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特許7617150低減グリコール脂肪アルコールエトキシレート及び低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】低減グリコール脂肪アルコールエトキシレート及び低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤
(51)【国際特許分類】
   C09K 23/42 20220101AFI20250109BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20250109BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20250109BHJP
   C09K 23/04 20220101ALI20250109BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20250109BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
C09K23/42
C11D1/29
C11D1/72
C09K23/04
A61K8/46
A61Q19/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022577146
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021036571
(87)【国際公開番号】W WO2021262439
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】63/042,326
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/042,337
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/042,347
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】スミス、エドワード・デューイ・ザ・サード
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-096050(JP,A)
【文献】特開平10-251216(JP,A)
【文献】特開2021-042148(JP,A)
【文献】特開平11-349504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00- 23/56
C11D 1/00- 19/00
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
C07C305/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
100重量ppm以下の遊離グリコールを有するエトキシル化脂肪アルコール、又は100重量ppm以下のジエチレングリコールモノサルフェートナトリウムを有する硫酸化エトキシル化アルコールを含む、界面活性剤であって、
前記遊離グリコールが、エチレングリコールオリゴマーを含み、前記エチレングリコールオリゴマーが、HO(CH2CH2O)nHの化学式を含み、式中、nが、2~30であり、
前記ジエチレングリコールモノサルフェートナトリウムの量が、0ppm~100ppmである、界面活性剤。
【請求項2】
前記エチレングリコールオリゴマーが、HO(CH2CH2O)nHの化学式を含み、式中、nが、2~25である、請求項1に記載の界面活性剤。
【請求項3】
前記エトキシル化脂肪アルコール中の遊離グリコールの量が、0ppm~100ppmである、請求項1又は2に記載の界面活性剤。
【請求項4】
前記エトキシル化脂肪アルコールが、2-トリデシルアルコールエトキシレート、アルコールエトキシレート-2、3-トリデシルアルコール、アルコールエトキシレート-1、アルコールエトキシレート1.8、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の界面活性剤。
【請求項5】
前記ジエチレングリコールモノサルフェートナトリウムの量が、0ppm~90ppmである、請求項1に記載の界面活性剤。
【請求項6】
前記硫酸化エトキシル化アルコールが、ラウレス-1硫酸ナトリウム、ラウレス-1.8硫酸ナトリウム、ラウレス-2硫酸ナトリウム、ラウレス-2.5硫酸ナトリウム、ラウレス-3硫酸ナトリウム、トリデセス-2硫酸ナトリウム、トリデセス-3硫酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1又は5に記載の界面活性剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の界面活性剤及び水を含む、クレンジング組成物。
【請求項8】
前記水が、10%~90%のレベルで存在する、請求項7に記載のクレンジング組成物。
【請求項9】
エトキシル化脂肪アルコール又は前記硫酸化エトキシル化アルコールは、極性溶媒により遊離グリコールが抽出されて得られる、請求項1~6のいずれか一項に記載の界面活性剤。
【請求項10】
前記極性溶媒は水である、請求項9に記載の界面活性剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、低減グリコール脂肪アルコールエトキシレートを生成する方法と、低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤を生成する方法と、100重量ppm以下の遊離グリコール、ジエチレングリコールモノサルフェートナトリウムを有する界面活性剤と、それを含有する製品と、を対象とする。
【背景技術】
【0002】
脂肪アルコールエトキシレートは、多くの産業で使用されている。例えば、それらは、洗剤及びクレンザー中の非イオン性界面活性剤として使用することができる。それらはまた、硫酸化のようなプロセスによる他の界面活性剤の生成における中間体であり得る。脂肪アルコールエトキシレートの生成に使用される現在のプロセスでは、不要な副生成物が含まれ得、その副生成物は、販売又は使用されるときに脂肪アルコールエトキシレート材料の一部として残るか、又は脂肪アルコールエトキシレートと共に異なる界面活性剤に更に処理されて、追加の若しくは異なる不要な副生成物がもたらされ得る。これらの副生成物は、脂肪アルコールエトキシレート原材料自体、又は脂肪アルコールエトキシレート材料から生成された材料のユーザにとって問題となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、より良好な副生成物プロファイルを有する脂肪アルコール材料が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの例示的な方法は、低減グリコール脂肪アルコールエトキシレート材料を生成することであって、脂肪アルコールエトキシレート材料の形成後に脂肪アルコールエトキシレート材料中のグリコールの少なくとも一部分を除去することを含む、生成することを含む。
【0005】
別の例示的な方法は、アルコールエトキシレート材料中のエチレングリコールオリゴマーの量を低減することであって、アルコールエトキシレート材料からエチレングリコールオリゴマーを抽出することを含む、低減することを含む。
【0006】
これら及び他の方法は、以下の「発明を実施するための形態」のセクションで見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】30℃でエージングされた原材料中に、時間(週)にわたって形成されたジオキサン(ppm)を示すグラフである。
図2】40℃でエージングされた原材料中に、時間(週)にわたって形成されたジオキサン(ppm)を示すグラフである。
図3】50℃での15%活性SLE1S組成物についてppm/週対pHでのジオキサン形成速度を示すグラフである。
図4】65℃で20日間エージングした後の45%活性ST2S原材料中のジオキサンレベルに対するpHの影響を示すグラフである。
図5】50℃でエージングされた原材料中に、時間(週)にわたって形成されたジオキサン(ppm)を示すグラフである。
図6】時間(週)にわたって様々な温度でスクラブされたトリデセス-2硫酸ナトリウムで作製されたパーソナルクレンジング組成物(ボディウォッシュ)中に形成されたジオキサン(ppm)のグラフである。
図7】3つのスクラブされた45%活性トリデセス-2硫酸ナトリウム界面活性剤原材料試料中に、時間(週)にわたって形成されたジオキサンの量(ppm)を示すグラフである。
図8】安定性試料温度に対する、ラウレス-1硫酸ナトリウム(sodium laureth-1 sulfate、SLE1S)、ラウレス-3硫酸ナトリウム(sodium laureth-3 sulfate、SLE3S)、及びトリデセス-2硫酸ナトリウム(sodium trideceth-2 sulfate、ST2S)の試料中のポリエチレングリコール(n)モノサルフェートの初期濃度に対する正規化されたピーク面積濃度を示すグラフである。
図9】2ヶ月のLCMS数(周囲試料からの差)に対する、試料中のジオキサン成長、初期からの違い(ppm)対をプロットした原材料試料中の経時的なジオキサン成長のグラフである。
図10】2-トリデシルアルコールエトキシレートの試料中に見られるグリコール一次副生成物のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
脂肪アルコールエトキシレートは、多くの異なる産業で使用されるクラスの化合物である。このクラスの化合物のより一般的な使用の1つは、界面活性剤のものである。界面活性剤として、このクラスにおける化合物の特性は、これらの化合物が広範囲の材料から作製され得る場合に、広く異なり得る。簡単に言えば、脂肪アルコールエトキシレートは、一般的に、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの反応によって生成される。反応は、一般に、アルカリ金属水酸化物などの塩基性触媒で生じ、エトキシレート単位が、脂肪アルコールに連続的に添加されることが可能になり、脂肪アルコールエトキシレート(fatty alcohol ethoxylate、FAE)(n)の比較的幅広い分布がもたらされ、ここで、nは、約1~約20の平均値を有し、また、任意のnの値についてのエトキシレートの分布を有する。nの値は、一般に、反応に添加されたEOモルの添加された脂肪アルコールモルに対する比率としてモル基準で表される。
【0009】
特定の触媒を使用して、例えば、任意のnの値に対するエトキシレートの分布を調整してそれをより狭くすることができ、特性を変更するために使用することができる。エトキシル化に好適な大きいクラスの脂肪アルコールが存在し、各々が異なる特性セットを有する脂肪アルコールエトキシレートに寄与し得る。エチレンオキシド成分について同じであり得、この場合、この成分の鎖長が、最終的な脂肪アルコールエトキシレートの特性に影響を与える可能性がある。脂肪アルコールエトキシレートのいくつかの例としては、2-トリデシルアルコールエトキシレート(2-tridecyl alcohol ethoxylate、TDA-2)、アルコールエトキシレート-2(alcohol ethoxylate-2、AE-2)、3-トリデシルアルコール(3-tridecyl alcohol、TDA-3)、アルコールエトキシレート-1(alcohol ethoxylate-1、AE-1)、アルコールエトキシレート1.8(alcohol ethoxylate 1.8、AE-1.8)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0010】
脂肪アルコールとエチレンオキシドとの反応はまた、副生成物、すなわち脂肪アルコールエトキシレートではない化合物を生成し得る。この反応の副生成物であり得る材料の1つのクラスは、遊離グリコール、具体的には、エチレングリコールオリゴマーである。遊離グリコールは、エチレンオキシド付加生成物、すなわち脂肪アルコールに結合していないエチレンオキシドのオリゴマーである。一般に、FAEは、約0.2重量%~約1.5重量%の遊離グリコール、又は約0.5重量%~約1重量%の遊離グリコールを含有し得る。これらの遊離グリコールは、具体的には、最終製品中のそれらの種類の副生成物材料を制限することが望まれている場合に、アルコールエトキシレートを配合する能力を妨げる可能性がある。
【0011】
