(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】多機能家具
(51)【国際特許分類】
A47C 3/38 20060101AFI20250109BHJP
A47B 7/02 20060101ALI20250109BHJP
A47C 3/04 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
A47C3/38
A47B7/02 A
A47C3/04
(21)【出願番号】P 2020166276
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】坂田 幸
(72)【発明者】
【氏名】深谷 壮麻
(72)【発明者】
【氏名】東田 祐治
(72)【発明者】
【氏名】近藤 聡美
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-141547(JP,A)
【文献】特開2019-037301(JP,A)
【文献】特開2018-143786(JP,A)
【文献】意匠登録第1661409(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 3/04,3/38,5/04,7/16,13/00
A47B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに別体に構成されてL形の姿勢に配置された第1プレート及び第2プレートと、これら両プレートが固定された支持フレーム体とを備えており、前記第1プレートを上面に成した姿勢と前記第2プレートを上面と成した姿勢とに選択自在
であり、
前記第1プレートと第2プレートとの間に、人が手先を挿入できる空間が空いている多機能家具であって、
前記支持フレーム体は、前記両プレートの一側縁において前記両支持フレーム体の内面に固定された第1支持フレーム体と、前記両プレートの他側縁において前記両プレートの内面に固定された第2支持フレーム体と、前記空間に外側から挿入した人の手先が掛かる位置において前記両支持フレーム体を繋ぐジョイントフレームとを有しており、
前記ジョイントフレームが、人が持ち上げるに際しての指掛け部を兼用している、
多機能家具。
【請求項2】
前記空間に挿入した人の手先が掛かる位置に配置された前記ジョイントフレームは第1ジョイントフレームとなされており、
更に、前記第1支持フレーム体と第2支持フレーム体とは、前記空間と反対側の外周寄り部位が第2ジョイントフレームによって連結されており、前記第2ジョイントフレームも、持ち上げのために人が差し伸べた指先が掛かる指掛け部を兼用している、
請求項1に記載した多機能家具。
【請求項3】
更に、前記両プレートのうちいずれか一方又は両方に、人が持ち上げるに際して手先を挿入できる引手穴を設けている、
請求項1
又は2に記載した多機能家具。
【請求項4】
L形の姿勢に配置された第1プレート及び第2プレートと、これら両プレートが固定された支持フレーム体とを備えており、前記第1プレートを上面に成した姿勢と前記第2プレートを上面と成した姿勢とに選択自在であり、
前記支持フレーム体は、前記両プレートの一側縁において前記両支持フレーム体の内面に固定された第1支持フレーム体と、前記両プレートの他側縁において前記両プレートの内面に固定された第2支持フレーム体とを備えている多機能家具であって、
前記両プレートのうちいずれか一方又は両方に、人が持ち上げるに際して手先を挿入できる引手穴が開口しており、かつ、前記引手穴を設けた前記プレートの内面部のうち前記引手穴に挿入した人の手先が掛かる位置に、前記第1支持フレーム体と第2支持フレーム体とを繋ぐと共に指掛け部として機能するジョイントフレームが配置されている、
多機能家具。
【請求項5】
互いに別体に構成されてL形の姿勢に配置された第1プレート及び第2プレートと、これら両プレートが固定された支持フレーム体とを備えており、前記第1プレートを上面に成した姿勢と前記第2プレートを上面と成した姿勢とに選択自在であり、
前記第1プレートと第2プレートとの間に、人が手先を挿入できる空間が空いている多機能家具であって、
