IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山東科技大学の特許一覧

特許7617680現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステム
<>
  • 特許-現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステム 図1
  • 特許-現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステム 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01V 11/00 20060101AFI20250110BHJP
   G01V 8/16 20060101ALI20250110BHJP
   G01V 8/24 20060101ALI20250110BHJP
   G01V 9/02 20060101ALI20250110BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20250110BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20250110BHJP
【FI】
G01V11/00
G01V8/16
G01V8/24
G01V9/02
G06Q10/04
G06Q50/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024077312
(22)【出願日】2024-05-10
【審査請求日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】202311300977.0
(32)【優先日】2023-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518411338
【氏名又は名称】山東科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】尹大偉
(72)【発明者】
【氏名】余振宇
(72)【発明者】
【氏名】韓磊
(72)【発明者】
【氏名】陳紹傑
(72)【発明者】
【氏名】張逸群
(72)【発明者】
【氏名】焦昊
(72)【発明者】
【氏名】汪鋒
(72)【発明者】
【氏名】江寧
(72)【発明者】
【氏名】屈暁
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106405675(CN,A)
【文献】特開2011-052399(JP,A)
【文献】特開2004-005757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G08B19/00-31/00
G06Q10/04
G06Q50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ監視モジュールと、データ採集モジュールと、予測分析モジュールと、早期警報通知モジュールと、メンテナンス管理モジュールと、を含み、
前記データ監視モジュールは、現場の適切な場所にセンサーを配置し、鉱山の地表水と地下水データ、及び地下岩石データをリアルタイム監視するために使用され、
前記データ採集モジュールは、センサーから伝送されたデータ情報を収集して整理し、データ処理とデータ変換を行い、デジタル信号に変換し、データセットに集中伝送するために使用され、
前記予測分析モジュールは、地表水と地下水データ、及び地下岩石データを深掘りし、計算分析によって岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを取得した後、データセットに入力し、計算学習を行い、リスク評価指数Fpzsを予測して取得するために使用され、前記リスク評価指数Fpzsは以下の式によって得られ、
【数16】
式中において、Lzsは過去の災害回数を表し、fは水位変動係数Sbxsの重み値を表し、fは岩石安定係数Ywxsの重み値を表し、ここで、f1+f2≦1.0、Rは修正係数を表し、
孔径Kjzを温度差Wdcに関連付け、岩石浸透因子Ystzを取得し、元の水位Yswを現在の水位Xswに関連付け、浮動因子Fdyzを取得し、岩石浸透因子Ystzを浮動因子Fdyzに関連付け、水位変動係数Sbxsを取得し、荷重Hzzを裂け目の深さに関連付け、岩石安定係数Ywxsを取得し、岩石安定係数Ywxsと水位変動係数Sbxsに関連付けてリスク評価指数Fpzsを取得し、
前記早期警報通知モジュールは、過去時間軸内の毎週、毎月または毎年の鉱山の地表水と地下水データ、地下岩石データ及び過去災害頻度データを抽出して、過去のデータを取得して平均値を計算し、平均しきい値Qを取得し、さらに予測したリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qを比較分析して、災害早期警報戦略を取得するために使用され、