しかしながら、別の問題がある。脂肪アルコールエトキシレートを気相三酸化硫黄(SO)と流下薄膜式反応器(falling film reactor、FFR)内で反応させることによって、又はクロロスルホン酸(HSOCl)とバッチプロセスで反応させることによって、脂肪アルコールエトキシレートを更に反応させて、アルコールエトキシル化サルフェート界面活性剤(alcohol ethoxylated sulfate surfactant、AES)のような他の化合物を生成し、その直後に、中和工程を行い、約pH5~約pH13の既定のpHを有する水性界面活性剤ペースト又は溶液を生成することがある。界面活性剤は、一般に、約25重量%~約70重量%の界面活性剤濃度である活性に中和される。これらのエトキシル化サルフェート界面活性剤としては、例えば、ラウレス(n)硫酸ナトリウム(sodium laureth(n)sulfate、SLEnS)及びトリデセス(n)硫酸ナトリウム(sodium trideceth(n)sulfate、STnS)が挙げられ得、ここで、nは一般に0.5~4である。例示的なSLEnS界面活性剤としては、ラウレス-1硫酸ナトリウム、ラウレス-1.8硫酸ナトリウム、ラウレス-2硫酸ナトリウム、ラウレス-2.5硫酸ナトリウム、及びラウレス-3硫酸ナトリウムが挙げられ得る。例示的なSTnS界面活性剤としては、トリデセス-2硫酸ナトリウム及びトリデセス-3硫酸ナトリウムが挙げられ得る。
【0012】
硫酸化中、遊離グリコールのような一次副生成物が硫酸化されて、二次副生成物、グリコールモノサルフェート及びジサルフェートも形成される。加えて、SOが豊富な条件下で、遊離グリコール、FAE、又は硫酸化FAEにかかわらず、EOオリゴマーの切断もまた、前述のグリコールサルフェート及びジサルフェート、並びに一般により長いグリコールモノ及びジサルフェートなどの二次副生成物を生成する。時折、特定の副生成物の環化が発生して、1,4-ジオキサンのような二次副生成物を形成し得る。近年、1,4-ジオキサンの量を制限することが望まれている。
【0013】
1,4-ジオキサンは、界面活性剤を形成するためのエトキシル化プロセス及び硫酸化プロセスの組み合わせの既知の二次副生成物である(Norman,Sulfonation and Sulfation Processes,The Chemithon Corporation,1997参照)。1,4-ジオキサンは、界面活性剤又は界面活性剤を含有するクレンジング製品中で非常に低いレベルで存在し、多くの場合50ppm未満であり得るが、現在、界面活性剤及び/又は界面活性剤含有製品からそれを更に低減及び/又は排除することが望まれている。界面活性剤から1,4-ジオキサンを除去するための1つのプロセスは、ジオキサン除去システムを使用して、エトキシル化サルフェート界面活性剤原材料から1,4-ジオキサンをスクラブすることである。ジオキサンをスクラブするいくつかの例示的な方法は、例えば、米国出願第17/184634号及び米国特許第4,285,881号に見出され得る。ジオキサンをスクラブすることは、高価でエネルギー集約的であり得る特殊な設備を利用し、追加の処理時間を利用するため、これらの全てにより、界面活性剤及び界面活性剤含有製品のメーカーに対してより高い製造コストがもたらされる。
【0014】
製品中の1,4-ジオキサンレベルに対する研究によって、いくつかの学習がもたらされた。まず、エトキシル化サルフェート界面活性剤の製造において、1モル超のサルフェート源を供給原料の脂肪アルコールに使用することによって硫酸化反応を促進することによって、1,4-ジオキサンの生成の劇的な増加がもたらされることが理解される(Norman,Sulfonation and Sulfation Processes,The Chemithon Corporation,1997参照)。追加の1,4-ジオキサンの形成を防止するために、多くの界面活性剤原材料の製造業者は、供給原料FAEを100%の完了まで完全に硫酸化するのではなく、例えば、この反応を約1.03:1のモル比未満で実行し、約96%又は97%又は98%のみまでの硫酸化の完了をもたらす一連の条件下で反応を実行してもよい。
【0015】
次に、エトキシル化サルフェート界面活性剤原材料は、高温で輸送されるか、又は製造工場で製品への組み込みのために待機中に加熱タンクに置かれているときに、ジオキサンのレベルが実質的に増加し得ることがある。この理由は理解されていなかったが、その結果を軽減する必要があった。したがって、その現象を軽減するために、そのような原材料には保存寿命が割り当てられ、製造工場において可能な限り早く使用されていた。しかしながら、これだけでは、最終製品中の現在の所望のレベルのジオキサンを満たすには不十分である。
【0016】
所望のジオキサンレベルを満たすための潜在的な溶液への調査の一部として、界面活性剤原材料のpHを研究する。12.97のpH、及び5.76ppm(100%活性で8.2ppm)の初期ジオキサン濃度を有する、SLE1S70%活性界面活性剤ペーストを商業的に入手する。ペーストの一部を容器内に密封し、残りのペーストをクエン酸を使用してpH7.8に中和し、密閉容器に入れる。容器を50℃又は65℃で保管し、ジオキサンを定期的に測定する。全てのpH値は、90%の水を含む原材料の10%希釈を21℃で使用して得られる。表1に見られるように、初期時点からのジオキサン成長は、70%活性界面活性剤ペーストの中性pHで実質的に低い。括弧内の数字は、100%活性基準で計算される。
【0017】
【表1】
【0018】
したがって、pH≧約12でのAES原材料が、典型的な温度(30~40℃のような)で保管されたときに、1,4-ジオキサンをかなり迅速に生成するように見える。これは、界面活性剤活性が≧45%である場合に、特に当てはまり、図1及び図2を参照されたい。しかしながら、より低い濃度でもより少ない程度ではあるが、同じ傾向が見出され得る。例えば、15%活性SLE1Sペーストを50℃でのエージングに供する。図3の結果は、pHと経時的なジオキサン成長の量との間の関係を示し、具体的には、ジオキサンの形成の急激な増加が約pH9で開始している。また、問題はより高い温度でより明らかである(図1及び図2を参照)。
【0019】
有機又は無機緩衝剤を添加することによって、これらの界面活性剤のpHが約7~約8(10%溶液として)に制御されるとき、1,4-ジオキサンの成長速度が有意に減速することを見出した(表1を参照)。これは、界面活性剤ペーストが、はるかにより長い期間、保管、取り扱い、及び輸送され得ることを確実にするのに役立つ。例えば、これらの材料の保存寿命が4週間未満から2ヶ月超まで増加することを可能にし、ひいては、これらの界面活性剤原材料の輸送及び保管におけるより多くの柔軟性が可能になる。
【0020】
約7~約8の中性pHはその利点を有するが、界面活性剤ペーストのpHが現在約12以上のpHに維持されているという主な理由の1つは、それが自己保存性であるため、別個の防腐剤が必要とされないことである。図3及び図4を参照してpH曲線を見ると、より高い活性パーセンテージのST2Sにおいて転換があり、ジオキサン成長は、pH10.5超まで継続的な速度での増加を継続せず、依然としてpH9又はpH11で見られるレベルと類似している。これにより、原材料中のジオキサンの成長速度を低減させるためにpHを下げるという余地ができるが、pH10~11のようないくつかの微小なホスティリティを依然として有するpHも利用する。
【0021】
界面活性剤原材料の中和又はpHの低減に使用するための緩衝剤の例は、有機緩衝剤である。有機緩衝剤としては、例えば、有機酸、炭酸塩、脂肪酸、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。有機酸の例としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、アスコルビン酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、ソルビン酸、又はそれらの組み合わせが挙げられる。例又は炭酸塩は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸亜鉛、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、又はそれらの組み合わせを含み得る。脂肪酸緩衝剤の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。これらの緩衝剤は、一般に、異なるpH範囲で作用する。例えば、有機酸は、約pH5~8、脂肪酸は、約6~10、炭酸塩は、約8~10.5で作用する。これらの緩衝剤を使用して、好適な塩基(例えば、NaOH)を実用的な様式で使用して、適切なpHを標的とすることを可能にすることができる。
【0022】
クレンジング製品中で脂肪アルコールエトキシレート及びエトキシル化サルフェート界面活性剤を使用する能力を維持するために、所望のジオキサンレベルを満たすための潜在的な溶液に対する調査の別の部分として、原材料のスクラブを調査して、所望のジオキサンのレベルを満たすのに十分であるかどうかを確認する。様々な活性レベルのラウレス-1硫酸ナトリウム(SLE1S)、ラウレス-3硫酸ナトリウム(SLE3S)、及びトリデセス-2硫酸ナトリウム(ST2S)のような原材料の試料を、業界標準方法を使用してスクラブする。試料は、>12のpHである(原材料の10%水溶液を使用して測定)。実験のボディウォッシュは、ジオキサンがスクラブされたトリデセス-2硫酸ナトリウム界面活性剤で配合される。次いで、これらの試料をエージング研究に置いて、スクラブ後にジオキサンレベルが経時的に安定したままであるかどうかを決定する。
【0023】
図1図2、及び図5から分かるように、様々な活性における3つの異なる原材料(SLE1S、SLE3S、及びST2S)は全て、経時的にジオキサンの増加を示した。したがって、ジオキサンは、ジオキサンがスクラブされた原材料中に有意な量で生成される。同じことが、約6pHのスクラブされたST2S(9.6%活性)で配合されたボディウォッシュ組成物についても当てはまる。これは、図6に視覚的に示されている。
【0024】
より長い保管時間及びより高い温度では、ジオキサン生成速度が減速し、これは、ジオキサンが原材料中の成分から形成され得、その成分がその後使い切られていることを示唆する。再成長の特徴的なパターンは、未知の反応物(図7を参照)を使い切るかのように、プラトーである。成長は原材料中の成分によって引き起こされる可能性が高いため、エトキシル化反応及び硫酸化反応の両方の反応副生成物を見直して、ジオキサンの再成長を可能にし得る潜在的な未知の反応物を決定する。一次副生成物、つまりエトキシル化反応からのものは、エチレングリコールオリゴマーのような、主に遊離グリコールである。エチレングリコールオリゴマーの構造は、一般的にH-(O-CH-CH-OHとして表され、式中、nは、オリゴマー鎖中のエチレンオキシド単位の平均数を表す。2~30のn値は、例えば、一次反応副生成物であり得る。オリゴマー鎖のn値は、例えば、2~約25、2~約20、2~約15、2~約10、又は2~約5であってもよい。
【0025】
上で説明したように、これらは、硫酸化プロセス中に反応を受けて、二次副生成物を生成し得る。二次副生成物は、例えば、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールモノサルフェート、ジエチレングリコールジサルフェート、及びFAE及びAESの溶解の結果として形成されるそれらの副生成物を含むと考えられる。二次副生成物を研究して、エトキシル化サルフェート界面活性剤原材料中の経時的なジオキサンの増加に寄与する可能性が最も高いものを決定する。
【0026】
遊離グリコールは、脂肪アルコールエトキシレート中に残り、末端ヒドロキシルは、大部分が、脂肪アルコールエトキシレート硫酸化と同時に流下薄膜式反応器内で硫酸化されるため、潜在的な反応物の遷移状態が比較される。以下の表2に見られるように、ジエチレングリコールモノサルフェートは、ジエチレングリコールモノサルフェートからジオキサンへの遷移について負のΔGを実証する唯一の種である。したがって、それは、この反応が高pHで自発的であり、エトキシル化サルフェート界面活性剤中のジオキサン成長について最も可能性が高く、かつ最も厄介な副生成物であることが見直される唯一の種である。
【0027】
【表2】
【0028】
これは、25~50℃で2ヶ月のエージング後にn値が2~8である遊離グリコール(n)の濃度の研究によって裏打ちされる。観察結果を、図8において、3つの原材料(SLE1S、ST2S、及びSLE3S)について、及び4つの温度で、7つのグリコールサルフェートについてプロットする。図8から分かるように、試験されたグリコール(n)モノサルフェートの濃度は比較的安定であり、これは、ジオキサンの形成のための反応生成物として使い果たされていないことを示唆している。1つの例外は、ジエチレングリコールモノサルフェートであり、これは、周囲対照と比較して、高温で同じ期間にわたって濃度の有意な減少を示す。
【0029】
その機構を更に裏付けるために、エージング原材料におけるジエチレングリコールモノサルフェートの損失とジオキサンの増加との関係を調査する。これを実証するために、その周囲対照と比較した各温度でのジエチレングリコールモノサルフェート損失を、同じ試料中のジオキサンレベルの時間的増加と比較する。これにより、ジエチレングリコールモノサルフェートの損失と2ヶ月のエージングにわたるジオキサンの増加との直接比較が可能になる。図9は、各界面活性剤についての周囲エージング(対照)試料と比較した、高温でのジエチレングリコールモノサルフェートの相対的な損失に対して、異なる温度(温度は示されていない)での3つの界面活性剤原材料についての経時的なジオキサン成長を比較する。図9の関係は、ジエチレングリコールモノサルフェートが自発的に1,4-ジオキサンに変換されることを実験的に検証する。
