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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/43 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
A01D34/43
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021113411
(22)【出願日】2021-07-08
(65)【公開番号】P2023009813
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2024-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】長畑 友之
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
(72)【発明者】
【氏名】天間 修一
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-205849(JP,A)
【文献】特開2021-029101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0053761(US,A1)
【文献】特開2019-187386(JP,A)
【文献】特開2018-057331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00 - 34/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の旋回可能なブームを有したブーム装置と、
前記ブーム装置の先端部に備えた作業部とを有し、
前記作業部は、前記ブーム装置と前記作業部とを連結する連結体とを備え、
前記ブーム装置は、前記連結体を連結するとともに前記連結体を前記ブーム装置に対して周方向に旋回可能に設けた支点軸とを備え、
前記支点軸は、前記ブーム装置に対して前記周方向に旋回可能に前記支点軸に連結されるとともに前記連結体の前記周方向への旋回を規制する規制部材と、
前記ブーム装置は前記規制部材を常時進行方向前方に向けるように連結するリンク部材と、
を備えたことを特徴とする作業機。
【請求項2】
前記規制部材は、前記連結体を前記周方向の内、一方側へ付勢する付勢部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記規制部材は、前記連結体に覆われる、
ことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の作業機。
【請求項4】
前記周方向が、作業部の進行方向の前後方向である、請求項1乃至3のいずれかに記載の作業機。
【請求項5】
前記規制部材の支点軸に対する自由端に突出部を設け、
前記連結体は、前方側と後方側の側板に挟まれた空間部を有し、空間部に突出部を挿入し、
突出部は、前記連結体の両側板に接触する範囲内で周方向に旋回することができ、前記連結体は突出部によって、周方向への旋回が規制された状態となることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の作業機。
【請求項6】
前記付勢部材は、規制部材及び作業体を周方向の前後方向の内、前方向に常時付勢することを特徴とする請求項2に記載の作業機。
【請求項7】
前記規制部材に、連結体側端部に対向させて設ける規制部材側当接部と、前記連結体に、規制部材側端部に設けた当接部に対向させて設ける連結体側当接部と、を設けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の作業機。
【請求項8】
前記規制部材は、前記周方向への旋回を検知するとともに、検知した場合に検知信号をブーム装置の動作を制御する制御部に発することが可能な検知部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の作業機。
【請求項9】
前記ブーム装置は、前記ブーム装置を旋回駆動するシリンダと、
前記シリンダは前記シリンダの駆動を制御する方向制御弁と、を備え、
前記制御部は前記検知信号を受領すると前記方向制御弁に前記シリンダを動作させるように動作信号を送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載の作業機。
【請求項10】
前記制御部は、動作信号を送信後に前記検知信号の受領が無くなると前記方向制御弁に
前記シリンダの動作を停止させるべく動作信号の送信を停止する、
ことを特徴とする請求項9に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
草刈り作業において、ある地点から離間した位置で作業を行う場合、ブーム装置等を用いた作業機の内、草刈作業を行う作業部のみを遠方に位置させると、作業が効率的に行われる。一例として特許文献1に記載の作業機が挙げられ、このような作業機は、特に道路の路肩および法面等の草刈りを行う場合に用いられることが多い。
