(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】帽子
(51)【国際特許分類】
A42B 1/22 20060101AFI20250110BHJP
A42B 1/00 20210101ALI20250110BHJP
【FI】
A42B1/22 B
A42B1/00 R
(21)【出願番号】P 2024118881
(22)【出願日】2024-07-24
【審査請求日】2024-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509343909
【氏名又は名称】株式会社金星
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】石井 一史
(72)【発明者】
【氏名】上野 直哉
(72)【発明者】
【氏名】影山 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】丹井 涼太
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 悠太
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-020431(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第112205701(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-2528551(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 1/22
A42B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の頭部の頭囲のサイズに対応するサイズ調整機能を備えた帽子であって、
上下方向の幅及び横方向の長さを有する帯形状を有し、前記帽子が前記着用者に着用された状態で、前記着用者の頭部の頭囲を囲むように配置される腰部であって、前記帯形状の横方向における第1端部と第2端部とを有し、後方において前記第1端部と前記第2端部とが対向するように配置された腰部と、
前記腰部の前方に設けられた庇部と、
前記腰部の上方に設けられた天井部と、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部とが離れるように変位した場合に、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部とが近づくように力を印加する調整機構と、
を備え
、
前記調整機構は、
上下方向の幅を有するリング形状を有し、前記腰部の前記第1端部および前記第2端部を外周側から覆うように、前記腰部の外周を囲み且つ当接して配置され、伸縮性を有するリング状伸縮部材を含む
ことを特徴とする帽子。
【請求項2】
前記着用者が前記帽子を着用することで、前記着用者の頭囲のサイズに応じて、前記帽子の後方において、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間の間隔が変化する
ことを特徴とする
請求項1に記載の帽子。
【請求項3】
前記着用者の頭囲のサイズが、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間が閉じた通常状態における前記帽子のサイズよりも大きい場合には、前記帽子の後方において、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間が開くようになっている
ことを特徴とする
請求項2に記載の帽子。
【請求項4】
前記リング状伸縮部材は、前記腰部の外周に密着して取り囲むように配置されている
ことを特徴とする
請求項1に記載の帽子。
【請求項5】
前記リング状伸縮部材は、上下方向の幅を有するリング形状を有する平ゴム体であることを特徴とする
請求項4に記載の帽子。
【請求項6】
前記着用者が前記帽子を着用することで、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間が開く横方向の間隔よりも広い範囲において、横方向において前記リング状伸縮部材が伸長する
ことを特徴とする
請求項4に記載の帽子。
【請求項7】
前記リング状伸縮部材は、前記腰部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする
請求項1に記載の帽子。
【請求項8】
前記腰部の外周に設けられ、前記リング状伸縮部材を前記腰部における予め設定された位置に支持するためのガイド部を備えることを特徴とする
請求項7に記載の帽子。
【請求項9】
前記ガイド部は、前記リング状伸縮部材の下側を支持するように構成されていることを特徴とする
請求項8に記載の帽子。
【請求項10】
前記リング状伸縮部材の右側の側面の第1部分は、前記腰部の右側の側面に固定され、
前記リング状伸縮部材の左側の側面の第2部分は、前記腰部の左側の側面に固定され、
前記リング状伸縮部材の前記第1部分と前記第2部分との間の前記リング状伸縮部材の後方側の領域は、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間の開度に応じて、伸長するようになっている
ことを特徴とする
請求項9に記載の帽子。
【請求項11】
前記腰部の右側の側面に係止される第1耳釦と、
前記腰部の左側の側面に係止される第2耳釦と、を備え、
前記リング状伸縮部材の右側の側面の第1部分は、前記第1耳釦により、前記腰部の右側の側面に固定され、
前記リング状伸縮部材の左側の側面の第2部分は、前記第2耳釦により、前記腰部の左側の側面に固定されている
ことを特徴とする
請求項10に記載の帽子。
【請求項12】
一端が前記第1耳釦により前記腰部の右側の側面に係止され、他端が前記第2耳釦により前記腰部の左側の側面に係止されたアゴ紐を備える
ことを特徴とする
請求項11に記載の帽子。
【請求項13】
前記第1耳釦は、前記リング状伸縮部材の前記第1部分及び前記腰部の右側の側面を貫通することで、前記リング状伸縮部材の前記第1部分と前記腰部の右側の側面とを固定し、
前記第2耳釦は、前記リング状伸縮部材の前記第2部分及び前記腰部の左側の側面を貫通することで、前記リング状伸縮部材の前記第2部分と前記腰部の左側の側面とを固定する
ことを特徴とする
請求項12に記載の帽子。
【請求項14】
前記天井部の周囲と前記腰部の上端との間に設けられたマチ部を備えることを特徴とする
請求項1に記載の帽子。
【請求項15】
前記帽子は、ハット、キャップ、又は、制帽であることを特徴とする
請求項1に記載の帽子。
【請求項16】
