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特許7617037チャネル型収集機を有する、草本材料のための乾燥機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】チャネル型収集機を有する、草本材料のための乾燥機
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/04 20060101AFI20250109BHJP
   F26B 17/32 20060101ALI20250109BHJP
   F26B 9/06 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A24B3/04
F26B17/32 A
F26B9/06 S
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021571392
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2020065664
(87)【国際公開番号】W WO2020245386
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】19178497.4
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ボッタッコ イゴル
(72)【発明者】
【氏名】ビュファット ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ラウエンシュタイン シュテファン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02760524(FR,A1)
【文献】中国特許出願公開第108208901(CN,A)
【文献】特開昭60-105483(JP,A)
【文献】特開昭58-013377(JP,A)
【文献】登録実用新案第3195684(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0247670(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0203006(US,A1)
【文献】米国特許第2499157(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
F26B 1/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
草本材料を乾燥するための回転式乾燥機であって、
草本材料を受容するための内部空間を有する乾燥機容器と、
前記乾燥機容器の回転軸を中心として前記乾燥機容器を回転させるための駆動装置と、
チャネル型収集機と、を備え、前記チャネル型収集機が、前記チャネル型収集機の上部部分において少なくとも部分的に開いており、乾燥した草本材料を収集するために前記乾燥機容器の前記内部空間内に提供されており、
前記チャネル型収集機が、前記乾燥機容器の回転中に静止しており、
前記チャネル型収集機が、前記乾燥機容器の前記回転軸および垂直方向によって画定される平面に対して非対称である、回転式乾燥機。
【請求項2】
前記チャネル型収集機が、前記回転軸に対して少なくとも実質的に平行に延びる、請求項1に記載の回転式乾燥機。
【請求項3】
前記乾燥機容器の前記回転軸が、前記チャネル型収集機内に延びる、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項4】
前記チャネル型収集機が、前記回転軸の延長方向に対して、前記乾燥機容器の端部分に位置する、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項5】
前記チャネル型収集機が、前記乾燥機容器の扉に提供されている、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項6】
前記チャネル型収集機の断面が、異なる方向に延びる2つのセクションを有し、前記2つのセクション間の距離が、上向き方向に増加する、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項7】
前記セクションのうちの一方が、もう一方のセクションよりも短い、請求項6に記載の回転式乾燥機。
【請求項8】
前記より短いセクションの長さが、前記より長いセクションの長さの少なくとも60パーセント、または前記より長いセクションの長さの少なくとも70パーセントである、請求項7に記載の回転式乾燥機。
【請求項9】
前記チャネル型収集機内に収集された乾燥した草本材料を前記乾燥機容器の前記内部空間から除去するように構成された出口コンベヤーをさらに備える、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項10】
前記出口コンベヤーが、前記チャネル型収集機内に延び、前記乾燥機容器から外へと延びる、コンベヤーを備える、請求項9に記載の回転式乾燥機。
【請求項11】
前記乾燥機容器の前記内部空間に到達する、流体を噴霧するためのノズルが、前記コンベヤーに提供されており、前記ノズルが、前記チャネル型収集機を越えて前記乾燥機容器の前記内部空間に到達することが好ましい、請求項10に記載の回転式乾燥機。
【請求項12】
前記回転軸と直角をなす方向における前記チャネル型収集機の寸法が、前記回転軸と直角をなす前記方向における前記乾燥機容器の前記内部空間の寸法の半分よりも小さい、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項13】
前記チャネル型収集機を加熱するように構成された収集機発熱体をさらに備える、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項14】
前記乾燥機容器が、前記チャネル型収集機の周りを回転するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の回転式乾燥機。
【請求項15】
草本材料を乾燥するための方法であって、
-前記草本材料を受容する乾燥機容器を、前記乾燥機容器の回転軸を中心として回転させるステップと、
-前記乾燥機容器内の乾燥した草本材料を、前記回転軸を部分的に取り囲むプレートを備える収集機内に収集するステップと、を含み、
前記収集機が、前記乾燥機容器の前記回転により連結解除され、
前記収集機が、前記乾燥機容器の前記回転軸および垂直方向によって画定される平面に対して非対称である、方法。
【請求項16】
前記乾燥機容器が、前記収集機の周りを回転する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
乾燥機容器内の草本材料の乾燥プロセス中に草本材料を収集するための湾曲したプレートの使用であって、前記乾燥機容器が、前記乾燥機容器の回転軸を中心として回転し、前記湾曲したプレートが、前記乾燥機容器の回転中に静止しており、前記湾曲したプレートが、前記乾燥機容器の前記回転軸および垂直方向によって画定される平面に対して非対称である、使用。
【請求項18】
前記乾燥機容器が、前記湾曲したプレートの周りを回転する、請求項17に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草本材料、特に、たばこ材料の乾燥に関する。
【背景技術】
【0002】
CN 202 760 152 Uは、たばこ業界で使用するための細断されたたばこ材料のためのドラム型乾燥機を開示している。加熱された空気が、乾燥機の乾燥チャンバー内に導入されて、その中のたばこ材料が加熱される。乾燥機内の空気の酸素含有量は、乾燥したたばこの化学組成に大きな影響を与えると記載されている。酸素含有量は、乾燥機に供給されるガス中の酸素含有量を自動的に調整するための酸素/窒素分離システムを実装することによって制御される。周囲の空気が、制御されない方法で乾燥機に入ることを回避するために、乾燥機のたばこ入口およびたばこ出口に、エアロック装置が提供されている。
【0003】
CN 101 491 368 Aは、刻みたばこのための回転するドラム乾燥装置を開示している。乾燥装置は、固定された外部ドラムと、中に提供された回転可能な内部ドラムと、を備える。内部ドラムの円周面と外部ドラムの円周面との間の間隙内に加熱ロッドが提供されている。さらに、内部ドラムの円周面は、加熱ロッドによって加熱される加熱オイルを受容する空間を形成する二重壁を有する。加熱オイルが加熱されると、内部ドラムの内部円周面が加熱され、熱が、内部ドラムの内側に提供されたたばこ材料に伝達される。細断されたたばこ材料と係合するためのブレードが、内部ドラムの内部円周面から、内部ドラムの中心に向かって放射方向に延びる。内部ドラムの回転時に、ブレードは、内部ドラムの内側に提供された、細断されたたばこを攪拌する。
【0004】
優れたレベルの精度および調整可能性を有する乾燥プロセスを提供することが望ましい。さらに、高品質の乾燥した材料をもたらす、草本材料を乾燥する方法を提供することが望ましい。改善された効率で草本材料を乾燥する方法を提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、草本材料の処置を扱う。特に、草本材料は、切断された、粉砕された、もしくは細断されたたばこ材料、または切断された、粉砕された、もしくは細断されたたばこ材料の組み合わせなどの、たばこ材料で構成され得るか、またはたばこ材料を含み得る。草本材料は、例えば、喫煙物品の感覚媒体材料として使用され得る。
【0006】
本発明は、草本材料を乾燥するための回転式乾燥機を提供する。乾燥機は、草本材料を受容するための内部空間を有する乾燥機容器と、乾燥機容器の回転軸を中心として乾燥機容器を回転させるための駆動装置と、を備える。
【0007】
乾燥機は、乾燥した草本材料を収集するために乾燥機容器の内部空間に提供されたチャネル型収集機をさらに備える。チャネル型収集機は、チャネル型収集機の上部部分において少なくとも部分的に開いている。これは、収集機が、重力によって上方から草本材料が下に落ちて収集機に入ることを可能にするように向き付けされた開口部を有することを意味する。開いた上部部分を有する収集機の形状により、乾燥した草本材料が収集機への通り道を容易に見つけることができる一方、同時に、収集された材料が収集機を出て乾燥機容器に戻ることを制限するか、または妨げる。さらに、収集機は簡素な構造を有し、実装するには経済的である。
【0008】
乾燥プロセスによって得られる乾燥した草本材料の性状および品質は、乾燥プロセスに強く依存する。例えば、喫煙業界で使用される、たばこ材料などの感覚媒体材料は、乾燥プロセスの順序およびパラメータに従って、幅広い芳香および性状を発現することができる。したがって、乾燥機容器の内部空間における草本材料の収集を改善することによって、得られた製品の品質を改善することができる。
【0009】
乾燥機容器の内部空間は、乾燥機容器の回転軸に対して対称であることが好ましい。乾燥機容器の本体は、本体の第1の側面から長軸方向に沿って本体の第2の側面に延び得る。本体の第1の側面は、本体の第1の端を備え得る。本体の第2の側面は、本体の第2の端を備え得る。長軸方向は、特に、乾燥機容器の回転軸に対して平行かつ同軸であってもよい。特に、乾燥機容器またはその本体は、少なくとも実質的に円筒形状であってもよい。しかしながら、平行六面体、プリズム、または楕円形などの、他の形状が考えられる。実際には、乾燥機容器またはその本体の形状は、示された形状に厳密に適合しない可能性が高い。例えば、乾燥機容器またはその本体は、運搬部分または凹状部分を備え得る。
