(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/36 20060101AFI20250109BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250109BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01M3/36
G06T7/00 610Z
G01L5/00 103A
(21)【出願番号】P 2022550544
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2021033495
(87)【国際公開番号】W WO2022059637
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2020157389
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229564
【氏名又は名称】株式会社バルカー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 康
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/003438(WO,A1)
【文献】特開2017-161388(JP,A)
【文献】特開2017-110926(JP,A)
【文献】特開2007-040866(JP,A)
【文献】実開昭63-158625(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/36
G06T 7/00
G01L 5/00
G09B 9/00
G09B 19/00-19/24
G01J 3/00-5/52
G01N 21/25-21/27
G01N 21/84-21/958
B07C 5/00-5/38
G06T 1/00-1/40
G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象シール材の色値と、複数の候補シール材の各々の色値とに基づいて、前記対象シール材の種類を判定する第1評価部と、
前記対象シール材を用いて締結する前のフランジの撮像画像に基づいて、締結前の前記フランジの状態を評価する第2評価部と、
前記フランジの締結に関する予め定められた条件に基づいて、前記対象シール材を介した一対の前記フランジの締結状態を評価する第3評価部と、
前記第1~第3の評価部の各評価結果に基づいて、前記対象シール材を用いた前記フランジの締結に関するアドバイス情報を出力する出力制御部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1評価部は、
前記対象シール材の色値と、前記複数の候補シール材の各々の色値とに基づいて、各前記候補シール材と前記対象シール材との色差を算出し、
各前記候補シール材と前記対象シール材との色差に基づいて、前記対象シール材の種類を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1評価部は、前記対象シール材の使用環境を示す情報と、前記判定された種類のシール材の推奨使用環境を示す情報とを比較することにより、前記対象シール材の使用環境の適否を評価する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2評価部は、
前記撮像画像の解析領域に対する、前記フランジに付着した付着物が占める面積の比率を算出し、
前記比率が第1閾値未満である場合、前記フランジの状態が適切であると評価する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2評価部は、
前記撮像画像の解析領域に対する、前記フランジに付着した付着物が占める面積の比率を算出し、
前記比率が第1閾値未満であって、かつ前記フランジの平坦度が第2閾値未満である場合、前記フランジの状態が適切であると評価する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第3評価部は、前記対象シール材を介した一対の前記フランジの締結状態に関するパラメータが前記予め定められた条件を満たしている場合に、一対の前記フランジの締結状態が適切であると評価する、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記パラメータは、一対の前記フランジを締め付けるボルトの軸力、一対の前記フランジが締結されているときに前記対象シール材に与えられる締付面圧、一対の前記フランジにおける軸差、および一対の前記フランジにおける直角度のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アドバイス情報は、前記第1~第3の評価部の各評価結果に基づく総合的な評価結果と、前記第1~第3の評価部の各々について、当該評価部により否定的な評価がなされた場合に当該評価部の評価対象の確認を促す情報とを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記アドバイス情報は、前記第1~第3の評価部の各々について、当該評価部により否定的な評価がなされた場合に当該否定的な評価を肯定的な評価に改善するための情報をさらに含む、請求項8に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気密性や水密性を確保した構造物のシール材の圧縮永久歪み率によりシール材の余寿命を診断するようにしたものがある。例えば、特開2012-173097号公報(特許文献1)は、JIS規格に定めた測定時間が経過した後においても、シール材の圧縮永久歪み率を規格に基づく評価指標としてシール材を診断する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、シール材に関するトラブル対応については、技術的知識および経験が必要とされる。例えば、シール材を用いたフランジの締結に関する問い合わせに対して、知識や経験が乏しい者は、シール材やフランジの状態の適否を即時に把握できず、特定の熟練者に確認してもらう場合も多い。そのため、熟練者が不在等により対応が困難な場合には、シール材を用いたフランジの締結に関する効果的な情報を顧客に迅速に提供することができない。
【0005】
本開示のある局面における目的は、シール材を用いたフランジの締結に関する効果的な情報を迅速に提示することが可能な情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施の形態に従う情報処理装置は、対象シール材の色値と、複数の候補シール材の各々の色値とに基づいて、対象シール材の種類を判定する第1評価部と、対象シール材を用いて締結する前のフランジの撮像画像に基づいて、締結前のフランジの状態を評価する第2評価部と、フランジの締結に関する予め定められた条件に基づいて、対象シール材を介した一対のフランジの締結状態を評価する第3評価部と、第1~第3の評価部の各評価結果に基づいて、対象シール材を用いたフランジの締結に関するアドバイス情報を出力する出力制御部とを備える。
【0007】
好ましくは、第1評価部は、対象シール材の色値と、複数の候補シール材の各々の色値とに基づいて、各候補シール材と対象シール材との色差を算出し、各候補シール材と対象シール材との色差に基づいて、対象シール材の種類を判定する。
【0008】
好ましくは、第1評価部は、対象シール材の使用環境を示す情報と、判定された種類のシール材の推奨使用環境を示す情報とを比較することにより、対象シール材の使用環境の適否を評価する。
【0009】
