(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、その制御プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20250109BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q20/20
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020191129
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153074(JP,A)
【文献】特開2020-67825(JP,A)
【文献】特開2020-67947(JP,A)
【文献】特開2020-53051(JP,A)
【文献】”「お店」がつぶれる PART2「対面販売」にこだわらない 来店減にあらがう新たな価値探る”,日経ビジネス,日経BP,2020年05月04日,第2040号,p.034-037,ISSN:0029-0491
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得する取得手段と、
前記情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認する確認手段と、
前記購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行する実行手段と、
を具備
し、
前記実行手段は、前記情報端末に前記購買商品の会計に関する状態が会計未完了であるか若しくは会計完了であるかに応じた通知を出力し、前記購買商品の会計に関する状態が会計完了である場合、前記会計完了である通知を出力した後に前記情報端末をリセットする情報処理装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記購買商品の会計に関する状態が会計未完了である場合、監視用端末にその旨を通知する、
請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報端末は、前記所定時間内に前記操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された前記購買商品の会計に関する状態を確認する確認コマンドを前記情報端末に送信し、
前記実行手段は、前記確認コマンドの受信に応じて、前記会計完了であること示すメッセージ画面を含む画面コマンドを前記情報端末に送信することにより、前記画面コマンドを送信してから所定時間経過後に前記情報端末でログイン操作を行うことができる状態にする、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
取得手段が、ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得
するステップと、
確認手段が、前記情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認
するステップと、
実行手段が前記購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行
し、前記情報端末に前記購買商品の会計に関する状態が会計未完了であるか若しくは会計完了であるかに応じた通知を出力し、前記購買商品の会計に関する状態が会計完了である場合、前記会計完了である通知を出力した後に前記情報端末をリセットするステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項5】
情報処理装置のコンピュータを、
ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得する取得手段、
前記情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認する確認手段、及び、
前記購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行
し、前記情報端末に前記購買商品の会計に関する状態が会計未完了であるか若しくは会計完了であるかに応じた通知を出力し、前記購買商品の会計に関する状態が会計完了である場合、前記会計完了である通知を出力した後に前記情報端末をリセットする、実行手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、その制御プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショッピングカートを装備した小売店向けに、カートPOS(Point Of Sales)システムが提案されている。本システムは、ショッピングカートにタッチパネル、スキャナ等を備えた情報端末を設ける。ショッピングカートを使用する客は、購買商品をショッピングカートに載せる際に、その購買商品の識別コードをスキャナで読み取らせて商品登録を行う。情報端末で登録された商品のデータは会計機に送られる。会計機では、情報端末からのデータを基に会計処理が実行される。このように、カートPOSシステムは、客自身が買い物をしながら商品登録を行うので、会計場で店員が商品登録を行う手間をなくすことができる等のメリットがある。
【0003】
しかしながら、この種のカートPOSシステムにおいては、客がショッピングカートを売場、会計場等に残してその場を離れても、情報端末は放置されたことを検知できない。したがって、店員がそのショッピングカートを発見するまで放置されたままの状態であり、次に使用する客がショッピングカートを使用できない、客の不正会計に気付かない等の不都合が生じる。そこで、このような放置への対応が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、放置された情報端末に対して適切な対策を講じることができる情報処理装置、その制御プログラム及び情報処理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、情報処理装置は、取得手段と、確認手段と、実行手段と、を備える。取得手段は、ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得する。確認手段は、情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認する。実行手段は、購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行する。実行手段は、情報端末に購買商品の会計に関する状態が会計未完了であるか若しくは会計完了であるかに応じた通知を出力し、購買商品の会計に関する状態が会計完了である場合、会計完了である通知を出力した後に情報端末をリセットする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るカートPOSシステムの全体構成図。
【
図3】モバイルコントローラの要部回路構成を示すブロック図。
【
図6】店舗サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図8】情報端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図9】情報端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図10】情報端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図11】モバイルコントローラにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図12】モバイルコントローラにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図13】モバイルコントローラにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図14】モバイルコントローラにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【
