(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】資源回収システム、サーバ装置、資源回収装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20250109BHJP
G06Q 10/30 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/30
(21)【出願番号】P 2024070102
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2022508423の分割
【原出願日】2021-03-17
【審査請求日】2024-04-23
(31)【優先権主張番号】P 2020048411
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020075638
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 竜太
(72)【発明者】
【氏名】杉原 一成
(72)【発明者】
【氏名】鉢木 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】内芝 宏文
(72)【発明者】
【氏名】寺井 良太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-141499(JP,A)
【文献】特開平11-106004(JP,A)
【文献】特開2007-310107(JP,A)
【文献】特開2006-99285(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107239059(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄者により廃棄された物品を回収する複数の資源回収装置と、
前記複数の資源回収装置を管理するサーバ装置と、を備え、
前記サーバ装置は、前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成し、
前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である
資源回収システム。
【請求項2】
前記複数の資源回収装置に含まれる資源回収装置は、当該資源回収装置の前記設置位置を示す位置情報を前記サーバ装置に送信する
請求項1に記載の資源回収システム。
【請求項3】
前記複数の資源回収装置に含まれる資源回収装置は、当該資源回収装置の前記利用実績を前記サーバ装置が特定するための計測情報を前記サーバ装置に送信する
請求項1又は2に記載の資源回収システム。
【請求項4】
前記計測情報は、前記資源回収装置における物品蓄積量又は空き容量を示す情報を含む
請求項3に記載の資源回収システム。
【請求項5】
前記計測情報は、前記資源回収装置に設けられる開閉部が開いた回数を示す情報及び前記開閉部が開いていた時間の長さを示す情報のうち少なくとも一方を含む
請求項3又は4に記載の資源回収システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、
前記複数の資源回収装置のそれぞれの前記利用実績及び前記設置位置に基づいて、単位時間あたりに廃棄される物品の量が所定量を超える地理的領域を特定し、
前記地理的領域内の位置を前記対象資源回収装置の設置位置として提案する情報を含む前記提案情報を生成する
請求項3又は4に記載の資源回収システム。
【請求項7】
前記サーバ装置は、前記複数の資源回収装置のうち前記地理的領域外にある設置済み資源回収装置の設置位置を前記地理的領域内の位置に変更することを提案する情報を含む前記提案情報を生成する
請求項6に記載の資源回収システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、前記対象資源回収装置が前記物品を格納する格納容量を提案する情報をさらに含む前記提案情報を生成する
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の資源回収システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、前記複数の資源回収装置のそれぞれが回収する物品の種別に基づいて、前記対象資源回収装置に回収させる物品の種別を示す分別種別を提案する情報をさらに含む前記提案情報を生成する
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の資源回収システム。
【請求項10】
前記複数の資源回収装置のそれぞれは、前記物品を特定する物品特定部を有し、
前記サーバ装置は、前記物品特定部による特定結果に基づいて、前記複数の資源回収装置のそれぞれが回収する前記物品の種別を特定する
請求項9に記載の資源回収システム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、将来開催されるイベントに関するイベント情報にさらに基づいて前記提案情報を生成する
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の資源回収システム。
【請求項12】
前記サーバ装置は、前記利用実績をイベント種別と対応付けて管理し、
前記イベント情報は、前記イベントの種別を示すイベント種別情報を含み、
前記サーバ装置は、前記イベント種別情報が示すイベント種別に対応する前記利用実績に基づいて前記提案情報を生成する
請求項11に記載の資源回収システム。
【請求項13】
前記イベント情報は、前記イベントが開催される開催エリアを示す開催エリア情報を含み、
前記サーバ装置は、前記開催エリア情報に基づいて、前記開催エリア内における前記対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む前記提案情報を生成する
請求項11又は12に記載の資源回収システム。
【請求項14】
前記イベント情報は、前記イベントが開催される将来の期間を示す開催期間情報を含み、
前記サーバ装置は、前記開催期間情報に基づいて、前記将来の期間内における前記対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む前記提案情報を生成する
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の資源回収システム。
【請求項15】
前記サーバ装置は、前記将来の期間内における天候を予測した天候情報にさらに基づいて前記提案情報を生成する
請求項14に記載の資源回収システム。
【請求項16】
前記イベント情報は、前記イベントに参加する参加者の人数を示す参加人数情報を含み、
前記サーバ装置は、前記参加人数情報及び前記イベント種別情報のうち少なくとも一方に基づいて、前記対象資源回収装置の数を提案する設置数情報及び前記対象資源回収装置に回収させる物品の種別を提案する種別情報の少なくとも一方をさらに含む前記提案情報を生成する
請求項12又は請求項12を引用する請求項13乃至15のいずれか1項に記載の資源回収システム。
【請求項17】
前記サーバ装置は、所定事業者に属する通信装置に対して前記提案情報を送信し、
前記所定事業者は、前記対象資源回収装置の設置を行う事業者、又は前記対象資源回収装置の設置位置の変更を行う事業者である
請求項1乃至16のいずれか1項に記載の資源回収システム。
【請求項18】
廃棄者により廃棄された物品を回収する複数の資源回収装置と通信する通信部と、
前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成する処理部と、を備え、
前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である
サーバ装置。
【請求項19】
資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムが実行する方法であって、
廃棄者により廃棄された物品を回収する複数の資源回収装置と通信することと、
前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成することと、を有し、
前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である
方法。
【請求項20】
廃棄者により廃棄された物品を回収する複数の資源回収装置と、
前記複数の資源回収装置を管理するサーバ装置と、
通信装置と、を備え、
前記サーバ装置は、前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成し、
前記通信装置は、前記提案情報を受信する
資源回収システム。
【請求項21】
前記サーバ装置は、前記対象資源回収装置の設置位置を変更する場合、前記対象資源回収装置を遠隔操作することにより、前記対象資源回収装置を前記提案情報が示す設置位置に移動させる
請求項1に記載の資源回収システム。
【請求項22】
前記サーバ装置は、前記対象資源回収装置の設置位置を変更する場合、前記対象資源回収装置を遠隔操作することにより、前記対象資源回収装置を前記提案情報が示す設置位置に移動させる
請求項18に記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資源回収システム、サーバ装置、資源回収装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品等の物品に電子タグを取り付け、電子タグを用いて物品を管理する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、廃棄者(又は消費者)により廃棄された物品である廃棄物を回収する資源回収装置(いわゆる、ゴミ箱)において、物品が有する電子タグを検出し、検出した電子タグを無効化することにより、電子タグに記憶されたデータを判読不能にする方法が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の方法によれば、廃棄物に付された電子タグを無効化することにより、廃棄者のプライバシーを保護できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
第1の態様に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、廃棄者により廃棄された前記物品を回収する複数の資源回収装置と、前記複数の資源回収装置を管理するサーバ装置とを備える。前記サーバ装置は、前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成する。前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である。
【0007】
第2の態様に係るサーバ装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムで用いる装置である。前記サーバ装置は、廃棄者により廃棄された前記物品を回収する複数の資源回収装置と通信する通信部と、前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成する処理部とを備える。前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である。
【0008】
第3の態様に係る資源回収装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、廃棄者により廃棄された前記物品を回収する装置である。前記資源回収装置は、前記資源回収装置の利用実績をサーバ装置が特定するための計測情報を生成する計測部と、前記資源回収装置の設置位置を示す位置情報を生成する測位部と、前記計測情報及び前記位置情報を互いに対応付けて前記サーバ装置に送信する通信部とを備える。
【0009】