【0030】
可能性の高い原因が特定されたため、不要なジオキサンの形成を防止するための溶液は何であるか?まず、ジエチレングリコールモノサルフェートがどのように形成されるかを調べる。エトキシル化反応からのグリコールの一次副生成物が硫酸化プロセス中に硫酸化されるとき、いくつかのジエチレングリコールモノサルフェートが形成されると考えられる。脂肪アルコールと混合した1重量%ポリエチレングリコール400(polyethylene glycol 400、PEG400)(PEG400は遊離グリコールを表す)と混合した一級直鎖脂肪アルコールをFFR内で硫酸化することによって、これを実証する。結果は、表3に示される同じ条件下で硫酸化された、同様の脂肪アルコールエトキシレート、ラウレス-1と比較される。添加されたグリコールは、ジエチレングリコールモノサルフェートの形成の約2%、及び硫酸化中に形成されたジオキサンの約30%に寄与する。
【0031】
【表3】
【0032】
したがって、グリコールの少なくとも一部分が、エトキシル化サルフェート界面活性剤の形成に使用される前に脂肪アルコールエトキシレートから除去される場合、ジオキサン自体、並びにジエチレングリコールモノサルフェート及び/又はジエチレングリコールジサルフェートのようなジオキサン前駆体の形成が少なくなり、それに応じて、エージング中にジオキサンの形成が少なくなるはずである。グリコール副生成物の少なくとも一部の除去によって、低グリコール脂肪アルコールエトキシレート、すなわち、約0.25%、0.2%、0.15%、及び/又は0.1%未満の遊離グリコールを有する脂肪アルコールエトキシレートが形成されるであろう。
【0033】
脂肪アルコールエトキシレートから遊離グリコールの少なくとも一部分を除去する1つの方式は、抽出プロセスによるものである。抽出は、例えば、溶媒で行うことができる。溶媒としては、例えば、水、エタノール、及び他のアルコール、酢酸エチル及び他のエステル、並びに他の極性溶媒が挙げられ得る。溶媒は、グリコールが溶媒中に可溶化するのに十分なレベルで添加され得る。これは、例えば、脂肪アルコールエトキシレート材料の約10重量%~約100重量%、約10重量%~約90重量%、15重量%~約80重量%、約15重量%~約70重量%、約15重量%~約60重量%、約25重量%~約55重量%、及び/又は約30重量%~約50重量%であり得る。溶媒の添加は、より多くのグリコールを可溶化するための要望と、抽出プロセス中に損失するアルコールエトキシレートの量との間の均衡作用である。
【0034】
抽出は、塩などの電解質の使用を更に含み得る。抽出中の使用に好適な塩の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。塩を添加して、界面活性剤含有層からの溶媒含有層の分離を助けることができる。
【0035】
抽出は、高温で行われ得る。その温度は、例えば、脂肪アルコールエトキシレート/溶媒混合物のゲル化点を超え得る。抽出するとき、温度は、例えば、約65℃~約90℃、約67℃~約88℃、約70℃~約90℃ 65℃~約75℃、約67℃~約70℃、約70℃、及び/又は約80℃であり得る。
【0036】
抽出が溶媒で行われる場合、溶媒は、脂肪アルコールエトキシレート原材料から除去する必要があり得る。脂肪アルコールエトキシレート原材料から溶媒を除去するために、例えば、混合物を乾燥させることができる。混合物は、オーブン、空気、加熱空気、真空乾燥などを利用して乾燥させることができる。例示的な抽出及び乾燥プロセスは、以下に見出され得る。
【0037】
2-トリデシルアルコールエトキシレートである市販のエトキシル化アルコール界面活性剤の試料を、その一次副生成物のうちの1つであるグリコールについて測定する。図10に見られるように、試料は多くのグリコールを含有する。PEG-12以上である最大濃度が存在するが、PEG-10~PEG-2も存在する。PEG-2は、検出レベルより高いが定量限界を下回って試料中に存在するため、図10のPEG-2の値は、推定値である。次いで、この試料を抽出プロセスにかける。最初に、試料を酢酸エチルに溶解する。次いで、グリコールを塩化ナトリウムの水溶液で抽出する。この抽出を3回繰り返す。表4に見られるように、グリコールのレベルは、1回のみの洗浄後に有意に低減し、2回目の洗浄後に検出不可であった。回数は、濃度の違いに対して補正される。したがって、遊離グリコール一次副生成物の少なくとも一部分を除去することが可能である。
【0038】
【表4】
【0039】
したがって、低減グリコール脂肪アルコール材料中のグリコールの量は、例えば、約0ppm~約100ppm、約0ppm~約90ppm、約0ppm~約80ppm、約0ppm~約70ppm、約0ppm~約60ppm、約0ppm~約50ppm、約0ppm~約40ppm、約0ppm~約30ppm、約0ppm~約20ppm、及び/又は約0ppm~約10ppmであり得る。低減グリコール脂肪アルコール材料は、グリコール脂肪アルコール材料の形成後にグリコール副生成物の量が低減しているものである。したがって、グリコール副生成物の少なくとも一部分を除去するためのプロセスを経ずにこれらの範囲内にある脂肪アルコール材料は、低減グリコールサルフェート脂肪アルコール材料とみなされないであろう。しかしながら、その同じ材料が、グリコール副生成物の少なくとも一部分を除去するプロセスを経て、そのプロセスがその副生成物の低減をもたらした場合、得られた材料は、低減グリコール脂肪アルコール材料となるであろう。上記のグリコールの量は、界面活性剤活性が100%に調整されているものである。
【0040】
低減グリコール脂肪アルコール材料中のグリコールの量は、グリコールの少なくとも一部分の除去前の脂肪アルコール材料のものよりも、少なくとも10重量%少ない、約10重量%~約100重量%少ない、約15重量%~約95重量%、約15重量%~約90重量%、約15重量%~約85重量%、約20重量%~約95重量%、約20重量%~約90重量%、約20重量%~約85重量%、約25重量%~約95重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約75重量%、約30重量%~約95重量%、約30重量%~約90重量%、約30重量%~約85重量%、及び/又は約30重量%~約75重量%少なくあり得る。
【0041】
上記に加えて、硫酸化前にエトキシル化脂肪アルコール中のグリコールの少なくとも一部分を除去することは、グリコールサルフェートがより少ないエトキシル化サルフェート界面活性剤、別名、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤をもたらすと考えられる。ラウレス-1界面活性剤を硫酸化して、ラウレス-1硫酸ナトリウム(SLE1S)を生成することができる。以下の表5から分かるように、エチレングリコールオリゴマーの少なくとも一部分が硫酸化前に除去されていないラウレス-1から作製されたSLE1S界面活性剤(対照)は、抽出(洗浄)により硫酸化前にエチレングリコールオリゴマーの少なくとも一部分が除去されるラウレス-1から作製されたSLE1S試料よりも多くのジエチレングリコールモノサルフェートを含有する。
【0042】
【表5】
【0043】
したがって、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤を生成する方法は、エトキシル化脂肪アルコール中のグリコールの少なくとも一部分を硫酸化前に除去して、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤を生成することを含み得る。低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤を生成する別の方法は、低減グリコール脂肪アルコールを硫酸化することを含み得る。
【0044】
低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤は、グリコール副生成物の少なくとも一部分の除去前のエトキシル化脂肪アルコール界面活性剤で生成された場合よりも少ないグリコールサルフェートを有するものである。エージング前のグリコールサルフェートの初期量は、界面活性剤に応じて異なり得る。例えば、1つのエトキシレート基のみを有するエトキシル化界面活性剤は、複数のエトキシレート単位を有するそれらのエトキシル化界面活性剤よりも、エトキシル化プロセス後に、低い初期量のいくつかのジエチレングリコールサルフェートを有すると考えられる。実際、界面活性剤中の各エトキシレート基の添加と共に、ジエチレングリコールモノサルフェートの初期量が増加すると考えられる。例示的な界面活性剤の結果を表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】
エトキシレート単位の数が増加するにつれて、エージング前のジエチレングリコールモノサルフェートの初期レベルが増加するため、後述するグリコールサルフェート及びジエチレングリコールサルフェートの量の範囲は、グリコール副生成物の少なくとも一部分を除去しないエトキシル化界面活性剤からの実際の低減を反映するために、初期値の違いを考慮するように調整され得る。したがって、グリコールサルフェート副生成物の少なくとも一部分を除去するプロセスを経ずにこれらの範囲内にある界面活性剤は、低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤とみなされないであろう。しかしながら、その同じ界面活性剤が、グリコールサルフェート副生成物の少なくとも一部分を除去するプロセスを経て、そのプロセスがその副生成物の低減をもたらした場合、得られた界面活性剤は、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤であるであろう。
【0047】
低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤は、約100重量ppm未満のジエチレングリコールモノサルフェートを有し得る。低減グリコールエトキシル化サルフェート界面活性剤中のジエチレングリコールモノサルフェートの量は、約0ppm~約100ppm、約0ppm~約90ppm、約0ppm~約80ppm、約0ppm~約70ppm、約0ppm~約60ppm、約0ppm~約50ppm、約0ppm~約40ppm、約0ppm~約30ppm、約0ppm~約20ppm、又は約0ppm~約10ppmである。
【0048】
低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤は、約300重量ppm未満のジエチレングリコールジサルフェートを有し得る。低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤は、約250ppm未満のジエチレングリコールジサルフェートを有し得る。低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤は、約400ppm未満の総ジエチレングリコールサルフェート(モノサルフェート及びジサルフェートの合計)を有し得る。低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤中のジエチレングリコールジサルフェートの量は、約0ppm~約300ppm、約0ppm~約275ppm、約0ppm~約250ppm、約0ppm~約200ppm、約0ppm~約150ppm、約0ppm~約100ppm、約0ppm~約75ppm、約0ppm~約50ppmである。上記のグリコールサルフェート及びジエチレングリコールサルフェートのppm量は、界面活性剤活性が100に調整されているものである。
【0049】
低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤を生成する別の方法は、低減グリコール脂肪アルコールを100%未満の硫酸化完了率で硫酸化することを含み得る。完了率は、例えば、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%などであり得る。例えば、より低いモル比のSOを供給原料に利用することによって、完了を低減させる。供給原料の平均分子量は、硫酸化前にそのヒドロキシル価を測定することによって決定することができる。SOが反応器条件下においてジオキサン形成に対して触媒作用を有するため(先に引用されたChemithon参考文献参照)、SOモル比を低減することによって、過剰な反応器(FFR)ジオキサン形成が最小限に抑えられ得る。低減グリコール脂肪アルコールは、前述の方法のいずれかに従って生成され得る。例えば、低減グリコール脂肪アルコールは、エトキシル化プロセス後にグリコール副生成物の少なくとも一部分を除去することによって作製され得る。これは、例えば、グリコール副生成物の少なくとも一部分の抽出によって行われ得る。グリコール副生成物は、上で考察されている。
【0050】
