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特許7617278電池セル、電池、電気設備ならびに電池セルの製造方法および設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電気設備ならびに電池セルの製造方法および設備
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/545 20210101AFI20250109BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/536
H01M50/566
H01M50/586
H01M50/591
H01M50/107
H01M50/184 D
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2023536182
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2021125099
(87)【国際公開番号】W WO2023279574
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/104779
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】朱 文▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】温 裕乾
(72)【発明者】
【氏名】方 ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 瑞
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-124007(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110379943(CN,A)
【文献】特表2024-514664(JP,A)
【文献】特表2024-500670(JP,A)
【文献】特開2000-106165(JP,A)
【文献】特開2004-362956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケースと、
前記ケース内に収容される電極アセンブリと、
前記開口を覆って嵌合され、前記ケースに密封接続されるエンドキャップと、
前記ケース内に収容され、前記電極アセンブリの前記エンドキャップに面する側に位置し、前記ケースと電極アセンブリとを接続して前記電極アセンブリが前記ケースに電気接続されるように配置される集電部材とを備える電池セルであって、
前記電極アセンブリは正極タブと負極タブを含み、前記正極タブと前記負極タブはそれぞれ前記電極アセンブリの両端に位置し、前記ケースの前記エンドキャップから離れる一端に電極端子が設けられ、前記電極端子は前記ケースに絶縁接続され、前記正極タブに電気接続され、前記エンドキャップの材質が前記ケースの材質と同じであり、前記電池セルは封止部材をさらに備え、前記エンドキャップと前記ケースは前記封止部材によって密封接続され、前記封止部材は前記ケースと前記エンドキャップとを絶縁隔離するように配置される電池セル
【請求項2】
前記集電部材は、前記ケースに溶接される請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記集電部材と前記ケースとが溶接され、前記ケースの内部に位置して前記集電部材と前記ケースとを固定するための溶接部を形成する請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記ケースの内側面には、前記エンドキャップが前記電極アセンブリに面する方向に沿って移動することを制限するための第1の位置制限部が凸設されており、
前記集電部材は、前記第1の位置制限部に溶接される請求項1~3のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記集電部材は、
前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに面する側に位置し、電極アセンブリを接続するための本体部を含み、
前記第1の位置制限部は、前記本体部が前記電極アセンブリに背く方向に沿って前記ケースから脱離することを制限するために用いられる請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記本体部は、前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに面する側に当接して前記第1の位置制限部に溶接される請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記集電部材は、
前記本体部に接続され、前記第1の位置制限部に当接して前記第1の位置制限部に溶接される弾性部をさらに含む請求項5に記載の電池セル。
【請求項8】
前記弾性部は、前記本体部に折り曲げられて設けられた弾性シートである請求項7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記集電部材は、
前記本体部に接続され、少なくとも一部が前記第1の位置制限部の内周側まで延在し、前記第1の位置制限部に溶接される第1の接続部をさらに含む請求項5に記載の電池セル。
【請求項10】
前記第1の接続部は、前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在する凸部であり、前記凸部は、前記第1の位置制限部の内周面と位置決め合わせを形成するために用いられる請求項9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記本体部は、電極アセンブリに面する内面と前記電極アセンブリに背く外面とを有し、前記凸部は、前記外面から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在し、
前記集電部材は、前記内面から前記電極アセンブリに背く方向に沿って前記凸部内へ凹んだ凹部をさらに含む請求項10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記凸部および前記凹部はともに、前記第1の位置制限部の周方向に沿って延在する環状構造である請求項11に記載の電池セル。
【請求項13】
前記第1の接続部が前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在する方向において、前記第1の接続部の前記本体部に背く一端は、前記第1の位置制限部を超えていない請求項9~12のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項14】
前記第1の接続部は、前記第1の位置制限部の内周面に溶接され、前記内周面は、境界位置を有し、前記内周面の径方向寸法は、境界位置から前記内周面の両端まで漸増し、
前記第1の接続部が前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在する方向において、前記第1の接続部の前記本体部に背く一端は前記境界位置を超えている請求項9~13のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項15】
前記第1の接続部は、
前記本体部に接続され、前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在し、少なくとも一部が前記第1の位置制限部の内周側まで延在する延在セグメントと、
前記延在セグメントに接続され、前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに背く側に当接して前記第1の位置制限部に溶接される位置制限セグメントと、
を含む請求項9に記載の電池セル。
【請求項16】
前記第1の位置制限部は、前記ケースの周方向に沿って延在する環状構造である請求項4~15のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項17】
前記ケースの外側面の前記第1の位置制限部に対応する位置には、ローラ溝が設けられている請求項4~16のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項18】
前記封止部材は、前記開口の周方向に沿って前記エンドキャップを被覆するように配置される請求項1~17のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項19】
前記ケースは、前記開口の一端において、前記エンドキャップが電極アセンブリに背く方向に沿って前記ケースから脱離することを制限するための第2の位置制限部が設けられており、
前記エンドキャップの厚さ方向において、前記エンドキャップと前記ケースとの密封接続を実現するように、前記封止部材の少なくとも一部は前記エンドキャップと前記第2の位置制限部との間に位置する請求項1~18のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項20】
前記封止部材は、囲い体と、前記囲い体に接続される第2の接続部とを含み、
前記エンドキャップの少なくとも一部は、前記囲い体内に位置し、前記エンドキャップの厚さ方向において、前記エンドキャップとケースとの密封接続を実現するように、前記第2の接続部は、前記エンドキャップと第2の位置制限部との間に位置する請求項19に記載の電池セル。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の電池セルを複数備える電池。
【請求項22】
請求項1~20のいずれか1項に記載の電池セルを備える電気設備。
【請求項23】
開口を有するケースを提供することと、
電極アセンブリを提供することと、
