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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20250109BHJP
   G06F 16/909 20190101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06F16/909
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021026453
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022128108
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
(72)【発明者】
【氏名】日高 詩織
(72)【発明者】
【氏名】坂口 拓司
(72)【発明者】
【氏名】畠 肇
(72)【発明者】
【氏名】見村 麻智
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-042006(JP,A)
【文献】特開2017-194780(JP,A)
【文献】特開2019-139795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/909
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて記憶部に蓄積する蓄積手段と、
ユーザ端末から指定された商品を販売している店舗を、前記記憶部から検索し、検索された店舗を示す店舗情報を前記ユーザ端末に送信する検索手段と、
前記検索手段によって検索された店舗の位置の情報を取得する第1の取得手段と、
前記ユーザ端末の位置である端末位置の情報または前記ユーザ端末から指定された位置である指定位置の情報を受信する第1の受信手段と、
を備え、
前記検索手段は、前記端末位置の情報または前記指定位置の情報に基づいて、前記端末位置の情報または前記指定位置の情報によって示される位置から一定距離内に存在する店舗を前記検索された店舗から抽出し、抽出された店舗の位置の情報と、前記抽出された店舗での前記商品の購入履歴とを前記ユーザ端末に送信する、情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部に記憶される前記購買店舗の情報と前記購買商品の情報は、各消費者の商品購入履歴情報を基に作成されたものである、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記商品購入履歴情報から少なくとも個人情報及び前記商品の販売価格を削除することで匿名化した匿名化商品購入履歴情報を取得し、取得した匿名化商品購入履歴情報を前記蓄積手段により前記記憶部に蓄積する第2の取得手段を更に備える、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の取得手段は、
前記各消費者の前記商品購入履歴情報を管理する管理装置から前記商品購入履歴情報を取得し、取得した前記商品購入履歴情報から前記匿名化商品購入履歴情報を生成する生成手段、または、
前記管理装置が前記商品購入履歴情報から生成した前記匿名化商品購入履歴情報を受信する第2の受信手段、
を備える、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて記憶部に蓄積する蓄積手段、
ユーザ端末から指定された商品を販売している店舗を、前記記憶部から検索し、検索された店舗を示す店舗情報を前記ユーザ端末に送信する検索手段、
前記検索手段によって検索された店舗の位置の情報を取得する第1の取得手段
前記ユーザ端末の位置である端末位置の情報または前記ユーザ端末から指定された位置である指定位置の情報を受信する第1の受信手段
として機能させ
前記検索手段は、前記端末位置の情報または前記指定位置の情報に基づいて、前記端末位置の情報または前記指定位置の情報によって示される位置から一定距離内に存在する店舗を前記検索された店舗から抽出し、抽出された店舗の位置の情報と、前記抽出された店舗での前記商品の購入履歴とを前記ユーザ端末に送信する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、小売店舗では、商品の品揃え変更や改廃が多く発生する。店舗の広告担当者は、新商品情報をメーカや卸売業者から入手することができる。そして、広告担当者は、その入手した新商品情報を、店舗内に掲示する等の手法により、来店した消費者に告知している。
【0003】
このような店舗内告知は、来店した消費者を対象とした店舗内での販売促進効果しかない。そこで、広告担当者は、新商品に関する情報を来店する動機として生かすために、新商品情報を、店舗ホームページやソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNSと略記する。)等で発信している。このような発信は、適切なタイミングで行うことが重要である。
【0004】
新商品に限らず話題になるような商品を取り扱っているかどうか知るためには、流行を追跡することが必要である。しかしながら、これには非常に労力がかかる。そのため、新商品や話題商品の在庫が存在するにもかかわらず適切なアピールをし損なってしまうことがある。これにより、新商品や話題商品の販売機会を逃してしまうこととなる。
【0005】
また、消費者においても、テレビや雑誌、SNS等で取り上げられた新商品や話題商品が、どの店舗で販売されているか、自身が利用する店舗で取り扱っているのかどうか、を知ることが難しい。消費者が新商品や話題商品を購入しようと店舗に出向いたとしても、その店舗にその商品があるとは限らず、近隣の店舗を何店も探し回らなければならなくなる場合も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-25997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、店舗で管理しなくても当該店舗で取り扱っている商品を容易にアピールできるようにする情報処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の情報処理装置は、蓄積手段と検索手段と第1の取得手段と第1の受信手段とを備える。蓄積手段は、購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて、記憶部に蓄積する。