(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】複合材部品用編組プリフォームのパルス圧力圧密化
(51)【国際特許分類】
B29C 70/44 20060101AFI20250109BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20250109BHJP
B29C 43/12 20060101ALI20250109BHJP
B29C 43/58 20060101ALI20250109BHJP
B29K 105/08 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
B29C70/44
B29C70/16
B29C43/12
B29C43/58
B29K105:08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020110331
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-06-26
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オーガル, アーモル
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0190439(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0258575(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0112996(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/44
B29C 70/16
B29C 43/12
B29C 43/58
B29K 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編組繊維のプリフォームを圧密化するための方法であって、
閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得すること(202)、
マンドレルの内部に前記編組プリフォームを配置すること(204)、
前記編組プリフォームの前記閉じた断面の内部に膨張式ブラダを配置すること(206)
、
前記マンドレルに対して前記編組プリフォームを圧密化するために、前記ブラダを介して前記編組プリフォームに繰り返し圧力を加えること(208)、
及び
繰り返し前記圧力を加える間に、前記編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを自動的に決定すること
を含む方法。
【請求項2】
繰り返し圧力を加えることが、複数の圧力範囲の各々で下界から上界へ圧力を上昇させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繰り返し圧力を加えることが、第1の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることと、第2の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることとを含み、前記第2の圧力範囲内の各圧力が、前記第1の圧力範囲内の各圧力以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記編組プリフォームに熱プラスチックを事前に含浸させ、前記方法が:
繰り返し圧力を加える間に、前記熱プラスチックの融点を下回る処理温度に前記編組プリフォームを加熱すること
を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記編組プリフォームから前記ブラダを除去すること、及び
前記マンドレルから前記プリフォームを除去すること
を更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マンドレルの複数部分を接触させた状態で保持し、前記プリフォームの境界を画定すること
を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
編組繊維のプリフォーム(160)を圧密化するための装置であって、
編組プリフォームを受ける寸法を有するマンドレル(150)、
前記編組プリフォームの閉じた断面(162)の内部にフィットする寸法を有するブラダ(170)
、
前記マンドレルに対して前記編組プリフォームを圧密化するために、前記ブラダを介して前記プリフォームに繰り返し圧力を加えるコントローラ(112)
、及び
前記編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを決定する手段
を備える装置。
【請求項8】
前記コントローラは、圧力範囲の下界から上界へ圧力を上昇させることにより圧力を加える、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラは、第1の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることと、第2の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることとにより繰り返し圧力を加え、前記第2の圧力範囲内の各圧力が、前記第1の圧力範囲内の各圧力以上である、請求項
7又は
8に記載の装置。
【請求項10】
前記編組プリフォームには熱プラスチックが事前に含浸されており、前記装置が:
前記熱プラスチックの融点を下回る処理温度に前記編組プリフォームを加熱するヒータ(118)
