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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ストレッチ用運動器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 19/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A63B19/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020553285
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2019040880
(87)【国際公開番号】W WO2020080462
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-08-26
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2018196675
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514232719
【氏名又は名称】株式会社カーブスジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】増本 岳
(72)【発明者】
【氏名】町田 恵子
(72)【発明者】
【氏名】笠原 健太
【合議体】
【審判長】川俣 洋史
【審判官】門 良成
【審判官】道祖土 新吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0065478(US,A1)
【文献】特開2012-393(JP,A)
【文献】特開昭60-29155(JP,A)
【文献】登録実用新案第3133019(JP,U)
【文献】登録実用新案第3079177(JP,U)
【文献】特開2008-73435(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0123415(US,A1)
【文献】国際公開第2017/127953(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 17/00-17/04
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に運動者を囲むように配置され、矩形の一辺を欠く形状の枠を有する運動器具であって、
前記枠と連結され、前記枠から所定の高さに配置され、かつ奥行方向に配置される第1水平縦棒と、
前記枠と連結され、前記第1水平縦棒と連結され、かつ前記第1水平縦棒とは異なる方向に配置される第1水平横棒と、
前記枠と連結され、かつ前記枠からの高さが前記第1水平横棒より高い垂直棒と、
前記枠と連結され、前記第1水平縦棒と平行に配置され、かつ前記第1水平横棒の他端とは奥行方向に離間して配置される第2水平縦棒と
を備え、
前記第1水平横棒と前記第2水平縦棒を離間させて空間を作り、
前記枠の内側の領域よりも上方、且つ、前記第1水平縦棒および前記第1水平横棒よりも内側の空間には、前記第1水平縦棒又は前記第1水平横棒と平行となる棒が配置されてなく
前記第1水平横棒と前記第2水平縦棒は、同じ高さに配置され、
前記第1水平横棒と前記第1水平縦棒は、前記垂直棒と連結し、
前記第1水平縦棒と前記第2水平縦棒は、離れて配置され、
前記第1水平縦棒、前記第1水平横棒及び前記第2水平縦棒が前記運動者を囲むように配置され、
前記第1水平横棒は、前記枠の外側へ突出する部分を含む
運動器具。
【請求項2】
運動者が寝る、又は、着席できるベッド面を有し、
高さが400mm以下であるベッドを更に備える
請求項1に記載の運動器具。
【請求項3】
前記ベッド面に前記運動者が寝ることができ、
前記運動者と、前記ベッド面の間に挟む球体を更に備える
請求項2に記載の運動器具。
【請求項4】
前記ベッド面に前記運動者が着席することができ、
前記ベッドは、
前記ベッド面とは異なる面に突起部を更に備える
請求項2に記載の運動器具。
【請求項5】
前記ベッド面は、奥行方向の長さが1000mm以上である
請求項2に記載の運動器具。
【請求項6】
前記第1水平横棒又は前記第1水平縦棒には、台座が設置され、
前記台座は、高さが250mm以下の位置に設置され、
前記台座は、前記枠の外側に設置される
請求項1に記載の運動器具。
【請求項7】
前記第1水平横棒、前記第1水平縦棒、前記第2水平縦棒又は前記垂直棒には、目印が設置される
請求項1に記載の運動器具。
【請求項8】
前記垂直棒は、前記第1水平縦棒より高い位置に第2水平横棒又は第3水平縦棒を有する
請求項1に記載の運動器具。
【請求項9】
前記垂直棒には、弾性体が取り付けられる
請求項1に記載の運動器具。
【請求項10】
前記枠は、前記床面に平行する板を有し、
前記板は、3.2mmの厚みである
