(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】パーソナルケアデバイス
(51)【国際特許分類】
B26B 19/38 20060101AFI20250109BHJP
B26B 19/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B26B19/38 Z
B26B19/04 U
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022121373
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2022-08-10
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ネイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン ソーステン クノール
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴェルシュテーゲ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン フュルグラーベ
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-171048(JP,A)
【文献】特表2017-506968(JP,A)
【文献】特表2008-544823(JP,A)
【文献】特開2019-171051(JP,A)
【文献】国際公開第2018/069265(WO,A1)
【文献】特表2017-529168(JP,A)
【文献】特表2019-521521(JP,A)
【文献】特開2019-171033(JP,A)
【文献】特表2015-510808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0246454(US,A1)
【文献】特開2014-067157(JP,A)
【文献】特開2011-112915(JP,A)
【文献】特開2002-311114(JP,A)
【文献】特開2011-211606(JP,A)
【文献】特開2014-001643(JP,A)
【文献】特開2014-135193(JP,A)
【文献】特開2008-224001(JP,A)
【文献】特開2004-316797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B19/00-21/60
A45D8/00-8/40
A45D24/00-31/00
A45D42/00-97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアデバイス、特に電気かみそりなどの毛髪除去デバイスであって、前記パーソナルケアデバイスを身体表面に沿って手動で移動させるための細長いハンドル(2)と、前記ハンドル(2)に取り付けられた作業ヘッド(1)であって、前記作業ヘッド(1)が、前記身体表面にパーソナルケア処理を行うための少なくとも1つの作業ヘッド要素(7)を有する、作業ヘッド(1)と、を備え、少なくとも1つの調節アクチュエータを含む調節デバイス(26)が、少なくとも1つの前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性を調節するために提供され、前記調節アクチュエータ(35、50、80、81、105、106)が、0.1秒以上かつ1.5秒以下の移行時間内に、前記少なくとも1つのハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性を、第1の設定から第2の設定へと調節するように構成及び制御され
、前記調節アクチュエータ(35、50、80、81、105、106)が、ユーザ選好信号に応答して、及び/又は動作状況の検出された変化に応答して、前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性の前記調節を行うために費やされる前記移行時間を変化させるように構成されていることを特徴とする、パーソナルケアデバイス。
【請求項2】
前記移行時間が、0.15秒以上かつ0.50秒以下、又は0.15秒以上かつ0.25秒以下である、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの調節アクチュエータ(35、60、80、81、105、106)が、前記移行時間にわたって非一定である移行速度で前記少なくとも1つの前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性を調節するように構成及び制御されており、移行速度が、前記移行時間の初期段階及び/若しくは終了段階で減少する、並びに/又は前記移行時間の中間段階で増加する、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの調節アクチュエータが、前記調節アクチュエータの応答時間及び/又は前記移行速度を制御して、前記少なくとも1つの前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性の前記調節が前記所望の移行時間内で起こるように構成された、電子制御ユニットの制御下にある、請求項
3に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの調節アクチュエータが、2つの端部位置間の少なくとも1つの中間位置に停止されて保持されるように構成及び制御され、前記端部位置に対応する第1の設定及び第2の設定に加えて、少なくとも1つの中間設定に対して前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性を調節する、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの調節アクチュエータが、変位可能な調節要素(34)を、前記移行時間内の第1の位置から第2の位置へと変位させるための電気モータ(36)を含む、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項7】
前記電気モータ(36)が、歯車装置、特にはめ歯車の歯車装置を介して前記調節要素(34)に接続されている、請求項
6に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項8】
前記電気モータ(36)が、初期段階で事前定義された速度でモータ速度を増加させるように、及び/又は終了段階で事前定義された速度でモータ速度を低下させるように制御され、その結果、前記初期段階及び/又は前記終了段階では、動作の中間段階と比較してモータ速度が低減される、請求項
6または
7に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの調節アクチュエータ(80、81、105、106)が、制御信号及び/又は事前定義された周囲条件を受ける場合に、前記調節を制御するために材料特性を変化させるスマート材料作動要素を含む、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項10】
前記スマート材料作動要素が、加熱及び/又は冷却を受ける際にその形状を変化させるバイメタル作動要素(120)を含み、前記バイメタル作動要素(120)が、送信機(34)を介して調節要素に接続され、これによって、前記バイメタル作動要素の形状の変化が、前記調節要素の変位へと変換される、請求項
9に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項11】
前記スマート材料作動要素が、磁場及び/又は電界を受ける場合にその粘度を変化させるスマートビスコース流体を含む、請求項
9または
10に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項12】
前記調節アクチュエータ(105、106)が、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)が移動する場合に前記スマートビスコース流体を押し出すための、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)に接続された流体プッシャを含み、前記スマートビスコース流体が、そこへ加えられる磁場に応じてその粘度を変化させる前記スマートビスコース流体であり、前記調節デバイス(105、106)が、前記磁場を変化させるためのコントローラを含む、請求項
