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特許7617666制御方法、それに用いられるコンピュータプログラム、及び連携システム、並びにその連携システムに組み込まれるサービスシステム、それに用いられる制御方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】制御方法、それに用いられるコンピュータプログラム、及び連携システム、並びにその連携システムに組み込まれるサービスシステム、それに用いられる制御方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/30 20120101AFI20250110BHJP
   G06Q 20/16 20120101ALI20250110BHJP
【FI】
G06Q20/30
G06Q20/16
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023210958
(22)【出願日】2023-12-14
【審査請求日】2024-07-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】北野 豊文
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-087263(JP,A)
【文献】特開2021-069705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムに組み込まれるコンピュータに、
所定の認証の成功後に前記サービスシステム及び前記決済システムにおいて共用されるように発行される識別情報を介して前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための関係として前記所定の認証の成功後の状態を維持する連携関係を成立させる第1関係設定手順と、
前記連携関係が成立している状況において当該連携関係を所定の解除条件が満たされるまで維持することにより前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手順と、
を実行させる、制御方法。
【請求項2】
前記決済システムは、ユーザ端末装置を介して前記所定のサービスの対価を決済するように構成され、
前記サービスシステムには、前記連携関係の成立に用いられる情報に含まれる前記所定のサービスに関する所定の情報を前記ユーザ端末装置に提供するための情報提供手段が設けられ、
前記第1関係設定手順は、前記ユーザ端末装置を介して前記所定の情報を取得する、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記サービスシステムは、サービス端末を介して前記所定のサービスを提供するように構成され、
前記情報提供手段として、前記サービス端末が機能する、請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記サービス端末には、前記所定の情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコードが設けられ、
前記ユーザ端末装置には、前記コードを読み取るためのリーダが設けられ、前記コードを介して前記所定の情報が提供される、請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記サービス端末には、前記所定の情報を近距離無線通信にて送信するための送信機能が設けられ、
前記ユーザ端末装置には、前記近距離無線通信の受信機能が設けられ、前記近距離無線通信を介して前記所定の情報が提供される、請求項3に記載の制御方法。
【請求項6】
前記サービスシステムは、サービス端末を介して前記所定のサービスを、補助サービス端末を介して前記所定のサービスを補助する補助サービスを、それぞれ提供するように構成され、
前記補助サービス端末は、前記補助サービスを前記サービス端末と連携して提供するように前記サービス端末から当該サービス端末に関するサービス情報を取得するとともに、前記所定の情報を前記ユーザ端末装置に提供することにより前記情報提供手段として機能し、
前記対価決済手順は、前記サービス情報に基づいて前記補助サービス端末と前記サービス端末とが連携された後に、前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる、請求項2に記載の制御方法。
【請求項7】
前記サービスシステムは、複数のサービス端末を介して複数のサービスをそれぞれ前記所定のサービスとして提供するように構成され、
前記補助サービス端末は、各サービス端末の前記サービス情報に基づいて前記複数のサービス端末と連携され、
前記対価決済手順は、前記連携関係が成立している状況において前記複数のサービス端末がそれぞれ提供する複数のサービスの対価の決済が要求された場合に当該複数のサービスの対価をそれぞれ前記決済システムに決済させる、請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記ユーザ端末装置には、前記所定のサービスの対価を決済するための決済機能と、前記補助サービスを提供するための補助サービス機能とが設けられ、
前記補助サービス端末として、前記補助サービス機能を利用した前記ユーザ端末装置が利用される、請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記サービス端末には、前記サービス情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコードが設けられ、
前記ユーザ端末装置には、前記コードを読み取るためのリーダが設けられ、
前記補助サービス機能は、前記リーダを介して前記コードから読み取った前記サービス情報に基づいて前記サービス端末と連携するように構成される、請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記サービス端末には、前記サービス情報を近距離無線通信にて送信するための送信機能が設けられ、
前記ユーザ端末装置には、前記近距離無線通信の受信機能が設けられ、
前記補助サービス機能は、前記近距離無線通信を介して受信された前記サービス情報に基づいて前記サービス端末と連携するように構成される、請求項8に記載の制御方法。
【請求項11】
前記補助サービス機能は、前記サービス情報を取得した後に所定の呼び出し指示に基づいて前記決済機能を呼び出すように構成される、請求項8~10のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項12】
前記サービスシステムは、前記所定のサービスとしてゲームを提供する、請求項1~10のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項13】
前記連携システムとして、前記決済システムが機能する、請求項1~10のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項14】
前記サービスシステムは、前記複数回の決済を要求する場合において少なくとも二回目以降の決済において当該二回目以降の決済を承認するか否かユーザに確認する機会を省略するように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項15】
前記コンピュータに、前記サービスシステムのユーザによって前記連携関係を解除するための指示が実行された場合、及び前記連携関係の成立から所定時間経過した場合の少なくともいずれか一方の場合において前記決済システムに前記連携関係を解除させる連携解除手順を更に実行させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項16】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムに組み込まれるコンピュータを、
所定の認証の成功後に前記サービスシステム及び前記決済システムにおいて共用されるように発行される識別情報を介して前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための関係として前記所定の認証の成功後の状態を維持する連携関係を成立させる第1関係設定手段、及び
前記連携関係が成立している状況において当該連携関係を所定の解除条件が満たされるまで維持することにより前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手段として機能させるように構成された、コンピュータプログラム。
【請求項17】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムであって、
所定の認証の成功後に前記サービスシステム及び前記決済システムにおいて共用されるように発行される識別情報を介して前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための関係として前記所定の認証の成功後の状態を維持する連携関係を成立させる第1関係設定手段と、
前記連携関係が成立している状況において当該連携関係を所定の解除条件が満たされるまで維持することにより前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手段と、
を備える、連携システム。
【請求項18】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムにおいて前記サービスシステムに組み込まれるコンピュータに、
所定の認証の成功後に前記サービスシステム及び前記決済システムにおいて共用されるように発行される識別情報を介して前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための関係として前記所定の認証の成功後の状態を維持する連携関係を成立させる第2関係設定手順と、
前記連携関係が成立している状況において当該連携関係を所定の解除条件が満たされるまで維持することによりユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手順と、
を実行させる、制御方法。
【請求項19】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムにおいて前記サービスシステムに組み込まれるコンピュータを、
所定の認証の成功後に前記サービスシステム及び前記決済システムにおいて共用されるように発行される識別情報を介して前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための関係として前記所定の認証の成功後の状態を維持する連携関係を成立させる第2関係設定手段、及び
前記連携関係が成立している状況において当該連携関係を所定の解除条件が満たされるまで維持することによりユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手段として機能させるように構成された、コンピュータプログラム。
【請求項20】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムの前記サービスシステムであって、
所定の認証の成功後に前記サービスシステム及び前記決済システムにおいて共用されるように発行される識別情報を介して前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための関係として前記所定の認証の成功後の状態を維持する連携関係を成立させる第2関係設定手段と、
前記連携関係が成立している状況において当該連携関係を所定の解除条件が満たされるまで維持することによりユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手段と、
を備える、サービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、そのサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムに組み込まれるコンピュータに適用される制御方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、そのサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5496398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムを含む決済分野では、連続的な複数の決済に対するニーズがある。例えば、いわゆるクレーンゲームのようなプライズゲームでは、一度のプレイにて獲得を目指す景品の位置を変え、二度目、三度目のプレイにて実際の獲得を図るといった戦略が用いられる場合がある。戦略でなくとも、先のプレイでの感触を踏まえて二度目、三度目のプレイに挑むといった具合に連続的にプレイされる場合も多い。このため、プライズゲームのプレイに対する対価が決済される場合、連続的な複数の決済に対するニーズは特に高い。
【0005】
そこで、本発明は、複数回の決済に対するユーザの手間暇を低減することができる制御方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の制御方法は、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムに組み込まれるコンピュータに、前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第1関係設定手順と、前記連携関係が成立している状況において前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手順と、を実行させる、ものである。