好ましくは、第2評価部は、撮像画像の解析領域に対する、フランジに付着した付着物が占める面積の比率を算出し、比率が第1閾値未満である場合、フランジの状態が適切であると評価する。
【0010】
好ましくは、第2評価部は、撮像画像の解析領域に対する、フランジに付着した付着物が占める面積の比率を算出し、比率が第1閾値未満であって、かつフランジの平坦度が第2閾値未満である場合、フランジの状態が適切であると評価する。
【0011】
好ましくは、第3評価部は、対象シール材を介した一対のフランジの締結状態に関するパラメータが予め定められた条件を満たしている場合に、一対のフランジの締結状態が適切であると評価する。
【0012】
好ましくは、パラメータは、一対のフランジを締め付けるボルトの軸力、一対のフランジが締結されているときに対象シール材に与えられる締付面圧、一対のフランジにおける軸差、および一対のフランジにおける直角度のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
好ましくは、アドバイス情報は、第1~第3の評価部の各評価結果に基づく総合的な評価結果と、第1~第3の評価部の各々について、当該評価部により否定的な評価がなされた場合に当該評価部の評価対象の確認を促す情報とを含む。
【0014】
好ましくは、アドバイス情報は、第1~第3の評価部の各々について、当該評価部により否定的な評価がなされた場合に当該否定的な評価を肯定的な評価に改善するための情報をさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
本開示によると、シール材を用いたフランジの締結に関する効果的な情報を迅速に提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】情報処理システムの全体構成を説明するための図である。
【
図3】軸差および直角度を説明するための模式図である。
【
図4】情報処理システムの動作概要の一例を示すフローチャートである。
【
図5】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】色差に関する各種のデータベースの一例を示す図である。
【
図10】フランジの撮像領域を説明するための図である。
【
図11】面積比率の算出方式を説明するための図である。
【
図13】情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0018】
<システム構成>
図1は、情報処理システム1000の全体構成を説明するための図である。
図1を参照して、情報処理システム1000は、シール材23を用いたフランジ24の締結に関するアドバイス情報を出力するためのシステムである。情報処理システム1000は、情報処理装置20と、サーバ30と、端末装置40とを含む。なお、本実施の形態では、端末装置40のユーザである作業者が、フランジ24の締結に用いられていた使用済のシール材を新たな使用前のシール材23に交換する場面を想定する。シール材23はフランジ24の規格に合ったものが使用される。作業者は、シール材23を介した一対のフランジ24の締結を適切に行なうために各種の計測を実行し、その計測情報を端末装置40に取り込む。端末装置40は、取り込んだ計測情報を情報処理装置20へ送信する。情報処理装置20は、受信した計測情報に基づくアドバイス情報を端末装置40へ送信する。
【0019】
シール材23は、一対のフランジ24同士が接合する部分に挟み込まれ、フランジ24のボルトの締め付けによって固定されることで、フランジ24の隙間から流体が漏洩することを防止する。シール材23は、ガスケットと称される固定用のシール材、または、パッキンと称される運動用のシール材である。以下では、説明の容易化のため、シール材23はガスケットであるとして説明を行なう。ガスケットは、設置される部位の隙間を封止し、その部位に密封性を持たせることが可能なシール材である。ガスケットには様々な種類が存在し、配管の使用態様に応じて適宜選択される。
【0020】
端末装置40は、情報処理装置20と通信可能に構成される。端末装置40は、シール材23およびフランジ24に関する計測情報を取得し、当該計測情報を情報処理装置20に送信する。端末装置40は、当該計測情報に対する応答として、情報処理装置20からシール材23を用いたフランジ24の締結に関するアドバイス情報を受信する。端末装置40は、典型的には、スマートフォンであるが、これに限られず、例えば、タブレット端末装置であってもよい。なお、端末装置40は、情報処理装置20と通信可能に構成されていてもよい。
【0021】
端末装置40は、シール材23の計測情報として、シール材23の色情報、撮像画像および使用環境を示す情報(以下、「使用環境情報」とも称する。)を取得する。具体的には、端末装置40は、色差計21からシール材23の色情報を取得する。色差計21は、シール材23の色情報を計測し、計測した色情報を端末装置40へ送信する。色情報は、例えば、色空間における色値であって、ここではL*、a*、b*色空間における値(以下、「Lab値」という。)であるとする。
【0022】
端末装置40は、カメラ22からシール材23の撮像画像を取得する。カメラ22は、一例として、レンズなどの光学系に加えて、CCD(Coupled Charged Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサといった、複数の画素に区画された撮像素子を含んで構成される。カメラ22による撮像によって取得された撮像画像は、端末装置40へ伝送される。なお、シール材23に対して光を照射する照明機器(例えば、LED、蛍光灯、白熱灯等)を別途用意してもよい。
【0023】
端末装置40は、作業者からシール材23の使用環境情報の入力を受け付ける。使用環境情報は、シール材23がシール対象とする流体(使用流体)と、シール材23が使用される温度(使用温度)と、シール材23が使用される圧力(使用圧力)とを含む。
【0024】
端末装置40は、フランジ24の計測情報として、フランジ24のシール面(フランジシール面)の撮像画像と、フランジ24の平坦度とを取得する。フランジ24のシール面の撮像画像は、例えば、カメラ22によって取得される。
【0025】
図2は、平坦度を説明するための模式図である。
図2を参照して、フランジ24の平坦度Dfは、フランジ24のシール面のそり度合いを示している。平坦度Dfは、例えば、フランジ24のシール面を平行な平面で挟んだときに生じる隙間の値で表される。平坦度Dfは、所定の計測機器を用いて予め定められた方法で計測される。作業者は、当該計測された平坦度Dfを端末装置40に入力する。
【0026】
再び、
図1を参照して、端末装置40は、シール材23を介して一対のフランジ24が締結された締結状態に関する計測情報を取得する。当該計測情報は、ボルトを回してフランジ24を締め付けた際に発生する締付力(軸力)、ボルトを回して締め付ける際に回転方向に回す力(締付トルク)、シール材23の締付面圧、一対のフランジ24における軸差、一対のフランジ24における直角度等である。軸力および締付トルクはいずれか一方を取得すればよいため、本実施の形態では軸力を取得するものとする。軸力(締付トルク)、締付面圧、軸差、および直角度は、所定の計測機器により予め定められた方法で計測される。
【0027】
画像400は、シール材23を介して一対のフランジ24が締結された状態を示している。各フランジ24には複数のボルト12が設けられている。各ボルト12には、ナット14が取り付けられる。ナット14を締め付けることにより、シール材23に均等な締付け力を付与することが可能である。締付け工具をナット14に当て、締付けトルクを付与すれば、各ボルト12には