【0010】
本体の第1の側面は、草本材料が乾燥機容器内に導入される側面であってもよい。本体の第2の側面は、草本材料が乾燥機容器から回収される側面であってもよい。
【0011】
乾燥機容器は、本体の第1の側面に提供された第1の扉を備え得る。乾燥機容器は、本体の第2の側面に提供された第2の扉を備え得る。扉を開いて、メンテナンス、装填、または他の目的のために、乾燥機容器の内部空間にアクセスすることができる。
【0012】
乾燥機容器は、少なくとも1m、または少なくとも1.5m、または少なくとも2m、または少なくとも2.5mの長軸方向の長さを有し得る。長軸方向における乾燥機容器の長さは、10m未満、または5m未満、または3m未満、または2m未満であってもよい。長軸方向と直角をなす方向への乾燥機容器の延長部は、少なくとも0.5m、または少なくとも0.7m、または少なくとも1m、または少なくとも1.5mであってもよい。長軸方向と直角をなす方向への乾燥機容器の延長部は、5m未満、または3m未満、または2m未満、または1.5m未満であってもよい。乾燥機容器の受容容量は、少なくとも0.5立方メートル、または少なくとも1立方メートル、または少なくとも1.5立方メートル、または少なくとも2立方メートル、または少なくとも3立方メートルであってもよい。乾燥機容器の受容容量は、10立方メートル未満、または7立方メートル未満、または5立方メートル未満、または3立方メートル未満、または2立方メートル未満であってもよい。
【0013】
駆動装置は、例えば、0.2rpm~30rpm、または5rpm~20rpmで、乾燥機容器を回転させるように構成され得る。特に、乾燥機容器の回転のrpmは、ユーザーによって調整可能であってもよい。
【0014】
回転式乾燥機は、水平面に対して乾燥機容器の傾斜角を調整するための傾斜装置をさらに備えることが好ましい。乾燥機容器の傾斜角は、乾燥機容器の回転軸と水平面との間の傾斜角として定義され得る。傾斜角は、乾燥機容器内の草本材料の輸送および分布を最適化するように調整され得る。傾斜角を使用して、乾燥機容器内の草本材料の滞留時間を設定することができる。傾斜角は、例えば、草本材料の粒子サイズを考慮して調整され得る。傾斜角は、例えば、0度~15度、または0度~10度で調整可能であってもよい。傾斜角は、ロッキング運動のように、2つ以上の所定の値の間で定期的に変更することもできる。
【0015】
乾燥機容器内の草本材料の滞留時間は、例えば、1分~4時間、または30分~4時間、または1時間~3時間であってもよい。特に、滞留時間は、実質的に2時間であってもよい。
【0016】
乾燥させる草本材料が、異なる種類の材料を含む場合、異なる種類の材料は、異なる種類の材料に対して、乾燥機容器内に異なる滞留時間を有するように、順次乾燥機容器に供給され得る。異なる種類の材料は、生物学的または化学的に異なるタイプの材料を含み得る。異なる種類の材料は、材料の粒子サイズが互いに異なる種類の材料を含み得る。異なる種類の材料は、材料の切断幅、または材料の葉サイズ、または材料の粉末サイズが互いに異なる種類の材料を含み得る。
【0017】
駆動装置は、乾燥機容器の回転方向を変更するように構成され得る。乾燥機容器の回転方向を変更することによって、乾燥機容器内の草本材料を、ある運動量に供することができ、草本材料が固着されていたとしても、乾燥機容器内で移動させることができる。乾燥機容器の回転方向を変更することで、乾燥機容器内での草本材料の分布を改善することができる。
【0018】
乾燥機は、バッチ乾燥モードまたは連続乾燥モードで動作することができる。
【0019】
チャネル型収集機は、乾燥機容器の回転軸に対して少なくとも実質的に平行に延びることが好ましい。特に、乾燥機容器の回転軸は、チャネル型収集機内に延び得る。乾燥機容器は、チャネル型収集機の周りを回転することができ、草本材料が重力によって下に落ち、少なくとも部分的に開いた上部部分を通ってチャネル型収集機に入るように構成され得る。
【0020】
チャネル型収集機は、回転軸の延長方向に対して、乾燥機容器の端部分に位置し得る。かかる実施形態によれば、乾燥機容器の内部空間におけるチャネル型収集機の提供が容易になる。さらに、収集機内に収集された草本材料の除去が容易になる。特に、チャネル型収集機は、乾燥機容器のアクセス開口部または扉に提供され得る。
【0021】
チャネル型収集機は、乾燥機容器の回転中に静止していることが好ましい。これにより、チャネル型収集機の開いた部分が常に上部側面に向かって向き付けられることを確保にする。草本材料は、重力によって収集機内に収集され得る。
【0022】
乾燥機は、チャネル型収集機内に収集された乾燥した草本材料を乾燥機容器の内部空間から除去するように構成された出口コンベヤーをさらに備え得る。出口コンベヤーは、乾燥機容器の回転中に、乾燥した草本材料を除去し得ることが好ましい。出口コンベヤーは、乾燥機の動作の連続モードを有効にし得る。
【0023】
コンベヤーは、草本材料を乾燥機容器の内部空間に送り込むためのシュートを備え得る。出口コンベヤーは、チャネル型収集機内に延び、乾燥機容器から外へと延びる、コンベヤースクリュー、またはスクレーパー、またはスパイラルを備えることが好ましい。コンベヤースクリュー、またはスクレーパー、またはスパイラルは、チャネル型収集機内に収集された草本材料と直接係合し得る。
【0024】
回転式乾燥機は、コンベヤースクリューの端に提供された、乾燥機容器の内部空間に到達する、流体を噴霧するためのノズルをさらに備え得る。ノズルは、チャネル型収集機を越えて乾燥機容器の内部空間に到達することが好ましい。例えば、ノズルを使用して、乾燥中に草本材料を処置または精製するための液体を噴霧することができる。ノズルはまた、使用の合間に乾燥機容器の内側を洗浄するために、洗浄液を噴霧するために使用され得る。ノズルは、回転可能であってもよく、乾燥機容器の内部空間の隅または縁など、到達するのが困難な、乾燥機容器の内側の場所に液体を噴霧することができる。特に、ノズルは、噴霧された液体を円周方向もしくは軸方向に、または円周方向および軸方向に均等に分布することができる。
【0025】
一実施形態によれば、チャネル型収集機は、乾燥機容器の回転軸および垂直方向によって画定される平面に対して非対称である。収集機の非対称性により、乾燥機容器の回転中に草本材料が収集機内に入ることを容易にすることができる。さらに、その非対称性により、収集機は、草本材料が収集機を出て、乾燥機容器の内部空間に戻ることを防止し得る。
【0026】
チャネル型収集機の断面は、異なる方向に延びる2つのセクションを有し得る。2つのセクションは、概して、上向き方向に延びることが好ましい。特に、2つのセクション間の距離は、上向き方向に増加し得る。これは、収集機が、収集機の開いた上部部分に比較的大きな延長部を有することにつながり、その結果、草本材料が収集機に容易に入ることができる。2つのセクションによって画定される開口部の角度は、少なくとも30度、または少なくとも40度、または少なくとも45度、または少なくとも50度、または少なくとも60度、または少なくとも70度、または少なくとも80度、または少なくとも90度、または少なくとも100度、または少なくとも110度であってもよい。2つのセクションによって画定される開口部の角度は、160度未満、または140度未満、または130度未満、または120度未満、または110度未満、または100度未満、または90度未満、または80度未満、または70度未満、または60度未満、または50度未満であってもよい。
【0027】
一方のセクションは、もう一方のセクションよりも短いことが好ましい。特に、より短いセクションの長さは、より長いセクションの長さの少なくとも20パーセント、またはより長いセクションの長さの少なくとも30パーセント、またはより長いセクションの長さの少なくとも40パーセント、またはより長いセクションの長さの少なくとも50パーセント、またはより長いセクションの長さの少なくとも60パーセント、またはより長いセクションの長さの少なくとも70パーセントであってもよい。より短いセクションの長さは、より長いセクションの長さの90パーセント未満、またはより長いセクションの長さの80パーセント未満、またはより長いセクションの長さの70パーセント未満、またはより長いセクションの長さの60パーセント未満、またはより長いセクションの長さの50パーセント未満、またはより長いセクションの長さの40パーセント未満であってもよい。
【0028】
一実施形態によれば、チャネル型収集機は、2つのセクションに加えて、中央セクションを備える。2つのセクションは、側面セクションとして、中央セクションの両端から延び得る。湾曲した、または角度付けされた、接続セクションは、中央セクションと側面セクションとを接続することができる。中央セクションおよび側面セクションは、実質的に平坦であってもよく、または湾曲していてもよい。特に、側面セクション間の距離は、中央セクションから離れる方向に、特に、上向き方向に増加し得る。これは、収集機が、収集機の開いた上部部分に比較的大きな延長部を有することにつながり、その結果、草本材料が収集機に容易に入ることができる。次いで、上部部分の中に入った草本材料は、中央セクションに向かってファンネル状になり(funneled)、ここで、草本材料を、例えば、コンベヤースクリューによって拾い上げることができる。
【0029】
特に、チャネル型収集機の断面は、少なくとも実質的にU字型または実質的にV字型であってもよい。U字型とは、真っ直ぐな、または湾曲した基部セクションと、基部セクションの両端から延びる2つの本質的に平行なアームと、を有する、形状を意味する。V字型とは、アームの第1の端で互いに接続された2つのアームを有する形状を意味し、アームは、アーム間の距離がアームの第1の端からの距離とともに増加するように、アームの第1の端から離れて直線状に延びる。チャネル型収集機はまた、U/V字型であってもよい。U/V字型とは、真っ直ぐな、または湾曲した基部セクションと、基部セクションの両端から延びる2つのアームと、を有する、形状を意味し、アーム間の距離は、基部セクションからの距離の増加とともに増加する。
【0030】
乾燥機容器の回転軸と直角をなす方向におけるチャネル型収集機の寸法は、回転軸と直角をなす方向における乾燥機容器の内部空間の寸法の半分よりも小さいか、または当該寸法の3分の1よりも小さいか、または当該寸法の4分の1よりも小さいことが好ましい。これにより、草本材料が、収集機によって妨害されることなく高い乾燥効率を確保するように、乾燥機容器内であちこち移動するのに十分な空間を有することを確保する。
【0031】
回転式乾燥機は、チャネル型収集機を加熱するように構成された収集機発熱体を備え得る。収集機を加熱すると、草本材料が乾燥機容器の内部空間を出る前に、残留水分を除去することができる。特に、収集機発熱体は、例えば、電気抵抗性のある発熱体を含み得る。電気抵抗性のある発熱体は、加熱電力に対する直接的で迅速かつ正確な制御を可能にする。代替的に、収集機発熱体は、中を通って加熱流体が流れる加熱流体ラインを備え得る。加熱流体ラインによる加熱は、熱伝達の改善、および加熱温度に対する制御の簡素化を提供する。例えば、サーマルオイル、または蒸気、または過熱蒸気、または水、または圧力水を、加熱流体として使用することができる。収集機発熱体はまた、放射発熱体を含み得る。