前記リング状伸縮部材は、前記リング状伸縮部材の前記伸縮性により、前記腰部の外周に密着していることを特徴とする
請求項4に記載の帽子。
【請求項17】
前記腰部の内周は、前記リング状伸縮部材の前記伸縮性により、前記着用者の頭部の頭囲にフィットする
ことを特徴とする
請求項16に記載の帽子。
【請求項18】
前記帽子の前記サイズ調整機能は、前記着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、前記リング状伸縮部材の前記伸縮性に基づいて無段階で調整するものである
ことを特徴とする
請求項17に記載の帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の頭のサイズ(頭囲)に対応するサイズ調整機能を備えた帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着用者の頭のサイズに対応するサイズ調整機能を備えた帽子が知られている。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1には、クラウン部の後面に切欠部が無い帽子において、帯状の汗取り備皮の一部に平ゴム体を介装して、汗取り備皮の周長を可変に構成された帽子が開示されている。そして、当該帽子は、面状ファスナーにて、平ゴム体の一端を着脱して、汗取り備皮の周長を調節自在に構成されている。
【0004】
この特許文献1に記載の従来技術に係る帽子では、当該帽子のクラウン部の後面の汗取り備皮の端部間の狭い隙間で平ゴム体が伸縮することにより、ある程度の帽子のサイズ調整が可能となる。
【0005】
しかしながら、この特許文献1にも記載のように、着用者の頭のサイズが比較的異なる場合には、当該着用者が面状ファスナーの係止位置を調整することにより、当該帽子のサイズを調整する必要がある。
【0006】
すなわち、この従来技術の帽子においては、伸縮可能な平ゴム部分の長さが短いものであることから、当該平ゴム部分で自動的に調整されるサイズ幅が狭く、基本的には着用者による着用前の平面ファスナーの調整が必要となるものである。
【0007】
また、例えば、特許文献2には、クラウン部の後端部に設定高さ位置から下端縁にかけて切欠部が形成されるとともに、クラウン部の左右各側端部下方にそれぞれ伸縮自在なリボンの一端が止着され、また、つば部がクラウン部の切欠部の間隔を除く下端周縁部の周長に相当する周長の内周縁部を有する帽子が開示されている。そして、つば部の左右の後端縁は、クラウン部の切欠部にほぼ沿って連続するとともに、外周縁部に向かってそれらの間隔を漸増するように形成されている。このため、左右のリボンを結束してクラウン部の切欠部の間隔を頭囲に合わせて調整することができる。この際、つば部の左右の後端縁の間隔も調整される。
【0008】
この特許文献2に記載の従来技術に係る帽子では、着用者が、左右のリボンを結束してクラウン部の切欠部の間隔を頭囲に合わせて調整することで、帽子のサイズ調整が可能となる。
【0009】
この特許文献2にも記載のように、着用者の頭のサイズが比較的異なる場合には、当該着用者が左右のリボンの結束の位置を調整することにより、当該帽子のサイズを調整する必要がある。
【0010】
すなわち、この従来技術の帽子においては、基本的には着用者による着用前の左右のリボンの結束の位置の調整が必要となるものである。
【0011】
また、例えば、特許文献3には、頭部に巻き付けて緊締する緊締バンド部を帽子(サンバイザー等)の本体と一体に設け、その頭部に巻き付けて緊締する緊締バンド部の両端を緊締管に対して相互に反対方向から挿通して引き出し、その緊締管内で緊圧重合し、緊締バンド部の長さを調整自在にして構成される帽子が開示されている。
【0012】
この特許文献3に記載の従来技術に係る帽子では、着用者が、緊締バンド部の長さを着用者の頭囲に合わせて調整することで、帽子のサイズ調整が可能となる。
【0013】
この特許文献3にも記載のように、着用者の頭のサイズが比較的異なる場合には、当該着用者が予め緊締管により緊締バンド部の長さを調整することにより、当該帽子のサイズを調整する必要がある。
【0014】
すなわち、この従来技術の帽子においては、基本的には着用者による着用前の緊締管による緊締バンド部の長さの調整が必要となるものである。
【0015】
以上のように、上記従来技術の帽子では、サイズ調整が可能であるが、基本的には着用前に、着用者が当該帽子のサイズ調整を実施した上で着用する必要があり、当該着用者の利便性が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】実用新案登録第3108513号
【文献】実用新案登録第3166445号
【文献】実用新案登録第3056085号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、より広い範囲で異なる頭のサイズを有する様々な着用者に対して着用を可能にすることで汎用性を向上しつつ、着用前のサイズ調整を不要にして着用者の利便性の向上を図ることが可能な帽子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様に係る実施形態に従った帽子は、
着用者の頭部の頭囲のサイズに対応するサイズ調整機能を備えた帽子であって、
上下方向の幅及び横方向の長さを有する帯形状を有し、前記帽子が前記着用者に着用された状態で、前記着用者の頭部の頭囲を囲むように配置される腰部であって、前記帯形状の横方向における第1端部と第2端部とを有し、後方において前記第1端部と前記第2端部とが対向するように配置された腰部と、
前記腰部の前方に設けられた庇部と、
前記腰部の上方に設けられた天井部と、
前記腰部の前記第1端部と前記第2端部とが離れるように変位した場合に、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部とが近づくように力を印加する調整機構と、を備える
ことを特徴とする。
【0019】
前記帽子において、
前記調整機構は、
上下方向の幅を有するリング形状を有し、前記腰部の前記第1端部および前記第2端部を外周側から覆うように、前記腰部の外周を囲み且つ当接して配置され、伸縮性を有するリング状伸縮部材を含むことを特徴とする。
【0020】
前記帽子において、
前記調整機構は、
前記腰部の内側に設けられ、一端が前記腰部の前記第1端部に接続され、他端が前記腰部の前記第2端部に接続され、伸縮性を有する内側伸縮部材を含むことを特徴とする。
【0021】
前記帽子において、
前記内側伸縮部材は、上下方向の幅及び横方向の長さを有する帯形状を有することを特徴とする。
【0022】
前記帽子において、