図1中のZ軸方向に軸力(締付け力)が生じる。締付けトルクをT、軸力をF、トルク係数をk、ねじの呼び径をdとすると、T=kdFが成立する。本実施の形態では、締結状態に関する計測情報として、作業者は軸力を計測するものとする。
【0028】
また、作業者は、画像400のように一対のフランジ24が締結されているときにシール材23に与えられる締付面圧を計測する。締付面圧は、一対のフランジ24による押圧力によってシール材23に与えられる、
図1中のZ軸方向の締付圧力である。
【0029】
図3は、軸差および直角度を説明するための模式図である。
図3(a)を参照して、フランジ24における軸差Daは、一方のフランジ24の中心軸(中心線)と、他方のフランジ24の中心軸との差である。
図3(b)を参照して、直角度は、一方のフランジ24と他方のフランジ24との最大隙間Dmaxと、一方のフランジ24と他方のフランジ24との最小隙間Dminとの差分(すなわち、直角度=Dmax-Dmin)である。作業者は、この軸差および直角度を計測する。
【0030】
再び、
図1を参照して、情報処理装置20は、典型的には、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従う構造を有しており、予めインストールされたプログラムをプロセッサが実行することで、後述する各種の処理を実現する。情報処理装置20は、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)である。ただし、情報処理装置20は、以下に説明する機能および処理を実行可能な装置であればよく、他の装置(例えば、ラップトップPC、タブレット端末装置)であってもよい。
【0031】
本実施の形態では、情報処理装置20は、端末装置40から受信した各種の計測情報に基づいて、シール材23の使用環境、フランジ24の状態、および一対のフランジ24の締結状態を評価し、その評価結果や当該評価に基づくアドバイス情報を出力する。
【0032】
サーバ30は、情報処理装置20と通信可能に構成される。サーバ30は、情報処理装置20の処理に用いられる各種データを記憶する。
【0033】
図4は、情報処理システムの動作概要の一例を示すフローチャートである。
図4を参照して、端末装置40は、各種の計測情報を取得する(ステップS100)。具体的には、端末装置40は、シール材23の色情報および撮像画像、フランジ24の撮像画像および平坦度、締結状態に関する計測情報(軸力、締付面圧、軸差、直角度)を取得する。端末装置40は、各種の計測情報を情報処理装置20に送信する(ステップS110)。
【0034】
情報処理装置20は、各種の計測情報を端末装置40から受信して、内部メモリに記憶する(ステップS120)。情報処理装置20は、シール材23の計測情報に基づいて、シール材23の使用状態を評価する(ステップS130)。具体的には、情報処理装置20は、シール材23の色値(および撮像画像)からシール材23の種類(例えば、品番)を判定し、当該種類のシール材の推奨使用環境に基づいて、シール材23の使用環境を評価する。
【0035】
情報処理装置20は、フランジ24の計測情報に基づいて、フランジ24の状態を評価する(ステップS140)。具体的には、情報処理装置20は、フランジ24のシール面の撮像画像を用いて付着物の有無を評価したり、フランジ24の平坦度が所定基準を満たしているか否かを評価する。
【0036】
情報処理装置20は、締結状態に関する計測情報に基づいて、シール材23を介して一対のフランジ24が適切に締結されているか否かを評価する(ステップS150)。具体的には、情報処理装置20は、計測された軸力、締付面圧、軸差、および直角度が、それぞれの所定基準を満たしているか否かを評価する。
【0037】
情報処理装置20は、ステップS130~S150で行なわれた各評価結果に基づくアドバイス情報を生成し、当該アドバイス情報を端末装置40に送信する(ステップS160)。端末装置40は、受信したアドバイス情報をディスプレイに表示する(ステップS170)。なお、情報処理装置20は、ステップS130~S150で行なわれた各評価結果、およびアドバイス情報をサーバ30に送信してもよい。
【0038】
情報処理装置20によると、シール材23、フランジ24および締結状態の各種計測情報を用いて、シール材23を介した一対のフランジ24の締結に関するアドバイス情報が生成される。そのため、熟練者でない人でも当該締結が適切であるのか否かを迅速に把握でき、当該締結に関するトラブル対応を効率的に行なうことができる。
【0039】
<ハードウェア構成>
(情報処理装置)
図5は、情報処理装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5を参照して、情報処理装置20は、プロセッサ101と、メモリ103と、ディスプレイ105と、入力装置107と、入出力インターフェイス(I/F)109と、通信インターフェイス(I/F)111とを含む。これらの各部は、互いにデータ通信可能に接続される。
【0040】
プロセッサ101は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Multi Processing Unit)等といった演算処理部である。プロセッサ101は、メモリ103に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、情報処理装置20の各部の動作を制御する。より詳細にはプロセッサ101は、当該プログラムを実行することによって、情報処理装置20の各機能を実現する。
【0041】
メモリ103は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。メモリ103は、プロセッサ101によって実行されるプログラム、上述した計測情報等を記憶する。
【0042】
ディスプレイ105は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。ディスプレイ105は、情報処理装置20と一体的に構成されてもよいし、情報処理装置20とは別個に構成されてもよい。
【0043】
入力装置107は、情報処理装置20に対する操作入力を受け付ける。入力装置107は、例えば、キーボード、ボタン、マウスなどによって実現される。また、入力装置107は、タッチパネルとして実現されていてもよい。
【0044】
入出力インターフェイス109は、プロセッサ101と色差計21およびカメラ22との間のデータ伝送を仲介する。入出力インターフェイス109は、例えば、色差計21およびカメラ22と接続が可能である。プロセッサ101は、入出力インターフェイス109を介して、色差計21で測定された色値、およびカメラ22で撮像された撮像画像を取得する。
【0045】
通信インターフェイス111は、プロセッサ101とサーバ30等との間のデータ伝送を仲介する。通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等による無線通信方式が用いられる。なお、通信方式として、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信方式を用いてもよい。なお、プロセッサ101は、通信インターフェイス111を介して、色差計21およびカメラ22と通信してもよい。
【0046】
(サーバ)
サーバ30のハードウェア構成については公知のものを採用することができる。例えば、サーバ30は、各種処理を実行するためのプロセッサと、プログラムやデータなどを格納するためのメモリと、情報処理装置20と各種データを送受信するための通信インターフェイスと、ユーザからの指示を受け付けるための入力装置とを含む。
【0047】
(端末装置)