【0032】
本発明はまた、草本材料を乾燥するための方法を提供する。本方法は、草本材料を受容する乾燥機容器を、乾燥機容器の回転軸を中心として回転させることと、乾燥機容器内の乾燥した草本材料を、回転軸を部分的に取り囲むプレートを備える収集機内に収集することと、を含む。収集機は、簡素な構造を有し、製造が容易である。それにもかかわらず、回転軸を部分的に取り囲むプレートは、乾燥機容器から除去するための乾燥した草本材料を効率的に収集することを可能にする。収集機は、乾燥機容器の中心から材料を除去することを可能にする。
【0033】
収集機は、乾燥機容器の回転により連結解除されることが好ましい。これにより、プレートが、開いた部分を上向きに向き付けして、草本材料を収集機に入れ、重力によって収集されるようにプレートへと落とすように、回転軸を取り囲むことを確保する。
【0034】
本方法は、収集機内に収集された乾燥した草本材料を乾燥機容器から外へと運搬することをさらに含み得る。これは、回転軸を部分的に取り囲むプレート内に収集された草本材料を効率的に拾い上げるように適合されたコンベヤースクリューの使用によって行われることが好ましい。草本材料は、乾燥機容器の回転中または乾燥機容器が回転していない間に、乾燥機容器から除去され得る。
【0035】
一実施形態によれば、本方法は、乾燥機容器内で蒸発した揮発物を処置することをさらに含む。揮発物は、乾燥中に草本材料から蒸発される材料を含み得る。かかる揮発物は、例えば、草本材料から抽出された風味を運び得る。処置される揮発物は、例えば、芳香族物質またはオイルを含み得る。揮発物は、例えば、ニコチンなどのアルカロイドを含み得る。揮発物はまた、例えば、2-メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2-エチル-5-メチルピラジン、2-エチル-6-メチルピラジン、2,3,5-トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、2-エチル-3,6-ジメチルピラジン、または2-エチル-3,5-ジメチルピラジンなどのピラジンを含み得る。揮発物の他の例としては、β-イオノン、β-ダマセノン、または酢酸が挙げられる。
【0036】
一実施形態によれば、現在の環境の性状を使用して、1つ以上の乾燥プロセスパラメータを決定することができる。乾燥プロセスパラメータの例は、乾燥機容器のrpm、乾燥機容器の内部空間の温度プロファイル、草本材料の処置時間、または傾斜角である。環境の性状としては、例えば、乾燥させる草本材料の性状が挙げられ得る。
【0037】
さらに、または代替的に、以前の乾燥動作の環境の性状を使用して、1つ以上のプロセスパラメータを決定することができる。
【0038】
特に、機械学習を使用して、現在の環境の性状、以前の乾燥動作の環境の性状、および以前の乾燥動作中に収集されたデータに基づいて、1つ以上の乾燥プロセスパラメータを決定することができる。
【0039】
本発明はまた、回転する乾燥機容器内の草本材料の乾燥プロセス中に草本材料を収集するための湾曲したプレートの使用を提供する。
【0040】
本発明はさらに、以下に記載されるように、草本材料を乾燥するための回転式乾燥機を提供する。この乾燥機の特徴は、上述の乾燥機、方法、または使用のいずれか1つと組み合わされてもよい。乾燥機は、草本材料を受容するための内部空間を有する乾燥機容器と、乾燥機容器の回転軸を中心として乾燥機容器を回転させるための駆動装置と、を備える。
【0041】
乾燥機容器の内部空間内に受容された草本材料と係合するためのベーンが、乾燥機容器の内部表面から乾燥機容器の内部空間へと延びる。内部表面は、乾燥機容器の内部空間を少なくとも部分的に画定し得る。特に、内部表面は、乾燥機容器の円周面であってもよい。乾燥機容器の回転時に、ベーンは、草本材料と係合し、草本材料を攪拌し得る。したがって、乾燥機容器内の熱が、草本材料に容易に到達し得る。ベーンにより、草本材料を均等に加熱することができる。ベーンは、乾燥機容器内に草本材料を均等に分布することに寄与し得る。
【0042】
乾燥機容器の回転軸と直角をなす断面平面を有する断面では、ベーンは、放射方向に対して傾いている。放射方向は、回転軸と直角をなし、乾燥機容器の回転軸に対して放射状である。ベーンの傾きにより、ベーンは、より良好に、乾燥機容器の内部空間内の草本材料と係合し、草本材料を攪拌することができる。特に、ベーンは、乾燥機容器の回転時に、乾燥機容器の内部空間の底部に位置する草本材料に容易に浸漬し、草本材料を拾い上げることができる。幾何学的形状上、傾いたベーンは、ベーンの表面上に草本材料をスプーンですくいあげることができるため、草本材料を、放射状のベーンよりも長くベーンと接触させたままにする。傾いたベーンは、乾燥機容器の内部表面と一緒になってポケットを形成し得、これにより、乾燥機容器の回転中に草本材料を一時的に保持し、それによって、乾燥機容器内での草本材料の攪拌および分布を増加させることができる。
【0043】
乾燥プロセスによって得られる乾燥した草本材料の性状および品質は、乾燥プロセスに強く依存する。例えば、喫煙業界で使用される、たばこ材料などの感覚媒体材料は、乾燥プロセスの順序およびパラメータに従って、幅広い芳香および性状を発現することができる。したがって、草本材料の攪拌または加熱を改善することによって、得られた製品の品質を改善することができる。
【0044】
回転軸と直角をなす断面平面を有する断面では、ベーンと放射方向との間の角度は、30度より低いことが好ましい。特に、角度は、5度~25度、またはより好ましくは5度~15度であってもよい。示される範囲は、ベーンと乾燥機容器の内部表面とによって形成されたポケット内に草本材料を一時的に保持するのに好適でありながら、依然として草本材料をベーンによって容易に拾い上げることを可能にすることができる。
【0045】
原則として、任意の数のベーンを乾燥機容器内に提供することができる。少なくとも4つ、少なくとも6つ、少なくとも8つ、少なくとも10個、または少なくとも16個のベーンがあることが好ましい。より多くの数のベーンは、隣接するベーンの間にまだ十分な空間がある限り、乾燥機容器内の草本材料の攪拌を増加させる。32個未満、28個未満、24個未満、20個未満、16個未満、12個未満、または8つ未満のベーンがあることが好ましい。
【0046】
一実施形態によれば、ベーンは、平行六面体の形状を有する。かかるベーンは、乾燥機容器内で製造および配置することが容易である。しかしながら、ベーンの他の形状が考えられる。特に、ベーンは、回転軸と直角をなす断面平面を有する断面に湾曲を有し得る。湾曲したベーンは、より良好に草本材料と係合し、草本材料を拾い上げることができる場合がある。ベーンの湾曲は、ベーンの傾きの方向の湾曲であることが好ましい。これは、草本材料がベーン上に保持されている間の乾燥機容器の回転の期間を増加させ得る。
【0047】
一実施形態によれば、ベーンは、乾燥機容器の回転軸と平行に、乾燥機容器の内部表面に沿って延び得る。草本材料は、乾燥機容器の長軸方向の延長部に沿って均等に攪拌され得る。
【0048】
代替的に、ベーンは、回転軸に平行な延長部と、回転軸を中心とした回転との重ね合わせである、経路上の乾燥機容器の内部表面に沿って延び得る。ベーンのかかる「ねじれた」延長部は、乾燥機容器の回転軸に平行な草本材料の輸送に寄与し得る。
【0049】
回転軸に対する2つの隣接するベーン間のアーチの距離は、ベーンの高さ寸法以上であることが好ましい。これにより、隣接するベーンが、ベーンによる草本材料の拾い上げに干渉することを少なくすることを確保することができ、乾燥機容器の旋回ごとに係合される材料の量を最適化することができる。「アーチの距離」という用語は、隣接するベーン間の乾燥機容器の内部表面がアーチに沿った湾曲を有することを必要としない。例えば、内部表面は、2つの隣接するベーン間で平坦であってもよい。アーチの距離は、乾燥機容器の回転軸と直角をなす平面を有する2つの隣接するベーン間の乾燥機容器の内部表面の一部分のセクションラインの長さとして定義することができる。ベーンの高さ寸法は、回転軸と直角をなす断面平面を有する断面において、ベーンの放射方向外部基部部分の中心点を、ベーンと乾燥機容器の内部表面との境界面において、ベーンの放射方向内部遠端の中心点と接続するラインの長さとして定義することができる。
【0050】
例えば、ベーンの高さ寸法は、少なくとも10cm、または少なくとも15cm、または少なくとも20cm、または少なくとも25cm、または少なくとも30cm、または少なくとも40cm、または少なくとも50cmであってもよい。ベーンの高さ寸法は、50cm未満、または40cm未満、または30cm未満、または20cm未満、または10cm未満であってもよい。アーチの距離は、少なくとも10cm、または少なくとも15cm、または少なくとも20cm、または少なくとも25cm、または少なくとも30cm、または少なくとも40cm、または少なくとも50cmであってもよい。アーチの距離は、1m未満、または70cm未満、または50cm未満、または40cm未満、または30cm未満、または20cm未満であってもよい。ベーンの高さ寸法は、例えば、乾燥機容器の内径の少なくとも5パーセント、または乾燥機容器の内径の少なくとも7パーセント、または乾燥機容器の内径の少なくとも10パーセント、または乾燥機容器の内径の少なくとも12パーセント、または乾燥機容器の内径の少なくとも15パーセント、または乾燥機容器の内径の少なくとも17パーセントであってもよい。ベーンの高さ寸法は、例えば、乾燥機容器の内径の25パーセント未満、または乾燥機容器の内径の22パーセント未満、または乾燥機容器の内径の20パーセント未満、または乾燥機容器の内径の17パーセント未満、または乾燥機容器の内径の15パーセント未満であってもよい。
【0051】
回転式乾燥機は、草本材料を加熱するためにベーンに組み込まれたベーン発熱体をさらに備えることが好ましい。ベーン発熱体は、草本材料の乾燥に寄与し得る。ベーンに組み込まれた発熱体を用いてベーンを加熱することは、放射方向に対するベーンによる傾きとの相乗効果を示す。上述のように、ベーンの傾きにより、草本材料は、増加した乾燥機容器の回転の間、ベーンによって保持される。したがって、草本材料は、増加した時間量にわたって、ベーンに組み込まれた発熱体からの熱に供される。
【0052】
回転式乾燥機は、乾燥機容器の内部空間の内側に回転可能に提供され、液体を噴霧するように構成された少なくとも1つのノズルアセンブリを備える、液体分散アセンブリをさらに備え得る。例えば、ノズルを使用して、乾燥中に草本材料を処置または精製するための液体を噴霧することができる。ノズルはまた、使用の合間に乾燥機容器の内側を洗浄するために、洗浄液を噴霧するために使用され得る。ノズルを回転させることができるため、ノズルは、例えば、ベーンと乾燥機容器の内部表面との間に形成されたポケット内など、乾燥機容器の内側に到達するのが難しい場所に液体を噴霧することができる。
【0053】
回転式乾燥機は、草本材料を乾燥機容器の内部空間に送り込むためのコンベヤーをさらに備え得る。コンベヤーは、草本材料を乾燥機容器の内部空間に送り込むためのシュートを備え得る。コンベヤーは、草本材料を乾燥機容器の内部空間に送り込むためのコンベヤースクリュー、スクレーパー、またはスパイラルを備え得る。
【0054】