検索手段は、ユーザ端末から指定された商品を販売している店舗を、記憶部から検索し、検索された店舗を示す店舗情報を前記ユーザ端末に送信する。第1の取得手段は、検索手段によって検索された店舗の位置の情報を取得する。第1の受信手段は、ユーザ端末の位置である端末位置の情報またはユーザ端末から指定された位置である指定位置の情報を受信する。検索手段は、端末位置の情報または指定位置の情報に基づいて、端末位置の情報または指定位置の情報によって示される位置から一定距離内に存在する店舗を検索された店舗から抽出し、抽出された店舗の位置の情報と、抽出された店舗での商品の購入履歴とを前記ユーザ端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る情報処理装置としての検索サービスサーバを含む情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、検索サービスサーバの要部回路構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1中の電子レシートサーバが備える履歴データベースの蓄積内容の一例を示す模式図である。
図4図4は、検索サービスサーバが備える匿名化購買履歴データベースの蓄積内容の一例を示す模式図である。
図5図5は、検索サービスサーバが備える店舗データベースの蓄積内容の一例を示す模式図である。
図6図6は、検索サービスサーバが備える条件テーブルの記載内容の一例を示す模式図である。
図7図7は、図2に示される検索サービスサーバのプロセッサによる情報処理のフローチャートである。
図8図8は、図1中のユーザ端末における検索画面の一例を示す図である。
図9図9は、ユーザ端末における検索結果画面の一例を示す図である。
図10図10は、ユーザ端末におけるランキング画面の一例を示す図である。
図11図11は、ユーザ端末における詳細画面の一例を示す図である。
図12図12は、ユーザ端末におけるSNS画面の一例を示す図である。
図13図13は、ユーザ端末におけるブログ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、情報処理装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置としての検索サービスサーバ1を含む情報提供システムの概略構成を示すブロック図である。この情報提供システムは、検索サービスサーバ1に加えて、ユーザ端末UTと、店舗登録装置REGと、電子レシートサーバERSと、SNSサーバSNSSと、ブログサービスサーバBSSと、を含む。これら検索サービスサーバ1、ユーザ端末UT、店舗登録装置REG、電子レシートサーバERS、SNSサーバSNSS及びブログサービスサーバBSSは、通信ネットワークNWを介してデータの送受信が可能である。なお、図1では、図面の簡略化のために、ユーザ端末UTを2つしか示していない。しかしながら、情報提供システムは、2以上の多数のユーザ端末UTを含んで構成してもよい。また、同様の理由で図1では、ユーザ端末UT、店舗登録装置REG、SNSサーバSNSS及びブログサービスサーバBSSを、それぞれ1つずつしか示していない。しかしながら、情報提供システムは、それぞれを複数台含んで構成してもよい。
【0011】
ユーザ端末UTは、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の情報端末である。ユーザ端末UTのユーザは、消費者、店舗の広告担当者、SNSで情報を発信する者、等の様々なユーザを含む。
【0012】
店舗登録装置REGは、小売店舗毎に少なくとも1台設置される。店舗登録装置REGは、消費者が購入する商品の登録処理及び決済処理を行う装置であり、例えば、POS端末である。店舗登録装置REGは、決済処理の終了後、商取引データに基づく電子レシート情報を、通信ネットワークNWを介して電子レシートサーバERSへ送信することができる。電子レシート情報は、電子レシートシステムを利用する電子レシート会員を特定する識別情報に紐付けて、購入日時、購入商品、購入個数、価格、購入店舗、等の情報を含む。
【0013】
電子レシートサーバERSは、電子レシートサービスを提供する情報処理装置である。電子レシートサーバERSは、履歴データベースHDB及び店舗データベースSDBを含む様々なデータベースを有する。履歴データベースHDBは、受信した店舗登録装置REGからの電子レシート情報を、商品購入履歴情報として蓄積する。電子レシートサーバERSは、電子レシート会員からの電子レシート照会の問合せに応じて、この履歴データベースHDBに蓄積している当該電子レシート会員についての電子レシート情報を抽出することができる。電子レシートサーバERSは、抽出した電子レシート情報を、その電子レシート会員に関して予め登録されたユーザ端末UTに送信する。また、店舗データベースSDBは、位置情報等、電子レシートサービスを提供する店舗についての情報を記憶している。
【0014】
SNSサーバSNSSは、ソーシャルネットワーキングサービスを提供する情報処理装置である。また、ブログサービスサーバBSSは、ウェブブログサービスを提供する情報処理装置である。
【0015】
検索サービスサーバ1は、商品の検索サービスを提供する本実施形態に係る情報処理装置である。検索サービスサーバ1は、ユーザ端末UTから指定された商品を販売している店舗を検索する。
【0016】
図2は、検索サービスサーバ1の要部回路構成を示すブロック図である。
検索サービスサーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13、通信ユニット14及びシステム伝送路15を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び通信ユニット14とは、システム伝送路15を介して通信可能とされている。そして、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶ユニット13がシステム伝送路15により接続されていることによって、ユーザ端末UTを制御するためのコンピュータが構成される。
【0017】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従って、検索サービスサーバ1としての各種の機能を実現するための情報処理を実行する。プロセッサ11は、例えばCPU(central processing unit)である。CPUは、マルチコア及びマルチスレッドのものを用いることで、同時に複数の情報処理を実行することができる。また、プロセッサ11は、複数のCPUを備えていても良い。なお、プロセッサ11が実行する情報処理の少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)、GPU(Graphics Processing Unit)などの集積回路を含む、他の多様なハードウェア回路の形式で実現されても良い。