特許文献1記載の発明は、作業装置本体部を保持する支持アームに緩衝機構を設け、この支持アームは屈折可能な屈折支点部を設けている。そして、屈折支点部に所定以上の負荷がかることで、アームがその中途で折れ曲がって草刈装置本体が後方に移動することにより、衝突時の負荷を逃がすものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-292439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、支持アームが屈折して作業部である草刈装置本体が後方に移動すると、作業部が適正な位置にないため作業を続行することはできない。作業を継続するためには、後方に移動した草刈装置本体をリセットした位置に復帰させる必要があり、一時的に作業が中断してしまう課題がある。また、負荷が許容限度に達しているかどうかは、作業者が知ることができないことから、作業者が事前に障害物等を回避する、或いは、機体の進行を停止する等の事前対処ができない問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、
少なくとも1以上の旋回可能なブームを有したブーム装置と、
前記ブーム装置の先端部に備えた作業部とを有し、
前記作業部は、前記ブーム装置と前記作業部とを連結する連結体とを備え、
前記ブーム装置は、前記連結体を連結するとともに前記連結体を前記ブーム装置に対して周方向に旋回可能に設けた支点軸とを備え、
前記支点軸は、前記ブーム装置に対して前記周方向に旋回可能に前記支点軸に連結されるとともに前記連結体の前記周方向への旋回を規制する規制部材と、
前記ブーム装置は前記規制部材を常時進行方向前方に向けるように連結するリンク部材と、
を備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0007】
この発明は、更に、
前記規制部材は、前記連結体を前記周方向の内、一方側へ付勢する付勢部材と、
を備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0008】
この発明は、更に、
前記規制部材は、前記連結体に覆われる、
ことを特徴とする作業機、
に係る。
【0009】
この発明は、更に、
前記周方向が、作業部の進行方向の前後方向である、作業機、
に係る。
【0010】
この発明は、更に、
規制部材の支点軸に対する自由端に突出部を設け、
連結体は、前方側と後方側の側板に挟まれた空間部を有し、空間部に突出部を挿入し、
突出部は、連結体の両側板に接触する範囲内で周方向に旋回することができ、連結体は突出部によって、周方向への旋回が規制された状態となることを特徴とする作業機、
に係る。
【0011】
この発明は、更に、
付勢部材は、規制部材及び作業体を周方向の前後方向の内、前方向に常時付勢することを特徴とする作業機、
に係る。
【0012】
この発明は、更に、
規制部材に、連結体側端部に対向させて設ける規制部材側当接部と、連結体に、規制部材側端部に設けた当接部に対向させて設ける連結体側当接部と、を設けることを特徴とする作業機、
に係る。
【0013】
この発明は、更に、
前記規制部材は、前記周方向への旋回を検知するとともに、検知した場合に検知信号をブーム装置の動作を制御する制御部に発することが可能な検知部と、
を備えたことを特徴とする作業機、
に係る。
【0014】
この発明は、更に、
前記ブーム装置は、前記ブーム装置を旋回駆動するシリンダと、
前記シリンダは前記シリンダの駆動を制御する方向制御弁と、を備え、
前記制御部は前記検知信号を受領すると前記方向制御弁に前記シリンダを動作させるように動作信号を送信する、
ことを特徴とする作業機、
に係る。
【0015】
この発明は、更に、
前記制御部は、動作信号を送信後に前記検知信号の受領が無くなると前記方向制御弁に前記シリンダの動作を停止させるべく動作信号の送信を停止する、
ことを特徴とする作業機、
に係る。
【発明の効果】
【0016】
この発明は、負荷を検出することを可能としながらも、作業を継続させることができる作業機を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施例に係る作業機の背面図である。ブーム装置を展開させた状態を示す。進行方向後方から見た図である。
図2】この発明の実施例に係る作業機の展開時の平面図である。ブーム装置が展開状態で作業部を前方に移動させた状態を示す。
図3】この発明の実施例に係る作業機の正面図である。進行方向前方から後方側を見た、ブーム装置が展開時の要部周辺を示す。
図4】この発明の実施例に係る作業機の一部拡大断面図である。要部を側面で断面した図を示す。図中左が進行方向前方である。第2ブームが前方側に移動し、第2連結体が回動前の状態を示す。
図5】この発明の実施例に係る作業機の断面図である。要部を側面で断面した図を示す。図中左が進行方向前方である。第2ブームが前方側に移動し、第2連結体が回動後の状態を示す。
図6】この発明の実施例に係る作業機の一部拡大断面図である。第1連結体周辺を側面で断面した図を示す。左が進行方向前方である。第2ブームは前方に移動した状態を示す。第2連結体の回動前後で変化はない。
図7】この発明の実施例に係る作業機の側面図である。規制部を右側面から見た図である。図中右が進行方向前方である。第2連結体が回動前の状態をあらわす。
図8】この発明の実施例に係る作業機の側面図である。規制部を右側面から見た図である。図中右が進行方向前方である。第2連結体が回動後の状態をあらわす。
図9】この発明の実施例に係る作業機の油圧回路図である。
図10】この発明の実施例に係る作業機のブロック図である。
図11】この発明の実施例に係る作業機の動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明に係る作業機の実施例の機械構造について、図1乃至図8に基づき、説明する。
Aは、作業機である。作業機Aは、この発明の実施例では、草刈等の作業を行う作業機に係る。作業機Aは、トラクタ等からなる走行機体(図示せず)に装着用の装着部111、112を取り付け駆動する。
