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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】コネクタピン
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/04 20060101AFI20250109BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20250109BHJP
   A47G 27/04 20060101ALI20250109BHJP
   E04F 15/02 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
F16B21/04 H
F16B5/06 A
A47G27/04 A
E04F15/02 G
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022519166
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 US2020052712
(87)【国際公開番号】W WO2021062150
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】16/582,077
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518301833
【氏名又は名称】シグネチャー システムズ グループ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ チャド エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス マルコス
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-008089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0187017(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0005430(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0290863(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 21/04
F16B 5/06
A47G 27/04
E04F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式フロアマットを接続するためのピンであって、
第1の端部、反対側の第2の端部、及び、前記第1の端部と前記第2の端部との間に相互接続された長手方向軸に沿って延在するステムと、
前記第1の端部にて半径を有するヘッドと、
前記第2の端部にて、前記長手方向軸に対して横方向の脚軸に沿って延びる少なくとも1つの延長部材を有する脚部であって、前記少なくとも1つの延長部材が、前記ヘッドの前記半径よりも小さい長さと、前記モジュール式フロアマットの少なくとも1つのマットの一部に接触するように構成された係合面とを有する、前記脚部と、
を備え、
前記ステムは、その少なくとも一部に沿って定められたネックを有し、
前記ピンは、前記ヘッドと前記脚部との間の前記ステムの一部に沿って配置された保持部材を備え、
前記保持部材は、
(i)前記ネックの周りに円周方向に配置され、前記ネックに対して選択的に回転可能であり、且つ、前記保持部材に対する前記ステムの偶発的な回転を制限するように前記ネックとの摩擦嵌めを形成するカラーと、
(ii)前記ヘッドの前記半径よりも小さい距離だけ、前記長手方向軸に対して横方向のアーム軸に沿って全体的に前記カラーから延び、且つ、前記モジュール式フロアマットのうちの少なくとも1つのフロアマットのボアから延びるポケットに接触するように構成された係合面を有する少なくとも1つのアームと、
を有し、
前記ポケットは、前記ピンの前記アームを取り囲むと共に受け入れて前記長手方向軸の周りの回転運動を摩擦的に抑制するように対応して寸法決めされている、ことを特徴とするピン。
【請求項2】
前記ネックは、その周りに連続して配置された複数のセクションを含み、前記複数のセクションにおいて隣接するセクションは、その長さの少なくとも一部に沿った共通の縁部を共有し、前記各縁部は、前記カラーとの前記摩擦嵌めを提供し且つ回転運動を制限するように構成されている、請求項1に記載のピン。
【請求項3】
前記複数のセクションの各々は、前記ピンの前記長手方向軸に実質的に平行な長さを有する、請求項2に記載のピン。
【請求項4】
前記複数のセクションは平面である、請求項3に記載のピン。
【請求項5】
前記各縁部は、90°~170°の範囲の夾角を有する、請求項3に記載のピン。
【請求項6】
前記夾角は、155°~165°の範囲である、請求項5に記載のピン。
【請求項7】
前記ネック及び前記カラーは、対応する形状である、請求項2に記載のピン。
【請求項8】
前記ネック及び前記カラーの各々は、16個のセクションを含む、請求項7に記載のピン。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアームは、前記カラーから半径方向外側に延び、前記少なくとも1つの延長部材は、前記脚部から半径方向外側に延び、前記少なくとも1つのアームは、前記保持部材の選択的回転により、前記少なくとも1つの延長部材に対して位置合わせ状態と位置ずれ状態の間で位置付け可能である、請求項1に記載のピン。
【請求項10】
複数のモジュール式フロアマットを組み立てるためのシステムであって、
貫通して延びる少なくとも1つのチャネルを各々が有する第1のフロアマット及び第2のフロアマットであって、前記第1のフロアマットの前記少なくとも1つのチャネルが前記第2のフロアマットの前記少なくとも1つのチャネルと重なり合って整列すべく、少なくとも部分的に互いに重なり合うように構成されている、前記第1のフロアマット及び前記第2のフロアマットと、
少なくとも1つのピンと、
を備え、
前記少なくとも1つのピンの各々は、
(i)ヘッドと、
(ii)前記ヘッドから長手方向軸に沿って延びるステムと、
(iii)前記ステムから前記長手方向軸に対して横方向に延びる延長部材と、
(iv)前記ステムの一部の周りに配置されて前記ステムの一部と摩擦嵌めを形成すると共に、前記延長部材と前記ヘッドとの間に全体的に配置され、且つ、前記ヘッドと前記延長部材との間において前記長手方向軸に対して横方向で前記ステムから半径方向外側に延びるアームを有する保持部材と、
を有し、
前記少なくとも1つのチャネルの各々は、
(v)前記少なくとも1つのピンの1つを受け入れるように寸法決めされ、
(vi)前記ピンの前記アームを取り囲むと共に受け入れて前記長手方向軸の周りの回転運動を摩擦的に抑制するように対応して寸法決めされ、前記チャネルから延びるポケットを有し、
(vii)前記ピンの前記延長部材を受け入れて前記長手方向軸に沿った軸方向移動を抑制するように寸法決めされた末端部を有する、
ことを特徴とする、システム。
【請求項11】
