(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】貨物用の輸送ワゴン
(51)【国際特許分類】
B60P 7/135 20060101AFI20250109BHJP
B60P 7/08 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60P7/135
B60P7/08
(21)【出願番号】P 2022500547
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2020068487
(87)【国際公開番号】W WO2021001413
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】102019118107.0
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522004612
【氏名又は名称】アグラーシステム ホーナング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーナング,フーベルト
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0121781(US,A1)
【文献】特開2007-1396(JP,A)
【文献】特開平9-226450(JP,A)
【文献】特開2006-143048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物が貨物用輸送ワゴンに積載された状態の載荷台と、
貨物を載荷台上に固定することを可能にするストラッピングシステムと
を具備し、
前記載荷台は、長手方向軸(L)に沿って延び、
前記ストラッピングシステムは、前記載荷台に対して積載された貨物に張力をかけるために、関連する搬送装置と協働して、前記載荷台上に積載された貨物の周りに少なくとも部分的にガイドすることができる少なくとも1つのテンショニング手段(10)を含み、
前記載荷台は、前記ストラッピングシステムの前記搬送装置を備える複数の横方向側部(1)によってその前端が区切られており、
前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)は、前記載荷台に対して長手方向軸(L)の方向に移動可能であるように前記輸送ワゴンに取り付けられており、
前記搬送装置は、前記長手方向軸(L)に沿って分配された複数の締結点(3a, 13a)を有し、
前記複数の締結点において、前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)は、可変に、前記搬送装置に連結され、前記搬送装置から切り離されることが可能であり、
前記複数の締結点(3a, 13a)の各々は、前記テンショニング手段(10)を取り付けるために前記テンショニング手段(10)内の対応する凹部(33)と協働可能な弾性的にプレテンションされた締結部材(31)を有する
輸送ワゴン。
【請求項2】
請求項1に記載の輸送ワゴンであって、
前記ストラッピングシステムの前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)は、載荷台の前記横方向側部の1つに沿って配置され、かつ、載荷台上に積載された貨物の周りで、前記輸送ワゴンの長手方向範囲を横切る方向に少なくとも部分的に前記搬送装置と協働してガイドされる
輸送ワゴン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の輸送ワゴンであって、
前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)は、可変に、前記搬送装置に連結され、前記搬送装置から切り離されることが可能である
輸送ワゴン。
【請求項4】
請求項1~
3のうちのいずれか1項に記載の輸送ワゴンであって、
前記ストラッピングシステムは、前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)にテンションをかけるための少なくとも1つのテンショニング装置を含む
輸送ワゴン。
【請求項5】
請求項
4に記載の輸送ワゴンであって、
前記テンショニング装置は、その縦軸の周りに回転可能であり、前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)がテンショニングシャフト(17)を回転させることによって少なくとも部分的に巻き取られ、巻き戻されることが可能な前記テンショニングシャフト(17)を備える
輸送ワゴン。
【請求項6】
請求項
4又は
5に記載の輸送ワゴンであって、
前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)が、前記テンショニング装置の一構成要素に巻き付けられ、かつ、前記一構成要素から巻き戻されることができる一領域において、前記テンショニング装置は、前記テンショニング装置の前記一構成要素と前記テンショニング手段(10)との間に、より大きな静止摩擦を提供する
輸送ワゴン。
【請求項7】
請求項
4~
6のうちのいずれか1項に記載の輸送ワゴンであって、
前記テンショニング装置は、回転駆動するための駆動部(28)と過負荷安全装置とを備える
輸送ワゴン。
【請求項8】
請求項
5に記載の輸送ワゴンであって、
前記テンショニングシャフト(17)は、前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)を案内するテンショニングブラケット(42)を有し、
前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)は、前記輸送ワゴンに取り付けられた位置から前記テンショニングブラケット(42)まで直線的に延び、前記テンショニングシャフト(17)が回転することにより前記テンショニングシャフト(17)の外面に押し付けられることで再テンションをかける
輸送ワゴン。
【請求項9】
請求項1~
8のうちのいずれか1項に記載の輸送ワゴンであって、
前記搬送装置が、少なくとも1つのガイドロープ(13)又はガイドバー(3)を含み、
前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)が、載荷台に積載された貨物の周りを少なくとも部分的に前記ガイドロープ(13)又はガイドバー(3)によってガイドできるように、前記ガイドロープ(13)又はガイドバー(3)に接続可能である
輸送ワゴン。
【請求項10】
請求項1~
9のうちのいずれか1項に記載の輸送ワゴンであって、
前記ストラッピングシステムの前記搬送装置を含む前記横方向側部(1)の一部は、載荷台に対して垂直な方向(Z)に移動可能である
輸送ワゴン。
【請求項11】
貨物が貨物用輸送ワゴンに積載された状態の載荷台と、
貨物を載荷台上に固定することを可能にするストラッピングシステムと
を具備し、
前記載荷台は、長手方向軸(L)に沿って延び、
前記ストラッピングシステムは、前記載荷台に対して積載された貨物に張力をかけるために、関連する搬送装置と協働して、前記載荷台上に積載された貨物の周りに少なくとも部分的にガイドすることができる少なくとも1つのテンショニング手段(10)を含み、
前記載荷台は、前記ストラッピングシステムの前記搬送装置を備える複数の横方向側部(1)によってその前端が区切られており、
前記複数の横方向側部(1)は、少なくとも部分的に伸縮方式で構成され、前記載荷台に対して垂直な方向(Z)に移動するための少なくとも1つの駆動装置を有し、
前記搬送装置は、前記長手方向軸(L)に沿って分配された複数の締結点(3a, 13a)を有し、
前記複数の締結点において、前記少なくとも1つのテンショニング手段(10)は、可変に、前記搬送装置に連結され、前記搬送装置から切り離されることが可能であり、
前記複数の締結点(3a, 13a)の各々は、前記テンショニング手段(10)を取り付けるために前記テンショニング手段(10)内の対応する凹部(33)と協働可能な弾性的にプレテンションされた締結部材(31)を有する
輸送ワゴン。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか1項に記載の機器であって、
前記搬送装置を支持するための少なくとも1つの支持ブラケット(50)が、前記複数の横方向側部(1)の間に設けられている
輸送ワゴン。
【請求項13】
請求項
12に記載の輸送ワゴンであって、
前記少なくとも1つの支持ブラケット(50)は、前記搬送装置の駆動部を有する
輸送ワゴン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の特徴を有する貨物用輸送ワゴンに関し、特に圧縮された丸い又は正方形の梱の形態の農作物から構成される貨物に加えて、このような輸送ワゴンは、圧縮された廃紙、プラスチック梱又は他の方法で圧縮された材料、積載されたパレット、クレート等、及び幹林ならびに他の同等の貨物にも使用することができる。
