(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】NFT発行システム、NFT発行方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20250110BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
(21)【出願番号】P 2022176568
(22)【出願日】2022-11-02
【審査請求日】2024-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】521019761
【氏名又は名称】G.U.テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀和
【審査官】野村 和史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0343328(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第115082060(CN,A)
【文献】国際公開第2021/245863(WO,A1)
【文献】NFTを活用した関西の駅周遊施策が11月12日より開始 特定の駅でのみNFTを取得・収集ができるHARTiアプリを活用,[online],2022年11月01日,https://gamebiz.jp/news/359135,[検索日:2024.08.14],インターネット<URL:
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得する取得部と、
前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定する判定部と、
前記判定部において前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与するNFT付与部と、
を備え、
前記取得部が前記情報連携装置の位置を示す第2位置情報をさらに取得する場合、前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置および前記第2位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれる場合、前記NFTを付与可能と判定する、
NFT発行システム。
【請求項2】
NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得する取得部と、
前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定する判定部と、
前記判定部において前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与するNFT付与部と、
を備え、
前記判定部は、前記所定の範囲を示す範囲情報を含む前記NFTに基づいて、前記第1位置情報が示す位置が、前記範囲情報が示す前記所定の範囲に含まれる場合、前記NFTを付与可能と判定する、
NFT発行システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記ユーザのウォレットアドレスをさらに取得し、
前記NFT付与部は、前記判定部において前記NFTを付与可能と判定された場合、前記取得部で取得された前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与する、
請求項1に記載のNFT発行システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記ユーザのウォレットアドレスをさらに取得し、
前記NFT付与部は、前記判定部において前記NFTを付与可能と判定された場合、前記取得部で取得された前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与する、
請求項2に記載のNFT発行システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記ユーザの属性を示す属性情報を取得し、
前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記属性情報が示すユーザの属性が所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与可能と判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項6】
前記取得部は、前記ユーザの年齢を示す年齢情報を含む前記属性情報を取得し、
前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記年齢情報が示す前記ユーザの年齢が所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与可能と判定する、
請求項5に記載のNFT発行システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記ユーザの年齢を示す年齢情報を含む前記属性情報を取得し、
前記判定部は、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記年齢情報が示す前記ユーザの年齢が第1の所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与可能と判定し、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記年齢情報が示す前記ユーザの年齢が第2の所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与可能と判定し、
前記NFT付与部は、
前記判定部において、前記第1のNFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記第1のNFTを付与し、
前記判定部において、前記第2のNFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記第2のNFTを付与する、請求項5に記載のNFT発行システム。
【請求項8】
前記取得部は、所定のデータベースから、前記第1位置情報を取得した時間を示す時間情報を取得し、
前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記時間情報が示す時間が所定の期間に含まれる場合、前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与可能と判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項9】
前記取得部は、所定のデータベースから、前記第1位置情報を取得した時間を示す時間情報を取得し、
前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記時間情報が第1の期間に含まれる場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与可能と判定し、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記時間情報が第2の期間に含まれる場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与可能と判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項10】
前記取得部は、前記ユーザの行動に関するユーザ行動情報を記憶するデータベースから、前記ユーザの前記第1位置情報が前記所定の範囲に含まれている時間である滞在時間を示す滞在時間情報と、前記ユーザの前記所定の範囲への現在までの訪問回数を示す訪問回数情報と、前記ユーザが前記所定の範囲に到達するまでの移動経路を示す移動経路情報と、前記ユーザの前記所定の範囲を含む地域で発行された地域通貨の現在までの利用状況を示す利用状況情報と、のうちの少なくともいずれかを取得し、
前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記滞在時間と、前記訪問回数と、前記移動経路と、前記利用状況と、のうちの少なくともいずれかが所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与可能と判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項11】
前記取得部は、前記ユーザの行動に関するユーザ行動情報を記憶するデータベースから、前記ユーザの前記第1位置情報が前記所定の範囲に含まれている滞在時間を示す滞在時間情報と、前記ユーザの前記所定の範囲への現在までの訪問回数を示す訪問回数情報と、前記ユーザが前記所定の範囲に到達するまでの移動経路を示す移動経路情報と、前記ユーザの前記所定の範囲を含む地域で発行された地域通貨の現在までの利用状況を示す利用状況情報と、のうちの少なくともいずれかを取得し、
前記判定部は、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記滞在時間、前記訪問回数、前記移動経路または前記利用状況が第1の所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与可能と判定し、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記滞在時間、前記訪問回数、前記移動経路または前記利用状況が第2の所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与可能と判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項12】
前記取得部は、天気に関する情報を記憶するデータベースから、現在の天気の状態を示す天候情報を取得し、
前記判定部は、前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記現在の天気の状態が所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与可能と判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項13】
前記取得部は、天気に関する情報を記憶するデータベースから、現在の天気の状態を示す天候情報を取得し、
前記判定部は、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記現在の天気の状態が第1の所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与すると判定し、
前記第1位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれ、かつ、前記現在の天気の状態が第2の所定の要件を充たす場合、前記ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与すると判定する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のNFT発行システム。
【請求項14】
NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末であって、一定の範囲で取得可能に所定の装置から出力される、前記所定の装置の位置を示す装置位置情報を取得するユーザ端末を介して、前記装置位置情報と、前記ユーザの位置を示すユーザ位置情報と、を取得する取得部と、
