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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】直列データ受信回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/03 20060101AFI20250110BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
H04L25/03 C
H04L25/02 R
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021000578
(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公開番号】P2021129294
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】62/975,540
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/848,819
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】アムル カシャバ
(72)【発明者】
【氏名】アミール アミカーニー
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-228803(JP,A)
【文献】特開2008-099017(JP,A)
【文献】特表2020-516175(JP,A)
【文献】特開2015-084487(JP,A)
【文献】特開2018-125791(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0019276(US,A1)
【文献】Danny Yoo et al.,A 36-Gb/s Adaptive Baud-Rate CDR With CTLE and 1-TAP DFE in 28-nm CMOS,IEEE SOLID-STATE CIRCUITS LETTERS,2019年11月,VOL.2, NO.11,pp.252-255
【文献】Yue Li et al.,Sign-LMS data-transition decision feedback equaliser,IET Circuits, Devices & Systems,2019年,Vol.13, No.7,pp.998-1006
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/03
H04L 25/02
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ入力信号を受信する入力を有する直列データ受信回路であって、
第1基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプラと、
前記第1基準電圧と反対符号である第2基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第2サンプラと、
ビットパターン111の発生に応答して、前記アナログ入力信号の第1サンプルに基づいて前記第1基準電圧または前記第2基準電圧を調節する基準電圧制御回路と
を含み、
前記第1サンプルは、ビットパターン111の中間のビットに相当するサンプリング時間に取得したサンプルであり、
前記基準電圧制御回路は、
第3サンプラ及び第1パターンフィルタを含み、前記第1基準電圧の前記第3基準電圧に対する比を第1の範囲内に調整し、前記第2基準電圧の前記第3基準電圧に対する比を第1の範囲とは異なる第2の範囲内に調節し、
前記第3サンプラは、
前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を調節するための第3基準電圧を、前記第1サンプルに基づいて調節し、前記第3基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングし、
第1パターンフィルタは、
前記第3サンプラに接続され、前記第3サンプラの出力値に応じて、前記ビットパターン111を選択し、
前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧は、前記第1パターンフィルタの出力で調整される、
直列データ受信回路。
【請求項2】
前記第2基準電圧の大きさは、前記第1基準電圧の大きさに等しい、請求項1に記載の直列データ受信回路。
【請求項3】
前記第1基準電圧は、前記第3基準電圧の関数に等しい、
請求項1に記載の直列データ受信回路。
【請求項4】
前記第2基準電圧は、前記第3基準電圧の関数に等しい、請求項3に記載の直列データ受信回路。
【請求項5】
前記第1の範囲は、前記第3基準電圧の第1部分(fraction)に等しく、前記第1部分は前記第3基準電圧の4/15以上6/15以下であり、
前記第2の範囲は、前記第3基準電圧の第2部分に等しく、前記第2部分は前記第3基準電圧の-6/15以上-4/15以下である、
請求項4に記載の直列データ受信回路。
【請求項6】
前記第3基準電圧の調節は、
前記第1サンプルが前記第3基準電圧より大きい時、前記第3基準電圧を増加させ、
前記第1サンプルが前記第3基準電圧より小さい時、前記第3基準電圧を減少させる、
請求項3に記載の直列データ受信回路。
【請求項7】
前記基準電圧制御回路は、
前記第1パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第3サンプラの出力値をレジスタに累算する第1累算器と
を含む、