第4の態様に係る方法は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムが実行する方法である。前記方法は、廃棄者により廃棄された前記物品を回収する複数の資源回収装置と通信することと、前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成することとを有する。前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である。
【0010】
第5の態様に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、廃棄された物品を回収する資源回収装置と、消費者が所持する端末装置と、前記資源回収装置及び前記端末装置と通信するサーバ装置とを備える。前記資源回収装置は、自装置の空き容量を特定する計測情報を含む第1メッセージを前記サーバ装置に送信する。前記サーバ装置は、前記第1メッセージに基づいて、所定の空き容量を有する前記資源回収装置の位置を示す情報を前記消費者に通知する通知処理を実行する。
【0011】
第6の態様に係るサーバ装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、廃棄された物品を回収する資源回収装置及び消費者が所持する端末装置と通信する装置である。前記サーバ装置は、前記資源回収装置の空き容量を特定する計測情報を含む第1メッセージを前記資源回収装置から受信する通信部と、前記第1メッセージに基づいて、所定の空き容量を有する前記資源回収装置の位置を示す情報を前記消費者に通知する通知処理を実行する処理部とを備える。
【0012】
第7の態様に係る端末装置は、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、消費者が所持する装置である。前記端末装置は、廃棄された物品を回収する資源回収装置を管理するサーバ装置から、所定の空き容量を有する前記資源回収装置の位置を示す情報を含むメッセージを受信する通信部と、前記メッセージに基づいて、前記所定の空き容量を有する前記資源回収装置の位置を前記消費者に通知する制御部とを備える。
【0013】
第8の態様に係るプログラムは、資源として再利用され得る物品を回収するための資源回収システムにおいて、消費者が所持する端末装置に、廃棄された物品を回収する資源回収装置を管理するサーバ装置から、所定の空き容量を有する前記資源回収装置の位置を示す情報を含むメッセージを受信する処理と、前記メッセージに基づいて、前記所定の空き容量を有する前記資源回収装置の位置を前記消費者に通知する処理とを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る資源回収システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る資源回収装置の構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る計測情報メッセージの構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る計測履歴情報の構成例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る参照情報の構成例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る領域Xの特定方法の一例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る資源回収システムの動作例を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る参照情報の変形例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るサーバ装置の変形例を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係るイベント情報の構成例を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係る資源回収システムの構成を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係る計測情報メッセージの構成例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図15】一実施形態に係る位置情報メッセージの構成例を示す図である。
【
図16】第2実施形態に係る案内情報メッセージの構成例を示す図である。
【
図17】第2実施形態に係る端末装置における画面表示例を示す図である。
【
図18】第2実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
【
図19】第2実施形態に係る資源回収システムの全体動作例を示す図である。
【
図20】第2実施形態の変更例に係るサーバ装置の構成を示す図である。
【
図21】第2実施形態の変更例に係る案内情報メッセージの構成を示す図である。
【
図22】第2実施形態の変更例に係る表示部における画面表示を示す図である。
【
図23】第2実施形態の変更例に係る計測情報メッセージの構成を示す図である。
【
図24】第2実施形態の変更例に係る資源回収システムの全体動作を示す図である。
【
図25】第2実施形態のその他の実施形態に係る資源回収システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
廃棄物に付された電子タグを無効化することは、データを利活用する観点から好ましくない。廃棄物に関するデータを収集して分析することにより、新たな価値を創出できると考えられる。
【0016】
そこで、本開示は、廃棄者(又は消費者)により廃棄された物品に関するデータを利活用することによって新たな価値を創出することを目的とする。
【0017】
図面を参照して第1及び第2実施形態について説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0018】
[第1実施形態の概要]
例えばイベント開催時において会場や周辺市街地に廃棄物が大量に発生する場合がある。このような場合において、廃棄物が大量に発生する地理的領域に設置される資源回収装置が不足していると、資源回収装置が廃棄物を回収しきれなくなり、多くの人員を配置して対応する必要が生じるという問題がある。
【0019】
このような問題に鑑み、第1実施形態に係る資源回収システムは、資源回収装置の設置位置を適切に決定することを可能とする。
【0020】
第1実施形態に係る資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。前記資源回収システムは、廃棄者により廃棄された前記物品を回収する複数の資源回収装置と、前記複数の資源回収装置を管理するサーバ装置とを備える。前記サーバ装置は、前記複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び前記複数の資源回収装置のそれぞれの設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成する。前記対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置の少なくとも一方である。なお、廃棄者には、消費者が含まれる。以下において、廃棄者が消費者である一例について主として説明する。
【0021】
このように、第1実施形態に係る資源回収システムによれば、複数の資源回収装置のそれぞれの利用実績及び設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成することにより、各資源回収装置の設置位置を適切に決定することが可能になる。
【0022】
[第1実施形態]
(資源回収システムの構成例)
まず、第1実施形態に係る資源回収システムの構成例について説明する。資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。ここで物品とは、資源として再利用され得るものであれば如何なる物でもよいが、例えば商品及び商品の容器包装のうち少なくとも一方が物品に含まれる。
図1は、第1実施形態に係る資源回収システム1の構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、資源回収システム1は、複数の資源回収装置100a、100b、及び100cと、サーバ装置200と、通信装置300とを有する。以下において、資源回収装置100a、100b、及び100cを区別しないときは、単に資源回収装置100と呼ぶ。
【0024】
資源回収装置100、サーバ装置200、及び通信装置300は、ネットワーク10と接続されている。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及びインターネットのうち少なくとも1つを含む。
【0025】
物品50は、商品、例えば、食品又は飲料であってもよい。以下において、物品50が商品である一例について説明する。物品50は、電子タグ52が付された容器包装51を含む。但し、電子タグ52は、容器包装51を除く商品本体に付されていてもよい。電子タグ52には、少なくとも、物品50を識別する商品識別子が書込まれている。商品識別子は物品50の個体識別子であるものとするが、商品識別子が物品50の商品名であってもよいし、商品識別子が個体識別子及び商品名のセットであってもよい。
【0026】
電子タグ52は、パッシブ型、アクティブ型、又はセミアクティブ型の電子タグ52である。以下において、パッシブ型の電子タグ52を用いる一例を主として想定する。パッシブ型の電子タグ52は、電波を受けて発電して駆動電力を生成可能であるため、バッテリが不要である。
【0027】
資源回収装置100は、消費者により廃棄された物品である廃棄物を回収する装置である。廃棄物は、例えば、物品50の容器包装51である。資源回収装置100は、通信機能を有するごみ箱であり、スマートごみ箱と呼ばれてもよい。資源回収装置100は、屋内(例えば、消費者宅内又は店舗内)に設けられてもよいし、屋外(店舗周辺又は路上)に設けられてもよい。
【0028】
資源回収装置100は、作業者により移動され、イベント会場等に一時的に設けられるごみ箱であってもよい。資源回収装置100は、遠隔操作により操作される自走式のゴミ箱であってもよい。
【0029】
資源回収装置100は、既存のごみ箱に取り付けられる装置、又はごみ箱の一部を構成する装置であってもよい。資源回収装置100には、回収するべき廃棄物の種別(いわゆる、分別種別)が設定されていてもよい。
【0030】
資源回収装置100は、計測部101を有する。計測部101は、資源回収装置100が蓄積する廃棄物の量である廃棄量、又は資源回収装置100の空き容量を計測し、計測結果を示す情報を含む計測情報をサーバ装置200に送信する。廃棄量は、資源回収装置100に蓄積された廃棄物の重量、資源回収装置100への廃棄物の投入回数、及び資源回収装置100への廃棄物の投入時間のうち少なくとも1つであってもよい。計測情報は、資源回収装置100に設けられる開閉部110(
図2参照)が開いた回数(投入回数)を示す情報、及び開閉部110が開いていた時間(投入時間)の長さを示す情報のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0031】
サーバ装置200は、複数の資源回収装置100を管理する装置である。サーバ装置200は、ネットワーク10を介して、資源回収装置100、及び通信装置300と通信する。サーバ装置200は、各資源回収装置100から受信する計測情報に基づいて、各資源回収装置100の利用実績を特定する。利用実績とは、資源回収装置100がどの程度利用されているかをいい、例えば、単位時間あたりの廃棄量を利用実績として用いることができる。
【0032】
また、サーバ装置200は、各資源回収装置100の設置位置を特定する。サーバ装置200には、各資源回収装置100の設置位置が予め登録されていてもよい。この場合、サーバ装置200は、登録された設置位置の情報を参照することにより、各資源回収装置100の設置位置を特定する。
【0033】