前記メンテナンス管理モジュールは、上記取得した災害早期警報戦略に対して相応な調整及び管理作業を行うために使用されることを特徴とする現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項2】
前記データ監視モジュールはセンサーユニットと画像記録ユニットとを含み、
前記センサーユニットは、鉱山の地表及び地下の適切な場所に光ファイバーセンサー、雨量計及び雨滴カウンタを設置して、岩石表面又は内部歪み、温度、湿度、及び割れ目が拡張又は変形しているか否かを含む鉱山の地下岩石データを監視するために使用され、
前記画像記録ユニットは、鉱山の地表と地下の適切な場所にカメラを設置し、地表と地下水位、岩の大きさ、降水量、鉱山付近の井戸の深さ及び降雨時の速度、すなわち1分間に地面に落下した雨滴の数を含む鉱山の地表水と地下水データを現場監視するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項3】
前記データ採集モジュールは、前処理ユニットとデータ統合ユニットを含み、
前記前処理ユニットは、地表水と地下水データ、および地下岩石データの紛失を修復し、欠損値を補充し、データを平滑化処理し、異常なデータポイントを検出し、データに対してデータ変換を行うために使用され、
前記データ統合ユニットは、前処理ユニットを経た複数のデータソース中のデータを統合、併合、管理し、後続の分析、報告、意思決定の策定を容易にし、そしてデータフォーマット変換を行い、デジタル信号に変換し、データフォーマットを統一するために使用されることを特徴とする請求項2に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項4】
採集された地下岩石データに基づいて、深層学習計算を行い、岩石浸透因子Ystzを得て、前記岩石浸透因子Ystzは以下の式によって得られ、
【数17】
式中において、Kjzは孔径の大きさを表し、Sdzは湿度を表し、Wdcは温度差を表し、Jysは降雨速度を表し、ここで、w1、w2、w3、w4はそれぞれ孔径の大きさKjz、湿度Sdz、温度差Wdc、降雨速度Jysの重み値を表し、ここで、0.35≦w1≦0.65、0.35≦w2≦0.65、0.45≦w3≦0.55、0.55≦w4≦0.75、w1+w2+w3+w4≧1.0、Cは修正係数であり、前記浮動因子Fdyzは以下の式によって得られ、
【数18】
式中において、Xszは地下の現在の水位を表し、Yszは地下の元の水位を表し、Tiは時間間隔を表すことを特徴とする請求項3に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項5】
岩石浸透因子Ystzを浮動因子Fdyzに関連付けて水位変動係数Sbxsを取得し、前記水位変動係数Sbxsは以下の式によって得られ、
【数19】
式中において、Jylは降水量を表し、Sjsは井戸の深さを表し、α1、α2、α3とα4はそれぞれ岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、降水量Jyl、井戸の深さSjsの重み値を表し、ここで、Xは修正係数を表すことを特徴とする請求項4に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項6】
荷重Hzzを割れ目の深さLfsdに関連付けて、岩石安定係数Ywxsを取得し、前記岩石安定係数Ywxsは以下の式によって得られ、
【数20】
式中において、Yqdは岩石の強度を表し、bは荷重Hzzの重み値を表し、bは岩石の強度Yqdの重み値を表し、ここで、b1+b2≦1.0、Lは修正係数を表すことを特徴とする請求項5に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項7】
浮動因子Fdyzとプリセット浮動しきい値Kを比較分析し、比較結果を得て、
浮動因子Fdyzがプリセット浮動しきい値Kを上回った場合、すなわちFdyz>Kの場合、地下水位の変化幅が大きくなり、プリセット指数を超えたことを示し、地下水位が異常な状態にあることを意味し、
浮動因子がプリセット浮動しきい値Kを下回る場合、すなわちFdyz<Kの場合、地下水位の変化幅が許容可能な範囲にあることを意味すること特徴とする請求項6に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項8】
取得した過去のデータを計算し、平均しきい値Qを取得し、予測したリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qを比較分析し、災害早期警報戦略を取得し、
リスク評価指数Fpzsが平均閾値Qを上回った場合、すなわちFpzs>Qの場合、現在の鉱山がリスクの高い地帯にあることを示し、地下水位が徐々に上昇し、随時水の突入現象が発生することを意味し、この時鉱山内外は緊急赤色早期警報を送信し、
リスク評価指数Fpzsが平均閾値Qに等しい場合、すなわちFpzs=Qの場合、現在の鉱山に明らかな異常現象がないことを示し、この時鉱山内外はオレンジ色の早期警報を送信し、この時鉱山内の管理保全職員はリスク状況を監視し続け、