【0007】
本発明のコンピュータプログラムは、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムに組み込まれるコンピュータを、前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第1関係設定手段、及び前記連携関係が成立している状況において前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手段として機能させるように構成された、ものである。
【0008】
本発明の連携システムは、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムであって、前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第1関係設定手段と、前記連携関係が成立している状況において前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手段と、を備える、ものである。
【0009】
一方、本発明のサービスシステムに適用される制御方法は、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムにおいて前記サービスシステムに組み込まれるコンピュータに、前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第2関係設定手順と、前記連携関係が成立している状況においてユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手順と、を実行させる、ものである。
【0010】
また、本発明のサービスシステムに適用されるコンピュータプログラムは、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムにおいて前記サービスシステムに組み込まれるコンピュータを、前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第2関係設定手段、及び前記連携関係が成立している状況においてユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手段として機能させるように構成された、ものである。
【0011】
さらに、本発明のサービスシステムは、所定のサービスを提供するためのサービスシステムを、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システムと連携させるための連携システムの前記サービスシステムであって、前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第2関係設定手段と、前記連携関係が成立している状況においてユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手段と、を備える、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一形態に係る連携システムが組み込まれたネットワークシステムの構成の一例を示す図。
図2】第1の連携形態における連携の手順の概要を説明するための説明図。
図3】対象特定処理の手順の一例を示すフローチャート。
図4】認証準備処理の手順の一例を示すフローチャート。
図5】認証処理の手順の一例を示すフローチャート。
図6】第1連携決済処理の手順の一例を示すフローチャート。
図7】連携解除処理の手順の一例を示すフローチャート。
図8】第2の連携形態における連携の手順の概要を説明するための説明図。
図9】ペアリング処理の手順の一例を示すフローチャート。
図10】アプリ連携処理の手順の一例を示すフローチャート。
図11】第2連携決済処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(連携システムの概要)
図1を参照して本発明の一形態に係る連携システムの概要を説明する。図1は、本発明の一形態に係る連携システムが組み込まれたネットワークシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本形態では、サービスシステムの一例としてのアーケードシステム1と、決済システム2との連携に連携システムが適用される場合を示している。また、連携システムは、アーケードシステム1がユーザに直接的に提供するサービスの対価を決済システム2に決済させるように適用されてもよいが、図1の例ではアーケードシステム1がサービス端末11を介して間接的に提供するサービスの対価を決済システムに決済させるように適用される場合が示されている。この場合、各種サービス端末11を介して提供されるサービスの少なくとも一つの対価が決済されるように、アーケードシステム1が決済システム2に連携される。
【0014】
具体的には、アーケードシステム1は、アーケードサーバ10と、そのアーケードサーバ10にクライアント装置として接続されるサービス端末11と、を備えたクライアント・サーバシステムとして構成されている。アーケードサーバ10は、単一の物理的なサーバ装置によって構成されてもよいし、複数の物理的なサーバ装置を組み合わせた論理的なサーバとして構成されてもよい。さらに、アーケードサーバ10は、インターネット等のWANに接続された複数のサーバ装置を組み合わせたクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0015】
サービス端末11は各種のサービスを提供する適宜の端末を含み得るが、図1の例ではゲーム機12と、自動販売機13と、ユーザ端末装置15とを含んでいる。ゲーム機12は適宜に構成されてよく、例えばいわゆるモバイルゲームを提供するユーザ端末装置等の各種のゲーム装置を適宜に含み得るが、図1の例ではユーザによる所定の料金の支払いと引き換えに、ゲームと関連付けられた各種のサービスをそのユーザに提供する業務用ゲーム機として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機12が提供する所定のサービスは、少なくともゲームをプレイさせるサービスを含む。ゲームをプレイさせるサービスに加えて、ゲームで利用するアイテム等の各種コンテンツを有償で販売するサービス等がゲーム機12にて適宜に提供されてよい。
【0016】
ゲーム機12にてプレイされるゲームの種類等は特に制限されない。各種のゲームがゲーム機12にてプレイ可能であってよいが、図1の例ではゲーム機12はプライズゲーム(景品獲得ゲーム)を提供するプライズゲーム機として構成されている。プライズゲームは、入力装置を介してユーザが操作対象を操作して遊技体の状態を所定の状態にすると景品が付与されるタイプのゲームである。操作対象は適宜に構成され得るが、図1の例では物理的な遊技体を捕獲(取得)するための装置の一種であるクレーンユニットとして構成されている。クレーンユニットは、遊技体を挟むための複数のアーム(多くの場合2つ)を有し、このアームで挟むことによって遊技体を掴む(捕獲する)ように構成される。そして、遊技体がクレーンユニットによって捕獲され、外部に遊技体を排出するための排出口につながる開口まで運搬されると(所定の状態になると)景品がユーザに付与される。この種のプライズゲームは、クレーンゲームと呼ばれる場合も多い。
【0017】
自動販売機13は、飲料等の各種の商品を有償で販売する装置である。自動販売機13では、一例として各種商品の販売が所定のサービスとして提供される。ユーザ端末装置15は、ユーザの個人的用途に供される汎用の情報通信端末である。例えば、スマートフォン、タブレット、PC等がユーザ端末装置15として適宜に用いられてよい。ユーザ端末装置15は例えばゲームで利用するアイテム等の各種コンテンツの購入といった適宜の所定のサービスとして提供してよい。あるいは、ユーザ端末装置15は、サービス端末11ではなく単にゲーム関連サービスを提供する補助的な端末として機能してもよい。
【0018】
アーケードシステム1では、アーケードサーバ10と、ゲーム機12、自動販売機13、及びユーザ端末装置15とが適宜に協働することにより、ユーザに対して各種のクライアント用サービスが提供される。例えば、自動販売機13に関しては、ユーザの購入実績をアーケードサーバ10が取得し、得られた実績に応じたポイントをユーザに付与するといったサービスが提供されてよい。同様に、ゲーム機12に関しては、実績に応じたポイント等のユーザのプレイデータをアーケードサーバ10上に保存し、保存されたプレイデータをゲーム機12に提供するサービス等が提供されてよい。ポイントを含むプレイデータの管理は、ユーザ端末装置15を介して実行されてもよい。換言すれば、ユーザ端末装置15が各ユーザを識別するためのIDとして機能し、ユーザ端末装置15とアーケードサーバ10との間でプレイデータの送受信が実行されてもよい。つまり、ユーザ端末装置15には、このようなゲーム機12のプレイデータを管理するゲーム関連サービスが提供されてよい。ゲーム関連サービスは、ゲームに関連するコンテンツ等をユーザに販売するといったサービスを含んでいてもよい。
【0019】
アーケードサーバ10には、そのコンピュータハードウエアと、所定のサーバプログラムPG1との組み合わせによって実現される論理的装置として、認証処理部101、サービス処理部102、及び決済連携部103が設けられる。これらの装置以外にも各種の論理的装置がアーケードサーバ10に適宜に設けられるが、それらの図示は省略した。
【0020】
認証処理部101は、アーケードシステム1を利用するユーザを認証するために必要な各種の処理を担当する。認証処理部101におけるユーザの認証は、ユーザIDと、ユーザのみが知るパスワード等の暗証情報とを用いて行われる。ユーザIDは、アーケードシステム1にてユーザを識別するための識別情報の一例であって、アーケードシステム1にて固有的に通用するものである。
【0021】
サービス処理部102は、認証されたユーザに対してサービス端末11と協働して各種のサービスを提供するために必要な処理を担当する。例えば、ゲーム機12にてゲームをプレイさせるために必要な各種のコンテンツをゲーム機12に提供するサービス、ユーザのプレイデータを保存又は提供するサービス、ゲーム関連サービス等がサービス処理部102の処理によって実現される。
【0022】
決済連携部103は、サービス端末11が提供する各種サービスの対価を決済システム2に決済させるために必要な処理を担当する。例えば、ゲーム機12のプレイの対価、自動販売機13で商品を購入するための対価、或いはユーザ端末装置15を介してゲームに関連するコンテンツを購入するための対価を決済システムに決済させるための処理が決済連携部103によって実現される。また、決済連携部103が担当する処理には、例えば決済システムに決済させる決済対象のサービス(自動販売機13が提供する商品、或いはゲーム機12が提供するゲームのプレイ等)を特定したり、サービス端末11をユーザ端末装置15と連携させたりする処理も含まれる。
【0023】
認証処理部101、サービス処理部102及び決済連携部103は、同一の物理的なサーバ装置上に設けられることを必ずしも要しない。上述したように、アーケードサーバ10は複数の物理的なサーバ装置を組み合わせた論理的なサーバとして構成されてもよい。したがって、認証処理部101、サービス処理部102及び決済連携部103は互いに異なる物理的なサーバ装置によって実現されてもよい。さらに、認証処理部101、サービス処理部102、あるいは決済連携部103は、処理の種類に応じて複数の物理的なサーバ装置にさらに区分して設けられてよい。要するに、認証処理部101、サービス処理部102及び決済連携部103のそれぞれは、単一の又は複数の物理的なサーバ装置のコンピュータハードウエアと、ソフトウエアとしてのサーバプログラムPG1との組み合わせによって実現される論理的な装置として構成されていればよい。
【0024】
アーケードシステム1には、アーケードサーバ10にて参照されるべきデータベースとして、ユーザデータベースDB11、コンテンツデータベースDB12、筐体管理データベースDB13、及び連携管理データベースDB14が設けられている。ユーザデータベースDB11は、ユーザに関連する各種のデータをユーザIDと関連付けて格納したデータベースである。例えばユーザの個人情報等の属性を記録したユーザデータ、ユーザのゲームのプレイを記録したプレイデータ等がユーザデータベースDB11に記録されてよい。
【0025】
コンテンツデータベースDB12は、ゲームにて提供される各種のコンテンツを格納したデータベースである。筐体管理データベースDB13は、アーケードシステム1に接続される各サービス端末11の情報を格納したデータベースである。例えば、各サービス端末11が提供するサービスの情報、所在地(例えば店舗等の施設、或いは住所等)の情報、或いはネットワーク上のアドレスの情報といった情報を、各サービス端末11を識別する筐体IDと関連付けて記録した筐体データ等が筐体管理データベースDB13に記録されてよい。
【0026】
連携管理データベースDB14は、決済システム2との連携に必要なデータを格納したデータベースである。連携管理データベースDB14に記録されるデータの例は連携の手順の概要において後述する。
【0027】
一方、決済システム2は、アーケードシステム1と同様に、決済サーバ20と、そのクライアント装置としてのユーザ端末装置23とを備えたクライアント・サーバシステムとして構成されている。決済サーバ20は、単一の物理的なサーバ装置によって構成されてもよいし、複数の物理的なサーバ装置を組み合わせた論理的なサーバとして構成されてもよい。さらに、決済サーバ20は、インターネット等のWAN上の複数のサーバ装置を組み合わせたクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0028】