を更に備える、請求項
7から
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記マンドレルが、接触した状態に保持されて前記プリフォームの境界を画定する複数部分を含む、請求項
7から
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
編組プリフォームを圧密化するための方法であって、
閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得すること(1202)、
前記編組プリフォームに加える圧密化力を増加させること(1204)、及び
前記編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを決定すること(1206)
を含み、
前記編組プリフォーム中の前記繊維がシヤロックされていないと決定することに応じて、前記圧密化力を更に増加させ(1204)、
前記編組プリフォーム中の前記繊維がシヤロックされていると決定することに応じて、前記圧密化力を減少させる(1206)、
方法。
【請求項13】
前記決定することが、経時的に繰り返し実施される、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧密化力が、膨張式のブラダを介して加えられる、請求項
12又は
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製作の分野に関し、特に複合材料の製作に関する。
【背景技術】
【0002】
編組繊維強化複合材部品は、様々な目的に利用され得る。例えば、編組複合材部品は、航空機間又は航空機内でジェット燃料を輸送するための燃料供給チューブを形成する。編組複合材部品は実質的な量の強度を提供するが、これら複合材部品の製作は困難である場合がある。例えば、圧密化の間、編組複合材部品用のプリフォームは、織組織中で互いに交差する繊維間の交差点においてシヤロックを呈することや、又はそうでない場合も摩擦ロックの問題を生じることがある。このような状態が生じると、結果として得られる複合材部品の編組が不均一又は許容誤差はずれとなることがあり、手直し又は廃棄を余儀なくされる。
【0003】
したがって、上記の問題点のうちの少なくともいくつかと、起こりうる他の問題点を考慮した、方法及び装置を手に入れることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
ここに記載される実施形態は、複合材部品用編組プリフォームのパルス圧力圧密化を提供する。加える圧密化圧力の増減を繰り返すことにより、摩擦ロック又はシヤロックを受けている織組織内部のエリアが弛緩し、ロックが解放され、次の圧力付加の間の圧密化の継続が可能になる。
【0005】
一実施形態は、編組繊維のプリフォームを圧密化するための方法である。この方法は、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得することと、マンドレルの内部に編組プリフォームを配置することと、編組プリフォームの閉じた断面の内部に膨張式ブラダを配置することと、マンドレルに対して編組プリフォームを圧密化するために、ブラダを介して編組プリフォームに繰り返し圧力を加えることとを含む。
【0006】
更なる実施形態は、プログラミングされた命令を具現化する非一過性コンピュータ可読媒体であって、命令が、プロセッサによって実行されると、編組繊維のプリフォームを圧密化するための方法を実施するように動作可能である、可読媒体である。この方法は、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得することと、マンドレルの内部に編組プリフォームを配置することと、編組プリフォームの閉じた断面の内部に膨張式ブラダを配置することと、マンドレルに対して編組プリフォームを圧密化するために、ブラダを介して編組プリフォームに繰り返し圧力を加えることとを含む。
【0007】
更なる実施形態は、編組繊維のプリフォームを圧密化するための装置である。この装置は、編組プリフォームを受ける寸法を有するマンドレル、編組プリフォームの閉じた断面の内部にフィットする寸法を有するブラダ、及びマンドレルに対して編組プリフォームを圧密化するために、ブラダを介してプリフォームに繰り返し圧力を加えるコントローラを含む。
【0008】
また別の実施形態は、編組プリフォームを圧密化するための方法である。この方法は、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得することと、編組プリフォームに加える圧密化力を増加させることと、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを決定することとを含む。編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされていないと決定することに応じて、方法は、圧密化力を更に増加することを含む。編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされていると決定することに応じて、方法は、圧密化力を減少させることを更に含む。
【0009】
他の例示的な実施形態(例えば上述の実施形態に関する方法及びコンピュータ可読媒体)については後述する。上述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において単独で実現することが可能であるか、又は別の実施形態において組み合わせることが可能である。これら実施形態の更なる詳細は、以下の説明及び図面を参照して説明される。