サーバ装置200は、各資源回収装置100から位置情報を受信することにより、各資源回収装置100の設置位置を特定してもよい。例えば、各資源回収装置100は、測位機能を有しており、自身の設置位置を示す位置情報を測位機能により生成し、生成した位置情報を計測情報と対応付けてサーバ装置200に送信する。これにより、サーバ装置200は、各資源回収装置100が移動する場合であっても、各資源回収装置100の設置位置を特定できる。
【0034】
そして、サーバ装置200は、各資源回収装置100の利用実績及び各資源回収装置100の設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成する。ここで、対象資源回収装置は、新たに設置する資源回収装置100、及び設置位置が変更される設置済み資源回収装置100の少なくとも一方である。これにより、資源回収装置100の設置位置を適切に決定することが可能になる。
【0035】
例えば、サーバ装置200は、複数の資源回収装置100のそれぞれの利用実績及び設置位置に基づいて、単位時間あたりの廃棄量が所定量を超える地理的領域(以下、「領域X」と呼ぶ)を特定してもよい。サーバ装置200は、特定した領域X内の位置を対象資源回収装置の設置位置として提案する情報を含む提案情報を生成する。これにより、廃棄物が大量に発生するような地理的領域に対して適切な数の資源回収装置100を設置可能になる。
【0036】
また、サーバ装置200は、複数の資源回収装置100のうち領域X外にある設置済み資源回収装置100の設置位置を、領域X内の位置に変更することを提案する情報を含む提案情報を生成してもよい。これにより、利用頻度が低いような資源回収装置100を領域Xに移動することが可能になり、この資源回収装置100の利用頻度を高めることができる。
【0037】
サーバ装置200は、対象資源回収装置が廃棄物を格納する格納容量を提案する情報をさらに含む提案情報を生成してもよい。格納容量とは、格納スペース103のサイズ(容積)をいう。例えば、サーバ装置200は、新たに設置する資源回収装置100の格納容量として推奨する格納容量を決定し、決定した格納容量を示す情報を提案情報に含める。
【0038】
サーバ装置200は、各資源回収装置100が回収する物品の種別に基づいて、対象資源回収装置に回収させる物品の種別を示す分別種別を提案する情報をさらに含む提案情報を生成してもよい。これにより、対象資源回収装置に設定する分別種別を適切に決定できる。
【0039】
ここで、各資源回収装置100が回収する物品の種別は、資源回収装置100に設定された分別種別に応じて特定されてもよい。各資源回収装置100が回収する物品の種別は、各資源回収装置100における特定結果に基づいて特定されてもよい。例えば、各資源回収装置100は、廃棄物を特定する廃棄物特定部130(
図2参照)を有し、廃棄物特定部130による特定結果をサーバ装置200に通知する。サーバ装置200は、廃棄物特定部130による特定結果に基づいて、各資源回収装置100が回収する廃棄物の種別を特定する。
【0040】
サーバ装置200は、生成した提案情報を通信装置300に送信する。サーバ装置200は、通信装置300からの要求に応じて提案情報を通信装置300に送信してもよい。通信装置300は、所定事業者に属するサーバ又は通信端末である。所定事業者は、対象資源回収装置の設置を行う事業者又は対象資源回収装置の設置位置の変更を行う事業者である。これらの事業者は、同一の主体であってもよい。
【0041】
(資源回収装置の構成例)
次に、資源回収装置100の構成例について説明する。
図2は、資源回収装置100の構成例を示す図である。
図2において、必須ではない構成を破線で示している。
【0042】
図2に示すように、資源回収装置100は、上述した計測部101に加えて、開口部102と、格納スペース103と、開閉部110と、消費者特定部120と、廃棄物特定部(物品特定部)130と、通信部140と、測位部150と、電源部160と、制御部170とを有する。
【0043】
開口部102は、資源回収装置100の表面又は側面と格納スペース103との間に設けられる開口である。開口部102を介して廃棄物が格納スペース103に投入される。
【0044】
格納スペース103は、廃棄物を格納するスペースである。格納スペース103には、交換式の容器又はごみ袋が設けられてもよい。
【0045】
開閉部110は、開口部102に設けられ、制御部170の制御下で開口部102を開閉する。開閉部110は、開口部102を覆う蓋(シャッター)と、この蓋を開閉するアクチュエータとを含む。開閉部110において、蓋が開いている状態を開状態と呼び、蓋が閉じている状態を閉状態と呼ぶ。
【0046】
消費者特定部120は、資源回収装置100に対して廃棄物を廃棄する消費者を特定し(すなわち、個人認証を行い)、特定結果を示す消費者識別子を制御部170に出力する。消費者特定部120は、消費者を撮影するカメラを有し、この撮影結果を用いて消費者を特定してもよい。消費者特定部120は、消費者が所持するチケット又は携帯端末からバーコード(又は二次元コード)を読取るバーコードリーダを有し、この読取り結果を用いて消費者を特定してもよい。消費者特定部120は、消費者が所持するICカード又は携帯端末とのNFC(Near Field Communication)の無線通信を行う無線通信部を有し、この通信結果を用いて消費者を特定してもよい。
【0047】
廃棄物特定部130は、消費者が廃棄した廃棄物(物品50)を特定し、特定結果を示す商品識別子を制御部170に出力する。廃棄物特定部130は、廃棄物に付された電子タグ52から商品識別子を読取るタグリーダを有し、この読取り結果を用いて物品50を特定してもよい。廃棄物特定部130は、廃棄物を撮影するカメラを有し、この撮影結果を用いて物品50を特定してもよい。廃棄物特定部130は、廃棄物に付されたバーコード(又は二次元コード)を読取るバーコードリーダを有し、この読取り結果を用いて物品50を特定してもよい。以下において、廃棄物特定部130がタグリーダを有する構成について主として説明する。
【0048】
廃棄物特定部130は、開口部102が閉状態であるときに読取り動作を行わずに、開口部102が開状態であるときに読取り動作を行ってもよい。読取り動作は、タグリーダから電波を送信する動作を含む。開口部102が閉状態であるときに読取り動作を行わないことにより、資源回収装置100の電力消費量を抑制できる。或いは、廃棄物特定部130は、格納スペース103に蓄積された各廃棄物の電子タグ52から一括して商品識別子を読取る動作を周期的に行ってもよい。制御部170は、前回の読取り時に比べて今回の読取り時の商品識別子が増加した場合、この増加分の商品識別子を新たに廃棄された廃棄物の商品識別子とみなしてもよい。
【0049】
なお、消費者特定部120及び廃棄物特定部130は、それらの機能の少なくとも一部が共通化されていてもよい。消費者特定部120は、サーバ装置200と連携して消費者を特定してもよい。廃棄物特定部130は、サーバ装置200と連携して商品を特定してもよい。
【0050】
計測部101は、制御部170の制御下で、格納スペース103における廃棄量又は空き容量を計測し、計測結果を示す計測情報を制御部170に出力する。計測部101は、格納スペース103に蓄積された廃棄物の重量を計測する重量センサを含む。計測部101は、格納スペース103に蓄積された廃棄物の高さを計測するセンサ(例えば、超音波センサ)、廃棄物の投入回数(開閉部110における開状態及び閉状態の切替わり回数)を計数するカウンタ、及び廃棄物の投入時間(開閉部110が開状態である時間)を計時するタイマのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0051】
なお、計測部101及び廃棄物特定部130は、それらの機能の少なくとも一部が共通化されていてもよい。例えば、計測部101は、廃棄物特定部130が出力する1つ又は複数の商品識別子を計測情報に含めてもよい。
【0052】
通信部140は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部140は、ネットワーク10を介してサーバ装置200と通信する。
【0053】
測位部150は、測位衛星を用いた測位により、資源回収装置100の設置位置を示す位置情報を生成し、生成した位置情報を制御部170に出力する。測位部150は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含む。
【0054】
電源部160は、資源回収装置100の各部に駆動電力を供給する。例えば、電源部160は、廃棄物特定部130による読取り動作に用いる駆動電力、及び開閉部110のアクチュエータの開閉動作に用いる駆動電力を供給する。電源部160は、一次電池又は二次電池を含んでもよいし、商用電力系統からの電力を変換する電力変換部を含んでもよい。電源部160は、太陽電池等の発電部を含んでもよい。電源部160が発電部を有する場合、電池交換、又は外部から資源回収装置100への給電を抑制できる。
【0055】
制御部170は、電源部160に含まれる発電部(例えば、太陽電池)が出力する電力を上記の駆動電力として用いるように電源部160を制御する。例えば、制御部170は、晴れているときは太陽電池の発電電力をそのまま駆動に利用するように太陽電池を制御する。制御部170は、駆動が必要ではないときは、その発電電力を二次電池等に充電してもよい。制御部170は、雨もしくは曇り若しくは影がある時(太陽電池が発電しないとき)は、電力系統からの電力を二次電池に充電するもしくはそのまま駆動に利用してもよい。ここで、制御部170は、太陽電池の出力電力に基づいて天候を判定してもよいし、通信部140を介して外部サーバから取得する天候情報に基づいて天候を判定してもよい。この天候情報は、資源回収装置100の設置位置を含む地域の現在の天候及び将来の天候の少なくとも一方を示す情報である。
【0056】
制御部170は、資源回収装置100の各部を制御する。制御部170は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。
【0057】
制御部170は、消費者特定部120を用いて特定した消費者が正当な消費者(例えば、予めサーバ装置200に登録された消費者)である場合、開閉部110を閉状態から開状態に切り替えてもよい。一方、制御部170は、消費者特定部120を用いて特定した消費者が正当な消費者ではない場合、開閉部110を閉状態に維持してもよい。これにより、正当な権限を有する消費者のみが資源回収装置100を利用可能になり、危険物を廃棄するといった不法な廃棄を抑制できる。
【0058】
ここで、制御部170は、特定した消費者について、サーバ装置200に問い合わせ又は要求を行って、消費者が正当か否かを判断してもよい。もしくは、サーバ装置200が正当か否かを判断し、その結果を資源回収装置100に通知し、制御部170はそれに従って開閉を制御してもよい。
【0059】
制御部170は、開閉部110を閉状態から開状態に切り替えた後、閉条件が満たされた場合、開閉部110を開状態から閉状態に切り替えてもよい。閉条件は、1)開状態に切り替えてから一定時間が経過したという条件、2)廃棄物特定部130が新たに廃棄物の電子タグ52から情報を読取ったという条件、3)廃棄物特定部130が新たに廃棄物の電子タグ52から情報を読取ってから一定時間が経過したという条件、4)消費者特定部120が同一の消費者について2回目の認証を行ったという条件のうち少なくとも1つを含む。4)の閉条件は、例えば、消費者がICカードを消費者特定部120に翳すことにより開閉部110を開状態に切り替え、廃棄物の廃棄後にICカードを消費者特定部120に翳すことにより開閉部110を閉状態に切り替えるといった場合を想定している。
【0060】
制御部170は、計測部101が出力する計測情報を含む計測情報メッセージを生成し、通信部140を介してサーバ装置200に計測情報メッセージを送信する。計測情報メッセージの送信は、周期的に行われてもよいし、サーバ装置200からの要求に応じて行われてもよい。計測情報メッセージは、計測情報以外の情報、例えば、資源回収装置100を識別する装置識別子を含んでいてもよい。
図3は、計測情報メッセージの構成例を示す図である。
【0061】