クライアント装置として各種のコンピュータ装置が適宜に利用され得るが、図1の例ではユーザ端末装置23が示されている。ユーザ端末装置23は、ユーザ端末装置15と同様にユーザの個人的用途に供される汎用の情報通信端末である。例えば、スマートフォン、タブレット、PC等がユーザ端末装置23として適宜に用いられてよい。図1の例では、ユーザ端末装置23はスマートフォンとして構成され、マイクロプロセッサ、及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータユニットとして構成された制御ユニット23U、及び制御ユニット23Uを各種論理装置として機能させるためのプログラムPG3を含んでいる。プログラムPG3はユーザ端末装置23に各種機能を発揮させるための適宜のアプリケーション(以下、アプリと呼ぶ場合がある)を含む。ユーザ端末装置23には制御ユニット23Uに接続される各種の入力装置、若しくは出力装置が設けられ得るが、図1の例ではタッチパネルTP、通信装置CU、モニタMO、及びカメラCAが示されている。タッチパネルTP、通信装置CU、モニタMO、及びカメラCAのそれぞれは、スマートフォン等の情報通信端末に設けられた汎用的なハードウエアである。通信装置CUは適宜の近距離無線通信規格に準じた送受信機能を含んでいてよい。
【0029】
ユーザ端末装置23は、アーケードシステム1にて利用されるユーザ端末装置15とは異なるクライアント装置であることを要しない。同一の情報通信端末装置がアーケードシステム1及び決済システム2のそれぞれでユーザ端末装置15、23として利用されてよい。ユーザ端末装置15、23は、各種のアプリを通じて各種の機能を発揮する。以下、一例として、同一の情報通信端末装置においてアーケードシステム1のためのアプリ(以下、サービス系アプリと呼ぶ場合がある)に基づく機能を発揮する場合がユーザ端末装置15として、決済システム2を利用した決済を実行するためのアプリ(以下、決済アプリと呼ぶ場合がある)に基づく機能を発揮する場合がユーザ端末装置23として、それぞれ機能する場合について説明する。
【0030】
決済サーバ20には、そのコンピュータハードウエアと、所定のサーバプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的装置として、認証処理部201、及び決済処理部202が設けられる。これらの装置以外にも各種の論理的装置が決済サーバ20に適宜に設けられるが、それらの図示は省略した。
【0031】
認証処理部201は、決済システム2を利用するユーザを認証するために必要な各種の処理を担当する。認証処理部201におけるユーザの認証は、ユーザIDと、ユーザのみが知るパスワード等の暗証情報とを用いて行われる。ユーザIDは、決済システム2にてユーザを識別するための識別情報の一例であって、決済システム2にて固有的に通用するものである。アーケードシステム1におけるユーザIDと決済システム2におけるユーザIDとは、同一ユーザに対応付けられたものであっても互いに異なる。両システム1、2におけるユーザID間に共通性、あるいは互換性はない。なお、アーケードシステム1及び決済システム2は共通の運営者によって運営されてもよいが、以下では一例として異なる運営者によって運営される場合、換言すれば互いに独立したシステム(サービス端末11等に独自のサービスを提供するシステム)として構築されたアーケードシステム1及び決済システム2が連携される場合について説明する。
【0032】
決済処理部202は、ユーザの電子通貨の口座を管理し、ユーザ端末装置23からの求めに応じて電子通貨を消費させたり増加させたりする処理を担当する。電子通貨には各種の通貨が含まれてよく、例えば電子マネー(前払いタイプ)、或いはビットコインに代表される各種暗号(仮想)通貨(ブロックチェーン技術にて管理される通貨)等の各種電子価値が含まれる。電子通貨の代わりに各種ポイント等の適宜の電子的価値が口座にて管理されてもよい。また、決済(電子通貨への交換を含む)は、クレジットカード、デビッドカード、或いは後払いタイプの電子マネーにて実行されてもよい。クレジットカード等による決済を含む各種決済は、決済システム2を運営する運営者(事業者)とは異なる外部事業者が提供する決済サービスを利用して実行されるように構成されてよい。このため、決済処理部202が担当する処理には、各種決済を実行するために必要な処理が含まれる場合がある。決済処理部202は、アーケードシステム1の決済連携部103、及びユーザ端末装置23と適宜に連携して、サービス端末11が提供するサービスの対価を決済するための処理も担当する。
【0033】
決済システム2においても、認証処理部201、及び決済処理部202は、同一の物理的なサーバ装置上に設けられることを必ずしも要しない。つまり、アーケードシステム1における例と同様に、認証処理部201、及び決済処理部202のそれぞれは、単一の又は複数の物理的なサーバ装置のコンピュータハードウエアと、ソフトウエアとしてのサーバプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的な装置として構成されていればよい。
【0034】
決済システム2には、決済サーバ20にて参照されるべきデータベースとして、ユーザデータベースDB21、口座管理データベースDB22、及び連携管理データベースDB23が設けられている。ユーザデータベースDB21は、ユーザに関連する各種のデータをユーザIDと関連付けて格納したデータベースである。例えばユーザの個人情報等の属性を記録したユーザデータ等がユーザデータベースDB21に記録されてよい。
【0035】
口座管理データベースDB22は、ユーザが保持する電子通貨の量(残高)と口座ID(口座)とを対応付けて記録したデータを格納したデータベースである。ユーザが電子通貨の口座を保有する場合、そのユーザのユーザIDと口座IDとを対応付けたデータが例えばユーザデータベースDB21に記録される。したがって、ユーザのユーザIDが判明すれば、そのユーザの口座IDを特定して当該ユーザの口座にアクセスすることが可能である。
【0036】
連携管理データベースDB23は、アーケードシステム1との連携に必要なデータを格納したデータベースである。連携管理データベースDB23に記録されるデータの例は連携管理データベースDB14の例と合わせて連携の手順の概要において後述する。
【0037】
(連携の概要)
次に、アーケードシステム1と決済システム2との連携について説明する。上述のとおり決済システム2ではユーザIDと口座とを関連付けて管理している。一方、アーケードシステム1では、独自のユーザIDにて各ユーザの各種実績(ポイント等)が管理される場合と管理されない場合がある。例えば、アーケードシステム1はサービス端末の少なくとも一部(例えば自動販売機等。ポイント等の管理が不要な場合はゲーム機12も同様。)においてユーザを特定せずにサービスを提供してもよく、その場合にはユーザIDの管理も省略され得る。この場合、決済システム2のアカウント(ユーザID)のみで決済可能であるが、アーケードシステム1と決済システム2とは決済のために連携する必要がある。この連携は適宜の手順で実現され得るが、例えばユーザの情報を取得したサービス端末11を介してアーケードシステム1から決済システム2に連携が要求される場合と、サービス端末11の情報を取得したユーザ端末装置23を介して決済システム2からアーケードシステム1に連携が要求される場合とを含む。以下では、一例として後者の場合を第1の連携形態と呼び、その手順の詳細を後述する。
【0038】
一方、上述のとおりアーケードシステム1でも独自のユーザIDにて各ユーザの各種実績(ポイント等)を管理している場合がある。この場合、アーケードシステム1及び決済システム2のそれぞれは互いに独立して設定されたユーザIDを用いてユーザを識別することになるため、決済システム2の決済を利用するためには、アーケードシステム1のユーザが決済システム2のいずれのユーザIDに対応するユーザであるかを特定する必要がある。一方、決済の都度に、ユーザがアーケードシステム1、及び決済システム2の両方、或いは一方にてユーザIDやパスワードを用いた認証を行うことは手間がかかる。例えば、プライズゲームではプレイ毎に遊技体の配置が変化し、連続的なプレイに対するニーズが高く、複数回の決済が短時間で必要になる可能性がある。短時間における複数回の決済(以下、連続決済と呼ぶ場合がある)が実行される場合に、決済毎に認証等が要求されるとその負荷は一層増加する。これは第1の連携形態においても同様である。加えて、ゲーム機12は、不特定多数のユーザが利用可能であり、かつその設置場所も不特定多数の者が来場する店舗等の施設である場合が多い。そのため、ゲーム機12上で別の決済システム2のユーザ認証情報を入力させることはセキュリティの観点から好ましくない。
【0039】
そこで、本形態では、都度の認証等を要することなく連続決済が許容されるように、アーケードシステム1と決済システム2とが連携される。以下では、第1の連携形態と、ゲーム機12の実績(例えば実績に応じて付与されるポイントの所有量等)がユーザ端末装置15のサービス系アプリを介して管理される(ゲーム関連サービスが提供される)形態(アーケードシステム1及び決済システム2のそれぞれが互いに独立して設定されたユーザIDを用いてユーザを識別しつつ、サービスを提供する形態であり、以下、第2の連携形態と呼ぶ場合がある)とについて、形態毎に連携の手順(仕組み)の概要を説明する。
【0040】
[第1の連携形態]
(連携の手順の概要)
図2は、第1の連携形態における連携の手順の概要を説明するための説明図である。図2の(A)は決済対象のサービスを特定する手順を、(B)は決済者のユーザを認証する手順を、(C)は認証後の決済の手順を、それぞれ示している。なお、図2の例では、サービス端末11の代表としてゲーム機12が示されているが、他のサービス端末11のサービスが決済される場合も同様の手順で連携、及び決済が実行されてよい。
【0041】
図2の(A)に示すように、第1の連携形態における連携の手順では、まず決済対象のサービスを特定する手順が実行される。具体的には、対象のサービスを特定するための情報(以下、サービス情報と呼ぶ場合がある)がゲーム機12(サービス端末11)からユーザ端末装置23に提供される。この提供は適宜に実現されてよく、例えば所定の近距離無線通信規格にて情報を送信するための送信機能がゲーム機12に、その情報を受信するための受信機能がユーザ端末装置23に、それぞれ設けられている場合にはその近距離無線通信にて実現されてもよいが、一例としてコードCDにて実現される。コードCDは、サービス情報を含むように所定の規格に準拠して生成される。コードCDとして適宜のコードが使用され得るが、図2の例では二次元コードがゲーム機12に設けられる。コードCDはゲーム機12に適宜に設けられてよく、例えばゲーム機12に表示装置が設けられる場合にはコードCDを表示する表示装置を介して設けられてもよいが、一例としてコードCDを表示するシールの貼付により設けられる。この場合、ユーザ端末装置23はコードCDのサービス情報を読み取るためのリーダとしてのカメラCAを介してゲーム機12からサービス情報を取得する。この例においてゲーム機12(若しくはそこに設けられたコードCDのシール)が本発明の情報提供手段として機能する。
【0042】
ユーザ端末装置23はコードCDを介してサービス情報を取得すると、その取得したサービス情報を決済システム2の決済サーバ20に送信する(F1)。この送信は適宜に実行され得るが、一例としてカメラCAを介してコードCDの読み取りが実行された後に決済アプリによって実行される。
【0043】
決済サーバ20はユーザ端末装置23からサービス情報を取得すると、そのサービス情報を送信することにより決済のための連携の可否をアーケードシステム1のアーケードサーバ10に問い合わせる(F2)。この問合せにより、アーケードサーバ10は決済対象のサービス、及びそれを提供するゲーム機12を特定する。
【0044】
決済対象のサービスが特定されると、認証の手順が開始される。図2の(B)に示すように、この手順は一例としてF3~F9の手順を含んでいる。また、F3~F9の手順は一例として認証のための準備を実行する手順(F3~F4)と、実際に認証を実行するための手順(F5~F9)とに分けられる。具体的には、アーケードサーバ10は決済サーバ20からの問合せ(F2)を介してサービス情報を取得すると、そのサービス情報に対応するゲーム機12に決済の可否を認証するための認証情報(例えばワンタイムパスワード等、認証毎にユニークな情報)を送信する(F3)。
【0045】
ゲーム機12はアーケードサーバ10から認証情報を取得すると、その認証情報をユーザ端末装置23に提供する(F4)。この提供は適宜に実行され得るが、一例としてゲーム機12に設けられる表示装置に認証情報を表示することにより実行される。そして、ユーザ端末装置23のユーザは表示装置に表示された認証情報を決済アプリに入力する。ゲーム機12は一定時間経過等、所定の終了条件が満たされると認証情報の表示を終了する。
【0046】