トラクタ等からなる走行機体は、実施例では、図1に図示する作業機Aの奥側に位置するが、走行機体と作業機Aの前後の位置関係に限定はない。
【0019】
11は、主フレームである。主フレーム11は、作業機Aに取り付ける。主フレーム11には、図示するように走行機体への装着用の装着部111、112を設ける。2個の111は下部に設ける装着部(ロア)、112は上部に設ける装着部(トップ)であり、3点で作業機Aを走行機体に装着する。
【0020】
図1図2に図示する22は、入力軸である。入力軸22は、取り付ける走行機体から
駆動力を作業機Aに取り入れる。
図1に図示する23は、変速部である。変速部23では、入力軸22により走行機体から入力した駆動力を変速する。
【0021】
図1図2に図示する24は、流体圧発生源である油圧ポンプである。油圧ポンプ24は、入力軸22により走行機体から入力し、変速機23で変速した駆動力により、駆動する。油圧ポンプ24により、作業機Aの油圧で作動する油圧機器関係に油圧を配送する。
図1図2に図示する25は、方向制御弁(方向制御弁ユニット)であるバルブユニットである。方向制御弁25では、油圧の流れを切換制御する。
【0022】
図1図2に図示する21は、マストフレームである。211は、マストフレーム回動軸である。マストフレーム21は、マストフレーム回動軸211によって、主フレーム11に回動自在に取り付ける。
マストフレーム21は、作業機Aの、主フレーム11の進行方向左右に対する一端部あるいは中央部に設ける。マストフレーム21は、伸縮手段41を、水平方向へ回動可能である。マストフレーム21は、伸縮手段41を鉛直軸周りであるマストフレーム回動軸211周りに回動可能である。マストフレーム21は、伸縮手段41をマストフレーム回動軸211周りに水平回動させることによって、進行方向の左右側方に伸縮手段41を位置させた通常位置と、進行方向の後方側に伸縮手段41を位置させた退避位置と、に姿勢変更ができる。
【0023】
31は、タンクである。タンク31は、実施例では、オイルタンクである。タンク31は、作業機Aの進行方向左右に対する主フレーム11の他端部に設ける。作業機Aに使用される各シリンダは油圧シリンダであるため、タンク31は各オイルシリンダ駆動用のオイルを貯蔵する。
【0024】
41は、伸縮手段である。伸縮手段41は、ブーム装置からなる。ブーム装置は、第1ブーム411、第2ブーム413からなる。伸縮手段41は、一端側を主フレーム11近傍で回動可能なマストフレーム21に連結する。伸縮手段41は、図1図2に図示するように、作業部51に伸縮手段41を折り畳んで主フレーム11上に作業部51を位置させた収納状態と、伸縮手段41を伸展させて、主フレーム11より進行方向に対する側方に位置させた作業部51の作業状態を取らせる。
すなわち、伸縮手段41は、主フレーム11の近傍に折り畳んだ収納状態と、主フレーム11の側方に伸長させた伸張状態とに変更可能である。また、説明において、伸張状態は展開状態或いは作業状態と呼ぶことがある。
伸縮手段41は、第1ブーム411、第1連結体412、第2ブーム413、第2連結体414、第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418を有する。これら第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418等のシリンダは、ブームを旋回動作させる複動シリンダからなる。
【0025】
第1ブーム411は、マストフレーム21に一端部を連結し、上下方向へ回動可能に設ける。
第1連結体412は、第1ブーム411の他端側の先端部に一端部を連結し、上下方向へ回動可能に設ける。
第2ブーム413は、第1連結体412の他端側の先端部に一端部を連結し、マストフレーム21が通常位置において、進行方向に対して前後方向へ回動可能に設ける。
第2連結体414は、第2ブーム413の他端側の先端部に一端部を設け、マストフレーム21が通常位置において、第1連結体412に対して前後方向へ並行に移動可能である。
【0026】
第1シリンダ415は、油圧シリンダからなり、マストフレーム21と第1ブーム411とを、マストフレーム21と第1ブーム411を連結させた第1ブームリンク機構42を介して連結する。第1シリンダ415は、第1ブーム411回動用であり、第1ブーム411に設け、伸縮すると同時に第1ブーム411共に回動して第1ブーム411を上下回動させる。
第1シリンダ415は、伸縮手段41をマストフレーム21に設けた水平軸である第1ブーム回動軸411A周りに回動駆動させる。
第1ブーム411は上下方向に、第1ブーム回動軸411Aを回動中心として回動自在にマストフレーム21に連結される。
【0027】
第1ブーム411、第2ブーム413からなるブーム装置は、ブームの少なくとも1以上は旋回可能である。
第1ブーム411、第2ブーム413からなるブーム装置は、基端部側を旋回させることによって、先端に配置した作業部51を進行方向上下左右前後に移動させ、作業することができる。
第1ブーム411は、図1図2に図示する水平軸である第1ブーム回動軸411Aによって支持されるとともに水平軸411A周りに旋回自在である。第1ブーム411は、主フレーム11に折り畳んだ収納状態と前記主フレーム11の側方に旋回させた展開状態とに変更可能である。
【0028】
図4図5図7図8に図示する434は第1支点軸、435は第2支点軸である。第1支点軸434は第2ブーム413の他端側の先端部に設け、第2支点軸435は第1支点軸434に連結する第2連結体414に設ける。第2連結体414に連結する作業部51は第1支点軸434、第2支点軸435により旋回可能である。