エンドキャップを提供することと、
集電部材を提供することと、
集電部材を前記電極アセンブリに接続することと、
前記電極アセンブリおよび前記集電部材を前記ケース内に収容することと、
前記エンドキャップを前記開口に覆って嵌合し、かつ前記エンドキャップと前記ケースとを密封接続させて、前記集電部材が前記電極アセンブリの前記エンドキャップに面する側に位置するようにすることとを含む電池セルの製造方法であって、
前記ケースと電極アセンブリは、前記集電部材によって電気接続され、前記電極アセンブリは正極タブと負極タブを含み、前記正極タブと前記負極タブはそれぞれ前記電極アセンブリの両端に位置し、前記ケースの前記エンドキャップから離れる一端に電極端子が設けられ、前記電極端子は前記ケースに絶縁接続され、前記正極タブに電気接続され、前記エンドキャップの材質が前記ケースの材質と同じであり、前記電池セルは封止部材をさらに備え、前記エンドキャップと前記ケースは前記封止部材によって密封接続され、前記封止部材は前記ケースと前記エンドキャップとを絶縁隔離するように配置される電池セルの製造方法。
【請求項24】
前記エンドキャップを前記開口に覆って嵌合する前に、前記製造方法は、
前記ケースの内部から前記集電部材を前記ケースに溶接することをさらに含む請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
開口を有するケースを提供するための第1の提供装置と、
電極アセンブリを提供するための第2の提供装置と、
エンドキャップを提供するための第3の提供装置と、
集電部材を提供するための第4の提供装置と、
集電部材を前記電極アセンブリに接続すること、さらに前記電極アセンブリおよび前記集電部材を前記ケース内に収容すること、さらに前記エンドキャップを前記開口に覆って嵌合し、かつ前記エンドキャップと前記ケースとを密封接続させて、前記集電部材が前記電極アセンブリの前記エンドキャップに面する側に位置するようにすることに用いられる組立装置とを含む電池セルの製造設備であって、
前記ケースと電極アセンブリは、前記集電部材によって電気接続され、前記電極アセンブリは正極タブと負極タブを含み、前記正極タブと前記負極タブはそれぞれ前記電極アセンブリの両端に位置し、前記ケースの前記エンドキャップから離れる一端に電極端子が設けられ、前記電極端子は前記ケースに絶縁接続され、前記正極タブに電気接続され、前記エンドキャップの材質が前記ケースの材質と同じであり、前記電池セルは封止部材をさらに備え、前記エンドキャップと前記ケースは前記封止部材によって密封接続され、前記封止部材は前記ケースと前記エンドキャップとを絶縁隔離するように配置される電池セルの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年07月06日に提出された発明名称が「電池セル、電池、電気設備ならびに電池セルの製造方法および設備」である国際特許出願PCT/CN2021/104779の優先権を主張し、該出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、具体的に電池セル、電池、電気設備ならびに電池セルの製造方法および設備に関する。
【背景技術】
【0003】
車両に多く使用される電池は、一般的に、小型でエネルギー密度が高く、出力密度が高く、サイクル数が多く、貯蔵時間が長いなどの利点を有する二次電池の一種であるリチウムイオン電池である。
【0004】
電池セルは、通常、電極アセンブリおよび電解液を収容するためのケースと、正極シートおよび負極シートを一般的に含む電極アセンブリとを備え、金属イオン(例えば、リチウムイオン)が正極シートと負極シートとの間で移動することによって電気エネルギーを生成する。
【0005】
一般的な電池セルでは、ケースを電池セルの正の出力極または負の出力極として機能させるために、電極アセンブリをケースに電気接続する必要があり、現状では、電極アセンブリとケースとの電気接続は比較的容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、電極アセンブリとケースとの電気接続をより容易にすることができる電池セル、電池、電気設備ならびに電池セルの製造方法および設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、本願の実施例は、開口を有するケースと、前記ケース内に収容される電極アセンブリと、前記開口を覆って嵌合され、前記ケースに密封接続されるエンドキャップと、前記ケース内に収容され、前記電極アセンブリの前記エンドキャップに面する側に位置し、前記ケースと電極アセンブリとを接続して前記電極アセンブリが前記ケースに電気接続されるように配置される集電部材とを備える電池セルを提供する。
【0008】
上記技術案では、集電部材は、電極アセンブリのエンドキャップに面する側に位置し、電極アセンブリとケースは集電部材によって電気接続され、エンドキャップはケースの開口を覆って嵌合され、エンドキャップはケースに密封接続される。このような構造により、電池セルを組み立て過程において、集電部材はケースの内部でケースに接続可能であり、集電部材を電極アセンブリおよびケースに接続した後、エンドキャップをケースの開口に覆って嵌合し、ケースに密封接続することにより、電極アセンブリとケースとの電気接続を一層容易にする。
【0009】
一部の実施例では、前記集電部材は前記ケースに溶接される。
【0010】
上記技術案では、集電部材はケースに溶接され、集電部材とケースとの接続方法は簡単であり、集電部材とケースとの接続の強固さを確保でき、集電部材とケースとの間の安定した過電流を実現することができる。
【0011】
一部の実施例では、前記集電部材と前記ケースとが溶接され、前記ケースの内部に位置して前記集電部材と前記ケースとを固定するための溶接部を形成する。
【0012】
上記技術案では、集電部材をケースに溶接してなる溶接部はケースの内部に位置し、集電部材をケースに溶接する際に溶接部がケースの外側に位置することによるケースの外層構造の損傷リスクを低減し、ケースの腐食リスクを低減し、電池セルの使用寿命を向上させる。
【0013】
一部の実施例では、前記ケースの内側面には、前記エンドキャップが前記電極アセンブリに面する方向に沿って移動することを制限するための第1の位置制限部が凸設され、前記集電部材は、前記第1の位置制限部に溶接される。
【0014】
上記技術案では、第1の位置制限部は、エンドキャップに対して位置制限作用を果たし、第1の位置制限部によって、エンドキャップが電極アセンブリに面する方向に沿って移動することを制限することができる。集電部材は、エンドキャップに対して制限作用を果たす第1の位置制限部に溶接され、第1の位置制限部を効果的に利用し、集電部材の溶接固定に有利である。
【0015】
一部の実施例では、前記集電部材は、前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに面する側に位置し、電極アセンブリを接続するための本体部を含み、前記第1の位置制限部は、前記本体部が前記電極アセンブリに背く方向に沿って前記ケースから脱離することを制限するために用いられる。
【0016】
上記技術案では、第1の位置制限部は、本体部に対して制限作用を果たし、第1の位置制限部は、本体部が電極アセンブリに背く方向に沿ってケースから脱離することを制限することができ、第1の位置制限部は、エンドキャップと本体部とを隔離可能であり、本体部は、エンドキャップとケースとの封止に影響を与えにくく、エンドキャップとケースとの間の密閉性が確保される。
【0017】
一部の実施例では、前記本体部は、前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに面する側に当接して前記第1の位置制限部に溶接される。
【0018】
上記技術案では、本体部は、前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに面する側に当接して第1の位置制限部に溶接され、これにより集電部材全体が第1の位置制限部に固定された後に良好な強固さを有し、集電部材と第1の位置制限部との接触面積を大きくすることでケースと集電部材との過電流面積を増大させる。
【0019】
一部の実施例では、前記集電部材は、前記本体部に接続され、前記第1の位置制限部に当接して前記第1の位置制限部に溶接される弾性部をさらに含む。
【0020】
上記技術案では、集電部材の弾性部は、第1の位置制限部に当接して第1の位置制限部に溶接され、弾性部は、本体部と第1の位置制限部との間の距離の変化に応じて弾性変形可能であり、電池セルの振動で電極アセンブリがケース内で移動することで本体部と電極アセンブリとの電気接続が不良となるリスクを低減する。
【0021】
一部の実施例では、前記弾性部は前記本体部に折り曲げられて設けられた弾性シートである。
【0022】
上記技術案では、弾性部は本体部に折り曲げられて設けられた弾性シートであり、構造が簡単で、優れた変形能力を有する。
【0023】
一部の実施例では、前記集電部材は、前記本体部に接続され、少なくとも一部が前記第1の位置制限部の内周側まで延在し、前記第1の位置制限部に溶接される第1の接続部をさらに含む。
【0024】
上記技術案では、集電部材の第1の接続部の少なくとも一部は、第1の位置制限部の内周側まで延在し、第1の接続部が第1の位置制限部に溶接され、集電部材と第1の位置制限部との溶接難度を下げる。
【0025】
一部の実施例では、前記第1の接続部は、前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在する凸部であり、前記凸部は、前記第1の位置制限部の内周面と位置決め合わせを形成するために用いられる。
【0026】
上記技術案では、第1の接続部は、第1の位置制限部の内周面と位置決め合わせを形成する凸部であり、凸部は、第1の位置制限部の内周面と位置決め合わせを形成し、第1の接続部と第1の位置制限部との溶接過程における集電部材の揺れ発生リスクを低減し、溶接難度を下げ、第1の接続部を第1の位置制限部に溶接した後の強固さを高める。同時に、ケースと集電部材との接触面積を大きくすることでケースと集電部材との過電流面積を増大させる。