11に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項13】
前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)の可動性及び/又は前記作業ヘッド(1)の基部に対する前記作業ヘッド要素(7)の可動性が、前記ハンドル(2)に対する前記作業ヘッド(1)及び/又は作業ヘッド要素(7)の旋回可動性及び/又は直線変位可動性であり、前記少なくとも1つの調節アクチュエータ(35、50、80、81、82、105、106)が、前記旋回可動性及び/又は直線変位可動性を調節するように構成されている、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項14】
前記調節デバイス(26)が、少なくとも1つのアクチュエータ(35、50、80、81、82、105、106)を含み、これらが、以下の特性、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の移動速度に応じた、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の移動抵抗と、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の、旋回及び/若しくは直線変位並びに/又は移動速度に応じて、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)を中立位置に向かって付勢する復元力/復元トルクと、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の、反対方向のそれぞれへの、制動抵抗のための制動力/制動トルクと、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の、中立位置からの旋回及び/又は直線変位範囲と、のうちの少なくとも1つを調節する、請求項
13に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項15】
前記復元力/前記復元トルク、並びに/又は前記作業ヘッド(1)及び/若しくは前記作業ヘッド要素(7)の直線変位及び/若しくは旋回変位にわたって復元力/復元トルクを定義するグラフの形状を調節するための前記調節アクチュエータ(35)が、復元デバイス(25)の前記復元力/前記復元トルクを調節するように構成されており、前記復元デバイス(25)が、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の輪郭適合動作によって偏向される方法で、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)に接続された板バネ(31)を含み、前記調節アクチュエータ(35)が、バネ軸受け(32)の変位によって前記板バネ(31)の有効長さ(33)を調節するように構成されている、請求項
14に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項16】
前記調節デバイス(26)が、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の最大可能旋回及び/又は直線変位を制限するための変位範囲リミッタ(58)を含み、前記変位範囲リミッタ(58)が、前記変位範囲を変更するように調節アクチュエータ(50)によって調節可能である、請求項1に記載のパーソナルケアデバイス。
【請求項17】
前記範囲リミッタ(58)が、一対の係合要素を含み、そのうちの1つが、ウェッジ形状であり、そのうちの1つが屋根形状であり、前記係合要素のうちの少なくとも1つが、その他の係合要素に向かって、及びそこから離れて移動するように移動可能に支持され、これによって、ウェッジ形状の輪郭が屋根形状の輪郭内へと入り、前記調節アクチュエータ(50)が、種々の変位範囲を画定する互いから変化する距離で前記係合要素を保持するように構成されている、請求項
16に記載のパーソナルケアデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケアデバイスを身体表面に沿って手動で移動させるための細長いハンドルと、当該身体表面へのパーソナルケア処理を行うための当該ハンドルに取り付けられた作業ヘッドと、を備え、少なくとも1つの調節アクチュエータを含む調節デバイスが、作業ヘッドの適応性などの当該パーソナルケアデバイスの処理特性を調節するために提供される、パーソナルケアデバイス、特に、電気かみそりなどの毛髪除去デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケアデバイスは、異なる種類のパーソナルケア処理をユーザに適用するために広く使用され、このようなパーソナルケアデバイスは、電動式又は手動式及び/若しくは湿式又は乾式であってもよい毛髪除去器、シェーバ器、又はかみそり、あるいは髭用トリマーなどの毛髪除去デバイスを含んでもよい。更に、その他のパーソナルケアデバイスは、電動式又は手動式の歯ブラシ、歯間洗浄デバイス若しくは歯茎マッサージデバイス、あるいは、マッサージデバイス若しくは振動デバイスなどの皮膚処理デバイスを含む。全てのこのようなパーソナルケアデバイスは、異なるユーザが異なる方法でパーソナルケアデバイスを使用し、異なるユーザがパーソナルケアデバイスの機械的設定に対して異なる選好を有するという問題の影響を受ける。
【0003】
より一般的な意味では、あるユーザは、作業ヘッドを身体表面に対してむしろ強く押圧する傾向にあり、その一方で、その他のユーザは、むしろわずかな圧力を加える。あるユーザは、作業ヘッドをむしろ短いストロークでどちらかといえば高速で身体表面上に移動させる傾向にあるが、その他のユーザは、より遅い速度及びより長いストロークを加える。ユーザの習慣及び選好に応じて、作業ヘッドは、作業ヘッド基部に対する作業ヘッド要素のハンドル及び/又は機械装置に対する作業ヘッドの動作を可能にする、サスペンションの異なる可動性特性を必要とする、より柔らかい、又はより制御可能な、又はより堅固なユーザ感触を提供するべきである。
【0004】
異なる剃毛状況で、又は異なる身体部分で、異なる処理モードでパーソナルケアデバイスを使用する場合、可動性特性を変更することもまた望ましい場合がある。例えば、鼻の下の唇上部領域を剃毛する場合、短いストロークが作動され、より多くの制御が望まれるため、作業ヘッドの剛性を増加させる必要があり、一方で、頬又は喉仏の周囲の領域を剃毛することは、より良好な輪郭適合を達成するためにより少ない剛性及び/又はより広い旋回範囲/回転範囲を必要とする場合がある。
【0005】
輪郭適合、すなわち、作業ヘッドの皮膚接触面の、処理される身体部分の輪郭への適合を可能にするために、ハンドルに対する作業ヘッドのサスペンション及び/又は作業ヘッド基部に対する作業ヘッド要素のサスペンションは、回転動作及び/又はその直線動作などの、作業ヘッド及び作業ヘッド要素のそれぞれの種々の種類の動作を可能にし得る。より具体的には、作業ヘッドは、細長いハンドルに対して傾斜及び/又は回転してもよく、傾斜軸線及び回転軸線は、作業ヘッドの皮膚接触面と実質的に平行に延在し、また互いに対して横方向に延在してもよい。追加的又は代替的に、作業ヘッドは、皮膚接触面に対して実質的に垂直及び/又はハンドルの長手方向軸線に対して実質的に平行なダイビングに沿って、ハンドルに対してダイブ又は浮遊してもよい。同様に、かみそりの剪断フォイルカートリッジなどの作業ヘッド要素は、作業ヘッドフレーム又は作業ヘッド基部に対して傾斜及び/又は回転及び/又はダイブして、皮膚輪郭への適応を可能にしてもよい。
【0006】
異なるユーザの習慣及び選好を満たすように、作業ヘッド基部に対する作業ヘッドのサスペンション及び/又は作業ヘッド要素のサスペンションは、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の調節動作の特性を変化させるように、調節されてもよい。例えば、傾斜及び/又は回転及び/又はダイビング剛性は、調節動作のより制御可能な/より剛性な(又は積極的)又はより柔らかい特性を提供するために、増加又は減少されてもよい。更に、最大回転変位及び/又は直線変位の観点からの傾斜及び/又は回転範囲もまた、変化してもよい。
