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特許7617129流体流に対応するデータを検出するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】流体流に対応するデータを検出するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/02 20060101AFI20250109BHJP
   A63G 31/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F9/02 Z
A63G31/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022552865
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 US2021020323
(87)【国際公開番号】W WO2021178322
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】62/983,998
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/827,336
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【弁理士】
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】ジェロミン アーロン チャンドラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウトハマー アキヴァ メイア
(72)【発明者】
【氏名】ハーツラー エラム ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ライジ アンドリュー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ルゴ ヴィクター アレクサンダー
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105727562(CN,A)
【文献】特開2005-058394(JP,A)
【文献】特開2019-114939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-9/34
A63G 31/00-31/16
A63G 33/00
H04B 10/00-10/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトラクションシステムであって、
内部反射を助長する幾何形状を有する流体流を放出するように構成された流体源と、
内部反射によってパラメータを含む信号が前記流体流に閉じ込められるように、前記流体流を介して前記信号を送信するように構成された送信器と、
前記流体流を介して前記信号を受信し、前記パラメータを示すデータを提供するように構成されたセンサと、
前記センサに通信可能に接続された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、前記プロセッサに、
前記センサから前記パラメータを示す前記データを受信させ、
前記パラメータに基づいて前記アトラクションシステムを動作させる、
ための命令を含む、アトラクションシステム。
【請求項2】
前記流体源によって放出された前記流体流を受け取るように構成されたターゲットを備え、前記ターゲットは、前記センサを備える、
請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項3】
前記流体源は、前記送信器を備える、
請求項2に記載のアトラクションシステム。
【請求項4】
前記制御システムは、前記アトラクションシステムのデータベースに通信可能に接続され、前記制御システムは、前記パラメータに基づいて前記データベースを更新するように構成されている、
請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項5】
前記パラメータは、前記流体源に関連する一意の識別子を含む、
請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項6】
前記メモリは、前記プロセッサに、前記パラメータを示す前記データを復号化することによって前記一意の識別子を決定するようにさせるための命令を含む、
請求項5に記載のアトラクションシステム。
【請求項7】
前記制御システムは、前記センサから適切なデータを受信しないことに基づいて、前記アトラクションシステムを動作させるように構成されている、
請求項1に記載のアトラクションシステム。
【請求項8】
前記流体源はアクチュエータを含み、前記制御システムは、前記センサから前記適切なデータを受信しないことに応答して、前記流体源を動かすために前記アクチュエータを作動させるように構成されている、
請求項7に記載のアトラクションシステム。
【請求項9】
流体システムであって、
内部反射を助長する幾何形状を有する流体流を放出するように構成された流体源と、
前記流体源によって放出された前記流体流を受け取るように構成されたターゲットと、
パラメータを含む信号が内部反射によって前記流体流を伝わるように、前記信号を前記流体流に送信するように構成されている送信器と、
前記流体流を介して前記信号を受信するように構成されているセンサであって、前記センサは前記信号に基づいてデータを送信するように構成されている、センサと、
前記センサに通信可能に接続された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、前記プロセッサに、
前記センサから送信された前記データを受信させ、
前記送信された前記データに基づいて前記パラメータを決定させ、
前記パラメータに基づいて前記流体システムを動作させる、
ための命令を含む、流体システム。
【請求項10】
前記ターゲットは前記送信器を備え、前記流体源は前記センサを備える、
請求項9に記載の流体システム。
【請求項11】
前記流体源によって放出された前記流体流を受け取るように構成された追加のターゲットを備え、前記追加のターゲットは、前記内部反射によって前記流体流を介して追加信号を送信するように構成された追加の送信器を備え、前記追加信号は、追加パラメータを含み、前記センサは、前記流体流を介して前記追加信号を受信するように構成されており、 前記制御システムは、
前記センサから前記追加信号を受信し、
前記追加信号から前記追加パラメータを決定し、
前記追加信号の前記追加パラメータに基づいて前記流体システムを動作させる、
ように構成されている、
請求項10に記載の流体システム。
【請求項12】
前記制御システムによってアクセス可能なデータベースを含み、前記データベースは、前記流体源に関連するユーザプロファイルを格納するように構成されており、前記制御システムは、
前記センサから送信された前記データの受信に応答して、前記パラメータに基づいて前記ユーザプロファイルを更新する、
前記センサからの前記追加信号の受信に応答して、前記追加パラメータに基づいて前記ユーザプロファイルを更新する、または、
その両方を行う、
ように構成されている、
請求項11に記載の流体システム。
【請求項13】
前記メモリは、前記プロセッサに、前記パラメータに基づいて複数の流体源から前記流体源を識別させるための命令を含む、
請求項9に記載の流体システム。
