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特許7617537発明ヒアリングシステム、発明ヒアリング装置、発明ヒアリング方法及び発明ヒアリングプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】発明ヒアリングシステム、発明ヒアリング装置、発明ヒアリング方法及び発明ヒアリングプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250110BHJP
   G06F 40/56 20200101ALI20250110BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F40/56
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023087462
(22)【出願日】2023-05-29
(65)【公開番号】P2024170761
(43)【公開日】2024-12-11
【審査請求日】2024-02-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517274039
【氏名又は名称】株式会社Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】110002701
【氏名又は名称】弁理士法人Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】100188525
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 超史
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【弁理士】
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 超史
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/042604(WO,A1)
【文献】特開2019-215841(JP,A)
【文献】特開2021-120790(JP,A)
【文献】特開2014-021879(JP,A)
【文献】特開2022-067281(JP,A)
【文献】国際公開第2022/180989(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリングシステムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリングシステム。
【請求項2】
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリングシステムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記受付部は、前記質問部が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付け、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、1回目の質問を生成する際、前記発明の概要と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含め、2回目以降の質問を生成する場合、少なくとも、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリングシステム。
【請求項3】
前記受付部は、前記質問部が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付け、
前記質問部は、1回目の質問を生成する際、前記発明の概要と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含めて1回目の質問を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項4】
前記受付部は、前記質問部が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付けず、
前記質問部は、1回目の質問をする際、質問の生成を行わず、定型の質問を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項5】
前記質問部は、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする請求項2に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項6】
前記質問部は、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした全ての質問及びその回答を前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項7】
前記質問部は、質問の生成と送信を繰り返し行い、同じ内容となる質問は送信しないことを特徴とする請求項1又は2に発明ヒアリングシステム。
【請求項8】
前記受付部は、質問の評価をユーザーから受け付け、
前記質問部は、前記質問の評価を前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする請求項1又は2に発明ヒアリングシステム。
【請求項9】
発明の内容を説明した書類を作成する書類作成部を有し、
前記書類作成部は、書類生成用のプロンプトを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として前記書類を生成し、
前記書類生成用のプロンプトは、質問に対するユーザーの回答と、前記学習済みモデルに対する書類生成指示とを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項10】
前記書類に記載された発明を拡張した拡張発明を生成する発明生成部を有し、
前記発明生成部は、発明拡張用のプロンプトを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として前記拡張発明を生成し、
前記発明拡張用のプロンプトは、前記書類と、前記学習済みモデルに対する発明拡張指示とを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項11】
拡張発明を生成する発明生成部を有し、
前記発明生成部は、発明拡張用のプロンプトを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として前記拡張発明を生成し、
前記発明拡張用のプロンプトは、前記質問部により生成され、ユーザーに送信された質問と、前記質問に対するユーザーからの回答と、前記学習済みモデルに対する発明拡張指示とを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発明ヒアリングシステム。
【請求項12】
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリング装置であって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリング装置。
【請求項13】
