(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】医療用制御装置及び医療用観察システム
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20250109BHJP
A61B 3/13 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61F9/007 200C
A61B3/13
(21)【出願番号】P 2021011862
(22)【出願日】2021-01-28
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加戸 正隆
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-130607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0075100(US,A1)
【文献】米国特許第06099522(US,A)
【文献】国際公開第2019/197951(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61B 3/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼を撮像する撮像装置にて生成された画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、
前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備え
、
前記状態制御部は、
前記撮像視野を制御することで前記表示用の画像内の特定位置に前記被検眼の中心位置が位置する状態を維持する医療用制御装置。
【請求項2】
前記状態制御部は、
前記撮像画像に含まれる前記被検眼における構造的特徴に基づいて前記被検眼の中心位置を認識する請求項
1に記載の医療用制御装置。
【請求項3】
前記被検眼における構造的特徴は、
前記被検眼における瞳孔の輪郭、虹彩の輪郭、虹彩の模様、及び強膜の血管形状の少なくともいずれかである請求項
2に記載の医療用制御装置。
【請求項4】
前記状態制御部は、
前記表示用の画像の中心位置と前記表示用の画像に含まれる前記被検眼の中心位置との位置関係に基づいて、前記撮像視野を制御する請求項
1~
3のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
【請求項5】
前記状態制御部は、
前記撮像視野の制御では、前記撮像装置から前記被検眼に向かう観察光軸に直交する平面内で前記撮像装置を移動させる請求項
1~
4のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
【請求項6】
被検眼を撮像する撮像装置にて生成された画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、
前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備え、
前記表示用の画像内での前記被検眼の状態は、
前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさであ
る医療用制御装置。
【請求項7】
前記状態制御部は、
前記撮像視野を制御することで前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさが特定の大きさとなる状態を維持する請求項
6に記載の医療用制御装置。
【請求項8】
前記状態制御部は、
前記撮像視野の制御では、前記撮像装置から前記被検眼に向かう観察光軸に沿う方向に前記撮像装置を移動させる請求項
7に記載の医療用制御装置。
【請求項9】
前記状態制御部は、
前記撮像視野の制御では、前記撮像装置に含まれるズームレンズによる拡大倍率を変更させる請求項
7に記載の医療用制御装置。
【請求項10】
前記画像生成部は、
前記撮像画像の一部の領域を切り出して拡大することで前記表示用の画像を生成し、
前記状態制御部は、
前記画像生成部における前記一部の領域の拡大率を制御することで前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさが特定の大きさとなる状態を維持する請求項
6に記載の医療用制御装置。
【請求項11】
被検眼を撮像する撮像装置にて生成された画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、
前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備え、
前記状態制御部は、