端末装置40は、後述するような情報処理を全体として提供できればよく、そのハードウェア構成については公知のものを採用することができる。例えば、端末装置40は、プロセッサと、メモリと、情報処理装置20と各種データを送受信するための通信インターフェイスと、ユーザからの指示を受け付けるためのタッチパネルと、各種情報を表示するためのディスプレイとを含む。
【0048】
<評価方式>
シール材23、フランジ24および締結状態の各評価方式について具体的に説明する。
【0049】
(評価基準)
図6および
図7を用いて評価基準について説明する。
図6は、個別評価基準のテーブルを示す図である。
図7は、最終評価基準のテーブルを示す図である。
図7(a)は、シール材23の最終評価基準のテーブルを示している。
図7(b)は、フランジ24の最終評価基準のテーブルを示している。
図7(c)は、シール材23を介した一対のフランジ24の締結状態の最終評価基準のテーブルを示している。
【0050】
図6を参照して、テーブル510は、項目として、“評価対象”、“指標”および“個別評価基準”を含む。具体的には、テーブル510には、評価対象の各指標に対する個別の評価基準が示されている。情報処理装置20は、テーブル510の個別評価基準に従って、各評価対象の各指標に対する評価を行なう。個別評価基準の評価レベル“3”は、最も評価が高い(例えば、推奨基準を満たしている)ことを示している。評価レベル“1”は、最も評価が低い(例えば、最低基準を満たしていない)ことを示している。評価レベル“2”は、評価レベル“3”および評価レベル“1”の中間の評価レベル(例えば、推奨基準は満たしていないが最低基準は満たしている)である。
【0051】
情報処理装置20は、指標A1“種類”と、指標B1“使用環境“とに基づいて、評価対象“シール材”を評価する。指標A1“種類”は、シール材23と、予め用意された各種のシール材との一致度に基づいて3段階で評価される。一致度の算出方式については後述する。一致度が70%以上である場合には評価レベルは“3”であり、シール材23の種類が高い精度で判定されたことを示している。一致度が10%以上70%未満である場合には評価レベルは“2”であり、シール材23の種類が最低限許容される精度で判定されたことを示している。一致度が10%未満である場合には評価レベルは“1”であり、シール材23の種類が判定できなかったことを示している。なお、この場合には、シール材23が劣化して変色している、あるいは、シール材23がそもそもフランジ24の規格に合わないシール材であること等が考えられる。
【0052】
指標B1“使用環境”は、指標A1“種類”に基づいて判定されたシール材23の種類に対応する“推奨使用環境”に基づいて2段階で評価される。シール材23の使用環境が推奨使用環境と一致する場合には評価レベルは“3”であり、一致しない場合には評価レベルは“1”である。
【0053】
情報処理装置20は、指標A1“種類”の評価レベルと、指標B1“使用環境“の評価レベルとに基づいて、評価対象“シール材”の最終的な評価レベルを判定する。
【0054】
図7(a)を参照して、テーブル710は、指標A1の評価レベルと指標B1の評価レベルとの組み合わせに対応するシール材23の最終評価レベルを示している。最終評価レベル“3”は、最も評価が高く、最終評価レベル“1”は最も評価が低いことを示している。最終評価レベル“2”は、評価レベル“3”および評価レベル“1”の中間の評価レベルである。これは、
図7(b)のテーブル720および
図7(c)のテーブル730についても同様である。なお、以下の説明では、評価レベル“x1”および評価レベル“x2”の組み合わせを、評価レベル(x1,x2)と表記する。例えば、指標A1,B1の各々の評価レベルが“3”である場合、指標A1,B1の評価レベルの組み合わせは、評価レベル(3,3)と表記される。
【0055】
指標A1,B1の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,3)である場合にのみ、シール材23の最終評価レベルは“3”である。この場合、シール材23の種類が高精度で判定され、シール材23の使用環境も推奨使用環境と一致する。そのため、シール材23の使用状態には問題がない(すなわち、シール材23は適切に使用されている)と評価される。
【0056】
指標A1,B1の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,2)である場合にのみ、シール材23の最終評価レベルは“2”である。指標B1の評価レベル“2”は存在しないため、この組み合わせは、指標B1の評価レベルが“3”、指標A1の評価レベルが“2”の組み合わせである。この場合、シール材23の種類に対応する使用環境は適切であるが、当該種類が高精度で判定されておらず誤っている可能性が否定できない。そのため、シール材23の使用状態は概ね問題がないと評価される。
【0057】
指標A1,B1の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,1),(2,1),(1、1)である場合、シール材23の最終評価レベルは“1”である。この場合、シール材23の種類が判定できないか、あるいは、シール材23の使用環境が推奨使用環境ではない。そのため、シール材23の使用状態は不適切であると評価される。
【0058】
再び、
図6を参照して、情報処理装置20は、指標A2“
付着物”と、指標B2“平坦度“とに基づいて、評価対象“フランジ”を評価する。
【0059】
指標A2“付着物”は、フランジ24のシール面における所定領域の面積に対する付着物の面積の比率(以下「面積比率」とも称する。)に基づいて3段階で評価される。面積比率の算出方式については後述する。“面積比率”が10%未満である場合には評価レベルは“3”であり、フランジ24のシール面には付着物がほぼ存在しないことを示している。“面積比率”が10%以上50%未満である場合には評価レベルは“2”であり、フランジ24のシール面に付着物が比較的多く存在することを示している。“面積比率”が50%以上である場合には評価レベルは“1”であり、フランジ24のシール面に付着物が非常に多く存在することを示している。
【0060】
指標B2“平坦度”は3段階で評価される。平坦度が1/250mm未満である場合には評価レベルは“3”である。この場合、平坦度は推奨基準を満たしている。平坦度が1/250mm以上1/150mm未満である場合には評価レベルは“2”である。この場合、平坦度は、推奨基準を満たしていないが最低基準(すなわち、最低限満たすべき設計基準)を満たしている。平坦度が1/150以上である場合には評価レベルは“1”である。この場合、平坦度は最低基準を満たしていない。
【0061】
図7(b)を参照して、テーブル720は、指標A2の評価レベルと指標B2の評価レベルとの組み合わせに対応するフランジ24の最終評価レベルを示している。
【0062】
指標A2,B2の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,3)である場合にのみ、フランジ24の最終評価レベルは“3”である。この場合、フランジ24のシール面には付着物がほぼ存在せず、当該シール面の平坦度も推奨基準を満たしているため、フランジ24の状態は十分に適切であると評価される。
【0063】
指標A2および指標B2の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,2),(2,2)である場合、フランジ24の最終評価レベルは“2”である。この場合、フランジ24のシール面に存在する付着物が比較的多いか、または、当該シール面の平坦度が最低基準を満たしている。そのため、フランジ24の状態が概ね適切であると評価される。
【0064】
