(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ラップラウンドケーサ
(51)【国際特許分類】
B65B 5/06 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
B65B5/06
(21)【出願番号】P 2021005194
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 涼恭
(72)【発明者】
【氏名】西野 滋成
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-217302(JP,A)
【文献】特開昭55-079201(JP,A)
【文献】特開昭61-164903(JP,A)
【文献】特開平03-289405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に物品を載置した状態
のシートを搬送
する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されるシートの天面、前面、後面、前後サイドフラップを折り曲げて包装した後に、前記天面に連接する上サイドフラップおよび前記底面に連接する下サイドフラップを前記前後サイドフラップに向けて折り曲げて封緘する上下サイドフラップ折り曲げ機構
とを備えたラップラウンドケーサにおいて、
前記搬送手段は、前記前面と後面の上側を支持するプレートが設けられた上部搬送チェーンと、前記前面と後面の下側を支持するプレートが設けられた下部搬送チェーンとを備え、前記天面、前面、後面、前後サイドフラップが折り曲げられたシートの前面と後面の上側および下側とを支持しながら、当該シートを前記上下サイドフラップ折り曲げ機構へ搬送するとともに、
前記上下サイドフラップ折り曲げ機構は、
水平に伸びる上下サイドフラップをそれぞれ所定角度折り曲げる昇降可能な一対の昇降ガイドと、
前記昇降ガイドの下流に設けられ、所定角度折り曲げられた状態の上下サイドフラップの姿勢を維持する固定ガイドと、
前記固定ガイドにより姿勢を維持されている上下サイドフラップを押圧することにより、さらに折り曲げてあらかじめ折り曲げられている前後サイドフラップに押し当てる進退動可能な可動ガイドとを備えたことを特徴とするラップラウンドケーサ。
【請求項2】
前記可動ガイドに回転可能なローラーを取り付け、前記ローラーによって上下サイドフラップを押圧することを特徴とする請求項1に記載のラップラウンドケーサ。
【請求項3】
前記可動ガイドの下流に設けられ、前後サイドフラップまで折り曲げられた上下サイドフラップをさらに圧着する圧着ガイドとを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラップラウンドケーサ。
【請求項4】
前記圧着ガイドに回転可能なローラーを取り付け、前記ローラーにより上下サイドフラップを圧着することを特徴とする請求項3に記載のラップラウンドケーサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下のサイドフラップを折りたたんで封緘するラップラウンドケーサに関する。
【背景技術】
【0002】
連続搬送されるシートに包装対象品を載せ、シートを包装対象品を包み込むように順次折りたたむことで包装対象品を封緘するラップラウンドケーサが知られている(特許文献1)。シートは、折り目を介して連接された前面パネル、底面パネル、後面パネル、天面パネルを備え、包装対象品の前面、底面、後面、天面を覆うように巻き付けられる。また、各パネルには、両側辺から外側に延出するサイドフラップが設けられ、前面および後面のサイドフラップが、包装対象品の側面を覆うように前後に折りたたまれるとともに、底面、天面のサイドフラップが前面および後面のサイドフラップを覆うように上下に折りたたまれて糊付けされ、装対象品の6面がシートにより被覆される。
【0003】
特許文献1のラップラウンドケーサでは、底面および天面のサイドフラップは搬送される包装対象品の側面に沿って配置される上下一対の棒状のフラップ折り曲げガイドにより上下に折り曲げられる。すなわち、上方フラップ折り曲げガイドは、上流側が包装対象品を覆う天面パネルよりも高い位置に、下流側が側面の半分よりも僅かに高い位置に配置される。一方、下方のフラップ折り曲げガイドは、上流側が包装対象品を覆う底面パネルよりも低い位置に、下流側が側面の半分よりも僅かに低い位置に配置される。これにより外側に水平に延出する上サイドフラップは、包装対象品が搬送されるにしたがって上方フラップ折り曲げガイドに係合し、下流側から順に下向きに折り曲げられる。