リスク評価指数Fpzsが平均しきい値Qを下回る場合、すなわちFpzs<Qの場合、現在の鉱山がリスクの低い状態にあることを示し、その場合は定期的に予防設備を保全し、予防設備が正常に稼働できるように確保することを特徴とする請求項7に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【請求項9】
メンテナンス管理モジュールはフィードバックユニットとレポート要約ユニットを含み、
前記フィードバックユニットは、システムから対応する早期警報通知を送信した後、再度ポップアップの形を通じて鉱山のバックグラウンド観察人員に、最終的な実行結果が正常であるか、または異常がないかを提示するために使用され、
前記レポート要約ユニットは、定期的に鉱山を訪問して現場監視を行った後、定期的にイベントのドライブレポートを生成することにより、鉱山の経営陣と監督機構に主要な指標、問題レポート、傾向分析を含む詳細な情報を提供するために使用されることを特徴とする請求項8に記載の現場監視による鉱山災害早期予測警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱山災害の技術分野に関し、具体的には現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山業界では、安全が最も大事な問題の1つであり、鉱山災害には通常、地下水位の上昇による水害や、岩石の安定性問題による地すべり、土砂崩れ、土石流などが含まれる。これらの災害は鉱山施設や設備の安全だけでなく、労働者の生命の安全と環境にも深刻な脅威をもたらす可能性がある。そのため、鉱山作業に対して潜在的な危険状況を事前に識別し、適切な予防措置をとり、鉱山稼働の持続可能性と安全性を確保するために、効果的な監視と予測システムが必要である。
【0003】
科学技術の発展に伴い、従来の鉱山予測システムもますます情報化と知能化手段に依存している。しかし、従来の予測方法はデータの監視について、いつも鉱山地表に関するデータ情報を監視、収集していたが、鉱山の地下に関するデータの収集と監視が不足し、鉱山地下の水源の水位変化と地下岩石の強度、孔径、温度差及び割れ目の深さなどの多種の因子が鉱山全体の災害発生頻度に影響を与えるため、どのようにして鉱山地下のリスク評価結果をより正確に予測するかは、本発明が解決すべき課題となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来技術の不足に対して、本発明は現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステムを提供し、上述の背景技術における課題を解決する。
【0005】
以上の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段によって実現され、現場監視による鉱山災害早期予測警報システムであって、データ監視モジュールと、データ採集モジュールと、予測分析モジュールと、早期警報通知モジュールと、メンテナンス管理モジュールと、を含み、
前記データ監視モジュールは、現場の適切な場所にセンサーを配置し、鉱山の地表水と地下水データ、及び地下岩石データをリアルタイム監視するために使用され、
前記データ採集モジュールは、センサーから伝送されたデータ情報を収集して整理し、データ処理とデータ変換を行い、デジタル信号に変換し、データセットに集中伝送するために使用され、
前記予測分析モジュールは鉱山の地表水と地下水データ、及び地下岩石データを深掘りし、計算分析によって岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを取得した後、データセットに入力し、計算学習を行い、リスク評価指数Fpzsを予測して取得するために使用され、前記リスク評価指数Fpzsは以下の式によって得られ、
【0006】
【数1】
【0007】
式中において、Lzsは過去の災害回数を表し、fは水位変動係数Sbxsの重み値を表し、fは岩石安定係数Ywxsを表し、ここで、f+f≦1.0、Rは修正係数を表し、
孔径Kjzを温度差Wdcに関連付け、岩石浸透因子Ystzを取得し、元の水位Yswを現在の水位Xswに関連付け、浮動因子Fdyzを取得し、岩石浸透因子Ystzを浮動因子Fdyzに関連付け、水位変動係数Sbxsを取得し、荷重Hzzを裂け目の深さに関連付け、岩石安定係数Ywxsを取得し、岩石安定係数Ywxsと水位変動係数Sbxsに関連付けてリスク評価指数Fpzsを取得し、
前記早期警報通知モジュールは、過去時間軸内の毎週、毎月または毎年の鉱山の地表水と地下水データ、地下岩石データ及び過去災害頻度データを抽出して、過去のデータを取得して平均値を計算し、平均しきい値Qを取得し、さらに予測したリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qを比較分析して、災害早期警報戦略を取得するために使用され、
前記メンテナンス管理モジュールは、上記取得した災害早期警報戦略に対して相応な調整及び管理作業を行うために使用される。
【0008】
好ましくは、前記データ監視モジュールはセンサーユニットと画像記録ユニットとを含み、
