(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】温度調整装着具、及び温度調整被服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20250110BHJP
A41D 13/002 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
A41D13/005 103
A41D13/002 105
(21)【出願番号】P 2024092933
(22)【出願日】2024-06-07
【審査請求日】2024-06-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517312135
【氏名又は名称】株式会社リブレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀井 邦彦
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-056164(JP,A)
【文献】特開2023-181976(JP,A)
【文献】特開2019-065861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/005
A41D 13/002
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペルチェ素子を有し、前記ペルチェ素子によって冷却または加熱する伝熱面を
含んだ温度調整装置を備えた温度調整装着具
と、前記温度調整装着具が装着される生地部材とを設けた温度調整被服において、
前記温度調整装置は、前記ペルチェ素子を収容する本体と、前記本体に装着可能な支持部とから構成され、
前記本体は、前記伝熱面と、前記本体内に空気を吸気させるための吸気口が形成された吸気部と、前記本体内から前記本体外に空気を排出させるための排出口が形成された排出部とから構成され、
前記支持部には、第1接続部材と、前記第1接続部材の形成箇所とは反対方向に第2接続部材とが形成され、
前記第1接続部材に装着可能な第1装着部材と、
前記第2接続部材に装着可能な第2装着部材とを備え、
前記第1接続部材と前記第1装着部材の接続と、前記第2接続部材と前記第2装着部材の接続とにより、前記伝熱面が身体に接触可能とな
り、
前記生地部材は、縦横に交差して枠状に包囲して形成される装着領域を有し、
前記装着領域に前記温度調整装着具が配置されている温度調整被服。
【請求項2】
ペルチェ素子を有し、前記ペルチェ素子によって冷却または加熱する伝熱面を含んだ温度調整装置を備えた温度調整装着具において、
前記温度調整装置は、前記ペルチェ素子を収容する本体と、前記本体に装着可能な支持部とから構成され、
前記本体は、前記伝熱面と、前記本体内に空気を吸気させるための吸気口が形成された吸気部と、前記本体内から前記本体外に空気を排出させるための排出口が形成された排出部とから構成され、
前記支持部には、第1接続部材と、前記第1接続部材の形成箇所とは反対方向に第2接続部材とが形成され、
前記第1接続部材に装着可能な第1装着部材と、
前記第2接続部材に装着可能な第2装着部材とを備え、
前記第1接続部材は、前記第1装着部材を通すための第1貫通孔を有し、
前記第2接続部材は、前記第2装着部材を通すための第2貫通孔を有し、
前記第1装着部材、及び前記第2装着部材は、一端部と他端部を有し、
前記第1装着部材の一端部は、第1係合部材を有し、
前記第1装着部材の他端部は、前記第1係合部材と係合可能な第2係合部材を有し、
前記第2装着部材の一端部は、第3係合部材を有し、
前記第2装着部材の他端部は、前記第3係合部材と係合可能な第4係合部材を有し、
前記第1貫通孔を通した前記第1装着部材の一端部が有する前記第1係合部材が前記第2係合部材と係合することで、前記第1接続部材と前記第1装着部材が接続し、
前記第2貫通孔を通した前記第2装着部材の一端部が有する前記第3係合部材が前記第4係合部材と係合することで、前記第2接続部材と前記第2装着部材が接続し、
前記第1接続部材と前記第1装着部材の接続と、前記第2接続部材と前記第2装着部材の接続とにより、前記伝熱面が身体に接触可能となる温度調整装着具。
【請求項3】
請求項2に記載の温度調整装着具と、前記温度調整装着具
が装着
される生地部材とを備えた温度調整被服であり、
前記生地部材は、縦横に交差して枠状に包囲して形成される装着領域を有し、
前記装着領域に前記温度調整装着具が配置されている温度調整被服。
【請求項4】
ペルチェ素子を有し、前記ペルチェ素子によって冷却または加熱する伝熱面を含んだ温度調整装置を備えた温度調整装着具と、前記温度調整装着具が装着される生地部材とを設けた温度調整被服において、
前記温度調整装置は、前記ペルチェ素子を収容する本体と、前記本体に装着可能な支持部とから構成され、
前記本体は、前記伝熱面と、前記本体内に空気を吸気させるための吸気口が形成された吸気部と、前記本体内から前記本体外に空気を排出させるための排出口が形成された排出部とから構成され、
前記支持部には、第1接続部材と、前記第1接続部材の形成箇所とは反対方向に第2接続部材とが形成され、
前記第1接続部材に装着可能な第1装着部材と、
前記第2接続部材に装着可能な第2装着部材とを備え、
前記第1装着部材は、前記生地部材を挟持して保持可能な第1挟持部を有し、
前記第2装着部材は、前記生地部材を挟持して保持可能な第2挟持部を有し、
前記生地部材を挟持して保持した前記第1挟持部を有する前記第1装着部材と前記第1接続部材の接続と、前記生地部材を挟持して保持した前記第2挟持部を有する前記第2装着部材と前記第2接続部材の接続とにより、前記伝熱面が身体に接触可能となる温度調整被服。
【請求項5】
請求項4に記載の温度調整被服において、
前記第1挟持部、または前記第2挟持部のうち、少なくとも一方の挟持部は、前記生地部材が挟持されて保持された状態を補助する補助部材を有する温度調整被服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルチェ素子によって冷却、または加熱する伝熱面を有する温度調整装置を備えた温度調整装着具、及びその温度調整装着具を備える温度調整被服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人にとって不快な猛暑日は近年、年間を通じて数多くあり、このような猛暑日には、熱中症の防止策として、小まめな水分補給をはじめ、適度な冷房装置の使用が、奨励されている。しかしながら、冷房装置の設備がない、または冷房の効きが十分でない等の理由により、猛暑下の屋外で働く作業者や、屋内の蒸し暑い環境下で働く作業者、炎天下でレクリエーションやスポーツ、観戦等を行っている人は、冷房装置で涼を取ることはできない。そこで、この問題の解決するために、近年では、様々な温度調整被服が開発されている。その一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1には、ペルチェ素子を有し、ペルチェ素子により冷却、または加熱された伝熱板(伝熱面)を有するペルチェ素子ユニットをそのペルチェ素子ユニット(温度調整装置)が挿入される挿入孔を介して取り付けられた保冷ベスト(温度調整被服)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、特許文献1のように、温度調整装置の本体を挿入孔に挿入した状態で、この本体と別体となっている固定部材との間に温度調整被服の生地を挟み込み、本体側と固定部材側を螺合して温度調整装置を固定させる構造となっている。
そのため、特許文献1の技術では、例えば、温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触可能とするためには、わざわざ温度調整装置を挿入孔に挿入して、温度調整装置の本体側と固定部材側を螺合によって温度調整装置を固定させる必要があり、使い勝手が悪いという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、温度調整装置の装着を容易にして温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触可能とするとともに、使い易さの向上を図ることができる温度調整装着具、及びその温度調整装着具を備える温度調整被服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様において、ペルチェ素子を有し、前記ペルチェ素子によって冷却または加熱する伝熱面を含んだ温度調整装置を備えた温度調整装着具と、前記温度調整装着具が装着される生地部材とを設けた温度調整被服において、前記温度調整装置は、前記ペルチェ素子を収容する本体と、前記本体に装着可能な支持部とから構成され、前記本体は、前記伝熱面と、前記本体内に空気を吸気させるための吸気口が形成された吸気部と、前記本体内から前記本体外に空気を排出させるための排出口が形成された排出部とから構成され、前記支持部には、第1接続部材と、前記第1接続部材の形成箇所とは反対方向に第2接続部材とが形成され、前記第1接続部材に装着可能な第1装着部材と、前記第2接続部材に装着可能な第2装着部材とを備え、前記第1接続部材と前記第1装着部材の接続と、前記第2接続部材と前記第2装着部材の接続とにより、前記伝熱面が身体に接触可能となり、前記生地部材は、縦横に交差して枠状に包囲して形成される装着領域を有し、前記装着領域に前記温度調整装着具が配置されている。
【0008】
この態様によれば、ペルチェ素子によって冷却または加熱する伝熱面を備えた温度調整装置を備えた温度調整装着具は、ペルチェ素子を収容する本体と、温度調整装置を生地部材に支持させる支持部とから構成されている。その支持部には、互いに反対方向に形成された第1接続部材と第2接続部材とがあり、その第1接続部材に装着可能な第1装着部材と、その第2装着部材に装着可能な第2装着部材とがある。人は、温度調整装置の伝熱面を身体に接触させたい場合には、第1接続部材と第1装着部材を接続させるとともに、第2接続部材と第2装着部材を接続させることで、温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触させることが可能となる。これにより、特許文献1に開示されているように、わざわざ温度調整装置を挿入孔に挿入して、温度調整装置の本体側と固定部材側を螺合によって温度調整装置を固定させずに、温度調整装置を温度調整装着具に容易に装着して温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触可能となる。さらに、互いに反対方向に形成されている2つの接続部材と2つの装着部材とが接続されることで、温度調整装着具に装着している人の動きによって、温度調整装置の伝熱面が温度調整装着具を装着している人の身体からずれてしまうことを防止できる。したがって、温度調整装置の装着を容易にして温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触可能とするとともに、使い易さの向上を図ることができる温度調整装着具を提供することができる。
【0009】
なお、本発明に係る温度調整装着具とは、人体に直接、または肌着等を介して間接的に身に装着するものであり、ジャケット、ジャンパー、スーツ、ベスト等に挙げられる上着類に装着する装着具や、パンツ、ズボン等に挙げられ下着類に装着する装着具や、靴下、フットウォーマ等に挙げられる足や脚部に装着するソックス類等に装着する装着具や、首、腕、足等に単体で装着する装着具等の各概念を含めた概念の総称である。
【0010】
上記の態様において、前記第1装着部材は、前記第1接続部材を通すための第1貫通孔を有し、前記第2装着部材は、前記第2接続部材を通すための第2貫通孔を有し、前記第1接続部材、及び前記第2接続部材は、一端部と他端部を有し、前記第1接続部材の一端部は、第1係合部材を有し、前記第1接続部材の他端部は、前記第1係合部材と係合可能な第2係合部材を有し、前記第2接続部材の一端部は、第3係合部材を有し、前記第2接続部材の他端部は、前記第3係合部材と係合可能な第4係合部材を有し、前記第1貫通孔を通した前記第1接続部材の一端部が有する前記第1係合部材が前記第2係合部材と係合することで、前記第1接続部材と前記第1装着部材が接続し、前記第2貫通孔を通した前記第2接続部材の一端部が有する前記第3係合部材が前記第4係合部材と係合することで、前記第2接続部材と前記第2装着部材が接続すること、が好ましい。
【0011】
この態様によれば、温度調整装置の伝熱面を身体に接触させたい場合には、人は、第1装着部材が有する第1貫通孔を通した第1接続部材の一端部が有する第1係合部材を第1接続部材の他端部が有する第2係合部材と係合させることで、その第1接続部材と第1装着部材とを接続させる。さらに、人は、第2装着部材が有する第2貫通孔を通した第2接続部材の一端部が有する第3係合部材を第2接続部材の他端部が有する第4係合部材と係合させることで、その第2接続部材と第2装着部材とを接続させる。これにより、例えば、猛暑下の屋外で働く作業者が、第1貫通孔を通した第1接続部材の一端部が有する第1係合部材を第2係合部材と係合させるとともに、第2貫通孔を通した第2接続部材の一端部が有する第3係合部材を第4係合部材と係合させるだけで、2つの接続部材と2つの装着部材が接続されて、伝熱面によって作業者の身体を冷やすことができる。そのため、温度調整装置を温度調整装着具に装着する手間を省くことができ、温度調整装着具を装着したい人にとってより使い勝手が良いものにすることができる。
【0012】
上記の態様において、前記温度調整装着具と、前記温度調整装着具を装着するための生地部材とを備えた温度調整被服であり、前記生地部材は、縦横に交差して枠状に包囲して形成される装着領域を有し、前記装着領域に前記温度調整装着具が配置されていること、が好ましい。
【0013】
この態様によれば、温度調整装置と、その温度調整装着具を装着するための生地部材とを備えた温度調整被服では、その生地部材が有する縦横に交差して枠状に包囲して形成された装着領域に配置されている温度調整装着具が備える温度調整装置の伝熱面によって身体を冷やしたり、または温めたりする。これにより、特許文献1に開示されているような温度調整被服とは異なり、わざわざ温度調整被服に挿入孔を形成させる必要がなくなるため、温度調整被服の生産に係る費用を抑えつつ、温度調整装着具を装着できる使い勝手の良い温度調整被服を提供することができる。
【0014】
上記の態様において、温度調整装着具と、前記温度調整装着具を装着するための生地部材とを備えた温度調整被服であり、前記第1装着部材は、前記生地部材を挟持して保持可能な第1挟持部を有し、前記第2装着部材は、前記生地部材を挟持して保持可能な第2挟持部を有し、前記生地部材を挟持して保持した前記第1挟持部を有する前記第1装着部材と前記第1接続部材の接続と、前記生地部材を挟持して保持した前記第2挟持部を有する前記第2装着部材と前記第2接続部材の接続とにより、前記伝熱面が身体に接触可能となること、が好ましい。
【0015】
本発明に係る温度調整被服とは、(a)ジャケット、ジャンパー、スーツ、ベスト等に挙げられる上着類、(b)パンツ、ズボン等に挙げられ下着類、(c)靴下、フットウォーマ等に挙げられる足や脚部に着用するソックス類と大別される中、(a)(b)(c)の各概念を含めた概念の総称である。
【0016】
本発明に係る生地部材とは、温度調整被服を構成している生地であって、任意の方向に対して曲げ・引っ張りを加えることが可能であって、且つ降伏・破断を起こさせ難い性質を有するものである。生地部材は、剛性の高い材質(例えば、皮製)からなる生地や、ゴム製の生地や、樹脂製(ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester))等の生地で構成されていても良い。
【0017】
この態様によれば、温度調整装置の伝熱面を身体に接触させたい場合には、人は、温度調整装着具を備える温度調整被服の生地部材を挟持して保持した第1挟持部を有する第1装着部材と第1接続部材を接続させるとともに、温度調整被服の生地部材を挟持して保持した第2挟持部を有する第2装着部材と第2接続部材を接続させて、伝熱面によって身体を冷やしたり、または温めたりする。これにより、例えば、猛暑下の屋外で働く作業者が、生地部材を挟持して保持した第1挟持部を有する第1装着部材と第1接続部材を接続させるとともに、温度調整被服の生地部材を挟持して保持した第2挟持部を有する第2装着部材と第2接続部材を接続させるだけで、伝熱面によって作業者の身体を冷やすことができる。そのため、温度調整装置を温度調整装着具に装着する手間を省くことができ、温度調整装着具を備えた温度調整被服を着用したい人にとってより使い勝手が良いものにすることができる。
【0018】
上記の態様において、前記第1挟持部、または前記第2挟持部のうち、少なくとも一方の挟持部は、前記生地部材が挟持されて保持された状態を補助する補助部材を有すること、が好ましい。
【0019】
この態様によれば、第1挟持部、または第2挟持部のうち、少なくとも一方の挟持部が有する補助部材によって、生地部材を挟持されて保持された状態を維持させることができる。これにより、温度調整被服を着用している人の動きによって、生地部材を挟持されて保持された状態が解除されてしまうことを防止することができる。
【0020】
上記の態様において、前記第1装着部材と前記第2装着部材とは、ベルト状の部材であり、前記第1装着部材の先端部は、第1係合部材を有し、前記第2装着部材の先端部は、前記第1係合部材と係合可能な第2係合部材を有し、前記第1装着部材と前記第2装着部材を人の身体を巻いた状態で、前記第1接続部材に接続された前記第1装着部材の先端部が有する前記第1係合部材が、前記第2接続部材に接続された前記第2装着部材の先端部が有する前記第2係合部材と係合することで、前記伝熱面が身体に接触可能となること、が好ましい。
【0021】
この態様によれば、温度調整装置の伝熱面を身体に接触させたい場合には、人は、ベルト状の部材である第1装着部材と第2装着部材とによって人の身体が巻かれた状態で、第1接続部材に接続された第1装着部材の先端部が有する第1係合部材を第2接続部材に接続された第2装着部材の先端部が有する第2係合部材と係合させることで、伝熱面によって身体を冷やしたり、または温めたりする。これにより、例えば、スポーツを行った人が、ベルト状の部材である第1装着部材と第2装着部材とによって身体を巻き、第1接続部材に接続された第1装着部材の先端部が有する第1係合部材を第2接続部材に接続された第2装着部材の先端部が有する第2係合部材と係合させるだけで、伝熱面によって人の身体を冷やすことができる。そのため、温度調整装置を温度調整装着具に装着する手間を省くことができ、温度調整装着具を装着したい人にとってより使い勝手が良いものにすることができる。
【発明の効果】
【0022】
従って、本発明によれば、温度調整装置の装着を容易にして温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触可能とするとともに、使い易さの向上を図ることができる温度調整装着具、及びその温度調整装着具を備える温度調整被服を提供する、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態に係る温度調整ベストを着用している着用者を前身頃側から見た斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る温度調整ベストを着用している着用者を後身頃側から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す温度調整ベストの外面を前身頃側から見た正面図である。
【
図4】
図1に示す温度調整ベストの外面を後身頃側から見た背面図である。
【
図5】第1実施形態に係るペルチェ素子ユニット本体を排出部側から示す説明図である。
【
図6】第1実施形態に係るペルチェ素子ユニット本体を放熱面側から示す説明図である。
【
図7】第1実施形態に係るペルチェ素子ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る横テープ生地と縦テープ生地とによって形成された装着領域を示す説明図である。
【
図9】第1実施形態に係る装着領域にペルチェ素子ユニットが配置された状態を示す説明図である。
【
図10】第1実施形態に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの断面図である。
【
図11】第1実施形態に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの吸気口から取り込まれて、排出口から排出されるまでの空気の流れを説明するための説明図である。
【
図12】第1実施形態に係る温度調整ベストに具備する温度調整操作ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図13】第1実施形態の変更例に係るペルチェ素子ユニット本体を排出部側から示す説明図である。
【
図14】第1実施形態の変更例に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの断面図である。
【
図15】第1実施形態の変更例に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの吸気口から取り込まれて、排出口から排出されるまでの空気の流れを説明するための説明図である。
【
図16】第2実施形態に係る温度調整装着具本体を排出部側から見た斜視図である。
【
図17】第2実施形態に係る温度調整装着具本体を放熱面側から見た斜視図である。
【
図18】第2実施形態に係る温度調整装着具を装着している装着者の左足を示す説明図である。
【
図19】第3実施形態に係る温度調整ベストを着用している着用者を後身頃側から見た斜視図である。
【
図20】第3実施形態に係る温度調整装着具を排出部側から示す説明図である。
【
図21】第3実施形態に係る温度調整装着具を放熱面側から示す説明図である。
【
図22】第3実施形態に係る温度調整装着具の分解斜視図である。
【
図23】第3実施形態に係る挟持装着部材の閉状態の斜視図である。
【
図24】第3実施形態に係る挟持装着部材の開状態の斜視図である。
【
図25】第3実施形態に係る開状態の挟持装着部材と横テープ生地とを示す説明図である。
【
図26】第3実施形態に係る閉状態の挟持装着部材が横テープ生地を挟持して保持した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る温度調整装着具について、第1実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下、第1実施形態において、本発明に係る温度調整装着具は、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)に装着されたペルチェ素子ユニット30である場合について、説明する。なお、第1実施形態において、本発明に係る温度調整被服は、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)に装着されたペルチェ素子ユニット30を備えるとともに、着用者上体に着衣するベストである場合を挙げて、説明する。
【0025】
なお、第1実施形態、第1実施形態の変更例、第2実施形態、及び第3実施形態では、上下方向を軸心線AXに沿う軸心方向Lとして、上下方向の上方を上側Lp、下方を下側Lwとし、左右方向を径方向RDとして、それぞれの方向を定義する。なお、第1実施形態~第3実施形態では、軸心線AXを中心とした円周方向を円周方向CRとし、軸心線AXを中心とした反円周方向をACRとして、それぞれの方向を定義する。
【0026】
図1は、第1実施形態に係る温度調整ベストを着用している着用者を前身頃側から見た斜視図であり、その後身頃側から見た斜視図を、
図2に示す。
図3は、
図1に示す温度調整ベストの外面を前身頃側から見た正面図であり、その後身頃側から見た背面図は、
図4に示す。なお、本発明に係る温度調整被服は、本実施形態では、温度調整ベスト1と称す。
【0027】
図1~
図2に示すように、温度調整ベスト1は、ベスト本体2と、ペルチェ素子ユニット30と、操作ユニット50と、携帯用バッテリー54等とを備えている。操作ユニット50は、第1実施形態では、一例として1つ有している。
【0028】
<ベスト本体2について>
はじめに、ベスト本体2について、
図1~
図4を用いて説明する。ベスト本体2は、
図1~
図4に示すように、前身頃4と、後身頃5とを有したベスト(袖口が無い半袖)の形態に形成されている。しかしながら、この温度調整ベスト1は、長袖等の作業着であっても良い。なお、ベスト本体2は、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)と係合されたペルチェ素子ユニット30を装着するための生地である。
【0029】
ベスト本体2では、その服地3が、表側服地3Aと裏側服地3Bによりベスト形状に形成されている。具体的には、表側服地3Aは、横線状であって帯状からなる横テープ生地6と、縦線状であって帯状からなる縦テープ生地7と、前腰部分と脇腹部分とを覆うとともにメッシュ素材からなる覆部生地8と、ベスト本体2の右の位置に着用時の着用者の右腕が通される右袖口の形状を形成している右袖口縁部13Aと、ベスト本体2の左の位置に着用時の着用者の左腕が通される左袖口の形状を形成している左袖口縁部13Bと、ベスト本体2の形状を形成している本体縁部14と、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)と、帯状の一対の長さ調整ベルト17(右長さ調整ベルト17A、左長さ調整ベルト17B)と、樹脂製のバックル12により構成されている。なお、
図1に示すように、ベスト本体2には、長さ調整ベルト17が4箇所設けられている。ベスト本体2に設けられている4箇所の長さ調整ベルト17の長さを調整することによって、横テープ生地6(第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、第6横テープ生地6F、第9横テープ生地6I)の長さを変更することができる。横テープ生地6(第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、第6横テープ生地6F、第9横テープ生地6I)の長さを変更することで、温度調整ベスト1を着用している着用者HMの体型に合わせて、ベスト本体2を着用者の身体に密着させることができる。
【0030】
続いて、裏側服地3Bは、横テープ生地6と、縦テープ生地7と、ベスト本体2の右の位置に着用時の着用者の右腕が通される右袖口の形状を形成している右袖口縁部13Aと、ベスト本体2の左の位置に着用時の着用者の左腕が通される左袖口の形状を形成している左袖口縁部13Bと、ベスト本体2の形状を形成している本体縁部14とにより構成されている。
【0031】
次に横テープ生地6と縦テープ生地7について説明する。横テープ生地6は、伸縮性のある樹脂製(ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester))から構成されている。また、縦テープ生地7は、伸縮性のある樹脂製(ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester))から構成されている。
【0032】
図1及び
図3に示すように、温度調整ベスト1の本体縁部14から温度調整ベスト1の右袖口縁部13Aの間に設けられている横テープ生地6は3組ある(第1横テープ生地6A、第2横テープ生地6B、第3横テープ生地6C)。
図1及び
図3に示すように、第9横テープ生地6Iの下方には、右長さ調整ベルト17Aの先端部から左長さ調整ベルト17Bの先端部に向かって設けられている横テープ生地6は3組ある(第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、第6横テープ生地6F)。また、
図1及び
図3に示すように、温度調整ベスト1の本体縁部14から温度調整ベスト1の左袖口縁部13Bの間に設けられている横テープ生地6は3組ある(第7横テープ生地6G、第8横テープ生地6H、第9横テープ生地6I)。
【0033】
図2及び
図4に示すように、温度調整ベスト1の右袖口縁部13Aから温度調整ベスト1の左袖口縁部13Bの間に設けられている横テープ生地6は3組ある(第10横テープ生地6J、第11横テープ生地6K、第12横テープ生地6L)。
図2及び
図4に示すように、第12横テープ生地6Lの下方には、横テープ生地6が3組ある(第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、第6横テープ生地6F)。
【0034】
続いて、縦テープ生地7について説明する。
図1から
図4に示すように、温度調整ベスト1の前身頃4における本体縁部14から温度調整ベスト1の後身頃5における本体縁部14の間に設けられている縦テープ生地7は2組ある(第1縦テープ生地7A、第2縦テープ生地7B)。
図1及び
図3に示すように、第1縦テープ生地7Aは、第1横テープ生地6A、第2横テープ生地6B、第3横テープ生地6C、第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、及び第6横テープ生地6Fと交差している。
図1及び
図3に示すように、第2縦テープ生地7Bは、第7横テープ生地6G、第8横テープ生地6H、第9横テープ生地6I、第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、及び第6横テープ生地6Fと交差している。
【0035】
図2及び
図4に示すように、温度調整ベスト1の後身頃5における右袖口縁部13Aから本体縁部14に向かって設けられている第3縦テープ生地7Cがある。第3縦テープ生地7Cは、第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、及び第6横テープ生地6Fと交差している。
図2及び
図4に示すように、温度調整ベスト1の後身頃5における襟元部15から温度調整ベスト1の後身頃5における本体縁部14の間に設けられている縦テープ生地7は2組ある(第4縦テープ生地7D、第5縦テープ生地7E)。第4縦テープ生地7D、及び第5縦テープ生地7Eは、第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、第6横テープ生地6F、第10横テープ生地6J、第11横テープ生地6K、及び第12横テープ生地6Lと交差している。
図2及び