前記支持フレーム体は、前記両プレートの一側縁において前記両支持フレーム体の内面に固定された第1支持フレーム体と、前記両プレートの他側縁において前記両プレートの内面に固定された第2支持フレーム体とを備えており、
前記第1支持フレーム体と第2支持フレーム体とが、前記空間の箇所に配置された把手バーによって連結されている、
多機能家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、椅子(スツール)としての使用や物品載置台としての使用、或いは簡易テーブルとしての使用などが可能な多機能家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや家庭において、物品載置台として使用したり簡易テーブルとして使用したりできる家具としては、天板を左右の脚で支えた座卓タイプのものがあるが、3面(背板があると4面)が板材で構成されているため、開放性に乏しいと共に、掴みにくいため持ち運びにくいという問題がある。
【0003】
他方、フレームとプレートとを組み合わせた家具も提案されており、特許文献1,2には、1本のフレーム材を曲げて門型のフレーム体を形成し、この門型のフレーム体における隣り合った2面にプレートを配置した作業テーブルが開示されている。特許文献1,2のテーブルではフレーム体は横長の門型になっていることから、長さが長いプレートを上にした姿勢で使用するものと解される。
【0004】
また、非特許文献1には、L型のフレーム体とL型のパネルとを組み合わせたスツール(商品名:Ueno)が開示されている。このスツールは、縦にしても横にしても使用できる自由な使い方をコンセプトにしており、スタッキングも可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】意匠登録第1661244号公報
【文献】意匠登録第1661409号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】イタリア国 lapalma社ホームページ:URL:https://www.lapalma.it/en/families/ueno
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2のものは、フレーム体は門型であるため使用する姿勢が一定になっており、従って、一定高さの作業テーブル(或いは荷物載置台)としてしか使用できず、機能面で劣ると解される。また、縁部は片手では掴みにくいため、持ち運びは両手を使用せねばならないと解され、従って、持ち運びを軽快に行い難いと解される。
【0008】
他方、非特許文献1のものは、L形に繋がったパネルの長さが互いに相違しているため、高さが異なる椅子やテーブル、物品載置台として使い分けることができて便利であるが、このものも、特許文献1,2のものと同様に、片手で持ち運ぶにはパネルの縁部を強く掴まねばならないため、両手を使用して持ち上げねばならないことが多いと解され、従って、持ち運びを軽快に行えずに機動性に欠けることが懸念される。
【0009】
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、持ち運びが容易で機動性に優れた多機能家具を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は様々な構成を含んであり、典型的な構成を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は
「互いに別体に構成されてL形の姿勢に配置された第1プレート及び第2プレートと、これら両プレートが固定された支持フレーム体とを備えており、前記第1プレートを上面に成した姿勢と前記第2プレートを上面と成した姿勢とに選択自在であり、
前記第1プレートと第2プレートとの間に、人が手先を挿入できる空間が空いている多機能家具」
という基本構成において、
「前記支持フレーム体は、前記両プレートの一側縁において前記両支持フレーム体の内面に固定された第1支持フレーム体と、前記両プレートの他側縁において前記両プレートの内面に固定された第2支持フレーム体と、前記空間に外側から挿入した人の手先が掛かる位置において前記両支持フレーム体を繋ぐジョイントフレームとを有しており、