前記画像生成部の動作を制御することで前記表示用の画像内の特定位置に前記被検眼の中心位置が位置する状態を維持す
る医療用制御装置。
【請求項12】
前記状態制御部は、
前記撮像画像に含まれる前記被検眼における構造的特徴に基づいて前記被検眼の中心位置を認識する請求項
11に記載の医療用制御装置。
【請求項13】
前記被検眼における構造的特徴は、
前記被検眼における瞳孔の輪郭、虹彩の輪郭、虹彩の模様、及び強膜の血管形状の少なくともいずれかである請求項
12に記載の医療用制御装置。
【請求項14】
前記画像生成部は、
前記撮像画像の一部の領域を切り出して前記表示用の画像を生成し、
前記状態制御部は、
前記画像生成部の動作を制御することで前記一部の領域の切り出し位置を変更させる請求項
11~
13のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
【請求項15】
前記状態制御部は、
前記表示用の画像の中心位置と前記表示用の画像に含まれる前記被検眼の中心位置との位置関係に基づいて、前記一部の領域の切り出し位置を変更させる請求項
14に記載の医療用制御装置。
【請求項16】
前記特定の術具は、
白内障手術に用いられる術具であって、ポートの作成に用いられる第1の術具と、前嚢の切開に用いられる第2の術具と、ハイドロダイセクションに用いられる第3の術具と、水晶体核の処理に用いられる第4の術具と、眼内レンズの挿入に用いられる第5の術具との少なくともいずれかの術具である請求項1~
15のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
【請求項17】
被検眼を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置にて生成された画像信号を処理する医療用制御装置とを備え、
前記医療用制御装置は、
前記画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、
前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備え
、
前記状態制御部は、
前記撮像視野を制御することで前記表示用の画像内の特定位置に前記被検眼の中心位置が位置する状態を維持する医療用観察システム。
【請求項18】
被検眼を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置にて生成された画像信号を処理する医療用制御装置とを備え、
前記医療用制御装置は、
前記画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、
前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備え、
前記表示用の画像内での前記被検眼の状態は、
前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさである医療用観察システム。
【請求項19】
被検眼を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置にて生成された画像信号を処理する医療用制御装置とを備え、
前記医療用制御装置は、
前記画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、
前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、
前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備え、
前記状態制御部は、
前記画像生成部の動作を制御することで前記表示用の画像内の特定位置に前記被検眼の中心位置が位置する状態を維持する医療用観察システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用制御装置及び医療用観察システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白内障手術等の眼の手術に用いられる医療用観察システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の医療用観察システムでは、撮像装置にて被検眼を撮像することで得られた撮像画像を表示装置に表示させる。そして、医師は、当該表示装置に表示された撮像画像を確認しながら、手術を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示装置における画面内での被検眼の中心位置が移動する状況としては、例えば、医師による特定の手技で被検眼に圧力が加わった第1の場合や、患者が姿勢を変更した、あるいは、患者が視線を移動した第2の場合が想定される。