図3に示すように、計測情報メッセージは、この計測情報メッセージを送信する資源回収装置100の装置識別子と、計測部101が出力する計測情報と、測位部150が出力する位置情報と、計測部101が計測を行った時刻を示す計測時刻情報とを含む。計測情報メッセージは、計測情報と位置情報と計測時刻情報とのセットを複数含んでいてもよい。資源回収装置100に分別種別が設定されている場合、計測情報メッセージは、この分別種別を示す分別種別情報をさらに含んでもよい。
【0062】
制御部170は、前回の計測情報メッセージの送信時から計測情報が変化していない場合、計測情報が変化していない旨の情報を計測情報として今回の計測情報メッセージに含めてもよいし、今回の計測情報メッセージの送信又は今回の計測情報の送信を省略してもよい。また、制御部170は、前回の計測情報メッセージの送信時から位置情報が変化していない場合、位置情報が変化していない旨の情報を位置情報として今回の計測情報メッセージに含めてもよいし、今回の位置情報の送信を省略してもよい。
【0063】
(サーバ装置の構成例)
次に、サーバ装置200の構成例について説明する。
図4は、サーバ装置200の構成例を示す図である。
【0064】
図4に示すように、サーバ装置200は、通信部210と、記憶部220と、処理部230とを有する。
【0065】
通信部210は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部210は、ネットワーク10を介して、各資源回収装置100及び通信装置300と通信する。通信部210は、各資源回収装置100から計測情報メッセージを受信する。
【0066】
記憶部220は、処理部230が実行する情報処理に用いる各種情報を記憶する。記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含む。処理部230は、記憶部220に情報を記憶させたり、記憶部220に記憶された情報を更新したりする。
【0067】
処理部230は、通信部210が受信する情報及び記憶部220が記憶する情報に基づいて各種情報処理を実行する。処理部230は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、計測履歴管理部231と、利用実績算出部232と、参照情報生成部233と、領域特定部234と、提案情報生成部235と、提案情報送信部236との各機能を実行する。
【0068】
計測履歴管理部231は、通信部210が受信する計測情報メッセージに基づいて、資源回収装置100ごとに計測履歴情報を管理する。
図5は、計測履歴情報の構成例を示す図である。
【0069】
図5に示すように、計測履歴情報は、資源回収装置100の装置識別子と、この資源回収装置100から得られた計測情報の履歴(計測情報#1、#2、#3、・・・、#n)とを含む。各計測情報には、位置情報及び時刻情報が対応付けられている。
【0070】
利用実績算出部232は、計測履歴情報に基づいて、位置ごとの資源回収装置100の単位時間あたりの廃棄量を利用実績として算出する。利用実績算出部232は、同じ位置の位置情報と対応する複数の計測情報をグループ化し、この計測情報のグループに基づいて、この位置における利用実績を算出する。
【0071】
ここで、
図5に示す計測履歴情報を例に挙げて利用実績情報の生成例について説明する。
図5において、位置情報#1、#2、#3、・・・、#nが同じ位置を示すと仮定すると、利用実績算出部232は、次の式により、計測情報#1から計測情報#2までの廃棄量の増加速度を算出する。
【0072】
{(計測情報#2)-(計測情報#1)}/{(時刻情報#2)-(時刻情報#1)}
【0073】
同様に、利用実績算出部232は、次の式により、計測情報#2から計測情報#3までの廃棄量の増加速度を算出する。
【0074】
{(計測情報#3)-(計測情報#2)}/{(時刻情報#3)-(時刻情報#2)}
【0075】
利用実績算出部232は、このような処理を計測情報#nまで繰り返す。但し、(m-1)番目の計測情報が示す廃棄量に対して、m番目の計測情報が示す廃棄量が減少している場合、回収業者により廃棄物が回収されたとみなして、(m-1)番目からm番目までの廃棄量の増加速度の算出を行わないようにしてもよい。但し、“m”は、“n”以下の整数である。
【0076】
そして、利用実績算出部232は、算出した廃棄量の増加速度の平均値を算出し、算出した平均値を利用実績情報として用いる。
【0077】
参照情報生成部233は、利用実績算出部232が算出した利用実績情報を含み、提案情報を生成するために参照する参照情報を生成する。
図6は、参照情報の構成例を示す図である。
【0078】
図6に示すように、参照情報は、少なくとも、位置情報及び利用実績情報を含む。すなわち、参照情報は、資源回収装置100がどの位置でどの程度利用されたかを示す情報である。参照情報は、資源回収装置100の装置識別子をさらに含んでもよい。参照情報は、分別種別情報をさらに含んでもよい。
【0079】
ここで、分別種別情報は、資源回収装置100に予め設定された分別種別を示す情報、例えば、資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる分別種別情報であってもよい。或いは、資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる計測情報に商品識別子が含まれる場合、参照情報生成部233は、この商品識別子に基づいて分別種別情報を生成してもよい。例えば、商品識別子と分別種別とを対応付ける対応付け情報が予め記憶部220に記憶されており、参照情報生成部233は、この対応付け情報を用いて商品識別子から分別種別情報を生成する。
【0080】
領域特定部234は、参照情報に基づいて、資源回収装置100の利用実績が多い地理的領域(領域X)を特定する。
図7は、領域Xの特定方法の一例を示す図である。
【0081】
図7に示すように、領域特定部234は、参照情報生成部233により生成された参照情報と、地図情報とに基づいて、位置ごとの資源回収装置100の利用実績を地図上に展開する。
図7において、資源回収装置100の利用実績が閾値を超えた位置を斜線付きの円で示し、資源回収装置100の利用実績が閾値を超えていない位置を白抜きの円で示している。領域特定部234は、斜線付きの円が集中している領域、すなわち、斜線付きの円の密度が高い領域を領域Xとして特定する。
【0082】
提案情報生成部235は、特定した領域X内の位置を対象資源回収装置の設置位置として提案する情報を含む提案情報を生成する。
図7に示す例において、提案情報生成部235は、領域X内において、設置済みの資源回収装置100の位置と重複しない位置を推奨設置位置として決定し、決定した推奨設置位置を示す情報を提案情報に含める。
図7において、推奨設置位置を黒塗りの円で示している。
【0083】
提案情報生成部235は、領域X外にある設置済み資源回収装置100の設置位置を、領域X内の位置に変更することを提案する情報を提案情報に含めてもよい。例えば、提案情報生成部235は、白抜き円の密度が高い領域Y内にある1つ又は複数の設置済み資源回収装置100を、推奨設置位置に移動することを推奨する資源回収装置100として決定し、決定した資源回収装置100の装置識別子を提案情報に含める。
【0084】
なお、資源回収装置100の利用実績が1つの閾値を超えた否かに応じて領域特定部234が領域Xを特定する一例について説明したが、資源回収装置100の利用実績を複数の閾値と比較してもよい。例えば、領域特定部234は、資源回収装置100の利用実績が多い領域Xを特定するとともに、資源回収装置100の利用実績が非常に多い領域X’を特定してもよい。領域X’は、領域X内の一部の領域であってもよい。このような場合において、提案情報生成部235は、領域X’内に設置する対象資源回収装置として、格納容量が多い資源回収装置100を設置することを提案する情報を提案情報に含めてもよい。
【0085】
上述したような領域X(及び領域X’)の位置及び範囲は、資源回収装置100の分別種別に応じて異なり得る。このため、領域特定部234が分別種別ごとに領域X(及び領域X’)を特定し、提案情報生成部235が分別種別ごとに提案情報を生成することが好ましい。
【0086】
提案情報送信部236は、提案情報生成部235により生成された提案情報を、通信部210を介して提案情報を通信装置300に送信する。提案情報送信部236は、通信装置300からの要求に応じて提案情報を通信装置300に送信してもよい。
【0087】
(資源回収システムの動作例)
次に、資源回収システム1の動作例について説明する。
図8は、資源回収システム1の動作例を示す図である。
【0088】
図8に示すように、ステップS101a乃至S101cにおいて、資源回収装置100a乃至100cは、
図3に示すような計測情報メッセージをサーバ装置200に送信する。ステップS101a乃至S101cの動作は、複数回行われる。例えば、資源回収装置100a乃至100cは、計測情報メッセージをサーバ装置200に周期的に送信する。
【0089】
ステップS102において、サーバ装置200の計測履歴管理部231は、資源回収装置100a乃至100cから受信する計測情報メッセージに基づいて、資源回収装置100ごとに計測履歴情報を管理する。
【0090】
ステップS103において、サーバ装置200の利用実績算出部232は、計測履歴情報に基づいて、位置ごとの資源回収装置100の単位時間あたりの廃棄量を利用実績として算出する。
【0091】
ステップS104において、サーバ装置200の参照情報生成部233は、利用実績算出部232が算出した利用実績情報を含み、資源回収装置100がどの位置でどの程度利用されたかを示す参照情報を生成する。
【0092】
ステップS105において、サーバ装置200の領域特定部234は、参照情報に基づいて、資源回収装置100の利用実績が多い地理的領域(領域X)を特定する。
【0093】
ステップS106において、サーバ装置200の提案情報生成部235は、特定した領域X内の位置を対象資源回収装置の設置位置として提案する情報を含む提案情報を生成する。
【0094】
ステップS107において、サーバ装置200の提案情報送信部236は、生成した提案情報を通信装置300に送信する。
【0095】
このように、第1実施形態に係る資源回収システム1によれば、複数の資源回収装置100のそれぞれの利用実績及び設置位置に基づいて、対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成することにより、各資源回収装置100の設置位置を適切に決定することが可能になる。
【0096】
[第1実施形態の変形例]
上述した第1実施形態において、資源回収装置100の過去の利用実績に基づいて提案情報を生成する一例について説明した。しかしながら、将来開催されるイベントをさらに考慮して提案情報を生成してもよい。
【0097】
本変形例において、参照情報生成部233は、資源回収装置100がイベント開催エリア内又はイベント開催エリア周辺に設置されている場合、
図9に示すように、この資源回収装置100に対応する参照情報(利用実績情報)にイベント種別(イベント種別情報)を対応付けて管理する。このため、参照情報は、資源回収装置100が、どのようなイベントのときに、どの位置でどの程度利用されたかを示す情報ということになる。
【0098】
図10は、本変形例に係るサーバ装置200の構成を示す図である。
図10に示すように、本変形例に係るサーバ装置200は、将来開催されるイベントに関するイベント情報を取得するイベント情報取得部237をさらに有する。イベント情報取得部237は、他のサーバ装置から通信部210を介してイベント情報を取得してもよい。
図11は、イベント情報の構成例を示す図である。
【0099】
図11に示すように、イベント情報は、イベント種別情報と、開催エリア情報と、開催期間情報と、参加人数情報とを含む。
【0100】
イベント種別情報は、イベント種別を示す情報である。イベント種別には、例えば、1)展示会・見本市(コンベンション)、2)スポーツイベント、3)講演会・シンポジウム、4)音楽イベント・コンサート、5)展示即売会・物産販売会・フリーマーケット、6)セレモニー・式典等があるが、イベント種別がさらに細分化されてもよい。