【請求項14】
前記流体源および前記ターゲットの各々は、それぞれのアクチュエータを含み、前記制御システムは、前記パラメータに基づいて、前記流体源の前記アクチュエータを作動させて前記流体源を動かす、前記ターゲットのアクチュエータを作動させて前記ターゲットを動かす、またはその両方を行うように構成されている、
請求項9に記載の流体システム。
【請求項15】
アトラクションシステムであって、
内部反射が可能な第1の流体流を放出するように構成された第1の流体源と、
前記内部反射を介して前記第1の流体流を介して第1のパラメータを有する第1の信号を送信するように構成された第1の送信器と、
内部反射が可能な第2の流体流を放出するように構成された第2の流体源と、
前記内部反射を介した前記第2の流体流を介して第2のパラメータを有する第2の信号を送信するように構成された第2の送信器と、
前記第1の流体流を介した前記第1の信号および前記第2の流体流を介した前記第2の信号を含む信号を受信するように構成された第1のセンサを含むターゲットと、
前記第1のセンサに通信可能に接続された制御システムと、
を備え、
前記制御システムは、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、前記プロセッサに、
前記第1のセンサから、受信信号の受信パラメータを示すデータを受信させ、
前記受信パラメータが第1のパラメータに相関する場合、前記第1の流体源を識別させ、
前記受信パラメータが第2のパラメータに相関する場合、第2の流体源を識別させる、
ための命令を含む、アトラクションシステム。
【請求項16】
前記制御システムは、前記受信パラメータが前記第1のパラメータまたは前記第2のパラメータに相関することに基づいて、成功したターゲット命中の表示をもたらすように構成されている、
請求項15に記載のアトラクションシステム。
【請求項17】
前記制御システムによってアクセス可能なデータベースを備え、前記データベースは、複数のユーザプロファイルを格納するように構成され、前記複数のユーザプロファイルの各ユーザプロファイルは、複数の流体源の流体源と関連付けられており、前記制御システムは、
前記受信パラメータが前記第1のパラメータに相関する場合、前記第1の流体源を識別することに応答して、前記第1の流体源に関連付けられた第1のユーザプロファイルを識別して更新し、
前記受信パラメータが前記第2のパラメータに相関する場合、前記第2の流体源を識別することに応答して、前記第2の流体源に関連付けられた第2のユーザプロファイルを識別して更新する、
ように構成されている、
請求項15に記載のアトラクションシステム。
【請求項18】
前記ターゲットは、前記第1の流体流および/または前記第2の流体流を介して第3の信号を送信するように構成された第3の送信器を備え、前記第3の信号は、第3のパラメータを示し、前記第1の流体源は、前記第1の流体流を介して前記第3の信号を受信するように構成された第2のセンサを備え、前記第2の流体源は、前記第2の流体流を介して前記第3の信号を受信するように構成された第3のセンサを備える、
請求項17に記載のアトラクションシステム。
【請求項19】
前記制御システムは、
前記第1のセンサおよび/または前記第2のセンサから、前記第3の信号の前記第3のパラメータを示す追加データを受信し、
前記受信パラメータが前記第1のパラメータに相関する場合、前記第1の流体源を識別することに応答して、前記第3のパラメータに基づいて前記第1のユーザプロファイルを更新し、
前記受信パラメータが前記第2のパラメータに相関する場合、前記第2の流体源を識別することに応答して、前記第3のパラメータに基づいて前記第2のユーザプロファイルを更新する、
ように構成されている、
請求項18に記載のアトラクションシステム。
【請求項20】
前記第1のパラメータは、第1の可視光波長を含み、前記第2のパラメータは、第2の可視光波長を含む、
請求項15に記載のアトラクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「流体流に対応するデータを検出するためのシステムおよび方法(SYSTEMS AND METHODS FOR DETECTING DATA CORRESPONDING TO FLUID STREAM)」というタイトルで2020年3月2日に出願された米国仮出願番号62/983,998の優先権およびその利益を主張し、その開示内容全体は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、読み手に、以下に記載する本開示の種々の態様に関連し得る種々の態様を紹介することを意図している。この考察は、読み手に対して本開示の種々の態様をより理解するのを容易にするための背景情報を提供するのを助けると考えられる。従って、本記載はこの観点から読まれものであり従来技術の自認ではないことを理解されたい。
【0003】
遊園地またはテーマパークは、各々が遊園地の来客にユニークな経験を提供する様々な特徴を含む。たとえば、遊園地は、ジェットコースター、モーションシミュレータ、ドロップタワー、パフォーマンスショー、ログフルームなどの異なるアトラクションを含むことができる。また、遊園地は、来客に提供されるユニークな体験を強化するために、ショー効果、相互作用的なアクティビティなどの様々な特徴を有することができる。このような特徴は、来客を楽しませるために、アトラクションおよび/または遊園地のあらゆる場所に含めることができる。遊園地の特徴の高度化および複雑化に伴い、遊園地の常連客および来客の間で娯楽の質に対する期待が高まっている。従って、改良された独創的な遊園地の特徴が望まれている。たとえば、現在、放水砲を利用するアトラクションのような、液体または流体を使用する特徴の改善された動作の必要性が認識されている。
【発明の概要】
【0004】
開示された主題に相応する特定の実施形態が、以下に要約される。これらの実施形態は本開示の範囲を限定することを意図しておらず、むしろこれらの実施形態は、特定の開示された実施形態の簡単な要約を提供することのみを意図している。実際、本開示は、以下に示す実施形態と類似するかまたは異なることができる様々な形態を含むことができる。
【0005】
一実施形態において、アトラクションシステムは、内部反射を助長する幾何形状を有する流体流を放出するように構成された流体源と、内部反射によってパラメータを含む信号が流体流に閉じ込められるように、流体流を介して信号を送信するように構成された送信器と、流体流を介して信号を受信し、パラメータを示すデータを提供するように構成されたセンサと、センサに通信可能に接続された制御システムと、を備える。制御システムは、プロセッサおよびメモリを備え、メモリは、プロセッサに、センサからパラメータを示すデータを受信させ、パラメータに基づいてアトラクションシステムを動作させる、ための命令を含む。
【0006】
一実施形態において、流体システムは、内部反射を助長する幾何形状を有する流体流を放出するように構成された流体源と、流体源によって放出された流体流を受け取るように構成されたターゲットと、パラメータを含む信号が内部反射によって流体流を伝わるように、信号を流体流に送信するように構成されている送信器と、流体流を介して信号を受信するように構成されているセンサであって、センサは信号に基づいてデータを送信するように構成されている、センサと、センサに通信可能に接続された制御システムと、を備える。制御システムは、プロセッサおよびメモリを備え、メモリは、プロセッサに、センサから送信されたデータを受信させ、送信されたデータに基づいてパラメータを決定させ、パラメータに基づいて流体システムを動作させる、ための命令を含む。
