の第1の部分246に対応する一部分に沿って延在する。一実施形態では、ねじ山付き部分Aの長さは、約5mm~20mmの範囲であってよく、ねじ山付き部分Cの長さは、約1mm~20mmの範囲であってよい。ねじ山付き部分Aに沿った雄ねじ山220の深さは、ねじ山付き部分Cに沿ったねじ山220の深さよりも深くなっている。ナット206は、2つのねじ山付き部分A、Cのみを含むが、ナット106の場合と同様に、ナット206が骨に挿入されている際に、外側輪郭250の第1の部分242の直径の減少は、止めねじ(例えば、止めねじ104)との位置揃えを容易にし、外面224の第1の部分246の直径の増加は、皮質の亀裂を伴うものの、皮質における安定性を促進するということを、当業者ならば理解するであろう。ナット206は、ナット106とほぼ同様の要領で使用され得るという点は当業者により理解されるであろう。
【0030】
これらの実施形態の趣旨又は範囲から逸脱せずにこれらの実施形態の構造及び方法に改変及び変更を加えることが可能であることを当業者は理解するであろう。したがって、本発明は、これらの実施形態の修正物及び変更物を、それらが添付の「特許請求の範囲」及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば包含するものとする。
【0031】
〔実施の態様〕
(1) 骨を治療するためのナットであって、
ヘッド、及び前記ヘッドから自由端まで長手方向に延在する本体であって、前記本体が、前記自由端から長手方向に中へと延在し、骨ねじの端部に係合するように構成されているチャネルを含む、ヘッド及び本体と、
前記本体の外面から前記本体の周りに、前記本体の長さ全体に沿って延在する雄ねじ山であって、前記雄ねじ山の、径方向に最も外側の縁部によってその外側輪郭が画定され、前記外側輪郭のうちの、前記ヘッド部分に隣接した第1の部分が、前記外側輪郭のうちの、前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分よりも小さい直径を有する、雄ねじ山と、を備える、ナット。
(2) 前記外面のうち、前記雄ねじ山が延在する第1の部分のねじ谷の径が、前記外面のうち、前記外面の前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分のねじ谷の径よりも大きい、実施態様1に記載のナット。
(3) 前記外面のうちの前記第1の部分の長さが、前記外側輪郭のうちの前記第1の部分の長さよりも小さい、実施態様2に記載のナット。
(4) 前記雄ねじ山が、3つのねじ山付き部分、すなわち、前記外側輪郭の前記第2の部分が延在する前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第1のねじ山付き部分と、前記外側輪郭の前記第1の部分及び前記外面の前記第2の部分が重なり合っている前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第2のねじ山付き部分と、前記外面の前記第1の部分が延在する前記本体の長さに対応する、前記雄ねじ山の第3のねじ山付き部分と、を含む、実施態様3に記載のナット。
(5) 前記雄ねじ山の、前記第1のねじ山付き部分に沿った深さが、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った深さよりも深く、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記深さが、前記雄ねじ山の、前記第3のねじ山付き部分に沿った深さよりも深い、実施態様4に記載のナット。
【0032】
(6) 前記外側輪郭の前記第1の部分の長さが、前記外面の前記第1の部分の長さに対応し、前記外側輪郭の前記第2の部分の長さが、前記外面の前記第2の部分の長さに対応する、実施態様2に記載のナット。
(7) 前記雄ねじ山が、2つのねじ山付き部分、すなわち、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の前記第2の部分及び前記外面の前記第2の部分に対応する第1のねじ山付き部分と、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の第1の部分及び前記外面の第1の部分に対応する第2のねじ山付き部分と、を含む、実施態様6に記載のナット。
(8) 前記第1のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さが、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さよりも深い、実施態様7に記載のナット。
(9) 前記骨ねじの対応するねじ山に係合させるために、前記チャネルの内面に沿って延在する雌ねじ山を更に備える、実施態様1に記載のナット。
(10) 長骨を治療するためのシステムであって、
骨の髄管を通して挿入可能で、近位端から遠位端まで延在する髄内釘であって、前記髄内釘の長手方向軸線に対してある角度で延在する軸線に沿って前記髄内釘を通って延在する止め穴を含む、髄内釘と、
前記骨内に、かつ前記止め穴を通って挿入されるように構成されている止めねじであって、ヘッド部分と、前記ヘッド部分から自由端まで延在するシャフトと、を含み、前記シャフトが、それに沿って延在するねじ山を含む、止めねじと、