図15】会計機におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、放置された情報端末に対して適切な対策を講じることができる情報処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、カートPOSシステムとしてショッピングカートに取り付けられたタブレット端末(いわゆるカート端末)を情報端末として利用する場合である。
【0009】
図1は、本実施形態に係るカートPOSシステム1の全体構成図である。
図1に示すようにカートPOSシステム1は、店舗サーバ10、会員サーバ20、モバイルコントローラ30、監視端末40、会計機50、情報端末60及びアクセスポイント70を含む。店舗サーバ10、会員サーバ20、モバイルコントローラ30、監視端末40、会計機50及びアクセスポイント70は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2に接続されている。
【0010】
情報端末60は、購買者である客が、購買商品の登録に係るデータの入力をセルフで行うことを可能とした機器である。情報端末60は、ショッピングカートCに設けられている。以下では、ショッピングカートCを単にカートCと称する。複数のカートCに、それぞれ情報端末60が設けられている。カートCは、そのカートCのユーザである客の購買商品を搬送する搬送体の一例である。
【0011】
情報端末60は、無線ユニットを備えている。情報端末60は、アクセスポイント70と無線通信を行う。アクセスポイント70は、ネットワーク2に繋がる各機器、すなわち店舗サーバ10、会員サーバ20、モバイルコントローラ30、監視端末40及び会計機50と、情報端末60との通信を中継する。アクセスポイント70は、
図1では1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0012】
会計機50は、購買商品の会計を店員若しくは客が行うことを可能とした機器である。会計機50の台数は、特に制限されない。
【0013】
店舗サーバ10は、店舗業務を支援する。その支援のために店舗サーバ10は、商品データベース、売上データベース等を管理する。商品データベースは、店舗で販売される商品毎に商品データを記述した商品レコードを保存する。商品データは、商品コード、商品名、価格等を含む。商品コードは、商品の識別コードである。売上データベースは、商品、部門、時間帯、日付、週、月等の項目毎に売上データを記述した売上レコードを保存する。売上データは、売上点数、売上金額等を含む。
【0014】
会員サーバ20は、会員登録をした客いわゆる会員の購買業務を支援する。その支援のために会員サーバ20は、会員データベース21を管理する。会員データベース21は、会員毎に会員データを記述した会員レコードを保存する。会員データは、会員ID、氏名、性別、メールアドレス等を含む。会員IDは、会員の識別コードである。
【0015】
モバイルコントローラ30は、情報端末60と協働することで、その情報端末60がPOS端末として機能しているように見せかけるための支援を行う。
【0016】
監視端末40は、店員である監視員、いわゆるアテンダントが常駐するアテンダントカウンタに設けられる監視用端末である。監視端末40は、各情報端末60及び会計機50の状態を表示するための表示デバイスを備えている。アテンダントは、表示デバイスに表示される情報から、各情報端末60及び会計機50の状態をリアルタイムで監視する。
【0017】
図2は、情報端末60の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末60は、プロセッサ611、メインメモリ612、補助記憶デバイス613、タイマ614、無線ユニット615、タッチパネル616、スキャナ617、リーダ618、カメラ619及びシステム伝送路620を備える。システム伝送路620は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。情報端末60は、システム伝送路620に、プロセッサ611、メインメモリ612、補助記憶デバイス613、無線ユニット615、タッチパネル616、スキャナ617、リーダ618、カメラ619を接続する。情報端末60では、プロセッサ611、メインメモリ612及び補助記憶デバイス613と、これらを接続するシステム伝送路620とによってコンピュータが構成される。
【0018】
プロセッサ611は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ611は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、情報端末60としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ611は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0019】
メインメモリ612は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ612は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ612は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ612は、プロセッサ611が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ612は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ611によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0020】
補助記憶デバイス613は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス613となり得る。補助記憶デバイス613は、プロセッサ611が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ611での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス613は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0021】
タイマ614は、プロセッサ611の制御により、設定された時間を計時する。
無線ユニット615は、アクセスポイント70との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0022】
タッチパネル616は、情報端末60の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル616は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ611に出力する。
【0023】
スキャナ617は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。商品には、その商品コードを表すコードシンボルが付されている。スキャナ617は、読み取ったコードシンボルのデータをプロセッサ611に出力する。スキャナ617は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0024】
リーダ618は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ611に出力する。リーダ618は、記録媒体が磁気カードの場合には磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ618として使用される。
【0025】
カメラ619は、カートCの籠受部に置かれた買物カゴを上方から撮影できるように、カートCに設けられている。カメラ619は、カートCのユーザである客が購買商品を正しく買物カゴに入れたか否かを監視するためのものである。
【0026】