前記装置位置情報が示す前記所定の装置の位置と、前記ユーザ位置情報が示す前記ユーザ端末の位置と、が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定する判定部と、
前記判定部において前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与するNFT付与部と、
を含むNFT付与システム。
【請求項15】
コンピュータが、
NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得することと、
前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定すること
であって、前記情報連携装置の位置を示す第2位置情報をさらに取得する場合、前記第1位置情報が示す位置および前記第2位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれる場合、前記NFTを付与可能と判定することと、
前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与することと、
を含むNFT発行方法。
【請求項16】
コンピュータに、
NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得することと、
前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定すること
であって、前記情報連携装置の位置を示す第2位置情報をさらに取得する場合、前記第1位置情報が示す位置および前記第2位置情報が示す位置が前記所定の範囲に含まれる場合、前記NFTを付与可能と判定することと、
前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NFT発行システム、NFT発行方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
イベントや施設について、ユーザが訪問したことの履歴や証左とするトークンを発行するシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、ユーザがスマートフォン等の端末を操作して、施設を訪問したこと、イベントに参加したこと等の証左を示すトークンを発行する。発行されるトークンは、イベントなどに紐づけられ、インセンティブに関する情報(例えば、グッズの割引クーポン)を含んでいてもよい。
【0005】
当該システムは、実際にイベントが行われている場所に訪れたユーザ、および当該場所に訪れることなく何らかの手段でイベントに参加したユーザに対してトークンを発行する。例えば、当該システムは、野球の試合が行われている試合会場に訪れたユーザ、および試合会場ではなく、例えばパブリックビューイングで試合を観戦したユーザに対してトークンを発行し得る。このように、当該システムは、ユーザの端末から取得される位置情報に基づき、実際に会場を訪れたユーザ、そうでないユーザのそれぞれに対応するクーポンを含んだトークンを付与する。
【0006】
しかし、当該システムは、位置情報に基づきトークンを付与する構成を有するものの、ユーザが実際にイベント会場に足を運んだかどうかを判定することはできない。そのため、実際にイベントや施設に訪問したユーザに対して、当該イベントや施設が存する場所や地域に関連づくトークンを付与する事ができる仕組みの実現が求められている。
【0007】
そこで本発明は、場所や地域に関連づくトークンを、当該場所や地域に実際に訪れているユーザに対して付与するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るNFT発行システムは、NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得する取得部と、前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定する判定部と、前記判定部において前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与するNFT付与部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るNFT発行方法は、コンピュータが、NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得することと、前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定することと、前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与することと、を含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置を介して、前記第1位置情報を取得することと、前記第1位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が所定の範囲に含まれる場合、前記ユーザに前記NFTを付与可能と判定することと、前記NFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、場所や地域に関連づくトークンを、当該場所や地域に実際に訪れているユーザに対して付与するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】NFT発行システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】NFT発行システムに含まれる各装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザ情報データベースD121を示す図である。
【
図4】NFTデータベースD122を示す図である。
【
図5】NFT発行システム10の処理手順のフローを示す図である。
【
図6】NFT発行システム20の処理手順のフローを示す図である。
【
図7】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
===第1実施形態に係るNFT発行システム10===
<<システムの概要>>
図1を参照して、第1実施形態に係るNFT発行システム10の概要について説明する。
図1は、第1実施形態に係るNFT発行システム10の構成の一例を示す図である。
【0014】
NFT発行システム10は、所定の場所や地域(以下、「対象地域」という。)を訪れたユーザに対して、対象地域に紐づいたNFT(Non Fungible Token)を付与するシステムである。ここで、NFT発行システム10は、NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末が示す位置に基づき、ユーザが対象地域に訪れていると判定した場合、NFTを発行する。すなわち、NFT発行システム10は、位置情報を用いて、対象地域に実際に訪れたユーザに対して、その対象地域に紐づいたNFTを発行する。
【0015】
NFTとは、ブロックチェーン上で発行される非代替性トークンをいう。NFTは、例えば、対象のデジタルコンテンツと、対象のデジタルコンテンツのメタデータと、メタデータに関するインデックスデータと、を含むトークンである。
【0016】
ブロックチェーンは、暗号化された通貨や各種トークン(セキュリティトークン、ノンファンジブルトークン等)の取引に用いられるシステムである。ブロックチェーンは、複数のノード(コンピュータ)により構成され、台帳データを分散して管理することができる。分散台帳は、いわゆるブロックチェーンの仕組みにより改ざん困難に管理される。なお、ブロックチェーンによる分散台帳管理の仕組みについては一般的なものを採用するものとしてここでは詳細な説明を省略する。
【0017】
デジタルコンテンツは、例えば、写真、動画、アート、ゲーム、音楽などを含む。
【0018】
メタデータとは、デジタルコンテンツと関連付けられる情報であって、当該デジタルコンテンツの名称、説明および保管場所を示すURL(Uniform Resource Locator)などを含んだ情報である。
【0019】
インデックスデータとは、メタデータと関連付けられる情報であって、トークンを識別するトークンID、保有者のウォレットアドレス、メタデータの保管場所を示すURI(Uniform Resource Identifier)などを含んだ情報である。
【0020】
メタデータおよびインデックスデータは、その全部の情報または一部の情報がブロックチェーン上に記憶される。具体的には、インデックスデータがブロックチェーン上に記憶されていてもよいし、メタデータおよびインデックスデータがブロックチェーン上に記憶されていてもよい。
【0021】
例えば、NFTは、ブロックチェーン上に記憶される、改ざん耐性を有するインデックスデータが、デジタルコンテンツと関連づけられている。そのため、当該デジタルコンテンツは非代替性を有する。また、インデックスデータには、NFTの所有者のウォレットアドレスが記録されているため、NFTによって、当該デジタルコンテンツの所有者を証明できる。
【0022】
また、メタデータおよびインデックスデータに関連づくデジタルコンテンツは、ブロックチェーン外のデータベースに格納されていてもよいし、ブロックチェーン上にメタデータおよびインデックスデータとともに記憶されていてもよい。
【0023】
NFT発行システム10で発行されるNFTは、一例として、ブロックチェーン上に記憶されているインデックスデータと、当該インデックスデータに関連づく、ブロックチェーン外に記憶されているメタデータおよびデジタルコンテンツから構成されているものとする。すなわち、ユーザは、NFTを付与されることによって、NFTに含まれているデジタルコンテンツを取得することができる。
【0024】
NFT発行システム10において、NFTは、対象地域の位置または範囲を示す情報を含んでいてもよい。すなわち、NFTは、メタデータもしくはインデックスデータに、対象地域の位置または範囲を示す情報を含んでいてもよい。
【0025】
ここで、NFT発行システム10においてNFTをユーザに付与する処理は、例えば、ブロックチェーン上で発行されたNFTをユーザのウォレットアドレスに移動させるコントラクト(以下、「付与コントラクト」という。)を実行させる処理である。例えば、NFT発行システム10は、ユーザ端末200の位置情報を用いて、ユーザ端末200が所定の位置にある場合、付与コントラクトを実行する。
【0026】
<<構成の概要>>
図1、
図2を参照して、NFT発行システム10の構成の概要について説明する。
図1に示すように、NFT発行システム10は、例えば、NFT発行装置100と、ユーザ端末200とを含む。
【0027】
NFT発行システム10を構成する各装置は、通信ネットワークNにより互いに通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、有線ネットワークまたは無線ネットワークである。なお、図示していないが、NFT発行システム10は、ユーザ端末200が複数で構成されていてもよい。
【0028】
NFT発行装置100は、NFTの取得を所望するユーザに対して、ユーザの位置情報に基づき、対象地域に紐づいたNFTを付与する装置である。
図2に示すように、NFT発行装置100は、例えば、情報連携装置100aからユーザ端末200の現在の位置を示す位置情報を取得する。
【0029】
情報連携装置100aは、識別情報を取得可能な装置であり、例えば、ユーザが訪れる対象地域に設置される。情報連携装置100aは、有線通信または無線通信によってユーザ端末200から識別情報を取得する。