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリング装置であって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記受付部は、前記質問部が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付け、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、1回目の質問を生成する際、前記発明の概要と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含め、2回目以降の質問を生成する場合、少なくとも、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリング装置。
【請求項14】
コンピュータが行う発明ヒアリング方法であって、
発明についての質問をユーザーに行う質問工程と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付工程と、を有し、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問工程は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリング方法。
【請求項15】
コンピュータが行う発明ヒアリング方法であって、
発明についての質問をユーザーに行う質問工程と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付工程と、を有し、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記受付工程は、前記質問工程が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付け、
前記質問工程は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、1回目の質問を生成する際、前記発明の概要と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含め、2回目以降の質問を生成する場合、少なくとも、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリング方法。
【請求項16】
コンピュータに、
発明についての質問をユーザーに行う質問処理と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付処理と、を実行させる発明ヒアリングプログラムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問処理は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリングプログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
発明についての質問をユーザーに行う質問処理と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付処理と、を実行させる発明ヒアリングプログラムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記受付処理は、前記質問処理が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付け、
前記質問処理は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、1回目の質問を生成する際、前記発明の概要と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含め、2回目以降の質問を生成する場合、少なくとも、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする発明ヒアリングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発明ヒアリングシステム、発明ヒアリング装置、発明ヒアリング方法及び発明ヒアリングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許権を取得することは、依然として非常に重要であり、特許権は事業に多大な影響を及ぼすことが多い。企業に限られず、個人においても発明活動がなされている。発明者が自ら特許出願などをする場合もあるが、一般的には知財担当者や弁理士などが発明者から発明の内容を聞いて、その発明について事業展開や特許出願などを行うことが多い。
【0003】
発明者から発明の説明を受けて、どのような事業戦略にするか、特許出願を行うか、どのような内容で特許出願を行うか等について、詳細な検討が求められるとともに、変化のスピードが速い現代では、検討の時間を短くすることが求められている。このような要求を満たすためには、どのような発明であるかを発明者が適切に表現すること、どのような発明であるかを聞き手が適切に理解することが求められる。しかし、発明者は研究や開発には慣れているものの、発明を表現すること、例えば発明を文書などにまとめることには、慣れていない場合もある。また、他者が発明の内容を理解するのに苦労する場合もよく起こる。
【0004】
発明者が発明を説明するために、発明の内容を文書にまとめるのは労力を要する。また、どのようなことを文書にすればよいか悩んでしまい、時間がかかってしまう場合がある。弁理士や知財担当者等が発明者から発明の内容をヒアリングして発明の内容を文書にまとめる場合も同様に、労力や時間を要する。また、発明を理解してまとめるには、理解力、読解力、表現力のほか、専門知識などが必要であり、発明の内容を理解すること、まとめることは高度な知的作業であり、難しい作業である。
【0005】
特許文献1では、ユーザーが使用するユーザー端末及び専門家が使用する専門家端末と通信を介して接続可能に構成した発明提案情報処理装置が開示されている。特許文献1の発明提案情報処理装置は、以下のような処理を行う。
ユーザーから発明提案情報を受け付けた後、発明性、新規性などに関する質問を行い、ユーザーの回答を受け付ける。ユーザーの回答について、ユーザーが特許性について否定的な回答、分からない又は判断できない旨の回答データが付加されている質問項目を抽出し、対応するにふさわしい専門家を選び出す。選んだ専門家に対して、発明提案情報を送信して問合せを行い、問合せに対する専門家からの回答を受け付ける。専門家が了承した場合、専門家の回答やコメントをユーザーに送信する。
特許文献1によれば、発明内容に対する適切なアドバイスを簡単に得ることができ、アドバイスされた内容を発明内容に反映させて発明をブラッシュアップできるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-46876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、人間である専門家が発明を理解し、ユーザーの回答を読み、その発明についてコメントをする必要がある。ユーザーと専門家が実際に会って話をする必要はないかもしれないが、人間である専門家が対応する必要があり、人間である専門家の負担は変わらない。そのため、発明の内容をヒアリングする時間や手間を削減することが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、発明の内容をヒアリングすることができ、聞き手となる人間の労力が不要になる発明ヒアリングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の発明ヒアリングシステムは、