【0007】
例えば、欧州特許第3546153(B1)号は、ハンドルに対する作業ヘッドの旋回を可能にするための作業ヘッドの旋回可能なサスペンションと、作業ヘッドフレームに対する剪断フォイルカートリッジのダイビングを可能にするための剪断フォイルカートリッジのダイビングサスペンションと、を有する、電気かみそりを示す。作業ヘッドの旋回剛性及び剪断フォイルカートリッジのダイビング剛性は、特定の旋回角度及び特定のダイビング変位を達成するのに必要なトルク及び力に関して、旋回剛性及びダイビング剛性を増加させたり減少させるように、アクチュエータによって調節され得る機械的バネによって制御される。更に、調節機構は、より大きな又はより小さな最大角度変位を可能にするために、作業ヘッドの旋回角度範囲を調節するように構成されている。
【0008】
電気かみそりの作業ヘッドの類似の調節可能性が、欧州特許第3546152(B1)号によって示されている。
【0009】
処理特性を調節する別の選択肢は、ヘアトリマーの切断長さの調節であり、例えば、文書、国際公開第2018/069265(A1)号は、トリマーの切断長さを調節するための調節アクチュエータを含むヘアトリマーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】欧州特許第3546153(B1)号
【文献】欧州特許第3546152(B1)号
【文献】国際公開第2018/069265(A1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の根底にある目的は、従来技術の欠点の少なくとも1つを回避する、及び/又は既存の解決方法を更に発展させる、改善されたパーソナルケアデバイスを提供することである。本発明の根底にあるより具体的な目的は、パーソナルケアデバイスの改善された調節をユーザに提供して、使用状況を変更することである。
【0012】
本発明の根底にある別の目的は、ユーザにとって快適な、及び同時に処理プロセスを効率的に改善する方法で、ユーザの習慣及び選好並びに/又は処理条件へのパーソナルケアデバイスの自己適合を達成することである。
【0013】
本発明の根底にある更なる目的は、ユーザを刺激することなく、種々の身体表面の輪郭及び処理領域への適合を迅速に達成する改良されたパーソナルケアデバイスを提供することである。
【0014】
本発明の根底にあるまた更なる目的は、取り扱う上でのより軽い重量によって、パーソナルケアデバイスの取り扱いを改善するために、エネルギー消費の低減及び軽量構造を有する効率的な自己調節を達成することである。
【0015】
前述の目的のうちの少なくとも1つを達成するために、処理特性の異なる設定間の円滑な移行を達成するように構成及び制御される調節アクチュエータを提供することが、示唆される。より具体的には、調節アクチュエータは、0.1秒以上かつ1.5秒以下の時間内で第1の設定から第2の設定に処理特性を調節するように、構成及び制御されてもよい。有利には、調節アクチュエータは、0.15秒以上かつ0.5秒以下の時間内の2つの設定間の移行、又は0.15秒以上かつ0.25秒以下の移行時間を達成するように構成及び制御されてもよい。
【0016】
上記目的はまた、パーソナルケアデバイス、特に電気かみそりなどの毛髪除去デバイスによって達成されるが、パーソナルケアデバイスを身体表面に沿って手動で移動させるための細長いハンドルと、当該ハンドルに取り付けられた作業ヘッドと、当該身体表面にパーソナルケア処理を行うための少なくとも1つの作業ヘッド要素と、を備え、少なくとも1つの調節アクチュエータを含む調節デバイスが、少なくとも1つの処理特性を調節するために提供される。
【0017】
処理特性の異なる設定間で所望の円滑な移行を達成するために、調節アクチュエータは、限られた変化率で操作され、その結果、「ソフト」などの1つの状態から「ハード」などの別の1つの状態への移行が、十分に定義された時間内に生じる。一方、即時変化がユーザを妨害する可能性があるか、又はユーザ経験が不快であると見なされる可能性があるため、移行が速過ぎるべきではない。一方、移行は、処理領域の変動、及び/又は短いストロークから長いストロークへの変更などのパーソナルケアデバイスを使用する方法の変更に応答した処理特性の所望の設定に達するのに、十分に速くなければならない。
【0018】
パーソナルケアデバイスが往復方式で身体表面に沿って移動した場合、調節アクチュエータは、1回又は2回のストロークに費やされる時間を超えない移行時間内で、処理特性の第1の設定から第2の設定への移行をもたらすように、構成及び制御されてもよい。
【0019】
調節アクチュエータは、異なる速度での動作を可能にするように構成されてもよく、調節アクチュエータを制御するための制御ユニットは、調節に費やされる移行時間、すなわち、ユーザ習慣及び/又は選好及び/又は動作状況に応じて、第1の設定から第2の設定への移行時間を変化させるように構成されてもよい。例えば、長いストロークの使用から短いストロークの使用へと変更する場合、例えば、よりソフトな作業ヘッド構成からより短い移行時間内の、例えば、0.15~0.20秒内のよりハードな作業ヘッド構成への移行をもたらすことが有利であり得るが、一方で、短いストローク動作から長いストローク動作へと変化した場合、例えば0.20秒~0.25秒のより長い移行時間内に、よりハードな設定からよりソフトな設定に移行することが有利であり得る。
【0020】
移行を円滑にするが、それにもかかわらず迅速にするために、移行時間にわたって非一定の移行速度が提供される及び/又は非一定速度で動作するように調節アクチュエータを構成及び/又は制御することが有利であり得、例えば、移行速度は、移行の初期段階及び/又は移行の終了段階で低減されてもよいが、移行速度は、移行の中間段階で増加されてもよい。
【0021】
容易であるが、それにもかかわらず正確な制御を可能にするために、調節アクチュエータは、電子制御ユニットの制御下にあってもよい、及び/又は電子制御コマンドに応答してもよい。
【0022】
例えば、調節アクチュエータは、可動作業ヘッド及び/又は範囲リミッタの剛性に影響を与えるバネ要素のバネ軸受などの調節要素を変位させ得る電気モータを含んでもよく、歯車装置が、当該電気モータと調節要素との間に提供されて、電気モータの駆動動作を調節要素に伝達してもよい。歯車ボックスと組み合わせてもよいこのような電気モータは、調節動作の容易かつ正確な制御を可能にし、同時に、移行速度の容易な変動を可能にする。
【0023】
追加的又は代替的に、調節アクチュエータはまた、制御信号に対応する場合、及び/又は事前定義された周囲条件に対応する場合に、調節を制御するための、材料特性を変化させるスマート材料を含んでもよい。
【0024】
例えば、調節アクチュエータは、磁場及び/又は電界に対応する場合にその粘度を変化させるスマート流体を含んでもよく、このようなスマート流体は、調節要素と協働して、その変位抵抗を変化させることができる。
【0025】
追加的又は代替的に、調節アクチュエータは、加熱及び/又は冷却を受ける場合に、その形状を変化させるバイメタルなどのスマート金属を含んでもよい。
【0026】
調節アクチュエータは、種々の処理特性を変化させてもよい。特に、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の適応性は、例えば、作業ヘッド基部に対する作業ヘッド要素のハンドル及び/又は可動性に対する作業ヘッドの可動性を調節して、処理される身体表面へのパーソナルケアデバイスの適合を可能にしてもよい。より具体的には、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の回転剛性及び/若しくは直線剛性並びに/又は回転変位及び/若しくは直線変位の範囲は、調節アクチュエータによって調節されてもよい。
【0027】
パーソナルケアデバイスは、例えば、かみそりの切削具を駆動させるための駆動モータなどの主要な機能的集成装置を駆動させるための主駆動ユニットを含んでもよい。調節アクチュエータは、このような主駆動ユニットとは異なる、及び/又はそれに追加されてもよい。
【0028】