前記ステムは、少なくとも閾値レベルの回転力を前記ピンに加えることによって、前記保持部材に対して選択的に回転可能であり、前記閾値レベルは、前記保持部材と前記ステムとの間の前記摩擦嵌めに打ち勝つのに十分なものである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ヘッドは、前記ピンへの前記回転力の印加のためのツールの少なくとも一部を受け入れるように寸法決めされた凹部を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ピンは、前記延長部材と前記アームとが整合することによって定められるロック解除位置と、前記延長部材と前記アームとが不整合になることによって定められるロック位置との間で、前記チャネル内に選択的に位置決め可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記延長部材と前記アームは、前記ロック解除位置においては平行で且つ整合しており、前記ロック位置においては垂直で且つ整合していない、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のフロアマットの前記少なくとも1つのチャネルの前記末端部は、前記第1のフロアマットの表面から前記第1のフロアマットの前記少なくとも1つのチャネルを通って延びる前記ピンの前記延長部材を受け入れて拘束するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記チャネルに形成され、前記ピンの前記延長部材をそこに沿って受け入れるように構成されたランプを更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記ランプは、前記チャネルの周囲の少なくとも一部に沿って延びている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1及び第2のフロアマットの各々は、それぞれの表面を有し、前記少なくとも1つのチャネルは、前記第1及び第2のフロアマットの前記表面のそれぞれから延び、前記ランプは、前記表面に対する傾斜角度を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記傾斜角は、0°と90°の間である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記傾斜角度は、約45°である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2のフロアマットにおける前記少なくとも1つのチャネルの前記ランプは、前記第1のフロアマットの表面から前記第1のフロアマットの前記少なくとも1つのチャネルを通って延びる前記ピンの前記延長部材を受け入れて拘束するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記末端部は、前記ランプに沿って配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1及び第2のフロアマットの各々は、貫通して延びる少なくとも1つのボアを有し、前記少なくとも1つのチャネルの各々は、前記少なくとも1つのボアを通って延びるレシーバに形成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項24】
前記レシーバは、前記第1及び第2のフロアマットの少なくとも1つのマットの対応する前記ボアを通って延在する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
(i)前記チャネルが前記第1及び第2のフロアマットに一体的に形成されるか又は、(ii)前記レシーバが前記第1及び第2のフロアマットに選択的に挿入可能である、請求項23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
特許協力条約に基づいて提出された本国際出願は、2019年9月25日に提出された米国特許出願シリアル第16/582,077号に対する優先権を主張し、その内容は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、ファスナーに関し、より詳細には、一時的な道路及びフロアのためのモジュール式フロアマットを接続するのに使用されるファスナーに関する。
【背景技術】
【0003】
モジュール式フロアマット及びシステムは、屋外又は屋内環境において一時的な道路又はフロアを提供するために産業、建設及びイベント用途で一般的に使用されている。これらの一時的フロアは、隣接及び/又は重なり合うように互いに接続された複数のモジュール式フロアマットから組み立てられている。カムロック及びロック位置とロック解除位置との間で回転するピンなどのファスナーを含む、一時的フロアを組み立てる際にこのようなフロアマットを接続する多種多様な方法が知られている。例えば、米国特許第7,303,800号では、オフセットカムロック及びレシーバを備え、ここで、オフセットカムロックがレシーバと回転可能に係合し、ピンから延びる突起を転回させて、マット内の横方向に向いたレッジと係合するロック機構が開示されている。このように、回転可能なピンの突起は、ロックを所定位置に拘束又は保持する。米国特許第8,388,291号では、マットを互いに解除可能に保持するためのマットロックピンが開示されている。このロックピンは、脚部を有するロータを含み、ロータが転回すると、脚部をマットの外面に当接させ、マットを共に保持する軸方向の力を生じさせる。米国特許第8,414,217号では、カムロックと相補的なレシーバが、フロアマットに取り付けられ、これらが嵌合して隣接するマットをインターロックする圧縮力を提供するようになる。
【0004】
米国特許第6,722,831号は、マットの整列孔に挿入可能なピンを有する、2つの重なり合うマットを接続するための締結装置を開示している。このピンは、全体にわたって延びる長手方向ボアを有し、このボアを通ってロッドが延びている。ロッドシャフトは、キーパーで終端し、アレンレンチを使って周囲のピンに対して回転させ、キーパーをピンと整列した状態から、ロック位置のためにピンに垂直になるように移動させる。ピンは、ロッドのシャフトにおける隆起リッジに対応する凹部を含む。隆起リッジは、ピンの凹部内に着座し、ピン本体内でロッドが自由に回転するのを防止する。しかしながら、これらの凹部及び対応する隆起リッジは、克服してロック位置とロック解除位置との間を移動するのに大きな力を必要とする幾何学的形状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,303,800号明細書
【文献】米国特許第8,388,291号明細書
【文献】米国特許第8,414,217号明細書
【文献】米国特許第6,722,831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モジュール式フロアマット用のこれら及び他のほとんどの既知のファスナーでは、一時的フロア材を組み立てる工程は、時間がかかり労力を要する。この組み立てる工程は、典型的には、二人がマットを互いに相対的に位置決めして敷き詰めてファスナーを配置する作業を協働で行い、二人共、アレンレンチに似た大型の専用工具を全体的に転回させて、カムロックを回転させて各ファスナーをロックするのに十分な力を与えることが必要である。これにより、車及び人がマット上を繰り返し移動するときに振動又はり、ガタつくことによるなどして、使用中にマットが離れないようにマット間で確実な取り付けを提供する。しかしながら、このことはまた、完成のモジュール式フロアシステムを設置するのに数時間から数日を要する可能性があることを意味する。確実な接続を犠牲にすることなく、より簡単で迅速に設置するモジュール式マット及び/又はコネクタを有することば有利となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