一方、決済アプリは、認証情報の表示を見たユーザによる手入力、或いはカメラ等による適宜の光学的読み取り等を介して認証情報を取得すると、その認証情報を決済サーバ20(決済システム2)に送信する(F5)。決済サーバ20は認証情報を取得すると、その認証情報をアーケードサーバ10(アーケードシステム1)に送信することによりその認証情報が正しいか否か、換言すれば今回の決済のために発行された認証情報であるか否か確認する(F6)。アーケードサーバ10は認証情報を取得すると、その正誤を判別し、その結果を決済サーバ20に送信する(F7)。決済サーバ20はその判別結果を取得すると、認証情報が正しい情報であった場合にセッションIDを発行してアーケードサーバ10(アーケードシステム1)に送信することにより、両システム1、2間のセッション(連携関係)を成立させる(F8)。セッションIDは、各セッション(連携関係)を識別するためにセッション毎にユニークなIDの情報である。このため、たとえ同じゲーム機12とユーザ端末装置23との間の連携であっても、一度セッションが解除された後には別のセッションIDが発行される。アーケードサーバ10(アーケードシステム1)はセッションが成立すると、その結果をゲーム機12に通知する(F9)。この例においてサービス情報が本発明の所定の情報として機能する。
【0047】
なお、認証情報が間違いである場合、決済サーバ20は再度サービス情報を取得する手順からのやり直しを促すようにその結果をユーザ端末装置23に通知する。アーケードサーバ10も同様にセッション(連携関係)不成立の結果をF9において連携成立の結果の代わりにゲーム機12に通知する。また、図2の例ではセッションIDは決済システム2によって発行されているが、アーケードシステム1によって発行され、決済システム2と共用されてもよい。同様に、図2の例では、アーケードシステム1が発行した認証情報を、ユーザ端末装置23を介して取得する(二段階認証を実行する)手順にて認証が実行されているが、ユーザの認証は適宜に実現されてよく、二段階認証は省略されてもよい。
【0048】
図2の(C)に示すように、認証が成功し、連携関係が成立すると、アーケードサーバ10(アーケードシステム1)と決済サーバ20(決済システム2)との間では所定の解除条件が満たされるまでセッション(連携関係)が維持される。具体的には、連携関係が成立すると、アーケードシステム1では、発行されたセッションIDと、決済対象のゲーム機12を識別するための筐体ID(各ゲーム機12、或いは各サービス端末11を識別するためにサービス端末11毎にユニークなID)とを関連付けて記録した第1セッションデータD1が生成され、アーケードサーバ10にて参照可能な状態で保存される。例えば、第1セッションデータD1は、連携管理データベースDB14(図1参照)に記録されてよい。
【0049】
同様に、決済システム2では、発行されたセッションIDと、決済者のユーザを識別するためのユーザID(ユーザIDに関連付けられる決済対象の口座情報であってもよい)とを関連付けて記録した第2セッションデータD2が生成され、決済サーバ20にて参照可能な状態で保存される。例えば、第2セッションデータD2は、連携管理データベースDB23(図1参照)に記録されてよい。
【0050】
セッションが維持されている状況における決済の手順は、一例としてF11~F16の手順を含んでいる。具体的には、ゲーム機12にプレイを要求する指示(操作)がユーザによって実行されると、ゲーム機12はそのプレイの対価に対応する決済要求をアーケードサーバ10(アーケードシステム1)に送信する(F11)。
【0051】
アーケードサーバ10は決済要求を取得すると、その決済要求を決済サーバ20(決済システム2)に送信する(F12)。決済要求を取得すると、決済サーバ20はその決済要求に対応する決済を実行する(F13)。つまり、セッションが維持されている状況では、決済時に通常要求される認証、決済を承認するか否かユーザに確認する機会、或いはセッションの構築といった手順は省略され、決済システム2はアーケードシステム1からの決済要求に基づいてそのまま決済を実行する。決済サーバ20は決済を実行した後にその決済結果を、アーケードサーバ10(アーケードシステム1)、及びユーザ端末装置23に通知する(F14)。なお、決済を承認するか否かユーザに確認する機会は初回の決済時のみ提供され、二回目以降の決済において省略されてもよい。あるいは、この機会は決済毎に都度提供されてもよい。
【0052】
アーケードサーバ10は決済結果を取得すると、その結果をゲーム機12に通知する(F15)。ゲーム機12は決済結果を取得すると、決済が不成功の場合はその旨をユーザに通知する一方で、決済が成功している場合はユーザによって要求されたプレイを許可する(F16)。つまり、ゲーム機12は、ユーザによるプレイの要求に従ってアーケードシステム1を介して決済要求を決済システム2に送信し、決済システム2において決済が実行された場合に要求されたプレイを実際に提供する。そして、ゲーム機12にプレイの要求が指示される毎にF11~F16の手順が繰り返し実行される。結果として、セッションが維持されている状況においては認証等が省略され、連続的な支払が実現される。
【0053】
(連携システムの処理)
次に、図3図7を参照して、第1の連携形態における連携システムの処理について説明する。図3は、対象特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。対象特定処理は、決済対象のサービスを特定するための処理である。対象特定処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の決済連携部103、決済サーバ20の認証処理部201、及びユーザ端末装置23の協働にて実現される。なお、図3では、主にアーケードサーバ10の決済連携部103によって実行される処理(手順)がアーケードサーバ10として、主に決済サーバ20の認証処理部201によって実行される処理(手順)が決済サーバ20として、それぞれ示される。
【0054】
決済アプリにて起動したカメラCAを介してゲーム機12のコードCDからサービス情報を取得すると、ユーザ端末装置23(決済アプリ)は図3の対象特定処理を開始し、まずその取得したサービス情報を決済サーバ20に送信する(ステップS101)。サービス情報はゲーム機12のサービスに関する各種の情報を適宜に含み得るが、例えば対象のゲーム機12を特定するための情報(例えば筐体IDの情報)を含んでいる。そして、この送信の後にユーザ端末装置23は今回の対象特定処理を終了する。
【0055】
一方、ユーザ端末装置23からサービス情報が送信されると、決済サーバ20は図3の対象特定処理を開始し、まずそのサービス情報を取得する(ステップS201)。続いて決済システムは、ステップS201で取得したサービス情報をアーケードサーバ10に送信する(ステップS202)。そして、この送信の後に決済サーバ20は今回の対象特定処理を終了する。
【0056】
決済サーバ20からサービス情報が送信されると、アーケードサーバ10は図3の対象特定処理を開始し、まずそのサービス情報を取得する(ステップS301)。続いてアーケードサーバ10は、ステップS301で取得したサービス情報の対象のゲーム機12を特定する(ステップS302)。例えば、アーケードサーバ10は、筐体管理データベースDB13の筐体データを参照しつつ、サービス情報に含まれる筐体IDに基づいて対象のゲーム機12(情報等の送信先のアドレス)を特定する。そして、アーケードサーバ10は、この特定の後に今回の対象特定処理を終了する。これにより、決済システム2にて対価を決済すべきゲーム機12(サービス端末11)の特定が実現される。具体的には、図2の(A)の手順(F1~F2)が実現される。
【0057】
認証準備処理は、決済対象のサービスの対価を決済システム2によって決済するための認証の準備を実行するための処理である。認証準備処理は、一例としてアーケードサーバ10の認証処理部101、決済サーバ20の認証処理部201、及びユーザ端末装置23の協働にて実現される。なお、図4では、主にアーケードサーバ10の認証処理部101によって実行される処理(手順)がアーケードサーバ10として、主に決済サーバ20の認証処理部201によって実行される処理(手順)が決済サーバ20として、それぞれ示される。
【0058】
図3の対象特定処理を通じて決済対象のサービスを特定すると、アーケードサーバ10は図4の認証準備処理を開始し、まず認証情報(ワンタイムパスワード等の期間限定の情報)を生成し(ステップS303)する。続いてアーケードサーバ10は、その認証情報を図3の対象特定処理(ステップS302)で特定したゲーム機12に送信する(ステップS304)。そして、この送信の後にアーケードサーバ10は今回の認証準備処理を終了する。
【0059】
一方、アーケードサーバ10から認証情報が送信されると、ゲーム機12は図4の認証準備処理を開始し、まずその認証情報を取得する(ステップS401)。続いてゲーム機12は、取得した認証情報をユーザ端末装置23のユーザが確認可能なように表示装置に表示する(ステップS402)。そして、この表示の後にゲーム機12は今回の認証準備処理を終了する。これにより、決済システム2にて対価を決済するための認証情報がゲーム機12を介してユーザに提供される。具体的には、図2の(B)の例におけるF3~F4の手順、つまり認証のための準備を実行する手順が実現される。
【0060】
図5は、認証処理の手順の一例を示すフローチャートである。認証処理は、決済対象のサービスを決済する決済者(ユーザ)を認証するための処理である。認証処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の認証処理部101、決済サーバ20の認証処理部201、及びユーザ端末装置23の協働にて実現される。なお、図5では、主にアーケードサーバ10の認証処理部101によって実行される処理(手順)がアーケードサーバ10として、主に決済システム2の認証処理部201によって実行される処理(手順)が決済サーバ20として、それぞれ示される。
【0061】
ゲーム機12に表示された認証情報がユーザによって入力され、認証情報を取得すると、ユーザ端末装置23(決済アプリ)は図5の認証処理を開始し、まずその取得した認証情報を決済サーバ20に送信する(ステップS501)。
【0062】
決済サーバ20はユーザ端末装置23から認証情報が送信されると、図5の認証処理を開始し、まずその認証情報を取得する(ステップS601)。続いて決済サーバ20は、ステップS601で取得した認証情報をアーケードサーバ10に送信する(ステップS602)。
【0063】
アーケードサーバ10は決済サーバ20から認証情報が送信されると、図5の認証処理を開始し、まずその認証情報を取得する(ステップS701)。続いてアーケードサーバ10は、ステップS701で取得した認証情報の正誤を判別する(ステップS702)。具体的には、認証情報が決済対象のゲーム機12に送信した認証情報と一致するか否か判別する。続いてアーケードサーバ10はその判別結果を決済サーバ20、及びゲーム機12に送信する(ステップS703)。
【0064】
さらに、アーケードサーバ10はステップS702の認証が成功しているか否か(認証情報が正しかったか否か)判別する(ステップS704)。認証が成功している場合(ステップS704:Yes)、アーケードサーバ10は決済サーバ20との間にセッションを成立させるべく、決済サーバ20からのセッションIDの送付を待機する。そして、決済サーバ20からセッションIDが送付されると、そのセッションIDを取得し、第1セッションデータD1を生成する(認証情報を発行したゲーム機12の筐体IDと関連付ける)ことにより保存する(ステップS705)。一方、認証が不成功だった(認証情報が間違っていた)場合(ステップS704:No)、アーケードサーバ10は今回の認証処理を終了する。
【0065】
アーケードサーバ10から認証の判別結果が送信されると、決済サーバ20はその判別結果に基づいて認証が成功しているか否か判別する(ステップS603)。認証が成功している場合(ステップS603:Yes)、決済システムはアーケードサーバ10との間にゲーム機12の対価を決済するためのセッション(連携関係)を成立させるべく、セッションIDを発行し、そのセッションIDをアーケードサーバ10に送信する(ステップS604)とともに、第2セッションデータD2を生成する(決済者、若しくはその口座と関連付ける)ことによりそのセッションIDを保存する(ステップS605)。続いて決済サーバ20は、今回の認証結果をユーザ端末装置23に送信する(ステップS606)。そして、この送信の後に決済サーバ20は今回の認証処理を終了する。
【0066】
決済サーバ20から認証結果が送信されると、ユーザ端末装置23はその結果を取得し(ステップS502)、表示装置への表示等によりユーザに通知する(ステップS503)。そして、この通知の後にユーザ端末装置23は今回の認証処理を終了する。
【0067】
一方、ゲーム機12はアーケードサーバ10から認証結果が送信されると、図5の認証処理を開始し、まずその認証結果を取得する(ステップS801)。続いてゲーム機12はステップS801で取得した認証結果を表示装置への表示等によりユーザに通知する(ステップS802)。そして、この通知の後に今回の認証処理を終了する。これにより、ゲーム機12の対価を決済するためのアーケードシステム1と決済システム2との間の連携関係が、認証情報を介して成立する。より具体的には、図2の(B)の例におけるF5~F9の手順、つまり実際に認証を実行するための手順が実現される。そして、その認証後に、アーケードシステム1と決済システム2との間に決済のための連携関係が成立する。
【0068】
図6は、第1連携決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。第1連携決済処理は、アーケードサーバ10と決済サーバ20との間の連携関係(セッション)が維持された状況において連続的な支払(短時間における複数回の決済)を実行するための処理である。第1連携決済処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の決済連携部103、決済サーバ20の決済処理部202、及びユーザ端末装置23の協働にて実現される。なお、図6では、主にアーケードサーバ10の決済連携部103によって実行される処理(手順)がアーケードサーバ10として、主に決済サーバ20の決済処理部202によって実行される処理(手順)が決済サーバ20として、それぞれ示される。