【0002】
この場合の「輸送ワゴン」という用語は、例えば、重量物車両を含む全ての種類の車両を包含し、また、そのような車両のためのトレーラー及びトレーラーシステムも包含する。
【背景技術】
【0003】
公知の輸送ワゴンでは、貨物は、通常、載荷台に積載され、その後吊革で固定される。この場合、載荷台及び貨物の周りに巻き付けられ、載荷台に対して貨物に張力をかける吊革を一定間隔で設けることが一般的に行われている。しかしながら、実際には、ここでは、個々のストラップを別々に取り付け、張力をかけなければならず、その結果、装填プロセスに時間がかかるという欠点がある。さらに、個々のストラップを貨物の周りに巻き付け、締め付けるために、2人のオペレータおよび/またはユーザがしばしば必要とされる。
【0004】
この課題に照らして、先行技術から知られている貨物用の輸送ワゴンが提案された。これは、載荷台上に配置された貨物を固定するためのストラップシステムの代わりに、貨物を固定する可動側壁部を提供するものである。
したがって、ドイツ実用新案DE 20 2007 019 318 U1は、輸送ワゴンを開示しており、輸送ワゴンの長手方向側壁および/または長手方向側壁の少なくとも1つは、支持装置を有し、支持装置によって、特定の長手方向側壁は、地面に近い開放位置から、積み重ねられた貨物の少なくとも上層を把持し、それを横方向に固定する閉鎖位置に移動することができる。
この解決策は、実用上の利点を伴うが、例えば、このシステムは、下側ベール層(すなわち、台に近いベール層)が上側ベール層よりもあまり広くない場合にのみ機能するという欠点であり得る。
【0005】
したがって、先行技術から知られているシステムは、積み込まれた貨物に関して、貨物をストラッピングする上述の知られている方法よりも柔軟性が低い。
【0006】
先行技術からのさらなる解決策は、刊行物DE 10 2011 010 379 A1に開示されている。この文献は、固定ストラップと協働して物品の積み重ねを簡単に固定するための装置を提案しており、この装置は、固定すべき荷重の上方に配置された少なくとも2つのガイドレールと、取り付け位置に設けられた少なくとも2つの取り付けレールと、移送レールが取り付けレールと整列する第1の位置から移送レールがガイドレールと整列する第2の位置に移動することができ、少なくとも1つの固定ストラップを保持するためにレール内で移動可能に移動できる少なくとも2つの移送レールとを含む。
固定ストラップは、固定ストラップの自由端部が荷重の横に垂れ下がり、固定ストラップの自由端部が荷重床にロックされると同時にそれらを保持する保持装置から解放され、従って関連するレールから解放されるように、荷重の上に配置される。
【0007】
この比較的複雑なレール配置は、例えば倉庫内に配置されてもよく、固定されるべき荷物は、ストラップ留めされるために、レール配置の下で移動される。ここでの欠点は、レール配置が輸送貨車の一部ではなく、従って、あらゆる場所で(例えば、現場での農業用に)使用することができないことである。
【0008】
さらに、先行技術から、例えば雨や風から輸送される荷物を保護するために、上向きに開いた重量物車両トレーラーを防水シートによって閉じることがよく知られている(米国特許第8,226,150 B1号も参照)。
載荷台上の荷重物品、例えば干し草の塊を雨から防護するための更なる解決策が、例えば、米国特許第7,189,042号明細書に記載されており、そこでは、カバーシートが、載荷台を取り囲む支持フレーム上で横方向に巻き戻される。荷物固定用ストラップは、追加的に荷物の周囲に案内することができる。載荷台は、フレームの垂直支柱によってのみ横方向に画定される。
【0009】
最後に、欧州特許第14 703 844.2号は、既に、積載貨物の迅速な固定を駆動ストラップシステムによって達成することができる輸送貨車を開示している。この解決策は、既に成功したことが証明されており、特に、均一に負荷された負荷表面を用いて、信頼性があり、簡単な固定を可能にする。
しかしながら、実際には、特に載荷面が部分的にしか積載されていないときにも貨物を固定することを可能にする解決策がさらに必要であることが見出された。さらに、非常に異なる貨物、したがって非常に異なる積載高さにも輸送貨車を使用できることが望ましい。
【0010】
完全を期すために、先行技術に関しては、DE 20 2015 005 847 U1、US 2016/0167 563 A1およびWO 2018/053 582 A1も参照されたい。
【発明の概要】
【0011】
この背景に対して、本発明の目的は、貨物を固定するための可撓性ストラップの利点を、それに関連する欠点を実際に受け入れる必要なしに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、この物体を、請求項1の特徴を有する本発明の第1の態様によるか、または請求項13の特徴を有する本発明の第2の態様による輸送ワゴンによって達成する。さらなる有利な構成は、以下の説明および従属請求項2~12および14~15に見出すことができる。
【0013】
本発明によれば、本発明の第1の態様によれば、貨物のための輸送ワゴンが提案され、この輸送ワゴンは、輸送ワゴンに載荷された状態で貨物の下に係合することができる載荷台と、貨物を載荷台上に固定することを可能にするストラッピングシステムとを有し、載荷台上に積載された貨物の周りで搬送装置を用いて少なくとも部分的に案内することができる少なくとも1つのテンショニング手段を備える。
本発明は、特に、載荷された貨物に載荷台に対して張力をかけるのに役立つ。さらに、載荷台は、ストラッピングシステムの搬送装置を構成する横方向側部によってその前端で区切られている。この場合、ストラッピングシステムの搬送装置が、2つの横方向側部の一方のみに、または両横方向側部に設けられるようにすることができる。
【0014】
本発明によれば、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つのテンショニング手段は、載荷台に対して長手方向軸の方向に移動可能となるように、搬送ワゴンに固定される。したがって、特に、載荷台が部分的にのみ載荷されている場合、少なくとも1つのテンショニング手段は、載荷領域の方向に移動することができる。載荷されていない載荷台の領域は、テンショニング手段によって固定される必要はない。
複数のテンショニング手段がある場合には、このようにして載荷台の実際の載荷状態に適応した理想的な配置を提供するために、個々のテンショニング手段を別々に移動させることも同様に可能である。特に、この場合には、テンショニング手段の間隔を長手方向軸の方向に変化させることが可能であり、また載荷されていない載荷台の領域が外に出ることが可能である。
【0015】
また、輸送ワゴンの長手方向側部の一方または両方に、ストラッピングシステムの搬送装置を設けることも代替的または追加的に考えられる。
【0016】
例えば、テンショニング手段としてテンショニングストラップを使用することが可能である。しかしながら、代替的に、ネット状構造又は膜の形態のテンショニング手段を設計することも考えられ、これは載荷される貨物に応じて有利である。この場合、膜は、封入された貨物を外部の影響、例えば雨から保護する機能を付加的に果たすことができる。
【0017】
実際には、既に知られているテンショニングストラップがここで使用され得るので、テンショニング手段として複数のテンショニングストラップの使用が好都合であることが証明されており、本発明の特徴は、これらのテンショニングストラップが少なくとも部分的に共通の搬送装置と協働して貨物の周りにガイドされ、張力をかけることができることであると考えることができる。
【0018】
したがって、本発明によれば、ユーザは、個々のテンショニングストラップを貨物の周りに別々に巻き付けて固定する必要がなくなる。むしろ、これは、共通の搬送装置によって実行され、したがって、個々のユーザが、第2のユーザの助けを借りずに、積載された貨物を輸送貨車に容易かつ迅速に固定することさえ可能である。
【0019】
上記で提案されたテンショニング手段は、先行技術(DE 20 2007 019 318 U1参照)から知られているグリッド構造と比較して、比較的軽量で寸法的にフレキシブルであるように構築され、損傷の場合に、必要に応じて、容易かつコスト効果的に交換することができるという利点を有する。
【0020】
さらに、ストラッピングシステムの少なくとも1つのテンショニング手段は、載荷台の長手方向の側面部のうちの1つに沿って配置され、載荷台に積載された貨物の周りの輸送ワゴンの長手方向の広がりに対して少なくとも部分的に横断方向に搬送装置と協働して案内することができるようにすることもできる。