指標A2および指標B2の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,1),(2,1),(1,1)である場合、フランジ24の最終評価レベルは“1”である。この場合、フランジ24のシール面の付着物が非常に多いか、シール面が最低基準を満たしていない。そのため、フランジ24の状態は不適切であると評価される。
【0065】
再び、
図6を参照して、情報処理装置20は、指標A3“軸力”と、指標B3“締付面圧“と、指標C3“軸差/直角度”とに基づいて、評価対象“締結状態”を評価する。
【0066】
指標A3“軸力”は、推奨軸力、必要軸力および最大軸力に基づいて3段階で評価される。計測された軸力(以下「計測軸力」とも称する。)が、推奨軸力の±5%以内に収まっている場合には評価レベルは“3”である。この場合、計測軸力が推奨基準を満たすと評価される。また、計測軸力が推奨軸力の±5%以上であるが、必要軸力以上であり、最大軸力未満である場合には、評価レベルは“2”である。この場合、計測軸力が最低基準を満たすと評価される。さらに、計測軸力が必要軸力未満であるか、または最大軸力以上である場合には、評価レベルは“1”である。この場合、計測軸力が最低基準を満たしていないと評価される。
【0067】
指標B3“締付面圧”は、推奨締付面圧、最小締付面圧および最大締付面圧に基づいて3段階で評価される。計測された締付面圧(以下「計測締付面圧」とも称する。)が、推奨締付面圧の±5%以内に収まっている場合には評価レベルは“3”である。この場合、計測締付面圧が推奨基準を満たすと評価される。また、計測締付面圧が推奨締付面圧の±5%以内に収まっておらず、最小締付面圧以上かつ最大締付面圧未満である場合には、評価レベルは“2”である。この場合、計測締付面圧が最低基準を満たすと評価される。さらに、計測締付面圧が最小締付面圧未満であるか、または最大締付面圧以上である場合には、評価レベルは“1”である。この場合、計測締付面圧が最低基準を満たしていないと評価される。
【0068】
指標C3“軸差/直角度”は、基準軸差、基準直角度、最大軸差および最大直角度に基づいて、3段階で評価される。計測された軸差(以下「計測軸差」とも称する。)が、基準軸差(例えば、1.5mm)未満であり、かつ計測された直角度(以下「計測直角度」とも称する。)が基準直角度(例えば、0.8mm)未満である場合、評価レベルは“3”である。この場合、計測軸差および計測直角度の各々が推奨基準を満たし、軸差/直角度は全体として推奨基準を満たすと評価される。また、計測軸差が1.5mm以上であるか、または、計測直角度が0.8mm以上である場合、評価レベルは“2”である。この場合、計測軸差および計測直角度の一方が推奨基準を満たし他方が推奨基準を満たしていないと評価され、軸差/直角度は全体として最低基準を満たすと評価される。また、計測軸差が1.5mm以上であり、かつ計測直角度が0.8mm以上である場合、評価レベルは“1”である。この場合、計測軸差および計測直角度が推奨基準を満たしていないと評価され、軸差/直角度は全体として最低基準を満たしていないと評価される。
【0069】
図7(c)を参照して、テーブル730は、指標A3、指標B3、指標C3の各評価レベルの組み合わせに対応する締結状態の最終評価レベルを示している。
【0070】
指標A3,B3,C3の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,3,3)である場合にのみ、シール材23を介した一対のフランジ24の締結状態の最終評価レベルは“3”である。この場合、軸力、締付面圧、軸差/直角度の各々がすべて推奨基準を満たしているため、当該締結状態は十分に適切であると評価される。
【0071】
指標A3,B3,C3の評価レベルの組み合わせが評価レベル(3,3,2),(3,2,2),(2,2,2)である場合、締結状態の最終評価レベルは“2”である。この場合、軸力、締付面圧、軸差/直角度のうちの少なくとも1つが推奨基準を満たしていないが最低基準は満たしている。そのため、締結状態が概ね適切であると評価される。
【0072】
各指標A3,B3,C3の評価レベルの少なくとも1つが“1”である場合、締結状態の最終評価レベルは“1”である。この場合、軸力、締付面圧、軸差/直角度のいずれかが最低基準を満たしていない。そのため、締結状態は不適切であると評価される。
【0073】
(シール材の評価)
上述したシール材23の各指標A1,B1の評価レベルを算出するまでの流れについて具体的に説明する。まず、情報処理装置20は、計測されたシール材23の色値と、複数の候補シール材の色値との色差を算出し、当該色差に基づいてシール材23の種類を判定する。
【0074】
図8は、色差に関する各種のデータベースの一例を示す図である。
図8(a)は、互いに種類(例えば、品番)が異なる複数の候補シール材間における色差をデータベース化したテーブル310を示している。
図8(b)は、同一種類の複数の候補シール材間における色差をデータベース化したテーブル320を示している。
図8(c)は、評価対象のシール材23(
図8(c)の「対象物」に対応)と各候補シール材との間における色差を、テーブル310に追加したテーブル330を示している。なお、テーブル310,320は、情報処理装置20のメモリ103に予め記憶されている。これらのテーブル310,320はサーバ30に格納されていてもよい。
【0075】
情報処理装置20は、端末装置40から取得したシール材23の色値と、複数の候補シール材(例えば、品番「♯600」,品番「♯700」,品番「♯300」のシール材)の色値とに基づいて、各色差ΔEを算出することにより、テーブル330を生成する。例えば、シール材23の色値がL1
*,a1
*,b1
*であり、候補シール材の色値がL2
*,a2
*,b2
*である場合、色差ΔEは、ΔE={(L2
*-L1
*)2+(a2
*-a1
*)2+(b2
*-b1
*)2}1/2で表される。テーブル330によると、例えば、シール材23と品番「♯600」のシール材との色差ΔEは“4.2”であることがわかる。
【0076】
情報処理装置20は、テーブル320,330を用いて、シール材23と複数の候補シール材との一致度を算出する。例えば、シール材23と品番「♯600」のシール材との一致度の算出方式を説明する。まず、シール材23と品番「♯600」のシール材との色差ΔEである“4.2”から、品番「♯600」の複数のシール材間における色差の最大値(以下「最大色差」とも称する。)である“1.4”を減算する(すなわち、4.2-1.4=2.8)。同一種類間の色ズレを考慮した値“2.8”が、シール材23と品番「♯600」のシール材との真の色差を示している。
【0077】
次に、この値“2.8”を割合換算して百分率で示したものが一致度となる。すなわち、シール材23と品番「♯600」のシール材との一致度M1は、M1=(1/2.8)×100=35.7%と算出される。同様に、シール材23と品番「♯700」のシール材との一致度M2は、M2={1/(2.2-0.8)}×100=71.4%と算出される。シール材23と品番「♯300」のシール材との一致度M3は、M3={1/(18.2-1.1)}×100=5.8%と算出される。
【0078】
なお、シール材23と候補シール材との間の色差の値によっては、上記計算式により算出される一致度が100%を超える場合もある。この場合には、当該一致度から100%を減じた値を、シール材23と候補シール材との一致度として用いる。
【0079】
情報処理装置20は、算出した各一致度(例えば、35.7%,71.4%,5.8%)のうちの最大一致度(すなわち、71.4%)を抽出する。上記の