低減グリコールサルフェート界面活性剤は、例えば、ラウレス(n)硫酸ナトリウム及びトリデセス(n)硫酸ナトリウムを含み得る。nは、0.5~約4の値を有し得る。例えば、n値は、約1~約3、約1.8、及び/又は約2.5であり得る。
【0051】
再成長に対抗することを助けるための溶液を提供することに加えて、溶液を、ジオキサン除去技術と組み合わせて使用して、ジオキサンレベルの低減及び再成長の可能性の低減の両方を可能にすることができる。例えば、脂肪アルコールエトキシレート材料を生成する方法は、低減グリコールアルコールエトキシレートをスクラブして、脂肪アルコールエトキシレート材料から1,4-ジオキサンの少なくとも一部分を除去することを含み得る。これにより、スクラブされた低減グリコール脂肪アルコールエトキシレートが生成される。別の例は、エトキシル化サルフェート界面活性剤を生成する方法を含み、低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤をスクラブして、界面活性剤から1,4-ジオキサンの少なくとも一部分を除去することを含み得る。これにより、スクラブされた低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤がもたらされる。スクラブは、上で考察されたプロセスによって、又は当該技術分野で既知のように行われ得る。
【0052】
低減グリコールアルコールエトキシレート及び低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤は、上で考察されたように生成され得る。例えば、脂肪アルコールエトキシレート材料を形成する反応の完了後、グリコール副生成物の少なくとも一部分は、脂肪アルコールエトキシレート材料から除去される。グリコールは、例えば、エチレングリコールオリゴマーを含み得る。エチレングリコールオリゴマーは、HO(CHCHO)Hの化学式を含み得、式中、nは、2~約30である。グリコールの少なくとも一部分は、例えば、抽出によって除去され得る。
【0053】
低減グリコールエトキシル化脂肪アルコール界面活性剤、スクラブされたグリコールエトキシル化脂肪アルコール界面活性剤、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤、及びスクラブされた低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤は、クレンジング組成物中に使用することができる。例示的なクレンジング組成物に関するより詳細な情報は、以下である。
【0054】
本明細書で使用される場合、ジエチレングリコールモノサルフェート及びジエチレングリコールジサルフェートは、それぞれナトリウム塩及び二ナトリウム塩を指す。ジエチレングリコールモノサルフェートナトリウム塩の分子量は、208.2g/molであり、ジエチレングリコールジサルフェート二ナトリウム塩は、310.2g/molである。
【0055】
クレンジング組成物
1.パーソナルクレンジング組成物
リンスオフパーソナルクレンジング組成物は、多くの形態でもたらされ得る。例えば、パーソナルクレンジング組成物は、液体形態であってもよく、ボディウォッシュ、シャンプー、コンディショニングシャンプー、シャワーゲル、洗顔クレンザー、クレンジングミルク、インシャワーボディ保湿剤、液体ハンドソープ、ペットシャンプー、シェービング調製物などであり得る。リンスオフパーソナルクレンジング組成物はまた、固形石鹸若しくは半固体形態のような固体形態であってもよく、又はペースト若しくはゲルのような半固体形態であってもよい。固体クレンジング組成物はまた、多くの形状にあり得、例えば、長方形のような形態、又は粉末若しくはペレット形態であり得る。更に、固体及び半固体形態を、米国特許出願公開第2012/0246851号、同第2013/0043145号、同第2013/0043146号、及び同第2013/0043147号により詳細に記載されるように、基材と組み合わせて物品を形成してもよい。
【0056】
リンスオフクレンジング組成物は、一般に、洗浄性界面活性剤及び/又は石鹸のようなクレンジング原料を含む。クレンジング原料の量は、以下によりよく記載されるように、形態に依存する可能性が高い。形態に関係なく、クレンジング組成物は、構造化剤、湿潤剤、脂肪酸、無機塩、抗菌剤、活性物質、防腐剤などの他の原料を含有してもよい。
【0057】
A.液体パーソナルクレンジング組成物
例示的な液体リンスオフパーソナルクレンジング組成物は、水性担体を含み得、これは、約5%~約95%、約10%~約90%、約20%~約80%、約30%~約75%、及び/又は約40%~約75%のレベルで存在し得る。水性担体は、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよい。非水性担体材料も用いてもよい。
【0058】
そのようなリンスオフパーソナルクレンジング組成物は、1つ以上の洗浄性界面活性剤を含んでもよい。洗浄性界面活性剤成分は、製品に洗浄性能を提供するように含まれ得る。次に、洗浄性界面活性剤成分は、アニオン性洗浄性界面活性剤、双性イオン性洗浄性界面活性剤、両性洗浄性界面活性剤、又はそれらの組み合わせを含む。組成物に使用するための代表的で非限定的なアニオン性界面活性剤のリストとしては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一例では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムであり得る。製品中のアニオン性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び/又は泡立ち性能を提供するのに十分であり得、一般に、約2%~約50%の範囲である。
【0059】
リンスオフパーソナルクレンジング組成物に使用するのに好適な両性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、ここで、脂肪族ラジカルは、直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基は、約8個~約18個の炭素原子を含有し得、1つの炭素原子が、アニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得る。この定義に当てはまる化合物の例としては、3-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載されている生成物であり得る。両性界面活性剤の他の例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウムココアンホ酢酸二ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられ得る。アンホアセテート及びジアンホアセテートも使用することができる。
【0060】
リンスオフパーソナルクレンジング組成物に使用するのに好適な双性イオン性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、ここで、脂肪族ラジカルは、直鎖又は分岐鎖であり得、脂肪族置換基は、約8~約18個の炭素原子を含有し得、1つの炭素原子が、アニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有し得る。他の双性イオン性界面活性剤としては、ココアミドプロピルベタインを含むベタインが挙げられ得る。
【0061】
パーソナルクレンジング組成物は、1つ以上の相を含み得る。そのようなパーソナルクレンジング組成物は、クレンジング相及び/又は有益相(すなわち、単一相又は多相組成物)を含み得る。クレンジング相又は有益相の各々は、様々な成分を含み得る。クレンジング相及び有益相は、ブレンド、別個、又はそれらの組み合わせであり得る。クレンジング相及び有益相はまた、パターン化され得る(例えば、縞状)。
【0062】
パーソナルクレンジング組成物のクレンジング相は、少なくとも1つの界面活性剤を含み得る。クレンジング相は、水性構造化界面活性剤相であり得、パーソナルクレンジング組成物の約5重量%~約20重量%で存在し得る。そのような構造化界面活性剤相は、トリデセス(n)硫酸ナトリウム(以下STnS)を含んでもよく、式中、nは、エトキシル化の平均モルを定義し得る。nは、例えば、約0~約3、約0.5~約2.7、約1.1~約2.5、約1.8~約2.2の範囲であり得るか、又はnは、約2であり得る。nが3未満であり得る場合、STnSは、安定性の改善、パーソナルクレンジング組成物内の有益剤の相溶性の改善、及びパーソナルクレンジング組成物のマイルド性の増加を提供することができ、STnSのそのような記載された利点は、米国特許第9,750,674号に開示されている。
【0063】
クレンジング相はまた、両性界面活性剤及び双性イオン性界面活性剤のうちの少なくとも1つを含み得る。好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、(本明細書に引用されたものに加えて)米国特許第5,104,646号及び米国特許第5,106,609号に記載されているものが挙げられ得る。
【0064】
クレンジング相は、構造化系を含み得る。構造化系は、任意選択的に、非イオン性乳化剤と、任意選択的に、パーソナルクレンジング組成物の約0.05重量%~約5重量%の会合性ポリマーと、電解質と、を含み得る。
【0065】
パーソナルクレンジング組成物は、任意選択的に、ラウリル硫酸ナトリウム(以下SLS)を含まなくてもよく、少なくとも70%のラメラ構造を含み得る。しかしながら、クレンジング相は、少なくとも1つの界面活性剤を含み得、少なくとも1つの界面活性剤は、SLSを含む。SLSの好適な例は、米国特許出願公開第2010/0322878号に記載されている。
【0066】
本明細書に記述されるように、リンスオフパーソナルクレンジング組成物はまた、有益相を含み得る。有益相は、疎水性及び/又は無水であり得る。有益相はまた、実質的に界面活性剤を含まなくてもよい。有益相はまた、有益剤を含み得る。具体的には、有益相は、パーソナルクレンジング組成物の約0.1重量%~約50重量%の有益剤を含み得る。有益相は、より少ない有益剤、例えば、パーソナルクレンジング組成物の約0.5重量%~約20重量%の有益剤を含んでもよい。好適な有益剤の例としては、ワセリン、グリセリルモノオレート、鉱油、天然油、及びそれらの混合物が挙げられ得る。有益剤の追加の例としては、非水溶性又は疎水性有益剤が挙げられ得る。他の好適な有益剤は、米国特許第9,750,674号に記載されている。
【0067】
本明細書における疎水性皮膚有益剤としての使用に好適なグリセリドの非限定的な例としては、ヒマシ油、サフラワー油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、植物油、ヒマワリ種子油、大豆油、植物油誘導体、ココナツ油及び誘導体化ココナツ油、綿実油及び誘導体化綿実油、ホホバ油、カカオバター、並びにそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0068】
本明細書における疎水性皮膚有益剤としての使用に好適なアルキルエステルの非限定的な例としては、脂肪酸のイソプロピルエステル、及び長鎖(すなわちC10~C24)脂肪酸の長鎖エステル、例えば、セチルリシノレエートが挙げられ得、その非限定的な例としては、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、セチルリコノレエート(cetyl riconoleate)、及びステアリルリコノレエート(stearyl riconoleate)が挙げられ得る。他の例としては、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、ミリスチルミリステート、イソヘキシルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、イソプロピルイソステアレート、ジイソプロピルアジパート、ジイソヘキシルアジパート、ジヘキシルデシルアジパート、ジイソプロピルセバケート、アシルイソノナノエートラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0069】
本明細書の疎水性皮膚有益剤としての使用に好適なポリグリセリン脂肪酸エステルの非限定例としては、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルモノミリエート(decaglyceryl monomyriate)、デカグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノオレート、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0070】