同様に、外側に水平に延出する下サイドフラップは、包装対象品が搬送されるにしたがって下方フラップ折り曲げガイドに係合し、下流側から順に上向きに折り曲げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、フラップ折り曲げガイドと上サイドフラップおよび下サイドフラップとの間に発生する摩擦が大きくなり、上サイドフラップ、下サイドフラップが後方にねじれて、そのまま貼着されてしまうことがある。すなわち、上サイドフラップと下サイドフラップが斜めにずれ、下流側において上サイドフラップと下サイドフラップの間に隙間が空いてしまうという問題があった。特に、封緘したケースが縦長の形状の場合やケースの角との間に隙間が発生するような製品(ペット容器、天面にキャップが取り付けられた紙容器等)を収容している場合にずれが目立ちやすい。
【0006】
本発明は、上サイドフラップおよび下サイドフラップを適正に折り曲げ可能なラップランドケーサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の発明であるラップラウンドケーサは、底面に物品を載置した状態のシートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されるシートの天面、前面、後面、前後サイドフラップを折り曲げて包装した後に、前記天面に連接する上サイドフラップおよび前記底面に連接する下サイドフラップを前記前後サイドフラップに向けて折り曲げて封緘する上下サイドフラップ折り曲げ機構とを備えたラップラウンドケーサにおいて、前記搬送手段は、前記前面と後面の上側を支持するプレートが設けられた上部搬送チェーンと、前記前面と後面の下側を支持するプレートが設けられた下部搬送チェーンとを備え、前記天面、前面、後面、前後サイドフラップが折り曲げられたシートの前面と後面の上側および下側とを支持しながら、当該シートを前記上下サイドフラップ折り曲げ機構へ搬送するとともに、前記上下サイドフラップ折り曲げ機構は、水平に伸びる上下サイドフラップをそれぞれ所定角度折り曲げる昇降可能な一対の昇降ガイドと、前記昇降ガイドの下流に設けられ、所定角度折り曲げられた状態の上下サイドフラップの姿勢を維持する固定ガイドと、前記固定ガイドにより姿勢を維持されている上下サイドフラップを押圧することにより、さらに折り曲げてあらかじめ折り曲げられている前後サイドフラップに押し当てる進退動可能な可動ガイドとを備えたことを特徴としている。
【0008】
本発明の第2の発明であるラップラウンドケーサは、第1の発明において、前記可動ガイドに回転可能なローラーを取り付け、前記ローラーによって上下サイドフラップを押圧することを特徴としている。
【0009】
本発明の第3の発明であるラップラウンドケーサは、第1または第2の発明において、前記可動ガイドの下流に設けられ、前後サイドフラップまで折り曲げられた上下サイドフラップをさらに圧着する圧着ガイドとを備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明の第4の発明であるラップラウンドケーサは、第3の発明において、前記圧着ガイドに回転可能なローラーを取り付け、前記ローラーにより上下サイドフラップを圧着することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上サイドフラップおよび下サイドフラップを適正に折り曲げ可能なラップランドケーサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態であるラップラウンドケーサで使用されるラップラウンドシートの展開図である。
【
図2】本実施形態のラップラウンドケーサの構造を示す平面図である。
【
図3】本実施形態のラップラウンドケーサの構造を示す側面図である。
【
図4】本実施形態のラップラウンドケーサにおける物品梱包処理動作を時系列に示す模式図である。
【
図5】プレートにより支持されるラップラウンドシートの側面図である。
【
図6】ラップラウンドシートを支持する下部フィンガのプレートの配置を示す平面図である。
【
図7】ラップラウンドシートを支持する上部フィンガのプレートの配置を示す平面図である。
【
図8】上下サイドフラップが適正に折り曲げられた状態と、ズレて折り曲げられた状態を示すケースの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるラップラウンドケーサで使用されるラップラウンドシートの展開図である。
【0014】
ラップラウンドシートSには、例えばカートンや段ボールなどの包装材が用いられる。ラップラウンドシートSは、例えば所定の数毎に集積された物品Mを箱型に梱包する。
図1に示されるように、平面に展開された状態のラップラウンドシートSは、箱の天面P1、前面P2、底面P3、後面P4を構成する各面がこの順で一列に連接されている。