モジュール式フロアマットを組み立て及び設置するのに必要な時間及びエネルギーを低減する、隣接するフロアマットを接続するためのピンが開示される。本発明のピンは、一人でピンをロック又はロック解除できるように、ロック位置とロック解除位置との間で容易に転回することが可能である。使いやすさにもかかわらず、ピンの幾何学的形状は、ピンをロック位置に保持し、モジュール式フロアシステムに沿った通行による振動などから、意図せずにロック位置から回転するのを防止するのに十分な摩擦力を提供するようなものである。
【0008】
本発明のピンは、第1の端部にあるヘッドと、反対側の第2の端部にある脚部とを含み、その間にステムが延在している。ヘッドは、ロック解除位置とロック位置との間を変更するためにピンの転回を容易にするために、アレンレンチ又は同様の工具を受け入れるように構成された凹部を含む。脚部は、ピンがロックされたときに周囲のマットと協働してマットを保持する、脚部から外側に延びる延長部材を備える。ピンステムの一部は、限定ではないが、これらが結合する縁部を形成するために互いに連続して配置された平面セクションなど、パターン又はレリーフを全体的に形成する複数のセクションを含むネックを定める。少なくとも1つの実施形態では、ネックの六角形構成を提供する16個の平面セクションが存在することができる。
【0009】
ピンはまた、ピンを特定の位置に保持するために、ピンの少なくとも一部を摩擦嵌めで係合する保持部材を含む。保持部材は、ピンステムのネックに対応するように構成されたカラーを含む。少なくとも1つの実施形態では、保持部材は、カラー及びステムが互いに相補的な形状となるように、金型としてピンの周囲に形成されている。従って、少なくとも1つの実施形態において、保持部材のカラーはまた、ピンのネックと同様の六角形構成又は断面などの多辺性を有する。カラー及びネックの対応する幾何形状は、これらの間に摩擦嵌めが形成されるようになっており、カラーは、十分な力が提供されるまで、これに対するピンネックの回転運動を制限するようになっている。閾値レベルを超える十分な力が与えられると、カラー又はネックは、一時的に撓み、幾何形状が再び互いに引っ掛かって摩擦嵌めを形成するまで、回転などによる一方から他方への選択的な移動を可能にするように構成することができる。少なくとも1つの実施形態において、保持部材は、ピンよりも弾性のある材料で作られており、カラーは、一時的に変形して、これに対するネックの移動を可能にする。
【0010】
保持部材はまた、カラーから延びる少なくとも1つのアームを含み、アームは、ピン及び周囲の保持部材を受け入れるためにマットに形成されたチャネルの対応するポケット内に保持されるように構成されている。アームは、ピンに回転力が加えられた場合でも、回転運動のようなチャネル内での保持部材の移動を阻止する。従って、アームは、ピンが移動しても保持部材が流路内で静止するのを助ける。しかしながら、保持部材は、隣接するマット又は重なり合うマットを接続するチャネル内にピンを保持又は維持するために必要ではない。むしろ、保持部材は、周囲のマットに関係なく、ロック又はロック解除などの特定の回転位置でピンを保持するだけである。
【0011】
ロック位置及びロック解除位置は、保持部材のアームに対するピン脚部の延長部材の角度関係によって定めることができる。少なくとも1つの実施形態では、延長部材は、脚軸に沿って延び、アームはアーム軸に沿って延び、ここで脚軸及びアーム軸は互いに離間して配置されて平行である。ロック解除位置は、延長部材がアームと整列しているときに定めることができる。ロック位置は、延長部材がアームから位置ずれしたときに定めることができる。少なくとも1つの実施形態において、ロック位置は、脚部の延長部材が保持部材のアームに対して垂直に位置決めされるときに定めることができる。
【0012】
モジュール式フロアシステムの各マットは、その中に形成されて、一方の面から反対側の面までマットを通って延びる少なくとも1つの、好ましくは複数のチャネルを含む。各チャネルは、その中にピンを受け入れて保持するように構成されている。チャネルは、マット表面のレベルにあるか又はそれよりも下方にあることができ、ロック解除位置でそこにピンを受け入れるように寸法決めされている開口部を含む。チャネルは、開口部からマット内に向かって延びる。チャネルは、ピンの保持部材のアームを受け取り拘束するように構成された少なくとも1つのポケットを含む。チャネルはまた、回転時などにピンの脚部の延長部材を係合し、ロック位置を達成し維持するように構成された少なくとも1つのランプを含む。従って、チャネルは、保持部材の回転運動を制限しながら、ロック解除位置とロック位置との間を移動するときに、ピンがそこで選択的に回転することを可能にするように寸法決めされている。少なくとも1つの実施形態では、レシーバは、マットに形成されたボア内に選択的に挿入することができる。このような実施形態では、レシーバは、チャネルを含む。各マットは、マットが重なり合っているときに、そのチャネルが互いに一致して整列され、従ってレシーバもまたレジストリで整列して互いに当接するように自己レシーバを含むことができる。特定の実施形態では、マットのボアは、マットが重なり合うときに一致して整列し、単一のレシーバは、重なり合う両方のマットの整列したボアを通って延在する。少なくとも1つの実施形態において、1つのマットのランプは、対向するマットを通って挿入されたピンの脚部を受け取って保持するように構成され、従って、重なり合ったマットを共に固定する。このランプは、2つのレシーバ又はチャネルが存在する場合には、整列したレシーバにて存在することができ、又は単一のレシーバ又はチャネルが両方の重なり合うマットを通して延びるときに、開口部から最も遠いランプに存在することができる。
【0013】
本発明のコネクタピンは、その特定の特徴及び利点と共に、以下の詳細な説明から及び添付図面を参照することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1のロック解除位置にある本発明のコネクタピンの等角図である。
図2】第2のロック位置にある図1のピンの等角図である。
図3】保持部材がなく、ネックが明らかになっている図1のピンの等角図である。
図4】線4-4に沿った図3の断面図である。
図5】保持部材の上面図である。
図6】隣接するマットを接続するための複数のレシーバを示す、重なり合うマットの上面図である。
図7】接合しているフロアマットのうちの1つにおける対応するレシーバと整列した図1のコネクタピンの上面等角図である。
図8A】レシーバ及びチャネルの一実施形態の詳細を示す、図7のレシーバ及びフロアマットの部分断面図である。
図8B】単一のレシーバ及びチャネルの第2の実施形態の詳細を示す、図7のレシーバ及びフロアマットの部分断面図である。
図9】ロック解除位置で対応するレシーバ内に位置決めされたピンの等角部分断面図である。
図10】ロック位置にある図9のピン及びレシーバの等角部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
同じ参照数字は、図面の幾つかの図を通して同じ部品を指す。
【0016】