図中左が進行方向前方であって、第2ブーム413が前方側に移動し、第2連結体414が回動前の状態を示す図4、図中左が進行方向前方であって、第2ブーム413が前方側に移動し、第2連結体414が回動後の状態を示す図5、図中右が進行方向前方であって、第2連結体414が回動前の状態をあらわす図7、図中右が進行方向前方であって第2連結体414が回動後の状態をあらわす図8に図示し矢示するように、第1支点軸434は、第2ブーム413における作業部51の進行方向の前後方向である第1の周方向に対する旋回支点軸であり、これら図中に矢示するように、規制部材433と第2連結体は第1支点軸434周りに回転する。規制部材433の詳細な説明は後述する。
【0029】
第2支点軸435は、進行方向前方から後方側を見た、ブーム装置が展開時の要部周辺を示す図3に図示し、矢示するように、第2ブーム413における第2連結体414に対して作業部51の上下方向である第2の周方向に対する旋回支点軸である。第2支点軸435は、作業部51の上下回動支点部である。
第1支点軸434と、第2支点軸435は、互いに交差する向きである。
ブーム装置である第2ブーム413は、第1支点軸434によって第2連結体414を連結する。
【0030】
ブーム装置である第2ブーム413は、第2シリンダ416を備える。第2シリンダ416は、ブーム装置である第2ブーム413を、第1連結体412を介して左右方向に旋回駆動する。
第2シリンダ416は、油圧シリンダからなり、第1ブーム411と第1連結体412の他端側とを連結する。第2シリンダ416は、第1連結体412の上下回動用である。
第3シリンダ417は、前後回動シリンダであって、油圧シリンダからなり、第1連結体412と第2ブーム413とを連結する。
第3シリンダ417は、第2ブーム413の第1ブーム411に対する前後回動用である。第3シリンダ417は、ストロークの伸縮により、マストフレーム21が通常位置において、伸縮手段41を作業部51の進行方向の前後方向へ回動駆動させる。
【0031】
第4シリンダ418は、油圧シリンダからなり、第2連結体414と作業部51とを連結する。第4シリンダ418は、作業部51の上下回動用である。
第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418の各シリンダは、それぞれ、ロッド側室内(415b、416b、417b、418b)と、ボトム側室内(415a、416a、417a、418a)とを有する。
【0032】
51は、作業部である。作業部51は、第2連結体414の他端側の先端部且つ第2連結体414の進行方向に対する前方側に設ける。作業部51は、更に、第2支点軸435によって、第2連結体414に対して上下方向へ回動可能に設ける。
作業部51は、この実施例では、マストフレーム21が通常位置において、進行方向と直交する方向に向けた回転軸512に複数の刃部を配置し、複数の刃部を回転駆動させることで草刈等の作業を行う。
【0033】
図4図5図6に図示する431は、第2ブームリンク部材である。ブーム装置である第2ブーム413は第2ブームリンク部材431を備える。第2ブームリンク部材431は、規制部材433を常時進行方向前方に向けるように規制部材433に連結する。
図4図5図6に図示する432は、第2ブームリンク部材の連結支点である。第2ブームリンク部材の連結支点432は、第2ブームリンク部材431の両端にそれぞれ設ける。第2ブームリンク部材の連結支点432は、それぞれ、第1連結体412、規制部材433に回動自在に取り付ける。
図6に図示する、436は、第2ブーム旋回支点である。第2ブーム旋回支点436は、第2ブーム413と第1連結体412とを回動自在に取り付け、第2ブーム413を第1連結体412に対して回動させる。
【0034】
第2連結体414は、図3に図示するように、ブーム装置である第2ブーム413の先端部と作業部51とを連結する。
作業部51は、第1ブーム411、第1連結体412、第2ブーム413、第2連結体414を介して取り付ける。詳細には、前後に旋回動作する第2ブーム413の先端部に作業部51を設ける。
第2連結体414の一端側は、第2ブーム413の先端部に第2連結体414の前後方向である第1の周方向に、第1支点軸434によって旋回可能に取り付け、第2連結体414は第2ブーム413に対して第1の周方向に旋回できる。
作業部51は、第2連結体414に設けた第4シリンダ418の伸縮によって、第2連結体414に対して上下方向である第2の周方向に第2支点軸435を支点に旋回動作が可能である。
【0035】
図3乃至図5図7図8に図示する433は、規制部材である。規制部材433は、第2連結体414の前後方向である第1の周方向への旋回を規制する。
規制部材433は、第2連結体414が取り付く第2ブーム413の先端部に、第2連結体414の第1の周方向に対する第1支点軸434と同軸に、旋回可能に設ける。
規制部材433の一端側には、第2ブーム413内部に設けた第2ブームリンク部材431に連結する。規制部材433は、第2ブーム413、第2ブーム413基端部に連結する第1連結体412、第2ブームリンク部材431、によって平行リンク機構を構成する。
これにより、規制部材433は、第2ブーム413が前後回動しても第1の周方向に旋回して、規制部材433の第2ブーム413に対する向きを一定に保つ。実施の形態では、規制部材433を進行方向に対して、前後の向きを維持できる。
規制部材433は、第2連結体414に覆われる。
【0036】
図4図5図7図8に図示する68は、突出部である。突出部68は、規制部材433の他端部である、第1支点軸434に対する自由端に設ける。