ここで、上述した第1の場合には、特定の手技が終われば被検眼に加わる圧力がなくなり画面内での被検眼の中心位置が元の位置に戻る。このため、上述した第1の場合には、医師は、医療用観察システムを操作して撮像視野を変更することで画面内での被検眼の中心位置を変更する必要がない。一方、上述した第2の場合には、医師は、医療用観察システムを操作して撮像視野を変更することで画面内での被検眼の中心位置を適切な位置に変更する煩雑な作業が必要となる。
そこで、上述した煩雑な作業を不要とし、利便性を向上させることができる技術が要望されている。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、利便性を向上させることができる医療用制御装置及び医療用観察システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る医療用制御装置は、被検眼を撮像する撮像装置にて生成された画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備える。
【0007】
また、本開示に係る医療用観察システムは、被検眼を撮像する撮像装置と、前記撮像装置にて生成された画像信号を処理する医療用制御装置とを備え、前記医療用制御装置は、前記画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る医療用制御装置及び医療用観察システムによれば、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る医療用観察システムの構成を説明する図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る医療用観察システムの構成を説明する図である。
【
図3A】
図3Aは、白内障手術で用いられる術具を説明する図である。
【
図3B】
図3Bは、白内障手術で用いられる術具を説明する図である。
【
図3C】
図3Cは、白内障手術で用いられる術具を説明する図である。
【
図3D】
図3Dは、白内障手術で用いられる術具を説明する図である。
【
図3E】
図3Eは、白内障手術で用いられる術具を説明する図である。
【
図4】
図4は、制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、撮像画像に特定の術具が含まれている場合での撮像視野の変化を説明する図である。
【
図6】
図6は、撮像画像に特定の術具が含まれていない場合での撮像視野の変化を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0011】
〔医療用観察システムの概略構成〕
図1及び
図2は、実施の形態に係る医療用観察システム1の構成を説明する図である。具体的に、
図1は、医療用観察システム1の外観構成を示す図である。
図2は、医療用観察システム1の構成を示すブロック図である。
医療用観察システム1は、患者用ベッドBD(
図1)に横たわった状態の患者の眼(以下、被検眼と記載)の手術に用いられるシステムである。この医療用観察システム1は、
図1または
図2に示すように、手術顕微鏡2と、表示装置3と、入力装置4と、制御装置5とを備える。
【0012】
手術顕微鏡2は、制御装置5による制御の下、被検眼を撮像する。この手術顕微鏡2は、
図1または
図2に示すように、光源装置21(
図2)と、顕微鏡部22と、ベース部23(
図1)と、支持部24(
図1)と、駆動部25(
図2)とを備える。
光源装置21は、制御装置5による制御の下、被検眼を照射する照明光を供給する。
顕微鏡部22は、本開示に係る撮像装置に相当する。この顕微鏡部22は、
図1または
図2に示すように、観察光学系221(
図2)と、接眼レンズ222と、撮像部223(
図2)とを備える。
【0013】
観察光学系221は、対物レンズ2211(
図1,
図2)、レンズユニット2212(
図2)、及びハーフミラー2213(
図2)を備え、被検眼から反射された光を接眼レンズ222及び撮像部223にそれぞれ導く。すなわち、被検眼から反射された光は、対物レンズ2211及びレンズユニット2212を介してハーフミラー2213に入射する。そして、ハーフミラー2213に入射した光のうちの略半分は、当該ハーフミラー2213を透過し、接眼レンズ222に入射する。一方、ハーフミラー2213に入射した光の残りの光は、ハーフミラー2213で反射され、撮像部223に入射する。
【0014】
ここで、レンズユニット2212は、ズームレンズ2214(
図2)を含む。
ズームレンズ2214は、1または複数のレンズを用いて構成され、光軸Ax(
図2)に沿って移動することにより画角を調整する。当該光軸Axは、