【0018】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が情報処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(read only memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(random access memory)である。
【0019】
補助記憶ユニット13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット13としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、或いはSSD(solid state drive)等の周知の記憶デバイスを用いた記憶ユニットを利用できる。補助記憶ユニット13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、或いはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶ユニット13は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0020】
通信ユニット14は、通信ネットワークNWを介したデータ通信のインタフェースである。通信ユニット14としては、例えば周知のインターネット接続デバイスを適用できる。
【0021】
システム伝送路15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0022】
なお、補助記憶ユニット13は、情報処理プログラムの1つである検索プログラムPRを記憶する。検索プログラムPRは、検索サービスサーバ1としての機能を実現するための情報処理について記述されている。
【0023】
また、補助記憶ユニット13の記憶領域の一部は、匿名化購買履歴データベースDB1、店舗データベースDB2及び条件テーブルTBとして使用される。
【0024】
匿名化購買履歴データベースDB1は、購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて記憶する記憶部である。具体的には、匿名化購買履歴データベースDB1は、匿名化購買履歴情報を蓄積する。匿名化購買履歴情報は、購買店舗と購買商品とを結び付けた検索用情報である。匿名化購買履歴情報は、電子レシートサーバERSの履歴データベースHDBに蓄積された商品購入履歴情報から作成されることができる。
【0025】
図3は、電子レシートサーバERSが備える履歴データベースHDBの蓄積内容の一例を示す模式図である。履歴データベースHDBは、電子レシート情報における1つの購入商品を1レコードとして、消費者による商品購入履歴情報を蓄積する。各レコードは、電子レシート会員を特定する識別情報であるSRID、購入日時、購入商品の識別コードであるJAN/CC、購入商品の商品分類、購入商品の商品名、購入個数、単価、及び、購入店舗の店舗名を含む。なお、JANは、JANコードである。また、CCは、地域毎にJANコードが統一されていない生鮮商品等に付与される、統一のカテゴリコードである。
【0026】
履歴データベースHDBに蓄積される商品購入履歴情報は、誰がどの商品を幾つ購入したかを判別可能な情報である。更に、商品購入履歴情報は、各店舗が同一商品を幾らで販売しているかを判別可能な情報である。このような情報は、消費者または店舗にとっての秘密情報である。秘密情報とは、例えば、商品を購入した消費者(電子レシート会員)を特定する情報である識別情報SRIDと紐づいた購買情報(例えば、購入日時、購入商品の識別コードであるJAN/CC、購入商品の商品分類、購入商品の商品名、購入個数、単価、及び、購入店舗の店舗名)を意味する。また、例えば、店舗にとっての秘密情報は、少なくとも店舗の購入店舗の店舗名と、商品の商品名と、購入商品の識別コードと、当該商品の実際の販売価格と、が紐づいた情報を意味する。
【0027】
そこで、検索サービスサーバ1において検索に使用する検索用データは、このような秘密情報から消費者を特定する識別情報SRIDを削除した匿名化購買履歴情報として、匿名化購買履歴データベースDB1に蓄積する。図4は、検索サービスサーバ1が備える匿名化購買履歴データベースDB1の蓄積内容の一例を示す模式図である。匿名化購買履歴データベースDB1は、履歴データベースHDBにおける各レコードに対応するレコードを有する匿名化購買履歴情報を蓄積する。各レコードは、購買日時、購買商品のJAN/CC、購買商品の商品分類、購買商品の商品名、及び、購買店舗の店舗名を含む。すなわち、匿名化購買履歴情報とは、消費者個人を特定する識別情報SRIDが削除された情報であって、個々の消費者が購入した購入商品に関する情報とは紐づかない情報である。また、店舗にとっての匿名化購買履歴情報は、店舗にとっての秘密情報から、商品の実際の販売価格を削除した情報を意味する。すなわち、匿名化購買履歴情報とは、店舗が販売している商品の実際の販売価格を、当該商品を販売している店舗名とは紐づかない情報である。
【0028】
匿名化購買履歴データベースDB1の構築手法としては、次の2つがある。
【0029】
1つ目は、電子レシート会員を特定する識別情報であるSRID、または、商品の実際の販売価格を電子レシートサーバERSにおいて削除する手法である。すなわち、電子レシートサーバERSにおいて商品購入履歴情報から、電子レシート会員を特定する識別情報であるSRID、または、商品の実際の販売価格を削除する。そして、電子レシートサーバERSは、残りの情報を検索サービスサーバ1に送信する。検索サービスサーバ1は、受信した情報を匿名化購買履歴情報として匿名化購買履歴データベースDB1に登録する。ここで、商品購入履歴情報における購入日時が、匿名化購買履歴情報における購買日時として、匿名化購買履歴データベースDB1に登録される。商品購入履歴情報における購入商品のJAN/CCは、匿名化購買履歴情報における購買商品のJAN/CCとして、匿名化購買履歴データベースDB1に登録される。商品購入履歴情報における購入商品の商品分類及び商品名は、購買商品の商品分類及び商品名として、それぞれ、匿名化購買履歴データベースDB1に登録される。そして、商品購入履歴情報における購入店舗の店舗名が、購買店舗の店舗名として、匿名化購買履歴データベースDB1に登録される。