第2連結体414は、前方側と後方側の側板に挟まれた空間部を有し、空間部に突出部68を挿入する。
図4図5図7図8に図示する61は、後方側規制部材、62は、前方側規制部材である。後方側規制部材61は、規制部材433の突出部68の後部からなる。前方側規制部材62は、規制部材433の突出部68の前部からなる。
第2連結体414は、第2連結体414の前後方向に離間して設ける両側板に、突出部68が接触する範囲内で第1の周方向に旋回することができる。すなわち、第2連結体414は規制部材433に設けた突出部68によって、第1の周方向に旋回が規制された状態となる。
【0037】
第2連結体414に連結した作業部51は、規制部材433によって、作業部51の進行方向の前後方向である第1の周方向に規制された図4図5に図示する角度範囲内で僅かに旋回可能である。作業部51が後方に向かって負荷を受けた場合には、後方に向かって旋回するが、旋回範囲が規制されているので、後方に旋回した位置であっても作業が可能にされている。また、作業部位である刃部が、後方旋回によって露出することもないので、異物の飛散等の心配がない。
【0038】
実施形態における第2連結体414の場合は、図4図5図7図8に図示するように、規制部材433に対して0~5度の範囲内でのみ前後旋回が可能となるように規制されている。この角度範囲は、作業機の形態や作業地の特性に応じて調整できる。
規制部材433、特に突出部68は、第2連結体414の内部に隠れるように配置する。このため、規制部材433は突出部68と第2連結体414との間で、角度範囲が異物等の影響を受けにくく、安定的に作業部51の作業運用ができる。
【0039】
この発明の実施形態では、第2連結体414及び作業部51が大きく後方に旋回移動しないので、旋回支点軸である第1支点軸434及び第2支点軸435周りの部材に対して、無用に強度を向上させる必要がない。
この発明の実施形態では、前後回動するブームに平行リンク機構を形成するための第2ブームリンク部材431に規制部材433を連結させているが、単に前後回動する機構を有するブーム装置、あるいは、平行リンク機構がないブーム装置の先端部に、規制部材433及び第2連結体414を設けてもよい。
【0040】
64は、付勢部材である。付勢部材64は、第2連結体414、作業体51を、規制部材433に対して前後方向である第1の周方向の内、一方側である前方側へ常時付勢する。規制部材433は、付勢部材64を備える。63はガイドロッドである。ガイドロッド63は、一端側を第2連結体414に連結し、付勢部材64を支持するとともに、付勢部材64の力を第2連結体414に伝達する。
したがって、作業部51が前方から受ける荷重が大きくなると、第2連結体414及び作業部51は、付勢部材64の付勢力に抗することによって後方側に旋回する。荷重が小さくなると、付勢部材64の付勢力によって第2連結体414及び作業部51が元の位置に復帰する。
【0041】
65は、規制部材433側の当接部である。当接部65は、第2連結体414側端部に対向させて、規制部材433に設ける。
66は、第2連結体414側の当接部である。当接部66は、規制部材433側端部に設けた当接部65に対向させて、第2連結体414に設ける。
付勢部材64は、図4図7に図示するように、規制部材433側の当接部である当接部65と、第2連結体414側の当接部である当接部66とを当接するように付勢する。
【0042】
wは、検知部である。検知部wは、規制部材433に設ける。検知部wは、規制部材433に、第2連結体414に近接して設ける。
w1は、接触片である。接触片w1は、検知部wに設けられ、第2連結体414側の当接部66に接触して接触を感知する。
tは、制御部(図示せず、図10参照)である。制御部tは検知信号を受領すると方向制御弁25にシリンダを動作させるように動作信号を送信する。
操作部u(図示せず)は、走行機体に設け、制御部tを介して方向制御弁25を操作する。
【0043】
検知部wは、第2連結体414の前後方向である第1の周方向への旋回を検知するとともに、図10に図示するように検知した場合に検知信号をブーム装置の動作を制御する制御部tに発することが可能である。
第3シリンダ417が、伸張すると第2ブーム413は回動して、第2ブーム413が前方側に移動し、図4図7に図示する状態となる。
規制部材433に設けた突出部68の前部に位置する前方側規制部62は、図4図7に図示するように作業部51が後方に向かって負荷を受けない場合、第2連結体414の前方側の側板の前方側内壁面414aとは接触せず、突出部68の後部に位置する後方側規制部61は、第2連結体414の後方側の側板の後方側内壁面414bとは接触する状態となる。
図4図7に図示するように、規制部材433側の当接部である当接部65と、第2連結体414側の当接部である当接部66とは、付勢部材64の付勢力に押されて接触する。
【0044】
第2連結体414を介して第2ブーム413に連結する作業部51が、障害物等の抵抗物に接触すると、図5図8に図示するように、第2連結体414は、規制部材433の前後方向である第1の周方向の内、後方に相対的に回動する。
回動により、図5図8に図示するように、規制部材433に設けた突出部68の前部に位置する前方側規制部62は、第2連結体414の前方側内壁面414aと接触し、突出部68の後部に位置する後方側規制部61は、第2連結体414の後方側内壁面414bとは非接触する状態となる。なお、規制部材433に対する第2連結体414の第1の周方向の相対的な回動は、図4乃至図8に図示する第2ブーム413が第1連結体412に対して相対的に前方側に回動せずとも、行うことができる。つまり、規制部材433に対する第2連結体414の回動は、第2ブーム413の回動位置に関係なく行うことが可能である。