【0007】
一実施形態において、アトラクションシステムは、内部反射が可能な第1の流体流を放出するように構成された第1の流体源と、内部反射を介して第1の流体流を介して第1のパラメータを有する第1の信号を送信するように構成された第1の送信器と、内部反射が可能な第2の流体流を放出するように構成された第2の流体源と、内部反射を介した第2の流体流を介して第2のパラメータを有する第2の信号を送信するように構成された第2の送信器と、第1の流体流を介した第1の信号および第2の流体流を介した第2の信号を含む信号を受信するように構成された第1のセンサを含むターゲットと、第1のセンサに通信可能に接続された制御システムと、を備え、制御システムは、プロセッサおよびメモリを備え、メモリは、プロセッサに、第1のセンサから、受信信号の受信パラメータを示すデータを受信させ、受信パラメータが第1のパラメータに相関する場合、第1の流体源を識別させ、受信パラメータが第2のパラメータに相関する場合、第2の流体源を識別させる、ための命令を含む。
【0008】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を、図面全体にわたって同種の文字が同種の部品を表す添付の図面を参照して読むと、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一態様による、各々が流体流を放出することができる様々な流体源を有するアトラクションシステムのブロック図である。
【0010】
図2】本開示の一態様による、図1のアトラクションシステムに実装することができる流体システムの概略図である。
【0011】
図3】本開示の一態様による、流体流を介して受信された信号の符号化されたデータに基づいて図1のアトラクションシステムを動作させるための方法のフローチャートである。
【0012】
図4】本開示の一態様による、流体流を介して信号が受信されたか否かに基づいて図1のアトラクションシステムを動作させるための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1以上の特定の実施形態が以下に説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴が本明細書で説明されるわけではない。何らかの工業設計または設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連および事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、および製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0014】
本開示の様々な実施形態の要素を説明する場合に、冠詞「a」、「an」、および「the」は、要素の1以上があることを意味することが意図されている。用語「~を備える」、「~を含む」、および「~を有する」は、包括的であり、かつ、記載された要素以外のさらなる要素がある場合があることを意味することが意図されている。本明細書に記載の本実施形態の1以上の特定の実施形態が以下に説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴が本明細書で説明されるわけではない。何らかの工業設計または設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連および事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、および製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0015】
本開示は、流体流または流体流れを介してデータを送るためのシステムおよび方法に関する。本明細書で使用される場合、流体は、水、油などの液体を含む。流体流は、遊園地やテーマパークなどの娯楽施設内で提供することができる。実際には、流体流は、娯楽施設の来客を楽しませるためのアトラクション、ショー、またはアクティビティによるショー効果のために使用することができる。具体的には、流体流は、流体源(たとえば、放水砲)が作動して、たとえばターゲットに向けて流体流を放出するターゲットベースのアトラクションで使用することができる。流体流の放出は、来客の1人が作動させる引き金などの手動制御を介して開始すること、または予めプログラムされた制御装置などにより自動的に開始することができる。いずれの場合でも、流体源は、たとえば、一連のターゲットのうちの特定のターゲットに向けて、特定の方法で流体流を放出することが望ましい。
【0016】
現在、流体源を用いるこのようなターゲットベースの特徴に対する従来の手法では、ターゲットが特定の流体流を受け取っているか否かを決定することが困難な場合があることが認識されている。たとえば、複数の流体源が、同じターゲットにまたはその近くにそれぞれの流体流を放出する場合があり、どの流体流がターゲットに命中しているかを決定することが困難な場合がある。具体的には、たとえば、複数のユーザが放水砲を割り当てられ、それぞれの放水砲を用いて、1以上のターゲットに水流を命中させようとする場合がある。この場合、複数の水流が複数の流体源から放出されている場合、どの流体源がターゲットに命中したかを確認することが困難な場合がある。その結果、ターゲットに上手く命中した流体源に固有の動作(たとえば、流体源へのポイントの付与)は、十分な精度で実行されない可能性がある。
【0017】
従って、各流体流に固有の特性を与えることにより、流体流は、互いに区別することができるようになる。このように、本開示の実施形態は、流体流を介して信号を送信し、流体流を介して信号を受信するためのシステムおよび方法に向けられる。一実施形態において、信号は、流体源に関連するパラメータを含み、センサは、流体流を介して信号を受信してパラメータを決定し、結果的に、流体源を決定することができる。たとえば、複数の流体流は、固有のパラメータを有するそれぞれの信号に関連付けられ、センサは、複数の流体流を介して信号のいずれかを受信することができる。センサは、センサが受信した流体流に関連する特定の流体源を決定するために、受信した信号のパラメータをさらに決定することができる。このように、センサは、流体流を受け取ったことを決定することに加えて、特定の受け取った流体流および/またはその流体源に関する情報を決定することができる。その結果、受け取った流体流に基づいてさらなるアクションを実行することができる。
【0018】