【0030】
2つ目は、電子レシート会員を特定する識別情報であるSRID、または、商品の実際の販売価格を検索サービスサーバ1において削除する手法である。すなわち、電子レシートサーバERSからは、商品購入履歴情報がそのまま検索サービスサーバ1に送信される。検索サービスサーバ1は、受信した商品購入履歴情報から、購入日時、購入商品のJAN/CC、購入商品の商品分類、購入商品の商品名、及び購入店舗の店舗名を抽出する。そして、検索サービスサーバ1は、それら抽出した情報を、商品購入履歴情報における購買日時、購買商品のJAN/CC、購買商品の商品分類、購買商品の商品名、及び購買店舗の店舗名として、匿名化購買履歴データベースDB1に登録する。この場合、検索サービスサーバ1は、匿名化購買履歴データベースDB1への登録完了後、直ちに、受信した商品購入履歴情報を削除する。このように、検索サービスサーバ1に商品購入履歴情報を残しておかないようにすることが、情報セキュリティ上、重要となる。
【0031】
店舗データベースDB2は、検索サービスサーバ1が提供する検索サービスを利用する店舗に関する情報を記憶する。図5は、店舗データベースDB2の蓄積内容の一例を示す模式図である。店舗データベースDB2は、検索サービスを利用する店舗それぞれを1レコードとして、店舗名と位置情報とを記憶している。位置情報は、地図上の緯度、経度に関する情報であって良い。店舗データベースDB2に記憶される情報は、匿名化購買履歴データベースDB1に蓄積される情報と同様に、電子レシートサーバERSから取得することができる。すなわち、電子レシートサーバERSの店舗データベースSDBに蓄積された情報から、電子レシートサーバERSにおいて、または、検索サービスサーバ1において、必要な情報を抽出することができる。
【0032】
条件テーブルTBは、販売期間の検索条件を除外する商品の一覧を記載している。図6は、条件テーブルTBの記載内容の一例を示す模式図である。条件テーブルTBには、除外する商品を特定するJAN/CCに紐付けて、閾値として除外条件が記載されている。例えば、一升瓶の酒や家具など、販売回転数が大きい商品、つまり頻繁に購入されない商品は、ユーザによって検索条件として指定された期間内に、消費者に購入される確率が低い。そこで、そのような商品については、販売期間の検索条件を緩めたり、無条件化したりすることが望ましい。検索サービスサーバ1は、そのような除外条件を、条件テーブルTBとして記憶している。
【0033】
次に、以上のように構成された情報提供システムにおける検索サービスサーバ1の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例である。一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、或いは別の処理の追加などは適宜に可能である。例えば、以下の説明では、本実施形態の特徴的な動作を分かり易く説明するために、一部の処理についての説明を省略している。例えば、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーに対処するための処理が行われる場合があるが、そのような処理については記載を省略している。
【0034】
検索サービスサーバ1のプロセッサ11は、起動状態においては、メインメモリ12または補助記憶ユニット13に記憶している情報処理プログラムの1つである管理プログラムを実行している。これにより、プロセッサ11は、ユーザ端末UTからのアクセスに応じて、図示しない管理画面を当該ユーザ端末UTに送信し、ユーザ端末UTに表示させることができる。そして、プロセッサ11は、この管理画面においてユーザ端末UTからの検索要求またはランキング表示要求を受け付け、その要求に応じて商品の検索またはランキングの生成を行う。
【0035】
図7は、そのような商品の検索またはランキングの生成を行うための、プロセッサ11による検索プログラムPRに基づく情報処理のフローチャートである。
【0036】
プロセッサ11は、ACT1において、通信ネットワークNWを介して電子レシートサーバERSから匿名化購買履歴情報を取得する。ここで、匿名化購買履歴情報は、前述したように、電子レシートサーバERSにおいて商品購入履歴情報から、電子レシート会員を特定する識別情報であるSRID、または、商品の実際の販売価格を削除することで作成したものを通信ユニット14により受信することで取得することができる。或いは、匿名化購買履歴情報は、プロセッサ11が、通信ユニット14により電子レシートサーバERSから受信した商品購入履歴情報から、電子レシート会員を特定する識別情報であるSRID、または、商品の実際の販売価格以外の情報を抽出することで取得することができる。すなわち、プロセッサ11が、商品購入履歴情報から匿名化購買履歴情報を生成するようにしても良い。プロセッサ11は、取得した匿名化購買履歴情報を補助記憶ユニット13の匿名化購買履歴データベースDB1に蓄積する。
【0037】
その後、プロセッサ11は、ACT2において、通信ユニット14により何れかのユーザ端末UTから検索要求を受信したか否か判断する。例えば、検索要求は、図示しない管理画面に配置された「検索」ボタン等の選択操作によって、ユーザ端末UTから送信される。また、後述するランキング画面に配置された「もっと見る」メッセージの選択操作によっても、ユーザ端末UTから送信されることができる。
【0038】
検索要求を受信していないと判断した場合、プロセッサ11は、ACT3において、通信ユニット14により何れかのユーザ端末UTからランキング表示要求を受信したか否か判断する。例えば、ランキング表示要求は、図示しない管理画面に配置された「ランキング」ボタン等の選択操作によって、ユーザ端末UTから送信される。
【0039】
ランキング表示要求を受信していないと判断した場合、プロセッサ11は、ACT4において、通信ユニット14により何れかのユーザ端末UTから条件変更要求を受信したか否か判断する。例えば、条件変更要求は、後述する検索結果画面に配置された「条件変更」ボタンの選択操作によって、ユーザ端末UTから送信される。
【0040】
条件変更要求を受信していないと判断した場合、プロセッサ11は、ACT5において、通信ユニット14により何れかのユーザ端末UTから詳細要求を受信したか否か判断する。例えば、詳細要求は、後述する検索結果画面に検索結果として表示された商品の選択操作によって、ユーザ端末UTから送信される。
