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特許7617017医療機器制御装置からの動的に調整可能なフレームレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】医療機器制御装置からの動的に調整可能なフレームレート
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/60 20180101AFI20250109BHJP
【FI】
G16H40/60
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021557336
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020024571
(87)【国際公開番号】W WO2020198280
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】16/365,293
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アニェロ アレッサンドロ シモーヌ
(72)【発明者】
【氏名】メディナ ビクター
(72)【発明者】
【氏名】ルシエ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ルメイ ポール ローランド
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/164897(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0034783(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0374568(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0235975(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサを有するサーバを備える医療機器監視システム(300)であって、前記1つ以上のプロセッサは、
コンピュータネットワーク(302)を介して、複数の医療機器制御装置の少なくとも1つの医療機器制御装置(100)から、前記少なくとも1つの医療機器制御装置の画面(104)に表示された内容の少なくとも1つの画像(200)を受信することと、
前記少なくとも1つの画像の少なくとも一部からテキスト情報を抽出するために光学文字認識(OCR)エンジンに要求を送信することと、
前記OCRエンジンから抽出されたテキスト情報を受信することと、
複数のトリガ条件のうちの少なくとも2つのトリガ条件が満たされていることに応答して、前記少なくとも1つの医療機器制御装置が画像を前記サーバに送信する第1のレートを第2のレートに変更する要求を前記少なくとも1つの医療機器制御装置に送信することであって、前記第1および第2のレートは非ゼロであることと、
を実行するように構成され、
前記複数のトリガ条件は、
前記抽出されたテキスト情報がアラームテキストを含むかどうかに基づく第1の条件、
前記抽出されたテキスト情報が、医療機器が前記少なくとも1つの医療機器制御装置に接続されているという表示を含むかどうかに基づく第2の条件、または、
前記抽出されたテキスト情報に対して行われた検証試験の結果に基づく第3の条件
を含み、
前記複数のトリガ条件の各々は、前記少なくとも1つの医療機器制御装置が前記サーバに画像を送信する複数の所定のレートのうちの少なくとも1つに関連付けられ、
前記複数のトリガ条件のうちの2つ以上は、前記複数の所定のレートのうちの異なるレートに関連付けられ、
前記第2のレートは、前記第2のレートが前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートのうち最も速いまたは最も遅いという決定に応答して、前記1つ以上のプロセッサによって選択される、
医療機器監視システム。
【請求項2】
前記複数のトリガ条件は、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を含み、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件は、前記複数の所定のレートのうちの異なるレートに関連付けられる、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項3】
前記少なくとも2つのトリガ条件は、前記第1の条件を含む、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項4】
前記第1の条件は、前記抽出されたテキスト情報がアラームテキストを含むという決定であり、前記第2のレートは、前記第1のレートよりも速い、請求項3に記載の医療機器監視システム。
【請求項5】
前記少なくとも2つのトリガ条件は、前記第2の条件を含む、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項6】
前記第2の条件は、前記抽出されたテキスト情報が、医療機器が前記少なくとも1つの医療機器制御装置に接続されていないという表示を含むという決定であり、前記第2のレートは、前記第1のレートよりも遅い、請求項5に記載の医療機器監視システム。
【請求項7】
前記第2のレートは、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートのうちで最も遅いものである、請求項6に記載の医療機器監視システム。
【請求項8】
前記複数のトリガ条件の各々は、複数の所定の優先度値のうちの少なくとも1つに関連し、前記第2の条件は、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの別の1つよりも高い所定の優先度値に関連する、請求項7に記載の医療機器監視システム。
【請求項9】
前記少なくとも2つのトリガ条件は、前記第3の条件を含む、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項10】
前記第3の条件は、前記検証試験が失敗したという決定であり、前記第2のレートは、前記第1のレートよりも速い、請求項9に記載の医療機器監視システム。
【請求項11】
前記検証試験は、前記抽出されたテキスト情報が数字または小数点からなることをチェックする、請求項10に記載の医療機器監視システム。
【請求項12】
前記検証試験は、数値フィールドが所定の範囲内にあることをチェックする、請求項10に記載の医療機器監視システム。
【請求項13】
前記複数の医療機器制御装置をさらに備え、前記複数の医療機器制御装置の各々は、心臓ポンプに接続するように構成される、請求項12に記載の医療機器監視システム。