前記センサーユニットは、鉱山の地表及び地下の適切な場所に光ファイバーセンサー、雨量計及び雨滴カウンタを設置して、岩石表面又は内部歪み、温度、湿度、及び割れ目が拡張又は変形しているか否かを含む鉱山の地下岩石データを監視するために使用され、
前記画像記録ユニットは、鉱山の地表と地下の適切な場所にカメラを設置し、地表と地下水位、岩の大きさ、降水量、鉱山付近の井戸の深さ及び降雨時の速度、すなわち1分間に地面に落下した雨滴の数を含む鉱山の地表水と地下水データを現場監視するために使用される。
【0009】
好ましくは、前記データ採集モジュールは、前処理ユニットとデータ統合ユニットを含み、
前記前処理ユニットは、地表水と地下水データ、および地下岩石データの紛失を修復し、欠損値を補充し、データを平滑化処理し、異常なデータポイントを検出し、データに対してデータ変換を行うために使用され、
前記データ統合ユニットは、前処理ユニットを経た複数のデータソース中のデータを統合、併合、管理し、後続の分析、報告、意思決定の策定を容易にし、そしてデータフォーマット変換を行い、デジタル信号に変換し、データフォーマットを統一するために使用される。
【0010】
好ましくは、採集された地下岩石データに基づいて、深層学習計算を行い、岩石浸透因子Ystzを得て、前記岩石浸透因子Ystzは以下の式によって得られ、
【0011】
【数2】
【0012】
式中において、Kjzは孔径の大きさを表し、Sdzは湿度を表し、Wdcは温度差を表し、Jysは降雨速度を表し、ここで、w1、w2、w3、w4はそれぞれ孔径の大きさKjz、湿度Sdz、温度差Wdc、降雨速度Jysの重み値を表し、ここで、0.35≦w1≦0.65、0.35≦w2≦0.65、0.45≦w3≦0.55、0.55≦w4≦0.75、w1+w2+w3+w4≧1.0、Cは修正係数であり、前記浮動因子Fdyzは以下の式によって得られ、
【0013】
【数3】
【0014】
式中において、Xszは地下の現在の水位を表し、Yszは地下の元の水位を表し、Tiは時間間隔を表す。
【0015】
好ましくは、岩石浸透因子Ystzを浮動因子Fdyzに関連付けて水位変動係数Sbxsを取得し、前記水位変動係数Sbxsは以下の式によって得られ、
【0016】
【数4】
【0017】
式中において、Jylは降水量を表し、Sjsは井戸の深さを表し、α1、α2、α3とα4はそれぞれ岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、降水量Jyl、井戸の深さSjsの重み値を表し、ここで、Xは修正係数を表す。
【0018】
好ましくは、荷重Hzzを割れ目の深さLfsdに関連付けて、岩石安定係数Ywxsを取得し、前記岩石安定係数Ywxsは以下の式によって得られ、
【0019】
【数5】
【0020】
式中において、Yqdは岩石の強度を表し、bは荷重Hzzの重み値を表し、bは岩石の強度Yqdの重み値を表し、ここで、b1+b2≦1.0、Lは修正係数を表す。
【0021】
好ましくは、浮動因子Fdyzとプリセット浮動しきい値Kを比較分析し、比較結果を得て、
浮動因子Fdyzがプリセット浮動しきい値Kを上回った場合、すなわちFdyz>Kの場合、地下水位の変化幅が大きくなり、かつプリセット指数を超えたことを示し、地下水位が異常な状態にあることを意味し、
浮動因子がプリセット浮動しきい値Kを下回る場合、すなわちFdyz<Kの場合、地下水位の変化幅が許容可能な範囲にあることを意味する。
【0022】
好ましくは、取得した過去のデータを計算し、平均しきい値Qを取得し、予測したリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qを比較分析し、災害早期警報戦略を取得し、
リスク評価指数Fpzsが平均閾値Qを上回った場合、すなわちFpzs>Qの場合、現在の鉱山がリスクの高い地帯にあることを示し、地下水位が徐々に上昇し、随時水の突入現象が発生することを意味し、この時鉱山内外から緊急赤色早期警報を送信し、
リスク評価指数Fpzsが平均閾値Qに等しい場合、すなわちFpzs=Qの場合、現在の鉱山に明らかな異常現象がないことを示し、この時鉱山内外からオレンジ色の早期警報を送信し、この時鉱山内の管理職員はリスク状況を監視し続け、
リスク評価指数Fpzsが平均しきい値Qを下回る場合、すなわちFpzs<Qの場合、現在の鉱山がリスクの低い状態にあることを示し、その場合は定期的に予防設備を保全し、予防設備が正常に稼働できるようにする確保する。
【0023】
好ましくは、メンテナンス管理モジュールはフィードバックユニットとレポート要約ユニットを含み、
前記フィードバックユニットは、システムから対応する早期警報通知を送信した後、再度ポップアップの形を通じて鉱山のバックグラウンド観察人員に、最終的な実行結果が正常であるか、または異常がないかを提示するために使用され、
前記レポート要約ユニットは、定期的に鉱山を訪問して現場監視を行った後、定期的にイベントのドライブレポートを生成することにより、鉱山の経営陣と監督機構に主要な指標、問題レポート、傾向分析を含む詳細な情報を提供するために使用される。