【0041】
詳細要求を受信していないと判断した場合、プロセッサ11は、ACT6において、通信ユニット14により何れかのユーザ端末UTから貼り付け要求を受信したか否か判断する。例えば、貼り付け要求は、後述する検索結果画面または検索詳細画面に配置された「SNS」ボタンまたは「ブログ」ボタンの選択操作によって、ユーザ端末UTから送信される。
【0042】
貼り付け要求を受信していない場合、プロセッサ11は、上記ACT1の処理に進む。
【0043】
こうして、プロセッサ11は、ACT1での匿名化購買履歴情報の取得を繰り返していくことで、匿名化購買履歴データベースDB1の蓄積内容を更新する。
【0044】
上記ACT2において検索要求を受信したと判断した場合、プロセッサ11は、ACT7において、通信ユニット14によりユーザ位置を取得する。ユーザ位置は、例えば、要求元のユーザ端末UTが検出して送信する、ユーザ端末UTの位置である端末位置とすることができる。また、ユーザ位置は、ユーザ端末UTでの位置指定操作によって指定された位置である指定位置であっても良い。端末位置または指定位置を示す地図上の緯度、経度の情報が、ユーザ端末UTから送信されることができる。
【0045】
次に、プロセッサ11は、ACT8において、要求元のユーザ端末UTに後述するランキング画面を表示させているか否かを判断する。例えば、プロセッサ11は、ACT2での検索要求はランキング画面の「もっと見る」メッセージの選択操作に応じたものであるのか否かを判断する。ランキング画面を表示させていると判断した場合、プロセッサ11は、後述するACT11の処理に進む。
【0046】
ACT8においてランキング画面を表示させていないと判断した場合、プロセッサ11は、ACT9において、通信ユニット14により、要求元のユーザ端末UTに検索画面を送信する。
【0047】
図8は、ユーザ端末UTにおける検索画面SC1の一例を示す図である。検索画面SC1は、条件入力エリアAR1と「検索」ボタンBU1とを含む。条件入力エリアAR1は、検索条件を入力するためのエリアである。「検索」ボタンBU1は、条件入力エリアAR1に入力した条件での商品検索を行うことをユーザが宣言するためのソフトウェアキーである。
【0048】
条件入力エリアAR1は、カテゴリ入力エリアAR11、JAN/CC入力エリアAR12、商品名入力エリアAR13、製造メーカ名入力エリアAR14、販売地域入力エリアAR15、店舗名/企業名入力エリアAR16及び期間入力エリアAR17を含む。
【0049】
カテゴリ入力エリアAR11は、検索しようとする商品の商品分類を入力するためのエリアである。このカテゴリ入力エリアAR11は、予め準備した商品分類の中から選択できるようにしている。すなわち、カテゴリ入力エリアAR11における下向きの三角形を選択すると、選択可能な商品分類の一覧が表示され、その中から一つの商品分類を選択することで、当該エリアに商品分類が入力される。カテゴリ入力エリアAR11は、大分類、中分類、小分類の3段階の商品分類の選択により、希望商品の商品分類を絞り込めるようになっている。例えば、大分類で「食品」、中分類で「調味料」小分類で「ポン酢」と絞り込んでいくことができる。なお、必ずしも全ての分類を入力しなくとも良い。
【0050】
JAN/CC入力エリアAR12は、検索しようとする商品のJANコードまたはカテゴリコードを入力するためのエリアである。ユーザがJANコードまたはカテゴリコードを知っているときには、直接、そのコードを入力することができる。また、商品名入力エリアAR13は、検索しようとする商品の商品名称を入力するためのエリアである。そして、製造メーカ名入力エリアAR14は、検索しようとする商品を製造しているメーカの名称を入力するためのエリアである。このように、商品自体に関する情報を検索条件として入力することができる。
【0051】
販売地域入力エリアAR15は、検索対象の地域を入力するためのエリアである。関東や九州と言った地方、都道府県、市町村、等を入力することができる。また、店舗名/企業名入力エリアAR16は、検索しようとする商品を販売している店舗の名称、或いは複数店舗を有する企業名を入力するためのエリアである。そして、期間入力エリアAR17は、例えば1ヵ月以内等、検索する期間を入力するためのエリアである。このように、商品とは別の観点での検索条件も入力可能となっている。
【0052】
プロセッサ11は、ACT10において、通信ユニット14によりユーザ端末UTから検索画面SC1で入力された検索条件を受信する。
【0053】
プロセッサ11は、ACT11において、受信した検索条件に合致する商品を、匿名化購買履歴データベースDB1に蓄積されている匿名化購買履歴情報の中から検索する。例えば、検索条件として商品分類「調味料」が入力されていたとすると、図4に示した例では、匿名化購買履歴情報の1つ目のレコードと3つ目のレコードとの2つのレコードの商品が検索されることになる。また、例えば、検索条件として店舗名/企業名「AAAスーパー」が入力されていたとすると、図4に示した例では、1つ目のレコードと2つ目のレコードとの2つのレコードの商品が検索されることになる。ここで、検索条件として商品分類「調味料」と店舗名/企業名「AAAスーパー」の2つが入力されていたとすると、図4に示した例では、2つの条件に合致する1つ目のレコードの商品のみが検索されることになる。
【0054】
また、検索に際して、プロセッサ11は、匿名化購買履歴情報における購買日時については、検索条件として入力された期間に加えて、条件テーブルTBに記述されている除外条件も参照して、商品の検索を行う。例えば、検索条件として期間「1ヵ月」が入力されていたとしても、条件テーブルTBに「1週間」と除外条件が記載されていれば、当該商品については購買日時が現在日時から「1週間」以内となっているレコードを検索する。また、条件テーブルTBに「無期限」と除外条件が記載されていれば、当該商品については購買日時にかかわらず、当該商品の全てのレコードを検索する。なお、検索条件として期間が入力されていない場合には、プロセッサ11は、デフォルトの期間、或いは、条件テーブルTBに記載された条件除外期間に基づいて検索を行うことができる。
【0055】
プロセッサ11は、検索結果をメインメモリ12または補助記憶ユニット13の所定のメモリ領域に一時記憶する。なお、検索結果としては、匿名化購買履歴データベースDB1から検索したレコードそのものをコピーして記憶しても良いし、検索したレコードを特定するポインタ等を記憶するものとしても良い。
【0056】