図4に示すように、温度調整ベスト1の後身頃5における左袖口縁部13Bから本体縁部14の間に設けられている第6縦テープ生地7Fがある。第6縦テープ生地7Fは、第4横テープ生地6D、第5横テープ生地6E、及び第6横テープ生地6Fと交差している。
【0036】
第1実施形態の温度調整ベスト1は、横線状であって帯状からなる横テープ生地6と、縦線状であって帯状からなる縦テープ生地7とから構成されているため、被覆の構成を簡略化でき、コンパクトで重量を軽減することができ、温度調整ベスト1の製造リードタイムの短縮可能となる。
【0037】
図3及び
図4に示すように、ベスト本体2に、ペルチェ素子ユニット30を装着可能であるとともに、伸縮性のある樹脂製(ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester))の素材からなる一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)が、複数の部位に配設され、本実施形態では、3箇所に設けられている。一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)は、ペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)の接続部材(第1接続部材36、第2接続部材27)に装着可能である。
図3及び
図4に示すように、ベスト本体2において、一対の素子装着部材11は、襟元部15付近に1箇所と、右袖口縁部13A付近に1箇所と、左袖口縁部13B付近に1箇所に配置されている。なお、第1実施形態に係る温度調整ベスト1の後身頃5の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)側から、ペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)を装着可能となっている。なお、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)にペルチェ素子ユニット30を装着しない場合には、例えば、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)に懐中電灯やキャンプ用の道具等を引っ掛けて使用することができる。
【0038】
図4に示すように、第1の一対の素子装着部材11Aには、第10横テープ生地6Jの上から縫い付けられている第1上素子装着部材11Auと、第11横テープ生地6Kの上から縫い付けられている第1下素子装着部材11Adとがある。第2の一対の素子装着部材11Bには、第11横テープ生地6Kの上から縫い付けられている第2上素子装着部材11Buと、第12横テープ生地6Lの上から縫い付けられている第2下素子装着部材11Bdとがある。第3の一対の素子装着部材11Cには、第11横テープ生地6Kの上から縫い付けられている第3上素子装着部材11Cuと、第12横テープ生地6Lの上から縫い付けられている第3下素子装着部材11Cdとがある。
【0039】
<ペルチェ素子ユニット30について>
次に、ペルチェ素子ユニット30について、
図5~
図7を用いて説明する。
図5は、第1実施形態に係るペルチェ素子ユニット本体を排出部側から示す説明図である。
図6は、第1実施形態に係るペルチェ素子ユニット本体を放熱面側から示す説明図である。
図7は、第1実施形態に係るペルチェ素子ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【0040】
図5から
図7に示すように、ペルチェ素子ユニット30は、ペルチェ素子PEを本体部32に内蔵したものとなっている。ペルチェ素子は、板状の半導体熱電素子の一種である。ペルチェ素子PEに直流電流が供給されると、ペルチェ素子PEの平板部では、ペルチェ効果により、一面が、例えば、十℃程度に吸熱して吸熱下の状態(冷却面)になると同時に、その反対側の他面が、例えば、三十数℃程度に発熱して発熱下の状態(加熱面)となる。ペルチェ素子は、冷却面の熱を加熱面側に移動させ、加熱面側に大量の熱が発生させる素子である。
【0041】
本実施形態では、ペルチェ素子PEは、例えば、20~30℃程の温度幅で、外気温度と相対的に吸熱と同時に発熱する特性を有する。
【0042】
すなわち、例えば、夏季に外気温度35℃の下で作動する場合のペルチェ素子PEでは、冷却面は、15~5℃の熱を呈し、この熱は、身体を冷やすための冷熱となる。同時に、加熱面は、55~65℃の熱を呈し、この熱は排熱となる。
【0043】
他方、冬季に外気温度5℃の下で作動する場合のペルチェ素子PEでは、冷却面は、-15~-25℃の熱を呈し、この熱は排熱となる。同時に、加熱面は、25~35℃の熱を呈し、この熱は、身体を温めるための温熱となる。
【0044】
なお、本実施形態では、外気温度との対比で、20~30℃程の温度幅で、吸熱と同時に発熱する温度特性を有するペルチェ素子PEを一例に挙げた。
【0045】
しかしながら、ペルチェ素子は、本実施形態に挙げた温度特性に限定されるものではなく、凍傷を負わない程度の冷熱で身体を冷やし、かつ火傷を負わない程度の温熱で温めることができる温度特性であれば、適宜変更して構成されていても良い。その一例として、ペルチェ素子の温度特性が、外気温度との対比で、30~40℃程の温度幅や、10~20℃程の温度幅である。
【0046】
図5から
図7に示すように、ペルチェ素子ユニット30は、雄ネジを有する本体部32と、その一面である放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)と、温度調整ベスト1内の空気を流入させる吸気口34aと、円周に4つの吸気口34aが形成された円筒状に形成された空気円筒部34とを有する。さらに、ペルチェ素子ユニット30は、ペルチェ素子PEによる熱を取り込んで空気中に放散させて熱交換を行う熱交換面38と、熱交換面38により熱交換された空気をペルチェ素子ユニット30外部に排出する排出口33aを形成する排出部33も有する。さらに、ペルチェ素子ユニット30は、熱交換面38により熱交換された空気を排出部33へと送風する送風装置40と、本体部32に装着可能な支持部35等も有する。
【0047】
放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)は、外部に露出した状態になっており、ペルチェ素子ユニット30(ペルチェ素子ユニット)では、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)と排出部33とが、互いに反対側に配置されている。
【0048】
放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)の裏側に形成された熱交換面38は、例えば、アルミニウム、銅等、熱伝導性等に優れた金属製により構成されている。熱交換面38は、突起形状で構成されている複数(例えば、117)の放熱フィン38aを有する。放熱フィン38aは、突起形状で構成されていることで、放熱フィン38aの表面積の拡大によって空気に接触する部分が拡大され、ペルチェ素子PEの熱を効率良く放出することが可能となる。
【0049】
図7に示すように、送風装置40は、送風を行う排熱ファン41と、この排熱ファン41の回転を行うモータ(図示省略)で制御する排熱駆動部42とを備える。これにより、熱交換面38により熱交換された空気は、排熱ファン41の回転によって発生させた風によって排出部33の排出口33aから排出される。
【0050】
支持部35は、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)と反対側の端部である本体部32と自在に締結または、その解除可能に形成されている。支持部35は、円筒状に形成され、外周端部から張り出した第1接続部材36と、外周端部から第1接続部材36の反対方向に張り出した第2接続部材37とが分散して形成されている。
図7及び
図10に示すように、第1接続部材36は、本体部32の軸心線AXを中心に、支持部35の外周端部から反円周方向ACR、すなわち支持部35の上方に向かって張り出している。また、
図7及び
図10に示すように、第2接続部材37は、本体部32の軸心線AXを中心に、支持部35の外周端部から円周方向CR、すなわち第1接続部材36の形成箇所とは反対方向である支持部35の下方に向かって張り出している。温度調整ベスト1では、3つのペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)は、ベスト本体2にある3箇所に装着される。
【0051】
図7に示すように、支持部35とペルチェ素子ユニット30の本体部32を相対的に回転させて組み付けられる。そして、本体部32の雄ネジと支持部35の雌ネジとを螺合で固定することにより、本体部32に支持部35を装着した状態となる。
【0052】
ペルチェ素子ユニット30では、ペルチェ素子は、
図1から
図3に示すように、温度調整配線55により、操作ユニット50を介して、携帯用バッテリー54と電気的に接続される。
【0053】
例えば、温度調整ベスト1に3つのペルチェ素子ユニット30を装着する場合、温度調整配線55は、一条状にまとめた温調本線56から温調分岐部57で分割して延びる3本の温度調整支線56A、温度調整支線56B、温度調整支線56Cの態様となる。すなわち、温度調整支線56A、温度調整支線56B、温度調整支線56C等の本数は、ペルチェ素子ユニット30の数と一致している。
【0054】
温度調整配線55の温調本線56は、携帯用バッテリー54に接続される。例えば、温度調整支線56Aは、第1ペルチェ素子ユニット30Aに接続される。例えば、温度調整支線56Bは、第2ペルチェ素子ユニット30Bに接続される。例えば、温度調整支線56Cは、第3ペルチェ素子ユニット30Cに接続される。しかしながら、これに限定されるものではない。温度調整支線56A、56B、56Cは、3つのペルチェ素子ユニット30(第1~第3ペルチェ素子ユニット30A,30B,30C)と、1対1の接続関係であれば、着用者HMによる判断の下、特に配線経路をシンプル化して、任意に接続されれば良い。
【0055】
<ペルチェ素子ユニット30の装着について>
図8から
図9を用いて、横テープ生地6と縦テープ生地7とが交差して枠状に包囲して形成される装着領域21に、ペルチェ素子ユニット30を装着する方法について説明する。
図8は、第1実施形態に係る横テープ生地と縦テープ生地とによって形成された装着領域を示す説明図である。
図9は、第1実施形態に係る装着領域にペルチェ素子ユニットが配置された状態を示す説明図である。なお、第1実施形態、第1実施形態の変更例、及び第3実施形態における装着領域21は、枠状に包囲している横テープ生地6、縦テープ生地7、及び横テープ生地6と縦テープ生地7とが交差して枠状に包囲して形成された空間とを含む領域のことである。しかしながら、これに限定されることはなく、例えば、第1実施形態、第1実施形態の変更例、及び第3実施形態における装着領域21は、枠状に包囲している横テープ生地6、及び縦テープ生地7を含まず、横テープ生地6と縦テープ生地7とが交差して枠状に包囲して形成された空間のみを含む領域であっても良い。
【0056】
図8に示すように、第10横テープ生地6Jと第11横テープ生地6Kと第4縦テープ生地7Dと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第1ペルチェ素子ユニット30Aを装着可能となっている。
図8に示すように、第4縦テープ生地7D、及び第5縦テープ生地7Eは、第10横テープ生地6J、及び第11横テープ生地6Kよりも、温度調整ベスト1を装着する着用者HM側に配置されている。
【0057】
図8に示すように、第1の一対の素子装着部材11Aのうち、第1上素子装着部材11Auの他端部11bは、第10横テープ生地6Jの上に縫い付けられている。なお、第1上素子装着部材11Auの他端部11bが縫い付けられている箇所は、第10横テープ生地6J上であって、且つ第10横テープ生地6Jと第11横テープ生地6Kとの間に位置する。また、
図8に示すように、第10横テープ生地6Jの上に他端部11bが縫い付けられている第1上素子装着部材11Auの一端部11aは、装着領域21内に配置されている。
【0058】
図8に示すように、第1の一対の素子装着部材11Aのうち、第1下素子装着部材11Adの他端部11bは、第11横テープ生地6Kの上に縫い付けられている。なお、第1下素子装着部材11Adの他端部11bが縫い付けられている箇所は、第11横テープ生地6K上であって、且つ第10横テープ生地6Jと第11横テープ生地6Kとの間に位置する。また、
図8に示すように、第11横テープ生地6Kの上に他端部11bが縫い付けられている第1下素子装着部材11Adの一端部11aは、装着領域21内に配置されている。
【0059】
図8に示すように、第1上素子装着部材11Auの一端部11a、及び他端部11bには、面ファスナ20が縫い付けられている。これにより、第1上素子装着部材11Auの一端部11aに縫い付けられている面ファスナ20を、第1上素子装着部材11Auの他端部11bに縫い付けられている面ファスナ20に接触させて係合することで、第1上素子装着部材11Auの他端部11bに第1上素子装着部材11Auの一端部11aを取り付けることが可能となる。また、第1下素子装着部材11Adの一端部11a、及び他端部11bには、面ファスナ20が縫い付けられている。これにより、第1下素子装着部材11Adの一端部11aに縫い付けられている面ファスナ20を、第1下素子装着部材11Adの他端部11bに縫い付けられている面ファスナ20に接触させて係合することで、第1下素子装着部材11Adの他端部11bに第1下素子装着部材11Adの一端部11aを取り付けることが可能となる。
【0060】
次に、
図9を用いて、装着領域21に配置されている第1の一対の素子装着部材11Aと接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)の接続によって、第1ペルチェ素子ユニット30Aを装着する方法について説明する。なお、
図9では、第1の一対の素子装着部材11Aに第1ペルチェ素子ユニット30Aの接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)を接続させる場合のみ示されているが、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第2縦テープ生地7Bと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21において、第2の一対の素子装着部材11Bに第2ペルチェ素子ユニット30Bを装着させる場合と、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第1縦テープ生地7Aと第4縦テープ生地7Dとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21において、第3の一対の素子装着部材11Cに第3ペルチェ素子ユニット30Cを装着させる場合も、
図9に示す場合と同様である。
【0061】
図9に示すように、温度調整ベスト1を着用する人は、第10横テープ生地6Jが有する第1上素子装着部材11Auに第1ペルチェ素子ユニット30Aを取り付ける場合には、第1上素子装着部材11Auの一端部11aから、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第1接続部材36が有する上貫通孔36aを通していく。