【0027】
一部の実施例では、前記本体部は、電極アセンブリに面する内面と前記電極アセンブリに背く外面とを有し、前記凸部は、前記外面から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在し、前記集電部材は、前記内面から前記電極アセンブリに背く方向に沿って前記凸部内へ凹んだ凹部をさらに含む。
【0028】
上記技術案では、集電部材には、本体部の内面から前記電極アセンブリに背く方向に沿って凸部内へ凹んだ凹部が設けられている。一方では、集電部材の材料を減らし、製造コストを削減し、他方では、凸部の変形能力を高めて凸部が第1の位置制限部に弾性的に当接するようにし、凸部と第1の位置制限部との良好な接触を確保する。
【0029】
一部の実施例では、前記凸部および前記凹部はともに、前記第1の位置制限部の周方向に沿って延在する環状構造である。
【0030】
上記技術案では、凸部および凹部はともに、第1の位置制限部の周方向に沿って延在する環状構造であり、凸部に一層良い変形能力を具備させる。
【0031】
一部の実施例では、前記第1の接続部が前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在する方向において、前記第1の接続部の前記本体部に背く一端は、前記第1の位置制限部を超えていない。
【0032】
上記技術案では、第1の接続の本体部に背く一端は、第1の位置制限部を超えておらず、第1の接続部はエンドキャップに干渉を与えにくく、エンドキャップとケースとの間の密閉性が確保される。
【0033】
一部の実施例では、前記第1の接続部は、前記第1の位置制限部の内周面に溶接され、前記内周面は、境界位置を有し、前記内周面の径方向寸法は、境界位置から前記内周面の両端まで漸増し、前記第1の接続部が前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在する方向において、前記第1の接続部の前記本体部に背く一端は前記境界位置を超えている。
【0034】
上記技術案では、第1の接続部の本体部に背く一端は前記境界位置を超えており、これにより第1の接続部の外周面と第1の位置制限部との間に溶接溝が形成され、第1の接続部と第1の位置制限部との溶接固定が容易となり、第1の接続部を第1の位置制限部に溶接した後の強固さを確保する。
【0035】
一部の実施例では、前記第1の接続部は、前記本体部に接続され、前記本体部から前記電極アセンブリに背く方向に沿って延在し、少なくとも一部が前記第1の位置制限部の内周側まで延在する延在セグメントと、前記延在セグメントに接続され、前記第1の位置制限部の前記電極アセンブリに背く側に当接して前記第1の位置制限部に溶接される位置制限セグメントとを含む。
【0036】
上記技術案では、位置制限セグメントは第1の位置制限部の電極アセンブリに背く側に当接して第1の位置制限部に溶接され、位置制限セグメントは制限作用を果たし、集電部材を第1の位置制限部に溶接した後の強固さを高め、集電部材と第1の位置制限部との接触面積を大きくすることでケースと集電部材との過電流面積を増大させる。
【0037】
一部の実施例では、前記第1の位置制限部は、前記ケースの周方向に沿って延在する環状構造である。
【0038】
上記技術案では、第1の位置制限部は環状構造であり、成型製造が容易であり、第1の位置制限部は全周にわたってエンドキャップに対して制限作用を果たし、エンドキャップに対する第1の位置制限部の位置制限能力を確保する。
【0039】
一部の実施例では、前記ケースの外側面の前記第1の位置制限部に対応する位置には、ローラ溝が設けられている。
【0040】
上記技術案では、ケースの外側面にローラ溝が設けられており、ローラ溝を形成する過程において、ケースはローラ溝に対応する位置に第1の位置制限部を形成し、第1の位置制限部の成型プロセスを簡略化することができる。
【0041】
一部の実施例では、前記電池セルは、封止部材をさらに備え、前記エンドキャップと前記ケースは、前記封止部材によって密封接続される。
【0042】
上記技術案では、エンドキャップとケースとの密閉性を確保するために、エンドキャップとケースは、封止部材によって密封接続される。
【0043】
一部の実施例では、前記封止部材は、前記ケースと前記エンドキャップとを絶縁隔離するように配置される。
【0044】
上記技術案では、封止部材によってケースとエンドキャップとを絶縁隔離し、封止部材は、ケースとエンドキャップとの間で封止作用を果たしながら、絶縁作用を果たし、エンドキャップとケースとの密閉性を確保すると同時に、エンドキャップの帯電リスクを低減する。
【0045】
一部の実施例では、前記封止部材は、前記開口の周方向に沿って前記エンドキャップを被覆するように配置される。
【0046】
上記技術案では、封止部材は、ケースの開口の周方向に沿ってエンドキャップを被覆する。一方では、エンドキャップおよびケースに対する封止部材の密閉性を高め、他方では、封止部材とケースとの一体性を向上させる。電池セルを組み立てる過程において、封止部材をエンドキャップに被覆した後、エンドキャップと封止部材を一体としてケースに装着してもよい。
【0047】
一部の実施例では、前記ケースは、前記開口の一端において、前記エンドキャップが電極アセンブリに背く方向に沿って前記ケースから脱離することを制限するための第2の位置制限部が設けられており、前記エンドキャップの厚さ方向において、前記エンドキャップと前記ケースとの密封接続を実現するように、前記封止部材の少なくとも一部は前記エンドキャップと前記第2の位置制限部との間に位置する。
【0048】
上記技術案では、第2の位置制限部は、エンドキャップに対して制限作用を果たし、エンドキャップが電極アセンブリに背く方向に沿ってケースから離脱することを制限する。封止部材の少なくとも一部は、エンドキャップと第2の位置制限部との間に位置し、エンドキャップとケースとの密封接続を実現し、エンドキャップとケース良好な密閉性を確保する。
【0049】
一部の実施例では、前記封止部材は、囲い体と、前記囲い体に接続される第2の接続部とを含み、前記エンドキャップの少なくとも一部は、前記囲い体内に位置し、前記エンドキャップの厚さ方向において、前記エンドキャップとケースとの密封接続を実現するように、前記第2の接続部は、前記エンドキャップと第2の位置制限部との間に位置する。
【0050】
上記技術案では、封止部材は、相互に接続される囲い体と第2の接続部とを含み、エンドキャップの少なくとも一部は囲い体内に位置し、第2の接続部はエンドキャップと第2の位置制限部の間に位置し、封止部材の構造が簡単で、エンドキャップとケースとの良好な密閉性を実現しながら、封止部材およびエンドキャップに良好な一体性を具備させる。
【0051】
第2の様態によれば、本願の実施例は、第1の態様のいずれか1つの実施例に係る電池セルを複数備える電池を提供する。
【0052】
第3の様態によれば、本願の実施例は、第1の態様のいずれか1つの実施例に係る電池セルを備える電気設備を提供する。
【0053】
第4の様態によれば、本願の実施例は、開口を有するケースを提供することと、電極アセンブリを提供することと、エンドキャップを提供することと、集電部材を提供することと、集電部材を前記電極アセンブリに接続することと、前記電極アセンブリおよび前記集電部材を前記ケース内に収容することと、前記エンドキャップを前記開口に覆って嵌合し、かつ前記エンドキャップと前記ケースとを密封接続させて、前記集電部材が前記電極アセンブリの前記エンドキャップに面する側に位置するようにすることとを含む電池セルの製造方法であって、前記ケースと電極アセンブリは、前記集電部材によって電気接続される電池セルの製造方法を提供する。
【0054】
一部の実施例では、前記エンドキャップを前記開口に覆って嵌合する前に、前記製造方法は、前記ケースの内部から前記集電部材を前記ケースに溶接することをさらに含む。
【0055】
第5の様態によれば、本願の実施例は、開口を有するケースを提供するための第1の提供装置と、電極アセンブリを提供するための第2の提供装置と、エンドキャップを提供するための第3の提供装置と、集電部材を提供するための第4の提供装置と、集電部材を前記電極アセンブリに接続すること、さらに前記電極アセンブリおよび前記集電部材を前記ケース内に収容すること、さらに前記エンドキャップを前記開口に覆って嵌合し、かつ前記エンドキャップと前記ケースとを密封接続させて、前記集電部材が前記電極アセンブリの前記エンドキャップに面する側に位置するようにすることに用いられる組立装置とを含む電池セルの製造設備であって、前記ケースと電極アセンブリは、前記集電部材によって電気接続される電池セルの製造設備を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は本願の実施例で使用すべき図面を簡単に説明する。下記図面は本願の一部の実施例を示したものに過ぎないため、範囲を限定するものと見なしてはならず、当業者であれば、創造的な努力をせずに、これらの図面に基づいて他の関連図面をさらに取得できることは理解されるべきである。
【0057】
図1】本願の一部の実施例に係る車両の構造模式図である。
図2】本願の一部の実施例に係る電池の構造模式図である。
図3】本願の一部の実施例に係る電池セルの分解図である。
図4図3に示す電池セルの断面図である。
図5】本願の一部の実施例に係る電池セルの部分図である。
図6】本願の他の一部の実施例に係る電池セルの部分図である。
図7図4に示す電池セルの部分図である。
図8】本願の更なる一部の実施例に係る電池セルの部分図である。
図9】本願の一部の実施例に係る電池セルの製造方法のフローチャートである。
