(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】リップル電圧算出装置、コンピュータプログラム、リップル電圧算出方法及び電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H02M3/00 C
(21)【出願番号】P 2023146234
(22)【出願日】2023-09-08
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】福井 道
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-109490(JP,A)
【文献】特開平08-178964(JP,A)
【文献】特開2019-165528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するAD変換部と、
所要期間に亘って前記AD変換部で変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成する生成部と、
生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出する統計量算出部と、
算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出するリップル電圧算出部と
を備え
、
前記統計量算出部は、
前記ヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を前記変動として算出し、
算出した度数差の移動平均を前記統計量として算出する、
リップル電圧算出装置。
【請求項2】
入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するAD変換部と、
所要期間に亘って前記AD変換部で変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成する生成部と、
生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出する統計量算出部と、
算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出するリップル電圧算出部と
を備え、
前記リップル電圧算出部は、
前記ヒストグラムのデジタル値のうち、前記統計量が所定の閾値を超える最小デジタル値及び最大デジタル値を特定し、
特定した最大デジタル値と最小デジタル値との差を前記リップル電圧として算出する、
リップル電圧算出装置。
【請求項3】
前記統計量算出部は、
前記ヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を前記変動として算出し、
算出した度数差の移動平均を前記統計量として算出する、
請求項
2に記載のリップル電圧算出装置。
【請求項4】
前記入力部は、
DC成分を除去するACカップリング回路を有する、
請求項1
から請求項
3のいずれか一つに記載のリップル電圧算出装置。
【請求項5】
前記AD変換部は、
分解能が12ビット以下であり、サンプリング・レートが1Msps以下である、
請求項1
から請求項
3のいずれか一つに記載のリップル電圧算出装置。
【請求項6】
所要期間に亘って、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングして変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し、
生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出し、
算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出
し、
前記ヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を前記変動として算出し、
算出した度数差の移動平均を前記統計量として算出する、
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項7】
所要期間に亘って、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングして変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し、
生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出し、
算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出し、
前記ヒストグラムのデジタル値のうち、前記統計量が所定の閾値を超える最小デジタル値及び最大デジタル値を特定し、
特定した最大デジタル値と最小デジタル値との差を前記リップル電圧として算出する、
処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項8】
入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換し、
所要期間に亘って変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し、
生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出し、
算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出
し、
前記ヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を前記変動として算出し、
