(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】室内用のパネル体
(51)【国際特許分類】
E06B 3/26 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
E06B3/26
(21)【出願番号】P 2021047256
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】浅野 光
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-075538(JP,U)
【文献】実開昭56-162778(JP,U)
【文献】実開昭54-111936(JP,U)
【文献】特開2013-060745(JP,A)
【文献】特開2017-197963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/04 - 3/46
E06B 3/50 - 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦框及び一対の横框が枠組みされて構成されるフレーム体と、前記フレーム体内に配置される面材と、を備え、
前記一対の縦框及び前記一対の横框の少なくともいずれかの框は、ベース部材と、前記ベース部材を覆うように配置されるカバー部材と、前記ベース部材と前記カバー部材との間の隙間を埋めるように前記ベース部材と前記カバー部材との間に配置される閉塞部材と、を有
し、
前記ベース部材は、前記面材の見付方向の端部が配置され前記面材側が開放して形成される断面視U字状の面材配置枠と、前記面材配置枠におけるU字の開放側の両端部から見込方向の両方の外側に延びる一対のベース部材側見込方向延在部と、前記ベース部材側見込方向延在部の見込方向の外側の両端部から見付方向の外側に突出する一対のベース部材側突出部と、を有し、
前記カバー部材は、前記ベース部材の見付方向の外側に配置され見込方向に延びるカバー部材側見込方向延在部と、前記カバー部材側見込方向延在部から前記ベース部材側に突出して形成され前記面材配置枠の見込方向の外側の面に沿って配置され前記面材配置枠の見込方向の外側の面に係合して配置される一対のカバー部材側係合突出部と、前記カバー部材側見込方向延在部の見込方向の外側の両端部から前記ベース部材側に突出するカバー部材側延出部と、を有し、
前記閉塞部材は、前記面材配置枠の見付方向の外側の面と前記カバー部材側見込方向延在部の見付方向の内側の面との間に配置される、室内用のパネル体。
【請求項2】
前記閉塞部材は、弾性反発力を有した状態で、前記ベース部材と前記カバー部材との間に配置される、請求項1に記載の室内用のパネル体。
【請求項3】
前記ベース部材は、ベース部材側係合部を有し、
前記カバー部材は、前記ベース部材側係合部に係合されるカバー部材側係合部を有し、
前記閉塞部材は、前記ベース部材側係合部が前記カバー部材側係合部に係合された状態で、前記ベース部材と前記カバー部材との間に配置される、請求項1又は2に記載の室内用のパネル体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、室内用のパネル体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の縦框及び一対の横框が枠組みされて構成されるフレーム体と、フレーム体内に配置される面材と、を備えるパネル体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のパネル体の縦框は、複数の部材が組み合わされて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2部材が組み合わされて縦框が構成されていると、2部材にガタツキが発生する可能性がある。そのため、2部材が組み合わされて構成される縦框において、ガタツキを低減できることが望まれる。
【0005】
本開示は、2部材が組み合わされて構成される框を備え、框のガタツキを低減できる室内用のパネル体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一対の縦框及び一対の横框が枠組みされて構成されるフレーム体と、前記フレーム体内に配置される面材と、を備え、前記一対の縦框及び前記一対の横框の少なくともいずれかの框は、ベース部材と、前記ベース部材を覆うように配置されるカバー部材と、前記ベース部材と前記カバー部材との間の隙間を埋めるように前記ベース部材と前記カバー部材との間に配置される閉塞部材と、を有する、室内用のパネル体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1において第1障子及び第2障子のうちのいずれかを開いた状態における第1障子及び第2障子の重なり部分の縦断面図である。
【
図8】閉塞部材を縦ベース部材と縦カバー部材との間に配置する場合を示す図である。
【
図9】第2実施形態の閉塞部材を縦ベース部材と縦カバー部材との間に配置する場合を示す図である。
【
図10】第3実施形態の閉塞部材を縦ベース部材と縦カバー部材との間に配置する場合を示す図である。
【
図11】第4実施形態の閉塞部材を縦ベース部材と縦カバー部材との間に配置する場合を示す図である。
【
図12】第5実施形態の閉塞部材を縦ベース部材と縦カバー部材との間に配置する場合を示す図である。
【
図13】第6実施形態の閉塞部材を縦ベース部材と縦カバー部材との間に配置する場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部100(建物開口部)に納められた障子(第1障子3、第2障子4)におけるガラスの面方向を意味し、「見込方向」とは、ガラスの厚さ方向であって、開口部100を介して連続する2つの空間を結ぶ奥行方向を意味する。本実施形態においては、一方側(
図2における右側、
図3における手前側)の空間を第1空間FSとし、他方側の空間(
図2における左側、
図3における奥側)を第2空間SSとする。
【0009】
本実施形態の室内用の障子(第1障子3、第2障子4)(パネル体)を含む室内用の建具1について説明する。