以上のような回路構成要素を備えた情報端末60において、プロセッサ611、メインメモリ612、補助記憶デバイス613、タイマ614、無線ユニット615及びタッチパネル616は、タブレット端末TMによって構成されている。そしてこのタブレット端末TMに、スキャナ617、リーダ618及びカメラ619を電気的に接続することで、情報端末60が構成されている。
【0027】
図3は、モバイルコントローラ30の要部回路構成を示すブロック図である。モバイルコントローラ30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信インターフェース35及びシステム伝送路36を備える。システム伝送路36は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。モバイルコントローラ30は、システム伝送路36に、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信インターフェース35を接続する。モバイルコントローラ30では、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶デバイス33と、これらを接続するシステム伝送路36とによってコンピュータが構成される。
【0028】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、モバイルコントローラ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0029】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0030】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0031】
時計34は、モバイルコントローラ30の時刻情報源として機能する。プロセッサ31は、時計34によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0032】
通信インターフェース35は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース35は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0033】
かかる構成のモバイルコントローラ30は、メインメモリ32の揮発性メモリ領域の一部を、購買商品リスト321の作成領域としている。モバイルコントローラ30は、この領域に複数の購買商品リスト321(
図4を参照)を作成することができる。
【0034】
図4は、購買商品リスト321の一例を示す模式図である。
図4に示すように購買商品リスト321は、会員ID、日時、1乃至複数の購買商品データ及び合計金額をそれぞれ記憶するための領域を有する。日時は、モバイルコントローラ30により購買商品リスト321が作成された時点の日付と時刻である。購買商品データは、客が購買する購買商品の商品コード、商品名、価格、購買点数、購買金額等からなる。購買点数は、その商品コードで識別される商品の購買数であり、購買金額は、購買点数に基づく価格の合計である。合計金額は、購買商品データに含まれる購買金額の合計である。
【0035】
図3の説明に戻る。
かかる構成のモバイルコントローラ30は、補助記憶デバイス33において、状態テーブル331(
図5を参照)を記憶している。
【0036】
図5は、状態テーブル331の一例を示す模式図である。
図5に示すように状態テーブル331は、購買商品情報と、取引情報と、ステータスとで構成されるデータテーブルである。購買商品情報は、後述する購買商品ファイルが店舗サーバ10に存在するか否かを示すものである。購買商品ファイルが存在する場合は「あり」とし、購買商品ファイルが存在しない場合は「なし」とする。取引情報は、後述する取引ファイルが店舗サーバ10に存在するか否かを示すものである。取引ファイルが存在する場合は「あり」とし、取引ファイルが存在しない場合は「なし」とする。ステータスは、購買商品情報と取引情報とで識別される購買商品の会計に関する状態すなわち会計状態を示す情報である。ステータスは、「会計前」、「会計中」、「会計完了」及び「エラー」がある。「会計前」は、購買商品の会計処理がまだ完了していない状態である。「会計中」は、会計処理が承認されてからその会計処理が完了するまでの状態である。「会計完了」は、購買商品の会計処理が完了した状態である。「エラー」は、カートPOSシステム1の異常状態である。本実施形態では、購買商品情報が「あり」であり、取引情報が「なし」である場合は、ステータスは「会計前」とする。購買商品情報が「なし」であり、取引情報が「なし」である場合は、ステータスは「会計中」とする。購買商品情報が「なし」であり、取引情報が「あり」である場合は、ステータスは「会計完了」とする。購買商品情報が「あり」であり、取引情報が「あり」である場合は、ステータスは「エラー」とする。なお、ステータスは、「会計前」、「会計中」、「会計完了」及び「エラー」に限定されない。また状態テーブル331の項目は、上記の項目に限定されない。
【0037】
図6は、店舗サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。店舗サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インターフェース14及びシステム伝送路15を備える。システム伝送路15は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。店舗サーバ10は、システム伝送路15に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インターフェース14を接続する。店舗サーバ10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路15とによってコンピュータが構成される。
【0038】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、店舗サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPUである。
【0039】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0040】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0041】
通信インターフェース14は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース14は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0042】
かかる構成の店舗サーバ10は、補助記憶デバイス13において、購買商品ファイル131及び取引ファイル132を保存する。購買商品ファイル131は、客毎に、購買商品リスト321及び会計バーコードを記憶する。会計バーコードは、後述する。取引ファイル132は、客毎に、購買商品リスト321、会計バーコード及び取引データを記憶する。取引データは、取引の内容及び会計結果等を表すデータを含む。取引データは、例えば支払金額、釣銭額、決済種別(現金、クレジットカード、ポイント、金券等)等である。
【0043】
図7は、会計機50の要部回路構成を示すブロック図である。会計機50は、プロセッサ511、メインメモリ512、補助記憶デバイス513、時計514、釣銭機インターフェース515、通信インターフェース516、タッチパネル517、スキャナ518、リーダ519、プリンタ520及びシステム伝送路521を備える。システム伝送路521は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路521は、プロセッサ511と、メインメモリ512、補助記憶デバイス513、時計514、釣銭機インターフェース515、通信インターフェース516、タッチパネル517、スキャナ518、リーダ519及びプリンタ520とを相互に接続する。プロセッサ511、メインメモリ512及び補助記憶デバイス513がシステム伝送路521で接続されることにより、会計機50のコンピュータが構成される。
【0044】
