(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】飲用容器内の飲料の温度を制御し維持する為のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B65D25/20 L
B65D25/20 M
B65D25/20 V
(21)【出願番号】P 2022571763
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 US2021032943
(87)【国際公開番号】W WO2021236624
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-19
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522454323
【氏名又は名称】ボチル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】VOCHILL LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】パウリク,ランドール
(72)【発明者】
【氏名】パウリク,リサ
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03205677(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0002079(US,A1)
【文献】特開2004-045678(JP,A)
【文献】実開平03-033929(JP,U)
【文献】特開2006-320538(JP,A)
【文献】特開2002-039656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の温度を調節する為のシステムであって、
飲用容器を受容する為の凹部を画定するレセプタクルシステムを備え、前記レセプタクルシステムが、
結露をリザーバに出すための貫通孔と、前記リザーバへの特定の方向の
前記結露の移動を促進するための1つ以上の経路と、を含む外側レセプタクルと、
前記外側レセプタクルに取り外し可能に結合可能な内側レセプタクルとを含み、
前記外側レセプタクルと前記内側レセプタクルの間に第1の空洞が画定され、
前記レセプタクルシステムは、上端部分、下端部分、内壁部分、及び外壁部分を備え、前記上端部分は前記凹部の上端開口部を画定し、
前記内壁部分から前記外壁部分まで横方向に延在すると共に、前記上端開口部から前記レセプタクルシステムの前記下端部分によって画定される下端開口部まで垂直に延在する側面開口部を更に備える、システム。
【請求項2】
更に、前記レセプタクルシステムを保持する為の細長いスタンドを備え、前記スタンドは前記レセプタクルシステムに取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は、前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、前記スタンドの前記上端に近接する前記リザーバを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記外側レセプタクルの前記貫通孔は、前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時に前記リザーバに近接して配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記外側レセプタクルの前記1つ以上の経路は、前記外側レセプタクルの内表面と前記内側レセプタクルの内表面の間に配置され、前記経路は前記貫通孔で終端する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、前記スタンドの前記上端に近接する第2の空洞を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記外側レセプタクルが突出部材を含み、前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時、前記突出部材が少なくとも部分的に前記第2の空洞内に配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記外側レセプタクルの前記突出部材と前記スタンドの前記第2の空洞が、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに結合する為の対応する磁性部材を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記内側レセプタクル及び前記外側レセプタクルが、前記内側レセプタクルを前記外側レセプタクルに結合する為の対応する磁性部材を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
飲料の温度を調節する為のシステムであって、
飲用容器を受容する為の凹部を画定するレセプタクルシステムを備え、前記レセプタクルシステムが、
結露をリザーバに出すための貫通孔と、前記リザーバへの特定の方向の
前記結露の移動を促進するための1つ以上の経路と、突出部材とを含む外側レセプタクルと、
前記外側レセプタクルに取り外し可能に結合される内側レセプタクルと、を含み、
前記レセプタクルシステムは上端部分、下端部分、内壁部分、及び外壁部分を含み、前記上端部分が前記凹部の上端開口部を画定し、
前記外側レセプタクルと前記内側レセプタクルとの間に第1の空洞が画定され、
更に、前記レセプタクルシステムを保持する為の細長いスタンドを備え、前記スタンドは前記レセプタクルシステムに取り外し可能に取り付けられ、
前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、i)前記スタンドの前記上端に近接し、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに取り付ける為の前記突出部材に対応する第2の空洞と、ii)前記スタンドの前記上端及び前記外側レセプタクルの前記貫通孔に近接する前記リザーバとを含み、
前記内壁部分から前記外壁部分まで横方向に延在すると共に、前記上端開口部から前記レセプタクルシステムの前記下端部分によって画定される下端開口部まで垂直に延在する側面開口部を更に備える、システム。
【請求項11】
前記外側レセプタクルの前記1つ以上の経路が、前記外側レセプタクルの内表面と前記内側レセプタクルの内表面との間に配置され、前記経路が前記貫通孔で終端する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時、前記突出部材が少なくとも部分的に前記第2の空洞内に配置される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記外側レセプタクルの前記突出部材と前記スタンドの前記第2の空洞が、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに結合する為の対応する磁性部材を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記内側レセプタクル及び前記外側レセプタクルが、前記内側レセプタクルを前記外側レセプタクルに結合する為の対応する磁性部材を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
飲料の温度を調節する為の方法であって、
内側レセプタクルを、室温以下の冷却温度を有する冷却環境に配置するステップと、
前記冷却環境から前記内側レセプタクルを取り出すステップと、
結露をリザーバに出すための貫通孔と、前記リザーバへの特定の方向の
前記結露の移動を促進するための1つ以上の経路と、を含む外側レセプタクルに前記内側レセプタクルを取り付け、前記内側レセプタクルと前記外側レセプタクルがレセプタクルシステムを形成するステップであって、前記レセプタクルシステムは、内壁部分から外壁部分まで横方向に延在すると共に、上端開口部から前記レセプタクルシステムの下端部分によって画定される下端開口部まで垂直に延在する側面開口部を含む、ステップと、
前記レセプタクルシステムを直立させるステップと、
飲用容器に飲料を注ぐステップと、
前記レセプタクルシステムの直立時に、前記飲用容器を前記レセプタクルシステムによって画定された凹部に入れるステップと、を含む方法。
【請求項16】
更に、前記レセプタクルシステムをスタンドに取り外し可能に取り付けるステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
更に、前記スタンドのリザーバに溜まった結露を除去するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記結露を収集するための第3の空洞を含むドリップトレイであり、当該ドリップトレイは、前記レセプタクルシステムの前記下端部分に結合されている、ドリップトレイを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記結露を収集するための第3の空洞を含むドリップトレイであり、当該ドリップトレイは、前記レセプタクルシステムの前記下端部分に結合されている、ドリップトレイを更に備える、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲用容器内の飲料の温度を制御し維持する為の方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料が飲用容器内に収まると、飲料の温度は、所望の飲料温度に維持されたり変更されるのではなく、周囲温度まで上昇又は降下する。飲料の温度を維持する為のデバイスが開発されて来た。或る種のデバイスは、飲用容器の内容物に入れられることによって飲料の温度を維持する。別種のデバイスは、飲料ジャケット(例えば、クージー(koozie)、ハガー、クージー(coozie))によって温度を維持する。別種のデバイスは、それ自体が飲料の温度を維持する為に断熱されている特殊な飲用容器である(例えば、タンブラー又はフローズングラス)。別種のデバイスは、ワインのボトルを冷やすことができる卓上容器を含む。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載された主題の発明的態様は、飲料の温度を調節することを含むシステムにおいて具現化され得るものであり、前記システムは、飲用容器を受容する為の凹部を画定するレセプタクルシステムを含み、前記レセプタクルシステムは、外側レセプタクルと、前記外側レセプタクルに取り外し可能に結合可能な内側レセプタクルとを含み、前記外側レセプタクルと前記内側レセプタクルとの間に空洞が画定され、前記レセプタクルシステムが上端部分、下端部分、内壁部分及び外壁部分を備え、前記上端部分は前記凹部の上端開口部を画定する。
【0004】
これら及び他の実施形態は夫々、以下の特徴の内の1つ以上を任意に含んでもよい。例えば、前記レセプタクルシステムを保持する為のスタンドであって、前記スタンドは、前記レセプタクルシステムに解放可能に取り付けられている。前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は、前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、前記スタンドの前記上端に近接したリザーバを含む。前記外側レセプタクルは、前記レセプタクルシステムがスタンドに取り付けられた時に前記リザーバに近接して配置される貫通孔を含む。前記外側レセプタクルは、前記外側レセプタクルの内表面と前記内側レセプタクルの内表面の間に配置された1つ以上の通路を含み、前記通路は前記貫通孔で終端する。前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、前記スタンドの前記上端に近接する空洞を含む。前記外側レセプタクルは突出部材を含み、前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時、前記突出部材は少なくとも部分的に前記空洞内に配置される。前記外側レセプタクルの突出部材と前記スタンドの空洞は、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに結合する為の対応する磁性部材を含む。前記内側レセプタクル及び前記外側レセプタクルは、前記内側レセプタクルを前記外側レセプタクルに結合させる為の対応する磁性部材を含む。