前記着用者が前記帽子を着用することで、前記着用者の頭囲のサイズに応じて、前記帽子の後方において、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間の間隔が変化する
ことを特徴とする。
【0023】
前記帽子において、
前記着用者の頭囲のサイズが、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間が閉じた通常状態における前記帽子のサイズよりも大きい場合には、前記帽子の後方において、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間が開くようになっている
ことを特徴とする。
【0024】
前記帽子において、
前記リング状伸縮部材は、前記腰部の外周に密着して取り囲むように配置されている
ことを特徴とする。
【0025】
前記帽子において、
前記リング状伸縮部材は、上下方向の幅を有するリング形状を有する平ゴム体であることを特徴とする。
【0026】
前記帽子において、
前記着用者が前記帽子を着用することで、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間が開く横方向の距離よりも広い範囲において、横方向において前記リング状伸縮部材が伸長する
ことを特徴とする。
【0027】
前記帽子において、
前記リング状伸縮部材は、前記腰部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0028】
前記帽子において、
前記腰部の外周に設けられ、前記リング状伸縮部材を前記腰部における予め設定された位置に支持するためのガイド部を備える。
【0029】
前記帽子において、
前記ガイド部は、前記リング状伸縮部材の下側を支持するように構成されていることを特徴とする。
【0030】
前記帽子において、
前記リング状伸縮部材の右側の側面の第1部分は、前記腰部の右側の側面に固定され、
前記リング状伸縮部材の左側の側面の第2部分は、前記腰部の左側の側面に固定され、
前記リング状伸縮部材の前記第1部分と前記第2部分との間の前記リング状伸縮部材の後方側の領域は、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間の開度に応じて、伸長するようになっている
ことを特徴とする。
【0031】
前記帽子において、
前記腰部の右側の側面に係止される第1耳釦と、
前記腰部の左側の側面に係止される第2耳釦と、を備え、
前記リング状伸縮部材の右側の側面の第1部分は、前記第1耳釦により、前記腰部の右側の側面に固定され、
前記リング状伸縮部材の左側の側面の第2部分は、前記第2耳釦により、前記腰部の左側の側面に固定されている
ことを特徴とする。
【0032】
前記帽子において、
一端が前記第1耳釦により前記腰部の右側の側面に係止され、他端が前記第2耳釦により前記腰部の左側の側面に係止されたアゴ紐を備える
ことを特徴とする。
【0033】
前記帽子において、
前記第1耳釦は、前記リング状伸縮部材の前記第1部分及び前記腰部の右側の側面を貫通することで、前記リング状伸縮部材の前記第1部分と前記腰部の右側の側面とを固定し、
前記第2耳釦は、前記リング状伸縮部材の前記第2部分及び前記腰部の左側の側面を貫通することで、前記リング状伸縮部材の前記第2部分と前記腰部の左側の側面とを固定する
ことを特徴とする。
【0034】
前記帽子において、
前記天井部の周囲と前記腰部の上端との間に設けられたマチ部を備えることを特徴とする。
【0035】
前記帽子において、
前記帽子は、ハット、キャップ、又は、制帽であることを特徴とする。
前記帽子において、
前記リング状伸縮部材は、前記リング状伸縮部材の前記伸縮性により、前記腰部の外周に密着していることを特徴とする。
【0036】
前記帽子において、
前記腰部の内周は、前記リング状伸縮部材の前記伸縮性により、前記着用者の頭部の頭囲にフィットする
ことを特徴とする。
【0037】
前記帽子において、
前記帽子の前記サイズ調整機能は、前記着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、前記リング状伸縮部材の前記伸縮性に基づいて無段階で調整するものである
ことを特徴とする。
【0038】
前記帽子において、
前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間を含む領域を外周側から覆うように配置された装飾部材をさらに備える
ことを特徴とする。
【0039】
前記帽子において、
前記装飾部材は、刺繍、プリント印刷された素材、前記調整機構と異なる意匠を含む素材または形状である意匠を有する
ことを特徴とする。
【0040】
前記帽子において、
前記装飾部材は、
前記腰部の前記第1端部と前記第2端部との間を含む領域を外周側から覆うように配置された本体部であって、外側に露出する表面と、前記腰部の前記第1端部と前記第2端部に面する裏面と、を有する本体部と、
前記腰部に係止するための係止部であって、前記本体部に一端側が接続された係止部と、を備える
ことを特徴とする。
【0041】
前記帽子において、
前記装飾部材は、
前記本体部の前記裏面に配置され、前記本体部と前記係止部の他端側とを固定する固定部を備える
ことを特徴とする。
【0042】
前記帽子において、
前記装飾部材の前記本体部の前記表面に前記意匠が配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
本発明の一態様に係る帽子によれば、より広い範囲で異なる頭のサイズを有する様々な着用者に対して着用を可能にすることで汎用性を向上しつつ、着用前のサイズ調整を不要にして利便性の向上を図ることができる。
【0044】
特に、本発明の一態様に係る帽子は、着用者の頭のサイズに対する汎用性が向上されるため、帽子のサイズ毎の作製・在庫が不要となり、スペース確保や在庫効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る帽子100の前方から見た外観(前面)の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す帽子100の右側から見た外観(右側面)の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す帽子100の左側から見た外観(左側面)の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す帽子100の後方から見た外観(後面)の一例を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、