次に、プロセッサ11は、ACT12において、検索結果の絞り込みを行う。プロセッサ11は、この絞り込みを、ACT7で取得したユーザ位置と、店舗データベースDB2に記憶している各店舗の位置情報と、に基づいて行う。例えば、プロセッサ11は、ユーザ位置周囲500mに存在する店舗を抽出する。そして、プロセッサ11は、一時記憶している検索結果の中から、抽出された店舗を含まない検索結果を削除する。これにより、抽出された店舗に係わる結果のみが最終的な検索結果として残る。
【0057】
プロセッサ11は、ACT13において、この最終的な検索結果に基づいて、検索結果画面を生成する。そして、プロセッサ11は、ACT14において、その生成した検索結果画面を、通信ユニット14によりユーザ端末UTに送信する。その後、プロセッサ11は、上記ACT4の処理へ進む。
【0058】
図9は、ユーザ端末UTにおける検索結果画面SC2の一例を示す図である。検索結果画面SC2は、検索結果SRと「条件変更」ボタンBU2とを含む。「条件変更」ボタンBU2は、検索条件を変更して商品検索を行うことをユーザが宣言するためのソフトウェアキーである。
【0059】
各検索結果SRは、商品画像IMG、商品概要説明文TXT、近隣地図MAP、「SNS貼り付け」ボタンBU3及び「ブログ貼り付け」ボタンBU4を有する。
【0060】
商品画像IMG及び商品概要説明文TXTは、検索された商品のメーカや卸売業者から取得した商品情報に基づく商品の画像と概略説明文である。これらは、予め取得して補助記憶ユニット13に保存しておいても良いし、メーカや卸売業者が提供する商品情報サイトから取得するようにしても良い。近隣地図MAPは、ユーザ位置と店舗位置とを示す地図である。地図情報自体は、補助記憶ユニット13に記憶していても良いし、地図提供サイトから取得するようにしても良い。近隣地図MAPは、ユーザ位置を示すユーザ位置マークYMKを中心とした地図であり、この地図上に、検索された商品が消費者によって購入された店舗を示す店舗マークSMKが配置される。
【0061】
「SNS貼り付け」ボタンBU3は、当該検索結果SRをSNSの画面に貼り付けることをユーザが宣言するためのソフトウェアキーである。また、「ブログ貼り付け」ボタンBU4は、当該検索結果SRをブログの画面に貼り付けることをユーザが宣言するためのソフトウェアキーである。
【0062】
検索結果画面SC2における「条件変更」ボタンBU2が操作されると、ユーザ端末UTから条件変更要求が送信される。これを通信ユニット14により受信すると、プロセッサ11は、上記ACT4において、条件変更要求を受信したと判断する。この場合、プロセッサ11は、上記ACT9に処理を進める。これにより、ユーザ端末UTに再度、検索画面SC1を表示させて、検索条件の入力を行わせることができる。
【0063】
一方、上記ACT3においてランキング表示要求を受信したと判断した場合、プロセッサ11は、ACT15において、通信ユニット14により、要求元のユーザ端末UTにランキング区分画面を送信する。このランキング区分画面は、特に図示はしないが、どのようなランキングを生成するかユーザに選択させる画面である。例えば、ランキング区分画面では、急上昇、期間、地域、等のランキング区分を選択させることができる。急上昇区分は、例えば、前日比や前週比等の比較期間と、150%以上等の比率と、を含むことができる。また、期間区分は、例えば年間総数や月間総数等の販売個数の集計期間と、100個等のその集計期間内の販売個数と、を含むことができる。地域区分は、関東、関西、九州等の地方や都道府県等の販売地域を含むことができる。
【0064】
プロセッサ11は、ACT16において、通信ユニット14によりユーザ端末UTからランキング区分画面で選択されたランキング区分を受信する。
【0065】
プロセッサ11は、ACT17において、匿名化購買履歴データベースDB1に蓄積されている匿名化購買履歴情報から、受信したランキング区分に従って、ランキングを算出する。このとき、プロセッサ11は、地域区分で選択された商品かどうかは、店舗データベースDB2に記憶された各店舗の位置情報を参照して判断することができる。
【0066】
プロセッサ11は、ACT18において、生成したランキングに基づいて、ランキング画面を生成する。そして、プロセッサ11は、ACT19において、その生成したランキング画面を、通信ユニット14によりユーザ端末UTに送信する。その後、プロセッサ11は、上記ACT4の処理へ進む。
【0067】
図10は、ユーザ端末UTにおけるランキング画面SC3の一例を示す図である。ランキング画面SC3は、ランキング結果RRと「もっと見る」メッセージMESとを含む。「もっと見る」メッセージMESは、当該ランキング結果RRの商品について商品検索を行うことをユーザが宣言するためのソフトウェアキーとなっている。
【0068】
この「もっと見る」メッセージMESの選択操作がされると、ユーザ端末UTから検索要求が送信される。この検索要求を通信ユニット14により受信すると、検索サービスサーバ1のプロセッサ11は、上記ACT2において検索要求を受信したと判断する。この場合、プロセッサ11は、上記ACT7においてユーザ位置を取得した後、上記ACT8において、要求元のユーザ端末UTに後述するランキング画面を表示させていると判断することになる。よって、プロセッサ11は、上記ACT11の処理に進み、選択操作された「もっと見る」メッセージMESに該当するランキング結果RRの商品について検索する。この検索においては、プロセッサ11が、ユーザ位置以外の検索条件についてデフォルトの検索条件を使用して上記ACT12乃至ACT14の処理を行うことで、ユーザ端末UTに検索結果画面SC2を表示させることができる。この検索結果画面SC2を閲覧したユーザ端末UTのユーザは、デフォルトの検索条件ではなくユーザ所望の検索条件により商品の再検索を行いたい場合は、「条件変更」ボタンBU2を操作する。これにより、プロセッサ11は、上記ACT4から上記ACT9に処理を進めて、検索画面SC1をユーザ端末UTに表示させることできる。
【0069】
また、検索結果画面SC2を閲覧したユーザが、検索結果SRとして表示された商品について詳細を知りたい場合、該当商品を選択する操作を行う。例えば、ユーザ端末UTがスマートフォンであれば、ユーザは、該当商品の商品画像IMG、商品概要説明文TXT及び近隣地図MAPの何れかをダブルタップする。また、ユーザ端末UTがパーソナルコンピュータであれば、ユーザは、商品画像IMG、商品概要説明文TXT及び近隣地図MAPの何れかにマウスカーソルを移動させて、マウスボタンをダブルクリックする。このような商品選択操作が行われると、ユーザ端末UTから詳細要求が送信される。この詳細要求を通信ユニット14により受信すると、検索サービスサーバ1のプロセッサ11は、上記ACT5において詳細要求を受信したと判断する。この場合、プロセッサ11は、ACT20において、要求された商品について詳細画面を生成する。そして、プロセッサ11は、ACT21において、その生成した詳細画面を、通信ユニット14によりユーザ端末UTに送信する。その後、プロセッサ11は、上記ACT1の処理へ進む。