【請求項14】
前記数値フィールドは、配置信号の値である、請求項13に記載の医療機器監視システム。
【請求項15】
前記数値フィールドは、モータ電流値である、請求項13に記載の医療機器監視システム。
【請求項16】
前記数値フィールドは、血流量である、請求項13に記載の医療機器監視システム。
【請求項17】
前記複数の医療機器制御装置をさらに備え、前記複数の医療機器制御装置の各々は、心臓ポンプに接続するように構成され、
前記複数のトリガ条件は、
前記抽出されたテキスト情報が、第1の所定の範囲内の配置信号の値を含むかどうかに基づく第4の条件、
前記抽出されたテキスト情報が、第2の所定範囲内のモータ電流値を含むかどうかに基づく第5の条件、または
前記抽出されたテキスト情報が第3の所定範囲内の血流量を含むか否かに基づく第6の条件、
を含む、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項18】
前記複数のトリガ条件は、前記第1の条件、前記第2の条件、前記第3の条件、前記第4の条件、前記第5の条件、および前記第6の条件を含む、請求項17に記載の医療機器監視システム。
【請求項19】
前記複数のトリガ条件は、前記第4の条件、前記第5の条件、および前記第6の条件を含み、前記第4の条件、前記第5の条件、および前記第6の条件は、前記複数の所定のレートのうちの異なるレートに関連付けられる、請求項17に記載の医療機器監視システム。
【請求項20】
前記複数のトリガ条件は、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件を含み、前記第1の条件、前記第2の条件、および前記第3の条件は、前記複数の所定のレートのうちの異なるレートに関連付けられる、請求項19に記載の医療機器監視システム。
【請求項21】
前記第2のレートは、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートのうち最も速く、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートの各々は、前記第1のレートよりも速い、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項22】
前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートのうち最も速いレートは、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの2つ以上に関連する、請求項21に記載の医療機器監視システム。
【請求項23】
前記第2のレートは、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートの中で最も遅く、前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートの各々は、前記第1のレートよりも遅い、請求項1に記載の医療機器監視システム。
【請求項24】
1つ以上のプロセッサによって実行される方法であって、
コンピュータネットワーク(302)を介して、複数の医療機器制御装置の少なくとも1つの医療機器制御装置(100)から、前記少なくとも1つの医療機器制御装置の画面(104)に表示された内容の少なくとも1つの画像(200)を受信すること(400)と、
前記少なくとも1つの画像の少なくとも一部からテキスト情報を抽出するために光学文字認識(OCR)エンジンに要求を送信することと、
前記OCRエンジンから抽出されたテキスト情報を受信することと、
複数のトリガ条件のうちの少なくとも2つのトリガ条件が満たされていることに応答して、前記少なくとも1つの医療機器制御装置が画像をサーバに送信する第1のレートを第2のレートに変更する要求を前記少なくとも1つの医療機器制御装置に送信することであって、前記第1および第2のレートは非ゼロであることと、
を含み、
前記複数のトリガ条件は、
前記抽出されたテキスト情報がアラームテキストを含むかどうかに基づく第1の条件、
前記抽出されたテキスト情報が、医療機器が前記少なくとも1つの医療機器制御装置に接続されているという表示を含むかどうかに基づく第2の条件、または、
前記抽出されたテキスト情報に対して行われた検証試験の結果に基づく第3の条件
を含み、
前記複数のトリガ条件の各々は、前記少なくとも1つの医療機器制御装置が前記サーバに画像を送信する複数の所定のレートのうちの少なくとも1つに関連付けられ、
前記複数のトリガ条件のうちの2つ以上は、前記複数の所定のレートのうちの異なるレートに関連付けられ、
前記第2のレートは、前記第2のレートが前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートのうち最も速いまたは最も遅いという決定に応答して選択される、
方法。
【請求項25】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサに、
コンピュータネットワーク(302)を介して、複数の医療機器制御装置の少なくとも1つの医療機器制御装置(100)から、前記少なくとも1つの医療機器制御装置の画面(104)に表示された内容の少なくとも1つの画像(200)を受信することと、

前記少なくとも1つの画像の少なくとも一部からテキスト情報を抽出するために光学文字認識(OCR)エンジンに要求を送信することと、
前記OCRエンジンから抽出されたテキスト情報を受信することと、
複数のトリガ条件のうちの少なくとも2つのトリガ条件が満たされていることに応答して、前記少なくとも1つの医療機器制御装置が画像をサーバに送信する第1のレートを第2のレートに変更する要求を前記少なくとも1つの医療機器制御装置に送信することであって、前記第1および第2のレートは非ゼロであることと、
を行わせ、
前記複数のトリガ条件は、
前記抽出されたテキスト情報がアラームテキストを含むかどうかに基づく第1の条件、
前記抽出されたテキスト情報が、医療機器が前記少なくとも1つの医療機器制御装置に接続されているという表示を含むかどうかに基づく第2の条件、または、
前記抽出されたテキスト情報に対して行われた検証試験の結果に基づく第3の条件
を含み、
前記複数のトリガ条件の各々は、前記少なくとも1つの医療機器制御装置が前記サーバに画像を送信する複数の所定のレートのうちの少なくとも1つに関連付けられ、
前記複数のトリガ条件のうちの2つ以上は、前記複数の所定のレートのうちの異なるレートに関連付けられ、