【0015】
一連の天面P1、前面P2、底面P3、後面P4の各々の両側辺には、一対の上サイドフラップF1、前サイドフラップF2、下サイドフラップF3、後サイドフラップF4がそれぞれ連接されている。天面P1において前面P2とは反対側の辺にはシームフラップF5が連接されている。また、各面P1~P4同士の間の境界、および各面P1~P4と各フラップF1~F5との間の境界には、折り目線が入れられている。
【0016】
図2、
図3は、本実施形態のラップラウンドケーサ10の構造を示す平面図および側面図である。また、
図4は、ラップラウンドケーサ10における物品梱包処理動作を時系列に示す模式図である。
【0017】
本実施形態において物品Mは、例えば飲料が充填された紙製の容器で、天面に飲み口とキャップが装着されている。本実施形態では容器を3×2=6本を単位にラップラウンドシートSで箱型に梱包する。物品Mは、図示しない集積装置によって例えば2行3列に集積された後、供給コンベヤ12上を3×2の密集した物品群Gとして所定の間隔でプッシャ14により各々搬送される。
【0018】
本実施形態のラップラウンドケーサ10は、供給コンベヤ12の下流側に配置される。供給コンベヤ12とラップラウンドケーサ10の間には、搬送される物品群Gの進路を遮るように、折り曲げられる前のラップラウンドシートSが
図1に示す起立した状態で保持される(
図4(a))。なお、ラップラウンドシートSは起立した状態で側方から供給され、供給コンベヤ12とラップラウンドケーサ10の間において、前面P2と底面P3の間の折り目線は、搬送面高さに保持される。
【0019】
ラップラウンドケーサ10は、同期して並走する3本の下部搬送チェーン16A、16B、16Cを備える。中央の下部搬送チェーン16Bには、シートSの前面P2の下部を支持する下部前フィンガ18Aが所定間隔で設けられ、両側の下部搬送チェーン16A、16CにはシートSの後面P4の下部を支持する下部後フィンガ18Bが所定間隔で設けられる。下部前フィンガ18Aには、前面P2に当接するプレート20Aが設けられ、下部後フィンガ18Bには、後面P4に当接するプレート20Bが設けられる。なお、下部搬送チェーン16A、16B、16Cは、ギア16Gを介してモータ16Mにより一体的に回転駆動される。
【0020】
物品群Gがラップラウンドケーサ10に移載される過程において、物品群GはラップラウンドシートSの前面P2に押し当てられる。このときラップラウンドシートSの前面P2は、起立した下部前フィンガ18Aによりその下流側の面が支持される。物品群Gの前面が起立しているラップラウンドシートSの前面P2に当接しながら搬送されることにより、ラップラウンドシートSの底面P3が折り曲げられ、底面P3に物品群Gが乗り移る。この時、下部前フィンガ18Aも物品群Gと同じ速度で移動して前面P2の下部を支持し、ラップラウンドシートSの前面P2、天面P1、シームフラップF5は起立した状態にある(
図4(b))。
【0021】
その後、下部搬送チェーン16A、16Cのスプロケット周りの回転による下部後フィンガ18Bが起立する過程で、下部後フィンガ18Bのプレート20Bが後面P4と係合し、後面P4を下部後フィンガ18Bの回動動作によって起立させる(
図4(c))。底面P3に物品群Gが載置され、前後を下部フィンガ18A、18B(プレート20A、20B)に挟まれたラップラウンドシートSは、シームフラップF5、天面P1、前面P2および後面P4が起立した状態で下部搬送チェーン16A、16Bにより連続搬送される。
【0022】
下流には、天面P1、後サイドフラップF4、前サイドフラップF2をそれぞれ折り曲げるための、天面折り曲げローラ22、後サイドフラップ折り曲げタッカ24、前サイドフラップ折り曲げガイド26が配置される。
【0023】
後サイドフラップ折り曲げタッカ24は、下部搬送チェーン16A、16Cの外側に各々隣接して配置される。各後サイドフラップ折り曲げタッカ24は、垂直軸周りに一体的に回転される上下一対の円弧状のアーム24Aを備える。後サイドフラップ折り曲げタッカ24は、各アームの先端がラップラウンドケーサ10の搬送面の両測辺に沿って移動するように揺動可能であり、例えばシリンダ24Bにより駆動される。
【0024】
ラップラウンドシートSの底面P3の上に載せられ、その前後が折り曲げられた前面P2、後面P4により覆われた物品群Gが後サイドフラップ折り曲げタッカ24の横を通過すると、アーム24Aが回転され、その先端が各々後面P4から外側に延出する後サイドフラップF4と係合して、後サイドフラップF4が前サイドフラップ折り曲げガイド26に到達する前に前方へ折り曲げる。
【0025】