プロセッサ511は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ511は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、会計機50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ511は、例えばCPUである。
【0045】
メインメモリ512は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ512は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ512は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ512は、プロセッサ511が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ512は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ511によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0046】
補助記憶デバイス513は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス413となり得る。補助記憶デバイス513は、プロセッサ511が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ511での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス513は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0047】
メインメモリ512又は補助記憶デバイス513に記憶されるアプリケーションプログラムには、会計機50で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ512又は補助記憶デバイス513にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ512又は補助記憶デバイス513にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0048】
時計514は、会計機50の時刻情報源として機能する。プロセッサ511は、時計514によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0049】
釣銭機インターフェース515は、自動釣銭機との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース515は、自動釣銭機から投入金額のデータ、貨幣収納枚数のデータ等を受信する。釣銭機インターフェース515は、釣銭データを自動釣銭機へと送信する。
【0050】
通信インターフェース516は、ネットワーク2に接続される。通信インターフェース516は、ネットワーク2を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0051】
タッチパネル517は、会計機50の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル517は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ511に出力する。
【0052】
スキャナ518は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取る読取装置の一例である。スキャナ518は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0053】
リーダ519は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ511に出力する。リーダ519は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFIDを使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ519として使用される。
【0054】
プリンタ520は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ520としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。プリンタ520は、会計機50の印刷デバイスとして機能する。
【0055】
図8乃至
図10は、情報端末60のプロセッサ611が、制御プログラムに従って実行する主要な処理の要部手順を示す流れ図である。制御プログラムは、メインメモリ612又は補助記憶デバイス613に記憶されている。
図11乃至
図14は、モバイルコントローラ30のプロセッサ31が、制御プログラムに従って実行する主要な処理の要部手順を示す流れ図である。制御プログラムは、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33に記憶されている。
図15は、会計機50のプロセッサ511が制御プログラムに従って実行する主要な処理の要部手順を示す流れ図である。制御プログラムは、メインメモリ512又は補助記憶デバイス513に記憶されている。
【0056】
以下、これらの流れ図を用いて、会員である客がカートCに設けられた情報端末60を使用して購買商品の登録を行い、会計機50で会計を完了するまでのカートPOSシステム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0057】
はじめに、カートCを使用して買物を行う客は、タッチパネル616にタッチする。タッチパネル616がタッチされると、アイドル状態であったプロセッサ611が起動する。プロセッサ611は、
図8の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0058】
プロセッサ611は、ACT1としてタッチパネル616にログイン画面を表示させる。ログイン画面は、会員に対してログイン操作を指示するための画面である。会員である客は、自身の会員コードが記録された会員カードを所持している。ログイン画面を確認した客は、その会員カードのデータをリーダ618に読み取らせる。リーダ618で会員カードのデータが読み取られると、その会員カードのデータがプロセッサ611へと与えられる。
【0059】
ログイン画面を表示させたプロセッサ611は、ACT2としてログインを待ち受けている。プロセッサ611は、リーダ618からデータを受け取り、そのデータが会員IDを含む会員カードのデータであることを確認すると、ログインが行われたと判定する。すなわちプロセッサ611は、ACT2においてYESと判定し、ACT3へと進む。
【0060】
プロセッサ61は、ACT3としてログインコマンドをモバイルコントローラ30宛に出力するように無線ユニット615を制御する。この制御により、無線ユニット615は、ログインコマンドを無線送信する。ログインコマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク2を経由してモバイルコントローラ30へと送られる。ログインコマンドには、リーダ618で読み取られた会員カードの会員IDが含まれる。
【0061】
モバイルコントローラ30のプロセッサ31は、通信インターフェース35を介して情報端末60からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そして受信コマンドがログインコマンドであった場合、プロセッサ31は、
図11の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0062】
