(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】センサパッケージ、およびセンサパッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01P 15/08 20060101AFI20250109BHJP
G01C 19/5783 20120101ALI20250109BHJP
G01L 9/00 20060101ALI20250109BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20250109BHJP
H01L 23/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01P15/08 102B
G01C19/5783
G01L9/00 301J
H01L23/12 501W
H01L23/04 E
(21)【出願番号】P 2019152470
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-02-25
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508296554
【氏名又は名称】アトランティック・イナーシャル・システムズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Atlantic Inertial Systems Limited
【住所又は居所原語表記】Clittaford Road,Southway,Plymouth,Devon PL6 6DE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー トーマス
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-024929(JP,A)
【文献】特開2003-028891(JP,A)
【文献】特開2017-126627(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0072151(US,A1)
【文献】米国特許第09932221(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0130582(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0177831(US,A1)
【文献】特開平07-130902(JP,A)
【文献】特開2005-136036(JP,A)
【文献】特開2014-195061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P 15/00 ~ 15/18
G01C 19/00 ~ 19/72
G01L 1/00 ~ 23/32
H01L 21/447 ~ 21/449
H01L 21/60 ~ 21/607
H01L 23/12
H01L 23/04
B81B 1/00 ~ 7/04
B81C 1/00 ~ 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサパッケージであって、
センサと、
少なくとも1つの外壁と、
前記センサと前記少なくとも1つの外壁との間に配置されたインターポーザと、
を備え、
前記インターポーザ、前記センサ、及び前記少なくとも1つの外壁は、同一平面内にあり、
前記センサは、前記インターポーザにワイヤーボンディングされ、
前記インターポーザは、前記少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングされており、
前記インターポーザにおいて前記ワイヤーボンディングが接続される箇所と、前記センサにおいて前記ワイヤーボンディングが接続される箇所と、前記外壁において前記ワイヤーボンディングが接続される箇所とが、同一平面内にあり、
前記インターポーザは、前記少なくとも1つの外壁に接触するように前記パッケージの内側に適合され、
前記インターポーザが、前記少なくとも1つの外壁に接着接合された、センサパッケージ。
【請求項2】
前記インターポーザは導電性トラッキングを備え、前記センサは前記導電性トラッキングにワイヤーボンディングされ、前記導電性トラッキングは前記少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングされる、請求項1に記載のセンサパッケージ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの外壁は第1の材料から作られ、前記インターポーザは第2の材料から作られ、前記第1及び第2の材料は異なるものである、請求項1または2に記載のセンサパッケージ。
【請求項4】
前記第2の材料は樹脂であり、選択的に、前記インターポーザは射出成形によって形成される、請求項3に記載のセンサパッケージ。
【請求項5】