添付図面に示すように、本発明は、モジュール式又は一時的なフロアシステムを形成するために隣接及び/又は重なり合うフロアマット50を共に結合するためにチャネル310に挿入することができるコネクタピン100に向けられる。図1~3に最もよく示されているように、ピン100は、ピン100の上部又はヘッドを形成する第1の端部104と、ピン100の底部又は脚部を形成する反対側の第2の端部106とを含む。第1の端部104において、ピン100は、面112とそこに形成された凹部114とを有するヘッド110を含む。ヘッド110は、何れかの適切な形状及び寸法有することができる。少なくとも1つの実施形態において、ヘッド110は円形であり、以下でより詳細に議論されるチャネル310の開口部302内に適合するように寸法決めされる。凹部114は、ヘッド110の表面112からヘッド110の深さの一部まで延びている。幾つかの実施形態では、凹部114は、ヘッド110の深さによって制限されず、むしろ、第1の端部104から第2の端部106までピン110を貫通して延在する。凹部114は、任意の形状であってよいが、少なくとも1つの実施形態では、凹部114にアレンレンチを挿入して転回してピン100をロック位置とロック解除位置との間で回転させるなど、モジュール式フロアタイルを取り付けるのに用いられる種類及びサイズのアレンレンチを収容するように寸法付けられた六角形状である。ヘッド110は、チャネル310又はレシーバ300内のピン100の位置を示すために、限定ではないが、矢印、幾何学的形状、絵柄、図面、ロゴ及び言葉などのマーキング又は指標を含むことができる。好ましい実施形態では、ヘッド110の表面112は、矢印及び/又はロック又はロック解除されているロック部の画像など、ロック位置及びロック解除位置を示す指標を含む。
【0017】
ピン100は、第1の端部104にあるヘッド110から第2の端部106に延びるステム120を更に含む。少なくとも1つの実施形態では、ステム120はヘッド110よりも小さい直径を有することができるが、他の実施形態では、ステム120及びヘッド110は同様の直径を有することができる。ステム120は、ピン100の第2の端部106に位置する脚部130で終端する。脚部130は、ステム120から半径方向外側に延びる少なくとも1つの延長部材を含むことができる。例えば、図示の実施形態では、脚部130は、図1及び図2に示すように、脚軸136に沿ってステム120から離れるように各々が延びる、第1の延長部材132及び第2の延長部材134を含む。各延長部材132、134は、ヘッド110の半径よりも小さい長さを有し、長手方向軸103に沿ってピン100を見たときに、何れの延長部材132、134もヘッド110の周囲を越えて延びないようにする。延長部材132、134は各々、少なくとも1つの係合面133、135をそれぞれ含み、これらは、以下でより詳細に説明するように、ピン100をロック位置に保持するためにマット50のチャネル310の一部と相互作用するように寸法決めされている。
【0018】
ステム120はまた、ヘッド110と脚部130との間のステム120の一部に沿って定められたネック122を含む。ネック122は、ステム120の長さに沿ってどこに位置してもよく、図3に示すようにヘッド110に近くてもよく、或いは、他の実施形態では脚部130に近くてもよく、もしくは、その間で等距離に位置してもよい。ネック122は、図3に最もよく示されるように、ネック122の周りに隣接して配置された複数のセクション124から構成される。ネック122に含まれるあらゆる数のセクション124が存在することができる。例えば、幾つかの非限定的な例として、少なくとも6個、10個、16個、20個、又は24個のセクション124が存在することができる。好ましい実施形態では、図3及び図4に示すような六角形のネック122を形成する、16個のセクション124があってもよい。セクション124は、集合的にネック122の円周を定める。セクション124は、ネック122の周囲にあらゆるパターンで配置されてもよく、これには、限定ではないが、平面セクション、直線セクション、格子構造のような重なり合う又は交差するパターン、及び角度付きを含むことができる。図3に示すような少なくとも1つの実施形態では、セクション124は平面であり、ピン100の長手方向軸103に沿って配置され、隣接する平面セクション124の間に形成される縁部126もまた、ネック122の長さに沿って長手方向に延びるようになる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、各セクション124は、隣接するセクションを結合して、角度付きの縁部126を形成する。セクション124によって形成される縁部126の夾角αは、存在するセクション124の数に依存する。例えば、図4に示すように、夾角αは、4つの縁部126を形成する4つのセクション124が存在する場合、約90°とすることができる。他の実施形態では、各縁部126が約157.5°の夾角αを有する六角形を形成する16個のセクション124及び16個の縁部126が存在することができる。他の実施形態では、約162°の夾角αを各々が有する20個の縁部126を形成する20個のセクション124が存在することができる。更に他の実施形態では、約168°の夾角を各々が有する30個の縁部126を形成する30個のセクション124が存在することができる。図3及び図4に示す実施形態は、等しい大きさのセクション124及び縁部126の夾角αを有するが、他の実施形態では、セクション124は、縁部の夾角αがネック122全体で均一でなくてもよいように、互いに異なる大きさにすることができる。
【0020】
ヘッド110、ステム120、ネック122、セクション124、脚部130及び延長部材132、134は、好ましくは、全て同じ材料で作ることができる。少なくとも1つの実施形態において、これらの構成要素は、モノリシック又は単一要素として鍛造又は鋳造されてもよい。ピン100の上記の構成要素は、限定ではないが、ステンレス鋼及びアルミニウムを含む金属及び金属合金などの何れかの適切な材料で形成されてもよい。
【0021】
ピン100はまた、ネック122の周りに緊密に収まるように寸法決めされた保持部材200を含む。実際、少なくとも1つの実施形態において、保持部材200は、ピン100が配置される金型における射出成形などによって、ピン100の周囲に形成されてもよい。図4及び図5に最もよく示されているように、保持部材200は、ネック122の外面に対応する形状及び寸法にされた内面213又は円周を有するカラー210を含む。具体的には、カラー210の内面213は、ピン100のネック122と同様の、しかし僅かに大きな直径を有することができ、ピン100のネック122に対応して形成される。また、例えば、カラー210の内面は、ピンのネック122の節124に対応する複数のセクションを含むことができる。例えば、保持部材200がピン100の周りに形成されるとき、ネック122のセクション124は、保持部材200のカラー210の内側表面213を表す。カラー210の内面213は、ピン100のネック122のパターン、形状及び/又は寸法に対応することになる何れかのパターン又は構成を含むことができる。従って、カラー210の内面はまた、上述したネック122の対応する縁部126の夾角αと実質的に同様のサイズ、位置及び角度を有する複数の夾角αも有することができる。
【0022】