請求項3に記載の直列データ受信回路。
【請求項8】
前記基準電圧制御回路は、前記第1累算器のレジスタから前記第3基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器をさらに含む、請求項7に記載の直列データ受信回路。
【請求項9】
前記入力に連結された連続時間線形等化器をさらに含む、請求項8に記載の直列データ受信回路。
【請求項10】
前記連続時間線形等化器に連結されて、連続時間線形等化器の1つ以上の制御パラメータを制御する等化器制御回路をさらに含む、請求項9に記載の直列データ受信回路。
【請求項11】
前記等化器制御回路は、
第4基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第4サンプラと、
ビットパターン010を選択する第2パターンフィルタと、
前記第2パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第4サンプラの出力値をレジスタに累算する第2累算器と、
前記第2累算器のレジスタから前記第4基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器と
を含む、
請求項10に記載の直列データ受信回路。
【請求項12】
前記等化器制御回路は、
第5基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第5サンプラと、
ビットパターン010を選択する第3パターンフィルタと、
前記第3パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第5サンプラの重み付け出力値をレジスタに累算する第3累算器と、
前記第3累算器のレジスタから前記第5基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器と
をさらに含む、
請求項11に記載の直列データ受信回路。
【請求項13】
前記ビットパターン010の中間ビットに相当するサンプリング時間において、前記アナログ入力信号が前記第5基準電圧を超える場合には、前記重み付け出力値を重み付けするための重み付け値は、0.16の4/5以上6/5以下であり、前記アナログ入力信号が前記第5基準電圧に達していなければ、前記重み付け出力値を重み付けするための重み付け値は、0.84の4/5以上6/5以下である、請求項12に記載の直列データ受信回路。
【請求項14】
前記第1累算器のレジスタと、
前記第2累算器のレジスタと、
前記第3累算器のレジスタと
に基づいてビット誤差速度指標を計算する処理回路をさらに含む、
請求項13に記載の直列データ受信回路。
【請求項15】
前記処理回路は、
前記連続時間線形等化器の1つ以上の制御パラメータの複数のセッティングそれぞれに対して前記ビット誤差速度指標を計算し、
前記制御パラメータを前記ビット誤差速度指標が最も大きいセッティングに設定する、
請求項14に記載の直列データ受信回路。
【請求項16】
アナログ入力信号を受信する入力を有する直列データ受信回路であって、
ボーレート(baud-rate)クロックおよびデータ復旧回路と、
前記ボーレートクロックおよびデータ復旧回路の第1基準電圧または第2基準電圧を制御する基準電圧制御回路と
を含み、
前記ボーレートクロックおよびデータ復旧回路は、
前記第1基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプラと、
前記第1基準電圧と反対符号である前記第2基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第2サンプラと、
前記第1サンプラ及び前記第2サンプラに接続された第1マルチプレクサ及び第2マルチプレクサと、
前記第1マルチプレクサ及び前記第2マルチプレクサに接続されたフリップフロップと、
を含み、
前記基準電圧制御回路は、
前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を調節するための第3基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第3サンプラと、
ビットパターン111を選択する第1パターンフィルタと、
前記第1パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第3サンプラの出力値をレジスタに累算する第1累算器と
を含む、
直列データ受信回路。
【請求項17】
前記基準電圧制御回路は、前記第1累算器のレジスタから前記第3基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器をさらに含む、請求項16に記載の直列データ受信回路。
【請求項18】
前記第1基準電圧は、前記第3基準電圧の第1部分(fraction)に等しく、前記第1部分は前記第3基準電圧の4/15以上6/15以下であり、
前記第2基準電圧は、前記第3基準電圧の第2部分に等しく、前記第2部分は前記第3基準電圧の-6/15以上-4/15以下である、
請求項17に記載の直列データ受信回路。
【請求項19】
アナログ入力信号を受信する入力を有する直列データ受信回路であって、
ボーレート(baud-rate)クロックおよびデータ復旧手段と、
前記ボーレートクロックおよびデータ復旧手段の第1基準電圧または第2基準電圧を制御する基準電圧制御回路と
を含み、
前記ボーレートクロックおよびデータ復旧手段は、
前記第1基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプラと、
前記第1基準電圧と反対符号である前記第2基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第2サンプラと、