図1中、上下方向に延在する軸である。すなわち、当該光軸Axは、顕微鏡部22から被検眼に向かう軸であり、本開示に係る観察光軸に相当する。
また、レンズユニット2212には、ズームレンズ2214を光軸Axに沿って移動させる光学ズーム機構(図示略)が設けられている。
【0015】
接眼レンズ222は、観察光学系221から入射された光を集光して、被検眼の光学像を結像させる。これにより、接眼レンズ222を覗いている術者は、当該被検眼の光学像を観察することができる。
撮像部223は、観察光学系221から入射された光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を含む。そして、撮像部223は、制御装置5による制御の下、撮像することで被検眼を含む画像信号を生成する。
【0016】
ベース部23は、手術顕微鏡2の基台であり、キャスター231(
図1)を介して床面上を移動可能に構成されている。
支持部24は、ベース部23から延在し、先端(ベース部23から離間した端部)にて顕微鏡部22を支持する。この支持部24は、
図1に示すように、XYステージ241と、XY移動部242と、Z移動部243とを備える。
【0017】
XYステージ241は、XY移動部242をX方向及びY方向に沿ってそれぞれ移動可能に支持する。ここで、当該X方向及びY方向は、光軸Axに直交する平面にそれぞれ沿う方向であり、互いに直交する。
XY移動部242は、XYステージ241に対してX方向及びY方向に沿ってそれぞれ移動可能とする部分である。また、XY移動部242は、Z移動部243をZ軸に沿って移動可能に支持する。ここで、当該Z方向は、光軸Axに沿う方向(
図1中、上下方向)であり、X方向及びY方向にそれぞれ直交する。
Z移動部243は、XY移動部242に対してZ方向に沿って移動可能とする部分である。そして、Z移動部243は、顕微鏡部22を支持する。
すなわち、XY移動部242を動作させることで、顕微鏡部22をX方向及びY方向にそれぞれ移動させることができる。また、Z移動部243を動作させることで、顕微鏡部22をZ方向に移動させることができる。
【0018】
駆動部25は、
図2に示すように、XY駆動部251と、Z駆動部252と、レンズ駆動部253とを備える。
XY駆動部251は、モータ等のアクチュエータであり、制御装置5による制御の下、XY移動部242を動作させ、顕微鏡部22をX方向及びY方向にそれぞれ移動させる。
Z駆動部252は、モータ等のアクチュエータであり、制御装置5による制御の下、Z移動部243を動作させ、顕微鏡部22をZ方向にそれぞれ移動させる。
レンズ駆動部253は、モータ等のアクチュエータであり、制御装置5による制御の下、上述した光学ズーム機構(図示略)を動作させ、画角を調整する。
【0019】
表示装置3は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、制御装置5による制御の下、当該制御装置5からの映像信号に基づく画像を表示する。
入力装置4は、マウス、キーボード、及びタッチパネル等の操作デバイスを用いて構成され、術者等のユーザによるユーザ操作を受け付ける。そして、入力装置4は、当該ユーザ操作に応じた操作信号を制御装置5に出力する。
【0020】
制御装置5は、本開示に係る医療用制御装置に相当する。この制御装置5は、手術顕微鏡2及び表示装置3の動作を統括的に制御する。この制御装置5は、
図2に示すように、通信部51と、画像処理部52と、制御部53と、記憶部54とを備える。
【0021】
通信部51は、手術顕微鏡2との間で通信を行うインターフェースであり、撮像部223にて生成された画像信号を受信するとともに、制御部53からの制御信号を送信する。
画像処理部52は、本開示に係る画像生成部に相当する。この画像処理部52は、通信部51にて受信した画像信号に対して画像処理を実行するとともに、当該画像信号に基づく撮像画像に応じた表示用の画像を表示装置3に表示するための表示用の映像信号を生成し、当該映像信号を表示装置3に出力する。
ここで、当該画像処理としては、通信部51にて受信した画像信号(デジタル信号)に対して、当該デジタル信号を増幅するデジタルゲインを乗算するデジタルゲイン処理、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、デモザイク処理、カラーマトリクス演算処理、ガンマ補正処理、輝度信号及び色差信号(Y,Cb/Cr信号)を生成するYC変換処理、拡大処理(電子ズーム)等を例示することができる。
【0022】