図1に示すように、本実施形態の障子(第1障子3、第2障子4)は、室内の空間に配置される室内用のパネル体である。障子(第1障子3、第2障子4)は、室内において建物の壁の開口部100に設けられた上レール21と振れ止め部22との間に納められている。
【0010】
本実施形態においては、建具1は、室内空間における連続する2つの空間において、第1空間FSと第2空間SSとの間の開口部100に配置される。建具1は、室内空間を第1空間FSと第2空間SSとに仕切る壁状に形成される。
【0011】
建具1は、いわゆる引き違い窓であり、
図1~
図3に示すように、上レール21と、振れ止め部22と、建物の開口部100に開閉可能に配置された第1障子3(パネル体)及び第2障子4(パネル体)と、を備える。第1障子3は、第1空間FS側に配置される。第2障子4は、第2空間SS側に配置される。
【0012】
上レール21は、
図1に示すように、天井11において、見付方向の左右方向(横方向)に延びる。上レール21は、天井11の天井構造体に固定される。上レール21は、
図2に示すように、第1空間FS側に配置される第1障子用レール211と、第2空間SS側に配置される第2障子用レール212と、を有する。第1障子用レール211及び第2障子用レール212は、見込方向に並んで配置され、互いの下部において接続されている。
【0013】
第1障子用レール211は、上レール21の第1空間FS側に配置され、断面形状が、下方に開放した略C字形状の枠状に形成される。第1障子用レール211には、第1障子3の上端に取り付けられた吊車39が左右方向に移動可能に配置される。第2障子用レール212は、上レール21の第2空間SS側に配置され、断面形状が、下方に開放した略C字形状の枠状に形成される。第2障子用レール212には、第2障子4の上端に取り付けられた吊車49が左右方向に移動可能に配置される。
【0014】
振れ止め部22は、第1障子用振れ止め部221と、第2障子用振れ止め部222と、を有する。振れ止め部22は、床12に固定される。
【0015】
第1障子用振れ止め部221は、第1空間FS側において、上方に向けて立設される。第1障子用振れ止め部221は、第1障子3の下框32の下端部に形成された下部レールガイド322に取り付けられた下方開放枠322aに挿入される。これにより、第1障子3の下框32の下部レールガイド322に取り付けられた下方開放枠322aが第1障子用振れ止め部221にガイドされ、第1障子3は、上レール21の左右方向に沿ってスライド移動可能である。
【0016】
第2障子用振れ止め部222は、第2空間SS側において、上方に向けて立設される。第2障子用振れ止め部222は、第2障子4の下框42の下端部に形成された下部レールガイド422に取り付けられた下方開放枠422aに挿入される。これにより、第2障子4の下框42の下部レールガイド422に取り付けられた下方開放枠422aが第2障子用振れ止め部222にガイドされ、第2障子4は、上レール21の左右方向に沿ってスライド移動可能である。
【0017】
第1障子3及び第2障子4は、いずれも引き戸であり、これらを見付方向の左右方向(横方向)にスライド移動可能に構成されることで、建物の開口部100を閉鎖又は開放する、いわゆる引き違い窓を構成する。
【0018】
第1障子3は、
図1~
図5に示すように、いずれも長尺状の上框31(横框、框)、下框32(横框、框)および左右の縦框33,34(框)により矩形に枠組みされて構成された框体35(フレーム体)と、框体35内に嵌め込まれて固定されたガラス36(面材)と、を含んで構成される。第2障子4は、
図1~
図3に示すように、いずれも長尺状の上框41(横框、框)、下框42(横框、框)および左右の縦框43,44(框)により矩形に枠組みされた框体45(フレーム体)と、框体45内に嵌め込まれて固定されたガラス46(面材)と、を含んで構成される。
【0019】
本実施形態においては、第1障子3及び第2障子4は、同一の構造である。そのため、以下の説明においては、第1障子3の構造について説明し、第2障子4の構造の説明については、対応する符号を付けてその説明を省略する。第2障子4の構造の説明は、第1障子3の構造の説明を適用できる。
【0020】
図4及び
図5に示すように、第1障子3において、縦框33,34と上框31とにより構成される上部コーナー部301(コーナー部)には、上部コーナーピース5(コーナーピース)が取り付けられる。縦框33,34と下框32とにより構成される下部コーナー部302には、下部コーナーピース6が取り付けられる。
【0021】
第1障子3の上框31及び下框32は、
図6に示すように、
図4に示す第1障子3を見込方向及び上下方向に沿って切断して左右方向に見た場合の断面形状が、上下対称の同一形状に形成される。上框31及び下框32は、いずれも、左右方向に延びる。
【0022】
上框31は、
図6に示すように、下部に形成され下方に開放するガラス溝311(面材配置溝部)と、上部に形成され上方に開放する上部レールガイド312と、ガラス溝311を挟んで見込方向の両方の外側に配置される中空部313aを有する一対の中空枠部313と、化粧シート318(表面材)と、を備える。ガラス溝311には、ガラス36の上端部が配置される。ガラス溝311において、
図5に示すように、ガラス36の上端部と上框31との間には、上框31の長手方向において部分的に、少なくとも2個のセッティングブロック361が配置される。
【0023】
下框32は、
図6に示すように、上部に形成され上方に開放するガラス溝321(面材配置溝部)と、下部に形成され上方に開放する下部レールガイド322と、ガラス溝321を挟んで見込方向の両方の外側に配置される中空部323aを有する一対の中空枠部323と、化粧シート328(表面材)と、を備える。ガラス溝321には、ガラス36の下端部が配置される。ガラス溝321において、
図5に示すように、ガラス36の下端部と下框32との間には、下框32の長手方向において部分的に、少なくとも2個のセッティングブロック361が配置される。
【0024】
上框31及び下框32において、