図5図8に図示するように、規制部材433側の当接部である当接部65と、第2連結体414側の当接部である当接部66とが、付勢部材64の付勢力に抗して非接触となる。
【0045】
検知部wは、規制部材433が作業部51の進行方向の前後方向である第1の周方向の内、図5図8に図示するように、後方に旋回すると、規制部材433と第2連結体414とで形成する隙間を検出する。図5図8に図示するように、隙間を検出した場合は、検出信号を制御部tに向けて発する。検出信号を受けた制御部tは、様々な制御に用いる。例えば、作業部を上昇させるようなブーム装置の動作制御や、作業部が荷重を受けていることを表示装置に表示するための表示制御、音声等で作業者に知らせるための報知制御を行うことができる。
【0046】
検知部wは、物理的に第2連結体414の当接部66との接触を感知するスイッチを使用しているが、当接部65、当接部66同士の近接距離、あるいは旋回角度を検出できれば良い。つまり、光学式や音波式等の距離検出センサや角度センサ等を用いてもよい。
【0047】
制御部tは、動作信号を送信後に検知信号の受領が無くなると方向制御25弁に前記シリンダの動作を停止させるべく動作信号の送信を停止する。
制御部tは、検知部wによる検知信号を受領すると、第1シリンダ415を駆動させ第1ブーム411、第2ブーム413共に作業部を上方に移動させる。検知信号が無くなると、上昇移動を停止させる制御となっている。この他、第2シリンダ416を動作させ、第1連結体412を回動させ、作業部51を第2ブーム413と共に側方に横移動するように制御してもよい。さらに、第3シリンダ417を動作させ、第2ブーム413を作業部51の進行方向の前後方向に回動させ、作業部51を後方に移動させてもよい。
【0048】
この発明の実施形態では、作業部51の上下方向である第2の周方向へ旋回させる旋回支点軸である第2支点軸435は進行方向に向いた状態で作業をする。仮に、作業部51の進行方向の前後方向である第1の周方向へ規制なく大きく旋回する構造とした場合、旋回支点軸である第2支点軸435は軸と交差する方向への荷重にも対応する必要が出てくる。すると、強度向上のために部材重量の増加が見込まれ、走行機体に装着時の重量バランスの観点から得策ではない。
【0049】
この発明の実施例に係る油圧回路について、図9に従って説明する。
cは第1リリーフ弁(第1パイロットリリーフ弁)である。
方向制御弁25は、第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254で構成する。方向制御弁25は、電気信号によって動作する弁であり、制御部tによって動作が制御されている。
シリンダ415、シリンダ416、シリンダ417、シリンダ418はシリンダの駆動を制御する方向制御弁25を備える。
【0050】
方向制御弁25は、シリンダ415、シリンダ416、シリンダ417、シリンダ418に流出入させる流体をシリンダ415、シリンダ416、シリンダ417、シリンダ418が伸長する方向、又は、短縮する方向のそれぞれに切り替え制御する。
第1リリーフ弁cは、方向制御弁25に設ける。
第1リリーフ弁cは、設定圧で自動的に開き、圧力を下げる機能を備える。第1リリーフ弁cは、方向制御弁25内の回路内の流体に異常圧力が発生した時の圧力の逃がしあるいは、安全リリーフバルブである。
【0051】
タンク(オイルタンク)31から、油圧ポンプである流体圧発生源24を介して、方向制御弁25に接続する。方向制御弁25内では、第4方向制御弁254、第3方向制御弁253、第2方向制御弁252、第1方向制御弁251に順次接続する。
方向制御弁25内の、第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254は、それぞれ、第1シリンダ415、第2シリンダ416、前後回動シリンダである第3シリンダ417、第4シリンダ418と、操作部uによる操作がない場合において、それぞれの第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254へ流入した流体をタンク(オイルタンク)31に戻すアンロード回路(無負荷回路)hに接続する。
第1シリンダ415は、第1シリンダ415に流出入させる流体を制御する方向制御弁25に接続する。第1シリンダ415は、方向制御弁25により、第1シリンダ415に流出入させる流体を制御する。
【0052】
第1リリーフ弁cの一端は、それぞれの方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254からタンク(オイルタンク)31側に戻す方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254に設けたアンロード回路hと、前記それぞれの方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254から第1リリーフ弁c側に流体の流入を抑制可能である第1チェック弁251a、第2チェック弁252a、第3チェック弁253a、第4チェック弁254aを介して方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254に接続する。第1リリーフ弁cの他端は、タンク(オイルタンク)31に接続する。
【0053】
図9に図示するように、第1シリンダ415は、ロッド側室内415bとボトム側室内415aとを有する。