【0024】
好ましくは、現場監視による鉱山災害早期予測警報方法であって、
データ監視モジュールを通じて鉱山上の適切な場所にセンサーを設置し、監視して地表水と地下水データ、及び地下岩石データを取得するステップ1と、
データ採集モジュールを通じて監視による採集されたデータをデータ前処理と変換し、後続のデータ抽出の精度を高め、それをデータセットに転送するステップ2と、
予測分析モジュールを通じてデータセットのデータに対して特徴を抽出し、岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを分析計算して取得し、さらに、計算学習を通じてリスク評価指数Fpzsを予測するステップ3と、
早期警報通知モジュールを通じて過去のデータから得られた平均しきい値Qと上記リスク評価指数Fpzsを比較し、災害早期警報戦略を取得するステップ4と、
メンテナンス管理モジュールを通じて、早期警報通知後に後続のフィードバック作業を行い、そして通常得られたデータ結果を要約し、定期的にレポートを作成するステップ5と、を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明が提供する現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステムは、以下の有益な効果を備え、
(1)該現場監視による鉱山災害早期予測警報システムは、鉱山現場でセンサーを設置して、地表水と地下水データ、及び地下岩石データをリアルタイム監視することにより、鉱山保安管理職員は鉱山環境の状態をよりよく理解するためにタイムリーで全面的なデータを取得することができ、予測分析モジュールは深掘りと計算学習技術を用いて、地表水と地下水データ、及び地下岩石データを分析し、リスク評価指数Fpzsを予測し、潜在的な災害リスクの予測に役立って、過去の災害回数Lzs、水位変動係数Sbxs、岩石安定係数Ywxsなどの多種の要素を総合的に考慮し、リスクレベルの定量化に役立って、より正確な災害リスク評価を提供し、鉱山災害による死傷者を低減することができる。
(2)該現場監視による鉱山災害早期予測警報システムは、岩石浸透因子Ystzは複数の要素を総合的に考慮し、地下岩石内部の水輸送能力に関する情報を提供し、後期の鉱山地下で水の突入が発生する状況を予測し、浮動因子Fdyzを計算することにより、浮動因子Fdyzがプリセット浮動しきい値を上回った場合、地下水位の上昇を意味する可能性があり、これは潜在的な災害リスク信号であり、システムが潜在的な災害問題をタイムリーに察知できるように役立って、岩石安定係数Ywxsの計算は岩石の強度Yqdと荷重Hzzなどの要素を総合的に考慮し、岩石の安定性を評価するために使用され、高安定係数は岩石が外部荷重Hzzに対して高い抵抗能力を持つことを明らかにする可能性があり、低安定係数は岩石の崩壊や地すべりなどの問題が起こりやすいことを示唆している可能性があり、とにかく、上記データの計算と応用により、システムは鉱山の地下環境の状態と潜在的な災害リスクをより正確に評価することができ、適切な措置をとり、災害のリスクを減らすのに役立つ。
(3)該現場監視による鉱山災害早期予測警報方法は、現場監視、収集、分析、計算を通じて、岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを得て、さらに、計算学習を通じてリスク評価指数Fpzsを予測し、また、それを平均しきい値Qと比較し、最終的に災害早期警報戦略を得て、相応の措置をとる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の現場監視による鉱山災害早期予測警報システムのブロック図である。
図2】本発明の現場監視による鉱山災害早期予測警報方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例における図面に関連して、本発明の実施例における技術的態様を明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施形態ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0028】
鉱山業界では、安全が最も大事な問題の1つであり、鉱山災害には通常、地下水位の上昇による水害や、岩石の安定性問題による地すべり、土砂崩れ、土石流などが含まれる。これらの災害は鉱山施設や設備の安全だけでなく、労働者の生命の安全と環境にも深刻な脅威をもたらす可能性がある。そのため、鉱山作業に対して潜在的な危険状況を事前に識別し、適切な予防措置をとり、鉱山稼働の持続可能性と安全性を確保するために、効果的な監視と予測システムが必要である。
【0029】
科学技術の発展に伴い、従来の鉱山予測システムもますます情報化と知能化手段に依存している。しかし、従来の予測方法はデータの監視について、いつも鉱山地表に関するデータ情報を監視、収集していたが、鉱山の地下に関するデータの収集と監視が不足し、鉱山地下の水源の水位変化と地下岩石の強度、孔径、温度差及び亀裂深さなどの多種の因子が鉱山全体の災害発生頻度に影響を与えるため、どのようにして鉱山地下のリスク評価結果をより正確に予測するかは、本発明が解決すべき課題となる。