前記インターポーザは、成形回路部品(MID)である、請求項4に記載のセンサパッケージ。
【請求項6】
前記インターポーザは、接着剤に適応するように成形される、請求項1に記載のセンサパッケージ。
【請求項7】
前記インターポーザは、前記センサと前記少なくとも1つの外壁との間の空間の少なくとも50%を満たす、請求項1~6のいずれかに記載のセンサパッケージ。
【請求項8】
前記センサパッケージは、さらに、前記パッケージを密閉するためのポッティングまたは蓋を備える、請求項1~7のいずれかに記載のセンサパッケージ。
【請求項9】
センサパッケージの製造方法であって、前記センサパッケージは、
センサと、
少なくとも1つの外壁と、を含み、
前記方法は、
インターポーザを、前記センサパッケージ内の前記センサと前記少なくとも1つの外壁との間、かつ前記センサ及び前記少なくとも1つの外壁と同一平面内に挿入することと、
前記センサを前記インターポーザにワイヤーボンディングすることと、
前記インターポーザを前記少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングすることと、
を含み、
前記インターポーザを前記少なくとも1つの外壁に接着接合すること
をさらに含
み、
前記インターポーザにおいて前記ワイヤーボンディングが接続される箇所と、前記センサにおいて前記ワイヤーボンディングが接続される箇所と、前記外壁において前記ワイヤーボンディングが接続される箇所とが、同一平面内にある、方法。
【請求項10】
前記インターポーザは導電性トラッキングを含み、前記方法は、さらに、
前記センサを前記導電性トラッキングにワイヤーボンディングすることと、
前記導電性トラッキングを前記少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングすることと、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記インターポーザ、前記センサ、及び前記少なくとも1つの外壁のうち、少なくとも2つを同一平面内に配列することをさらに含む、請求項9または10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサのパッケージングと、高応力下で、センサパッケージの弾力性を最大にすることとに関する。センサパッケージと、センサパッケージの製造方法とが開示される。
【背景技術】
【0002】
センサ、例えば、圧力センサまたは慣性センサ(加速度計及びジャイロスコープ等)は、慣性航法、ロボット工学、航空電子工学、及び自動車を含む多くの用途で使用される。慣性航法の用途では、係るセンサは、「慣性測定ユニット」(IMU)として既知である自立型システムで見られ得る。IMUは、一般的に、複数の加速度計及び/またはジャイロスコープを含有し、ジャイロスコープ(複数可)及び/または加速度計(複数可)の出力に基づいて、角速度、加速度、高度、位置、姿勢、及び速さ等の物体の走行パラメータの推定を提供する。IMU内の各慣性センサは、自立型パッケージである。
【0003】
微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサは、例えば、基準の固定点なしで、圧力もしくは温度、または直線運動もしくは角運動を測定するために、使用されることができる。MEMS圧力センサは、多くの場合、流圧に起因するMEMS構造体の機械的変形の原理に基づいて作動する。MEMSジャイロスコープ、または、厳密に言えば、MEMS角速度センサは、コリオリの力に対して振動するMEMS構造体の反応を観察することによって、角速度を測定することができる。MEMS加速度計は、MEMS構造体のばねに吊るされたプルーフマスの反応を観察することによって、直線加速度を測定することができる。高性能のMEMS慣性センサは、そのバイアス及びスケールファクタの安定性によって定義される。
【0004】
係るセンサの用途に起因して、そのセンサは、時々、極めて大きい力(例えば、加速度>約20,000G)に曝され得る。係る状態の下、センサパッケージ内部の構成要素は、故障し始める場合がある。一般的に、センサパッケージ内部の最初の故障は、パッケージをセンサに接続するワイヤーボンディングに起因して発生する。ワイヤーボンディングは、ワイヤーボンディング部がセンサまたはパッケージのパッドに結合される場所において、相互に短絡し得る、または結合破壊を経験し得る。これは、センサの機能的範囲を減少させるために、明らかに望ましくなく、さらに、上記に説明したいずれかの破損シナリオにおいて、ユニットの交換を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、これらの欠点の少なくとも一部に対処しようとするためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、
センサと、
少なくとも1つの外壁と、
センサと少なくとも1つの外壁との間に配列されるインターポーザ(interposer)と、を備える、センサパッケージが提供され、
