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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ガス検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/00 20060101AFI20250109BHJP
   G01N 27/12 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01N1/00 101X
G01N27/12 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023129311
(22)【出願日】2023-08-08
(62)【分割の表示】P 2021542975の分割
【原出願日】2020-08-26
(65)【公開番号】P2023145763
(43)【公開日】2023-10-11
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2019154992
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】上山 大輔
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-283363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0360245(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00 - 1/44
G01N 27/00 - 27/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルガスを吸引可能な第1吸引部と、
プラグ受けに差し込まれる差込プラグと、
前記プラグ受けが設置される面を貫通する孔からパージガスを吸引可能な第2吸引部と、
前記サンプルガス及び前記パージガスに基づいて、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の少なくとも一方を検出するガスセンサと、を備え、
前記第2吸引部は、前記第1吸引部及び前記ガスセンサが位置する第1空間に対し、前記面で隔てられた第2空間に位置するガスを前記パージガスとして吸引可能であり、
前記第1吸引部、前記第2吸引部、及び前記ガスセンサの少なくとも1つは、前記差込プラグを介して電力が供給される、ガス検出装置。
【請求項2】
前記第2吸引部は前記プラグ受けが設置される壁を貫通し、
前記第2吸引部は、前記第1吸引部及び前記ガスセンサが位置する第1空間に対し、前記壁で隔てられた第2空間に位置するガスを前記パージガスとして吸引可能である、請求項1に記載のガス検出装置。
【請求項3】
前記差込プラグが前記プラグ受けに差し込まれた状態で、前記差込プラグは前記プラグ受けから電力を受電するとともに、前記第2吸引部は前記第2空間からパージガスを吸引可能に構成される、請求項1又は2に記載のガス検出装置。
【請求項4】
前記差込プラグから伸びる給電ケーブルを更に有し、
前記第2吸引部及び前記給電ケーブルは部分的にまとめられている、請求項1から3のいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項5】
前記第2吸引部は前記第1空間に位置するポンプを有し、
前記第2吸引部は、前記ポンプにより、前記第2空間に位置するガスを前記パージガスとして吸引可能である、請求項1から4のいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項6】
前記ガスセンサは、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出可能である、請求項1からのいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項7】
前記第2空間は、前記第1空間に対し、前記面を構成する壁の裏側の空間である、請求項1からのいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項8】
前記第2吸引部は、前記パージガスを貯留可能なパージガス貯留槽を有する、請求項1からのいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項9】
前記ガスセンサは、前記パージガス貯留槽に貯留された前記パージガスが供給される、請求項に記載のガス検出装置。
【請求項10】
前記パージガス貯留槽は、前記第1空間に位置する、請求項8又は9に記載のガス検出装置。
【請求項11】