【0010】
ここで本開示のいくつかの実施形態を、例示のみを目的として、添付図面を参照して説明する。すべての図面において、同じ参照番号は同じ要素又は同じ種類の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的実施形態における編組プリフォームのための圧密化システムのブロック図である。
【
図2】例示的実施形態における、圧密化システムを操作するための方法を示すフロー図である。
【
図3】例示的実施形態における、圧密化システムを介した編組プリフォームの圧密化の斜視図である。
【
図4】例示的実施形態における、圧密化システムを介した編組プリフォームの圧密化の斜視図である。
【
図5】例示的実施形態における、圧密化システムを介した編組プリフォームの圧密化の斜視図である。
【
図6】例示的実施形態における、圧密化システムを介した編組プリフォームの圧密化の斜視図である。
【
図7】例示的実施形態における、圧密化システムを介した編組プリフォームの圧密化の斜視図である。
【
図8】例示的実施形態における、圧密化を実施するためのパルス加圧技術を示すグラフである。
【
図9】例示的実施形態における、圧密化を実施するためのパルス加圧技術を示すグラフである。
【
図10】例示的実施形態における、圧密化を実施するためのパルス加圧技術を示すグラフである。
【
図11】例示的実施形態における、圧密化を実施するためのパルス加圧技術を示すグラフである。
【
図12】例示的実施形態における、圧密化システムを操作するための更なる方法を示すフロー図である。
【
図13】例示的実施形態における航空機の製造及び保守方法を示すフロー図である。
【
図14】例示的実施形態における航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面及び以下の説明は、本開示の特定の例示的実施形態を提供する。したがって、当業者は、ここに明示的に記載又は図示しないが、本開示の原理を具現化し且つ本開示の範囲に含まれる、様々な構成を考案することができることを理解されたい。更に、ここに記載されるいかなる実施例も、本開示の原理の理解を助けることを意図したものであり、具体的に記載された実施例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。結果として、本開示は、以下に記載される具体的な実施形態又は実施例に限定されず、特許請求項の範囲及びその均等物により限定される。
【0013】
まず、炭素繊維強化ポリマー(CFRP)部品などの複合材部品は、まとめてプリフォームと呼ばれる複数の層にレイアップされる。プリフォームの各層内部の個々の繊維は互いに平行に整列しているが、異なる層は、得られる複合材部品の異なる寸法に沿った強度を上昇させるために異なる繊維配向を呈していることがある。プリフォームは、プリフォームを複合材部品へと固化するために、凝固する粘性樹脂を含み得る(例えば、航空機における使用のために)。未硬化の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させた炭素繊維は「プリプレグ」と呼ばれる。他の種類の炭素繊維は、熱硬化性樹脂を含浸させていない「乾燥繊維」を含むが、粘着付与剤又はバインダーを含んでもよい。乾燥繊維には、硬化前に樹脂を注入することができる。熱硬化性樹脂の場合、固化は硬化と呼ばれる一方向のプロセスであるが、熱可塑性樹脂の場合、樹脂は再加熱される場合に粘性形態に到達することができる。
【0014】
図1は、例示的実施形態における編組プリフォームの100ための圧密化システム100のブロック図である。圧密化システム100は、閉じた断面形状を形成する材料の織り合わされた繊維を含む編組プリフォームに圧密化圧力を加えるための任意の適切なシステムを含む。このようなプリフォームの例には、管状編組プリフォームが含まれる。
【0015】
この実施形態では、圧密化システム100は、編組機110(例えば工業用三次元(3D)編組機)を含み、この編組機は、フレームの周囲に配置されたボビンを利用し、編組を形成するための既定のプログラムに従って互いに対して所定の軌道経路内を移動する。
【0016】
一実施形態では、コントローラ112は、閉じた断面162を有する編組プリフォーム160を製作するために、メモリ114内のNCプログラム内に記憶された命令に従って編組機110を操作する。例えば、編組機110は、製作プロセス(織り合わせ)への入力として繊維182及び熱プラスチック184を含むテープ180を利用する。熱プラスチック184は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含み得る。編組プリフォーム160は、互いに織り合わされた繊維182(例えば、炭素繊維、ガラス繊維)を含み、熱プラスチック184を含浸させることができる。編組プリフォーム160は、マンドレル150の部分152及び部分153により画定されるボイド154内部に配置される。可撓性であるが、熱プラスチックの融点で又は融点近傍で物理的一体性を保持することのできるブラダ170(例えば、ポリイミドブラダ)は、編組プリフォーム160の閉じた断面162内部にフィットする寸法を有する。
【0017】
圧密化の間に、コントローラ112は、圧力供給部116(例えば、圧縮ガスのリザーバ)を介してブラダ170の内部172を膨張させるために加えられる圧力(P)の量を制御する。圧力は、編組プリフォーム160に対してブラダ170を押し付け、ブラダ170とマンドレル150との間で編組プリフォーム160を圧密化する。互いに接触した状態で保持されたとき、マンドレル150の複数の部分はプリフォームの境界(例えば、外周)を画定する。