請求項1に記載の運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチ用運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレッチ等の運動を支援するための運動器具が知られている。
【0003】
具体的には、ストレッチ等の運動を行う者(以下「運動者」という。)が、筋肉又は関節といった鍛えたい身体の特定部位又は回復させたい身体の特定部位に応じて行う運動を支援する装置が知られている(例えば、非特許文献1等)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】TRUE(登録商標)社、“TRUE Stretch(商標)”、[online]、[平成30年9月5日検索]、インターネット〈URL:https://www.truefitness.com/commercial-fitness/flexibility/true-stretch/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の装置では、装置を構成する棒(いわゆる肋木等を含む。)等が多く、運動者に対して圧迫感を与える場合が多い。そのため、運動者は、装置を見ると、圧迫感により、装置を使用して運動をするのを躊躇ったり、又は、運動をするのを挫折したりする場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、運動者に与える圧迫感を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の各実施形態に係る運動器具等は、例えば、以下のような構成を含む。
【0008】
床面に配置される枠を有する運動器具は、床面に運動者を囲むように配置され、矩形の一辺を欠く形状の枠を有する運動器具であって、
前記枠と連結され、前記枠から所定の高さに配置され、かつ奥行方向に配置される第1水平縦棒と、
前記枠と連結され、前記第1水平縦棒と連結され、かつ前記第1水平縦棒とは異なる方向に配置される第1水平横棒と、
前記枠と連結され、かつ前記枠からの高さが前記第1水平横棒より高い垂直棒と、
前記枠と連結され、前記第1水平縦棒と平行に配置され、かつ前記第1水平横棒の他端とは離間して配置される第2水平縦棒と
を備え、
前記第1水平横棒と前記第2水平縦棒を離間させて空間を作り、
前記枠の内側には、前記第1水平縦棒又は前記第1水平横棒と平行となる棒を配置しないようにして空間を作り、
前記第1水平横棒と前記第2水平縦棒は、同じ高さに配置され、
前記第1水平横棒と前記第1水平縦棒は、前記垂直棒と連結し、
前記第1水平縦棒と前記第2水平縦棒は、離れて配置され、
前記第1水平縦棒、前記第1水平横棒及び前記第2水平縦棒が前記運動者を囲むように配置され、
前記第1水平横棒は、前記枠の外側へ突出する部分を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る各実施形態によれば、運動者に与える圧迫感を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】運動器具の全体構成例を示す図である。
図2】運動器具の全体構成例の正面、平面、右側面、及び、左側面の概要を示す図である。
図3】運動器具の平面視の例を示す図である。
図4】運動器具の正面視の例を示す図である。
図5】運動器具の右側面視の例を示す図である。
図6】運動器具の左側面視の例を示す図である。
図7図1乃至図6に示す運動器具と一部の構成が異なる変形例の運動器具の使用例を示す図(その1)である。
図8】変形例の運動器具の使用例を示す図(その2)である。
図9】比較例を示す図(その1)である。
図10】変形例の運動器具の使用例を示す図(その3)である。
図11】ベッドを備える運動器具の全体構成例を示す図である。
図12】ベッドの例を示す図である。
図13】変形例の運動器具の使用例を示す図(その4)である。
図14】比較例を示す図(その2)である。
図15】変形例の運動器具の使用例を示す図(その5)である。
図16】変形例の運動器具の使用例を示す図(その6)である。
図17】変形例の運動器具の使用例を示す図(その7)である。
図18】変形例の運動器具の使用例を示す図(その8)である。
図19】変形例の運動器具の使用例を示す図(その9)である。
図20】変形例の運動器具の使用例を示す図(その10)である。
図21】変形例の運動器具の使用例を示す図(その11)である。
図22】変形例の運動器具の使用例を示す図(その12)である。
図23】変形例の運動器具の使用例を示す図(その13)である。
図24】球体を備える運動器具の全体構成例を示す図である。
図25】変形例の運動器具の使用例を示す図(その14)である。
図26】比較例を示す図(その3)である。
図27】変形例の運動器具の使用例を示す図(その15)である。
図28】比較例を示す図(その4)である。