制御部53は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等で構成され、手術顕微鏡2及び表示装置3の動作を制御するとともに、制御装置5全体の動作を制御する。この制御部53は、本開示に係る判定部及び状態制御部としての機能を有する。なお、当該判定部及び状態制御部の機能については、後述する「制御装置の動作」において説明する。また、制御部53は、例えば、画像処理機能を有するIPコンバータとして構成されても構わない。この場合、制御部53は、手術顕微鏡2(映像ソース)から出力される映像をIP変換し、ネットワーク上に送信する映像ソース側のIPコンバータとして機能する。表示装置3には映像出力側のIPコンバータが設けられ、ネットワーク経由で送信された映像を表示装置3固有のフォーマットに変換して出力する。映像ソース側のIPコンバータはエンコーダとして機能し、映像出力側のIPコンバータはデコーダとして機能する。
記憶部54は、制御部53が実行するプログラムや、当該制御部53の処理に必要な情報等を記憶する。
【0023】
〔白内障手術について〕
ここで、制御装置5の動作を説明する前に、白内障手術について簡単に説明する。
図3Aないし
図3Eは、白内障手術で用いられる術具を説明する図である。
図3Aないし
図3Eにおいて、符号「100」は、被検眼を示している。また、符号「110」は、角膜を示している。さらに、符号「120」は、瞳孔を示している。
白内障手術では、術者は、ポート作成工程、前嚢切開工程、ハイドロダイセクション工程、水晶体核処理工程、及び眼内レンズ挿入工程の順に実施する。
ポート作成工程では、
図3Aに示すナイフT1が用いられる。当該ナイフT1は、本開示に係る第1の術具に相当する。そして、ポート作成工程において、術者は、被検眼100(
図3A)の角膜110をナイフT1にて切開し、ポート(創口)を作成する。
【0024】
前嚢切開工程は、CCC(Continuous Curvilinear Capsulorrhexis;連続環状嚢切開)と呼ばれる工程である。この前嚢切開工程では、
図3Bに示す先端が尖った攝子T2が用いられる。当該攝子T2は、本開示に係る第2の術具に相当する。そして、前嚢切開工程において、術者は、ポート作成工程にて作成したポートから攝子T2を挿入し、水晶体の前方部分、つまり前嚢部分を円形状に切開する。
【0025】
ハイドロダイセクション工程では、
図3Cに示すカニューレT3が用いられる。当該カニューレT3は、本開示に係る第3の術具に相当する。そして、ハイドロダイセクション工程では、術者は、ポート作成工程にて作成したポートを介して、水晶体嚢(水晶体を包んでいる皮)と水晶体皮質との間にカニューレT3の先端を差し込み、灌流液を流す。これによって、水晶体嚢と水晶体皮質とが分離される。
【0026】
水晶体核処理工程では、
図3Dに示す吸引管T4が用いられる。当該吸引管T4は、本開示に係る第4の術具に相当する。そして、水晶体核処理工程では、術者は、ポート作成工程にて作成したポートを介して、吸引管T4を挿入する。また、術者は、当該吸引管T4を介して核処理と呼ばれる超音波振動による水晶体の核の乳化(粉砕)と吸引とを行い、さらに皮質も吸引する。
【0027】
眼内レンズ挿入工程では、
図3Eに示すカートリッジT5が用いられる。当該カートリッジT5は、本開示に係る第5の術具に相当する。そして、眼内レンズ挿入工程では、先ず、術者は、眼内レンズをカートリッジT5に設置する。また、術者は、ポート作成工程にて作成したポートを介して、当該カートリッジT5を挿入し、当該カートリッジT5から眼内レンズを被検眼内に押し出して挿入する。
【0028】
〔制御装置の動作〕
次に、上述した制御装置5の動作について説明する。以下では、上述した白内障手術における制御部53の判定部としての機能と、制御部53の状態制御部としての機能とを主に説明する。
図4は、制御装置5の動作を示すフローチャートである。
図5ないし
図7は、制御装置5の動作を説明する図である。
先ず、通信部51は、撮像部223にて生成された画像信号を取得する(ステップS1)。そして、画像処理部52は、当該画像信号に対して画像処理を実行する。
【0029】
ステップS1の後、制御部53(判定部)は、ナイフT1、攝子T2、カニューレT3、吸引管T4、及びカートリッジT5のうち特定の術具T0(
図5参照)の使用状態を検出する術具検出処理を実行する(ステップS2)。なお、例示した術具以外の術具についても、術前に登録を行い、または学習することで術具検出処理において検出可能である。
本実施の形態では、制御部53(判定部)は、ステップS2において、例えば、パターンマッチングやAI(Artificial Intelligence)を用いた画像認識等の公知の手法を用いて、画像処理部52にて画像処理された後の画像信号に基づく撮像画像に特定の術具T0が含まれているか否かを判定する。当該特定の術具T0は、ナイフT1、攝子T2、カニューレT3、吸引管T4、及びカートリッジT5のうち少なくともいずれかの術具であり、例えば、ユーザによる入力装置4へのユーザ操作(設定入力)によって設定される。当該設定入力は、例えば、上述したポート作成工程、前嚢切開工程、ハイドロダイセクション工程、水晶体核処理工程、及び眼内レンズ挿入工程の各工程のいずれかの工程を選択すること(モード選択)であってもよく、当該いずれかの工程の選択により、当該いずれかの工程に対応する少なくともいずれかの術具が特定の術具T0として設定される。