図6に示すように、一対の中空枠部313,323は、ガラス溝311,321を挟んで見込方向に離間して配置される。一対の中空枠部313,323は、それぞれ、横方向延在見付面314,324と、第1テーパ傾斜面315,325(傾斜面、横框側傾斜面)と、第2テーパ傾斜面316,326(傾斜面、横框側傾斜面)と、を有する。
【0025】
一対の中空枠部313,323の内部には、それぞれ、ビスホール317,327が形成されている。ビスホール317,327は、中空枠部313,323の内部において、上下方向のガラス36側であって見込方向の外側の角部(コーナー)に形成される。ビスホール317,327には、上框31及び下框32と縦框33,34とを固定するネジが挿入される。
【0026】
横方向延在見付面314,324は、
図6に示すように、第1空間FS側及び第2空間SS側からの正面視において、いずれも、上下方向に幅W1を有して、左右方向に延びる。横方向延在見付面314,324は、上框31及び下框32の見込方向における最も外側の端部に形成された垂直方向に平行な面であり、上下方向に幅W1を有して左右方向に延びる平面状に形成される。
【0027】
上框31及び下框32において、横方向延在見付面314,324の幅W1は、いずれも同一の大きさに形成される。横方向延在見付面314,324は、第1空間FS側及び第2空間SS側からの正面視において、使用者によって幅W1で左右方向に延びるように視認される。上框31及び下框32の横方向延在見付面314,324の幅W1の大きさは、後述する縦框33,34の縦方向延在見付面383a(
図4参照)の幅W2の大きさと同じである。
【0028】
図6に示すように、第1テーパ傾斜面315,325及び第2テーパ傾斜面316,326は、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324)の幅方向の上側及び下側に、横方向延在見付面314,324に連続して形成される。第1テーパ傾斜面315,325及び第2テーパ傾斜面316,326は、横方向延在見付面314,324の幅方向(見込方向)の外側の端部から、横方向延在見付面314,324の幅方向の外側(下側又は上側)に向かうに従って、上框31及び下框32の手前側から奥側に向かうように傾斜するテーパ状に形成される。第1テーパ傾斜面315,325及び第2テーパ傾斜面316,326は、横方向延在見付面314,324に対して傾斜する平面状に形成される。
【0029】
図6に示すように、第1テーパ傾斜面315,325は、横方向延在見付面314,324の幅方向(上下方向)においてガラス36が配置される側(上框31においては下側、下框32においては上側)に形成される。上框31の第1テーパ傾斜面315は、上框31の横方向延在見付面314の幅方向の下側の端部から下側に向かうに従って見込方向の手前側から奥側に向かうように傾斜する。下框32の第1テーパ傾斜面325は、下框32の横方向延在見付面324の幅方向の上側の端部から上側に向かうに従って見込方向の手前側から奥側に向かうように傾斜する。
【0030】
第1テーパ傾斜面315,325は、横方向延在見付面314,324に対する第1テーパ傾斜面315,325の傾斜角度が、第1傾斜角度θ1で形成される。第1傾斜角度θ1は、横方向延在見付面314,324が際立つように視認される傾斜角度であることが好ましい。本実施形態においては、第1傾斜角度θ1は、例えば、75°~85°である。
【0031】
図6に示すように、第2テーパ傾斜面316,326は、横方向延在見付面314,324の幅方向(上下方向)においてガラス36が配置される側と反対側(上框31においては上側、下框32においては下側)に形成される。上框31の第2テーパ傾斜面316は、上框31の横方向延在見付面314の幅方向の上側の端部から上側に向かうに従って見込方向の手前側から奥側に向かうように傾斜する。下框32の第2テーパ傾斜面326は、下框32の横方向延在見付面324の幅方向の下側の端部から下側に向かうに従って見込方向の手前側から奥側に向かうように傾斜する。
【0032】
第2テーパ傾斜面316,326は、横方向延在見付面314,324に対する第2テーパ傾斜面316,326の角度が、第2傾斜角度θ2で形成される。第2傾斜角度θ2は、横方向延在見付面314,324が際立つように視認される傾斜角度であることが好ましい。本実施形態においては、第2傾斜角度θ2は、例えば、15°~45°である。本実施形態においては、第2傾斜角度θ2は、第1傾斜角度θ1よりも小さい。言い換えると、第1傾斜角度θ1は、第2傾斜角度θ2よりも大きい。
【0033】
第1テーパ傾斜面315,325及び第2テーパ傾斜面316,326を形成することで、上框31及び下框32の幅方向の大きさを確保して吊車39などの配置スペースを確保しつつ、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324)の幅を幅W1に形成できる。下框32においては、第2テーパ傾斜面326を設けることで、人の足のつま先が下框32に当たりにくくなる。
【0034】
上框31の表面には、
図6に示すように、化粧シート318が設けられている。化粧シート318は、上框31において、ガラス溝311側から、第1テーパ傾斜面315、横方向延在見付面314、第2テーパ傾斜面316、上框31の上面の途中に亘って貼り付けられている。下框32の表面には、化粧シート328が設けられている。化粧シート328は、下框32において、ガラス溝321側から、第1テーパ傾斜面325、横方向延在見付面324、第2テーパ傾斜面326、下框32の下面の途中に亘って貼り付けられている。
【0035】
上部レールガイド312は、
図2に示すように、上方に向けて開放して形成される。上部レールガイド312には、吊車39の下部取付板391が収容した状態で固定される。吊車39が上レール21の第1障子用レール211を左右方向に移動することで、第1障子3は、左右方向(横方向)へスライド移動する。
【0036】
下部レールガイド322は、下方に向けて開放して形成される。下部レールガイド322には、下方に向けて開放する下方開放枠322a(
図2、