上記を念頭に置いて、図1は、本開示の実施形態による、遊園地のアトラクションシステム50のブロック図である。アトラクションシステム50は、特定の乗り物(たとえば、ジェットコースター、ドロップタワー)、別のアトラクション(たとえば、パフォーマンスショー)、および遊園地の指定区域など、来客を楽しませる特徴を提供する遊園地の何らかの適切な部分とすることができる。図示のアトラクションシステム50は、来客を楽しませるための第1の流体源52および第2の流体源54を含むが、アトラクションシステム50は、追加的または代替的な実施形態において何らかの適切な数の流体源を含むことができる。一例として、流体源52、54は、水鉄砲、噴水、放水砲、ホース、別の適切なタイプの流体源、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。各流体源52、54は、それぞれの流体流を放出することができる。すなわち、第1の流体源52は、第1の流体流56を放出すること、および第2の流体源54は、第2の流体流58を放出することができる。一例として、流体源52、54は、アトラクションシステム50の乗り物上に配置すること、アトラクションシステム50の来客が装備すること、アトラクションシステム50の小道具に実装などとすることができる。図示のアトラクションシステム50は、第1のターゲット60および第2のターゲット62をさらに含む。ターゲット60、62の各々は、それぞれの流体源52、54から流体流56、58のいずれかを受け取ることができる。図示のように、第1の流体源52によって放出される第1の流体流56は、第2のターゲット62に向けられ、第2の流体源54によって放出される第2の流体流58は、第1のターゲットに向けられるが、追加的または代替的に、第1の流体流56は、第1のターゲット60に向けること、および/または第2の流体流58は、第2のターゲット62に向けることができる。実際には、流体流56、58は、同じターゲット60、62に向けることもできる。
【0019】
いくつかの場合において、ターゲット60、62が流体流56、58のいずれかを受け取っているか否かを決定することが望ましい。一例として、アトラクションシステム50は、噴水などの装飾的な小道具であり、流体源52、54は、ターゲット60、62によって受け取るためにそれぞれの流体流56、58を向けることを意図して設定(たとえば、配置、配向)されている。従って、流体源52、54が正確に(たとえば、美的目的のために)設定されていることを決定するために、ターゲット60、62が対応する流体流56、58を受け取っていることを決定することが望ましい。別の例では、アトラクションシステム50は、来客が流体源52、54を制御することができ、来客がターゲット60、62に命中させるように流体流56、58を向かわせるように試みる対話型アトラクションである。たとえば、ターゲット60、62は、対話型小道具(たとえば、エンターテイメントフィギュア)、乗り物、および/または他の来客上に配置することができる。この場合、流体流56、58のどれがターゲット60、62によって受け取られているかを決定し、それぞれの流体源52、54に関連する情報などのさらなる情報を記憶することが望ましい場合もある(たとえば、来客にポイントを付与するため)。
【0020】
これらの理由から、流体源52、54の各々は、それぞれの流体流56、58内に符号化信号を出力することができる。従って、第1の流体源52によって放出される第1の流体流56は、第1の流体源52に一意に関連付けることができる(たとえば、第1の流体源の一意の識別子を含む)、第1の信号を含む。さらに、第2の流体源54によって放出される第2の流体流58は、第2の流体源54に一意に関連付けることができる(たとえば、第2の流体源54の一意の識別子を含む)、第2の信号を含む。このため、第1の流体源52は、第1の信号を第1の流体流56に出力することができる第1の送信器64を含むことができ、第2の流体源54は、第2の信号を第2の流体流58に出力することができる第2の送信器66を含むことができる。流体流56、58が流体流路に沿って(たとえば、ターゲット60、62に)向けられると、それぞれの信号は、流体流56、58の中に閉じ込められたままとすることができる。換言すると、信号は、流体流56、58のそれぞれの流路に沿って伝わる。加えて、ターゲット60、62の各々は、流体流56、58のそれぞれの信号を受信することができる。たとえば、第1のターゲット60は、受信した信号を検出することができる第1のセンサ68を含むことができ、第2のターゲット62は、受信した信号を検出することができる第2のセンサ70を含むことができる。すなわち、流体流56、58のうちの1つを受け取ると、センサ68、70は、流体流56、58内の符号化信号の存在を決定することができる。このようにして、検出された信号の存在は、ターゲット60、62が流体流56、58のうちの1つを受け取っていることを示す。
【0021】
一実施形態において、アトラクションシステム50は、流体流56、58に基づいてアトラクションシステム50を動作させることができる制御システム72を含むことができる。制御システム72は、メモリ74と、マイクロプロセッサなどのプロセッサ76とを含む。メモリ74は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/またはリードオンリーメモリ(ROM)などの不揮発性メモリ、光学ドライブ、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ、またはアトラクションシステム50を動作させるための命令を含む他の何らかの非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。プロセッサ76は、メモリ74に格納された命令を実行することができる。プロセッサ76は、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1以上の汎用プロセッサ、またはそれらの何らかの組み合わせなど、何らかの適切な処理回路を含むことができる。制御システム72は、制御システム72(たとえば、プロセッサ76)がセンサ68、70からデータを受信することができるように、センサ68、70の各々に通信可能に接続することができる。たとえば、センサ68、70の各々は、信号が検出されたか否かを示すためのデータ(たとえば、センサデータ)を制御システム72に送信することができる。結果として、制御システム72は、センサ68、70から受信したデータに基づいて、ターゲット60、62が流体流56、58のうちの1つを受け取っているか否かを決定することができる。また、制御システム72は、そのデータに基づいて、アトラクションシステム50を適宜動作させることができる。例示的に、センサ68、70が信号を受信しておらず、制御システム72がセンサ68、70から適切なデータを受信していない場合、制御システム72は、ターゲット60、62のセンサ68、70が流体流56、58の信号を受信することができるように、流体源52、54および/またはターゲット60、62の位置および/または配向を調整することができる。
【0022】
追加的にまたは代替的に、制御システム72は、ターゲット60、62が受け取る所定の流体流56、58を決定することができる。この目的のために、制御システム72および/またはセンサ68、70は、流体流56、58内の符号化信号のパラメータを決定することができる。一例として、センサ68、70は、信号を受信することができ、制御システム72は、信号の周波数変調、パルス幅変調、光色周波数、光色波長、強度、偏光、別の適切なパラメータ、またはそれらの何らかの組み合わせを決定することができる。センサ68、70は、信号のパラメータを決定することができる、赤外線データ受信器、紫外線データ受信器、可視光データ受信器、別の適切なセンサタイプ、またはそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。追加的にまたは代替的に、それぞれの信号が可視である(たとえば、固有の可視光を含む)場合、センサ68、70は、信号の可視パラメータに基づいて信号を識別および追跡することができるカメラなどの光学センサを含むことができる。このようにして、送信器64、66は、信号が互いに識別できるように、特定のパラメータを有する符号化信号を出力することができる(たとえば、周波数変調、パルス幅変調、光色周波数、光色波長、強度、偏光、および/または別の適切な符号化スキームを用いて)。このように、特定の信号を含む流体流56、58は、同様に識別可能とすることができる。従って、センサ68、70によって送信されるデータは、検出信号のパラメータを示すことができ、制御システム72は、信号を復号し、パラメータを解析して、ターゲット60、62がどの流体流56、58を受け取ったかを決定することができる。