【0069】
ゲーム機12は両システム1、2間のセッションが維持されている状況においてユーザによってプレイの提供が指示されると、図6の第1連携決済処理を開始し、まずアーケードサーバ10に決済要求を送信する(ステップS1201)。この要求には対価の額等、決済に必要な情報が含まれる。
【0070】
アーケードサーバ10はゲーム機12から決済要求が送信されると、図6の第1連携決済処理を開始してその決済要求を取得し、決済サーバ20に送信する(ステップS1101)。決済サーバ20はアーケードサーバ10から決済要求が送信されると、図6の第1連携決済処理を開始し、まずその決済要求を取得する(ステップS1001)。続いて決済サーバ20は、第2セッションデータD2を参照しつつ、ステップS1001で取得した決済要求に従って決済を実行する(ステップS1002)。この決済は、セッションIDに関連付けられるユーザIDの口座の残高を減少させることにより実現される。次に決済サーバ20は、ステップS1002の決済結果をアーケードサーバ10、及びユーザ端末装置23(決済アプリ)に通知する(ステップS1003)。そして、この通知の後に決済サーバ20は今回の第1連携決済処理を終了する。
【0071】
ユーザ端末装置23(決済アプリ)は決済サーバ20から決済結果が通知されると、図6の第1連携決済処理を開始し、まずその決済結果を取得する(ステップS901)。続いてユーザ端末装置23は、ステップS901で取得した決済結果を、決済アプリを介して任意の時期にユーザが確認できるように保存する(ステップS902)。そして、この保存の後にユーザ端末装置23は今回の第1連携決済処理を終了する。
【0072】
一方、アーケードサーバ10は決済サーバ20から決済結果が通知されると、その決済結果を取得し(ステップS1102)、ゲーム機12に通知する(ステップS1103)。そして、この通知の後にアーケードサーバ10は今回の連携決済処理を終了する。
【0073】
ゲーム機12はアーケードサーバ10から決済結果が通知されると、それを取得し、その決済結果に基づいて決済が成功したか否か判別する(ステップS1202)。決済が失敗している場合(ステップS1202:No)、ゲーム機12は以降の処理をスキップして今回の第1連携決済処理を終了する。この場合、ゲーム機12は決済失敗の結果を、表示装置等を通じて適宜にユーザに通知してもよい。
【0074】
一方、決済が成功している場合(ステップS1202:Yes)、ゲーム機12はユーザから指示されたゲームのプレイを許可し、プレイを開始させる(ステップS1203)。そして、プレイの開始の後にゲーム機12は今回の第1連携決済処理を終了する。これにより、セッションが成立している状況において認証等が省略され、比較的簡易な手順にてゲームの対価が決済システム2において決済される。また、一般的には決済終了後はセッションが解除され、次回の決済時に再度認証等が要求されるが、図6の例では決済後もセッションは解除されず、維持される。換言すれば、決済システム2等はセッションを解除せず、第2セッションデータD2等を介して維持する。このため、比較的簡易な手順で繰り返しゲーム機12におけるプレイの対価が決済システム2にて決済される。より具体的には、図2の(C)の例におけるF11~F16の手順が実現される。なお、図6の例ではセッションを解除する積極的な処理の省略によりセッションが維持されているが、決済システム2等によって積極的にセッションを維持するための処理(例えばセッション維持の指示等)が実行されてもよい。
【0075】
図7は、連携解除処理の手順の一例を示すフローチャートである。連携解除処理は、アーケードサーバ10と決済サーバ20との間の連携関係(セッション)を解除するための処理である。両システム1、2間の連携関係は、一例として所定の解除条件が満たされるまで維持され、解除条件が満たされると解除される。解除条件は適宜に満たされてよく、例えばセッションの成立から所定時間が経過した場合、所定時間内に次の決済が実行されなかった場合、所定回数の決済が実行された場合、或いはユーザがゲーム機12の近く(例えばゲーム機12の設置された施設)から離れる等の所定の位置条件が形成された場合等に適宜に満たされてよいが、一例としてセッション維持の解除を要求する所定の解除指示がゲーム機12に実行された場合に満たされる。図7の例は、このような場合の連携解除処理の手順を示している。この場合、連携解除処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の決済連携部103、及び決済サーバ20の決済処理部202の協働にて実現される。なお、図7では、主にアーケードサーバ10の決済連携部103によって実行される処理(手順)がアーケードサーバ10として、主に決済サーバ20の決済処理部202によって実行される処理(手順)が決済サーバ20として、それぞれ示される。
【0076】
具体的には、所定の解除指示が入力されると、ゲーム機12は図7の連携解除処理を開始し、まずその解除指示を取得する(ステップS1301)。続いてゲーム機12は、アーケードサーバ10にセッションの解除を要求する(ステップS1302)。
【0077】
アーケードサーバ10はゲーム機12から解除が要求されると、図7の連携解除処理を開始し、まずその要求を取得する(ステップS1401)。続いてアーケードサーバ10は、その要求に基づいて決済サーバ20にセッションの解除を要求する(ステップS1402)。さらに、アーケードサーバ10は解除の要求に基づいて決済サーバ20との間のセッション(連携関係)を解除するとともに、その結果をゲーム機12に送信する(ステップS1403)。例えば、セッション(連携関係)の解除は、第1セッションデータD1の消去(破棄)によって実現される。そして、ゲーム機12への通知の後にアーケードサーバ10は今回の連携解除処理を終了する。
【0078】
ゲーム機12はアーケードサーバ10から解除の結果が送信されると、その結果を取得するとともに、表示装置への表示等を通じてユーザに通知する(ステップS1303)。そして、この通知の後にゲーム機12も今回の連携解除処理を終了する。
【0079】
一方、決済サーバ20はアーケードサーバ10から解除が要求されると、図7の連携解除処理を開始し、まずその要求を取得する(ステップS1501)。続いて決済サーバ20は、その要求に基づいてセッション、つまりアーケードサーバ10との間の決済のための連携関係を解除する(ステップS1502)。例えば、この解除は第2セッションデータD2の消去(破棄)によって実現される。そして、セッションを解除した後に決済サーバ20は今回の連携解除処理を終了する。これにより、ユーザの解除指示に基づいてアーケードシステム1と決済システム2との間のセッションが解除される。換言すれば、ユーザによって解除が指示されるまでセッションが維持される一方で、ユーザの任意の時期にそのセッションが解除される。
【0080】
以上に説明したように、第1の連携形態によれば、セッション(連携関係)の成立後にはアーケードシステム1からの決済要求に応じて連続的な(短時間における)複数回の決済が許容されるようにゲームの対価が決済システム2にて決済される。換言すれば、セッションの成立後には複数回の決済が許容されるようにそのセッションが維持される。一般的にセッションの成立にはユーザ認証等の手間が発生する場合が多い。少なくともセッションを成立させるための各種情報を両システム1、2間で送受信する必要がある。結果的に時間がかかる場合も多い。このため、セッションの成立後に複数回の決済を許容するようにセッションを維持することにより、これらの手順を省略することができる。結果として、複数回の決済に対するユーザの手間暇を低減することができ、ひいては例えばプライズゲームにおける連続的なプレイ等、複数回の決済を促進することができる。
【0081】
また、アーケードシステム1の運営者は自ら決済のためのシステムを構築することなく、決済システム2を介して決済を実現することができる。換言すれば、決済のためのシステムを持つことなく、同様のサービスを提供することができる。さらに、決済要求(決済対象の対価の情報)はゲーム機12、換言すればアーケードシステム1から決済システム2に提供される。このため、アーケードシステム1は、決済対象の対価を自ら決定することができる。これにより、アーケードシステム1は、割引、優遇、特典といった各種のキャンペーンを実現することができる。具体的には、アーケードシステム1は、例えばクーポン等の割引サービスにより対価から割引金額を差し引いた後の金額の決済を決済システム20に要求することができる。
【0082】
さらに、セッションが維持されている状況において各対価の決済を承認するための承認の機会が省略される場合、ユーザに対する承認プロセスが省略されるため、ユーザの手間暇の更なる低減を図ることができる。一方、セッションは解除指示が実行されるまで維持される。このため、ユーザに連続的な決済に対する安心感を与えることができる。また、決済対象のサービスの特定は、サービス情報を含むコードCDを介して実行される。この場合、決済に用いられるサービス情報がユーザに直接認識されることを抑制することができる。ゲーム機12は不特定多数のユーザが利用可能な施設に設置される場合が多い。その場合にサービス情報が容易にユーザに認識されてしまうと、セキュリティの観点から好ましくない。このため、サービス情報がコードCDを介してユーザ端末装置23に提供される場合、セキュリティ面の向上を図ることができる。
【0083】
また、アーケードシステム1においてユーザIDが管理されていなくても(サービス提供時に各ユーザは識別されず、ポイント等は付与されなくても)、決済サービスによる決済が実現される。ゲーム機12(アーケードゲーム機)は店舗等の施設に設置される場合が多く、施設に訪れるユーザはユーザ登録を実行するようなユーザ(例えば常連のユーザ)ばかりではなく、ユーザ登録を実行しないユーザ(例えば初めて施設を訪れるユーザや初めてプレイするユーザ等)も多いという特性がある。このため、ユーザID不要で決済可能であればアーケードゲーム機が提供するゲーム(いわゆるアーケードゲーム)との相性がよい。換言すれば、アーケードゲーム等、ユーザID不要で提供される場合も多いタイプのサービスにて連続的な決済を実現することができる。
【0084】
以上の第1の連携形態において、ステップS604を含む図5の決済サーバ20の手順が本発明の第1関係設定手順として、決済サーバ20の認証処理部201がそれを実行することにより本発明の第1関係設定手段として、それぞれ機能する。また、ステップS1002を含む図6の決済サーバ20の手順が本発明の対価決済手順として、決済システム2の決済処理部202がそれを実行することにより本発明の対価決済手段として、それぞれ機能する。同様に、例えばステップS1502を含む図7の決済サーバ20の手順が本発明の連携解除手順として機能する。そして、決済システム2の認証処理部201、及び決済処理部202のそれぞれに対して図5図7に示した処理を実行させる機能を実装させることにより、それらの認証処理部201、及び決済処理部202、ひいては決済システム2(あるいは決済サーバ20)が本発明の連携システムの一例を構成する。
【0085】
さらに、第1の連携形態において、ステップS705を含む図5のアーケードサーバ10の手順が本発明の第2関係設定手順として、アーケードシステム1の認証処理部101がそれを実行することにより本発明の第2関係設定手段として、それぞれ機能する。同様に、ステップS1101を含む図6のアーケードサーバ10の手順が本発明の決済要求手順として、アーケードシステム1の決済連携部103がそれを実行することにより本発明の決済要求手段として、それぞれ機能する。
【0086】
[第2の連携形態]
(連携の手順の概要)
図8は、第2の連携形態における連携の手順の概要を説明するための説明図である。図8の(A)はシステム1、2間を連携させる(連携関係を成立させる)手順を、(B)は連携関係成立後の決済の手順を、それぞれ示している。なお、図8の例でも、図2の例と同様にサービス端末11の代表としてゲーム機12が示されているが、他のサービス端末11のサービスが決済される場合も同様の手順で連携、及び決済が実行されてよい。また、以下では、ユーザ端末装置23にてサービス系アプリが動作する場合をサービス系アプリと、決済アプリが動作する場合を決済アプリと、それぞれ呼ぶ場合がある。
【0087】
図8の(A)に示すように、第2の連携形態における連携の手順では、まずアーケードシステム1と決済システム2とを連携させる(連携関係を成立させる)手順が実行される。この手順は、一例としてM1~M10の手順を含んでいる。具体的には、まずゲーム機12からユーザ端末装置23にサービス情報が提供される。第2の連携形態でも第1の連携形態と同様にサービス情報は適宜に提供され得るされるが、図8の例では図2の例と同様にコードCDを介して提供される場合が示されている。第2の連携形態でもユーザ端末装置23のカメラCAによってコードCDの読み取りが実行されるが、第2の連携形態では第1の連携形態と異なり、その読み取りは決済アプリではなくサービス系アプリを介して実行される。そして、サービス系アプリ(ユーザ端末装置23)はコードCDからサービス情報を取得すると、そのサービス情報をアーケードサーバ10(アーケードシステム1)に送信する(M1)。
【0088】