図5参照)が取り付けられる。下部レールガイド322は、下部レールガイド322に取り付けられた下方開放枠322aの内部に、振れ止め部22の第1障子用振れ止め部221が配置されて、第1障子3の左右方向(横方向)へのスライド移動をガイドする。
【0037】
図7に示すように、第1障子3の左右の縦框33,34は、
図1に示す第1障子3を水平方向に沿って切断して上下方向に見た場合の断面形状が、左右対称の同一形状に形成される。左右の縦框33,34は、いずれも、左右方向に延びる。縦框33,34は、縦ベース部材37と、縦カバー部材38と、第1閉塞部材71(閉塞部材)と、を有する。縦ベース部材37及び縦カバー部材38の断面形状は、左右対称の同一形状に形成される。
【0038】
縦ベース部材37は、左右方向の内側のガラス36側が開放して形成されると共に左右方向の外側に突出する断面視U字形状のガラス溝枠371(面材配置枠)と、ガラス溝枠371におけるU字の開放側の両端部から見込方向の両方の外側に延びる一対の延在板部372(ベース部材側見込方向延在部)と、延在板部372の見込方向の外側の端部から左右方向の外側に突出する突出片373(ベース部材側突出部)と、化粧シート378(表面材)と、を有する。
【0039】
ガラス溝枠371には、ガラス36の左右方向の端部が配置される。ガラス溝枠371の開放側の部分において、ガラス36の左右方向の端部と左右の縦框33,34との間には、左右の縦框33,34の長手方向において部分的に、
図5に示すように、少なくとも2個のセッティングブロック361が配置される。
図7及び
図8に示すように、ガラス溝枠371の見込方向の外側の外面371dには、複数の突起から構成されたベース部材側係合部371bが形成される。ベース部材側係合部371bには、縦ベース部材37に縦カバー部材38が取り付けられる場合に、縦カバー部材38のカバー部材側係合部382bが係合される。
【0040】
縦ベース部材37の表面には、化粧シート378が設けられている。化粧シート378は、一対の延在板部372それぞれの左右方向の内側の面と突出片373の見込方向の外側の面とに亘って貼り付けられている。
【0041】
縦カバー部材38は、縦ベース部材37の左右方向の外側を覆うように、縦ベース部材37の左右方向の外側において、縦ベース部材37に取り付けられる。縦カバー部材38は、見込方向延在板381(カバー部材側見込方向延在部)と、見込方向延在板381の見込方向の中央に形成される開放枠部382と、一対の縦方向延在板383(カバー部材側延出部)と、化粧シート388(表面材)と、を有する。
【0042】
見込方向延在板381は、平面板状に形成され、見込方向に延びる板状に配置される。見込方向延在板381は、縦ベース部材37の左右方向の外側に配置され、縦框33,34において、左右方向の最も外側に配置される。
【0043】
開放枠部382は、左右方向の内側に向けて開放する。開放枠部382には、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付けた場合に、縦ベース部材37のガラス溝枠371の左右方向の外側の凸部371aが配置される。
【0044】
開放枠部382は、見込方向延在板381の左右方向の内側に突出する一対の突出板382a(カバー部材側係合突出部)と、見込方向延在板381の見込方向の中央部分とにより、左右方向の内側に向けて開放して形成される。
【0045】
一対の突出板382aは、見込方向延在板381の見込方向の中央側において、見込方向に離間して配置される。一対の突出板382aは、見込方向延在板381の見込方向の中央側において、見込方向延在板381の左右方向の内側の面から、縦ベース部材37側に突出して形成される。一対の突出板382aは、縦ベース部材37のガラス溝枠371を見込方向に挟むように、縦ベース部材37のガラス溝枠371の見込方向の外側の外面371dに沿って配置される。
【0046】
一対の突出板382aの見込方向の内側の面には、複数の突起から構成されたカバー部材側係合部382bが形成される。カバー部材側係合部382bには、縦ベース部材37に縦カバー部材38が取り付けられる場合に、縦ベース部材37のガラス溝枠371の見込方向の外側の面に形成されるベース部材側係合部371bが係合される。
【0047】
一対の縦方向延在板383は、
図7に示すように、それぞれ、見込方向延在板381の見込方向の端部から左右方向の内側に延びる。縦方向延在板383は、縦方向延在見付面383aを有する。縦方向延在見付面383aは、第1空間FS側及び第2空間SS側からの正面視において、左右方向に幅W2を有して形成され、上下方向に延びる。
【0048】
縦方向延在見付面383aは、縦框33,34の見込方向における最も外側の端部に形成された垂直方向に平行な面であり、左右方向に幅W2を有して上下方向に沿って延びる平面状に形成される。
【0049】
縦框33,34において、縦方向延在見付面383aの幅W2は、いずれも同一の大きさに形成される。縦方向延在見付面383aは、第1空間FS側及び第2空間SS側からの正面視において、使用者によって幅W2で上下方向に延びるように視認される。縦框33,34の縦方向延在見付面383aの幅W2の大きさは、上框31及び下框32の横方向延在見付面314,324の幅W1の大きさと同じである。
【0050】
第1閉塞部材71は、縦ベース部材37に縦カバー部材38が取り付けられた状態において、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に設けられる。第1閉塞部材71は、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるように、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0051】
本実施形態においては、第1閉塞部材71は、縦ベース部材37のガラス溝枠371の左右方向の外側の面371cと、縦カバー部材38の見込方向延在板381の左右方向の内側の見込方向中央側内面381aと、の間に配置される。見込方向中央側内面381aは、見込方向延在板381における一対の突出板382aの間の範囲の見込方向の中央側において、左右方向の内側に形成される面であって、左右方向の内側を向く面である。