前記第2吸引部は前記面を貫通している、請求項1から10のいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項12】
前記第2吸引部の一部は、前記第2空間に位置している、請求項1から11のいずれかに記載のガス検出装置。
【請求項13】
前記差込プラグと電気的に接続された電力供給部を更に有し、
前記電力供給部は、前記差込プラグから受電した電力を、前記第1吸引部、前記第2吸引部、及び前記ガスセンサの少なくとも1つに供給する、請求項1から12のいずれかに記載のガス検出装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年8月27日に日本国に特許出願された特願2019-154992の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガス検出装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、匂いを検出可能な匂いセンサ、又はガスの濃度を検出するガス濃度センサのようなセンサが知られている。例えば、特許文献1は、空気の匂いを測定する際に、空気中に含まれる匂い物質を検出するセンサを開示している。
【0004】
また、電子機器を動作させる際に、例えばいわゆるコンセントのような配線用差込接続器を用いて電力を供給することがある。例えば、特許文献2は、コンセントに排気ファンを設けて排気装置を構成することで、排気装置の設置に必要な壁面等の加工の手間を、コンセントと排気装置とで共通化することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2018/061092号
【文献】特開2017-219208号公報
【発明の概要】
【0006】
一実施形態に係るガス検出装置は、
サンプルガスを吸引可能な第1吸引部と、
プラグ受けに差し込まれる差込プラグと、
前記プラグ受けが設置される面を貫通する孔からパージガスを吸引可能な第2吸引部と、
前記サンプルガス及び前記パージガスに基づいて、前記サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の少なくとも一方を検出するガスセンサと、を備える。
前記第2吸引部は、前記第1吸引部及び前記ガスセンサが位置する第1空間に対し、前記面で隔てられた第2空間に位置するガスを前記パージガスとして吸引可能である。
前記第1吸引部、前記第2吸引部、及び前記ガスセンサの少なくとも1つは、前記差込プラグを介して電力が供給される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るガス検出装置及び配線用差込接続器の構成を概略的に示す図である。
図2】一実施形態に係る配線用差込接続器のソケット部の構成を概略的に示す図である。
図3】一実施形態に係る配線用差込接続器のプラグ部の構成を概略的に示す図である。
図4】一実施形態に係る配線用差込接続器のプラグ部の構成を概略的に示す図である。
図5】一実施形態に係る配線用差込接続器のプラグ部の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ガス検出装置に電力を供給するのに適した配線用差込接続器、及び、当該配線用差込接続器に接続するのに適したガス検出装置があれば、ガス検出装置及び配線用差込接続器の利便性を高めることができる。本開示の目的は、利便性を高めたガス検出装置を提供することにある。一実施形態によれば、利便性を高めたガス検出装置を提供することができる。
【0009】
本開示において、配線用差込接続器とは、電気配線の一種とし、電気機器に電力を供給するための接続器(コネクタ)としてよい。また、配線用差込接続器は、差込プラグ及びプラグ受けの少なくとも一方を含んでよい。配線用差込接続器は、差込プラグをプラグ受けに抜き差しすることによって、電気的接続及び断路を可能にする。
【0010】
本開示において、配線用差込接続器とは、差込プラグを含むプラグ部、及びプラグ受けを含むソケット部の少なくとも一方を含むものとする。また、本開示において、配線用差込接続器のプラグ部に含まれる差込プラグは、配線用差込接続器のソケット部に含まれるプラグ受けに差し込み接続することができるものとして説明する。本開示において、配線用差込接続器、差込プラグ、及びプラグ受けなどは、例えばJIS C 8303-1993において規格化されたものとしてよい。一実施形態において、配線用差込接続器の差込プラグとは、例えば、一般的な家庭用100Vコンセント(JIS C 8303において規格化された2極コンセント 15A 125V)平行型としてよい。また、一実施形態において、配線用差込接続器のプラグ受けとは、例えば、アウトレット、ソケット、レセプタクル、又は、いわゆるコンセントなどとしてもよい。しかしながら、一実施形態に係る配線用差込接続器の差込プラグ及び配線用差込接続器のプラグ受けは、上述のものに限定されるものではなく、各種の構成を採用してよい。以下、一実施形態に係るガス検出装置及び配線用差込接続器について、図面を参照して説明する。