前記第2のレートは、前記第2のレートが前記少なくとも2つのトリガ条件のうちの1つ以上に関連する前記所定のレートのうち最も速いまたは最も遅いという決定に応答して選択される、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月26日に出願された「Dynamically Adjustable Frame Rate from Medical Device Controller」と題する米国特許出願第16/365,293号の利益を主張し、その内容全体はあらゆる目的で参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、医療機器を遠隔監視することに関し、より詳細には、医療機器制御装置によって表示された画面の画像が画像の光学文字認識(OCR)処理のために要求されるフレームレートを動的に調整することに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術
いくつかの血管内血液ポンプ、例えばマサチューセッツ州ダンバーズのAbiomed,Inc.から入手可能なImpella(登録商標)2.5心臓ポンプなどの多くの医療機器は、心臓信号レベル、バッテリー温度、血流量および配管完全性などの医療機器に関する動作データを収集および表示する外部の医療機器制御装置に接続される。例示的な医療機器制御装置が、Automated Impella Controller(登録商標)の商品名でAbiomed,Inc.から入手可能である。これら医療機器制御装置は、動作データ値が所定の値または範囲を超える場合、例えば、漏れや吸引の喪失が検出される場合にアラームを発する。これらの医療機器制御装置は、ヒューマンインターフェースとしてビデオ表示画面を含み、そこに動作データおよび/またはアラームが表示される。
【0004】
医療関係者による遠隔監視を容易にして有効性および患者の安全性を確保するために、そのような医療機器制御装置の一部は、多くの場合無線セグメントを含むコンピュータネットワークを介して、監視ステーションによってアクセスされ得る中央サーバに結合され得る。監視ステーションは、医療関係者が見るための表示画面にリアルタイムの動作データおよび/またはアラームを表示し得る。
【0005】
サーバは、医療機器制御装置の画面に表示された内容の画像を要求して受信する。一部のサーバは、光学文字認識(OCR)技術を使用して画像をパースし、心臓ポンプシリアル番号、血流量、警告メッセージテキストなどのテキスト情報を抽出する。
【0006】
しかしながら、ネットワークの輻輳および断続的な無線ネットワーク接続により、サーバが医療機器制御装置から画像を適時にフェッチすることが困難または不可能になり、アラームなどの通知の見逃しや遅延につながる可能性がある。さらに、サーバによって発行される各OCR要求にはコストがかかる。このコストにより、低コスト動作(情報報告の遅延のリスクを負う、まれな画像解析)と低レイテンシ情報報告(頻繁な画像解析)との間の緊張関係が生じる。
【発明の概要】
【0007】
態様の概要
本発明の一態様は、医療機器監視システムを提供する。医療機器監視システムは、サーバを含む。サーバは、画像を自動的に要求して受信するように構成されている。サーバは、複数の医療機器制御装置の各医療機器制御装置からコンピュータネットワークを介して画像を要求して受信するように構成されている。各画像は、医療機器制御装置の画面に表示された内容を含む。サーバはまた、各画像の少なくとも一部分を光学文字認識させるようにも構成されている。サーバは、サーバが各医療機器制御装置に画像を要求するレートを動的に調整するようにさらに構成されている。
【0008】
任意の態様において、サーバは、医療機器制御装置に関する情報に基づいてレートを動的に調整するように構成され得る。
【0009】
任意の態様において、医療機器制御装置に関する情報は、医療機器制御装置によって提供され得る。
【0010】
任意の態様において、医療機器制御装置に関する情報は、医療機器制御装置のアラーム状態に関する情報を含み得る。
【0011】
任意の態様において、医療機器制御装置に関する情報は、動作パラメータに関する情報を含み得る。
【0012】
任意の態様において、医療機器制御装置に関する情報は、医療機器制御装置の電源に関する情報を含み得る。
【0013】
任意の態様において、医療機器制御装置に関する情報は、医療機器制御装置を同時に監視しているユーザの人数に関する情報を含み得る。
【0014】
任意の態様において、サーバは、コンピュータネットワークに関する情報に基づいてレートを動的に調整するように構成され得る。
【0015】
任意の態様において、コンピュータネットワークに関する情報は、コンピュータネットワークにかかる負荷に関する情報を含み得る。
【0016】
任意の態様において、コンピュータネットワークに関する情報は、コンピュータネットワークの信頼性に関する履歴情報を含み得る。
【0017】
任意の態様において、コンピュータネットワークに関する情報は、医療機器制御装置が利用可能な無線ネットワーク接続の信号強度に関する情報を含み得る。
【0018】
任意の態様において、コンピュータネットワークに関する情報は、施設において医療機器制御装置と共に配置された他の医療機器制御装置の数に関する情報を含み得る。
【0019】
任意の態様において、サーバは、サーバにかかる作業負荷に関する情報に基づいてレートを動的に調整するように構成され得る。
【0020】
任意の態様において、サーバは、人間のユーザからの入力に基づいてレートを動的に調整するように構成され得る。
【0021】
任意の態様において、サーバは、履歴情報に基づいてレートを動的に調整するように構成され得る。
【0022】
任意の態様において、履歴情報は、医療機器制御装置への医療機器の接続のタイミングに関する履歴情報を含み得る。
【0023】
任意の態様において、履歴情報は、少なくとも1つの以前の画像の光学文字認識の精度に関する履歴情報を含み得る。
【0024】
任意の態様において、サーバは、各画像の少なくとも一部分の光学文字認識を要求するサーバの数を動的に調整するようにさらに構成され得る。本発明の別の態様は、医療機器を監視する方法を提供する。この方法は、医療機器制御装置の画面に表示された内容の画像を自動的に要求して受信する工程を含む。画像は、コンピュータネットワークを介して要求され受信される。画像は、複数の医療機器制御装置の各医療機器制御装置に要求され受信される。この方法はまた、各画像の少なくとも一部分を自動的に光学文字認識させる工程と、画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する工程とを含む。
【0025】
任意の態様において、医療機器制御装置に関する情報が受信され得る。画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する工程は、医療機器制御装置に関する情報に基づいてレートを自動的に動的に調整することを伴い得る。
【0026】