図29】変形例の運動器具の使用例を示す図(その16)である。
図30】変形例の運動器具の使用例を示す図(その17)である。
図31】その他の運動例(その1)を示す図である。
図32】その他の運動例(その2)を示す図である。
図33】その他の運動例(その3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各実施形態の詳細について添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0012】
<第1実施形態>
<全体構成例>
図1は、運動器具の全体構成例を示す図である。例えば、運動器具1は、図示するような外観の器具である。
【0013】
また、図2乃至図6は運動器具の例を示す図である。
【0014】
図2は、運動器具の全体構成例の正面、平面、右側面、及び、左側面の概要を示す図である。以下、図2図3乃至図6に分けて説明する。
【0015】
図3は、運動器具の平面視の例を示す図である。図4は、運動器具の正面視の例を示す図である。なお、図4は、垂直棒13の一部を省略した正面器具を示す図である。図5は、運動器具の右側面視の例を示す図である。具体的には、図5は、右側器具の側面図である。図6は、運動器具の左側面視の例を示す図である。具体的には、図6は、左側器具の側面図である。図示するように、垂直棒13は、例えば、2000ミリメートル程度の高さがあるのが望ましい。
【0016】
以下、運動器具1を用いる運動者(利用者)は、図におけるX軸方向を初期位置で右手方向にして、運動を行うとする。また、以下の説明では、X軸方向を「水平方向」ともいう。さらに、Y軸方向は、X軸方向に対して直交する方向とする。そして、初期位置では、Y軸方向は、運動者から見ると奥行きの方向となる。したがって、以下の説明では、Y軸方向を「奥行方向」ともいう。また、Z軸方向は、いわゆる重力方向となる。そのため、Z軸方向は、運動者から見ると垂直方向となる。したがって、以下の説明では、Z軸方向を「垂直方向」ともいう。
【0017】
まず、運動器具1は、図示するように、床面に接し、奥行方向に配置される第1枠10A、水平方向に配置される第2枠10B、及び、奥行方向に配置される第3枠10Cによって構成される矩形の一辺を欠く形状の枠(以下単に「枠10」という。)を有する。そして、例えば、運動器具1は、横棒11、縦棒12及び垂直棒13等を少なくとも備える。図示するように、枠10に、垂直棒13等を含む棒が垂直となるように設置される。そして、図示するように、横棒11、縦棒12及び垂直棒13等は、直接又は間接的に枠10に連結する。また、図示するように、横棒11及び縦棒12等は、他の棒等を介して所定の高さに配置される。
【0018】
横棒11は、第1水平横棒の例であり、図示するように、X軸方向に設置される。
【0019】
縦棒12は、第1水平縦棒の例であり、図示するように、Y軸方向に設置される。
【0020】
垂直棒13は、例えば、図示するように、Z軸方向に設置される。また、垂直棒13は、例えば、横棒11及び縦棒12に対して垂直となるように設置される。さらに、垂直棒13は、Z軸方向において、横棒11及び縦棒12より高い棒である。
【0021】
そして、横棒11は、図示する例では、第1水平横棒の一端の例である端部(例えば、図では、横棒11の右端である。以下「端部111」という。)で垂直棒13と連結される。一方で、第1水平横棒の他端の例である端部(例えば、図では、横棒11の左端である。以下「端部112」という。)側には、縦棒12と平行するように、第2水平縦棒の例である縦棒15が配置される。
【0022】
そして、縦棒15と、端部112とは離間する。したがって、図示するように、縦棒15の端部と、端部112との間には、空間14がある。このように、空間14があって、運動器具に用いられる棒が少ないと、運動者は、圧迫感を受けることが少ない。
【0023】
また、縦棒15は、端部112からの延長線上に配置される。なお、図示する例では、端部112は、Y軸方向に平行でなく、角度を持つため、厳密には、端部112を延長しても、縦棒15が延長上に配置されない。しかし、縦棒15の延長線は、端部112に交わる。このように、端部112と交わるY軸方向に平行な直線上に配置される場合も、「端部112の延長上」であるとする。なお、他の端部についても同様である。
【0024】
空間14は、図3に示す例では、「900ミリメートル(mm)-300ミリメートル(mm)=600ミリメートル(mm)」である。なお、空間14は、400mm乃至700mm程度であるのが望ましい。
【0025】
また、空間14の幅は、運動器具1を利用する運動者の体格等によって調整できてもよい。
【0026】
以下、枠10、横棒11、縦棒12、垂直棒13、及び、縦棒15の関係を詳しく説明する。
【0027】
第1水平縦棒の例である縦棒12は、補助棒1201、第1支持棒1202及び垂直棒13を介して枠10に連結される。
【0028】