【0052】
第1閉塞部材71は、弾性反発力を有した状態で、縦カバー部材38のカバー部材側係合部382bが縦ベース部材37のベース部材側係合部371bに係合された状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0053】
本実施形態においては、第1閉塞部材71は、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に挟まれた場合に、弾性反発力を発揮する部材により構成される。例えば、第1閉塞部材71として、弾性反発力を発揮するクッション性を有するクッション材により構成される。クッション性を有するクッション材は、例えば、気密材により構成してもよい。本実施形態においては、弾性反発力を有する第1閉塞部材71として、一例ではあるが、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間の距離が1mm未満である場合に、第1閉塞部材71が押し潰される前の状態において、5mm程度の厚さのものを使用している。
【0054】
第1実施形態において、第1閉塞部材71を縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置して、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける場合には、
図8に示すように、ガラス溝枠371の左右方向の外側の面371cに第1閉塞部材71を貼り付けた状態で、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける。縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける際に、縦カバー部材38のカバー部材側係合部382bが縦ベース部材37のベース部材側係合部371bに係合されて、第1閉塞部材71は、押し潰されて弾性反発力を有した状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0055】
図7に示すように、縦カバー部材38の表面には、化粧シート388が設けられている。化粧シート388は、中央部が、見込方向に延びる見込方向延在板381の左右方向の外側の面に貼り付けられ、端部側の部分が、見込方向延在板381の見込方向の外側の端部において縦方向延在見付面383a側に折られて、縦方向延在見付面383aの見込方向の外側の面に貼り付けられる。化粧シート388の両端部は、それぞれ、縦方向延在見付面383aの左右方向の内側の端部において、縦方向延在見付面383aの見込方向の内側に180°向きを変えるように折り返されて、縦方向延在板383の見込方向の内側の面に貼り付けられている。
【0056】
縦框33,34において、
図5に示すように、縦カバー部材38が縦ベース部材37を覆うように縦ベース部材37に取り付けられるため、上框31及び下框32と縦框33,34とを固定する場合に、上框31及び下框32と縦ベース部材37とを固定するネジを、縦カバー部材38で隠すことができる。これにより、意匠性を向上できる。
【0057】
更に、縦框33,34において、
図7に示すように、縦カバー部材38が縦ベース部材37を覆うように縦ベース部材37に取り付けられるため、化粧シート378,388の端部が、縦方向延在板383の見込方向の内側の面に配置される。これにより、化粧シート378,388の端部が外部から視認されないため、意匠性を向上できる。
【0058】
以上の上框31及び下框32において、
図4に示すように、横方向延在見付面314,324の幅W1は、同一の大きさに形成される。一対の縦框33,34において、縦方向延在見付面383aの幅W2は、同一の大きさに形成される。更に、上框31及び下框32の横方向延在見付面314,324の幅W1は、一対の縦框33,34の縦方向延在見付面383aの幅W2と同一の大きさに形成される。
【0059】
これにより、上框31、下框32及び一対の縦框33,34において、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324、縦框33,34の縦方向延在見付面383a)の幅W1,W2がいずれも同一であり、同じ幅W1,W2の見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324、縦框33,34の縦方向延在見付面383a)が連続して配置されることで、第1空間FS側及び第2空間SS側からの正面視において、框体35の四周が連続性を有して統一されている。よって、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324、縦框33,34の縦方向延在見付面383a)の連続性が生じて統一感があることにより、意匠性を向上できる。
【0060】
本実施形態においては、例えば、上框31、下框32及び一対の縦框33,34において、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324、縦框33,34の縦方向延在見付面383a)の幅W1,W2を同一に形成すると共に見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324、縦框33,34の縦方向延在見付面383a)の幅W1,W2を小さくして、すっきりとした見栄えとすることを目的としている。従来、特に上框31においては、見付面の幅を小さくしようとしても、上框31には吊車などの部品を配置することが多いため、上框31自体の幅を細くすることが難しかった。
【0061】