任意の態様において、コンピュータネットワークに関する情報が受信され得る。画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する工程は、コンピュータネットワークに関する情報に基づいてレートを自動的に動的に調整することを伴い得る。
【0027】
任意の態様において、サーバにかかる作業負荷に関する情報が受信され得る。画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する工程は、サーバにかかる作業負荷に関する情報に基づいてレートを自動的に動的に調整することを伴い得る。
【0028】
任意の態様において、人間のユーザからの入力が受信され得る。画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する工程は、人間のユーザからの入力に基づいてレートを自動的に動的に調整することを伴い得る。
【0029】
本発明のさらに別の態様は、非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。この媒体は命令で符号化される。プロセッサによって実行されると、命令は、医療機器を監視するコンピュータ実装方法を行うためのプロセスを確立する。プロセスは、医療機器制御装置の画面に表示された内容の画像を自動的に要求して受信するプロセスを含む。画像は、コンピュータネットワークを介して、複数の医療機器制御装置の各医療機器制御装置に要求され受信される。プロセスは、各画像の少なくとも一部分を自動的に光学文字認識させるように構成されている。プロセスは、画像が要求されるレートを自動的に動的に調整するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、以下の特定の態様の詳細な説明を図面と併せて参照すればより十分に理解されるであろう。
【0031】
図1】先行技術による、例示的な従来の医療機器制御装置、および医療機器制御装置に結合された例示的な従来の医療機器、この例では心臓ポンプの斜視図である。
図2】先行技術による、図1の医療機器制御装置の画面に表示され得る例示的な仮想表示画面内容を示す図である。
図3】本発明の一態様による、図1および図2の医療機器制御装置などの複数の医療機器制御装置から、複数の医療機器制御装置に関する動作データを収集、格納、および取得するための医療機器監視システムの主要な構成要素の概略ブロック図である。
図4】本発明の一態様による、図3のサーバによって行われる方法などの医療機器を監視する方法を概略的に示すフローチャートである。
図5】本発明の一態様による、図4の方法のサブプロセスである、医療機器または制御装置に関する情報に基づいて、画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する工程に関与する工程を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
特定の態様の詳細な説明
本発明の態様は、コンピュータネットワーク負荷を低減し、アラームなどの優先度の高い情報を適時に報告し、ユーザによって要求された間隔で情報を提供するように、医療機器制御装置からの画面画像から情報を抽出し、それぞれの医療機器制御装置から画面画像がフェッチされるレートをインテリジェントに変更する医療機器監視システムおよび医療機器監視方法を提供する。画面画像がフェッチされるレートは、サーバが利用可能な情報、例えば、利用可能なネットワーク帯域幅、ネットワーク輻輳のレベル、単一の医療機関にまたは所与のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上に共に配置された医療機器制御装置の数、医療機器制御装置のアラーム状況、および/あるいは医療機器制御装置に接続された医療機器の使用に関する履歴タイミング情報に基づいて、自動的に変更される。
【0033】
図1は、例示的な従来の医療機器制御装置100、および医療機器制御装置100に結合された例示的な従来の医療機器102、この例では心臓ポンプの斜視図である。図1に示される例では、医療機器制御装置100は、マサチューセッツ州ダンバーズのAbiomed,Inc.製のAutomated Impella Controller(登録商標)であり、心臓ポンプ102は、やはりAbiomed,Inc.からも入手可能なImpella(登録商標)2.5心臓ポンプであるが、任意の適切な医療機器制御装置が使用されてもよい。場合によっては、医療機器とその関連する医療機器制御装置は組み合わされる。そのような組み合わせを、本明細書では単に医療機器制御装置と呼ぶ。
【0034】
医療機器制御装置100は表示画面104を含み、医療機器制御装置100はそこに、心臓信号レベル、バッテリー温度、血流量、および配管完全性などの医療機器102に関する動作データを表示する。本明細書でより詳細に論じられるように、医療機器制御装置100は、コンピュータネットワークに接続され、それによって画面104に表示された内容の画像をリモートサーバ(図示されず)に送信し得る。
【0035】
図2に、図1の医療機器制御装置100の画面104に表示され得る例示的な仮想表示画面内容200を示す。例えば、表示画面内容は、心臓ポンプタイプ(「Impella 5.0」)202、心臓ポンプシリアル番号(「120703」)204、警告/エラーメッセージ206、配置信号(placement signal)207、現在の心臓ポンプ速度(性能)設定(「P-0」)208、心臓ポンプモータ電流値(heart pump motor current value)210、現在または平均血流量212、ならびに最小および最大血流量213を含み得る。表示画面内容200は、通常、画素化されている。
【0036】
図3は、複数の医療機器制御装置100から、複数の医療機器制御装置100に関する動作データを収集、格納、および取得するための医療機器監視システム300の主要な構成要素の概略ブロック図である。簡略化のために、図3には医療機器制御装置100のみが示されており、別個の医療機器は示されていない。3つの医療機器制御装置100が示されているが、他の数の医療機器制御装置100が使用されてもよい。各医療機器制御装置100は、任意でリモート・リンク・モジュール304を介してコンピュータネットワーク302に接続可能である。各医療機器制御装置100は、接続された医療機器に関するステータス情報を自動的に繰り返し取り込み、ステータス情報を表示画面104(図1)に表示するように構成されている。上記のように、図2は、任意の所与の医療機器制御装置100の画面104に表示され得るそれぞれの仮想表示画面内容200を示している。
【0037】
サーバ306は、各医療機器制御装置100の画面104に表示された内容の画像を、自動的定期的に、または随時、通常は約20秒ごとに要求して受信するように構成されている。要求および画像は、コンピュータネットワーク302を介して送信される。画像は、ビデオフレームまたはビデオフレームのシーケンスとして符号化された1つまたは複数のメッセージで送信され得る。ビデオフレームは、例えば、医療機器制御装置100の表示画面104に表示された画像の画素化されたコピーを含み得る。