第1水平横棒の例である横棒11は、第2支持棒1101、第3支持棒1102及び垂直棒13を介して枠10に連結される。
【0029】
垂直棒13は、枠10に直接的に連結される。
【0030】
第2水平縦棒の例である縦棒15は、枠10に直接的に連結される。具体的には、縦棒15は、逆U字形状を含む形状である。そして、逆U字形状の一端が長い形状を有し、縦棒15は、枠10に直接連結する。一方で、縦棒15は、逆U字形状の他端が短い形状を有し、第4支持棒1501を介して枠10に連結される。
【0031】
なお、上述した各棒は、他の棒を介して間接的に連結してもよいし、直接的に連結される関係でもよい。また、上述した各棒は、複数の棒を連結して1つの棒を構成してもよい。なお、上述した棒以外の棒も同様である。
【0032】
また、図2乃至図6に示す例は、基準位置P0を基準にして、横棒11の上部が「1120mm」となる高さに配置された例である。一方で、図2乃至図6では、縦棒15の上部が、基準位置P0から「30mm」となる高さを基準にした「1090mm」となる高さに配置された例である。したがって、縦棒15の上部は、基準位置P0を基準にすると、横棒11の上部と同じ高さである「1090mm+30mm=1120mm」の高さに配置された例である。なお、高さは、厳密に一致する必要はなく、例えば、誤差等による高低差があってもよい。
【0033】
また、第1水平横棒及び第1水平縦棒のように、異なる方向に棒が配置され、棒が2辺以上に配置される構成であると、運動者は、バランスをとりやすい。
【0034】
さらに、図示するように、運動器具1は、棒が少ない構成であるのが望ましい。特に、横棒11又は縦棒12より高い位置には、棒が少ないのが望ましい。つまり、運動者の頭上及び上半身より上となる位置には、棒が少なく、空洞に近い構成であるのが望ましい。このように棒が少ないと、運動者に与える圧迫感をより少なくできる。
【0035】
また、横棒11は、奥行方向において、第2枠10Bの中心線を示す枠位置P1より奥行方向に突出する部分を含む構成が望ましい。具体的には、本実施形態では、突出する部分は、奥行方向の突出量が300mmの例である。
【0036】
そして、この例では、枠位置P1は、奥行方向において第2枠10Bと同じ位置である。このような枠位置P1より奥行方向に横棒11が突出する形状が望ましい。このように突出すると、横棒11より内側を広くできるので、横棒11の突出する部分が、空間14と相まって、運動者に対して与える圧迫感をより少なくできる。
【0037】
<使用例(その1)>
図7は、図1乃至図6に示す運動器具と一部の構成が異なる変形例の運動器具の使用例を示す図(その1)である。例えば、運動器具は、図示するように使用される。具体的には、運動者が立ち上がったり、しゃがんだりする運動等に、運動者は、左手で縦棒15を把持し、かつ、右手で縦棒12を把持して運動器具を使用する。このように、把持できる箇所があると、運動者は、安定し、運動がしやすい。
【0038】
また、図示するような運動を行うことで、例えば、部位101等を鍛えることができる。例えば、このような運動は、50秒程度行われるのが望ましい。
【0039】
<使用例(その2)>
図8は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その2)である。例えば、運動器具は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、運動者は、右手で垂直棒13を把持する。一方で、左手で縦棒を把持する。例えば、このような運動は、1分30秒程度行われるのが望ましい。
【0040】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆる広背筋等の部位102を伸ばすことができる。また、垂直棒13が2000mm程度の高さであると、運動者は、立位で部位102等を伸ばすことができる。そして、垂直棒13を把持できると、運動者は、図示するような姿勢であっても体を安定させることができる。さらに、垂直棒13が2000mm程度の高さであると、身長の高い運動者であっても、図示するような運動が可能である。
【0041】
なお、運動器具は、例えば、図示するように、垂直棒13及び縦棒等に目印31及び目印32が設置されるのが望ましい。また、目印は、例えば、シール若しくはテープ等の付着物又は塗料等である。なお、目印は、他の箇所と区別がつけばよく、色を付ける以外に、目盛、溝、突起、窪み、他の素材を設置する等で実現されてもよい。さらに、目印は、行う運動ごとに、同じ色又は同じ番号を付記する等にしてもよい。
【0042】
このように目印が設置されると、運動者は、運動をするために、どこを把持すればよいか、及び、目線をどこへ持っていけばよいか等が分かりやすい。
【0043】
また、運動器具は、例えば、図1乃至図6に示すように、第2水平横棒の例である横棒13A(図1)又は第3水平縦棒の例である縦棒13B(図1)等を有するのが望ましい。図8に示す部位102を伸ばす運動の際に、運動者は、横棒13A(図1)又は縦棒13B(図1)を把持する。このような棒があると、運動者は、より運動がしやすい。