【0005】
本明細書に記載された主題の発明的態様は、飲料の温度を調節する為のシステムにおいて具現化され得、前記システムは、飲料の容器を受容する為の凹部を画定するレセプタクルシステムを備え、前記レセプタクルシステムが、貫通孔及び突出部材を含む外側レセプタクルと、前記外側レセプタクルに取り外し可能に結合される内側レセプタクルとを含み、前記レセプタクルシステムは、上端部分、下端部分、内壁部分、及び外壁部分を含み、前記上端部分が前記凹部の上端開口部を画定し、前記外側レセプタクルと前記内側レセプタブルとの間に空洞が画定され、更に、前記レセプタクルシステムを保持するスタンドを含み、前記スタンドは前記レセプタクルシステムに解放可能に取り付けられ、前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、i)前記スタンドの前記上端に近接し、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに取り付ける為の前記突出部材に対応する空洞と、ii)前記スタンドの前記上端及び前記外側レセプタクルの前記貫通孔に近接するリザーバとを含む。
【0006】
これら及び他の実施形態は夫々、以下の特徴の内の1つ以上を任意に含み得る。例えば、前記外側レセプタクルは、前記外側レセプタクルの内表面と前記内側レセプタクルの内表面との間に配置された1つ以上の経路を含み、前記経路は前記貫通孔で終端する。前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時、前記突出部材は少なくとも部分的に前記空洞内に配置される。前記外側レセプタクルの前記突出部材と前記スタンドの前記空洞は、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに結合する為の対応する磁性部材を含む。前記内側レセプタクル及び前記外側レセプタクルは、前記内側レセプタクルを前記外側レセプタクルに結合する為の対応する磁性部材を含む。
【0007】
本明細書に記載された主題の発明的態様は、飲料の温度を調節する為の方法で具現化され得、前記方法は、内側レセプタクルを、室温以下の冷却温度を有する冷却環境に配置するステップと、前記冷却環境から前記内側レセプタクルを取り出すステップと、前記内側レセプタクルを外側レセプタクルに取り付け、前記内側レセプタクルと前記外側レセプタクルがレセプタクルシステムを形成するステップと、前記レセプタクルシステムを直立させるステップと、飲用容器に飲料を注ぐステップと、前記レセプタクルシステムの直立時に、前記飲用容器を前記レセプタクルシステムによって画定された凹部に入れるステップと、を含む。
【0008】
これら及び他の実施形態は夫々、以下の特徴の内の1つ以上を任意に含んでもよい。例えば、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに解放可能に取り付けるステップ。前記スタンドのリザーバに溜まった結露を除去するステップ。
【0009】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。主題の他の潜在的な特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0010】
本開示並びにその特徴及び利点のより完全な理解の為に、以下、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】スタンドに解放可能に取り付けられたレセプタクルを含む、飲料の温度を制御する為のシステムの模式図である。
【
図1B】レセプタクルがスタンドから取り外された状態の、
図1Aのシステムの模式図である。
【
図1C】レセプタクルが第1の形状を有する飲用容器を保持している、
図1Aのシステムの模式図である。
【
図2A】
図1Cの第1の形状を有する飲用容器を保持する
図1Aのレセプタクルの模式部分断面図である。
【
図2B】第2の形状を有する飲用容器を保持する
図2Aのレセプタクルの模式部分断面図である。
【
図2C】第3の形状を有する飲用容器を保持する
図2Aのレセプタクルの模式部分断面図である。
【
図2D】第4の形状を有する飲用容器を保持する
図2Aのレセプタクルの模式部分断面図である。
【
図2E】第5の形状を有する飲用容器を保持する
図2Aのレセプタクルの模式部分断面図である。
【
図3A】第1の形状を有する凹部を画定する第1の形状を有するレセプタクルの模式図である。
【
図3B】第2の形状を有する凹部を画定する第2の形状を有するレセプタクルの模式図である。
【
図3C】第3の形状を有する凹部を画定する第3の形状を有するレセプタクルの模式図である。
【
図3D】第4の形状を有する凹部を画定する第4の形状を有するレセプタクルの模式図である。
【
図3E】シャンパンフルートと使用する、飲料の温度を制御する為のシステムの模式図である。
【
図4B】尖端を有する細長いスタンドの模式図である。
【
図4C】実質的に平坦であるスタンドの模式図である。
【
図5】結露経路が強調されている、
図1Aのシステムの模式図である。
【
図6】リップが視認可能である、
図1Aのレセプタクルの模式側面図である。
【
図7A】レセプタクルがスタンドから取り外された状態の、飲料の温度を制御する為のシステムの模式図である。
【
図7B】レセプタクルをスタンドに解放可能に取り付けた状態の、
図7Aのシステムの模式図である。
【
図8B】折り畳まれた位置での
図8Aのラックの模式図である。
【
図8C】部分的に折り畳まれた位置での
図8Aのラックの模式図である。
【
図10】
図8Aのラックが、3つのレセプタクル、スタンド、及び飲用容器を担持している、システムの模式図である。
【
図11A】キャニスターを伴う飲料の温度を制御する為のシステムの模式図である。
【
図11B】キャニスターアーム付きのキャニスターを伴う飲料の温度を制御する為のシステムの模式図である。
【
図11C】キャニスターアームがレセプタクルを保持する様子を示す、
図11Bのシステムの模式図である。
【
図12A】ステムレス飲用容器を保持するレセプタクルを伴う飲料の温度を制御する為のシステムの模式図である。
【
図12B】飲用容器がレセプタクルから取り外された状態を示す、
図12Aのシステム及び飲用容器の模式図である。
【
図13】飲料の温度を制御する為の方法のフローチャートである。
【
図14A】スタンドに解放可能に取り付けられたレセプタクルシステムを含む、飲料の温度を制御する為のシステムの更なる実施態様の正面図の模式図である。
【
図22】飲料の温度を制御する為の方法のフローチャートである。
【
図23】システムが飲用容器を保持している、
図14Aのシステムの模式図である。
【
図24】
図14Aのレセプタクルシステムの外側レセプタクルの模式見下げ破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、開示される主題の論述を容易にする為に、詳細が例示的に記載される。しかしながら、開示された実施形態は例示的であり、全ての可能な実施形態を網羅するものでは無いことは、当該分野の通常の技術を有する者にとって明らかである筈である。
【0013】
更に詳細に説明されるように、本開示の発明者らは、飲用容器内の飲料の温度を制御し維持する為のシステム及び方法を開発した。システム及び方法は、飲料のより良い、より便利な温度制御を可能にし、それによって、ユーザによる飲料の享受を高め得る。
【0014】
ユーザは、飲料を飲用容器に注ぎ、本システムを使用して飲料の温度を維持し制御することができる。システムの一実施例では、システムは、レセプタクルとスタンドを含む。ユーザは、例えば冷凍庫や電子レンジの中にレセプタクルを配置することで、レセプタクルを冷やしたり温めたりしてもよい。レセプタクルが或る温度に達するまで待機した後で、ユーザは冷えた又は温まったレセプタクルを取り出して、レセプタクルを使って、飲料が入った飲用容器を保持できる。レセプタクルが飲用容器を保持すると、飲用容器から冷えたレセプタクルに、又は温まったレセプタクルから飲用容器に、熱エネルギーが伝達される。レセプタクルは、飲用容器を保持し、熱エネルギーを伝達することによって、飲用容器を冷やすか又は温めて、飲料の温度を維持及び制御し、飲料が冷たい又は温かい時間を長引かせる。レセプタクルは、スタンドに解放可能に取り付けられて、レセプタクルが例えばステム付きワイングラスを保持できるようにしてもよい。
図1Aは、ユーザが、冷えた又は温まったレセプタクルに飲用容器を配置することによって、飲用容器内の飲料の温度を制御することができる、そのようなシステムを描写している。
【0015】
図1Aに例として示されるように、システムは、スタンド102に解放可能に取り付けられたレセプタクル100を含んでもよい。レセプタクル100及びスタンド102は、プラスチック、木材、金属、セラミック、又はそれらの組み合わせを含む様々な材料の内の1つ以上から作られてもよく、掴み易くする為にテクスチャ表面を含んでもよい。レセプタクル100は、飲用容器を受容して保持する為の凹部104を画定している。レセプタクル100によって形成された凹部は、様々な形状を取り、異なる形状を有する様々な飲用容器を受容する為の凹部を画定するような輪郭であり得る。
【0016】
一般に、レセプタクル100は、飲用容器に接触することによって温度を制御又は維持する。ワイングラスのボウルの下部等、飲用容器が飲料を含む場所に接触することによって、レセプタクル100は、温まった又は冷えたレセプタクル100と飲料との間の熱エネルギーの伝達を効率的に可能にすることができる。
【0017】
側面開口部106は、ステム付きワイングラスのような飲用容器を容易に受け入れながらも凹部104によって確実に保持することを可能にし得る。ユーザは、ワイングラスのステムを側面開口部106に通し、ワイングラスのボウルをレセプタクル100にセットすることにより、ステム付きワイングラスをレセプタクル100に容易に入れることができる。側面開口部106は、レセプタクル100が飲用容器を保持している間、飲用容器の部分が見えるようにもする。
図1Aに描かれているように、側面開口部106は、内壁部分108から外壁部分110まで横方向に延在してもよい。又、
図1Aに例として示されているように、側面開口部106は、レセプタクル100の上端部分116によって画定される上端開口部112から、レセプタクル100の下端部分118によって画定される下端開口部114まで垂直方向に延在してもよい。外壁部分110及び内壁部分108は、上端部分116と下端部分118を接続する。側面開口部106は、ユーザが飲料を見ることを可能にするが、飲用容器をレセプタクル100を通して落下させたり、システムの温度制御及びメンテナンスの利点を無くす程大きなサイズではない。
【0018】
図1Aに示されるような下端部分118は実質的にC字形であり、凹部104の下端開口部114を画定している。下端開口部114は、飲用容器が下端開口部114を通って落下しないように十分に小さいが、飲用容器のステムの少なくとも一部が下端開口部114を通って延びることができるように十分に大きくてもよい。
【0019】
図1Aに示されるような上端部分116も、実質的にC字形である。
図1Aにこちらも例示的に示されているように、上端部分116は凹部104の上端開口部112を画定する。上端開口部112は、凹部104が飲用容器を受容することを可能にし得る。
図1Aに示されるように、上端開口部112は、下端開口部114よりも大きい断面積を有していてもよい。
【0020】