第2シリンダ416は、ロッド側室内416bとボトム側室内416aとを有する。第3シリンダ417は、ロッド側室内417bとボトム側室内417aとを有する。第4シリンダ418のロッド側室内418bとボトム側室内418aとを有する。
【0054】
第1方向制御弁251は、第1シリンダ415のロッド側室内415bとボトム側室内415aとにそれぞれ接続する。第2方向制御弁252は、第2シリンダ416のロッド側室内416bとボトム側室内416aとにそれぞれ接続する。第3方向制御弁253は、第3シリンダ417のロッド側室内417bとボトム側室内417aとにそれぞれ接続する。第4方向制御弁254は、第4シリンダ418のロッド側室内418bとボトム側室内418aとにそれぞれ接続する。
【0055】
第1方向制御弁251は、第1方向制御弁251から第1シリンダ415へ向かう回路と、第1方向制御弁251からタンク(オイルタンク)31に向かう回路を接続可能に構成している。
【0056】
第2方向制御弁252は、第2方向制御弁252から第2シリンダ416へ向かう回路と、第2方向制御弁252からタンク(オイルタンク)31に向かう回路を接続可能に構成している。
第3方向制御弁253は、第3方向制御弁253から第3シリンダ417へ向かう回路と、第3方向制御弁253からタンク(オイルタンク)31に向かう回路を接続可能に構成している。
第4方向制御弁254は、第4方向制御弁254から第4シリンダ418へ向かう回路と、第4方向制御弁254からタンク(オイルタンク)31に向かう回路を接続可能に構成している。
【0057】
この実施例の第1シリンダ415乃至第4シリンダ418を制御する方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254は、操作部uによる切替操作がされない場合において、流体圧発生源24から移送された流体が、方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254を通じて第1シリンダ415乃至第4シリンダ418への流体の流出入ができないように、方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254内で回路を遮断する。
【0058】
操作部uによる切替操作がされると方向制御弁25が動作し、流体圧発生源24から第1シリンダ415乃至第4シリンダ418への流体の流入、及び、第1シリンダ415乃至第4シリンダ418からタンク(オイルタンク)31への流体の流出が可能に構成する。
また、この実施例で使用する方向制御弁25である第1方向制御弁251、第2方向制御弁252、第3方向制御弁253、第4方向制御弁254のそれぞれは、非操作時の中立状態において、流体圧発生源24から常時移送される流体をアンロード回路hによってタンク31に回送する。
【0059】
第1方向制御弁251は、第1方向制御弁251からアンロード回路hとは異なるタンク31側に向かう回路と、第1方向制御弁251から、第1リリーフ弁cの一端端側に流体の流入を抑制可能であるチェック弁251aを介して、第1リリーフ弁c及びアンロード回路hに接続する回路を有する。
第2方向制御弁252は、第2方向制御弁252からアンロード回路hとは異なるタンク31側に向かう回路と、第2方向制御弁252から、第1リリーフ弁cの一端端側に流体の流入を抑制可能であるチェック弁252aを介して、第1リリーフ弁c及びアンロード回路hに接続する回路を有する。
【0060】
第3方向制御弁253は、第3方向制御弁253からアンロード回路hとは異なるタンク31側に向かう回路と、第3方向制御弁253から、第1リリーフ弁cの一端端側に流体の流入を抑制可能であるチェック弁253aを介して、第1リリーフ弁c及びアンロード回路hに接続する回路を有する。
第4方向制御弁254は、第4方向制御弁254からアンロード回路hとは異なるタンク31側に向かう回路と、第4方向制御弁254から、第1リリーフ弁cの一端端側に流体の流入を抑制可能であるチェック弁254aを介して、第1リリーフ弁c及びアンロード回路hに接続する回路を有する。
【0061】
第1シリンダ415のロッド側室内415bと、第1シリンダ415のボトム側室内415aは、第1方向制御弁251にそれぞれ接続する。第1シリンダ415のロッド側室内415b及びボトム側室内415aは、第1方向制御弁251を切り換えることによって、いずれか一方をタンク31に接続する。
第1シリンダ415は、第1方向制御弁251を制御して、ストロークをストロークエンド方向に伸長するとボトム側室内415aに流体を引き込みロッド側室内415bから流体を押し出し、ストロークが短縮するとボトム側室内415aから流体を押し出しロッド側室内415bに流体を引き込む。
第1シリンダ415は、ストロークの伸縮により、伸縮手段41を構成する第1ブーム411を回動させて、作業部51を上昇あるいは下降させることができる。
第1シリンダ415の伸縮は第1リリーフ弁cを有した方向制御弁25によって制御される。
【0062】
第2シリンダ416のロッド側室内416bと、第2シリンダ416のボトム側室内416aは、第2方向制御弁252にそれぞれ接続する。第2シリンダ416のロッド側室内416b及びボトム側室内416aは、第2方向制御弁252を切り換えることによって、いずれか一方をタンク31に接続する。
第2シリンダ416は、第2方向制御弁252を制御して、ストロークをストロークエンド方向に伸長するとボトム側室内416aに流体を引き込みロッド側室内416bから流体を押し出し、ストロークが短縮するとボトム側室内416aから流体を押し出しロッド側室内416bに流体を引き込む。