前記第1サンプラ及び前記第2サンプラに接続された第1マルチプレクサ及び第2マルチプレクサと、
前記第1マルチプレクサ及び前記第2マルチプレクサに接続されたフリップフロップと、
を含み、
前記基準電圧制御回路は、
前記第1基準電圧及び前記第2基準電圧を調節するための第3基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第3サンプラと、
ビットパターン111を選択する第1パターンフィルタと、
前記第1パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第3サンプラの出力値をレジスタに累算する第1累算器と、
を含む直列データ受信回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、直列データ受信回路に関する。
【0002】
本出願は、2020年2月12日付で米国特許庁に出願した米国特許出願番号第62/975,540号の優先権を主張し、米国特許出願番号第62/975,540号の全体内容は本出願に参照として引用される。
【背景技術】
【0003】
直列データ用ボーレート(baud-rate)受信機は単一クロック位相を利用可能で位相補間器を必要としないという点で有用である。しかし、このような受信機は、他の回路が制御する基準電圧などのパラメータを用いることができる。これと同様に、連続時間線形等化器(continuous time linear equalizer)のパラメータを制御することが有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、改善された直列データ受信回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による直列データ受信回路は、アナログ入力信号を受信する入力を有する直列データ受信回路であって、第1基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプラと、前記第1基準電圧と反対符号である第2基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第2サンプラと、前記アナログ入力信号の第1サンプルに基づいて前記第1基準電圧または前記第2基準電圧を調節する基準電圧制御回路とを含み、前記第1サンプルは、前記直列データにおいて1ビット先行し1ビット遅れた1つのビットに相当するサンプリング時間に取ったものである。
【0006】
本発明の一実施例によれば、前記第2基準電圧の大きさは、前記第1基準電圧の大きさに等しくてもよい。
【0007】
本発明の一実施例によれば、前記基準電圧制御回路は、前記第1サンプルに基づいて第3基準電圧を調節し、前記第1基準電圧は、前記第3基準電圧の関数に等しくてもよい。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記第2基準電圧は、前記第3基準電圧の関数に等しくてもよい。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記第1基準電圧は、前記第3基準電圧の第1部分(fraction)に等しく、前記第1部分は1/3の20%範囲内であり、前記第2基準電圧は、前記第3基準電圧の第2部分に等しく、前記第2部分は-1/3の20%範囲内であってもよい。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記第3基準電圧の調節は、前記第1サンプルが前記第3基準電圧より大きい時、前記第3基準電圧を増加させ、前記第1サンプルが前記第3基準電圧より小さい時、前記第3基準電圧を減少させてもよい。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記基準電圧制御回路は、前記第3基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第3サンプラと、3つの連続する1ビットを含むビットパターンを選択する第1パターンフィルタと、前記第1パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第3サンプラの出力値をレジスタに累算する第1累算器とを含んでもよい。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記第1パターンフィルタの出力は、1より大きい次数のDFE係数を調整用であってもよい。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記基準電圧制御回路は、前記第1累算器のレジスタから前記第3基準電圧を生成する第1デジタル-アナログ変換器をさらに含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施例による直列データ受信回路は、前記入力に連結された連続時間線形等化器をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施例による直列データ受信回路は、前記連続時間線形等化器に連結されて、連続時間線形等化器の1つ以上の制御パラメータを制御する等化器制御回路をさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記等化器制御回路は、第4基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第4サンプラと、0ビット先行し0ビット遅れた1つのビットを含むビットパターンを選択する第2パターンフィルタと、前記第2パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第4サンプラの出力値をレジスタに累算する第2累算器と、前記第2累算器のレジスタから前記第4基準電圧を生成する第2デジタル-アナログ変換器とを含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記等化器制御回路は、第5基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第5サンプラと、0ビット先行し0ビット遅れた1つのビットを含むビットパターンを選択する第3パターンフィルタと、前記第3パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第5サンプラの重み付け出力値をレジスタに累算する第3累算器と、前記第3累算器のレジスタから前記第5基準電圧を生成する第3デジタル-アナログ変換器とをさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施例によれば、正のサンプラ出力値を重み付けする重み付け値は、0.16の20%範囲内であり、負のサンプラ出力値を重み付けするための重み付け値は、0.84の20%範囲内であってもよい。
【0019】
本発明の一実施例による直列データ受信回路は、前記第1累算器のレジスタと、前記第2累算器のレジスタと、前記第3累算器のレジスタとに基づいてビット誤差速度指標を計算する処理回路をさらに含んでもよい。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記処理回路は、前記連続時間線形等化器の1つ以上の制御パラメータの複数のセッティングそれぞれに対して前記ビット誤差速度指標を計算し、前記制御パラメータを前記ビット誤差速度指標が最も大きいセッティングに設定してもよい。
【0021】
本発明の一実施例による直列データ受信回路は、アナログ入力信号を受信する入力を有する直列データ受信回路であって、ボーレート(baud-rate)クロックおよびデータ復旧回路と、前記ボーレートクロックおよびデータ復旧回路の第1基準電圧または第2基準電圧を制御する基準電圧制御回路とを含み、前記基準電圧制御回路は、第3基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプラと、3つの連続する1ビットを含むビットパターンを選択する第1パターンフィルタと、前記第1パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第1サンプラの出力値をレジスタに累算する第1累算器とを含む。
【0022】
本発明の一実施例によれば、前記基準電圧制御回路は、前記第1累算器のレジスタから前記第3基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器をさらに含んでもよい。
【0023】
本発明の一実施例によれば、前記第1基準電圧は、前記第3基準電圧の第1部分(fraction)に等しく、前記第1部分は1/3の20%範囲内であり、前記第2基準電圧は、前記第3基準電圧の第2部分に等しく、前記第2部分は-1/3の20%範囲内であってもよい。
【0024】
本発明の一実施例による直列データ受信回路は、アナログ入力信号を受信する入力を有する直列データ受信回路であって、ボーレート(baud-rate)クロックおよびデータ復旧手段と、前記ボーレートクロックおよびデータ復旧手段の第1基準電圧または第2基準電圧を制御する基準電圧制御回路とを含み、前記基準電圧制御回路は、第3基準電圧に対して前記アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプラと、3つの連続する1ビットを含むビットパターンを選択する第1パターンフィルタと、前記第1パターンフィルタによってマッチングされる各パターンの第2ビットに相当するサンプルに対して前記第1サンプラの出力値をレジスタに累算する第1累算器とを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例によれば、直列データ受信回路を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例によるデータ送信システムのブロック図である。
図2A】本発明の一実施例による波形図である。
図2B】本発明の一実施例によるボーレートCDRおよび基準電圧制御回路の回路図である。
図2C】本発明の一実施例による推定誤差を示すグラフである。
図3A】本発明の一実施例によるCTLEの概略図である。
図3B】本発明の一実施例によるCTLE周波数応答を示すグラフである。
図3C】本発明の一実施例によるCTLEの行動を示す方程式である。
図4A】本発明の一実施例による等化器制御回路の一部の回路図である。
図4B】本発明の一実施例による等化器制御回路の一部の回路図である。
図4C】本発明の一実施例による正規分布グラフである。
図5A】本発明の一実施例によるシミュレーション結果のグラフである。
図5B】本発明の一実施例によるシミュレーション結果のグラフである。
図5C】本発明の一実施例によるシミュレーション結果のグラフである。
図5D】本発明の一実施例によるシミュレーション結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明する。後述する詳しい説明は、CDRおよびCTLEパラメータを制御するシステムおよび方法の実施形態に関し、本発明の実施例により実現または利用される形態をすべて表現したものではない。しかし、互いに異なる実施例で実現されるものと同一または均等な機能と構造は本発明の範囲内に含まれる。明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の符号を付した。