【0030】
(実施例1)
図1を参照して、本発明は現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステムを提供し、データ監視モジュールと、データ採集モジュールと、予測分析モジュールと、早期警報通知モジュールと、メンテナンス管理モジュールと、を含み、
データ監視モジュールは、現場の適切な場所にセンサーを配置し、鉱山の地表水と地下水データ、及び地下岩石データをリアルタイム監視するために使用され、
データ採集モジュールは、センサーから伝送されたデータ情報を収集して整理し、データ処理とデータ変換を行い、デジタル信号に変換し、データセットに集中伝送するために使用され、
予測分析モジュールは鉱山の地表水と地下水データ、及び地下岩石データを深掘りし、計算分析によって岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを取得した後、データセットに入力し、計算学習を行い、リスク評価指数Fpzsを予測して取得するために使用され、リスク評価指数Fpzsは以下の式によって得られ、
【0031】
【数6】
【0032】
式中において、Lzsは過去の災害回数を表し、fは水位変動係数Sbxsの重み値を表し、fは岩石安定係数Ywxsを表し、ここで、式中において、Lzsは過去の災害回数を表し、fは水位変動係数Sbxsの重み値を表し、fは岩石安定係数Ywxsを表し、ここで、f+f≦1.0、Rは修正係数を表し、
孔径Kjzを温度差Wdcに関連付け、岩石浸透因子Ystzを取得し、元の水位Yswを現在の水位Xswに関連付け、浮動因子Fdyzを取得し、岩石浸透因子Ystzを浮動因子Fdyzに関連付け、水位変動係数Sbxsを取得し、荷重Hzzを裂け目の深さに関連付け、岩石安定係数Ywxsを取得し、岩石安定係数Ywxsと水位変動係数Sbxsに関連付けてリスク評価指数Fpzsを取得し、
早期警報通知モジュールは、過去時間軸内の毎週、毎月または毎年の鉱山の地表水と地下水データ、地下岩石データ及び過去災害頻度データを抽出して、過去のデータを取得して平均値を計算し、平均しきい値Qを取得し、さらに予測したリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qを比較分析して、災害早期警報戦略を取得するために使用され、
メンテナンス管理モジュールは、上記取得した災害早期警報戦略に対して相応な調整及び管理作業を行うために使用される。
【0033】
本システム運転中に、データ監視モジュールとデータ採集モジュールは、鉱山現場でセンサーを設置して、地表水と地下水データ、及び地下岩石データをリアルタイム監視することができ、予測分析モジュールは深掘りと計算学習技術を用いて、地表水と地下水データ、及び地下岩石データを分析し、リスク評価指数Fpzsを予測し、過去の災害回数Lzs、水位変動係数Sbxs、岩石安定係数Ywxsなどの多種の要素を総合的に考慮し、リスクレベルの定量化に役立って、より正確な災害リスク評価を提供する。
【0034】
(実施例2)
図1を参照して、具体的には、データ監視モジュールはセンサーユニットと画像記録ユニットとを含み、
センサーユニットは、鉱山の地表及び地下の適切な場所に光ファイバーセンサー、雨量計及び雨滴カウンタを設置して、岩石表面又は内部歪み、温度、湿度、及び割れ目が拡張又は変形しているか否かを含む鉱山の地下岩石データを監視するために使用され、
画像記録ユニットは、鉱山の地表と地下の適切な場所にカメラを設置し、地表と地下水位、岩の大きさ、降水量、鉱山付近の井戸の深さ及び降雨時の速度、すなわち1分間に地面に落下した雨滴の数を含む鉱山の地表水と地下水データを現場監視するために使用される。
【0035】
データ採集モジュールは、前処理ユニットとデータ統合ユニットを含み、
前処理ユニットは、地表水と地下水データ、および地下岩石データの紛失を修復し、欠損値を補充し、データを平滑化処理し、異常なデータポイントを検出し、データに対してデータ変換を行うために使用され、採集したデータから正確で一貫性があり、有益な情報を抽出することを確保し、鉱山の運営と管理をより良くサポートする。
【0036】
データ統合ユニットは、前処理ユニットを経た複数のデータソース中のデータを統合、併合、管理し、後続の分析、報告、意思決定の策定を容易にし、そしてデータフォーマット変換を行い、デジタル信号に変換し、データフォーマットを統一するために使用される。
【0037】
本実施例では、センサーユニットと画像記録ユニットに基づいて鉱石から多次元のデータ情報を採集し、システムが全面的な鉱山環境データを取得するのに役立ち、より全面的な災害監視を提供する。
【0038】
(実施例3)
図1を参照して、具体的には、採集された地下岩石データに基づいて、深層学習計算を行い、岩石浸透因子Ystzを得て、岩石浸透因子Ystzは以下の式によって得られ、
【0039】
【数7】
【0040】