例えば、パーソナルケアデバイスの作業ヘッドは、そのハンドルに対して移動可能に支持されてもよい、及び/又は作業ヘッド基部に対して移動可能に支持される作業ヘッド要素を含んでもよく、作業ヘッド及び/又は作業ヘッドの要素の身体接触輪郭への適合を可能にするが、少なくとも1つの調節アクチュエータは、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の回転剛性及び/又は直線変位剛性を調節してもよい。より具体的には、調節アクチュエータは、作業ヘッド並びに/又は作業ヘッド要素の移動速度及び/若しくは角度及び/若しくは直線位置に依存して、可動作業ヘッド並びに/又は可動作業ヘッド要素の移動抵抗を変化させるように構成されてもよい。移動速度は、ここでは、作業ヘッドに対する作業ヘッド要素の、又はデバイスのハンドルに対する作業ヘッドの、速度、直線又は回転として理解されるべきである。したがって、移動抵抗は、デバイスの異なる部分間のこの相対的な移動の力又はトルクに関する。例えば、グラフは、作業ヘッド並びに/又は作業ヘッド要素を移動させるために必要な力及び/若しくはトルクの間の関係を定義し、例えば、ハンドル及び/作業ヘッド基部に対する特定の速度で、作業ヘッド並びに/又は作業ヘッド要素を移動させるために必要な力及び/若しくはトルクを増加又は減少させるように、当該アクチュエータによって移動速度が変化し得る。例えば、作業ヘッドが傾斜及び/又は回転様式に吊り下げられる場合、作業ヘッドをある回転速度で傾斜及び/又は回転させるのに必要な力及び/又はトルクは、より高い又はより低い回転剛性を達成するために増加又は減少されてもよく、異なる回転剛性は、異なる回転速度に対して提供されてもよい。
【0029】
より具体的には、上述のような移動速度に応じて移動抵抗を変化させる、あるいは作業ヘッド又は作業ヘッド要素の可動性の力若しくはトルクを変化させるための調節アクチュエータは、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の移動速度(又は移動性のために印加される力及びトルク)に対する移動抵抗を定義するグラフの形状を調節及び/又は変化させるように構成されてもよく、例えば、このようなグラフの曲率を変化させるように構成されてもよい、及び/又は直線状から非直線状へとこのようなグラフの形状を変化させるように構成されてもよい、及び/又は直線状部分と非直線状部分との比を変化させるように構成されてもよい、及び/又は特定の部分の斜度を変化させるように構成されてもよい。
【0030】
移動速度に応じて移動抵抗を変化させるためのこのような調節アクチュエータは、移動時にビスコース流体を押し出すために流体プッシャを含み得る、ビスコース種類の摩擦デバイスを含んでもよい。移動抵抗を調節するために、磁場及び/又は電界若しくは電圧を受ける場合にその粘度を変化させて、現在の剃毛状況内の調節を可能にするために粘度の急速な変化を可能にするように構成されたスマートビスコース流体を使用してもよい。
【0031】
このようなビスコース摩擦デバイスは、移動速度とともに増加する移動抵抗を提供してもよい。
【0032】
より具体的には、このようなビスコース摩擦デバイスは、種々の制動力を提供するように構成された調節可能な制動器を含んでもよい。
【0033】
更に別の態様によれば、少なくとも1つの調節アクチュエータが、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の直線形状から曲線形状への回転変位及び/又は直線変位に対する復元デバイスの復原力及び/又は復元トルク、並びに/あるいは当該グラフの直線部分と非直線部分との比を定義するグラフの形状を変化させるために、提供されてもよい。
【0034】
より具体的には、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素を所望の中立位置に向かって付勢するための復元デバイスは、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素に接続された少なくとも1つの板バネを含んでもよく、調節アクチュエータは、このような板バネの有効長さを変化させるように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】傾斜軸線及び回転軸線を中心としたパーソナルケアデバイスのハンドルに対する作業ヘッドの傾斜及び回転を可能にするために吊り下げられた作業ヘッドを含む電気かみそりに関する、パーソナルケアデバイスの正面図である。
【
図2】
図1のパーソナルケアデバイスの作業ヘッドの部分斜視図であり、部分図aは、その皮膚接触面に対する作業ヘッドの回転軸線及び傾斜軸線の配向を示し、部分図bは、作業ヘッド基部に対する作業ヘッド要素のダイビングを可能にするダイビング軸線に関する、作業ヘッドの作業ヘッド要素の直線変位軸線を示す。
【
図3】先行する図のパーソナルケアデバイスの実施形態の側面断面図であり、作業ヘッドを中立回転位置に向かって復元させるための復元デバイスを示し、このような復元デバイスは、板バネを含み、復元特性を調節するための調節アクチュエータは、板バネの有効長さを変化させるように構成されている。
【
図4a】調節要素を変位させるための電気モータ及び歯車装置を含む、
図3と同様の調節アクチュエータであって、モータ及びそれによって駆動される調節要素を含む歯車装置全体の正面図を示す。
【
図4b】調節要素を変位させるための電気モータ及び歯車装置を含む、
図3と同様の調節アクチュエータであって、歯車装置の出力歯車によって駆動される調節要素の側面と、調節要素の位置を検出するための一対のエンドスイッチと、を示す。
【
図5】
図1及び
図2のパーソナルケアデバイスの別の実施形態の断面側面図であり、回転範囲を調節するための調節アクチュエータを示している。
【
図6】
図5と同様の回転範囲リミッタを有するパーソナルケアデバイスの側面断面図であり、調節アクチュエータは、加熱及び冷却に対応するときにその形状を変化させる場合に、バイメタルバーに関してスマート材料作動要素を含む。
【
図7】
図6のパーソナルケアデバイスの断面側面図であり、スマート材料アクチュエータのバイメタルバーは、加熱を受けた後の異なる構成で示されている。
【
図8】作動要素対時間の位置/状態を示す機能図であり、2つの状態間の直線移行と非直線移行とが図示されている。
【
図9】作業ヘッドの回転抵抗を調節するために、それぞれコイル及び磁場を通る電流を受ける際に、その粘度を変化させるスマート流体に関してスマート材料を含む調節アクチュエータを有するパーソナルケアデバイスの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図から明らかになるように、処理特性の異なる設定間の円滑な移行を達成するように構成及び制御される調節アクチュエータを提供することが、示唆される。より具体的には、調節アクチュエータは、0.1秒以上かつ1.5秒以下の時間内で第1の設定から第2の設定に処理特性を調節するように、構成及び制御されてもよい。有利には、調節アクチュエータは、0.15秒以上かつ0.5秒以下の時間内の2つの設定間の移行、又は0.15秒以上かつ0.25秒以下の移行時間を達成するように構成及び制御されてもよい。
【0037】
処理特性の異なる設定間で所望の円滑な移行を達成するために、調節アクチュエータは、限られた変化率で操作され、その結果、「ソフト」などの1つの状態から「ハード」などの別の1つの状態への移行が、十分に定義された時間内に生じる。一方、即時変化がユーザを妨害する可能性があるため、移行が速過ぎるべきではない。一方、移行は、処理領域の変動、及び/又は短いストロークから長いストロークへの変更などのパーソナルケアデバイスを使用する方法の変更をおおいに伴う処理特性の設定を得るのに、十分に速くなければならない。
【0038】
パーソナルケアデバイスが往復方式で身体表面に沿って移動した場合、調節アクチュエータは、1回又は2回のストローク内で、処理特性の第1の設定から第2の設定への移行をもたらすように、構成及び制御されてもよい。
【0039】