図10】本願の一部の実施例に係る電池セルの製造設備の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本願の目的、技術案および利点をより明確化するために、以下は本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例に係る技術案を詳しく説明する。明らかに、ここで説明される実施例は本願の全部の実施例ではなく、一部に過ぎない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な努力をせずに得られる全ての他の実施形態はいずれも本願の範囲内である。
【0059】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためだけであり、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲および図面の簡単な説明における「含む」や「有する」という用語、並びにそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。本願の明細書や特許請求の範囲または上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序や主従関係を表すためではなく、異なる対象を区別するために用いられる。
【0060】
本願で言う「実施例」は、実施例に記載の特定の特徴、構造または特性を組み合わせたものが本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各箇所に現れるこの用語は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と互いに排他的で独立または代替の実施例を意味するものでもない。
【0061】
本願の説明において、特に明記・限定しない限り、技術用語の「装着」、「つながる」、「接続」、「取付」などは、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体化でもよく、直接つながっても中間媒体を介した間接つながってもよく、二つの素子内部の連通であってもよい。当業者からすれば、具体的な状況に応じて本願におけるこれらの用語の具体的な意味を理解できる。
【0062】
本願の実施例では、同じ図面符号は同じ部品を示し、かつ簡略化するために、異なる実施例では、同じ部品に対する詳細な説明を省略する。なお、図面に示す本願の実施例における各種部材の厚さ、縦横などの寸法、および、一体型装置の全体の厚さ、縦横などの寸法は、例示的なものであり、本願を何ら限定するものではないと理解すべきである。
【0063】
本願に現れた「複数」とは2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0064】
本願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などが含まれてもよく、本願の実施例ではそれに対する限定がない。電池セルは、円筒形、平板形、直方体または他の形状などであってもよく、本願の実施例ではそれに対する限定もない。電池セルは、パッケージの仕方によって、一般的に円筒型セル、角型セル、パウチ型セルの3種類に大別されるが、本願の実施例ではそれに対する限定もない。
【0065】
本願の実施例で言及する電池は、より高い電圧と容量を提供するための1つまたは複数の電池セルを含む単一の物理モジュールである。例えば、本願で言う電池は、電池モジュールまたは電池パックを含んでもよい。電池は通常、1つまたは複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含んでいる。筐体は、液体やその他の異物による電池セルの充放電の影響を防止できる。
【0066】
電池セルは、正極シート、負極シートおよびセパレータからなる電極アセンブリと電解液とを含む。電池セルは、主に正極シートと負極シートの間での金属イオンの移動によって作動する。正極シートは、正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布されている正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極タブとされている。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム、マンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布されている負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極タブとされている。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボンやシリコンなどであってもよい。溶断することなく大電流が通れるように、正極タブは複数個で積層してなり、負極タブは複数個で積層してなる。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。また、電極アセンブリは巻回型構造でも積層型構造でもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0067】
一般的な電池セルでは、ケースを電池セルの正の出力極または負の出力極として機能させるために、電極アセンブリをケースに電気接続する必要があり、現状では電極アセンブリとケースとの電気接続は比較的容易ではない。
【0068】
発明者らは、電池セルにおいて、ケースが頂端に開口した中空構造であり、電極アセンブリがケースに電気接続されるため、一般的にケースの外側からケースの底壁と電極アセンブリとを溶接することで電極アセンブリとケースとの電気接続を実現するが、電極アセンブリがケース内に位置するため、電極アセンブリとケースの底壁との溶接具合を判断できず、電極アセンブリとケースとの電気接続を実現するのは容易ではないことを見出した。
【0069】
これに鑑み、本願の実施例では、集電部材を電極アセンブリのエンドキャップに面する側に設けることにより、電極アセンブリとケースを集電部材を介して電気接続し、エンドキャップをケースの開口に覆って嵌合し、エンドキャップをケースに密封接続する電池セルを提供する。
【0070】
このような電池セルでは、集電部材によって電極アセンブリとケースとの電気接続を実現し、電池セルを組み立てる際に、集電部材はケースの内部でケースに接続可能であり、集電部材を電極アセンブリおよびケースに接続した後、エンドキャップをケースの開口に覆って嵌合してケースに密封接続することにより、電極アセンブリとケースとの電気接続を一層容易にする。
【0071】
本願の実施例に記載の電池セルは、電池および電池を用いた電気設備に適用可能である。
【0072】
電気設備は、車両、携帯電話、携帯式装置、ノートパソコン、船舶、宇宙機、電動玩具、電動工具であってもよい。車両は、ガソリン自動車、天然ガス自動車または新エネルギー自動車であってもよい。新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンダー電気自動車などであってもよい。宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含む。電動玩具は、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具、電動飛行機玩具などの据置型または移動型電動玩具を含む。電動工具は、金属切削用電動工具、研削用電動工具、組立用電動工具、鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマ、インパクトドリル、コンクリート振動子、電動削りくずなどを含む。本願の実施例には、前記電気設備に対して特別な制限がない。
【0073】
以下の実施例では、説明の便宜上、車両を例として電気設備を説明する。
【0074】
図1を参照すると、図1は本願の一部の実施例に係る車両1000の構造模式図である。車両1000の内部には、電池100が設けられており、電池100は、車両1000の底部または頭部または後部に設けられてもよい。電池100は、車両1000の給電に適用し、例えば、車両1000の動作電源として電池100を使用することができる。
【0075】
車両1000は、コントローラ200およびモータ300を備えてもよい。コントローラ200は、電池100のモータ300への給電、例えば、車両1000の始動時、ナビゲーション時、走行時の作業用電力を制御することに用いられる。
【0076】
本願の一部の実施例では、電池100は、車両1000の動作電源として機能するだけではなく、車両1000の駆動用電源としても機能し、ガソリンや天然ガスの代替又は部分的な代替として、車両1000に駆動力を提供することが可能である。
【0077】
一部の実施例では、図2を参照すると、図2は本願の一部の実施例に係る電池100の構造模式図であり、電池100は複数の電池セル10を備える。複数の電池セル10同士は直列接続または並列接続または直並列接続されてもよい。直並列接続とは、複数の電池セル10において直列接続がありながら並列接続もあることである。
【0078】
一部の実施例では、電池100は、母線部材をさらに含んでもよく、複数の電池セル10の直列接続または並列接続または直並列接続を実現するために、複数の電池セル10同士を母線部材を介して電気接続することが可能である。
【0079】
母線部材は、例えば銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などの金属導体であってもよい。
【0080】
一部の実施例では、電池セル10は、電池セル10を収容するための筐体20をさらに含んでもよい。筐体20は第1部分21と第2部分22を含んでもよく、電池セル10を収容する収容室を形成するように第1部分21と第2部分22とを互いに覆って嵌合させる。無論、第1部分21と第2部分22の接続箇所は、封止素子によって封止されてもよく、封止素子として、シールリング、シーラントなどであってもよい。
