(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電磁波シールドフィルム
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20250109BHJP
B32B 7/025 20190101ALI20250109BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H05K9/00 Q
B32B7/025
H05K3/00 R
(21)【出願番号】P 2022503671
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2021006983
(87)【国際公開番号】W WO2021172396
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-26
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2020029765
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000108742
【氏名又は名称】タツタ電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】香月 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】田島 宏
(72)【発明者】
【氏名】春名 裕介
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】伊藤 隆夫
【審判官】北元 健太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/147426(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 1/02
B32B 7/025
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性接着剤層、シールド層、および絶縁層がこの順に積層され、
前記絶縁層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さに対する、前記導電性接着剤層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さの比[導電性接着剤層/絶縁層]が、
0.5以上であり、
グランド部材を電磁波シールドフィルムの上に配置し、前記グランド部材の突起が前記絶縁層を貫くように押し付けて使用される、電磁波シールドフィルム。
【請求項2】
前記絶縁層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さが3~150N/mm
2である、請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
【請求項3】
前記導電性接着剤層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さが20~200N/mm
2である、請求項1または2に記載の電磁波シールドフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波シールドフィルムに関する。より詳細には、本発明は、プリント配線板に使用される電磁波シールドフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板は、携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、機構の中に回路を組み込むために多用されている。また、プリンターヘッドのような可動部と制御部との接続にも利用されている。これらの電子機器では、電磁波シールド対策が必須となっており、装置内で使用されるプリント配線板においても、電磁波シールド対策を施したシールドプリント配線板が用いられている。
【0003】
一般的なシールドプリント配線板は、通常、ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けられた基体フィルムと、接着剤層、上記接着剤層に積層されたシールド層、および上記接着剤層に積層された絶縁層からなり、上記接着剤層が上記基体フィルムと接するように上記基体フィルムに積層された電磁波シールドフィルムと(以下、単に「シールドフィルム」と称する場合がある)から構成される。
【0004】
プリント回路にはグランド回路が含まれており、グランド回路は、アースを取るために電子機器の筐体と電気的に接続されている。グランド回路と電子機器の筐体とを電気的に接続するためには、絶縁フィルムおよびシールドフィルムの一部にあらかじめ孔をあける必要があった。このことは、プリント回路を設計する上で、自由度を妨げる要因となっていた。
【0005】