前記ジョイントフレームが、人が持ち上げるに際しての指掛け部を兼用している」
という構成が付加されている。
【0011】
請求項2の発明は請求項1を具体化したもので、
「前記空間に挿入した人の手先が掛かる位置に配置された前記ジョイントフレームは第1ジョイントフレームとなされており、
更に、前記第1支持フレーム体と第2支持フレーム体とは、前記空間と反対側の外周寄り部位が第2ジョイントフレームによって連結されており、前記第2ジョイントフレームも、持ち上げのために人が差し伸べた指先が掛かる指掛け部を兼用している」
という構成になっている。
【0012】
【0013】
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記両プレートのうちいずれか一方又は両方に、人が持ち上げるに際して手先を挿入できる引手穴を設けている」
という構成が付加されている。
請求項4の発明は、
「L形の姿勢に配置された第1プレート及び第2プレートと、これら両プレートが固定された支持フレーム体とを備えており、前記第1プレートを上面に成した姿勢と前記第2プレートを上面と成した姿勢とに選択自在であり、
前記支持フレーム体は、前記両プレートの一側縁において前記両支持フレーム体の内面に固定された第1支持フレーム体と、前記両プレートの他側縁において前記両プレートの内面に固定された第2支持フレーム体とを備えている多機能家具」
という基本構成において、
「前記両プレートのうちいずれか一方又は両方に、人が持ち上げるに際して手先を挿入できる引手穴が開口しており、かつ、前記引手穴を設けた前記プレートの内面部のうち前記引手穴に挿入した人の手先が掛かる位置に、前記第1支持フレーム体と第2支持フレーム体とを繋ぐと共に指掛け部として機能するジョイントフレームが配置されている」
という特徴が付加されている。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1と同じ基本構成において、
「前記支持フレーム体は、前記両プレートの一側縁において前記両支持フレーム体の内面に固定された第1支持フレーム体と、前記両プレートの他側縁において前記両プレートの内面に固定された第2支持フレーム体とを備えており、
前記第1支持フレーム体と第2支持フレーム体とが、前記空間の箇所に配置された把手バーによって連結されている」
という構成が付加されている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1では、家具を持ち上げるに際してプレートの縁部に人が手先を差し込むと、その指先が指掛け部となるジョイントフレームに掛かるため、しっかりと掴んで指先とプレートとの間に強い摩擦を作用させなくても家具を持ち上げることができる。従って、例えば一方の手で鞄を提げて、他方の手で家具を持ち上げて移動させるといったことを簡単に行える。これにより、多機能家具の機動性を格段に高めることができる。
【0017】
本願発明では、指掛け部たるジョイントフレームを挟んだ両側にプレートがあるため、持ち上げても重量バランスが良くて姿勢が大きく変動することはない。従って、指掛け部を設けたことの利点をフルに活かして、持ち運びを一層容易化できる。また、重量バランスがよいため、人の腕に対する負担を軽減できる利点や、家具が人の外側に大きくはみ出ることを抑制して、持ち運びに際して他人の邪魔になることを防止できる利点もある。
【0018】
家具を持ち上げる方法として、プレートの外周部に手の平を当てて手先をプレートの内面に指し延べることにより、プレートの外周縁部を掴むことがあるが、請求項2では、このような場合に指先を指掛け部に掛けることができるため、強く掴まなくても持ち上げることができる。従って、片手でも多機能家具を持ち上げて移動させることができて、機動性に優れている。
【0019】
指掛け部の具体的な態様は様々に展開できるが、請求項1のように支持フレーム体を構成するフレーム材を指掛け部に兼用すると、特別の加工が不要であるため構造を簡素化できる利点がある。また、フレーム材はある程度の大きさ(外径)があるため、指先の引っ掛かりを確実化できる利点もある。
【0020】
(削除)
【0021】