リンスオフパーソナルクレンジング組成物は、手若しくは指で擦り込む、こする、若しくは軽くはたくことによること、又は用具及び/若しくは送達を向上させるデバイスによることを含む、様々な手段によって、塗布されてもよい。用具の非限定的な例としては、スポンジ又は先端がスポンジのアプリケータ、メッシュシャワーパフ、スワブ、ブラシ、ワイプ(例えば、洗浄布)、ヘチマ、及びそれらの組み合わせが挙げられる。送達を向上させるデバイスの非限定的な例としては、機械的、電気的、超音波的、及び/又は他のエネルギーデバイスが挙げられる。用具又はデバイスの使用によって、例えば、脇の下に存在し得る毛包及び起伏などの標的領域への粒子状抗菌剤の送達が助けられ得る。リンスオフクレンジング製品は、そのような用具又はデバイスと共に販売され得る。代替として、用具又はデバイスを別々に販売することができるが、リンスオフクレンジング製品と共に利用することを示す表示を含む。用具及び送達デバイスは、交換可能な部分(例えば、皮膚相互作用部分)を用いることができ、これは、別々に販売され得るか、又はリンスオフクレンジング製品と共にキットで販売され得る。
【0071】
B.固体パーソナルクレンジング組成物
本明細書に記述されるように、パーソナルクレンジング組成物は、多数の形態をとることができる。1つの好適な形態は、固体パーソナルクレンジング組成物のものである。固体組成物は、粉末、ペレット、固形などのような多くの形態をとることができる。これらの形態は、一般に、本明細書では固形石鹸として記載されるが、固体組成物は、別の形態又は形状であり得ることを理解されたい。固形石鹸パーソナルクレンジング組成物の一例は、パーソナルクレンジング組成物の約0.1重量%~約35重量%の水、パーソナルクレンジング組成物の約45重量%~約99重量%の石鹸、及びパーソナルクレンジング組成物の約0.01重量%~約5重量%の粒子状抗菌剤を含み得る。別の好適な抗菌固形石鹸は、例えば、パーソナルクレンジング組成物の約0.1重量%~約30重量%の水、パーソナルクレンジング組成物の約40重量%~約99重量%の石鹸、及びパーソナルクレンジング組成物の約0.25重量%~約3重量%の粒子状抗菌剤を含み得る。
【0072】
固形石鹸組成物は、従来の固体(すなわち、非流動性)固形石鹸組成物と称され得る。いくつかの固形石鹸組成物は、従来の石鹸を含むが、他のものは、合成界面活性剤を含有し、更に他のものは、石鹸及び合成界面活性剤の混合物を含有する。固形組成物は、例えば、約0%~約45%の合成アニオン性界面活性剤を含んでもよい。好適な従来の石鹸の例としては、組み立てられていない(すなわち、約5%以下の水溶性界面活性剤ビルダーを含む)、粉砕されたトイレットバーが挙げられ得る。
【0073】
パーソナルクレンジング固形組成物は、例えば、パーソナルクレンジング組成物の約45重量%~約99重量%又は約50重量%~約75重量%の石鹸を含み得る。そのような石鹸は、典型的な石鹸、すなわちアルカン又はアルケンモノカルボン酸のアルカリ金属又はアルカノールアンモニウム塩を含み得る。ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、モノ、ジ、及びトリエタノールアンモニウムカチオン、又はそれらの組み合わせは、パーソナルクレンジング組成物に好適であり得る。パーソナルクレンジング組成物に含まれる石鹸は、ナトリウム石鹸、又はナトリウム石鹸と、約1%~約25%アンモニウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、若しくはこれらの石鹸の混合物との組み合わせを含み得る。更に、石鹸は、約12~約22個の炭素原子又は約12~約18個の炭素原子を有するアルカン又はアルケン酸の周知のアルカリ金属塩であり得る。別の好適な石鹸は、約12~約22個の炭素原子を有するアルキル又はアルケン炭化水素のアルカリ金属カルボン酸塩であり得る。追加の好適な石鹸組成物は、米国特許出願公開第2012/0219610号及び同第2008/0020959号に記載されている。
【0074】
パーソナルクレンジング組成物はまた、脂肪酸を有する石鹸を含み得る。例えば、1つの固形石鹸組成物は、可溶性アルカリ金属石鹸の約40%~約95%のC~C24又はC10~C20脂肪酸を使用し得る。脂肪酸は、例えば、広い分子量範囲の下限を提供し得るココナツ油の分布、又は広い分子量範囲の上限を提供し得るピーナッツ油若しくは菜種油若しくはそれらの水素化誘導体の脂肪酸分布を有してもよい。他のそのような組成物は、獣脂及び/又は植物油の脂肪酸分布を含み得る。獣脂は、典型的には2.5%C14、29%C16、23%C18、2%パルミトレイン酸、41.5%オレイン酸、及び3%リノール酸の近似炭素鎖長分布を有し得る脂肪酸混合物を含み得る。獣脂はまた、様々な動物獣脂及び/又はラードに由来する脂肪酸などの同様の分布を有する他の混合物を含み得る。一例では、獣脂はまた、一部又は全ての不飽和脂肪酸部分が飽和脂肪酸部分に変換され得るように、硬化(すなわち、水素化)され得る。
【0075】
植物油の好適な例としては、パーム油、ココナツ油、パーム核油、パーム油ステアリン、大豆油、及び水素化米ぬか油、又はそれらの混合物が挙げられ、これは、そのような油がより容易に入手可能な脂肪であり得るからである。好適なココナツ油の一例は、約85%の少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸の割合を含み得る。このような割合は、獣脂、パーム油、又は非熱帯性ナッツ油若しくは脂肪などのココナツ油及び脂肪の混合物が使用され得、主鎖長がC16以上であり得る場合に、より大きくなり得る。パーソナルクレンジング組成物に含まれる石鹸は、例えば、約67~68%の獣脂、約16~17%のココナツ油、約2%のグリセリン、及び約14%の水の混合物を有するナトリウム石鹸であり得る。
【0076】
パーソナルクレンジング組成物に含まれる石鹸はまた、商業的に許容可能な標準に従って不飽和であり得る。例えば、パーソナルクレンジング組成物に含まれる石鹸は、鹸化材料の約37%~約45%の範囲の不飽和を含み得る。
【0077】
パーソナルクレンジング組成物に含まれる石鹸は、例えば、古典的なケトル沸騰プロセス又は現代の連続石鹸製造プロセスによって作製され得、獣脂又はココナツ油又はそれらの均等物などの天然脂肪及び油を、当業者に周知の手順を使用してアルカリ金属水酸化物で鹸化することができる。石鹸はまた、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、又はステアリン酸(C18)などの脂肪酸を、アルカリ金属水酸化物又は炭酸塩で中和することによって作製され得る。
【0078】
パーソナルクレンジング組成物に含まれる石鹸はまた、連続石鹸製造プロセスによっても作製され得る。石鹸は、真空フラッシュ乾燥プロセスを介して石鹸ヌードルに加工され得る。好適な石鹸ヌードルの一例は、石鹸ヌードルの約67.2重量%の獣脂石鹸、約16.8重量%のココナツ石鹸、約2重量%のグリセリン、及び約14重量%の水を含む。次いで、石鹸ヌードルを粉砕プロセスで利用して、パーソナルクレンジング組成物を完成させることができる。
【0079】
2.布地及び住居用途のための洗剤組成物
本明細書に記載の界面活性剤又は界面活性剤中間体は、布地及び住宅ケア用途、特に洗濯及び硬質表面洗浄に使用するための洗剤組成物を配合するために使用することができる。洗濯洗剤の例としては、水溶性フィルムにカプセル化されて可溶性単位用量物品を形成する低水液体洗剤組成物を含む、粒状洗剤並びに液体洗濯洗剤が挙げられる。硬質表面洗浄洗剤組成物の例としては、床、カウンタートップ、皿などの洗浄に好適なものが挙げられ、界面活性剤及び中間体は、手洗い用食器洗浄洗剤組成物に特に適している。
【0080】
好適な洗濯洗剤組成物は、非石鹸界面活性剤を含み得、非石鹸界面活性剤は、アニオン性非石鹸界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む。洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の10重量%~60重量%、又は20重量%~55重量%の非石鹸界面活性剤を含み得る。非石鹸アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤は、1:1~20:1、1.5:1~17.5:1、2:1~15:1、又は2.5:1~13:1である。好適な非石鹸アニオン性界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、又はそれらの混合物が挙げられる。直鎖アルキルベンゼンスルホネート対アルキルサルフェート重量比は、1:2~9:1、1:1~7:1、又は1:1~5:1、又は1:1~4:1であり得る。好適な直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸、又はC11~C14アルキルベンゼンスルホン酸である。好適なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルサルフェート、非アルコキシル化アルキルサルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、50%超、好ましくは60%超、好ましくは70%超のC12、より好ましくは75%超のC12材料を含む。好適なアルコキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤としては、本発明のプロセスに従って、又は本発明による界面活性剤中間体から誘導され得るエトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が挙げられる。好適なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤としては、1~5、1~3、又は2~3のモル平均エトキシル化度を有する、エトキシル化アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤が挙げられる。アルキルアルコキシル化サルフェートは、広いアルコキシ分布又はピークのあるアルコキシ分布を有し得る。AESのアルキル部分は、平均して、13.7~約16個、又は13.9~14.6個の炭素原子を含み得る。少なくとも約50%又は少なくとも約60%のAES分子は、14個以上の炭素原子、好ましくは14~18個、又は14~17個、又は14~16個、又は14~15個の炭素原子を有するアルキル部分を含み得る。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、非エトキシル化アルキルサルフェート及びエトキシル化アルキルサルフェートを含み得、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のモル平均エトキシル化度は、1~5、1~3、又は2~3である。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤のアルキル画分は、脂肪アルコール、オキソ合成アルコール、ゲルベアルコール、又はそれらの混合物から誘導され得る。好ましいアルキルサルフェートとしては、任意選択的に、2-アルキル分岐一級アルコールサルフェート、特に2-分岐C12~15一級アルコールサルフェート、直鎖一級アルコールサルフェート、特に直鎖C12~14一級アルコールサルフェート、及びそれらの混合物を含む、エトキシル化アルコールサルフェートが挙げられる。洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の10重量%~50重量%、又は15重量%~45重量%、又は20重量%~40重量%、又は30重量%~40重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含み得る。
【0081】
好適な非イオン性界面活性剤は、広い又は狭い範囲のアルコキシレート度のアルコール、オキソ合成アルコールアルコキシレート、ゲルベアルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコールアルコキシレート、又はそれらの混合物から選択され得る。洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の0.01重量%~10重量%、0.01重量%~8重量%、0.1重量%~6重量%、又は0.15重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0082】
洗濯洗剤組成物は、洗濯洗剤組成物の1.5重量%~20重量%、又は2重量%~15重量%、又は3重量%~10重量%、又は4重量%~8重量%の脂肪酸塩などの石鹸を含む。そのような石鹸は、例えば、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを使用して、アミン中和され得る。
【0083】
洗濯洗剤組成物は、クエン酸塩を含むビルダー、酵素、漂白剤、漂白触媒、染料、色相染料、ロイコ染料、増白剤、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミン、両親媒性コポリマー、汚れ放出ポリマー、を含む洗浄ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染防止剤、キレート剤、ジアミン、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレート、構造化剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗微生物剤、防腐剤、並びにそれらの混合物を含む群から選択される補助原料を含み得る。