図6で説明した“一致度”は、抽出された最大一致度に相当する。情報処理装置20は、シール材23が、最大一致度に対応する品番「♯700」のシール材と同一種類であると判定する。このように、70%以上の最大一致度に対応する品番が存在する場合には、シール材23は当該品番(例えば、「♯700」)のシール材である可能性が非常に高い。この場合、シール材23の種類が高い精度で判定されたと評価され、
図6の指標A1“種類”の評価レベルは“3”となる。
【0080】
典型的には、情報処理装置20は、上記のようにシール材23の色値を用いて、当該シール材23の種類を判定することができる。ただし、上記のように算出された各一致度(例えば、一致度M1~M3)が互いに近い値である場合には、シール材23の撮像画像を用いてシール材23の種類を判定してもよい。
【0081】
具体的には、各一致度のうち大きい方から所定数N(ただし、Nは2以上の整数)の一致度の最大値と最小値との差分が所定値K1未満であるとする。この場合、情報処理装置20は、シール材23の撮像画像と、所定数Nの一致度に対応する所定数Nの候補シール材の撮像画像との照合結果に基づいて、シール材23の種類を判定する。
【0082】
ここで、説明の容易化のため、仮に、一致度M1が75%、一致度M2が70%、一致度M3が20%、所定数Nが2、所定値K1が10%であるとする。この場合、各一致度M1~M3のうち大きい方から2つの一致度M1およびM2の最大値(75%)と最小値(70%)との差分(5%)は、10%未満となる。
【0083】
そのため、情報処理装置20は、シール材23の撮像画像と、一致度M1に対応する品番「#700」のシール材の撮像画像および一致度M2に対応する品番「#600」のシール材の撮像画像との照合処理を行ない、シール材23の種類を判定する。
【0084】
図9は、画像照合処理の一例を示す図である。
図9を参照して、情報処理装置20は、品番「#700」のシール材の撮像画像350と、シール材23の撮像画像370とを照合するとともに、品番「#600」のシール材の撮像画像360と、シール材23の撮像画像370とを照合する。
【0085】
製法の差異により、品番「#600」のシール材の撮像画像360には直線性の模様362が含まれるが、品番「#700」のシール材の撮像画像350とシール材23の撮像画像370には、当該模様は含まれていない。そのため、情報処理装置20は、撮像画像350の方が撮像画像360よりも撮像画像370に類似すると判断し、シール材23が、撮像画像350に対応する品番「♯700」のシール材と同一種類であると判定する。
【0086】
なお、シール材23の画像と候補シール材(この場合、品番「#600」,「♯700」のシール材)の画像との照合は、公知の画像処理を適用し得る。例えば、シール材23の画像、および候補シール材の画像を複数の領域に分割し、領域ごとに特徴量を比較する処理が挙げられる。
【0087】
情報処理装置20は、上記のようにシール材23の種類を判定した後、当該種類に関連付けられている推奨使用環境を内部メモリ(メモリ103)から読み出す。上記の例に従うと、シール材23は品番「♯700」のシール材であると判定されたため、品番「♯700」の推奨使用環境を読み出す。そして、情報処理装置20は、端末装置40から受信したシール材23の使用環境と、品番「♯700」の推奨使用環境とを比較する。これらが一致する場合には指標B1の評価レベルは“3”となり、これらが一致しない場合には指標B1の評価レベルが“1”となる。
【0088】
情報処理装置20は、上記のように指標A1,B1についての評価レベルを算出し、各評価レベルと
図7のテーブル710とに基づいて、シール材23の最終評価レベルを算出する。
【0089】
(フランジの評価)
上述したフランジ24の各指標A2,B2の評価レベルを算出するまでの流れについて具体的に説明する。まず、情報処理装置20は、フランジ24のシール面の撮像画像を解析し、上述した面積比率を求めて、当該シール面おける付着物の存在の有無を判定する。
【0090】
図10は、フランジ24の撮像領域を説明するための図である。
図10を参照して、フランジ24の撮像領域55は、フランジ24のシール面における締結部51を含む領域に設定される。締結部51はシール材23が配置される部位である。カメラ22は、撮像領域55を含むようにフランジ24のシール面を撮像する。
【0091】
図11は、面積比率の算出方式を説明するための図である。
図11(a)は、フランジ24に付着物が存在しない場合の解析例を示す図である。
図11(b)は、フランジ24に付着物が存在する場合の解析例を示す図である。
【0092】
図11(a)を参照して、画像610は撮像領域55の撮像画像である。線612と線614とで囲まれた領域を解析領域618と定義する。画像616は、解析領域618を画像解析によりハイライト表示したものである。
図11(b)を参照して、画像620は、撮像領域55の撮像画像であり、線622と線624とで囲まれた領域を解析領域628と定義する。画像626は、解析領域628を画像解析によりハイライト表示した画像である。なお、画像626は白色領域630を含む。
【0093】
画像616と画像626とを比較すると、画像616には白色領域が存在しないが、画像626には白色領域630が存在する。具体的には、白色領域630は、フランジ24のシール面における付着物の存在領域を示している。ここで、面積比率は、フランジ24のシール面における解析領域の面積に対する付着物の面積の比率である。したがって、
図11(a)の場合には、白色領域が存在しないため面積比率は0%である。一方、
図11(b)の場合には、面積比率は、解析領域628の面積に対する白色領域630の面積の比率となり、約80%である。
【0094】
図11(a)のフランジ24の場合には、面積比率が10%未満であるため、
図6の指標A2の評価レベルは“3”となる。
図11(b)のフランジ24の場合には、面積比率が50%以上であるため、指標A2の評価レベルは“1”となる。
【0095】
また、情報処理装置20は、計測された平坦度Dfと、
図6の個別評価基準とを比較することにより、指標B2の評価レベルを算出する。例えば、平坦度Dfが1/300mmである場合、1/250mm未満という推奨基準を満たすため、指標B2の評価レベルは“3”となる。
【0096】
情報処理装置20は、上記のように指標A2,B2についての評価レベルを算出し、各評価レベルと
図7のテーブル720とに基づいて、フランジ24の最終評価レベルを算出する。
【0097】
(締結状態の評価)
情報処理装置20は、計測軸力と、
図6の指標A3の個別評価基準とを比較することにより、指標A3の評価レベルを算出する。例えば、計測軸力が推奨軸力の±5%以内に収まっている場合、指標A3の評価レベルは“3”となる。同様に、情報処理装置20は、計測締付面圧と、
図6の指標B3の個別評価基準とを比較することにより、指標B3の評価レベルを算出する。例えば、計測締付面圧が推奨締付面圧の±5%以内に収まっている場合、指標B3の評価レベルは“3”となる。同様に、情報処理装置20は、計測軸差および計測直角度と、
図6の指標C3の個別評価基準とを比較することにより、指標C3の評価レベルを算出する。例えば、計測軸差が1.5mm未満であり、かつ計測直角度が0.8mm未満である場合、指標C3の評価レベルは“3”となる。
【0098】
情報処理装置20は、上記のように指標A3,B3,C3についての評価レベルを算出し、各評価レベルと
図7のテーブル730とに基づいて、締結状態の最終評価レベルを算出する。
【0099】
<アドバイス情報の出力>
図12は、アドバイス情報の出力例を示す図である。
図12を参照して、テーブル800は、各最終評価レベルに対応するアドバイス情報の出力例を示している。具体的には、情報処理装置20は、シール材23の評価結果(例えば、最終評価レベル)と、フランジ24の最終評価レベルと、締結状態の最終評価レベルとに基づいて、シール材23を用いたフランジ24の締結に関するアドバイス情報を出力する。アドバイス情報は、各評価結果に基づく総合的な評価結果(