保持部材200は、カラー210から外側に延びる少なくとも1つのアームを更に含む。少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つのアームは、ピン100の長手方向軸103に対して横方向にカラー210から離れるように延びる。少なくとも1つの実施形態において、保持部材200は、カラー210から延在する複数のアームを含む。アームは、ピン100のヘッド110の半径よりも小さい長さだけ、カラー210から半径方向外側に延びることができる。アーム214、216は、カラー210の円周に沿って、互いに相対的に何れかの角度で位置付けることができる。例えば、図1図2及び図5に示すように、第1のアーム214及び第2のアーム216は、2つのアーム214、216の間の経路によって定義されるアーム軸218に沿ってカラー210から反対方向外側に延びる。2つのアーム214、216が示されているが、何れかの数のアームが存在することができ、カラー210から何れかの長さだけ延びることができ、これらは互いに同じ長さであっても異なる長さであってもよい。他の実施形態では、アーム214、216は、限定ではないが、45°、60°、72°、90°、120°など、互いに相対する他の角度で位置付けることができる。アーム214、216は、図1及び図2に示す平面直線形状のような何れかの形状を有することができ、円形、湾曲、曲線、角のある、又は他の形状とすることができる。少なくとも1つの実施形態では、図1及び図2に示すように、保持部材200のアーム214、216は、ピン100の脚部130の第1及び第2の延長部材132、134と比較して、同様の形状及びサイズを有することができる。これは必須ではなく、他の実施形態では、アーム214、216は、脚部130の第1及び第2の延長部材132、134と比較して異なる形状及び/又はサイズを有することができる。アーム214、216は各々、少なくとも1つの係合面215、217もそれぞれ有しており、これらは、以下でより詳細に説明するように、ピン100をロック位置に保持するためにマット50のチャネル310の一部と相互作用するように寸法決めされている。図5に示すように、アーム214、216の各側部は、双方向係合のための係合面215、217を有することができる。
【0023】
少なくとも1つの実施形態において、保持部材200のアーム214、216及びカラー210は、好ましくは、一体構造で、同じ材料から一体的に形成される。しかしながら、特定の実施形態において、アーム214、216及びカラー210は、互いに異なる材料から作ることができることが企図される。また、ある実施形態では、アーム214、216は、保持部材200を形成するためにカラー210に堅固に取り付け又は固定できることが企図される。保持部材200は、ピン100とは異なる材料で作ることができる。例えば、上述したように、保持部材200は、成形などにより、ピンのネック122の周囲に形成される。従って、保持部材200は、ピン100の金属又は金属合金と比較して、プラスチック又は高分子材料で作ることができる。好ましくは、ピン100及び保持部材200を構成する材料の弾性又は「give」は異なる。例えば、ピン100は、撓み又は一時的変形をする可能性が低い頑丈な材料で作ることができ、保持部材200は、ピン100の材料よりも低い圧力で曲がり、撓み、又は一時的に変形するより弾性のある材料で作ることができる。この弾性の差は僅かなものとすることができる。また、材料の弾性は、ロックウェルデュロメータで測定できる材料の硬度に関して説明することができる。例えば、ピン100は、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、ロックウェルBスケールで好ましくは約60の硬度を有することができる。保持部材200は、少なくとも1つの非限定的な実施形態において、ロックウェルRスケールで好ましくは約65の硬度を有することができるが、他の硬度も企図され、本考案の範囲内である。
【0024】
保持部材200のカラー210は、ステム120のネック122に対応する寸法にされているので、ネック122に対して摩擦嵌めで緊密に収まる。また、ネック122のパターンは、これらの間に摩擦グリップが形成されるように、保持部材200のカラー210において鏡面加工することができる。この摩擦嵌め、及びネック122及びカラー210上のパターンの形状又は構成に起因して、保持部材200及びステム120は、互いに所定位置に保持される。しかしながら、少なくとも閾値の十分な力が加わって、この摩擦嵌めを克服し、ステム120を保持部材200に対して相対的に移動させることができ、又はその逆も可能である。従って、ステム120及び保持部材200は、これらの間の摩擦嵌めからなどの静止位置付けを克服するのに十分なエネルギーの印加によって、互いに選択的に移動可能である。閾値レベルより小さいエネルギーが印加されても、ピン100の構成要素の互いに対する移動は生じない。特定の実施形態において、この閾値レベルのエネルギーは、3~8フィートポンドの範囲にある。少なくとも1つの実施形態において、閾値レベルは、約5フィートポンドである。他の実施形態では、閾値は、限定ではないが、ニュートン(N)のような他の力の単位で定義されてもよい。更に他の実施形態では、閾値は、少なくとも6.779ニュートンメートル(NM)又は5フィートポンドなど、適用されるトルクの単位で定めることができる。力がどのように定められるかに関わらず、閾値レベルは、重量物を運んでいるときでもフロアマット上を車両又は人が移動することによって引き起こされる可能性があるような、使用中にフロアマットによって典型的に経験するレベルよりも高い。従って、フロアマットの典型的な使用の揺動又は振動は、ステム120及び保持部材200を互いに相対的に回転させるのに十分なほどこれらを振動又は揺れさせるには不十分である。
【0025】
図6~10を参照すると、各フロアマット50は、一方の表面から反対側の表面までマット50を通って延びる少なくとも1つの、好ましくは複数のチャネル310を含む。チャネル310は、各マット50に沿って位置付けられて、マット50間の接続点を提供する。従って、チャネル310は、マット50のコーナーに配置することができ、更に、マット50の縁部に沿って配置することもできる。何れかの数のチャネル310が各マット50に配置されてもよく、マット50に沿ってどこに位置付けられることもできるが、少なくとも1つの実施形態では、マット50のコーナー及び/又は縁部に近接して位置付けられる。好ましくは、各マット50は、同様の数及び位置付けのチャネル310を有する。チャネル310は、マット50内に一体的に形成されてもよく、又は、図7に示すように、マット50内の対応するボア320に挿入されるレシーバ300に形成することができる。幾つかの実施形態では、レシーバ300はまた、限定ではないが、溶接、接着、又はネジ、ボルト、ピン、もしくは他の締結具による締結によって挿入時にマット50に固定することができる。レシーバ300は、限定ではないが、高レベルの強度を示す高密度ポリエチレン(HDPE)のようなプラスチック及び高分子材料など、周囲のマット50と同じ材料で作られてもよい。他の実施形態では、レシーバ300は、限定ではないが、アルミニウム又はステンレス鋼など、金属又は金属合金で作ることができる。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、図8Aに示すように、隣接するマット50a、50bが互いに取り付けるために整列されると、各マット50a、50bのチャネル310a、310bは互いに整列する。他の実施形態では、図8Bのように、単一のチャネル310が両方のマット50a、50bを貫通して延びている。上述したピン100は、マット50a、50bを共にロックするために、チャネル310に挿入されてもよい。