センサはインターポーザにワイヤーボンディングされ、
インターポーザは少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングされる。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、センサパッケージを作る方法が提供され、センサパッケージは、
センサと、
少なくとも1つの外壁と、を含み、
本方法は、
センサと少なくとも1つの外壁との間において、インターポーザをセンサパッケージに挿入することと、
センサをインターポーザにワイヤーボンディングすることと、
インターポーザを少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングすることと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】従来技術のセンサパッケージの断面概略図を示す。
【
図2】本開示の例に従った、センサパッケージの断面概略図を示す。
【
図3a】本開示の例に従った、インターポーザの斜視図を示す。
【
図3b】本開示の例に従った、センサパッケージの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、センサパッケージと、センサパッケージを作る方法とに関する。センサ及び少なくとも1つの外壁の両方にワイヤーボンディングされたインターポーザを使用することで、従来技術と比較して、センサ及びセンサパッケージを電気的に接続するアプローチが改善することが認識されるであろう。インターポーザは、センサ及び少なくとも1つの外壁からインターポーザまでのワイヤーボンディング部を短くすることを可能にし、従来技術におけるセンサから少なくとも1つの外壁までの単一の長いワイヤーボンディングに取って代わることを可能にする。これは、高応力下で、センサパッケージの弾力性の改善をもたらす。さらに、いずれの構成要素を再構成することを必要としないで、既存のセンサ及びパッケージの組み合わせを改善することを可能にする。
【0010】
センサパッケージ及びセンサパッケージを作る方法のいくつかの非限定例は、下記にさらに詳細に説明される。
【0011】
図1は、従来技術のセンサパッケージアセンブリ100の断面概略図を示す。センサパッケージは、センサ102、パッケージ104、ワイヤーボンディング部106、導電性トラッキング108、及び蓋110を備える。
【0012】
使用時にセンサ102を損傷または破壊し得る外的影響から、センサ102を保護するために、センサ102は、センサ102を囲繞する保護用パッケージ104内に設置される。センサ102は、パッケージ104内に設置された後に、センサ102から外界まで電気的接続を作るために、パッケージ104にワイヤーボンディングされる。保護用パッケージ104は、導電性トラッキング108を備え、導電性トラッキング108は、パッケージ104の外側からセンサ102まで電気的接続を作ることを可能にする。外的影響からパッケージ104を完全に密閉するために、蓋110は、パッケージ104に接合される。パッケージ104内の内部空間のこの密閉は、センサ102に直接影響を及ぼす何らかの外的影響を防止する。
【0013】
しかしながら、極めて高い応力がかかるイベント(例えば、極めて高い高加速度)では、センサパッケージアセンブリ100の内部で故障または機能不全が生じ得る。一般的に、係る高応力イベントに起因するセンサパッケージアセンブリ100の内部の最初の故障は、ワイヤーボンディング部106の1つ以上のものの故障が挙げられる。ワイヤーボンディング部106の故障は、別のものに対する1つのワイヤーボンディング部106が短絡するときに発生し得る、またはワイヤーボンディング部106の全体は、圧潰し得る。圧潰は、結合不良のときに発生し得る(すなわち、ワイヤーボンディング部106が、センサ102または金属トラッキング108に結合される場合に発生し得る)。
【0014】
図2は、本開示の例に従った、センサパッケージ200の断面概略図を示す。センサパッケージ200は、センサ202、基部204、インターポーザ206、ワイヤーボンディング部208、導電性トラッキング210、212、外壁213に密閉される蓋214、及びインターポーザ206と外壁213との間に選択的接着剤216を備える。
【0015】
この例では、インターポーザ206は、パッケージ基部204の上にあるように、センサ202と外壁213との間に挿入される。導電性トラッキング210は、それがセンサパッケージ200に追加される前に、インターポーザ206上に置かれ、インターポーザ206の片側から他の側までの電気的接続を作ることを可能にする。次に、センサ202は、インターポーザ206の導電性トラッキング210にワイヤーボンディング(208)されることができ、インターポーザ206の導電性トラッキング210は、外壁213の上で導電性トラッキング212にワイヤーボンディング(208)されることができる。これは、インターポーザ206を介して、センサ202からパッケージ200の外側までの電気的接続を作り出す。