【0101】
開催エリア情報は、イベントが開催される開催エリアを示す情報である。開催エリアとは、イベント会場に相当する地理的領域をいう。
【0102】
開催期間情報は、イベントが開催される将来の期間を示す情報である。
【0103】
参加人数情報は、イベントに参加する消費者(すなわち、イベント参加者)の人数を示す情報である。イベント参加者の人数は、チケット購入数に対応する人数でもよいし、イベント会場の収容人数等に応じて定められる予想人数であってもよい。
【0104】
本変形例において、提案情報生成部235は、将来開催されるイベントに関するイベント情報にさらに基づいて提案情報を生成する。
【0105】
例えば、提案情報生成部235は、イベント情報に含まれるイベント種別情報が示すイベント種別(すなわち、将来開催されるイベントのイベント種別)と一致するイベント種別に対応する利用実績(参照情報)に基づいて提案情報を生成する。
【0106】
具体的には、提案情報生成部235は、参照情報生成部233が生成した参照情報の中から、将来開催されるイベントとイベント種別が一致する参照情報を抽出し、抽出した参照情報を用いて提案情報を生成する。これにより、過去に開催されたイベントのうち、将来開催されるイベントとイベント種別が一致するイベントの開催時の利用実績(参照情報)を用いて提案情報を生成可能になる。
【0107】
提案情報生成部235は、開催エリア情報に基づいて、イベントが開催される開催エリア内における対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成してもよい。開催エリアは、資源回収装置100の需要が高くなると予想されるエリアであるため、開催エリアを対象として提案情報を生成することは有益である。
【0108】
提案情報生成部235は、開催期間情報に基づいて、イベントが開催される将来の期間(開催期間)内における対象資源回収装置の設置位置の提案を示す情報を含む提案情報を生成してもよい。開催期間は、資源回収装置100の需要が高くなると予想される期間であるため、開催期間を対象として提案情報を生成することは有益である。
【0109】
提案情報生成部235は、参加人数情報及びイベント種別情報のうち少なくとも一方に基づいて、対象資源回収装置の数を提案する設置数情報及び対象資源回収装置に回収させる物品の種別(分別種別)を提案する種別情報の少なくとも一方をさらに含む提案情報を生成してもよい。例えば、提案情報生成部235は、イベント参加者の人数が多いほど、対象資源回収装置の数を多くするよう提案する提案情報を生成してもよい。提案情報生成部235は、イベント種別が飲食物を取り扱うイベントであるか否か、及びどのような飲食物を取り扱うかに応じて、対象資源回収装置に設定する推奨分別種別を決定してもよい。
【0110】
提案情報生成部235は、イベント情報に加えて、天候情報も考慮して提案情報を生成してもよい。天候情報は、将来の天候を予測して得られる情報である。提案情報生成部235は、他のサーバ装置から通信部210を介して天候情報を取得してもよい。提案情報生成部235は、イベントが開催される開催期間内における天候を予測した天候情報に基づいて提案情報を生成する。例えば、提案情報生成部235は、開催期間内における天候が雨天である場合、開催期間内における天候が晴天である場合に比べて、対象資源回収装置の数を少なくするよう提案情報を生成してもよい。ここで、提案情報生成部235は、イベント種別が屋外イベントであるか又は屋内イベントであるかをさらに考慮してもよい。例えば、イベント種別が屋外イベントであって、且つイベント開催期間内における天候が雨天である場合、開催期間内における天候が晴天である場合に比べて、対象資源回収装置の数を少なくするよう提案情報を生成してもよい。
【0111】
[第2実施形態の概要]
例えばイベント開催時において会場や周辺市街地に廃棄物が大量に発生する場合があり、資源回収装置が満杯になり易くなる。このため、消費者は、混雑した道の中たどり着いた資源回収装置に廃棄物を破棄することができずに、道などに廃棄してしまう問題がある。また、複数の資源回収装置の利用頻度にばらつきがある場合、資源回収装置に対する廃棄量が偏ってしまうという問題がある。
【0112】
第2実施形態に係る資源回収システムでは、資源回収装置が自装置の空き容量を特定する計測情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置が所定の空き容量を有する資源回収装置の位置を示す情報を消費者に通知することにより、消費者は、適切な資源回収装置に廃棄物を廃棄することが可能になり、上述したような問題を解決できる。
【0113】
[第2実施形態]
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明し、類似又は同一の構成の説明を省略する。
【0114】
(資源回収システムの構成例)
まず、第2実施形態に係る資源回収システムの構成例について説明する。資源回収システムは、資源として再利用され得る物品を回収するためのシステムである。ここで物品とは、資源として再利用され得るものであれば如何なる物でもよいが、例えば商品及び商品の容器包装のうち少なくとも一方が物品に含まれる。
図12は、第2実施形態に係る資源回収システム1の構成を示す図である。なお、第1実施形態に係る資源回収システムとの相違点を主として説明し、類似又は同一の構成の説明を省略する。
【0115】
図12に示すように、第2実施形態に係る資源回収システム1は、複数の資源回収装置100a、100b、及び100cと、サーバ装置200と、端末装置500とを有する。以下において、資源回収装置100a、100b、及び100cを区別しないときは、単に資源回収装置100と呼ぶ。
【0116】
第2実施形態において、資源回収装置100、サーバ装置200、及び端末装置500は、ネットワーク10と接続されている。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及びインターネットのうち少なくとも1つを含む。
【0117】
物品50は、商品、例えば、食品又は飲料であってもよい。以下において、物品50が商品である一例について説明する。物品50は、容器包装51を含む。第2実施形態において、容器包装51には電子タグ52が付されている。但し、電子タグ52は、容器包装51を除く商品本体に付されていてもよい。電子タグ52には、少なくとも、物品50を識別する商品識別子が書込まれている。商品識別子は物品50の個体識別子であるものとするが、商品識別子が物品50の商品名であってもよいし、商品識別子が個体識別子及び商品名のセットであってもよい。
【0118】
電子タグ52は、パッシブ型、アクティブ型、又はセミアクティブ型の電子タグ52である。以下において、パッシブ型の電子タグ52を用いる一例を主として想定する。パッシブ型の電子タグ52は、電波を受けて発電して駆動電力を生成可能であるため、バッテリが不要である。
【0119】
資源回収装置100は、消費者により廃棄された物品である廃棄物を回収する装置である。廃棄物は、例えば、物品50の容器包装51である。資源回収装置100は、通信機能を有するごみ箱であり、スマートごみ箱と呼ばれてもよい。資源回収装置100は、屋内(例えば、消費者宅内又は店舗内)に設けられてもよいし、屋外(店舗周辺又は路上)に設けられてもよい。
【0120】
資源回収装置100は、作業者により移動され、イベント会場等に一時的に設けられるごみ箱であってもよい。資源回収装置100は、遠隔操作により操作される自走式のゴミ箱であってもよい。
【0121】
資源回収装置100は、既存のごみ箱に取り付けられる装置、又はごみ箱の一部を構成する装置であってもよい。資源回収装置100には、回収するべき廃棄物の種別(いわゆる、分別種別)が設定されていてもよい。
【0122】
資源回収装置100は、計測部101を有する。計測部101は、廃棄物に関する計測を行い、資源回収装置100の空き容量を特定する計測情報を含む計測情報メッセージをサーバ装置200に送信する。計測情報メッセージは、第1メッセージの一例である。
【0123】
計測情報は、資源回収装置100の空き容量を特定する情報であれば如何なるものであってもよいが、例えば、計測情報は、資源回収装置100が蓄積する廃棄物の量である廃棄量を示す情報、又は資源回収装置100の空き容量自体を示す情報が計測情報に該当する。ここで、廃棄量は、資源回収装置100に蓄積された廃棄物の重量、資源回収装置100への廃棄物の投入回数、及び資源回収装置100への廃棄物の投入時間のうち少なくとも1つであってもよい。計測情報は、資源回収装置100に設けられる開閉部110(
図2参照)が開いた回数(投入回数)を示す情報、及び開閉部110が開いていた時間(投入時間)の長さを示す情報のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0124】
サーバ装置200は、複数の資源回収装置100を管理する装置である。サーバ装置200は、ネットワーク10を介して、資源回収装置100及び端末装置500と通信する。
【0125】
サーバ装置200は、各資源回収装置100の設置位置を特定する。サーバ装置200には、各資源回収装置100の設置位置が予め登録されていてもよい。この場合、サーバ装置200は、登録された設置位置の情報を参照することにより、各資源回収装置100の設置位置を特定する。
【0126】
サーバ装置200は、各資源回収装置100から位置情報を受信することにより、各資源回収装置100の設置位置を特定してもよい。例えば、各資源回収装置100は、測位機能を有しており、自身の設置位置を示す位置情報を測位機能により生成し、生成した位置情報を含む計測情報メッセージをサーバ装置200に送信する。これにより、サーバ装置200は、各回収装置100が移動する場合であっても、各資源回収装置100の設置位置を特定できる。
【0127】
端末装置500は、消費者が所持する装置である。第2実施形態において、端末装置500は、消費者と共に移動するモバイル端末である。例えば、端末装置500は、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、又はウェアラブル端末等である。端末装置500は、自装置の位置を示す位置情報を含む位置情報メッセージをサーバ装置200に送信する。位置情報メッセージは、第3メッセージの一例である。
【0128】
サーバ装置200は、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージと、端末装置500から受信する位置情報メッセージとに基づいて、所定の空き容量を有する前記資源回収装置100の位置を示す情報を消費者に通知する通知処理を実行する。第2実施形態において、通知処理は、所定の空き容量を有する資源回収装置(以下、適宜「推奨回収装置」と呼ぶ)100の位置を示す情報を含む案内情報メッセージを端末装置500に送信する処理を含む。案内情報メッセージは、第2メッセージの一例である。
【0129】
端末装置500は、サーバ装置200から受信する案内情報メッセージに基づいて、推奨回収装置の位置を消費者に通知する。これにより、消費者は、推奨回収装置の位置を把握し、推奨回収装置に廃棄物を廃棄することが可能になる。
【0130】
(資源回収装置の構成例)
次に、資源回収装置100の構成例について説明する。第2実施形態に係る資源回収装置100の構成例を示す図は、第1実施形態に係る資源回収装置100の構成例を示す図と同様である。よって以下において
図2を参照して、第2実施形態に係る資源回収装置100の構成例について説明する。なお、第1実施形態に係る資源回収装置100の構成例との相違点を主として説明し、類似又は同一の構成の説明を省略する。
【0131】
第2実施形態において、測位部150は、衛星測位に加えて、又は衛星測位に代えて、セルラ基地局又は無線LANアクセスポイントから受信する無線信号を用いた基地局測位を行ってもよい。測位部150は、少なくとも部分的に通信部140と一体化されていてもよい。
【0132】
第2実施形態において、計測情報メッセージの送信は、消費者特定部120が消費者を新たに特定する度に行われてもよい。計測情報メッセージの送信は、廃棄物特定部130が廃棄物を新たに特定する度に行われてもよい。