調節アクチュエータは、異なる速度での動作を可能にするように構成されてもよく、調節アクチュエータを制御するための制御ユニットは、調節に費やされる移行時間、すなわち、ユーザ習慣及び/又は選好及び/又は動作状況に応じて、第1の設定から第2の設定への移行時間を変化させるように構成されてもよい。例えば、長いストロークの使用から短いストロークの使用へと変更する場合、例えば、よりソフトな作業ヘッド構成からより短い移行時間内の、例えば、0.15~0.20秒内のよりハードな作業ヘッド構成への移行をもたらすことが有利であり得るが、一方で、短いストローク動作から長いストローク動作へと変化した場合、例えば0.20秒~0.25秒のより長い移行時間内に、よりハードな設定からよりソフトな設定に移行することが有利であり得る。
【0040】
移行を円滑にするが、それにもかかわらず迅速にするために、移行時間にわたって非一定の移行速度が提供される及び/又は非一定速度で動作するように調節アクチュエータを構成及び/又は制御することが有利であり得、例えば、移行速度は、移行の初期段階及び/又は移行の終了段階で低減されてもよいが、移行速度は、移行の中間段階で増加されてもよい。
【0041】
ユーザの場合、いくつかの利点は、記載された状態の十分に制御された変化に関連している。
●デバイスの挙動は、ジャンピングのように見えるアクチュエータを有するデバイスと比較して、不安定さがより少ないと思われる。
●アクチュエータの速度は、センサによって記録され、処理中のアルゴリズムによって学習され得るため、特定のユーザの挙動に更に適合されてもよい。このような量の実施例は、単位時間当たりのストローク量又は身体表面上のパーソナルケアデバイスの平均速度であってもよい。
●デバイスの特性が円滑に変化し、ユーザは変化自体のプロセスを感じないが、新しいデバイス調節のみが行われる。
●調節アクチュエータの動作が動きに関連している場合、特に作業ヘッド及び/又はその要素を回転させるなどの輪郭適応動作は、いかなる突然の動きをも回避し、結果として、皮膚への望ましくない機械的衝撃をも回避する。
●いかなる突然の急速な作動中の、ハンドルのいかなる予期せぬ振れをも回避し得る。
●より高速なアクチュエータと比較して、制限された速度を有するアクチュエータを、より低い電力で構築し得る。エンジンの体積及び電力が強く相関するため、デバイス、特にそのハンドルはより小さく、より魅力的な設計で構築され得る。
【0042】
かなりの時間が新しい位置に移動することが許容される場合、いくつかの利点及び単純化もまたアクチュエータに見出し得る。
●アクチュエータは、その動作中にいくらかの機械的エネルギーを送達し得るため、例えば、所与の電圧が少ない電流において、より少ない駆動電力を必要とする場合がある。アクチュエータがその動作に対してより多くの時間を有する場合、同じ総機械的エネルギーを達成するために必要な電力はより少ない。
●より低速/より小型のアクチュエータは、高速で強力な大型のアクチュエータよりも安価である。
●より遅いアクチュエータは、関与する部品を加速させるのに必要な力がより少なくなる。これは、機構におけるより少ない摩耗につながる。
【0043】
容易であるが、それにもかかわらず正確な制御を可能にするために、調節アクチュエータは、電子制御ユニットの制御下にあってもよい、及び/又は電子制御コマンドに応答してもよい。
【0044】
例えば、調節アクチュエータは、可動作業ヘッド及び/又は範囲リミッタの剛性に影響を与えるバネ要素のバネ軸受などの調節要素を変位させ得る電気モータを含んでもよく、歯車装置が、当該電気モータと調節要素との間に提供されて、電気モータの駆動動作を調節要素に伝達してもよい。歯車ボックスと組み合わせてもよいこのような電気モータは、調節動作の容易かつ正確な制御を可能にし、同時に、移行速度の容易な変動を可能にする。
【0045】
追加的又は代替的に、調節アクチュエータはまた、制御信号に対応する場合、及び/又は事前定義された周囲条件に対応する場合に、調節を制御するための、材料特性を変化させるスマート材料を含んでもよい。
【0046】
例えば、調節アクチュエータは、磁場及び/又は電界に対応する場合にその粘度を変化させるスマート流体を含んでもよく、このようなスマート流体は、調節要素と協働して、その変位抵抗を変化させることができる。移動速度に応じて移動抵抗を変化させるためのこのような調節アクチュエータが提供されてもよい、及び/又は移動時にビスコース流体を押し出すために流体プッシャを含み得る、ビスコース種類の摩擦デバイスを含んでもよい。移動抵抗を調節するために、磁場及び/又は電流を受ける場合にその粘度を変化させて、1ラウンドのパーソナルケア処理中の調節を可能にするために粘度の急速な変化を可能にするように構成されたスマートビスコース流体を使用してもよい。このようなビスコース摩擦デバイスは、移動速度とともに増加する移動抵抗を提供してもよい。より具体的には、このようなビスコース摩擦デバイスは、種々の制動力を提供するように構成された調節可能な制動器を含んでもよい。
【0047】
追加的又は代替的に、調節アクチュエータは、加熱及び/又は冷却を受ける場合に、その形状を変化させるバイメタルなどのスマート金属を含んでもよい。
【0048】
別の態様によれば、その方向に関係なく、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の耐折損性反作用及び/又は制動抵抗を変化させる、少なくとも1つの調節アクチュエータが提供されてもよい。作業ヘッドを特定の位置に向かって付勢する予荷重バネなどの付勢デバイスとは対照的に、このような制動抵抗は、いずれかの方向に移動する作動ヘッド及び/又は作業ヘッド要素に対して反作用する及び/又は制動する。言い換えれば、制動力の方向は、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素の動きの方向によって変化して、このような動きに常に反作用する。
【0049】
追加的又は代替的に、調節デバイスは、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素を所望の中立位置に向かって付勢するための復元を含んでもよく、このような復元デバイスは、作業ヘッド及び/又は作業ヘッド要素に接続された板バネなどの少なくとも1つのバネ要素を含んでもよく、調節アクチュエータは、このような板バネの有効長さを変化させるように構成されてもよい。
【0050】
図1から分かるように、パーソナルケアデバイス20は、ユーザの指によって把持されて、処理される身体表面に沿ってパーソナルケアデバイス20を移動させる、細長いハンドル2を含む。当該ハンドル2は、例えば、バッテリ、駆動モータ及び/又はそこへと接続されたプログラム記憶領域を有するマイクロプロセッサなどの機能を制御するための制御ユニットなどの、エネルギー貯蔵デバイスといった、パーソナルケアデバイス20の機能部品及び/又は構造部品を収容することができるハウジングを形成してもよい。
【0051】
当該ハンドル2上に支持された作業ヘッド1は、処理を行うための1つ以上の作業ヘッド要素7を含む。図に示されるかみそりの場合、当該作業ヘッド要素7は、
図2を参照のように、剪断フォイルカートリッジ及び/又は熊手様トリマーなどの毛切断要素を含んでもよい。
【0052】
作業ヘッド要素7は、作業ヘッド1の皮膚接触面17を画定してもよく、当該皮膚接触面17は、作業ヘッド1の回転位置に応じて、ハンドル2の長手方向軸線に対して実質的に垂直に延在してもよい、又はそこへと傾斜していてもよい。例えば、皮膚接触面17は、作業ヘッド1の遠位端部側によって形成されてもよい。
【0053】
図1及び
図2によって示されるように、作業ヘッド1は、サスペンション18によって、移動可能な様式で、ハンドル2上に支持されてもよく、これによって、作業ヘッド1がハンドル2に対して回転及び/又は直線的に変位してもよい。例えば、サスペンション18は、
図2を参照のように、回転軸4を中心として作業ヘッド1の回転3を可能にしてもよい、及び/又は傾斜軸線6を中心として作業ヘッド1の傾斜5を可能にしてもよい。当該回転軸線4及び傾斜軸線6は、
図2を参照のように、互いに実質的に垂直に、及び/又は前述の皮膚接触面17に実質的に平行に延在してもよい。
【0054】
このような回転可動性に加えて、又はその代替として、作業ヘッド1はまた、例えば、ハンドル2の長手方向軸線に実質的に平行な変位軸線に沿って、ハンドル2に対して直線的に変位してもよく、これによって、作業ヘッド1は、皮膚接触面17が身体表面に押し付けられる場合に、全体としては、作業ヘッド1がダイブ又は浮遊してもよい。
【0055】