特許文献1には、セパレートフィルムの片面に絶縁層(カバーフィルム)をコーティングして形成し、上記絶縁層の表面に金属薄膜層と接着剤層とで構成されるシールド層を設け、一端側に、上記絶縁層に押し付けられて上記絶縁層を突き抜けて上記シールド層に接続される突起や導電性フィラー(接続部)を有し、他端側が露出してその近傍のグランド部に接続可能に形成されたグランド部材を有しているシールドフィルムが開示されている。
【0006】
特許文献1に記載のシールドフィルムを作製する際には、グランド部材の突起や導電性フィラーが絶縁層を貫くように、グランド部材が絶縁層に押し付けられる。これにより、グランド部材とシールド層とが電気的に接続されるため、グランド部材は、シールドフィルムの任意の位置に配置することができる。このようなグランド部材を用いて、シールドプリント配線板を製造すると、任意の位置で、グランド回路と、電子機器の筐体を電気的に接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、グランド部材の突起が充分に絶縁層を貫けずシールドフィルムのシールド層と充分に接触できていないことがあった。また、グランド部材の突起や導電性フィラー(以下、単に「突起」という)が充分に絶縁層を貫いた場合であっても、グランド部材の突起がシールド層と共にシールド層の背面側に位置する導電性接着剤層を押し込んで変形させてしまい、導電性接着剤層中の導電性フィラーが突起により押しのけられ、導電性フィラーが動いて回路から離れることがあった。これらの場合、電気抵抗値が上昇してしまい、グランド部材とシールドフィルムとプリント配線板の回路との接続が損なわれるという問題がある。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、グランド部材を電磁波シールドフィルムの上に配置する際に、容易にグランド部材とシールド層の間で優れた導電性を発揮させることができる電磁波シールドフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シールドフィルムにおける絶縁層と導電性接着剤層の、微小領域の硬さを示す指標であるマルテンス硬さの関係性を特定することにより、グランド部材を電磁波シールドフィルムの上に配置する際に、容易にグランド部材とシールド層の間で優れた導電性を発揮させることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0011】
すなわち、本発明は、導電性接着剤層、シールド層、および絶縁層がこの順に積層され、上記絶縁層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さに対する、上記導電性接着剤層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さの比[導電性接着剤層/絶縁層]が、0.3以上である、電磁波シールドフィルムを提供する。
【0012】
上記電磁波シールドフィルムにおいて、上記マルテンス硬さの比が0.3以上であることは、絶縁層に対して、導電性接着剤層のマルテンス硬さが比較的大きいことを示す。グランド部材の突起が絶縁層を貫くように押しつけられる際、突起から、積層された絶縁層、シールド層、および導電性接着剤層に対して局所的に圧力がかかる。この際、絶縁層のマルテンス硬さが比較的低いことにより、上記圧力が絶縁層に局所的にかかり、グランド部材の突起は容易に絶縁層を貫くことができる。そして、グランド部材の突起が絶縁層を貫いてシールド層に接触した際、シールド層の背面側に位置する導電性接着剤層のマルテンス硬さが比較的高いことにより、シールド層を介して局所的にかかった圧力によっても導電性接着剤層が変形しにくく、導電性接着剤層中の導電性粒子とシールド層、または導電性粒子とプリント配線板との接触が損なわれにくい。このため、上記構造を有する電磁波シールドフィルムは、絶縁層を貫いたグランド部材の突起が安定してシールド層に接触でき、グランド部材を電磁波シールドフィルムの上に配置する際に、容易にグランド部材とシールド層の間で優れた導電性を発揮させることができる。
【0013】
上記絶縁層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さは3~150N/mm2であることが好ましい。このような構成を有する電磁波シールドフィルムは、絶縁層の局所的な硬さが適度となるため、グランド部材の突起が容易に絶縁層を貫くことができる。
【0014】
上記導電性接着剤層のISO14577-1に基づくマルテンス硬さは20~200N/mm2であることが好ましい。このような構成を有する電磁波シールドフィルムは、導電性接着剤層の局所的な硬さが適度となるため、グランド部材の突起がシールド層を押し込んだ際、導電性接着剤層が変形しにくく、或いは変形したとしても元に戻りやすく、導電性接着剤層中の導電性粒子とシールド層、または導電性粒子とプリント配線板との接触が損なわれにくい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電磁波シールドフィルムは、グランド部材を電磁波シールドフィルムの上に配置する際に、容易にグランド部材とシールド層の間で優れた導電性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の電磁波シールドフィルムの一実施形態を示す断面模式図である。