【0044】
図1乃至図6に示す例では、横棒13A(図1)及び縦棒13B(図1)は、同じ本数であるが、本数は、それぞれ1乃至5本程度でもよい。例えば、横棒13A(図1)及び縦棒13B(図1)は、運動者の身長に合わせて設けられる。このように、運動者の身長に合わせて横棒13A(図1)及び縦棒13B(図1)が設けられると、運動者が横棒13A(図1)及び縦棒13B(図1)を把持しやすい構成にできる。
【0045】
<比較例(その1)>
図9は、比較例を示す図(その1)である。広背筋を伸ばす運動は、例えば、使用例(その2)以外では図示するような運動がある。
【0046】
この比較例のような運動をするには、運動者は、図示するように、床に寝る必要がある。このような行動は、特に運動者が高齢者であると、姿勢をとるまでに時間がかかる。また、運動者の負担も大きい。
【0047】
さらに、この運動には、いわゆるポール4等の器具が必要である。また、運動者によっては、ポール4を当てる位置がわからない場合がある。
【0048】
<使用例(その3)>
図10は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その3)である。例えば、運動器具は、図示するように使用される。具体的には、運動器具には、例えば、図示するような位置に目印33及び目印34が設置されるのが望ましい。図示する例では、運動者は、上半身を右斜めへひねる運動を行う。例えば、このような運動は、1分20秒程度行われるのが望ましい。
【0049】
そして、運動者は、この運動を行う際に、目印33又は目印34を見ようとする。このような視線となると、背骨上部等の部位103及び股関節等の部位104がよく旋回する。そのため、目印33又は目印34等があると、運動者は、部位103及び部位104等の本来の動きを思い出すことができる。
【0050】
なお、棒は、例えば、金属又は高分子等の素材である。また、各棒は、異なる素材であってもよい。具体的には、棒は、主に鉄等である。ただし、棒には、ゴム等が巻かれてもよい。このようなゴム等があると、滑り止めの効果を奏する。
【0051】
また、棒は、運動者が把持するため、直径が把持しやすい大きさであるのが望ましい。
【0052】
<第2実施形態>
<ベッドとの組み合わせ例>
運動器具は、第1実施形態における横棒、縦棒及び垂直棒等を含む構造物(以下「フレーム」という。)と、ベッドとの組み合わせを含む構成であるのが望ましい。具体的には、例えば、運動器具は、以下のような構成である。
【0053】
図11は、ベッドを備える運動器具の全体構成例を示す図である。例えば、運動器具201は、フレーム202と、ベッド203とを図示するような配置等で、組み合わせて運動に使用される。
【0054】
すなわち、ベッド203は、フレーム202に近接して配置される。そのため、運動者は、フレーム202及びベッド203の双方を使用して運動をすることができる。例えば、運動者は、ベッド203、縦棒12及び縦棒15を使用して運動ができる。
【0055】
縦棒15は、横棒11との間に空間14を作るように配置される。そして、縦棒15は、空間14を形成し、かつ、横棒11と同様の機能を実現できる。
【0056】
図12は、ベッドの例を示す図である。なお、図12(A)は、平面図である。そして、さらに、図12(B)は、側面図である。
【0057】
ベッド203は、高さが400mm以下であるのが望ましい。図示する例は、ベッド203の高さを345mmとする例である。このように、ベッド203は、高さが350mm以下であるのがより望ましい。
【0058】
ベッド203の高さは、450mm乃至550mm程度である場合が多い。このような高さであると、運動者は、ベッド203の上で寝て運動するため、高さを怖く感じる場合がある。一方で、ベッド203の高さが400mm以下であると、運動者は、ベッド203の上で寝て運動する場合でも、怖く感じる場合が少ない。
【0059】
また、このようなベッド203を用いると、運動者は、床面に寝る場合よりも、寝やすく、起きやすい。
【0060】
さらに、ベッド203は、運動者が寝る、又は、着席できるベッド面205を有するのが望ましい。また、ベッド面205は、奥行方向の長さが1000mm以上あるのが望ましい。なお、図示する例は、奥行方向の長さを1090mmとする例である。このような奥行方向の長さであると、運動者は、例えば、膝を曲げた等の状態において、上半身から足先までをベッド面205に乗せることができる。
【0061】
このような運動器具201であると、例えば、以下のような運動が可能である。
【0062】
<使用例(その4)>
図13は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その4)である。例えば、ベッド203は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、運動者は、ベッド面に対してふせるように寝る。このように、ベッド203の高さが400mm以下であると、運動者は、床面に寝る場合よりも、寝やすく、起きやすい。