ユーザが冷えた飲料を飲む時、又は他の温度制御システムを使用する時に起こり得る問題の1つは、飲料の容器又は温度制御システムに結露が溜まることである。結露が溜まると、ユーザの手に滴下し、ユーザに不都合になり得る。又、例えば、ワイングラスの足元に水分が溜まって滴下することもある。ユーザがワイングラスから飲料を飲む時、ユーザは、ワイングラスの足元から、ユーザ自身や、ユーザのディナープレート等所望しない場所に、不用意に水分を掛けてしまうことがある。本システムによれば、所望しない場所に溜まる結露を低減又は排除した状態で飲料を楽しむことができる。
【0021】
結露に対する望ましくないユーザの接触を低減する為に、レセプタクル100の下端部分118はリップ120を含む。リップ120は、レセプタクル100の最下点として示されている。結露がシステム又は飲用容器に溜まると、リップ120まで下向きに水滴が付くことがある。
図1Aに示すように、リップ120は、ユーザが飲用容器を掴む可能性のある側面開口部106から離れ、又、例えば、結露がワイングラスのステムに滴下するような場所から離れた位置に在る。
図1Aに示すように、リップ120は、2つ以上のピークとして形成されている。リップ120は、レセプタクル100又はスタンド102から外側に延びる形状である。リップ120により、飲用容器上又はユーザ上に付く結露が低減又は除去される。リップ120により、結露は、レセプタクル100からスタンド102に、更に下ってスタンド102が配置される支持表面に向け直され得る。システムは、代替的に、リップ120が単一のピーク、リッジ、複数のリッジ、又はそれらの組み合わせとして形作られるように構成されてもよい。リップ120は又、スタンド102の一部であってもよい。
【0022】
システムは、システムを直立に保持する為、ステム付き飲用容器との使用を可能にする為、又はその両方の為に、スタンド102を含む。スタンド102は、飲用容器が支持表面から持ち上げられるように、細長くなっている。スタンド102は、細長いものとして示されているが、実質的に平坦であってもよい。レセプタクル100は又、レセプタクル100がスタンド102無しで直立するように平坦な下端部分を有していてもよい。
図1Aに示されるように、スタンド102は、上端部分116が下端部分118の実質的に上方にある状態でレセプタクル100を直立に保持する。スタンド102は、1つ以上のスタンドプロング122a及び122bも有する。スタンドプロング122a及び122bは、レセプタクル100から半径方向外側に延在して、システム又は飲用容器が転倒するのを防止する為の広いベース及び頑丈さを提供する。スタンド102は、表面に接触する為の1つ以上の足部124a及び124bも有する。足部124a及び124bは、テーブルトップ又は地面等の支持表面に接触し、それによってスタンド102を直立に保持することができる。
【0023】
図1Aに示されるシステムは、従来のシステムを超える多くの利点を提供する。このシステムの1つの利点は、ユーザが自分の飲用容器を使用しながら、飲料の温度を制御し維持できることである。ユーザは、温度を制御できるが飲用体験を低下させる、嵩張る断熱容器のような、大きい又は品質の劣る飲用容器から飲む必要が無い。別の利点は、クージーのような視認を妨げるシステムとは対照的に、使用中に飲用容器及び飲料を見ることができることである。飲料を見ることは、例えば、ユーザが飲料の色を楽しめるようにすることによってユーザの経験を高める。このシステムの更なる利点は、ユーザが自分の好みに合わせて温度を微調整できることである。例えば、ユーザは、単に飲用容器をレセプタクルから持ち上げ、飲用容器を支持表面に直接保持させるかセットして、飲料が僅かに温まるようにしてもよい。温度を微調整したい場合は、容器をレセプタクルの中に入れてもよい。例えば
図1Aのシステムの代わりにタンブラーを使用する場合、ユーザは、タンブラーから飲料を単に取り出してタンブラーに飲料を戻すことはできない。
図1Aに示されるシステムの更なる利点は、ユーザの手に滴る結露を低減することである。このシステムは又、転倒に抵抗する形状であることも有利である。
【0024】
本システムの1つの利点は、本システムが解放可能に取り付け可能な構成要素を含み得ることである。例えば、
図1Bは、レセプタクル100がスタンド102から取り外された、
図1Aのシステムを示している。システムが取り外し可能なレセプタクル100を有する場合、ユーザは、レセプタクル100のみをスタンド102無しで冷却環境(冷凍庫又は冷蔵庫等)又は加熱環境(オーブン、電子レンジ、又は熱ランプ等)に配置してもよい。冷却環境及び加熱環境は、夫々室温以下又は室温以上の温度である任意の環境であってよい。ユーザは、スタンド102を着脱し、レセプタクル100のみを冷却環境又は加熱環境に配置することで、冷却環境又は加熱環境におけるスペースを省いてもよい。
【0025】
共通の取り付け形状を使用する着脱性は、例えば、スタンド102が同じ又は異なる形状を有する多数のレセプタクルに解放可能に取り付けられるシステムといった、モジュール性も可能にする。着脱性により、別のレセプタクルが使用中、スタンド102に取り付けられている間、又はその両方において、1つ以上のレセプタクルを冷却又は加熱環境に配置されることが可能になる。ユーザは、スタンドから第1のレセプタクルを取り外し、第1のレセプタクルを、冷却又は加熱される第2のレセプタクルと交換することができる。従って、ユーザは、第1のレセプタクルを用いて第1の飲料を楽しむことができ、ユーザが第2の飲料を飲む準備ができた時、ユーザは、既に冷えた又は温まった第2のレセプタクルを用いることができる。ユーザは、夫々の飲料を所望の温度で楽しむことができる。着脱性は、スタンドをユーザが扱い易い温度に保つことも可能にする。着脱性は、レセプタクル100を複数の又は様々なスタンドと一緒に使用できるというモジュール性も可能にする。レセプタクル100は、ピンと穴のような嵌合部品、磁石、ヒンジ、ジョイント、又は他の任意の取り付け機構によってスタンド102に取り付けてもよい。システムが複数のレセプタクル又はスタンドを有する場合、一部又は全てのレセプタクル及び一部又は全てのスタンドが共通の取り付け形状を有してもよく、交換可能なモジュール部品を有するシステムを可能にする。例えば、全てのレセプタクルに同じ形状の穴を設け、全てのスタンドにその穴に接続する為の同じ形状のピンを設けることができる。更なる例として、全てのレセプタクルが同じ形状の接触面を備えた磁石を有し、全てのスタンドが同じ形状の接触面を備えた磁石を有してもよい。着脱性は、後述するように、レセプタクル100を異なる形状のスタンドに使用することも可能にする。又、後述するように、着脱性は、スタンド102を異なる形状のレセプタクルと共に使用することを可能にする。一部のシステムでは、レセプタクル100はスタンド102に固定的に取り付けられてもよい。
【0026】
システムがどのように飲用容器を保持するかの例として、
図1Cは、
図1A及び1Bのシステムが、第1の形状を有する飲用容器126を保持している様子を描写している。レセプタクル100が冷却又は加熱環境から取り外された後で、レセプタクル100は、スタンド102に解放可能に、しかし確りと取り付けられてもよい。その後、飲用容器126はレセプタクル100によって保持されてもよく、レセプタクル100は飲用容器126の飲料液に最も近い下部を接触させ、それによって飲料の温度を効率的に維持及び制御してもよい。
【0027】
図1Cで見ることができるように、上端部分116及び下端部分118は、飲用容器126の周りに実質的にC字形である。下端開口部114は、飲用容器126が下端開口部114を通って落下しない程に十分に小さいが、飲用容器126のステムが下端開口部114を通って延在する程に十分に大きい。
【0028】
飲用容器126を保持する間、レセプタクル100の凹部104が飲用容器126を受容しながら、レセプタクル100の少なくとも一部が飲用容器126に接触してもよい。レセプタクル100による飲用容器126の接触により、熱エネルギーを効率的に伝達し、飲用容器126の温度を制御及び維持することができる。側面開口部106は、システムが飲用容器126を保持している間、飲用容器126の一部が見えるようにする。システムは側面開口部を有する必要は無い。側面開口部106が無ければ、システムは、飲用容器を完全に封入することによって、更に効率的に飲料の温度を制御し維持できる可能性がある。しかし、ユーザが飲物を楽しみつつ飲物を見ることができるシステムはユーザの経験を向上させ得る。例えば、ユーザは、シャンパンの泡が立ち上がる様子を見るのを楽しみ得る。ユーザは、自身のスコッチのキャラメル色や、ボルドーの深赤色を眺めることを楽しみ得る。側面開口部106は、ステム付き飲用容器126を凹部104内に容易に配置し、凹部104から容易に取り外すことも可能にする。スタンド102は、
図1Cに示すように、飲用容器126が支持表面から持ち上げられるように細長くてもよい。例えば、飲用容器がステムを有する場合、飲用容器は支持表面から持ち上げられる必要があり得る。
【0029】
示されるようなシステムは、特定の飲料と共に使用されるように設計された飲用容器126を使用することを可能にする。飲用容器126は赤ワイン用に設計されている。ユーザは、特定の飲料用に設計された飲用容器から飲料を楽しむことを望む場合がある。例えば、シャンパンフルート自体がシャンパンの泡が上昇する為の長い経路を作り出すので、ユーザはシャンパン用にシャンパンフルートを用いることを楽しむことができる。ユーザは、シャンパンフルート以外のグラスで、例えば、クープからマティーニを飲むように、飲料を楽しみたいと思う場合もある。例えば、多くのワイングラスは、特定のワインの流れをユーザの舌の一部に導く為、又はユーザが嗅ぐ芳香に影響を与える為に、異なる形状をしている。飲用容器は又、嵩張る断熱容器とは比べものにならない、薄いガラスや装飾的なガラス等の審美的品質を有していてもよい。本システムは、ユーザが、その飲料の為に特別に設計された飲用容器から温度制御された飲料を楽しむことができるという点で有利である。
【0030】
本システムは又、飲料自体に異物を混入すること無く、飲料の温度を制御することを可能にする。このような異物は、飲用容器に重量を加える、飲用容器の感触を変える、飲料の味や匂いに影響を与える、ユーザの唇や顔が異物に不要に接触する、飲料を入れた飲用容器の美観を低下させる等の理由により、飲料の楽しさを減少させる可能性がある。本システムは、異物による飲料の楽しみを損なうこと無く、飲料の温度を制御・維持しながら、ユーザが飲用容器126からの飲用を楽しむことを可能にする。本システムの更なる利点は、ユーザが自分の好みに合わせて温度を微調整できることである。例えば、ユーザは、単に飲用容器をレセプタクルから持ち上げ、飲用容器を支持表面に直接保持又はセットして、飲料が僅かに温まるようにしてもよい。飲料内容物内に配置された異物を使用するシステムでは、ユーザは飲料内容物に手を入れなければならなくなる為、ユーザが飲料の温度を微調整することは困難であり得る。
【0031】
飲用容器126は、第1の形状を有して示されているが、本システムは、異なる形状を有する様々な飲用容器と共に使用されてもよい。システムは、赤ワイングラス、ボルドーグラス、ブルゴーニュグラス、白ワイングラス、ステム付きワイングラス、ステムレスワイングラス、丸いワイングラス、角張った縁を有するワイングラス、シャンパンフルート、パイントグラス、ウイスキーグラス、マティーニグラス、クープグラス、任意の種々の形状のグラス、缶、瓶、又は飲料を入れる為に用いられる他の容器等、異なる形状の飲用容器を保持し得る。本明細書で説明するように、レセプタクル100は、多数の異なる形状の飲用容器との表面間接触を提供するような形状であり得る。異なる形状の飲用容器と共にシステムが使用され得る別の方法は、様々な異なる形状の飲用容器を受容する為の異なる凹部を画定する多数のレセプタクルを有することに依る。
【0032】
図2A、2B、2C、2D、及び2Eは、
図1A~
図1Cのシステムが、異なる形状の飲用容器と共に使用され得る方法の例を提供する。レセプタクル100は、
図2Aに示される、
図1Cの第1の形状を有する飲用容器126等の様々な異なる飲用容器を受容できる凹部を画定してもよい。凹部は又、
図2Bに示す第2の形状を有する飲用容器128、
図2Cに示す第3の形状を有する飲用容器130、
図2Dに示す第4の形状を有する飲用容器132、及び