本発明は、以下に記載されるように、草本材料を乾燥するための方法をさらに提供する。この方法の特徴は、上述の乾燥機、方法、または使用のいずれか1つと組み合わされてもよい。本方法は、ベーンを有する乾燥機容器の内部空間へと草本材料を導入することを含み、ベーンは、乾燥機容器の内部表面から乾燥機容器の内部空間へと延びる。中に受容された草本材料を有する乾燥機容器は、乾燥機容器の回転軸を中心として回転の方向に回転する。回転中、乾燥機容器内に受容された草本材料は、ベーンの係合面に係合する。これにより、乾燥機容器内の草本材料を攪拌し、乾燥を容易にする。ベーンは、乾燥機容器の回転軸と直角をなす断面平面において、ベーンと乾燥機容器の内部表面との間の角度が、乾燥機容器の回転の方向に対して測定した場合よりも、乾燥機容器の回転の方向で測定した場合に大きくなるように配置される。角度が、乾燥機容器の回転の方向に対して測定した場合よりも小さくなるため、ベーンは、回転時に乾燥機容器の底部で収集された草本材料により容易に係合し、それによって、ベーンと乾燥機容器の内部表面との間の材料を収集するように配置される。
【0055】
本方法は、乾燥機容器の回転中に、ベーンの係合面と乾燥機容器の内部表面との間の草本材料を一時的に捕捉することをさらに含み得る。草本材料は、乾燥機容器の回転の少なくとも4分の1、または乾燥機容器の回転の少なくとも3分の1、または乾燥機容器の回転の少なくとも半分、または乾燥機容器の回転の半分超にわたって、ベーンの係合面と乾燥機容器の内部表面との間で捕捉されることが好ましい。
【0056】
本方法は、好ましくはベーンに組み込まれたベーン発熱体を使用して、ベーンを能動的に加熱することをさらに含み得る。
【0057】
本発明は、乾燥機容器の回転中に草本材料の分布に影響を与えるための、草本材料を受容する、回転する乾燥機容器の内部表面上の非対称構造の使用をさらに提供する。非対称構造は、特に、乾燥機容器の回転軸に対して非対称であってもよい。非対称構造の使用は、乾燥機容器内での草本材料の攪拌の改善につながる場合がある。さらに、非対称構造の使用は、草本材料への熱分布を改善し得る。非対称構造の使用により、乾燥効率および品質が改善され得る。
【0058】
特に、非対称構造は、放射方向に対して非対称であってもよい。
【0059】
本発明は、以下に記載されるように、草本材料を乾燥するための乾燥機をさらに提供する。この乾燥機の特徴は、上述の乾燥機、方法、または使用のいずれか1つと組み合わされてもよい。乾燥機は、草本材料を受容するための内部空間を有する乾燥機容器と、乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供するアクセスアセンブリと、加熱システムと、を備える。
【0060】
アクセスアセンブリは、草本材料を乾燥機容器に導入するため、または草本材料を乾燥機容器から回収するための、乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供し得る。アクセスアセンブリは、草本材料と一緒に処置される任意の他の材料を導入または回収するための、乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供し得る。アクセスアセンブリは、乾燥機容器内で草本材料を処置するために使用される任意の他の材料を導入または回収するための、乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供し得る。アクセスアセンブリは、例えば、メンテナンスおよび関連する目的のための、乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供し得る。
【0061】
加熱システムは、アクセスアセンブリを能動的に加熱するための少なくとも1つのアクセス発熱体を備える。少なくとも1つのアクセス発熱体は、アクセスアセンブリに組み込まれていることが好ましい。アクセスアセンブリを加熱することにより、アクセスアセンブリでのより低い温度スポットの形成を防止または低減することができる。
【0062】
より低い温度スポットは、乾燥中に草本材料から抽出された水、芳香族物質、オイル、または揮発物など、乾燥機アセンブリ内でのガス状の材料の凝縮につながる場合がある。
【0063】
乾燥機容器内でのガス状の材料の凝縮は、乾燥効率に悪影響を与え得る。乾燥機容器内でのガス状の材料の凝縮は、乾燥した製品の化学組成および品質に悪影響を与え得る。特に、乾燥させる草本材料は、湿気により、より低い温度スポットで固着し、凝集し得る。より低い温度スポットでの凝縮が、洗浄する労力を作り出すこともある。特に、乾燥機容器内の凝縮点において除去することが困難なキャラメル化があり場合がある。
【0064】
さらに、アクセスアセンブリを加熱することは、乾燥機容器内で所望の温度を維持することを容易にし得る。アクセスアセンブリを加熱することは、乾燥機容器内で所望の温度プロファイルを得ることを容易にし得る。アクセスアセンブリを加熱することは、乾燥効率および品質を最適化することを容易にし得る。所望の温度プロファイルは、例えば、乾燥機容器全体で均一な温度、例えば、摂氏20度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏150度、または摂氏120度~摂氏150度であってもよい。これは、対流または伝導による熱損失により、均一な加熱を必要とし得る。所望の温度プロファイルはまた、一定ではない温度プロファイル、例えば、時間依存または水分依存の温度プロファイルであってもよい。
【0065】
乾燥プロセスによって得られる乾燥した草本材料の性状および品質は、乾燥プロセスに強く依存する。例えば、喫煙業界で使用される、たばこ材料などの感覚媒体材料は、乾燥プロセスの順序およびパラメータに従って、幅広い芳香および性状を発現することができる。したがって、草本材料の加熱を改善すること、またはより低い温度スポットを防止することによって、得られた製品の品質を改善することができる。
【0066】
一実施形態によれば、アクセスアセンブリは、乾燥機容器に提供された扉を備え、少なくとも1つのアクセス発熱体は、扉に組み込まれた扉発熱体を備える。扉を開いて、メンテナンス、装填、または他の目的のために、乾燥機容器の内部空間にアクセスすることができる。扉の内部表面は、乾燥機容器の内部表面の一部であってもよい。したがって、扉を加熱することは、乾燥機容器の内部表面の温度を制御することに寄与し得る。
【0067】
アクセスアセンブリは、乾燥機容器の内部空間内に草本材料を供給するための入口コンベヤー、および乾燥機容器の内部空間から草本材料を除去するための出口コンベヤーのうちの少なくとも1つを備え得る。少なくとも1つのアクセス発熱体は、コンベヤー(入口コンベヤーもしくは出口コンベヤー、またはこれらの両方)に組み込まれたコンベヤー発熱体を含み得る。入口コンベヤーまたは出口コンベヤーを加熱することにより、それぞれのコンベヤーでより低い温度スポットの形成を防止することができる。さらに、入口コンベヤーを加熱する場合、草本材料は、乾燥機容器の内部空間に実際に入る前に、入口コンベヤーで予熱される。これにより、新しい草本材料の導入時に乾燥機容器の内部空間内での温度の低減を防止もしくは低減するか、または乾燥機容器への導入直後に、乾燥機内のすべての草本材料の均一な温度を確保することができる。出口コンベヤーを加熱する場合、草本材料は、残留水分を除去するために出口コンベヤーで最終加熱に供され得る。
【0068】
少なくとも1つのアクセス発熱体は、例えば、電気抵抗性のある発熱体を含み得る。電気抵抗性のある発熱体は、加熱電力に対する直接的で迅速かつ正確な制御を可能にする。代替的に、少なくとも1つのアクセス発熱体は、中を通って加熱流体が流れる加熱流体ラインを備え得る。加熱流体ラインによる加熱は、熱伝達の改善、および加熱温度に対する制御の簡素化を提供する。例えば、サーマルオイル、または蒸気、または過熱蒸気、または水、または圧力水を、加熱流体として使用することができる。少なくとも1つのアクセス発熱体はまた、放射発熱体を含み得る。アクセス発熱体のさらなる例は、環状炉である。
【0069】
アクセスアセンブリ温度を決定するための温度センサが提供されることが好ましい。アクセスアセンブリ温度は、特に、アクセスアセンブリの温度であっても、アクセスアセンブリにおける温度であってもよい。アクセスアセンブリ温度は、乾燥機容器の扉の温度であっても、乾燥機容器の扉における温度であってもよい。アクセスアセンブリ温度は、草本材料を乾燥機容器の内部空間に供給するための入口コンベヤーの温度であっても、草本材料を乾燥機容器の内部空間に供給するための入口コンベヤーにおける温度であってもよい。アクセスアセンブリ温度は、草本材料を乾燥機容器の内部空間から除去するための出口コンベヤーの温度であっても、草本材料を乾燥機容器の内部空間から除去するための出口コンベヤーにおける温度であってもよい。温度センサによって決定されるアクセスアセンブリ温度は、少なくとも1つのアクセス発熱体を制御するために使用され得る。
【0070】
一実施形態によれば、乾燥機は、少なくとも1つのアクセス発熱体を制御して、少なくとも所定の最小アクセスアセンブリ温度を維持するように構成されたコントローラをさらに備える。コントローラは、温度センサまたは複数の温度センサによって提供されるアクセスアセンブリ温度に基づいて、少なくとも1つのアクセス発熱体を制御し得る。最小アクセスアセンブリ温度は、特定の乾燥プロセスに従って選択され得る。例えば、最小アクセスアセンブリ温度は、摂氏15度~摂氏250度、または摂氏20度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏150度、または摂氏120度~摂氏150度であってもよい。
【0071】
加熱システムは、乾燥機容器の壁に組み込まれた少なくとも1つの壁発熱体をさらに備え得る。特に、少なくとも1つの壁発熱体は、乾燥機容器の円周壁または乾燥機容器の本体の壁に組み込まれ得る。
【0072】
加熱システムは、乾燥機容器の内部表面から乾燥機容器の内部空間内に延びる少なくとも1つのベーンを能動的に加熱するためのベーン発熱体をさらに備え得る。
【0073】
少なくとも1つの壁発熱体、もしくは少なくとも1つのベーン発熱体、またはこれらの両方は、電気抵抗性のある発熱体、中を通って加熱流体が流れる加熱流体ライン、放射発熱体、または環状炉を備え得る。
【0074】
乾燥機容器の壁、もしくは乾燥機容器の少なくとも1つのベーン、またはこれらの両方を加熱することにより、乾燥機容器内の所望の温度を維持または達成することができる。例えば、乾燥機容器内の温度は、摂氏15度~摂氏250度、または摂氏20度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏150度、または摂氏120度~摂氏150度の範囲であってもよい。
【0075】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのアクセス発熱体は、独立して制御されるように配置された複数のアクセス発熱体を含む。異なるアクセス発熱体の独立した制御により、所望の温度プロファイルまたは温度分布に従って異なる加熱ゾーンをセットアップして、乾燥を最適化することができる。例えば、温度は、草本材料が乾燥機容器に入る乾燥機容器の入口側において、草本材料が乾燥機容器を出る乾燥機容器の出口側よりも高くても、低くてもよい。代替的に、またはさらに、入口側と出口側との間の乾燥機容器の中央領域の温度は、入口側の温度よりも高くても、低くてもよく、または出口側の温度よりも高くても、低くてもよい。