【0030】
そして、ステップS2を実行し、撮像画像に特定の術具T0が含まれていると判定した場合(ステップS3:Yes)には、制御装置5は、ステップS1に戻る。
図5は、撮像画像C1に特定の術具T0が含まれている場合での撮像視野の変化を説明する図である。なお、
図5では、画像処理部52にて拡大処理が実施されておらず(ズーム倍率が1倍)、画像処理部52にて画像処理された後の撮像画像C1の全画像領域が表示用の画像として表示装置3の画面に表示されている状態を示している。
【0031】
例えば、
図5に示すように、撮像画像C1に特定の術具T0が含まれている場合には、制御部53は、後述するステップS4,S5を実行しない。すなわち、撮像画像C1内の特定位置P1から被検眼100の中心位置P2が移動しても(
図5(b))、撮像視野が変化せず、特定位置P1から中心位置P2がずれた状態のままとなる(
図5(c))。なお、
図5では、特定位置P1を撮像画像C1の中心位置(表示装置3の画面中心)としているがこれに限らず、その他の位置としても構わない。
図6及び
図7でも同様である。
【0032】
一方、ステップS2を実行し、撮像画像に特定の術具T0が含まれていないと判定した場合(ステップS3:No)には、制御部53は、ステップS4,S5を順に実行する。
図6は、撮像画像C1に特定の術具T0が含まれていない場合での撮像視野の変化を説明する図である。なお、
図6では、ナイフT1、攝子T2、カニューレT3、吸引管T4、及びカートリッジT5の全ての術具が撮像画像C1に含まれていない場合を例示している。また、
図6では、
図5と同様に、画像処理部52にて拡大処理が実施されておらず(ズーム倍率が1倍)、画像処理部52にて画像処理された後の撮像画像C1の全画像領域が表示用の画像として表示装置3の画面に表示されている状態を示している。
【0033】
例えば、
図6に示すように、撮像画像C1に特定の術具T0が含まれていない場合には、制御部53(状態制御部)は、ステップS4を実行する。
図7は、ステップS4を説明する図である。具体的に、
図7は、
図6(b)に対応した図である。
具体的に、制御部53(状態制御部)は、ステップS4において、撮像画像C1に含まれる被検眼100における構造的特徴から少なくとも1つの特徴点を抽出する。例えば、制御部53(状態制御部)は、被検眼100における瞳孔120の輪郭、虹彩の輪郭(角膜110の輪郭)、虹彩の模様、及び強膜の血管形状の少なくともいずれかに基づいて、少なくとも1つの特徴点を抽出する。そして、制御部53(状態制御部)は、当該少なくとも1つの特徴点に基づいて被検眼100の中心位置P2を認識する。また、制御部53(状態制御部)は、撮像画像C1内の特定位置P1と被検眼100の中心位置P2との位置関係(ずれ量D1(
図7)及びずれ方向D2(
図7))に基づいて、当該特定位置P1に中心位置P2が位置する状態とするために必要な顕微鏡部22のX方向及びY方向への移動量及び移動方向を算出する。
【0034】
ステップS4の後、制御部53(状態制御部)は、ステップS5を実行する。
具体的に、制御部53(状態制御部)は、ステップS5において、XY駆動部251を介してXY移動部242を動作させ、ステップS4で算出した移動量及び移動方向に顕微鏡部22を移動させる。
これにより、撮像画像C1内の特定位置P1から被検眼100の中心位置P2が移動すると(
図6(b))、当該特定位置P1に中心位置P2が位置する状態を維持するように撮像視野が変化する(
図6(c))。
【0035】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る制御装置5は、撮像画像C1に特定の術具T0が含まれていないと判定した場合にのみ、当該撮像画像C1(表示用の画像)内での被検眼100の状態を維持するように、撮像視野を制御する。より具体的に、制御装置5は、当該場合にのみ、顕微鏡部22をX方向及びY方向に移動させて撮像視野を制御することで、当該撮像画像C1内の特定位置P1に被検眼100の中心位置P2が位置する状態を維持する。
このため、例えば、特定の術具T0がナイフT1である場合には、上述した撮像視野の制御を実行しなくても、ポートの作成が終われば当該ナイフT1から被検眼100に加わる圧力がなくなり、撮像画像C1内の被検眼100の中心位置P2が元の位置に戻る。一方、患者が姿勢を変更した、あるいは、患者が視線を移動した場合には、自動的に上述した撮像視野の制御が実行されるため、術者は、医療用観察システム1(XY移動部242)を操作して撮像視野を変更する煩雑な作業をする必要がない。