アーケードサーバ10は、サービス情報を取得すると、そのサービス情報に対応するゲーム機12とサービス系アプリとの間のリンク(ペアリング)を実行する(M2)。このリンクは適宜に実現され得るが、一例として次のように実行される。サービス系アプリは適宜に構成され得るが、一例として各ユーザ(あるいは各プレイ実績)を識別するためのアカウント情報を介してプレイ実績(所有ポイント等)をユーザ毎に管理するように構成される。そして、アーケードサーバ10は、このアカウント情報とサービス情報に対応するゲーム機12の筐体IDとを関連付けるテーブルを作成することにより、このリンクを実現する。アーケードサーバ10はリンクを実行すると、その結果をサービス系アプリに通知する(M3)。この通知は各種情報を適宜に含み得るが、例えばゲーム機12で提供されるゲームの対価等、決済に必要な情報を含んでいる。
【0089】
一方、サービス系アプリにおいて決済アプリによる決済が指示されると、サービス系アプリは決済アプリ(ユーザ端末装置23)を呼び出す(M4)。換言すれば、決済アプリがユーザ端末装置23において動作し、その機能がアクティブ(有効)になるように決済アプリを起動(既にバックグラウンドで起動中のものが動作を再開する場合を含む)させる。決済アプリはサービス系アプリに呼び出されると、サービス系アプリからアカウント情報を取得し、そのアカウント情報を決済サーバ20(決済システム2)に送信する(M5)。この例においてサービス系アプリにおける決済アプリによる決済の指示が、本発明の所定の呼び出し指示として機能する。
【0090】
決済サーバ20は決済アプリからアカウント情報を取得すると、そのアカウント情報を送信することにより決済のための連携の可否をアーケードシステム1のアーケードサーバ10に問い合わせる(M6)。アーケードサーバ10はアカウント情報を取得すると、認証成立と判断し、その認証成立の結果を決済サーバ20に送信する(M7)。アカウント情報の送付に伴い(換言すれば、リンクによりサービス系アプリからの決済アプリへのアカウント情報の提供に伴い)、サービス系アプリと決済アプリとが同一のユーザ端末装置23にて実行されていると判断可能であるため、アーケードサーバ10での追加的な認証は省略される。なお、アーケードサーバ10は別途認証情報等を発行して適宜の追加的な認証を実行してもよい。
【0091】
決済サーバ20は認証結果(認証成立)を取得すると、セッションIDを発行してアーケードサーバ10(アーケードシステム1)に送信することにより、両システム1、2間のセッション(連携関係)を成立させる(M8)。また、決済サーバ20は、そのセッション成立の結果を決済アプリに通知する(M9)。この通知を取得すると、決済アプリはサービス系アプリを呼び出して、そのサービス系アプリを介してセッション成立の結果をユーザに提供する(M10)。この例においてアカウント情報が本発明の所定の情報として機能する。
【0092】
図8の(B)に示すように、連携関係が成立すると、アーケードサーバ10(アーケードシステム1)と決済サーバ20(決済システム2)との間では所定の解除条件が満たされるまでセッション(連携関係)が維持される。具体的には、連携関係が成立すると、アーケードシステム1では、発行されたセッションIDと、サービス系アプリのユーザを識別するためのアカウント情報(例えば、ユーザ毎にユニークなアカウントID)とを関連付けて記録した第1セッションデータD1が生成され、アーケードサーバ10にて参照可能な状態で保存される。
【0093】
同様に、決済システム2では、発行されたセッションIDと、決済者のユーザを識別するためのユーザID(ユーザIDに関連付けられる決済対象の口座情報であってもよい)とを関連付けて記録した第2セッションデータD2が生成され、アーケードサーバ10にて参照可能な状態で保存される。
【0094】
セッションが維持されている状況では、サービス系アプリを介して決済が実行される。この決済の手順は、一例としてM11~F16の手順を含んでいる。具体的には、第2の連携形態では、ゲーム機12と決済アプリとの間にサービス系アプリが介在し、サービス系アプリは少なくともゲーム機12とのリンク時においてゲーム機12の対価を決済するために必要な情報を取得する。このため、ゲーム機12の代わりにサービス系アプリにプレイを要求するための指示(操作)が実行されると、サービス系アプリはそのプレイの対価に対応する決済要求をアーケードサーバ10(アーケードシステム1)に送信する(M11)。
【0095】
アーケードサーバ10は決済要求を取得すると、その決済要求を決済サーバ20(決済システム2)に送信する(M12)。決済要求を取得すると、決済サーバ20はその決済要求に対応する決済を実行する(M13)。つまり、第2の連携形態においてもセッションが維持されている状況では、決済時に通常要求される認証やセッションの構築等の手順は省略され、決済システム2はアーケードシステム1からの決済要求に基づいてそのまま決済を実行する。決済サーバ20は決済を実行した後にその決済結果を、アーケードサーバ10(アーケードシステム1)、及び決済アプリに通知する(M14)。
【0096】
決済アプリは決済結果を取得すると、少なくとも次回起動時、或いは決済結果の参照時にその結果が通知されるように決済結果を保存する。一方、アーケードサーバ10は決済結果を取得すると、その結果をサービス系アプリ、及びゲーム機12に通知する(M15)。サービス系アプリは決済結果を取得すると、決済の結果(決済の成否)をユーザに通知する。同様に、ゲーム機12は、決済結果を取得すると、決済が不成功の場合はその旨をユーザに通知する一方で、決済が成功している場合はユーザによってサービス系アプリを介して要求されたプレイを許可する(M16)。つまり、サービス系アプリは、ユーザによるプレイの要求に従ってアーケードシステム1を介して決済要求を決済システム2に送信し、決済システム2において決済が実行された場合にその要求が許可され、実際にゲーム機12を介してプレイが提供される。そして、サービス系アプリにプレイの要求が指示される毎にM11~M16の手順が繰り返し実行される。結果として、第2の形態においてもセッションが維持されている状況においては認証等が省略され、連続的な支払(短時間での複数回の決済)が実現される。この例においてゲーム関連サービスが本発明の補助サービスとして機能する。また、決済アプリ、及びサービス系アプリが、本発明の決済機能、及び補助サービス機能として、それぞれ機能する。サービス系アプリを動作中のユーザ端末装置23が本発明の補助サービス端末として機能する。そして、サービス系アプリを動作中のユーザ端末装置23が本発明の補助サービス端末として機能する。
【0097】
(連携システムの処理)
次に、図9図11を参照して、第2の連携形態における連携システムの処理について説明する。なお、第2の連携形態においても連携解除処理は図7の例と同様に実行されてよい。このため、第2の連携形態における連係解除処理の手順の一例を示すフローチャートの説明は省略する。ただし、第2の連携形態では、ゲーム機12の代わりにサービス系アプリ(ユーザ端末装置23)に対して解除指示が実行されてもよい。
【0098】
図9は、ペアリング処理の手順の一例を示すフローチャートである。ペアリング処理は、決済対象のサービスを提供するゲーム機12(サービス端末11)とサービス系アプリとの間のペアリング(リンク)を実現するための処理である。ペアリング処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の決済連携部103、及びユーザ端末装置23(サービス系アプリ)の協働にて実現される。なお、図9図11では、ユーザ端末装置23において主にサービス系アプリにて実行される処理(手順)がサービス系アプリとして、主に決済アプリにて実行される処理(手順)が決済アプリとして、それぞれ示される。また、図9の例では、主にアーケードサーバ10の決済連携部103によって実行される処理(手順)はアーケードサーバ10として示される。
【0099】
サービス系アプリはカメラCAを介してゲーム機12のコードCDからサービス情報を取得すると、図9のペアリング処理を開始し、まずその取得したサービス情報をアーケードサーバ10に送信する(ステップS111)。サービス情報はゲーム機12のサービスに関する各種の情報を適宜に含み得るが、例えば対象のゲーム機12を特定するための情報(例えば筐体IDの情報)を含んでいる。
【0100】
一方、サービス系アプリからサービス情報が送信されると、アーケードサーバ10は図9のペアリング処理を開始し、まずそのサービス情報を取得する(ステップS311)。続いてアーケードサーバ10は、ステップS311で取得したサービス情報に基づいて、そのサービス情報に対応するゲーム機12とサービス系アプリとの間のリンクを実行する。具体的には、アーケードサーバ10は、サービス情報の送信元に対応するサービス系アプリのアカウント情報と、サービス情報に対応するゲーム機12の筐体IDとを関連付けるテーブルを作成する。そして、アーケードサーバ10は、このテーブルにてサービス系アプリとゲーム機12との間のペアリングを管理することによりリンクを実現する。続いてアーケードサーバ10は、ステップS312のリンク結果を対象のゲーム機12(サービス情報に対応するゲーム機12)、及びサービス系アプリに送信する(ステップS313)。そして、この送信の後にアーケードサーバ10は今回のペアリング処理を終了する。
【0101】
サービス系アプリは、アーケードサーバ10からリンク結果が送信されると、その結果を取得する(ステップS112)とともに、その結果を表示装置等に表示することによりユーザに通知する(ステップS113)。そして、この通知の後にサービス系アプリは今回のペアリング処理を終了する。
【0102】
ゲーム機12はアーケードサーバ10からリンク結果が送信されると、図9のペアリング処理を開始し、まずその結果を取得する(ステップS411)。続いてゲーム機12は、ステップS411で取得したリンク結果を表示装置等に表示することによりユーザに通知する(ステップS412)。そして、この通知の後にゲーム機12は今回のペアリング処理を終了する。これにより、決済対象のサービスを提供するゲーム機12とサービス系アプリとの間のリンク(連携)が実現される。より具体的には、図8の(A)の例におけるM1~M3の手順が実現される。
【0103】
図10は、アプリ連携処理の手順の一例を示すフローチャートである。アプリ連携処理は、対象のサービスの対価を決済するためにアーケードサーバ10と決済システム2との間の連携関係を成立させるための処理である。アプリ連携処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の認証処理部101、決済サーバ20の認証処理部201、及びユーザ端末装置23(サービス系アプリ、及び決済アプリ)の協働にて実現される。なお、図10では、主にアーケードサーバ10の認証処理部101によって実行される処理(手順)はアーケードサーバ10として、主に決済サーバ20の認証処理部201によって実行される処理(手順)は、決済サーバ2として、それぞれ示される。
【0104】
サービス系アプリにおいて決済サーバ20との連携が指示されると、サービス系アプリは図10のアプリ連携処理を開始し、まず決済アプリを呼び出して決済アプリに移行する(ステップS811)。一方、決済アプリはサービス系アプリから呼び出されると、図10のアプリ連携処理を開始し、サービス系アプリからアカウント情報を取得して決済サーバ20に送信する(ステップS511)。
【0105】
決済サーバ20は決済アプリからアカウント情報が送信されると、図10のアプリ連携処理を開始し、まずそのアカウント情報を取得する(ステップS611)。続いて決済サーバ20は、取得したアカウント情報をアーケードサーバ10に送信する(ステップS612)。
【0106】
アーケードサーバ10は決済サーバ20からアカウント情報が送信されると、図10のアプリ連携処理を開始し、まずそのアカウント情報を取得する(ステップS711)。続いてアーケードサーバ10は、取得したアカウント情報の認証結果(認証成立)を決済サーバ20に送信する(ステップS712)。
【0107】
決済サーバ20はアーケードシステムから認証結果(認証成立)を取得すると、アーケードサーバ10との間にゲーム機12の対価を決済するためのセッション(連携関係)を成立させるべく、セッションIDを発行する(ステップS613)。続いて決済サーバ20は、発行したセッションIDをアーケードサーバ10に送信する(ステップS614)とともに、第2セッションデータD2を生成する(決済者、若しくはその口座と関連付ける)ことによりそのセッションIDを保存する(ステップS615)。続いて決済サーバ20は、今回の連携結果を決済アプリに送信する(ステップS616)。そして、この送信の後に決済サーバ20は今回のアプリ連携処理を終了する。
【0108】
アーケードサーバ10は決済サーバ20からセッションIDが送付されると、そのセッションIDを取得し(ステップS713)、第1セッションデータD1を生成する(アカウント情報と関連付ける)ことにより保存する(ステップS714)。そして、この保存の後にアーケードサーバ10は今回のアプリ連携処理を終了する。
【0109】
一方、決済アプリは決済サーバ20から連携結果が送信されると、その結果を取得する(ステップS512)。続いて決済アプリは、サービス系アプリを呼び出し、取得した連携結果を共有しつつ、サービス系アプリに再度移行する(ステップS513)とともに、今回のアプリ連携処理を終了する。サービス系アプリは決済アプリに呼び出されると、まず決済アプリから連携結果を取得する(ステップS812)。続いてサービス系アプリは、その取得した連携結果を表示装置に表示する等によりユーザに通知する(ステップS813)。そして、この通知の後にサービス系アプリは今回のアプリ連携処理を終了する。これにより、ゲーム機12の対価を決済するためのアーケードシステム1と決済サーバ20との間の連携関係が、サービス系アプリを介して成立する。より具体的には、図7の(B)の例におけるM4~M10の手順が実現される。