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリングシステムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行うとともに、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを前記質問生成用のプロンプトに含める
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発明の内容をヒアリングすることができ、聞き手となる人間の労力が不要になる発明ヒアリングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の発明ヒアリングシステム及び発明ヒアリング装置の一例を示す図である。
図2】画面の一例である。
図3A】実施例1の画面例(1)である。
図3B】実施例1の画面例(2)である。
図3C】実施例1の画面例(3)である。
図3D】実施例1の画面例(4)である。
図3E】実施例1の画面例(5)である。
図3F】実施例1の画面例(6)である。
図4A】発明提案書の一例である。
図4B】特許出願明細書の一例である。
図5A】実施例2の画面例(1)である。
図5B】実施例2の画面例(2)である。
図5C】実施例2の画面例(3)である。
図5D】実施例2の画面例(4)である。
図5E】実施例2の画面例(5)である。
図5F】実施例2の画面例(6)である。
図5G】実施例2の画面例(7)である。
図6A】実施例3の画面例(1)である。
図6B】実施例3の画面例(2)である。
図7】実施例4の画面例(6)である。
図8】参考例1の画面例(1)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る発明ヒアリングシステム、発明ヒアリング装置、発明ヒアリング方法及び発明ヒアリングプログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0013】
本発明の発明ヒアリングシステムは、
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリングシステムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行い、
前記質問生成用のプロンプトは、質問の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを少なくとも含む
ことを特徴とする。
【0014】
本発明の発明ヒアリング装置は、
発明についての質問をユーザーに行う質問部と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付部と、を有する発明ヒアリング装置であって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問部は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行い、
前記質問生成用のプロンプトは、質問の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを少なくとも含む
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の発明ヒアリングシステム1及び発明ヒアリング装置10を説明するための図である。図1では、発明ヒアリングシステム1、発明ヒアリング装置10、記憶手段31、ユーザー40、端末41が図示されている。なお、図中の矢印はデータの流れや指示等を模式的に示している。
【0016】
ユーザー40としては、発明者が想定されるが、これに制限されるものではなく、発明者以外の者であってもよい。ユーザー40としては、例えば法人、個人、団体など適宜使用が可能であり、国、企業、特許事務所、その他の事務所等が挙げられる。ユーザーとしているが、使用者、管理者、利用者、対象者、受領者などと称してもよい。以下の説明では、ユーザーと対象者を区別なくともに用いている。また、端末41としては、PC、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
【0017】
本実施形態の発明ヒアリング装置10は、質問部11、受付部12を有し、必要に応じて書類作成部13、発明生成部14等を有する。本実施形態の発明ヒアリング装置10は、例えばCPU、RAM、ROM、HDD、IF等を有し、必要に応じてその他の部品等を有する。
【0018】
端末41と発明ヒアリング装置10との通信方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。
【0019】
質問部11は、発明についての質問をユーザーに行う。質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問である。このような質問は、発明の内容を問うものであり、ユーザーが質問に回答することで、発明の内容を理解するための情報が蓄積される。質問は、クローズドクエスチョンでもよいし、オープンクエスチョンでもよい。課題を解決するための手段は、発明特定事項、構成、特徴などと称してもよい。
【0020】
発明としては、特許出願前の発明が想定されるが、これに限られるものではない。特許出願前の発明である場合、本実施形態のシステムや装置を利用する目的としては、例えば、特許出願を行う、発明を説明するための書類、資料を作成する、発明の理解を深める、発明の内容を整理し、発明をより良いものにする等が挙げられる。特許出願後の発明である場合、例えば、別発明をするための検討材料に用いる、出願された他者の発明の理解を深める等が挙げられる。
【0021】
質問部11は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行う。質問の送信方法は、特に制限されるものではなく、公知の技術を用いることができる。送信された質問は、例えば、ユーザーの使用する端末に表示される。
【0022】
質問部11が新たな質問を生成して質問を行うことで、ヒアリング作業を効率化することができる。また、本実施形態によれば、質問と回答の組み合わせを通じて発明に関する情報を収集することができる。また、人間が発明をヒアリングする手間や労力を省くことができる。
【0023】
学習済みモデルとしては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。本実施形態で用いられる学習済みモデルとしては、例えば文章生成言語モデルが挙げられる。文章生成言語モデルとしては、例えばGPT(Generative Pre-trained Transformer)が挙げられる。GPTは、Web上の大量のデータをもとに学習する文章生成言語モデルである。
【0024】
本実施形態で用いられる学習済みモデルは、入力されたプロンプトに応じた出力を行う。プロンプトとしては、質問生成用、書類作成用、発明拡張用などが挙げられ、これらの用途に応じて内容を適宜変更することができる。プロンプトは、学習済みモデルに対する指示等を含む。
【0025】
質問生成用のプロンプトは、質問の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを少なくとも含み、必要に応じて適宜その他の項目を含む。書類作成用のプロンプト、発明拡張用のプロンプトについては後述する。
【0026】