図1に示す帽子100の腰部Kとリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、
図1に示す帽子100の腰部Kとリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、
図1に示す帽子100の腰部Kに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、
図1に示す帽子100の腰部Kに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、
図1に示す帽子100のリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、
図1に示す帽子100のリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、サイズ調整機能によりサイズが調整された状態における、
図1に帽子100の後方から見た外観(後面)の一例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、
図8に示す帽子100の腰部とリング状伸縮部材に注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、
図8に示す帽子100の腰部とリング状伸縮部材に注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、第1変形例に係る帽子100の腰部Kと調整機構10である内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、第1変形例に係る帽子100の腰部Kと調整機構10である。内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、第2変形例に係る帽子100の腰部Kと調整機構であるリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、第2変形例に係る帽子100の腰部Kとリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【
図12A】
図12Aは、第3変形例に係る帽子100の装飾部材Wの展開した状態を表面側から見た外観の一例を示す図である。
【
図12B】
図12Bは、第3変形例に係る帽子100の装飾部材Wの展開した状態を裏面側から見た外観の一例を示す図である。
【
図12C】
図12Cは、第3変形例に係る帽子100の装飾部材Wの係止した状態の構成を側面側から見た外観の一例を示す図である。
【
図13A】
図13Aは、第3変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材Sと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図13B】
図13Bは、
図13AのZ-Z線に沿った、第3変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材Sと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成の断面の一例を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、第4変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構である内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図14B】
図14Bは、
図14AのZ-Z線に沿った、第4変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構である内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成の断面の一例を示す図である。
【
図15A】
図15Aは、第5変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。
【
図15B】
図15Bは、
図15AのZ-Z線に沿った、第5変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成の断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0047】
まず、図を参照して、実施例に係る帽子について説明する。
【0048】
ここで、
図1は、本発明の実施例に係る帽子100の前方から見た外観(前面)の一例を示す図である。また、
図2は、
図1に示す帽子100の右側から見た外観(右側面)の一例を示す図である。また、
図3は、
図1に示す帽子100の左側から見た外観(左側面)の一例を示す図である。また、
図4は、
図1に示す帽子100の後方から見た外観(後面)の一例を示す図である。また、
図5Aは、
図1に示す帽子100の腰部Kとリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図5Bは、
図1に示す帽子100の腰部Kとリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。また、
図6Aは、
図1に示す帽子100の腰部Kに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図6Bは、
図1に示す帽子100の腰部Kに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。また、
図7Aは、
図1に示す帽子100のリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図7Bは、
図1に示す帽子100のリング状伸縮部材Sに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【0049】
[帽子]
実施例に係る帽子100は、着用者(図示せず)の頭部の頭囲のサイズに対応するサイズ調整機能を有する調整機構10を備える。
【0050】
この帽子100は、例えば、
図1ないし
図4に示すように、制帽である。しかしながら、この帽子100は、ハットやキャップ等のその他の帽子であってもよい。
【0051】
そして、この帽子100は、例えば、
図1ないし
図4に示すように、腰部Kと、庇部Hと、調整機構10を構成するリング状伸縮部材Sと、天井部Tと、第1耳釦B1と、第2耳釦B2と、アゴ紐Aと、マチ部(シガミ部)Mと、ガイド部Gと、を備える。
【0052】
[腰部]
例えば、