【0081】
ここで、第1部分21および第2部分22は、例えば、直方体、円筒体など様々な形状であってもよい。第1部分21は、片側を開放した中空構造であってもよく、第2部分22も、片側を開放した中空構造であってもよく、第2部分22の開放側を第1部分21の開放側に覆って嵌合すると、収容室を有する筐体20を形成する。無論、第1部分21が片側を開放した中空構造で、第2部分22が板状構造で、第2部分22を第1部分21の開放側に覆って嵌合して収容室を有する筐体20を形成することも可能である。
【0082】
図3を参照すると、図3は、本願の一部の実施例に係る電池セル10の分解図である。電池セル10は、ケース11、電極アセンブリ12、エンドキャップ13、集電部材14および封止部材15を備えてもよい。
【0083】
ケース11は、電極アセンブリ12を収容するための部品であり、一端が開口した中空構造であってもよく、両端が開口した中空構造であってもよい。ケース11の材質は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金など多種類であってもよい。ケース11は、例えば、円筒体、直方体など様々な形状であってもよい。例示的に、図3において、ケース11は円筒体であり、図3に示す電池セル10は円筒型電池100である。
【0084】
電極アセンブリ12は、電池セル10内で電気化学反応が行われる部品である。電極アセンブリ12は、主体部およびタブを含んでもよく、タブは主体部の端部から突出するように主体部から延在している。主体部は、正極シート、負極シートおよびセパレータを含んでもよい。主体部は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回きしてなす巻回型構造型でもよい。主体部は、正極シート、セパレータおよび負極シートを積層してなす積層型構造でもよい。
【0085】
正極シートは、正極集流体と、正極集電体の対向する両側に塗布された正極活物質層とを含む。負極シートは、負極集電体と、負極集電体の対向する両側に塗布された負極活物質層とを含む。主体部は、シートに活物質層が塗布された領域に対応する電極アセンブリ12の部分であり、タブはシートに活物質層が塗布されていない部分である。タブは、正極タブと負極タブに分けられてもよく、正極タブと負極タブはそれぞれ主体部の両端から突出している。
【0086】
エンドキャップ13は、ケース11の開口を覆って嵌合して電池セル10の内部環境を外部環境から隔離する部品である。エンドキャップ13は、ケース11の開口を覆って嵌合し、エンドキャップ13とケース11は共同で電極アセンブリ12、電解液および集電部材14を収容するための密閉空間を画定する。エンドキャップ13の形状は、ケース11の形状に合わせることが可能である。例えば、ケース11が直方体構造である場合、エンドキャップ13はケース11に適合する矩形の板状構造であり、さらに、ケース11が円筒体構造である場合、エンドキャップ13はケース11に適合する円板状構造である。エンドキャップ13の材質も多種類であってもよく、エンドキャップ13は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などの金属材質であってもよく、エンドキャップ13の材質は、ケース11の材質と同じでも異なっていてもよい。
【0087】
電池セル10では、エンドキャップ13は一つでも、二つでもよい。一端が開口した中空構造であるケース11の場合、対応的にエンドキャップ13を一つ設けるが、両端が開口した中空構造であるケース11の場合、対応的にエンドキャップ13を二つ設け、二つのエンドキャップ13は、ケース11の二つの開口をそれぞれ覆って嵌合され、電極アセンブリ12の正極タブと負極タブのうちの一方は、一つのエンドキャップ13に電気接続され、他方はケース11に電気接続される。一端が開口した中空構造であるケース11の実施例では、ケース11のエンドキャップ13に背く一端に電極端子16(図3に未図示)が設けられてもよく、電極端子16とケース11が絶縁接続され、電極アセンブリ12の正極タブと負極タブのうちの一方がケース11に電気接続され、他方が電極端子16に電気接続される。
【0088】
集電部材14は、ケース11が電池セル10の一つの出力極として機能するように、ケース11と電極アセンブリ12とを接続して電極アセンブリ12とケース11との電気接続を実現する部品である。電極アセンブリ12が電極端子16に電気接続される実施例では、電極アセンブリ12のうちの正極タブまたは負極タブは、一つの集電部材14を介して電極端子16に電気接続されてもよく、例えば、電極アセンブリ12の負極タブは一つの集電部材14を介してケース11に電気接続され、電極アセンブリ12の正極タブはもう一つの集電部材14を介して電極端子16に電気接続される。
【0089】
集電部材14は、例えば銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などの金属導体であってもよい。
【0090】
封止部材15は、エンドキャップ13とケース11との間に設けられ、エンドキャップ13とケース11との密封接続を実現する部品である。封止部材15は、例えば、ゴム、プラスチックなど様々な材質であってもよい。
【0091】
図4を参照すると、図4図3に示す電池セル10の断面図である。本願の実施例は、ケース11、電極アセンブリ12、エンドキャップ13および集電部材14を備える電池セル10を提供する。ケース11は開口を有する。電極アセンブリ12はケース11内に収容される。エンドキャップ13は開口を覆って嵌合され、ケース11に密封接続される。集電部材14は、ケース11内に収容され、電極アセンブリ12のエンドキャップ13に面する側に位置し、集電部材14は、ケース11と電極アセンブリ12とを接続して電極アセンブリ12がケース11に電気接続されるように配置される。
【0092】
集電部材14は、電極アセンブリ12とケース11との電気接続を実現する部品であり、集電部材14は電極アセンブリ12に接続されながら、ケース11に接続される。集電部材14は、電極アセンブリ12に接続され、集電部材14が電極アセンブリ12の正極タブに接続されてもよく、電極アセンブリ12の負極タブに接続されてもよい。集電部材14と電極アセンブリ12との接続は、例えば、集電部材14が電極アセンブリ12の正極タブまたは負極タブに溶接されるなど両者が接続固定されてもよく、または、例えば、集電部材14が電極アセンブリ12の正極タブまたは負極タブに単に当接し合って接触しているなど両者が互いに当接して接触しているだけでもよい。集電部材14とケース11との接続は、例えば、集電部材14がケース11に溶接されるなど両者が接続固定されてもよく、両者が単に当接し合って接触しているだけでもよい。
【0093】
本願の実施例では、集電部材14は、電極アセンブリ12のエンドキャップ13に面する側に位置し、電極アセンブリ12とケース11とは集電部材14を介して電気接続され、エンドキャップ13はケース11の開口を覆って嵌合され、エンドキャップ13はケース11に密封接続される。このような構造の電池セル10は、集電部材14によって電極アセンブリ12とケース11との電気接続を実現し、集電部材14は、ケース11の内部でケース11に接続可能であり、集電部材14を電極アセンブリ12およびケース11に接続した後、エンドキャップ13をケース11の開口に覆って嵌合してケース11に密封接続することにより、電極アセンブリ12とケース11との電気接続を一層容易にする。
【0094】
一般的な電池セル10からすれば、ケース11の底壁がタブに溶接されているため、ケース11の底壁とタブとを溶接する過程において、ケース11の底壁が破壊される場合が生じやすく、漏液をもたらし、電池セル10の性能に影響及ぼしてしまう。一方、本願の実施例では、電極アセンブリ12とケース11が集電部材14によって電気接続を実現し、エンドキャップ13がケース11に密閉接続され、電極アセンブリ12がエンドキャップ13に直接接続されていないため、電池セル10は、エンドキャップ13側から漏液する状況が発生しにくい。
【0095】
例示的には、ケース11が電池セル10の負の出力極として機能するように、集電部材14は、ケース11と電極アセンブリ12の負極タブとを接続される。電極端子16が電池セル10の正の出力極として機能するように、ケース11のエンドキャップ13から離れる一端の電極端子16は、電極アセンブリ12の正極タブに電気接続される。
【0096】
一部の実施例では、集電部材14はケース11に溶接されている。集電部材14とケース11との接続方法は簡単で、集電部材14とケース11との接続の強固さを確保し、集電部材14とケース11との間の安定した過電流を実現することができる。
【0097】
集電部材14をケース11に溶接する際に、ケース11の外部で溶接を行い、例えば、貫通溶接方法でケース11の外部から集電部材14をケース11に溶接してもよく、ケース11の内部で集電部材14をケース11に溶接してもよい。ケース11の外部で溶接する場合、集電部材14をケース11に溶接してなる溶接部17はケース11の外部に位置するが、ケース11の内部で溶接する場合、集電部材14をケース11に溶接してなる溶接部17はケース11の内部に位置する。
【0098】
一部の実施例では、集電部材14とケース11とが溶接され、ケース11の内部に位置して集電部材14とケース11とを固定するための溶接部17を形成する。
【0099】
溶接部17は、集電部材14とケース11とを固定する役割を果たし、すなわち、集電部材14は、溶接部17を介してケース11に固定される。溶接部17は、集電部材14とケース11とを接続する半田であってもよく、集電部材14とケース11とが融着されてなる融着部であってもよい。
【0100】
ケース11の材質がスチールである例を挙げると、集電部材14をケース11に溶接してなる溶接部17がケース11外に位置する場合、集電部材14をケース11に溶接する過程において、ケース11の外部保護層が損傷されやすく、腐食現象が生じやすい。