質問生成指示は、例えば、発明を理解するために質問をする旨の指示、発明について特許を出願するためにヒアリングする旨の指示、発明を説明した書類を作成するためにヒアリングする旨の指示等が挙げられる。質問生成用のプロンプトには、複数の指示を含めることが可能であり、質問の精度を上げるために、詳細な指示を質問生成用のプロンプトに含めることが好ましい。
【0027】
発明を理解するために質問をする旨の指示としては、例えば、発明が解決しようとする課題、課題の解決策、発明の効果などの項目を挙げ、これらの項目がわかるような質問を生成する旨の指示が挙げられる。
【0028】
質問生成指示は、上記の他にも例えば、質問の文字数、質問の文章についての指定などを含んでいてもよい。また、想定される聞き手を指定してもよい。例えば、聞き手として、弁理士、知財担当者、開発者、経営者などを指定してもよい。このように聞き手を指定することで、ユーザーのシステムの利用目的に沿いやすくなる。例えば、特許出願を行うことを想定している場合は、弁理士などを聞き手として指定することが好ましく、事業計画を検討するための書類や資料を作成する場合は、知財担当者や経営者などを聞き手として指定することが好ましい。
【0029】
質問生成指示で聞き手を指定する場合、指定方法は、適宜選択でき、例えば人間に伝えるような表現でよい。例えば、「あなたは弁理士です。」などのように人間がわかるような表現が可能である。質問生成指示における聞き手の指定は、プログラム言語の知識を必要とせず、日常会話を用いて行うことが可能である。
【0030】
学習済みモデルは、聞き手が指定された場合、その指定に応じた出力を行う。特に制限されるものではないが、例えば、弁理士の場合、特許出願明細書を作成するための質問等を生成するようにしてもよいし、知財担当者や経営者の場合、企業の事業への影響、予算作成、特許戦略の作成をするための質問等を生成するようにしてもよい。
【0031】
質問部11は、学習済みモデルが出力した質問をそのままユーザーに送信してもよいし、出力した質問に対して編集を行ってからユーザーに送信してもよい。
【0032】
質問部11は、質問を複数回行うことが好ましい。つまり、質問部11は、質問の生成と送信を繰り返し行うことが好ましい。質問を複数回行うことで、発明をより理解することができる。
【0033】
質問部11が質問の生成と送信を繰り返し行う場合、同じ内容となる質問は送信しないことが好ましい。つまり、同じ質問をしないことが好ましい。同じ質問をすると、ユーザーの負担になるばかりか、システムの信頼低下につながってしまう。
【0034】
同じ内容の質問をしないようにするには、例えば、質問生成用のプロンプトに既にした質問を含めるようにし、質問生成指示として、同じ内容の質問をしない旨の指示を加えるようにする。同じ質問については、例えば、文言上で質問同士が一致する場合に限られず、同じ意味の質問同士である場合を含む。同じ内容の質問であるかどうかは、学習済みモデルが判断することが可能である。
【0035】
質問生成用のプロンプトは、既にした質問を含んでいることが好ましい。この場合、質問の精度を向上させることができ、また、同じ質問をしないようにする指示もすることができる。
【0036】
質問部11は、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした質問のうちの1つ以上の質問と、当該質問を生成する前にした質問に対する回答のうちの1つ以上の回答とを前記質問生成用のプロンプトに含めることが好ましい。質問と回答を質問生成用のプロンプトに含めることで、生成する質問の精度を向上させることができる。
【0037】
質問部11が質問の生成と送信を繰り返し行う場合、質問生成用のプロンプトに含まれる質問の回答は、複数ある回答のうち、1つであってもよいし、複数であってもよいが、全ての回答が質問生成用のプロンプトに含まれることが好ましい。この場合、質問の精度を向上させることができる。
【0038】
質問部11が質問の生成と送信を繰り返し行う場合、質問生成用のプロンプトに含まれる質問は、複数ある質問のうち、1つであってもよいし、複数であってもよいが、全ての質問が質問生成用のプロンプトに含まれることが好ましい。この場合、質問の精度を向上させることができる。
【0039】
質問部11が質問の生成と送信を繰り返し行う場合、全ての質問及び回答が質問生成用のプロンプトに含まれることがより好ましい。すなわち、質問部11は、質問の生成と送信を繰り返し行い、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした全ての質問及びその回答を前記質問生成用のプロンプトに含めることがより好ましい。この場合、質問の精度をより向上させることができる。また、同じ質問をしてしまうことを防止しやすくなる。
【0040】
質問部11が質問の生成と送信を繰り返し行う場合、発明ヒアリング装置10は、質問と回答の履歴を自動的に作成する機能を有していることが好ましい。この履歴は、例えば、既にした質問であるかどうかを判定するために使用することもできるし、特定の質問や回答に対して重み付けするために使用することもできる。後述するように、ユーザーから質問の評価を受け付ける場合、評価の高い質問に対して重み付けの値を大きくするようにしてもよい。例えば、重み付けの値が大きい質問は、特に重要な質問であるとして、この質問に関連する質問を生成するようにしてもよい。
【0041】
質問部11が質問の生成と送信を繰り返し行う場合、質問生成用のプロンプトに含まれる質問生成指示は、質問を生成するごとに変更してもよいし、1つの質問生成指示を共通して使用してもよい。処理が複雑にならにようにするため、後者、すなわち、1つの質問生成指示を共通して使用して各質問を生成することが好ましい。
【0042】
受付部12は、ユーザーからの回答を受け付ける。回答を受け付ける方法は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。ユーザーから発明ヒアリング装置10あてに回答が送信される場合に限られず、発明ヒアリング装置10が任意の保管場所にある回答を取得する場合も、回答を受け付けることに含まれる。ユーザーからの回答としては、文字でもよいし、画像でもよいし、音声でもよいし、動画でもよい。
【0043】
受付部12は、質問の評価をユーザーから受け付けてもよい。この場合、質問部11は、質問の評価を前記質問生成用のプロンプトに含めることが好ましい。質問の評価を質問生成用のプロンプトに含めて質問を生成することで、質問の精度を向上させることができる。
【0044】
質問の評価の形式は、特に制限されるものではなく、例えば、3段階評価、5段階評価などが挙げられる。この他にも、例えば「良い」、「普通」、「悪い」などの文字であってもよい。また、評価の理由を受け付けるようにしてもよい。例えば、「この質問は、○○という理由により、良い質問である。」などの文章を受け付けてもよい。評価の理由を受け付けることで、質問の生成精度がより向上する。
【0045】
受付部12は、質問部11が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付けてもよい。この場合、質問部11は、1回目の質問を生成する際、前記発明の概要を前記質問の回答として前記質問生成用のプロンプトに含めることが好ましい。発明の概要を用いて質問を生成することで、質問の精度を向上させることができるとともに、発明の概要に記載される内容を問う質問を排除でき、ヒアリングの効率が向上する。発明の概要は、発明の説明、発明の記述などと称してもよい。
【0046】