【0011】
(ガス検出装置及び配線用差込接続器)
図1は、一実施形態に係る配線用差込接続器のプラグ部20を含むガス検出装置1、及び、一実施形態に係る配線用差込接続器のソケット部40を示している。図1は、一実施形態に係るガス検出装置1を構成する各要素の機能ブロックを示している。また、図1は、ソケット部40を中心とする各要素の断面を模式的に示している。図1は、ソケット部40を中心とする各要素の断面の一例を、例えば上から見た様子を示しているものとしてよい。
【0012】
図1に示すように、ガス検出装置1は、ガス吸引部3と、ガスセンサ10と、プラグ部20とを備えている。また、図1に示すように、配線用差込接続器のプラグ部20は、差込プラグ22を備えている。ガス検出装置1は、プラグ部20の差込プラグ22から電力を供給されることにより、動作することができる。さらに、図1に示すように、配線用差込接続器のソケット部40は、プラグ受け42を備えている。また、図1に示すように、配線用差込接続器のソケット部40において、プラグ受け42は、壁面(面60)に設置されてよい。ここで、面60は、例えば部屋の側面を構成する壁の面などとしてよい。
【0013】
(ガス検出装置)
まず、一実施形態に係るガス検出装置について説明する。ガス検出装置1は、サンプルガス及びパージガスを吸引することにより、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の少なくとも一方を検出する。ガス検出装置1は、求められる用途及び仕様等に応じて、各種の構成とすることができる。以下、ガス検出装置1として典型的な例について説明するが、ガス検出装置1は、以下の典型的な例に限定されない。
【0014】
上述のように、ガス検出装置1は、ガス吸引部3と、ガスセンサ10と、プラグ部20と、を備えている。図1に示すように、ガス吸引部3とガスセンサ10との間は、ガス導入管5によって接続されている。
【0015】
ガス吸引部3は、例えば、図1に示す矢印の方向からサンプルガスを吸引する。このため、ガス吸引部3は、ガス吸引孔などを適宜有してよい。ガス吸引部3は、ガス吸引孔などから吸引したサンプルガスを、ガスセンサ10に供給する。
【0016】
ガスセンサ10は、図1に示すように、例えば、ガスチェンバ12、センサ部14、電力供給部16、及びポンプ18などを備えてよい。一実施形態において、ガスセンサ10は、図1に示す各機能部のうち一部を省略してもよいし、図1に示す各機能部以外の機能部を適宜備えてもよい。
【0017】
ガスチェンバ12は、ガス導入管5を経てガス吸引部3に接続される。したがって、ガス吸引部3がガス吸引孔などから吸引したサンプルガスは、ガスセンサ10においてガスチェンバ12に供給される。また、後述のように、ガスチェンバ12はチューブ状部材26にも接続される。したがって、チューブ状部材26を経て吸引されるパージガスも、ガスセンサ10においてガスチェンバ12に供給される。図1に示すように、チューブ状部材26は、ソケット部40が設置される壁の面60を貫通する孔62を経て、パージガスを吸引することができる。このように、一実施形態において、チューブ状部材26は、プラグ受け42が設置される面60を貫通する孔62からパージガスを吸引する。
【0018】
センサ部14は、ガスチェンバ12に供給されたガスの種類及び濃度の少なくとも一方を検出する。このため、センサ部14は、例えば、特定ガスの濃度に応じた電圧を出力するように構成してよい。上述のように、ガスセンサ10は、ガスチェンバ12にサンプルガス及びパージガスを供給することができる。このため、センサ部14は、サンプルガスのセンシングを行うに際し、パージガスを用いてリフレッシュを行うことができる。このように、ガスセンサ10は、ガス吸引部3から吸引されるサンプルガス及び孔62からチューブ状部材26を経て吸引されるパージガスに基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の少なくとも一方を検出する。また、センサ部14は、求められる用途及び仕様等に応じて、各種の構成とすることができる。センサ部14そのものは、従来の匂いセンサ又はガス濃度センサのような各種のセンサを採用することができる。
【0019】