【0018】
ヒータ118は、圧密化の間(即ち、圧力の付加を反復する間)に熱を加える。一実施形態では、ヒータ118は、編組プリフォーム160内部で、圧密化の間に、編組プリフォーム160の温度を、熱プラスチックの融点を下回る処理温度(例えば、華氏30度以内)に上昇させる。ヒータ118は、サセプタ、輻射加熱エレメント、抵抗ヒータ、又はその他コンポーネントを含み得る。ヒータ118の操作は、コントローラ112により行われる。コントローラ112は、例えば、カスタム回路として、プログラミングされた命令を実行するハードウエアプロセッサとして、又は作動可能なバルブ又はその他コンポーネントを操作するこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。
【0019】
圧密化システム100の動作の例示的な詳細は、
図2を参照して説明される。この実施形態では、編組プリフォーム160は編組機110によって製作されること、及び編組プリフォーム160は所望の形状への圧密化の準備が整っていることを前提とする。
【0020】
図2は、例示的一実施形態における、圧密化システムを操作するための方法を示すフロー図である。方法200のステップは、
図1の圧密化システム100を参照して説明されるが、当業者であれば、方法200が他のシステムで実施され得ることを理解するであろう。ここに記載されるフロー図のステップは、網羅的なものではなく、図示されていない他のステップを含み得る。ここに記載されるステップは、別の順序でも実施され得る。
【0021】
ステップ202では、編組プリフォーム160を取得する。編組プリフォーム160は、完全に編まれており、閉じた断面162を有する形状に編まれた一方向材料の繊維(例えば、炭素繊維)を含む。例えば、編組プリフォーム160は、正方形断面、楕円形断面、円形断面等を有する管を含み得る。編組プリフォーム160を取得することは、編組機から編組プリフォーム160を拾い上げるか又はそれ以外の方法で除去するエンドエフェクタ又はピックアンドプレース機を操作することを含む。
【0022】
ステップ204では、編組プリフォーム160をマンドレル150内部に配置する。一実施形態では、この操作は、マンドレル150の部分153内部に編組プリフォーム160を配置することと、次いで、ボイド154を形成するために、編組プリフォーム160の上にマンドレル150の部分153と相補的な部分152を配置することとを含む。
【0023】
ステップ206では、膨張式ブラダ(即ち、ブラダ170)を編組プリフォーム160の閉じた断面162内部に配置する。これには、ブラダ170が膨張されていない状態である間に、閉じた断面162により囲まれる空間内部の所定位置へブラダ170をスライドさせることが含まれる。
【0024】
ステップ208では、コントローラ112は、圧力供給部116を操作して、ブラダ170を介して編組プリフォーム160に圧力を繰り返し加え、それにより編組プリフォーム160を複合材部品へと固化するための形状へと圧密化する。ここで使用されるとき、圧力を繰り返し加えることは、加える圧力の量を繰り返し増減させることを含む。一実施形態では、圧力を繰り返し加えることは周期的に実施され、この場合、各サイクルには、徐々に増加する量の圧力を加えることと、次いでベースライン圧力に戻すこととが含まれる。一実施形態では、サイクルは、5から10ポンド/平方インチ(PSI)の増分の勾配で適用され、この増分は、所望のピーク圧力(例えば、100PSI、30PSI等)に到達するまで、経時的に増加する(例えば、5から15PSI、15から20PSI、20から35PSI等)。更なる実施形態では、ブラダは、互いに異なる量の圧力を加えることのできる独立して制御可能な複数のセルを含む。
【0025】
このようにして繰り返し圧力を加えることにより、圧力下でロックさている繊維の交差部は弛緩可能となる。これは、各交差部内の繊維の角度を少しずつ調節することを可能にし、これにより、次に圧力が加わるときに交差部がロックすることが防止される。この技術は、複数のセル又はブラダで同時に実行される複数のサイクルにわたって実施されてもよい。更に、コントローラ112は、編組プリフォーム160内部での繊維及び熱プラスチックの圧密化を更に容易にするために、ステップ208の全部又は一部の間にヒータ118を操作することができる。圧密化が完了したら、プリフォームは、航空機の一部分の内部で使用される燃料ラインといった、任意の適切な構造において使用される複合材部品へと固化される。このように、上記の技術は、許容誤差はずれの状態を取り除き、プリフォームに所望の形状及び/又は厚さを施工するために、ブラダを使用してプリフォームを伸長させる。
【0026】
方法は、編組プリフォーム160からブラダ170を除去することと、マンドレル150から編組プリフォーム160を除去することとを更に含んでもよい。
【0027】
方法200は、圧力を加える間に繊維間の交差部を弛緩させることができるため、編組繊維強化熱可塑性複合材プリフォームを圧密化するための、先行技術より実質的に優れた技術を提供する。これにより次いで、繊維が互いに対して移動することが可能となり、これにより、圧力を上昇させるときにシヤロック又は他の望ましくない摩擦ロックが掛かる事態を防止する。
【0028】
図3-7は、例示的一実施形態における、圧密化システムを介した編組プリフォームの圧密化の斜視図である。具体的には、
図3は、編組プリフォームを受けるためのカットアウト310を含む圧密化マンドレルの一部分300を示している。