以下により詳細に説明するように、ここでは、少なくとも1つのテンショニング装置が、載荷台上に積載された貨物の周り全体に案内される必要はない。あるいは、例えば、ほぼ120oの角度を囲み、同時に、貨物が十分に固定されることを依然として確実にすることで充分であってもよい。決定的な要因は、貨物が載荷台に対して支えられることによって固定されることである。
【0021】
少なくとも1つのテンショニング手段が載荷台に対して載荷台の縦軸の方向に移動可能であることを可能にするために、少なくとも1つのテンショニング手段が、実質的に載荷台の縦軸に沿って延在するガイドレールなどに移動可能に取り付けられることが可能である。本発明の構成に応じて、いずれにせよ設けられ、載荷台の長手方向軸線に実質的に沿って延びる成分をガイドレールとして使用することも可能である。
【0022】
本発明の1つの発展形態では、少なくとも1つのテンショニング手段が、搬送装置に可変的に連結され、かつ搬送装置から可変的に連結解除されることが可能であるようにすることができる。したがって、この発展形態では、載荷台のローディングが行われず、したがって固定が必要とされない領域から別の領域に移動されることが必要とされるだけでなく、任意選択で搬送装置から単に切り離されることも可能である。
したがって、連結解除状態では、テンショニング手段は、載荷台および積載された貨物の周りを案内されず、例えば巻き上げられた状態などの非作動位置に留まる。
【0023】
また、可変カップリング及びアンカップリングは、載荷台に対するそれらの位置に関して移動されたテンショニング手段が、載荷台の縦軸に対してできるだけ正しい角度でテンショニング手段を向けることを可能にするために、後者の対応する同様にシフトされた点において、再び搬送装置に結合されることを可能にする。この目的のために、搬送装置は、長手方向軸に沿って分布された複数の締結点を有することができ、少なくとも1つのテンショニング手段は、搬送装置に可変的に連結され、かつ、連結解除することができる。
複数のテンショニング手段がある場合、同様に、テンショニング手段よりも多くの固定点を設けることが有利であり得る。
【0024】
この場合、搬送装置の締結点の各々は、テンショニング手段を締結するためにテンショニング手段の対応する凹部と協働することができる弾性的にプレテンションされた締結部材を有することができる。この装置は、例えば、自動車のシートベルトの構成に類似していてもよい。勿論、テンショニング手段に弾性的にプリテンションされた締結部材が設けられた逆の設計を提供することも考えられ、該締結部材は、該締結点において対応する凹部と協働する。締結部材としてピン、フック等を設けることができる。これは、対応する凹部を有する閉鎖手段を差し込むことができる関連する閉鎖機構に組み込むことができる。
【0025】
もちろん、例えば、締結部材が弾性的に予荷重をかけられていない代替的な構成も同様に考えられる。
【0026】
ストラッピングシステムは、少なくとも1つのテンショニング手段にテンションをかけるためのテンショニング装置をさらに有してもよい。複数のテンショニング手段がある場合、これらは、単一のテンショニング装置で張力を付与することができる。あるいは、それぞれのテンショニング装置が、各テンショニング手段に、または限定された数のテンショニング手段、例えば、2つ、3つ、または4つのテンショニング手段に割り当てられることも考えられる。
【0027】
更に、テンショニング装置は、その長手方向軸線を中心に回転可能であり、少なくとも1つの関連するテンショニング手段が少なくとも部分的に巻回され、巻き戻されることができるテンショニング軸を有することができる。例えば、テンショニング軸は、少なくとも1つのスロット状の開口部を有していてもよく、この開口部を通して、少なくとも1つのテンショニング手段が延在可能である。
スロット状の開口部の代替として、テンショニング装置は、少なくとも1つのテンショニング手段を巻き上げるためのテンションブラケットを有することができる。この解決策は、輸送ワゴンの製造及び実施において特に簡単である。テンショニング手段は、テンションブラケットと協働してテンションシャフトに巻き付けられる。
【0028】
代替的に又は追加的に、テンショニング装置は、テンショニング手段に張力をかけるためのシャフトを含むことができ、少なくとも1つのテンショニング手段は、車軸をその縦車軸の周りに回転させることによって、車軸上に巻き付けられるか、又は車軸から巻き戻されることができる。この場合のシャフトは、テンショニングの機能を果たすか、またはテンションシャフトがプレテンションの追加装着された設計変形である。
【0029】
代替的に又は追加的に、テンショニング装置は、中空シャフトと、その中に配置された軸とを含むことができ、少なくとも1つのテンショニング装置は、中空シャフトに対して軸を回転させることによって巻き取り及び巻き戻すことができる。この設計変形例では、車軸及び中空車軸は、テンショニングの機能を果たすか、又はテンショニングシャフトが付加的に嵌合される設計変形例では、テンショニング手段をプレテンショニングする。
この場合、中空シャフトは、好ましくは、少なくとも1つのスロット状開口部を有し、この開口部を通って、少なくとも1つのテンショニング手段の自由端が、外側に突出することができる。
【0030】
その結果、テンショニング装置は、全ての設計変更形態において、後者が装填された貨物の周りに所望の巻き付け角度で案内されるとすぐに、少なくとも1つのテンショニング手段に張力を付与する役割を果たす。この場合、少なくとも1つのテンショニング手段は、例えば中空シャフトとその中に受け入れられた車軸とを有する構成で、それを取り囲む中空シャフトに対して車軸の回転によって巻回されてもよい。実際には、車軸は規則的に回転され、テンショニング手段は車軸に巻かれ、一方、中空シャフトは回転しない。
巻回された状態では、少なくとも1つのテンショニング手段は、中空軸内の対応する開口を通して外部に突出するその自由端を除いて、中空軸の内部にほぼ完全に受け入れられる。このようにして、ストラッピングシステムのテンショニング手段の特に複雑でない確実な記憶も提供される。しかしながら、原則的に、代替的に、中空軸が回転すること、またはテンショニング手段が外部中空軸に巻き付けられることも考えられる。
【0031】
少なくとも1つのテンショニング手段は、少なくとも1つの端部と少なくとも1つの端部との接合部回転のために、テンショニング装置の構成要素に接続することができ、その結果、シャフト、車軸または中空シャフトの回転によって、少なくとも1つのテンショニング手段が巻き付けられ、逆に、少なくとも1つのテンショニング手段の巻き出しによって、シャフト、車軸または中空シャフトが回転する。
【0032】
テンショニング手段をテンショニングするためのテンショニング軸のみを備える一実施形態では、テンショニング手段は、後者を回転させることによって、テンショニング軸に巻き付けられ、及び/又はテンショニング軸から巻き戻されることができる。
【0033】
さらに、少なくとも1つのテンショニング手段がテンショニング装置の構成要素に巻き付けられ、かつテンショニング装置から巻き外されることができる領域において、テンショニング装置は、テンショニング装置のこの構成要素とテンショニング手段との間により大きな程度の静的摩擦をもたらすことができる。
【0034】
さらに、テンショニング装置は、テンショニング装置の回転部分、例えば、中空シャフト、シャフト又はテンションシャフトに配置された車軸を駆動し、相対回転運動を開始させるように働く少なくとも1つの駆動部を備えることができる。この場合、駆動部は、使用者による手動駆動、例えばクランク等に取って代わり、その結果、ストラッピングシステムのより便利な動作を可能にする。
【0035】
複数のテンショニング手段および複数の従動テンショニング装置がある場合、必要に応じて個々のテンショニング装置の可変作動を可能にするコントローラを設けることも可能である。
【0036】
中空シャフトは、全体として、全ての自由端部(複数のテンショニング手段がある場合)が延びる単一のスロット状の開口部、又は各テンショニング手段に割り当てられたそれぞれの開口部を有することができる。同じことは、テンショニング軸の少なくとも1つのスロット状の開口部に対しても行われ、この開口部を通ってテンショニング手段はテンショニング軸を通って延びることができる。
【0037】
更に、テンショニング装置は、少なくとも1つのテンショニング手段のテンショニング及び/又は巻き付けが所定の閾値までのみ可能であるように、過負荷安全装置を有することができる。この閾値(例えば、約25 Nの張力値)を超えると、過負荷安全装置は、駆動部によって、またはユーザによって手動で導入されるトルクが、少なくとも1つのテンショニング手段に伝達されるのを防止する。