【0016】
本発明の発明者は、ワイヤーボンディング部208の故障率が、ワイヤーボンディング部208の重さ、ひいては、その長さに相関関係があることを発見している。ワイヤーボンディング部208の直径を小さくする、またはワイヤーボンディング部208の材料を変更する等の他の変更は、また、ワイヤーボンディング部208の重さに影響を及し得ることが想定されるが、本開示は、ワイヤーボンディング部208の長さに重点を置き、これは、このアプローチが、また、下記により詳細に説明される他の効果をもたらすためである。
【0017】
この例におけるインターポーザ206の挿入及び適合は、パッケージ204の内部でワイヤーボンディング部208を極めて短くすることを可能にする一方、パッケージ204上で、センサ202と導電性トラッキング212との間で電気的接続を維持する。これらの短いワイヤーボンディング部208は、
図1の長いワイヤーボンディング部106よりも著しく大きい、高応力に対する弾力性がある。これは、センサパッケージ200が衝突及び/または損傷に対してより大きい弾力性をもたらすことを可能にし、動作範囲の増加を維持する。
【0018】
さらに、インターポーザ206の追加は、既存のパッケージ204の製造方法と一緒に、既存のパッケージ204の設計の使用を可能にする。したがって、インターポーザ206は、係るパッケージ204の中に組み込まれることができ、同じワイヤーボンディング部208の長さの縮小を達成するために、パッケージ204の全体を再設計する必要をなくす。
【0019】
この例では、インターポーザ206は、接着層216によって、パッケージ204に接着接合される。これは、インターポーザ206が高応力下で定位置に保たれることを確実にすることによって、センサパッケージ200の弾力性を増加させ得る。
【0020】
図3a及び
図3bは、各々、本開示の例に従った、インターポーザ300及びセンサパッケージ310の斜視図を示す。
【0021】
図3aは、本開示の例に従った、インターポーザ300を示す。インターポーザ300は、導電性トラッキング302でパターン化されるように形成され、これは、インターポーザ300までの接続部(例えば、ワイヤーボンディング部)を作ることを可能にする。示されるように、インターポーザ300は、切り欠き部304を備え、切り欠き部304は、接着剤が導電性トラッキング302に接触することなく、接着剤を分配することを可能にする。これは、導電性トラッキング302のいずれかの汚染可能性を防止し、さらに、任意の可能性があるワイヤーボンディング処理が発生することを防止し得る。上記に言及したように、接着剤は、また、インターポーザ300を、パッケージの1つ以上の外壁に結合させ、センサパッケージの弾力性を増加させる。
【0022】
図3bは、本開示の例に従った、センサパッケージ310を示す。センサパッケージ310は、その外壁313の内側に適合する
図3aのインターポーザ300と、インターポーザ300の内側に適合する、またはインターポーザ300によって囲繞される、センサ316とを備える。
【0023】
パッケージ310は、既存の量産型設計であり、ひいては、インターポーザ300は、特別に、パッケージ310の内部に適合するように設計される。上記に言及したように、これは、パッケージ310の再設計を回避する。
【0024】
示されるように、インターポーザ300は、パッケージ310の中に挿入され、センサ316を囲繞し、センサ316とパッケージ310との間の空間の大部分を占有する。この例では、どのように、インターポーザ300が、パッケージ310の外壁313によって画定される形状に適合するように成形されるかと、少なくとも、四角形の形状の角部で、外壁313に接触するように位置するのかが見られ得る。
【0025】
接着剤は、上記に説明したような切り欠き部304の中に分配され、インターポーザ300をパッケージ310の内部の定位置に固着し得る。切り欠き部304は、インターポーザ300が、硬化した接着剤を通り過ぎて上方に移動することを防止し、これは、センサパッケージ310の弾力性を増加させる。
【0026】
示されるように、センサ316は、インターポーザ300上で導電性トラッキング302にワイヤーボンディング(318)される。インターポーザ300上の導電性トラッキング302は、さらに、パッケージ310の外壁313によって支えられる導電性トラッキング314に、ワイヤーボンディング(320)される。上記に説明したように、これは、センサ316とパッケージ310との間で電気的接続を作ることを可能にする。事前に言及したように、ワイヤーボンディング部318、320の長さが減少することで、高応力下で、センサパッケージ310の弾力性が増加する。
【0027】