請求項3のように、家具の持ち上げ手段として、ジョイントフレームに加えて引手穴を設けると、手先の動きが引手穴によって規制されるため、手先の滑りを抑制した状態でプレートを掴むことができる。これにより、プレートを強く掴まなくても家具を持ち上げることができる。従って、家具を片手で簡単に持ち運ぶことができる。
【0022】
更に、請求項4のように引手穴とジョイントフレームとを併用すると、プレートを掴まなくても、指先を指掛け部に当てただけで家具を持ち上げることが可能になるため、持ち運びの容易性を更に向上できる。
【0023】
請求項5では、片手を把手バーに当てるだけで家具を持ち運びできるため、家具の持ち運びが更に簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態を示す図で、(A)(B)は縦長姿勢で置いた斜視図、(C)は横長姿勢で置いた斜視図である。
【
図5】(A)は
図1(C)及び
図7(A)の VA-VA視断面図、(B)は
図1(C)及び
図7(A)
の VB-VB視断面図、(C)は持ち上げ態様の例を示す図である。
【
図7】スタッキングを説明するための図で、(A)は底面図、(B)は斜視図である。
【
図8】(A)(B)は
第1参考例の斜視図、(C)(D)は第
2実施形態の斜視図、(E)は
第2参考例の斜視図である。
【
図9】(A)(B)は
第3参考例の斜視図、(C)(D)は第
3実施形態の斜視図、(E)(F)は第
4実施形態の斜視図である。
【
図10】
(A)は第5実施形態の斜視図、(B)は第4参考例の斜視図、(C)は第5参考例の斜視図、(D)は第6参考例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、
図1~7に示す第1実施形態の構造を説明する。
【0026】
例えば
図1,2示すように、本実施形態の多機能家具は、L形に配置された第1プレート1及び第2プレート2と、これら両プレート1,2が固定された第1及び第2の支持フレーム体3,4と、両支持フレーム体3,4を繋ぐ第1及び第2のジョイントフレーム5,6とを備えている。
【0027】
以下では、方向を特定するため前後の文言を使用するが、この前後の方向は、両プレート1,2がL形に見える方向として定義している。従って、
2つの支持フレーム体3,4は前後に離反して配置されており、ジョイントフレーム5,6は前後方向に長い姿勢になっている。念のため、
図1に方向を明示している。
【0028】
両プレート1,2は同じ前後幅Wであるが、周方向の長さL1,L2は相違している。本実施形態では、第1プレート1の長さL1が第2プレート2の長さL2よりも長くなっている。そこで、第2プレート2を上にした姿勢を縦置き、第1プレート1を上にした姿勢を横置きと云うこととする。L1,L2,Wの寸法は任意に設定できるが、縦置き姿勢でも人が腰掛けることができるので、例えば、L1は400mm程度、L2は315mm程度、Wは315mm程度に設定できる。
【0029】
両支持フレーム体3,4はループ構造になっており、第1プレート1の内面に重なる第1メンバー7と、第2プレート2の内面に重なる第2メンバー8と、第1メンバー7と平行な第3メンバー9と、第2メンバー8と平行な第4メンバー10とを備えており、第3メンバー9と第4メンバー10とは両プレート1,2の外側にはみ出ている。縦置き姿勢では第4メンバー10が接地し、横置き姿勢では第3メンバー9が接地する。
【0030】
支持フレーム体3,4の第1メンバー7及び第2メンバー8は、プレート1,2の前後側縁寄り部位に配置されている。具体的には、人(一般成人)がプレート1,2の前側縁部1a,2a又は後ろ側縁部1a,2aに手の平を当てた状態で、指先が当たるような位置に配置している。
【0031】
図7(A)に明示するように、支持フレーム体3,4の第1メンバー7及び第2メンバー8はプレート1,2の前後側縁寄り部位に配置されているので、両支持フレーム体3,4の第1及び第2メンバー7,8の前後間隔L3は、両プレート1,2の前後幅Wよりも小さくなるが、支持フレーム体3,4の第3メンバー9の前後間隔L4及び第4メンバー10の前後間隔L3は、プレート1,2の前後幅Wよりも大きい寸法になっている。従って、
図7(B)に示すように、複数の家具を、左右にずらした状態でスタッキングする(積み重ねる)ことができる。