【0038】
サーバ306は、受信されたフレーム(画像)を処理するように構成されている。上記のように、サーバ306は、画像をパースし、画像の部分を光学文字認識(OCR)することによって、心臓ポンプシリアル番号、血流量、警告メッセージテキストなどのテキスト情報を抽出する。サーバ306はまた、画像をパースし、電源アイコンなどのグラフィカル情報を抽出し、このグラフィカル情報を所定の画素パターンおよび/または色と比較し得る。サーバ306はOCRエンジンを含み得るか、またはサーバ306は、例えばコンピュータネットワーク302を介して、外部OCRエンジン310と通信し得る。サーバ306は次いで、認識されたテキストを使用して、医療機器制御装置100のシリアル番号または他の識別子、医療機器制御装置100の動作パラメータ、医療機器制御装置100のうちの1つによってアラームが発せられたかどうかなどを自動的に確認し得る。
【0039】
データストア308は、1つまたは複数のメディアファイル、特にMP4ビデオや他の適切なタイプのメディアファイルなどのフレーム(画像)を格納するように構成され、サーバ306は、受信されたフレーム(画像)をデータストア308に自動的に格納するように構成されている。データストア308は、いくつかの監視ステーション312のうちの1つからの要求に応答してなど、後の再生のためにサーバ306によって受信された画面画像を記録する。監視ステーション312は、クラウドベースの技術を使用して、医療機器制御装置100の画面104の画像を、インターネット接続があればどこへでも医師および病院スタッフに安全に遠隔から表示し得る。例示的な遠隔監視システムは、マサチューセッツ州ダンバーズのAbiomed,Inc.から入手可能なImpella Connect(登録商標)オンラインデバイス管理システムという商品名で入手可能である。
【0040】
データストア308は、提供要求に応答して格納されたメディアファイルの要求された部分を提供するように構成されている。データストア308はこれにより、医療機器制御装置100のステータス情報の再生をサポートする。例えば、データストア308は、ユーザに表示するために、メディアファイルに格納されたビデオの1つまたは複数のフレーム(画像)を提供し得る。サーバ306はまた、サーバ306によってリアルタイムで受信された画像に基づいて、かつ/またはデータストア308に保持されている履歴情報に基づいて、医療機器制御装置100のうちの1つまたは複数に関するステータス情報を監視ステーション312のうちの監視ステーションに提供するようにも構成され得る。
【0041】
しかしながら、医療機関内部のコンピュータネットワークの輻輳などのコンピュータネットワーク302の輻輳、および信頼性を欠く無線ネットワーク接続により、サーバ306が医療機器制御装置100に画像を要求して適時に受信するのが困難な環境が生じる。さらに、各画像はOCRエンジン310によって別々に処理され、サーバ306によって発行される各OCR要求にはコストがかかる。
【0042】
本発明の態様は、サーバ306が医療機器制御装置100に画像を要求するレートを自動的に動的に調整することによってこれらの問題を解決する。任意でまたは代替的に、サーバ306は、(場合によっては異なる)レートを各医療機器制御装置100に送信してもよく、それに応答して、各医療機器制御装置100はその画像を、画像ごとのサーバ306からの明示的な要求なしに、命令されたレートでサーバ306に送信する。説明を簡単にするために、本明細書および添付の特許請求の範囲では、サーバ306が「画像を要求する」レートを動的に調整することは、(a)サーバ306が各画像を明示的に要求することと、(b)サーバ306が、画像ごとの明示的な要求なしに、医療機器制御装置100が画像を送信すべきレートを命令することと、の両方を包含する。
【0043】
サーバ306は、医療機器制御装置100のうちの異なるものから異なるレートで画像を要求し得、サーバ306は、医療機器制御装置100のうちの異なるものに対して独立してレートを動的に調整し得る。特定の医療機器制御装置100または医療機器制御装置100のグループからの画像レートを自動的に決定するためにサーバ306によって使用される例示的な要因には、ネットワーク輻輳のレベル、医療機器制御装置100がアラームを発しているかどうか、アラームの重大度、心臓ポンプ102または他の医療機器が特定の医療機器制御装置100に接続されているかどうか、患者の状態およびユーザコマンドが含まれる。
【0044】
サーバ306は、(a)医療機器制御装置100からの情報、(b)コンピュータネットワーク302に関する情報、(c)サーバ306またはOCRエンジン310などの他のサーバに関する情報、および(d)システム300の人間のユーザもしくは患者からの、または人間のユーザもしくは患者に関する情報などの様々なカテゴリの情報に基づいて、画像が要求されるレートを自動的に動的に調整し得る。カテゴリのいずれかの情報の一部は履歴的であり得る。これらのカテゴリの各々からの例を以下に示す。作業目的を満たすか、または作業目的に取り組むための必要に応じて異なるカテゴリおよび/または他のカテゴリの情報が使用され得る。
【0045】
図4は、医療機器100を監視する方法を概略的に示すフローチャートである。サーバ306(図3)は、この方法を行い得る。動作400で、この方法は、画像(「受信画像」)を要求して受信する。受信画像は、コンピュータネットワーク302を介して要求され受信される。受信画像は、複数の医療機器制御装置の各医療機器制御装置100に要求され受信される。各受信画像は、医療機器制御装置100の画面104に表示された内容を含む。
【0046】
402で、受信画像ごとに、画像の少なくとも一部分が、テキスト結果を生成するためにOCRエンジン310へのサービス呼び出しを介して光学文字認識される。404で、テキスト結果から第1のテキスト結果が抽出される。第1のテキスト結果は、医療機器制御装置100および/または医療機器制御装置100に接続された心臓ポンプなどの医療機器に関する情報を含む画像の一部分から抽出される。406で、医療機器制御装置100に関する情報が、第1のテキスト結果から自動的に確認される。
【0047】
任意でまたは代替的に、医療機器制御装置100および/または医療機器制御装置100に接続された医療機器に関する情報を自動的に決定するために、受信画像の1つまたは複数の部分が、例えば、画素ごとのそれらの部分を所定の画素パターンおよび/または所定の色のセットと比較することによって解析されてもよい。例えば、医療機器制御装置100が現在給電されているのがバッテリーによってかそれとも商用電源によってかを自動的に判定するために、画像内の電源アイコン222が、所定のパターンと比較され得る。