プロセッサ31は、ACT31としてログインコマンドから会員IDを検出する。プロセッサ31は、ACT32としてその会員IDで識別される会員の認証を行う。具体的にはプロセッサ31は、その会員IDを含む会員レコードが会員データベース21に存在するか否かを会員サーバ20に問い合わせる。その結果、会員サーバ20から該当する会員レコードが会員データベース21に存在するとの応答を受けた場合には、プロセッサ31は、会員認証が有効であると認定する。これに対し、会員サーバ20から該当する会員レコードが会員データベース21に存在しないとの応答を受けた場合には、プロセッサ31は、会員認証が無効であると認定する。
【0063】
会員認証を行ったプロセッサ31は、ACT33としてその認証結果を確認する。ここで、認証結果が無効であった場合、プロセッサ31は、ACT33においてNOと判定し、ACT34へと進む。プロセッサ31は、ACT34として情報端末60宛に否認応答コマンドを出力するように通信インターフェース35を制御する。この制御により、通信インターフェース35は否認応答コマンドを送信する。否認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント70から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末60で受信される。
【0064】
認証結果が有効であった場合には、プロセッサ31は、ACT33においてYESと判定し、ACT35へと進む。プロセッサ31は、ACT35として購買商品リスト321をメインメモリ32に作成する。そしてプロセッサ31は、ログインコマンドに含まれていた会員IDと、時計34によって計時された現在の日時とを購買商品リスト321に書き込む。
【0065】
プロセッサ31は、ACT36として情報端末60宛に承認応答コマンドを出力するように通信インターフェース35を制御する。この制御により、通信インターフェース35は、承認応答コマンドを送信する。承認応答コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント70から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末60で受信される。
【0066】
このように、ログインコマンドを受信したモバイルコントローラ30は、そのログインコマンド送信元の情報端末60に対し、否認応答コマンド又は承認応答コマンドを送信する。プロセッサ31は、いずれかの応答コマンドを送信し終えると、このコマンド受信処理を終了する。
【0067】
図8の説明に戻る。
ACT3においてログインコマンドの出力を制御した情報端末60のプロセッサ611は、ACT4としてモバイルコントローラ30からの応答コマンドを待ち受ける。モバイルコントローラ30から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ611は、ACT4においてNOと判定し、ログインをエラーとする。
【0068】
ログインがエラーとなった場合、情報端末60のオペレータである客は、タッチパネル616からエラーの解除操作を行う。プロセッサ611は、解除操作が行われると、ACT1から処理を再開する。したがって客は、再びログインを行うこととなる。
【0069】
モバイルコントローラ30から承認応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ611は、ACT4においてYESと判定し、ACT5へと進む。プロセッサ61は、ACT5としてその承認応答コマンドに含まれている会員IDをメインメモリ612にて記憶する。
【0070】
プロセッサ611は、ACT6としてタッチパネル616に商品登録画面を表示させる。図示しないが、商品登録画面は、客が購買する商品の商品名、価格等の購買商品データと合計金額とを表示するための画面である。
【0071】
商品登録画面を確認した客は、売場を回り、購買しようとする商品、いわゆる購買商品をカートCに収容する。例えば客は、買物カゴに購買商品を入れる。客は、購買商品を買物カゴに入れる前に、スキャナ617を操作してその商品に付されているコードシンボルを読み取る。スキャナ617でコードシンボルが読み取られると、そのコードシンボルで表わされた商品コードが情報端末60に入力される。すなわち商品コードで識別される商品が登録される。
【0072】
なお、生鮮食品などの一部の商品にはコードシンボルが付されていないことがある。購買商品にコードシンボルが付されていない場合、客は、タッチパネル616に表示される商品ボタンから購買商品に対応した商品ボタンにタッチする。商品ボタンがタッチされたことで、その商品ボタンに対応した商品の商品コードが情報端末60に入力される。すなわち商品コードで識別される商品が登録される。
【0073】
プロセッサ611は、ACT7としてタイマ614をスタートさせる。プロセッサ611は、ACT8として情報端末60への操作入力が行われないまま、タイマ614のカウント値が所定時間を経過したか否かを確認する。情報端末60への操作入力は、商品登録過程で、例えばタッチパネル616がタッチされること、スキャナ617でコードシンボルが読み取られること等である。所定時間は、例えば10分、15分等である。所定時間は、任意に設定することができる。プロセッサ611が情報端末60への操作入力が行われないまま、所定時間が経過した場合、客がカートCを放置したままその場を離れたことが想定される。所定時間が経過した場合、プロセッサ611は、ACT8においてYESと判定し、
図12のACT25へと進む。ACT25の処理は、後述する。
【0074】
所定時間が経過していない場合、プロセッサ611は、ACT8においてNOと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ611は、ACT9として商品登録が行われたか否かを確認する。
【0075】
商品登録が行われた場合、プロセッサ611は、ACT9においてYESと判定し、ACT10へと進む。ここで、商品登録が行われたことは、情報端末60への操作入力が行われたことを意味する。プロセッサ611は、ACT10としてタイマ614をリセットする。
【0076】
プロセッサ611は、ACT11として商品登録コマンドをモバイルコントローラ30宛に出力するように無線ユニット615を制御する。この制御により、無線ユニット615は、商品登録コマンドを無線送信する。商品登録コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク2を介してモバイルコントローラ30へと送られる。商品登録コマンドには、メインメモリ612にて記憶した会員IDと、購買商品の商品コードとが含まれる。
【0077】
商品登録コマンドを受信したモバイルコントローラ30のプロセッサ31は、
図12の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
プロセッサ31は、ACT41として商品登録コマンドから会員IDを検出する。プロセッサ31は、ACT42としてその会員IDが記述された購買商品リスト321を処理対象として抽出する。
【0078】
プロセッサ31は、ACT43として商品登録コマンドに含まれる商品コードを基に購買商品データを作成し、その購買商品データを購買商品リスト321に書き込む。またプロセッサ31は、ACT44として購買商品リスト321の合計金額を、新たに書き込まれた購買登録データの購買金額を加算した金額に更新する。
【0079】
プロセッサ31は、ACT45として情報端末60宛に登録済コマンドを出力するように通信インターフェース35を制御する。この制御により、通信インターフェース35は、登録済コマンドを送信する。登録済コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント70から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末60で受信される。登録済コマンドには、購買商品リスト321が含まれる。以上で、プロセッサ31は、商品登録コマンド受信処理を終了する。
【0080】
図8の説明に戻る。