図12中の「最適」、「適」等)と改善内容とを含む。
【0100】
3つの最終評価レベルがすべて“3”である場合(テーブル800の行R1の場合)、総合評価結果は「最適」となる。これは、シール材23を用いたフランジ24の締結には全く問題がないことを示している。
【0101】
2つの最終評価レベルが“3”であり、1つの最終評価レベルが“2”である場合、総合評価結果は「適」となる。これは、最終評価レベル“2”に対応する評価対象は推奨基準を満たしていないものの、シール材23を用いたフランジ24の締結は全体としてほぼ問題がないことを示している。この場合、最終評価レベル“2”に対応する評価対象に関する追加情報が出力される。
【0102】
例えば、シール材23およびフランジ24の各最終評価レベルが“3”であり、締結状態の最終評価レベルが“2”である場合(テーブル800の行R2の場合)、総合評価結果「適」とともに、締結状態に関する追加情報(例えば、締結方法、増締頻度)が出力される。行R3の場合には、フランジに関する追加情報(例えば、フランジの点検修正方法、交換頻度、推奨型番)が出力される。行R8の場合には、シール材に関する追加情報(例えば、シール材の推奨品番、ペースト塗布法)が出力される。
【0103】
次に、1つの最終評価レベルが“3”であり、2つの最終評価レベルが“2”である場合、総合評価結果は「可」となる。3つの最終評価レベルが“2”である場合にも、総合評価結果は「可」となる。これは、最終評価レベル“2”に対応する評価対象は推奨基準を満たしていないものの、シール材23を用いたフランジ24の締結は、全体として最低限基準を満たしていることを示している。この場合、最終評価レベル“2”に対応する評価対象に関する推奨情報が出力される。
【0104】
例えば、シール材23の最終評価レベルが“3”であり、フランジ24および締結状態の各最終評価レベルが“2”である場合(テーブル800の行R4の場合)、総合評価結果「可」とともに、フランジおよび締結状態の各々の推奨情報が出力される。また、シール材23、フランジ24および締結状態の各最終評価レベルが“2”である場合(テーブル800の行R11の場合)、総合評価結果「可」とともに、シール材、フランジおよび締結状態の各々の推奨情報が出力される。
【0105】
次に、シール材23の最終評価レベルが“2”または“3”であり、フランジ24および締結状態の各最終評価レベルのうちのいずれかが“1”である場合、総合評価結果は「不可」となる。これは、最終評価レベル“1”に対応する評価対象が最低基準を満たしていないことを示す。この場合、最終評価レベル“1”に対応する評価対象の再確認を促す情報が出力される。なお、当該再確認を補助するための情報が出力されてもよい。
【0106】
例えば、締結状態の最終評価レベルが“1”であり、シール材23およびフランジ24の各最終評価レベルが“3”である場合(テーブル800の行R5の場合)、総合評価結果「不可」とともに、締結状態の再確認を促す情報が出力される。また、作業者による締結状態の再確認を補助するための情報(例えば、軸力、締付面圧、直角度、軸差の推奨基準等)が出力されてもよい。他の例として、フランジ24の最終評価レベルが“1”であり、シール材23および締結状態の各最終評価レベルが“3”である場合(テーブル800の行R6の場合)、総合評価結果「不可」とともに、フランジ24の状態の再確認を促す情報が出力される。また、作業者による再確認を補助するための情報(例えば、適切な状態のフランジ画像、平坦度の推奨基準等)が出力されてもよい。
【0107】
次に、シール材23の最終評価レベルが“1”である場合(テーブル800の行R15等の場合)、総合評価結果は「施工不可」となる。これは、シール材23自体が不良品であるか、または、使用環境を満たさないシール材23が使用されているため、そもそも、このシール材23を用いた施工自体が不可能であることを示している。この場合、総合評価結果「施工不可」とともに、シール材23の再確認(あるいは変更)を促す情報が出力される。
【0108】
なお、情報処理装置20は、最終評価レベルが“2”または“1”に対応する評価対象についての詳細な評価結果をアドバイス情報としてさらに出力する構成であってもよい。例えば、シール材23の最終評価レベルが“1”または”2”であった場合、シール材23の指標A1,B1(
図6参照)に関する評価結果を出力する構成であってもよい。この場合、例えば、指標A1に関しては、シール材23の種類が判定できない(あるいは、精度が低い)との評価結果が出力され、指標B1に関しては、シール材23の使用環境が推奨使用環境を満たしていないとの評価結果が出力される。
【0109】
フランジ24の最終評価レベルが“1”または”2”であった場合、フランジ24の指標A2,B2(
図6参照)に関する評価結果を出力する構成であってもよい。例えば、指標A2に関しては、フランジ24に付着物が存在しているとの評価結果が出力される。指標B2に関しては、フランジ24の平坦度が推奨基準(または最低基準)を満たしていないとの評価結果が出力される。
【0110】
締結状態の最終評価レベルが“1”または”2”であった場合、締結状態の指標A3,B3,C3(
図6参照)に関する評価結果を出力する構成であってもよい。例えば、指標A3に関しては、軸力が推奨基準(または最低基準)を満たしていないとの評価結果が出力される。指標B3に関しては、締付面圧が推奨基準(または最低基準)を満たしていないとの評価結果が出力される。指標C3に関しては、軸差/直角度が推奨基準(または最低基準)を満たしていないとの評価結果が出力される。
【0111】
<機能構成>
図13は、情報処理装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図13を参照して、情報処理装置20は、主たる機能構成として、第1評価部201と、第2評価部202と、第3評価部203と、取得部210と、出力制御部220とを含む。これらの各機能は、例えば、情報処理装置20のプロセッサ101がメモリ103に格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらの機能の一部または全部はハードウェアで実現されるように構成されていてもよい。
【0112】
取得部210は、通信インターフェイス111を介して、端末装置40から各種計測情報を取得(受信)する。具体的には、取得部210は、シール材23の計測情報として、シール材23の色値、撮像画像および使用環境(例えば、使用流体、使用温度、使用圧力)を示す情報を受信する。取得部210は、フランジ24の計測情報として、フランジ24の撮像画像および平坦度を受信する。取得部210は、締結状態の計測情報として、軸力、締付面圧、軸差および直角度を受信する。
【0113】
第1評価部201は、シール材23の計測情報に基づいてシール材23を評価する。ある局面では、第1評価部201は、シール材23の色値に基づいて、シール材23の種類を判定する。具体的には、第1評価部201は、シール材23の色値と、複数の候補シール材の各々の色値とに基づいて、各候補シール材とシール材23との色差を算出する。メモリ103は、互いに異なる種類の複数の候補シール材(例えば、品番「♯600」,「♯700」,「#300」等)の各々の色値を記憶している。
【0114】