前フラップ折り曲げガイド26は、搬送方向に沿って延在する上下一対の固定板部材であり、ラップラウンドケーサ10の搬送路の両側に配置される。前フラップ折り曲げガイド26は、搬送されてくるラップラウンドシートSの起立された前面P2から外側に延出する前サイドフラップF2に係合し、これを後方に向けて折り曲げる。また、後サイドフラップ折り曲げタッカ24によって前方に向けて折り曲げられた後サイドフラップF4の先端は、前フラップ折り曲げガイド26の内側に挿入される。これにより、前サイドフラップF2および後サイドフラップF4は、物品群Gの側面に沿って折り曲げられ状態に維持される(
図4(d))。
【0026】
天面折り曲げローラ22は3つのローラを備え、ラップラウンドケーサ10の搬送面の上方において、例えば後サイドフラップ折り曲げタッカ24の近くに配置される。3つのローラの回転軸はラップラウンドケーサ10の幅方向に沿って水平に配置され、ローラは下流側に行くにしたがって低い位置に配置される。これにより、搬送されてくる起立された天面P1は、天面折り曲げローラ22の3つのローラに当接して後側へ折り曲げられる(
図4(e))。
【0027】
天面折り曲げローラ22の下流位置には、折り曲げられた天面P1を押えるために搬送方向に延在する樹脂製のレール28が配置される。また、レール28の上方には、これと平行に3本の上部搬送チェーン30A、30B、30C(
図7参照)が配置される。上部搬送チェーン30A、30B、30Cには下方に配置される下部搬送チェーン16A、16B、16Cと同期して駆動される。
【0028】
両側に配置されている上部搬送チェーン30A、30Cには、ラップラウンドシートSの後面P4の上部を支持する上部後フィンガ32Aがそれぞれ取り付けられ、中央に配置される上部搬送チェーン30Bには、ラップラウンドシートSの前面P2の上部を支持する上部前フィンガ32Bが取り付けられる。上部後フィンガ32Aには後面P4の上部に当接する1枚のプレート34Aが設けられ、上部前フィンガ32Bにはプレート34Bが設けられる。
【0029】
天面折り曲げローラ22により天面P1が折り曲げられると、ラップラウンドシートSは、レール28により天面P1が折り曲げられた状態に維持されるとともに、下部搬送チェーン16A、16B、16Cと上部搬送チェーン30A、30B、30Bに挟まれる区間において、前面P2の下側がプレート20A、上側がプレート34Bにより支持され、後面P4の下側がプレート20B、上側がプレート34Aにより支持されて搬送される。
【0030】
なお、後サイドフラップ折り曲げタッカ24の手前において後面P4の上方部に糊が噴射され、上部後フィンガ32Aに取り付けられたプレート34AによってシームフラップF5が折り曲げられ、後面P4に押し当てられると、シームフラップF5と後面P4は糊付けされる。そして、下部搬送チェーン16A、16B、16Cと上部搬送チェーン30A、30B、30Bに挟まれる区間をラップラウンドシートSが搬送される間に、上部前フィンガ32Bのプレート34Bと上部後フィンガ32Aに取り付けられているプレート34Aで支持されることによりシームフラップF5は後面P4に圧着される(
図4(f))。
【0031】
なお、
図5には、プレート20A、20B、34A、34Bにより支持されるラップラウンドシートSの側面図が示される。また、
図6にはラップラウンドシートSを支持するプレート20A、20Bの配置を示す平面図、
図7にはラップラウンドシートSを支持するプレート34A、34Bの配置を示す平面図が示される。
【0032】
前サイドフラップ折り曲げガイド26の下流には、各々上下に一対の昇降ガイド36A、36Bが昇降可能に配置される。昇降ガイド36A、36Bは、天面P1や底面P3よりも僅かに幅広に搬送方向に延在する棒状部材であり、それぞれ昇降ガイド用シリンダ38A、38Bにより昇降される。待機状態において、昇降ガイド36Aは上方に位置し、ラップラウンドシートSが同位置にまで搬送されると下降して天面P1から側方に延出する上サイドフラップF1に係合し、これを押し下げ約60度折り曲げる。一方、昇降ガイド36Bは、待機状態において下方に位置し、ラップラウンドシートSが同位置にまで搬送されると上昇して底面P3から外側に延出する下サイドフラップF3に係合し、これを押し上げ約60度折り曲げる(
図4(g))。
図3には、待機状態にある昇降ガイド36A、36Bが実線で示され、下降された昇降ガイド36Aおよび上昇された昇降ガイド36Bが破線で示される。
【0033】
昇降ガイド36A、36Bの下流には保持ガイド(固定ガイド)40A、40Bが上下に配置される。保持ガイド40A、40Bは搬送方向に延在する固定された棒状部材からなり、昇降ガイド36A、36Bにより約60度折り曲げれた上下サイドフラップF1、F3の角度を搬送される間、約60度折り曲げれた状態に維持するように配置される。また、搬送方向において保持ガイド40A、40Bが設けられる位置には、可動ガイド42が配置される。