【
図2】本発明の電磁波シールドフィルムを用いたシールドプリント配線板の一実施形態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[電磁波シールドフィルム]
本発明の電磁波シールドフィルムは、導電性接着剤層と、電磁波を遮断するための層であるシールド層と、絶縁層とを備える。
【0018】
本発明の電磁波シールドフィルムの一実施形態について、以下に説明する。
図1は、本発明の電磁波シールドフィルムの一実施形態を示す断面模式図である。
【0019】
図1に示すシールドフィルム1は、導電性接着剤層11と、導電性接着剤層11の表面に形成されたシールド層12と、シールド層12の表面に形成された絶縁層13とを有する。すなわち、シールドフィルム1において、導電性接着剤層11、シールド層12、および絶縁層13は、この順に積層されている。なお、導電性接着剤層11とシールド層12、シールド層12と絶縁層13は、接触するように積層されていなくてもよい。すなわち、導電性接着剤層とシールド層との間、またはシールド層と絶縁層との間に任意の層を少なくとも1層を設けてもよい。
【0020】
上記絶縁層のマルテンス硬さに対する、上記導電性接着剤層のマルテンス硬さの比[導電性接着剤層/絶縁層]は、0.3以上であり、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは1.0以上である。上記マルテンス硬さはISO14577-1に基づいて測定される値である。
【0021】
本発明の電磁波シールドフィルムにおいて、上記マルテンス硬さの比が0.3以上であることは、絶縁層に対して、導電性接着剤層のマルテンス硬さが比較的大きいことを示す。グランド部材の突起が絶縁層を貫くように押しつけられる際、突起から、積層された絶縁層、シールド層、および導電性接着剤層に対して局所的に圧力がかかる。この際、絶縁層のマルテンス硬さが比較的低いことにより、上記圧力が絶縁層に局所的にかかり、グランド部材の突起は容易に絶縁層を貫くことができる。そして、グランド部材の突起が絶縁層を貫いてシールド層に接触した際、シールド層の背面側に位置する導電性接着剤層のマルテンス硬さが比較的高いことにより、シールド層を介して局所的にかかった圧力によっても導電性接着剤層が変形しにくく、導電性接着剤層中の導電性粒子とシールド層、または導電性粒子とプリント配線板との接触が損なわれにくい。このため、上記構造を有する電磁波シールドフィルムは、絶縁層を貫いたグランド部材の突起が安定してシールド層に接触でき、グランド部材を電磁波シールドフィルムの上に配置する際に、容易にグランド部材とシールド層の間で優れた導電性を発揮させることができる。
【0022】
上記マルテンス硬さの比[導電性接着剤層/絶縁層]は、例えば50.0以下であり、好ましくは10.0以下、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.0以下である。
【0023】
(導電性接着剤層)
導電性接着剤層11は、例えば本発明の電磁波シールドフィルムをプリント配線板に接着するための接着性と導電性を有する。上記導電性接着剤層は、電磁波シールド層と隣接して形成されていることが好ましい。上記導電性接着剤層は、単層、複層のいずれであってもよい。
【0024】
上記導電性接着剤層は、バインダー成分および導電性粒子を含有することが好ましい。
【0025】
上記バインダー成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型化合物などが挙げられる。上記バインダー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0026】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂組成物等)、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0027】
上記熱硬化型樹脂としては、熱硬化性を有する樹脂(熱硬化性樹脂)および上記熱硬化性樹脂を硬化して得られる樹脂の両方が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂などが挙げられる。上記熱硬化型樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0028】
上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ系樹脂、スピロ環型エポキシ系樹脂、ナフタレン型エポキシ系樹脂、ビフェニル型エポキシ系樹脂、テルペン型エポキシ系樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ系樹脂、グリシジルアミン型エポキシ系樹脂、ノボラック型エポキシ系樹脂などが挙げられる。