【0070】
図11は、ユーザ端末UTにおける詳細画面SC4の一例を示す図である。詳細画面SC4は、商品画像IMG、商品詳細説明文DTX、詳細地図DMP、店舗リストSPR、「SNS貼り付け」ボタンBU3及び「ブログ貼り付け」ボタンBU4を有する。商品詳細説明文DTX及び詳細地図DMPは、検索結果画面SC2の商品概要説明文TXT及び近隣地図MAPのより詳細な情報である。詳細地図DMPには、近隣地図MAPと同様、ユーザ位置マークYMK及び店舗マークSMKが配置される。店舗リストSPRは、各店舗マークSMKの店舗について、その店舗名称と該当商品の購入日とを含む店舗情報を並べて表示したものである。この店舗リストSPRでは、例えば、ユーザ位置に距離が近い順に店舗が表示される。また、該当商品の購入日順とすることで、該当商品をおいている可能性が高い店舗を上位に配置することも可能である。
【0071】
検索結果画面SC2または詳細画面SC4における「SNS貼り付け」ボタンBU3または「ブログ貼り付け」ボタンBU4が選択操作されると、ユーザ端末UTから貼り付け要求が送信される。この貼り付け要求を通信ユニット14により受信すると、検索サービスサーバ1のプロセッサ11は、上記ACT6において貼り付け要求を受信したと判断する。この場合、プロセッサ11は、ACT22において、要求された貼り付け処理を行う。その後、プロセッサ11は、上記ACT1の処理へ進む。
【0072】
「SNS貼り付け」ボタンBU3の選択操作による貼り付け要求を受信した場合には、このACT22の貼り付け処理として、次のような処理を行うことができる。すなわち、プロセッサ11は、検索結果画面SC2の「SNS貼り付け」ボタンBU3に対応する貼り付け要求の場合には、その「SNS貼り付け」ボタンBU3が付された検索結果SRから、SNSアプリケーションプログラムに貼り付けるための情報を抽出する。また、詳細画面SC4の「SNS貼り付け」ボタンBU3に対応する貼り付け要求の場合には、プロセッサ11は、その詳細画面SC4を呼び出した検索結果画面SC2における検索結果SRから、SNSアプリケーションプログラムに貼り付けるための情報を抽出する。そして、プロセッサ11は、その抽出した情報をSNSアプリケーションプログラムに渡す。図12は、ユーザ端末UTにおけるSNS画面SC5の一例を示す図である。同図に示すように、SNS画面SC5には、渡された情報が貼り付け情報PI1として貼り付けられる。
【0073】
また、「ブログ貼り付け」ボタンBU4の選択操作による貼り付け要求を受信した場合には、このACT22の貼り付け処理として、プロセッサ11は、「SNS貼り付け」ボタンBU3に対応する貼り付け要求の場合と同様に、情報の抽出対象を検索結果SRとする。そして、プロセッサ11は、抽出対象の検索結果SRから、ブログ貼り付け用のURLリンクをコピーする。ユーザ端末UTのユーザは、ブログアプリケーションプログラムを実行し、このコピーしたURLリンクをブログに貼り付けることができる。図13は、ユーザ端末UTにおけるブログ画面SC6の一例を示す図である。同図に示すように、ブログ画面SC6には、貼り付けられたURLリンクが示す情報が貼り付け情報PI2として貼り付けられる。
【0074】
以上のように本実施形態の情報処理装置としての検索サービスサーバ1は、蓄積手段及び検索手段として機能するプロセッサ11を備える。蓄積手段は、購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて、記憶部として機能する匿名化購買履歴データベースを有する補助記憶ユニットに蓄積する。検索手段は、ユーザ端末UTから指定された商品を販売している店舗を、記憶部から検索し、検索された店舗を示す店舗情報をユーザ端末UTに送信する。
【0075】
よって、小売店舗は、販売促進のための特別な行為を行わなくても、商品を取り扱いしている販売店舗としての情報を、ユーザ端末UTを操作する消費者に対してアピールできるようになり、集客効果が見込めるようになる。更に、小売店舗の商品仕入れ担当者は、ユーザ端末UTを操作して自店舗で取り扱っていないが他社店舗で売れている商品を知ることができるので、売れ筋の商品の販売機会を逃す恐れを少なくすることができる。また、消費者は、テレビや雑誌、SNS等で取り上げられた新商品や話題商品が、どの店舗で販売していたのかを、つまり、現在販売している可能性の高い店舗を、容易に知ることができ、該当商品を探し回る手間なく、入手することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態の情報処理装置によれば、プロセッサ11は、検索手段によって検索された店舗の位置の情報を取得する第1の取得手段と、ユーザ端末UTの位置である端末位置の情報またはユーザ端末UTから指定された位置である指定位置の情報を受信する第1の受信手段としても機能する。そして、検索手段は、端末位置の情報または指定位置の情報に基づいて、端末位置の情報または指定位置の情報によって示される位置から一定距離内に存在する店舗を、検索された店舗から抽出し、抽出された店舗の位置の情報をユーザ端末UTに送信する。
【0077】
よって、消費者であるユーザは、現在居る位置、または、これから行こうとしている位置近隣で、所望商品を販売している可能性の高い店舗の位置を知ることができる。近隣店舗に該当商品が有ることは、消費者に対して当該店舗へ来店しようとする動機付けとなる。これは、小売店舗側にとっては、当該店舗を普段利用しない消費者を来店させる、または来店したことのない消費者を新たに取り込める機会が増えるというメリットがある。
【0078】
なお、本実施形態によれば、記憶部に記憶される購買店舗の情報と購買商品の情報は、例えば電子レシート情報等の各消費者の商品購入履歴情報を基に作成されることができる。
【0079】
よって、容易に商品購入履歴情報を入手することができる。
【0080】
そして、本実施形態の情報処理装置によれば、プロセッサ11は、商品購入履歴情報から少なくとも個人情報を削除することで匿名化した匿名化商品購入履歴情報を取得し、取得した匿名化商品購入履歴情報を蓄積手段により前記記憶部に蓄積する第2の取得手段としても機能する。