図4は、レイアップマンドレル420上にレイアップされた編組プリフォーム410の、カットアウト310中への挿入を示している。この時点で、編組プリフォーム410は圧密化されておらず、したがっていくつかの実施形態では、カットアウト310に完全に嵌らないか、或いはカットアウト310の境界に接しない。
図5では、圧密化マンドレル別の部分(即ち、部分500)が部分300の上に、部分300と整列して配置される。部分500はカットアウト510を含み、カットアウト510は、ボイドを形成するようにカットアウト310と相補的である。
【0029】
図6では、レイアップマンドレル420が編組プリフォーム410から除去され、ブラダ600(例えば、膨張式ブラダ)が編組プリフォーム410に挿入されている。
図7では、ブラダ600は繰り返し加圧されて、編組プリフォーム410をカットアウト310及びカットアウト510に対して圧密化する。
【0030】
図8-11は、例示的実施形態における、圧密化を実施するためのパルス加圧技術を示すグラフである。具体的には、
図8-11は、パルス加圧を実施するために利用され得る例示的な加圧技術を示している。
【0031】
図8は、パルス加圧技術810を示すグラフ800であり、時間Tをかけてブラダにより編組プリフォームに圧力Pが加えられている。圧力は、第1のフェーズの間に、圧力の第1の範囲を規定する下界P0から上界P1へ上昇し、P1で保持され、次いでP0に低下するというサイクルをN回繰り返す(この場合、Nは3である)。次いで圧力は、第2のフェーズの間に、圧力の第2の範囲を規定する下界P1から上界P2へ上昇し、P2で保持され、P1に戻るというサイクルをN回繰り返す。このパターンが継続されて、所望のピーク圧力に到達するまで、圧力の複数の範囲の各々で下界から上界へ圧力を上昇させることにより、コントローラは繰り返し圧力を加える。更なる実施形態では、Nは、用いられる圧力に応じて変化する。また更なる実施形態では、編組プリフォームの温度を編組プリフォーム中の熱プラスチックの融点のすぐ下(例えば、華氏30度以内)まで上昇させるために、上述のフェーズの一又は複数の間に編組プリフォームに熱が加えられる。また別の実施形態では、特定のサイクル又はフェーズ(例えば、時間的に先立つもの)の圧力上昇率が低くなるように、サイクル又はフェーズ間で、コントローラにより上昇率を変化させる。
【0032】
図9は、パルス加圧技術910を示すグラフ900であり、時間Tをかけてブラダにより編組プリフォームに圧力Pが加えられている。圧力は、圧力P0から圧力P1へ上昇し、P0に戻るというサイクルをN回繰り返し、次いでP1からP2へ上昇し、P1に戻るということを繰り返す。初期サイクルは周囲温度(例えば、室温)で実施され、更なるサイクルは熱が加えられる間に実施される。
【0033】
図10は、パルス加圧技術1010を示すグラフ1000であり、時間Tをかけてブラダにより圧力Pが編組プリフォームに加えられている。圧力は、圧力P0から圧力P2へ上昇し、直ちにP1に低下するということを繰り返す。次いで圧力は、ジグザグのパターンで、P3へ上昇し、P2へ低下する。
【0034】
図11は、パルス加圧技術1110を示すグラフ1100であり、圧力Pは、時間Tをかけてブラダにより編組プリフォームに加えられる。圧力は、圧力P0から圧力P1に上昇し、P0に戻り、P2に上昇し、P1に低下し、P3に上昇し、P2に低下し、P4に上昇し、P3に低下するといったギザギザのパターンをとる。更なる実施形態では、パルス加圧を実施するために、上述の技術の任意の適切な組み合わせを利用することができる。
【0035】
上述の種々の技術のいずれかを援用して、編組熱プラスチック部品の圧密化の間にシヤロック又はその他摩擦ロックの問題が生じる可能性を低下させることができる。したがって、上述の技術の使用は、製作された複合材部品が許容誤差はずれとなる可能性を低下させ、このことは、効率を上昇させ、費用を削減し、労力を低減する。
【0036】
図12は、例示的実施形態において圧密化システムを操作するための更なる方法1200を示すフロー図である。方法1200により、ステップ1202は、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得することを含む。マンドレルは、編組プリフォームの周囲に配置されており、閉じた断面により画定される空間にブラダが挿入される。ブラダはまた、プリフォームと接触して圧密化力を加えるまで、膨張させることができる。
【0037】
ステップ1204は、編組プリフォームに加えられる圧密化力を増大させることを含み、ステップ1206は、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを決定することを含む。これは、圧力を上昇させたとき編組プリフォームによりブラダに経時的に加えられる反力の量に基づいて、又は他の手段により、決定することができる。例えば、編組プリフォームが、変形せずに、圧力の適用に直ちに抵抗する場合、プリフォーム中の繊維間にシヤロックが存在すると決定される。例えば、これは、手動検査に基づいて決定することができるか、又は経時的に予想より速く上昇する圧力の値に自動的に基づいて決定することができる。つまり、シヤロックが存在しない場合、ブラダに加えられる特定量のガスはプリフォームを膨張させ、それによりブラダの容積が増加する。ブラダの容積が増加するので、圧力は、ブラダがその形状を保持する場合と同じようには上昇しない。つまり、理想気体の法則によれば、ガスによって占有された空間容積の増加は、少なくとも部分的にガスの追加量を補償する。対照的に、シヤロックが存在する場合、プリフォームのシヤロックによりブラダの容積増加、或いは一又は複数の位置での形状変化が防止されるため、一定量のガスをブラダに加えると直ちに圧力が上昇する。したがって、圧力は、シヤロックが存在しない場合より高い率で上昇し、これを圧力上昇率における差異として検出することが可能である。