作業ヘッド1の可動性に加えて、又はその代替として、全体としては、前述の剪断フォイルカートリッジなどの1つ以上の作業ヘッド7は、サスペンション19によって作業ヘッド基部10に対して移動可能に支持されてもよい。作業ヘッド基部10は、前述の様式でハンドル2に対して回転及び/又は傾斜し得るフレーム状構造を形成してもよく、これによって、作業ヘッド要素7の追加の可動性が作業ヘッド基部10の可動性に重ね合わされてもよい。
【0056】
例えば、作業ヘッド要素7は、皮膚接触面17に対して実質的に垂直に延在し得る変位軸線8に沿って直線的に変位してもよく、これによって、作業ヘッド要素7は、皮膚接触圧力を受ける場合にダイブ又は浮遊してもよい。このような直線ダイビングに加えて、又はその代替として、作業ヘッド要素7のサスペンション19はまた、作業ヘッド基部10に対する作業ヘッド要素7の回転動作を可能にして、作業ヘッド要素7の皮膚輪郭への適合を可能にすることができる。特に、作業ヘッド要素7は、作業ヘッド1の傾斜軸線6に平行な傾斜軸線に沿って傾斜してもよい。
【0057】
作業ヘッド1及び/又は作業ヘッド要素7の皮膚輪郭への適合動作は、前述の動作のうちの1つ以上に影響を与える、1つ以上の機構及び/又はアクチュエータ及び/又は機械的コントローラを含み得る適合コントローラ24によって、制御されてもよい。
【0058】
例えば、
図3に示すように、適合コントローラ24は、作業ヘッド1に復元力及び/又はトルクを適用して、作業ヘッド1が反対方向に移動し得る中間位置であり得る中立位置又は開始位置に向かって作業ヘッド1を付勢する、復元デバイス25を含んでもよい。あるいは、中立位置又は開始位置は、回転範囲又は傾斜範囲での端部位置であってもよい。例えば、復元デバイス25は、作業ヘッド1を回転軸線4の周囲の中立旋回位置へと付勢するように構成されてもよい。
【0059】
当該復元デバイス25は、作業ヘッド1の回転3が板バネ31を旋回させ、したがって屈曲するような方法で作業ヘッド基部10に接続又は堅固に固定された板バネ31を含んでもよい。
図5から分かるように、板バネ31はまた、作業ヘッド1の回転による板バネ31の回転動作を制限するバネ軸受32によって、ハンドル2又は当該ハンドル2に固定された構造要素に接続されている。
【0060】
板バネ31の復元力及び/又は復元トルクを調節するために、板バネ31の有効長さ33を調節してもよく、例えば、前述のバネ軸受32は、板バネ31の長手方向軸線に実質的に平行な方向に変位してもよい。例えば、バネ軸受32は、
図5を参照のように、板バネ31の有効長さ33を変更するために、ハンドル2の長手方向軸線に平行な方向に変位してもよい。
【0061】
バネ軸受32の変位は、前述の制御ユニットによって制御され得る調節アクチュエータ35によってもたらされてもよい。例えば、当該アクチュエータ35は、駆動トレイン又はコネクタ又はモータ36の駆動動作をバネ軸受32に伝達する送信機34を介して変位可能なバネ軸受32へと接続された、電気モータなどの、モータ36を含んでもよい。当該モータ36は、DCモータであってもよい。
【0062】
例えば、歯車装置37は、例えば、回転駆動シャフトの動きをバネ軸受32の実質的に直線の変位へと変換するように、モータ36の駆動シャフトと送信機34との間に提供されてもよい。
【0063】
有利には、変位可能なバネ軸受32に関する作用要素の変化速度は、あるアクチュエータ機構の速度として理解され得る。それは、突然の妨害動作として知覚されない移行時間内に、1つの位置から別の1つの位置へと移動してもよい。
【0064】
図4から分かるように、マイクロプロセッサ及び制御ソフトウェアを格納するための記憶ユニットを含み得る電子制御ユニット39は、好適な電力電子機器を介して当該モータ36を駆動させてもよい。
【0065】
コントローラと好適な電子機器との組み合わせは、モータ36を両方向に、かつ可変速度で駆動し得るように構築されてもよい。いわゆるHブリッジドライバ及びパルス幅変調モータ電圧の使用など、このようなセットアップのための多くの解決策が存在する。
【0066】
モータ電流は、コントローラによって測定されてもよい。これは、シャント抵抗器、すなわち、モータ電流が流れる抵抗器、及びこの抵抗器にわたる電圧の測定を介して実行され得る。
【0067】
歯車装置37は、はめ歯車で構築されてもよい。同様に、歯車装置も異なるように構築され得るが、例えば、
図5を参照のように、ウォーム歯車、又はハーモニックドライブ種類の歯車装置を含んでもよい。それらの歯車のうちの少なくとも1つにより、作動なしで動作を防止することが可能であり得るが、これは、歯車の自己遮断を可能にする。
【0068】
歯車装置の最後のステージ38は、板バネ32などのいくつかのコネクタに取り付けられたレバー34、又はより一般に、
図5に示される範囲リミッタなどのヘッドの特性を調節することができる要素などの送信機を駆動させてもよい。要素はまた、旋回可能なヘッドのいくつかの点に取り付けられ、回転に対してその剛性を調節するバネであり得る。
【0069】
レバー34の異なる状態及び位置は、ヘッド剛性の異なる値に対応する。
【0070】
レバー34の位置は、2つの端部位置、下部位置及び上部位置を含み、それらの間の更なる位置を含んでもよい。
【0071】
有利には、調節アクチュエータは、微調節を可能にするために、2つの端部位置間の少なくとも1つの中間位置を含む種々の位置に停止及び保持されてもよい。より具体的には、調節アクチュエータは、処理特性の連続的及び/又は段階的適合を提供するために、種々の所望の位置で連続的に及び/又は段階ごとに動作及び停止されてもよい。
【0072】
より低い位置は、
図3を参照のように、ヘッドを低い剛性まで調節するために使用されてもよく、上部位置は、ヘッドを高剛性まで調節するために使用されてもよい。
【0073】
レバー34の端部位置を検出するための検出デバイスを提供することができるが、当該検出デバイスは、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。
○下部位置及び上部位置にある、エンドスイッチ115、116。
○レバー34の下部機械的制限及び上部機械的制限であって、レバーがこのような制限に達する場合、力が発生し、次に、モータ36内のトルクの増加及び電流の増加をもたらす場合がある、下部機械的制限及び上部機械的制限。増加した電流は、前述のシャント抵抗器を介して測定され得る。
○端部位置及び/又は中間位置を検出するための位置センサ。
【0074】
レバー34を端部位置のうちの1つに駆動させるために、コントローラは、端部位置が検出されるまで、モータを対応する方向に駆動させてもよい。
【0075】
レバー34を端部位置から中間位置へと駆動させるために、コントローラは、所望の方向へと定義された時間量でモータを駆動させる。定義された時間量は、必要な移動距離及びレバーの速度から導出される。この速度は、一定であると見なされ得る、又はより良い精度のために、モータ電流を介して推定され得る。より高い電流は、より遅いモータ速度に対応する。
【0076】
状態間の移行の円滑性を更に向上させるために、コントローラは、モータ36の速度を動作の開始時に定義された速度で増加させ、また同様に、最終で定義された速度でモータを減速させる。このようにして、モータ36のいかなる突然の開始又は停止をも回避する。
【0077】
図8を参照のように、一定速度を有する移行は
図8の曲線30に対応するが、定義された速度増加率での更に円滑な移行は曲線31に対応し、曲線31の傾斜は、段階的にではなく徐々に変化する。中間位置におけるレバー34の位置を決定するために、非一定であるが、可変速度が考慮されてもよい。
【0078】
図3に示すように、復元デバイス35は、作業ヘッド1がその中立位置にある場合に、前述の板バネ31が偏向されていない、及び/又は直線になるように構成されてもよい。したがって、後に中立位置にある場合に、作業ヘッド1にトルク及び/又は復元力は加えられない。言い換えれば、その中立位置から作業ヘッド1の変位を開始する場合、実質的にトルク及び/又は力が必要ではなく、回転3が中立位置で実質的にゼロの抵抗で開始され得る。
【0079】
復元デバイス25の構成に応じて、異なる復元特性が提供されてもよい。例えば、回転及び/又は傾斜トルクは、非直線方式で回転角度及び/又は傾斜角度を増加させることによって増加してもよい。回転角度又は傾斜角度が大きいほど、トルクの増加が急激になる場合がある。有効長さ33が低減される場合、回転剛性が増加するが、有効長さ33を増加させると回転剛性が低下する。トルク特性はまた、直線状のものであってもよく、抵抗トルク及び/又は復元トルクは、回転角度又は傾斜角度の増加とともに直線的に増加してもよい。再び、回転剛性又は傾斜剛性は、直線特性の場合も調節され得る。