【0030】
識別情報は、例えば、ユーザ端末200の表示部に表示される2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))や1次元コード(例えば、バーコード)、ユーザ端末200から無線通信(例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)や超音波などの非接触通信)によって出力される情報である。
【0031】
識別情報には、ユーザ端末200の位置情報が含まれる。位置情報は、ユーザ端末200の現在の位置を特定可能な情報であればよく、例えば、緯度および経度を示す情報、施設の範囲を示す情報、所定の設定エリアに含まれる範囲を示す情報、郵便番号を示す情報などである。
【0032】
位置情報は、例えば、ユーザ端末200のGPS(Global Positioning System)によって得られる情報であってもよいし、ビーコンを用いて得られる情報であってもよいし、ユーザ端末200の記憶部210に記憶されている情報であってもよい。
【0033】
情報連携装置100aは、例えば、ユーザ端末200から出力される識別情報を取得して、NFT発行装置100に送信する。
【0034】
また、識別情報には、ユーザの氏名や年齢などの個人情報およびウォレットアドレス(以下、「ユーザ情報」という。)が含まれていてもよい。ユーザ情報は、例えば、ユーザ端末200の記憶部210に記憶されている情報でもよい。これにより、NFT発行装置100は、データベースにユーザ情報を記憶しておく必要がないため、簡易なシステム構成によってNFTをユーザに付与できる。
【0035】
NFT発行装置100は、例えば、ユーザ端末200の現在の位置が所定の範囲に含まれる場合、ブロックチェーンBN上で付与コントラクトを実行させる。
【0036】
所定の範囲とは、地域性を示す範囲であって、例えば、情報連携装置100aの位置を中心とする半径30m圏内の範囲であってもよいし、市町村を示す範囲であってもよいし、特定の施設内を示す範囲であってもよい。
【0037】
NFT発行装置100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットフォーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットフォームであってもよい。なお、NFT発行装置100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータ(例えば、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング)により実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0038】
ユーザ端末200は、例えば、NFTを付与されるために、ユーザからの操作入力を受け付ける端末である。ユーザ端末200は、例えば、ユーザの操作入力を受け付けて、位置情報を含む識別情報(例えば2次元コード)を表示部に表示させる。
【0039】
ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットフォーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットフォームであってもよい。
【0040】
<<処理の概要>>
次に、NFT発行システム10の処理の概要について説明する。
【0041】
まず、ユーザ端末200は、例えば、ユーザの操作入力により、ユーザ端末200の位置情報を含む識別情報(例えば、2次元コード)を表示部に表示させる。なお、識別情報には、NFT発行装置100にNFTをユーザに付与させるための要求(以下、「発行要求」という。)が含まれていてもよい。
【0042】
次に、NFT発行装置100(情報連携装置100a)は、ユーザ端末200の表示部に表示される識別情報を読み取る。
【0043】
NFT発行装置100は、識別情報に含まれる位置情報および発行要求に基づき、ユーザ端末200の現在の位置が所定の範囲(例えば、情報連携装置100aの位置を中心とする半径30mの範囲)に含まれているか否かを判定する。
【0044】
NFT発行装置100は、ユーザ端末200の現在の位置が所定の範囲に含まれる場合、ブロックチェーンBN上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与する付与コントラクトを実行させる。
【0045】
このように、NFT発行システム10は、ユーザが持っているユーザ端末200の現在の位置が予め定められた範囲に含まれる場合にNFTを付与する。すなわち、実際に対象地域(例えば、イベントや観光スポット)を訪れていないユーザにはNFTを発行しない。
【0046】
これにより、NFT発行システム10は、対象となる場所や施設等を実際に訪れたユーザに対してNFTを付与し、場所や施設等に訪れるインセンティブをユーザに与える仕組みを提供することができる。
【0047】
===NFT発行装置100===
図2を参照して、NFT発行装置100の構成について説明する。
図2は、NFT発行システム10に含まれる各装置の機能構成の一例を示す図である。
【0048】
図2に示す通り、NFT発行装置100は、例えば、取得部110、記憶部120、判定部130、NFT付与部140の機能部を含む。
【0049】
取得部110は、他の装置から各種情報を取得する。
【0050】
具体的には、取得部110は、例えば、ユーザが訪れた対象地域に設置される情報連携装置100aを通じて、ユーザ端末200の現在の位置を示す位置情報(以下、「第1位置情報」という。)を取得する。また、第1位置情報に加えて、識別情報に含まれるユーザ情報や発行要求を取得してもよい。
【0051】
なお、情報連携装置100aは、ユーザ端末200の表示部に表示される2次元コードや1次元コード、またはユーザ端末200から無線通信によって出力される識別情報から、各種情報を取得してもよいし、例えば、対象地域に設置されるアクセスポイントとの無線通信を介して、ユーザ端末200から各種情報を取得してもよい。
【0052】
また、取得部110は、情報連携装置100aにおける現在の位置を示す位置情報(以下、「第2位置情報」という。)を取得してもよい。取得部110は、例えば、情報連携装置100aから第2位置情報を取得してもよいし、第2位置情報を記憶している記憶部120から第2位置情報を取得してもよい。
【0053】
また、取得部110は、例えば、NFTに含まれる第2位置情報を取得してもよい。この場合、NFTは、例えば、所定の位置(例えば、情報連携装置100aの位置)を示す第2位置情報をインデックスデータもしくはメタデータに含む。
【0054】
また、取得部110は、例えば、情報連携装置100aがユーザ端末200の表示部に表示される識別情報(例えば、2次元コード)を読み取ることによって、ユーザのウォレットアドレスを取得してもよい。この場合、識別情報にはユーザのウォレットアドレスが含まれる。
【0055】
なお、取得部110は、記憶部120に記憶されているユーザ情報データベースD121からユーザのウォレットアドレスを取得してもよいし、ユーザを特定可能な情報に基づきブロックチェーンBNからユーザのウォレットアドレスを取得してもよい。
【0056】
また、取得部110は、インターネットを通じて天気に関する情報を取得してもよい。天気に関する情報には、例えば、時刻を示す情報(以下、「時刻情報」という。)と、天候を示す情報(以下、「天候情報」という。)とが含まれる。
【0057】
記憶部120は、例えば、ユーザ情報データベースD121と、NFTデータベースD122とを含んでいてもよい。
【0058】
図3を参照して、ユーザ情報データベースD121について説明する。
図3は、ユーザ情報データベースD121を示す図である。
【0059】
なお、ユーザ情報データベースD121は、情報連携装置100aを通じてユーザ端末200から取得された各種情報を記憶させて生成されたものであってもよいし、ユーザがユーザ端末200を通じて予め記憶部120に記憶(登録)させて生成されたものであってもよい。
【0060】
図3に示すように、ユーザ情報データベースD121は、例えば、[ユーザID]、[ユーザ氏名]、[第1位置情報]、[ウォレットアドレス]、[ユーザ属性情報]、[ユーザ行動情報]の項目を含む。各項目に含まれる情報は、「ユーザ情報」に含まれ得る情報である。
【0061】
[ユーザID]は、例えば、ユーザを一意に識別可能な識別符号が格納される項目である。
【0062】
[ユーザ氏名]は、例えば、ユーザの氏名を示す情報が格納される項目である。
【0063】
[第1位置情報]は、ユーザ端末200から取得した第1位置情報が格納される項目である。
【0064】
[ウォレットアドレス]は、ユーザのウォレットアドレスが格納される項目である。
【0065】
[ユーザ属性情報]は、例えば、ユーザの属性を示す各種情報が格納される項目である。属性を示す各種情報には、例えば、ユーザの「年齢」、「性別」などの情報が含まれていてもよい。また、その他、ユーザの所属、職業、家族構成、年収、資産状況、住所、出身地、学歴などの属性を示す情報が含まれていてもよい。
【0066】
なお、[ウォレットアドレス]および[ユーザ属性情報]に格納される情報は、ユーザ端末200の表示部に表示される識別情報を読み取った情報連携装置100aからNFT発行装置100が取得した情報であってもよい。すなわち、この場合、識別情報には、[ウォレットアドレス]および[ユーザ属性情報]の項目に格納される情報が含まれる。
【0067】
[ユーザ行動情報]は、例えば、ユーザの行動履歴を示す情報が格納される項目である。行動履歴を示す情報には、例えば、ユーザの来場時間、ユーザの滞在時間、ユーザの訪問日時、ユーザの訪問回数、ユーザの移動経路、ユーザの地域通貨の利用状況示す情報が含まれていてもよい。
【0068】
来場時間を示す情報(以下、「来場時間情報」という。)は、例えば、対象地域に設置される情報連携装置100aが、ユーザ端末200の表示部に表示される識別情報を読み取った日時を示す情報である。来場時間は、NFT発行装置100で算出される情報であってもよいし、ユーザ端末200で算出されてもよい。ユーザ端末200が来場時間を算出する場合、情報連携装置100aは、ユーザ端末200の表示部に表示される来場時間情報を含む識別情報を読み取る。そして、NFT発行装置100は、情報連携装置100aを通じて時間情報を取得する。
【0069】
滞在時間を示す情報(以下、「滞在時間情報」という。)は、例えば、ユーザの位置情報の履歴に基づき算出される、所定の範囲に第1位置情報が含まれた時刻から現在までの経過時間を示す情報である。滞在時間情報は、NFT発行装置100で算出される情報であってもよいし、ユーザ端末200で算出される情報であってもよい。なお、ユーザ端末200が滞在時間を算出する場合、ユーザ端末200は滞在時間情報を含む識別情報を表示部に表示させる。これにより、NFT発行装置100は、情報連携装置100aを通じて滞在時間情報を取得できる。
【0070】
訪問回数を示す情報(以下、「訪問回数情報」という。)は、例えば、ユーザの位置情報の履歴に基づき特定される、所定の範囲に第1位置情報が含まれた回数を示す情報である。訪問回数情報は、例えば、情報連携装置100aを通じてユーザ端末200から識別情報を取得した回数を示す情報であってもよい。なお、訪問回数は、NFT発行装置100で特定されてもよいし、ユーザ端末200で特定されてもよい。なお、ユーザ端末200が訪問回数を特定する場合、NFT発行装置100はユーザ端末200から訪問回数情報を含む識別情報を表示部に表示させる。