したがって、本実施の形態に係る制御装置5によれば、必要な場合にのみ上述した撮像視野の制御を実行し、利便性を効果的に向上させることができる。
【0036】
また、本実施の形態に係る制御装置5は、撮像画像C1に含まれる被検眼100における瞳孔120の輪郭、角膜110の輪郭(虹彩の輪郭)、虹彩の模様、及び強膜の血管形状の少なくともいずれかに基づいて被検眼100の中心位置を認識する。このため、上述した撮像視野の制御を精度良く実行することができる。
【0037】
また、本実施の形態に係る制御装置5は、撮像画像C1内の特定位置P1(表示用の画像の中心位置)と被検眼100の中心位置P2との位置関係に基づいて、上述した撮像視野の制御を実行する。このため、簡単な演算を利用して上述した撮像視野の制御を精度良く実行することができる。
【0038】
(その他の実施の形態)
ここまで、本開示を実施するための形態を説明してきたが、本開示は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態では、制御部53は、撮像視野を制御することで表示用の画像内の特定位置(撮像画像C1内の特定位置P1)に被検眼100の中心位置P2が位置する状態を維持していたが、これに限らない。
例えば、制御部53は、画像処理部52の動作を制御することで表示用の画像内の特定位置に被検眼100の中心位置P2が位置する状態を維持しても構わない。具体的に、画像処理部52が実行する拡大処理(電子ズーム)は、撮像画像C1における全画像領域のうち一部の矩形領域(指定されたズーム倍率に応じた矩形領域)を当該撮像画像C1から切り出し、当該ズーム倍率で当該矩形領域の画像を拡大する処理である。そして、制御部53は、画像処理部52の動作を制御することで当該一部の領域の切り出し位置を変更させ、表示用の画像内の特定位置に被検眼100の中心位置P2が位置する状態を維持する。なお、この際にも、被検眼100の中心位置P2を認識する手法は、上述した実施の形態1で説明した手法(瞳孔120の輪郭等を利用する手法)を採用することができる。また、制御部53は、上述した実施の形態1と同様に、表示用の画像の中心位置と被検眼100の中心位置P2との位置関係(ずれ量D1及びずれ方向D2)に基づいて、当該一部の領域の切り出し位置を変更させる。
【0039】
また、例えば、制御部53は、撮像視野を制御することで表示用の画像内での被検眼100の大きさが特定の大きさとなる状態を維持しても構わない。具体的に、制御部53は、Z駆動部252を介してZ移動部243を動作させる、または、レンズ駆動部253を介してズームレンズ2214を光軸Axに沿って移動させることで、表示用の画像内での被検眼100の大きさが特定の大きさとなる状態を維持する。また、制御部53は、画像処理部52の動作を制御することで表示用の画像内での被検眼100の大きさが特定の大きさとなる状態を維持しても構わない。例えば、画像処理部52が実行する拡大処理(電子ズーム)において、ズーム倍率(拡大率)を変更することで表示用の画像内での被検眼100の大きさが特定の大きさとなる状態を維持する。これにより、例えば、患者が姿勢を変更することで表示用の画像内での被検眼100の大きさが変化するような状況であっても、常時、当該大きさを一定とすることができる。このため、術者は、表示用の画像を確認しつつ、白内障手術等を円滑に実施することができる。
さらに、例えば、手術顕微鏡2が光軸Axを傾けることが可能な構成であれば、当該光軸Axを傾ける(撮像視野を制御する)ことで表示用の画像内の特定位置に被検眼100の中心位置P2が位置する状態を維持しても構わない。
【0040】
上述した実施の形態では、白内障手術を例示していたが、本開示に係る医療用観察システム1は、網膜硝子体手術等、他の眼の手術にも勿論、適用可能である。
【0041】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)被検眼を撮像する撮像装置にて生成された画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備える医療用制御装置。
(2)前記状態制御部は、前記撮像視野を制御することで前記表示用の画像内の特定位置に前記被検眼の中心位置が位置する状態を維持する前記(1)に記載の医療用制御装置。
(3)前記状態制御部は、前記撮像画像に含まれる前記被検眼における構造的特徴に基づいて前記被検眼の中心位置を認識する前記(2)に記載の医療用制御装置。
(4)前記被検眼における構造的特徴は、前記被検眼における瞳孔の輪郭、虹彩の輪郭、虹彩の模様、及び強膜の血管形状の少なくともいずれかである前記(3)に記載の医療用制御装置。