【0029】
上記ビスフェノール型エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ系樹脂、ビスフェノールF型エポキシ系樹脂、ビスフェノールS型エポキシ系樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ系樹脂などが挙げられる。上記グリシジルエーテル型エポキシ系樹脂としては、例えば、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどが挙げられる。上記グリシジルアミン型エポキシ系樹脂としては、例えばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。上記ノボラック型エポキシ系樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ系樹脂、フェノールノボラック型エポキシ系樹脂、α-ナフトールノボラック型エポキシ系樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ系樹脂などが挙げられる。
【0030】
上記エポキシ系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ樹脂(アクリル変性エポキシ樹脂)等の、エポキシ基の他に自己反応性を有する変性部を含むエポキシ樹脂(変性エポキシ樹脂)であってもよい。このような変性エポキシ樹脂を用いる場合、架橋を利用して導電性接着剤層のマルテンス硬さを適度な範囲とすることが容易となる。
【0031】
上記活性エネルギー線硬化型化合物は、活性エネルギー線照射により硬化し得る化合物(活性エネルギー線硬化性化合物)および上記活性エネルギー線硬化性化合物を硬化して得られる化合物の両方が挙げられる。活性エネルギー線硬化性化合物としては、特に限定されないが、例えば、分子中に1個以上(好ましくは2個以上)のラジカル反応性基(例えば、(メタ)アクリロイル基)を有する重合性化合物などが挙げられる。上記活性エネルギー線硬化型化合物は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0032】
上記バインダー成分としては、中でも、熱硬化型樹脂が好ましい。この場合、プリント配線板に接着するために本発明の電磁波シールドフィルムをプリント配線板上に配置した後、加圧および加熱によりバインダー成分を硬化させることができ、プリント配線板との接着性が良好となる。
【0033】
上記バインダー成分が熱硬化型樹脂を含む場合、上記バインダー成分を構成する成分として、熱硬化反応を促進するための硬化剤を含んでいてもよい。上記硬化剤は、上記熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。上記硬化剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0034】
上記導電性接着剤層におけるバインダー成分の含有割合は、特に限定されないが、導電性接着剤層の総量100質量%に対して、5~60質量%が好ましく、より好ましくは10~50質量%、さらに好ましくは20~45質量%である。上記含有割合が5質量%以上であると、プリント配線板に対する密着性により優れる。上記含有割合が60質量%以下であると、導電性粒子を充分に含有させることができる。
【0035】
上記導電性粒子としては、例えば、金属粒子、金属被覆樹脂粒子、金属繊維、カーボンフィラー、カーボンナノチューブなどが挙げられる。上記導電性粒子は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0036】
上記金属粒子および上記金属被覆樹脂粒子の被覆部を構成する金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、亜鉛などが挙げられる。上記金属は一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0037】
上記金属粒子としては、具体的には、例えば、銅粒子、銀粒子、ニッケル粒子、銀被覆銅粒子、金被覆銅粒子、銀被覆ニッケル粒子、金被覆ニッケル粒子、銀被覆合金粒子などが挙げられる。上記銀被覆合金粒子としては、例えば、銅を含む合金粒子(例えば、銅とニッケルと亜鉛との合金からなる銅合金粒子)が銀により被覆された銀被覆銅合金粒子などが挙げられる。上記金属粒子は、電解法、アトマイズ法、還元法などにより作製することができる。
【0038】
上記金属粒子としては、中でも、銀粒子、銀被覆銅粒子、銀被覆銅合金粒子が好ましい。導電性に優れ、金属粒子の酸化および凝集を抑制し、且つ金属粒子のコストを下げることができる観点から、特に、銀被覆銅粒子、銀被覆銅合金粒子が好ましい。
【0039】
上記導電性粒子の形状としては、球状、フレーク状(鱗片状)、樹枝状、繊維状、不定形(多面体)などが挙げられる。
【0040】