【0063】
<比較例(その2)>
図14は、比較例を示す図(その2)である。例えば、図示するように、床面へ寝るようにする姿勢をとるのは、運動者は、ベッドを利用する場合よりも負荷が大きい。また、図示するような姿勢をとるのは、ベッドを利用する場合よりも時間がかかる場合が多い。
【0064】
<使用例(その5乃至その11)>
ほかにも、ベッド203を利用すると、例えば、以下のように、寝たり、座ったりして行う運動がしやすくなる。
【0065】
図15は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その5)である。
【0066】
図16は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その6)である。
【0067】
図17は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その7)である。
【0068】
図18は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その8)である。
【0069】
図19は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その9)である。
【0070】
図20は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その10)である。
【0071】
図21は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その11)である。
【0072】
<使用例(その12)>
図22は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その12)である。例えば、運動器具は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、運動者は、右手で縦棒12を把持する。一方で、左手で縦棒15を把持する。例えば、このような運動は、55秒程度行われるのが望ましい。
【0073】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆる腸腰筋等の部位105を伸ばすことができる。また、縦棒12及び縦棒15を把持できると、運動者は、図示するような姿勢であっても体を安定させることができる。
【0074】
また、図示するような状態から、右足踵と、臀部とをつける運動等が行われてもよい。
【0075】
<使用例(その13)>
また、ベッドには、取っ手等の突起部があるのが望ましい。このような取っ手があると、例えば、以下のような運動が可能である。
【0076】
図23は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その13)である。例えば、運動器具は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、まず、運動者は、ベッド面に着席する。そして、運動者は、着席した姿勢で、右手で取っ手204を掴む。さらに、運動者は、左手で補助し、首を左手方向へ倒す。例えば、このような運動は、30秒程度行われるのが望ましい。
【0077】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆる斜角筋等の部位106を伸ばすことができる。また、取っ手204があると、運動者は、図示するような姿勢、すなわち、頭部を肩部から離すようにする運動によって、首の横を伸ばすことができる。
【0078】
<第3実施形態>
<球体との組み合わせ例>
運動器具は、第2実施形態に示すようなフレームと、ベッドとに、いわゆるストレッチボール等の球体を更に組み合わせる構成であるのが望ましい。具体的には、例えば、運動器具は、以下のような構成である。
【0079】
図24は、球体を備える運動器具の全体構成例を示す図である。以下、図示するように、例えば、ベッド203において、運動者と、ベッド面205との間に挟む球体の例であるボール301を用いる例で説明する。
【0080】
この例では、図示するように、ベッド面205上に、ボール301を置いて、ボール301の上に運動者が寝ることで運動が行われる。
【0081】
なお、図示するように、ボール301を置く位置には、目印35があるのが望ましい。このように、目印35があると、運動者は、ボール301をどこに置くのがよいか分かりやすい。
【0082】
ボール301を用いると、例えば、以下のような運動が可能である。
【0083】
<使用例(その14)>