【0080】
また、
図2に示すように、ダイビング動作8などの作業ヘッド1及び/又は作業ヘッド要素7の直線変位については、異なる力特性が提供されてもよい。例えば、回復デバイス25と同様の板バネを含む復元デバイスを使用してもよく、例えば、その長手方向軸線を有する板バネは、作業ヘッド要素がダイブする場合に偏向されるように、ダイビング軸線8を横切って配置されてもよい。この場合も、このような板バネの有効長さを増加及び/又は減少させることによって、ダイビング剛性の調節が達成されてもよい。追加的又は代替的に、圧縮バネなどのその他の種類のバネを含むその他の復元デバイスを使用してダイビング特性に影響を与えてもよく、例えば、バネ軸受は、圧縮軸線に沿って変位してもよい。
【0081】
図5~
図7に示すように、作業ヘッド1の輪郭適合動作はまた、利用可能な最大回転及び/又は直線変位を制限し得る変位範囲リミッタ58によって制御されてもよい。
【0082】
例えば、
図5に示すように、変位範囲リミッタ58は、作業ヘッド1の最大回転3を制限してもよい。
【0083】
本実施形態では、アクチュエータ50~54を使用して、ウェッジ55を剃毛ヘッド1の底部の間隙56内へと押し込む。アクチュエータが、方向57に沿ってウェッジを間隙内へとどれだけ遠くに移動させるかの程度に応じて、回転範囲がより制限されるか、又は制限が少なくなる。ウェッジ55の下部位置では、旋回回転は広範囲を有する。上向きの移動ウェッジでは、ウェッジがその上部機械的限界に移動する場合に、旋回回転が完全に遮断されるまで、範囲が狭くなる。次に、ヘッドを事前定義された位置へと押し込む。詳細には、調節アクチュエータは、次のように機能してもよく、DCモータなどのモータ50は、第2の歯車52を駆動させる歯車51を回転させてもよい。この歯車52は、雌ねじ53を含み、螺刻ロッド54上に配置される。
【0084】
螺刻ロッドは、モータ50が回転するとすぐに、上下に移動される。要約すると、ヘッド回転の最小値41の角度及び最大42の角度は、モータ50の手助けにより調節され得る。有利には、モータ50は、中間位置に停止及び保持されて、最大範囲よりも狭く、最小範囲よりも広い(ゼロ以上であってもよい)中間回転変位範囲を定義してもよい。
【0085】
図6及び
図7から分かるように、調節アクチュエータは、調節要素の調節動作をもたらすためのバイメタルストリップ又はバーなどのスマート材料を含んでもよい。
【0086】
基本的に、温度、電界、磁場、光、及び/又は化学物質などの周囲条件の影響下でそれらの特性を変化させる材料などの、調節アクチュエータを実行するための異なる種類のスマート材料が使用されてもよい。
【0087】
例えば、温度で形状を変化させる材料を用いたセットアップが記載されている。
【0088】
温度に応じて、異なって屈曲する材料部品120を選択してもよい。これは、バイメタル部品であり得る。
【0089】
図6に示すように、このような部品120は、ロッド若しくはバーであってもよい、並びに/又は屈曲及び/若しくは偏向を可能にするために一端で堅固に支持されてもよく、したがって、他方の端部の動作を可能にしてもよい。
図6に示すように、第1の構成では、スマート材料は、レバー34をその下部位置に保持するように屈曲してもよい。
【0090】
電気抵抗器121などのいくつかの加熱手段を作動させて、バイメタル部品120に加熱を加えてもよく、電流は、抵抗器を通って流れるように強いられてもよい。制御ユニット39を介して電流を調節することにより、スマート材料の部品120の温度を定義された値に調節する。その結果、屈曲は、温度に関連する形状に変化する。
【0091】
最大電流及び最大温度は、レバー34を上部位置(
図7)に移動させ、より少量の加熱により、それを中間位置へと移動させる。
【0092】
上部位置まで、限定された速度は、スマート材料部品の熱容量及びそれを加熱するために使用される電力によって得られる。したがって、加熱されるのに必要な時間だけを必要とする。より低い位置まで、限定された速度は、スマート材料部品がその周囲で経験する熱容量と冷却との組み合わせによって得られる。
【0093】
スマート材料を用いたセットアップの別の実施例を、
図9に示す。この場合、機構の異なる状態間の差は、異なる位置ではないが、機械的抵抗又は剛性の違いである。機械的抵抗は、この力を加えることによって達成される速度で機械部品を移動させるために必要な力を関連付ける量として、理解されてもよい。このような力とこのような速度との比としても、理解することができる。
【0094】
より具体的には、
図9に示すように、ビスコース種類の摩擦デバイス100は、作業ヘッド1及び/又は作業ヘッド要素7が身体表面輪郭に適合するように移動する場合にビスコース流体を押し出すための流体プッシャを含んでもよい。速度に依存して流体プッシャの抵抗を調節するために、磁場を受ける場合及び/又は電流を受ける場合にその粘度を変化させるように構成された、スマートビスコース流体を使用してもよい。
【0095】
より具体的には、
図9に示すように、接続ロッド101は、ヘッドの旋回回転と同期して要素102を上下に移動させる。この要素102は、内部制動要素として機能する。この内部制動要素は、外側制動要素103の内側に位置する。内部制動と外部制動との間の空間は、磁性液体104で充填される。磁性液体は、鉄心105及び1つ以上のコイル106からなる電磁石の極間に位置する。磁性液体104の粘度は、コイル(複数可)106を通る電流の手助けにより改質される。
【0096】
電流に応じて、コイル(複数可)は、磁性液体104の体積内で磁場を生成する。磁場が高いほど、磁性液体の粘度は高くなる。次に、頭部が回転する場合、より高いレベルの制動がユーザによって知覚される。コイル106を通る電流が低下すると、特性は曲線31に向かって改質される。要約すると、コイル106を通る電流は、特定の回転速度でヘッド1を回転させるのに必要なトルクを制御する。
【0097】
電界変化粘度の強度は、電気制御ユニット107によって制御されてもよい。
【0098】
結果として、垂直移動に対するレバーの機械的抵抗、及び第2の結果として、回転3に対するヘッド1の抵抗もまた調節される。
【0099】
異なる状態間の前述の円滑な移行を達成するために、電界は、定義された速度で変化するように制御される。
【0100】
要約すると、ヘッド1の回転速度とこの回転に対して適用されるトルクとの間には関係が存在する。電子制御部107は、ヘッドが多かれ少なかれ容易に枢動し得て、移行が予期せぬ突然の抵抗として知覚されないように、この関係を調節し得る。
<<その他の実施形態>>
本開示は、以下に代表される構成を含むものである。
(構成1)
パーソナルケアデバイス、特に電気かみそりなどの毛髪除去デバイスであって、前記パーソナルケアデバイスを身体表面に沿って手動で移動させるための細長いハンドル(2)と、前記ハンドル(2)に取り付けられた作業ヘッド(1)であって、前記作業ヘッド(1)が、前記身体表面にパーソナルケア処理を行うための少なくとも1つの作業ヘッド要素(7)を有する、作業ヘッド(1)と、を備え、少なくとも1つの調節アクチュエータを含む調節デバイス(26)が、少なくとも1つの処理特性を調節するために提供され、前記調節アクチュエータ(35、50、80、81、105、106)が、0.1秒以上かつ1.5秒以下の移行時間内に、前記少なくとも1つの処理特性を、第1の設定から第2の設定へと調節するように構成及び制御されていることを特徴とする、パーソナルケアデバイス。
(構成2)
特に、電気かみそりなどの毛髪除去デバイスであるパーソナルケアデバイスであって、前記パーソナルケアデバイスを身体表面に沿って手動で移動させるための細長いハンドル(2)と、前記ハンドル(2)に取り付けられた作業ヘッド(1)であって、前記作業ヘッド(1)が、前記身体表面にパーソナルケア処理を行うための少なくとも1つの作業ヘッド要素(7)を有する、作業ヘッド(1)と、を備え、少なくとも1つの調節アクチュエータを含む調節デバイス(26)が、少なくとも1つの処理特性を調節するために提供される、パーソナルケアデバイス。
(構成3)