過負荷安全装置は、例えば、ラチェット結合、トルクリミッタ等の方法で構成することができ、引っ張り手段が許容できないほど高い引っ張り力を受けないことを保証する。このようにして、テンショニング手段の寿命を延ばすことができる。
【0038】
第1の変形例では、過負荷安全装置は、例えば、駆動部とテンショニング装置の回転成分、例えば、シャフト又は車軸とのインターフェースに設けられ、前記シャフト又は車軸がテンショニング手段に作用する張力のために静止しているときに、駆動部からシャフト又は車軸への力伝達を遮断することができる。この場合、複数のテンショニング手段が存在する場合、テンショニング手段のいずれも、もはや再テンショニングされる必要はない。
【0039】
しかしながら、駆動部とシャフト又は車軸との境界面の領域に過負荷安全装置を設けるのではなく、各テンショニング装置に、テンショニング装置の回転成分への接続領域に過負荷安全装置を設けるようにしてもよい。このようにして、ストラッピングシステムの個々のテンショニング手段は、互いに独立して所定の最大引張力で張力をかけることができ、これは、特に載荷台に貨物が均一に積載されていない場合に有利である。
1つの考えられる実施形態は、例えば、吊革ローラに巻き付けることができる吊革状のテンショニング手段を提供し、ここで、各吊革ローラは、過負荷安全装置(ラチェット結合)を介してシャフト又は車軸に接続されている。吊革に作用する張力が特定の閾値を超えると、ラチェット結合がスリップし、その結果、シャフトまたはアクスルの回転運動は、もはや関連する吊革ローラに伝達されない。
【0040】
もちろん、過負荷安全装置の上述のシステムに対する代替的な実施形態も同様に考えられる。
【0041】
特に好ましい設計変形例では、テンショニング装置の少なくとも1つの構成要素は、少なくとも1つのテンショニング手段、特にテンショニング軸に予め張力をかけて、少なくとも1つの予め張力をかけられたテンショニング手段を固定するように働く。従って、上述したように、テンショニング装置は、テンショニング手段を巻き取り、巻き戻すための回転運動の結果として、システムの過負荷から過負荷安全装置によって保護することができる。
しかし、この結果は、輸送ワゴンが不用意に転倒した場合、同様に転倒した貨物の荷重を考慮して過負荷安全装置が作動し、その結果、載荷物が確保できなくなるというものである。しかしながら、特に、このような場合には、負荷の付加的な固定が望ましい。この目的のために、テンションシャフトは、テンショニング装置の追加部品として使用することができる。
【0042】
過負荷安全装置を備えたプリテンショナとして考えられるシャフト、アクスル及び中空シャフト、又は他の構成要素によってテンショニング処理が実施された後、テンショニングシャフトは、例えば、その縦軸を中心とした180oを介して所定の角度を介して同様に回転される。少なくとも1つのテンショニング手段は、テンショニング軸を通ってスロット状の開口部を通って延び、後者の回転によって、テンショニング軸の外面に対して直接負担させる。
上述したように、後者には、少なくとも部分的に、コーティング、表面構造、または軸受テンショニング手段のより大きな静止摩擦を提供する添加元素(例えば、スパイクまたはゴム要素)を設けることができる。このようにして、少なくとも1つのテンショニング手段は、テンショニング軸上の既存の静摩擦によって、そのテンション状態で固定される。
【0043】
テンショニング軸自体は、この固定位置に、例えばテンショニング軸と係合する保持ピンと、輸送ワゴンの静止部分との両方によって機械的に固定されてもよい。あるいは、この固定は、テンションシャフトの駆動部を介して行うこともできる。テンショニングシャフトの油圧駆動装置は、例えば、ロッキングバルブがテンションシャフトを固定位置に保持することが考えられる。あるいは、あるいは、油圧駆動装置と組み合わせて、歯付きロッドを使用することもでき、このロッドは、次に、テンショニング軸がその固定位置に位置する位置に機械的に固定される。
【0044】
固定のタイプとは独立して、複数の固定手段および複数のテンショニング装置がある場合、必要に応じて固定するための個々のテンショニング装置の可変作動を可能にする制御装置を追加的に設けることもできる。例えば保持ピンによる機械的固定の場合であっても、別個の固定を各テンショニング装置または各テンショニング手段に割り当てることができる。
【0045】
さらに、搬送装置は、少なくとも1つのガイドロープおよび/またはガイドバーを備え、ガイドロープおよび/またはガイドバーによって、少なくとも部分的に載荷台上に積載された貨物の周りをガイドすることができるように、少なくとも1つのテンショニング手段をガイドロープおよび/またはガイドバーに接続することができるようにすることができる。
【0046】
この実施形態では、例えば、少なくとも1つのテンショニング手段の自由端部をガイドロープまたはガイドバーに接続することが可能である。複数のテンショニング手段が設けられる場合、これは、論理的には、ガイドロープ又はガイドバーが変位される場合に、それに接続された全てのテンショニング手段が同様に変位されることができ、従って、本発明による効果は、個々のテンショニング手段が貨物の周りを別々に案内される必要がないことで達成される。
【0047】
ガイドバーを有する変形例では、ガイドバーは、有利には、少なくとも1つのテンショニング装置に張力をかけるか又は固定するためのテンショニング装置又はその部品を含むことができる。このようにして、ガイドバーとテンショニング装置との機能的な組み合わせを達成することができ、その結果、個々の部品の数がより少ないことから、ストラッピングシステムをより容易に且つより費用効果的に製造することができる。
【0048】
搬送装置は、さらに、少なくとも1つ、好ましくは2つの、ガイドロープまたはガイドバーをガイドして保持する保持アームを備えることができ、少なくとも1つの保持アームは、横方向側部の1つに配置される。特に、少なくとも1つの保持アームには、駆動装置を割り当てることができ、この駆動装置によって、少なくとも1つの保持アームを変位させて、ガイドロープまたはガイドバーを載荷台に対して案内し、保持することができる。したがって、少なくとも1つの保持アームは、ガイドロープまたはガイドバーに変位運動を伝達することと、ガイドロープまたはガイドバーを対応する位置に保持することとの両方に役立つ。
【0049】
しかしながら、保持アームの代替として、ガイドロープまたはガイドバーをガイドし、保持するために、少なくとも1つ、好ましくは2つの保持フレームを設けることもでき、少なくとも1つの保持フレームは、横方向側部の一方に配置される。少なくとも1つの保持アームとは対照的に、少なくとも1つの保持枠は、さらに、ガイドロープまたはガイドバーの一部が直接的または間接的に案内されるように受容され得る少なくとも1つのガイドレールを備えてもよい。
例えば、ガイドロープの自由端の各々にピン等を締め付けることが考えられるが、これは次に、輸送ワゴンの横方向側部に取り付けられた2つの保持枠のガイドレール内に案内されてもよい。固定装置(例えば、締め付けねじ等)をピン上に追加的に設けることができ、この固定装置は、ガイドレールに対してガイドロープの部分を、所望されるとすぐに固定することができる。また、連結部を、例えば剛体のあるバーの構成で、ガイド部として作用するピンとガイドロープのそれぞれ割り当てられた部分との間に配置してもよく、保持フレームに対してストラップ半径をさらに大きくするためである。もちろん、同じ機能原理をガイドバーに移すこともできる。
【0050】
最後に、少なくとも1つの保持アームまたは代替的に少なくとも1つの保持フレームに駆動装置を割り当てることができ、それによって、少なくとも1つの保持アーム、またはガイドレールに受け入れられるガイドロープまたはガイドバーの部分を、載荷台に対して変位させることができる。駆動装置は、機械的又は電気的及び/又は油圧駆動装置を備えることができる。変形例の考えられる例は、保持フレーム内でガイドすることができる駆動チェーンを含む。
【0051】
その結果、ストラッピングシステムを有する上述の輸送ワゴンは、例えば、荷積みされた貨物を固定するための所望の位置にガイドレール内に受け入れられる保持アーム又はガイドロープ又はガイドバーの部分を移送し、貨物をこの位置に固定する単一のユーザによって手動で操作可能である。しかしながら、代替的に、駆動装置を有する構成も考えられ、特に、特に操作が容易な貨物用輸送貨車が望まれる場合に有利である。
【0052】
対応する駆動装置は、例えば、電気的、油圧的又は空気圧的に作動させることができる。また、駆動装置は、貨物を固定するために、保持アームまたはガイドロープまたはガイドバーのそれぞれの部分を所望の位置に保持するように設計されることが有利であり得る。しかしながら、代替的に又は追加的に、固定システム、例えば、ガイドバー又はガイドロープを所望の位置に引っ掛ける又はラッチするための装置を設けることもできる。
【0053】