【0071】
移動経路を示す情報(以下、「移動経路情報」という。)は、例えば、ユーザの位置情報の履歴に基づき特定される、所定の範囲に到達するまでの経路を示す情報である。移動経路情報は、例えば、一定時間ごとのユーザ端末200の位置を示す情報であってもよい。移動回数は、NFT発行装置100で特定されてもよいし、ユーザ端末200で特定されてもよい。なお、ユーザ端末200が移動経路を特定する場合、NFT発行装置100はユーザ端末200から移動経路情報を含む識別情報を表示部に表示させる。
【0072】
地域通貨の利用状況を示す情報(以下、「利用状況情報」という。)は、例えば、所定の範囲を含む地域の地域通貨を過去にユーザが利用した履歴を示す情報である。地域通貨の利用状況情報は、例えば、地域通貨を発行する装置(不図示)から取得される情報である。NFT発行装置100は、地域通貨を発行する装置との通信を行うことによって、ユーザの地域通貨の残高に関する情報、地域通貨の利用回数に関する情報、利用金額に関する情報を取得してもよい。
【0073】
図4を参照して、NFTデータベースD122について説明する。
図4は、NFTデータベースD122を示す図である。
【0074】
NFTデータベースD122には、例えば、NFT発行装置100が発行したNFTに関する情報を格納するデータベースである。
【0075】
図4に示すように、発行NFTデータベースD122は、例えば、[NFT識別情報]、[NFT名]、[NFT取引所名]、[NFTに関連づく場所名]、[NFTを付与する要件]の項目を含む。
【0076】
[NFT識別情報]は、NFTを一意に識別可能な識別符号が格納される項目である。
【0077】
[NFT名]は、NFTの名称を示す情報が格納される項目である。
【0078】
[NFT取引所名]は、例えば、NFTが取引されるプラットフォームの名称を示す情報が格納される項目である。
【0079】
[NFTに関連づく場所名]は、例えば、地域名、施設名、観光スポット名などの場所の名称を示す情報が格納される項目である。
【0080】
[NFTを付与する要件]は、例えば、NFTをユーザに付与する要件が格納される項目である。付与する要件は、後述する判定部130における処理に用いられる情報である。
【0081】
判定部130は、例えば、ユーザ情報データベースD121およびNFTデータベースD122を参照して、NFTを付与する要件をユーザが充たしている場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0082】
例えば、判定部130は、位置情報が示すユーザ端末200の位置が所定の範囲に含まれる場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定してもよい。
【0083】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がA施設内として設定している場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、A施設内を示す位置に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0084】
これにより、NFT発行装置100は、対象地域に訪れたユーザにインセンティブを与えることができるため、対象地域への訪問を促進することができる。また、例えば、ユーザ端末200が遠隔地から識別情報を情報連携装置100aに読み取らせる不正(テレビ通話を介して読み取りする行為など)によりNFTを取得するユーザを排除できる。
【0085】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示すユーザ端末200の位置および第2位置情報が示す情報連携装置100aの位置が所定の範囲に含まれる場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定してもよい。
【0086】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がA施設内として設定している場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置および情報連携装置100aの位置が、A施設内を示す位置に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0087】
これにより、NFT発行システム10は、ユーザ端末200の位置に加えて、情報連携装置100aの位置をNFTを付与する要件としているため、例えば、ユーザ端末200が位置情報を偽装することによって、遠隔地から識別情報を情報連携装置100aに読み取らせるような不正を排除できる。また、例えば、情報連携装置100aが不正に移動され、その移動先で識別情報を情報連携装置100aに読み取らせるような不正を防ぐことができるため、対象地域に紐づいたNFTがユーザに不正に付与されるリスクを防止できる。
【0088】
また、例えば、判定部130は、NFTに含まれる所定の範囲を示す情報に基づいて、ユーザ端末200の位置が、NFTが示す所定の範囲に含まれる場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定してもよい。
【0089】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTが所定の範囲としてA施設内を示す場合、ユーザ端末200の位置が、A施設内に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(A)を付与できると判定する。
【0090】
これにより、NFT発行システム10は、改ざん耐性の高いNFTが持つ位置情報を用いて、NFTを発行するか否かを判定するため、位置情報の偽装によるNFTの不正な取得を防止できる。
【0091】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示すユーザ端末200の位置が所定の範囲に含まれ、かつ、ユーザ情報データベースD121に含まれる、ユーザの属性情報が示すユーザの属性(年齢、所属の情報など)が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定してもよい。
【0092】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がBエリアとして設定され、所定の要件がユーザの年齢が20歳以上として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置がBエリア内を示す位置であり、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの年齢が20歳以上である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。
【0093】
また、具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がBエリアとして設定され、所定の要件がユーザの所属(例えば、所属している団体や自治体、所定のサービスの会員であるか否かの情報)が「団体Aに所属している」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置がBエリア内を示す位置であり、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの所属が「団体A」である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。
【0094】
これにより、NFT発行システム10は、NFTを付与する要件として、位置情報だけでなく、ユーザの属性情報(年齢、所属の情報を含む)を加えるため、付与されるNFTの希少性を高めることができる。
【0095】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示すユーザ端末200の位置が所定の範囲に含まれ、かつ、ユーザ情報データベースD121に含まれる属性情報が示すユーザの属性が第1の所定の要件を充たす場合と、第2の所定の要件を充たす場合とのそれぞれで異なるNFTを付与可能と判定してもよい。すなわち、判定部130は、第1の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与可能と判定し、第2の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与可能と判定してもよい。
【0096】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がBエリアと設定され、所定の要件が「20歳以上」と設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Bエリア内を示す位置であり、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの年齢が20歳以上である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(B)を付与可能と判定する。また、ユーザの年齢が18歳である場合には、ユーザのウォレットアドレスにNFT(C)を付与可能と判定する。
【0097】
また、具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がBエリアと設定され、所定の要件がユーザの所属が「団体Aに所属している」と設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Bエリアを示す位置であり、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの所属が「団体A」である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(D)を付与可能と判定する。また、ユーザの所属が「団体B」である場合には、ユーザのウォレットアドレスにNFT(E)を付与可能と判定する。
【0098】
これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、ユーザの属性に応じたNFTを提供できるため、例えば、年齢を所定の要件とした場合には年月が経過した後に対象地域に訪れるインセンティブを付与でき、また、所属を所定の要件とした場合には、団体やサービスへの加入といったユーザの行動についてのインセンティブを付与できる。
【0099】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、ユーザ情報データベースD121に含まれる、来場時間情報が示す来場時間、滞在時間情報が示す滞在時間、訪問回数情報が示す訪問回数、移動経路情報が示す移動経路および地域通貨の利用状況情報が示す地域通貨の現在までの利用状況のうち少なくともいずれかが所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定してもよい。
【0100】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がCエリアとして設定され、所定の要件として、来場の期間が「2022年8月1日0時0分から2022年9月30日23時59分の間」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの来場時間が、当該所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。