【0023】
たとえば、制御システム72は、第1のセンサ68によって送信されるデータが第2の流体源54に関連するパラメータを有すると決定することができ、従って、第1のターゲット60が第2の流体源54からの第2の流体流58を受け取っていることを示すことができる。さらに、制御システム72は、第2のセンサ70によって送信されたデータが、第1の流体源52に関連するパラメータを有すると決定することができ、従って、第2のターゲット62が第1の流体源52からの第1の流体流56を受け取っていることを示すことができる。このようにして、制御システム72は、たとえば、流体源52、54の状態(たとえば、位置、配向)を決定することなく、ターゲット60、62がどの流体流56、58を受け取っているかを決定することができる。換言すると、流体流56、58へのそれぞれの符号化信号のパラメータは、送信器64、66による出力に基づいており、流体源52、54、ターゲット60、62、またはアトラクションシステム50の他の部分の状態または状況には基づいていない。たとえば、制御システム72は、第1の流体源52が第1のターゲット60の近くに位置する場合があるとしても、および/または第1の流体源52の第1の流体流56が第1のターゲット60にまたはその近くに配向され場合があるとしても(たとえば、しかしながら第1のターゲット60が第1の流体流56を受け取っていない)、第1のターゲット60が第2の流体源54からの第2の流体流58を受け取っていると決定することができる。
【0024】
さらなる実施形態では、流体流56、58内の符号化信号のパラメータは、流体源52の状態など、他の情報を示すことができる。一例として、パラメータは、流体源52、54のそれぞれの位置、流体源52、54のそれぞれの状態(たとえば、動作モード)、時刻などを示すことができる。このようにして、制御システム72は、流体源52、54の動作モードを調整するなどのために、追加情報に基づいてアトラクションシステム50を動作させることもできる。
【0025】
さらに、流体流56,58の信号の符号化および決定は、流体流56,58のうちの単一のものに対して一方向的または双方向的に行うことができる。すなわち、制御システム72は、ターゲット60、62に符号化信号を送信するようにさせることができ、および/または、流体源52、54は、受信した信号のパラメータの決定を容易にするセンサを含むことができる。この目的のために、第1のターゲット60は第3の送信器78を含むこと、第2のターゲット62は第4の送信器80を含むこと、第1の流体源52は第3のセンサ82を含むこと、および/または第2の流体源54は第4のセンサ84を含むことができる。このように、それぞれの流体源52、54のセンサ82、84は、制御システム72にデータを送信することができ、制御システム72は、流体源52、54から受信したデータを解析して、アトラクションシステム50に関する情報を決定することができる。1つの実施形態では、流体流がターゲット60、62に命中すると、データは、それぞれのターゲット60、62から出される信号を用いて一貫した流れを介して送り返され、流体源52、54からデータは送信されない。
【0026】
図2は、本開示の実施形態による、図1のアトラクションシステム50に実装することができるターゲットベースの流体放出システム110(流体システム110)の概略図である。例示の流体システム110において、第1の流体源52は、第1のターゲット60に向かって第1の流体流56を放出する。さらに、第1の流体流56は、制御システム72によって符号化され、第1の送信器64によって出力される信号112(たとえば、可視光信号)を含む。第1の流体流56は、内部反射(たとえば、全内部反射)によって、第1の流体流56内に信号112を閉じ込めることができる。本明細書で使用される場合、内部反射は、信号112が第1の流体流56などの媒体の中に実質的に閉じ込められ、第1の流体流56の外に実質的に及ばない状態を指す。たとえば、内部反射は、信号112を送信し、特定の角度(たとえば、第1の流体流56の臨界角より大きい)で、第1の流体流56の端から偏向させることによって実現することができる。その結果、信号112は、第1の流体流56を通り抜ける代わりに、第1の流体流56の端から偏向し続ける。従って、信号112は、第1の流体流56の流路に沿って移動する。所望のレベルの内部反射を実現するために、信号(たとえば、光ビーム)は、第1の流体源52(たとえば、第1の流体源52のノズル)に対して所定の角度で放射させることができる。第1の流体源52は、内部反射を促進する流路形状をもたらすように制御することができる。
【0027】
一実施形態において、内部反射は、全内部反射とすることができ、信号112の実質的に全ては、第1の流体流56を通って移動することができ、信号112のパラメータは、信号112が第1の流体流56を移動する際に実質的に変化しないようになっている。経時的に第1の流体流56にわずかな変動が生じた場合であっても、信号は、流路形状と信号放出とが適切に整列する状態では。第1の流体流56を通過し続ける。このようにして、第1の流体流56の流路(たとえば、直線経路、曲線経路)にかかわらず、信号112のパラメータは、第1の流体流56のどのセクションでも実質的に同じままである。第1の流体流56が全内部反射によって信号112を効果的に閉じ込めることを可能にするために、第1の流体源52は、第1の流体流56を実質的に層流で放出することができる。さらに、第1の流体流56は、信号伝送に貢献する幾何形状または流路を提供するように制御することができる(たとえば、モデル化アルゴリズムまたはテーブルに基づいて)。このように、第1の流体流56の流れは、一般に、適切なレベルの内部反射を妨げる幾何形状を有する乱流の流体流れではなく、適切な円弧を有する滑らかで連続する流体流れとすることができる。実際には、第1の流体流56のこの貢献流(conducive flow)の干渉は、信号112のパラメータを変えることおよび/または信号112を終了させることなどにより、信号112に影響を与える可能性がある。このような干渉は、第1の流体流56と交差する別の流体流、第1の流体流56の流れを壊す物体(たとえば、空気)、および/または第1の流体流56の層流から乱流への遷移を含む場合がある。追加的なまたは代替的な実施形態において、内部反射は、全内部反射でなくてもよく、送信される信号の一部は、第1の流体流56の中で反射する代わりに、第1の流体流56を通り抜ける場合がある。たとえば、第1の流体流56は、完全に層流でない場合があり、および/または、信号112は、全内部反射を可能にするための特定の角度で伝送されない場合がある。このため、信号112のパラメータは、第1の流体流56の経路に沿って変化する可能性がある。しかしながら、望ましい数の内部反射が達成されるように、十分な信号112は、センサ68、70のうちの1つによって受信されるように第1の流体流56を通過することができる。
【0028】