【0038】
編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされていないと決定することに応じて、ステップ1204で圧密化力を更に上昇させる。代替的に、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされていると決定することに応じて、ステップ1208は、ブラダによって加えられる圧密化力を低下/減少させることを含む(例えば、ブラダに加えられる圧力を低下させることにより)。方法1200のステップは、編組プリフォームを所望の形状にするために、経時的に繰り返し実施することができる。
【0039】
実施例
以下の実施例において、追加のプロセス、システム、及び方法が、熱可塑性プリフォームのための圧密化システムに照らして記載される。
【0040】
より具体的に図面を参照すると、本開示の実施形態は、
図13に示されるような航空機の製造及び保守方法1300、及び
図14に示されるような航空機1302に関連して説明することができる。製造前の段階では、方法1300は、航空機1302の仕様及び設計1304と、材料の調達1306とを含むことができる。製造段階では、航空機1302のコンポーネント及びサブアセンブリの製造1308と、システムインテグレーション1310とが行われる。その後、航空機1302は、認可及び納品1312を経て、運航1314に供され得る。顧客により運航される間に、航空機1302は定期的な整備及び保守1316(改造、再構成、改修等も含み得る)が予定される。ここで具現化される装置及び方法は、方法1300に記載される製造及び保守の一又は複数の任意の適切な段階(例えば、仕様及び設計1304、材料の調達1306、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308、システムインテグレーション1310、認可及び納品1312、運航1314、整備及び保守1316)の間に、及び/又は航空機1302の任意の適切なコンポーネント(例えば、機体1318、システム1320、内装1322、推進システム1324、電気システム1326、油圧システム1328、環境システム1330)で、採用され得る。
【0041】
方法1300の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施又は実行され得る。ここでの記載の目的のために、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含み得るがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み得るがそれらに限定されず、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0042】
図14に示すように、方法1300によって製造された航空機1302は、複数のシステム1320及び内装1322を備えた機体1318を含み得る。システム1320の例は、推進システム1324、電気システム1326、油圧システム1328、及び環境システム1330のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の実施例が示されているが、本発明の原理は、自動車産業などの他の産業にも適用され得る。
【0043】
上述のように、ここで具現化される装置及び方法は、方法1300において記載される製造及び保守の一又は複数の任意の段階で採用され得る。例えば、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308に対応するコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機1302の運航中に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で製作又は製造され得る。また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、例えば、航空機1302の組み立てを実質的に効率化するか、又は航空機1302のコストを削減することにより、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308及びシステムインテグレーション1310の間に利用することができる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせのうちの一又は複数は、航空機1302の運航中、例えば、限定しないが、整備及び保守1316の間に利用することができる。例えば、ここに記載される技術及びシステムは、材料の調達1306、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308、システムインテグレーション1310、運航1314、及び/又は整備及び保守1316のために使用することができ、それに加えて/代えて、機体1318及び/又は内装1322のために使用することができる。これら技術及びシステムは、例えば、推進システム1324、電気システム1326、油圧システム1328、及び/又は環境システム1330を含むシステム1320にも利用され得る。
【0044】