上記導電性粒子のメディアン径(D50)は、1~50μmであることが好ましく、より好ましくは3~40μmである。上記メディアン径が1μm以上であると、導電性粒子の分散性が良好で凝集が抑制でき、また酸化されにくい。上記平均粒径が50μm以下であると、導電性が良好となる。上記メディアン径は、体積基準の粒度分布より測定することができる。
【0041】
上記導電性接着剤層は、必要に応じて等方導電性または異方導電性を有する層とすることができる。上記導電性接着剤層は、中でも、プリント配線板の信号回路で伝送される高周波信号の伝送特性が向上する観点から、異方導電性を有することが好ましい。
【0042】
上記導電性接着剤層における導電性粒子の含有割合は、特に限定されないが、導電性接着剤層の総量100質量%に対して、2~80質量%が好ましく、より好ましくは5~60質量%、さらに好ましくは10~40質量%である。上記含有割合が2質量%以上であると、導電性がより良好となる。上記含有割合が80質量%以下であると、バインダー成分を充分に含有させることができ、プリント配線板に対する密着性がより良好となる。
【0043】
上記導電性接着剤層は、導電性粒子以外のフィラー(充填剤)を含むことが好ましい。フィラーを配合することで、導電性接着剤層のマルテンス硬さを調節することができる。上記フィラーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0044】
上記フィラーとしては、無機フィラーまたは有機フィラーを用いることができる。導電性接着剤層のマルテンス硬さを高くする観点から、無機フィラーや架橋性樹脂粒子からなる有機フィラー、有機リン系化合物が好ましい。無機フィラーとしては、例えば、シリカ、酸化ホウ素、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物;赤リン等のリン化合物;炭化珪素、炭化ホウ素、炭化チタン等の金属炭化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の金属窒化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩などが挙げられる。架橋性樹脂粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;アクリレートとジビニルベンゼンとの共重合樹脂、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。有機リン系化合物としては、リン酸エステル、ホスフィン酸金属塩等のリン系化合物などが挙げられる。有機フィラーがリン酸エステル、ホスフィン酸金属塩等のリン系化合物である場合には、難燃剤としての機能も併せ持つため、マルテンス硬さを制御させつつ、同時に難燃性も付与することができる。
【0045】
上記フィラーのメディアン径(D50)は、導電性接着剤層のマルテンス硬さの制御を容易にすることができる観点から、0.01~100μmであることが好ましく、より好ましくは1~20μmである。上記メディアン径は、体積基準の粒度分布より測定することができる。
【0046】
上記導電性接着剤層における上記フィラーの含有割合は、特に限定されないが、導電性接着剤層の総量100質量%に対して、1~70質量%が好ましく、より好ましくは10~60質量%、さらに好ましくは35~50質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、導電性およびプリント配線板との密着性を維持しつつ、マルテンス硬さを適度な範囲内で容易に調節することができる。
【0047】
上記導電性接着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記の各成分以外のその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、公知乃至慣用の接着剤層に含まれる成分が挙げられる。上記その他の成分としては、例えば、上記フィラーに該当しない難燃剤、難燃助剤、消泡剤、粘度調整剤、酸化防止剤、希釈剤、沈降防止剤、着色剤、レベリング剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、粘着付与樹脂などが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0048】
上記導電性接着剤層のマルテンス硬さは、20~200N/mm2であることが好ましく、より好ましくは30~180N/mm2、さらに好ましくは50~170N/mm2である。上記マルテンス硬さが上記範囲内であると、導電性接着剤層の局所的な硬さが適度となるため、グランド部材の突起がシールド層を押し込んだ際、導電性接着剤層が変形しにくく、或いは変形したとしても元に戻りやすく、導電性接着剤層とシールド層、または導電性粒子とプリント配線板との接触が損なわれにくい。また、上記マルテンス硬さが200N/mm2以下であると、プリント配線板との密着性が良好となる。上記導電性接着剤層のマルテンス硬さは、ISO14577-1に基づいて測定される値であり、シールド層側となる表面にて測定される。