一実施形態において、第1の流体源52は、第1の送信器64を含み、第1のターゲット60は、第1のセンサ68を含む。制御システム72は、第1の送信器64に、符号化信号112を第1の流体流56に出力させることができる。たとえば、第1の流体源52が第1の流体流56を放出する際に、制御システム72は、第1の送信器64を作動させて、符号化信号112を第1の流体流56に出力させることができる。場合によっては、制御システム72は、第1の流体源52および第1の送信器64の両方を作動させることができ、このようにして、第1の流体源52に第1の流体流56を放出するようにさせながら、第1の送信器64に符号化信号112を第1流体流56に出力するようにさせる。このように、第1の流体源52が第1の流体流56を放出する間、第1の送信器64は作動状態を維持することができる。さらに、制御システム72は、流体システム110の動作時に作動状態を維持するように第1のセンサ68を作動させることができ、第1のセンサ68は、どんな時でも信号112をすぐに受信することができるようになっている。このように、第1のセンサ68は、第1の流体流56の状態を決定するために、リアルタイムで制御システム72にデータを送信することができる。たとえば、ターゲット60が第1の流体流56を受け取っていない場合、第1のセンサ68は、信号112の受信を示すデータを送信しない場合があり、および/または、第1のセンサ68は、センサ68が信号112を受信していないことを示すデータを送信する場合がある。ターゲット60が第1の流体流56を受け取る場合には、第1のセンサ68は、信号112に関連するデータを制御システム72に送信することができる。
【0029】
追加的なまたは代替的な実施形態において、第1のターゲット60は、第1の流体源52が放出した第1の流体流56に符号化された信号112を出力することができる第3の送信器78を含み、第1の流体源52は、信号112を受信することができる第3のセンサ82を含む。一例として、制御システム72は、第1のターゲット60が第1の流体流56を受け取るか否かに関わらず、信号112が常に送信されるように第3の送信器78を動作させることができる。しかしながら、第1の流体源52の第3のセンサ82は、第1のターゲット60が第1の流体流56を受け取った場合にのみ、信号112を受信することができる。すなわち、第1の流体流56が第1の流体源52から第1のターゲット60まで延びていない場合、送信器78は、第1の流体流56を介して信号112を送信することができない。このように、第3のセンサ82は、信号112を受信せず、信号112の受信を示すデータを制御システム72に送信しない。しかしながら、第1の流体流56が第1の流体源52から第1のターゲット60まで延びている場合、第3の送信器78によって送信された信号112は、第1の流体流56を伝わって第3のセンサ82によって受信することができる。その結果、第3のセンサ82は、信号112に関連するデータを制御システム72に送信することができる。実際には、第1の流体源52または第1のターゲット60のいずれか一方が、信号112を送信し、第1の流体源52または第1のターゲット60の他方が、信号112に関連するデータを制御システム72に送信することができる。
【0030】
さらに、一実施形態では、第1の流体流56の中に複数の信号を同時に符号化することができる。たとえば、第1の流体源52および/または第1のターゲット60の各々は、複数の送信器を含むことができ、送信器の各々は、それぞれの符号化信号を第1の流体流56に同時に出力することができる。一例として、1つの信号は可視光を含むことができる(たとえば、第1の流体流56の装飾的な着色効果を提供するため)、別の信号は赤外線を含むことができる(たとえば、制御システム72が流体システム110を動作させるために使用するデータを送信するため)。別の例として、各信号は、制御システム72が動作を実行するために使用するそれぞれのデータを含むことができる。換言すると、制御システム72は、流体システム110を動作させるために、第1の流体流56を介して複数のデータを受信することができる。
【0031】
例示の流体システム110は、第1の流体流56を第1のターゲット60に向けることができる第1の流体源52を含むが、追加的または代替的な流体システム110は、第1の流体流56をターゲットではなく別の流体源に向けるような第1の流体源52を含むことができる。換言すると、1つの流体源は、別の流体源から流体流および信号を受け取ることもでき、信号を受信する流体源は、流体源が信号を受信したことを示すデータを制御システム72に送信することができる。このように、各流体源は、ターゲットとしても機能することができる。
【0032】
一実施形態において、制御システム72は、送信器64、78の動作を調整して、信号112のパラメータを指定することができる。例示的に、制御システム72は、第1の送信器64に、第1のセンサ68によって検出可能な特定のパラメータを有する(たとえば、特定の値を有する)信号112を出力させることができる。信号112を受信すると、第1のターゲット60の第1のセンサ68は、次に、特定のパラメータを示すデータを制御システム72に送信することができる。その結果、制御システム72は、次に、第1のターゲット60が、第1の流体源52によって放出された第1の流体流56を明確に受け取ったと決定することができる。
【0033】
また、制御システム72は、データベース114(たとえば、物理サーバ、クラウドコンピューティング装置)に通信可能に接続することができ、このデータベースは、流体システム110の動作および/またはアトラクションシステム50の動作に関連する特定の情報を格納することができる。一例では、データベース114は、信号112のパラメータを様々な情報と関連付けるデータ(たとえば、データベーステーブル)を格納することができ、制御システム72は、信号112を送信するために送信器64、66を適宜動作させるためにデータベース114にアクセスすることができる。別の例では、データベース114は、センサ68、82による信号112の検出に基づいて更新される情報を格納することができる。たとえば、第1の流体源52は、特定の来客に関連付けられ、特定の来客によって操作されることができ、データベース114は、来客またはユーザプロファイルおよび/または来客に付与されたポイント数など、来客に関する情報を格納することができる。来客は、第1の流体源52を操作して、第1の流体流56を第1のターゲット60に向けることができ、制御システム72は、第1のターゲット60が第1の流体流56を受け取ったか否かに基づいて、来客に付与されたポイント数を更新することができる。1つの実施形態において、制御システム72は、時間に基づいて(たとえば、来客が第1の流体流56を第1のターゲット60に命中させることができる時間が長いほど)より多くのポイントを付与することができる。追加的なまたは代替的な実施形態において、制御システム72は頻度に基づいて(たとえば、来客が第1の流体流56を第1のターゲット60に命中させることができる回数が多いほど)より多くのポイントを付与することができる。実際には、異なるそれぞれの来客に関連する複数の流体源が実装される場合、制御システム72は、第1のターゲット60によって受け取られた特定の流体流を決定し(たとえば、信号112のパラメータが特定の流体源の送信器によって符号化され、第1のターゲット60の第1のセンサ68によって受信される信号と相関するとの決定に基づいて)、それに応じて対応する来客に付与されるポイントを更新することができる。さらに、複数のターゲットが実装される場合、各ターゲットは別個のポイント値に関連付けることができ、制御システム72は、第1の流体源52の流体流を受け取る特定のターゲットを決定し(たとえば、ターゲットの送信器によって符号化され、第1の流体源52の第3のセンサ82によって受信された信号を決定することに基づいて)、特定のターゲットに従ってデータベース114に格納されたポイントを更新することができる。