ACT11において商品登録コマンドの出力を制御した情報端末60のプロセッサ611は、ACT12として登録済コマンドを待ち受ける。そしてモバイルコントローラ30から登録済コマンドを受信すると、プロセッサ611は、ACT12においてYESと判定し、ACT13へと進む。プロセッサ611は、ACT13としてタッチパネル616に表示されている商品登録画面を更新する。すなわちプロセッサ611は、登録済コマンドに含まれる購買商品リスト321を基に、購買登録された商品の商品名及び購買金額が追加され、合計金額に購買金額が加算されるように、商品登録画面を更新する。その後、プロセッサ611は、ACT7へと戻る。プロセッサ611は、ACT7乃至ACT13の処理を前述した場合と同様に実行する。したがってモバイルコントローラ30においても、プロセッサ31は、
図12に示す商品登録コマンドの受信処理を再度実行する。
【0081】
商品登録が行われていない場合、プロセッサ611は、ACT9においてNOと判定し、ACT14へと進む。プロセッサ611は、ACT14として会計が指示されたか否かを確認する。
【0082】
商品登録画面の一部には、会計ボタンの画像が表示されている。買物を終えた客は、会計ボタンにタッチする。プロセッサ611は、会計ボタンがタッチされた場合に、会計が指示されたと認識する。会計が指示されていない場合、プロセッサ611は、ACT14においてNOと判定し、ACT8へと戻る。ここにプロセッサ611は、ACT9及びACT14において、商品登録が行われるか、会計が指示されるのを待ち受ける。
【0083】
会計のタッチボタンがタッチされたことを検知すると、プロセッサ611は、ACT14においてYESと判定し、ACT15へと進む。ここで、会計のタッチボタンがタッチされたことは、情報端末60への操作入力が行われたことを意味する。プロセッサ611は、ACT15としてタイマ614をリセットする。
【0084】
プロセッサ611は、
図11のACT16として会計コマンドをモバイルコントローラ30宛に出力するように無線ユニット615を制御する。この制御により、無線ユニット615は、会計コマンドを無線送信する。会計コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク2を介してモバイルコントローラ30へと送られる。会計コマンドには、メインメモリ612にて記憶した会員IDが含まれる。
【0085】
会計コマンドを受信したモバイルコントローラ30のプロセッサ31は、
図13の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0086】
プロセッサ31は、ACT51として会計コマンドから会員IDを検出する。プロセッサ31は、ACT52としてその検出した会員IDが記述された購買商品リスト321を処理対象として抽出する。
【0087】
プロセッサ31は、ACT53として会計バーコードのデータを生成する。会計バーコードは、会計機50で会計を行う客を識別するためのものである。会計バーコードは、会計機50で会計を行う客毎に生成される。
【0088】
プロセッサ31は、ACT54として店舗サーバ10宛に、ACT52の処理で抽出した購買商品リスト321及びACT53の処理で生成した会計バーコードを送信する。この送信により、店舗サーバ10は、購買商品リスト321及び会計バーコードが記憶された購買商品ファイル131を保存する。
【0089】
プロセッサ31は、ACT55として会計コマンド送信元の情報端末60に表示コマンドを出力するように通信インターフェース35を制御する。この制御により、通信インターフェース35は、表示コマンドを送信する。表示コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント70から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末60で受信される。表示コマンドには、会計バーコードが含まれる。
【0090】
図9の説明に戻る。
ACT16において、会計コマンドの出力を制御した情報端末60のプロセッサ611は、ACT17として表示コマンドを待ち受ける。この待ち受け状態において、表示コマンドを受信すると、プロセッサ611は、ACT17においてYESと判定し、ACT18へと進む。プロセッサ611は、ACT18として会計案内画面100(
図16を参照)をタッチパネル616に表示させる。
【0091】
図16は、会計案内画面100の一例を示す模式図である。
図16に示すように会計案内画面100には、会計バーコードと、その会計バーコードを会計機50でスキャンすることを促すメッセージと、終了ボタン101の画像とが表示される。客は会計バーコードを会計機50でスキャンした後、終了ボタン101をタッチする。図示しないが、終了ボタン101がタッチされると、情報端末60の利用を終了することを通知するメッセージ画面が表示される。メッセージ画面に表示されたメッセージは、例えば「ご利用ありがとうございました。」である。このメッセージ画面が表示されてから例えば5分等の所定時間が経過すると、情報端末60はリセットされる。本実施形態では、情報端末60がリセットされるとは、次に使用する会員がその情報端末60でログイン操作を行うことができる状態になることである。なお、
図16に表示されているテキストデータの内容は一例である。
【0092】
図9の説明に戻る。
会計案内画面100を表示させたプロセッサ611は、ACT19としてタイマ614をスタートさせる。プロセッサ611は、ACT20として情報端末60への操作入力が行われないまま、タイマ614のカウント値が所定時間を経過したか否かを確認する。所定時間が経過した場合、プロセッサ611は、ACT20においてYESと判定し、
図10のACT25へと進む。ACT25の処理は、後述する。
【0093】
所定時間が経過していない場合、プロセッサ611は、ACT20においてNOと判定し、ACT21へと進む。プロセッサ611は、ACT21として会計バーコードがスキャンされたか否かを確認する。会計バーコードがスキャンされない場合、プロセッサ611は、ACT21においてNOと判定し、ACT20へと戻る。
会計案内画面100を確認した客は、会計機50の設置場所に行き、その会計機50に備えられたスキャナ518で会計バーコードを読み取らせる。
【0094】
会計バーコードがスキャンされた場合、プロセッサ611は、ACT21においてYESと判定し、ACT22へと進む。ここで、会計バーコードがスキャンされたことは、情報端末60への操作入力が行われたことを意味する。プロセッサ611は、ACT22としてタイマ614を再スタートさせる。なお、本実施形態では、再スタートは、タイマ614のカウント値を“0”からスタートさせることである。
【0095】
プロセッサ611は、ACT23として会計案内画面100の終了ボタン101がタッチされたか否かを確認する。終了ボタン101がタッチされない場合、プロセッサ611は、ACT23においてNOと判定し、ACT20へと戻る。
【0096】
終了ボタン101がタッチされた場合、プロセッサ611は、ACT23においてYESと判定し、ACT24へと進む。ここで、終了ボタン101がタッチされたことは、情報端末60への操作入力が行われたことを意味する。プロセッサ611は、ACT24としてタイマ614を停止させる。
【0097】
会計機50のプロセッサ511は、
図15のACT81として、会計バーコードが読み取られるのを待ち受けている。会計バーコードを読み取られた場合、プロセッサ511は、ACT81においてYESと判定し、ACT82へと進む。
【0098】
プロセッサ511は、ACT82として読み取った会計バーコードで店舗サーバ10に購買商品ファイル131を問い合わせる。この問い合わせにより、店舗サーバ10は、問い合わせのあった会計バーコードが記憶された購買商品ファイル131を抽出し、会計機50へ購買商品ファイル131を送信する。しかしてプロセッサ511は、ACT83として購買商品ファイル131を受信するのを待ち受ける。購買商品ファイル131を受信した場合、プロセッサ511は、ACT83においてYESと判定し、ACT84へと進む。
【0099】
プロセッサ511は、ACT84として受信した購買商品ファイル131の購買商品リスト321のデータを基に会計処理を実行する。この会計処理は既存の処理で周知なので、具体的な説明は省略する。
【0100】