発明の概要としては、文字でもよいし、画像でもよいし、音声でもよいし、動画でもよい。発明の概要をファイル形式で受け付けてもよいし、画面に文字を入力するなどして受け付けてもよい。発明の概要は、1回のみ受け付けてもよいし、複数回受け付けてもよい。
【0047】
発明の概要に記載する事項としては、特に制限されず、適宜選択することができる。発明者の自由な発想で発明の概要を記載してもよい。特許出願をすることを想定して、例えば、発明の名称、発明が解決しようとする課題、課題を解決する手段、発明の効果を記載するようにしてもよい。また、ユーザーの端末にこれらの項目を入力する画面を表示し、これらの項目を受け付けて発明の概要としてもよい。
【0048】
発明の概要が文字である場合、質問生成用のプロンプトに含める方法としては、特に制限されず、適宜選択することができる。例えば、質問生成用のプロンプトにそのままテキストを入力してもよいし、ファイルのパスを指定してもよい。
発明の概要が画像、音声、動画である場合、質問生成用のプロンプトに含める方法としては、特に制限されず、適宜選択することができる。例えば、質問生成用のプロンプトにファイルのパスを指定してもよい。この他にも、質問生成用のプロンプトに含める前に、画像、音声、動画の特徴を文字として抽出しておき、抽出された文字を質問生成用のプロンプトに含めてもよい。
なお、文字は、英数字、記号、文章等を含む。
【0049】
発明の概要を質問生成用のプロンプトに含めて質問を生成する場合、1回目の質問を生成する場合にのみ、発明の概要を質問生成用のプロンプトに含めるようにしてもよいが、発明の概要を全ての質問の生成に用いることが好ましい。つまり、質問部11は、質問を生成する際、発明の概要を質問生成用のプロンプトに含めて質問を生成することが好ましい。
【0050】
本実施形態では、1回目の質問を行う前に、発明の概要を受け付けなくてもよい。発明の概要を受けない場合、質問部11は1回目の質問として、例えば定型の質問を行うようにしてもよい。
この例を再度記載する。受付部12は、質問部11が1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付けず、質問部11は、1回目の質問をする際、質問の生成を行わず、定型の質問を行う。発明を説明することに慣れていないユーザーの場合、発明の概要として何を記載すればよいかわからない場合があるため、定型の質問をすることで、発明を説明することに慣れていないユーザーが戸惑うことを防止できる。
【0051】
質問の内容は、ユーザーを考慮して調整するようにしてもよい。例えば、ユーザーにIDを割り当てて、過去に発明ヒアリングシステムを利用したことがあるか、特許出願をしたことがあるか等の情報を記憶手段に記憶させておいてもよい。このようにすることで、現在利用しているユーザーがシステムの利用に慣れているかどうか等を判断でき、慣れていないユーザーの場合、質問する際に、質問についての説明や特許出願についての説明などをするようにしてもよい。
【0052】
図2は、発明ヒアリング画面50の一例を示す図である。例えば、質問部11によって生成された質問が質問欄51に表示される。ユーザーが回答欄52に回答を入力し、回答ボタン53を押下すると、入力した回答が送信され、受付部12が受け付ける。発明ヒアリング画面50には、スキップボタン54が設けられていてもよく、回答できない質問の場合などにスキップボタン54を押下する。
【0053】
質問をスキップした場合、スキップした質問も質問生成用のプロンプトに含めることが好ましい。この場合、質問生成の精度を向上させることができる。また、その質問がスキップされた質問であることがわかるように、その旨を質問生成用のプロンプトに含めてもよい。
【0054】
本実施形態の発明ヒアリングシステム1は、発明の内容を説明した書類を作成する書類作成部13を有していてもよい。
書類作成部13は、書類生成用のプロンプトを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として前記書類を生成する。前記書類生成用のプロンプトは、質問に対するユーザーの回答と、前記学習済みモデルに対する書類生成指示とを含む。
【0055】
書類作成部13が作成する書類は、例えば、発明提案書(発明説明書などと称してもよい)、特許明細書、特許請求の範囲などが挙げられる。書類作成部13が作成する書類を資料などと称してもよい。
【0056】
発明の内容を説明した書類を作成することにより、発明を他者に説明しやすくなり、発明者以外の者が発明を理解しやすくなる。また、特許明細書を作成することにより、弁理士の作業負担が削減される。
【0057】
発明提案書に記載する項目は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。発明提案書には、特許明細書に記載される項目を記載することが好ましく、例えば、発明の名称、背景、発明が解決しようとする課題、課題を解決する手段、発明の効果が挙げられる。また、発明で重要と思われる項目を記載してもよい。発明提案書に記載する項目は、書類生成用のプロンプトに含まれる書類生成指示を適宜変更することで調整できる。
【0058】
書類生成用のプロンプトは、ユーザーの回答及び書類生成指示の他にも、その他の項目を含んでいてもよい。例えば、ユーザーに対して行った質問を含んでいてもよい。質問を書類生成用のプロンプトに含めることで、書類生成の精度が向上する。複数回の質問を行った場合は、全ての質問と回答を書類生成用のプロンプトに含めることが好ましい。
【0059】
書類生成指示は、例えば、書類の種類を指定する。また、書類に記載する項目をしてもよいし、書類の形式、様式などを指定してもよい。また例えば、書類の文字数、項目ごとの文字数、書類の文体、言語、色、文字の大きさなどを書類生成指示に指定してもよい。
【0060】
書類生成用のプロンプトにサンプルとなる別の書類を含めてもよい。例えば、特許明細書を作成する場合、出願公開された明細書の内容を含めてもよい。サンプルとなる別の書類は、複数を含めてもよい。その他にも、書類生成指示に、特開XXXX-XXXXXのように記載せよ、といった指示を入れてもよい。サンプルとなる別の書類は、複数を指定してもよい。
【0061】
書類作成部13は、学習済みモデルが出力した書類を編集してもよい。書類作成部13は、例えば、学習済みモデルが出力した内容を書類の雛形(フォーマット)に入力して(あてはめて)書類を作成してもよい。本実施形態では、書類作成部としているが、書類生成部などと称してもよい。
【0062】
書類作成部13が書類を作成するタイミングは、適宜選択でき、例えば、ユーザーからの指示を受け付けた場合に書類を作成する。また、発明のヒアリングの進捗度合いを用いるようにしてもよい。例えば、発明のヒアリングの進捗度合いが所定の値を超えた場合に、ユーザーから書類の作成の指示を受け付けるようにしてもよい。発明のヒアリングの進捗度合いは、例えば、学習済みモデルに出力させることが可能である。発明のヒアリングの進捗度合いを質問とあわせてユーザーに提示するようにしてもよい。発明のヒアリングの進捗度合いは、ヒアリング進捗度、発明の内容充実度、発明の理解度などと称してもよい。
【0063】
発明のヒアリングの進捗度合いを数値化するには、例えば、目的とする書類における項目について、どの程度質問したかの割合を数値にする方法が挙げられる。
【0064】