式中において、Kjzは孔径の大きさを表し、Sdzは湿度を表し、Wdcは温度差を表し、Jysは降雨速度を表し、ここで、w1、w2、w3、w4はそれぞれ孔径の大きさKjz、湿度Sdz、温度差Wdc、降雨速度Jysの重み値を表し、ここで、0.35≦w1≦0.65、0.35≦w2≦0.65、0.45≦w3≦0.55、0.55≦w4≦0.75、w1+w2+w3+w4≧1.0、Cは修正係数であり、
ここで、上記孔径の大きさKjzとは、鉱山岩石の浸透能力を指し、光ファイバーセンサーの監視により得られたものであり、
湿度Sdzとは岩石全体の湿度状況を指し、湿度センサーの監視により得られたものであり、
温度差Wdcとは岩石の昼夜の温度差の変化を指し、温度の上昇は岩石の膨張を招き、温度の低下は岩石の収縮を招く。これらの膨張および収縮プロセスは、細孔の拡大または縮小を引き起こす可能性があり、さらに浸透性に影響を与え、温度センサーの監視により得られたものである。
【0041】
浮動因子Fdyzは以下の式によって得られ、
【0042】
【数8】
【0043】
式中において、Xszは地下の現在の水位を表し、Yszは地下の元の水位を表し、Tiは時間間隔を表す。
【0044】
岩石浸透因子Ystzを浮動因子Fdyzに関連付けて水位変動係数Sbxsを取得し、水位変動係数Sbxsは以下の式によって得られ、
【0045】
【数9】
【0046】
式中において、Jylは降水量を表し、Sjsは井戸の深さを表し、α1、α2、α3とα4はそれぞれ岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、降水量Jyl、井戸の深さSjsの重み値を表し、ここで、Xは修正係数を表す。
【0047】
ここで、上記の降水量Jylは通常、雨量計により採取され、井戸の深さSjsは通常、深度測深器の監視によって取得されたものである。
【0048】
荷重Hzzを割れ目の深さLfsdに関連付けて、岩石安定係数Ywxsを取得し、岩石安定係数Ywxsは以下の式によって得られ、
【0049】
【数10】
【0050】
式中において、Yqdは岩石の強度を表し、bは荷重Hzzの重み値を表し、bは岩石の強度Yqdの重み値を表し、ここで、b1+b2≦1.0、Lは修正係数を表す。
【0051】
ここで、上述の岩石の強度Yqdは岩石圧縮強度試験によって取得され、具体的な操作は岩石サンプルを圧力試験機に入れ、それから岩石サンプルが破裂するまで徐々に圧力を増加し、試験機は必要な圧力値を記録することができ、それによって岩石の圧縮強度を確定することができる。
【0052】
荷重Hzzは鉱山における地下設備、建物、支持構造の荷重は、岩石に付加的な応力と重力荷重を加えたことを指し、その安定性に影響を与え、歪みゲージの収集によって取得されものである。
【0053】
本実施例において、浮動因子Fdyzを計算することにより、浮動因子がプリセット浮動しきい値を上回った場合、地下水位の上昇を意味する可能性があり、これは潜在的な災害リスク信号であり、システムが潜在的な災害問題をタイムリーに察知できるように役立って、岩石安定係数Ywxsの計算は岩石の強度Yqdと荷重Hzzなどの要素を総合的に考慮し、岩石の安定性を評価するために使用され、高安定係数は岩石が外部荷重Hzzに対して高い抵抗能力を持つことを明らかにする可能性があり、低安定係数は岩石の崩壊や地すべりなどの問題が起こりやすい可能性がある。
【0054】
(実施例4)
図1を参照して、具体的には、浮動因子Fdyzとプリセット浮動しきい値Kを比較分析し、比較結果を得て、
浮動因子Fdyzがプリセット浮動しきい値Kを上回った場合、すなわちFdyz>Kの場合、地下水位の変化幅が大きくなり、かつプリセット指数を超えたことを示し、地下水位が異常な状態にあることを意味し、システムはすぐに緊急赤色早期警報をトリガーし、
浮動因子Fdyzがプリセット浮動しきい値Kを下回る場合、すなわちFdyz<Kの場合、地下水位の変化幅が許容可能な範囲にあることを意味する。
【0055】
取得した過去のデータを計算し、平均しきい値Qを取得し、予測したリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qを比較分析し、災害早期警報戦略を取得し、
リスク評価指数Fpzsが平均閾値Qを上回った場合、すなわちFpzs>Qの場合、現在の鉱山がリスクの高い地帯にあることを示し、地下水位が徐々に上昇し、随時水の突入現象が発生することを意味し、この時鉱山内外から緊急赤色早期警報を送信するとともに、直ちに緊急避難計画を開始し、直ちに鉱山の運営と採掘作業を停止し、すべての鉱山従業員を迅速に危険区域から避難させ、地下水緊急揚水設備を起動し、地下水位を下げ、水の突入状況を制御し、
リスク評価指数Fpzsが平均閾値Qに等しい場合、すなわちFpzs=Qの場合、現在の鉱山に明らかな異常現象がないことを示し、この時鉱山内外からオレンジ色の早期警報を送信し、この時鉱山内の管理職員はリスク状況を監視し続け、
リスク評価指数Fpzsが平均しきい値Qを下回る場合、すなわちFpzs<Qの場合、現在の鉱山がリスクの低い状態にあることを示し、その場合は定期的に予防設備を保全し、予防設備が正常に稼働できるようにする確保する。
【0056】