【0032】
第1メンバー7及び第2メンバー8と第3メンバー9及び第4メンバー10の前後位置とが異なるため、例えば
図2や
図7に明示するように、第1メンバー7のうち第4メンバー10との連接部7aが屈曲していると共に、第2メンバー8のうち第4メンバー10との連接部8aが屈曲している。
【0033】
本実施形態では、第1プレート1と第2プレート2とは別体に形成されており、両者の間には人が手先を挿脱できる程度の空間11が空いている。そして、第2ジョイントフレーム6は、第2プレート2の内面のうち第1プレート1から離れた端部寄りに配置し、第1ジョイントフレーム5は、第1プレート2の内面の空間11に近い部位に配置している。
【0034】
(2).細部の構造
プレート1,2は木製であり、例えば
図2に示すように、表裏両面にメラミン化粧板(硬質化粧板)12を張って、周囲を樹脂製のエッジ材13で囲った構造になっている(従って、プレート1,2は、正確には、木製基板とメラミン化粧板12とエッジ材13とで構成されている。)。なお、
図2,3では裏面のメラミン化粧板12は簡略的に表示しており、
図5(A)では裏面のメラミン化粧板12は省略している。エッジ材13はなくてもよい。
【0035】
例えば
図5(A)に示すように、プレート1,2は、支持フレーム体3,4にビス14で固定されており、フレーム体3,4には、ビス14がねじ込まれる鬼目ナット15を埋設している。この場合、鬼目ナット取り付け穴16を表面側に開口させて、鬼目ナット取り付け穴16をメラミン化粧板12で覆っている。従って、ビス14を強く締め込んでも鬼目ナット15が抜け出るようなことはなくて、
プレート1,2を薄くしつつ強固に固定できる。
【0036】
図5(A)に示すように、ビス14は、頭14aの座面をテーパ状に形成した皿ビスが使用されており、
支持フレーム体3,4の第1及び第2メンバー7,8には
、ビス14の頭14aが入り込む凹所17を形成しており、かつ、ビス14の頭14aは、樹脂製の緩衝材(プラパート)18で覆われている。また、
支持フレーム体
3,4において接地する第3メンバー9及び第4メンバー10にも、接地体として同じ形態の緩衝材18が取り付けられている。
【0037】
図3,4に示すように、緩衝材18は、支持フレーム体3,4の各メンバー7~10の外周面に密着する円弧状の断面形状であり、各メンバー7~10の長手方向に長い樋状の形態になっている。そして、両端寄り部位に係合ピン19が突設されており、係合ピン19が、各メンバー7~10に形成された係合穴20に強制的に打ち込まれている。
【0038】
なお、係合ピン19の先端部を膨らませた頭状に形成して抜け止めとしてもよく、また、頭状の部位の有無に関係なく、挿入時の誘い込みとなるように先端にテーパ状のガイド部を形成してもよい。緩衝材18は、各メンバー7~10に2個ずつ取り付けているが、3個以上ずつ取り付けてもよい。緩衝材18のうち各メンバー7~10と反対側の面(接地面)は、平坦状になっていてもよい。
【0039】
図3に示すように、緩衝材18の内面には、ビス14の頭14aが当たることを回避するための逃がし穴21を形成している。接地体として機能する緩衝材18には逃がし穴21は必要がないが、ビス14の頭14aを覆うものと共用しているので、全ての緩衝材18に逃がし穴21が形成されている。
【0040】
(3).まとめ
本実施形態の家具は、いずれかのプレート1,2を上にした状態で載置することにより、椅子として使用したり、荷物載置台として使用したり、簡易テーブルとして使用したりすることができる。荷物載置台として使用したり椅子として使用したりする場合、プレート1,2で囲われた空間に荷物を置くこともできる。
【0041】
いずれか一方のプレート1,2が下になるように配置して、下になったプレート1,2に物品を載せることもできる。この場合は、荷物が倒れないように支持フレーム体3,4に立て掛けておくこともできるし、支持フレーム体3,4に手を掛けて持ち上げることもできる。すなわち、家具を運搬具として使用することも可能である。
【0042】
家具を椅子として使用するにしても荷物載置台として使用するにしても、プレート1,2は下方から支持フレーム体3,4で支持されているため、プレート1,2の取り付け部に荷重が集中することは皆無であり、高い支持強度を確保できる。