書類作成部13が作成した書類の用途は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、発明者が他者に発明を説明するために使用してもよい。また、発明者が説明した内容をテキストデータ化して保存するために用いてもよい。また、書類を用いて特許出願をしてもよい。また、発明をより良くするため、発明を拡張するためなどの目的で、作成した書類を用いてもよい。以下、書類を用いて発明を拡張する場合の例を説明する。
【0065】
発明生成部14は、例えば、書類作成部13により作成された書類に記載された発明を拡張する。発明生成部14は、発明拡張用のプロンプトを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として前記拡張発明を生成する。前記発明拡張用のプロンプトは、前記書類と、前記学習済みモデルに対する発明拡張指示とを含む。
【0066】
拡張発明は、書類作成部13により作成された書類に記載された発明(元の発明などとも称する)を拡張した発明である。どのような拡張発明を生成するかは、発明拡張用のプロンプトを適宜調整することにより調整できる。例えば、発明拡張指示の指定内容を変更することで、生成される拡張発明を調整できる。また、拡張発明は、発明拡張用のプロンプトを学習済みモデルに入力して出力された発明であるともいえる。
【0067】
特に制限されるものではないが、発明拡張指示における拡張発明の生成条件として、例えば、
(1)拡張発明は、課題・効果は元の発明と共通し、構成は元の発明と関連していなくてもよい
(2)拡張発明は、課題・効果は元の発明と共通しておらず、構成は元の発明と関連する
(3)拡張発明は、課題・効果は元の発明と共通し、構成は元の発明と関連する
といった旨を指定できる。
【0068】
生成する拡張発明の数は、特に制限されるものではなく、適宜選択できる。拡張発明の数や範囲を発明拡張指示に指定できる。
【0069】
拡張発明は、元の発明を包含する発明でもよいし、元の発明を包含せず、関連する発明でもよい。また、上述のように、拡張発明は、元の発明の課題や効果と共通する課題や効果を有する発明であってもよいし、元の発明の課題や効果と共通しない課題や効果を有する発明であってもよい。また、上述のように、拡張発明は、元の発明の構成(手段などと称してもよい)と共通する構成を有する発明であってもよいし、元の発明の構成と共通しない構成を有する発明であってもよい。拡張発明が、元の発明の構成と共通しない構成を有する発明である場合、例えば、元の発明の課題や効果と共通する課題や効果を有する発明にする。
【0070】
拡張発明を生成することにより、発明者に新たな気付きをもたらす、別の特許権の取得を狙える、元の発明の実施形態が増える等の利点が得られる。
【0071】
書類を発明拡張用のプロンプトに含める方法としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、書類の内容をテキスト形式にして発明拡張用のプロンプトに含めてもよいし、ファイルのパスを指定してもよい。
【0072】
発明生成部14は、書類作成部13により作成された書類を用いずに発明を拡張してもよい。例えば、質問部11が行った質問とその回答を用いて発明を生成してもよい。
例えば、発明生成部14は、発明拡張用のプロンプトを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として前記拡張発明を生成し、前記発明拡張用のプロンプトは、前記質問と、前記質問の回答と、前記学習済みモデルに対する発明拡張指示とを含む。
この場合、書類作成部13により作成された書類を用いる必要がないため、拡張発明を生成するに至るまでの操作を減らすことができる。
【0073】
本発明によれば、上述のように、コンピュータが行う発明ヒアリング方法が提供される。
本発明の発明ヒアリング方法は、コンピュータが行う発明ヒアリング方法であって、
発明についての質問をユーザーに行う質問工程と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付工程と、を有し、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問工程は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行い、
前記質問生成用のプロンプトは、質問の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを少なくとも含む
ことを特徴とする。
【0074】
本発明によれば、上述のように、発明ヒアリングプログラムが提供される。
本発明の発明ヒアリングプログラムは、
コンピュータに、
発明についての質問をユーザーに行う質問処理と、
ユーザーからの回答を受け付ける受付処理と、を実行させる発明ヒアリングプログラムであって、
前記質問は、発明の名称、発明の背景、発明に関する先行技術、発明の課題、発明の課題を解決するための手段、及び、発明の効果から選ばれる1以上を問う質問であり、
前記質問処理は、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルの出力として質問を生成し、生成した質問をユーザーに送信することで質問を行い、
前記質問生成用のプロンプトは、質問の回答と、前記学習済みモデルに対する質問生成指示とを少なくとも含む
ことを特徴とする。
【0075】
本発明の発明ヒアリング方法、発明ヒアリングプログラムによれば、発明者に対して発明の内容をヒアリングすることができ、聞き手となる人間の労力が不要になる。
【0076】
(実施例1)
次に、本実施形態の一例である実施例1について図3A図3F図4A図4Bを用いて説明する。実施例1は、発明の概要を受け付ける場合の例であり、傘を持ったドローンの発明を例に挙げて説明する。
【0077】
図3Aは、発明ヒアリング画面50の画面例(1)であり、発明の概要を入力する画面の例である。図示するように、画面50の回答欄52に発明の概要を入力する。制限されるものではないが、図示する例において、「傘を持ったドローン」は発明の名称であるともいえる。「ドローンに傘をもたせる」、「カメラ」、「プログラム」の記載は、課題を解決するための手段であるともいえる。
【0078】
なお、画面例(1)において、発明の概要を入力する箇所を回答欄52と称している。この理由は、実施例1では、発明の概要を質問の回答として扱い、発明の概要を用いて質問を生成するためである。画面例(1)において、回答欄ではなく、入力欄などと称してもよい。
【0079】
画面例(1)において、発明の概要が記載された状態で回答ボタン53を押すと、発明の概要が発明ヒアリング装置10に送信され、受付部12が発明の概要を受け付ける。次いで、質問部11は、発明の概要を質問の回答として質問生成用のプロンプトに含め、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、学習済みモデルの出力として1回目の質問を生成する。
【0080】
図3Bは、発明ヒアリング画面50の画面例(2)であり、1回目の質問を行った場合の例である。1回目の質問では、発明の効果をクローズドクエスチョンで質問している。これに対してユーザーは、提示された発明の効果が正しい旨の回答をしている。回答欄52に回答内容を入力し、回答ボタン53を押下する。これにより、受付部12は、ユーザーからの回答を受け付ける。
【0081】
図示するように、質問の評価を選択できるようにしてもよい。本例における評価選択領域55は、良い、普通、悪いの3つを選択できる。この場合、選択した文字(例えば「良い」)をそのまま送信してもよいし、数字(例えば「1」)にして送信してもよい。
【0082】