【0101】
また、具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がCエリアとして設定され、所定の要件として、滞在時間が「1時間以上」、訪問回数が「3回以上」、移動経路が「P地点→Q地点→R地点」および地域通貨の利用状況が「α地域通貨の利用有り」のうち少なくともいずれかが設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの滞在時間、訪問回数、移動経路、地域通貨の利用状況のうち少なくともいずれかを充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。
【0102】
これにより、NFT発行システム10は、ユーザの行動に関する要件を設けることに因って、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、対象地域での行動を促すことができる。
【0103】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、ユーザ情報データベースD121に含まれる、来場時間情報が示す来場時間が第1の所定の要件を充たす場合と、第2の所定の要件を充たす場合とで異なるNFTを付与すると判定してもよい。すなわち、判定部130は、第1の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与すると判定し、第2の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与すると判定してもよい。
【0104】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がCエリア内として設定され、所定の要件として、来場の期間が「2022年8月1日0時から2022年9月30日23時59分の間」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの来場時間が、2022年8月20日17時45分である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(F)を付与可能と判定してもよい。一方、判定部130は、ユーザ端末200の位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、ユーザ端末200に対応するユーザの来場時間が、2022年10月14日の12時である場合には、NFT(G)を付与可能と判定してもよい。
【0105】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、ユーザ情報データベースD121に含まれる、滞在時間情報が示す滞在時間、訪問回数情報が示す訪問回数、移動経路情報が示す移動経路および利用状況情報が示す地域通貨の利用状況のうちの少なくともいずれかが第1の所定の要件を充たす場合と、第2の所定の要件を充たす場合とで異なるNFTを付与すると判定してもよい。すなわち、判定部130は、第1の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与すると判定し、第2の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与すると判定してもよい。
【0106】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がCエリア内として設定され、所定の要件が「滞在時間1時間以上」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置であり、かつ、情報連携装置100aがユーザ端末200の識別情報を読み取るまでの、第1位置情報が所定の範囲に含まれている経過時間が1時間以上である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(H)を付与可能と判定してもよい。一方、判定部130は、ユーザ端末200の位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、識別情報を読み取るまでの、第1位置情報が所定の範囲に含まれている経過時間が40分である場合には、NFT(I)を付与可能と判定してもよい。
【0107】
また、具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がCエリア内として設定され、所定の要件が「訪問回数3回以上」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置であり、かつ、情報連携装置100aがユーザ端末200の識別情報を読み取った回数が3回以上である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(J)を付与可能と判定してもよい。一方、判定部130は、ユーザ端末200の位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、識別情報を読み取った回数が1回である場合には、NFT(K)を付与可能と判定してもよい。
【0108】
また、具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122の所定の範囲がCエリア内として設定され、所定の要件が「α地域通貨の利用有り」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置であり、かつ、ユーザ情報データベースD121を参照して、ユーザ端末200に対応するユーザがα地域通貨を利用した履歴がある場合、ユーザ端末200に対応するユーザのウォレットアドレスにNFT(L)を付与可能と判定してもよい。一方、判定部130は、ユーザ端末200の位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、ユーザがβ地域通貨を利用している場合、NFT(M)を付与可能と判定してもよい。
【0109】
また、具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122の所定の範囲がCエリア内として設定され、所定の要件が「移動経路がP地点→Q地点→R地点」」として設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、Cエリア内を示す位置であり、かつ、ユーザ情報データベースD121を参照して、情報連携装置100aがユーザ端末200の識別情報を読み取ったとき、ユーザ端末200が「P地点→Q地点→R地点」と移動していると特定される場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを(N)を付与可能と判定する。一方、判定部130は、ユーザ端末200の位置が、Cエリア内を示す位置に含まれ、かつ、「P地点→Z地点→R地点」と移動していると特定される場合には、NFT(O)を付与可能と判定してもよい。
【0110】
これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、ユーザの行動の履歴に応じた、何らかのNFTが付与されるというインセンティブを提供できる。そのため、ユーザの対象地域での行動をより促すことができる。
【0111】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、天気に関する情報を記憶するデータベース(不図示)から取得される天候情報が示す現在の天候が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定してもよい。
【0112】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122の所定の範囲がD地区内として設定され、所定の要件が「天候が雨」と設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、D地区内を示す位置であり、かつ、情報連携装置100aがユーザ端末200から識別情報を読み取ったときの天候が雨である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。
【0113】
これにより、NFT発行システム10は、NFT付与の要件として、位置情報だけでなく、天気の情報を含めるため、天候によって対象地域への訪問者数が増減する状況を改善できる。
【0114】
また、例えば、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、天気に関する情報を記憶するデータベース(不図示)から取得される天候情報が示す現在の天候が第1の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与可能と判定し、天候情報が示す現在の天気の状態が第2の所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与可能と判定してもよい。
【0115】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がD地区内として設定され、所定の要件が「天候が雨」と設定されている場合、ユーザ端末200の位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、D地区内を示す位置であり、かつ、現在の天候が雨である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(P)を付与可能と判定する。一方、判定部130は、ユーザ端末200の位置が、エリアA内を示す位置であり、かつ、現在の天気が晴れである場合、ユーザのウォレットアドレスにNFT(Q)を付与可能と判定する。
【0116】
これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、現在の天候に応じたNFTを提供することができるため、何らかのNFTが付与されるというインセンティブをユーザが享受できる。そのため、対象地域への来訪をより促すことができる。
【0117】
なお、NFT発行システム10は、上記における天候情報に替えて、時刻を示す時間情報が所定の要件を充たすか否かを判定してもよい。この場合、判定部130は、情報連携装置100aがユーザ端末200から識別情報を読み取ったときの時刻が例えば「午前」である場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定してもよい。さらに、判定部130は、例えば「午後」である場合には「午前」と異なるNFTを付与可能と判定してもよい。
【0118】
これにより、NFT発行システム10は、NFT付与の要件として、位置情報だけでなく、時刻の情報を含めるため、時間によって対象地域への訪問者数が増減する状況を改善できる。
【0119】
上記より、NFT発行装置100は、対象地域に紐づくNFTを発行する際、条件に応じた様々なNFTを発行することができる。すなわち、NFT発行システム10は、同じ場所に訪問している複数のユーザそれぞれに対して、ユーザの行動履歴や天候などにより、NFTが得られるか否か、また異なるNFTが付与されるなど、様々なインセンティブを提供できる。これは、例えば、NFTをコレクションしたいユーザの対象地域への行動および対象地域での行動を喚起する。
【0120】
NFT付与部140は、判定部130においてNFTを付与できると判定された場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与する。