【0043】
支持フレーム体3,4には、プレート1,2が取り付いていない第3及び第4メンバー9,10に緩衝材18が予め取り付けられているため、どのような姿勢で載置しても、床が傷つくことを防止できる。
【0044】
また、既に触れたように、本実施形態の家具は複数個をスタッキングできるが、第1プレート1を上にした姿勢でも、第2プレート2を上にした姿勢でも、いずれの姿勢でもスタッキングできる。
【0045】
そして、積み重ねた状態で上下に隣り合ったプレートの間には、支持フレーム体3,4の外径と緩衝材18の厚さとを足し合わせた寸法の分だけ隙間が空いているため、プレート1,2の縁部を掴んでスタッキングするに際しては、指先が先行した家具のプレート1,2に当たることはなく、また、スタッキングされた家具を分離するに際しては、プレート1,2の縁部に指先を簡単に掛けることができる。従って、スタッキング作業と分離作業とを容易かつ安全に行える。
【0046】
家具の持ち運びには、様々な態様を取りうる。例えば、プレート1,2の前後縁部1a,2aに手先を当てて、両手で持ち上げる態様を取り得る。この場合は、指先が引っ掛かる箇所に支持フレーム体の第1メンバー7及び第2メンバー8が位置しているため、指先の滑りを防止して安定よく持ち運びできる。
【0047】
本実施形態の家具は軽いので、片手で持ち運ぶこともできる。片手で持ち上げる場合、縦置き姿勢にして、
図5(C)に示すように、両プレート1,2の間の空間11に指先22を挿入して第1プレート1の上部に指を掛けることができる。この場合は、第1ジョイントフレーム5が第1プレート1の上部に配置されているため、指先22を第1ジョイントフレーム5に引っ掛けることにより、家具を安定よく持ち上げることができる。従って、本実施形態では、第1ジョイントフレーム5は請求項に記載した指掛け部を兼用している。
【0048】
片手で持ち上げる他の態様として、
図6(A)に示すように、第2プレート2のうち第1プレート1と反対側の端部に指先を当てて持ち上げることがあるが、この場合は、第2ジョイントフレーム6に指先22が引っ掛かることにより、安定良く持ち上げることができる。従って、本実施形態では、第2ジョイントフレーム6も請求項に記載した指掛け部に兼用されている。
【0049】
更に、片手で持ち上げる他の態様として、
図6(B)に示すように、プレート1,2の前縁又は後ろ縁に指先を当てて持ち上げることがあり得るが、この場合は、支持フレーム体3,4の第1メンバー7又は第2メンバー8が指先22に引っ掛かるため、プレート1,2をしっかり掴んでおく必要ない。従って、片手でも安定良く持ち上げて運ぶことができる。従って、本実施形態では、第1メンバー7と第2メンバー8も指掛け部に兼用できる。なお、家具をひっくり返して、支持フレーム体3,4を手で掴んで持ち上げることも可能である。
【0050】
(4).他の実施形態
及び参考例
次に、
図8以下の他の実施形
及び参考例を説明する。(
図8以下の例では、緩衝材18は省略している場合が多い。)。
図8(A)(B)では、
第1参考例を示している。この
参考例は、第1プレート1と第2プレート2とは一体に連続しており、第1プレート1のうち第2プレート2に寄った部位に、持ち上げるに際して手先を挿入するための引手穴24が、前後方向に長い状態で形成されてい
る。
【0051】
この参考例では、第1プレート1に凹所25を形成して、第2プレート2には、略全体に広がる凸部26を形成している。また、第1支持フレーム体3と第2支持フレーム体4とは、2本ずつのジョイントフレーム5,6で連結されている。
【0052】
この参考例では、引手穴24は、プレート1,2の連接部よりも第2プレート2と反対側に少しずれているため、第1プレート1のうち第2プレート2に寄った部位が、持ち上げるに際しての指先の引っ掛かり代になる。従って、第1プレート1を掴まなくても、片手の指先を引手穴24の縁に当てるだけで、安定良く持ち上げることができる。
【0053】
図8(C)(D)に示すのは、請求項
4を具体化した第
2実施形態である。この実施形態では、第1プレート1と第2プレート2との間の空間11に、第1支持フレーム体3と第2支持フレーム体4とに繋がった把手バー27を設けている。この例では、持ち運びはごく容易になる。