【0034】
制御システム72は、信号112の受信に応答して、および/または信号112の決定されたパラメータに基づいて、別のアクションを実行することができる。一例として、第1の流体源52および第1のターゲット60の各々は、それぞれのアクチュエータ116を含むことができ、制御システム72は、アクチュエータ116のいずれかを作動させて、第1の流体源52、第1のターゲット60、および/またはアトラクションシステム50の別の構成要素を動かすことができる。別の例として、制御システム72は、信号112のパラメータに基づいてターゲットに命中させることに成功したことを示すために、視覚表示(たとえば、光)を提示する、音声出力(たとえば、効果音)を提示する、モバイルデバイスに情報を送信するなどの通知を出力することができる。さらなる例として、制御システム72は、第1の流体源52が第1の流体流56を放出する態様(たとえば、流れ方向、流量)など、アトラクションシステム50の動作を変化させることができる。実際には、制御システム72は、センサ68、82のうちの1つが受信する信号112に基づいて、何らかの適切なアクションを実行することができる。
【0035】
図3および図4は、図2の流体システム110を使用して、図1のアトラクションシステム50などのアトラクションシステムを動作させるためのそれぞれの方法を示す。図3および図4は、各方法ステップが制御システム72によって実行されることを主に論じているが、各方法ステップは、複数の制御装置などの何らかの適切なシステムによって実行することができることに留意されたい。また、各方法ステップは、アトラクションシステムの異なる実施形態の場合など、別の実施形態で異なるように実行することができることに留意されたい。たとえば、追加のステップを実行すること、および/または、各方法の特定のステップを修正する、削除すること、および/または、異なる順序で実行することができる。
【0036】
図3は、本開示の実施形態による、信号を介して受信したデータに基づいて図1のアトラクションシステム50を動作させるための方法140のフローチャートである。ブロック142において、制御システムは、流体流を介して信号を受信する。たとえば、制御システムに通信可能に接続されたセンサは、流体流に符号化され、センサによって受信されるまで流体流の中で内部反射する信号(たとえば、赤外線信号または可視光信号)を受信することができる。信号を受信すると、センサは、その信号を制御システムに送信することができる。一実施形態において、流体源は、流体源によって放射された流体流に符号化された信号を送信し、ターゲットのセンサは、その信号を受信することができる。たとえば、物理的ターゲットは、ユーザ放水砲の集合からの特定のユーザ放水砲から流体流を受け取る。ターゲットのセンサは、流体流を介して信号を受信し、ユーザ放水砲の集合から識別された特定の放水砲を示すデータを送信することができる。追加的なまたは代替的な実施形態において、ターゲットは、流体流を受け取ると、符号化された信号を流体流の中に送信し、流体源のセンサは、ターゲットから信号を受信することができる。例示的に、物理的ターゲットの集合の特定の物理的ターゲットは、ユーザ放水砲から流体流を受け取る。ユーザ放水砲のセンサは、信号を受信し、物理的ターゲットの集合の特定の物理的ターゲットがユーザ放水砲の流体流に当たったことを示すデータを送信することができる。
【0037】
ブロック144において、制御システムは、信号に関連するパラメータ(たとえば、色、波長、パルス値)を決定する。たとえば、センサから受信したデータは、信号のパラメータを示す。その結果、データを受信すると、制御システムは、このようなパラメータを適宜決定することができる。上述したように、パラメータは、流体流を放出する流体源を特定するのを助けることができる。ブロック146において、制御システムは、信号のパラメータに基づいてアクションを実行する。このようなアクションは、アトラクションシステムおよび流体システムの特定の実施構成に基づくことができる。
【0038】
一例では、アトラクションシステムは、様々な場所(たとえば、様々な小道具上)に配置されたターゲットを有する射撃場のような設定とすることができる。さらに、来客は、それぞれの流体源を操作し、それぞれの流体流をターゲットに命中するように向かわせるように試みることができる。特定のターゲットは、命中させるのがより困難なものとすることができる、従って、このようなターゲットは、より大きなポイント値に関連付けることができる。さらに、データベースは、各来客に関連付けられた(たとえば、それぞれの流体源に関連付けられた)ポイントを格納することができる。各来客がそれぞれの流体源で何とかしてターゲットに命中させるのに成功すると、制御システムは、命中したターゲットに基づいて対応する来客にポイントを追加するためにデータベースを更新することができる。たとえば、第1のターゲットが第1の来客の第1の流体源から第1の流体流を受け取ったことを示すデータに基づいて、制御システムは、第1の来客に関連付けられた第1のユーザプロファイルにポイントを追加するためにデータベースを更新することができる。さらに、第2のターゲットが第2の来客の第2の流体源から第2の流体流を受け取ったことを示すデータに基づいて、制御システムは、それに応じて、第2の来客に関連付けられた第2のユーザプロファイルにポイントを追加するためにデータベースを更新することができる。この実施形態では、信号は、シューティングアトラクションのゲームモードなど、アトラクションシステムの動作モードを示すパラメータを含むこともできる(たとえば、時限設定内で最大のポイントを貯める、個別に指定されたターゲットに命中させる)。各ゲームモードは、制御システムがユーザプロファイルにポイントを追加するためにデータベースを更新することができる特定の態様を含むことができる。このため、制御システムは、信号のパラメータに基づいてデータベースを更新するための態様を選択することができる。
【0039】
追加の例では、アトラクションシステムは、各来客がそれぞれの流体源を操作することができ、それぞれのターゲット(たとえば、各来客の衣類アイテムに取り付けられている)を含むことができるレーザータグのようなアクティビティとすることができる。制御システムは、ある来客に関連付けられたターゲットが別の来客に関連付けられた流体源の流体流を受け取っていることを示すデータに基づいて、データベースを更新することができる。たとえば、第1の来客の第1のターゲットが第2の来客の第2の流体源から第1の流体流を受け取っていることを示すデータに基づいて、制御システムは、第1の来客に関連付けられた第1のユーザプロファイルからポイントを減らし、また第2の来客に関連付けられた第2のユーザプロファイルにポイントを追加するためにデータベースを更新することができる。この例示的な実施形態では、信号のさらなるパラメータを符号化することができる。たとえば、各来客は特定のチームに関連付けされることができ、来客の流体源は、来客に関連付けられたチームに基づいて、流体流を特定の色にする信号を符号化することができる。すなわち、同じチーム内の流体源のサブセットは、同じ可視光波長パラメータを有するそれぞれの信号を符号化することができる。このようにして、各チームの流体源は、個別に着色された流体流を放出することができる。例示的に、第1のチームに関連する流体源は、第1の可視光線波長(たとえば、第1の色)を有する流体流を放出することができ、第2のチームに関連する流体源は、第1の可視光線の波長とは異なる第2の可視光線の波長(たとえば、第2の色)を有する流体流を放出することができる。さらに、各信号は、ヘルスポイント数(たとえば、来客に表示することができる)、装備されている流体源の種類(たとえば、ターゲットによって受け取られたときに特定のポイント調整に関連する流体流を有する)などの、各来客およびそれらの関連ユーザプロファイルに関する追加の情報を示すことができ、このような情報は、制御システムが受信データに基づいてデータベースを更新することができる様式に影響を及ぼすこともできる。