【0076】
本発明は、以下に記載されるように、草本材料を乾燥するための方法をさらに提供する。この方法の特徴は、上述の乾燥機、方法、または使用のいずれか1つと組み合わされてもよい。本方法は、乾燥機容器の内部空間において草本材料を加熱することを含む。乾燥機容器の内部表面は、乾燥機容器の内部表面全体が、草本材料の加熱中に乾燥機容器の内側で蒸発したガスの凝縮温度より上に維持されるように加熱される。凝縮温度は、少なくとも摂氏20度、または少なくとも摂氏30度、または少なくとも摂氏50度、または少なくとも摂氏80度、または少なくとも摂氏120度であってもよい。乾燥機容器の内部空間を画定する、乾燥機容器の内部表面全体は、凝縮温度より上に完全に維持されるように加熱され得る。これにより、加熱中に乾燥機容器の内側のガス状の材料の凝縮を防止する。凝縮は、乾燥効率および乾燥した製品の品質に悪影響を与え得る。草本材料の加熱中に乾燥機容器の内側で蒸発するガスは、草本材料の加熱中に草本材料から抽出されるガスであってもよい。草本材料の加熱中に乾燥機容器の内側で蒸発するガスの例は、乾燥中に草本材料から抽出される水、芳香族物質、オイル、および揮発物である。
【0077】
特に、乾燥機容器の内部表面は、摂氏15度~摂氏250度、または摂氏20度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏150度、または摂氏120度~摂氏150度に加熱され得る。
【0078】
本方法は、少なくとも凝縮温度を超えて、草本材料を乾燥機容器の内部空間内に供給するための入口コンベヤーを能動的に加熱することをさらに含み得る。本方法は、少なくとも凝縮温度を超えて、草本材料を乾燥機容器の内部空間から除去するための出口コンベヤーを能動的に加熱することをさらに含み得る。入口コンベヤーの加熱は、入口コンベヤーに組み込まれたコンベヤー発熱体を用いて達成されることが好ましい。出口コンベヤーの加熱は、出口コンベヤーに組み込まれたコンベヤー発熱体を用いて達成されることが好ましい。入口コンベヤーもしくは出口コンベヤー、または入口コンベヤーおよび出口コンベヤーは、凝縮温度より上に維持されるように加熱されることが好ましい。
【0079】
本方法は、好ましくは扉に組み込まれた扉発熱体によって、乾燥機容器の少なくとも1つの扉を能動的に加熱することをさらに含み得る。
【0080】
一実施形態によれば、乾燥機容器の両側に提供された、乾燥機容器の第1の扉および第2の扉は、異なる温度に能動的に加熱される。異なる温度ゾーンを乾燥機容器内に確立して、乾燥プロセスを最適化することができる。
【0081】
本発明はまた、草本材料を受容するための乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供して、草本材料の乾燥中に発生したガス状の材料が凝縮され得る、より低い温度スポットの形成を防止する、アクセスアセンブリを能動的に加熱するためのアクセス発熱体の使用を提供する。
【0082】
本発明は、以下に記載されるように、草本材料を乾燥するための乾燥機をさらに提供する。この乾燥機の特徴は、上述の乾燥機、方法、または使用のいずれか1つと組み合わされてもよい。乾燥機は、草本材料を受容するための内部空間を有する乾燥機容器と、草本材料を加熱するための加熱システムと、加熱システムを制御するように構成されたコントローラと、を備える。
【0083】
加熱システムは、加熱サブシステムを備える。コントローラは、互いに独立して加熱サブシステムを制御するように構成されている。加熱サブシステムの独立した制御により、乾燥機の特定の領域に対する特定の要件に加熱を調整することができる。例えば、異なる温度ゾーンをセットアップして、草本材料の乾燥プロセスを最適化することができる。しかしながら、本発明の範囲内において、別個の温度ゾーンを有することを伴わずに、異なる加熱サブシステムに対して異なる制御特性を有することも可能である。例えば、少なくとも1つまたはいくつかの加熱サブシステムは、他の加熱サブシステムとは異なるフィードバック制御パラメータを有し得る。したがって、少なくとも1つまたはいくつかの加熱サブシステムは、温度目標値からの偏差に対して、より多くもしくはより少ない加熱電力で、またはより迅速もしくは緩徐に反応し得る。加熱サブシステムに対する独立した制御は、乾燥プロセスの高レベルの調整可能性を提供する。
【0084】
乾燥プロセスによって得られる乾燥した草本材料の性状および品質は、乾燥プロセスに強く依存する。例えば、喫煙業界で使用される、たばこ材料などの感覚媒体材料は、乾燥プロセスの順序およびパラメータに従って、幅広い芳香および性状を発現することができる。加熱サブシステムに対する独立した制御により、乾燥した材料の品質に高度に影響を与えることができる。
【0085】
加熱サブシステムの各々は、少なくとも1つの発熱体を備えることが好ましい。少なくとも1つの発熱体は、特に、少なくとも1つの抵抗性のある発熱体を含み得る。電気抵抗性のある発熱体は、加熱電力に対する直接的で迅速かつ正確な制御を可能にする。代替的に、またはさらに、少なくとも1つの発熱体は、中を通って加熱流体が流れる加熱流体ラインを備え得る。加熱流体ラインによる加熱は、熱伝達の改善、および加熱温度に対する制御の簡素化を提供する。さらに、加熱温度に対する安定した制御が提供され得る。例えば、サーマルオイル、または蒸気、または過熱蒸気、または水、または圧力水を、加熱流体として使用することができる。少なくとも1つの発熱体はまた、放射発熱体を含み得る。アクセス発熱体のさらなる例は、環状炉である。
【0086】
加熱サブシステムは、乾燥機容器の本体を加熱するための1つ以上の本体加熱サブシステムを含み得る。乾燥機容器の本体の別個のセクションを加熱するための少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つ、または少なくとも5つ、または6つ以上の本体加熱サブシステムが提供されることが好ましい。これにより、乾燥機容器の本体の異なるセクションの加熱を独立して制御することができる。一実施形態によれば、異なる温度を有する異なる温度セクションは、乾燥機容器の長軸方向の延長方向に沿って確立される。例えば、より高い温度ゾーンを、乾燥機容器に入る比較的湿潤な草本材料の水分が蒸発するように、乾燥機容器の内部空間内に草本材料を送り込むための戸口近くに確立することができる。例えば、より高い温度ゾーンを、草本材料中の残留水分が除去されるように、草本材料が乾燥機容器を出る出口に提供することができる。
【0087】
本体加熱サブシステムは各々、乾燥機容器の本体の壁に組み込まれた壁発熱体を備え得る。さらに、または代替的に、本体加熱サブシステムは各々、乾燥機容器の内部表面から乾燥機容器の内部空間内に延びるベーンに組み込まれたベーン発熱体を備え得る。
【0088】
加熱サブシステムは、乾燥機容器の内部空間へのアクセスを提供するアクセスアセンブリに組み込まれた1つ以上のアクセス加熱サブシステムを備え得る。アクセスアセンブリを加熱することにより、例えば、アクセスアセンブリでのより低い温度スポットの形成を防止または低減することができる。より低い温度スポットは、乾燥中に草本材料から抽出された水、芳香族物質、オイル、または揮発物など、乾燥機アセンブリ内でのガス状の材料の凝縮につながる場合がある。乾燥機容器内でのガス状の材料の凝縮は、乾燥効率に悪影響を与え得る。乾燥機容器内でのガス状の材料の凝縮は、乾燥した製品の化学組成および品質に悪影響を与え得る。特に、乾燥させる草本材料は、湿気により、より低い温度スポットで固着し、凝集し得る。より低い温度スポットでの凝縮が、洗浄する労力を作り出すこともある。さらに、アクセスアセンブリを加熱することは、乾燥機容器内で所望の温度を維持することを容易にし得る。アクセスアセンブリを加熱することは、乾燥機容器内で所望の温度プロファイルを得ることを容易にし得る。アクセスアセンブリを加熱することは、乾燥効率および品質を最適化することを容易にし得る。所望の温度プロファイルは、例えば、乾燥機容器全体で均一な温度、例えば、摂氏20度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏200度、または摂氏100度~摂氏150度、または摂氏120度~摂氏150度であってもよい。これは、対流または伝導による熱損失により、均一な加熱を必要とし得る。所望の温度プロファイルはまた、一定ではない温度プロファイル、例えば、時間依存または水分依存の温度プロファイルであってもよい。
【0089】
1つ以上のアクセス加熱サブシステムは、乾燥機容器の扉に組み込まれた1つ以上の扉発熱体を備え得る。扉の加熱は、乾燥機容器の内部表面の温度を制御することに寄与し得、かつ扉の加熱を使用して、特に、凝縮を防止するために、扉に局所的に異なるゾーンを作り出すことができる。
【0090】
1つ以上のアクセス加熱サブシステムは、乾燥機容器の内部空間内に草本材料を供給するための入口コンベヤーまたは乾燥機容器の内部空間から草本材料を除去するための出口コンベヤーを加熱するための、1つ以上のコンベヤー発熱体を備え得る。入口コンベヤーまたは出口コンベヤーを加熱することにより、それぞれのコンベヤーでより低い温度スポットの形成を防止することができる。さらに、入口コンベヤーを加熱する場合、草本材料は、乾燥機容器の内部空間内に入る前または入る間に、入口コンベヤーで予熱される。草本材料はまた、乾燥機容器の内部空間内に入る前および入る間に、入口コンベヤーで予熱され得る。入口コンベヤーを加熱することにより、新しい草本材料の導入時に乾燥機容器の内部空間内の温度の低減を防止することができる。出口コンベヤーを加熱する場合、草本材料は、残留水分を除去するために出口コンベヤーで最終加熱に供され得る。
【0091】
加熱サブシステムは、収集機加熱サブシステムを備え得る。収集機加熱サブシステムは、乾燥機容器の内部空間の内側に提供された収集機を加熱して草本材料を収集するための1つ以上の収集機発熱体を備え得る。
【0092】
乾燥機は、それぞれの加熱サブシステムに対応する温度を決定するセンサをさらに備え得る。一実施形態によれば、1つのセンサは、1つの加熱サブシステムに対応し、その1つの加熱サブシステムに対応する温度を決定し、この温度は、加熱サブシステムによって加熱される温度ゾーン内のある温度であってもよい。代替的に、センサは、2つ以上の加熱サブシステムに制御フィードバック値を提供することができ、かつ2つ以上の加熱サブシステムに対応する温度を決定することができ、この温度は、対応する加熱サブシステムによって加熱される温度ゾーン内のある温度であってもよい。温度センサは、1つ以上の温度センサを含み得る。センサはまた、1つ以上の蒸気センサを含み得る。特に、過熱蒸気を用いて加熱する場合、乾燥機容器内の温度を決定するときに1つ以上の蒸気センサを使用することができる。
【0093】
コントローラは、センサからの出力に基づいて加熱サブシステムを制御するように構成され得る。特に、コントローラは、対応する温度センサからの出力に基づいて、各加熱サブシステムまたは加熱サブシステムの各グループを制御するように構成され得る。
【0094】
コントローラは、異なる加熱サブシステムに対する異なる温度目標値に基づいて、加熱サブシステムを制御するように構成され得る。これにより、異なる温度を有する異なる温度ゾーンを確立し、乾燥プロセスを最適化することができる。加熱サブシステムに対する温度目標値は、ユーザーによって設定または選択され得ることが好ましい。
【0095】