【0084】
洗濯洗剤組成物は、2~10、又は6.5~8.9、又は7~8のpHを有し得、洗濯洗剤組成物のpHは、20℃の脱塩水中の10%製品濃度で測定される。
【0085】
液体洗濯洗剤組成物は、ニュートン性であっても、非ニュートン性であってもよく、好ましくは非ニュートン性であり得る。
【0086】
液体洗濯洗剤組成物において、組成物は、液体洗剤組成物の5重量%~99重量%、又は15重量%~90重量%、又は25重量%~80重量%の水を含み得る。
【0087】
液体洗濯洗剤組成物はまた、液体洗濯洗剤組成物の15重量%未満、又は12重量%未満の水を含む、低水液体洗剤組成物であり得る。そのような洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物の10重量%及び40重量%、又は15重量%~30重量%の、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、又はそれらの混合物から選択される非水性溶媒を含み得る。そのような液体洗剤組成物は、水溶性単位用量洗濯洗剤物品を形成するために、水溶性フィルムにおけるカプセル化に特に好適である。
【0088】
少なくとも1つの水溶性フィルムは、少なくとも1つの単位用量内部区画を作成するように配向され得、少なくとも1つの単位用量内部区画は、洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーのブレンドなどの、ポリビニルアルコールポリマー又はコポリマーを含み得る。ポリビニルアルコールポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーは、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドなどのカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され得る。水溶性フィルムは、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310で供給され得る。
【0089】
好適な液体手洗い用食器洗浄洗剤組成物は、典型的には、水性であり、組成物全体の50重量%~90重量%、好ましくは60重量%~75重量%の水を含む。
【0090】
手洗い用食器洗浄組成物は、組成物全体の5重量%~50重量%、好ましくは8重量%~45重量%、より好ましくは15重量%~40重量%の界面活性剤系を含み得る。
【0091】
そのような界面活性剤系は、界面活性剤系の60重量%~90重量%、より好ましくは70重量%~80重量%のアニオン性界面活性剤を含み得る。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、具体的には、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、好ましくはアルキルエトキシサルフェート、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましい。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、好ましくは8~18個、好ましくは10~14個、より好ましくは12~14個、最も好ましくは12~13個の炭素原子の平均アルキル鎖長を有する。アルキル硫酸化アニオン性界面活性剤は、好ましくは、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは0.5~2.0、最も好ましくは0.5~0.9の平均アルコキシル化度、好ましくはエトキシル化度を有する。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、本発明のプロセスに従って/本発明による界面活性剤中間体から誘導され得る。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、好ましくは、10%超、好ましくは20%超、より好ましくは30%超、更により好ましくは30%~60%、最も好ましくは30%~50%の重量平均分岐度を有する。好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アルカノールアンモニウム、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。市販のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の好適な例としては、Shellによってブランド名Neodol(登録商標)で、若しくはSasolによってブランド名Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、及びSafol(登録商標)で販売されているアルコールに由来するもの、又はProcter&Gamble Chemicals社によって生産された天然アルコールのうちのいくつかが挙げられる。
【0092】
界面活性剤系は、液体手洗い用食器洗浄洗剤組成物の0.1重量%~20重量%、より好ましくは0.5重量%~15重量%、及び特に2重量%~10重量%の補助界面活性剤を含み得る。好ましい補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。アニオン性界面活性剤対補助界面活性剤の重量比は、1:1~8:1、好ましくは2:1~5:1、より好ましくは2.5:1~4:1であり得る。補助界面活性剤は、好ましくは両性界面活性剤、より好ましくはアミンオキシド界面活性剤である。好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びそれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくはC12~C14アルキルジメチルアミンオキシドである。好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤、好ましくはコカミドプロピルベタインが挙げられる。
【0093】
好ましくは、本発明の組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の1重量%~25重量%、好ましくは1.25重量%~20重量%、より好ましくは1.5重量%~15重量%、最も好ましくは1.5重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を更に含む。好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、アルキルポリグルコシド(alkyl polyglucoside、APG)界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。好適なアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、直鎖状又は分岐鎖状の一級又は二級アルキルアルコキシル化、好ましくはアルキルエトキシル化非イオン性界面活性剤であり、そのアルキル鎖に平均9~15個、好ましくは10~14個の炭素原子を含み、アルコール1モル当たり平均5~12単位、好ましくは6~10単位、最も好ましくは7~8単位のエチレンオキシドを含むものである。最も好ましくは、アルキルポリグリコシド界面活性剤は、10~16、好ましくは10~14、最も好ましくは12~14の平均アルキル炭素鎖長を有し、平均重合度は0.5~2.5、好ましくは1~2、最も好ましくは1.2~1.6である。C8~C16アルキルポリグリコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic Corporation製のSimusol(登録商標)界面活性剤;並びにBASF Corporation製のGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。
【0094】
本明細書における液体手洗い用食器洗浄洗剤組成物は、任意選択的に、ビルダー(例えば、好ましくはクエン酸塩)、キレート剤(例えば、好ましくはGLDA)、コンディショニングポリマー、ポリアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、汚れ凝集ポリマー、EO-PO-EOトリブロックコポリマーを含む起泡ポリマー、環状ポリアミンを含むグリース洗浄ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、皮膚若返り活性物質、酵素、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白活性剤、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、有機溶媒、Ca/Mgイオンなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤(例えば、NaCl、並びに他の一価、二価、及び三価の塩などの塩)、並びにpH調整剤及び緩衝手段(例えば、クエン酸などのカルボン酸、HCl、NaOH、KOH、アルカノールアミン、リン酸及びスルホン酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、イミダゾールなど)などの多くの他の補助原料を含んでもよい。
【0095】
20℃の脱塩水中の10%の製品濃度として測定される手洗い用食器洗浄洗剤組成物のpHは、3~14、より好ましくは4~13、より好ましくは6~12、及び最も好ましくは8~10に調整され得る。手洗い用食器洗浄組成物は、ニュートン性であっても、非ニュートン性であってもよく、好ましくは非ニュートン性であり得る。組成物は、10mPa・s~10,000mPa・s、好ましくは100mPa・s~5,000mPa・s、より好ましくは300mPa・s~2,000mPa・s、又は最も好ましくは500mPa・s~1,500mPa・sの粘度を有し得る。粘度は、粘度計のRPMが、40%~60%のトルクを達成するように調整されたスピンドル31を使用して、Brookfield RT粘度計を用いて20℃で測定される。
【実施例
【0096】
1.アルコールエトキシレートからのグリコール副生成物の抽出
アルコールエトキシレートのドラム(約171kg)を、115kgの水を含む容器に添加する。容器を70~80℃の温度で30分間撹拌してから撹拌を停止し、水性層及び有機層を1時間~4時間重力分離してから、底部の水性層を排出する。このプロセスを、毎回115kgの水で、例えば3回繰り返して、アルコールエトキシレートを完全に水洗浄することができる。水洗浄の終了時に、添加した水の除去を助けるためにアルコールエトキシレートを乾燥させ、70~90℃のバルク温度を維持し、真空を約15mmHgまでゆっくりと引き下げて、発泡を回避する。真空による乾燥の終了時にアルコールエトキシレートを介した窒素スパージを加えて、0.05重量%以下の標的として<0.1重量%まで水分を更に引き抜くことができる。洗浄及び乾燥したアルコールエトキシレートの最終収率は、例えば、出発アルコールエトキシレート重量の97.5%である。
【0097】
2.トリデシルアルコールエトキシレート-2(TDA-2)からのポリエチレングリコールの抽出
600gのTDA-2を、底部排出バルブを備えた1Lの開放ヘッドガラス反応器に添加する。内容物を混合しながら50℃まで加熱する。300mLの水をTDA-2に添加する。この温度で水を添加すると、反応器の内容物がゲル化し得る。これが起こった場合は、温度を増加させる。ここでは、全てを流体に保持するために70℃まで加熱する。混合物を30分間混合させる。次いで、混合を停止し、内容物を層に分離させる。2層が存在するようになったら、底部層を排出する。底部層は、水層であり、水に可溶化されるポリエチレングリコールを含有する。追加の300mLの水を添加してプロセスを繰り返すことによって、上層を再度洗浄する。これは、必要に応じて繰り返すことができる。ここでは、合計3回洗浄を繰り返す。
【0098】
洗浄が完了したら、TDA-2を乾燥させて過剰な水を除去する。これは、真空乾燥によって行われる。約17mmHgの所望の真空レベルに達するまで、真空をゆっくりと段階的に下げて、過剰な発泡を回避する。TDA-2が透明になり、観察可能な水分が回収されなくなるまで真空を維持する。最終製品が所望よりも多い水分を有する場合、真空乾燥下の時間を増加させることができる。加えて、残留水分を排除するために、真空に加えて、窒素スパージラインを使用することができる。
【0099】
3.例示的なパーソナルクレンジング組成物
【表7】
【0100】