続いて、第1評価部201は、各候補シール材とシール材23との色差に基づいて、各候補シール材とシール材23との一致度を算出する。より具体的には、第1評価部201は、複数の候補シール材の各々について、当該候補シール材とシール材23との色差および当該候補シール材における最大色差に基づいて、当該候補シール材とシール材23との一致度を算出する。メモリ103は、複数の候補シール材の各々について、当該候補シール材同士間(例えば、品番「♯600」のシール材同士間)の最大色差を記憶(例えば、テーブル320を記憶)している。そして、第1評価部201は、算出された各一致度に基づいて、シール材23の種類を判定する。例えば、第1評価部201は、シール材23が、各一致度のうちの最大一致度に対応する候補シール材と同一種類であると判定する。なお、第1評価部201は、テーブル510(
図6参照)と、最大一致度の値とに応じて指標A1の評価レベルを算出する。なお、上述したように、算出された各一致度が近い値である場合には、第1評価部201は、シール材23の撮像画像と、所定数Nの一致度に対応する所定数Nの候補シール材の撮像画像との照合結果に基づいて、シール材23の種類を判定してもよい。
【0115】
他の局面では、第1評価部201は、シール材23の使用環境を示す情報と、当該判定された種類のシール材の推奨使用環境を示す情報とを比較することにより、シール材23の使用環境の適否を評価する。具体的には、シール材23の使用環境を示す情報と、当該推奨使用環境を示す情報とが一致する場合には、第1評価部201は、シール材23の使用環境が適していると評価し(例えば、指標B1の評価レベル“3”を算出し)、そうではない場合には、シール材23の使用環境が適していないと評価する(指標B1の評価レベル“1”を算出する)。
【0116】
第1評価部201は、シール材23の種類の判定精度(例えば、指標A1の評価結果)と、シール材23の使用環境の適否(例えば、指標B1の評価結果)とに基づいて、シール材23の最終的な評価結果(例えば、
図7のテーブル710に示す最終評価レベル)を出力制御部220に出力する。
【0117】
第2評価部202は、シール材23を用いて締結する前のフランジ24の撮像画像に基づいて、締結前のフランジ24の状態を評価する。ある局面では、第2評価部202は、撮像画像(例えば、画像610,620)の解析領域(例えば、解析領域618,628)に対する、フランジ24に付着した付着物が占める面積(例えば、白色領域630)の比率を算出する。第2評価部202は、この面積比率が閾値Th1(例えば、10%)未満である場合、フランジ24のシール面には付着物がほぼ存在しないと評価(例えば、指標A2の評価レベル“3”を算出)する。
【0118】
他の局面では、第2評価部202は、フランジ24の平坦度が閾値Th2(例えば、1/250mm)未満である場合、フランジ24の平坦度は推奨基準を満たすと評価(例えば、指標B2の評価レベル“3”を算出)する。
【0119】
第2評価部202は、フランジ24の付着物の有無(例えば、指標A2の評価結果)と、フランジ24の平坦度の評価結果(例えば、指標B2の評価結果)とに基づいて、フランジ24の最終的な評価結果(例えば、
図7のテーブル720に示す最終評価レベル)を出力制御部220に出力する。
【0120】
典型的には、第2評価部202は、面積比率が閾値Th1未満であって、かつフランジ24の平坦度が閾値Th2未満である場合、フランジ24の状態が適切であると評価する(最終評価レベル“3”を算出する)。ただし、フランジ24の状態は、指標A2のみで評価する構成であってもよい。この場合、第2評価部202は、面積比率が閾値Th1未満である場合に、フランジ24の状態が適切であると評価してもよい。
【0121】
第3評価部203は、フランジ24の締結に関する予め定められた条件に基づいて、シール材23を介した一対のフランジ24の締結状態を評価する。具体的には、第3評価部203は、シール材23を介した一対のフランジ24の締結状態に関するパラメータが予め定められた条件を満たしている場合に、一対のフランジ24の締結状態が適切であると評価する。パラメータは、軸力、締付面圧、軸差、直角度のうちの少なくとも1つを含む。予め定められた条件を満たすことは、例えば、各パラメータ(例えば、軸力、締付面圧、軸差、直角度)が推奨基準を満たす(例えば、指標A3,B3,C3の評価レベルがすべて“3”である)ことを含む。なお、
図6の説明では、指標A3が軸差および直角度の組み合わせである場合について説明したが、当該構成に限られない。軸差および直角度の各々を個別の指標として評価する構成であってもよい。
【0122】
第3評価部203は、各パラメータの評価結果(例えば、指標A3,B3,C3の評価結果)に基づいて、締結状態の最終的な評価結果(例えば、
図7のテーブル730に示す最終評価レベル)を出力制御部220に出力する。
【0123】
出力制御部220は、第1評価部201、第2評価部202および第3評価部203の各評価結果に基づいて、シール材23を用いたフランジ24の締結に関するアドバイス情報を出力する。アドバイス情報は、各評価結果に基づく総合的な評価結果(例えば、
図12のテーブル800の「最適」、「適」等の総合評価結果)と、第1評価部201、第2評価部202および第3評価部203の各々について、当該評価部(例えば、第1評価部201)により否定的な評価(例えば、最終評価レベルが“1”)がなされた場合に当該評価部の評価対象(例えば、シール材23)の確認を促す情報とを含む。また、アドバイス情報は、当該評価部による否定的な評価を肯定的な評価(例えば、最終評価レベルが“3”)に改善するための情報(テーブル800の「改善内容」)をさらに含んでもよい。
【0124】
出力制御部220は、アドバイス情報を端末装置40に送信する。なお、出力制御部220は、サーバ30にアドバイス情報を送信してもよい。また、出力制御部220は、アドバイス情報をディスプレイ105に表示してもよい。
【0125】
<利点>
本実施の形態によると、シール材を用いたフランジの締結に関する効果的なアドバイス情報を迅速に提示することができる。そのため、熟練者でない人でも当該アドバイス情報に従って適切なフランジの締結を行なうことができる。また、シール材の使用やフランジの締結に関するトラブルに迅速に対応できる。
【0126】
<その他の実施の形態>
(1)上述した実施の形態では、情報処理装置20は端末装置40から各種計測情報を受信する構成について説明したが、当該構成に限られない。情報処理装置20自体が各種計測情報を取得する構成であってもよい。
【0127】
(2)上述した実施の形態において、コンピュータを機能させて、上述のフローチャートで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、二次記憶装置、主記憶装置およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0128】
プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。また、本実施の形態にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本実施の形態にかかるプログラムに含まれ得る。
【0129】
(3)上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
【0130】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0131】
12 ボルト、14 ナット、20 情報処理装置、21 色差計、22 カメラ、23 シール材、24 フランジ、30 サーバ、40 端末装置、51 締結部、55 撮像領域、101 プロセッサ、103 メモリ、105 ディスプレイ、107 入力装置、109 入出力インターフェイス、111 通信インターフェイス、201 第1評価部、202 第2評価部、203 第3評価部、210 取得部、220 出力制御部、1000 情報処理システム。