一実施形態では、一の部品は機体1318の一部を含み、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308中に製造される。この部品は次いで、システムインテグレーション1310において航空機へと組み立てられ得るが、その後摩耗によりこの部品が使用不能となるまで運航1314に利用され得る。その後、整備及び保守1316において、部品は廃棄され、新たに製造された部品と交換され得る。本発明のコンポーネント及び方法は、新規部品を製造するために、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1308を通して利用され得る。
【0045】
ここに図示又は記載された種々の制御要素(例えば電気又は電子コンポーネント)のいずれもが、ハードウエア、プロセッサ実装ソフトウエア、プロセッサ実装ファームウエア、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。例えば、ある要素は、専用ハードウエアとして実装され得る。専用ハードウエア要素は、「プロセッサ」、「コントローラ」、又は同様の何らかの専門用語で呼ばれてもよい。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は一複数の個別のプロセッサによって提供されてよく、それらの一部は共有でもよい。さらに、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウエアを実行することができるハードウエアのみを表わすと解釈されるべきでなく、限定するものではないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウエア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)又はその他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウエア記憶用の読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置、論理若しくは何らかの他の物理ハードウエアコンポーネント又はモジュールを黙示的に含み得る。
【0046】
また、制御要素は、プロセッサ又はコンピュータによって実行可能な命令として実装されて、その要素の機能を実行することができる。命令のいくつかの例は、ソフトウエア、プログラムコード、及びファームウエアである。命令は、プロセッサによって実行されるとき動作可能であり、その要素の機能を実行するようにプロセッサに指示する。命令は、プロセッサが読むことのできる記憶デバイスに格納され得る。記憶デバイスのいくつかの例は、デジタル若しくはソリッドステートメモリ、磁気ディスク及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ又は光学的に読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体である。
【0047】
更に、本開示は下記の条項による実施例を含む。
【0048】
条項1.編組繊維のプリフォームを圧密化するための方法であって、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得すること(202)、マンドレルの内部に編組プリフォームを配置すること(204)、編組プリフォームの閉じた断面の内部に膨張式ブラダを配置すること(206)、及びマンドレルに対して編組プリフォームを圧密化するために、ブラダを介して編組プリフォームに繰り返し圧力を加えること(208)を含む方法。
【0049】
条項2.圧力を加えることが、圧力範囲の下界から上界へ圧力を上昇させることを含む、条項1の方法。
【0050】
条項3.繰り返し圧力を加えることが、複数の圧力範囲の各々で下界から上界へ圧力を上昇させることを含む、条項1又は2の方法。
【0051】
条項4.繰り返し圧力を加えることが、第1の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることと、第2の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることとを含み、第2の圧力範囲内の各圧力が、第1の圧力範囲内の各圧力以上である、条項3の方法。
【0052】
条項5.編組プリフォームに熱プラスチックを事前に含浸させ、繰り返し圧力を加える間に、熱プラスチックの融点を下回る処理温度に編組プリフォームを、加熱することを更に含む、条項1から4のいずれか一つの方法。
【0053】
条項6.編組プリフォームからブラダを除去すること、及びマンドレルからプリフォームを除去することを更に含む、条項1から5のいずれか一つの方法。
【0054】
条項7.編組プリフォームが乾燥している、条項1から6のいずれか一つの方法。
【0055】
条項8.マンドレルの複数部分を接触させた状態で保持し、プリフォームの境界を画定することを更に含む、条項1から7のいずれか一つの方法。
【0056】
条項9.繰り返し圧力を加える間に、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを自動的に決定することを更に含む、条項1から8のいずれか一つの方法。
【0057】
条項10.条項1から9のいずれか一つの方法により組み立てられた航空機の部分。
【0058】
条項11.プロセッサによって実行されると、編組繊維のプリフォームを圧密化するための方法を実施するように動作可能なプログラミングされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、方法が、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得すること(202)、マンドレルの内部に編組プリフォームを配置すること(204)、編組プリフォームの閉じた断面の内部に膨張式ブラダを配置すること(206)、及びマンドレルに対して編組プリフォームを圧密化するために、ブラダを介して編組プリフォームに繰り返し圧力を加えること(208)を含む、媒体。