図2Eに示す第5の形状を有する飲用容器133を受容してもよい。飲用容器126、128、130、及び132はワイングラスである。飲用容器133はクープグラスである。レセプタクル100は、内壁部分108のより大きな表面積が、様々な異なる形状や大きさの飲用容器に接触することを可能にするような形状であってもよい。熱エネルギーの伝達は、飲用容器のどれだけ多くの表面が飲料の近くに接触しているかに依存するので、接触面積が増加すると、より効率的な温度制御が可能になる。
図2A~
図2Eに示す例示的な実施形態では、内壁部分108は、飲料が収容される付近で様々な異なる形状の飲用容器の大きい表面積に接触するように、多容器用輪郭で特別に形成されている。
【0033】
多容器用輪郭の一例は、
図2Aから
図2Eに描かれている。上端部分116において、上端傾斜134は上端スロープを有する。本開示における「スロープ」は、数学的な数値記述子を意味する。レセプタクルが直立しており、飲用容器を保持している時、上端傾斜は、システムが立っている支持表面に対して上端傾斜134がほぼ垂直であるような大きさを有してよい。上端傾斜134は、
図2Bでは飲用容器128に接触し、
図2Cでは飲用容器130に接触する。
【0034】
内壁部分108は湾曲面136をも有していてもよい。湾曲面136は、広いボウル、角張ったエッジ、又はその両方を有する飲用容器により良く対応し得る。湾曲面136は、上端傾斜134と中間傾斜138とを接続する。湾曲面136は、平滑面を有するものとして示されているが、飲用容器をより確りと保持する為、又は他の飲用容器を収容する為に、鋸歯状であってもよいし、平滑面と鋸歯状面の組合せを含んでもよい。鋸歯状面は接触面積を減少させ得るが、鋸歯状面は滑りを防止し得る。湾曲面136は、
図2Cの飲用容器130及び
図2Eの飲用容器133に接触する。中間傾斜138は、上端傾斜134の上端スロープよりも小さい大きさの中間スロープを有していてもよい。中間傾斜138は、飲用容器のボウルの底部に向かって内側に湾曲してもよい飲用容器を収容する。中間傾斜138は、
図2Cの飲用容器130と、
図2Eの飲用容器133とに接触する。中間傾斜138は、下端部分118において下端傾斜140に接続される。下端傾斜140は、中間傾斜138の中間スロープよりも大きい規模の下端スロープと、上端傾斜134の上端スロープよりも小さい規模の下端スロープとを有していてもよい。下端傾斜140は、例えば、レセプタクルのより大きい表面積が、狭い飲用容器に接触することを可能にする。下端傾斜140は、
図2Aの飲用容器126、
図2Bの飲用容器128、
図2Cの飲用容器130、
図2Dの飲用容器132、及び
図2Eの飲用容器133に接触する。
【0035】
従って、本システムは、形状の異なる様々な飲用容器の温度を制御できるので、他のシステムより有利である。
図2Aから
図2Eは、1つの形状を有するレセプタクルが、熱伝導を提供する為に適切な表面積の接触を提供する為に、異なる形状の飲用容器をどのように保持できるかに関する5つの例を提供する。システムは又、内壁部分108が、特定の飲用容器の為の表面接触面積を提供する為に、凸状輪郭、凹状輪郭、又はその両方を含むように構成されてもよい。
【0036】
図2A~
図2Eで見ることができる本システムの付加的な利点は内側空洞142である。内側空洞142は、効率的且つ長期的な温度制御、断熱、又はそれらの組み合わせを可能にする。例えば、内側空洞142は、液体溶液を担持し、収容することができる。冷凍庫に入れられると、液体溶液は凍結し、それによって、飲料の温度制御及び維持の時間及び程度を増加させることができる。
【0037】
図2A~
図2Eによって示されるように、内壁部分108と外壁部分110との間、及び上端部分116と下端部分118との間に内側空洞142が画定されてもよい。上端部分116、下端部分118、内壁部分108及び外壁部分110は夫々、内側空洞142の上端境界、下端境界、内側境界、及び外側境界を画定する。境界は内側空洞142を囲む。内側空洞142は、空気又は気体を収容し担持してもよい。内側空洞142は真空チャンバを含んでもよい。内側空洞142内の真空チャンバは、600Torr未満、10
-1Torr未満、10
-2Torr未満、10
-3Torr未満、又は10
-4Torr未満の圧力を有していてもよい。内側空洞142は、発泡スチロール又はプラスチックコーティングされた木材等の固形物を収容し担持してもよい。内側空洞142は、内側空洞142が部分的に又は完全に満たされるように、液体溶液を収容し担持してもよい。液体溶液は、水、アルコールゲル等のゲル、溶質、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。内側空洞142内の液体溶液は、例えば、家庭用冷凍庫の温度以上の凝固点を有していてもよい。内側空洞142は、レセプタクルの温度保持を延長し、それによって、飲料の温度が制御される時間を延長することができる。内側空洞142は膨張領域を含み、凍った溶液が、レセプタクルを損傷する程の圧力を内側空洞142の境界線に及ぼすことが無いように、溶液が膨張する為の余地を見込んでもよい。
図2A~
図2Eに内側空洞142が示されているが、システムは、内側空洞142の無いレセプタクル(複数可)を含んでもよい。システムの一部のみが
図2A乃至
図2Eに示されているが、内側空洞は、飲用容器を包含するようにレセプタクルの周りに延在しても、又はレセプタクルの一部分又は幾つかの部分に収容されてもよい。
【0038】
本システムの1つの利点は、複数のレセプタクルを使用して異なる形状の飲用容器を保持できることである。
図3A~
図3Eは、異なる形状の凹部を画定する異なる形状の複数のレセプタクルを描写している。各レセプタクルは、共通の取り付け形状を介して同じスタンドに解放可能に取り付けてもよい。例えば、各レセプタクルは、ピンと穴、補完形状、磁石、ヒンジ、ジョイント、又は他の取り付け機構のような嵌合部品によって、任意の1つ以上のスタンドに取り付けてもよい。システム内の全てのレセプタクルとスタンドは、モジュール性と互換性を可能にする為に、共通の取り付け形状を共有してもよい。複数の異なる飲用容器に対応することに加えて、複数のレセプタクルは、他のレセプタクルが使用されている間、1つ以上のレセプタクルを加熱又は冷却することを可能にする。例えば、ユーザが1つのレセプタクルを使用して飲用容器を冷却している一方で、別のレセプタクルがユーザの冷凍庫に入っていてもよい。各レセプタクルは、例えば本開示の他の図に示される各スタンドと共に使用され、様々なスタンドに解放可能に取り付けられ得る。
図3Eは、スタンド102及びレセプタクル143を有するシステムを示す。レセプタクル143は、スタンド102に解放可能に取り付けられており、シャンパンフルート135を保持している。
図3A~
図3Eは異なる形状を有する複数のレセプタクルを示しているが、システムは、他の図に示されるレセプタクルのような、同じ形状を有する複数のレセプタクルを含んでもよい。同じ形状の複数のレセプタクルを有するシステムは、例えば、ユーザが追加のワイングラス毎に冷却されたレセプタクルを有し得る為、有益である。更に、前述したように、レセプタクルは多くの異なるタイプの飲用容器を受容できる。
【0039】
本システムの別の利点は、異なる設定で使用できることである。例えば、システムは、屋外で使用する為等、異なる用途の為に異なるスタンドを有していてもよい。
図4A、4B、及び4Cは、共通の取り付け形状を有する異なるレセプタクルが使用され得る複数のスタンドを集合的に描写している。例えば、描写された各スタンドは、本開示の他の図に示されたレセプタクルと共に使用され、解放可能に取り付けられてもよい。
【0040】
細長いスタンドは、例えば、ステム付きワイングラスを支持表面の上に保持して冷却する為に使用されてもよい。
図4Aは、ステム付きワイングラスと共に使用され得る、
図1A~
図1Cに示されるスタンド102を描写している。図示のようなスタンド102は細長い。スタンド102は、レセプタクルを直立に保持するように動作可能である。描写された実施形態は、2つのスタンドプロング122a及び122bを有し、それら各々が足部124a及び124bを有する。足部124a及び124bは、テーブルトップ又は地面等の表面に接触してもよく、それによってスタンド102を直立に保持する。
【0041】
屋外での使用、又は土のような柔らかく貫通可能な支持表面との使用の為に、スタンドは支持表面に挿入されるように構成されてもよい。例えば、
図4Bはスタンド144を描写している。図示のようなスタンド144は、細長く、尖端146を有する。尖端146は、土、砂、又は草のような柔らかい支持表面に確りと挿入されてもよい。スタンド144は、2つのスタンドプロング148a及び148bを有していてもよい。レセプタクルに取り付けられると、それによってスタンド144はレセプタクルを柔らかい表面の上に直立に保持できる。例えば、ユーザは、屋外で地面に座っている時に飲み物を冷やしたいと思う場合がある。
【0042】
ステムの無いワイングラス、マグカップ、又はウイスキーグラス等のステムレス飲用容器と共に使用する為に、スタンドは、最小限のスペースを使用するように構成されてもよい。例えば、
図4Cはスタンド150を描写している。図示のようなスタンド150は、実質的に平らである。スタンド150は、1つの足部152を備えて示されている。スタンド150はレセプタクルを直立に保持してもよい。スタンドは、2つのスタンド突起154a及び154bを有していてもよい。レセプタクルは、例えば、ステムレスワイングラス、コーヒーカップ、又はスニフターを、スタンド無しで直立に保持する為に、下端部分が実質的に平坦であるように構成されてもよいが、スタンド150は、ステムレスワイングラス(又は他の様々な飲用容器)を保持する為にレセプタクルに装着されてもよい。足部152は、テーブルの上や地面等の表面に接触してもよく、それによってスタンド150を直立に保持する。
【0043】
図4Aから
図4Cに例として描かれているような異なるスタンドは、他のシステムよりも汎用性の高いシステムを可能にする。異なるスタンドは、異なる飲用容器と共に、又、異なる環境において使用できるシステムを可能にする。ユーザは、ワイングラスのようなステム付きの飲用容器を使用したい場合もあり、ウイスキーグラスのようなステムの無い飲用容器を使用したい場合もある。ユーザは、テーブルに着座している時、又はピクニックで地面に座っている時に、飲用容器を使用することを望む場合がある。
【0044】
上述したように、システムは、望ましくない場所から結露を送る為のリップを含んでもよい。システムは又、結露を送る為の結露経路を含んでもよい。例えば、
図5は、強調された結露経路156を有する
図1A~
図1Cのシステムを描写している。
図5に例として示されるように、結露経路156は、レセプタクル100及びスタンド102の輪郭によって部分的に又は全体的に形成されてもよい。例えば、内壁部分108は、リップ120に向かって下向きのスロープとなっている。
【0045】
結露経路156は、飲用容器又はシステム上に溜まる水分を、足部124a又は124b、又はレセプタクル100上の場所等の所望の場所に流すことを可能にする。水分が流れる為のレセプタクル100上の場所は、ユーザが側面開口部106で飲用容器を掴む場所から離れており、又、結露が例えばワイングラスの足元に滴下する場所から離れている。
図5で強調されているように、結露経路156は、レセプタクル100からスタンド102まで延在する。結露経路156はリップ120を含む。リップ120は、
図5に示されるように、結露がリップ120から滴り落ち、ユーザの手から離れるように、下方に突出する形状であってよい。
図5において、結露経路156はリップ120を含み、足部124a及び124bで終了する。
【0046】
結露経路156は別様に形成されてもよい。例えば、システムは、内壁部分108、スタンド102、又はその両方の表面に設けられた溝によって一部又は全部が形成された結露経路を含んでもよい。結露経路156は、不要な湿気が望ましくない場所に移動するのを防ぐので、システムが有し得る更に別の利点である。
【0047】
上述したように、リップ120は、ユーザの手との湿気の接触を低減又は排除する等の利点を提供する。リップ120が見えるように、