【0062】
続いて、温度調整ベスト1を着用する人は、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第1接続部材36が有する上貫通孔36aに第1上素子装着部材11Auを通した状態で、第1接続部材36の先端部36bを第1上素子装着部材11Auで包み、第1上素子装着部材11Auの一端部11aに縫い付けられている面ファスナ20と、第1上素子装着部材11Auの他端部11bに縫い付けられている面ファスナ20とを接触させて密着させる。これにより、第1上素子装着部材11Auの他端部11bに第1上素子装着部材11Auの一端部11aが取り付けられて、第1上素子装着部材11Auと第1接続部材36とが接続されることになる。そのため、第1上素子装着部材11Auと第1接続部材36とが接続することで、第10横テープ生地6Jに第1ペルチェ素子ユニット30Aを吊り下げて固定して、装着領域21に第1ペルチェ素子ユニット30Aを装着することができる。
【0063】
続いて、
図9に示すように、温度調整ベスト1を着用する人は、第11横テープ生地6Kが有する第1下素子装着部材11Adに第1ペルチェ素子ユニット30Aを取り付ける場合には、温度調整ベスト1を着用する人は、第1下素子装着部材11Adの一端部11aを第1ペルチェ素子ユニット30Aの第2接続部材37が有する下貫通孔37aに通していく。
【0064】
続いて、温度調整ベスト1を着用する人は、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第2接続部材37が有する下貫通孔37aに第1下素子装着部材11Adを通した状態で、第2接続部材37の先端部37bを第1下素子装着部材11Adで包み、第1下素子装着部材11Adの一端部11aに縫い付けられている面ファスナ20と、第1下素子装着部材11Adの他端部11bに縫い付けられている面ファスナ20とを接触させて係合させる。これにより、第1下素子装着部材11Adの他端部11bに第1下素子装着部材11Adの一端部11aが取り付けられることで、第1下素子装着部材11Adと第2接続部材37とが接続されることになる。そのため、第1下素子装着部材11Adと第2接続部材37とが接続することで、第11横テープ生地6Kに第1ペルチェ素子ユニット30Aを吊り下げて固定し、装着領域21にて第1ペルチェ素子ユニット30Aがベスト本体2に装着することになる。また、装着領域21に、第1の一対の素子装着部材11Aに装着された第1ペルチェ素子ユニット30Aが配置されている。
【0065】
図9に示すようには、温度調整ベスト1を着用する人は、第1上素子装着部材11Auと第1接続部材36とによる接続と、第1下素子装着部材11Adと第2接続部材37とによる接続との2点支持により、第1ペルチェ素子ユニット30Aを横テープ生地6に係留させて温度調整ベスト1の襟元部15付近に装着させることができる。この場合、
図2に示すように、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、温度調整ベスト1の着用者HM自身の身体側(首元の下付近)に対向させて接触可能な状態となる。これにより、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、着用者HM自身の身体表面に、直接または肌着等を介して間接的に当接させて、首元の下を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0066】
また、温度調整ベスト1を着用する人は、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第2縦テープ生地7Bと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第2ペルチェ素子ユニット30Bを装着可能となっている。これにより、
図4に示すように、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第2縦テープ生地7Bと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第2の一対の素子装着部材11Bに装着された第2ペルチェ素子ユニット30Bが配置されている。第2上素子装着部材11Buと第1接続部材36とによる接続と、第2下素子装着部材11Bdと第2接続部材37とによる接続との2点支持により、
図2~
図4に示すように、第2ペルチェ素子ユニット30Bを温度調整ベスト1の右袖口縁部13A付近に装着させることができる。この場合、
図2に示すように、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、温度調整ベスト1の着用者HM自身の身体側(左脇付近)に対向させて接触可能な状態となる。これにより、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、着用者HM自身の身体表面(左脇付近の表面)に、直接または肌着等を介して間接的に当接させて、脇の下を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0067】
さらに、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第1縦テープ生地7Aと第4縦テープ生地7Dとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第3ペルチェ素子ユニット30Cを装着可能となっている。これにより、
図4に示すように、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第1縦テープ生地7Aと第4縦テープ生地7Dとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第3の一対の素子装着部材11Cに装着された第3ペルチェ素子ユニット30Cが配置されている。温度調整ベスト1を着用する人は、第3上素子装着部材11Cuと第1接続部材36とによる接続と、第3下素子装着部材11Cdと第2接続部材37とによる接続との2点支持により、
図2~
図4に示すように、第3ペルチェ素子ユニット30Cを温度調整ベスト1の左袖口縁部13B付近に装着させることができる。この場合、
図2に示すように、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、温度調整ベスト1の着用者HM自身の身体側(右脇付近)に対向させて接触可能な状態となる。これにより、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、着用者HM自身の身体表面(右脇付近の表面)に、直接または肌着等を介して間接的に当接させて、脇の下を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0068】
図8に示すように、第10横テープ生地6Jと第11横テープ生地6Kと第4縦テープ生地7Dと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第1ペルチェ素子ユニット30Aを装着可能となっている。
図8に示すように、第4縦テープ生地7D、及び第5縦テープ生地7Eは、第10横テープ生地6J、及び第11横テープ生地6Kよりも、温度調整ベスト1を装着する着用者HM側に配置されている。
【0069】
図9に示すように、上素子装着部材11u(11Au、11Bu、11Cu)と第1接続部材36とによる接続と、下素子装着部材11d(11Ad、11Bd、11Cd)と第2接続部材37とによる接続との2点支持により、ペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)を温度調整ベスト1に装着させることができる。これにより、一対の素子装着部材11からペルチェ素子ユニット30が外れてしまうことを防止することができる。そのため、ペルチェ素子ユニット30の本体部32と別体となっている固定部材との間に温度調整ベスト1の生地を挟み込み、本体部32側と固定部材側を螺合することで、温度調整ベスト1にペルチェ素子ユニット30を固定させる構造を用いることなく、温度調整ベスト1にペルチェ素子ユニット30を装着して、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、着用者HMの身体を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0070】
<吸気口と排出口について>
図10及び
図11を用いて、素子装着部材11によって、温度調整ベスト1に装着されたペルチェ素子ユニット30の吸気口34aから吸気した空気が、排出口33aから排出されることについて説明する。
図10は、第1実施形態に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの断面図である。
図11は、第1実施形態に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの吸気口から取り込まれて、排出口から排出されるまでの空気の流れを説明するための説明図である。なお、
図10及び
図11は、素子装着部材11に装着されている状態のペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)の断面図である。
【0071】
図10及び
図11に示すように、ペルチェ素子ユニット30(第1~第3ペルチェ素子ユニット30A,30B,30C)の放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)及び空気円筒部34は、温度調整ベスト1の身体側に取り付けられている。
【0072】
図10に示すように、空気円筒部34には、ペルチェ素子ユニット30の外部の空気、すなわち温度調整ベスト1内の空気をペルチェ素子ユニット30の内部に吸気させるための吸気口34aが形成されている。また、
図10に示すように、排出部33には、4つの吸気口34aから取り込まれて、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気をペルチェ素子ユニット30の外部に排出させるための複数の排出口33aが形成されている。
【0073】
次に、
図11を用いて、吸気口34aから取り込まれた空気が熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気がペルチェ素子ユニット30の外側に排出されるまでの空気の流れについて説明する。例えば、
図11に示すように、空気円筒部34に形成された吸気口34aから取り込まれた空気AR1は、熱交換面38や放熱フィン38aに接触する。吸気口34aから流入した空気が熱交換面38や放熱フィン38aに接触することで、熱交換面38による熱交換が行われる。
図11に示すように、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して熱交換された空気AR1は、排熱駆動部42の駆動により排熱ファン41が回転して発生された風によって排出部33に向かって流れていき、排出部33の垂直方向に排出されることがある。
【0074】
例えば、
図11に示すように、空気円筒部34に形成された吸気口34aから取り込まれた空気AR2は、熱交換面38や放熱フィン38aに接触する。続いて、
図11に示すように、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して熱交換された空気AR2は、排熱駆動部の駆動により排熱ファン41が回転して発生された風によって排出部33に向かって流れていき、排出部33の垂直方向に排出されることがある。
【0075】
<温度調整操作ユニットについて>
図12は、実施形態に係る温度調整ベストに具備する操作ユニットの構成を示すブロック図である。
図12に示すように、操作ユニット50は、制御部51と、操作部52と、表示部53等を有する。操作ユニット50内では、操作部52と表示部53が、制御部51と電気的に接続されている。
【0076】
操作部52は、操作ユニット50上面にある押下部の押下によって、第1~第3ペルチェ素子ユニット30A、30B、30Cに対し、ペルチェ素子PEへの通電のオン/オフの切替え操作を制御するための操作を可能とした態様で構成されている。さらに、操作部52は、操作ユニット50上面にある押下部の押下によって、排熱ファン41の回転を行うモータ(図示省略)への通電のオン/オフの切替え操作を制御するための操作を可能とした態様で構成されている。表示部53は、操作ユニット50上面にある表示部で、複数種の色から選択的に発光可能とした態様で構成されている。
【0077】
制御部51が、携帯用バッテリー54からペルチェ素子PEに供給する直流電流の向きを逆転させる制御を有する場合、操作部52は操作ユニット50上面にある押下部を通電のオン/オフの切替え操作とは異なった所定の操作モードに基づいて、軽く押す。これにより、第1~第3ペルチェ素子ユニット30A、30B、30Cに通電する電流の極性を切替ることが可能である。
【0078】
ペルチェ素子ユニット30では、ペルチェ素子PEにおいて、供給する直流電流の向きが逆方向になると、一面の機能と他面の機能が相互に反転する。そのため、制御部51が、ペルチェ素子に供給する電流の極性を逆転可能に構成されている場合、放熱面31は、制御部51により、吸熱によって冷却された冷却面31Aと、発熱によって加熱された加熱面31Bを、選択的に可変できるようになる。これにより、放熱面31では、冷却面31Aと加熱面31Bとが相互に入れ替わる。なお、制御部51が、ペルチェ素子に対し、電流の向きを切替える機能を有していない場合、放熱面31は、冷却面31Aまたは加熱面31Bのいずれか一方である。
【0079】
次に、第1実施形態に係る温度調整ベスト1の作用・効果について説明する。
【0080】
上記第1実施形態に係る温度調整ベスト1は、ペルチェ素子PEを収納する本体部32と、ペルチェ素子ユニット30をベスト本体2に支持させるための支持部35とから構成されたペルチェ素子ユニット30と、横テープ生地6と、縦テープ生地7と、支持部35に接続可能な複数の素子装着部材11等とを備えている。また、支持部35には、素子装着部材11に接続可能な2つの接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)が分散して形成されている。これにより、第1実施形態の温度調整ベスト1にペルチェ素子ユニット30を装着して、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、身体を冷やしたり、または温めたりしたい人は、一対の素子装着部材11を構成する各々の素子装着部材11と、それぞれ反対方向に形成されている2つの接続部材を構成する各々の接続部材とを接続させる。これにより、素子装着部材11と接続部材との2点支持によって、横テープ生地6に係留してペルチェ素子ユニット30が温度調整ベスト1に装着することになる。
【0081】