これに対して、本開示においては、上框31及び下框32において、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324)の幅方向の上側及び下側に第1テーパ傾斜面315,325及び第2テーパ傾斜面316,326を設けることで、垂直方向に平行な見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324)を目立つように構成し、上框31、下框32及び一対の縦框33,34において、見付面の幅を同一に形成して統一することを実現している。本実施形態においては、例えば、見付面(上框31の横方向延在見付面314、下框32の横方向延在見付面324、縦框33,34の縦方向延在見付面383a)の幅W1,W2を、例えば12mmの同一幅に形成して統一している。
【0062】
このように、本実施形態においては、上框31、下框32及び一対の縦框33,34において、見付面の幅を同一に形成して統一すると共に、框31、下框32及び一対の縦框33,34において、見付面の幅を狭く形成することにより、高級感を出すことを目指している。
【0063】
そして、本実施形態においては、縦框33,34の縦方向延在見付面383aの幅W2を薄くするために、縦ベース部材37及び縦カバー部材38の板厚を薄く形成している。そのため、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に隙間が存在している場合には、第1障子3を操作する際に、縦カバー部材38が縦ベース部材37に対してガタツキが生じてしまう可能性があり、高級感が損なわれてしまう可能性がある。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に隙間が存在している場合には、縦框33,34を指で叩いた際に軽くて高い音がすることで高級感が損なわれてしまう可能性がある。
【0064】
これに対して、本開示においては、第1閉塞部材71により縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めることにより、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを抑制できる。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に第1閉塞部材71を配置したため、縦框33,34を指で叩いたときの音が低くなり、重厚感が生まれることで、高級感を得ることができる。
【0065】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の室内用のパネル体3は、一対の縦框33,34、上框31及び下框32が枠組みされて構成される框体35と、框体35内に配置されるガラス36と、を備え、一対の縦框33,34、上框31及び下框32の少なくともいずれかの框は、縦ベース部材37と、縦ベース部材37を覆うように配置される縦カバー部材38と、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるように縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される第1閉塞部材71と、を有する。
【0066】
これにより、第1閉塞部材71により縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めることにより、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを抑制できる。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に第1閉塞部材71を配置したため、縦框33,34を指で叩いたときの音が低くなり、重厚感が生まれることで、高級感を得ることができる。
【0067】
また、本実施形態においては、第1閉塞部材71は、弾性反発力を有した状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。これにより、第1閉塞部材71は、弾性反発力により、縦ベース部材37と縦カバー部材38とを押さえることができるため、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを一層抑制できる。
【0068】
また、本実施形態においては、縦ベース部材37は、ベース部材側係合部371bを有し、縦カバー部材38は、ベース部材側係合部371bに係合されるカバー部材側係合部382bを有し、第1閉塞部材71は、ベース部材側係合部371bがカバー部材側係合部382bに係合された状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。これにより、縦ベース部材37と縦カバー部材38と係合により固定しつつ、第1閉塞部材71により、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを抑制できる。
【0069】
また、本実施形態においては、縦ベース部材37は、ガラス36の見付方向の端部が配置されガラス36側が開放して形成される断面視U字状のガラス溝枠371と、ガラス溝枠371におけるU字の開放側の両端部から見込方向の両方の外側に延びる一対の延在板部372と、延在板部372の見込方向の外側の両端部から見付方向の外側に突出する一対の突出板382aと、を有する。縦カバー部材38は、縦ベース部材37の見付方向の外側に配置され見込方向に延びる見込方向延在板381と、見込方向延在板381から縦ベース部材37側に突出して形成されガラス溝枠371の見込方向の外側の面に沿って配置されガラス溝枠371の見込方向の外側の面に係合して配置される一対の突出板382aと、見込方向延在板381の見込方向の外側の両端部から縦ベース部材37側に突出する縦方向延在板383と、を有する。第1閉塞部材71は、縦ベース部材37のガラス溝枠371の見付方向の外側の面371cと縦カバー部材38の見込方向延在板381の見込方向中央側内面381aとの間に配置される。これにより、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを抑制できる。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に第1閉塞部材71を配置したため、縦框33,34を指で叩いたときの音が低くなり、重厚感が生まれることで、高級感を得ることができる。