【0048】
408で、医療機器制御装置100に画像が要求されるレートが、医療機器制御装置100または関連付けられた医療機器102に関する情報に基づいて、自動的に動的に調整される。「動的に」とは、レートが、1回だけでなく、経時的に変更されることを意味する。レートは、サーバ306がレートを変更する理由を検出するのと同じ頻度で変更されてもよく、より低い頻度で変更されてもよい。
【0049】
画像から自動的に確認され得る第1のカテゴリの情報、すなわち、医療機器制御装置100から受信される情報、およびこの情報が画像要求レートにどのように影響するかの例を表1に示す。例えば、医療機器制御装置100からの現在の画像のOCRに失敗した場合、サーバ306は、少なくとも1つの画像または所定数(例えば、3つ)の連続した画像が正常にOCR処理するまで、新しい画像を直ちに要求するように間隔をゼロに変更し得、その後、間隔はデフォルト値または他の情報によって決定された値に戻され得る。しかしながら、所定数の連続した画像のOCRに失敗した場合、サーバ306は間隔を増加させ、エラーを発生させる必要がある。
【0050】
サーバ306は、重大なイベントが発生したとき、例えば、医療機器制御装置100の電源がオンになったときや心臓ポンプ102が医療機器制御装置100に接続されたときなどに、医療機器制御装置100から情報を受信する。サーバ306は、これらのイベントの時間などの情報を記憶するように構成され得る。サーバ306は、医療機器制御装置100の電源がオンになってから心臓ポンプ102または他の医療機器が医療機器制御装置100に接続されるまでの間の計算された平均時間などの統計を計算し、統計情報または履歴情報を格納するようにさらに構成され得る。統計的に有意な数のサンプルがサーバ306によって収集された後、医療機器制御装置100の電源がオンになったことを検出すると、サーバ306は、心臓ポンプ104が接続されるまでの平均時間の約70%の間、画像要求間隔を約1分などの比較的高い値に設定し、その後、約20秒などのデフォルトの間隔、または別の所定の値に自動的に切り替えることができる。
【0051】
表1の例は、特定のタイプの医療機器制御装置100および特定のタイプの医療機器(心臓ポンプ)に関する。他のタイプの医療機器制御装置および医療機器は、異なるタイプの情報を提供し得、よって、異なるタイプのトリガおよび異なる間隔を有し得る。よって、表1の内容は、本開示または添付の特許請求の範囲の広さに対する限定とみなされるべきではない。本明細書に含まれる他の表についても同様である。
【0052】
(表1)医療機器制御装置に関する例示的な情報
【0053】
サーバ306は、医療機器制御装置100に関する情報に基づいて、医療機器制御装置100に画像が要求されるレートを自動的に動的に調整するように構成されている。表1の各エントリは、情報の名前、トリガ条件および間隔を含む。サーバ306が表1のエントリのトリガ条件を満たす情報内の条件を検出した場合、サーバ306は、サーバ306が対応する医療機器制御装置100に画像を要求する間隔を表エントリ内の間隔値に変更し得る。サーバ306は、追加規則を使用して、画像要求間隔が変更される値および/または画像要求間隔が変更される頻度を制御し得る。複数の条件が満たされた場合、サーバ306は、追加規則に基づいて、画像要求間隔を満たされた条件の最短間隔に、または満たされた条件の最長間隔に変更し得る。
【0054】
表内の条件が満たされない場合、サーバ306は、約20秒などのデフォルトの間隔に戻り得る。これらの条件の中には、画像要求間隔をデフォルト値よりも大きい値に変更させるものもある。例えば、現在、所与の医療機器制御装置100に血液ポンプが接続されていない場合、医療機器制御装置100は本質的に現在使用されておらず、したがって現在特に有用な情報を提供していないので、画像要求間隔を比較的大きくしてもよい。他方、例えば、アラームテキスト206が問題を示す場合、画像要求間隔を比較的小さくして、監視ステーション312上の表示をより頻繁にリフレッシュさせ、監視ステーション312を監視している人員がより多くの最新情報を受信するようにしてもよい。
【0055】
任意で、サーバ306は、OCRエンジン310によって返されたテキスト結果に対して検証試験を行ってもよい。例えば、平均血流量212(図2)などのフィールドが数値であると予想される場合、返されたOCRテキストはチェックされ、それが数字と任意の小数点のみを含む場合にのみ受け入れられ得る。数値フィールドは範囲チェックされ得る。例えば、各配置信号207の値が0~100の範囲内でなければならないことが事前に分かっている場合、返されたOCRテキストはこの範囲と比較され得る。フィールドがそのそれぞれの検証試験に失敗した場合、画像がフィールドの有効値を得るようにOCR処理されるまで、間隔は、例えば5秒に短縮され得る。
【0056】
表1の例は単純な条件であるが、サーバ306は、条件の組み合わせを使用して画像要求間隔を自動的に決定し得る。例えば、平均血流量212が1未満または8超であり、最小血流量213が1未満である場合、サーバ306は画像要求間隔を、1秒、すなわち、2つの条件のどちらかの間隔未満に別々に変更し得る。
【0057】
第1のカテゴリの情報、すなわち、医療機器制御装置100から受信される情報の他の例には、ポンプ性能レベル208、任意の特定のアラーム206、ローカル時間224、およびポンプシリアル番号204など、画像内で入手可能な任意の情報が含まれる。ポンプ性能レベル208は、医療機器制御装置100上の表示画面104を使用して実装されたユーザインターフェースを介してなど、医療機器制御装置100のユーザによって設定された動作パラメータ、この場合は本質的に所望のポンプ速度の表示である。
【0058】
図5は、動作408(図4)のサブ動作、すなわち、医療機器または制御装置100に関する情報に基づいて、画像が要求されるレートを自動的に動的に調整する動作を概略的に示すフローチャートである。500で、表1などの表が、医療機器制御装置100に関する情報とその名前が一致するエントリを求めてスキャンされる。第1のOCRテキスト結果から情報が自動的に確認され(図4の動作406)、かつ/または受信画像の電源アイコンなどの1つもしくは複数の部分が、医療機器制御装置100に関する情報を判定するために解析されたことを想起されたい。
【0059】
502で、一致する表エントリが見つかった場合、制御は504に進む。一般に、表1のエントリは、間隔をデフォルトより上に増やすか、または間隔をデフォルトより下に減らすかのどちらかとして特徴付けることができる。一般に、間隔値をデフォルト値より上に増やす表エントリは、医療機器制御装置100にポンプが接続されていないか、またはネットワークの輻輳により更新頻度を少なくする必要があるなどのために、迅速な更新が必要とされないかまたは望ましくない、比較的「緩和された」状況と関連付けられ得る。他方、間隔値をデフォルト値より下に減らす表エントリは、医療機器制御装置100がアラームを発しているなどのために迅速な更新が必要とされる、比較的「緊張した」状況と関連付けられ得る。