電力供給部16は、ガスセンサ10をはじめとして、ガス検出装置1の全体を動作させるための電力を供給する。電力供給部16は、ガス検出装置1の外部から電力を供給されるように構成してよい。例えば、電力供給部16は、プラグ部20の差込プラグ22を用いて、外部のAC電源から電力を受電してよい。このため、図1に示すように、プラグ部20において、差込プラグ22は、ケーブル24を介してガスセンサ10の電力供給部16に接続されてよい。後述のように、差込プラグ22は、ソケット部40のプラグ受け42に差込接続されることにより、プラグ受け42から電力を受電することができる。このように、一実施形態において、差込プラグ22は、プラグ受け42に差し込まれる。
【0020】
ガスセンサ10に給電するケーブル24は、図1に示すように、上述したチューブ状部材26と部分的にまとめてもよい。一実施形態において、ケーブル24は、ガスセンサ10とソケット部40とを電気的に接続する。また、一実施形態において、チューブ状部材26は、ソケット部40からガスセンサ10にパージガスを導出する。このため、ケーブル24をチューブ状部材26と部分的にまとめる(束ねる)ことにより、互いに絡み合いにくくすることができる。
【0021】
電力供給部16は、例えば外部のAC電源から受電したAC電力をDC電力に変換する変換機などを、適宜含んで構成してもよい。また、電力供給部16は、充電可能なバッテリを備えてもよい。この場合、ガス検出装置1は、差込プラグ22がプラグ受け42に差し込まれることにより、電力供給部16のバッテリを充電することができる。また、ガス検出装置1は、電力供給部16のバッテリを充電した後、差込プラグ22をプラグ受け42から外しても、電力供給部16のバッテリによって動作することができる。
【0022】
ポンプ18は、ガス吸引部3からガス導入管5を経て、サンプルガスをガスチェンバ12に吸引する。ポンプ18は、ガスを一方から他方に送出することができれば、任意のものを採用してよい。ポンプ18は、例えばダイヤフラムポンプなどの任意のポンプとしてよい。また、ポンプ18は、後述のように、チューブ状部材26を経て、パージガスをガスチェンバ12に吸引してもよい。また、ポンプ18はバルブなどを用いて構成してよい。一実施形態において、ポンプ18は、1つ用いられるものとしてもよいし、ガス導入管5およびチューブ状部材26のそれぞれに対して1つ以上用いられるものとしてもよい。
【0023】
このように、ガス検出装置1は、例えば、ガス吸引部3と、ガスセンサ10と、差込プラグ22と、チューブ状部材26と、を含んで構成してよい。また、ガス検出装置1において、差込プラグ22がプラグ受け42に差し込まれた状態で、差込プラグ22はプラグ受け42から電力を受電するように構成される。このような電力の受電とともに、ガス検出装置1において、差込プラグ22がプラグ受け42に差し込まれた状態で、チューブ状部材26は孔62からパージガスを吸引可能に構成される。
【0024】
(プラグ部)
次に、一実施形態に係るプラグ部について、さらに説明する。上述のように、プラグ部20は、ガス検出装置1に含まれてよい。また、上述のように、プラグ部20は、ソケット部40のようなソケットに接続される。具体的には、プラグ部20における差込プラグ22は、例えばソケット部40におけるプラグ受け42に差し込まれる。プラグ部20における差込プラグ22は、ソケット部40におけるプラグ受け42以外のプラグ受けに差し込まれてもよい。プラグ部20は、求められる用途及び仕様等に応じて、各種の構成とすることができる。本開示において、一実施形態に係るプラグ部20として典型的な例について説明するが、一実施形態に係るプラグ部20は、本開示における典型的な例に限定されない。
【0025】
図1に示すように、プラグ部20は、差込プラグ22と、ケーブル24と、チューブ状部材26と、を含んで構成してよい。
【0026】
差込プラグ22は、前述のように、ソケット部40におけるプラグ受け42に差し込まれてよい。差込プラグ22は、従来既知の各種の差込プラグを採用してよい。例えば、差込プラグ22は、例えばJIS C 8303-1993において規格化されたものとしてよい。例えば、差込プラグ22は、一般的な家庭用100Vコンセント(JIS C 8303において規格化された2極コンセント 15A 125V)平行型としてよい。ただし、差込プラグ22は、前述のタイプのものに限定されず、他のタイプの差込プラグとしてもよい。
【0027】
チューブ状部材26は、図1に示すように、パージガスを、ソケット部40から孔62を経て吸引する。上述のように、チューブ状部材26を経て吸引されるパージガスは、ガスセンサ10においてガスチェンバ12に供給されてよい。チューブ状部材26は、例えば合成樹脂など各種の材料で構成してよい。チューブ状部材26は、パージガスを導出可能な任意の材料で構成してよい。後述のように、チューブ状部材26は、孔62に接続又は挿入されることにより、ソケット部40のプラグ受け42が設置される壁の面60を貫通する孔62を経て、パージガスを吸引することができる。チューブ状部材26は、孔62に接続又は挿入するために、曲げ変形が可能な材料で構成してよい。このように、一実施形態において、チューブ状部材26は、プラグ受け42が設置される面60を貫通する孔62からガスを吸引する。