【0027】
各チャネル310は、マット50の表面又はその近傍に位置付けられて、ピン100の脚部130が挿入される開口部302を有する。例えば、開口部302は、幾つかの実施形態において、マット50の表面と同一平面とすることができる。図7図10に示すような他の実施形態では、開口部302は、完全に取り付けられたときにピン100の面112がマット50の表面と同一平面になるように、ピン100のヘッド110を受け入れるのに十分な量だけマット50に陥凹にされるなど、マット50の表面よりも僅かに低くすることができる。
【0028】
開口部302の深さに関係なく、開口部302は、脚部130などのピン100をそこに受け入れるような形状及び寸法にされる。少なくとも1つの実施形態において、開口部302は、ピン100の脚部130及びステム120と同様の形状及び寸法にされている。従って、図7に示すような少なくとも1つの実施形態では、開口部302は、脚部130の第1及び第2の延長部材132、134によって定められる長さなど、ピン100の脚部130の構成に対応する少なくとも1つの細長い部分304を含むことができる。従って、開口部302は、ピン100の脚軸136に対応する開口部軸308を有することができる。脚部130が直線状ではなく、延長部材132、134が互いに相対的に角度をなして延びる実施形態では、開口部302の複数の細長い部分304が、脚部130及びその延長部の幾何学的形状に対応するように存在することができる。特定の実施形態では、開口部302は、ステム120の直径が延長部材132、134の厚さを超える場合など、ピン100のステム120の直径を収容するように丸みのある部分306を含むこともできる。
【0029】
チャネル310は、開口部302と流体連通しており、マット50の反対面に向かってなど、開口部302から離れてマット50内に延びている。チャネル310の少なくとも一部は、開口部302の細長い部分304及び丸みを帯びた部分306に対応し、そこから更にマット50に延びている。例えば、チャネル310は、細長い部分304の一方の側面から延び、その係合表面215に接触することにより保持部材200の第1のアーム214の回転運動を受け入れ制限するように寸法決めされた第1のポケット312を形成している。同様に、第2のポケット314は、チャネル310内に形成されてもよく、細長い部分304の別の部分から延びて、その係合表面217に接触することによって保持部材200の第2のアーム216を受け取りその回転運動を制限するような寸法にされる。チャネル310は、保持部材200の様々なアーム214、216を収容するために、何れかの数のポケット312、314を有してもよい。
【0030】
従って、ピン100がチャネル310内に挿入されると、脚部130は、開口部302を通過し、細長い部分304及び丸みを帯びた部分306が存在する場合に、これらと整列させることができる。更なる挿入により、ピン100はチャネル310内に更に前進するので、第1及び第2のアーム214、216は、それぞれ第1及び第2のポケット312、314に受け取られて保持される。チャネル310は、マット50a、50bの深さによってのみ制限される何れかの深さ有することができる。例えば、少なくとも1つの実施形態において、チャネル310aは、図8Aのように、隣接するマット50bを通って延びる同様のチャネル310bと整列するマット50aの反対面を通って開口部302から延びている。他の実施形態では、チャネル310が、単一のレシーバ300によるような両方のマット50a、50bを通って延びる場合、チャネル310はまた、一方のマット50aの開口302から隣接するマット50bの開口302までなど、両方のマット50a、50bを通って延びてもよい。チャネル310は、好ましくは、ピン100のステム120及び脚部130の長さと少なくとも同じ深さとすることができる。例えば、ピン100は、ピン100のヘッド110が、ヘッド110よりも少なくとも1つの寸法が小さい開口部302によって更なる移動を制限されるまで、チャネル310を通って挿入することができる。例えば、開口部302は、図8A及び図8Bに示すように、ピン100のヘッド110のための座を形成する凹部を含むことができる。ヘッド110によって更なる挿入が制限されるような最大挿入位置では、ピン100の脚部130は、好ましくは、チャネル310内に留まり、集合マット50a、50bの反対面を越えて延在しない。
【0031】
チャネル310はまた、ピン100の脚部130を所望の位置に保持するために、延長部材132、134をその上に受け入れて保持するように寸法決めされた少なくとも1つの末端部319を含むことができる。各末端部319が異なる延長部材132、134を受け入れて保持するように、延長部材132、134が存在するのと同じ数の末端部319が存在することができる。末端部319は、実質的に平面であってもよく、又は開口部302及び/又はマット50a、50bの表面と平行であってもよいが、限定ではないが、窪み、凹部、戻り止めなどを含む、何れかの適切な構成が企図される。図8A及び8Bから理解できるように、延長部材132、134の係合面133、135は、ピン100が完全に挿入されてロック位置まで転回されたときに、末端部319に係合及び/又は押し付けられる。この相互作用は、レシーバ300内のピン100の位置及び隣接するマット50a、50bを関連して維持することに寄与することができる。
【0032】
レシーバ300はまた、図8A及び図8Bに最もよく示されているように、チャネル310内に位置付け又は形成された少なくとも1つのランプを含むこともできる。好ましい実施形態では、チャネル310は、チャネル310の周囲に沿って互いに離間した第1のランプ316及び第2のランプ318を含むことができる。例えば、ランプ316、318は、チャネル310の長手奥行き方向、チャネル310の外周幅方向、及び/又はこれらの組み合わせにおいて、チャネル310の少なくとも一部に沿って延在することができる。例えば、ランプ316、318は、長手方向及び横方向の組み合わせで、チャネル310の一部の周りに曲線又は湾曲方向に延びることができる。ランプ316、318は、チャネル310の内部の周りに配置されるように、互いに向かって、互いから離れて、又は互いに平行に延びることができる。各ランプ316、318は、ピン100の脚部130の延長部材132、134をその上に受け入れて移動可能に係合するように構成され寸法決めされている。ピン100の脚部130の延長部材132、134の数及び構成に対応するように、何れかの数のランプが存在することができる。
【0033】
各ランプ316、318は、チャネル310内の何れかの場所で始まり、終了してもよく、特定の実施形態では、チャネル310の全長にわたって延在することができる。少なくとも1つの実施形態において、各ランプ316、318は、開口部302に隣接又は近接して始まり、上述のように末端部319で終わってもよい。本明細書で使用されるように、開口部302の「近く」とは、開口部302から離間しているが依然として近接していることを意味し、「隣接」とは、開口部302にあるか又は同じ高さにあることを意味する。末端部319は、少なくとも1つの実施形態において、開口部302及び/又はマット50a、50bの表面に対して実質的に平面又は平行とすることができるが、これらは、その係合表面133、135との相互作用によってなど、拡張部材132、134の更なる移動を停止させる何れかの構成を有することが可能である。