この特徴により、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、身体を冷やしたり、または温めたりしたい人は、素子装着部材11と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)が分散して複数個所で接続した2点支持によって、ペルチェ素子ユニット30がベスト本体2に装着される。そのため、特許文献1に開示されているように、わざわざ衣服の挿入孔にペルチェ素子ユニットを挿入して、ペルチェ素子ユニットの本体側と固定部材側を螺合によって固定させる必要がなく、素子装着部材11と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)を分散して複数個所で接続させるだけであるため、ペルチェ素子ユニット30を簡単に温度調整ベスト1に装着できるとともに、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、温度調整ベスト1の装着者の身体を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0082】
上記第1実施形態に係る温度調整ベスト1において、第1接続部材36と第2接続部材37とは、支持部35にて互いに反対方向に形成されている。また、
図2から
図4に示すように、例えば、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第1接続部材36に装着可能となるように、第10横テープ生地6Jに第1上素子装着部材11Auが縫い付けられている。また、
図2から
図4に示すように、例えば、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第2接続部材37に装着可能となるように、第11横テープ生地6Kに第1下素子装着部材11Adが縫い付けられている。これにより、例えば、第1接続部材36と第1上素子装着部材11Auの接続と、第2接続部材37と第1下素子装着部材11Adの接続との支持によって、第1ペルチェ素子ユニット30Aが第10横テープ生地6J、及び第11横テープ生地6Kに係留して温度調整ベスト1に装着される。
【0083】
例えば、温度調整ベスト1の着用者HMの動きによって、着用者HMの身体から放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)が離れてしまう虞がある。しかしながら、この特徴により、例えば、第1接続部材36と第1上素子装着部材11Auの接続と、第2接続部材37と第1下素子装着部材11Adの接続との上下での支持によって、第1ペルチェ素子ユニット30Aが第10横テープ生地6J、及び第11横テープ生地6Kに係留しているため、温度調整ベスト1の着用者HMの動きによって、着用者HMの身体から放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)が離れてしまうことを防止することができ、着用者HMの身体を放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって適切に冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0084】
上記第1実施形態に係る温度調整ベスト1において、例えば、第10横テープ生地6J、及び第11横テープ生地6Kに、素子装着部材11が縫い付けられている。人は、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)の貫通孔(上貫通孔36a、下貫通孔37a)を素子装着部材11の一端部11aから通して、その一端部11aの面ファスナ20を他端部11bの面ファスナ20に取り付けることで、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)と素子装着部材11を接続する。
【0085】
この特徴により、わざわざ衣服の挿入孔にペルチェ素子ユニットを挿入して、ペルチェ素子ユニットの本体側と固定部材側を螺合によって固定させる必要がなく、貫通孔(上貫通孔36a、下貫通孔37a)を一対の素子装着部材11の一端部11aから通して、その一端部11aの面ファスナ20を他端部11bの面ファスナ20に係合させて、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)と一対の素子装着部材11を接続させるだけである。これにより、例えば、例えば、猛暑下の屋外で働く作業者は猛暑下の中で、簡単にペルチェ素子ユニット30を温度調整ベスト1に装着させて、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、体温上昇や体温下降を抑制することができる。
【0086】
上記第1実施形態に係る温度調整ベスト1において、ペルチェ素子ユニット30が装着されている場合には、ベスト本体2が有する横テープ生地6と縦テープ生地7が交差して枠状に包囲して形成される装着領域21に配置されているペルチェ素子ユニット30の放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、温度調整ベスト1の着用者HMの身体を冷やしたり、または温めたりする。
【0087】
この特徴により、特許文献1に開示されている衣服のように、わざわざペルチェ素子ユニットを挿入するための挿入孔を形成する必要がなくなるため、温度調整ベスト1を構成している部材数を少なくすることができ、温度調整ベスト1の製造に係るコストを削減することができる。さらに、装着領域21に装着されたペルチェ素子ユニット30の放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、適切に体温上昇や体温下降を抑制することができる。
【0088】
<第1実施形態の変形例>
以下、第1実施形態の変形例の温度調整ベスト1の特徴点を詳細に説明する。特に述べない限り、上記第1実施形態の温度調整ベスト1が第1実施形態の変形例にも適用される。勿論、第1実施形態の変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。上記第1実施形態および下記第1実施形態の変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0089】
<第1実施形態の変更例に係る排出部33について>
次に、第1実施形態の変更例に係るペルチェ素子ユニット30について、
図13を用いて説明する。
図13は、第1実施形態の変更例に係るペルチェ素子ユニット本体を排出部側から示す説明図である。
【0090】
図13に示すように、第1実施形態の変更例に係るペルチェ素子ユニット30の本体部32は、排出部33を有する。第1実施形態の変更例に係る排出部33は、熱交換面38や放熱フィン38aにより熱交換された空気をペルチェ素子ユニット30の外部、且つペルチェ素子ユニット30の下方に向かって流出させための下方排出口33bが形成されている。また、排出部33には、熱交換面38や放熱フィン38aにより熱交換された空気をペルチェ素子ユニット30の外部に向かって流出させための他の排出口33dが形成されている。さらに、
図13に示すように、排出部33には、吸気口34aから流入されて、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気を下方排出口33bから流出させるために下方排出口33bへと誘導する空気誘導部36cが形成されている。この空気誘導部36cによって、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気を下方排出口33bからペルチェ素子ユニット30よりも下方に向かって流出させることができる。
【0091】
図14から
図15を用いて、第1実施形態の変更例に係るペルチェ素子ユニット30が備えた排出部33の排出口(下方排出口33b、他の排出口33d)から排出された空気の流れについて説明する。
図14は、第1実施形態の変更例に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの断面図である。
図15は、第1実施形態の変更例に係る温度調整ベストに装着されたペルチェ素子ユニットの吸気口から取り込まれて、排出口から排出されるまでの空気の流れを説明するための説明図である。なお、
図14及び
図15は、素子装着部材11に装着されている状態のペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)の断面図である。
【0092】
図14及び
図15に示すように、ペルチェ素子ユニット30(第1~第3ペルチェ素子ユニット30A,30B,30C)の放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)及び空気円筒部34は、温度調整ベスト1の身体側に取り付けられている。
【0093】
図13及び
図14に示すように、排出部33には、4つの吸気口34aから取り込まれて、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気をペルチェ素子ユニット30の外部に流出させるために、1つの下方排出口33bが形成されている。なお、下方排出口33bは、ペルチェ素子ユニット30の装着位置よりも下方に向かって開いた孔となっている。これにより、下方排出口33bから流出した空気は、ペルチェ素子ユニット30の装着位置よりも下方に向かって流出することになる。また、
図13及び
図14に示すように、排出部33には、4つの吸気口34aから取り込まれて、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気をペルチェ素子ユニット30の外部に流出させるために、複数(例えば、22)の他の排出口33dが形成されている。
【0094】
次に、
図15を用いて、吸気口34aから取り込まれた空気が熱交換面38や放熱フィン38aに接触して、熱交換された空気がペルチェ素子ユニット30の外側に排出されるまでの空気の流れについて説明する。
【0095】
例えば、
図15に示すように、空気円筒部34に形成された吸気口34aから取り込まれた空気AR3は、熱交換面38や放熱フィン38aに接触すると、熱交換面38による熱交換が行われる。続いて、
図15に示すように、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して熱交換された空気AR3は、排熱駆動部42の駆動により排熱ファン41が回転して発生された風によって排出部33に向かって流れていく。続いて、
図15に示すように、排出部33に流れた空気AR3は、空気誘導部36cに接触することで、下方排出口33bに向かって流れていく。
図15に示すように、空気誘導部36cによって下方排出口33bに向かって流れた空気AR3は、下方排出口33bからペルチェ素子ユニット30の外側であって、且つペルチェ素子ユニット30の下方へと排出されていく。ペルチェ素子ユニット30の下方へと排出されることで、空気AR3は温度調整ベスト1を装着している着用者HMの頭部に向かって流れてしまうことを防止することができる。
【0096】
例えば、
図15に示すように、複数の他の排出口33dよりも第2接続部材37側に位置する吸気口34aから取り込まれた空気AR4は、排熱駆動部42の直下付近に配置されている放熱フィン38aに接触すると、熱交換面38による熱交換が行われる。続いて、
図15に示すように、熱交換面38や放熱フィン38aに接触して熱交換された空気AR4は、例えば、排熱駆動部42の駆動により排熱ファン41が回転して発生された風によって、下方排出口33bからペルチェ素子ユニット30の外側に流出される。続いて、
図15に示すように、下方排出口33bから排出された空気AR4は、下方排出口33bからペルチェ素子ユニット30の外側であって、且つペルチェ素子ユニット30の下方へと排出されていく。ペルチェ素子ユニット30の下方へと排出されることで、空気AR4は温度調整ベスト1を装着している着用者HMの頭部に向かって流れてしまうことを防止することができる。
【0097】
例えば、
図15に示すように、複数の他の排出口33dよりも第2接続部材37側に位置する吸気口34aから取り込まれた空気AR5は、熱交換面38や放熱フィン38aに接触せずに、そのまま他の排出口33dから排出される。この場合、他の排出口33dから排出された空気AR5は、排出口33aから排出された後に、下方排出口33bから排出された空気AR3や空気AR4によってペルチェ素子ユニット30の下方へと導かれることになる。そのため、他の排出口33dから排出された空気AR5は、下方排出口33bから排出された空気AR3や空気AR4によってペルチェ素子ユニット30の下方へと導かれて、温度調整ベスト1を装着している着用者HMの頭部に向かって流れてしまうことを防止することができる。
【0098】
次に、第1実施形態の変更例に係る温度調整ベスト1の構成・作用・効果について説明する。
【0099】
特許文献1のような温度調整装置(ペルチェ素子ユニット)には、放熱板により放出された熱を含む空気をペルチェ素子ユニットの外側に排気するための排気孔と、放熱板により放出された熱を含む空気を排気孔を通じて、ペルチェ素子ユニットの外側に排気するための排熱ファンとを備えている。しかしながら、例えば、特許文献1のような温度調整装置では、排熱ファンによって排気孔から通じてペルチェ素子ユニットの外側に、放熱板により放出された熱を含む空気が排気されても、温度調整装置を装着した温度調整装着具を装着している装着者の頭部に向かって流れていき、流れていった空気が頭部に滞留して装着者に不快な思いにさせる問題点がある。
上記問題点を解決するためになされたものであり、放熱板により放出された熱を含む空気が装着者の頭部に向かって流れていくことを防止する温度調整装置を備えた温度調整装着具を提供することを目的とする。
「ペルチェ素子を有し、前記ペルチェ素子によって冷却または加熱する伝熱面と、前記伝熱面の反対側に熱交換面とを備えた温度調整装置を備えた温度調整装着具において、
前記温度調整装置は、前記ペルチェ素子を収容する本体と、前記本体に装着可能な支持部とから構成され、
前記熱交換面は、放熱フィンを有し、
前記本体は、前記伝熱面と、前記本体内に空気を吸気させるための吸気口を有する吸気部と、前記本体内から前記温度調整装置の下方に空気を排出させるための排出口を有する排出部とから構成される温度調整装着具。」
この特徴によれば、排出部の排出口から温度調整装置の下方、すなわち温度調整装着具を装着している着用者の足元に向かって流れることになる。これにより、例えば、温度調整装着具を装着している装着者の頭部に向かって、熱交換面や放熱フィンに接触した空気が流れていくことを防止することができる。そのため、例えば、温度調整装着具の装着者の頭部に熱交換面や放熱フィンに接触した空気が滞留して装着者を不快な思いにさせることを回避できる。なお、第1実施形態の変更例の排出部33は、温度調整装置の下方に空気を排出させるための下方排出口33bと、他の排出口33dとを有していたが、これに限定されることはない。例えば、第1実施形態の変更例の排出部33は、第1実施形態の変更例の排出部33は、温度調整装置の下方に空気を排出させるための下方排出口33bのみ有していても良い。
【0100】
<第2実施形態>