算出した度数差の移動平均を前記統計量として算出する、
リップル電圧算出方法。
【請求項9】
入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換し、
所要期間に亘って変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し、
生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出し、
算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出し、
前記ヒストグラムのデジタル値のうち、前記統計量が所定の閾値を超える最小デジタル値及び最大デジタル値を特定し、
特定した最大デジタル値と最小デジタル値との差を前記リップル電圧として算出する、
リップル電圧算出方法。
【請求項10】
請求項1
から請求項
3のいずれか一つに記載のリップル電圧算出装置を備え、前記リップル電圧算出装置でリップル電圧が計測可能である電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップル電圧算出装置、コンピュータプログラム、リップル電圧算出方法及び電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
安定化電源装置などの電源装置は、出力電圧のリップル電圧を抑制するために電源装置の出力側等に電解コンデンサを備えるものがある。このような電源装置は、電解コンデンサが劣化すると所要の電圧を出力することができなくなるため、リップル電圧を検出して電解コンデンサの劣化を判定する技術が開発されている。
【0003】
リップル電圧の計測には、例えば、特許文献1に開示されているようなオシロスコープを用いた試験測定システムが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されたオシロスコープのような計測機器は、高性能なセンシング回路を実現するために高サンプリング及び高分解能のAD変換器が必要である。このため、計測機器のコストが高くなる。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、高機能かつ低価格でリップル電圧を算出できるリップル電圧算出装置、コンピュータプログラム、リップル電圧算出方法及び電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、リップル電圧算出装置は、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するAD変換部と、所要期間に亘って前記AD変換部で変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成する生成部と、生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出する統計量算出部と、算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高機能かつ低価格でリップル電圧を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態のリップル電圧算出装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】マイコンに入力される電圧波形の一例を模式的に示す図である。
【
図4】ヒストグラムの度数の度数差の一例を示す図である。
【
図6】リップル電圧の算出方法の一例を示す図である。
【
図7】リップル電圧算出装置によるリップル電圧算出処理の手順の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態のリップル電圧算出装置を備える電源装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態のリップル電圧算出装置50の構成の一例を示す図である。リップル電圧算出装置50は、入力部51、マイコン53、出力部59、及び記憶部60を備える。入力部51は、ACカップリング回路52を備える。マイコン53は、CPU54、ROM55、RAM56、AD変換部57、及び入出力インタフェース58を備える。記憶部60は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、コンピュータプログラム(プログラム製品)61、及び所要の情報を記憶することができる。リップル電圧算出装置50は、リップル電圧計測用の計測器に組み込むこともでき、あるいは電源装置に組み込むこともできる。
【0011】
入力部51は、電圧波形が入力されると、ACカップリング回路52で電圧波形のDC成分が除去され、AC成分だけが取り出される。入力部51は、AC成分うちの負値の部分が正値になるように、オフセット電圧を加える。入力部51は、AC成分にオフセット電圧が重畳された電圧波形を増幅してマイコン53へ出力する。ここで、オフセット電圧は、マイコン53のAD変換部57が測定できる電圧範囲(0V~Vref)の中間電位とすることができる。
【0012】
図2はマイコン53に入力される電圧波形の一例を模式的に示す図である。
図2に示すように、マイコン53に入力される電圧波形は、AC成分の電圧にオフセット電圧及びリップル電圧(リップルノイズ成分を含む)が重畳している。ACカップリング回路52により、入力される電圧波形のDC成分が除去される。
【0013】