前記移行時間が、0.15秒以上かつ0.50秒以下、又は0.15秒以上かつ0.25秒以下である、請求項2に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成4)
前記調節アクチュエータ(35、50、80、81、105、106)が、ユーザ選好信号に応答して、及び/又は動作状況の検出された変化に応答して、前記処理特性の前記調節を行うために費やされる前記移行時間を変化させるように構成されている、構成1~3のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成5)
前記少なくとも1つの調節アクチュエータ(35、60、80、81、105、106)が、前記移行時間にわたって非一定である移行速度で前記少なくとも1つの処理特性を調節するように構成及び制御されており、移行速度が、前記移行期間の初期段階及び/若しくは終了段階で減少する、並びに/又は前記移行期間の中間段階で増加する、構成1~4のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成6)
前記少なくとも1つの調節アクチュエータが、前記調節アクチュエータの前記応答時間及び/又は前記速度を制御して、前記少なくとも1つの処理特性の前記調節が前記所望の調節期間内で起こるように構成された、電子制御ユニットの制御下にある、構成1~5のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成7)
前記少なくとも1つの調節アクチュエータが、2つの端部位置間の少なくとも1つの中間位置に停止されて保持されるように構成及び制御され、前記端部位置に対応する第1の設定及び第2の設定に加えて、少なくとも1つの中間設定に対して前記処理特性を調節する、構成1~6のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成8)
前記少なくとも1つの調節アクチュエータが、変位可能な調節要素(34)を、前記移行時間内の第1の位置から第2の位置へと変位させるための電気モータ(36)を含む、構成1~7のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成9)
前記電気モータ(36)が、歯車装置、特にはめ歯車の歯車装置を介して前記調節要素(34)に接続されている、構成8に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成10)
前記電気モータ(36)が、初期段階で事前定義された速度でモータ速度を増加させるように、及び/又は終了段階で事前定義された速度でモータ速度を低下させるように制御され、その結果、前記初期段階及び/又は前記終了段階では、動作の中間段階と比較してモータ速度が低減される、構成8及び9のうちのいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成11)
前記少なくとも1つの調節アクチュエータ(80、81、105、106)が、制御信号及び/又は事前定義された周囲条件を受ける場合に、前記調節を制御するために材料特性を変化させるスマート材料作動要素を含む、構成1~10のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成12)
前記スマート材料調節要素が、加熱及び/又は冷却を受ける際にその形状を変化させるバイメタル作動要素(120)を含み、前記バイメタル作動要素(120)が、送信機(34)を介して調節要素に接続され、これによって、前記バイメタル作動要素の形状の変化が、前記調節要素の変位へと変換される、構成11に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成13)
前記スマート材料調節要素が、磁場及び/又は電界を受ける場合にその粘度を変化させるスマート流体を含む、構成11及び12のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成14)
前記調節アクチュエータ(105、106)が、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)が移動する場合に前記スマートビスコース流体を押し出すための、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)に接続された流体プッシャを含み、前記ビスコース流体が、そこへ加えられる磁場に応じてその粘度を変化させるスマートビスコース流体であり、前記調節デバイス(105、106)が、前記磁場を変化させるためのコントローラを含む、構成13に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成15)
前記処理特性が、前記作業ヘッド(1)及び/又は作業ヘッド要素(7)の輪郭適合性であり、前記少なくとも1つの調節アクチュエータ(35、50、80、81、82、105、106)が、前記輪郭適合性を調節するように構成されている、構成1~14のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成16)
前記調節デバイス(26)が、少なくとも1つのアクチュエータ(35、50、80、81、82、105、106)を含み、これらが、以下の特性、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の移動速度に応じた、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の移動抵抗と、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の、回転及び/若しくは直線変位並びに/又は移動速度に応じて、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)を中立位置に向かって付勢する復元力/復元トルクと、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の、反対方向のそれぞれへの、制動抵抗のための制動力/制動トルクと、
前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の、中立位置からの回転及び/又は直線変位範囲と、のうちの少なくとも1つを調節する、構成15に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成17)
前記復元力/前記復元トルク、並びに/又は前記作業ヘッド(1)及び/若しくは前記作業ヘッド要素(7)の直線変位及び/若しくは回転変位にわたって復元力/復元トルクを定義する当該グラフの当該形状を調節するための前記調節アクチュエータ(35)が、復元デバイス(25)の前記復元力/前記復元トルクを調節するように構成されており、前記復元デバイス(25)が、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の輪郭適合動作によって偏向される方法で、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)に接続された板バネ(31)を含み、前記調節アクチュエータ(35)が、バネ軸受け(32)の変位によって前記板バネ(31)の有効長さ(33)を調節するように構成されている、構成1~16のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成18)
前記調節デバイス(26)が、前記作業ヘッド(1)及び/又は前記作業ヘッド要素(7)の最大可能回転及び/又は直線変位を制限するための変位範囲リミッタ(58)を含み、前記変位範囲リミッタ(58)が、前記可能な変位範囲を変更するように調節アクチュエータ(50)によって調節可能である、構成1~17のいずれか一項に記載のパーソナルケアデバイス。
(構成19)
前記範囲リミッタ(58)が、一対の係合要素を含み、そのうちの1つが、ウェッジ形状であり、そのうちの1つが屋根形状であり、前記係合要素のうちの少なくとも1つが、その他の係合要素に向かって、及びそこから離れて移動するように移動可能に支持され、これによって、ウェッジ形状の輪郭が屋根形状の輪郭内へと入り、前記調節アクチュエータ(50)が、種々の変位範囲を画定する互いから変化する距離で前記係合要素を保持するように構成されている、構成18に記載のパーソナルケアデバイス。