【0133】
図13は、第2実施形態に係る計測情報メッセージの構成例を示す図である。
【0134】
図13に示すように、第2実施形態に係る計測情報メッセージは、この計測情報メッセージを送信する資源回収装置100の装置識別子と、計測部101が出力する計測情報とを含む。計測情報メッセージは、測位部150が出力する位置情報をさらに含んでもよい。計測情報メッセージは、計測部101が計測を行った時刻を示す計測時刻情報をさらに含んでもよい。計測情報メッセージは、計測情報と位置情報と計測時刻情報とのセットを複数含んでいてもよい。資源回収装置100に分別種別が設定されている場合、計測情報メッセージは、この分別種別を示す分別種別情報をさらに含んでもよい。
【0135】
計測情報メッセージは、資源回収装置100の周辺の混雑度を示す周辺混雑度情報をさらに含んでもよい。例えば、制御部170は、単位時間あたりに消費者特定部120が消費者を新たに特定した回数を示す情報を周辺混雑度情報として生成してもよい。制御部170は、単位時間あたりに廃棄物特定部130が廃棄物を新たに特定した回数を示す情報を周辺混雑度情報として生成してもよい。
【0136】
制御部170は、前回の計測情報メッセージの送信時から計測情報が変化していない場合、計測情報が変化していない旨の情報を計測情報として今回の計測情報メッセージに含めてもよいし、今回の計測情報メッセージの送信又は今回の計測情報の送信を省略してもよい。また、制御部170は、前回の計測情報メッセージの送信時から位置情報が変化していない場合、位置情報が変化していない旨の情報を位置情報として今回の計測情報メッセージに含めてもよいし、今回の位置情報の送信を省略してもよい。
【0137】
(端末装置の構成例)
次に、端末装置500の構成例について説明する。
図14は、端末装置500の構成例を示す図である。
図14において、必須ではない構成を破線で示している。
【0138】
図14に示すように、端末装置500は、通信部510と、測位部520と、ユーザインターフェイス530と、制御部540とを有する。端末装置500は、図示しない電源部等をさらに有していてもよい。
【0139】
通信部510は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部510は、ネットワーク10を介してサーバ装置200と通信する。
【0140】
測位部520は、測位衛星を用いた測位により、端末装置500の設置位置を示す位置情報を生成し、生成した位置情報を制御部540に出力する。測位部520は、GNSS受信機を含む。測位部520は、衛星測位に加えて、又は衛星測位に代えて、セルラ基地局又は無線LANアクセスポイントから受信する無線信号を用いた基地局測位を行ってもよい。測位部520は、少なくとも部分的に通信部510と一体化されていてもよい。
【0141】
ユーザインターフェイス530は、消費者(ユーザ)に対する通知を行うためのインターフェイスである。ユーザインターフェイス530は、制御部540の制御下で情報を表示する表示部531を含む。例えば、表示部531は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を含む。ユーザインターフェイス530は、表示部531に加えて、又は表示部531に代えて、制御部540の制御下で音声を出力する音声出力部(スピーカ)を含んでもよい。ユーザインターフェイス530は、消費者からの操作入力を受け付ける操作部532をさらに含んでもよい。例えば、操作部532は、タッチパネル及びキーパッド等である。操作部532は、受け付けた操作内容を示す情報を制御部540に出力する。操作部532が表示部531と一体化され、タッチパネルディスプレイを構成してもよい。
【0142】
制御部540は、端末装置500の各部を制御する。制御部540は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。
【0143】
第1に、制御部540は、測位部520が出力する位置情報を含む位置情報メッセージを生成し、通信部510を介して位置情報メッセージをサーバ装置200に送信する。位置情報メッセージは、位置情報以外の情報、例えば、端末装置500を識別する装置識別子等を含んでいてもよい。
図15は、位置情報メッセージの構成例を示す図である。
【0144】
図15に示すように、位置情報メッセージは、この位置情報メッセージを送信する端末装置500の装置識別子と、測位部520が出力する位置情報とを含む。
【0145】
位置情報メッセージは、消費者が有する未廃棄物品の分別種別を示す廃棄物種別情報、及び消費者が有する未廃棄物品の量を示す廃棄物量情報のうち少なくとも一方(以下、適宜「廃棄物関連情報」と呼ぶ)をさらに含んでもよい。廃棄物関連情報は、操作部532が出力する情報に基づいて制御部540が生成する情報であってもよい。すなわち、廃棄物関連情報は、消費者が端末装置500に対してマニュアルで入力する情報であってもよい。或いは、端末装置500は、廃棄物関連情報を自動で生成する廃棄物特定部550を有していてもよい。例えば、廃棄物特定部550は、上述した廃棄物特定部130と同様に構成される。
【0146】
位置情報メッセージは、消費者の最終的な目的地を示す目的地情報をさらに含んでもよい。最終的な目的地とは、資源回収装置100の設置位置以外の目的地であって、消費者が最終的にどこに行きたいかを示す情報である。例えば、イベント会場又は自宅等が最終的な目的地に該当する。目的地情報は、操作部532が出力する情報に基づいて制御部540が生成する情報であってもよい。すなわち、廃棄物関連情報は、消費者が端末装置500に対してマニュアルで入力する情報であってもよい。
【0147】
第2に、制御部540は、通信部510がサーバ装置200からの案内情報メッセージを受信すると、案内情報メッセージに含まれる情報を消費者に通知するようにユーザインターフェイス530を制御する。案内情報メッセージは、推奨回収装置の位置を示す情報を含む。案内情報メッセージは、推奨回収装置の位置を示す情報以外の情報も含んでもよい。
図16は、案内情報メッセージの構成例を示す図である。
【0148】
図16に示すように、案内情報メッセージは、推奨回収装置の位置情報を含む推奨回収装置情報を含む。位置情報は、例えば緯度経度情報であるが、高度情報を含んでもよい。推奨回収装置情報は、推奨回収装置の位置情報に加えて、推奨回収装置の分別種別を示す分別種別情報及び推奨回収装置の装置識別子のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0149】
案内情報メッセージは、端末装置500から推奨回収装置までの経路を示す経路情報をさらに含んでもよい。この経路は、サーバ装置200により決定された経路である。
【0150】
案内情報メッセージは、端末装置500の位置を含む地理的領域の地図情報をさらに含んでもよい。或いは、制御部540は、地図情報を予めメモリに記憶していてもよいし、サーバ装置200以外の外部サーバから通信部510を介して地図情報を取得してもよい。
【0151】
制御部540は、案内情報メッセージに含まれる情報を消費者に通知するようにユーザインターフェイス530を制御する。制御部540は、測位部520が出力する端末装置500の位置情報も消費者に通知するようにユーザインターフェイス530を制御する。例えば、制御部540は、案内情報メッセージに含まれる情報を表示部531に表示させる。
図17は、表示部531における画面表示例を示す図である。
【0152】
図17に示す例において、表示部531は、推奨回収装置の位置を示すマークを地図上に表示する。表示部531は、推奨回収装置への経路を示す線(及び矢印)を地図上にさらに表示してもよい。表示部531は、端末装置500の位置を示すマークを地図上にさらに表示してもよい。このような画面表示によって、消費者は、自身が廃棄物を廃棄可能な資源回収装置100の位置を把握できるため、適切な資源回収装置に廃棄物を廃棄することが可能になる。
【0153】
(サーバ装置の構成例)
次に、サーバ装置200の構成例について説明する。
図18は、サーバ装置200の構成例を示す図である。
図18において、必須ではない構成を破線で示している。なお、第1実施形態に係るサーバ装置との相違点を主として説明し、類似又は同一の構成の説明を省略する。
【0154】
図18に示すように、サーバ装置200は、通信部210と、記憶部220と、処理部230とを有する。
【0155】
通信部210は、有線又は無線でネットワーク10と接続される通信インターフェイスを含む。通信部210は、ネットワーク10を介して、各資源回収装置100及び端末装置500と通信する。通信部210は、各資源回収装置100から計測情報メッセージを受信する。また、通信部210は、端末装置500から位置情報メッセージを受信する。さらに、通信部210は、端末装置500に対して案内情報メッセージを送信する。
【0156】
記憶部220は、処理部230が実行する情報処理に用いる各種情報を記憶する。記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含む。処理部230は、記憶部220に情報を記憶させたり、記憶部220に記憶された情報を更新したりする。
【0157】
処理部230は、通信部210が受信する情報及び記憶部220が記憶する情報に基づいて各種情報処理を実行する。処理部230は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリとを含む。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、回収装置選択部231a及び案内情報生成部233aの各機能を実行する。プロセッサは、経路判定部232aの機能をさらに実行してもよい。
【0158】
回収装置選択部231aは、通信部210が各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージ及び通信部210が端末装置500から受信する位置情報メッセージの少なくとも一方に基づいて、複数の資源回収装置100の中から推奨回収装置を選択する。推奨回収装置を選択する選択基準は、下記の(1)乃至(7)の選択基準のうち少なくとも1つを含む。
【0159】
回収装置選択部231aは、いずれか1つの選択基準のみに基づいて推奨回収装置を選択してもよい。回収装置選択部231aは、2以上の選択基準のそれぞれで付与される選択優先度(重み)の合計を求め、重みの合計が最も大きい資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0160】
以下において、回収装置選択部231aが推奨回収装置を1つのみ選択する一例について説明するが、回収装置選択部231aは、推奨回収装置は複数選択してもよい。例えば、上記の重みの合計が大きい順に所定数(例えば、2個)の資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0161】
選択基準(1):各資源回収装置100の最新の空き容量
回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる計測情報に基づいて各資源回収装置100の最新の空き容量を把握し、最新の空き容量が多い資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げる。回収装置選択部231aは、最新の空き容量が最も多い資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0162】
選択基準(2):各資源回収装置100の将来の空き容量
回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる計測情報に基づいて各資源回収装置100の利用頻度を把握する。利用頻度とは、資源回収装置100がどの程度利用されているかをいい、例えば、単位時間あたりの廃棄量を利用頻度として用いることができる。「把握する」とは、「特定する」及び「推定する」の両方を含むものとする。
【0163】