【0034】
各ランプ316、318は、ランプ316、318の表面が開口部302に隣接又は近接して始まり、レシーバ300の断面中心に向かって角度をなすように、チャネル310の開口部302に対して傾斜角度を有することができる。図8Bの単一のレシーバ300におけるように、単一のチャネル310が両方のマット50a、50bを横断する実施形態では、ランプ316、318は、各開口302からレシーバ300の中心に向かって角度を付けることができる。図8Aのような、一致して整列したチャネル310a及び/又はレシーバ300aを有する他の実施形態では、ランプ316a、318aは、第1のマット50aの開口302aにて又はその近くから、第2の重なり合うマット50bの反対の整列したチャネル310b及び/又はレシーバ300bに向かって延びてもよい。同様に、第2のマット50bのチャネル310bのランプ316b、318bは、第1のマット50aのチャネル310aに向かって開口部302bから又はその近くに延びる。何れの場合も、ランプ316、318は、チャネル310の内周を辿るように、その長さに沿って湾曲した部分を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、ランプ316、318は、チャネル310の互いに両側に配置された互いの鏡像とすることができる。各ランプ316a、316b、318a、318bは、それぞれ、延長部材132、134の係合面133、135と相互作用して、チャネル310a、310bの長さ及び/又はピン100の長手軸103に沿ってなどの軸方向への更なる移動を防止するための端末部分319a、319bを含むことができる。
【0035】
ランプ316、318の傾斜角度は、限定ではないが45°など、0°と90°の間の何れかの角度とすることができる。ピン100の脚部130は、ランプ316、318に沿って移動するので、傾斜角は、ピン100がロック位置まで末端部319に向かって回転されるときに、マット50a、50bに対して圧縮力を提供するのに十分であることが好ましい。脚部130が、ランプ316、318の端部など、チャネル310の末端部319に到達すると、末端部319に対する脚部130の圧力が、マット50a、50bを共に保持する。
【0036】
隣接するマット50a、50bを結合するために、図6及び8A-10に示すように、マット50a、50bは、互いに隣り合って及び/又は部分的に重なり合って位置付けられる。それぞれのマット50a、50bのチャネル310a、310bは、互いに整列され、又は単一のチャネル310を有する単一のレシーバ300が両方のマット50a、50bを貫通して位置決めされる。次に、図7~8Bに描かれているように、まず開口部302から脚部130を挿入することによって、ピン100がチャネル310に挿入される。挿入のために、ピン100は、図1及び8A-9に示されるロック解除位置にある。このロック解除位置では、ピン100の脚軸136は、保持部材200のアーム軸218及びチャネル310aの開口部302の細長い部分304に平行である。挿入は、脚部130、次にステム120及び保持部材200をチャネル310aに挿入し、次に対向するチャネル310bに挿入することによって進行する。ピン100は、ヘッド110がより狭い開口部302によって停止されるときなど、チャネル310a内への更なる移動がもはや不可能になるまで挿入することができる。この位置では、脚部130、具体的には延長部材132、134は、対向するチャネル310b内のランプ316、318によって受けられ、又は少なくともこれらと整列される。保持部材200のアーム214、216は、チャネル310aのポケット312、314内に保持される。このロック解除位置は、図8A及び図9に示されている。
【0037】
ピン100をロックするために、閾値レベルを克服し、ピン100及び保持部材200のステム120の少なくとも1つを互いに対して選択的に移動させるのに十分な力がピン100に加えられる。少なくとも1つの実施形態において、この力は、アレンレンチ又は他の適切な工具をピン100のヘッド110の凹部114に挿入し、工具に回転力又はトルクを加えることによって加えられる。閾値レベルを克服するのに十分な力が加えられると、ネック122に対するカラー210の摩擦グリップが解除され、ステム120が保持部材200に対して相対的に回転する。本実施形態では、ステム120は、回転力を受けているピン100に接続されているため回転する。保持部材200は、それぞれの係合面215,217内の第1及び第2のアーム214,216がチャネル310の第1及び第2のポケット312,314に接触して押し付けられることにより静止しており、アーム214,216を所定の位置に保持し回転移動に抵抗するよう構成されている。ピン100よりも弾性のある材料で作られたカラー210は、一時的に曲がり又は撓み、ネック122が摩擦係合から外れてカラー210に対して回転できるようになる。ネック122がカラー210との摩擦係合から滑り出ると、カラー210はその元の形状を回復する。カラー210に対するステム120の回転は、ネック122の外表面とカラー210の内径との間の界面でのパターンが、ネック122の次の縁部126がカラー210に引っ掛かるときなど、ネック122及びカラー210が再び新しい摩擦的嵌合又は把持で互いに引っ掛かるまで継続されるようになる。閾値レベルを超える力の継続的な印加により、力が閾値レベル以下に低減されるまで、保持部材200内でのステム120の更なる回転を駆動することができる。
【0038】
上述した実施形態では、印加される力は、回転力とすることができる。また、他の実施形態において、限定ではないが、少なくとも1つの方向における直線力のような非回転力が使用されてもよいことが企図される。更に、力がヘッド110又はステム120に加えられると説明したが、他の実施形態では、ピン100のヘッド110に加えて又はその代わりに、力が保持部材200に加えることができることも企図される。このような実施形態では、保持部材200は、静止しているピン100に対して回転することができる。ピン100は、僅かに弾性のある材料で作ることができ、保持部材200は、より剛性であることができ、この場合、ピン100のネック122は、保持部材200のカラー210を通過させるために一時的に偏向又は曲げることができ、通過すると、元の形状に戻ることができる。更なる実施形態では、ピン100と保持部材200の両方が互いに相対的に移動してもよく、閾値レベルを超える十分な力が加えられたときに、他方の選択的な移動に対応するために、どちらかが弾性のある材料で作ることができる。
【0039】
回転中、延長部材132、134は、各々が末端部319に達するまで、それぞれランプ316、318に沿って移動する。延長部材132、134が進むにつれて、ランプ316、318の傾斜角度は、延長部材132、134を同じ角度に沿って引き寄せ、マット50a、50bに対して圧縮力を提供する。
【0040】