以下、本発明に係る温度調整装着具について、第2実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下、本発明に係る温度調整装着具について、第2実施形態では、例えば、装着者の左脹脛の温度調整を行う装着具である場合を挙げて、説明する。
【0101】
図16は、第2実施形態に係る温度調整装着具本体を排出部側から見た斜視図である。
図17は、第2実施形態に係る温度調整装着具本体を放熱面側から見た斜視図である。
図18は、第2実施形態に係る温度調整装着具を装着している装着者の左足を示す説明図である。なお、本発明に係る温度調整装着具は、第2実施形態では、温度調整装着具60と称す。
【0102】
図16~
図17に示すように、第2実施形態に係る温度調整装着具60は、ベルト状である一対の温度調整ベルト(第1温度調整ベルト61、第2温度調整ベルト62)と、第1ペルチェ素子ユニット30A等とから構成されている。また、第2実施形態に係る温度調整装着具60は、操作ユニット50と、携帯用バッテリー54等とを備えている。第2実施形態に係る温度調整装着具60が備えるペルチェ素子ユニット30は、一例として1である。操作ユニット50は、第2実施形態では、一例として1つ有している。
【0103】
第2実施形態に係る第1ペルチェ素子ユニット30Aでは、ペルチェ素子PEは、温度調整配線55により、操作ユニット50を介して、携帯用バッテリー54と電気的に接続される。
【0104】
第2実施形態に係る温度調整装着具60では、温度調整配線55は、1本の温度調整支線56Dの態様となる。すなわち、温度調整支線56Dの本数は、ペルチェ素子ユニット30の数と一致している。温度調整配線55の温度調整支線56Dは、携帯用バッテリー54に接続される。第2実施形態に係る温度調整支線56Dは、第1ペルチェ素子ユニット30Aに接続される。
【0105】
第2実施形態に係る操作部52は、操作ユニット50上面にある押下部の押下によって、第1ペルチェ素子ユニット30Aに対し、ペルチェ素子PEへの通電のオン/オフの切替え操作を制御するための操作を可能とした態様で構成されている。さらに、第2実施形態に係る操作部52は、操作ユニット50上面にある押下部の押下によって、排熱ファン41の回転を行うモータ(図示省略)への通電のオン/オフの切替え操作を制御するための操作を可能とした態様で構成されている。
【0106】
図16~
図17に示すように、第2実施形態に係る第1温度調整ベルト61の表面61Fにおける第1温度調整ベルト61の先端部である一端部61aには、面ファスナ63が縫い付けられている。第1温度調整ベルト61の他端部61bは、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第1接続部材36に形成されている上貫通孔36aを通した状態で、第1温度調整ベルト61の他端部61bにおける第1温度調整ベルト61の表面61Fが第1温度調整ベルト61の裏面61Rに縫い付けられている。これにより、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第1接続部材36と第1温度調整ベルト61が接続される。そのため、第1温度調整ベルト61が、第1ペルチェ素子ユニット30Aから外れてしまうことを防止することができる。
【0107】
図16~
図17に示すように、第2実施形態に係る第2温度調整ベルト62の裏面62Rにおける第2温度調整ベルト62の先端部である一端部62aには、面ファスナ63が縫い付けられている。第2温度調整ベルト62の他端部62bは、第1ペルチェ素子ユニット30Aの第2接続部材37に形成されている下貫通孔37aを通した状態で、第2温度調整ベルト62の他端部62bにおける第2温度調整ベルト62の表面62Fが第2温度調整ベルト62の裏面62Rに縫い付けられている。これにより、第1ペルチェ素子ユニット30の第2接続部材37と第2温度調整ベルト62が接続される。そのため、第2温度調整ベルト62が、第1ペルチェ素子ユニット30Aから外れてしまうことを防止することができる。
【0108】
次に、
図18を用いて、第2実施形態に係る温度調整装着具60を人の左足RFの左脹脛RCFに装着した状態を説明する。第2実施形態に係る温度調整装着具60で、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)が人の左足RFの左脹脛RCFに接触させて、冷やしたり、または温めたりしたい場合には、人は、先ず、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)が人の左足RFの左脹脛RCFに接触させる。続いて、人は、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)が人の左足RFの左脹脛RCFに接触させた状態で、第1温度調整ベルト61と第2温度調整ベルト62を左脹脛RCFに巻く。続いて、人は、第1温度調整ベルト61と第2温度調整ベルト62を左脹脛RCFに巻いた状態で、第2温度調整ベルト62の裏面62Rにおける第2温度調整ベルト62の一端部62aに縫い付けられている面ファスナ63を、第1温度調整ベルト61の表面61Fにおける第1温度調整ベルト61の一端部61aに縫い付けられている面ファスナ63に接触させて係合させる。これにより、
図18に示すように、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、温度調整装着具60の着用者HM自身の身体表面(左脹脛RCFの表面)に、直接または肌着等を介して間接的に当接させて、左脹脛RCFを冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0109】
次に、第2実施形態に係る温度調整装着具60の作用・効果について説明する。
【0110】
上記第2実施形態に係る温度調整装着具60は、ペルチェ素子PEを収納する本体部32と、本体部32に装着可能な支持部35とから構成された第1ペルチェ素子ユニット30Aと、支持部35に接続可能な一対の温度調整ベルト(第1温度調整ベルト61、第2温度調整ベルト62)等とを備えている。また、支持部35には、第1温度調整ベルト61に接続可能な第1接続部材36と、第2温度調整ベルト62に接続可能な第2接続部材37とが分散して形成されている。さらに、第1温度調整ベルト61の他端部61bが第1接続部材36の先端部36bを包んだ状態で第1温度調整ベルト61に縫い付けられることで、第1接続部材36と第1温度調整ベルト61の他端部61bが接続される。また、第2温度調整ベルト62の他端部62bが第2接続部材37の先端部37bを包んだ状態で第2温度調整ベルト62に縫い付けられることで、第2接続部材37と第2温度調整ベルト62の他端部62bが接続される。続いて、第1温度調整ベルト61と第2温度調整ベルト62を左脹脛RCFに巻いた状態で、第2温度調整ベルト62の裏面62Rにおける第2温度調整ベルト62の一端部62aに縫い付けられている面ファスナ63を、第1温度調整ベルト61の表面61Fにおける第1温度調整ベルト61の一端部61aに縫い付けられている面ファスナ63に接触させて係合させる。これにより、第1ペルチェ素子ユニット30Aの放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって左脹脛RCFを冷やしたり、または温めたりする。
【0111】
この特徴により、人が第1ペルチェ素子ユニット30Aを温度調整装着具60に装着させて、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)によって左脹脛RCFを冷やしたり、または温めたい場合には、第1温度調整ベルト61と第2温度調整ベルト62を左脹脛RCFに巻いた状態で、第2温度調整ベルト62の裏面62Rにおける第2温度調整ベルト62の一端部62aに縫い付けられている面ファスナ63を、第1温度調整ベルト61の表面61Fにおける第1温度調整ベルト61の一端部61aに縫い付けられている面ファスナ63に接触させて係合させる。これにより、第1ペルチェ素子ユニット30Aの放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)を左脹脛RCFに接触可能となる。そのため、例えば、人が炎天下でスポーツを行った後に、左脹脛RCFを冷やしたい場合には、特許文献1に開示されているように、わざわざ衣服の挿入孔にペルチェ素子ユニットを挿入して、ペルチェ素子ユニットの本体側と固定部材側を螺合によって固定させなくても、第1ペルチェ素子ユニット30Aを簡単に温度調整装着具60に装着した第1ペルチェ素子ユニット30Aの冷却面31Aによって、着用者HMの左脹脛RCFを局所的に冷やすことができる。
【0112】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態の温度調整ベスト1の特徴点を詳細に説明する。特に述べない限り、上記第1実施形態の温度調整ベスト1が第3実施形態にも適用される。勿論、第3実施形態に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1実施形態の変更例に係る構成と第3実施形態に係る構成とを適宜組み合わせて構成してもよい。上記第1実施形態および下記第3実施形態の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。以下、第3実施形態において、本発明に係る温度調整装着具は、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が装着されたペルチェ素子ユニット30である場合について、説明する。なお、第3実施形態において、本発明に係る温度調整被服は、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が装着されたペルチェ素子ユニット30を備えるとともに、着用者上体に着衣するベストである場合を挙げて、説明する。第3実施形態に係るベスト本体2は、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)を装着したペルチェ素子ユニット30を装着するための生地である。
【0113】
図19~
図26を用いて、第3実施形態に係る温度調整ベスト1について説明する。
図19は、第3実施形態に係る温度調整ベストを着用している着用者を後身頃側から見た斜視図である。
図20は、第3実施形態に係る温度調整装着具を排出部側から示す説明図である。
図21は、第3実施形態に係る温度調整装着具を放熱面側から示す説明図である。
【0114】
<ベスト本体2について>
第3実施形態に係るベスト本体2について、
図19を用いて説明する。
図19に示すように、第3実施形態に係るベスト本体2には、一対の素子装着部材11(第1の一対の素子装着部材11A、第2の一対の素子装着部材11B、第3の一対の素子装着部材11C)が配設されていない。
【0115】
図19に示すように、第3実施形態に係るベスト本体2の後身頃5の襟元部15付近において、第10横テープ生地6Jと第11横テープ生地6Kと第4縦テープ生地7Dと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第1ペルチェ素子ユニット30Aが装着されている。また、
図19に示すように、第3実施形態に係るベスト本体2の後身頃5における左袖口縁部13B付近において、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第2縦テープ生地7Bと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第2ペルチェ素子ユニット30Bが装着されている。また、
図19に示すように、第3実施形態に係るベスト本体2の後身頃5における右袖口縁部13A付近において、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第1縦テープ生地7Aと第4縦テープ生地7Dとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第3ペルチェ素子ユニット30Cが装着されている。なお、第3実施形態では、第3実施形態に係るベスト本体2の後身頃5の表面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触しない面)側から、ペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)を装着可能となっている。これにより、着用者HMが温度調整ベスト1を着用している状態に、着用者HMとは異なる第三者によって、後身頃5の表面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触しない面)側から、ペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)を装着することができる。
【0116】
図19に示すように、第3実施形態に係るペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)の接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)に、支持部35に接続可能な一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)を備えている。
【0117】
第3実施形態に係る温度調整ベスト1では、3つのペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)は、ベスト本体2にある3箇所に装着される。
【0118】
<ペルチェ素子ユニット30について>
次に、第3実施形態に係るペルチェ素子ユニット30について、
図20~
図22を用いて説明する。
【0119】
図20~
図22に示すように、第3実施形態に係る支持部35に分散して形成されている第1接続部材36、及び第2接続部材37のそれぞれに、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が装着可能となっている。接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)に装着された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)は、テープ生地(本実施形態では、横テープ生地6)を挟み込むことが可能となっている。
図20~
図22に示すように、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)は、被可動挟持部72と、挟持操作部75の操作によって支点74を介して開閉可能な可動挟持部71と、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)の先端(36b、37b)に装着可能な装着部73と、支点74と、人の操作が可能な挟持操作部75とを有している。可動挟持部71は平板状に形成され、被可動挟持部72は略矩形の平板状に形成されている。
図20から
図21に示すように、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)は、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)の貫通孔(上貫通孔36a、下貫通孔37a)に装着部73を通して、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)の先端部(36b、37b)を装着部73の溝に嵌め込むことで、支持部35に接続されることになる。一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が閉状態である場合には、