【0121】
具体的には、NFT付与部140は、ブロックチェーン上で、発行者のウォレットアドレスに紐づいているNFTを、ユーザのウォレットアドレスに移動させる付与コントラクトを実行させる。
【0122】
===ユーザ端末200===
図2を参照して、ユーザ端末200の機能構成について説明する、
図2に示すように、ユーザ端末200は、例えば、記憶部210、取得部220、行動情報生成部230、識別情報生成部240、表示処理部250を含む。
【0123】
記憶部210は、例えばユーザ情報データベースD211を含む。ユーザ情報データベースD211は、
図3に示すユーザ情報データベースD121と同様であるため、その説明を省略する。
【0124】
取得部220は、他の装置から各種情報を取得する。取得部220は、例えば、ユーザの操作入力によってユーザ情報を取得してもよい。また、取得部220は、例えば、記憶部210に記憶されるユーザ情報を取得してもよい。
【0125】
行動情報生成部230は、例えば、ユーザ情報データベースD211の[ユーザ行動情報]の項目に含まれる各種情報(例えば、来場時間、滞在時間、訪問回数、移動経路および地域通貨の利用状況を示す情報)を生成する。行動情報生成部230は、生成した各種情報を記憶部210に記憶する。
【0126】
識別情報生成部240は、例えば、識別情報を生成する。識別情報生成部240は、例えばユーザ情報データベースD211を参照して、ユーザの位置情報やユーザ情報(ここでは、ウォレットアドレス、ユーザの年齢またはユーザの行動履歴を示す情報)を含む識別情報を生成してもよい。
【0127】
表示処理部250は、例えば、生成した識別情報を表示部に表示させる。表示部に表示される識別情報は、例えば、2次元コード(QRコード(登録商標))や1次元コード(バーコード)である。
【0128】
なお、ユーザ端末200は、識別情報が表示部に表示させるものでない場合、ビーコンや超音波による無線通信によって識別情報をNFT発行装置100または情報連携装置100aに送信する送信部を有していてもよい。
【0129】
===変形例===
<<第1の変形例>>
次に、第1の変形例に係るNFT発行システム10について説明する。なお、以下では、上述したNFT発行システム10の構成と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合は上述したNFT発行システム10と同様であるとする。
【0130】
NFT発行システム10は、例えば、ユーザ端末200の表示部に表示される識別情報(ここでは、識別可能なコードであって、例えば2次元コードや1次元コード)に有効期限を設けてもよい。
【0131】
具体的には、ユーザ端末200は、有効期限を示す情報を含む識別情報を生成する。ここで、有効期限が徒過した場合、ユーザ端末200は、自動的に表示部に表示している識別情報を更新してもよい。
【0132】
NFT発行装置100は、情報連携装置100aを通じて、ユーザの位置情報と有効期限を示す情報とを取得する。
【0133】
判定部130は、ユーザの位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、情報連携装置100aが識別情報を読み取った時刻が有効期限を徒過していない場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0134】
一方、判定部130は、情報連携装置100aが識別情報を読み取った時刻が有効期限を徒過している場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できないことを示す情報を、情報連携装置100aを通じてユーザ端末200に送信してもよい。
【0135】
また、NFT発行システム10は、例えば、上記の識別情報に有効回数を設けてもよい。
【0136】
具体的には、ユーザ端末200は、有効回数を示す情報を含む識別情報を生成する。ここで、有効回数だけ識別情報を使用した場合、ユーザ端末200は、自動的に表示部に表示される識別情報を更新してもよい。
【0137】
NFT発行装置100は、情報連携装置100aを通じて、ユーザの位置情報と有効回数を示す情報とを取得する。
【0138】
判定部130は、ユーザの位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、情報連携装置100aが識別情報を読み取ったこれまでの回数が有効回数に達していない場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0139】
一方、判定部130は、情報連携装置100aが識別情報を読み取ったこれまでの回数が有効回数に達している場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できないことを示す情報を、情報連携装置100aを通じてユーザ端末200に送信してもよい。
【0140】
なお、NFT発行システム10は、識別情報に有効期限および有効回数を設けてもよい。
【0141】
すなわち、NFT発行システム10は、ユーザが所定の範囲内にいたとしても、例えば、有効期限や有効回数の要件が充たされない場合は、NFTの付与コントラクトを実行させない。
【0142】
これにより、NFT発行システム10は、例えば、識別情報が流出して不正にNFTがユーザに発行されることを回避することができる。
【0143】
<<第2の変形例>>
【0144】
次に、第2の変形例に係るNFT発行システム10について説明する。なお、以下では、上述したNFT発行システム10の構成と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合は上述したNFT発行システム10と同様であるとする。
【0145】
第2の変形例に係るNFT発行システム10は、例えば、不動産の所有権やデジタルコンテンツの著作権などと関連づくNFT(以下「分配収益NFT」という。)を、ユーザのウォレットアドレスに付与する。
【0146】
NFT発行システム10は、分配収益NFTを有するユーザに対して、分配収益NFTに関連付けられる不動産や著作権から生じる収益の一部を与える。NFT発行システム10は、例えば、収益の一部を暗号資産でユーザのウォレットアドレスに付与する。
【0147】
不動産やデジタルコンテンツは、例えば対象地域に関連づくものである。
【0148】
暗号資産は、例えば、イーサリアム、地域通貨などである。
【0149】
ここで、判定部130において実行される処理は同様であるものの、付与できると判定されるNFTは分配収益NFTとする。
【0150】
これにより、NFT発行システム10は、対象地域に関連づく不動産やデジタルコンテンツの収益を取得できるインセンティブを、対象地域に訪れたユーザに与えることができるため、対象地域へのユーザの訪問を促すことができる。
【0151】
なお、NFT発行システム10は、ユーザの選択操作に基づき、分配収益NFTが付与されることをユーザが選択した場合、ユーザのウォレットアドレスに分配収益NFTを付与してもよい。すなわち、NFT発行システム10は、ユーザに対して、分配収益NFTが付与されるか、上述した対象地域に関連づくNFTを付与されるかを選択させるための画面を表示部に表示させる表示処理部(不図示)を有していてもよい。
【0152】
これにより、NFT発行システム10は、ユーザの選択肢を増やすことができるため、対象地域へのユーザの訪問をさらに促すことができる。
【0153】
===処理手順===
図5を参照して、NFT発行システム10の処理手順について説明する。
図5は、NFT発行システム10においてNFTをユーザのウォレットアドレスに付与する処理のフローチャートである。以下では、一例として、識別情報を表示部に表示される2次元コードとして説明する。
【0154】
ステップS100において、ユーザ端末200は、ユーザの位置情報を含む2次元コード(識別情報)を表示部に表示する。
【0155】
ステップS101において、情報連携装置100aは、ユーザ端末200の表示部に表示される2次元コードを読み取る。ここで、情報連携装置100aは、NFTを発行し得る範囲に設置される。
【0156】
なお、このとき、ユーザ端末200は、無線通信または有線通信によってユーザ端末200の位置情報を情報連携装置100aに送信してもよい。
【0157】
ステップS102において、NFT発行装置100は、判定部130における判定処理を実行する。NFT発行装置100は、2次元コードに含まれるユーザ端末200の位置情報が示す位置が、NFT発行の要件となる所定の範囲内にある場合、NFTをユーザのウォレットアドレスに発行できると判定する処理である。
【0158】
これにより、NFT発行システム10は、対象地域に訪れるユーザがNFTを付与されるというインセンティブを得られるため、人が対象地域に訪れるきっかけを提供できる。
【0159】
なお、NFT発行装置100は、情報連携装置100aの位置情報を併せて取得してもよい。すなわち、NFT発行装置100は、位置情報が示す位置が所定の範囲内にあり、NFT発行装置100の位置が所定の範囲内にある場合、NFTをユーザのウォレットアドレスに発行できると判定する。
【0160】
これにより、NFT発行システム10は、ユーザが自己の端末の位置情報を偽装し、NFTの付与を受けようとする不正なユーザを排除することができる。
【0161】
また、NFT発行装置100は、位置情報が示す位置が所定の範囲内にあり、ユーザ情報に含まれる各種情報が所定の要件を充たす場合、NFTをユーザのウォレットアドレスに発行できると判定する。ユーザ情報に含まれる各種情報とは、ユーザ行動情報であり、例えば、来場時間情報、滞在時間情報、訪問回数情報、移動経路情報、利用状況情報などである。所定の要件については、判定部130において詳細に記載しているため、その説明を省略する。
【0162】
これにより、NFT発行システム10は、ユーザに対して対象地域における行動によるインセンティブを与えることができるため、地域活性化を図ることができる。
【0163】
ステップS103において、NFT発行装置100は、NFTをユーザのウォレットアドレスに付与できると判定された場合、ブロックチェーン上において、ユーザのウォレットアドレスにNFTを発行するための付与コントラクトを実行させる。
【0164】
ステップS104において、付与コントラクトが実行されると、ブロックチェーン上において、NFTの発行者のウォレットアドレスからユーザのウォレットにNFTが移動される。
【0165】
===第2実施形態に係るNFT発行システム20===
次に、第2実施形態に係るNFT発行システム20について説明する。なお、以下では、NFT発行システム10の構成と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合はNFT発行システム10と同様であるとする。
【0166】
第2実施形態に係るNFT発行システム20は、各対象地域に設置されている情報連携装置100aから出力される識別情報(例えば2次元コード)をユーザ端末200が読み取ることによって、NFTをユーザに付与するシステムである。当該識別情報には、情報連携装置100aの現在の位置を示す位置情報が含まれる。
【0167】
すなわち、NFT発行システム20は、NFT発行システム10と異なり、情報連携装置100aから出力される情報連携装置100aの位置情報を用いてユーザにNFTを付与するシステムである。
【0168】
以下、NFT発行システム20の処理の概要について説明する。
【0169】