また、回収装置選択部231aは、資源回収装置100に蓄えられた廃棄物を回収する事業者である回収業者の端末又はサーバから、通信部210を介して、回収状況の情報を取得する。回収状況とは、どの資源回収装置100からいつ廃棄物を回収するかをいい、回収業者の回収スケジュール情報を回収状況として用いることができる。
【0164】
そして、回収装置選択部231aは、各資源回収装置100の利用頻度及び回収業者による回収状況に基づいて各資源回収装置100の将来的な空き容量を予測する。例えば、回収装置選択部231aは、所定時間経過後における各資源回収装置100の空き容量を予測する。回収装置選択部231aは、この所定時間を、端末装置500の位置と各資源回収装置100との間の距離に応じて資源回収装置100ごとに設定してもよい。
【0165】
回収装置選択部231aは、予測した将来的な空き容量が多い資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げる。回収装置選択部231aは、予測した将来的な空き容量が最も多い資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0166】
選択基準(3):消費者が有する廃棄物の分別種別
回収装置選択部231aは、端末装置500から受信する位置情報メッセージに含まれる廃棄物種別情報に基づいて、消費者が有する廃棄物(未廃棄物品)の分別種別を把握する。また、回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる分別種別情報、又は予め記憶部220に記憶された登録情報に基づいて、各資源回収装置100に設定された分別種別を把握する。
【0167】
そして、回収装置選択部231aは、消費者が有する廃棄物の分別種別及び各資源回収装置100の分別種別に基づいて、複数の資源回収装置100の中から推奨回収装置を選択する。回収装置選択部231aは、消費者が有する廃棄物の分別種別と合致する分別種別が設定された資源回収装置100について、推奨回収装置として選択する優先度を上げる。回収装置選択部231aは、消費者が有する廃棄物の分別種別と合致する分別種別が設定された資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0168】
選択基準(4):消費者が有する廃棄物の量
回収装置選択部231aは、端末装置500から受信する位置情報メッセージに含まれる廃棄物量情報に基づいて、消費者が有する廃棄物(未廃棄物品)の量を把握する。また、回収装置選択部231aは、上述した選択基準(1)又は(2)と同様にして各資源回収装置100の空き容量を把握する。
【0169】
そして、回収装置選択部231aは、消費者が有する廃棄物の量以上の空き容量を有する資源回収装置100について、推奨回収装置として選択する優先度を上げる。回収装置選択部231aは、消費者が有する廃棄物の量以上の空き容量を有する資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0170】
選択基準(5):各資源回収装置100の周辺の混雑度
回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる周辺混雑度情報に基づいて各資源回収装置100の周辺の混雑度を把握する。周辺の混雑度とは、資源回収装置100に対して廃棄物を廃棄しようとしている消費者が何人程度存在するかをいう。
【0171】
回収装置選択部231aは、混雑度が少ない資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げる。回収装置選択部231aは、混雑度が最も少ない資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0172】
選択基準(6):各資源回収装置100への到着容易性
回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる位置情報、又は予め記憶部220に記憶された登録情報に基づいて、各資源回収装置100の位置を把握する。また、回収装置選択部231aは、端末装置500から受信する位置情報メッセージに含まれる位置情報に基づいて、端末装置500の位置を把握する。
【0173】
さらに、回収装置選択部231aは、各資源回収装置100の位置及び端末装置500の位置に基づいて、各資源回収装置100について経路(端末装置500からの各資源回収装置100までの経路)を判定する。回収装置選択部231aは、地図情報及び混雑度情報に基づいて、判定した各経路における距離、高低差、及び混雑度の少なくとも1つを含む経路パラメータを判定し、経路パラメータに基づいて推奨回収装置を選択する。
【0174】
ここで、地図情報は、予め記憶部220に記憶された情報であってもよいし、回収装置選択部231aが外部サーバから通信部210を介して取得する情報であってもよい。混雑度情報は、道路(通路を含む)における混雑度を示す情報であって、回収装置選択部231aが外部サーバから通信部210を介して取得する情報であってもよい。
【0175】
例えば、回収装置選択部231aは、端末装置500との間の距離が短い資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げてもよい。回収装置選択部231aは、端末装置500との間の距離が最も短い資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0176】
回収装置選択部231aは、対応する経路における高低差が小さい資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げてもよい。回収装置選択部231aは、対応する経路における高低差が最も小さい資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0177】
回収装置選択部231aは、対応する経路における混雑度が少ない資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げてもよい。回収装置選択部231aは、対応する経路における混雑度が最も少ない資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0178】
選択基準(7):消費者の最終目的地
回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに含まれる位置情報、又は予め記憶部220に記憶された登録情報に基づいて、各資源回収装置100の位置を把握する。さらに、回収装置選択部231aは、端末装置500から受信する位置情報メッセージに含まれる目的地情報に基づいて、消費者の最終的な目的地を把握する。
【0179】
そして、回収装置選択部231aは、各資源回収装置100の位置と、消費者の最終的な目的地とに基づいて推奨回収装置を選択する。回収装置選択部231aは、消費者の最終的な目的地に近い資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げてもよい。回収装置選択部231aは、消費者の最終的な目的地に最も近い資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0180】
また、回収装置選択部231aは、端末装置500から受信する位置情報メッセージに含まれる位置情報に基づいて端末装置500の位置を把握し、端末装置500の位置も考慮して推奨回収装置を選択してもよい。回収装置選択部231aは、端末装置500と消費者の最終的な目的地との間の経路に近い資源回収装置100であるほど、推奨回収装置として選択する優先度を上げてもよい。回収装置選択部231aは、端末装置500と消費者の最終的な目的地との間の経路上の資源回収装置100を推奨回収装置として選択してもよい。
【0181】
このようにして推奨回収装置が選択された後、経路判定部232aは、端末装置500から推奨回収装置までの経路を判定し、経路を示す経路情報を生成する。ここで、経路判定部232aは、地図情報と、端末装置500の位置情報と、推奨回収装置の位置情報とに基づいて経路を判定する。回収装置選択部231aが複数の推奨回収装置を選択する場合、経路判定部232aは、当該複数の推奨回収装置のそれぞれについて経路情報を生成してもよい。なお、経路判定部232aは、回収装置選択部231aと少なくとも部分的に一体化されていてもよい。
【0182】
案内情報生成部233aは、
図16に示すような案内情報メッセージを生成する。案内情報メッセージは、推奨回収装置の位置情報を含む。案内情報メッセージは、経路判定部232aが生成した経路情報をさらに含んでもよい。案内情報メッセージは、端末装置500に表示させる地図の情報をさらに含んでもよい。このようにして案内情報メッセージが生成された後、通信部210は、案内情報メッセージを端末装置500に送信する。
【0183】
(資源回収システムの全体動作例)
次に、資源回収システム1の全体動作例について説明する。
図19は、資源回収システム1の全体動作例を示す図である。
【0184】
図19に示すように、ステップS201a乃至S201cにおいて、資源回収装置100a乃至100cは、
図13に示すような計測情報メッセージをサーバ装置200に送信する。
【0185】
ステップS202において、端末装置500は、
図15に示すような位置情報メッセージをサーバ装置200に送信する。ステップS202は、ステップS201a乃至S201cよりも前に行われてもよいし、ステップS201a乃至S201cと同時に行われてもよい。
【0186】
ステップS203において、サーバ装置200の回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信した計測情報メッセージ及び端末装置500から受信した位置情報メッセージの少なくとも一方に基づいて、資源回収装置100a乃至100cの中から推奨回収装置を選択する。
【0187】
ステップS204において、サーバ装置200の経路判定部232aは、端末装置500から推奨回収装置までの経路を示す経路情報を生成してもよい。
【0188】
ステップS205において、サーバ装置200の通信部210は、
図16に示すような案内情報メッセージを端末装置500に送信する。
【0189】
このように、第2実施形態に係る資源回収システム1によれば、各資源回収装置100が自装置の空き容量を特定する計測情報をサーバ装置200に送信し、サーバ装置200が所定の空き容量を有する資源回収装置100(推奨回収装置)の位置を示す情報を消費者に通知することにより、消費者は、適切な資源回収装置100に廃棄物を廃棄することが可能になる。
【0190】
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態の変更例について、上述した第2実施形態との相違点を主として説明する。
【0191】
本変更例において、サーバ装置200は、複数の資源回収装置100における廃棄量の偏りを是正するための廃棄行動を消費者に促すために、消費者が資源回収装置100を利用した際に付与するインセンティブ又は消費者が資源回収装置100を利用した際に課す使用料を管理する。以下において、サーバ装置200がインセンティブの情報を管理する一例について説明するが、インセンティブに代えて使用料の情報を管理してもよい。
【0192】
図20は、本変更例に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。
図20に示すように、サーバ装置200は、インセンティブ情報管理部234aをさらに有する。インセンティブ情報管理部234aは、各資源回収装置100を利用したときに付与するインセンティブを決定する。インセンティブ情報管理部234aは、回収装置選択部231aが選択した各推奨回収装置についてインセンティブを決定してもよい。
【0193】
インセンティブは、例えば店舗等において利用可能なポイントであってもよいし、店舗等において利用可能な割引情報(いわゆる、クーポン)であってもよい。以下において、インセンティブがポイントである一例について説明する。このようなポイントは、使用用途として購入時に使用できる用途の他に、チェーン店に設置される資源回収装置100以外の店舗外資源回収装置に廃棄物を捨てる権利と引き換えに使用することも考えられる。チェーン店側としても、店舗外ゴミが捨てられることを抑制できる。