プロセッサ511は、ACT85として会計処理を基に取引データを作成する。プロセッサ511は、ACT86として、ACT81の処理で読み取った会計バーコードと、ACT83の処理で受信した購買商品ファイル131の購買商品リスト321と、ACT85の処理で作成した取引データとが記憶された取引ファイル132を作成する。プロセッサ511は、ACT87として店舗サーバ10宛に取引ファイルを送信する。この送信により、店舗サーバ10は、取引ファイル132を保存する。以上で、プロセッサ511は、
図15の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0101】
前述したように、
図8のACT8及び
図9のACT20において、所定時間が経過した場合、プロセッサ611は、
図10のACT25へと進む。プロセッサ611は、ACT25として確認コマンドをモバイルコントローラ30宛に出力するように無線ユニット615を制御する。この制御により、無線ユニット615は、確認コマンドを無線送信する。確認コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク2を介してモバイルコントローラ30へと送られる。確認コマンドには、メインメモリ612にて記憶した会員IDが含まれる。
【0102】
確認コマンドを受信したモバイルコントローラ30のプロセッサ31は、
図14の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0103】
プロセッサ31は、ACT61として確認コマンドから会員IDを検出する。プロセッサ31は、ACT62としてその検出した会員IDが記述された購買商品リスト321が存在するか否かを確認する。本実施形態では、
図13のACT54の処理で店舗サーバ10宛に購買商品リスト321を送信した場合、モバイルコントローラ30には購買商品リスト321は存在しないことになる。店舗サーバ10宛に購買商品リスト321を送信する前、すなわち会計ボタンがタッチされる前であれば、モバイルコントローラ30に購買商品リスト321が存在する。したがってモバイルコントローラ30に購買商品リスト321が存在する場合は、客は売場で商品登録中であることを意味する。購買商品リスト321が存在する場合、プロセッサ31は、ACT62においてYESと判定し、ACT72へと進む。ACT72の処理は、後述する。
【0104】
購買商品リスト321が存在しない場合、プロセッサ31は、ACT62においてNOと判定し、ACT63へと進む。
【0105】
プロセッサ31は、ACT63としてACT61の処理で検出した会員IDで店舗サーバ10宛にファイルが存在するか否かを問い合わせる。この問い合わせにより、店舗サーバ10は、問い合わせのあった会員IDが記述された、購買商品ファイル131及び取引ファイル132の存在の有無をモバイルコントローラ30へと応答する。なお、
図13のACT54の処理で店舗サーバ10宛に購買商品リスト321と会計バーコードとを送信した場合、店舗サーバ10は購買商品ファイル131を保存する。すなわち購買商品ファイル131が店舗サーバ10に存在することになる。また
図15のACT85の処理で店舗サーバ10宛に取引ファイル132を送信した場合、店舗サーバ10は取引ファイル132を保存する。すなわち取引ファイル132が店舗サーバ10に存在することになる。しかしてプロセッサ31は、ACT64としてファイルが存在するか否かの応答を待ち受ける。
【0106】
店舗サーバ10からファイルが存在するとの応答があった場合、プロセッサ31は、ACT64においてYESと判定し、ACT65へと進む。プロセッサ31は、ACT65として店舗サーバ10に存在するファイルが購買商品ファイル131であるか否かを確認する。
【0107】
購買商品ファイル131である場合、プロセッサ31は、ACT65においてYESと判定し、ACT66へと進む。プロセッサ31は、ACT66として店舗サーバ10に存在するファイルには取引ファイル132もあるか否かを確認する。
【0108】
取引ファイル132もある場合、プロセッサ31は、ACT66においてYESと判定し、ACT67へと進む。プロセッサ31は、ACT67として状態テーブル331を基にステータスが「エラー」であることをメインメモリ32にて記憶する。その後、プロセッサ31は、ACT72へと進む。
【0109】
取引ファイル132はない場合、プロセッサ31は、ACT66においてNOと判定し、ACT68へと進む。プロセッサ31は、ACT68として状態テーブル331を基にステータスが「会計前」であることをメインメモリ32にて記憶する。その後、プロセッサ31は、ACT72へと進む。
【0110】
店舗サーバ10に存在するファイルが購買商品ファイル131でない場合、プロセッサ31は、ACT65においてNOと判定し、ACT69へと進む。プロセッサ31は、ACT69として店舗サーバ10に存在するファイルが取引ファイル132であるか否かを確認する。
【0111】
取引ファイル132である場合、プロセッサ31は、ACT69においてYESと判定し、ACT70へと進む。プロセッサ31は、ACT70として状態テーブル331を基にステータスが「会計完了」であることをメインメモリ32にて記憶する。その後、プロセッサ31は、ACT74へと進む。ACT74の処理は、後述する。
【0112】
取引ファイル132もない場合、プロセッサ31は、ACT69においてNOと判定し、ACT71へと進む。プロセッサ31は、ACT71として状態テーブル331を基にステータスが「会計中」であることをメインメモリ32にて記憶する。
【0113】
プロセッサ31は、ACT72としてメインメモリ32にて記憶したステータスを基に監視画面200(
図17を参照)を作成する。
【0114】
図17は、監視画面200の一例を示す模式図である。この例は、会計機50の台数が3台、使用している情報端末60が8台の場合である。
図17に示すように監視画面200は、会計機50毎に会計機状態表示部201と、情報端末60毎に端末状態表示部202とを有する。会計機状態表示部201及び端末状態表示部202は、タッチボタンとなっている。会計機状態表示部201には、会計機番号が表示される。図示しないが、会計機状態表示部201をタッチすると、会計機状態が表示される。例えば会計機50が会計処理前の「アイドル中」であるのか、会計処理が行われている「会計中」であるのかの状態が表示される。また会計処理が行われている会計機50を使用している客の購買商品の情報を確認することができる。端末状態表示部202には、情報端末番号が表示される。図示しないが、端末状態表示部202をタッチすると、端末状態が表示される。例えば情報端末60が「エラー」、「会計前」、「会計中」又は「会計完了」であるのかの状態が表示される。また当該状態の情報端末60を使用している客の購買商品の情報を確認することができる。さらに端末状態表示部202は、領域203を有する。領域203は、情報端末60の状態を色等で識別可能とする領域である。領域203は、プロセッサ611が情報端末60への操作入力が行われないまま、所定時間が経過した場合であって、購買商品の会計処理が完了していない会計未完了状態、すなわちステータスが「エラー」、「会計前」又は「会計中」である場合には、領域203の背景色を異ならせる。なお、
図17に表示されているテキストデータの内容、表示部の形状、サイズ、配列及び個数は一例である。
【0115】
図16に戻る。
プロセッサ31は、ACT73として監視端末40宛に監視画面200のデータを送信する。この送信により、監視端末40は、タッチパネルに監視画面200を表示させる。したがって、監視端末40のタッチパネルに表示された監視画面200の領域203を確認した店員は、売場、会計場等で放置されているカートCを探す。
【0116】
プロセッサ31は、ACT74として情報端末60に表示するためのメッセージ画面をメインメモリ32にて記憶したステータスを基に作成する。メッセージは、例えばステータスが「エラー」、「会計前」又は「会計中」である場合は購買商品の会計処理が完了していない会計未完了状態であるため、「只今店員が参ります、しばらくお待ちください。」である。「会計完了」である場合は「ご利用ありがとうございました。」である。また「会計完了」である場合は、上述した会計案内画面100の終了ボタン101がタッチされた場合と同様に、メッセージが表示されてから例えば5分等の所定時間が経過すると、情報端末60はリセットされる。なお、メッセージは、上述したものに限定されない。