本発明のパーソナルクレンジング組成物A~Dは、最初にアクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、キサンタンガム、及びトリデセス-3(トリデセス-3/ポリマープレミックス)を予め混合することによって調製することができる。水を容器に添加し、次いで、混合しながらグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及び塩化ナトリウムを添加する。次いで、低減グリコールサルフェートトリデセス-2硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、及びトリデセス3/ポリマープレミックスを添加する。次いで、クエン酸を添加してpHを5.7に調整する。次いで、防腐剤及び香料を添加する。均質になるまで混合を継続する。次いで、SpeedMixerを使用して、有益剤を界面活性剤相に添加し、2,000rpmで1分間混合する。
【0101】
【表8】
【0102】
本発明のパーソナルクレンジング組成物E及びFは、以下のプロセスによって形成することができる。DI水を混合容器に添加する。低減グリコールサルフェート/スクラブされた低減グリコールサルフェートラウレス-3硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びコカミドプロピルベタインを混合容器に添加し、続いて容器内容物を撹拌する。次いで、香料を混合物に添加して少なくとも10分間混合する。次いで、安息香酸ナトリウムを添加し、少なくとも2分間混合物に溶解させる。クエン酸を使用して、約6.5~約7.5のpHに達するまで混合物を滴定し、続いて防腐剤を添加し、次いで抗菌活性物質を添加する。混合物を均質になるまで混合する。次いで、塩化ナトリウムを添加し、少なくとも2分間混合物に溶解させる。次いで、DI水及び/又は塩化ナトリウムを添加して、4,500~7,500cPの標的範囲を有する混合物の粘度を調整する。
【0103】
4.本発明の洗濯配合物
以下は、例示的な液体洗濯洗剤配合物である。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、本発明のプロセスに従って/本発明による界面活性剤中間体から誘導され得る。
【0104】
【表9】
1 AESのアルキル部分が約13.9~約14.6個の炭素原子を含む、C12~15のEO2.5Sアルキルエトキシサルフェート
2 BASFから市販されているPE-20
3 ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願第19219568.3号に特許請求されているとおりである
4 酸化防止剤1は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル[6386-38-5]である
5 酸化防止剤2は、BASFから市販されているTinogard TSである
6 衛生剤は、BASFから市販されているTinosan HP 100である薬剤である
7 Dow Corningから供給された消泡剤ブレンド、80~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、5~14%のステアリン酸オクチル中のMQ樹脂、3~7%の変性シリカ。
8 蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホナート、又は2,2′-([1,1′-ビフェニル]-4,4′-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸ジナトリウム塩である。
【0105】
5.本発明の水溶性単位用量配合物
以下は、例示的な水溶性単位用量配合物である。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、本発明のプロセスに従って/本発明による界面活性剤中間体から誘導され得る。組成物は、単一チャンバ水溶性単位用量物品の一部であってもよく、又は複数の区画にわたって分割されて、以下の「区画全体が平均化された」全物品組成物をもたらし得る。
【0106】
【表10】
【0107】
6.本発明の液体手洗い用食器洗浄洗剤
以下は、例示的な液体手洗い用食器洗浄洗剤配合物である。配合物は、個々の成分の標準的な混合によって作製することができる。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、本発明のプロセスに従って/本発明による界面活性剤中間体から誘導され得る
【0108】
【表11】
【0109】
組み合わせ
A.低減グリコール脂肪アルコールエトキシレート材料を生成する方法であって、脂肪アルコールエトキシレート材料の形成後に、脂肪アルコールエトキシレート材料中のグリコールの少なくとも一部分を除去することを含む、方法。
【0110】
B.グリコールが、エチレングリコールオリゴマーを含む、段落Aに記載の方法。
【0111】
C.エチレングリコールオリゴマーが、HO(CHCHO)Hの化学式を含み、式中、nが、2~約30、好ましくは2~約25、より好ましくは2~約15、更により好ましくは2~約10、及び最も好ましくは2~約5である、段落A又はBに記載の方法。
【0112】
D.グリコールの少なくとも一部分が、脂肪アルコールエトキシレート材料からグリコールを抽出することによって除去される、段落A~Cのいずれかに記載の方法。
【0113】
E.グリコールの少なくとも一部分が、水で抽出される、段落Dに記載の方法。
【0114】
F.グリコールが、脂肪アルコールエトキシレート水混合物のゲル化点を超える温度で抽出される、段落D又はEに記載の方法。
【0115】
G.抽出温度が、約65℃~約90℃、好ましくは約67℃~約88℃、又はより好ましくは約70℃~約85℃である、段落Fに記載の方法。
【0116】
H.グリコールが、約70℃の温度で抽出される、段落Fに記載の方法。
【0117】
I.グリコールの少なくとも一部分が、水及び塩化ナトリウムの組み合わせで抽出される、段落D~Hのいずれかに記載の方法。
【0118】
J.低減グリコール脂肪アルコール材料が、水の少なくとも一部分を乾燥させることによって濃縮している、段落D~Iのいずれかに記載の方法。
【0119】
K.低減グリコール脂肪アルコール材料中のグリコールの量が、約0ppm~約100ppm、好ましくは約0ppm~約90ppm、より好ましくは約0ppm~約80ppm、更により好ましくは約0ppm~約70ppm、更により好ましくは約0ppm~約60ppm、更により好ましくは約0ppm~約50ppm、更により好ましくは約0ppm~約40ppm、更により好ましくは約0ppm~約30ppm、更により好ましくは約0ppm~約20ppm、及び最も好ましくは約0ppm~約10ppmである、段落A~Jのいずれかに記載の方法。
【0120】
L.低減グリコール脂肪アルコール材料中のグリコールの量が、グリコールの少なくとも一部分の除去前の脂肪アルコール材料のものよりも、少なくとも10重量%少ない、好ましくは約10重量%~約100重量%少ない、約15重量%~約95重量%少ない、約15重量%~約90重量%少ない、約15重量%~約85重量%少ない、約20重量%~約95重量%少ない、約20重量%~約90重量%少ない、約20重量%~約85少ない、約25重量%~約95重量%少ない、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約75重量%、約30重量%~約95重量%、約30重量%~約90重量%、約30重量%~約85重量%、及び/又は約30重量%~約75重量%少ない、段落A~Kのいずれかに記載の方法。
【0121】
M.脂肪アルコールエトキシレート材料が、ラウレス-1、ラウレス-2、ラウレス-3、トリデセス-1、トリデセス-2、トリデセス-2.5、トリデセス-3、又はそれらの組み合わせを含む、段落A~Lのいずれかに記載の方法。
【0122】
N.脂肪アルコールエトキシレート材料を生成する方法であって、段落A~Mのいずれかに記載の低減グリコール脂肪アルコール材料をスクラブして、1,4-ジオキサンの少なくとも一部分を除去することを含む、方法。
【0123】
O.アルコールエトキシレート材料中のエチレングリコールオリゴマーの量を低減する方法であって、アルコールエトキシレート材料からエチレングリコールオリゴマーを抽出することを含む、方法。
【0124】
P.グリコールが、エチレングリコールオリゴマーを含む、段落Oに記載の方法。
【0125】
Q.エチレングリコールオリゴマーが、HO(CHCHO)Hの化学式を含み、式中、nが、2~約30、好ましくは2~約25、より好ましくは2~約15、更により好ましくは2~約10、及び最も好ましくは2~約5である、段落O又はPに記載の方法。
【0126】
R.グリコールの少なくとも一部分が、脂肪アルコールエトキシレート材料からグリコールを抽出することによって除去される、段落O~Qのいずれかに記載の方法。
【0127】
S.グリコールの少なくとも一部分が、水で抽出される、段落Rに記載の方法。
【0128】
T.グリコールが、脂肪アルコールエトキシレート水混合物のゲル化点を超える温度で抽出される、段落R又はSに記載の方法。
【0129】
U.抽出温度が、約65℃~約90℃、好ましくは約67℃~約88℃、又はより好ましくは約70℃~約85℃である、段落Sに記載の方法。
【0130】
V.グリコールが、約70℃の温度で抽出される、段落Sに記載の方法。
【0131】
W.グリコールの少なくとも一部分が、水及び塩化ナトリウムの組み合わせで抽出される、段落R~Vのいずれかに記載の方法。
【0132】
X.低減グリコール脂肪アルコール材料が、水の少なくとも一部分を乾燥させることによって濃縮している、段落R~Wのいずれかに記載の方法。
【0133】
Y.低減グリコール脂肪アルコール材料中のグリコールの量が、約0ppm~約100ppm、好ましくは約0ppm~約90ppm、より好ましくは約0ppm~約80ppm、更により好ましくは約0ppm~約70ppm、更により好ましくは約0ppm~約60ppm、更により好ましくは約0ppm~約50ppm、更により好ましくは約0ppm~約40ppm、更により好ましくは約0ppm~約30ppm、更により好ましくは約0ppm~約20ppm、及び最も好ましくは約0ppm~約10ppmである、段落O~Xのいずれかに記載の方法。
【0134】
Z.低減グリコール脂肪アルコール材料中のグリコールの量が、グリコールの少なくとも一部分の除去前の脂肪アルコール材料のものよりも、少なくとも10重量%少ない、好ましくは約10%~約100%少ない、約15重量%~約95重量%、約15重量%~約90重量%、約15重量%~約85重量%、約20重量%~約95重量%、約20重量%~約90重量%、約20重量%~約85重量%、約25重量%~約95重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約75重量%、約30重量%~約95重量%、約30重量%~約90重量%、約30重量%~約85重量%、及び/又は約30重量%~約75重量%少ない、段落O~Yのいずれかに記載の方法。
【0135】
AA.脂肪アルコールエトキシレート材料が、ラウレス-1、ラウレス-2、ラウレス-3、トリデセス-1、トリデセス-2、トリデセス-2.5、トリデセス-3、又はそれらの組み合わせを含む、段落O~Zのいずれかに記載の方法。
【0136】
A2.低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤を生成する方法であって、エトキシル化脂肪アルコール原材料を硫酸化する前にエトキシル化脂肪アルコール原材料中のグリコールの少なくとも一部分を除去して、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤を生成することを含む、方法。
【0137】
B2.グリコールが、エチレングリコールオリゴマーを含む、段落A2に記載の方法。
【0138】
C2.エチレングリコールオリゴマーが、HO(CHCHO)Hの化学式を含み、式中、nが、2~約30、好ましくは2~約25、より好ましくは2~約15、更により好ましくは2~約10、及び最も好ましくは2~約5である、段落A2又はB2に記載の方法。
【0139】
D2.グリコールの少なくとも一部分が、エトキシル化脂肪アルコール原材料からグリコールを抽出することによって除去される、段落A2~C2のいずれかに記載の方法。
【0140】
E2.グリコールの少なくとも一部分が、水で抽出される、段落D2に記載の方法。
【0141】
F2.グリコールが、脂肪アルコールエトキシレート水混合物のゲル化点を超える温度で抽出される、段落D2又はE2に記載の方法。
【0142】
G2.抽出温度が、約65℃~約90℃、好ましくは約67℃~約88℃、又はより好ましくは約70℃~約85℃である、段落F2に記載の方法。
【0143】
H2.グリコールが、約70℃の温度で抽出される、段落F2に記載の方法。
【0144】
I2.グリコールの少なくとも一部分が、水及び塩化ナトリウムの組み合わせで抽出される、段落D2~H2のいずれかに記載の方法。
【0145】
J2.抽出後、エトキシル化脂肪アルコール原材料が、水の少なくとも一部分を乾燥させることによって濃縮される、段落D2~I2のいずれかに記載の方法。
【0146】