図25は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その14)である。例えば、ボール301(図24)等は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、まず、運動者は、設置したボール301(図24)に、自分の体重をかけるように寝る。例えば、このような運動は、1分50秒程度行われるのが望ましい。
【0084】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆる背中等の部位107を伸ばすことができる。
【0085】
<比較例(その3)>
図26は、比較例を示す図(その3)である。例えば、部位107(図25)を伸ばすには、図示するような姿勢をとる必要がある。このように、床面へ寝るようにする姿勢をとるのは、運動者は、ベッドを利用する場合よりも負荷が大きい。また、図示するような姿勢をとるのは、ベッドを利用する場合よりも時間がかかる場合が多い。さらに、ボール等を当てる場合には、部位107(図25)を伸ばすのに正しく当たっているかが分かりにくい場合が多い。
【0086】
<第4実施形態>
<台座との組み合わせ例>
運動器具は、フレームに台座16が設置される構成であるのが望ましい。具体的には、例えば、運動器具は、図1に示すように、第1水平横棒等に台座16を設置する構成である。このような台座16があると、例えば、以下のような運動が可能である。
【0087】
<使用例(その15)>
図27は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その15)である。例えば、台座16は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、まず、運動者は、右足を台座16に乗せる。例えば、このような運動は、50秒程度行われるのが望ましい。
【0088】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆるハムストリングス等の部位108を伸ばすことができる。また、横棒11等があると、運動者は、図示するような姿勢をする場合であっても体を安定させることができる。
【0089】
なお、台座16は、高さが250mm以下の位置に設置されるのが望ましい。このような高さであると、膝が痛い運動者等であっても、部位108を伸ばす運動がしやすい。一方で、台座16が高い位置にあると、膝の痛い運動者等は、足がとどかない、又は、痛みが出る高さまで足を上げなければならない等となり、運動がしにくい場合がある。
【0090】
<比較例(その4)>
図28は、比較例を示す図(その4)である。例えば、部位108(図27)を伸ばすには、図示するような姿勢をとる必要がある。このような姿勢をとらせるには、時間がかかる場合が多い。
【0091】
また、体が硬い人は、このような姿勢をとると、他の部位を無理に伸ばすことになる場合が多い。そのため、体が硬い人は、このような姿勢をとると、他の部位を痛める可能性がある。
【0092】
<使用例(その16)>
ほかにも、台座は、例えば、以下のような構成でもよい。
【0093】
図29は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その16)である。図示するように、運動器具には、台座17がある構成でもよい。図示する例は、台座17を、台座16とは別に、縦棒12に設置する例である。具体的には、図示する例では、まず、運動者は、左足を台座17に乗せる。例えば、このような運動は、60秒程度行われるのが望ましい。
【0094】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆるふくろはぎ等の部位109を伸ばすことができる。また、縦棒12等があると、運動者は、図示するような姿勢をする場合であっても体を安定させることができる。
【0095】
なお、台座16及び台座17の設置位置は、図示するような位置でなくともよい。例えば、台座16及び台座17は、逆に設置されてもよい。又は、台座16及び台座17が取り替え可能な形式であったり、台座が兼用されたりしてもよい。
【0096】
<第5実施形態>
運動器具は、第1実施形態におけるフレームと、チューブ等の弾性体を更に組み合わせる構成であるのが望ましい。具体的には、例えば、運動器具は、以下のような構成である。
【0097】
<使用例(その17)>
図30は、変形例の運動器具の使用例を示す図(その17)である。例えば、垂直棒13に取り付けられるチューブ401は、図示するように使用される。具体的には、図示する例では、運動者は、設置されたチューブ401を両手で持ち、前へ引っ張る。例えば、このような運動は、20秒程度行われるのが望ましい。
【0098】
このような運動を行うと、運動者は、いわゆる胸前部等の部位110を伸ばすことができる。また、チューブ401が設置される高さ、長さ又は硬さ等は、調整できるのが望ましい。運動者には、肩が痛い人もいる。したがって、肩に痛みがない程度となるように、チューブ401は、調整されるのが望ましい。
【0099】