図1ないし
図4、
図5A、
図5B、
図6A、
図6Bに示すように、腰部Kは、上下方向の幅及び横方向(上下方向に直行する方向)の長さを有する帯形状を有する。
【0053】
そして、腰部Kは、帽子100が着用者に着用された状態で、当該着用者の頭部の頭囲を囲むように配置される。
【0054】
また、腰部Kは、例えば、
図4、
図6Aに示すように、帯形状の横方向における第1端部K1と第2端部K2とを有する。この腰部Kは、後方(帽子100の横方向における後側)において、第1端部K1と第2端部K2とが対向するように配置されている。
【0055】
この腰部Kは、例えば、表面が布で構成されている。なお、この腰部Kの内周(内側の側面)には、ビン革(図示せず)が設けられていてもよい。
【0056】
そして、当該着用者の頭囲のサイズが、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間が閉じた通常状態における帽子100のサイズよりも大きい場合には、帽子100の後方において、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間が開くようになっている。
【0057】
これにより、当該着用者が帽子100を着用することで、当該着用者の頭囲のサイズに応じて、帽子100の後方において、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間の横方向における間隔(距離)Xが変化するようになっている。
【0058】
なお、この実施例においては、この腰部Kと既述の調整機構10とは別々に設けられているが、腰部Kと調整機構10とは、一体に形成されるようにしてもよい。
【0059】
[庇部]
また、例えば、
図1ないし
図3に示すように、庇部Hは、腰部Kの前方(帽子100の横方向における前側)に設けられている。
【0060】
[天井部]
また、例えば、
図1ないし
図4に示すように、天井部Tは、腰部Kの上方に設けられている。
【0061】
[マチ部(シガミ部)]
また、例えば、
図1ないし
図4に示すように、マチ部Mは、天井部Tの周囲と腰部Kの上端との間に設けられている。
【0062】
なお、当該マチ部Mの前方には、例えば、帽章(図示せず)や中入れ(図示せず)等の部材が配置されていてもよい。
【0063】
[第1耳釦、第2耳釦]
また、例えば、
図1ないし
図4に示すように、第1耳釦B1及び第2耳釦B2は、腰部Kの外周の左右の両側面に位置している。
【0064】
そして、例えば、
図1及び
図2に示すように、第1耳釦B1は、腰部Kの右側の側面に係止されるようになっている。
【0065】
そして、例えば、
図1及び
図3に示すように、第2耳釦B2は、腰部Kの左側の側面に係止されるようになっている。
【0066】
[アゴ紐]
また、例えば、
図1ないし
図4に示すように、アゴ紐Aは、一端が第1耳釦B1によりリング状伸縮部材Sを介して腰部Kの右側の側面に係止され、他端が第2耳釦B2によりリング状伸縮部材Sを介して腰部Kの左側の側面に係止されている。
【0067】
[ガイド部]
また、例えば、
図1ないし
図4、
図5Aに示すように、ガイド部Gは、腰部Kの外周(外側の側面)に設けられている。
【0068】
このガイド部Gは、リング状伸縮部材Sを当該腰部Kにおける予め設定された位置に支持する(案内する)ようになっている。
【0069】
このガイド部Gは、
図1ないし
図4、
図5A、
図6Aに示す例では、腰部Kの外周を取り囲むように連続的に設けられている。
【0070】
しかしながら、このガイド部Gは、腰部Kの外周に部分的に(断続的に)設けられているようにしてもよい。
【0071】
このガイド部Gは、例えば、
図1ないし
図4、
図5A、
図6Aに示すように、リング状伸縮部材Sの下側を支持するように構成されている。
【0072】
そして、ガイド部Gは、例えば、当該ガイド部Gの表面の生地をつまんで縫って形成された部分である。すなわち、ガイド部Gの材料は、腰部Kの表面の材料と同じ材料で構成されている。
【0073】
しかしながら、このガイド部Gは、腰部Kを構成する材料とは異なる材料で構成されていてもよい。
【0074】
なお、既述のように、
図1ないし
図4、
図5A、
図6Aの例では、ガイド部Gは、伸縮部材Sの下側のみを支持するように構成されている。
【0075】
しかしながら、このガイド部Gは、リング状伸縮部材Sの下側と上側の両方を支持するように、腰部Kの外周の下側と上側に設けられていてもよい。
[調整機構(リング状伸縮部材)]
調整機構10は、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが離れるように変位した場合に、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが近づくように力を印加するようになっている。この調整機構10は、リング状伸縮部材Sを含む。より具体的には、調整機構10は、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間に隙間が生じるようにして離れるように変位した場合や、腰部Kの第1端部K1の近傍の領域と第2端部K2の近傍の領域とが重なった状態で第1端部K1と第2端部K2とが離れるように変位した場合に、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが近づくように力を印加する。
【0076】
そして、例えば、
図1ないし
図4、
図5A、
図5B、
図7A、
図7Bに示すように、調整機構10を構成するリング状伸縮部材Sは、腰部Kの第1端部K1および第2端部K2を外周側(横方向)から覆うように、腰部Kの外周(外側の側面)を囲み且つ当接して配置されている。
【0077】
そして、このリング状伸縮部材Sは、例えば、
図5A、
図5B、
図7A、
図7Bに示すように、上下方向の幅を有するリング形状を有する。
【0078】
そして、リング状伸縮部材Sは、少なくとも横方向において伸縮性を有する。さらに、このリング状伸縮部材Sは、上下方向にも伸縮性を有するようにしてもよい。
【0079】
このリング状伸縮部材Sは、例えば、上下方向の幅を有するリング形状を有する平ゴム体である。しかしながら、このリング状伸縮部材Sは、平ゴム体以外の他の伸縮性を有する部材であってもよい。
【0080】
そして、
図5A、
図5Bに示すように、このリング状伸縮部材Sは、腰部Kの外周に密着して取り囲むように配置されている。
【0081】
また、リング状伸縮部材Sの右側の側面の第1部分S1は、例えば、腰部Kの右側の側面に固定されている。
【0082】
そして、例えば、