第2シリンダ416は、ストロークの伸縮により、伸縮手段41を構成する第1連結体412を回動させて、作業部51を上昇あるいは下降、または左右方向へ移動させることができる。
第2シリンダ416の伸縮は第1リリーフ弁cを有した方向制御弁25によって制御される。
【0063】
第3シリンダ417のロッド側室内417bと、第3シリンダ417のボトム側室内417aは、第3方向制御弁253にそれぞれ接続する。第3シリンダ417のロッド側室内417b及びボトム側室内417aは、第3方向制御弁253を切り換えることによって、いずれか一方をタンク31に接続する。
第3シリンダ417は、第3方向制御弁253を制御して、ストロークをストロークエンド方向に伸長するとボトム側室内417aに流体を引き込みロッド側室内417bから流体を押し出し、ストロークが短縮するとボトム側室内417aから流体を押し出しロッド側室内417bに流体を引き込む。
第3シリンダ417は、ストロークの伸縮により、マストフレーム21が通常状態において、伸縮手段41を構成する第2ブーム413を作業部51の進行方向の前後方向へ回動駆動させる。
第3シリンダ417の伸縮は第1リリーフ弁cを有した方向制御弁25によって制御される。
【0064】
第4シリンダ418のロッド側室内418bと、第4シリンダ418のボトム側室内418aは、第4方向制御弁254にそれぞれ接続する。第4シリンダ418のロッド側室内418b及びボトム側室内418aは、第4方向制御弁254を切り換えることによって、いずれか一方をタンク31に接続する。
第4シリンダ418は、第4方向制御弁254を制御して、ストロークをストロークエンド方向に伸長するとボトム側室内418aに流体を引き込みロッド側室内418bから流体を押し出し、ストロークが短縮するとボトム側室内418aから流体を押し出しロッド側室内418bに流体を引き込む。
【0065】
第4シリンダ418は、ストロークの伸縮により、マストフレーム21が通常状態において、作業部51を第2連結体414に対して第2支点軸435を支点にして上下方向へ回動駆動させる。
第4シリンダ418の伸縮は第1リリーフ弁cを有した方向制御弁25によって制御される。
第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418は、第1リリーフ弁cを共通して使用している。
【0066】
図10に、この発明の実施例に係る作業機のブロック図で図示する制御部tは、方向制御弁25、第1方向制御弁251及び第2方向制御弁252及び第3方向制御弁253及び第4方向制御弁254及びに接続し、これらの動作を制御する。図10に図示するように、制御部tは、報知部q、表示部s、受信部o、検知部wに接続する。
制御部tは、操作部uから発信した人為操作された操作レバーの作動による操作信号を受信部oで受信したのち、これを操作信号として入力として、方向制御弁25へ方向制御弁25を動作させる信号を出力する。
【0067】
方向制御弁25は、制御部tから出力された動作信号を受信すると、第1方向制御弁251を動作させ、第1シリンダ415に流出入させる流体を制御する。制御部tは、操作部uの操作を受けて発信される信号を受信すると、制御部tを介して、方向制御弁25の作動を制御する。
【0068】
操作信号を受信した制御部tは、方向制御弁251を動作させる動作信号を出力する。この動作信号を受けた方向制御弁251は、伸縮手段41の他端に備えた作業部51を上昇又は下降させるべく、第1シリンダ415に流体を送るように回路を切り換える。
実施例においては、作業部51の上昇は、方向制御弁251からボトム側室内415aに流体を圧送するように回路を切り換え、作業部51の下降は、方向制御弁251からロッド側室内415bに流体を圧送するように回路を切り換える。
【0069】
この発明の作用、効果について説明する。
方向制御弁25は、第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418が伸長する方向、又は、短縮する方向のそれぞれに切り替えることで、第1シリンダ415、第2シリンダ416、第3シリンダ417、第4シリンダ418側にポンプ24から発生させた流体圧を圧送し、各シリンダを伸長及び短縮駆動することが可能である。この実施例では特に、方向制御弁25の動作と、シリンダ415を伸長及び短縮動作と、これら動作に係る回路構成について言及する。
【0070】
図11に図示する動作フロー図に基づいて、検知部wによる、規制部材433が作業部51の進行方向の前後方向である第1の周方向の内、図5図8に図示するように、規制部材433と第2連結体414とで形成する隙間の検出、すなわち、後方に旋回すると第2連結体414の後方への移動を検出と、制御部tによる制御について説明する。
S1で、接触の検出の有無を判断する。接触の検出をしないときは、検出するまで、接触の有無判断を繰り返す。
S1で、接触の検出をしたときは、S2で、検知部wは、接触の検出信号を発出する。
S3で、検知部wが発出した検出信号を制御部tは受領する。
S4では、制御部tは、検出信号を受領すると、方向制御弁25へ動作を指示する。
S5では、検知部wによる接触の検出有無を判断する。検出がある場合は、検出の有無の判断を繰り返す。接触の検出の有無の検出が無い場合は、方向制御弁25に動作の停止を指示する。
【符号の説明】
【0071】
411 第1ブーム
413 第2ブーム
414 第2連結体
433 規制部材
434 第1支点軸
435 第2支点軸
51 作業部
61 後方側規制部
62 前方側規制部
64 付勢部材
68 突出部
A 作業機

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11