【0070】
次に、第2実施形態~第6実施形態について説明する。第2実施形態~第6実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0071】
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、
図9に示すように、第1実施形態の第1閉塞部材71(閉塞部材)に加えて、一対の第2閉塞部材72(閉塞部材)を備える点において、第1実施形態と主に異なる。
【0072】
図9に示すように、第2実施形態においては、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間には、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるように、第1閉塞部材71及び一対の第2閉塞部材72が配置される。
【0073】
第1閉塞部材71は、第1実施形態と同様に、縦ベース部材37のガラス溝枠371の左右方向の外側の面371cと、縦カバー部材38の見込方向延在板381の見込方向中央側内面381aと、の間に配置される。
【0074】
一対の第2閉塞部材72は、第1実施形態の第1閉塞部材71に対して見込方向の両方の外側において、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。一対の第2閉塞部材72は、それぞれ、縦ベース部材37の一対の延在板部372それぞれの左右方向の外側の面372aと、縦カバー部材38の見込方向延在板381の左右方向の内側の一対の見込方向外側内面381bそれぞれと、の間に配置される。見込方向外側内面381bは、見込方向延在板381における突出板382aと縦方向延在板383との間の範囲の見込方向の外側において、左右方向の内側に形成される面であって、左右方向の内側を向く面である。
【0075】
第2閉塞部材72としては、第1実施形態で説明した第1閉塞部材71と同様に、例えば、弾性反発力を有するクッション性を有するクッション材が用いられている。クッション材は、例えば、気密材でもよい。
【0076】
第2実施形態において、第1閉塞部材71及び第2閉塞部材72を縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置して、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける場合には、
図9に示すように、縦ベース部材37のガラス溝枠371の左右方向の外側の面371cに第1閉塞部材71を貼り付けると共に縦カバー部材38の見込方向延在板381の一対の見込方向外側内面381bに第2閉塞部材72を貼り付けた状態で、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける。縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける際に、縦カバー部材38のカバー部材側係合部382bが縦ベース部材37のベース部材側係合部371bに係合されて、第1閉塞部材71及び一対の第2閉塞部材72は、押し潰されて弾性反発力を有した状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0077】
第2実施形態によれば、第1実施形態の第1閉塞部材71に加えて、第2閉塞部材72を、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるように、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置した。そのため、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを一層抑制できる。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に第1閉塞部材71及び第2閉塞部材72を配置したため、縦框33,34を指で叩いたときの音が一層低くなり、重厚感が生まれることで、高級感を得ることができる。
【0078】
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、
図10に示すように、閉塞部材に関して、
図9に示す第2実施形態が第1閉塞部材71及び一対の第2閉塞部材72を備えているのに対して、第1閉塞部材71を備えずに、一対の第2閉塞部材72(閉塞部材)のみを備えている点において、第2実施形態と主に異なる。
【0079】
図10に示すように、第3実施形態においては、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間には、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるように、一対の第2閉塞部材72が配置される。第3実施形態では、
図9に示す第2実施形態の第1閉塞部材71は設けられていない。
図10に示すように、一対の第2閉塞部材72は、それぞれ、縦ベース部材37の一対の延在板部372それぞれの左右方向の外側の面372aと、縦カバー部材38の見込方向延在板381の左右方向の内側の一対の見込方向外側内面381bそれぞれと、の間に配置される。
【0080】
第3実施形態によれば、第2閉塞部材72により縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるため、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを抑制できる。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に第2閉塞部材72を配置したため、縦框33,34を指で叩いたときの音が低くなり、重厚感が生まれることで、高級感を得ることができる。
【0081】
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、
図7及び
図8に示す第1実施形態の第1閉塞部材71に代えて、