情報連携装置100aは、例えば、情報連携装置100aの位置情報を含む識別情報を出力する。情報連携装置100aは、表示部に識別情報を表示させてもよいし、無線通信によって識別情報を出力してもよい。以下、一例として、識別情報は、表示部に表示される識別情報(例えば、2次元コード)であるものとして説明する。
【0170】
ユーザ端末200は、情報連携装置100aの表示部に表示される識別情報を読み取る。
【0171】
NFT発行装置100は、ユーザ端末200から情報連携装置100aの位置情報を取得する。なお、NFT発行装置100は、ユーザ端末200から情報連携装置100aを通じて情報連携装置100aの位置情報を取得してもよい。
【0172】
NFT発行装置100は、情報連携装置100aの位置情報が示す位置が所定の範囲(例えば、所定の施設内を示す範囲)に含まれているか否かを判定する。
【0173】
NFT発行装置100は、情報連携装置100aの現在の位置が所定の範囲に含まれる場合、ブロックチェーンBN上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与する付与コントラクトを実行させる。
【0174】
このように、NFT発行システム20は、情報連携装置100aが設置されている位置にユーザ端末200が存する場合にユーザにNFTを付与する。すなわち、実際に対象地域(例えば、イベントや観光スポット)を訪れていないユーザにはNFTを発行しない。
【0175】
これにより、対象地域に設置されている情報連携装置100aの情報を読み取ったことをもってNFTを付与できるため、より簡易な構成で、対象地域に紐づくNFTを付与する事ができる。
【0176】
<<NFT発行装置100>>
次に、NFT発行システム20のNFT発行装置100について説明する。
【0177】
取得部110は、一定の範囲で取得可能に情報連携装置100aから出力される、情報連携装置100aの位置を示す位置情報(以下、「装置位置情報」という。)を取得するユーザ端末200を介して、装置位置情報を取得する。
【0178】
装置位置情報は、情報連携装置100aのGPS(Global Positioning System)によって得られる情報であってもよいし、ビーコンを用いて得られる情報であってもよいし、NFT発行装置100の記憶部120に記憶されている情報であってもよい。
【0179】
具体的には、取得部110は、例えば、情報連携装置100aから出力される識別情報に含まれる装置位置情報を、ユーザ端末200から取得してもよい。また、取得部110は、例えば、ユーザ端末200から出力される装置位置情報を、情報連携装置100aを通じて取得してもよい。
【0180】
また、取得部110は、ユーザ端末200を介して、装置位置情報と、ユーザ端末200の現在の位置を示す位置情報(以下、「ユーザ位置情報」という。)とを取得してもよい。
【0181】
判定部130は、装置位置情報が示す情報連携装置100aの位置が所定の範囲に含まれる場合、ユーザにNFTを付与可能と判定してもよい。
【0182】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がA施設内として設定している場合、情報連携装置100aの装置位置情報(識別情報に含まれる情報)が示す位置が、A施設内を示す位置に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0183】
これにより、NFT発行システム20は、対象地域に訪れたユーザにNFTを付与するというインセンティブを与えることができるため、対象地域への訪問を促進することができる。また、NFT発行システム20は、例えば、情報連携装置100aが不正に移動され、その移動先で識別情報を情報連携装置100aに読み取らせるような不正を防ぐことができるため、対象地域に紐づいたNFTがユーザに不正に付与されるリスクを防止できる。
【0184】
判定部130は、装置位置情報が示す情報連携装置100aの位置と、ユーザ位置情報が示すユーザ端末200の位置とが所定の範囲に含まれる場合、ユーザにNFTを付与可能と判定してもよい。
【0185】
具体的には、判定部130は、例えば、NFTデータベースD122に所定の範囲がA施設内として設定している場合、情報連携装置100aの装置位置情報が示す位置およびユーザ端末200のユーザ位置情報が示す位置が、A施設内を示す位置に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。
【0186】
これにより、NFT発行システム20は、例えば、不正な手段によって遠隔地から識別情報をユーザ端末200が読み取るような不正を排除できる。
【0187】
===処理手順===
図6を参照して、NFT発行システム20の処理手順について説明する。
図6は、NFT発行システム20においてNFTをユーザのウォレットアドレスに付与する処理のフローチャートである。以下では、一例として、表示部に表示される識別情報が2次元コードであるとして説明する。
【0188】
ステップS200において、情報連携装置100aは、装置位置情報を含む2次元コード(識別情報)を表示部に表示する。
【0189】
ステップS201において、ユーザ端末200は、情報連携装置100aの表示部に表示される2次元コードを読み取る。
【0190】
なお、このとき、ユーザ端末200は、無線通信または有線通信によって情報連携装置100aから装置位置情報を取得してもよい。
【0191】
ステップS202において、ユーザ端末200は、表示部に表示されるユーザ情報を入力するための画面に対して、ユーザの操作入力を受け付けて、ユーザ情報を取得してもよい。ユーザ情報には、ユーザを識別可能な識別情報、ユーザのウォレットアドレスが含まれていてもよい。ユーザ端末200は、ユーザ情報および装置位置情報をNFT発行装置100に送信する。このとき、ユーザ端末200は、ユーザ情報および装置位置情報を、情報連携装置100aを介してNFT発行装置100に送信してもよい。
【0192】
なお、ステップS202において、ユーザ端末200は、情報連携装置100aから識別情報を取得した場合、記憶部210に記憶されているユーザ情報を自動的にNFT発行装置100に送信してもよい。
【0193】
ステップS203において、NFT発行装置100は、判定部130における判定処理を実行する。NFT発行装置100は、2次元コードに含まれる情報連携装置100aの装置位置情報が示す位置が、NFT発行の要件となる所定の範囲内にある場合、NFTをユーザのウォレットアドレスに付与可能と判定する処理である。
【0194】
これにより、NFT発行システム10は、対象地域に訪れるユーザがNFTを付与されるというインセンティブを得られるため、人が対象地域に訪れるきっかけを提供できる。
【0195】
なお、NFT発行装置100は、ユーザ端末200のユーザ位置情報を併せて取得してもよい。すなわち、NFT発行装置100は、装置位置情報が示す位置およびユーザ位置情報が示す位置が所定の範囲内にある場合、NFTをユーザのウォレットアドレスに発行可能と判定してもよい。
【0196】
これにより、NFT発行システム20は、例えば、不正な手段によって遠隔地から識別情報をユーザ端末200が読み取るような不正を排除できる。
【0197】
ステップS204において、NFT発行装置100は、NFTをユーザのウォレットアドレスに付与できると判定された場合、ブロックチェーン上において、ユーザのウォレットアドレスにNFTを発行するための付与コントラクトを実行させる。
【0198】
ステップS205において、付与コントラクトが実行されると、ブロックチェーン上において、NFTの発行者のウォレットアドレスからユーザのウォレットにNFTが移動される。
【0199】
===ハードウェア構成===
図7を参照して、NFT発行装置100、ユーザ端末200をコンピュータ1000により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。なお、NFT発行装置100、ユーザ端末200の各種機能は、複数台の装置に分けて実現できる。
【0200】
図7は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図7に示すように、コンピュータ1000は、例えば、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006および表示部1007を含む。
【0201】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0202】
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0203】
記憶装置1003は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0204】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続されてもよい。
【0205】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0206】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0207】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられてもよい。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0208】
===まとめ===
第1実施形態におけるNFT発行システム10は、NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末200の位置を示す第1位置情報を取得する情報連携装置100aを介して、第1位置情報を取得する取得部110と、第1位置情報が示すユーザ端末200の位置が所定の範囲に含まれる場合、ユーザにNFTを付与可能と判定する判定部130と、判定部130においてNFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーンBN上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与するNFT付与部140と、を備える。これにより、NFT発行装置100は、対象地域に訪れたユーザにインセンティブを与えることができるため、対象地域への訪問を促進することができる。また、例えば、ユーザ端末200が遠隔地から識別情報を情報連携装置100aに読み取らせる不正(テレビ通話を介して読み取りする行為など)によりNFTを取得するユーザを排除できる。
【0209】
また、NFT発行システム10の取得部110は、情報連携装置100aの位置を示す第2位置情報を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置および第2位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれる場合、NFTを付与できると判定する。これにより、NFT発行システム10は、ユーザ端末200の位置に加えて、情報連携装置100aの位置をNFTを付与する要件としているため、例えば、ユーザ端末200が位置情報を偽装することによって、遠隔地から識別情報を情報連携装置100aに読み取らせるような不正を排除できる。また、例えば、情報連携装置100aが不正に移動され、その移動先で識別情報を情報連携装置100aに読み取らせるような不正を防ぐことができるため、対象地域に紐づいたNFTがユーザに不正に付与されるリスクを防止できる。
【0210】
また、NFT発行システム10の判定部130は、所定の範囲を示す範囲情報を含むNFTに基づいて、第1位置情報が示す位置が、範囲情報が示す所定の範囲に含まれる場合、NFTを付与できると判定する。これにより、NFT発行システム10は、改ざん耐性の高いNFTが持つ位置情報を用いて、NFTを発行するか否かを判定するため、位置情報の偽装によるNFTの不正な取得を防止できる。