【0049】
上記導電性接着剤層の厚さは、3~20μmであることが好ましく、より好ましくは5~15μmである。上記厚さが3μm以上であると、内部で発生する高周波帯の電磁波を遮蔽するシールドフィルムとしてより充分なシールド性能を発揮することができる。上記厚さが20μm以下であると、シールドフィルムの柔軟性に優れる。
【0050】
(シールド層)
シールド層12は、導電性接着剤層11の表面に形成されている。上記シールド層としては、電磁波シールド性を有する公知乃至慣用のシールド層が使用できる。上記シールド層は、中でも、金属層を含むことが好ましい。上記シールド層は、単層、複層のいずれであってもよい。
【0051】
上記金属層を構成する金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ、パラジウム、クロム、チタン、亜鉛、またはこれらの合金などが挙げられる。上記金属層としては、金属板または金属箔であることが好ましい。すなわち、上記金属層としては、銅板(銅箔)、銀板(銀箔)が好ましい。
【0052】
上記シールド層の厚さは、0.01~10μmであることが好ましい。上記厚さが0.01μm以上であると、より充分なシールド性能を得ることができる。上記厚さが10μm以下であると、屈曲性がより良好となる。
【0053】
(絶縁層)
絶縁層13は、シールド層12の表面に形成されている。絶縁層13は、絶縁性を有し、本発明の電磁波シールドフィルム1において導電性接着剤層11およびシールド層12を保護する機能を有する。上記絶縁層は、単層、複層のいずれであってもよい。
【0054】
上記絶縁層はバインダー成分を含むことが好ましい。上記バインダー成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型化合物などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、および活性エネルギー線硬化型化合物としては、それぞれ、上述の導電性接着剤層が含み得るバインダー成分として例示されたものが挙げられる。上記バインダー成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。上記バインダー成分は、中でも、熱硬化型樹脂および活性エネルギー線硬化型化合物を含むことが好ましい。
【0055】
上記絶縁層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記バインダー成分以外のその他の成分を含有していてもよい。上記その他の成分としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、消泡剤、粘度調整剤、酸化防止剤、希釈剤、沈降防止剤、充填剤、着色剤、レベリング剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、粘着付与樹脂などが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0056】
上記絶縁層のマルテンス硬さは、3~200N/mm2であることが好ましく、より好ましくは30~150N/mm2、さらに好ましくは50~140N/mm2、特に好ましくは70~130N/mm2である。上記マルテンス硬さが上記範囲内であると、絶縁層の局所的な硬さが適度となるため、グランド部材の突起が容易に絶縁層を貫くことができる。上記マルテンス硬さが3N/mm2以上であると、絶縁層表面が適度に硬いため、グランド部材の突起を保護層に突き刺しやすい。上記マルテンス硬さが200N/mm2以下であると、絶縁層表面が適度にやわらかいため、グランド部材の突起が絶縁層容易に貫くことができる。上記絶縁層のマルテンス硬さは、例えば、上記絶縁層を構成する熱硬化性成分の硬化度や硬化剤の種類、あるいはバインダー成分の種類などの設計により調節することができる。上記絶縁層のマルテンス硬さは、ISO14577-1に基づいて測定される値であり、絶縁層におけるシールド層側とは反対側の表面にて測定される。
【0057】
上記絶縁層の厚さは、1~15μmであることが好ましく、より好ましくは3~10μmである。上記厚さが1μm以上であると、より充分にシールド層および導電性接着剤層を保護することができる。上記厚さが15μm以下であると、柔軟性に優れ、また経済的にも有利である。
【0058】
本発明の電磁波シールドフィルムは、上記各層以外のその他の層を有していてもよい。上記その他の層としては、例えば、上記絶縁層と上記シールド層の間に設けられる、アンカーコート層が挙げられる。上記アンカーコート層を有する場合、上記絶縁層と上記シールド層の密着性がより良好となる。
【0059】
上記アンカーコート層を形成する材料としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂をシェルとしアクリル系樹脂をコアとするコア・シェル型複合樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素ホルムアルデヒド系樹脂、ポリイソシアネートにフェノール等のブロック化剤を反応させて得られたブロックイソシアネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。上記材料は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0060】