(5)前記状態制御部は、前記表示用の画像の中心位置と前記表示用の画像に含まれる前記被検眼の中心位置との位置関係に基づいて、前記撮像視野を制御する前記(2)~(4)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(6)前記状態制御部は、前記撮像視野の制御では、前記撮像装置から前記被検眼に向かう観察光軸に直交する平面内で前記撮像装置を移動させる前記(2)~(5)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(7)前記表示用の画像内での前記被検眼の状態は、前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさである前記(1)に記載の医療用制御装置。
(8)前記状態制御部は、前記撮像視野を制御することで前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさが特定の大きさとなる状態を維持する前記(7)に記載の医療用制御装置。
(9)前記状態制御部は、前記撮像視野の制御では、前記撮像装置から前記被検眼に向かう観察光軸に沿う方向に前記撮像装置を移動させる前記(8)に記載の医療用制御装置。
(10)前記状態制御部は、前記撮像視野の制御では、前記撮像装置に含まれるズームレンズによる拡大倍率を変更させる前記(8)に記載の医療用制御装置。
(11)前記画像生成部は、前記撮像画像の一部の領域を切り出して拡大することで前記表示用の画像を生成し、前記状態制御部は、前記画像生成部における前記一部の領域の拡大率を制御することで前記表示用の画像内での前記被検眼の大きさが特定の大きさとなる状態を維持する前記(7)に記載の医療用制御装置。
(12)前記状態制御部は、前記画像生成部の動作を制御することで前記表示用の画像内の特定位置に前記被検眼の中心位置が位置する状態を維持する前記(1)に記載の医療用制御装置。
(13)前記状態制御部は、前記撮像画像に含まれる前記被検眼における構造的特徴に基づいて前記被検眼の中心位置を認識する前記(12)に記載の医療用制御装置。
(14)前記被検眼における構造的特徴は、前記被検眼における瞳孔の輪郭、虹彩の輪郭、虹彩の模様、及び強膜の血管形状の少なくともいずれかである前記(13)に記載の医療用制御装置。
(15)前記画像生成部は、前記撮像画像の一部の領域を切り出して前記表示用の画像を生成し、前記状態制御部は、前記画像生成部の動作を制御することで前記一部の領域の切り出し位置を変更させる前記(12)~(14)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(16)前記状態制御部は、前記表示用の画像の中心位置と前記表示用の画像に含まれる前記被検眼の中心位置との位置関係に基づいて、前記一部の領域の切り出し位置を変更させる前記(15)に記載の医療用制御装置。
(17)前記特定の術具は、白内障手術に用いられる術具であって、ポートの作成に用いられる第1の術具と、前嚢の切開に用いられる第2の術具と、ハイドロダイセクションに用いられる第3の術具と、水晶体核の処理に用いられる第4の術具と、眼内レンズの挿入に用いられる第5の術具との少なくともいずれかの術具である前記(1)~(16)のいずれか1つに記載の医療用制御装置。
(18)被検眼を撮像する撮像装置と、前記撮像装置にて生成された画像信号を処理する医療用制御装置とを備え、前記医療用制御装置は、前記画像信号に基づく撮像画像に特定の術具が含まれているか否かを判定する判定部と、前記画像信号に基づいて表示用の画像を生成する画像生成部と、前記判定部にて前記撮像画像に前記特定の術具が含まれていないと判定された場合に、前記表示用の画像内での前記被検眼の状態を維持するように、前記画像生成部の動作、または前記撮像装置による撮像視野を制御する状態制御部とを備える医療用観察システム。
【符号の説明】
【0042】
1 医療用観察システム
2 手術顕微鏡
3 表示装置
4 入力装置
5 制御装置
21 光源装置
22 顕微鏡部
23 ベース部
24 支持部
25 駆動部
51 通信部
52 画像処理部
53 制御部
54 記憶部
100 被検眼
110 角膜
120 瞳孔
221 観察光学系
222 接眼レンズ
223 撮像部
231 キャスター
241 XYステージ
242 XY移動部
243 Z移動部
251 XY駆動部
252 Z駆動部
253 レンズ駆動部
2211 対物レンズ
2212 レンズユニット
2213 ハーフミラー
2214 ズームレンズ
Ax 光軸
BD 患者用ベッド
C1 撮像画像
D1 ずれ量
D2 ずれ方向
P1 撮像画像内の特定位置
P2 被検眼の中心位置
T0 特定の術具
T1 ナイフ
T2 攝子
T3 カニューレ
T4 吸引管
T5 カートリッジ