加熱システム情報は、コントローラに無線でルーティングされることが好ましい。加熱サブシステムからのデータは、コントローラに無線で伝送され得る。特に、センサからの測定データは、コントローラに無線で伝送されてもよい。さらに、または代替的に、コントローラは、命令もしくはデータ、または命令およびデータを、加熱サブシステムに無線で伝送するよう構成され得る。
【0096】
一実施形態によれば、加熱サブシステムは、回転軸に沿って前後に配置される。これにより、例えば、回転軸に沿って、異なる温度ゾーンまたは異なる温度制御ゾーンを確立することができる。
【0097】
本発明は、以下に記載されるように、草本材料を乾燥するための方法をさらに提供する。この方法の特徴は、上述の乾燥機、方法、または使用のいずれか1つと組み合わされてもよい。本方法は、乾燥機容器内において草本材料を加熱するための発熱体を制御することを含む。異なる発熱体または発熱体のグループは、独立して制御される。
【0098】
異なる発熱体または発熱体のグループは、異なる温度目標値に従って制御されることが好ましい。
【0099】
一実施形態によれば、草本材料が乾燥機容器に供給される、乾燥機容器の側面に提供される発熱体に対する温度目標値は、草本材料が乾燥機容器から除去される、乾燥機容器の側面における温度目標値よりも高い。草本材料が乾燥機容器に入る側面でのより高い温度に起因して、乾燥機容器に入る比較的湿潤な草本材料は、多少とも高い温度に供され、その結果、水分含有量が迅速に低減される。草本材料は、概して、草本材料が乾燥機容器から除去される、乾燥機容器の側面においてより乾燥しているため、高い温度による草本材料の損傷または燃焼の危険性は、乾燥機容器の当該側面においてより高い。草本材料が乾燥機容器から除去される側面でのより低い温度目標値に起因して、草本材料の損傷が防止されるか、または草本材料の損傷のリスクが低減される。
【0100】
代替的に、草本材料が乾燥機容器に供給される、乾燥機容器の側面に提供される発熱体に対する温度目標値は、草本材料が乾燥機容器から除去される、乾燥機容器の側面における温度目標値よりも低い。これにより、乾燥機容器に入るときに草本材料を穏やかに加熱して、風味豊かな成分、特に、風味豊かな成分またはオイルなどの揮発物の損傷損失を回避することができる。草本材料の水分が低減され、草本材料が、草本材料が乾燥機容器から除去される、乾燥機容器の側面に進行すると、より高い温度により残留水分を除去することができる。
【0101】
本発明はまた、乾燥させる草本材料を受容する乾燥機容器の内部空間で温度プロファイルを作り出すための発熱体の使用を提供する。温度プロファイルは、乾燥機容器の回転軸に沿って延びることが好ましい。温度プロファイルは、温度勾配を含み得る。
【0102】
本開示は、草本材料を乾燥するための乾燥機、草本材料を乾燥するための方法、および使用に関する。これらの態様のうちのいずれか1つに関連して提示される特徴、利点、および説明はまた、他の態様のうちのいずれか1つと組み合わされてもよく、かつ他の態様のうちのいずれか1つに伝達されてもよい。
【0103】
以下では、本発明について、図を参照して本発明の実施形態を説明することによってさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0104】
図1】本発明の一実施形態による、草本材料を乾燥するための乾燥機の概略斜視図を示す。
図2】本発明の実施形態による、乾燥機容器の回転軸に平行な断面平面を有する、乾燥機の概略断面図を示す。
図3A】本発明の一実施形態による、乾燥機容器の内部表面、および乾燥機容器の回転軸と直角をなす断面平面における、乾燥機容器の内部表面から延びるベーンを示す概略断面図である。
図3B】本発明に従う代替的な実施形態による、乾燥機容器の内部表面、および乾燥機容器の回転軸と直角をなす断面平面における、乾燥機容器の内部表面から延びるベーンを示す概略断面図である。
図4】本発明の実施形態による、チャネル型収集機、およびコンベヤーチューブの一部の概略斜視図である。
図5】扉が閉じているときに乾燥機容器の内側から見た、本発明の実施形態による、乾燥機容器の扉の内部表面の概略図である。
図6】特に乾燥機の加熱システムに関して、本発明の実施形態による、乾燥機の制御スキームを概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0105】
図1は、草本材料、特に、たばこ材料を乾燥するための回転式乾燥機1の概略部分図を示す。回転式乾燥機1は、草本材料を受容するための内部空間5を有する乾燥機容器3を備える。乾燥機容器3は、乾燥機容器3の回転軸10を中心として回転することができる。乾燥機容器3は、本体7を備え、本体7は、回転軸10に沿って、本体7の第1の側面9(本実施形態による入口側)から本体7の第2の側面11(本実施形態による出口側)まで延びる。例示される実施形態では、乾燥機容器3の本体7は、実質的に円筒形状である。しかしながら、例えば、プリズム形状など、本体7の他の形状も考えられる。乾燥機容器3は、本体7の第1の側面9に提供された第1の扉13をさらに備える。さらに、乾燥機容器3は、本体7の第2の側面11に提供された第2の扉15を備える。扉13、15を開いて、メンテナンスまたは装填のために、乾燥機容器3の内部空間5にアクセスすることができる。閉じているとき、扉13、15は、乾燥機容器3の本体7と一緒になって実質的に気密のシールを提供する。実質的に気密のシールにより、乾燥機容器3の内部空間5内に流れ、内部空間5から出る、ガスの制御が可能になる。例えば、乾燥機容器3の内部空間5内の酸素含有量を制御することができる。一実施形態によれば、周囲雰囲気が、制御されていない方法で乾燥機容器3の内部空間5に入るのを回避するために、乾燥機容器3の内部空間5内には超過圧力が存在する。乾燥機容器3を回転させると、本体7および扉13、15が一緒に回転する。
【0106】
いくつかの実施形態では、草本材料は、開いた扉13、15を通して、手動もしくは自動で、乾燥機容器3内に装填され得るか、または乾燥機容器3から除去され得る。しかしながら、例示される実施形態では、草本材料は、扉13、15が閉じているときに、乾燥機容器3の内部空間5内に装填され、内部空間5から回収される。乾燥機容器3内に草本材料を送り込むために、入口システム17が第1の扉13に提供されている。入口システム17は、扉13内の中央開口部を通って延びる入口ダクト19を備える。入口ダクト19は、静止しており、乾燥機容器3と一緒に回転しない。入口ダクト19は、実質的に気密の回転により連結解除されるシール21を介して第1の扉13に接続される。乾燥機容器3の内部空間5内に供給される草本材料は、入口システム17の入口23に供給される。図2に例示されるように、入口ダクト19の内側に入口コンベヤー25が提供されている。例示される実施形態では、入口コンベヤー25は、乾燥機容器3の回転軸10に平行かつ同軸である回転軸を中心として駆動アセンブリ27によって回転するコンベヤースクリューを備える。代替的に、入口コンベヤー25は、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5に送り込むための回転スパイラルを備え得る。別の代替として、入口コンベヤー25は、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5に送り込むために前後に移動するように構成されたスクレーパーを備え得る。入口コンベヤー25が、例えば、コンベヤースクリュー、または回転スパイラル、またはスクレーパーを備える場合、入口コンベヤー25は、能動的な運搬システムを備える。しかしながら、入口コンベヤー25は、代替的に、受動的な運搬システムとして構成され得る。特に、入口コンベヤー25は、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5に送り込むためのシュートを備え得る。入口コンベヤー25は、いずれの能動的に駆動される成分も使用することなく、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5に送り込むように構成され得る。入口コンベヤー25は、入口システム17の入口23に供給される草本材料を、乾燥機容器3の内部空間5へと運搬する。
【0107】
同様に、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5から回収するために、出口システム29が第2の扉15に提供されている。出口システム29は、扉15内の中央開口部を通って延びる出口ダクト31を備える。出口ダクト31は、静止しており、乾燥機容器3と一緒に回転しない。出口ダクト31は、実質的に気密の回転により連結解除されるシール33を介して第2の扉15に接続される。図2に例示されるように、出口ダクト31の内側に出口コンベヤー37が提供されている。出口コンベヤー37は、乾燥機容器3の回転軸10と平行かつ同軸である回転軸を中心として駆動アセンブリ39によって回転するコンベヤースクリューを備える。代替的に、出口コンベヤー37は、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5から除去するための回転スパイラルを備え得る。別の代替として、出口コンベヤー37は、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5から除去するために前後に移動するように構成されたスクレーパーを備え得る。出口コンベヤー37が、例えば、コンベヤースクリュー、または回転スパイラル、またはスクレーパーを備える場合、出口コンベヤー37は、能動的な運搬システムを備える。しかしながら、出口コンベヤー37はまた、受動的な運搬システムとして構成され得る。特に、出口コンベヤー37は、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5から除去するためのシュートを備え得る。出口コンベヤー37は、いずれの能動的に駆動される成分も使用することなく、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5から除去するように構成され得る。出口コンベヤー37は、草本材料を、乾燥機容器の内部空間5から出口システム29の出口35まで運搬する。
【0108】
図2に示されるように、乾燥機容器3は、水平面に対して乾燥機容器3の傾斜角を調整するための傾斜装置41上に取り付けられ得る。図2では、乾燥機容器3は、傾斜角がゼロであることを意味する、水平位置にある。傾斜装置41は、乾燥機容器3を運ぶアーム43を備える。アーム43は、ヒンジ45および油圧シリンダ47を介して傾斜され、それによって、出口側11に対して乾燥機容器3の入口側9を上昇させることによって、乾燥機容器3を傾斜することができる。傾斜装置41は、例えば、0度~90度、または0度~60度、または0度~45度、または0度~30度、または0度~15度、または0度~10度の傾斜角を確立するように構成され得る。
【0109】
乾燥機1は、2つの異なる動作モードで動作させることができる。バッチモードでは、最初に、ある装填量の草本材料が乾燥機容器3内に装填され、次いで、乾燥機容器3内で乾燥され、そして次いで、乾燥機容器3から除去される。乾燥中、入口コンベヤー25および出口コンベヤー37を回転させて、入口側9および出口側11で材料を内部空間5内に押し戻すことができる。
【0110】