図2に示すように、リング状伸縮部材Sの右側の側面の第1部分S1は、当該第1耳釦B1により、腰部Kの右側の側面に固定されている。
【0083】
より詳しくは、第1耳釦B1は、リング状伸縮部材Sの第1部分S1及び腰部Kの右側の側面を貫通することで、リング状伸縮部材Sの第1部分S1と腰部Kの右側の側面とを固定するようになっている。
【0084】
また、リング状伸縮部材Sの左側の側面の第2部分S2は、例えば、腰部Kの左側の側面に固定されている。
【0085】
そして、例えば、
図3に示すように、リング状伸縮部材Sの左側の側面の第2部分S2は、当該第2耳釦B2により、腰部Kの左側の側面に固定されている。
【0086】
より詳しくは、第2耳釦B2は、リング状伸縮部材Sの第2部分S2及び腰部Kの左側の側面を貫通することで、リング状伸縮部材Sの第2部分S2と腰部Kの左側の側面とを固定するようになっている。
【0087】
ここで、リング状伸縮部材Sの第1部分S1と第2部分S2との間のリング状伸縮部材Sの後方側の領域SRは、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間の開度(間隔X)に応じて、伸長するようになっている。
【0088】
そして、当該着用者が帽子100を着用することで、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間が開く横方向の間隔(距離)Xよりも広い範囲(リング状伸縮部材Sの後方の領域SR)において、横方向においてリング状伸縮部材Sが伸長する。
【0089】
このように、本実施例に係る帽子100においては、リング状伸縮部材(平ゴム体)Sが伸長する範囲が広く設定されており、既述の引用文献1に記載のような従来の帽子の平ゴム部分よりも、リング状伸縮部材Sが伸長可能な範囲が広いため、適用可能な帽子のサイズの幅を広くできるものである。
【0090】
さらに、リング状伸縮部材Sは、例えば、既述の
図5A、
図5Bに示すように、リング状伸縮部材Sの伸縮性により、腰部Kの外周(外側の側面)に密着している。
【0091】
これにより、腰部Kの内周(内側の側面)は、リング状伸縮部材Sの伸縮性により、当該着用者の頭部の頭囲にフィットするようになっている。
【0092】
このように、帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、リング状伸縮部材Sの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0093】
一方、既述の従来技術の制帽の腰部に巻いているジャバラは、日光等による退色からの保護や、退色した際の付け替えが難しく、外観が損なわれる大きな要因の一つとなっていた。
【0094】
しかしながら、本実施例に係る帽子100のリング状伸縮部材Sは、例えば、腰部Kに対して着脱可能に構成されている。
【0095】
より詳しくは、既述の第1耳釦B1および第2耳釦B2を、腰部Kから取り外すことにより、リング状伸縮部材Sが腰部Kに固定されていない状態になる。これにより、リング状伸縮部材Sを腰部K(帽子100)から取り外すことができる。
【0096】
これにより、外されたリング状伸縮部材Sを、単体で洗浄することや、新品のリング状伸縮部材Sに交換することもできるようになっている。
【0097】
そして、洗浄したリング状伸縮部材Sや新品のリング状伸縮部材Sを、ガイド部Gで案内されるようにして腰部Kの所定の位置に装着し、第1耳釦B1及び第2耳釦B2によりリング状伸縮部材Sを腰部Kに固定することで、帽子100の外観をきれいな状態に維持することができるようになっている。
【0098】
また、このようにリング状伸縮部材Sは、帽子100に対する付け替えが容易であるため、帽子100において当該リング状伸縮部材Sを顧客の希望に合わせた色やデザインに変更することもできるようになっている。
【0099】
[帽子の機能]
次に、以上のような構成を有する本実施例の帽子100の機能の例について、図面を参照して説明する。
【0100】
ここで、
図8は、サイズ調整機能によりサイズが調整された状態における、
図1に帽子100の後方から見た外観(後面)の一例を示す図である。また、
図9Aは、
図8に示す帽子100の腰部と伸縮部材に注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図9Bは、
図8に示す帽子100の腰部と伸縮部材に注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【0101】
例えば、
図8、
図9A、
図9Bに示すように、帽子100は、当該着用者の頭囲のサイズが、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間が閉じた通常状態における帽子100のサイズよりも大きい場合には、帽子100の後方において、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間が開くこととなる。
【0102】
これにより、当該着用者が帽子100を着用することで、当該着用者の頭囲のサイズに応じて、帽子100の後方において、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間の横方向における間隔(距離)Xが変化する。
【0103】
すなわち、当該着用者が帽子100を着用することで、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間が開く横方向の間隔(距離)Xよりも広い範囲において、横方向においてリング状伸縮部材Sが伸長する。
【0104】
このように、本実施例に係る帽子100においては、伸縮部材(平ゴム体)Sが伸長する範囲(領域SR)が広く設定されており、既述の引用文献1に記載のような従来の帽子の平ゴム部分よりもリング状伸縮部材Sが伸長可能な範囲が広いため、適用可能な帽子のサイズの幅をより広くできるものである。
【0105】
そして、帽子100のリング状伸縮部材Sは、リング状伸縮部材Sの伸縮性により、腰部Kの外周(外側の側面)に密着している。
【0106】
これにより、腰部Kの内周(内側の側面)は、リング状伸縮部材Sの伸縮性により、当該着用者の頭部の頭囲にフィットする。
【0107】
このように、帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、リング状伸縮部材Sの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0108】
なお、例えば、