【0054】
図8(E)に示す
第2参考例では、第1支持フレーム体3の第1メンバー7と第2支持フレーム体4の第1メンバー7とは互いに密接又は近接させている。従って、両支持フレーム体3,4の第1メンバー7は、第2メンバー8から内向きに入り込んだ曲がり部7bと、第4メンバー9から内向きに入り込んだ曲がり部7cとを有している。
【0055】
そして、2本の第1メンバー7は密着又は密接しており、空間11の箇所で露出部7dになっているが、この露出部7dを把手として機能させている。
【0056】
図9(A)(B)に示す
第3参考例は
図8(A)(B)で表示した
第1参考例の変形例であり、持ち上げ手段として、引手穴24を空けることに代えて、コーナー部に、ベルトやテープ材でループ状に形成された指掛け材28を設けてい
る。
【0057】
図9(C)(D)に示す
第3実施形態では、第1支持フレーム体3の第1メンバー7は前後2本に分離しており、第1プレート1の前後中間部寄りに配置されている。他方、第2プレート2のうち第1プレート1に寄った部位に引手穴24を空けている。引手穴24の近くに、指先を引っ掛けできるジョイントフレーム6が配置されている。
【0058】
図9(E)(F)に示す第
4実施形態は第1実施形態の変形例であり、第1プレート1及び2第2プレート2に、長さ方向の中間部に位置した引手穴24を形成している。家具を持ち上げた状態では、第1プレート1及び第2プレート2は前後方向から見て傾斜姿勢になるため、手先の引っ掛かりを良くして安定よく持ち上げることができる。
【0059】
図10(A)に示す
第5実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、第1プレート1と第2プレート2とに、周方向に離反した一対ずつの引手穴24を形成している。一点鎖線で示すように、前後縁部1a,2aにも引手穴24を形成することは可能である。
【0060】
図10(B)に示す
第4参考例では、第1プレート1と第2プレート2とを一体に連続させた場合において、両者の連接部に一対の引手穴24を形成することにより、コーナー部(連接部)に引手穴24を形成している。また、周方向に外れた端部にも引手穴24を形成している。
【0061】
図10(C)に示す
第5参考例では、第1プレート1と第2プレート2とを別体に形成しつつ僅かの隙間を介して近接させ、両プレート1,2の相対向した部位を切欠くことによって引手穴24を形成している。木製の板材を曲げ加工するのには相当の手間が掛かるが、
本参考例では、両プレート1,2は別体であるため加工は容易であり、かつ、僅かの隙間を介して近接しているため、一体化しているかのような外観を呈して美観に優れている。
【0062】
図10(D)に示す
第6参考例では、指掛け手段の別例を示している。すなわち、第1プレート1には、第2プレート2に寄った端部と第2プレート2から離れた端部とに前後長手の凹所30を形成し、第2プレート1には、第1プレート1に寄った端部と第1プレート1から離れた端部とに、前後長手の凸条(突起)31を設けている。凸条31は別部材として後付けしたらよい。
図10(D)では、便宜的に凹所30と突条31とを併記したが、いずれか一方のみを設けてもよい。
【0063】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、家具は必ずしもスタッキング機能を備えていなくてもよいのであり、従って、支持フレーム体は、屈曲部7aが存在しない単純な四角形に形成することも可能である。プレートのうち一方又は両方をメッシュ構造に構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本願発明は、多機能家具に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0065】
1 第1プレート
2 第2プレート
3 第1支持フレーム体
4 第2支持フレーム体
5,6 ジョイントフレーム
7 第1メンバー
8 第2メンバー
9 第3メンバー
10 第4メンバー
11 空間
24 引手穴
27 把手バー
28 指掛け材