本発明によれば、請求項13記載の発明の第2の態様によれば、ストラッピングシステムの搬送装置を構成する横方向側部の少なくとも一部が、載荷台に対して垂直な方向に変位可能であるという規定がなされる。この解決策は、載荷面に対して異なる積載高さで貨物に安全に張力をかけることを可能にする。さらに、搬送装置を適合させる必要がない。したがって、駆動チェーンを有する搬送装置の構成では、例えば、駆動チェーンの長さを変更する必要はなく、むしろ、横断側部の関連部分を有する搬送装置全体が、載荷台に対して上方または下方に変位される。
【0054】
特に、横断側部は、伸縮自在に構成することができ、載荷台に対して載荷台に垂直な方向に変位するための少なくとも1つの駆動装置を有することができる。駆動装置は、例えば、油圧的に構成することができるが、例えば、電動モータ及び歯付きバーを備えた代替の構成も同様に考えられる。
【0055】
さらに、搬送装置を支持する少なくとも1つの支持ブラケットが、横方向側部の間に設けられているという提供を設けてもよい。支持ブラケットが、搬送装置の少なくとも1つのガイドロープおよび/または少なくとも1つのガイドバーを追加的に支持する役割を果たすのは、特に、(縦軸の方向に)長さが10メートルを超える載荷面の場合である。従って、支持ブラケットは、載荷台の前後軸の方向にも特に移動可能となるように取り付けることができ、その載荷状態に応じて後者を最適な位置に配向させるためである。
例えば、載荷台の長手方向側面のそれぞれに少なくとも1つのローラによって、または載荷台の長手方向側面に沿って延在する構成要素に取り付けることが考えられる。
【0056】
更に、少なくとも1つの支持ブラケットが搬送装置の駆動部を有する場合にも有利である。したがって、具体的には、搬送バーの場合、搬送バーの固有の重量は、対応する長さが与えられると、支持ブラケットが、載荷面上に固定される貨物の周りで、輸送ワゴンの横方向側部上の1つまたは2つの搬送装置と共に、前記搬送バーを案内するように構成されることも必要にすることができる。
駆動部又は横方向側部の駆動部の場合と同様に、駆動チェーン等を有する保持フレームを駆動部として設けることができる。
【0057】
さらに、支持ブラケットは、もちろん同様に、載荷台に対して垂直な方向、すなわちその高さに関して変位可能なように構成することができる。ここで考えられる変形例は、支持ブラケットの少なくとも一部が伸縮自在であることであり、例えば、支持ブラケットの、載荷台に対して垂直方向に延びる部分が伸縮自在である。
【0058】
本発明の考えられる展開では、少なくとも1つのテンショニング手段を撓ませるために、屈折装置を追加的に設けてもよく、少なくとも1つのテンショニング手段は、少なくとも部分的に、屈折装置によって載荷台の縦軸に実質的に平行な方向に案内される。
【0059】
実際には、例えば、テンショニング装置又はその構成要素の少なくとも大部分は、特に空間を節約する方法で、輸送ワゴンの下部の領域に安全に受け入れることができ、及び/又はそれに取り付けることができることが分かっている。しかしながら、このような構成では、長手方向(載荷台の縦軸に平行である)におけるテンショニング装置の構成部品の最大限の広がりは、輸送ワゴンの車輪車軸によって制限される。
しかしながら、輸送ワゴンの車輪車軸の上方に位置する載荷台の領域は、貨物を受け入れて固定するために使用されることも意図されているので、少なくとも1つのテンショニング手段を、車輪車軸間の領域(ここではテンショニング装置を取り付けることができる)から、車輪車軸の上方の領域に少なくとも部分的に撓ませる必要がある。このために屈折装置を使用する。
【0060】
後者は、特に、テンショニング手段に割り当てられ、割り当てられたテンショニング手段を所望の方法で屈折させることができる少なくとも1つの一対のプーリを含むことができる。このために、テンショニング手段、例えば、テンショニングストラップは、第1のプーリによって初めて折り畳まれ、このようにして90oを通って屈折されてもよく、折り畳まれた結果、テンショニング手段は、もはや載荷台の縦軸に対して実質的に横断方向には延びないが、それに対して平行に延びる。
第2のプーリによって、テンショニング手段は、再び折り畳まれることができ、同時に、90oで屈折されることができ、この場合、テンショニング手段は、再び折り畳まれる結果として、もはや、載荷台の縦軸に実質的に平行ではなく、それに対して再び横方向に延在する。したがって、載荷台上の車輪車軸の上方に位置する貨物は、把持して張力をかけることが可能である。
【0061】
本発明の上述の態様は、設定したオブジェクトを互いに別々に、または、互いに組み合わせて解決することに貢献することができる。従属請求項2~12の特徴は、本発明の第1の態様による輸送ワゴン又は本発明の態様の組み合わせと同様に、本発明の第2の態様による輸送ワゴン(本発明の第1の態様の特徴なし)と組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明は、本発明の個々の特徴が互いに組み合わされた本発明の好ましい実施形態を例として示す添付の図面を参照して、以下の本文においてより詳細に説明される。しかしながら、当業者は、当然ながら、これらを互いに別々に考慮すること、および/またはそれらを組み合わせて、好都合な組み合わせを形成することも可能である。
【
図1】
図1aは、従来技術による輸送ワゴンの側面図を示す。
図1bは、
図1aに係る輸送ワゴンの背面図を示す。
【
図2】
図2aは、本発明の第1の実施形態によるによる輸送ワゴンの側面図を示す。
図2bは、
図2aに係る発明に係る輸送ワゴンの背面図を示す。
【
図3a-b】
図3aは、本発明の第2の実施形態による輸送ワゴンの側面図を示す。
図3bは、
図3aに係る発明に係る輸送ワゴンの背面図を示す。
【
図3c-d】
図3cは、本発明の代替の第3の実施形態による輸送ワゴンの背面図を示す。
図3dは、本発明の代替の第4の実施形態による輸送ワゴンの背面図を示す。
【
図4a-b】
図4aは、本発明の代替の第5の実施形態による輸送ワゴンの部分断面図を示す。
図4bは、
図4aの実施の形態に係る発明に係る輸送ワゴンの背面図を示す。
【
図4c】本発明の代替の第6の実施形態による輸送ワゴンの背面図を示す。
【
図5】本発明による輸送ワゴンのテンショニング装置の詳細図を示す。
【
図6】本発明による輸送ワゴンのテンショニング装置及び締結装置の詳細図を示す。
【
図7】
図7aおよび
図7bは、追加の被覆防水シート構成を有する図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1aおよび
図1bは、一般に、先行技術から知られている輸送ワゴンを示している。
この輸送ワゴンは、同時に、輸送される貨物のための載荷台も提供するワゴンフレーム9を備える。載荷台は、その長手方向軸Lに沿って延びており、その前端(
図1aにおいて、左右、又は前後)において、横方向側部1によって区切られている。ワゴンフレーム9は、輸送ワゴンの車輪8の上方に、シャーシ及び車輪車軸を介して支持されて配置されている。
【0064】
図2aおよび
図2bは、それぞれ、本発明の輸送ワゴンによる第1の変形例の側面図および背面図を示し、
図3aおよび
図3bは、本発明の輸送ワゴンによる第2の変形例の側面図および背面図を示す。
図3cおよび
図3dは、本発明の輸送ワゴンによる2つのさらなる変形例の背面図を示す。
図4a~
図4cは、それぞれ、本発明の輸送ワゴンによるさらなる変形例の後方図および部分セクション(
図4a)における図を示し、一方、
図5は、本発明による輸送ワゴンのテンショニング装置をより詳細に示す。
最後に、
図6は、本発明による輸送ワゴンのテンショニング(張力付与)装置および締結装置のさらなる詳細を示し、一方、
図7aおよび
図7bは、追加の被覆防水シート構成70を有する変形例を示す。一致する特徴は、同じ参照符号を使用して参照されている。
【0065】
本発明による輸送ワゴンの第1の変形例では、保持アーム5を有する搬送装置が、本発明による輸送ワゴンの各横方向側部1に設けられている。保持アーム5の間には、保持アーム5の回転運動の場合に回転軸D(
図2b参照)を中心とした円形の変位運動Kを行うガイドバー3が、輸送ワゴンの長手方向の広がりに沿って延びている。
【0066】
図2aにおいて、矢印Zによって示され、より明確に
図2bにおいて明らかであるように、横方向側部1には、これらの横方向側部1を台に対して上下に、すなわち載荷台に対して垂直方向Zに変位させることを可能にする構成が設けられている。
このために、例えば、第1の部品30aが車両フレーム9にしっかりと接続され、第2の部品30bが、それに関して順にはめ込むことが可能であるように、関連する横断側の部品1にしっかりと接続されている伸縮式装置30を設けることができる。
【0067】