【0028】
このように、配線用差込接続器(プラグ部20)は、差込プラグ22と、チューブ状部材26と、を含んで構成してよい。また、プラグ部20は、差込プラグ22がプラグ受け42に差し込まれた状態で、差込プラグ22はプラグ受け42から電力を受電するように構成される。このような電力の供給とともに、プラグ部20は、チューブ状部材26は孔62からガスを吸引可能に構成される。
【0029】
(ソケット部)
次に、一実施形態に係るソケット部について説明する。上述のように、ソケット部40には、例えばガス検出装置1のような電子機器のプラグが接続される。具体的には、ソケット部40におけるプラグ受け42には、例えばガス検出装置1のプラグ部20における差込プラグ22が差し込まれる。ソケット部40におけるプラグ受け42には、ガス検出装置1以外の電子機器などの差込プラグが差し込まれてもよい。ソケット部40は、求められる用途及び仕様等に応じて、各種の構成とすることができる。以下、一実施形態に係るソケット部40として典型的な例について説明するが、ソケット部40は、以下の典型的な例に限定されない。
【0030】
図1に示すように、ソケット部40は、プラグ受け42と、孔62と、を含んで構成してよい。また、図1に示すように、ソケット部40は、ポンプ44を含んでもよい。さらに、図1に示すように、ソケット部40は、カバープレート46を含んでもよい。
【0031】
上述のように、ソケット部40のプラグ受け42は、壁面(面60)に設置されてよい。面60は、例えば部屋の側面を構成する壁の面などとしてよい。図1に示すように、面60は、空間S1と空間S2とを、少なくとも部分的に分離してよい。このように、一実施形態において、プラグ受け42が設置される壁面(面60)は、孔62を経て連通される空間を少なくとも部分的に分離してよい。
【0032】
ここで、空間S1は、例えば、面60によって画成される部屋の内部空間(通常、人などが居住する空間)としてよい。一実施形態において、空間S1は、ガス検出装置1が使用される空間(部屋など)としてよい。この場合、空間S2は、例えば、面60を構成する壁の裏側の空間(通常、人などが居住しない空間)としてよい。すなわち、この場合、空間S2は、面60を構成する壁と、建物の外壁との間に形成される空間としてよい。一実施形態において、空間S2は、ガス検出装置1が使用されない空間(部屋など)としてよい。このように、面60を構成する壁は、空間S1と空間S2とを、少なくとも部分的に分離する。
【0033】
プラグ受け42は、プラグ部20の差込プラグ22が差し込まれてよい。このように、一実施形態において、プラグ受け42には、差込プラグ22が差し込まれる。プラグ受け42は、従来既知の各種のプラグ受けを採用してよい。例えば、プラグ受け42は、例えば、JIS C 8303-1993において規格化されたものとしてよい。ただし、プラグ受け42は、前述のタイプのものに限定されず、他のプラグ受けとしてもよい。
【0034】
図1に示すように、プラグ受け42は、例えば系統などから電力を受電する。プラグ受け42は、例えば壁の裏側において配線された電源ケーブルから電力を受電してよい。このような配線により、プラグ受け42は、差込プラグ22が差し込まれると、差込プラグ22に電力を供給することができる。プラグ受け42は、任意の構成によって、例えば系統などの外部から電力を受電してよい。
【0035】
孔62は、図1に示すように、例えば壁によって構成される面60を貫通する。ここで、面60には、ソケット部40のプラグ受け42が設置される。このように、一実施形態において、孔62は、プラグ受け42が設置される面60を貫通する。孔62は、必ずしも面60を構成する壁を貫通させなくてもよい。例えば、孔62は、面60を構成する壁を直接貫通させる代わりに、プラグ受け42を貫通するようにしてもよい。この場合も、孔62は、プラグ受け42が設置される面60を貫通する。図1に示すように、ソケット部40において、孔62は、例えばチューブ状部材26のような導出管を接続可能又は挿入可能に構成してよい。
【0036】
図1に示すように、例えばチューブ状部材26のような導出管が接続又は挿入された孔62は、チューブ状部材26のような導出管を経て、パージガスをガスセンサ10に供給することができる。ソケット部40において孔62がパージガスを導出する機構は、種々のものを採用してよい。
【0037】