【0059】
条項12.圧力を加えることが、圧力範囲の下界から上界へ圧力を上昇させることを含む、条項11の媒体。
【0060】
条項13.繰り返し圧力を加えることが、複数の圧力範囲の各々で下界から上界へ圧力を上昇させることを含む、条項11又は12の媒体。
【0061】
条項14.繰り返し圧力を加えることが、第1の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることと、第2の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることとを含み、第2の圧力範囲内の各圧力が、第1の圧力範囲内の各圧力以上である、条項13の媒体。
【0062】
条項15.編組プリフォームが熱プラスチックで事前に含浸される、条項11から14のいずれか一つの媒体であって、方法が、繰り返し圧力を加える間に、熱プラスチックの融点を下回る処理温度に編組プリフォームを、加熱することを更に含む、媒体。
【0063】
条項16.方法が、編組プリフォームからブラダを除去することと、マンドレルからプリフォームを除去することとを更に含む、条項11から15のいずれか一つの媒体。
【0064】
条項17.編組プリフォームが乾燥している、条項11から16のいずれか一つの媒体。
【0065】
条項18.方法が、マンドレルの複数部分を接触させた状態で保持し、プリフォームの境界を画定することを更に含む、条項11から17のいずれか一つの媒体。
【0066】
条項19.方法が、繰り返し圧力を加える間に、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを自動的に決定することを更に含む、条項11から18のいずれか一つの媒体。
【0067】
条項20.条項11から19のいずれか一つのコンピュータ可読媒体に記憶された命令によって規定される方法に従って組み立てられた航空機の部分。
【0068】
条項21.編組繊維のプリフォームを圧密化するための装置であって、編組プリフォームを受ける寸法を有するマンドレル、編組プリフォームの閉じた断面の内部にフィットする寸法を有するブラダ、及びマンドレルに対して編組プリフォームを圧密化するために、ブラダを介してプリフォームに繰り返し圧力を加えるコントローラを備える装置。
【0069】
条項22.コントローラが、圧力範囲の下界から上界へ圧力を上昇させることにより、圧力を加える、条項21の装置。
【0070】
条項23.コントローラが、圧力の複数範囲の各々で下界から上界へ圧力を上昇させることにより、繰り返し圧力を加える、条項21又は22の装置。
【0071】
条項24.コントローラが、第1の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させること、及び第2の圧力範囲で下界から上界へ圧力を上昇させることにより、繰り返し圧力を加え、第2の圧力範囲内の各圧力が、第1の圧力範囲内の各圧力以上である、条項21から23のいずれか一つの装置。
【0072】
条項25.編組プリフォームが熱プラスチックで事前に含浸され、装置が、熱プラスチックの融点を下回る処理温度に編組プリフォームを加熱するヒータ(118)を更に備える、条項21から24のいずれか一つの装置。
【0073】
条項26.マンドレルが、接触した状態に保持されてプリフォームの境界を画定する複数部分を含む、条項21から25のいずれか一つの装置。
【0074】
条項27.編組プリフォームが乾燥している、条項21から26のいずれか一つの装置。
【0075】
条項28.条項21から27のいずれか一つの装置を使用した航空機の一部分の製作。
【0076】
条項29.編組プリフォームを圧密化するための方法であって、閉じた断面を有する形状に織られた一方向材料の繊維を含む編組プリフォームを取得すること、編組プリフォームに加えられる圧密化力を上昇させること、及び編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされているかどうかを決定することを含み、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされていないと決定することに応じて、圧密化力を更に上昇させ、編組プリフォーム中の繊維がシヤロックされていると決定することに応じて圧密化力を低下させる、方法。
【0077】
条項30.決定することが、経時的に繰り返し実施される、条項29の方法。
【0078】
条項31.圧密化力が膨張式のブラダを介して加えられる、条項29又は30の方法。
【0079】
条項32.マンドレルを編組プリフォームの周囲に配置することを更に含む、条項29から31のいずれか一つの方法。
【0080】
条項33.条項29から32のいずれか一つの方法に従って組み立てられた航空機の一部分。
【0081】
条項34.プログラミングされた命令を具現化する非一過性のコンピュータ可読媒体であって、命令は、プロセッサによって実行されると、編組繊維のプリフォームを圧密化するための条項1から9又は条項29から32のいずれか一つの方法を実施するように動作可能である、コンピュータ可読媒体。
【0082】
条項35.コントローラが、条項1から9又は条項29から32のいずれか一つの方法を実施するように構成される、条項21の装置。
特定の実施形態がここに記載されているが、本開示の範囲は、これら特定の実施形態に限定されない。本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定められる。