骨内に挿入されるように構成されているナットであって、ヘッドと前記ヘッドから自由端に延在する本体とを含み、前記本体が、前記自由端から長手方向に中へと延在し、前記止めねじの前記自由端にねじ方式で係合するように構成されているチャネルと、前記本体の外面から、前記本体の長さ全体に沿って、前記本体の周りに延在する雄ねじ山と、前記雄ねじ山の径方向に最も外側の縁部によって画定される前記雄ねじ山の外側輪郭と、を含み、前記外側輪郭のうちの、前記ヘッド部分に隣接した第1の部分が、前記外側輪郭のうちの、前記第1の部分から前記本体の前記自由端に延在する第2の部分よりも小さい直径を有する、ナットと、を備える、システム。
【0033】
(11) 前記止め穴が、前記髄内釘の遠位部分を通って延在する、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記外面のうち、前記雄ねじ山が延在する第1の部分のねじ谷の径が、前記外面のうち、前記外面の前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分のねじ谷の径よりも大きい、実施態様10に記載のシステム。
(13) 前記外面のうちの前記第1の部分の長さが、前記外側輪郭のうちの前記第1の部分の長さよりも小さい、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記雄ねじ山が、3つのねじ山付き部分、すなわち、前記外側輪郭の前記第2の部分が延在する前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第1のねじ山付き部分と、前記外側輪郭の前記第1の部分及び前記外面の前記第2の部分が重なり合っている前記本体の長さに沿って延在する、前記雄ねじ山のうちの一部分に対応する、第2のねじ山付き部分と、前記外面の前記第1の部分が延在する前記本体の長さに対応する、前記雄ねじ山の第3のねじ山付き部分と、を含む、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記雄ねじ山の、前記第1のねじ山付き部分に沿った深さが、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った深さよりも深く、前記雄ねじ山の、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記深さが、前記雄ねじ山の、前記第3のねじ山付き部分に沿った深さよりも深い、実施態様14に記載のシステム。
【0034】
(16) 前記外側輪郭の前記第1の部分の長さが、前記外面の前記第1の部分の長さに対応し、前記外側輪郭の前記第2の部分の長さが、前記外面の前記第2の部分の長さに対応する、実施態様12に記載のシステム。
(17) 前記雄ねじ山が、2つのねじ山付き部分、すなわち、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の前記第2の部分及び前記外面の前記第2の部分に対応する第1のねじ山付き部分と、前記雄ねじ山のうちの、前記外側輪郭の第1の部分及び前記外面の第1の部分に対応する第2のねじ山付き部分と、を含む、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記第1のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さが、前記第2のねじ山付き部分に沿った前記雄ねじ山の深さよりも深い、実施態様17に記載のシステム。
(19) 骨を治療するための方法であって、
大腿骨の遠位端の挿入点を通して、前記大腿骨の髄管に髄内釘を挿入することと、
前記髄内釘の長手方向軸線に対して角度を付けた軸線に沿って前記髄内釘の遠位部分を通って延在する止め穴を通して、止めねじのシャフトを延在させ、前記止めねじのヘッド部分を、前記大腿骨の第1の側部に沿った皮質に接触させるように、前記大腿骨の前記第1の側部を通して前記止めねじを打ち込むことと、
前記止めねじの前記シャフトの自由端が、前記ナットのチャネル内にねじ方式で受容されるように、前記大腿骨の前記第1の側部とは反対側にある前記大腿骨の第2の側部を通してナットを挿入することと、を含み、前記ナットが、ヘッドと、前記ヘッドから自由端へ延在する本体部分と、を含み、前記チャネルが、前記自由端から前記本体内に長手方向に延在し、雄ねじ山が、前記本体の外面から前記本体の周りに、前記本体の長さ全体に沿って延在し、前記雄ねじ山の外側輪郭が、前記雄ねじ山の径方向に最も外側の縁部によって画定され、前記外側輪郭のうちの、前記ヘッド部分に隣接した第1の部分が、前記外側輪郭のうちの、前記第1の部分から前記本体の前記自由端に延在する第2の部分よりも小さい直径を有し、その結果、前記ナットが前記骨を通って挿入され、前記止めねじと係合すると、前記ナットが回転して、前記チャネルを前記止めねじの前記ねじ山と位置揃えする、方法。
(20) 前記ナットの前記ヘッドが前記大腿骨の前記第2の側部に沿った皮質に接触するまで、前記ナットが完全に挿入されて、前記骨の前記遠位端を圧縮する、実施態様19に記載の方法。
【0035】
(21) 前記外面のうち、前記雄ねじ山が延在する第1の部分のねじ谷の径が、前記外面のうち、前記外面の前記第1の部分から前記本体の前記自由端まで延在する第2の部分のねじ谷の径よりも大きく、その結果、前記ナットが完全に挿入された場合に、前記皮質での安定性がもたらされる、実施態様20に記載の方法。