図8に示すように、マチ部Mのうち、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2と繋がる部分に切れ込みYを形成するようにしてもよい。当該切れ込みYが開くことで、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間隔Xがより広く開くようにできる。
【0109】
このように、本実施例の帽子100の機能によれば、より広い範囲で異なる頭のサイズを有する様々な着用者に対して着用を可能にすることで汎用性を向上しつつ、着用前のサイズ調整を不要にして着用者の利便性の向上を図ることができる。
【0110】
特に、本実施例に係る帽子100は、着用者の頭のサイズに対する汎用性が向上されるため、帽子のサイズ毎の作製・在庫が不要となり、スペース確保や在庫効率化を図ることができる。
【0111】
また、既述のように、本実施例に係る帽子100のリング状伸縮部材Sは、例えば、腰部Kに対して着脱可能に構成されている。
【0112】
より詳しくは、既述の第1耳釦B1および第2耳釦B2を、腰部Kから取り外すことにより、リング状伸縮部材Sが腰部Kに固定されていない状態になる。これにより、リング状伸縮部材Sを腰部K(帽子100)から取り外すことができる。
【0113】
これにより、外されたリング状伸縮部材Sを、単体で洗浄することや、新品のリング状伸縮部材Sに交換することもできる。
【0114】
そして、洗浄したリング状伸縮部材Sや新品のリング状伸縮部材Sを、ガイド部Gで案内されるようにして腰部Kの所定の位置に装着し、第1耳釦B1及び第2耳釦B2によりリング状伸縮部材Sを腰部Kに固定することで、帽子100の外観をきれいな状態に維持することができる。
【0115】
また、このようにリング状伸縮部材Sは、帽子100に対する付け替えが容易であるため、帽子100において当該リング状伸縮部材Sを顧客の希望に合わせた色やデザインに変更することもできるものである。
【0116】
以上のように、本実施形態に係る帽子は、着用者の頭部の頭囲のサイズに対応するサイズ調整機能を備えた帽子であって、上下方向の幅及び横方向の長さを有する帯形状を有し、前記帽子が前記着用者に着用された状態で、前記着用者の頭部の頭囲を囲むように配置される腰部であって、前記帯形状の横方向における第1端部と第2端部とを有し、後方において前記第1端部と前記第2端部とが対向するように配置された腰部と、前記腰部の前方に設けられた庇部と、前記腰部の上方に設けられた天井部と、上下方向の幅を有するリング形状を有し、前記腰部の前記第1端部および前記第2端部を外周側から覆うように、前記腰部の外周を囲み且つ当接して配置され、伸縮性を有する伸縮部材と、を備えるものである。
【0117】
すなわち、本実施形態に係る帽子によれば、より広い範囲で異なる頭のサイズを有する様々な着用者に対して着用を可能にすることで汎用性を向上しつつ、着用前のサイズ調整を不要にして着用者の利便性の向上を図ることができる。
【0118】
特に、本発明の一態様に係る帽子は、着用者の頭のサイズに対する汎用性が向上されるため、帽子のサイズ毎の作製・在庫が不要となり、スペース確保や在庫効率化を図ることができる。
【0119】
[第1変形例]
ここで、
図10Aは、第1変形例に係る帽子100の腰部Kと調整機構10である内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図10Bは、第1変形例に係る帽子100の腰部Kと調整機構10である。内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【0120】
[調整機構(内側伸縮部材)]
調整機構10は、例えば、
図10A及び
図10Bに示すように、腰部Kの内側に設けられ、一端SQ1が腰部Kの第1端部K1に接続され、他端SQ2が腰部Kの前記第2端部K2に接続され、伸縮性を有する内側伸縮部材SQを含むようにしてもよい。この内側伸縮部材SQは、上下方向の幅及び横方向の長さを有する帯形状を有する。
【0121】
本実施例に係る帽子100においては、調整機構10を構成する内側伸縮部材SQが腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが離れるように変位した場合に、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが近づくように力を印加する。
【0122】
このように、第1変形例に係る帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、内側伸縮部材SQの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0123】
[第2変形例]
次に、
図11Aは、第2変形例に係る帽子100の腰部Kと調整機構であるリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図11Bは、第2変形例に係る帽子100の腰部Kとリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQに注目して抜き出した構成を上方から見た外観の一例を示す図である。
【0124】
[調整機構(リング状伸縮部材及び内側伸縮部材)]
図11A及び
図11Bに示すように、第2変形例に係る帽子100は、調整機構10として、リング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQを備えるようにしてもよい。
【0125】
本実施例に係る帽子100においては、調整機構10を構成するリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQが腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが離れるように変位した場合に、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2とが近づくように力を印加する。
【0126】
このように、第2変形例に係る帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、内側伸縮部材SQの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0127】
[第3変形例]
ここで、
図12Aは、第3変形例に係る帽子100の装飾部材Wの展開した状態を表面側から見た外観の一例を示す図である。また、
図12Bは、第3変形例に係る帽子100の装飾部材Wの展開した状態を裏面側から見た外観の一例を示す図である。また、
図12Cは、第3変形例に係る帽子100の装飾部材Wの係止した状態の構成を側面側から見た外観の一例を示す図である。また、