この実施形態では、横方向側部全体を載荷台に対して変位させることができるので、輸送ワゴンの輸送装置に何ら変更を加える必要がなく、これが大きな利点を表している。代替の実施形態では、横方向側部の一部のみが載荷台に対して変位可能であることも可能である。有利には、これは、同様に、輸送ワゴンの輸送装置が取り付けられる部分である。
【0068】
垂直に調整可能な横方向サイドパーツによって、輸送ワゴン、特定テンショニング装置の異なる載荷状態への付加適合を達成することができる。
【0069】
変位は、駆動装置、例えば電気モータ、油圧又は空気圧駆動装置によって行うことができる。
【0070】
複数のストラップ状のテンショニング手段の自由端部は、ガイドバー3に締結されている。ガイドバー3がずれた場合には、それに伴って移動される。ストラップ状のテンショニング手段は、次に、ストラップローラ2に巻き付けられ、ガイドバーの円形の変位移動の結果として、ストラップローラ2から巻き出すことができる。このために、吊革ローラ2は、車軸2a上に回転可能に配置されている。
【0071】
2つの横方向側部1は、搬送装置の保持アーム5だけでなく、そのために設けられた駆動装置も支持し、この駆動装置は、図示の例では、油圧シリンダ6と歯付き駆動ロッド7とから構成され、力印加点4での力伝達によって、回転軸Dの周りで保持アーム5の旋回運動を引き起こす。
【0072】
しかしながら、原理的には、保持アーム5を駆動するための代替システムが、例えば電気モータ、又は油圧又は空気圧式駆動装置を提供するために、図示の駆動装置ではなく、同様に考えられる。
【0073】
さらに
図2aに示すように、図示の実施形態では、吊革ローラ2に巻き取られた吊革状のテンショニング手段10も、載荷台に対して長手方向軸Lの方向に移動させることができる。このために、吊革ローラは、ワゴンフレーム9の長手方向Lに延びる別のシャフト上又は部品上に自由に移動できるように取り付けることができる。
【0074】
テンショニング手段10の自由端部は、ガイドバー3から(又は
図3a及び
図3bの実施形態ではガイドロープから)解放すなわち非連結にされ、新たな相対位置で再びそれに連結されることができる。このために、
図2(a)に示すように、ガイドバー3上に規定の締結点3a(及びガイドロープ13上の類似の締結点13a)を設けることができ、これらを互いに等間隔又は不規則に分配するように設けることができる。
従って、通常はより重い荷重が載荷されることが意図されている載荷ゾーンよりも、通常は比較的重い荷重が載荷される載荷ゾーン、例えば進行方向の前方領域において、互いからより短い間隔で、より多くの締結ポイントが設けられることが考えられる。
便宜上、テンショニング手段2よりも多くの締結点3aを設けて、テンショニング手段2を再位置決めできるようにすることができる。締結点の数は、この場合、テンショニング手段2の倍数とすることができ、例えば、締結点3aの2倍、3倍、または4倍、あるいはそれ以上を設けることができる。
【0075】
図6は、一例として、ガイドバー3上の固定点3aの設計変形例を示しており、
図6の図示を簡単にするために、さらなる固定点は省略されている。図示されている設計変形例では、切欠き固定点3は、凹部32内に、ばねF(コイルばね、板ばね、または他の弾性要素)によって弾性的にプリテンションをかけられた固定ピン31を備え、この固定ピン31は、ガイドバー3に対して弾性的にプリテンションをかけられている。
テンショニング手段10、図示の実施形態ではテンショニングストラップは、その自由端に、凹部33が補強領域34に設けられており、この凹部33内で締結ピン31が締結状態で係合することができる。その結果、テンショニング手段10は、その自由端部が締結点3aにある状態で、締結ピン31とガイドバー3との間に設けられた隙間35内に押し込まれ、弾性的にプレテンションされたピン31を変位させる。
それから、後者は凹部33に係合し、かくしてテンショニング手段10を固定する。より良い固定のために、不所望な解放を防止するために、固定ピンを(手動で、または弾性プレテンションの結果として)押し込むことができる追加の固定凹部36を、ガイドバー3内にさらに設けることができる。
構成に応じて、追加の作動要素を設けることができ、これによってピンを再び固定されていない位置に戻すことができ、この位置でテンショニング手段10を解放することができる。
【0076】
もちろん、テンショニング手段10をガイドバー3に解放可能に結合するための代替的な選択肢も同様に考えられる。ガイドロープ13を備えた構成においても、他の解決策、例えば、テンショニング手段10の自由端におけるスナップフック等、及び、ガイドロープ13上の締結点13aのように引っ掛けるための目が考えられる。
例として示され説明されている変形例の反転もまた、例えばガイドバー3の凹部は、テンショニング手段10の凹部に固定目的のために係合することができる締結点として、テンショニング手段10上の締結部材をガイドロープ上にラッチまたはフックで留めることができるようになっている凹部であることが考えられる。
【0077】
図3a及び
図3bの第2実施形態では、回転軸線Dを中心として移動される保持アーム5は、横側部1の領域に配置されていない。むしろ、横方向側部は、各々、1つ以上のガイドレール14(
図3b参照)を有することができる保持フレーム15を含む。さらに、第1の実施形態とは対照的に、既に示されているように、ガイドバーは、2つの保持フレーム15の間では張力を受けず、むしろ、ガイドパーツ12にその端部と連結されているガイドロープ13である。
ガイド部12は、例えばピン等の形態で、保持フレーム15のガイドレール14に受け止められ、変位可能に案内されるようになっている。前方および後方保持フレーム15におけるガイド部12の変位は、本発明の第1の変形例と同様にガイドロープ13の変位を引き起こし、その結果、それに接続されたストラップ状のテンショニング手段10の自由端部も同様に変位する。
【0078】
また、ガイド部12は、例えば調整ネジ等の形態の固定機構を設けることにより、ガイドレール14に固定可能となるように構成することも勿論である。
【0079】
また、この変形例では、ストラップ状のテンショニング手段10は、ストラップローラ2上に巻き付けられ、ストラップから引き出すことができる。
【0080】
特に好都合な実施形態では、本発明の変形例における両方の吊革ローラ2が、吊革状テンショニング手段にテンションをかけるためのテンショニング装置の一部であることが提供されてもよい。このようなテンショニング装置は、例えば、中空シャフトと、その中に配置された車軸とを備えることができ、その上に、少なくとも1つのテンショニング手段は、中空シャフトに対する車軸の回転運動によって巻き取られ、巻き戻されることができる。
この場合、車軸の回転運動は、例えばモータによって駆動されてもよいし、手動で導入されてもよい。
【0081】
テンショニング装置の設計変形例として、更なる実施例が
図5に示されており、ここに示されているテンショニング装置は、車軸2aの代わりに、ストラップ状のテンショニング手段10を巻き取り、巻き出す駆動軸27を備えている。ストラップ状テンショニング手段10は、他の実施形態のように、軸27に連結されている同時回転のために、またはそれらの自由端の1つで軸27に連結されているストラップローラに巻き付けられてもよい。
軸27は、例えば、概略的に図示された油圧駆動装置28を介して油圧的に駆動されてもよい。トルクリミッタ26、例えば、軸27及び関連する駆動装置28の過負荷保護の役割を果たすラチェット結合又はスリッピングクラッチ等を、軸27とテンショニング手段10との間のインターフェースに設けることができる。
【0082】
シャフト27に加えて、公知のように、テンショニング軸17が設けられ、これは、自動張力、特に張力付きストラップ状テンショニング手段10を確保するための役割を果たす。このために、テンショニング軸17は、1つまたは複数のスロット状の開口部17aを有し、これを通してストラップ状のテンショニング手段10がシャフト27を通って延びることができる。開始位置において、ストラップ状のテンショニング手段10は、テンショニング軸17を通って真っ直ぐに延びる。
【0083】
しかしながら、テンショニング軸17が、張力保持のために、又は特にストラップ状のテンショニング手段10を確保するために使用されることが意図されている場合には、張力軸17は、その長手方向軸線を中心として所定の角度を介して回転され、その結果、少なくとも1つのスロット状の開口部17aを通って延びるストラップ状のテンショニング手段10は、張力軸17の外面に対して支持されるようにされる。
【0084】
テンショニング軸17を回転させるために、例えば図に示すように使用することができる。図示の実施形態では、付加的な駆動装置5は、油圧シリンダ21によって並進運動で設定することができる歯付ロッド20を備えている。これに係合されたギヤホイール17bは、テンショニングシャフト17に連結され、またはその上に一体的に形成され、結果として回転運動に移される。