【0034】
可動ガイド42は、直立して搬送される前面P2、後面P4の約半分の高さに、保持ガイド40A、40Bの間を通して搬送方向の幅方向に進退自在に配置される。可動ガイド42の押圧面には、垂直軸周りに回転する多数のローラを搬送方向に沿って備え、シリンダ42Aにより幅方向に往復動可能である。待機状態において、可動ガイド42は、保持ガイド40A、40Bよりも外側に位置する。物品群Gが載せられたラップラウンドシートSが搬送されてくると、保持ガイド40A、40Bにより約60度に折り曲げられた状態の上下サイドフラップF1、F3を両側から前後サイドフラップF2、F4に押し当てる(
図4(h))。
【0035】
保持ガイド40A、40Bの下流には圧着ガイド44が配置される。圧着ガイド44の押圧面には可動ガイド42と同様に垂直軸周りに回転可能なローラーが多数搬送方向に沿って配置されており、可動ガイド42よりも強い力で上下サイドフラップF1、F3を前後サイドフラップF2、F4に押圧して圧着する(
図4(i))。なお、前後サイドフラップF2、F4には、可動ガイド42の手前において、前サイドフラップ折り曲げガイド26によって前後サイドフラップF2、F4が折り曲げられている状態において糊付けされる。
【0036】
なお、圧着ガイド44により、上下サイドフラップF1、F3が前後サイドフラップF2、F4に貼着されると、ラップラウンドシートSによる物品群Gの梱包は完了する。そして、ラップラウンドシートSにより梱包された物品群Gは、下部搬送チェーン16A、16B、16Cの下流に配置されるローラコンベヤ46へと移載され、下流側の装置へと排出される。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、上下サイドフラップを折り曲げる際に、昇降ガイドによって上下サイドフラップを約60度折り曲げ、その角度を維持した状態で下流へ搬送しつつ、可動ガイドによって90度に折り曲げ、その後圧着ガイドにより上下サイドガイドを圧着する。すなわち、本実施形態では昇降ガイドや可動ガイドのような移動式のガイドにより、上下サイドフラップを折り曲げ、その姿勢を維持したまま、固定式のガイドへ受け渡すことが可能となる。これにより本実施形態では、物品(ラップラウンドシート)を連続搬送しながらも、上下サイドフラップにかかる摩擦を極力低減して上下サイドフラップのズレを抑えることができる。すなわち、固定ガイドのみを用いた従来のように、上下サイドフラップが
図8(b)のように、ズレて貼着されることがなく、上下サイドフラップは
図8(a)に示されるように適正な姿勢で貼着される。
【0038】
また、本実施形態では、可動ガイドや圧着ガイドに回転可能なローラを採用することにより、上下サイドフラップにかかる摩擦をさらに低減することができる。また、本実施形態では、上下サイドフラップを折り曲げる際、ラップラウンドシートの上下をフィンガ(プレート)によってしっかりと支持しているので、ラップラウンドシートの姿勢が正しく保たれた状態で上下サイドフラップを正常に折り曲げることができる。
【0039】
なお、可動ガイドの押圧面にローラを配置せずに、棒状部材や板状部材とすることも可能であるし、可動ガイドをケースの搬送方向に移動可能に設け、可動ガイドの前進時にケースと同期して下流へ搬送させ、次のケース(ラップラウンドシート)が来るタイミングで可動ガイドを上流の待機位置にまで戻すようにしても良い。
【0040】
また、可動ガイドや圧着ガイドは、ケースと同速度で回転するベルトであっても良く、圧着ガイドを配置せずに可動ガイドの長さを長くしても良い。その場合、次のケースが来るタイミングで可動ガイドを待機位置にまで戻す必要があり、圧着動作中のケースからは一旦離れることになる。しかし、新たなケースを直ちに可動ガイドで挟み込めば、直ぐに圧着動作に復帰できるので、問題なく圧着動作を継続することができる。
【0041】
本実施形態では、昇降ガイドが上下サイドフラップを約60度折り曲げたが、昇降ガイドは折り目線に沿って45度以上、上下サイドフラップを折り曲げられればよい。なお、昇降ガイドによる折り曲げ角度が小さいと上下サイドフラップ間の間隔が大きくなり、可動ガイドの上下幅も大きくする必要がある。
【符号の説明】
【0042】
10 ラップラウンドケーサ
36A、36B 昇降ガイド
40A、40B 保持ガイド(固定ガイド)
42 可動ガイド
F1 上サイドフラップ
F2 前サイドフラップ
F3 下サイドフラップ
F4 後サイドフラップ
G 物品群
M 物品
P1 天面
P2 前面
P3 底面
P4 後面
S ラップラウンドシート