図22に示すように、可動挟持部71と被可動挟持部72とは、互いに対向して配置されている。
【0120】
<挟持装着部材70の開閉状態について>
図23から
図24を用いて、挟持装着部材70について説明する。
図23は、第3実施形態に係る挟持装着部材の閉状態の斜視図である。
図24は、第3実施形態に係る挟持装着部材の開状態の斜視図である。なお、
図23から
図24では、接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)に挟持装着部材70が接続された状態のペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)を示している。
【0121】
図23に示すように、上挟持装着部材70Aが閉状態となっている場合に、温度調整ベスト1を着用する人は、挟持操作部75を可動挟持部71側に向かって引っ張る(
図23の矢印YZ1)。これにより、
図24に示すように、支点74を介して可動挟持部71が上昇し、上挟持装着部材70Aが開状態となる。また、
図24に示すように、上挟持装着部材70Aが開状態となっている場合に、温度調整ベスト1を装着する人は、挟持操作部75を被可動挟持部72側に向かって押し込む(
図24の矢印YZ2)。これにより、
図23に示すように、支点74を介して可動挟持部71が下降し、上挟持装着部材70Aが閉状態となる。
【0122】
図24に示すように、可動挟持部71は、横テープ生地6を挟み込んだ場合に、その横テープ生地6と接触する接触面71aに、可動挟持部71と被可動挟持部72とによって横テープ生地6を挟持してペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)が保持された状態を補助するための補助部材76を有している。また、
図23から
図24に示すように、被可動挟持部72は、横テープ生地6を挟み込んだ場合に、その横テープ生地6と接触する接触面72aに、上挟持装着部材70Aが横テープ生地6を挟持してペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)が保持された状態を補助するための補助部材76を有している。
【0123】
<ペルチェ素子ユニット30の装着について>
次に、
図25から
図26を用いて、第3実施形態に係るベスト本体2へのペルチェ素子ユニット30の装着について説明する。
図25は、第3実施形態に係る開状態の挟持装着部材と横テープ生地とを示す説明図である。
図26は、第3実施形態に係る閉状態の挟持装着部材が横テープ生地を挟持して保持した状態を示す説明図である。
【0124】
図25から
図26は、第10横テープ生地6Jと第11横テープ生地6Kと第4縦テープ生地7Dと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第1ペルチェ素子ユニット30Aを装着する場合を示すものである。また、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第2縦テープ生地7Bと第5縦テープ生地7Eとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第2ペルチェ素子ユニット30Bを装着する場合も、
図25から
図26に示す場合と同様である。また、第11横テープ生地6Kと第12横テープ生地6Lと第1縦テープ生地7Aと第4縦テープ生地7Dとによって、枠状に包囲して形成された装着領域21に、第3ペルチェ素子ユニット30Cを装着する場合も、
図25から
図26に示す場合と同様である。
【0125】
図25に示すように、第1ペルチェ素子ユニット30Aをベスト本体2の後身頃5における襟元部15付近に装着する場合には、温度調整ベスト1を着用する人は、先ず、第1ペルチェ素子ユニット30Aの支持部35に形成されている第1接続部材36に接続され、且つ開状態となっている上挟持装着部材70A有する被可動挟持部72の接触面72aや補助部材76に第10横テープ生地6Jを接触させた状態にする。
【0126】
続いて、温度調整ベスト1を着用する人は、
図25に示すように、上挟持装着部材70Aが有する被可動挟持部72の接触面72aや補助部材76に第10横テープ生地6Jを接触させた状態で、挟持操作部75を被可動挟持部72側に向かって押し込む(
図25の矢印YZ2)。挟持操作部75が被可動挟持部72側に向かって押し込まれることで、支点74を介して可動挟持部71が下降され、
図26に示すように、可動挟持部71と被可動挟持部72とが第10横テープ生地6Jが挟み込まれて、上挟持装着部材70Aが閉状態となり、第1接続部材36に接続された上挟持装着部材70Aが第10横テープ生地6Jを挟持して保持することになる。なお、可動挟持部71の接触面71aが有する補助部材76と、被可動挟持部72の接触面72aが有する補助部材76とが、第10横テープ生地6Jに喰い込んで密着することで、第1接続部材36に接続された上挟持装着部材70Aが第10横テープ生地6Jを挟持して保持する状態を補助している。
【0127】
第1ペルチェ素子ユニット30Aの支持部35に形成されている第2接続部材37に接続された下挟持装着部材70Bが第11横テープ生地6Kに挟持して保持する場合も同様に、第1ペルチェ素子ユニット30Aの支持部35に形成されている第2接続部材37に接続され、且つ開状態となっている下挟持装着部材70Bが有する被可動挟持部72の接触面72aや補助部材76に第11横テープ生地6Kを接触させた状態にする。
【0128】
続いて、温度調整ベスト1を着用する人は、下挟持装着部材70Bが有する被可動挟持部72の接触面72aや補助部材76に第11横テープ生地6Kを接触させた状態で、挟持操作部75を被可動挟持部72側に向かって押し込む。挟持操作部75が被可動挟持部72側に向かって押し込まれることで、支点74を介して可動挟持部71が下降され、可動挟持部71と被可動挟持部72とが第11横テープ生地6Kが挟み込まれて、下挟持装着部材70Bが閉状態となり、第2接続部材37に接続された下挟持装着部材70Bが第11横テープ生地6Kを挟持して保持することになる。なお、可動挟持部71の接触面71aが有する補助部材76と、被可動挟持部72の接触面72aが有する補助部材76とが、第11横テープ生地6Kに喰い込んで密着することで、第2接続部材37に接続された下挟持装着部材70Bが第11横テープ生地6Kを挟持して保持する状態を補助している。
【0129】
第3実施形態に係る温度調整ベスト1を着用する人は、第10横テープ生地6Jに挟持して保持された上挟持装着部材70Aと第1接続部材36による接続と、第11横テープ生地6Kに挟持して保持された下挟持装着部材70Bと第2接続部材37による接続との2点支持により、第1ペルチェ素子ユニット30Aを温度調整ベスト1の襟元部15付近に装着させることができる。この場合、
図19に示すように、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、温度調整ベスト1の着用者HM自身の身体側(首元の下付近)に対向させて接触可能な状態となる。これにより、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、着用者HM自身の身体表面に、直接または肌着等を介して間接的に当接させて、首元の下を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0130】
また、温度調整ベスト1を着用する人は、第11横テープ生地6Kに挟持して保持された上挟持装着部材70Aと第1接続部材36による接続と、第12横テープ生地6Lに挟持して保持された下挟持装着部材70Bと第2接続部材37による接続との2点支持により、第2ペルチェ素子ユニット30Bを温度調整ベスト1の左袖口縁部13B付近に装着させることができる。さらに、温度調整ベスト1を着用する人は、第11横テープ生地6Kに挟持して保持された上挟持装着部材70Aと第1接続部材36による接続と、第12横テープ生地6Lに挟持して保持された下挟持装着部材70Bと第2接続部材37による接続との2点支持により、第3ペルチェ素子ユニット30Cを温度調整ベスト1の右袖口縁部13A付近に装着させることができる。この場合、
図2に示すように、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、温度調整ベスト1の着用者HM自身の身体側(脇付近)に対向させて接触可能な状態となる。これにより、放熱面31(冷却面31Aまたは加熱面31B)が、着用者HM自身の身体表面(右脇の表面、左脇の表面)に、直接または肌着等を介して間接的に当接させて、脇の下を冷やしたり、または温めたりすることができる。
【0131】
次に、第3実施形態に係る温度調整装着具60の作用・効果について説明する。
【0132】
上記第3実施形態に係る温度調整ベスト1では、ペルチェ素子ユニット30の接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)に一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が取り付けられている。これにより、人は、横テープ生地6を挟持して保持する一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)が接続させた箇所を2点にすることで、ペルチェ素子ユニット30がベスト本体2に係留して温度調整ベスト1に装着される。
【0133】
この特徴により、わざわざ衣服の挿入孔にペルチェ素子ユニットを挿入して、ペルチェ素子ユニットの本体側と固定部材側を螺合によって固定させる必要がなく、横テープ生地6を挟持して保持された挟持部(可動挟持部71、被可動挟持部72)を有する一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)が接続させた箇所が2点にするだけである。これにより、例えば、例えば、猛暑下の屋外で働く作業者は猛暑下の中で、簡単にペルチェ素子ユニット30を温度調整ベスト1に装着させて、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、体温上昇や体温下降を抑制することができる。
【0134】
上記第3実施形態に係る温度調整ベスト1において、可動挟持部71が有する接触面71aと、被可動挟持部72が有する接触面72aとは、可動挟持部71と被可動挟持部72とによって横テープ生地6を挟持してペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)が保持された状態を補助するための補助部材76を有している。
【0135】
この特徴により、可動挟持部71と被可動挟持部72とが有する補助部材76によって、可動挟持部71と被可動挟持部72とによって横テープ生地6を挟持してペルチェ素子ユニット30(第1ペルチェ素子ユニット30A、第2ペルチェ素子ユニット30B、第3ペルチェ素子ユニット30C)が保持された状態を補助することで、一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)が接続させた状態を維持させることができる。これにより、温度調整ベスト1の着用者HMの動きによって、可動挟持部71と被可動挟持部72とが挟み込んでいる横テープ生地6が抜けてしまうことを防止することができる。
【0136】
上記第3実施形態に係る温度調整ベスト1において、ペルチェ素子ユニット30が装着されている場合に、ベスト本体2が有する横テープ生地6と縦テープ生地7が交差して枠状に包囲して形成される装着領域21に配置されている、横テープ生地6を挟持して保持している一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)が接続された2点支持によって、ペルチェ素子ユニット30がベスト本体2に係留して温度調整ベスト1に装着される。
【0137】
この特徴により、特許文献1に開示されている被服のように、わざわざペルチェ素子ユニットを挿入するための挿入孔を形成する必要がなくなるため、温度調整ベスト1を構成している部材数を少なくすることができ、温度調整ベスト1の製造に係るコストを削減することができる。さらに、装着領域21に装着されたペルチェ素子ユニット30の放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって、適切に体温上昇や体温下降を抑制することができる。また、第3実施形態に係るペルチェ素子ユニット30であれば、温度調整ベスト1のベスト本体2における様々な箇所に装着することができるため、様々な人の好みに対応させることができる。
【0138】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
【0139】
上記第1実施形態、及び上記第1実施形態の変更例では、後身頃5の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)に、一対の素子装着部材11が、襟元部15付近に1箇所と、右袖口縁部13A付近に1箇所と、左袖口縁部13Bに1箇所に配置されていた。これにより、後身頃5の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)に、ペルチェ素子ユニット30が襟元部15付近と、右袖口縁部13A付近と、左袖口縁部13B付近とに装着されていた。しかしながら、これに限定される必要はない。例えば、本発明に係る温度調整装着具(製品)の用途、装着者の体格等、製品の仕様に応じて、一対の素子装着部材11の配置箇所は、種々変更可能であり、例えば、前身頃4の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)及び後身頃5の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)に、一対の素子装着部材11が配置されていても良い。これにより、後身頃5にペルチェ素子ユニット30を装着できるだけでなく、前身頃4にもペルチェ素子ユニット30を装着することができる。
【0140】
上記各実施形態に係る支持部35には、互いに反対方向に第1接続部材36と、第2接続部材37とが形成されていた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、支持部35に形成されている接続部材の数は、3以上の場合であっても良く、種々変更可能である。例えば、支持部35は、第1接続部材36と、第2接続部材37と、第1接続部材36に対して垂直方向に形成された第3接続部材と、第2接続部材37に対して垂直方向に形成された第4接続部材とを有しても良い。この場合、例えば、第1接続部材36と、第2接続部材37とは、装着部材(素子装着部材11、挟持装着部材70)のそれぞれに接続され、第3接続部材と第4接続部材とは、装着部材(素子装着部材11、挟持装着部材70)と接続されないようにしても良い。例えば、第1接続部材36、第2接続部材37、第3接続部材、及び第4接続部材のうち、全ての接続部材に、装着部材(素子装着部材11、挟持装着部材70)を装着したペルチェ素子ユニット30が装着領域21に装着されても良い。これにより、着用者HMの動きによって、全ての接続部材に、装着部材(素子装着部材11、挟持装着部材70)を装着したペルチェ素子ユニット30の放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)が着用者HMの身体からずれてしまうことをより防止できる。