【0211】
また、NFT発行システム10の取得部110は、ユーザのウォレットアドレスをさらに含む識別情報をユーザ端末200から取得する情報連携装置100aから、第1位置情報と、ユーザのウォレットアドレスと、を取得し、NFT付与部140は、判定部130においてNFTを付与できると判定された場合、取得部110で取得されたユーザのウォレットアドレスにNFTを付与する。これにより、NFT発行装置100は、データベースにウォレットアドレスに関する情報を記憶していなくてもNFTの付与を行うことができ、簡易なシステム構成によってNFTを付与する仕組みを提供できる。
【0212】
また、NFT発行システム10の取得部110は、ユーザの属性を示す属性情報を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、属性情報が示すユーザの属性が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。これにより、NFT発行システム10は、NFTを付与する要件として、位置情報だけでなく、ユーザの属性情報(年齢、所属の情報を含む)を加えるため、付与されるNFTの希少性を高めることができる。
【0213】
また、NFT発行システム10の取得部110は、ユーザの年齢を示す年齢情報を含むユーザ情報を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、年齢情報が示すユーザの年齢が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。これにより、NFT発行システム10は、NFTを付与する要件として、位置情報だけでなく、ユーザの属性情報(年齢、属性の情報を含む)を加えるため、付与されるNFTの希少性を高めることができる。
【0214】
また、NFT発行システム10の取得部110は、ユーザの年齢を示す年齢情報を含むユーザ情報を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、年齢情報が示すユーザの年齢が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与すると判定し、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、年齢情報が示すユーザの年齢が所定の要件を充たさない場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与すると判定し、NFT付与部140は、判定部130において、第1のNFTを付与すると判定された場合、ブロックチェーン上でユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与し、判定部130において、第2のNFTを付与すると判定された場合、ブロックチェーンBN上でユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与する。これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、ユーザの年齢に応じたNFTを提供できるため、年月が経過した後に対象地域に訪れるインセンティブを付与できる。
【0215】
また、NFT発行システム10の取得部110は、所定のデータベースから、第1位置情報を取得した来場時間(時間)を示す来場時間情報(時間情報)を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、来場時間情報(時間情報)が示す来場時間(時間)が所定の期間に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与可能と判定する。これにより、NFT発行システム10は、ユーザの行動に関する要件を設けることに因って、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、対象地域での行動を促すことができる。
【0216】
また、NFT発行システム10の取得部110は、所定のデータベースから、第1位置情報を取得した来場時間(時間)を示す来場時間情報(時間情報)を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、来場時間情報(時間情報)が第1の期間に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与可能と判定し、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、来場時間情報(時間情報)が第2の期間に含まれる場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与可能と判定する。これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、ユーザの行動の履歴に応じた、何らかのNFTが付与されるというインセンティブを提供できる。そのため、ユーザの対象地域での行動をより促すことができる。
【0217】
また、NFT発行システム10の取得部110は、ユーザの行動に関するユーザ行動情報を記憶するユーザ情報データベースD121から、ユーザの第1位置情報が所定の範囲に含まれている時間である滞在時間を示す滞在時間情報と、ユーザの所定の範囲への現在までの訪問回数を示す訪問回数情報と、ユーザが所定の範囲に到達するまでの移動経路を示す移動経路情報と、ユーザの所定の範囲を含む地域で発行された地域通貨の現在までの利用状況を示す利用状況情報と、のうちの少なくともいずれかを取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、滞在時間と、訪問回数と、移動経路と、利用状況と、のうちの少なくともいずれかが所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。これにより、NFT発行システム10は、ユーザの行動に関する要件を設けることに因って、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、対象地域での行動を促すことができる。
【0218】
また、NFT発行システム10の取得部110は、ユーザの行動に関するユーザ行動情報を記憶するユーザ情報データベースD121から、ユーザの前記第1位置情報が所定の範囲に含まれている滞在時間を示す滞在時間情報と、ユーザの所定の範囲への現在までの訪問回数を示す訪問回数情報と、ユーザが所定の範囲に到達するまでの移動経路を示す移動経路情報と、ユーザの所定の範囲を含む地域で発行された地域通貨の現在までの利用状況を示す利用状況情報と、のうちの少なくともいずれかを取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、滞在時間、訪問回数、移動経路または利用状況が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与すると判定し、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、滞在時間、訪問回数、移動経路または利用状況が所定の要件を充たさない場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与すると判定する。これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、ユーザの行動の履歴に応じた、何らかのNFTが付与されるというインセンティブを提供できる。そのため、ユーザの対象地域での行動をより促すことができる。
【0219】
また、NFT発行システム10の取得部110は、天気に関する情報を記憶するデータベースから、現在の天気の状態を示す天候情報を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、現在の天気の状態が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスにNFTを付与できると判定する。これにより、NFT発行システム10は、NFT付与の要件として、位置情報だけでなく、天気の情報を含めるため、天候によって対象地域への訪問者数が増減する状況を改善できる。
【0220】
また、NFT発行システム10の取得部110は、天気に関する情報を記憶するデータベースから、現在の天気の状態を示す天候情報を取得し、判定部130は、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、現在の天気の状態が所定の要件を充たす場合、ユーザのウォレットアドレスに第1のNFTを付与すると判定し、第1位置情報が示す位置が所定の範囲に含まれ、かつ、現在の天気の状態が所定の要件を充たさない場合、ユーザのウォレットアドレスに第2のNFTを付与すると判定する。これにより、NFT発行システム10は、対象地域を実際に訪れたユーザに対し、現在の天候に応じたNFTを提供することができるため、何らかのNFTが付与されるというインセンティブをユーザが享受できる。そのため、対象地域への来訪をより促すことができる。
【0221】
また、NFT発行システム20は、NFTの取得を所望するユーザのユーザ端末200であって、一定の範囲で取得可能に所定の装置から出力される、所定の装置の位置を示す情報連携装置100aの位置情報を取得するユーザ端末を介して、装置位置情報を取得する取得部110と、装置位置情報が示す所定の装置の位置が所定の範囲に含まれる場合、ユーザにNFTを付与可能と判定する判定部130と、判定部130においてNFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーン上で前記ユーザのウォレットアドレスに前記NFTを付与するNFT付与部140と、を含む。これにより、NFT発行システム20は、対象地域に訪れたユーザにNFTを付与するというインセンティブを与えることができるため、対象地域への訪問を促進することができる。また、例えば、情報連携装置100aが不正に移動され、その移動先で識別情報を情報連携装置100aに読み取らせるような不正を防ぐことができるため、対象地域に紐づいたNFTがユーザに不正に付与されるリスクを防止できる。
【0222】
また、NFT発行システム20において、取得部110は、情報連携装置100aの位置を示す装置位置情報を取得し、装置位置情報が示す情報連携装置100aの位置が所定の範囲に含まれる場合、ユーザにNFTを付与可能と判例する判定部130と、NFT付与部140は、判定部130においてNFTを付与可能と判定された場合、ブロックチェーンBN上でユーザのウォレットアドレスにNFTを付与する。これにより、NFT発行システム20は、例えば、不正な手段によって遠隔地から識別情報をユーザ端末200が読み取るような不正を排除できる。
【0223】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素ならびにその配置、材料、条件、形状およびサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換しまたは組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0224】
10,20…NFT発行システム、100…NFT発行装置、110…取得部、120…記憶部、130…判定部、140…NFT付与部、200…ユーザ端末。