図6は、
図5のレセプタクル100の側面図を描写している。
【0048】
本システムの別の利点は、パイントグラス等の飲用容器内の飲料の温度を効率的に制御する為にも使用できることである。更なる利点は、システムが飲料の温度を制御し維持しながら、パイントグラス及び飲料を見ることができるようにする。本システムの更なる利点は、ユーザが好みに応じて温度を微調整できることである。例えば、ユーザは、単に飲用容器をレセプタクルから持ち上げて、飲用容器を支持表面に直接保持又はセットすることで、飲料が僅かに温まるようにしてもよい。スタンドは又、断熱性を高め、飲料を所望の温度に維持する時間を向上させる付加的な機能をも有し得る。例えば、スタンドは、断熱性を向上させる為に、真空チャンバを有していてもよい。スタンドは又、レセプタクルの形状を補完し、因ってレセプタクルを覆うことにより、レセプタクルに安全且つ解放可能に取り付け可能でもある。
図7Aは、レセプタクル158とスタンド160とを備えた飲料の温度を制御する為のシステムの一例を描写している。レセプタクル158は、スタンド160から切り離された状態で示されている。レセプタクル158は、パイントグラス等の飲用容器164を受容する為の凹部162を画定するような形状である。内壁部分166は、上端部分168から下端部分170まで内側にスロープ状になっている。外壁部分172は、上端部分168から下端部分170まで内側にスロープ状になっている。レセプタクル158は、飲用容器164の形状を補完しているので、レセプタクル158のより大きな表面積が飲用容器に接触することが可能になり、熱エネルギーの効率的な伝達を可能にする。
【0049】
図示のレセプタクル158は、システムが飲用容器164を保持している間に飲用容器164の一部を見ることができるように、側面開口部174を画定している。代替的に、レセプタクルは、パイントグラスを完全に覆ってもよい。側面開口部174は又、ユーザが飲用容器164を掴む為のより多くのスペースを提供することによって、飲用容器164が凹部162によって容易に受容されることを可能にする。
図7Aに描写されているように、側面開口部174は、内壁部分166から外壁部分172まで横方向に延在する。本開示で上述したように、内壁部分166と外壁部分172との間、及び上端部分168と下端部分170との間に、内側空洞が画定されてもよい。
【0050】
スタンド160は又、レセプタクル158がスタンド160に解放可能に取り付けられている時にレセプタクル158によって保持されると飲用容器164が見えるように、スタンド側開口部176を画定している。スタンド160は真空チャンバを含む。真空チャンバは、スタンド内壁部分178、スタンド外壁部分180、上部スタンド部分182、及び下部スタンド部分184の間に収容されてもよい。真空チャンバは、600Torr未満、10-1Torr未満、10-2Torr未満、10-3Torr未満、又は10-4Torr未満の圧力を有する。真空チャンバは、レセプタクル158が飲用容器164を保持し、スタンド160に解放可能に取り付けられている時に、飲用容器164のより良い断熱を提供する。スタンド160及びレセプタクル158は又、例えば、ユーザがレセプタクル158を冷凍庫から取り出す時に把持し易くする為に、外側テクスチャスリーブを含んでもよい。外側テクスチャスリーブは、解放可能に取り付け可能であってもよい。
【0051】
パイントグラス又は他のグラスの為に構成されるようなシステムは、解放可能に取り付け可能な機能性及びモジュール性を含んでもよい。上述したように、解放可能に取り付け可能な部品は、例えば冷凍庫内のスペースを省くことができ、システムに多用途性を付加し得る。
図7Bは、レセプタクル158がスタンド160に解放可能に取り付けられている、
図7Aの飲料の温度を制御する為のシステムを描写している。描写された例では、レセプタクル158及びスタンド160は、レセプタクル158がスタンド160内に確りと嵌るように、補完形状であることによって解放可能に取り付けられる。
図7Bによって示されるように、スタンド160はレセプタクル158を覆い、それによって断熱性を向上させ、温度制御の時間を延長できる。又、
図7Bによって示されるように、飲用容器164は、側面開口部174及びスタンド側開口部176故に見えるようになっている。
【0052】
図7A及び
図7Bは、例としてパイントグラスを使用する。
図7A及び7Bに描写されたレセプタクル158及びスタンド160は、任意の飲用容器を解放可能に取り付け、嵌めるように、補完形状であってよい。より長期の温度制御とメンテナンスを提供する為に、システムは、側面開口部の無いレセプタクルと、スタンド側面開口部の無いスタンドを有してもよい。
【0053】
本システムは、持ち運びを容易にする為にラックを含み得るという点で、従来のシステムと比較して更なる利点を提供する。他のシステムは嵩張ることがあり、従って、持ち運び及び収納が困難であり得る。
図8Aは、例示的なシステムの一部であるラック186を描写している。ラック186は、スタンドに解放可能に取り付けられた1つ以上のレセプタクル、1つ以上の飲用容器、又はそれらの組み合わせを運ぶ為に使用されるトレイ188を有する。トレイ188は、スタンド、飲用容器、又はそれらの組み合わせに解放可能に取り付けられたレセプタクルを受容する為のハンド190a、ハンド190b、及びハンド190cを夫々有している。各ハンド190a、190b、190cは、
図8Aに示されるように実質的にC字形である。代替的に、ハンドは、例えば、2本の直線として形成されてもよい。ハンド190a、190b、190cは、ユーザがハンド190a、190b、190cに上向きの力を加えると、レセプタクル、飲用容器、又はその両方の下に嵌合して、レセプタクル、飲用容器、又はその両方を持ち上げることができる。ラック186は、スタンドに解放可能に取り付けられた1つ以上のレセプタクル、1つ以上の飲用容器、又はそれらの組み合わせを任意の数で運ぶ為に、任意の数のハンドを含んでもよい。
【0054】
ラック186は、第1のトレイ側面194に取り付けられた第1のアーム192を有する。第1のアーム192は、ヒンジ、ジョイント、ピンと穴のような嵌合部品、又は補完形状、磁石、又は任意の他の取り付け機構によって第1のトレイ側面194に取り付けられてもよい。ラック186は、第2のトレイ側面198に取り付けられた第2のアーム196を有する。第2のアーム196は、ヒンジ、ジョイント、ピンと穴等の嵌合部品、又は補完形状、磁石、又は他の任意の取り付け機構によって第2のトレイ側面198に取り付けられてもよい。第1のアーム192と第2のアーム196は、後述するように、第1のアーム192と第2のアーム196が折り畳めるように取り付けられている。第1のアーム192と第2のアーム196は、第1のアーム192と第2のアーム196を夫々トレイ188に更に取り付ける可動式の副アーム200a、200bを有している。ラック186は、ラック186を支持表面上に直立させる為の2つのラック足部202a及び202bをも有し得る。ラック足部202a及び202bは、トレイ188に取り付けられ、トレイ188の下に折り畳み可能である。ラック足部202a及び202bは、ヒンジ、ジョイント、ピンと穴のような嵌合部品、又は補完形状、磁石、又は他の任意の取り付け機構によってトレイ188に取り付けられてもよい。ラック186は、ユーザがラック186をより容易に持ち運ぶことができるように、ラックハンドル201を含む。
【0055】
1つ以上の飲用容器、レセプタクル、スタンド、又はそれらの組み合わせが使用される設定において、収納スペースが制限されることがある。例えば、レストラン又はバーは、多数のレセプタクル及び飲用容器を必要とし、レセプタクルをテーブルに運ぶ為のラックが必要である場合がある。しかし、レストランには限られた収納スペースしか無い場合がある。従って、システムを運ぶことができるが、僅かなスペースで収納できるラックが望まれる。ラック186は、持ち運びに使用しない時は、折り畳み可能であることによって、ユーザのスペースを更に省くことができる。例えば、
図8Bは、
図8Aのラック186が折り畳まれた位置で描かれている。
図8Cは、部分的に折り畳まれた位置に在る
図8Aのラック186を描写している。
【0056】
図8A~
図8Cのラック186がスペースを省く為にどのように折り畳まれ得るかの一例として、
図9は、第1のアーム192及び第2のアーム196がどのように折り畳まれ得るかを描写している。
図9は、
図8A~
図8Cに描写されたラックの部分背面図である。第2のアーム196はトラック204を有してよく、それで第1のアーム192のホイール206がトラック204内でスライドすることを可能にし、それによってラックが折り畳まれる。ホイール206は、トラック204内をスライドする為に回転する必要は無い。ホイール206は円筒形のピンである。ホイールは、車軸の周りを回転してもよいし、低摩擦面を有してもよいし、その両方であってもよい。
【0057】
図10は、
図8Cのラック186を有するシステムを示している。システムは、3つのスタンド102a、102b、及び102cに解放可能に取り付けられた3つのレセプタクル100a、100b、及び100cを運ぶラック186を伴って示されている。各レセプタクル100a、100b、及び100cは、飲用容器126a、126b、又は126cを保持して示されている。3つのレセプタクル100a、100b、及び100cの何れかが3つのスタンド102a、102b、又は102cの何れかに解放可能に取り付けられ得るので、このシステムはモジュール式である。ユーザがラックを、例えばラックハンドル201によって持ち上げると、ユーザはシステムを持ち上げて運んでもよい。
【0058】
例示的なシステムでは、システムは、ワインボトルを保持する為のキャニスターと、レセプタクルを取り付ける為の複数のスタンドとを含む。ユーザは、レストランでボトルを鑑賞したり共有したりする際に、ボトルの温度を維持することを望む場合がある。キャニスターは、あらゆるタイプのボトルや飲用容器を受容できるように構成されてもよい。本システムは、ワインボトル内のワインとワイングラスに注がれたワインの温度を同時に制御し維持することができる。ユーザは、1つ以上のレセプタクル、スタンド、飲用容器、ボトル、又はそれらの組み合わせを容易に持ち運びたい場合がある。
図11Aは、簡単に持ち運びができ、飲用容器とボトルを同時に温度制御できる例示的なシステムを示す図である。各レセプタクル100a、100b、及び100cは、夫々、スタンド208a、208b、及び208cに解放可能に取り付けられた状態で示されている。スタンド208a、208b、208cはキャニスター210に取り付けられている。キャニスター210は、
図11Aでは見えない、キャニスターの背面側に取り付けられた第4のスタンドを有する。スタンド208a、208b、及び208cは、代替的に、キャニスター210に解放可能に取り付けられてもよい。キャニスター210は、キャニスター210によって画定されたキャニスター凹部214でワインボトル212を受容するように動作可能である。
【0059】
ワインボトル212の温度を維持し制御する為に、キャニスター210は、熱エネルギーがキャニスター凹部214に移動するのを防ぐように断熱されてもよい。例えば、キャニスター210はキャニスター内側空洞を含んでもよい。キャニスター内側空洞は真空チャンバを含んでもよい。キャニスター内側空洞内の真空チャンバは、600Torr未満、10-1Torr未満、10-2Torr未満、10-3Torr未満、又は10-4Torr未満の圧力を有していてもよい。ワインボトル212の温度を維持及び制御する為に、例えば、キャニスター内側空洞は、固体、気体、液体、又はそれらの組み合わせを含む熱材料で充填されてもよい。キャニスター内側空洞又はキャニスター凹部214に氷を充填して、ワインの温度を制御し維持してもよい。ユーザは、使用前にキャニスター210を冷却環境又は加熱環境に配置してもよい。
【0060】
キャニスター210は、取り外し可能な内側スリーブを含んでもよい。取り外し可能な内側スリーブは、加熱又は冷却環境におけるスペースを省く為に、ユーザが取り外し可能な内側スリーブのみを加熱又は冷却環境に収納できるように機能してもよい。取り外し可能な内側スリーブは、キャニスター210の一部であってもよいし、任意の部分を含んでもよい。例えば、内側スリーブは、内側空洞及び真空チャンバを含んでもよい。