また、弾性体は、チューブでなくともよい。例えば、弾性体は、バネ、ワイヤ、ゴム又はロープ等でもよい。すなわち、弾性体は、人の腕力である程度伸び縮みさせることができる素材であればよい。
【0100】
<その他の運動例>
例えば、以下のような運動を上記の運動等と組み合わせて、運動が行われてもよい。
【0101】
図31は、その他の運動例(その1)を示す図である。
【0102】
図32は、その他の運動例(その2)を示す図である。
【0103】
図33は、その他の運動例(その3)を示す図である。なお、図示する運動は、上側の手は何も掴まず、下側の手で縦棒12(図1)又は縦棒15(図1)等を掴む運動等でもよい。
【0104】
また、運動器具には、運動に合わせて、図示するような縦棒及び横棒の配置及び形状が含まれてもよい。
【0105】
上記のような立位又は座位で行われる運動と、寝る姿勢で行われる運動が行われる場合には、フレーム等があると、運動者は、姿勢を変える負荷が軽くできたり、姿勢を変える時間を短くしたりすることができる。
【0106】
<平行板について>
なお、例えば、運動器具は、図1に示すように、床面に対して平行に近い板(以下「平行板501」(図1)という。)を備えるのが望ましい。すなわち、枠10(図1)で囲まれた範囲等が、フラットな面になるのが望ましい。このように、平行板501があると、運動者が運動を行う面がフラットな面となり、運動がしやすい。面がフラットでないと行えない、又は、効果的でない運動もある。例えば、非特許文献1のように、角度がある床面であると、フラットな面を更に確保する必要があり、スペースが広く必要となる場合がある。したがって、図1のような運動器具であると、スペースを有効活用できたり、運動を行いやすくできたりする。
【0107】
なお、平行板501の上に更にマット等が敷かれてもよい。さらに、平行板501には、足を置く位置に目印が設置されてもよい。
【0108】
<まとめ>
例えば、上記のような棒で構成される運動器具であると、棒が少なく、運動者は、圧迫感が少ない。特に、非特許文献1に示すような運動者の上部に当たる範囲に棒がある構成では、運動者は、圧迫感を受けやすい。そして、圧迫感を受けると、運動者は、「自分にはできない。」と、あきらめやすい。一方で、上記のような構成の運動器具であると、運動者は、運動がしやすい。また、上記のような棒で構成される運動器具等のように棒が少ない方がモニタ等を設置した場合には、モニタまでを遮る物体が少なくなるため、運動者は、映像が見やすい。
【0109】
上記のように運動器具を用いると、部位を痛めずに運動を行うことができる。ゆえに、運動者は、肩、膝及び腰等の痛みを動かして治すことができる。
【0110】
上記のような運動器具を用いると、姿勢をとるのを補助できたり、どのような姿勢をとればよいか分かりやすかったりするため、運動者が姿勢をとるまでの時間を短くすることができる。さらに、様々な姿勢をとるのに、体を支える構造物があるため、バランスが取りやすく、運動者は、安全性を確保できる。
【0111】
上記のように運動器具を用いると、どのような視線になればよいか、又は、手の位置等が分かりやすいため、運動者及び運動者に対してアドバイスする者は、運動における姿勢又は動き等が正しくできているか否かを判断しやすく、効率的にできる。また、運動者は、運動が効いている実感を得やすい。
【0112】
上記のような効果は、特に高齢者の場合に顕著である。
【0113】
<その他の実施形態>
なお、横棒、縦棒及び垂直棒は、各方向に完全に平行でなくともよい。すなわち、横棒、縦棒及び垂直棒は、ある程度、水平方向、奥行方向及び垂直方向に向いて配置されるのであればよく、互いの棒が約90°程度に交わる角度であればよい。また、横棒、縦棒及び垂直棒の数は、図示した数に限られない。
【0114】
本発明に係る運動器具は、上記に示す実施例に限られない。例えば、構成要素の配置、色、形状、大きさ及び棒の数等は、上記に示す例以外の形式でもよい。
【0115】
また、本願は、日本国に2018年10月18日に出願された基礎出願 特願2018-196675号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本願に援用する。
【0116】
なお、上記実施形態で示す構成等に、その他の要素との組み合わせ等、上記の構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0117】
1、201 運動器具
10 枠
11、13A 横棒
12、15、13B 縦棒
13 垂直棒
14 空間
16、17 台座
31、32、33、34、35 目印
202 フレーム
203 ベッド
204 取っ手
205 ベッド面
301 ボール
401 チューブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図28
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図30
図31
図32
図33