【0028】
図1は、デジタルデータを直列送信機105から直列受信機110に伝送するシステムを示す。図1に示すシステムは、表示装置用または表示装置内で使用可能であり、例えば、ビデオデータを(ホストから)表示装置に送信することができ、また、表示装置内で直列データリンクを介してタイミング制御器からそれぞれの駆動集積回路にデータを送信することができる。本発明の一実施例によれば、直列送信機105は、チャネル115を介して直列受信機110に連結されており、チャネル115は、受信機110の受信する波形が、送信機105の送信した波形と異なるようにする。例えば、チャネル115は、周波数による減衰を示す。例えば、チャネル115は、低周波においてより、高周波において減衰が大きい。
【0029】
直列受信機110は、連続時間線形等化器(continuous time linear equalizer:CTLE)120を含むことができる。CTLE120は、チャネル115の周波数による減衰を部分的に補償するように設計された周波数従属減衰(または利得)を示すことができる。直列受信機110は、クロックおよびデータ復旧回路(clock and data recovery circuit:CDR)125をさらに含んでもよい。CDR125は、受信信号に含まれているクロックの位相と周波数を推測して受信信号のデータを検知するのに用いられる。連続時間線形等化器120は、チャネル115からアナログ信号を受信し、クロックおよびデータ復旧回路125に送信するアナログ出力信号を生成するアナログ回路であってもよい。クロックおよびデータ復旧回路125は、連続時間線形等化器120からのアナログ出力信号を受信し、デジタルデータストリームを出力として生成することができる。
【0030】
詳細は後述するが、クロックおよびデータ復旧回路125は、動作の際に、基準電圧制御回路(reference voltage control circuit:RVC)130が生成する1つ以上の基準電圧を使用することができる。詳細は後述するが、連続時間線形等化器120の周波数応答は1つ以上の制御信号で制御可能であり、このような制御信号は等化器制御回路(equalizer control circuit:EC)135が生成することができる。決定フィードバック等化器(decision feedback equalizer:DFE)137を用いて現在のデータに対する前のデータの影響を除去することができる。DFE137の制御も基準電圧制御回路130を用いて調節可能である。
【0031】
図2Aは、連続時間線形等化器120の出力における2つの波形の一部を示すグラフである。ビットシーケンス011に対応する第1波形205と、ビットシーケンス100に対応する第2波形210を示す。遷移サンプリングポイント(transition sampling point)215において、先行ビットが1であれば、上方しきい値(upper threshold)(例えば、第1しきい電圧)αと比較し、先行ビットが0であれば、下方しきい値(lower threshold)(例えば、第2しきい電圧)-αと比較することによってデータを推測することができる。2つのビットパターンについて、クロックエッジ前(クロックが遅いことを意味する)またはクロックエッジ後(クロックが早いことを意味する)に適用可能なしきい値(例えば、シーケンスが100であれば第2しきい電圧)に接するか否かを判断することによってクロック位相誤差を測定することができる。このように、ビットシーケンス011および100のサンプリング方法をクロック復旧に用いることができる。例えば、本発明の一実施例では、(半ビット周期で分離された2つのクロックを用いてデータサンプラとクロッシングサンプラ(crossing sampler)をそれぞれトリガする代わりに、)単一クロックエッジを用いてクロックおよびデータ復旧を行うことを「ボーレート(baud-rate)クロックおよびデータ復旧」と呼ぶ。
【0032】
図2Bは、ボーレートクロックおよびデータ復旧回路(baud-rate clock and data recovery circuit)125を含む回路を示す。ボーレートクロックおよびデータ復旧回路125は、第1サンプラ225と、第2サンプラ230と、第1マルチプレクサ235と、第2マルチプレクサ240と、CDRパターンフィルタ245と、フリップフロップ250とを含む。第1サンプラ225は、第1基準電圧に対するアナログ入力信号Vinをサンプリングし、第2サンプラ230は、図2Bに示すように、第1基準電圧の反対電圧と(ほぼ、必ずしも正確である必要はなく)同一、すなわち、同一または略同一の第2基準電圧に対するアナログ入力信号Vinをサンプリングする。第1マルチプレクサ235は、クロッシングマルチプレクサとして動作し、第2マルチプレクサ240は、データマルチプレクサとして動作する。CDRパターンフィルタ245は、ビットパターン011および100に対してフィルタリングし、フリップフロップ250は、第2マルチプレクサ240の出力に連結される。動作の際に、フリップフロップ250は、最新の受信ビット(most recently received bit)を格納し、(i)第1マルチプレクサ235が第1サンプラ225の出力を選択し、第2マルチプレクサ240が第2サンプラ230の出力を選択するか、それとも(ii)第1マルチプレクサ235が第2サンプラ230の出力を選択し、第2マルチプレクサ240が第1サンプラ225の出力を選択するかを選択する。このように、ボーレートクロックおよびデータ復旧回路125は、(クロックの位相または周波数を制御する回路と共に)図2Aを参照して説明したように、クロックおよびデータ復旧を行う。
【0033】