詳しくは、バッチモードでは、乾燥させる草本材料は、入口システム17を介して乾燥機容器3の内部空間5内に導入され得る一方、乾燥機容器3の入口側9は、出口側11に対して上昇する。乾燥機容器3は、草本材料の導入中に回転することが好ましい。すべての材料が乾燥機容器3の内部空間5内に装填されると、傾斜装置41は、乾燥機容器3が水平に整列するまで、乾燥機容器3の入口側9を下降させる。次いで、材料は、乾燥機容器3が回転している間に、所望の時間量にわたって処理される。この時間の間、入口コンベヤー25および出口コンベヤー37を回転させて、入口側9および出口側11で材料を内部空間5内に押し戻すことができる。所望の時間の満了後、乾燥機容器3の入口側9は、出口側11に対して再び上昇し、出口コンベヤー37の回転方向が逆になり、それにより、出口コンベヤー37が草本材料を出口35まで運搬する。このプロセスの間、乾燥機容器3は依然として回転し得る。
【0111】
連続モードによれば、草本材料は、連続的に、乾燥機容器3の内部空間5内に導入され、乾燥機容器3の内部空間5から回収される。入口コンベヤー25は、連続的に回転して、草本材料を入口23から乾燥機容器3の内部空間5へと供給することができ、出口コンベヤー37は、連続的に回転して、草本材料を乾燥機容器3の内部空間5から出口35へと除去する。乾燥機容器3の内部空間5内での草本材料の滞留時間は、傾斜装置41によって乾燥機容器3の傾きを適切に設定することによって規制され得る。さらに、または代替的に、乾燥機容器3の回転の速度が規制され得る。
【0112】
上述のように、乾燥機容器3は、実質的に気密であるように提供される。乾燥機容器3内での草本材料の乾燥は、特定の雰囲気条件下で行われることが好ましい。これにより、プロセスをより良好に制御することができる。さらに、高品質の乾燥した製品の収率は、乾燥機容器3内の雰囲気を制御することによって改善され得る。乾燥プロセスは、乾燥機容器3内の不活性ガス雰囲気下で行われ得る。乾燥機容器3の内部空間5内の不活性ガスは、火災のリスクを低減し得る。特に、たばこ材料を処理する際に、窒素雰囲気下で乾燥プロセスを行うことが有益な場合がある。窒素は、特に、不活性ガスとして機能し得る。また、他の不活性ガス、または不活性ガスを含むガスの混合物を使用することができる。特に、乾燥機容器3内の雰囲気は、貴ガスを含み得る。窒素もしくは別のガス、またはガスの混合物は、例えば、ガス入口62を介して乾燥機容器3に提供され得る。図2では、ガス入口62は、一例として第1の扉13に例示されている。乾燥機容器3の内部空間5からのガスは、ガス出口80を介して回収され得る。図2では、ガス出口80は、一例として出口システム29の出口チューブ31に例示されている。乾燥プロセスは、真空下で行うこともできる。
【0113】
草本材料の乾燥中に乾燥機容器3内で蒸発した揮発物を処理することができる。かかる揮発物としては、例えば、草本材料の乾燥中、特に、たばこ材料の乾燥中に蒸発する風味化合物を挙げることができる。揮発物は、例えば、草本材料から抽出された風味を運び得る。揮発物は、例えば、芳香族物質またはオイルを含み得る。揮発物は、例えば、ニコチンなどのアルカロイドを含み得る。揮発物はまた、例えば、2-メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2-エチル-5-メチルピラジン、2-エチル-6-メチルピラジン、2,3,5-トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、2-エチル-3,6-ジメチルピラジン、または2-エチル-3,5-ジメチルピラジンなどのピラジンを含み得る。揮発物の他の例としては、β-イオノン、β-ダマセノン、または酢酸が挙げられる。
【0114】
結果として生じる製品の乾燥効率および品質を増加させるために、乾燥機容器3の内側にある草本材料は、乾燥中に攪拌され得る。これは、乾燥機容器3の内部表面51から乾燥機容器3の内部空間5内へと延びるベーン49によって達成され得る。第1の例示的な実施形態によるそれぞれのベーン49が図3Aに例示されており、図3Aは、乾燥機容器3の内部表面51およびベーン49を、乾燥機容器3の回転軸10と直角をなす断面平面を有する断面図で示す。図3Bは、第2の例示的な実施形態による対応する図を示す。図3Aに示される第1の実施形態では、ベーン49は、平行六面体の形状を有する。図3Bに示される第2の実施形態によるベーン49は、湾曲した形状を有する。
【0115】
両方の実施形態によれば、ベーン49は、乾燥機容器3の回転軸10と直角をなす断面平面を有する断面において、回転軸10に対して放射状である放射方向に対して傾いている。放射方向に対するベーン49の傾きの角度を、図の角度20として例示する。角度を定義するために、図は、断面図において、乾燥機容器3の回転軸10とベーン49の基部部分の中心点とを接続する放射状の線30を示し、基部部分は、ベーン49が乾燥機容器3の内部表面51と交わる、ベーン49の部分である。さらに、図は、延長線40を例示しており、延長線40は、ベーン49の基部部分の中心点とベーン49の遠端部分の中心点とを接続し、ベーンの遠端部分は、乾燥機容器3の内部空間5の最も遠くに到達する部分である。
【0116】
例示の実施形態では、ベーン49と放射方向との間の角度20は、各ベーン49に対して同一である。角度20は、30度より低いことが好ましい。特に、角度20は、5度~25度、またはより好ましくは5度~15度の間にあってもよい。
【0117】
図3Aおよび図3Bの矢印は、乾燥機容器3の回転の方向を説明する。例示のように、ベーン49の傾きは、乾燥機容器3の回転軸10と直角をなす断面平面において、ベーン49と乾燥機容器3のうちの1つの内部表面51との間の角度が、乾燥機容器3の回転の方向に対して測定した場合よりも、乾燥機容器3の回転の方向で測定した場合に大きくなるような傾きである。角度は、両方の場合において、それぞれのベーン49から始まり、乾燥機容器3の内部表面51で終わるように測定される。乾燥機容器3の回転の方向で測定されるより大きな角度は、図において角度50として示される一方、乾燥機容器3の回転の方向に対して測定されるより小さな角度は、60として示される。角度50および60は、ベーン49の延長線40を参照して再び定義される。概して、乾燥機容器3の内部表面51の非直線の部分の場合、角度50および60は、それぞれのベーン49の基部部分の中心で、乾燥機容器3の内部表面51に対する接線を参照して測定され得る。
【0118】
図3Aおよび図3Bから理解され得るように、ベーン49の係合面53は、乾燥機容器3が回転軸10を中心として乾燥機容器3の回転の方向に回転するときに、乾燥機容器3内に受容された草本材料と係合する。ベーン49の傾きにより、ベーン49は、草本材料とより良好に係合することができる。さらに、ベーン49の傾きに起因して、ベーン49と乾燥機容器3の内部表面51との間にポケット55が形成される。ポケット55は、乾燥機容器3の回転中に、草本材料を一時的に保持することができる。ベーン49の傾きに起因して、ポケット55内での草本材料の保持時間が増加し、それによって、乾燥機容器3内での全体的な攪拌が増加する。さらに、ベーン49が加熱される場合(以下の説明を参照)、傾いたベーン49と草本材料との間の接触時間の増加は、加熱効率を増加させる。
【0119】
図3Bに示されるベーン49はベーン49の傾きの方向に湾曲しているため、大量の草本材料をベーン49によって拾い上げることができる。ベーン49の湾曲はまた、湾曲したベーン49が乾燥機容器3の回転中に草本材料を真っ直ぐなベーンよりも遅く滑らせ得るため、ベーン49と草本材料との間の接触時間を増加させ得る。
【0120】
回転軸10に対する2つの隣接するベーン49間のアーチの距離は、ベーン49の高さ寸法以上であることが好ましい。これにより、隣接するベーン49が、ベーン49による草本材料の拾い上げにあまりにも強く干渉しないことを確保することができる。
【0121】
図2および図5に示されるように、収集機57は、出口側11において乾燥機容器3の内部空間5内に提供されている。例示の実施形態では、収集機57は、出口システム29の出口チューブ31と一体的に形成されている。しかしながら、収集機57および出口チューブ31が一体的に形成されている必要はない。例えば、収集機57は、出口チューブ31または乾燥機1の別の構造に固定され得る。収集機56は、静止しており、乾燥機容器3と一緒に回転しない。図4は、収集機57および出口ダクト31の概略斜視図を示す。収集機57は、チャネル型であり、その上部部分において開いている。収集機57は、異なる方向に延びる少なくとも2つのセクションを有する。収集機57は、例えば、本質的にU字型、または本質的にV字型、または本質的にU/V字型であってもよい。特に、収集機57は、収集機57の底部を形成する中央セクション59と、中央セクション59の両端から上向きに延びる2つの側面セクション61と、を有し得る。側面セクション61間の距離は、中央セクション59から離れる方向(上向き方向)に増加し得る。乾燥機容器3が、その回転軸10を中心として回転すると、乾燥機容器3の内側にある草本材料が攪拌される。乾燥機容器3の回転中に、草本材料は、収集機57に入ることができる。特に、草本材料を、ベーン49によって攪拌し、拾い上げて、重力によって収集機57内に落とすことができる。収集機57の側面セクション61の上向き方向における分岐は、収集機57の中央セクション59に向かって、重力に起因して落ちる草本材料をファンネル状にするファンネル効果につながる。
【0122】
収集機57は、乾燥機容器の内部空間5内に草本材料を収集する簡素で効果的な方法を構築する。特に、収集機57は、中央セクション59および側面セクション61を画定する湾曲したプレートによって構築され得るか、または湾曲したプレートを備え得る。
【0123】
例示の実施形態によれば、収集機57の頂部開口部を画定する、収集機57の上部リムの少なくとも一部分は、下向きに斜めになっている。特に、収集機57の側面セクション61の上部リムは、下向きに斜めになっていてもよい。斜めになったリムの上に上から落ちる草本材料は、リムに残るか、またはリムに固着する代わりに、斜めになったリムを下に摺動させ得る。
【0124】
図5は、乾燥機容器3の内側からの第2の扉15の内部表面上の視界を示す。例示のように、乾燥機容器3の回転軸10は、収集機57内に延びる。特に、収集機57は、乾燥機容器3の回転軸10に平行に延びる。出口コンベヤー37は、収集機57内に出口ダクト31を通って延び、収集機57内に収集された草本材料を出口35に向かって運搬する。
【0125】
例示の実施形態では、収集機57は、回転軸10および垂直方向によって画定される平面に対して非対称である。収集機57の非対称形状は、乾燥機容器3の回転中に草本材料を収集することを容易にし得る。特に、収集機57の側面セクション61のうちの一方は、収集機57のもう一方の側面セクション61よりも長くてもよい。より短い側面セクション61は、草本材料が収集機57内に入ることを容易にし得る。より長い側面セクション61は、草本材料を収集機57内に保持することに寄与し得る。乾燥機容器3は、より短い側面セクション61が、乾燥機容器3の回転方向に対して、より長い側面セクション61の下流にあるように、回転することが好ましい。
【0126】
収集機57はまた、回転軸10および他の方法では垂直方向によって画定される平面に対して非対称であってもよい。例えば、収集機57の側面セクション61の形状もしくは寸法、または形状および寸法は、互いに異なっていてもよい。また、収集機57の側面セクション61の向きは、互いに異なっていてもよい。代替的に、収集機57は、回転軸10および垂直方向によって画定される平面に対して対称であってもよい。