図11に示すように、第3閉塞部材73(閉塞部材)を備えている点において、第1実施形態と主に異なる。
【0082】
図11に示すように、第4実施形態においては、第3閉塞部材73は、第1実施形態の第1閉塞部材71と同じ位置に配置される。第3閉塞部材73は、軟質樹脂プレートにより構成される。軟質樹脂プレートは、弾性反発力が小さい又は弾性反発力を有さないプレート状に形成される。第3閉塞部材73は、弾性反発力が小さい状態又は弾性反発力を有さない状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0083】
第4実施形態において、第3閉塞部材73を縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置して、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける場合には、第1実施形態と同様の取り付け方法で取り付けることができる。
【0084】
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第3閉塞部材73により縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めるため、縦ベース部材37と縦カバー部材38とのガタツキを抑制できる。また、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に第3閉塞部材73を配置したため、縦框33,34を指で叩いたときの音が低くなり、重厚感が生まれることで、高級感を得ることができる。
【0085】
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、
図7及び
図8に示す第1実施形態の第1閉塞部材71に代えて、
図12に示すように、第4閉塞部材74(閉塞部材)を備えている点において、第1実施形態と主に異なる。
【0086】
図12に示すように、第5実施形態においては、第4閉塞部材74は、第1実施形態の第1閉塞部材71と同じ位置に配置される。第4閉塞部材74は、樹脂パッキンにより構成される。樹脂パッキンは、縦カバー部材38側の先端側が丸みを帯びて突出して形成される。樹脂パッキンは、弾性反発力を有した状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0087】
第5実施形態において、第4閉塞部材74を縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置して、縦ベース部材37に縦カバー部材38を取り付ける場合には、第1実施形態と同様の取り付け方法で取り付けることができる。
【0088】
第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができることに加えて、第4閉塞部材74の先端側が丸みを帯びて突出して形成されるため、第4閉塞部材74を押し潰しやすく、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間の隙間を埋めやすい。
【0089】
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、
図12に示す第5実施形態の第4閉塞部材74に代えて、
図13に示すように、第5閉塞部材75(閉塞部材)を備えている点において、第5実施形態と主に異なる。
【0090】
図13に示すように、第6実施形態においては、第5閉塞部材75は、第5実施形態の第4閉塞部材74と同じ位置に配置される。第4閉塞部材74は、周方向において見込方向の一端側が開放した樹脂パッキンにより構成される。一端側が開放した樹脂パッキンは、弾性反発力を有した状態で、縦ベース部材37と縦カバー部材38との間に配置される。
【0091】
第6実施形態によれば、第5実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0092】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0093】
例えば、前記実施形態においては、パネル体を「引き戸」により構成した。しかし、これに限定されない。パネル体は、移動可能に構成してもよいし、移動しない固定した構成としてもよい。パネル体を、移動しない固定した構成とする場合には、例えば、室内空間を2つの空間に仕切る「間仕切りパネル」として構成してもよい。
【0094】
前記実施形態においては、框を縦框に適用した場合について説明したが、これに限定されない。框を横框(上框、下框)に適用してもよい。
【0095】
前記実施形態においては、框を構成するべース部材とカバー部材との間に閉塞部材を配置する場合に、ベース部材及びカバー部材のうちの一方の部材に閉塞部材を予め貼り付けた状態で、カバー部材をベース部材に取り付けた。しかし、閉塞部材を予め貼り付ける部材は、前記実施形態に限定されず、前記実施形態のベース部材及びカバー部材のうちの一方の部材とは反対の他方の部材でもよい。また、閉塞部材を、べース部材及びカバー部材のいずれにも貼り付けない状態で、べース部材とカバー部材との間に配置してもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 建具、3 第1障子(パネル体)、4 第2障子(パネル体)、31,41 上框(横框、框)、32,42 下框(横框、框)、33,34,43,44 縦框(框)、35,45 框体(フレーム体)、36,46 ガラス(面材)、37 縦ベース部材(ベース部材)、38 縦カバー部材(カバー部材)、71 第1閉塞部材(閉塞部材)、72 第2閉塞部材(閉塞部材)、73 第3閉塞部材(閉塞部材)、74 第4閉塞部材(閉塞部材)、75 第5閉塞部材(閉塞部材)、371 ガラス溝枠(面材配置枠)、371b ベース部材側係合部、372 延在板部(ベース部材側見込方向延在部)、373 突出片(ベース部材側突出部)、381 見込方向延在板(カバー部材側見込方向延在部)、382a 突出板(カバー部材側係合突出部)、382b カバー部材側係合部、383 縦方向延在板(カバー部材側延出部)