【0117】
プロセッサ31は、ACT75として情報端末60宛に画面コマンドを出力するように通信インターフェース35を制御する。この制御により、通信インターフェース35は、画面コマンドを送信する。画面コマンドは、ネットワーク2を介してアクセスポイント70から無線送信され、画面コマンド送信元の情報端末60で受信される。画面コマンドには、メッセージ画面のデータが含まれる。以上で、プロセッサ31は、確認コマンド受信処理を終了する。
【0118】
図10の説明に戻る。
ACT25において確認コマンドの出力を制御した情報端末60のプロセッサ611は、ACT26として画面コマンドを待ち受ける。そしてモバイルコントローラ30から画面コマンドを受信すると、プロセッサ611は、ACT26においてYESと判定し、ACT27へと進む。プロセッサ611は、ACT27としてタッチパネル616にメッセージ画面を表示させる。以上で、プロセッサ611は、
図8乃至
図10の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0119】
以上の説明から明らかなように、情報処理装置の一例であるモバイルコントローラ30は、プロセッサ31が
図14のACT61の処理を実行することにより、取得手段を構成する。すなわちモバイルコントローラ30は、ユーザすなわち客が操作して購買商品の登録を行う情報端末60を識別する識別情報を取得する。
【0120】
モバイルコントローラ30は、プロセッサ31が
図14のACT62乃至ACT71の処理を実行することによって、確認手段を構成する。すなわちモバイルコントローラ30は、情報端末60で所定時間内に操作入力が行われない場合、識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認する。
【0121】
モバイルコントローラ30は、プロセッサ31が
図14のACT72乃至ACT75の処理を実行することによって、実行手段を構成する。すなわちモバイルコントローラ30は、購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行する。
【0122】
このように本実施形態によれば、情報端末60への操作入力が行われないまま、所定時間が経過した場合、カートCのユーザである客の会計状態に応じた処理が実行される。具体的には、会計状態が「会計完了」である場合、情報端末60にメッセージ画面が表示された後、情報端末60はリセットされる。会計状態が「会計前」、「会計中」又は「エラー」であるすなわち会計未完了である場合、情報端末60にメッセージ画面が表示されるとともに、監視端末40に通知される。したがって、店員は、所定時間が経過して放置されているカートCを探し、会計が完了している場合には、次に使用する会員に対してそのカートCに設けられた情報端末60でログイン操作を行うことができる状態にする必要がない。会計が未完了である場合には、監視画面200の領域203を確認することで、不正会計により放置されているカートCの存在を容易に知ることができる。したがって、店員の手間及び負担が軽減される。
【0123】
以上、情報処理装置、その制御プログラム及び情報処理方法の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0124】
前記実施形態では、情報端末60に対するログインを、会員カードを使用して行う場合を例示した。ログインの方法は特に限定されるものではない、例えば客が所持するスマートフォンのディスプレイに会員コードを示すコードシンボルを表示させ、このコードシンボルをスキャナ617で読み取らせることでログインを行うようにしてもよい。この場合、情報端末60からリーダ618を省略することができる。
【0125】
前記実施形態では、情報端末60をカートCに取り付けた場合を例示した。情報端末60は、必ずしもカートCに取り付けられていなくてもよい。例えば客が所有するスマートフォン、タブレット端末等を情報端末60としてもよい。
【0126】
前記実施形態では、購買商品リスト321に会員IDが記憶される場合を例示した。例えば情報端末60の識別コードである端末IDが記憶されてもよいし、会員ID及び端末IDの両方が記憶されてもよい。
【0127】
前記実施形態では、画面コマンドを受信した情報端末60のプロセッサ611は、タッチパネル616にメッセージ画面を表示させることを説明した。例えば出力は、表示に限定されるものではなく、音声等によって出力してもよい。情報端末60にランプを備えて、点灯又は点滅させてもよい。
【0128】
前記実施形態のカートPOSシステム1は、
図1に示すものに限定されるものではない。例えば店舗サーバ10と会員サーバ20とモバイルコントローラ30とを、1つ若しくは2つのサーバで構成してもよい。また、例えば会員サーバ20については、ネットワーク2に直接接続されるのではなく、クラウドコンピューティングとしてインターネット上に設けられていてもよい。
【0129】
前記実施形態では、制御プログラムを情報端末60のメインメモリ612または補助記憶デバイス613に予め記憶されているものとして説明した。この点に関しては、情報端末60が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この情報端末60とは個別に譲渡された監視プログラムを、ユーザ操作に応じて書き込むようにしてもよい。制御プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0130】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得する取得手段と、
前記情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認する確認手段と、
前記購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行する実行手段と、
を具備する情報処理装置。
[C2]
前記実行手段は、前記情報端末に前記購買商品の会計に関する状態に応じた通知を出力する、
請求項1記載の情報処理装置。
[C3]
前記実行手段は、前記購買商品の会計に関する状態が会計完了である場合、前記情報端末をリセットする、
請求項2記載の情報処理装置。
[C4]
前記実行手段は、前記購買商品の会計に関する状態が会計未完了である場合、監視用端末にその旨を通知する、
請求項1記載の情報処理装置。
[C5]
ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得し、
前記情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認し、
前記購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行する、
情報処理方法。
[C6]
情報処理装置のコンピュータを、
ユーザが操作して購買商品の登録を行う情報端末を識別する識別情報を取得する取得手段、
前記情報端末で所定時間内に操作入力が行われない場合、前記識別情報と関連付けて登録された購買商品の会計に関する状態を確認する確認手段、及び、
前記購買商品の会計に関する状態に応じた処理を実行する実行手段、
として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0131】
1…カートPOSシステム、2…ネットワーク、10…店舗サーバ、11、31、511、611…プロセッサ、12、32、512、612…メインメモリ、13、33、513、613…補助記憶デバイス、14、35、516…通信インターフェース、20…会員サーバ、21…会員データベース、30…モバイルコントローラ、34、514…時計、36、521、620…システム伝送路、40…監視端末、50…会計機、60…情報端末、131…購買商品ファイル、132…取引ファイル、321…購買商品リスト、331…状態テーブル、515…釣銭機インターフェース、517、616…タッチパネル、518、617…スキャナ、519、618…リーダ、520…プリンタ、614…タイマ、615…無線ユニット、619…カメラ、C…カート(ショッピングカート)、TM…タブレット端末。