【0040】
さらなる例では、アトラクションシステムは、様々な飲み物を含む飲み物自動販売機(たとえば、図2の第1の流体源52)を含むことができ、制御システム(たとえば、図2の制御システム72)は、特定の飲み物を来客に提供することに関連するアクションを実行することができる。たとえば、来客は、カップなどの容器(たとえば、図2の第1のターゲット60)を持つことができ、この容器は、来客によって示された望ましい飲み物に基づくパラメータを有する符号化信号(たとえば、図2の信号112)を送信する送信器(たとえば、第3の送信器78)を含むことができる。来客は容器を飲み物自動販売機に提供することができ、飲み物自動販売機は、最初に層流の流体流(たとえば、図2の第1の流体流)を容器に放出することができ、信号は、流体流を通って伝わり、飲み物自動販売機のセンサ(たとえば、第3のセンサ82)によって受信されるようになっている。センサは、信号のパラメータを示すデータを制御システムに送信することができ、制御システムは、信号のパラメータに基づいて特定の飲み物を選択することができ、制御システムは、飲み物自動販売機に、来客の容器に特定の飲み物を提供させることができる。
【0041】
図4は、本開示の実施形態による、信号の特定のパラメータに基づくのではなく、信号が受信されたか否かに基づいてアトラクションシステムを動作させるための方法170の実施形態のフローチャートである。ブロック172において、制御システムは、アトラクションシステムの流体源を動作させる。例示的に、制御システムは、ユーザ入力なしで、たとえばターゲットに向かって、流体流を放出するように流体源を自動的に動作させる。
【0042】
ブロック174において、制御システムは、ターゲットが、流体源によって放出された流体内に符号化されている信号を受信したか否かを決定する。一実施形態において、流体源は、符号化信号を流体の中に送信し、ターゲットのセンサは、その信号を受信することができる。次に、センサは、ターゲットが流体流を受け取っていることを示すデータを制御システムに送信することができる。追加的または代替的な実施形態において、ターゲットが信号を送信し、流体源のセンサが信号を受信することができる。従って、流体を受け取ると、ターゲットによって送信される信号は、流体を介して送信され、流体源のセンサによって受信することができる。次に、流体源のセンサは、ターゲットが流体流を受け取っていることを示すデータを制御システムに送信することができる。データが、ターゲットが信号を受信していることを示す場合、制御システムは、アトラクションシステムを動作させ続けることができる(たとえば、アトラクションシステムの動作を変更することなく)。
【0043】
しかしながら、制御システムが、ターゲットが信号を受信していないと決定した場合、制御システムは、ブロック176で示されるように、異なるアクションを実行することができる。一例として、制御システムは、ターゲットが流体を受け取ることができるように、流体源および/またはターゲットの位置を変更するなど、アトラクションシステムの動作を調整することができる。別の例として、制御システムは、ターゲットが流体を受け取っていないことをアトラクションシステムのオペレータなどのユーザに知らせるために、通知を提示することができる。このようにして、ユーザは、ターゲットが流体を受け取ることができるように流体源および/またはターゲットを手動で動かすなどによって、アトラクションシステムを適宜調整することができる。
【0044】
例示的に、アトラクションシステムは、特定の場所に流体流を放出することが望ましい噴水を含むことができる。そのため、特定の場所は、噴水が要求通りに流体流を放出しているか否かを決定することができるターゲットを含むことができる。ターゲットが流体を受け取る場合、ターゲットは、ターゲットが流体を受け取っていることを示すデータを制御システムに送信することができ、従って、制御システムは、噴水がターゲットに流体を放出するようにアトラクションシステムを動作させ続けることができる。ターゲットが流体を受け取らない場合、ターゲットは、データを制御システムに送信できず、それによって、ターゲットが流体を受け取っていないことを示し、制御システムは、従って、噴水がターゲットに流体を放出するようにアトラクションシステムの動作を変更させることができるアクションを実行することができる。追加的にまたは代替的に、ターゲットが流体を受け取らない場合、ターゲットは、ターゲットが流体を受け取っていないことを示すためにデータを制御システムに送信することができ、ターゲットが流体を受け取る場合、ターゲットは、ターゲットが流体を受け取っていることを示すためにデータを制御システムに送信することができる。
【0045】
さらに、図4は、制御システムが、ターゲットが信号を受信していないという決定に基づいてアクションを実行することができることを示すが、制御システムは、代替的に、ターゲットが信号を受信しているという決定に基づいてアクションを実行することができる。すなわち、ターゲットが流体を受け取ることが望ましくない場合があり、従って、制御システムは、ターゲットが流体を受け取っているという決定に基づいてアクションを実行することができる。いずれにしても、制御システムは、信号に関連する特定のパラメータに基づくのではなく、ターゲットが信号を受信しているか否かに基づいて、アトラクションシステムを動作させることができる。
【0046】
さらに、方法140のステップと方法170のステップは、組み合わせることができる。たとえば、複数の噴水がターゲットの近くでそれぞれの流体流を放出することができ、ターゲットが特定の流体流を受け取ることが望ましい場合がある。従って、各流体流は、それぞれの固有の信号を有することができる。従って、制御システムは、信号の受信に基づいて、ターゲットが流体流を受け取っているか否かを決定することができ、さらに、制御システムは、信号のパラメータに基づいて、ターゲットが特定の流体流を受け取っているか否かを決定することができる。次に、制御システムは、そのような決定に基づいて、ターゲットおよび/または噴水を移動させるなどによって、アトラクションシステムを動作させることができる。
【0047】
本明細書では、開示された実施形態の特定の特徴のみを図示および説明してきたが、当業者であれば多くの修正および変更を想起するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神の範囲に入るすべてのそのような修正および変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0048】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のものまたは純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物および具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」または「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2
図3
図4