メンテナンス管理モジュールはフィードバックユニットとレポート要約ユニットを含み、
フィードバックユニットは、システムから対応する早期警報通知を送信した後、再度ポップアップの形を通じて鉱山のバックグラウンド観察人員に、最終的な実行結果が正常であるか、または異常がないかを提示するために使用され、
レポート要約ユニットは、定期的に鉱山を訪問して現場監視を行った後、定期的にイベントのドライブレポートを生成することにより、鉱山の経営陣と監督機構に主要な指標、問題レポート、傾向分析を含む詳細な情報を提供するために使用される。
【0057】
本実施例では、システムはリスク評価指数Fpzsと平均しきい値Qの比較分析に基づいて、緊急赤色早期警報、オレンジ色早期警報、低危険状態早期警報を含む対応する早期警報戦略をトリガーし、管理保全職員が迅速に適切な行動を取るのを支援する。リスクが高い場合、システムは緊急赤色警報をトリガーし、直ちに作業を停止し、緊急避難し、鉱山従業員の生命の安全を保護し、地地下水緊急揚水設備を起動し、地下水位を下げ、水の突入状況を制御する。システムは過去のデータを深掘りすることで、各種の重要な要素を計算し、リスク評価に科学的根拠を提供する。
【0058】
(実施例5)
図2を参照して、具体的には、現場監視による鉱山災害早期予測警報方法であって、
データ監視モジュールを通じて鉱山上の適切な場所にセンサーを設置し、監視して地表水と地下水データ、及び地下岩石データを取得するステップ1と、
データ採集モジュールを通じて監視による採集されたデータをデータ前処理と変換し、後続のデータ抽出の精度を高め、それをデータセットに転送するステップ2と、
予測分析モジュールを通じてデータセットのデータに対して特徴を抽出し、岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを分析計算して取得し、さらに、計算学習を通じてリスク評価指数Fpzsを予測するステップ3と、
早期警報通知モジュールを通じて過去のデータから得られた平均しきい値Qと上記リスク評価指数Fpzsを比較し、災害早期警報戦略を取得するステップ4と、
メンテナンス管理モジュールを通じて、早期警報通知後に後続のフィードバック作業を行い、そして通常得られたデータ結果を要約し、定期的にレポートを作成するステップ5と、を含む。
【0059】
本実施例において、現場監視を通じて、地表水と地下水データ、及び地下岩石データを収集、記録し、分析計算によって岩石浸透因子Ystz、浮動因子Fdyz、水位変動係数Sbxsと岩石安定係数Ywxsを取得し、さらに、計算学習を通じてリスク評価指数Fpzsを予測し、そしてそれを平均しきい値Qと比較し、最終的に災害警報戦略を得て、相応の措置をとる。
【0060】
例として、ある鉱山内部の安全管理プラットフォームには一つの現場監視による鉱山災害早期予測警報システムが導入され、以下はある鉱山を例とし、
データ監視と採集を行い、孔径の大きさKjzは0.05、湿度Sdzは0.65、温度差Wdcは35、降雨速度Jysは12毎秒、地下の現在の水位Xszは500、地下の元の水位Yszは450であり、時間間隔Tiは5、降水量Jylは1500、井戸の深さSjsは50メートルであり、
以上のデータにより、次の計算を行い、
岩石浸透因子Ystzは以下の式によって得られ、
【0061】
【数11】
【0062】
浮動因子Fdyzは以下の式によって得られ、
【0063】
【数12】
【0064】
水位変動係数Sbxsは以下の式によって得られ、
【0065】
【数13】
【0066】
岩石安定係数Ywxsは以下の式によって得られ、
【0067】
【数14】
【0068】
リスク評価指数Fpzsは以下の式によって得られ、
【0069】
【数15】
【0070】
平均しきい値Qが15である場合、Fpzs<Qとなり、この場合は現在の鉱山が危険性の低い状態にあることを示し、その場合は定期的に予防設備を保全し、予防設備が正常に稼働できるようにする確保する。
【0071】
本発明の実施例が示され説明されているが、本発明の原理及び精神を逸脱することなく、これらの実施例は、添付の請求項及びその均等物によって定義される本発明の範囲を変更、変更、置換、及び変形することができることは、当業者には理解されるであろう。
【要約】      (修正有)
【課題】現場監視による鉱山災害早期予測警報方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、鉱山現場にセンサーを設置して、地表水と地下水データ及び地下岩石データをリアルタイム監視することにより、鉱山保安管理職員は鉱山環境の状態をよりよく理解するためにタイムリーで全面的なデータを取得することができ、予測分析モジュールは、深掘りと計算学習技術を用いて、地表水と地下水データ、及び地下岩石データを分析し、リスク評価指数Fpzsを予測し、潜在的な災害リスクの予測に役立って、過去の災害回数Lzs、水位変動係数Sbxs、岩石安定係数Ywxsなどの多種の要素を総合的に考慮し、リスクレベルの定量化に役立って、より正確な災害リスク評価を提供し、鉱山災害による死傷者を低減することができる。
【選択図】図1
図1
図2