例えば、ソケット部40の筐体(例えば図1において破線により示す)の内部に存在するガスをパージガスとして、チューブ状部材26のような導出管に導出してもよい。また、チューブ状部材26のような導出管を、ソケット部40の筐体の外部まで導くように構成してもよい。この場合、ソケット部40の筐体の外部に存在するガスをパージガスとして、チューブ状部材26のような導出管に導出してもよい。また、ソケット部40の筐体の外部に存在するガスをソケット部40の筐体の内部に導くように構成してもよい。この場合、ソケット部40の筐体の内部に存在するガスをパージガスとして、チューブ状部材26のような導出管に導出してもよい。要するに、ソケット部40は、空間S2側に存在するガスをパージガスとして、チューブ状部材26のような導出管に導出してよい。
【0038】
前述のいずれの例の場合も、空間S2側に存在するガスをパージガスとして、空間S1側に供給することができる。ガス検出装置1が検出に用いるサンプルガスは、空間S1側から供給される。上述のように、空間S1と空間S2とは、少なくとも部分的に分離される。したがって、一実施形態に係るガス検出装置1によれば、ガス検出装置1に供給されるパージガスに、サンプルガスが混入することは抑制される。このため、一実施形態に係るガス検出装置1は、サンプルガス及びパージガスに基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度の少なくとも一方を良好に検出することができる。
【0039】
ポンプ44は、パージガスをチューブ状部材26に導出する。これにより、ポンプ44は、パージガスを孔62から導出することができる。ポンプ44は、ガスを一方から他方に送出することができれば、任意のものを採用してよい。ポンプ44は、例えばダイヤフラムポンプなどの任意のポンプとしてよい。このように、一実施形態に係るソケット部40は、孔62からガスを導出するポンプ44を備えてもよい。
【0040】
また、一実施形態において、ソケット部40は、ポンプ44を備えずに省略してもよい。この場合、ガスセンサ10の1つ以上のポンプ18が、パージガスをチューブ状部材26に吸引してもよい。すなわち、ポンプ18は、チューブ状部材26を経て、パージガスをガスチェンバ12に吸引してもよい。このように、一実施形態において、孔62からガスを吸引するポンプ18を備えてもよい。この場合、ポンプ18は、例えばチューブ状部材26の先端部分などに設けられてもよい。ここで、チューブ状部材26の先端部分とは、チューブ状部材26の孔62に接続又は挿入される部分、あるいは当該部分の近傍としてよい。
【0041】
カバープレート46は、図1に示すように、面60を構成する壁などに取り付けられてよい。カバープレート46は、面60を構成する壁などに取り付けられることにより、ガス検出装置1が使用される部屋内部の空間S1に、プラグ受け42の全体が露出しないようにできる。カバープレート46は、単なる意匠的な部材としてもよい。また、一実施形態において、ソケット部40は、カバープレート46を備えずに省略してもよい。カバープレート46は、プラグ受け42を、面60を構成する壁などに固定する部材としてもよい。すなわち、プラグ受け42がカバープレート46に固定されるように構成し、カバープレート46が面60を構成する壁などに固定されるように構成してもよい。この場合、プラグ受け42を、面60を構成する壁などに直接固定する必要はなくなる。
【0042】
このように、配線用差込接続器(ソケット部40)は、プラグ受け42と、孔62と、を含んで構成してよい。また、一実施形態に係るソケット部40は、プラグ受け42に差込プラグ22が差し込まれた状態で、プラグ受け42から差込プラグ22に電力を供給するように構成される。このような電力の供給とともに、ソケット部40は、プラグ受け42に差込プラグ22が差し込まれた状態で、孔62に接続される導出管からガスを導出可能に構成される。
【0043】
(配線用差込接続器の接続)
次に、ガス検出装置1のプラグ部20と、配線用差込接続器のソケット部40との接続について、さらに説明する。
【0044】
例えば、空間S1にいるユーザが、ガス検出装置1を使用する場面を想定する。ガス検出装置1を使用するに際し、ユーザは、ガス検出装置1のプラグ部20の差込プラグ22を、ソケット部40のプラグ受け42に差し込む。これにより、ガス検出装置1は、電力を受電することができる。次に、ユーザは、例えばチューブ状部材26のような導出管を、ソケット部40の孔62に接続又は挿入する。上述のように、孔62は、例えばチューブ状部材26を接続可能又は挿入可能に構成してよい。
【0045】
図2は、一実施形態に係るソケット部40の外観を概略的に示す図である。図2は、図1に示したソケット部40を拡大して示す図である。図2は、ソケット部40にプラグ部20を差し込む方向に見た状態を示している。すなわち、図2は、図1に示す空間S1側からソケット部40を見た状態を示している。
【0046】
図2は、ソケット部40において、カバープレート46が面60を構成する壁などに設置されている例を示している。また、図2は、プラグ受け42の一部がカバープレート46から露出している様子を示している。