図13Aは、第3変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材Sと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図13Bは、
図13AのZ-Z線に沿った、第3変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材Sと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成の断面の一例を示す図である。
【0128】
[装飾部材]
図12A、
図12B及び
図12Cに示すように、第4変形例に係る帽子100は、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間を含む領域を外周側から覆うように配置された装飾部材Wをさらに備えるようにしてもよい。
【0129】
この装飾部材Wは、刺繍、プリント印刷された素材、調整機構10と異なる意匠を含む素材または形状である、意匠性が高い意匠を有するようにしてもよい。
【0130】
この装飾部材Wは、例えば、
図12A、
図12B及び
図12Cに示すように、本体部W1と、係止部W2と、固定部W3と、を備えるようにしてもよい。
【0131】
本体部W1は、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2との間を含む領域を外周側から覆うように配置されている。この本体部W1は、外側に露出する表面W1aと、腰部Kの第1端部K1と第2端部K2に面する裏面W1bと、を有する。
【0132】
例えば、装飾部材Wのこの本体部W1の表面W1aに当該意匠が配置されているようにしてもよい。
【0133】
また、係止部W2は、調整機構10を介して腰部Kに係止するようになっている。この係止部W2は、本体部WE1に一端側W2aが接続されている。
【0134】
また、固定部W3は、本体部W1の裏面W1bに配置されている。この固定部W3は、本体部W1と係止部W2の他端側W2bとを固定するようになっている。
【0135】
例えば、
図13A及び
図13Bに示すように、調整機構10のサイズ調整が機能することによって腰部Kの第1端部Kと第2端部K2との間の開いた割れ目を隠せることに加え、当該装飾部材W自体を意匠性の高いものにすることで、帽子100にファッション性を持たせることができる。
【0136】
さらに、既述のように、第3変形例に係る帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、調整機構10を構成するリング状伸縮部材Sの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0137】
[第4変形例]:
ここで、
図14Aは、第4変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構である内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図14Bは、
図14AのZ-Z線に沿った、第4変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構である内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成の断面の一例を示す図である。なお、装飾部材Wの構成は、既述の第3変形例と同様である。
【0138】
例えば、
図14A及び
図14Bに示すように、調整機構10のサイズ調整が機能することによって腰部Kの第1端部Kと第2端部K2との間の開いた割れ目を隠せることに加え、当該装飾部材W自体を意匠性の高いものにすることで、帽子100にファッション性を持たせることができる。
【0139】
さらに、既述のように、第4変形例に係る帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、調整機構10を構成する内側伸縮部材SQの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0140】
[第5変形例]
ここで、
図15Aは、第5変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成を後方から見た外観の一例を示す図である。また、
図15Bは、
図15AのZ-Z線に沿った、第5変形例に係る帽子100の腰部Kと、調整機構であるリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQと、装飾部材Wとに注目して抜き出した構成の断面の一例を示す図である。なお、装飾部材Wの構成は、既述の第3変形例と同様である。
【0141】
例えば、
図15A及び
図15Bに示すように、調整機構10のサイズ調整が機能することによって腰部Kの第1端部Kと第2端部K2との間の開いた割れ目を隠せることに加え、当該装飾部材W自体を意匠性の高いものにすることで、帽子100にファッション性を持たせることができる。
【0142】
さらに、既述のように、第4変形例に係る帽子100の当該サイズ調整機能は、当該着用者の頭部の頭囲のサイズに対応して、調整機構10を構成するリング状伸縮部材S及び内側伸縮部材SQの伸縮性に基づいて無段階で調整するものである。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を実行することができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0144】
100 帽子
K 腰部
K1 第1端部
K2 第2端部
H 庇部
S 伸縮部材
S1 第1部分
S2 第2部分
T 天井部
B1 第1耳釦
B2 第2耳釦
A アゴ紐
M マチ部(シガミ部)
G ガイド部
【要約】
【課題】より広い範囲で異なる頭のサイズを有する様々な着用者に対して着用を可能にすることで汎用性を向上しつつ、着用前のサイズ調整を不要にして着用者の利便性の向上を図ることが可能な帽子を提供する。
【解決手段】帽子100は、上下方向の幅及び横方向の長さを有する帯形状を有し、帽子が着用者に着用された状態で、着用者の頭部の頭囲を囲むように配置される腰部であって、帯形状の横方向における第1端部K1と第2端部K2とを有し、後方において第1端部K1と第2端部K2とが対向するように配置された腰部Kと、腰部Kの前方に設けられた庇部Hと、腰部Kの上方に設けられた天井部Tと、上下方向の幅を有するリング形状を有し、腰部Kの第1端部K1および第2端部K2を外周側から覆うように、腰部Kの外周を囲み且つ当接して配置され、伸縮性を有する伸縮部材Sと、を備える。
【選択図】
図1