K2.グリコールの少なくとも一部分の除去後のエトキシル化脂肪アルコール原材料中のグリコールの量が、約0ppm~約100ppm、好ましくは約0ppm~約90ppm、より好ましくは約0ppm~約80ppm、更により好ましくは約0ppm~約70ppm、更により好ましくは約0ppm~約60ppm、更により好ましくは約0ppm~約50ppm、更により好ましくは約0ppm~約40ppm、更により好ましくは約0ppm~約30ppm、更により好ましくは約0ppm~約20ppm、及び最も好ましくは約0ppm~約10ppmである、段落A2~J2のいずれかに記載の方法。
【0147】
L2.グリコールの少なくとも一部分の除去後のエトキシル化脂肪アルコール原材料中のグリコールの量が、グリコールの少なくとも一部分の除去前のエトキシル化脂肪アルコール原材料のものよりも、少なくとも10重量%少ない、好ましくは約10重量%~約100重量%少ない、約15重量%~約95重量%少ない、約15重量%~約90重量%少ない、約15重量%~約85重量%少ない、約20重量%~約95重量%少ない、約20重量%~約90重量%少ない、約20重量%~約85少ない、約25重量%~約95重量%少ない、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約75重量%、約30重量%~約95重量%、約30重量%~約90重量%、約30重量%~約85重量%、及び/又は約30重量%~約75重量%少ない、段落A2~K2のいずれかに記載の方法。
【0148】
M2.低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤が、ラウレス-1硫酸ナトリウム、ラウレス-2硫酸ナトリウム、ラウレス-3硫酸ナトリウム、トリデセス-1硫酸ナトリウム、トリデセス-2硫酸ナトリウム、トリデセス-2.5硫酸ナトリウム、トリデセス-3硫酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む、段落A2~L2のいずれかに記載の方法。
【0149】
N2.低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤中のグリコールサルフェートの重量による量が、100重量ppm以下である、段落A2~M2のいずれかに記載の方法。
【0150】
O2.低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤が、100重量ppm以下のジエチレングリコールモノサルフェートを有する、段落A2~N2のいずれかに記載の方法。
【0151】
P2.低減グリコールエトキシル化サルフェート界面活性剤中のグリコールサルフェートの量が、約0ppm~約100ppm、約0ppm~約90ppm、約0ppm~約80ppm、約0ppm~約70ppm、約0ppm~約60ppm、約0ppm~約50ppm、約0ppm~約40ppm、約0ppm~約30ppm、約0ppm~約20ppm、又は約0ppm~約10ppmである、段落A2~O2のいずれかに記載の方法。
【0152】
Q2.硫酸化反応が、100%未満の完了まで行われる、段落A2~P2のいずれかに記載の方法。
【0153】
R2.硫酸化反応が、97%、94%、又は90%の完了まで行われる、段落Q2に記載の方法。
【0154】
S2.低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤を生成するための、低減グリコールエトキシル化材料の使用。
【0155】
T2.エトキシル化サルフェート界面活性剤を生成する方法であって、段落A~Rのいずれかに記載の低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤をスクラブして、1,4-ジオキサンの少なくとも一部分を除去することを含む、方法。
【0156】
U2.低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤を生成する方法であって、低減グリコール脂肪アルコールを硫酸化して、低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤を生成することを含む、方法。
【0157】
V2.グリコールが、エチレングリコールオリゴマーを含む、段落U2に記載の方法。
【0158】
W2.エチレングリコールオリゴマーが、HO(CHCHO)Hの化学式を含み、式中、nが、2~約30、好ましくは2~約25、より好ましくは2~約15、更により好ましくは2~約10、及び最も好ましくは2~約5である、段落U2又はV2に記載の方法。
【0159】
X2.グリコールの少なくとも一部分が、エトキシル化脂肪アルコール原材料からグリコールを抽出することによって除去される、段落U2~W2のいずれかに記載の方法。
【0160】
Y2.グリコールの少なくとも一部分が、水で抽出される、段落X2に記載の方法。
【0161】
Z2.グリコールが、脂肪アルコールエトキシレート水混合物のゲル化点を超える温度で抽出される、段落X2又はY2に記載の方法。
【0162】
AA2.抽出温度が、約65℃~約90℃、好ましくは約67℃~約88℃、又はより好ましくは約70℃~約85℃である、段落Z2に記載の方法。
【0163】
BB2.グリコールが、約70℃の温度で抽出される、段落Z2に記載の方法。
【0164】
CC2.グリコールの少なくとも一部分が、水及び塩化ナトリウムの組み合わせで抽出される、段落X2~BB2のいずれかに記載の方法。
【0165】
DD2.抽出後、エトキシル化脂肪アルコール原材料が、水の少なくとも一部分を乾燥させることによって濃縮される、段落X2~CC2のいずれかに記載の方法。
【0166】
EE2.低減グリコール脂肪アルコール中のグリコールの量が、約0ppm~約100ppm、好ましくは約0ppm~約90ppm、より好ましくは約0ppm~約80ppm、更により好ましくは約0ppm~約70ppm、更により好ましくは約0ppm~約60ppm、更により好ましくは約0ppm~約50ppm、更により好ましくは約0ppm~約40ppm、更により好ましくは約0ppm~約30ppm、更により好ましくは約0ppm~約20ppm、及び最も好ましくは約0ppm~約10ppmである、段落U2~DD2のいずれかに記載の方法。
【0167】
FF2.低減グリコール脂肪アルコール中のグリコールの量が、グリコールの少なくとも一部分の除去前のエトキシル化脂肪アルコール原材料のものよりも、少なくとも10重量%少ない、好ましくは約10重量%~約100重量%少ない、約15重量%~約95重量%少ない、約15重量%~約90重量%少ない、約15重量%~約85重量%少ない、約20重量%~約95重量%少ない、約20重量%~約90重量%少ない、約20重量%~約85少ない、約25重量%~約95重量%少ない、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約75重量%、約30重量%~約95重量%、約30重量%~約90重量%、約30重量%~約85重量%、及び/又は約30重量%~約75重量%少ない、段落U2~EE2のいずれかに記載の方法。
【0168】
GG2.低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤が、ラウレス-1硫酸ナトリウム、ラウレス-2硫酸ナトリウム、ラウレス-3硫酸ナトリウム、トリデセス-1硫酸ナトリウム、トリデセス-2硫酸ナトリウム、トリデセス-2.5硫酸ナトリウム、トリデセス-3硫酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む、段落U2~FF2のいずれかに記載の方法。
【0169】
HH2.低減グリコールサルフェートエトキシル化界面活性剤中のグリコールサルフェートの重量による量が、100重量ppm以下である、段落U~GG2のいずれかに記載の方法。
【0170】
II2.低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤が、100重量ppm以下のジエチレングリコールモノサルフェートを有する、段落U2~HH2のいずれかに記載の方法。
【0171】
JJ2.低減グリコールエトキシル化サルフェート界面活性剤中のグリコールサルフェートの量が、約0ppm~約100ppm、約0ppm~約90ppm、約0ppm~約80ppm、約0ppm~約70ppm、約0ppm~約60ppm、約0ppm~約50ppm、約0ppm~約40ppm、約0ppm~約30ppm、約0ppm~約20ppm、又は約0ppm~約10ppmである、段落U2~II2のいずれかに記載の方法。
【0172】
KK2.硫酸化反応が、100%未満の完了まで行われる、段落U2~JJ2のいずれかに記載の方法。
【0173】
LL2.硫酸化反応が、97%、94%、又は90%の完了まで行われる、段落KK2に記載の方法。
【0174】
MM2.エトキシル化サルフェート界面活性剤を生成する方法であって、段落U~LLのいずれかに記載の低減グリコールサルフェートエトキシル化サルフェート界面活性剤をスクラブして、1,4-ジオキサンの少なくとも一部分を除去することを含む、方法。
【0175】
A3.界面活性剤は、100重量ppm以下の遊離グリコールを有するエトキシル化脂肪アルコールを含む。
【0176】
B3.遊離グリコールが、エチレングリコールオリゴマーを含む、段落A3に記載の界面活性剤。
【0177】
C3.エチレングリコールオリゴマーが、HO(CHCHO)Hの化学式を含み、式中、nが、2~約30、好ましくは2~約25、より好ましくは2~約15、更により好ましくは2~約10、及び最も好ましくは2~約5である、段落A3又はB3に記載の界面活性剤。
【0178】
D3.エトキシル化脂肪アルコール中の遊離グリコールの量が、約0ppm~約100ppm、好ましくは約0ppm~約90ppm、より好ましくは約0ppm~約80ppm、更により好ましくは約0ppm~約70ppm、更により好ましくは約0ppm~約60ppm、更により好ましくは約0ppm~約50ppm、更により好ましくは約0ppm~約40ppm、更により好ましくは約0ppm~約30ppm、更により好ましくは約0ppm~約20ppm、及び最も好ましくは約0ppm~約10ppmである、段落A3~C3のいずれかに記載の界面活性剤。
【0179】
E3.エトキシル化脂肪アルコールが、2-トリデシルアルコールエトキシレート、アルコールエトキシレート-2、3-トリデシルアルコール、アルコールエトキシレート-1、アルコールエトキシレート1.8、又はそれらの組み合わせを含む、段落A3~D3のいずれかに記載の界面活性剤。
【0180】
F3.界面活性剤は、100重量ppm以下のジエチレングリコールモノサルフェートナトリウムを有する硫酸化エトキシル化アルコールを含む。
【0181】
G3.ジエチレングリコールモノサルフェートナトリウムの量が、約0ppm~約100ppm、約0ppm~約90ppm、約0ppm~約80ppm、約0ppm~約70ppm、約0ppm~約60ppm、約0ppm~約50ppm、約0ppm~約40ppm、約0ppm~約30ppm、約0ppm~約20ppm、又は約0ppm~約10ppmである、段落F3に記載の界面活性剤。
【0182】
H3.硫酸化エトキシル化アルコールが、ラウレス-1硫酸ナトリウム、ラウレス-1.8硫酸ナトリウム、ラウレス-2硫酸ナトリウム、ラウレス-2.5硫酸ナトリウム、ラウレス-3硫酸ナトリウム、トリデセス-2硫酸ナトリウム、トリデセス-3硫酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む、段落F3又はG3に記載の界面活性剤。
【0183】
I3.クレンジング組成物は、段落A3~H3のいずれかに記載の界面活性剤及び水を含む。
【0184】
J3.水が、10%~約90%、好ましくは約20%~約80%、より好ましくは約30%~約75%、又は更により好ましくは約40%~約75%のレベルで存在する、段落I3に記載のクレンジング組成物。
【0185】
K3.ジオキサン変換を遅延させる方法であって、エトキシル化脂肪アルコール原材料のpHを約6~約11、好ましくは約7~約10.5、より好ましくは約7~約8、更により好ましくは約9.5~約11、又は最も好ましくは約10~約11に緩衝することを含み、pHが、10%溶液として測定される、方法。
【0186】
L3.ジオキサン変換を遅延させる方法であって、硫酸化エトキシル化アルコール界面活性剤原材料のpHを、約6~約11、好ましくは約7~約10.5、より好ましくは約7~約8、更により好ましくは約9.5~約11、又は最も好ましくは約10~約11に緩衝することを含み、pHが、10%溶液として測定される、方法。
【0187】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0188】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張するあらゆる特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0189】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
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