【0085】
ストラップ状のテンショニング手段10がテンショニング軸17の外面に張力を与えられて支持されるテンショニング軸17の所望の位置において、テンショニング軸17自体又はテンショニング軸17の駆動部品をその位置に固定することができる。
この場合、例えば歯付ロッド20の機械的なロックが考えられるが、これは例えばピン等によりワゴンフレーム9にロックすることができる。しかしながら、代替的に、歯付ロッド20をその所望の位置に確実に保持する対応する逆止弁を油圧駆動装置に設けることも考えられる。もちろん、他の可能な構成も同様に考えられる。
【0086】
さらなる有利な変形例(
図6に示す)では、テンショニング手段、特に張力ストラップ10は、ローラボックス内に受け入れられる、すなわち、ローラボックス内で巻き上げられる。後者はバネ41を含むことができ、このバネは、テンショニング手段10が完全に巻き上げられたときに緩和状態にあり、テンショニング手段10が展開されたときに引張状態に移される。
したがって、バネ41は、テンショニング手段10の自動再テンショニングの役割を果たす。代替的に又は追加的に、保持は、追加の駆動装置によって行うこともでき、各引張手段には、別個の可変制御可能な駆動装置を割り当てることができる。このような追加の駆動装置は、張力をかけられたテンショニング手段を固定する機能を担うこともできる。
【0087】
さらに、テンショニング手段10を所望の位置に固定し、再テンションをかけるために、さらなる実施形態の変形例(
図6参照)によれば、スロット状の開口部17aの代替として、テンショニングブラケット42がテンショニングシャフト17に設けられ、テンショニングブラケット42を通してテンショニング手段10を案内することができる。開始位置において、ストラップ状のテンショニング手段10は、テンショニング軸17の関連するテンショニングブラケット42を通って直線に延びる。
テンショニング手段10が、張力がかけられた状態に保持され、このようにして固定されるように意図された場合(静摩擦)、テンショニングシャフト17は、駆動装置によってその縦軸を中心として所定の角度を通って回転され、その結果、テンショニングブラケット42を通って延びるストラップ状テンショニング手段10がテンショニングシャフト17の外面に押しつけられるようになる。
【0088】
テンショニング手段10を固定するために、ストラップ状のテンショニング手段10がテンショニング軸17の外面に対してしっかりと支持されることを確実にするために、テンショニング軸17は、少なくともストラップ状のテンショニング手段10が支持されることができる領域において、改善された静摩擦を提供することができる。これは、テンショニング軸自体の対応する表面構造の結果として、又は、テンショニング軸に取り付けることができる追加部品の結果として生じることができる。
例えば、テンショニング軸は、その外周面に粗面化されていてもよく、塗料(例えばゴム塗料)を有していてもよく、あるいはシェル状のゴム素子、スパイク等を備えた素子をテンショニング軸17に取り付けていてもよい。追加部品、例えばシェル状ゴム要素は、例えばねじ止め、接着剤結合などによってテンションシャフト17に取り付けることができる。
【0089】
特に、このような付加的なテンショニング軸17がストラップ状のテンショニング手段10を固定するために設けられることが意図された実施形態では、テンショニング装置を輸送ワゴンのアンダーボディ上に配置することが特に好ましく、省スペースである。このような配置は、例えば
図4bに示されている。さらに、追加のテンションシャフト17によって、テンショニング手段の固定をこの目的のために解除する必要なしに、テンショニング手段の再テンショニングをいつでも行うことができる。
【0090】
しかしながら、
図4bの線A-Aに沿った断面図である
図4aに示されるように、それからさらなる技術的問題が生じる。従って、対応する配置では、輸送ワゴンの車輪8の車輪車軸を通る前後方向(すなわち、載荷台の長手方向軸線に平行である)のテンショニング装置の構成要素の最大の広がりが制限される。
しかしながら、載荷台の領域は、輸送ワゴンの車輪8の車輪車軸の上方に位置する荷物を受け入れて固定するために使用されることも意図されているので、ストラップ状のテンショニング手段10の少なくとも1つを車輪車軸間の領域から少なくとも部分的に車輪車軸の上方の領域に屈折させる必要がある。この目的のために、本発明によれば、屈折装置を設けてもよい。
【0091】
屈折装置は、図示した実施形態において、各ストラップ状のテンショニング手段10が屈折されるために、ストラップ状のテンショニング手段10を屈折すなわち折り曲げる役割を果たす一対のプーリを備える。従って、車輪車軸間の領域から輸送ワゴンの長手方向軸に対して実質的に垂直に延びるストラップ状のテンショニング手段10は、第1のプーリ10aによって折り畳まれ、90oで屈折され、これにより、今度は輸送ワゴンの長手方向軸に実質的に平行に延び、したがって、載荷台(前部または後方)にも延びる。
第2のプーリ10bにより、テンショニング手段10は再度折り畳むことができ、同時にストラップ状テンショニング手段10がここで載荷台の縦軸に対して再度横断方向に、すなわちほぼ90oの角度で延びるように、90oで屈折することができる。そこから前進すると、屈折されたテンショニング手段10は、例えば、車輪車軸の上方、すなわち車輪8の上方の領域で、対応する貨物に張力を与えるために使用することもできる。
【0092】
輸送ワゴンの貨物空間に突出する部分(
図3bの部分14a)を有する、同図の
図3bの2本のガイドレール14ではなく、例えば
図3cのように、1本の周辺ガイドレール又は略周縁ガイドレールを設けることも可能である。さらに、
図3cに示す実施形態と同様に、各ガイド部12とガイドロープ13との間に連結部12aを設けてもよく、この連結部12aは、ストラップ状のテンショニング手段を介してより大きなストラップ半径を与える(
図3c参照)。
このような接続部12aは、例えば、剛性バーとして構成されてもよく、一端がガイド部12に接続され、他端がガイドロープ13の一部を受け入れるように構成されている。
【0093】
図4bにおける実施形態及び
図4cにおける実施形態では、単一のガイドレールの代わりに、互いに隣接して走る少なくとも2つ又は3つのレール14a、14b及び14cさえもガイドレール14として設けられていることは明らかである。この場合、追加のレール14bは、1つ以上の力補償ローラ12b(
図4cでは2つ)を案内する役割を果たし、この力補償ローラは、接続部12aの傾斜、したがってガイドロープのたるみを防止するように意図されている。
この端部まで、これらのローラを介して、連結された連結部12aに傾斜移動と対向する保持力が導入されている。この場合、特にガイドロープ13を変位させるものであればガイドレール14b内を低摩擦で案内できるので、ローラとしての構成が有利である。この場合、単一の力補償ローラ12b(
図4b)または複数の力補償ローラ12b(
図4c)を設けることができる。同様に、ガイドレール14a内を低摩擦で走行することを確実にするために、ガイド部12自体をローラとして設けてもよいし、ローラを設けてもよい。
【0094】
図4cに示すように、第3のガイドレール14cは、本発明においては駆動チェーン22のような駆動手段を受け止めて案内するために用いることができる。この場合、駆動チェーン22用のプーリ23は、ガイドレール14aが設けられた半径に代えて又は付加的に半径を有する屈折領域に設けることができる。駆動チェーン22は、図示のように、少なくとも1つの駆動輪24を介して駆動されてもよい。
プーリ23及び少なくとも1つの駆動輪24には、駆動チェーン22における規定の係合及び低損失の力伝達を可能にするために、外歯を付加的に設けることができる。駆動チェーン22自体は、連結部12a、ガイド部12及び/又は力補償ローラ12bに連結されている。ローラの形成に構成されたガイド部12と力補償ローラ12bとの間に駆動力を導入した
図4cに示す配置は、ガイドされた配置の挟み込みを回避するために特に有利である。
【0095】
図4bおよび
図4cにおける実施形態のさらなる詳細は、載荷台への遷移領域におけるガイドレール配置14のオフセットから明らかである。これは、(荷重が固定されていないときの)その開始位置および(荷重が固定され、ガイドロープ13またはそれに取り付けられたテンショニング手段10が固定されているときの)その動作位置において、載荷台の横方向寸法を実質的に超えて突出せず、したがって望ましくない引き裂きまたは曲げから保護される、ガイド構成、特に接続部分12aを固定するのに役立つ。
【0096】
ガイドロープ13及び/又はテンショニング手段10は、例えば、
図5のテンショニング装置に関連して既に説明したように、(固定ユニット12cによって示される)ピン等によって、又は搬送装置によって、所望の位置に固定され得る、非常に異なる方法で固定されてもよい。