【0060】
すべての一致する表エントリが間隔をデフォルト値より上に増やす場合、全体的な状況は緩和されているとみなされ得、最大間隔値が選択され得る。別の、より保守的な態様では、最小間隔値が選択され得る。
【0061】
すべての一致する表エントリが間隔をデフォルト値より下に減らす場合、全体的な状況は緊張しているとみなされ得、一致する表エントリによって表される最も深刻な問題に対応するように、最小間隔値が選択され得る。
【0062】
少なくとも1つの一致する表エントリが間隔をデフォルト値より上に増やし、少なくとも1つの一致する表エントリが間隔をデフォルト値より下に減らす場合、間隔値を増やすかそれとも減らすかを決定するために1つもしくは複数の追加規則が使用され得る。いくつかの態様では、各表エントリは優先度値(図示されず)を有し、優先度値が最も高い一致する表エントリが選択される。このように、例えば、ある情報は短い画像要求間隔値が適切であることを示すが、対応する医療機器制御装置100に心臓ポンプが接続されていない場合、医療機器制御装置100から画像を迅速にフェッチすることに意味がなく、長い間隔値を選択することができる。この戦略は、以下のように実施され得る。
【0063】
504で、すべての一致する表エントリのうち、最短間隔値が一時的に格納される。同様に、506で、すべての一致する表エントリのうち、最長間隔値が一時的に格納される。508で、1つまたは複数の追加規則に基づいて、最短間隔値または最長間隔値のどちらかが一時記憶から選択される。
【0064】
任意の一致する表エントリが間隔をデフォルトより下に減らす場合には、追加規則は最短間隔値を選択させ得るか、または追加規則は優先度値に基づいてもしくは他の選択基準に従って表エントリを選択し得る。間隔をデフォルト値より下に減らす一致する表エントリがない場合、追加規則は最長間隔値を選択させ得る。
【0065】
510で、選択された間隔値が、医療機器制御装置100の画像要求間隔を設定するために使用される。512で、次の医療機器制御装置に関する情報が解析される。
【0066】
図4に戻って、410で、コンピュータネットワーク320に関する情報が自動的に確認される。例えば、サーバ306は、コンピュータネットワーク306に問い合わせるか、またはpingなどのツールを使用して、ネットワーク輻輳のレベル、利用率、および/または利用可能な帯域幅を測定し得る。コンピュータネットワーク320は、いくつかのパブリックネットワークおよび/またはプライベートネットワーク、例えば、医療機関内の有線プライベートネットワークおよび/または無線プライベートネットワーク、インターネットなどのパブリック広域ネットワークおよびプライベート広域ネットワーク、パブリック・セルラー・ネットワークおよびプライベート・セルラー・ネットワーク、ならびにサーバ306を収容するサービスプロバイダの施設内に位置するプライベートネットワークを含み得ることに留意されたい。これらのネットワークまたはセグメントの各々は、それ自体の特性セットを有し得、異なる医療機器制御装置100は、異なるネットワークおよびセグメントを介してサーバ306に結合され得る。したがって、医療機器制御装置100ごと、または共に配置された医療機器制御装置100のグループごとに、サーバ306は、その医療機器制御装置100またはグループへの経路における最も制限的なネットワークまたはセグメントの特性を使用することを選択し得る。
【0067】
サーバ306は、各医療機器制御装置100がどの広域ネットワーク、ローカルネットワークおよび/もしくはネットワークセグメントなどに接続されているか、ならびに/またはコンピュータ・ネットワーク・トラフィックがどのネットワーク構成要素もしくはセグメントを介して移動するかを示す情報を格納し得る。この情報は、tracerouteツールまたは他の周知のツールおよび技術を使用して、医療機器制御装置100からサーバ306によって受信されたネットワークパケット内のヘッダ情報から抽出され得る。
【0068】
様々な医療機器制御装置100がどのコンピュータネットワーク、セグメントなどに接続されているかに関する情報により、サーバ306は、任意の所与のコンピュータネットワーク、セグメント、ルータなどに接続された医療機器制御装置100の数を計算することができる。この情報と、サーバ306と医療機器制御装置100との間のネットワークおよびセグメントの帯域幅に関する情報とにより、サーバ306は、利用可能なインフラストラクチャにわたって持続可能な間隔を計算することができる。特に、サーバ306は、利用可能なインフラストラクチャにわたって持続可能な総計の間隔を計算し、次いで、個々の医療機器制御装置100に関する情報に基づいて、その総計の間隔を医療機器制御装置100間で分割し得る。
【0069】
サーバ306は、様々な医療機器制御装置100へのコンピュータネットワーク接続の信頼性に関する履歴情報を格納し、履歴的に信頼性を欠くネットワークで比較的短い間隔を使用し得る。各医療機器制御装置(MDC)100は、医療機器制御装置100がインストールされている医療機関を報告し得る。この情報は、画面104上に実装されたユーザインターフェースを介してなど、人間によって医療機器制御装置100のメモリに入力されていてもよい。サーバ306は、どの医療機関がどの医療機器制御装置100をホストしているかの情報を使用して、新しく接続された医療機器制御装置100のネットワーク信頼性などの情報を予測し得る。
【0070】
サーバ306によって自動的に確認され得る第2のカテゴリの情報、すなわち、コンピュータネットワーク302に関する情報、ならびにこの情報が画像要求レート、すなわち、トリガおよび対応する間隔にどのように影響するかの例を表2に示す。
【0071】
(表2)コンピュータネットワークに関する例示的な情報
【0072】
412で、医療機器制御装置100に画像が要求されるレートが、必要な変更を加えて、表1および図5に関して論じられたのと同様の方法で、コンピュータネットワーク302に関する情報に基づいて自動的に動的に調整される。
【0073】
サーバ306によって自動的に確認され得る第3のカテゴリの情報、すなわち、サーバ306またはOCRエンジン310などの他のサーバに関する情報、ならびにこの情報が画像要求レート、すなわち、トリガおよび対応する間隔にどのように影響するかの例を表3に示す。
【0074】
(表3)サーバおよびサーバ環境に関する例示的な情報
【0075】