第1および第2基準電圧は、基準電圧制御回路130によってボーレートクロックおよびデータ復旧回路125に供給される。基準電圧制御回路130は、第3サンプラ255と、パターンフィルタ260と、第1累算器265と、第1デジタル-アナログ変換器270と、第2デジタル-アナログ変換器275とを含むことができる。第3サンプラ255は、第3基準電圧(例えば、3*α)に対するアナログ入力信号をサンプリングする。本発明の一実施例では、例えば、パターンフィルタ260は、「第1パターンフィルタ」と呼ぶ。第1デジタル-アナログ変換器270は、第3基準電圧を第3サンプラ255に供給するように連結され、第2デジタル-アナログ変換器275は、(第1基準電圧として用いられ、反転して第2基準電圧として用いられる)基準電圧制御回路130の出力を生成する。動作の際に、第1累算器265は、パターンフィルタがパターン111と一致するたびに第3サンプラ255からのサンプルを(第1累算器265のレジスタに]累算し、そのたびごとに、第1累算器265は、パターン111の中間ビットに相当するサンプリング時間に取得したサンプルの値に応じて+1または-1を累算する。例えば、パターン111の中間ビットに相当するサンプリング時間(つまり、1ビットが先行し1ビットが追従する1つのビットに対応するサンプリング時間)においてアナログ入力信号が第3基準電圧を超えると、第1累算器265は、+1だけ累算し(つまり、第1累算器265のレジスタに1を加えるか、レジスタを1だけ「増加(increment)」させ)、サンプリング時間にアナログ入力信号が第3基準電圧より小さければ、第1累算器265は、レジスタを1だけ「減少(decrement)」、つまり、(二進0で表現される)-1だけ累算する。
【0034】
第1パターンフィルタ260は、2つのシフトレジスタ、つまり、第1および第2レジスタを含むことができる。第1シフトレジスタは、(3ビットの長さであり)検知した3つの最新データビット(most recent data bits)を格納する。第2シフトレジスタは、(2ビットの長さであり、その出力が第1累算器265の入力に連結可能であり)第3サンプラ255が求めた2つの最新サンプルを格納する。第1パターンフィルタ260は、また、検知した3つの最新データビットがすべて1であるかを検査する。その場合、第1パターンフィルタ260は、第1累算器265のイネーブル入力(enable input)を活性化して、次のクロックサイクルに第2シフトレジスタの出力を累算できるようにするロジックをさらに含んでもよい。つまり、このロジックは、第2シフトレジスタの出力が1であれば、第1累算器265のレジストを1だけ増加させ、第2シフトレジスタの出力が0であれば、第1累算器265のレジスタを1だけ減少させる。第1デジタル-アナログ変換器270および第2デジタル-アナログ変換器275の調整因数(scale factor)は、図2Bに示すように、3因数だけ異なり得るが、第3基準電圧は、第1基準電圧の3倍(例えば、3α)、またはこれと同様に、第1基準電圧は第3基準電圧の1/3である。本発明の一実施例によれば、第1基準電圧および第2基準電圧の第3基準電圧に対する比は、正確に1/3と-1/3ではなく、例えば、1/3と-1/3の20%範囲以内である。
【0035】
動作の際に、第3基準電圧は、平均的に第1累算器265がそのレジスタを減少させる方と増加させる方とが同じ頻度で現れる時、平衡値(equilibrium value)に達することができる。ビットパターン111の第2ビットに相当するサンプリング時間に、アナログ入力信号が、
である。ここで、hiはiビット周期の遅延の時のチャネルパルス応答である。このように、平衡においては、
である。クロックおよびデータ復旧回路125のCDR更新方程式は、
であってもよい。これら2つの方程式を解けば、

となる。このように、基準電圧制御回路130は、クロック位相が正常な場合、サンプリング時間と整列され、これによってクロック位相を修正するのに用いられる有用なクロック位相誤差信号を生成する交差点(crossing)を生成する第1基準電圧を生成することができる。
【0036】
本発明の一実施例によれば、αの解は、正確で超高損失チャネル(very high loss channel)(例えば、ナイキスト(Nyquist)周波数においてDC損失を32dBまで超過する損失を有するチャネル]と共に動作可能である。ボーレートクロックおよびデータ復旧回路125および基準電圧制御回路130の両方とも多重クロック位相を要求せず、これによって位相補間器を必要としない。基準電圧制御回路130は、高次(higher order)DFEタップ(tap)(h_2およびそれ以上)と共に使用可能であるが、その情報は第1パターンフィルタ260の出力280から得ることができる。本発明の一実施例によれば、α調整(adaptation)はCDR動作から分離され、基準電圧制御回路130は、起動の際に、トレーニングシーケンス(training sequence)を必要としない。図2Cは、αの推定誤差(estimation error)をサンプリングエラーの関数で示すグラフであって、基準電圧制御回路130の出力がサンプリングエラー(例えば、クロックジッタ(clock jitter)から始まったサンプリングエラー、または起動の際のCDRロッキング(locking)前のサンプリングエラー]に耐性(tolerance)があることを示す。
【0037】