本実施例1において、質問生成用のプロンプトに含める質問生成指示は、例えば「発明の概要を参考にして、発明を詳細に理解するための質問をせよ」といった内容にする。質問生成指示の言語は、特に制限されない。
【0083】
次いで、質問部11は、発明の概要と、質問と、質問の回答と、質問生成指示とを質問生成用のプロンプトに含めて、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、2回目の質問を生成する。なお、本実施例1における質問生成指示は、各質問で共通させており、重複する質問を排除する旨の指定をしている。
【0084】
図3Cは、発明ヒアリング画面50の画面例(3)であり、2回目の質問を行った場合の例である。2回目の質問では、例えば、課題を解決するための手段(発明の特徴、構成などと称してもよい)をオープンクエスチョンで質問している。画面例(2)と同様に、回答欄52に回答を入力し、回答ボタン53を押下することで、受付部12が回答を受け付ける。
【0085】
次いで、質問部11は、発明の概要と、全ての質問(1回目及び2回目の質問)と、質問の全ての回答(1回目及び2回目の回答)と、質問生成指示とを質問生成用のプロンプトに含めて、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、3回目の質問を生成する。
【0086】
図3Dは、発明ヒアリング画面50の画面例(4)であり、3回目の質問を行った場合の例である。3回目の質問では、例えば、発明の構成や手段をオープンクエスチョンで質問している。画面例(2)等と同様に、回答欄52に回答を入力し、回答ボタン53を押下することで、受付部12が回答を受け付ける。
【0087】
図示するように、1回の質問で複数の内容を質問してもよい。図示する例では、ドローンの使用開始時と使用終了時の方法について質問しており、1回の質問で2つの内容を質問している。なお、1回の質問で複数の内容を質問できるようにするかどうかは、質問生成指示を適宜調整することで変更できる。1回の質問では1つの内容を問うようにせよ、といった指示を質問生成指示で指定すれば、学習済みモデルは、1つの内容を問う質問を出力する。
【0088】
図3Eは、発明ヒアリング画面50の画面例(5)であり、発明のヒアリングが進み、書類を作成できる状態であることをユーザーに知らせる画面の一例である。画面例(5)では、ヒアリング進捗度を表示しており、所定の値以上になっているため、書類を作成できる旨を表示している。書類作成ボタン57を押下することにより、後述の図4A図4Bに示す書類を作成することができる。
【0089】
書類作成ボタン57を押下した場合、例えば、書類の種類を選択する画面に遷移してもよい。また、画面例(5)に書類の種類を選択する領域を設け、画面例(5)で書類の種類を選択できるようにしてもよい。
【0090】
画面例(5)において、ユーザーは、書類の作成と、質問の継続とを選択できる。
図3Fは、発明ヒアリング画面50の画面例(6)であり、質問継続ボタン56を押下して質問を続ける場合の一例を示す画面例である。質問継続ボタン56が選択された場合、質問部11は、次の質問(ここでは4回目の質問)を生成し、生成した質問をユーザーに提示する。図示するように、書類作成ボタン57を画面に表示していてもよい。本実施例1では、発明のヒアリングの進捗度合いが所定の閾値を超えている場合、ユーザーはいつでも書類を作成できるようにしている。
【0091】
図3A図3Fに示すように、本実施例1では、システムが自動的に質問を生成し、ユーザーからの回答に基づいた質問をしている。コンピュータが発明をヒアリングすることで、弁理士や知財担当者などの人間が発明をヒアリングすることなく、人間の手間を削減できる。
【0092】
図4Aは、書類作成ボタン57が選択されて作成された書類の一例を示す図であり、書類作成部13が作成した書類の一例を示す図である。図示する書類は、発明提案書としている。
【0093】
発明提案書に記載する項目は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。発明提案書には、特許明細書に記載される項目を記載することが好ましく、例えば、図示される例のように、発明の名称、背景、発明が解決しようとする課題、課題を解決する手段、発明の効果が挙げられる。また、図示するように、発明で重要と思われる項目を記載してもよい。発明提案書に記載する項目は、書類生成用のプロンプトに含まれる書類生成指示を適宜変更することで調整できる。
【0094】
作成した書類は、修正できるようにしてもよい。例えば、修正ボタン61が選択された場合に書類の修正画面を表示し、ユーザーから修正内容を受け付けてもよい。書類作成部13は、ユーザーから受け付けた修正内容に基づいて書類を修正する。ここでは、書類を修正する、と記載しているが、書類を再度生成して再作成してもよい。
【0095】
また、作成した書類は、出力できるようにしてもよい。例えば、出力ボタン62が選択された場合、書類をファイルとして出力する。ファイルの形式は、特に制限されるものではなく、テキストファイル、PDFファイル、文章作成ソフトで編集可能なファイルが挙げられる。
【0096】
図4Bは、書類作成ボタン57が選択されて作成された書類の他の例を示す図であり、書類作成部13が作成した書類の他の例を示す図である。図示する書類は、特許出願明細書としている。書類生成用のプロンプトに含まれる書類生成指示を変更し、特許出願明細書を生成するように指定することで、特許出願明細書の様式で書類を生成することができる。
【0097】
書類生成用のプロンプトに含まれる書類生成指示を変更することで、特許請求の範囲のみを生成することも可能である。また、書類作成部13は、特許出願用の図面を作成するようにしてもよい。書類生成用のプロンプトに含まれる書類生成指示を変更し、特許出願用の図面を生成するように指定することで、図面を生成することができる。
【0098】
(実施例2)
次に、本実施形態の一例である実施例2について図5A図3Gを用いて説明する。実施例2は、発明の概要を受け付けない場合の例であり、実施例1と同様に、傘を持ったドローンの発明を例に挙げて説明する。実施例1と同様の事項については説明を省略する。
【0099】
図5Aは、発明ヒアリング画面50の画面例(1)であり、1回目の質問を行った場合の画面の例である。実施例2では、1回目の質問を行う前に、ユーザーから発明の概要を受け付けず、1回目の質問をする際、質問の生成を行わず、定型の質問を行う。図示する例では、1回目の質問である定型の質問として、発明の名称を問う質問をしている。これに対してユーザーは、回答を回答欄52に入力して回答ボタン53を押す。
【0100】
次いで、受付部12は、ユーザーからの回答を受け付け、質問部11は、ユーザーからの回答を質問生成用のプロンプトに含めて次の質問(2回目の質問)を生成する。実施例2において、2回目の質問を生成する際、質問生成用のプロンプトには1回目の質問の回答と質問生成指示を含める。そして、質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、出力として質問を生成する。
【0101】
図5Bは、発明ヒアリング画面50の画面例(2)であり、2回目の質問を行った場合の画面の例である。図示するように、2回目の質問は、1回目の質問の回答を踏まえた質問になっている。つまり、本実施形態では発明の概要を用いずに質問を生成することも可能である。
【0102】