【0127】
図2に例示されるように、2つのノズル61を有する液体分散アセンブリが提供されている。ノズル61は、入口コンベヤー25のコンベヤースクリューおよび出口コンベヤー37のコンベヤースクリューの端にそれぞれ提供されている。それぞれのコンベヤースクリューの内側に、ノズル61に液体を供給するためのチャネル63が提供されている。ノズル61は、乾燥機容器3の内部空間5の内側に液体を噴霧するように構成されている。草本材料の乾燥中に、草本材料を処置するための液体がノズル61を通して噴霧され得る。さらに、乾燥機容器3が使用の合間に洗浄される場合、洗浄液をノズル61によって噴霧することができる。ノズル61が回転するため、ノズル61は、通常は洗浄するために到達するのが困難なスポットにも到達することができる。ノズル61は、それぞれのコンベヤースクリューと一緒に回転するよう設定され得る。代替的に、ノズル61は、コンベヤースクリューから連結解除され得る。例えば、ノズル61は、ノズル61から噴霧する液体によって回転され得る。
【0128】
草本材料の乾燥を容易にするために、乾燥機1は、加熱システム65を備える。加熱システム65は、壁発熱体67、ベーン発熱体69、扉発熱体71、コンベヤー発熱体73、および1つ以上の収集機発熱体74を含み得る、複数の発熱体を備える。壁発熱体67は、乾燥機容器3の本体7の円周壁に組み込まれ得る。ベーン発熱体69は、乾燥機容器3の内部空間5の内側に突出するベーン49内に組み込まれ得る。扉発熱体71は、乾燥機容器3の第1および第2の扉13、15に組み込まれ得る。コンベヤー発熱体73は、入口コンベヤー25および出口コンベヤー37に組み込まれ得る。収集機発熱体74は、収集機57に組み込まれ得る。壁発熱体67、ベーン発熱体69、および扉発熱体71を図2に例示する。コンベヤー発熱体73および収集機発熱体74は、明確さのために図2には例示されていない。コンベヤー発熱体73は、例えば、入口コンベヤー25のコンベヤースクリューに組み込まれ得る。代替的に、またはさらに、コンベヤー発熱体73は、例えば、出口コンベヤー37に組み込まれ得る。コンベヤー発熱体73はまた、入口チューブ19に組み込まれ得る。代替的に、またはさらに、コンベヤー発熱体73はまた、出口チューブ31に組み込まれ得る。
【0129】
第1の扉13および第2の扉15、ならびに入口コンベヤー25および出口コンベヤー37は、乾燥機容器3の内部空間5へのアクセスを提供するアクセスアセンブリの一部である。かかるアクセスアセンブリを、扉発熱体71およびコンベヤー発熱体73によって加熱することは、乾燥機容器3内の特定の温度レベルを維持するのを容易にする。壁発熱体67およびベーン発熱体69のみが存在する場合、扉13、15、またはコンベヤー25、37などのアクセスアセンブリの一部は、より低い温度スポットの形成のための空間を提供し得る。より低い温度スポットでは、乾燥機容器3内の草本材料の乾燥中に発生したガス状の材料が凝縮する場合があり、これは、乾燥効率および乾燥した材料の品質に悪影響を与え得る。
【0130】
ベーン49に組み込まれたベーン発熱体69を用いてベーン49を加熱することは、ベーン49が、草本材料を攪拌するときに大量の草本材料と直接接触するため、非常に有効である。さらに、ベーン49が傾いているため、草本材料とベーン49との間の接触の持続時間が増加する。これは、加熱効率を増加させ得る。
【0131】
収集機発熱体74を用いて収集機57を加熱することは、草本材料が乾燥機容器3の内部空間5を出る前に、残留水分を除去することに寄与し得る。
【0132】
図6に示されるブロック図は、加熱システム65の制御スキームを示す。発熱体67、69、71、73、74は、コントローラ78によって互いに独立して制御される加熱サブシステム75にグループ化される。
【0133】
例示の実施形態によれば、5つの別個の本体加熱サブシステム75aが提供されている。本体加熱サブシステム75aの各々は、複数の壁発熱体67および複数のベーン発熱体69を備える。代替は、壁発熱体67およびベーン発熱体69の両方を備える本体加熱サブアセンブリ75aを提供する代わりに、別々に制御される壁加熱サブアセンブリおよびベーン加熱サブアセンブリを提供することであろう。図2に示されるように、乾燥機容器3の回転軸10の延長の方向に沿って、壁発熱体67の5つの列およびベーン発熱体69の5つの列がある。これらは、5つの本体加熱サブシステム75aに対応する。これは、例示の実施形態によれば、壁発熱体67およびベーン発熱体69が、乾燥機容器3の回転方向Aに平行な方向に沿って前後に置かれる発熱体67、69のグループを画定することによって、本体加熱サブアセンブリ75aにグループ化されることを意味する。コントローラ78による本体加熱サブアセンブリ75aの独立した制御により、乾燥機容器3の回転軸10の延長方向に沿って独立して制御される加熱ゾーンを確立することができる。
【0134】
例示の実施形態によれば、加熱システム65は、2つの扉加熱サブアセンブリ75bをさらに備える。扉加熱サブアセンブリ75bの各々は、第1の扉13および第2の扉15のうちの対応する1つに組み込まれた扉発熱体71を備える。コントローラ78による2つの扉加熱サブアセンブリ75bの独立した制御により、例えば、第1の扉13および第2の扉15を異なる温度に加熱することができる。また、第1の扉13および第2の扉15は、同じ目標温度に加熱され得るが、異なるフィードバック制御パラメータを有する。
【0135】
さらに、例示の実施形態によれば、加熱システム65は、2つのコンベヤー加熱サブシステム75cを備える。コンベヤー加熱サブシステム75cは、入口コンベヤー25および出口コンベヤー37のうちの対応する1つのコンベヤー発熱体73を備え得る。
【0136】
さらに、例示の実施形態によれば、加熱システム65は、収集機加熱サブシステム75dを備える。収集機加熱サブシステム75dは、1つ以上の収集機発熱体74を備え得る。
【0137】
図6は、それぞれの加熱サブシステム75に対応する温度を測定するように乾燥機1の適切な場所に分布する温度センサ77を概略的に例示している。図6は、10個の温度センサ77を例示しており、加熱サブシステム75の各々に対して1つである。温度センサ77は、それぞれの温度センサの値をコントローラ78に無線で伝送する無線伝送装置79とともに提供されている。代替的に、温度センサ77とコントローラ78との間に有線接続があってもよい。コントローラ78は、対応する温度センサ77の出力に基づいて、加熱サブシステム75の各々を制御する。例示の実施形態では、加熱サブシステム75はすべて、それぞれの温度センサ77からの検知値に基づいて、互いに独立して制御される。しかしながら、加熱サブシステム75の一部またはすべてを、一緒に制御されるように、または同じ温度センサ77の出力に基づいて少なくとも制御されるようにグループ化することも考えられ得る。
【0138】
独立して制御される加熱サブアセンブリ75を有することは、草本材料の乾燥中に乾燥機容器3内の温度分布に対する高レベルの制御を提供する。したがって、乾燥プロセスを正確に制御および調整して、高品質の製品を得ることができる。処置される草本材料および得られる製品の所望の性状に依存して、加熱サブシステム75を操作する異なる原理が考えられる。例えば、本体加熱サブアセンブリ75aは、乾燥機容器3の回転軸10の延長方向に沿って、乾燥機容器3の内部空間5内に温度勾配を提供するように制御され得る。これは、例えば、異なる本体加熱サブアセンブリ75aの制御のために異なる温度目標値を使用することによって達成され得る。例えば、温度勾配は、温度が乾燥機容器3の入口側9でより高くなり、温度が乾燥機容器3の出口側11でより低くなるようなものであってもよい。代替的に、温度勾配は、温度が乾燥機容器3の入口側9でより低くなり、乾燥機容器3の出口側11でより高くなるように確立され得る。入口側と出口側9との間のそれぞれの温度差は、例えば、少なくとも摂氏10度、少なくとも摂氏20度、少なくとも摂氏30度、少なくとも摂氏50度、少なくとも摂氏100度、または摂氏100度超であってもよい。
【0139】
すべての本体加熱サブアセンブリ75aに対して同じ温度目標値を使用するが、熱容量などの本体加熱サブアセンブリ75aの特性に適合した独立した制御のために、それぞれの本体加熱サブアセンブリ75aに対して異なる温度センサ77からの検知値を使用し、それによって、乾燥機容器3の長軸方向全体にわたって高度に均一な温度を達成することも考えられ得る。
【0140】
扉加熱サブアセンブリ75bおよびコンベヤー加熱サブアセンブリ75cは、扉13、扉15、または入口コンベヤー25および出口コンベヤー37でそれぞれ、最小アクセスアセンブリ温度とも呼ばれる少なくとも所定の最小温度を維持するように制御されることが好ましい。最小アクセスアセンブリ温度は、アクセスアセンブリでの、特に、扉13、15、またはコンベヤー25、37でのより低い温度スポットの形成が防止されるように選択され得る。より低い温度スポットを防止することにより、かかるスポットにおける、草本材料の乾燥中に発生したガス状の材料の凝縮を防止することができる。
【0141】
扉加熱サブアセンブリ75bは、第1の扉13および第2の扉15に対する異なる温度目標値に基づいて制御されることが好ましい。これは、特に、本体加熱サブアセンブリ75aを適切に制御することによって確立される温度勾配と組み合わせて行うことができる。
【0142】
それぞれの加熱サブシステム75に対する温度目標値は、入力装置81を介してユーザーによって入力され得る。代替的に、またはさらに、それぞれの加熱サブシステム75に対する温度目標値は、メモリ装置83に記憶され得る。
【0143】
図6はまた、任意選択の圧力センサ82を例示する。圧力センサ82は、乾燥機容器3の内部空間5内の圧力を決定するように構成され得る。過熱蒸気が、乾燥機容器3の内部空間5を加熱するために使用される場合、乾燥機容器の内部空間5内の温度は、決定された圧力から推定され得る。圧力センサ82によって決定された圧力は、コントローラ78に無線で伝送され、加熱サブアセンブリ75のうちの1つ以上を制御するために使用され得る。
【0144】
図6では、加熱サブシステム75の各々は、コントローラ78によって制御されて、それぞれの発熱体67、69、71、73、74を適切に作動させる、アクチュエータ85を備える。アクチュエータは、例えば、抵抗加熱要素に電力を供給するための電気回路、または適切に加熱された流体を含む加熱流体ラインとして構成されている、発熱体を提供するためのポンプもしくは弁を備え得る。
【0145】
さらに、コントローラ78は、回転軸10を中心として乾燥機容器3を回転させるための駆動装置90を制御するように構成され得る。コントローラ78は、駆動装置90を制御して、乾燥機容器3を回転の1つの方向に排他的に回転させるように構成されていることが好ましい。しかしながら、コントローラ78はまた、駆動装置90を制御して、乾燥機容器3の回転方向を変更するように構成され得る。特に、乾燥機容器3の回転方向を、間隔をおいて変更して、乾燥機容器3内の草本材料の分布を改善することができる。コントローラ78は、傾斜装置41の油圧シリンダ47を制御することもできる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6