したがって、本開示に従って、ワイヤーボンディング部の長さを減少することを容易にし得るセンサパッケージが提供されることが見られ得るだろう。本発明の発明者は、減少するワイヤーボンディング部の長さは、高応力下での破損の可能性を減らすように対応していることを理解している。インターポーザが外壁とセンサとの間の空間との間に配置されるとき、一般的に、センサを直接外壁に結合するワイヤーボンディングは、センサとインターポーザとの間で、及び、インターポーザと外壁との間で、2つのワイヤーボンディング部に短くすることができる。これらの短くなったワイヤーボンディング部は、大きい加速度の衝撃または衝突の影響を受けることが少なくなり得、センサパッケージの弾力性及び動作範囲を増加させる。本発明の発明者は、ワイヤーボンディング部の重さと、高応力下の破損に対するその感受性との間に相関関係があることを理解している。したがって、ワイヤーボンディング部の長さを小さくすることによって、また、その重さは、減少し、ひいては、高応力下で、その破損の可能性が減少する。ワイヤーボンディング部の直径を小さくする、またはワイヤーボンディング部の材料を変更する等の他の変更は、また、ワイヤーボンディング部の重さに影響を及し得ることが想定されるが、本開示は、ワイヤーボンディング部の長さに重点を置く。
【0028】
本開示の使用は、さらに、既存のパッケージ製造方法と一緒に、既存のパッケージ設計の使用を可能にし得る。したがって、インターポーザは、パッケージ全体を再設計するいずれかの必要性をなくし、係る既存のパッケージの中に組み込まれることができる。これは、係る再設計のコスト及び時間の両方を節約する。
【0029】
本開示の使用は、また、極度のロバスト性を要求する新興市場で使用される既存センサを可能にし得、係るデバイスは、前述のように、適していない場合がある。
【0030】
本開示の1つ以上の例に従って、インターポーザは導電性トラッキングを備え、センサは導電性トラッキングにワイヤーボンディングされ、導電性トラッキングは少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングされる。これは、インターポーザの導電性トラッキングを介して、センサを少なくとも1つの外壁に電気的に接続することを可能にし得る。これは、センサからの信号がパッケージの外側からアクセスされることを可能にし得る。また、これは、導電性トラッキングがインターポーザの幅にわたり得るため、ワイヤーボンディング部の長さのさらなる縮小を可能にし得る。次に、ワイヤーボンディング部は、縁において、インターポーザに結合され得る。さらに、トラッキングは、センサから接続が作られた場所と、インターポーザから接続が作られた場所との間の距離を最適化するように設計され得る。また、トラッキングは、パッケージから接続が作られた場所と、インターポーザから接続が作られた場所との間の距離を最適化するように設計され得る。したがって、1つ以上の例では、センサは導電性トラッキングにワイヤーボンディングされ、導電性トラッキングは少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングされる。
【0031】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、少なくとも1つの外壁は第1の材料から作られ、インターポーザは第2の材料から作られ、第1及び第2の材料は異なるものである。いくつかの例では、第1または第2の材料はセラミックであり、例えば、アルミナである。いくつかの例では、第2の材料は樹脂である。いくつかの例では、第2の材料はFR-4である。
【0032】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザは、射出成形によって形成される。これは、既存の製造技術(例えば、成形相互接続デバイス技術)を利用することを可能にし得、製造を簡略化し、コストを減らす。いくつかの例では、インターポーザは、成形回路部品(MID)である。
【0033】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザは、少なくとも1つの外壁に接触する。これは、インターポーザが少なくとも1つの外壁と物理的接触し得るとともに、電気的接触のために少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングされることを意味する。インターポーザ及び少なくとも1つの外壁のこの物理的接触は、使用中に、センサパッケージの内部でインターポーザが移動する可能性または整合しない状態になる可能性を減らすことによって、パッケージのロバスト性を増加させ得る。例えば、インターポーザは、少なくとも1つの外壁に接触するようにパッケージの内側に適合し得る。好ましくは、インターポーザは、少なくとも1つの外壁によって画定される形状に適合するように成形される。いくつかの例では、センサパッケージは、正方形、長方形、または多角形の形状を形成する少なくとも4つの外壁を備える。係る例では、インターポーザは、対応する正方形、長方形、または多角形の形状を有するように成形され得、その結果、インターポーザは、少なくとも4つの外壁に少なくとも部分的に接触するようにパッケージの内側に適合する。係る例では、インターポーザは、好ましくは、少なくとも、正方形、長方形、または多角形の外形の角部において、外壁に接触する。