本発明の電磁波シールドフィルムは、絶縁層側および/または導電性接着剤層側にセパレータ(剥離フィルム)を有していてもよい。セパレータは、本発明の電磁波シールドフィルムから剥離可能なように積層される。セパレータは、上記絶縁層や上記導電性接着剤層を被覆して保護するための要素であり、本発明の電磁波シールドフィルムを使用する際には剥がされる。
【0061】
上記セパレータとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素系剥離剤や長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙類などが挙げられる。
【0062】
上記セパレータの厚さは、10~200μmであることが好ましく、より好ましくは15~150μmである。上記厚さが10μm以上であると、保護性能により優れる。上記厚さが200μm以下であると、使用時にセパレータを剥離しやすい。
【0063】
本発明の電磁波シールドフィルムは、プリント配線板用途であることが好ましく、フレキシブルプリント配線板(FPC)用途であることが特に好ましい。本発明の電磁波シールドフィルムは、フレキシブルプリント配線板用の電磁波シールドフィルムとして好ましく使用することができる。
【0064】
[シールドプリント配線板]
図2に、本発明の電磁波シールドフィルムであるシールドフィルム1を備えたシールドフィルムプリント配線板の一実施形態を示す。
図2に示すシールドプリント配線板Xは、プリント配線板2と、シールドフィルム1と、グランド部材3と、を有している。そして、プリント配線板2の下面に設けられた実装部位には電子部品4が接続されるようになっている。また、シールドフィルム1は、プリント配線板2上に設けられており、電子部品4が接続される実装部位に対向する領域まで配置されている。これにより、シールドフィルム1を利用して電子部品4の実装部位に対する外部からの電磁波などのノイズを遮蔽している。
【0065】
グランド部材3は、シールドフィルム1上に設けられており、電子部品4が接続される実装部位に対向配置されている。
図2では、グランド部材3は、導電性基材31および導電性接着剤32から構成され、導電性接着剤32の接着剤3aによって、シールドフィルム1の絶縁層13上に貼り付けられている。導電性接着剤32に含まれる導電性粒子3bは、導電性接着剤32に含まれる接着剤3aから突出している。そして、導電性接着剤32を介して接着された導電性基材31は、導電性粒子3bと接触している。一方、導電性接着剤32の下面から突出した導電性粒子3bは、グランド部材3に備えられた突起として、シールドフィルム1の絶縁層13を突き破り、その下のシールド層12に接触している。これにより、導電性接着剤32の導電性粒子3bを介して導電性基材31とシールドフィルム1のシールド層12とが導通状態になり、導電性を有するグランド部材3とシールド層12とを同電位にすることができる。従って、導電性を有するグランド部材3にシールド効果をもたせることができるようになっている。そして、グランド部材3がシールド層12と接触することにより、グランド部材3は、電子部品4の実装部位を補強する役割と、電子部品4の実装部位に対する外部からの電磁波などのノイズを遮蔽する役割の二重の機能を少なくとも有することができるようになっている。
【0066】
なお、グランド部材3の突起がシールドフィルム1の絶縁層13を貫いてシールド層12に接触した状態は、
図2のように、導電性接着剤32の導電性粒子3bが突起として作用する態様に限定されない。例えば、グランド部材は金属箔等の導電性基材31が折り曲げられて構成されており、そして導電性接着剤32を介さずに絶縁層13上に積層されており、上記導電性基材31の山折り部がグランド部の突起として作用し、絶縁層13を貫いてシールド層12に接触する態様が挙げられる。さらに他の態様としては、グランド部材は金属箔等の導電層から形成されており、当該導電層の一方の面に一体的または非一体的に金属等の導電性突起が設けられており、そして導電性接着剤32を介さずに絶縁層13上に積層されており、上記導電性突起がグランド部の突起として作用し、絶縁層13を貫いてシールド層12に接触する態様が挙げられる。上記導電性突起の形状は、円柱や角柱等の柱状、円錐や角錐等の錐状が挙げられる。
【0067】
プリント配線板2は、ベース部材21と、ベース部材21の表面に部分的に設けられた回路パターン23と、回路パターン23を覆い絶縁保護する絶縁保護層(カバーレイ)24と、回路パターン23を覆い且つ回路パターン23およびベース部材21と絶縁保護層24とを接着するための接着剤層22と、を有する。回路パターン23は、複数の信号回路23aおよびグランド回路23bを含む。グランド回路23b上の接着剤層22および絶縁保護層24には、シールドフィルム1の導電性接着剤層11との導通を確保する目的でスルーホール25が形成されている。