【0141】
上記第3実施形態では、後身頃5の表面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触しない面)において、ペルチェ素子ユニット30の装着箇所は、襟元部15付近に1箇所と、右袖口縁部13A付近に1箇所と、左袖口縁部13Bに1箇所であった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、ペルチェ素子ユニット30を前身頃4の表面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触しない面)及び後身頃5の表面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触しない面)に装着しても良く、本発明に係る温度調整装着具(製品)の用途、装着者の体格等、製品の仕様に応じて、適宜変更可能である。また、例えば、ペルチェ素子ユニット30を前身頃4の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)や、後身頃5の裏面(着用者HMが着用している場合に着用者HMの身体に接触する面)に装着しても良い。
【0142】
上記第1実施形態、及び上記第1実施形態の変更例では、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の一端部11aが有する面ファスナ20を、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の他端部11bが有する面ファスナ20に貼り合わせることで、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の一端部11aを上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の他端部11bに取り付けられた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の一端部11aにボタンや凸部に設け、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の他端部11bにボタンホールや凹部を設けても良い。これにより、面ファスナを縫い付けることなく、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の一端部11aに設けたボタンを上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の他端部11bに設けたボタンホールに通すことや、一端部11aに設けた凸部を他端部11bに設けた凹部に装着することにより、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の一端部11aを上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の他端部11bに取り付けることができる。
【0143】
上記第1実施形態、及び上記第1実施形態の変更例では、下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の一端部11aが有する面ファスナ20を、下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の他端部11bが有する面ファスナ20に貼り合わせることで、下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の一端部11aが下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の他端部11bに取り付けられた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の一端部11aにボタンや凸部を設け、下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の他端部11bにボタンホールや凹部を設けても良い。これにより、面ファスナを縫い付けることなく、上素子装着部材11u(第1上素子装着部材11Au、第2上素子装着部材11Bu、第3上素子装着部材11Cu)の一端部11aに設けたボタンを下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の他端部11bに設けたボタンホールに通すことや、一端部11aに設けた凸部を他端部11bに設けた凹部に装着することにより、下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の一端部11aを下素子装着部材11d(第1下素子装着部材11Ad、第2下素子装着部材11Bd、第3下素子装着部材11Cd)の他端部11bに取り付けることができる。
【0144】
上記第3実施形態では、補助部材76が、横テープ生地6に喰い込んで密着することで、接続部材に接続された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が横テープ生地6を挟持して保持する状態を補助した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、補助部材76は、粘着性の素材であっても良い。この場合、粘着性のある素材からなる補助部材76が、横テープ生地6に密着することで横テープ生地6に傷が生じてしまうことを防止して、接続部材に接続された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が横テープ生地6を挟持して保持する状態を補助することができる。また、例えば、挟持部(可動挟持部71、被可動挟持部72)の外側に可動挟持部71と被可動挟持部72とが横テープ生地6を挟んだ状態を保持する補助部材76を設けても良い。これにより、補助部材76が、接続部材に接続された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が横テープ生地6を挟持して保持する状態を補助するか否かを任意に選択させることができる。
【0145】
上記第1実施形態、上記第1実施形態の変更例、及び上記第3実施形態に係る温度調整ベスト1のベスト本体2における装着領域21は、横テープ生地6が縦テープ生地7に対して垂直に交差して枠状に包囲して形成された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、温度調整ベスト1のベスト本体2における装着領域21は、横テープ生地6が縦テープ生地7に対して交差して枠状に包囲して形成されていれば、装着領域21の大きさや、装着領域21の形状等は、適宜変更可能である。
【0146】
上記第1実施形態、及び上記第1実施形態の変更例では、素子装着部材11は、横テープ生地6に縫い付けられていた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、素子装着部材11は、縦テープ生地7に縫い付けられても良い。これにより、縦テープ生地7に縫い付けられている素子装着部材11と接続部材(第1接続部材36、第2接続部材37)との接続により、ペルチェ素子ユニット30をベスト本体2に装着して、放熱面31(冷却面31A、加熱面31B)によって人の身体を冷やしたり、または温めたりできる。
【0147】
上記第1実施形態、上記第1実施形態の変更例、及び上記第3実施形態に係るベスト本体2における装着領域21は、縦線状であって帯状に形成された縦テープ生地7と、横線状であって帯状に形成された横テープ生地6とが交差して枠状に包囲して形成された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、ベスト本体2における装着領域21は、右斜線状であって帯状に形成された右斜線テープ生地と、左斜線状であって帯状に形成された左車線テープ生地とが交差して枠状に包囲して形成されても良い。これにより、ベスト本体2の見た目を向上させることができる。
【0148】
上記第2実施形態では、第1温度調整ベルト61の表面61Fにおける第1温度調整ベルト61の一端部61aが有する面ファスナ63を第2温度調整ベルト62の裏面62Rにおける第2温度調整ベルト62の一端部62aが有する面ファスナ63に貼り合わせることで、第1温度調整ベルト61の一端部61aを第2温度調整ベルト62の一端部62aに取り付けることができた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、第1温度調整ベルト61の表面61Fにおける第1温度調整ベルト61の一端部61aにボタンや凸部を縫い付け、第2温度調整ベルト62の裏面62Rにおける第2温度調整ベルト62の一端部62aにボタンホールや凹部を設けても良い。これにより、面ファスナを縫い付けることなく、第1温度調整ベルト61の一端部61aに縫い付けたボタンを第2温度調整ベルト62の一端部62aに設けたボタンホールに通すことや、第1温度調整ベルト61の一端部61aに縫い付けた凸部を第2温度調整ベルト62の一端部62aの凹部に装着することにより、第1温度調整ベルト61の一端部61aを第2温度調整ベルト62の一端部62aに取り付けることができる。
【0149】
上記第3実施形態では、上挟持装着部材70Aの可動挟持部71の接触面71aと被可動挟持部72の接触面72aが補助部材76を有するとともに、下挟持装着部材70Bの可動挟持部71の接触面71aと被可動挟持部72の接触面72aが補助部材76を有した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、上挟持装着部材70Aの可動挟持部71の接触面71aと被可動挟持部72の接触面72a、または下挟持装着部材70Bの可動挟持部71の接触面71aと被可動挟持部72の接触面72aのうち、何れか一方の挟持装着部材70の可動挟持部71の接触面71aと被可動挟持部72の接触面72aとが有していれば良く、横テープ生地6への補助部材76の喰い込む箇所を減らすことができる。
【0150】
上記第3実施形態に係る補助部材76は、可動挟持部71の接触面71aと被可動挟持部72の接触面72aに設けられていたが、これに限定されることはない。例えば、可動挟持部71の接触面71a、または被可動挟持部72の接触面72aのうち、何れかの接触面に設けられていても良く、横テープ生地6への補助部材76の喰い込む箇所を減らすことができる。
【0151】
上記第3実施形態では、補助部材76が、横テープ生地6に喰い込んで密着することで、接続部材に接続された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が横テープ生地6を挟持して保持する状態を補助した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、補助部材76は、粘着性の素材であっても良い。この場合、粘着性のある素材からなる補助部材76が、横テープ生地6に密着することで横テープ生地6に傷が生じてしまうことを防止して、接続部材に接続された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が横テープ生地6を挟持して保持する状態を補助することができる。また、例えば、挟持部(可動挟持部71、被可動挟持部72)の外側に可動挟持部71と被可動挟持部72とが横テープ生地6を挟んだ状態を保持する補助部材76を設けても良い。これにより、補助部材76が、接続部材に接続された一対の挟持装着部材70(上挟持装着部材70A、下挟持装着部材70B)が横テープ生地6を挟持して保持する状態を補助するか否かを任意に選択させることができる。
【0152】
図1から
図4、及び
図19に示すベスト本体2は、一例にすぎず、例えば、ベスト本体2は、ナイロン(nylon)、ポリエステル(polyester)等、耐熱性、耐強度、蒸散性に優れた合成樹脂繊維により構成されている生地の裏側に横テープ生地6と縦テープ生地7とが縫い付けられている構成であっても良い。
【0153】
また、上記第1実施形態、上記第1実施形態の変更例、及び上記第3実施形態では、3つのペルチェ素子ユニット30をベスト本体2に装着する温度調整ベスト1を挙げたが、装着するペルチェ素子ユニット30の数は、実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る温度調整装着具(製品)の用途、着用者の体格等、製品の仕様に応じて、適宜変更可能である。
【0154】
また、上記第2実施形態では、1つのペルチェ素子ユニット30を一対の温度調整ベルトに装着する温度調整装着具60を挙げたが、装着するペルチェ素子ユニット30の数は、実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る温度調整装着具(製品)の用途、着用者の体格等、製品の仕様に応じて、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0155】
1 温度調整ベスト(温度調整装着具)
2 ベスト本体(生地部材)
4 前身頃
5 後身頃
11 素子装着部材(装着部材)
20 面ファスナ(着脱部材)
21 装着領域
30 ペルチェ素子ユニット(ペルチェ素子ユニット)
31 放熱面(伝熱面)
31A 冷却面(伝熱面)
31B 加熱面(伝熱面)
32 本体部(本体)
33 排出部(排出部)
33a 排出口(排出口)
34 吸気部(吸気部)
34a 吸気口(吸気口)
35 支持部(支持部)
36 第1接続部材(接続部材)
36a 上貫通孔(貫通孔)
37 第2接続部材(接続部材)
37a 下貫通孔(貫通孔)
38 熱交換面
54 携帯用バッテリー(バッテリー)
50 操作ユニット(制御手段)
60 温度調整装着具(温度調整装着具)
70A 上挟持装着部材(第1装着部材)
70B 上挟持装着部材(第2装着部材)
76 補助部材(補助部材)
HM 着用者
PE ペルチェ素子
【要約】
【課題】温度調整装置の装着を容易にして温度調整装置の伝熱面を人の身体に接触可能とするとともに、使い易さの向上を図ることができる温度調整装着具、及びその温度調整装着具を備える温度調整被服を提供する。
【解決手段】ペルチェ素子PEによって冷却または加熱する放熱面31を備えたペルチェ素子ユニット30を備えた温度調整ベスト1において、ペルチェ素子ユニット30は、ペルチェ素子PEを収容する本体部32と、本体部32に装着可能な支持部35とから構成されている。支持部35には、第1接続部材36と、前記第1接続部材の形成箇所とは反対方向に第2接続部材とが形成されている。第1接続部材36に装着可能な第1上素子装着部材11Auと、第2接続部材37に装着可能な第1下素子装着部材11Adとを備え、第1接続部材36と第1上素子装着部材11Auの接続と、第2接続部材37と第1下素子装着部材11Adの接続とにより、放熱面31が身体に接触可能となる。
【選択図】
図2