【0101】
一方、本実施例では、集電部材14をケース11に溶接してなる溶接部17がケース11の内部に位置するため、集電部材14をケース11に溶接する際に溶接部17がケース11の外側に位置することによるケース11の外層構造の損傷リスクを低減し、ケース11の腐食リスクを低減し、電池セル10の使用寿命を向上させる。
【0102】
一部の実施例では、図4を引き続き参照すると、ケース11の内側面111には、第1の位置制限部112が凸設されており、第1の位置制限部112は、エンドキャップ13が電極アセンブリ12に面する方向に沿って移動することを制限するために用いられている。集電部材14は第1の位置制限部112に溶接されている。
【0103】
ケース11の内側面111とは、ケース11がエンドキャップ13の厚さ方向Zに沿って延在している側壁の内側面を指す。第1の位置制限部112は、ケース11の内側面111に凸設されており、エンドキャップ13が電極アセンブリ12に面する方向に沿って移動することを制限するための構造である。第1の位置制限部112とケース11は一体成型された構造でも、別々に成型された後に接合された構造でもよい。
【0104】
本実施例では、第1の位置制限部112は、エンドキャップ13に対して制限作用を果たし、第1の位置制限部112によってエンドキャップ13が電極アセンブリ12に面する方向に沿って移動することを制限することができる。集電部材14は、エンドキャップ13に対して制限作用を果たす第1の位置制限部112に溶接されており、第1の位置制限部112を効果的に利用し、集電部材14の溶接固定に有利である。
【0105】
一部の実施例では、図5を参照すると、図5は本願の一部の実施例に係る電池セル10の部分図である。集電部材14は、電極アセンブリ12に接続するための本体部141を含み、本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に位置し、第1の位置制限部112は、本体部141が電極アセンブリ12に背く方向に沿ってケース11から脱離することを制限するために用いられる。
【0106】
本体部141は、集電部材14と電極アセンブリ12との接続部分であり、例えば、本体部141は、電極アセンブリ12の負極タブに溶接される。集電部材14全体が本体部141であってもよく、集電部材14の一部が本体部141であってもよい。例示的には、図5において、集電部材14全体が本体部141である。
【0107】
第1の位置制限部112は、本体部141に対して制限作用を果たし、第1の位置制限部112は、本体部141が電極アセンブリ12に背く方向に沿ってケース11から脱離することを制限することができ、第1の位置制限部112は、エンドキャップ13と本体部141とを隔離可能であり、本体部141は、エンドキャップ13とケース11との封止に影響を与えにくく、エンドキャップ13とケース11との間の密閉性が確保される。
【0108】
一部の実施例では、図5を引き続き参照すると、本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に当接して第1の位置制限部112に溶接されている。
【0109】
本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に当接し、理解できるように、本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する端面に当接し、第1の位置制限部112は、本体部141が電極アセンブリ12に背く方向に沿って移動することを阻止する作用を果たす。
【0110】
本実施例では、本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に当接して第1の位置制限部112に溶接されており、これにより、集電部材14全体が第1の位置制限部112に固定された後に良好な強固さを有し、集電部材14と第1の位置制限部112との接触面積を大きくすることでケース11と集電部材14との過電流面積を増大させる。
【0111】
例示的には、図5において、本体部141は、エンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて、電極アセンブリ12に背く外面1412を有し、第1の位置制限部112は内周面1121を有し、本体部141を第1の位置制限部112に溶接してなる溶接部17は、本体部141の外面1412および第1の位置制限部112の内周面1121に接続されている。
【0112】
一部の実施例では、図6を参照すると、図6は本願の他の一部の実施例に係る電池セル10の部分図である。集電部材14は、弾性部142を含んでもよく、弾性部142は、本体部141に接続され、第1の位置制限部112に当接して第1の位置制限部112に溶接されている。
【0113】
弾性部142は、本体部141に接続された集電部材14の弾性変形可能な部分である。エンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて、弾性部142は、本体部141の第1の位置制限部112に面する側に位置する。弾性部142と本体部141は、一体成型された構造でも、別々に成型された後に接合された構造でもよい。集電部材14における弾性部142は一つでも、複数でもよい。集電部材14における弾性部142が複数である場合、複数の弾性部142は、本体部141の周方向に沿って本体部141に間隔をあけて分布されてもよい。
【0114】
本実施例では、集電部材14の弾性部142は、第1の位置制限部112に当接して第1の位置制限部112に溶接されており、弾性部142は、本体部141と第1の位置制限部112との距離の変化に応じて弾性変形可能であり、電池セル10の振動で電極アセンブリ12がケース11内で移動することで本体部141と電極アセンブリ12との電気接続が不良となるリスクを低減する。
【0115】
一部の実施例では、図6を引き続き参照すると、弾性部142は、本体部141に折り曲げられて設けられた弾性シートであり、このような弾性部142は、構造が簡単で、優れた変形能力を有し、弾性部142が第1の位置制限部112と比較的大きな接触面積を有することを確保する。
【0116】
他の実施例では、弾性部142は他の構造、たとえば、弾性部142が本体部141に接続されるバネ構造であってもよい。
【0117】
一部の実施例では、図7を参照すると、図7図4に示す電池セル10の部分図である。集電部材14は、第1の接続部143をさらに含んでもよく、第1の接続部143は本体部141に接続され、第1の接続部143の少なくとも一部は、第1の位置制限部112の内周側まで延在しており、第1の接続部143は、第1の位置制限部112に溶接されている。
【0118】
第1の接続部143は、集電部材14が第1の位置制限部112に溶接された部分であり、該部分の少なくとも一部は第1の位置制限部112の内周側まで延在している。内周面1121を有する第1の位置制限部112の場合を例にすると、第1の接続部143の少なくとも一部は、第1の位置制限部112の内周側まで延在しており、すなわち、第1の接続部143の少なくとも一部は、第1の位置制限部112の内周面1121によって規定される空間内に延在している。
【0119】
本実施例では、第1の接続部143は、第1の位置制限部112に溶接されており、集電部材14の第1の接続部143の一部が第1の位置制限部112の内周側まで延在しているため、第1の接続部143を第1の位置制限部112に直接溶接してもよく、集電部材14と第1の位置制限部112との溶接難度を下げる。
【0120】
なお、集電部材14の第1の接続部143が第1の位置制限部112に溶接されている場合、集電部材14の本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に当接してもよく、本体部141がエンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて第1の位置制限部112と隙間をあけて設けられてもよい。図7において、集電部材14とケース11との間の過電流面積を増大させるために、本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に当接している。
【0121】
一部の実施例では、図7を引き続き参照すると、第1の接続部143は、本体部141から電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在する凸部であり、凸部は、第1の位置制限部112の内周面1121との位置決め合わせを形成するために用いられる。
【0122】
凸部は、第1の位置制限部112の内周面1121と位置決め合わせを形成し、凸部の外周面は、第1の位置制限部112の内周面1121に接触し、これにより凸部がエンドキャップ13の厚さ方向Zに垂直する方向に沿って揺れることを阻止する。
【0123】
本実施例では、第1の接続部143が第1の位置制限部112の内周面1121と位置決め合わせを形成する凸部であり、凸部が第1の位置制限部112の内周面1121と位置決め合わせを形成するため、第1の接続部143と第1の位置制限部112との溶接過程における集電部材14の揺れ発生リスクを低減し、溶接難度を下げ、第1の接続部143を第1の位置制限部112に溶接した後の強固さを高める。同時に、ケース11と集電部材14との接触面積を大きくすることでケース11と集電部材14との過電流面積を増大させる。
【0124】
一部の実施例では、図7を引き続き参照すると、本体部141は、電極アセンブリ12に面する内面1411と電極アセンブリ12に背く外面1412とを有し、凸部は、本体部141の外面1412から電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在している。集電部材14は、本体部141の内面1411から電極アセンブリ12に背く方向に沿って凸部内へ凹んだ凹部144をさらに含む。