【0068】
図2に示すシールドプリント配線板Xは、グランド部材3をシールドフィルム1上に設置した後、加熱プレスすることにより作製することができる。上記加熱プレスは、温度150~190℃程度、圧力1~3MPa程度、時間1~60分程度の条件で行うことが一般的である。なお、硬化を促進させるため、加熱プレス後に150~190℃で30~90分間ポストキュアを行うこともある。
【実施例】
【0069】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の相対的な配合量であり、特記しない限り「質量部」で表す。
【0070】
実施例1
(1)絶縁層の形成
基材であるセパレートフィルムの離型処理面上に、アクリル変性エポキシ樹脂およびアクリル系樹脂からなる樹脂組成物を表1に示す割合で調製し、形成される絶縁層の厚さが3μmになるように上記樹脂組成物を塗布し、100℃で120秒加熱処理して絶縁層を形成した。
【0071】
(2)シールド層の形成
上記で得られた絶縁層上に、蒸着法により厚さが0.1μmの銀層を形成した。
【0072】
(3)導電性接着剤層および電磁波シールドフィルムの形成
リン系難燃剤およびアクリル変性エポキシ樹脂を含有する組成物に、銀被覆銅粉末を、導電性接着剤層における含有割合が20質量%となるように添加し、接着剤組成物を調製した。そして、上記で得られたシールド層上に、厚さが15μmとなるように上記接着剤組成物をコーティングし、塗膜を形成した。コーティング方法としては、リップコート方式を用いた。そして、100℃で30秒加熱処理を施すことで、上記塗膜の溶媒成分を揮発させ、導電性接着剤層を形成した。
以上のようにして、導電性接着剤層/シールド層/絶縁層の構成からなる電磁波シールドフィルムを作製した。
【0073】
実施例2~7および比較例1
絶縁層および導電性接着剤層を構成する成分について、表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、電磁波シールドフィルムを作製した。
【0074】
(評価)
実施例および比較例で得られた各電磁波シールドフィルムについて以下の通り評価した。評価結果は表1に記載した。
【0075】
(1)絶縁層のマルテンス硬さ
実施例および比較例でそれぞれ得られた各電磁波シールドフィルムについて、1mm四方の試験サンプルを切り出し、絶縁層上のセパレータを剥離し、絶縁層表面について、ダイナミック微小硬度計(商品名「DUH-211」、株式会社島津製作所製)を用い、以下の条件で、マルテンス硬さの測定を行った。
圧子形状:三角錐(115°)
測定方法:単一押し込み測定
測定温度:23℃
荷重:0.10mN
負荷速度:0.0060mN/s
負荷保持時間:2s
除荷保持時間:0s
【0076】
(2)導電性接着剤層のマルテンス硬さ
実施例および比較例でそれぞれ作製した各導電性接着剤層について、絶縁層のマルテンス硬さと同様にしてマルテンス硬さを測定した。
【0077】
(3)接続抵抗値
i)グランド部材の作製
エポキシ樹脂組成物に、銀被覆ニッケル粉末(平均粒子径28μm)を、導電性接着剤層における含有割合が35質量%となるように添加し、接着剤組成物を調製した。そして、厚さ0.2mmのSUSシート上に、形成される導電性接着剤層の厚さが30μmとなるように上記接着剤組成物をコーティングした。そして、100℃で30秒加熱処理を施すことで、塗膜の溶媒成分を揮発させ、導電性接着剤層を形成した。以上のようにして、SUSシート/導電性接着剤層からなるグランド部材を作製した。
ii)接続抵抗値測定
上記で得られたグランド部材を10mm四方の試験サンプルに切り出し、実施例および比較例でそれぞれ得られた各電磁波シールドフィルムにおける絶縁層表面に10mm間隔に設置し、加熱プレスすることで接合させて、測定用サンプルを作製した。上記加熱プレスは、温度170℃、圧力3MPa、時間30分の条件で行い、その後150℃で30分間ポストキュアを行った。そして、隣接するグランド部材間の接続抵抗値について、電磁波シールドフィルムのシールド層を介して測定した。
【0078】
【0079】
本発明の電磁波シールドフィルム(実施例)は、隣接するグランド部材間の接続抵抗値が低く、グランド部材とシールド層の間で優れた導電性を発揮できるものと判断された。一方、絶縁層のマルテンス硬さに対する導電性接着剤層のマルテンス硬さの比が0.3未満である場合(比較例1)、隣接するグランド部材間における接続抵抗値が測定限界を超えていた。
【符号の説明】
【0080】
1 電磁波シールドフィルム
11 導電性接着剤層
12 シールド層
13 絶縁層
X シールドプリント配線板
2 プリント配線板
21 ベース部材
22 接着剤層
23 回路パターン
23a 信号回路
23b グランド回路
24 絶縁保護層(カバーレイ)
25 スルーホール
3 グランド部材
31 導電性基材
32 導電性接着剤
3a 接着剤
3b 導電性粒子
4 電子部品