2回目の質問に対してユーザーが回答し、質問の回答を用いて次の質問(3回目の質問)を生成する。本実施例2では、3回目の質問を生成する際、1回目の質問及び回答と、2回目の質問及び回答と、1回目と同じ質問生成指示とを質問生成用のプロンプトに含め、この質問生成用のプロンプトを学習済みモデルに入力している。すなわち、実施例2では、質問を生成する際、当該質問を生成する前にした全ての質問及びその回答と、質問生成指示とを質問生成用のプロンプトに含めている。
【0103】
図5C図5Eは、発明ヒアリング画面50の画面例(3)~(5)であり、3回目~5回目の質問を行った場合の画面の例である。3回目~5回目の質問は、2回目の質問と同様の処理を行う。
【0104】
図5Fは、発明ヒアリング画面50の画面例(6)であり、発明のヒアリングが進み、書類を作成できる状態であることをユーザーに知らせる画面の一例である。ここでは、上述の図3Eと同様にすることができる。画面例(6)では、ヒアリング進捗度を表示しており、所定の値以上になっているため、書類を作成できる旨を表示している。書類作成ボタン57を押下することにより、上述の図4A図4Bに示す書類を作成することができる。
【0105】
図5Gは、発明ヒアリング画面50の画面例(7)であり、質問継続ボタン56を押下して質問を続ける場合の一例を示す画面例である。ここでは、上述の図3Fと同様にすることができる。質問継続ボタン56が選択された場合、質問部11は、次の質問(ここでは6回目の質問)を生成し、生成した質問をユーザーに提示する。図示するように、書類作成ボタン57を画面に表示していてもよい。本実施例2では、発明のヒアリングの進捗度合いが所定の閾値を超えている場合、ユーザーはいつでも書類を作成できるようにしている。
【0106】
上述したように、本実施例2では、発明の概要を用いずに質問を生成することが可能である。図5Aのように、1回目の質問では発明の概要を問う質問とせず、例えば発明の名称を問う質問にしている。特許に不慣れなユーザーの場合、発明の概要としてどのようなことを記載、説明すればよいか戸惑う場合があるため、本実施例2では、不慣れなユーザーに対しても円滑に発明のヒアリングを行うことができる。
【0107】
(実施例3)
次に、本実施形態の一例である実施例3について図6A図6Bを用いて説明する。実施例3は、実施例1(実施例2でもよい)で作成した発明提案書を用いて、発明を拡張する場合の例である。
【0108】
図6Aは、発明拡張画面70の画面例(1)であり、発明の内容が記載された発明提案書を指定する画面の一例である。図示する例では、ユーザーの端末に保存された発明提案書の電子ファイルを指定する。例えば、ファイル指定ボタン72を押下してファイルを指定することで、ファイル名がファイル表示欄71に表示される。ファイルを指定してした後、実行ボタン73を押すことで発明が拡張される。
【0109】
図6Bは、発明拡張画面70の画面例(2)であり、拡張された発明(拡張発明)を表示する画面の一例である。図示する例では、発明提案書に記載された発明の名称を発明表示欄74に表示している。また、図示する例では、3つの拡張発明(1)~(3)が表示されている。
【0110】
本実施例3における発明生成部14は、発明提案書に記載された発明を拡張している。また、本実施例3における発明生成部14は、発明拡張用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、学習済みモデルの出力として拡張発明(1)~(3)を生成している。本実施例3における発明拡張用のプロンプトは、発明提案書(書類)と、学習済みモデルに対する発明拡張指示とを含んでいる。
【0111】
特に制限されるものではないが、本実施例3における発明拡張指示では、拡張発明の生成条件として、
(1)課題・効果は元の発明と共通し、構成は元の発明と関連していなくてもよい
(2)課題・効果は元の発明と共通しておらず、構成は元の発明と関連している
(3)課題・効果は元の発明と共通し、構成は元の発明と関連している
といった旨を指定している。このようにすることで、例えば図示される拡張発明(1)~(3)が生成されている。
【0112】
図示するように、拡張発明(1)(符号75a)として「傘を有するバルーン」が生成され、拡張発明(2)(符号75b)として「追尾ドローン」が生成され、拡張発明(3)(符号75c)として「傘を有するドローン」が生成されている。なお、拡張発明(3)は、「傘を有するドローン」という名称は元の発明と同じであるが、構成が元の発明と異なっている。説明のために、図示する例では拡張発明(1)~(3)の名称(図中の下線部分)を表示しているが、本実施形態はこれに限られず、名称は表示しなくてもよい。
【0113】
本実施例3では、書類作成ボタン57を押下することで、特定の拡張発明について書類を作成してもよい。また、本実施例3では、拡張発明評価領域76a~76cを設けており、拡張発明について評価を行うことで、拡張発明の生成精度を向上させることができる。また、本実施例3では、ヒアリング実施ボタン77を設けており、特定の拡張発明について、実施例1、2と同様のヒアリングを更に行うようにしてもよい。拡張発明のヒアリングを行うことで、内容を充実させることができる。
【0114】
(実施例4)
次に、実施例4について図7を用いて説明する。実施例4は、実施例2の図5Fの時点で発明を拡張する場合の例である。実施例4では、実施例3と異なり、発明の概要を用いずに発明を拡張する。
【0115】
図7は、実施例2の途中で表示される画面例であり、発明のヒアリングが進み、発明を拡張できる状態であることをユーザーに知らせる画面の一例である。なお、図7では、図5Fと同様の書類作成ボタン57を表示してもよい。
【0116】
実施例4では、発明拡張ボタン78が押下された場合、これまでの質問と回答によりヒアリングした発明を拡張する。実施例4では、質問と、質問の回答と、発明拡張指示とを発明拡張用のプロンプトに含め、この発明拡張用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、出力として拡張発明を生成する。このようにして生成した拡張発明は、例えば実施例3と同様に、図6Bのような拡張発明(1)~(3)とすることができる。
【0117】
(参考例1)
次に、参考例1について図8を用いて説明する。参考例1は、実施例1の図3Aのように入力した発明の概要を用いて、発明を拡張する場合の例である。
【0118】
図8は、発明ヒアリング画面50の画面例(1)の他の例であり、1回目の質問を行う前に発明の概要を入力する場合の他の例である。参考例1では、発明拡張ボタン78が押下された場合、発明の概要に記載された発明を拡張する。
【0119】
参考例1では、発明の概要と、発明拡張指示とを発明拡張用のプロンプトに含め、この発明拡張用のプロンプトを学習済みモデルに入力し、出力として拡張発明を生成する。このようにして生成した拡張発明は、例えば、図6Bのような拡張発明(1)~(3)とすることができる。
【符号の説明】
【0120】
1 発明ヒアリングシステム
10 発明ヒアリング装置
11 質問部
12 受付部
13 書類作成部
14 発明生成部
40 ユーザー
41 端末
50 発明ヒアリング画面
51 質問欄
52 回答欄
53 回答ボタン
54 スキップボタン
55 質問評価領域
56 質問継続ボタン
57 書類作成ボタン
60 書類
61 修正ボタン
62 出力ボタン
70 発明拡張画面
71 ファイル表示欄
72 ファイル指定ボタン
73 実行ボタン
74 発明表示欄
75a~75c 拡張発明
76a~76c 拡張発明評価領域
77 ヒアリング実施ボタン
78 発明拡張ボタン
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図7
図8