【0061】
図11Aのシステムの1つの利点は、ユーザが、レセプタクル100a、100b、及び100cによって保持されるワインボトル内のワイン及び飲用容器内のワインの温度を同時に制御することを可能にする点である。レセプタクル100a、100b、100cは、キャニスター210に取り付けられたスタンド208a、208b、208cに解放可能に取り付けられているので、時間が経って温まったレセプタクルを冷えたレセプタクルと交換することができる。従って、本システムは、飲料の温度を制御し、長時間維持することを可能にする。更に、本システムは、異なる形状を有するレセプタクルを用いて、異なる飲用容器に対応することができる。例えば、ユーザが一種目のグラスで一種目のワインを楽しみ、二種目のグラスで二種目のワインを楽しみたい場合にシステムを利用できる。キャニスターを備えたシステムは、任意の数のレセプタクルやスタンドを使用することができるように構成されている。又、長さの異なるスタンドや、サイズの異なるテーブルの為に伸縮可能なスタンドを使用することもできる。スタンドやレセプタクルの数は多くても少なくても構わない。キャニスターは複数のボトルを受容できる形状であってもよい。
【0062】
ユーザは、自立型容器及びスタンドの機動性を享受しながらも、キャニスターの利点である持ち運びのし易さ、ボトルの同時温度管理の利点を享受したい場合がある。自立型容器とスタンドの各ペアは、飲用容器を保持したまま、各ユーザによって独立して移動され得、それによって飲用容器を温度制御し、各ユーザが飲用容器を手の届く場所に置くことができる。このような機動性は、全てのユーザにとって一箇所に手が届くことが困難であり得る大きなテーブルにおいて望ましくあり得る。
図11Bは、自立型レセプタクル100a、100b、及び100cと、スタンド102a、102b、及び102cと、飲用容器126a、126b、及び126cとを有するキャニスター215を備える例示的なシステムである。レセプタクル100a、100b、及び100cは、夫々スタンド102a、102b、及び102cに解放可能に取り付けられている。レセプタクルとスタンドを確実に保持する為に、キャニスターアーム217a、217bがキャニスター215に取り付けられる。キャニスター215の前部及び後部に追加のキャニスターアームが取り付けられているが、
図11Bに示される角度では見えない。キャニスターアーム217a及び217bは、レセプタクル100a及び100bとスタンド102a及び102bの下に収まる。キャニスターアーム217a及び217bは、スタンド及びレセプタクルの周りに確りと嵌ってレセプタクル及びスタンドを保持する形状であってもよく、その一方で凹部に侵入せず、レセプタクル100a及び100bが飲用容器126a及び126bを保持することを妨げない。キャニスター210に、キャニスターハンドル219が取り付けられている。キャニスターアーム217a及び217bがレセプタクル100a及び100bを確りと保持している間、ユーザはキャニスター、又はキャニスターハンドル219を持ち上げ、それによってレセプタクル100a及び100b、それに解放可能に取り付けられたスタンド102a及び102b、並びにレセプタクル100a及び100bによって保持されている飲用容器126a及び126bを持ち上げることができる。従って、本システムは、ユーザが複数のレセプタクル、スタンド、飲用容器、及びボトルを持ち運ぶことを可能にする。システムは、スタンドやレセプタクルを確りと保持する為に、スタンドやレセプタクルに解放可能に取り付けられるキャニスターアームを含んでもよい。キャニスターアームは、ピンと穴、磁石、ヒンジ、ジョイント、又は他の任意の取り付け機構のような嵌合部品によってスタンドに取り付けてもよい。
図11Bは、キャニスターアーム217a及び217bがスタンド102a及び102b並びにレセプタクル100a及び100bを保持していない間のシステムを示す。
図11Cは、キャニスターアーム217a及び217bがスタンド102a及び102b並びにレセプタクル100a及び100bを保持している間の
図11Bのシステムを示す。スタンド102c及びレセプタクル100cは、見えていないキャニスターアームによって保持されている。キャニスターハンドル219を持ち上げることによって、ユーザは、システム及びシステムによって保持された飲用容器126a、126b、及び126cを持ち運ぶことができる。
【0063】
ウイスキーグラスやステムレスワイングラス等、ステムレス飲用容器を用いて飲料を楽しむことがよくある。ステム付き飲用容器に注がれる飲料と同様に、ステムレス飲用容器に注がれる飲料は、飲用容器全体が完全に満たされないように注がれることが多い。例えば、ワインやウイスキーは、一般に、飲用容器の全体よりも少ないか、飲用容器の3分の2未満、半分未満、又は3分の1未満を満たすように注がれる。飲用容器全体よりも少ない量を満たすことで、ユーザはグラスの中で飲料を旋回させることができ、飲料の複雑な芳香をより良く嗅ぐことができるようになる。更に、飲用容器をより少ない飲料液で満たすと、飲料がより多くの酸素に曝され、それによって飲料の風味が発現する可能性がある。例示的なシステムにおいて、本システムは、ステムレス飲用容器を保持し、飲用容器の底部を接触させて、効率的な温度制御及びメンテナンスを可能にしながら、飲用容器、中の飲料、又はその両方を見ることを可能にする為に使用されてもよい。システムは、飲料の一部、大部分、又は全部が収容される可能性がある飲用容器の底部を覆うレセプタクルを含んでもよい。又、システムは、飲用容器の大部分又は全部を覆うこともできる。
図12Aは、レセプタクル216が凹部218を画定し飲用容器220を保持する例示的なシステムを描写している。飲用容器220はステムレスワイングラスである。レセプタクル216は、飲料が収容される可能性が最も高い飲用容器220の底部を覆って接触している状態で示されている。システムは、依然として、飲用容器220を見えるようにしており、又は付加的に、中に含まれる飲料の一部又は全部を見えるようにしており、それによって、ユーザの飲料の享受を増強できる。飲料が収容される飲用容器220の底部との接触面積が大きくなることで、熱伝導が良くなり、それによって温度制御と維持がより良くなる。レセプタクル216は、上端部分222と、下端部分224と、内壁部分226と、外壁部分228とを有する。上端部分222は、凹部218の上端開口部230を画定する状態で示されている。レセプタクル216は、スタンド無しで直立して示されている。レセプタクル216は下端開口部221を含む。下端開口部221は、結露がレセプタクル216の底部に溜まるのではなく、開口部を通して滴下することを可能にする。
【0064】
レセプタクル216は多くの異なる形状の飲用容器を保持してもよい。システムは任意の他の特徴を含んでもよい。例えば、システムは、本開示の他の箇所で説明されるような内側空洞、多容器輪郭、その両方、或いは追加的又は代替的に他の特徴の内の任意の1つ以上を含んでもよい。レセプタクルは、
図12Aにおいて側面開口部無しで示されているが、側面開口部を含んでもよい。レセプタクル216は又、スタンドに解放可能に取り付けてもよい。
【0065】
図12Bは、レセプタクル216が飲用容器220を保持していない時の、
図12Aのシステム及び飲用容器220を描写している。内壁部分226、凹部218、及び上端開口部230は視認可能である。
【0066】
本明細書では、飲料の温度を制御する方法を開示する。本方法によれば、飲料の視認を可能にし、スペースを省き、飲料の温度を効率的に制御することによって、ユーザによる飲料の享受を高めることができる。
図13は、飲料の温度を制御する為の例示的な方法のフローチャートである。本方法は、本開示の他の箇所で説明したような構成要素及びシステムを使用してもよい。例えば、本方法は、
図1A~
図12Bに関して説明したようなレセプタクル、スタンド、レセプタクル及びスタンド、又はシステムを使用してもよい。ステップ900で温度の制御を開始した後で、本方法は、ステップ901でレセプタクルの内側空洞に液体溶液を封入することを含む。溶液を封入することにより、より良く、より長い熱伝達が可能となる。本方法は、ステップ902において、温かい飲料と冷たい飲料の何れを所望するかを選択することを含む。温かい飲料が選択された場合、本方法は、ステップ903において、加熱環境にレセプタクルを配置することを含む。加熱環境は、オーブン、電子レンジ、又は熱ランプ等、温度が室温以上である任意の環境であってよい。本方法は、ステップ904において加熱環境からレセプタクルを取り外すことを含む。冷たい飲料が選択された場合、本方法は、ステップ905において、レセプタクルを冷却環境に配置することを含む。冷却環境は、冷凍庫又は冷蔵庫のような室温以下の温度である任意の環境であってよい。本方法は、ステップ906において、冷却環境からレセプタクルを取り外すことを含む。
【0067】
本方法は、ステップ907で、レセプタクルをスタンドに取り付けることを含む。本方法は、ステップ908でレセプタクルを直立させることを含む。レセプタクルは、ステップ908で、レセプタクルに解放可能に取り付けられたスタンドを表面上に置くことによって立てられてもよい。レセプタクルは、テーブルトップ又は屋外の地面等の支持表面上にスタンド無しでレセプタクルを直立させることによって、ステップ908で立てられてもよい。レセプタクルは、レセプタクルに解放可能に取り付けられた尖端を有するスタンドを地面に挿入することによって、ステップ908で立てられてもよい。本方法は、ステップ909において、飲料を飲用容器に注ぐことを含む。本方法は、ステップ910において、レセプタクルによって画定された凹部に飲用容器を配置することを含む。本方法は、更に、飲料の温度を微調整することを含んでもよい。例えば、本方法は、飲料を僅かに温める又は冷やす為に、レセプタクルによって画定された凹部から飲用容器を持ち上げることを含んでもよい。本方法は、ステップ911で温度の制御を終了することを含む。
【0068】
図14A、14Bは、レセプタクルシステム1400として示されるレセプタクル、及びスタンド1402として示されるスタンドの更なる実施態様を示す。レセプタクルシステム1400は、スタンド1402に解放可能に取り付けられ得る。
【0069】
図15を参照すると、レセプタクルシステム1400は、外側レセプタクル1404及び内側レセプタクル1406を含んでもよい。内側レセプタクル1406は、外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合され得る。外側レセプタクル1404は、
図16に示すように、貫通孔1410、及び突出部材1602を含んでもよい。
【0070】
図14A、14Bに戻って参照すると、レセプタクルシステム1400は、
図1Aの凹部104に類似した凹部1405を画定している。レセプタクル100に関して述べたのと同様に、レセプタクルシステム1400は、内壁部分1422から外壁部分1423へ横方向に延在する側面開口部1420を含む。側面開口部1420は又、レセプタクルシステム1400の上端部分1426によって画定される上端開口部1424から、レセプタクルシステム1400の底端部分1430によって画定される下端開口部1428まで垂直に延在してもよい。外壁部分1423と内壁部分1422は、上端部分1426と底端部分1430を接続する。
【0071】
内側レセプタクル1406は外側レセプタクル1404から取り外し可能である為、内側レセプタクル1406は、外側レセプタクル1404及び/又はスタンド1402無しで冷却環境(冷凍庫又は冷蔵庫等)又は加熱環境(オーブン、電子レンジ、熱ランプ等)に配置されてもよい。冷却環境及び加熱環境は、温度が夫々室温以下又は室温以上である任意の環境であってよい。ユーザは、レセプタクルシステム1400をスタンド1402から、内側レセプタクル1406を外側レセプタクル1404から取り外し、内側レセプタクル1406のみを冷却又は加熱環境に配置することによって冷却又は加熱環境におけるスペースを省くことができる。幾つかの実施例では、外側レセプタクル1404及び内側レセプタクル1406を含むレセプタクルシステム1400は、冷却又は加熱環境に配置され得る。