414で、サーバ306が、サーバ306および任意で、OCRエンジン310などの関連サーバ(一部は図示されていない)に関する情報を自動的に確認する。416で、医療機器制御装置100に画像が要求されるレートが、必要な変更を加えて、表1および表2および図5に関して論じられたのと同様の方法で、サーバ306を含むサーバに関する情報に基づいて自動的に動的に調整される。任意で、サーバ306やOCRエンジン310などのサーバが、約70%など、所定の閾値を超えてビジー状態であることが分かった場合、例えば仮想マシン技術を使用して、サーバの別のコピーが生成され、作業負荷が利用可能なサーバ間で分割されてもよい。逆に、サーバが、約40%など、所定の閾値よりビジー状態が少ないことが判明した場合、サーバを終了することができ、終了されたサーバの作業負荷は残りのサーバ間で分配され得る。
【0076】
サーバ306によって確認され得る第4のカテゴリの情報、すなわち、システム300のユーザもしくは患者からの、またはシステム300のユーザもしくは患者に関する情報、およびこの情報が画像要求レート、すなわち、トリガおよび対応する間隔にどのように影響するかの例を、表4に示す。上記のように、各監視ステーション(MS)312は、1つまたは複数のユーザ選択の医療機器制御装置(MDC)100に関する情報を表示する。各監視ステーション312に1人のユーザがアクセスすると仮定され得る。よって、監視ステーション312の数は、監視ユーザの数に等しい。
【0077】
(表4)例示的なユーザ入力およびユーザに関する情報
【0078】
図4に戻って、418で、サーバ306によって、または監視ステーション312のうちの1つによってなど、ユーザからの入力(コマンド)が受信され、サーバ306に転送される。ユーザ入力は、例えば、特定の医療機器制御装置100を「重要(Important)」または「クリティカル(Critical)」と指定し得る。同様に、ユーザ入力は、特定の患者を「クリティカル(Critical)」と指定し得る。ユーザ入力(「監視(Monitor)」)は、ユーザ指定の間隔を含み得る。各監視ステーション312は、1つまたは複数の医療機器制御装置312を監視し得る。サーバ306は、本明細書で説明されるように、監視ステーション312に情報を供給して、監視ステーション312がこの情報をそれぞれのユーザに表示できるようにし得るか、またはサーバ306は、監視ステーション312もしくは別のサーバ(図示されていない)によって、どの監視ステーション312がどの医療機器制御装置100を監視しているかを通知され得る。いずれの場合も、サーバ306は、各医療機器制御装置100を監視している監視ステーション312の数を示す情報を格納する。サーバ306は、この情報および/または他の情報を使用して、必要な変更を加えて、表1~表3および図5に関して論じされたのと同様の方法で、図4の420に示されるように、個々の医療機器制御装置100への画像要求レートを自動的に動的に調整し得る。
【0079】
本発明は上記の例示的な態様を通じて説明されているが、本明細書で開示される発明概念から逸脱することなく、例示の態様への改変、およびその変形が行われ得る。例えば、間隔時間やトリガなどの特定のパラメータ値が、本発明の範囲内で、開示の態様に関連して記載される場合があるが、すべてのパラメータの値は、様々な用途に適するように広範囲にわたって変化し得る。文脈において特に指示されるか、または当業者によって理解される場合を除き、「約」などの用語は±20%以内を意味する。
【0080】
添付の特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用される場合、項目のリストに関連して使用される「および/または」という用語は、リスト中の項目のうちの1つまたは複数、すなわち、リスト中の項目のうちの少なくとも1つを意味するが、必ずしもリスト中のすべての項目を意味しない。添付の特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用される場合、項目のリストに関連して使用される「または」という用語は、リスト中の項目のうちの1つまたは複数、すなわち、リスト中の項目のうちの少なくとも1つを意味するが、必ずしもリスト中のすべての項目を意味しない。「または」は「排他的論理和」を意味するものではない。
【0081】
態様の局面が、フローチャートおよび/またはブロック図に関して説明される場合があるが、各ブロック、またはブロックの組み合わせの全部または一部の機能、動作、判断などが、組み合わされ、別々の動作に分離され、または他の順序で行われてもよい。各ブロック、モジュールまたはそれらの組み合わせの全部または一部が、コンピュータプログラム命令(ソフトウェアなど)、ハードウェア(組み合わせ論理、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサもしくは他のハードウェア)、ファームウェアまたはそれらの組み合わせとして実装されてもよい。
【0082】
サーバ306またはその部分は、メモリに格納された命令を実行するか、またはメモリに格納された命令によって制御される1つまたは複数のプロセッサによって実装され得る。各プロセッサは、必要に応じて、中央処理装置(CPU)などの汎用プロセッサ、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用プロセッサなど、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0083】
メモリは、制御ソフトウェアまたはその他の命令およびデータを格納するのに適した、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリもしくは任意の他のメモリ、またはそれらの組み合わせであり得る。本発明の機能を定義する命令は、有形の非一時的な非書き込み可能な記憶媒体(例えば、ROMなどのコンピュータ内の読み出し専用メモリデバイス、CD-ROMやDVDディスクなどのコンピュータI/Oアタッチメントにより読み取り可能なデバイス)上に永続的に格納された情報、有形の非一時的な書き込み可能な記憶媒体(例えば、フロッピーディスク、リムーバブル・フラッシュ・メモリおよびハードドライブ)上に変更可能に格納された情報、または有線もしくは無線コンピュータネットワークを含む、通信媒体を介してコンピュータに伝達される情報を含むがこれらに限定されない多くの形態でプロセッサに送られ得る。さらに、態様は様々な例示的なデータ構造に関連して説明される場合があるが、システムは、様々なデータ構造を使用して具体化され得る。
【0084】
開示の局面、またはその部分が、上記に記載されておらず、かつ/または明示的に特許請求されない方法で組み合わされてもよい。加えて、本明細書に開示される態様は、本明細書で具体的に開示されていない要素がなくても、適切に実施され得る。したがって、本発明は、開示の態様に限定されるとみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5