本発明の一実施例によれば、連続時間線形等化器120は、上述のように、等化器制御回路135によって制御可能である。図3Aは、連続時間線形等化器120の回路の例を示す。図3Aに示す回路において、可変抵抗(adjustable resistor)Rsおよび可変キャパシタ(adjustable capacitor)Csは適切な制御信号で制御することができる。例えば、可変キャパシタCsは、トランジスタスイッチで共に連結された一連のキャパシタからなり、トランジスタスイッチに制御信号を印加してより多いかより少ない数のキャパシタを含ませることで、可変キャパシタCsを制御することができる。可変抵抗Rsもこれと同様に、トランジスタスイッチで共に連結された一連の抵抗で実現されるか、チャネルが可変抵抗として動作しゲート電圧を調節することによって抵抗値が調節可能な電界効果トランジスタ(field effect transistor)で実現されてもよい。図3Bは、図3Aの回路の近似周波数応答を示し、図3Cは、図3Aの連続時間線形等化器120の特性方程式を示す。
【0038】
図4Aは、第4基準電圧を生成する回路を示し、図4Bは、第5基準電圧を生成する回路を示し、これらは直列受信機110のビット誤差速度(bit error rate)を推定するのに用いられるが、これについては以下に詳しく説明する。詳細は後述するが、ビット誤差速度の推定を適用して連続時間線形等化器120の1つ以上の制御パラメータを設定することができる。
【0039】
N個のDFE係数を設定した後、
である。
【0040】
前記方程式において、4番目の項
は(N(0,σ)で表す)ガウス(Gaussian)または「正規(normal)」分布を持つと見なす。この場合、ビット誤差速度は、
で与えらる。Q-関数(Q-function)は、
で与えられる。
が最大の時、ビット誤差速度が最大になると予測することができる。
このように、量
(および以下に説明する量
)は「ビット誤差速度指標(bit error rate indicator)」といえる。
【0041】
詳細は後述するが、図4Aおよび4Bの回路は、(i)対称分布において平均に等しい中央値(median)β、および(ii)ビットパターン010の中間ビットに対してアナログ入力信号Vinの分布に対する左側ワンシグマポイント(left one-sigma point)γを推定するように動作する。図4Cに示すように、平均およびワンシグマポイントは、正規分布に対して確率密度関数の16%が左側ワンシグマポイントの左側に位置し、分布の残りの84%がその右側に位置する特性を持っている。なぜなら、
および
であるので、
である。
【0042】
このように、(上述のように、
の関数である)ビット誤差速度はα、β、γから計算することができる。等化器制御回路135は、連続時間線形等化器120の制御パラメータを調節して、
を計算することによって推定したビット誤差速度を最小化することができる。例えば、等化器制御回路135は、連続時間線形等化器120の制御パラメータの可能なすべてのセッティングを過度検索(exhaustive search)できるが、これは連続時間線形等化器120の制御パラメータのセッティングの数が十分に少なくて、この方法が現実的な場合にそうである。そうでない場合には、等化器制御回路135が、例えば、勾配下降検索(gradient descent search)を行って、
を最大化し、これによってビット誤差速度を最小化するセッティングを探すことができる。
【0043】
上述のように、図4Aは、ビットパターン010の中間ビットに対してアナログ入力信号Vinの分布に対する中央値を測定する。この回路は、第4サンプラ405と、第2パターンフィルタ410と、第2累算器415と、デジタル-アナログ変換器420とを含む。第4サンプラ405、第2パターンフィルタ410および第2累算器415は、アナログ入力信号Vinのサンプルが、第2パターンフィルタ410によってマッチングされたパターンの第2ビットに対応するサンプリング時間に、第4基準電圧を超えると、第2累算器415がそのレジスタを増加させ、アナログ入力信号Vinのサンプルが第4基準電圧に達していなければ、第2累算器415がそのレジスタを減少させるようにする。第2パターンフィルタ410および第2累算器415は、第1パターンフィルタ260および第1累算器265について説明したのと同じ方式で構成されるが、つまり、第2パターンフィルタ410は、2つのシフトレジスタと、パターンのマッチングが検知されると、第2累算器415がそのレジスタを増加または減少させるようにするロジックとを含むことができる。
【0044】
この回路はさらに、第2累算器415のレジスタから(つまり、レジスタの内容に基づいて)第4基準電圧(つまり、β)を生成するデジタル-アナログ変換器420を含む。平衡点において、第2累算器415のレジスタの増加頻度と減少頻度とは平均的に等しい。これは、第4基準電圧がビットパターン010の中間ビットに相当するアナログ入力信号Vinのサンプル(つまり、ビットパターン010の中間ビットに相当するサンプリング時間に取ったサンプル)の分布の平均に等しい時に発生する。
【0045】
先に説明したように、図4Bは、ビットパターン010の中間ビットに対してアナログ入力信号Vinの分布の左側ワンシグマポイントを測定する。この回路は、第5サンプラ425と、第3パターンフィルタ430と、第3累算器435と、デジタル-アナログ変換器455とを含む。第3累算器435は、第5サンプラ425の重み付け出力値をそのレジスタに加える重み付け累算器である。第3累算器435は、「アップ(up)」サンプルについて、つまり、ビットパターン010の中間ビットに対応するサンプリング時間に、アナログ入力信号Vinが第5基準電圧を超えると、重み付け値が0.16であり、「ダウン(down)」サンプルについて、つまり、ビットパターン010の中間ビットに対応するサンプリング時間に、アナログ入力信号Vinが第5基準電圧に達していなければ、重み付け値が0.84である。第3パターンフィルタ430および第3累算器435は、第1パターンフィルタ260および第1累算器265について説明したのと同じ方式で構成されるが、つまり、第3パターンフィルタ430は、2つのシフトレジスタと、パターンのマッチングが検知されると、第3累算器435がそのレジスタを(第2シフトレジスタの出力が1であるか0であるかによってそれぞれ)0.16だけ増加または0.84だけ減少させるようにするロジックとを含むことができる。