【0072】
図15を参照すると、内側レセプタクル1406は、内壁部分1422の反対側に配置される内表面1502を含み得る。外側レセプタクル1404は、外壁部分1423の反対側に在る内表面1504を含み得る。
図14A、14Bに示すように、内側レセプタクル1406が外側レセプタクル1404に結合されると、内側レセプタクル1406の内表面1502は外側レセプタクル1404の内表面1504とは反対側に位置決めされる。更に、
図17に示すように、内側レセプタクル1406が外側レセプタクル1404に結合されると、内側レセプタクル1406と外側レセプタクル1404の間、特に、内側レセプタクル1406の内表面1502と外側レセプタクル1404の内表面1504の間に空洞1702が画定される。空洞1702は、本明細書で更に説明するレセプタクルシステム1400からの結露を収集してもよい。
【0073】
図15に戻って参照すると、外側レセプタクル1404の内表面1504は、底部内表面1554を含んでもよい。幾つかの例では、底部内表面1554は、「底部スロープ」を有し得る。具体的には、本明細書に記載のスロープは、数学的な数値記述子を意味する。レセプタクルシステム1400が表面上に配置される(スタンド1402が表面上に配置され、レセプタクルシステム1400に結合される)と、底部スロープは、レセプタクルシステム1400が配置される表面に対して底部内表面1554が「ピッチした」又は「斜めに」なるような規模を有していてもよい。底部内表面1554は、スタンド1402に向かってピッチしたスロープを有し得る。
【0074】
図18を参照すると、スタンド1402は、下端1804の反対側に位置する上端1802を含んでもよい。レセプタクルシステム1400がスタンド1402と結合される時、スタンド1402の上端は、レセプタクルシステム1400とスタンド1402の間の取付点に近接している。
【0075】
スタンド1402は更に、空洞1810及びリザーバ1812を含んでもよい。空洞1810はスタンド1402の上端1802に近接して配置される。空洞1810は、
図16に示すように、外側レセプタクル1404の突出部材1602に対応する。即ち、レセプタクルシステム1400がスタンド1402に結合されると、突出部材1602の少なくとも一部が空洞1810内に配置される。リザーバ1812は、スタンド1402の上端1802に近接して配置され、更に空洞1810に近接して配置される。リザーバ1812は、外側レセプタクル1404の貫通孔1410に対応する。即ち、レセプタクルシステム1400がスタンド1402に結合されると、リザーバ1812は外側レセプタクル1404の貫通孔1410に近接して位置決めされる。
【0076】
図14B、15、17、及び18を参照すると、例えば、内側レセプタクル1406の温度が室温(レセプタクルシステム1400を含む環境の温度)の温度と異なる場合、内側レセプタクル1406上に結露が形成される場合がある。結露に対するユーザの不要な接触を減らす為に、レセプタクルシステム1400及びスタンド1402は、そのような結露をリザーバ1812に通すことができる。具体的には、内側レセプタクル1406、特に、内側レセプタクル1406の内表面1502上に形成される結露は、内側レセプタクル1406と外側レセプタクル1404の間の空洞1702に捕捉されてもよい。即ち、内側レセプタクル1406の内表面1502に結露が形成されると、結露はレセプタクルシステム1400の底端部分1430に向けられ、更に(例えば、重力により)外側レセプタクル1404の底部内表面1554に向けられてもよい。幾つかの実施例では、結露は空洞1702内に(例えば、内側レセプタクル1406の内表面1502及び/又は外側レセプタクル1404の底部内表面1554上に)留まり得る。このように、レセプタクルシステム1400のユーザ及びスタンド1402、並びにスタンド1402が配置される表面と接触し得る結露は、極減及び/又は防止され得る。
【0077】
幾つかの実施例では、底部内表面1554がスタンド1402に向かってスロープ状になっている為、
図16に示すように、結露は更に外側レセプタクル1404の後端部分1660の方に(例えば、重力によって)向けられ得る。結露が外側レセプタクル1404の後端部分1660の方に向けられると、結露は外側レセプタクル1404の貫通孔1410から更に出ることができる。リザーバ1812は、外側レセプタクル1404の貫通孔1410に近接して配置されているので、結露が貫通孔1410から出る時、結露はリザーバ1812に向けられ得る。リザーバ1812は、このような結露を収集/保持することができる。このように、レセプタクルシステム1400及びスタンド1402のユーザ、並びにスタンド1402が配置される表面と接触し得る結露は、極減及び/又は防止され得る。
【0078】
図15及び
図24を参照すると、幾つかの例では、外側レセプタクル1404は更に、経路2402を含んでもよい。経路2402は、外側レセプタクル1404の内表面1504と内側レセプタクル1406の内表面1502との間に位置付けられ、より具体的には、底部内表面1554上に位置付けられる(又は底部内表面1554によって含まれる)経路を含み得る。経路2402は、特定の方向への結露の移動を促進する導管又は輪郭線であり得る。経路2402は、外側レセプタクル1404の貫通孔1410で終端し得る。その為に、経路2402は、外側レセプタクル1404の後端部分1660に向かって結露を導くことを容易にし、更に、外側レセプタクルの貫通孔1410から、最終的には、リザーバ1812に出るように結露を導くことができる。
【0079】
幾つかの実施例では、内側レセプタクル1406は、1つ以上の結合手段によって外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合され得る。例えば、内側レセプタクル1406は、外側レセプタクル1404の1つ以上のタブインターロック部材1562と結合する内側レセプタクル1406の1つ以上のタブ1560を介して、外側レセプタクル1404に「クリップイン」できる。例えば、内側レセプタクル1406は、ネジ等の任意のタイプの結合部材、又は他のインターロック部材を用いて外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合され得る。幾つかの実施例では、内側レセプタクル1406は外側レセプタクル1404に恒久的に結合される。
【0080】
図17を参照すると、幾つかの実施例では、内側レセプタクル1406及び外側レセプタクル1404は、内側レセプタクル1406を外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合する為に、対応する磁性部材を含む。例えば、外側レセプタクル1404の内表面1504は、第1セットの磁性部材1752を含み得、内側レセプタクル1406の内表面1502は、第2セットの磁性部材1750を含み得る。内表面1504の第1セットの磁性部材1752は、内表面1502の第2セットの磁性部材1750に対応し得る。即ち、内側レセプタクル1406が外側レセプタクル1404に近接して配置されると、対応するセットの磁性部材1750及び1752は、磁性部材1750及び1752が内側レセプタクル1406と外側レセプタクル1404の間に磁気結合を働かせるように互いに近接して配置され得る。このように、内側レセプタクル1406は、内表面1504の第1セットの磁性部材1752と内表面1502の第2セットの磁性部材1750との間の磁力を介して外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合される。
【0081】
幾つかの実施例では、内側レセプタクル1406は、少なくとも部分的に磁性材料を含むか、又は磁性材料から形成され得る。更に、外側レセプタクル1404は、内側レセプタクル1406を外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合する為に磁性部材を含んでもよい。例えば、外側レセプタクル1404の内表面1504は磁性部材を含んでもよい。内側レセプタクル1406が外側レセプタクル1404に近接して配置されると、外側レセプタクル1404の磁性部材は、内側レセプタクル1406の磁性材料と磁気結合を働かせる。このように、内側レセプタクル1406は、外側レセプタクル1404の磁性部材と内側レセプタクル1406の磁性材料との間の磁力を介して外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合される。
【0082】
幾つかの実施例では、外側レセプタクル1404は、少なくとも部分的に磁性材料を含むか、又は磁性材料から形成され得る。更に、内側レセプタクル1406は、内側レセプタクル1406を外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合する為の磁性部材を含んでもよい。例えば、内側レセプタクル1406の内表面1502は磁性部材を含んでもよい。内側レセプタクル1406が外側レセプタクル1404に近接して配置されると、内側レセプタクル1406の磁性部材は、外側レセプタクル1404の磁性材料と磁気結合を働かせる。このように、内側レセプタクル1406は、内側レセプタクル1406の磁性部材と外側レセプタクル1404の磁性材料との間の磁力を介して外側レセプタクル1404に取り外し可能に結合される。
【0083】
図18及び
図19を参照すると、幾つかの例では、外側レセプタクル1404の突出部材1602及びスタンド1402の空洞1810は、レセプタクルシステム1400をスタンド1402に結合する為に対応する磁性部材を含んでもよい。例えば、突出部材1602の表面1902は、第1のセットの磁性部材を含んでもよい。しかしながら、突出部材1602の他の表面は、付加的に磁性部材を含んでもよい。更に、磁性部材は、突出部材1602内に含まれ得る。
図20を参照すると、幾つかの実施例では、空洞1810の表面2002は、第2のセットの磁性部材を含み得るが、空洞1810の他の表面は、付加的に磁性部材を含んでもよい。突出部材1602の磁性部材の第1セットは、空洞1810の磁性部材の第2セットに対応し得る。即ち、レセプタクルシステム1400がスタンド1402に結合され、具体的には、突出部材1602が空洞1810内に配置されると、磁性部材が突出部材1602と空洞1810の間に磁気結合を働かせるように、対応する磁性部材のセットは互いに近接して配置され得る。このように、レセプタクルシステム1400は、突出部材1602の第1セットの磁性部材と空洞1810の第2セットの磁性部材との間の磁力を介してスタンド1402に取り外し可能に結合される。
【0084】
幾つかの実施例では、外側レセプタクル1404の突出部材1602は、少なくとも部分的に磁性材料を含むか、又は磁性材料から形成され得る。更に、スタンド1402の空洞1810は、外側レセプタクル1404をスタンド1402に取り外し可能に結合する為の磁性部材を含んでもよい。例えば、空洞1810の表面2002は磁性部材を含んでもよい。突出部材1602が空洞1810内に配置されると、空洞1810の磁性部材は、突出部材1602の磁性材料と磁気結合を働かせる。このように、レセプタクルシステム1400は、空洞1810の磁性部材と突出部材1602の磁性材料との間の磁力を介してスタンド1402に取り外し可能に結合される。
【0085】
幾つかの実施例では、スタンド1402の空洞1810は、少なくとも部分的に磁性材料を含むか、又は磁性材料から形成され得る。更に、外側レセプタクル1404の突出部材1602は、外側レセプタクル1404をスタンド1402に取り外し可能に結合する為の磁性部材を含んでもよい。例えば、突出部材1602の表面1902は磁性部材を含んでもよい。突出部材1602が空洞1810内に配置されると、突出部材1602の磁性部材は、空洞1810の磁性材料と磁気結合を働かせる。このように、レセプタクルシステム1400は、突出部材1602の磁性部材と空洞1810の磁性材料との間の磁力を介してスタンド1402に取り外し可能に結合される。