マイコン53に入力された電圧波形は、入出力インタフェースを介してAD変換部57に入力される。AD変換部57は、入力された電圧波形(アナログ値)を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換する。AD変換部57は、マイコン53の周辺機能として提供されるAD変換機能を実現するものであり、比較的安価な部品で構成される。また、マイコン53の周辺機能であるAD変換部57を利用することで、別途AD変換回路を構成する必要がなく、低コストで実現できる。
【0014】
AD変換部57は、例えば、分解能が12ビット以下であり、サンプリング・レートが1Msps以下である。例えば、オシロスコープ等の高性能なセンシング回路に用いられるAD変換器は、分解能が、例えば、14ビット以上と高分解能であり、サンプリング・レートも、例えば、25Mspsと高速サンプリングが可能である。本実施形態のAD変換部57は、高性能のAD変換器と比べて、低分解能、低速サンプリングであるが、低コストである。
【0015】
AD変換部57に入力される電圧波形は、DC成分が除去されたAC成分とリップル電圧を含むので、DC成分が存在しない分だけ等価的に分解能を下げることができ、AD変換部57の分解能が低分解能であっても、電圧波形(アナログ値)をデジタル値に変換することが可能となる。
【0016】
CPU54は、RAM56に展開されたコンピュータプログラム61を実行することができる。CPU54による処理は、コンピュータプログラム61による処理でもある。
【0017】
CPU54は、生成部としての機能を実行する。CPU54は、所要期間に亘ってAD変換部57で変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成する。所要期間は、変換したデジタル値のサンプル数が所定値以上となる期間とすることができる。所定値は、例えば、3000、4000、5000などとすることができるが、これらに限定されない。所定値は、AD変換部57のサンプリング・レートに応じて決定すればよく、統計的な演算が可能になる数のデジタル値が得られればよい。別言すれば、本実施形態によれば、入力される電圧波形のリップル波形に対して粗くサンプリングするが、粗くサンプリングする分、所要時間に亘ってデジタル値を収集することで、オシロスコープ等で使用される高機能、高分解能のAD変換器による短い期間内での高速サンプリングと同等のサンプル数を得ることができる。
【0018】
図3はヒストグラムの一例を示す図である。横軸は、AD変換部57が変換したデジタル値の最小値から最大値までの範囲を所要の区分で区切った各区分範囲を示し、縦軸は、各区分範囲に属するデジタル値の度数(個数)を示す。なお、横軸は、デジタル値に代えて、別の指標を用いてもよい。
図3に示すヒストグラムは、所要期間に亘ってサンプリングされたデジタル値の分布を示す。
【0019】
CPU54は、統計量算出部としての機能を実行する。CPU54は、生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出する。より具体的には、CPU54は、ヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を当該変動として算出し、算出した度数差の移動平均を当該統計量として算出する。
【0020】
図4はヒストグラムの度数の度数差の一例を示す図である。度数差は、ある区分のデジタル値の度数と、当該区分の右隣の区分のデジタル値の度数との差分として求めることができる。
図4は、ヒストグラムのすべての区分について度数差を算出してプロットしたものである。
【0021】
図5は度数差の移動平均の一例を示す図である。デジタル値の各区分の度数差の移動平均は、当該区分を含む一定区間における区分の度数差の平均値である。移動平均は、各区分とその前後の区分の度数差の平均値を用いる中央移動平均、各区分とそれ以前の区分の平均値を用いる後方移動平均、各区分とそれ以降の区分の平均値を用いる前方移動平均のいずれでもよい。移動平均を用いることにより、度数差の値を平滑化することができる。
【0022】
CPU54は、リップル電圧算出部としての機能を実行する。CPU54は、算出した統計量(度数差の移動平均)に基づいて所要期間のリップル電圧を算出する。より具体的には、CPU54は、ヒストグラムのデジタル値のうち、度数差の移動平均が所定の閾値を超える最小デジタル値及び最大デジタル値を特定し、特定した最大デジタル値と最小デジタル値との差を所要期間のリップル電圧として算出する。
【0023】
図6はリップル電圧の算出方法の一例を示す図である。横軸はデジタル値(各区分のデジタル値)を示し、縦軸は度数差の移動平均を示す。
図6に示すように、移動平均の閾値(+閾値及び-閾値)を設定し、デジタル値の小さい方から度数差の移動平均が最初に閾値(+閾値及び-閾値の範囲)を超えるときのデジタル値を最小デジタル値として特定し、さらにデジタル値の大きい方へ移動平均を探索し、最後に閾値(+閾値及び-閾値の範囲)を超えるときのデジタル値を最大デジタル値として特定する。所要期間のリップル電圧は、最大デジタル値から最小デジタル値を差し引いた値として求めることができる。
【0024】
出力部59は、算出したリップル電圧を外部に出力する。
【0025】
図7はリップル電圧算出装置50によるリップル電圧算出処理の手順の一例を示す図である。以下では便宜上、処理の主体をCPU54として説明する。CPU54は、入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換し(S11)、所要期間に亘って変換したか否かを判定する(S12)。所定期間に亘って変換していない場合(S12でNO)、CPU54は、ステップS11以降の処理を行う。
【0026】
所定期間に亘って変換した場合(S12でYES)、CPU54は、変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し(S13)、生成したヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を算出する(S14)。CPU54は、度数差の移動平均を算出する(S15)。