【0097】
既に上述したように、ガイドレール14は、貨物が固定されているか、または地面に立っているオペレータがガイドロープに到達できるように、輸送ワゴンの長手方向面から反対側の長手方向面まで十分に遠くまで延びていれば十分である。
【0098】
また、
図3dによるさらなる実施形態では、剛体の側壁部16が長手方向の一方の側面に設けられることが考えられるが、この剛体の側壁部16は、その長手方向の一方の側面にワゴンフレーム9の載荷台を区画する。この剛性側壁から、テンショニング手段は、少なくとも、荷重が固定され、地面に立っているオペレータによってガイドロープに到達することができる程度に巻き付けることができる。
本発明によれば、少なくとも1つの保持アーム(
図2a、
図2b参照)を備えた搬送装置と、少なくとも1つの保持フレーム(
図3a~
図3c参照)を備えた搬送装置の両方を、積載された貨物を部分的に又は完全に巻き付けるために使用することができる。
【0099】
所望の位置におけるテンショニング手段の固定は、上述の実施形態の各々において、テンショニング手段を所望の位置に保持する搬送装置自体と協働して、または追加の固定ユニットによって達成されてもよい。後者は、特に、ピン、フック等を備えることができる機械的固定ユニット12c(
図4a及び
図4b参照)として構成することができる。
【0100】
もちろん、
図2a及び
図2bにおける第1の変形例におけるガイドバーの代わりにガイドロープを使用することもできる。同様に、逆もまた、
図3a~
図3dの第2の変形例では、ガイドロープの代わりにガイドバーを設けることが好都合である。
【0101】
最後に、
図3は、本発明のさらなる特徴を示す。特に、長手方向軸の方向に10メートル以上の長さを有する積載領域を有する輸送貨車では、ガイドバー3又はガイドロープ13が、横側部品(サイドパーツ)間に配置された追加の支持ブラケット50を介して支持されることが好都合であり得る。この支持ブラケット50は、
図3aの二重矢印で示すように、ある位置に固定して輸送ワゴンに連結することができるか、または、積載領域に対して長手方向軸Lの方向に移動可能であることができる。
支持ブラケット50は、作動可能な駆動装置(図示せず)によって、またはユーザによって手動で、対応して動かすことができる。支持ブラケットはまた、例えば、駆動装置を介して、または支持ブラケットをワゴンフレームの所定の位置に固定することができるピンなどの固定手段の形態の追加の固定を介して、所望の位置に固定することができる。
【0102】
支持ブラケット50は、横側部品と同様に、ガイドバー又はガイドロープを適宜ずらすことができるように、ガイド部12を備えた少なくとも1つの保持フレーム(
図3a~
図3c参照)を備えた搬送装置を有することができる(
図3aの矢印で示す)。さらに、横側部品と同様に、載荷台に対して垂直な方向Zに調節可能であり、特に、図示のように、支持ブラケット50の方向Zに延びる支柱は、伸縮自在に構成可能である。このようにして、異なる負荷状態への均一な適応を達成することができる。
【0103】
本発明によれば、有利には、1人のユーザが、載荷台上に積載された貨物の周りに複数のストラップ状テンショニング手段を同時に張り付けて、載荷台を固定することができることを保証することが可能である。その結果、貨物を固定するための多大な労力の先行技術から知られている欠点が回避され、同時に、非常に異なる荷重を固定するための既知のテンショニング手段の改善された柔軟性が提供される。
【0104】
積載され固定された貨物を天候、特に雨からさらに保護するために、例えば先行技術(例えば米国特許第8,226,150号または米国特許第7,189,042号参照)から知られているように、自動防水カバーをさらに設けることができる。
【0105】
このような防水シートカバーの考えられる設計変形例では、同様に、防水シートカバーをストラッピングシステムに結合して、このようにして、積載された貨物をテンショニング手段で同時に固定し、積載された貨物を雨から保護することが可能である。
したがって、例えば、テンショニング手段と同様に、(追加の)被覆防水シートを、載荷台の長手方向側部からストラッピングシステムの搬送ユニットによって搬送し、荷積みされた貨物の周りに少なくとも部分的に案内することが可能である。
【0106】
一例として、被覆防水シート装置70のさらなる代替構成が
図7aおよび
図7bに示されている。したがって、伸縮アーム71は、横方向の側部1に取り付けられ、取り付けブラケット72が、それぞれのアーム71に固定される。2つの取付けブラケット72は、次に、上から被覆防水シート74を適用または固定するためにクロスバー73に接続される。
クロスバー73は、図示された実施形態の変形例では入れ子式に構成されており、したがって、長手方向軸Lに対して横方向、特に垂直方向の範囲を長くするか、または短くすることができる。このために、クロスバー73には、互いに対して移動可能な少なくとも2つの部分が設けられており、クロスバー部分の1つは、少なくとも収縮状態で、それぞれ他のクロスバー部分に部分的に受け入れられている。上側被覆防水シート74は、巻き戻し可能に構成することができ、したがって、さらに巻き戻すか、または再び巻き上げることができる。
【0107】
長手方向軸Lに対して横方向に長く延長されたこの設計変形は、ストラッピング装置のテンショニング手段を張りながら搬送ユニットが妨げられないようにすることを可能にする。この場合、上部被覆防水シート74は、取り付けブラケット72の1つに配置されたシャフトから巻き戻すことができる。あるいは、上部被覆防水シート74は、取り付けブラケット72の間の中央に配置された(かつ、長手方向Lに延びる)軸から軸対称に配置された軸(
図7a参照)から伸ばされ、バックアップされることもできる。
【0108】
巻き上げられ、巻き戻されることができる上部被覆防水シートの代替として、被覆防水シートはまた、上部被覆防水シートが、クロスバー部分の完全に伸長した状態で、クロスバー部分によって運ばれ、長手方向軸Lに対して横方向に、特に垂直に張力をかけられるように寸法決めされた重複ポケット(ベローに類似する)を有するように構成されてもよく、引っ込められた状態で、重複ポケットが形成され、すなわち、被覆防水シートは、被覆防水シートの部分が重なる領域を有する。
したがって、重複ポケットは、特に、一方のクロスバー部分がそれぞれ他方のクロスバー部分に受け入れられる領域に形成することができる。この場合、他方のクロスバー部分に対して移動可能な一方のクロスバー部分は、他方のクロスバー部分内への引き込み移動中に上部カバーシートに沿って運ぶことができ、その結果、重なり合うポケットを形成する。
また、上部被覆防水シートは、剛体屋根部分の形態であってもよく、さらに、上述のように重複ポケットを形成するための可撓性部分を有してもよい。
【0109】
もちろん、例えば、弾性の上部被覆防水シートまたは被覆防水シートの弾性部分を用いた別の解決策も同様に考えられる。
【0110】
上部被覆防水シート74の形状および長手方向軸Lを横切る方向にその範囲を適合させるための上部被覆防水シートの機構に応じて、被覆防水シートの両側端部を関連する取付けブラケット72に固定して固定すること、上部被覆防水シート74の一方の自由端部をそれぞれ他方の取付けブラケット72に解放可能に固定すること、または上部被覆防水シート74の対称に配置された両自由端部を2つの関連する取付けブラケット72に解放可能に固定することが可能である。
【0111】
被覆防水シート配置70の側部75は、例えば駆動装置としての電動モータによって取付ブラケット72の上部または内部に位置する軸上に巻き上げられ、この軸から巻き上げられることができる。側部75の下端には、保持バー76を追加的に配置することができ、これにより、側部75の規定された位置およびテンショニングが可能になる。展開状態では、側部75の自由端は、載荷台またはそれに隣接する領域に解放可能に固定することができる。
【0112】
上部被覆防水シート74の自由端と同様に、側部75の自由端も、例えばフック77によって解放可能に固定することができる。
【0113】
上部被覆防水シート74および側部75は、駆動装置、例えば電動機などによって巻き上げたり巻き戻したりすることができる。手動で巻き上げ、展開することも考えられる。さらに、被覆防水シート配置70の部品74、75がロールされる関連軸に、例えば上述したストラップ状のテンショニング手段と関連して、展開された被覆防水シート部分を自動的に戻すスプリングシステム(戻しスプリング)を設けることも可能である。
【0114】
横方向側部1には、さらに、保持バー76の端部および/または側部75の代替部分がガイドされる走行レール79を設けることが可能である。同じことが、上部被覆防水シート74のガイドについても言える。