【0110】
図11は、第2連携決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。第2連携決済処理は、第2の連携形態においてアーケードサーバ10と決済サーバ20との間の連携関係(セッション)が維持された状況で連続的な決済(支払)を実行するための処理である。第2連携決済処理は、一例としてゲーム機12、アーケードサーバ10の決済連携部103、決済サーバ20の決済処理部202、及びサービス系アプリの協働にて実現される。なお、図11では、主にアーケードサーバ10の決済連携部103によって実行される処理(手順)はアーケードサーバ10として、主に決済サーバ20の決済処理部202によって実行される処理(手順)は、決済サーバ2として、それぞれ示される。
【0111】
サービス系アプリは両システム1、2間のセッションが維持されている状況においてユーザによって対価の決済(プレイの提供)が指示されると、図11の第2連携決済処理を開始し、まずアーケードサーバ10に決済要求を送信する(ステップS911)。この要求には対価の額等、決済に必要な情報が含まれる。
【0112】
アーケードサーバ10はサービス系アプリから決済要求が送信されると、図11の第2連携決済処理を開始して、その決済要求を取得する(ステップS1111)。続いてアーケードサーバ10は、取得した決済要求を決済サーバ20に送信する(ステップS1112)。
【0113】
決済サーバ20はアーケードサーバ10から決済要求が送信されると、図11の第2連携決済処理を開始し、まずその決済要求を取得する(ステップS1011)。続いて決済サーバ20は、第2セッションデータD2を参照しつつ、ステップS1011で取得した決済要求に従って決済を実行する(ステップS1012)。この決済は、セッションIDに関連付けられるユーザIDの口座の残高を減少させることにより実現される。次に決済サーバ20は、ステップS1012の決済結果をアーケードサーバ10に通知する(ステップS1013)。この場合において決済サーバ20は、決済アプリの起動時に今回の決済結果が反映されるように決済結果を決済アプリにも通知してよい。そして、この通知の後に決済サーバ20は今回の第2連携決済処理を終了する。
【0114】
一方、アーケードサーバ10は決済サーバ20から決済結果が通知されると、その決済結果を取得する(ステップS1113)。続いてアーケードサーバ10は、取得した決済結果をサービス系アプリ、及びゲーム機12に通知する(ステップS1114)。そして、この通知の後にアーケードサーバ10は今回の第2連携決済処理を終了する。
【0115】
サービス系アプリは、アーケードサーバ10から決済結果が通知されると、その結果を取得するとともに、その結果を任意の時期にユーザが確認できるように保存する(ステップS912)。そして、この保存の後にサービス系アプリは今回の第2連携決済処理を終了する。
【0116】
ゲーム機12はアーケードサーバ10から決済結果が通知されると、図11の第2連携決済処理を開始し、まずそれを取得する(ステップS1211)。続いてゲーム機12は、取得した決済結果に基づいて決済が成功したか否か判別する(ステップS1212)。決済が失敗している場合(ステップS1212:No)、ゲーム機12は以降の処理をスキップして今回の第2連携決済処理を終了する。この場合、ゲーム機12は決済失敗の結果を、表示装置等を通じて適宜にユーザに通知してもよい。
【0117】
一方、決済が成功している場合(ステップS1212:Yes)、ゲーム機12はサービス系アプリを介してユーザから指示されたゲームのプレイを許可し、プレイを開始させる(ステップS1213)。そして、プレイの開始の後にゲーム機12は今回の第2連携決済処理を終了する。これにより、セッションが維持されている状況において認証等が省略され、サービス系アプリを介して比較的簡易な手順にてゲームの対価が決済システム2において決済される。また、一般的には決済終了後はセッションが解除され、次回の決済時に再度認証等が要求されるが、図11の例では決済後もセッションは解除されず、維持される。このため、サービス系アプリを介して比較的簡易な手順で繰り返しゲーム機12におけるプレイの対価が決済システム2にて決済される。より具体的には、図7の(C)の例におけるM11~M16の手順が実現される。
【0118】
以上に説明したように、第2の連携形態によれば、第1の連携形態と同様に複数回の決済に対するユーザの手間暇を低減する等の効果を得ることができる。加えて、第2の連携形態では、ゲーム機12等のサービス端末11と決済システム2との間にサービス系アプリが介在し、サービス系アプリを介してゲーム等のサービスの対価が決済される。このため、サービス系アプリを自動販売機13等の他のサービス端末11とリンクさせることにより、連携関係が維持された状況において複数のサービス端末11を跨いだ複数回の決済が許容されるように連携関係が維持される。これにより、複数のサービスに関する決済の手間暇を低減することができる。結果として、複数のサービスの利用を促進することができる。特に、複数のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末11が設置された施設では、各サービスの決済の利便性向上に伴い、施設自体の利便性向上を図り、利用者の増加を期待することができる。
【0119】
また、決済アプリ(決済機能)とサービス系アプリ(補助的機能)との使い分けにより、一台のユーザ端末装置23、15に決済システム2用の端末、及びアーケードシステム1用の端末の両方を兼務させることができる。これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。さらに、サービス系アプリと決済アプリとの間では自動的に両機能が連携され、決済のための情報が引き継がれるので、ユーザの利便性向上を図ることができる。
【0120】
以上の第2の連携形態において、ステップS614を含む図10の決済サーバ20の手順が本発明の第1関係設定手順として、決済サーバ20の認証処理部201がそれを実行することにより本発明の第1関係設定手段として、それぞれ機能する。また、ステップS1012を含む図11の決済サーバ20の手順が本発明の対価決済手順として、決済サーバ20の決済処理部202がそれを実行することにより本発明の対価決済手段として、それぞれ機能する。そして、決済サーバ20の認証処理部201、及び決済処理部202のそれぞれに対して図10、及び図11に示した処理を実行させる機能を実装させることにより、それらの認証処理部201、及び決済処理部202、ひいては決済システム2(あるいは決済サーバ20)が本発明の連携システムの一例を構成する。
【0121】
さらに、第2の連携形態において、ステップS714を含む図10のアーケードサーバ10の手順が本発明の第2関係設定手順として、アーケードサーバ10の認証処理部101がそれを実行することにより本発明の第2関係設定手段として、それぞれ機能する。同様に、ステップS1112を含む図11のアーケードサーバ10の手順が本発明の決済要求手順として、アーケードサーバ10の決済連携部103がそれを実行することにより本発明の決済要求手段として、それぞれ機能する。なお、ステップS911を含む図11のサービス系アプリの手順が本発明の決済要求手順として、サービス系アプリを介してユーザ端末装置23がそれを実行することにより本発明の決済要求手段として、それぞれ機能してもよい。
【0122】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。上述の形態では、連携システムは、ゲーム機12、自動販売機13、及びユーザ端末装置15がそれぞれ提供するサービスの対価の決済に適用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、連携システムは、各種チケットの購入、遊技場での貸与物に対する対価の支払い、或いは各種コンテンツに対する適宜の寄付(いわゆる投げ銭等)といったサービスの決済に適用されてもよい。
【0123】
上述の第2の連携形態では、アーケードシステム1を介して決済要求が決済システム2に提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、サービス系アプリは決済アプリと連携し、決済アプリを介して決済システム2に決済要求を実行してもよい。要するに決済要求は適宜に実行されてよい。
【0124】
上述の形態では、認証処理部201、及び決済処理部202、ひいては決済システム2(あるいは決済サーバ20)が本発明の連携システムの一例を構成している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、認証処理部201、及び決済処理部202の役割の一部、或いは全部をアーケードシステム1が実行することにより、決済システム2とアーケードシステム1との組合せ、或いはアーケードシステム1が本発明の連携システムとして機能してもよい。あるいは、決済システム2とアーケードシステム1との間に別のシステムが介在してもよく、その別のシステムが認証処理部201、及び決済処理部202の役割を実行することにより本発明の連携システムとして機能してもよい。さらに、その別のシステム、決済システム2、及びアーケードシステム1の組合せが連携システムとして機能してもよい。その別のシステムとしてサービス端末11、或いはユーザ端末装置23が機能してもよい。
【0125】
本発明のサービスシステムについても同様である。例えば、アーケードサーバ10の役割の全部をユーザ端末装置15が実行し、ユーザ端末装置15の単体が本発明のサービスシステムとして機能してもよい。あるいは、アーケードサーバ10の役割の一部をユーザ端末装置15が分担し、アーケードサーバ10とユーザ端末装置15との組合せが本発明のサービスシステムとして機能してもよいし、適宜の別のシステムが本発明のサービスシステムとして機能してもよい。
【0126】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0127】
本発明の制御方法は、所定のサービスを提供するためのサービスシステム(1)を、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システム(2)と連携させるための連携システム(2)に組み込まれるコンピュータ(20)に、前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第1関係設定手順と、前記連携関係が成立している状況において前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手順と、を実行させる、ものである。
【0128】
本発明によれば、連携関係の成立後にはサービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように所定のサービスの対価が決済システムにて決済される。換言すれば、連携関係の成立後には複数回の決済が許容されるようにその連携関係が維持される。一般的に連携関係の成立にはユーザ認証等の手間が発生する場合が多い。少なくとも連携関係を成立させるための各種情報を両システム間で送受信する必要がある。結果的に時間がかかる場合も多い。このため、連携関係の成立後に複数回の決済を許容するようにその連携関係を維持することにより、これらの手順を省略することができる。結果として、複数回の決済に対するユーザの手間暇を低減することができ、ひいては例えばプライズゲームにおける連続的なプレイ等、複数回の決済を促進することができる。
【0129】
決済システムは、適宜に構成されてよい。例えば、決済システムは、クレジットカード等の支払用のカード(決済用の媒体の一例)のリーダとして構成されてもよい。そして、所定の情報はユーザによって手入力等によってリーダ(決済システム)に提供されてもよい。同様に、決済用の媒体として各種の媒体が適宜に利用されてよい。例えば、決済用の媒体として、支払用の価値に関連付けられる各ユーザを識別するための情報(例えばユーザID)を記録する媒体(例えばIDカード)、支払用の価値を直接記録する媒体といった記録媒体が使用されてよい。例えば、このような決済用の媒体の具体例としてスマートフォン等のユーザ端末装置が使用されてもよい。また、決済システムとサービスシステムとを連携させるための所定の情報は両システムの一方(両方であってもよい)に適宜に提供されてよい。例えば、所定の情報としてのユーザIDの情報を記録するカードを介してサービスシステムにユーザID(所定の情報)は提供されてもよい。換言すれば、決済システムからサービスシステムに所定の情報が提供されてもよい。あるいは、その反対にサービスシステムから決済システムに所定の情報が提供されてもよい。
【0130】
具体的には、例えば、本発明の制御方法の一態様において、前記決済システムは、ユーザ端末装置(23)を介して前記所定のサービスの対価を決済するように構成され、前記サービスシステムには、前記連携関係の成立に用いられる所定の情報を前記ユーザ端末装置に提供するための情報提供手段(CD)が設けられ、前記第1関係設定手順は、前記ユーザ端末装置を介して前記所定の情報を取得し、当該所定の情報に基づいて前記連携関係を成立させてもよい。
【0131】
サービスシステムも同様に適宜に構成されてよい。例えば、サービスシステムは、所定のサービスを直接的にユーザに提供するサービス端末として構成されてもよい。あるいは、サービスシステムはサービス端末とは別の装置として構成されてもよい。また、情報提供手段は適宜に構成されてよい。例えば、情報提供手段は、所定の情報を表示する表示装置として構成されてもよい。あるいは、情報提供手段は、その他の各種の方法で所定の情報を提供するように適宜に構成されてよい。