【0027】
CPU54は、移動平均が所定の閾値を超える最小デジタル値及び最大デジタル値を特定し(S16)、最大デジタル値と最小デジタル値とに基づいて所要期間のリップル電圧を算出する(S17)。CPU54は、処理を終了するか否かを判定し(S18)、処理を終了しない場合(S18でNO)、ステップS11以降の処理を行い、処理を終了する場合(S18でYES)、処理を終了する。
【0028】
本実施形態のリップル電圧算出装置50によれば、高分解能のAD変換器と同等の精度でリップル電圧を計測することができる。
【0029】
上述のように、本実施形態によれば、比較的低価格な低分解能のAD変換部57で変換したデジタル値を統計的処理が行えるような所要期間に亘って蓄積することで、高分解能のAD変換器と同等の精度でリップル電圧を算出でき、また、高機能かつ低価格でリップル電圧を算出できる。
【0030】
図8は本実施形態のリップル電圧算出装置50を備える電源装置100の構成の一例を示す図である。電源装置100は、例えば、整流回路10、DC/DCコンバータ20、電解コンデンサやフィルタ回路などを有するフィルタ部30、制御部40、及びリップル電圧算出装置50などを備える。リップル電圧算出装置50は、電源装置100の出力端の電圧波形を取得してリップル電圧を算出し、算出したリップル電圧を制御部40へ出力する。制御部40は、リップル電圧算出装置50から入力されたリップル電圧に応じてフィルタ部30(電解コンデンサ)の劣化状態を判定する。制御部40は、劣化状態に応じて、警告を出力してもよく、電源装置100の動作を停止させてもよい。なお、電源装置100の構成は一例であって、
図8の構成に限定されるものではない。また、電解コンデンサがフィルタ部30以外で使用されている場合には、電解コンデンサの使用箇所に応じてリップル電圧算出装置50が当該使用箇所の電圧波形を取得すればよい。
【0031】
(付記1)リップル電圧算出装置は、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するAD変換部と、所要期間に亘って前記AD変換部で変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成する生成部と、生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出する統計量算出部と、算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備える。
【0032】
(付記2)リップル電圧算出装置は、付記1において、前記統計量算出部は、前記ヒストグラムの隣り合うデジタル値の度数の度数差を前記変動として算出し、算出した度数差の移動平均を前記統計量として算出する。
【0033】
(付記3)リップル電圧算出装置は、付記1又は付記2において、前記リップル電圧算出部は、前記ヒストグラムのデジタル値のうち、前記統計量が所定の閾値を超える最小デジタル値及び最大デジタル値を特定し、特定した最大デジタル値と最小デジタル値との差を前記リップル電圧として算出する。
【0034】
(付記4)リップル電圧算出装置は、付記1から付記3のいずれか一つにおいて、前記入力部は、DC成分を除去するACカップリング回路を有する。
【0035】
(付記5)リップル電圧算出装置は、付記1から付記4のいずれか一つにおいて、前記AD変換部は、分解能が12ビット以下であり、サンプリング・レートが1Msps以下である。
【0036】
(付記6)コンピュータプログラムは、所要期間に亘って、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングして変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出し、算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出する、処理をコンピュータに実行させる。
【0037】
(付記7)リップル電圧算出方法は、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換し、所要期間に亘って変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出し、算出した統計量に基づいて前記所要期間のリップル電圧を算出する。
【0038】
(付記8)電源装置は、前述のリップル電圧算出装置を備え、前記リップル電圧算出装置でリップル電圧が計測可能である。
【0039】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0040】
50 リップル電圧算出装置
51 入力部
52 ACカップリング回路
53 マイコン
54 CPU
55 ROM
56 RAM
57 AD変換部
58 入出力インタフェース
59 出力部
60 記憶部
61 コンピュータプログラム
【要約】
【課題】高機能かつ低価格でリップル電圧を算出できるリップル電圧算出装置、コンピュータプログラム、リップル電圧算出方法及び電源装置を提供する。
【解決手段】リップル電圧算出装置は、入力部を通じて入力された電圧波形を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル値に変換するAD変換部と、所要期間に亘ってAD変換部で変換したデジタル値の度数を示すヒストグラムを生成する生成部と、生成したヒストグラムの度数の変動の統計量を算出する統計量算出部と、算出した統計量に基づいて所要期間のリップル電圧を算出するリップル電圧算出部とを備える。
【選択図】
図1