【0047】
図2に示すソケット部40は、2口のプラグ受け42を備えている。一実施形態において、ソケット部40は、1口以上の任意の口数のプラグ受け42を備えてよい。図2に示すプラグ受け42には、図1に示したようなプラグ部20の差込プラグ22を2つ差し込むことができる。
【0048】
図2に示すソケット部40のカバープレート46には、孔62に合わせた切り欠きがそれぞれ形成されている。上方の孔62Aは、2口のプラグ受け42のうち上方のプラグ受けに対応して位置している。また、下方の孔62Bは、2口のプラグ受け42のうち下方のプラグ受けに対応して位置している
【0049】
図2に示す上方の孔62Aには、例えば図3に示すようなプラグ部20Aのチューブ状部材26が挿入されてよい。図3は、一実施形態に係るプラグ部20Aの構成を概略的に示す図である。図3に示すプラグ部20Aは、図1に示したプラグ部20と同様に、差込プラグ22と、ケーブル24と、チューブ状部材26とを備えている。
【0050】
例えば、ユーザは、ガス検出装置1を使用する際、図3に示すプラグ部20Aの差込プラグ22を、図2に示すソケット部40の2口のプラグ受け42のうち上方のプラグ受けに差し込んでよい。そして、ユーザは、図3に示すプラグ部20Aのチューブ状部材26のような導出管の先端部を、図2に示すソケット部40の孔62Aに挿入してよい。
【0051】
このように、一実施形態において、孔62からガスを導出する導出管は、孔62に挿入可能に構成されてもよい。一実施形態において、孔62からガスを導出する導出管は、例えばチューブ状部材26としてもよい。この場合、一実施形態において、チューブ状部材26は、孔62に挿入可能に構成されてよい。
【0052】
図2に示す下方の孔62Bには、例えば図4に示すようなプラグ部20Bのチューブ状部材26に取り付けられた接続端子64が接続されてよい。図4は、プラグ部20Bの構成を概略的に示す図である。図4に示すプラグ部20Bは、図3に示したプラグ部20Aと同様に、差込プラグ22と、ケーブル24と、チューブ状部材26とを備えている。図4に示すプラグ部20Bは、図3に示したプラグ部20Aとは異なり、チューブ状部材26の先端部に接続端子64を備えている。接続端子64は、チューブ状部材26を孔62Bに接続することができる任意のチューブコネクタなどを採用してよい。また、接続端子64は、チューブ状部材26の端部同士などを接続することができる任意のチューブコネクタなどを採用してもよい。
【0053】
例えば、ユーザは、ガス検出装置1を使用する際、図4に示すプラグ部20Bの差込プラグ22を、図2に示すソケット部40の2口のプラグ受け42のうち下方のプラグ受けに差し込んでよい。そして、ユーザは、図4に示すプラグ部20Bのチューブ状部材26のような導出管が備える接続端子64を、図2に示すソケット部40の孔62Bに接続してよい。図2及び図4においては、チューブ状部材26の先端部に接続端子64を備える例を示した。しかしながら、例えば、図4に示すチューブ状部材26の先端部は接続端子64を備えずに、図2に示す孔62Bが接続端子64を備えるようにしてもよい。
【0054】
図4に示すプラグ部20Bの接続端子64が図2に示すソケット部40の孔62Bに接続される構成を採用する場合、図2に示す孔62Bの裏側、すなわち図1に示すソケット部40の内部(破線により示す)は、各種の構成を採用してよい。例えば、図1に示すソケット部40の内部において、孔62の裏側部分には何も設置しない構成としてもよい。この場合、破線により示すソケット部40の内部に存在するガスを、孔62を経て空間S1側に導出することができる。また、この場合、例えばポンプ44によって、破線により示すソケット部40の内部に、空間S2側のガスが導入されるようにしてもよい。また、例えば、図1に示すソケット部40において、孔62から、破線により示すソケット部40の外部まで、チューブ状部材などを設けてもよい。この場合、空間S2側に存在するガスを、孔62を経て空間S1側に導出することができる。
【0055】
このように、一実施形態において、チューブ状部材26は、接続端子64を備えてもよい。この場合、一実施形態において、接続端子64は、孔62に接続可能に構成されてもよい。また、一実施形態において、孔62は、接続端子64を備えてもよい。この場合、一実施形態において、接続端子64は、孔62からガスを導出する導出管を接続可能に構成されてもよい。
【0056】
図2に示すソケット部40は、孔62A及び孔62Bをそれぞれ1つずつ備えている。しかしながら、一実施形態において、ソケット部40は、孔62A及び/又は孔62Bを、任意の数備えてよい。
【0057】