【0194】
第1に、インセンティブ情報管理部234aは、各資源回収装置100の空き容量及び各資源回収装置100の利用頻度のうち少なくとも一方に基づいて、消費者が当該資源回収装置100を利用した際に付与するポイントを決定する。
【0195】
例えば、インセンティブ情報管理部234aは、空き容量が多い資源回収装置100ほど、ポイントを多くするように決定してもよい。一方、インセンティブ情報管理部234aは、空き容量が少ない資源回収装置100ほど、ポイントを少なくするように決定してもよい。
【0196】
インセンティブ情報管理部234aは、利用頻度が少ない資源回収装置100ほど、ポイントを多くするように決定してもよい。一方、インセンティブ情報管理部234aは、利用頻度が多い資源回収装置100ほど、ポイントを少なくするように決定してもよい。
【0197】
ここで、インセンティブ情報管理部234aが資源回収装置100ごとに決定するポイントは、ポイント係数であってもよい。この場合、インセンティブ情報管理部234aは、消費者に付与するポイントを「廃棄量×ポイント係数」により計算してもよい。廃棄量は、投棄回数、廃棄物の大きさ(体積)、又は廃棄物の重量であってもよい。
【0198】
第2に、インセンティブ情報管理部234aは、決定したポイントを示す予定ポイント情報を案内情報メッセージに含めてもよい。
図21は、本変更例に係る案内情報メッセージの構成例を示す図である。
【0199】
図21に示すように、本変更例に係る案内情報メッセージは、推奨回収装置の情報(回収装置情報)ごとに予定ポイント情報を含む。予定ポイント情報は、ポイント係数であってもよい。
【0200】
端末装置500は、このような案内情報メッセージに基づいて、予定ポイント情報を消費者に通知する。例えば、端末装置500の制御部540は、案内情報メッセージに含まれる予定ポイント情報も表示部531に表示させる。
図22は、本変更例に係る表示部531における画面表示例を示す図である。
【0201】
図22に示す例において、表示部531は、推奨回収装置の位置を示すマークと対応付けて予定ポイント情報を表示する。これにより、消費者は、各推奨回収装置を利用した際に付与されるポイントを把握できるため、複数の資源回収装置100における廃棄量の偏りを是正するための廃棄行動を消費者に促すことができる。
【0202】
第3に、インセンティブ情報管理部234aは、消費者がいずれかの推奨回収装置に廃棄物を廃棄したと判定する。インセンティブ情報管理部234aは、端末装置500から周期的に受信する位置情報メッセージに基づいて、消費者の位置がいずれかの推奨回収装置に近接したことを検知し、消費者が当該推奨回収装置に廃棄物を廃棄したと判定してもよい。
【0203】
或いは、インセンティブ情報管理部234aは、各資源回収装置100から受信する計測情報メッセージに基づいて、消費者が推奨回収装置に廃棄物を廃棄したと判定してもよい。この場合、計測情報メッセージは、
図23に示すように、資源回収装置100の消費者特定部120(
図2参照)が特定した消費者の消費者識別子を含む。消費者識別子と対応付けられた計測情報は、当該消費者が廃棄した廃棄物に関する計測情報である。
【0204】
第4に、インセンティブ情報管理部234aは、消費者が推奨回収装置に廃棄物を廃棄したことに対するポイントを当該消費者に付与する。インセンティブ情報管理部234aは、予定ポイント情報で示したポイントをそのまま消費者に付与してもよい。或いは、インセンティブ情報管理部234aは、予定ポイント情報で示したポイント係数と、実際に消費者が廃棄した廃棄物の廃棄量とに基づくポイント(例えば、「廃棄量×ポイント係数」)を消費者に付与してもよい。
【0205】
インセンティブ情報管理部234aは、計測情報メッセージに基づいて、消費者に付与するポイントを調整してもよい。例えば、インセンティブ情報管理部234aは、消費者が分別を正しく行ったと判定した場合、ポイントを増やすように調整してもよい。インセンティブ情報管理部234aは、消費者が廃棄物を圧縮して廃棄したと判定した場合(例えば、廃棄物の体積に対する重量の割合が大きい場合)、ポイントを増やすように調整してもよい。
【0206】
本変更例において、インセンティブ情報管理部234aは、消費者が廃棄した廃棄物の分別種別に基づいて、消費者に付与するポイントを調整してもよい。例えば、資源ごみに対して高いポイントを設定し、燃えるごみに対しては低いポイントを設定してもよい。
【0207】
次に、本変更例に係る資源回収システム1の全体動作例について説明する。
図24は、本変更例に係る資源回収システム1の全体動作例を示す図である。
【0208】
図24に示すように、ステップS301a乃至S301cにおいて、資源回収装置100a乃至100cは、計測情報メッセージをサーバ装置200に送信する。
【0209】
ステップS302において、端末装置500は、位置情報メッセージをサーバ装置200に送信する。ステップS302は、ステップS301a乃至S301cよりも前に行われてもよいし、ステップS301a乃至S301cと同時に行われてもよい。
【0210】
ステップS303において、サーバ装置200の回収装置選択部231aは、各資源回収装置100から受信した計測情報メッセージ及び端末装置500から受信した位置情報メッセージの少なくとも一方に基づいて、資源回収装置100a乃至100cの中から推奨回収装置を選択する。
【0211】
ステップS304において、サーバ装置200のインセンティブ情報管理部234aは、各資源回収装置100の空き容量及び各資源回収装置100の利用頻度のうち少なくとも一方に基づいて、消費者が当該資源回収装置100を利用した際に付与するポイントを決定する。
【0212】
ステップS305において、サーバ装置200の通信部210は、
図21に示すような案内情報メッセージを端末装置500に送信する。ここで、消費者は、端末装置500から消費者に通知される情報に基づいて、資源回収装置100aに移動し、資源回収装置100aに廃棄物を廃棄したと仮定して説明を進める。
【0213】
ステップS306において、資源回収装置100aは、自装置に対して当該消費者が廃棄物を廃棄したことを検知し、
図23に示すような計測情報メッセージをサーバ装置200に送信する。
【0214】
ステップS307において、サーバ装置200のインセンティブ情報管理部234aは、消費者が資源回収装置100aに廃棄物を廃棄したことに対するポイントを示す情報を端末装置500に送信する。
【0215】
このように、本変更例に係る資源回収システム1によれば、各資源回収装置100の空き容量及び各資源回収装置100の利用頻度のうち少なくとも一方に基づいて、消費者が当該資源回収装置100を利用した際に付与するポイントを決定することにより、複数の資源回収装置100における廃棄量の偏りを是正するための廃棄行動を消費者に促すことができる。
【0216】
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態において、提案情報が対象資源回収装置の推奨設置位置の提案を示す情報を含む一例について説明した。しかしながら、資源回収装置100の設置位置が頻繁に変更されるような前提下では、提案情報は、推奨設置位置と対応付けられた推奨時間帯を示す情報を含んでもよい。イベントの時間帯によっても資源回収装置100の需要は異なり、例えば、日中はこの地点の需要が多いが、夜は別の地点の需要が多いということがあり得る。このため、提案情報は、推奨設置位置の情報だけではなく、この推奨設置位置と対応付けられた推奨時間帯の情報を含むことが好ましい。
【0217】
上述した第1実施形態及びその変形例において、サーバ装置200が提案情報を通信装置300に送信する一例について説明した。しかしながら、資源回収装置100が遠隔操作により操作される自走式のゴミ箱である場合、サーバ装置200は、提案情報に基づいて、資源回収装置100を遠隔操作により操作してもよい。例えば、サーバ装置200は、設置済み資源回収装置100の設置位置を変更する場合、この資源回収装置100を遠隔操作することにより、この資源回収装置100を提案情報が示す設置位置に移動させてもよい。
【0218】
上述した第2実施形態の変更例において、サーバ装置200が、各資源回収装置100を利用したときに付与するインセンティブを決定するインセンティブ情報管理部234aを有する一例について説明した。インセンティブ情報管理部234aは、消費者が廃棄した廃棄物が販売された店舗を示す店舗情報に基づいて、消費者に付与するインセンティブの内容を決定してもよい。インセンティブ情報管理部234aは、消費者が廃棄した廃棄物が販売された店舗と対応付けられたポイント、例えば、当該店舗が属するグループ(チェーン店、小売業者等)でのみ利用可能なポイントを付与することを決定してもよい。
【0219】
これにより、消費者が資源回収装置100に廃棄物を廃棄することを促すことができる。また、店舗(企業)側の観点では、自社から売られた商品の包装容器などが街中に捨てられなくなるので、企業イメージ(ブランド向上)につながり、さらにはポイントによる集客力アップが見込める。
【0220】
販売店舗を特定する方法の一例として、店舗にタグライタを設け、商品(物品50)に付された電子タグ52に対してタグライタから販売店舗情報を書込んでもよい。資源回収装置100は、電子タグ52から販売店舗情報を読取り、販売店舗情報をサーバ装置200に送信する。これにより、サーバ装置200は、消費者が廃棄した廃棄物が販売された店舗を特定できる。
【0221】
また、サーバ装置200は、資源回収装置100に廃棄された廃棄物(物品50)を識別する商品識別子を、ネットワーク10を介して外部装置に送信してもよい。外部装置は、メーカーや小売業者に属する通信装置である。これにより、メーカーや小売業者は、どのような商品が資源回収装置100に廃棄されたかを把握できる。また、資源回収装置100に廃棄され難い商品も把握できるため、商品開発(包装容器)の改良や販売方法の改良に活かすことができる。
【0222】
サーバ装置200から外部装置へ送信される商品識別子は、消費者識別子と対応付けられていてもよいし、消費者識別子と対応付けられていなくてもよい。商品識別子を消費者識別子と対応付けない場合、個人情報の保護にもつながる。
【0223】
上述した第2実施形態において、推奨回収装置の位置を消費者に通知するために、サーバ装置200が案内情報メッセージを端末装置500に送信する一例について説明した。しかしながら、
図25に示すように、消費者から視認可能な場所に設置される表示装置600がある場合、サーバ装置200は、推奨回収装置の位置を示す情報を表示装置600に送信してもよい。表示装置600は、電子看板(いわゆる、デジタルサイネージ)用の表示装置であってもよい。これにより、推奨回収装置の位置を示す情報を表示装置600に表示させ、推奨回収装置の位置を消費者に通知できる。
【0224】
上述した第1及び第2実施形態及びその変形例に係る各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0225】
以上、図面を参照して第1及び第2実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0226】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。第1及び第2実施形態に係る資源回収システム、サーバ装置、資源回収装置、端末装置、方法、及びプログラムは、このSDGsの17の目標のうち、例えば「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、「11.住み続けられるまちづくりを」及び「12.つくる責任 つかう責任」の目標などの達成に貢献し得る。
【0227】
本願は、日本国特許出願第2020-048411号(2020年3月18日出願)及び日本国特許出願第2020-075638号(2020年4月21日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。