【0132】
例えば、本発明の制御方法の一態様において、前記サービスシステムは、サービス端末(11)を介して前記所定のサービスを提供するように構成され、前記情報提供手段として、前記サービス端末が機能してもよい。また、情報提供手段が設けられる態様において、前記サービス端末には、前記所定の情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコード(CD)が設けられ、前記ユーザ端末装置には、前記コードを読み取るためのリーダ(CA)が設けられ、前記コードを介して前記所定の情報が提供されてもよい。あるいは、前記サービス端末には、前記所定の情報を近距離無線通信にて送信するための送信機能が設けられ、前記ユーザ端末装置には、前記近距離無線通信の受信機能(CU)が設けられ、前記近距離無線通信を介して前記所定の情報が提供されてもよい。これらの場合、決済に用いられる所定の情報がユーザに直接認識されることを抑制することができる。例えば、サービス端末の種類によっては不特定多数のユーザが利用可能な施設に設置される場合もある。その場合に所定の情報が容易にユーザに認識されてしまうと、セキュリティの観点から好ましくない。このため、所定の情報がコード、或いは近距離無線通知を介してユーザ端末装置に提供される場合、セキュリティ面の向上を図ることができる。
【0133】
決済システムとサービスシステムとの間の決済において、ユーザ端末装置に限らず、適宜の装置が介在してよい。例えば、情報提供手段が設けられる態様において、前記サービスシステムは、サービス端末(11)を介して前記所定のサービスを、補助サービス端末(15)を介して前記所定のサービスを補助する補助サービスを、それぞれ提供するように構成され、前記補助サービス端末は、前記補助サービスを前記サービス端末と連携して提供するように前記サービス端末から当該サービス端末に関するサービス情報を取得するとともに、前記所定の情報を前記ユーザ端末装置に提供することにより前記情報提供手段として機能し、前記対価決済手順は、前記サービス情報に基づいて前記補助サービス端末と前記サービス端末とが連携された後に、前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させてもよい。
【0134】
また、補助サービス端末が介在する態様において、前記サービスシステムは、複数のサービス端末(12、13)を介して複数のサービスをそれぞれ前記所定のサービスとして提供するように構成され、前記補助サービス端末は、各サービス端末の前記サービス情報に基づいて前記複数のサービス端末と連携され、前記対価決済手順は、前記連携関係が成立している状況において前記複数のサービス端末がそれぞれ提供する複数のサービスの対価の決済が要求された場合に当該複数のサービスの対価をそれぞれ前記決済システムに決済させてもよい。この場合、複数のサービス端末を跨いだ複数回の決済が許容されるように連携関係が維持される。これにより、複数のサービスに関する決済の手間暇を低減することができる。結果として、複数のサービスの利用を促進することができる。特に、複数のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末が設置された施設では、各サービスの決済の利便性向上に伴い、施設自体の利便性向上を図り、利用者の増加を期待することができる。
【0135】
補助サービス端末として各種の端末(装置)が適宜に利用されてよい。例えば、補助サービス端末はユーザ端末装置とは別の専用の端末であってもよい。また、例えば、補助サービス端末が介在する態様において、前記ユーザ端末装置には、前記所定のサービスの対価を決済するための決済機能と、前記補助サービスを提供するための補助サービス機能とが設けられ、前記補助サービス端末として、前記補助サービス機能を利用した前記ユーザ端末装置が利用されてもよい。この場合、決済機能と補助サービス機能との使い分けにより、一台のユーザ端末装置に決済システム用の端末、及びサービスシステム用の端末の両方を兼務させることができる。これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0136】
補助サービス端末が介在する場合においても所定の情報は適宜に提供されてよい。サービス情報についても同様である。例えば、ユーザ端末装置に決済機能及び補助サービス機能が設けられる態様において、前記サービス端末には、前記サービス情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコード(CD)が設けられ、前記ユーザ端末装置には、前記コードを読み取るためのリーダ(CA)が設けられ、前記補助サービス機能は、前記リーダを介して前記コードから読み取った前記サービス情報に基づいて前記サービス端末と連携するように構成されてもよい。あるいは、前記サービス端末には、前記サービス情報を近距離無線通信にて送信するための送信機能が設けられ、前記ユーザ端末装置には、前記近距離無線通信の受信機能(CU)が設けられ、前記補助サービス機能は、前記近距離無線通信を介して受信された前記サービス情報に基づいて前記サービス端末と連携するように構成されてもよい。
【0137】
補助サービス機能は適宜に構成されてよい。例えば、補助サービス機能と決済機能とは連携せず、互いに独立した機能として構成されてよい。この場合、例えば、サービス情報等の各種情報はユーザの介在を通じて両機能間において共有されてもよい。あるいは、補助サービス機能と決済機能とは連携するように構成されてもよい。例えば、ユーザ端末装置に決済機能及び補助サービス機能が設けられる態様において、前記補助サービス機能は、前記サービス情報を取得した後に所定の呼び出し指示に基づいて前記決済機能を呼び出すように構成されてもよい。この場合、自動的に両機能が連携されるので、ユーザの利便性向上を図ることができる。
【0138】
所定のサービスとして各種のサービスが適宜に提供されてよい。例えば、自動販売機による商品の販売、或いは所定の施設の使用といったサービスが所定のサービスとして提供されてよい。具体的には、本発明の制御方法の一態様において、前記サービスシステムは、前記所定のサービスとしてゲームを提供してもよい。
【0139】
連携システムは、適宜のシステムによって構成されてよい。例えば、連携システムは、決済システム、及びサービスシステムとは別のシステム(装置)として構成されてもよい。また、連携システムは、決済システム、及びサービスシステムの組合せ(適宜の一部ずつの組合せを含む)であってもよい。あるいは、連携システムは、決済システム、及びサービスシステムのいずれか一方のシステムであってもよい。例えば、本発明の制御方法の一態様において、前記連携システムとして、前記決済システムが機能してもよい。
【0140】
連携関係の成立後に実行される複数回の決済において、ユーザに決済の可否(決済を承認するか否か)を確認する機会は決済毎に提供されてもよいし、適宜に省略されてもよい。例えば、本発明の制御方法の一態様において、前記サービスシステムは、前記複数回の決済を要求する場合において少なくとも二回目以降の決済において当該二回目以降の決済を承認するか否かユーザに確認する機会を省略するように構成されてもよい。この場合、承認プロセスが省略されるため、ユーザの手間暇の更なる低減を図ることができる。
【0141】
連携関係の維持は適宜の解除条件に基づいて解除されてよい。例えば、所定のサービスが所定の施設にて提供され、ユーザ端末装置の位置情報等を通じてユーザの位置が特定される場合において、解除条件はユーザが所定の施設の外に出た場合に満たされてもよい。あるいは、5回等、所定回数の決済が実行された場合に満たされてもよい。また、ユーザによって所定の解除指示が実行された場合、若しくは所定時間経過した場合に満たされてもよい。具体的には、例えば、本発明の制御方法の一態様として、前記コンピュータに、前記サービスシステムのユーザによって前記連携関係を解除するための指示が実行された場合、及び前記連携関係の成立から所定時間経過した場合の少なくともいずれか一方の場合において前記決済システムに前記連携関係を解除させる連携解除手順を更に実行させる態様が採用されてもよい。この場合、解除指示、或いは所定時間経過といった条件が満たされるまでの期間においてユーザに連続的な決済に対する安心感を与えることができる。
【0142】
本発明のコンピュータプログラム(PG1)は、所定のサービスを提供するためのサービスシステム(1)を、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システム(2)と連携させるための連携システム(2)に組み込まれるコンピュータ(20)を、前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第1関係設定手段(201)、及び前記連携関係が成立している状況において前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手段(202)として機能させるように構成された、ものである。
【0143】
本発明の連携システムは、所定のサービスを提供するためのサービスシステム(1)を、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システム(2)と連携させるための連携システム(2)であって、前記サービスシステムと前記決済システムとの間に前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第1関係設定手段(201)と、前記連携関係が成立している状況において前記サービスシステムからの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価を前記決済システムに決済させる対価決済手段(202)と、を備える、ものである。
【0144】
一方、本発明のサービスシステムに適用される制御方法は、所定のサービスを提供するためのサービスシステム(1)を、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システム(2)と連携させるための連携システム(2)において前記サービスシステムに組み込まれるコンピュータ(20)に、前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第2関係設定手順と、前記連携関係が成立している状況においてユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手順と、を実行させる、ものである。
【0145】
また、本発明のサービスシステムに適用されるコンピュータプログラム(PG2)は、所定のサービスを提供するためのサービスシステム(1)を、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システム(2)と連携させるための連携システム(2)において前記サービスシステムに組み込まれるコンピュータ(10)を、前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第2関係設定手段(101)、及び前記連携関係が成立している状況においてユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手段(103)として機能させるように構成された、ものである。
【0146】
さらに、本発明のサービスシステムは、所定のサービスを提供するためのサービスシステム(1)を、前記所定のサービスの対価が決済されるように決済システム(2)と連携させるための連携システム(2)の前記サービスシステムであって、前記決済システムと前記所定のサービスの対価を決済するための連携関係を成立させる第2関係設定手段(101)と、前記連携関係が成立している状況においてユーザからの指示に従って複数回の決済が許容されるように前記所定のサービスの対価の決済を前記決済システムに要求する決済要求手段(103)と、を備える、ものである。本発明のサービスシステム、それに適用される制御方法、及びコンピュータプログラムにより本発明の連携システムに係るサービスシステム等を実現することができる。
【符号の説明】
【0147】
1 アーケードシステム(サービスシステム)
2 決済システム
10 アーケードサーバ(コンピュータ)
20 決済サーバ(連携システム、コンピュータ)
101 認証処理部(第2関係設定手段)
103 決済連携部(決済要求手段)
201 認証処理部(第1関係設定手段)
202 決済処理部(対価決済手段)
PG1 サーバプログラム(コンピュータプログラム)
PG2 サーバプログラム(コンピュータプログラム)
【要約】
【課題】複数回の決済に対するユーザの手間暇を低減することができる制御方法を提供する。
【解決手段】制御方法は、ゲーム機12を介してゲームを提供するためのアーケードシステム1を、ゲームの対価が決済されるように決済システム2と連携させるための連携システムとして機能する決済システム2の決済サーバ20に、アーケードシステム1と決済システム2との間にゲームの対価を決済するための連携関係(セッション)を成立させる手順と、その連携関係が成立している状況においてアーケードシステム1からの決済要求に応じて複数回の決済が許容されるようにゲームの対価を決済システム2に決済させる手順と、を実行させる。
【選択図】図2
図1
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図5
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図8
図9
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図11