【0125】
集電部材14に凹部144を設けることは、一方では、集電部材14の材料を減らし、製造コストを削減し、他方では、凸部の変形能力を高めて、凸部が第1の位置制限部112に弾性的に当接するようにし、凸部と第1の位置制限部112との良好な接触を確保する。
【0126】
一部の実施例では、凸部および凹部144はともに、第1の位置制限部112の周方向に沿って延在する環状構造である。
【0127】
凸部および凹部144がともに環状構造であるため、凸部はより良好な変形能力を有する。凸部が第1の位置制限部112からの径方向の力を受けると、凸部は中心位置へ収縮変形可能であり、これにより凸部と第1の位置制限部112とが比較的緊密に合わせられ、凸部と第1の位置制限部112とが良好に接触されるようになる。
【0128】
一部の実施例では、図7を引き続き参照すると、第1の接続部143が本体部141から電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在する方向において、第1の接続部143の本体部141に背く一端は第1の位置制限部112を超えていない。
【0129】
第1の接続部143の本体部141に背く一端が第1の位置制限部112を超えておらず、つまり、第1の接続部143の本体部141に背く一端は第1の位置制限部112内に位置し、理解できるように、エンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて、第1の接続部143の本体部141に背く一端は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に背く一端の端面よりも電極アセンブリ12に近い。
【0130】
本実施例では、第1の接続部143の本体部141に背く一端が第1の位置制限部112を超えていないため、第1の接続部143はエンドキャップ13に干渉を与えにくく、エンドキャップ13とケース11との密閉性は確保される。
【0131】
一部の実施例では、図7を引き続き参照すると、第1の接続部143は、第1の位置制限部112の内周面1121に溶接され、第1の位置制限部112の内周面1121は、境界位置1121aを有し、第1の位置制限部112の内周面1121の径方向寸法は、境界位置1121aから第1の位置制限部112の内周面1121の両端まで漸増する。第1の接続部143が本体部141の電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在する方向において、第1の接続部143の本体部141に背く一端は、境界位置1121aを超えている。
【0132】
上述の説明では、内周面1121の両端は、エンドキャップ13の厚さ方向Zにおける内周面1121の両端を指す。
【0133】
第1の位置制限部112の内周面1121の径方向寸法は、境界位置1121aから第1の位置制限部112の内周面1121の両端まで漸増し、これにより第1の位置制限部112の内周面1121は、両端が大きく中央が小さいくびれ構造となる。例示的には、第1の位置制限部112の内周面1121とその軸方向断面との交点は円弧状であり、該軸方向断面はエンドキャップ13の厚さ方向Zと平行である。
【0134】
本実施例では、第1の接続部143の本体部141に背く一端が境界位置1121aを超えており、これにより第1の接続部143の外周面と第1の位置制限部112の内周面1121との間に溶接溝が形成され、第1の接続部143と第1の位置制限部112との溶接固定が容易になる。
【0135】
例示的には、図7において、第1の接続部143を第1の位置制限部112に溶接してなる溶接部17は、第1の接続部143と第1の位置制限部112との間に形成された溶接溝内にある。
【0136】
一部の実施例では、図8を参照すると、図8は、本願の更なる一部の実施例に係る電池セル10の部分図である。第1の接続部143は、延在セグメント1431および位置制限セグメント1432を含んでもよい。延在セグメント1431は本体部141に接続され、延在セグメント1431は、本体部141から電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在し、延在セグメント1431の少なくとも一部は、第1の位置制限部112の内周側まで延在している。位置制限セグメント1432は、延在セグメント1431に接続され、位置制限セグメント1432は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に背く側に当接して第1の位置制限部112に溶接されている。
【0137】
延在セグメント1431は、第1の接続部143のうち第1の位置制限部112の内部へ延在する部分であり、位置制限セグメント1432は、第1の接続部143と第1の位置制限部112との溶接部分である。延在セグメント1431の少なくとも一部は、第1の位置制限部112の内周側まで延在し、位置制限セグメント1432は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に背く側に当接し、これにより第1の接続部143は第1の位置制限部112に係合され、集電部材14の本体部141は第1の位置制限部112に緊密に当接するようになる。例示的には、延在セグメント1431は筒状構造であり、位置制限セグメント1432は、延在セグメント1431の本体部141から離れる一端に設けられる環状構造である。位置制限セグメント1432は、貫通溶接により第1の位置制限部112に溶接されてもよい。
【0138】
本実施例では、位置制限セグメント1432は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に背く側に当接して第1の位置制限部112に溶接されており、位置制限セグメント1432は位置制限作用を果たし、集電部材14を第1の位置制限部112に溶接した後の強固さを高め、集電部材14と第1の位置制限部112との接触面積を大きくすることでケース11と集電部材14との過電流面積を増大させる。
【0139】
一部の実施例では、図5図8を引き続き参照すると、第1の位置制限部112は、ケース11の周方向に沿って延在する環状構造である。このような構造の第1の位置制限部112は成型製造が容易であり、第1の位置制限部112は全周にわたってエンドキャップ13に対して制限作用を果たすことができ、エンドキャップ13に対する第1の位置制限部112の位置制限能力を確保する。
【0140】
一部の実施例では、ケース11の外側面の第1の位置制限部112に対応する位置には、ローラ溝113が設けられている。
【0141】
ローラ溝113を形成する過程において、ケース11は、ローラ溝113に対応する位置に第1の位置制限部112を形成し、第1の位置制限部112の成型プロセスを簡略化することができる。ローラ溝113に係る工程により第1の位置制限部112を形成した後、第1の位置制限部112の内周面1121の径方向寸法は、境界位置1121aから第1の位置制限部112の内周面1121の両端まで漸増する。
【0142】
第1の位置制限部112がケース11の周方向に沿って延在する環状構造である実施例では、ローラ溝113は、ケース11の軸方向に沿って延在する環状構造であってもよい。
【0143】
一部の実施例では、電池セル10は、封止部材15をさらに含み、エンドキャップ13とケース11との密閉性を確保するために、エンドキャップ13とケース11は封止部材15を介して密封接続される。
【0144】
封止部材15は、ゴム、プラスチックなどの材質であってもよい。
【0145】
一部の実施例では、封止部材15は、ケース11とエンドキャップ13とを絶縁隔離するように配置される。封止部材15は、ケース11とエンドキャップ13との間で封止作用を果たしながら、絶縁作用を果たし、エンドキャップ13とケース11との密閉性を確保すると同時に、エンドキャップ13の帯電リスクを低減する。
【0146】
一部の実施例では、封止部材15は、ケース11の開口の周方向に沿ってエンドキャップ13を被覆するように配置される。このような構造は、一方では、エンドキャップ13およびケース11に対する封止部材15の密閉性を高め、他方では、封止部材15とケース11との一体性を向上させる。電池セル10を組み立てる過程において、封止部材15をエンドキャップ13に被覆した後、エンドキャップ13と封止部材15を一体としてケース11に装着してもよい。
【0147】
一部の実施例では、ケース11の開口の一端において、エンドキャップ13が電極アセンブリ12に背く方向に沿ってケース11から脱離することを制限するための第2の位置制限部114が設けられている。エンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて、エンドキャップ13とケース11との密封接続を実現するために、封止部材15の少なくとも一部はエンドキャップ13と第2の位置制限部114との間に位置する。
【0148】
第2の位置制限部114は、エンドキャップ13に対して制限作用を果たし、これによりエンドキャップ13が電極アセンブリ12に背く方向に沿ってケース11から脱離することを制限し、第2の位置制限部114は、第1の位置制限部112に合わせてエンドキャップ13の厚さ方向Zにおけるエンドキャップ13の移動を制限し、エンドキャップ13をケース11の開口を有する一端に制限する。封止部材15の少なくとも一部は、エンドキャップ13と第2の位置制限部114との間に位置するため、エンドキャップ13とケース11との密封接続を実現し、エンドキャップ13とケース11との良好な密閉性を確保する。
【0149】
例示的には、第2の位置制限部114は、ケース11の一部が内側に折り返されたフランジ構造であってもよく、ケース11を折り返す方法によって、ケース11の開口位置に第2の位置制限部114を形成することができる。電池セル10を組み立てる過程において、電極アセンブリ12および集電部材14をケース11内に収容し、次にケース11に対してローラ溝113加工を行うことで第1の位置制限部112を形成し、次にエンドキャップ13および封止部材15全体を第1の位置制限部112に当接させ、最後にケース11を折り返す方法によって第2の位置制限部114を形成してエンドキャップ13を制限してもよい。