【0086】
図17に戻って参照すると、内側レセプタクル1406は、
図2A~
図2Eに関して上述したような内側空洞142と同様の内側空洞1770を含んでもよい。内側空洞1770は、効率的且つ長期的な温度制御、断熱、又はそれらの組み合わせを可能にする。例えば、内側空洞1770は、液体溶液を担持し収容することを可能にする。冷凍庫に入れられると、液体溶液は凍結し、それによって、飲料の温度制御及び維持の時間及び程度を増加させることができる。
【0087】
内側空洞1770は、内壁部分1422と内側空洞1770の内表面1502との間、及び上端部分1426と下端部分1430との間に画定され得る。内側空洞1770は、空気又は気体を収容し担持することができる。内側空洞1770は真空チャンバを含んでもよい。内側空洞1770内の真空チャンバは、600Torr未満、10-1Torr未満、10-2Torr未満、10-3Torr未満、又は10-4Torr未満の圧力を有していてもよい。内側空洞1770は、発泡スチロール又はプラスチックコーティングされた木材等の固形物を収容し担持してもよい。内側空洞1770は、内側空洞1770が部分的に又は完全に満たされるように、液体溶液を収容し担持してもよい。液体溶液は、水、アルコールゲル等のゲル、溶質、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。内側空洞1770内の液体溶液は、例えば、家庭用冷凍庫の温度以上の凝固点を有していてもよい。内側空洞1770は、レセプタクルの温度保持を延長することができ、それによって、飲料の温度が制御される時間を長くすることができる。内側空洞1770は膨張領域を含み得、凍った溶液が、レセプタクルを損傷する程の圧力を内側空洞1770の境界線に及ぼすことが無いように、溶液が膨張する為の余地を見込んでもよい。
【0088】
幾つかの例では、外側レセプタクル1404は、内側空洞1770及び142と同様の内側空洞を付加的に含んでもよい。
【0089】
図21及び
図25を参照すると、レセプタクルシステム1400は、ドリップトレイ2102を更に含んでもよい。ドリップトレイ2102は、レセプタクルシステム1400の下端部分1430に結合され得る。ドリップトレイ2102は、レセプタクルシステム1400に取り外し可能に結合されても、レセプタクルシステム1400に恒久的に結合されてもよい。幾つかの実施例では、ドリップトレイ2102は、スタンド1402に、スタンド1402の上端1802で付加的に結合される。幾つかの実施例では、ドリップトレイ2102は、(レセプタクルシステム1400に結合される代わりに)スタンド1402にのみ結合される。ドリップトレイ2102は、ドリップトレイ2102の内表面2504とレセプタクルシステム1400の下端部分1430における外壁部分1423との間に配置された空洞2502を含んでもよい。
【0090】
空洞2502は、外側レセプタクル1404の外壁部分1423上に形成され得る結露を収集/収納することができる。具体的には、結露は、例えば、外側レセプタクル1404の温度が室温(レセプタクルシステム1400を含む環境の温度)と異なる場合に、外壁部分1423上に溜まり得る。結露への望ましくないユーザの接触を減らす為に、結露は、(例えば、重力により)レセプタクルシステム1400の底端部分1430の方に向けられ得る。幾つかの実施例では、結露は、外側レセプタクル1404の底端部分1430で結露を「保持」又は「維持」し得る毛管力を克服することができる。結露がそのような毛管力に打ち勝つと、結露は、ドリップトレイ2102の空洞2502に「落下」し得る。幾つかの実施例では、空洞2502は、そのような結露を保持し得る。幾つかの実施例では、ドリップトレイ2102は、そのような結露をスタンド1402のリザーバ1812に通すことができる。具体的には、空洞2502によって捕捉される結露は、(例えば、重力に因って)リザーバ1812に誘導され得る。このように、レセプタクルシステム1400及びスタンド1402のユーザ、並びにスタンド1402が配置される表面と接触し得る結露は、極減及び/又は防止され得る。
【0091】
本明細書では、飲料の温度を制御する方法を開示する。本方法は、飲料の鑑賞を可能にし、スペースを省き、飲料の温度を効率的に制御することによって、ユーザによる飲料の享受を高める。
図22は、飲料の温度を制御する為の例示的な方法2200のフローチャートである。本方法は、本開示の他の箇所で説明されているような構成要素及びシステムを使用してもよい。例えば、本方法は、
図14~21及び
図23~25に関して説明したようなレセプタクルシステム1400及び/又はスタンド1402を使用してもよい。
【0092】
内側レセプタクル1406は、冷却温度を有する冷却環境下に置かれる(2202)。冷却温度は、レセプタクルシステム1400を含む環境の室温以下である。内側レセプタクル1406は、冷却環境から取り出される(2204)。内側レセプタクル1406は、外側レセプタクル1404に取り付けられる(2206)。内側レセプタクル1406と外側レセプタクル1404はレセプタクルシステム1400を形成する。レセプタクルシステム1400は直立される(2208)。レセプタクルシステム1400は、スタンド1402に解放可能に取り付けられる(2210)。飲料が飲用容器に注がれる(2212)。レセプタクルシステム1400が直立した状態で、飲用容器が凹部1405に入れられる(2214)。例えば、
図23は、レセプタクルシステム1400の直立時に凹部1405に入れられた飲用容器2300を図示している。
【0093】
上記の開示された主題は、例示的なものと見做され、且つ制限的なものでは無く、添付の請求項は、本開示の真髄及び範囲内のそのような修正、強化、及び他の実施形態を全て網羅することを意図している。従って、法律で許される最大限の範囲において、本開示の範囲は、以下の請求項及びその等価物の最も広い許容される解釈によって決定され、前述の詳細な説明によって制限又は限定されないものとする。
〔付記1〕
飲料の温度を調節する為のシステムであって、
飲用容器を受容する為の凹部を画定するレセプタクルシステムを備え、前記レセプタクルシステムが、
外側レセプタクルと、
前記外側レセプタクルに取り外し可能に結合可能な内側レセプタクルとを含み、
前記外側レセプタクルと前記内側レセプタブルの間に空洞が画定され、
前記レセプタクルシステムは、上端部分、下端部分、内壁部分、及び外壁部分を備え、前記上端部分は前記凹部の上端開口部を画定する、システム。
〔付記2〕
更に、前記レセプタクルシステムを保持する為のスタンドを備え、前記スタンドは前記レセプタクルシステムに解放可能に取り付けられる、付記1に記載のシステム。
〔付記3〕
前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は、前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、前記スタンドの前記上端に近接するリザーバを含む、付記2に記載のシステム。
〔付記4〕
前記外側レセプタクルは、前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた
時に前記リザーバに近接して配置される貫通孔を含む、付記3に記載のシステム。
〔付記5〕
前記外側レセプタクルは、前記外側レセプタクルの内表面と前記内側レセプタクルの内表面の間に位置する1つ以上の通路を含み、前記通路は前記貫通孔で終端する、付記4
に記載のシステム。
〔付記6〕
前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、前記スタンドの前記上端に近接する空洞を含む、付記2に記載のシステム。
〔付記7〕
前記外側レセプタクルが突出部材を含み、前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時、前記突出部材が少なくとも部分的に前記空洞内に配置される、付記6に記載のシステム。
〔付記8〕
前記外側レセプタクルの前記突出部材と前記スタンドの前記空洞が、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに結合する為の対応する磁性部材を含む、付記7に記載のシステム。
〔付記9〕
前記内側レセプタクル及び前記外側レセプタクルが、前記内側レセプタクルを前記外側レセプタクルに結合する為の対応する磁性部材を含む、付記1に記載のシステム。
〔付記10〕
飲料の温度を調節する為のシステムであって、
飲用容器を受容する為の凹部を画定するレセプタクルシステムを備え、前記レセプタクルシステムが、
貫通孔と突出部材を含む外側レセプタクルと、
前記外側レセプタクルに取り外し可能に結合される内側レセプタクルと、を含み、
前記レセプタクルシステムは上端部分、下端部分、内壁部分、及び外壁部分を含み、上前記端部分が前記凹部の上端開口部を画定し、
前記外側レセプタクルと前記内側レセプタブルとの間に空洞が画定され、
更に、前記レセプタクルシステムを保持する為のスタンドを備え、前記スタンドは前記レセプタブルシステムに解放可能に取り付けられ、
前記スタンドは、下端の反対側に位置する上端を含み、前記スタンドの前記上端は前記レセプタクルシステムとの取付点に近接しており、前記スタンドは更に、i)前記スタンドの前記上端に近接し、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに取り付ける為の前記突出部材に対応する空洞と、ii)前記スタンドの前記上端及び前記外側レセプタクルの前記貫通孔に近接するリザーバとを含む、システム。
〔付記11〕
前記外側レセプタクルが、前記外側レセプタクルの内表面と前記内側レセプタクルの内表面との間に配置された1つ以上の経路を含み、前記経路が前記貫通孔で終端する、付記10に記載のシステム。
〔付記12〕
前記レセプタクルシステムが前記スタンドに取り付けられた時、前記突出部材が少なくとも部分的に前記空洞内に配置される、付記10に記載のシステム。
〔付記13〕
前記外側レセプタクルの前記突出部材と前記スタンドの前記空洞が、前記レセプタクルシステムを前記スタンドに結合する為の対応する磁性部材を含む、付記12に記載のシステム。
〔付記14〕
前記内側レセプタクル及び前記外側レセプタクルが、前記内側レセプタクルを前記外側レセプタクルに結合する為の対応する磁性部材を含む、付記10に記載のシステム。
〔付記15〕
飲料の温度を調節する為の方法であって、
内側レセプタクルを、室温以下の冷却温度を有する冷却環境に配置するステップと、
前記冷却環境から前記内側レセプタクルを取り出すステップと、
前記内側レセプタクルを外側レセプタクルに取り付け、前記内側レセプタクルと前記外側レセプタクルがレセプタクルシステムを形成するステップと、
前記レセプタクルシステムを直立させるステップと、
飲用容器に飲料を注ぐステップと、
前記レセプタクルシステムの直立時に、前記飲用容器を前記レセプタクルシステムによって画定された凹部に入れるステップと、を含む方法。
〔付記16〕
更に、前記レセプタクルシステムをスタンドに解放可能に取り付けるステップを含む、付記15に記載の方法。
〔付記17〕
更に、前記スタンドのリザーバに溜まった結露を除去するステップを含む、付記16に記載の方法。
【符号の説明】
【0094】
100、158、216 レセプタクル
102、160、1402 スタンド
104 凹部
106 側面開口部
108 内壁部分
112 上端開口部
114 下端開口部
116 上端部分
118 下端部分
120 リップ
122a、122b スタンドプロング
124a、124b、152 足部
126、130、164、220 飲用容器
134 上端傾斜
136 湾曲面
138 中間傾斜
140 下端傾斜
146 尖端
154a、154b スタンド突起
156 結露経路
186 ラック
190a、190b、190c ハンド
192 第1のアーム
196 第2のアーム
1400 レセプタクルシステム
1404 外側レセプタクル
1406 内側レセプタクル
1405 凹部
1422 内壁部分
1426 上端部分
1502 内表面
1602 突出部材
1770 内側空洞
1810 空洞
1812 リザーバ