【0034】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザは、少なくとも1つの外壁に接着接合される。この接着剤は、さらに、応力下におけるセンサパッケージの安定性及び弾力性を改善し得る。
【0035】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザは、インターポーザを少なくとも1つの外壁に接着接合するために使用される接着剤に適応するように成形される。いくつかの例では、インターポーザは、接着剤に適応するように成形される切り欠き部を備え得る。いくつかの例では、切り欠き部によって適応される接着剤は、応力下で、センサパッケージの弾力性を増加させ得る。これらの例では、インターポーザは、少なくとも1つの外壁に接触するようにパッケージの内側に適合し、例えば、外壁によって画定される角部に接触するように適合し、切り欠き部は、接触エリアの間に、例えば、角部の間に、配列され得る。係る例では、センサパッケージは、安定性の高いインターポーザとの適合及び接着剤によってもたらされる接合から利点をもたらし得る。
【0036】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザ、センサ、及び少なくとも1つの外壁のうち、少なくとも2つは同一平面内にある。これは、センサとインターポーザとの間で、ワイヤーボンディング部の長さのさらなる縮小を可能にし得る。これは、また、インターポーザと少なくとも1つの外壁との間で、ワイヤーボンディング部の長さのさらなる縮小を可能にし得る。いくつかの例では、インターポーザ、外壁、及びセンサは、同一平面内にある。
【0037】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザは、センサを囲繞する。これは、インターポーザとセンサとの間で作られるワイヤーボンディング部の長さの減少を可能にし得る。いくつかの例では、少なくとも1つの外壁は、インターポーザを囲繞する。これは、少なくとも1つの外壁とインターポーザとの間で作られるワイヤーボンディング部の長さの減少を可能にし得る。
【0038】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、インターポーザは、センサと少なくとも1つの外壁との間の空間の少なくとも50%を満たす。これは、インターポーザ及びセンサ、及び/またはインターポーザ及び少なくとも1つの外壁を接続する、ワイヤーボンディング部の長さの減少を可能にし得る。いくつかの例では、インターポーザは、センサと少なくとも1つの外壁との間の空間の少なくとも75%を満たす。
【0039】
本開示の1つ以上の例に従って、加えて、または代替として、センサは、MEMSセンサである。いくつかの例では、MEMSセンサはシリコンベースである。いくつかの例では、MEMSセンサは慣性センサである。いくつかの例では、MEMSセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、または圧力センサである。
【0040】
本開示の1つ以上の例に従って、センサパッケージは、さらに、パッケージを密閉するためのポッティング(potting)または蓋を備える。このように、インターポーザは、パッケージを密閉しない。ポッティングまたは蓋によるセンサパッケージの密閉は、センサを損傷または破壊し得る何らかの直接的な外的影響から、センサを保護し得る。センサパッケージの密閉は、さらに、センサに応じて最適化され得るパッケージの内部環境の制御を可能にする。
【0041】
また、センサパッケージを作る方法が開示される。1つ以上の例では、インターポーザは導電性トラッキングを備え、本方法は、さらに、センサを導電性トラッキングにワイヤーボンディングすることと、導電性トラッキングを少なくとも1つの外壁にワイヤーボンディングすることとを含む。
【0042】
加えて、または代替として、1つ以上の例では、本方法は、さらに、インターポーザ、センサ、及び少なくとも1つの外壁のうち、少なくとも2つを同一平面内に配列することを含む。
【0043】
加えて、または代替として、1つ以上の例では、本方法は、さらに、インターポーザを少なくとも1つの外壁に接着接合することを含む。
【0044】
本開示は、その1つ以上の特定例を説明することによって例示されているが、これらの例に限定されるものではないことと、多くの変形例及び修正が、付随の請求項の範囲内で可能であることとを当業者によって認識されるであろう。本明細書に説明される任意の態様または例の特徴は、適切な場合、本明細書に説明される任意の他の態様または例に適用され得る。異なる例または一式の例を参照する場合、これらは、必ず異なるわけではないが、部分的に一致し得ることを理解されたい。