【0150】
一部の実施例では、封止部材15は、囲い体151および第2の接続部152を含み、第2の接続部152は、囲い体151に接続されている。エンドキャップ13の少なくとも一部は、囲い体151内に位置し、エンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて、エンドキャップ13とケース11との密封接続を実現するために、第2の接続部152はエンドキャップ13と第2の位置制限部114との間に位置する。
【0151】
囲い体151は、エンドキャップ13の外周を囲んで設けられ、封止部材15がケース11の開口の周方向に沿ってエンドキャップ13を被覆することを実現する。例示的には、エンドキャップ13により囲い体151をケース11の内側面111に当接させ、囲い体151が第2の位置制限部114とともに封止作用を果たす。
【0152】
本実施例では、エンドキャップ13の少なくとも一部が囲い体151内に位置し、第2の接続部152がエンドキャップ13と第2の位置制限部との間に位置するため、封止部材15の構造が簡単であり、エンドキャップ13とケース11との良好な密閉性を実現しつつ、封止部材15にエンドキャップ13との良好な一体性を具備させる。
【0153】
一部の実施例では、封止部材15は、第3の接続部153をさらに含んでもよく、第3の接続部153は囲い体151に接続され、第1の位置制限部112に当接し、第3の接続部153と第2の接続部152はそれぞれエンドキャップ13の厚さ方向Zにおけるエンドキャップ13の両端に当接し、これにより封止部材15はエンドキャップ13に対してエンドキャップ13の厚さ方向Zにおいて移動できず、封止部材15はエンドキャップ13と良好な一体性を有するようになる。
【0154】
例示的には、第1の接続部143と第2の接続部152はともに環状構造である。
【0155】
また、本願の実施例は、上述したいずれか1つの実施例に係る電池セル10を複数備える電池100を提供する。
【0156】
本願の実施例は、上述したいずれか1つの実施例に係る電池セル10を備える電気設備を提供する。
【0157】
電気設備は、電池100を適用する上述したいずれかの設備であってもよい。
【0158】
また、図4および図7を合わせて参照すると、本願の実施例は、ケース11、電極アセンブリ12、エンドキャップ13および集電部材14を備える電池セル10をさらに提供する。ケース11は開口を有し、ケース11の外側面にはローラ溝113が設けられており、ケース11のローラ溝113に対応する位置にはケース11の内側面111から突出する第1の位置制限部112が形成されている。電極アセンブリ12は、負極タブおよび正極タブを有し、電極アセンブリ12は、ケース11内に収容されている。エンドキャップ13はケース11の開口を覆って嵌合され、ケース11に密封接続され、第1の位置制限部112は、エンドキャップ13が電極アセンブリ12に面する方向に沿って移動することを制限するために用いられる。集電部材14は、負極タブとケース11とを接続して電極アセンブリ12がケース11に電気接続されるように配置される。ケース11のエンドキャップ13から離れる一端には、正極タブに電気接続される電極端子16が設けられている。
【0159】
ここで、集電部材14は、本体部141および第1の接続部143を含み、本体部141は、第1の位置制限部112の電極アセンブリ12に面する側に位置して第1の位置制限部112に当接し、第1の接続部143は、本体部141に接続され、第1の接続部143は、第1の位置制限部112の内周側まで延在し、第1の接続部143は、第1の位置制限部112の内周面1121と位置決め合わせを形成し、第1の接続部143は、第1の位置制限部112の内周面1121に溶接される。第1の接続部143の内周面1121は、境界位置1121aを有し、内周面1121の径方向寸法は、境界位置1121aから内周面1121の両端まで漸増する。第1の接続部143が本体部141から電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在する方向において、第1の接続部143の本体部141に背く一端は、境界位置1121aを超えており、しかも第1の位置制限部112を超えていない。本体部141は、電極アセンブリ12に面する内面1411と、電極アセンブリ12に背く外面1412とを有し、第1の接続部143は、本体部141の外面1412から電極アセンブリ12に背く方向に沿って延在する凸部であり、集電部材14には、本体部141の内面1411から電極アセンブリ12に背く方向に沿って凸部内へ凹んだ凹部144が設けられている。凸部および凹部144はともに第1の位置制限部112の周方向に沿って延在する環状構造である。
【0160】
このような電池セル10では、エンドキャップ13をケース11の開口に覆って嵌合する前、集電部材14とケース11との溶接を容易に実現できる結果、電極アセンブリ12とケース11との電気接続を容易に実現し、集電部材14とケース11との安定した大きな過電流面積を確保し、電池セル10の使用性能を確保する。
【0161】
本願の実施例は電池セル10の製造方法を提供する。図9を参照すると、図9は、本願の一部の実施例に係る電池セル10の製造方法のフローチャートである。該製造方法は、以下のステップを含む。
【0162】
S100:開口を有するケース11を提供する。
【0163】
S200:電極アセンブリ12を提供する。
【0164】
S300:エンドキャップ13を提供する。
【0165】
S400:集電部材14を提供する。
【0166】
S500:集電部材14を電極アセンブリ12に接続する。
【0167】
S600:電極アセンブリ12および集電部材14をケース11内に収容する。
【0168】
S700:エンドキャップ13をケース11の開口に覆って嵌合し、かつエンドキャップ13とケース11とを密封接続させて、集電部材14が電極アセンブリ12のエンドキャップ13に面する側に位置するようにする。
【0169】
ここで、ケース11と電極アセンブリ12は、集電部材14によって電気接続される。
【0170】
上述の方法では、ステップS100、ステップS200、ステップS300およびステップS400の前後順序を特定せず、例えば、先にステップS400を行い、次にステップS300、次にステップS200、さらにステップS100を行ってもよい。
【0171】
なお、上述した実施例に係る製造方法によって製造された電池セル10の関連構造について、上述した各実施例に係る電池セル10を参照してもよく、ここでは省略する。
【0172】
一部の実施例では、エンドキャップ13を開口に覆って嵌合する前に、製造方法は、ケース11の内部から集電部材14をケース11に溶接することをさらに含む。
【0173】
本願の実施例は電池セル10の製造設備2000をさらに提供する。図10を参照すると、図10は本願の一部の実施例に係る電池セル10の製造設備2000の構造模式図である。製造設備2000は、第1の提供装置2100、第2の提供装置2200、第3の提供装置2300、第4の提供装置2400および組立装置2500を備える。
【0174】
第1の提供装置2100は、開口を有するケース11を提供するために用いられる。第2の提供装置2200は、電極アセンブリ12を提供するために用いられる。第3の提供装置2300は、エンドキャップ13を提供するために用いられる。第4の提供装置2400は、集電部材14を提供するために用いられる。組立装置2500は、集電部材14を電極アセンブリ12に接続するために用いられ、組立装置2500は、さらに電極アセンブリ12および集電部材14をケース11内に収容するために用いられ、組立装置2500は、さらにエンドキャップ13を開口に覆って嵌合し、かつエンドキャップ13とケース11とを密封接続させて、集電部材14が電極アセンブリ12のエンドキャップ13に面する側に位置するようにするために用いられる。ここで、ケース11および電極アセンブリ12は集電部材14によって電気接続される。
【0175】
なお、上記実施例に係る製造設備2000によって製造される電池セル10の関連構造について、上述した各実施例に係る電池セル10を参照してもよく、ここでは省略する。
【0176】
また、矛盾がない限り、本願の実施例および実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0177】
上述の実施例は、単に本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。当業者からすれば、本願は種々の変更や変形を有してもよい。本願の精神及び原則内で行われたあらゆる修正、同等の置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0178】
10-電池セル
11-ケース
111-内側面
112-第1の位置制限部
1121-内周面
1121a-境界位置
113-ローラ溝
114-第2の位置制限部
12-電極アセンブリ
13-エンドキャップ
14-集電部材
141-本体部
1411-内面
1412-外面
142-弾性部
143-第1の接続部
1431-延在セグメント
1432-位置制限セグメント
144-凹部
15-封止部材
151-囲い体
152-第2の接続部
153-第3の接続部
16-電極端子
17-溶接部
20-筐体
21-第1部分
22-第2部分
100-電池
200-コントローラ
300-モータ
1000-車両
2000-製造設備
2100-第1の提供装置
2200-第2の提供装置
2300-第3の提供装置
2400-第4の提供装置
2500-組立装置
Z-厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10