ピン100は、ロック位置が達成されるまで回転することができる。ネック122の外表面とカラー210の内表面213との間の界面におけるパターン内の各離散的形成に対して1つなど、何れかの数のロック位置が存在し得る。例えば、ネック120のセクション124又は縁部126の各々についてロック位置が存在することができる。六角形のネック120の場合、最大16個の可能なロック位置が存在することができる。もちろん、ネック120におけるパターンに基づいて可能な離散位置よりも少ないロック位置が存在することができる。例えば、六角形のネック120を有するピン100は、やはり1、2、3、4又は他の数のロック位置だけを有することができる。ロック位置は、ピン100に力を加えるために使用されるアレンレンチ又は他の工具の回転数によって決定付けることができる。例えば、少なくとも1つの実施形態において、ロック位置は、1/4回転、半回転、全回転、又は複数回転など、アレンレンチ又は同様の工具の回転数又は端数によって定めることができる。少なくとも1つの実施形態では、ロック解除位置からロック位置へナビゲートするために、アレンレンチ又は同様の工具の4分の1回転程度が必要である。
【0041】
どのように達成されたかに関わらず、ロック位置は、ピン100の少なくとも1つの延長部材132、134と保持部材200の少なくとも1つのアーム214、216が、位置ずれ又はもはや平行でないときなど、互いから逸脱するときに定めることができる。これらは、ロック位置において、互いに対して何れかの角度で配置されてもよく、これは、ネック122のパターン又はセクション124及び/又は縁部126によって通知又は表すことができる。少なくとも1つの実施形態において、ロック位置は、図2及び図10に示されるように、延長部材132、134及びアーム214、216が互いに垂直であることによって定めることができる。これは、2つの隣接するフロアマット50a、50bの最適で確実な嵌合を提供することができる。ロック位置はまた、延長部材132、134が、最大圧縮力がマット50a、50bに加えられるようなランプ316、318の末端部319に到達したときに発生することができる。
【0042】
ロック位置では、保持部材200のアーム214、216は、レシーバ300内のチャネル310のポケット312、314内に保持される。次いで、カラー210は、その間の摩擦係合のために、ピン100のネック122を所定の位置に保持する。注目すべきは、ピン100をロック位置に保持する摩擦係合は、既存のコネクタピンの場合のようにマット50a、50bとの間ではなく、ピン100の構成要素自身の間であることである。この内部摩擦嵌めのため、車両や歩行者が、これらのピン100で接合されロックされたマットを揺動又はガタついたときに、ピン100に付与された振動がピン100をロック位置から揺動又はガタつかせることはない。むしろ、保持部材200との摩擦嵌めにより、ピン100はロック位置で固定される。マットの移動又は他の使用による振動の量、強度又は頻度は、ネック122とカラー210との間の摩擦嵌めを克服するのに必要な摩擦の閾値レベルまで上昇せず、従って、カラー210はネック122を所定位置に保持する。ネック122とカラー210のパターン又は構成は、閾値レベルの短い動きを制限するこの摩擦嵌めをもたらす。
【0043】
マット50a、50bを切り離すことが望まれる場合、アレンレンチ又は他の工具を再びピン100のヘッド110にて凹部114に挿入し、回転力を加えることができる。力は、実施形態に応じて、ロック位置に移動するために加えられたのと同じ又は反対の回転方向又は角度方向に加えることができる。少なくとも1つの実施形態では、力は、ロックとは反対方向に印加される。ネック122とカラー210との間の摩擦力に打ち勝つのに十分な力が加えられると、カラー210は一時的に撓み、セクション124及び/又はその縁部などのパターンが移動を一時停止又は停止するまでネック122がそれに対して移動又は回転することを許容する。保持部材200に対するピン100の全体的な動きは、加えられた力がネック122とカラー210との間の摩擦力の閾値レベルを下回ると停止する。この力は、ピン100が再び図9に示すロック解除位置になるまで、繰り返し又は連続的に印加することができ、この時点で、チャネル310から取り外すことができる。マット50a、50bは、もはや接続されておらず、輸送、保管又は再利用のために分離することができる。
【0044】
本発明のピン100は、既存の既知のマットコネクタ又はファスナーを超える幾つかの利点を提供する。例えば、ピン100は、米国特許第6,722,831号に開示されているような他のファスナーよりも少ない力でロック位置まで回転させることができる。ステム120のネック122及び保持部材200のカラー210の特定の形状は、その上の車両又は歩行者の通行中の振動からマットによって生じる可能性があるような、他に対する一方の意図しない回転運動を避けるために十分な摩擦が生じ、しかもこの摩擦嵌めを無効にするのに必要な力の閾値レベルは、他のファスナーが回転するために必要とするほど多くはない。ネック122のセクション124が平面である本発明の実施形態では、例えば、隣接するセクション124が交わる場所に形成される縁部126は、ネック122からのリッジ又は延長ではない。同様に、カラー210の対応する形状の内径は、米国特許第6,722,831号特許のもののような凹部を含んでいない。米国特許第6,722,831号特許のロックシリンダの隆起部及び周囲のピン本体の対応する凹部は、互いに単に緊密に嵌る以上のものを提供する。隆起部が凹部内に延び、その中に保持されているので、凹部又はそこに延びる対応する部材がない本発明のピン100によって必要とされるよりも、この構成を克服して隆起部を凹部から移動させるために著しく大きな力が必要とされる。むしろ、ネック122のセクション124は、カラー210の対応する形状の内径によって摩擦的に保持される。
【0045】
この幾何学的形状、特にネック122のセクション124が平面である実施形態では、意外にも、意図しない回転運動に対するこの抵抗が提供される。同様の形状の延長部を保持する凹部は、米国特許第6,722,831号特許のように、2つのピースが互いに相対的に移動することを防止することができる。しかしながら、角度の付いた部分が、仮設フロアマット上の通行に起因する2つの要素の相対的な移動を防止するために十分な摩擦を提供するであろうことは、明白とは言い難い。これらのマットが、車両や歩行者の往来によって揺動され振動するので、時間の経過と共に互いから逸脱することは、一般的な問題である。互いからこの揺れ外れに抗するタイトファスナーを提供するためには、転回に大きな力が必要であり、従って、ロック位置に設定される。これによりモジュール式フロア構造の施工に要する時間が長くなる。しかしながら、ファスナーを転回しやすくすることは、上述した振動による緩みを受けやすくすることにもなる。本発明のピン100は、1つの構成要素が他の構成要素に挿入される一体型構成に頼ることなく、この問題を解決する。このことは、本発明のピン100を一人によっても容易に回すことを可能にし、これはまた、モジュール式フロア設置の速度を全体として向上させることになる。
【0046】
記載された好ましい実施形態に対して多くの修正、変形、及び細部の変更を行うことができるので、上述の説明及び添付図面に示された全ての事項は、例示的なものと解釈され、限定的な意味ではないことが意図されている。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその法的均等物によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
130 脚部
132 延長部材
133 係合面
134 延長部材
136 脚軸
200 保持部材
214 アーム
216 アーム
218 アーム軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10