【0081】
よって、消費者が秘密にしておきたい情報を削除した匿名化商品購入履歴情報を基に店舗が検索されるので、秘密情報が他者に漏れる恐れがない。
【0082】
また、本実施形態の情報処理装置によれば、第2の取得手段としてのプロセッサ11は、各消費者の商品購入履歴情報を管理する、例えば電子レシートサーバERS等の管理装置から商品購入履歴情報を取得し、取得した商品購入履歴情報から匿名化商品購入履歴情報を生成する生成手段、または、管理装置が商品購入履歴情報から生成した匿名化商品購入履歴情報を受信する第2の受信手段、として機能することができる。
【0083】
よって、匿名化商品購入履歴情報を容易に取得することができる。
【0084】
また、本実施形態の情報処理装置によれば、検索手段としてのプロセッサ11は、検索した近隣商品販売店舗を、商品の販売日時に基づいて更に絞り込むことができる。
【0085】
よって、例えば一升瓶などの短い期間内に消費者に購入される確率が低い商品であっても、検索することができるようになる。
【0086】
また、本実施形態の情報処理装置によれば、検索手段としてのプロセッサ11は、記憶部から検索された店舗を示す店舗情報から、SNS貼り付け用情報またはブログ貼り付け用情報である貼り付け用情報を作成し、作成した貼り付け用情報をユーザ端末UTに送信する貼り付け手段として機能することができる。
【0087】
よって、SNSやブログを利用したアピールも容易に行えるようになる。
【0088】
なお、この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0089】
例えば、上記ACT1において匿名化購買履歴データベースDB1に匿名化購買履歴情報を登録する際に、店舗データベースDB2に記憶されている店舗についてのみ、匿名化購買履歴情報を登録するようにしても良い。こうすることで、ランキングは限られた店舗でのものとなってしまうが、補助記憶ユニット13の記憶容量の浪費を防止することができる。ランキングサービスを提供しない場合には、これは好適である。
【0090】
また、検索プログラムPRは、補助記憶ユニット13ではなくて、メインメモリ12に記憶されていても良い。
【0091】
また、匿名化購買履歴情報は、ACT1で繰り返し取得する代わりに、図示しない管理プログラムにより、1日1回や数時間間隔というように、定期的に取得するものとして、匿名化購買履歴データベースDB1の蓄積内容を定期的に更新するようにしても良い。
【0092】
また、情報処理によりプロセッサ11が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0093】
なお、必要なセキュリティ機能を備えることで、本発明の情報処理装置を電子レシートサーバERSに組み込んでも良いことは勿論である。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて記憶部に蓄積する蓄積手段と、
ユーザ端末から指定された商品を販売している店舗を、前記記憶部から検索し、検索された店舗を示す店舗情報を前記ユーザ端末に送信する検索手段と、
を備える情報処理装置。
[C2]
前記検索手段によって検索された店舗の位置の情報を取得する第1の取得手段と、
前記ユーザ端末の位置である端末位置の情報または前記ユーザ端末から指定された位置である指定位置の情報を受信する第1の受信手段と、
を更に備え、
前記検索手段は、前記端末位置の情報または前記指定位置の情報に基づいて、前記端末位置の情報または前記指定位置の情報によって示される位置から一定距離内に存在する店舗を前記検索された店舗から抽出し、抽出された店舗の位置の情報を前記ユーザ端末に送信する、C1に記載の情報処理装置。
[C3]
前記記憶部に記憶される前記購買店舗の情報と前記購買商品の情報は、各消費者の商品購入履歴情報を基に作成されたものである、C1またはC2に記載の情報処理装置。
[C4]
前記商品購入履歴情報から少なくとも個人情報を削除することで匿名化した匿名化商品購入履歴情報を取得し、取得した匿名化商品購入履歴情報を前記蓄積手段により前記記憶部に蓄積する第2の取得手段を更に備える、C3に記載の情報処理装置。
[C5]
前記第2の取得手段は、
前記各消費者の前記商品購入履歴情報を管理する管理装置から前記商品購入履歴情報を取得し、取得した前記商品購入履歴情報から前記匿名化商品購入履歴情報を生成する生成手段、または、
前記管理装置が前記商品購入履歴情報から生成した前記匿名化商品購入履歴情報を受信する第2の受信手段、
を備える、C4に記載の情報処理装置。
[C6]
コンピュータを、
購買店舗の情報と購買商品の情報とを紐づけて記憶部に蓄積する蓄積手段、
ユーザ端末から指定された商品を販売している店舗を、前記記憶部から検索し、検索された店舗を示す店舗情報を前記ユーザ端末に送信する検索手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0095】
1…検索サービスサーバ、 11…プロセッサ、 12…メインメモリ、 13…補助記憶ユニット、 14…通信ユニット、 AR1…条件入力エリア、 AR11…カテゴリ入力エリア、 AR12…JAN/CC入力エリア、 AR13…商品名入力エリア、 AR14…製造メーカ名入力エリア、 AR15…販売地域入力エリア、 AR16…店舗名/企業名入力エリア、 AR17…期間入力エリア、 BSS…ブログサービスサーバ、 BU1…「検索」ボタン、 BU2…「条件変更」ボタン、 BU3…「SNS貼り付け」ボタン、 BU4…「ブログ貼り付け」ボタン、 DB1…匿名化購買履歴データベース、 DB2…店舗データベース、 DTX…商品詳細説明文、 DMP…詳細地図、 ERS…電子レシートサーバ、 HDB…履歴データベース、 IMG…商品画像、 MAP…近隣地図、 MES…「もっと見る」メッセージ、 NW…通信ネットワーク、 PI1,PI2…貼り付け情報、 PR…検索プログラム、 REG…店舗登録装置、 RR…ランキング結果、 SC1…検索画面、 SC2…検索結果画面、 SC3…ランキング画面、 SC4…詳細画面、 SC5…SNS画面、 SC6…ブログ画面、 SDB…店舗データベース、 SMK…店舗マーク、 SNSS…SNSサーバ、 SPR…店舗リスト、 SR…検索結果、 TB…条件テーブル、 TXT…商品概要説明文、 UT…ユーザ端末、 YMK…ユーザ位置マーク。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13