以上説明したように、プラグ部20及びソケット部40は、ガス検出装置1に、電力を供給することができるとともにパージガスを供給することもできる。すなわち、プラグ部20及び/又はソケット部40は、ガス検出装置1に電力を供給するのに適している。また、ガス検出装置1は、プラグ部20及び/又はソケット部40に接続するのに適している。さらに、プラグ部20及びソケット部40は、ガス検出装置1にガスを供給することもできる。したがって、プラグ部20及びソケット部40並びにガス検出装置1は、利便性を高めることができる。
【0058】
上述のように、プラグ部20及びソケット部40は、ガス検出装置1に、電力を供給することができるとともにパージガスを供給することもできる。このため、図1乃至図4に示したように、ソケット部40のプラグ受け42と、チューブ状部材26が挿入又は接続される孔62とは、例えば隣接させるなど、比較的近傍に配置してよい。このように、一実施形態において、孔62は、プラグ受け42の近傍に位置していてもよい。ここで、プラグ受け42の近傍とは、例えばカバープレート46が位置している領域内でよいものとする。
【0059】
上述のように、プラグ部20の差込プラグ22は、図1図3、及び図4に示したような構成に限定されず、各種の構成を採用してよい。図5は、プラグ部20の他の例を示す図である。図5は、プラグ部20の差込プラグ22の他の例として、図3及び図4に示したものとは異なる構成のものを示してある。
【0060】
図5に示すプラグ部20Cは、ケーブル24及びチューブ状部材26を備える点においては、図3に示したものと同じである。図5に示すプラグ部20Cにおいて、差込プラグ22の形状は、図3及び図4に示したものとは異なる。
【0061】
図5に示すプラグ部20Cの差込プラグ22は、他の差込プラグを差し込むことができるプラグ受け28を備えている。図5に示すように、プラグ部20Cの差込プラグ22には、例えば他の差込プラグ82を差し込むことができる。図5に示す差込プラグ22は、例えば図2に示したソケット部40のプラグ受け42に差し込まれることにより供給される電力の少なくとも一部を、プラグ受け28に差し込まれる他の差込プラグ82に供給することができる。
【0062】
このように、一実施形態において、プラグ部20は、差込プラグ22以外の他の差込プラグ82が差し込まれるプラグ受け28を備えてもよい。この場合、一実施形態において、他の差込プラグ82が差し込まれるプラグ受け28は、差込プラグ22が受電した電力を他の差込プラグ82に供給可能に構成されてもよい。
【0063】
図5に示すプラグ部20Cによれば、プラグ部20Cの差込プラグ22が例えば図2に示したソケット部40のプラグ受け42に差し込まれても、電力を供給するプラグ受けの口数を実質的に減らないようにできる。
【0064】
上述のように、ガスセンサ10の電力供給部16は、充電可能なバッテリを備えてもよい。この場合、ガスセンサ10は、パージガス用のガス貯留槽を備えてもよい。
【0065】
このような構成によれば、ガス検出装置1のプラグ部20(差込プラグ22及びチューブ状部材26)をソケット部40に接続することにより、電力供給部16のバッテリを充電するとともに、ガス貯留槽にパージガスを貯留することができる。バッテリの充電及びパージガスの貯留が完了した後は、ガス検出装置1のプラグ部20をソケット部40から接続解除しても、ガス検出装置1はガスの検出を行うことができる。この場合、ガス検出装置1は、プラグ部20がソケット部40に差し込まれていなくても、バッテリに充電された電力によって動作することができる。また、この場合、ガス検出装置1は、チューブ状部材26が孔62に挿入又は接続されていなくても、ガス貯留槽に貯留されたパージガスをガスチェンバ12に供給することができる。
【0066】
したがって、上述のような構成によれば、ガス検出装置1は、空間S1以外の他の場所に持ち出されても、ガスの検出を行うことができる。また、この場合、ガス検出装置1は、ソケット部40が用意されていない場所においても、ガスの検出を行うことができる。
【0067】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能である。複数の機能部等は、1つに組み合わせられたり、分割されたりしてよい。上述した本開示に係る各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施され得る。
【符号の説明】
【0068】
1 ガス検出装置
3 ガス吸引部
5 ガス導入管
10 ガスセンサ
12 ガスチェンバ
14 センサ部
16 電力供給部
18 ポンプ
20 プラグ部
22 差込プラグ
24 ケーブル
26 チューブ状部材
28 プラグ受け
40 ソケット部
42 プラグ受け
44 ポンプ
46 カバープレート
60 面
62 孔
64 接続端子
82 他の差込プラグ
図1
図2
図3
図4
図5