【0046】
平衡点において、第3累算器435のレジスタの増加頻度は、平均的に減少頻度の0.84/0.16倍に等しい。つまり、サンプルの0.84/0.16が第5基準電圧を超え、これは第5基準電圧が分布の平均左側のワンシグマであることを意味する。使用する重み付け値は0.16と0.84、または同じ比率であるか、例えば、比率0.84/0.16の20%範囲内の比率を有する他の重み付け値であってもよい。第3累算器435のレジスタは、浮動少数点数(floating-point number)を格納するか、固定少数点数(fixed point number)(またはこれと均等に整数)を格納することができる。
【0047】
本発明の一実施例によれば、重み付け値を互いに入れ替えて、第5基準電圧が左側ワンシグマポイントの代わりに右側ワンシグマポイントの測定となるようにすることができ、方程式
を用いる。
【0048】
図5A図5Dは、本発明の一実施例によるシミュレーション結果である。図5Aは、
の値をRs(連続時間線形等化器120にある可変抵抗])値(ohms)の関数で示すものであって、シミュレーションにおいて最低ビット誤差速度が予測されるRsのセッティングは1400ohmsである。図5Bは、アイオープニング(eye opening)をRs値(ohms)の関数で示し、ビット誤差速度を最小化するRs値はアイオープニングを最大化することが分かる。これと同様に、図5Cのグラフは、ビット誤差速度を最小化するRs値においてアイ幅(eye width)が最大であることを示す。図5Dは、50MHzの正弦ジッタ(sinusoidal jitter)の場合、多様なRs値に対する垂直アイオープニングを示す。グラフは510、520、530、540、550、560、570で表した曲線を含み、これらはそれぞれ、Rs=800ohms、1000ohms、1200ohms、1400ohms、1600ohms、1800ohms、2000ohmsの場合である。
【0049】
本発明の一実施例によれば、処理回路は、ここで説明した一部またはすべての計算を行うことができるが、例えば、ビット誤差速度指標を計算することができ、連続時間線形等化器120の制御パラメータを設定することができる。「処理回路」は、ハードウェア、ファームウエア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを用いて実現することができる。処理回路は、例えば、応用注文型集積回路(ASIC)、汎用または専用中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理器(DSP)、グラフィック処理装置(GPU)、FPGAなどのプログラム可能な論理装置を含むことができる。処理回路においてそれぞれの関数は、その機能を行う有線ハードウェアまたは非一時的な(non-transitory)記憶媒体に格納された命令を行うCPUなどの汎用ハードウェアで行われる。処理回路は、1つの印刷回路基板(PCB)に製作されてよく、互いに連結されたPCBに分散配置されてもよい。処理回路は、他の処理回路を含んでもよく、例えば、PCB上で互いに連結されたFPGAとCPUとを含むことができる。
【0050】
1つのビットは、集合{0、1}から選択した1つの数字、または集合{-1、1}から選択した1つの数字で表現されてもよいし、このように、ここで、0または-1は、互いに入れ替えて用いられるが、文脈上1つまたは他の1つを用いる場合は除く(例えば、累算器の入力には{-1、1}を使用)。ここで、第2数字が第1数字の「Y%範囲内」の場合、第2数字は少なくとも第1数字の(1-Y/100)倍であり、第2数字は大きくても第1数字の(1+Y/100)倍である。ここで、「または」という用語は、「および/または」と解釈されなければならないが、例えば、「AまたはB」は、「A」または「B」であるか、「AおよびB」のうちの1つを意味する。ここで、方法(例えば、調整)または第1量(quantity)(例えば、第1項(term)または第1因子(factor)]が第2量(例えば、第2項または第2因子)に「基づく」とすれば、第2量がその方法の入力であるか、第1量に影響を与えることを意味するが、例えば、第2量が第1量を計算する関数の入力(例えば、単一入力または複数入力のうちの1つ)であるか、第1量が第2量と同等(equal)であるか、第1量が第2量と同じ(same)(例えば、メモリ内における同じ場所に格納)であることを意味する。
【0051】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語を、元素、成分、領域、層、部分などに使用するが、“第1”、“第2”、“第3”などの用語は元素、成分、領域、層、部分などを限定するものではない。元素、成分、領域、層、部分などは、ある元素、成分、領域、層、部分を他の元素、成分、領域、層、部分と区別するために使うものであり、本発明の趣旨と範囲を逸脱しない。
【0052】
説明の便宜のために、図示のある部分または特性に対する他の部分または特性の関係を示すために、「下」、「の下」、「上」などの空間関係の用語を使うことができる。このような空間関係の用語は、図示の使用または動作する装置の互いに異なる位置および/または方向を示すためのものである。例えば、図面において、装置の「下」または「の下」にあると示した部分は、装置が上下反転すると、「上」にあるものになる。そのため、例えば、「下」および「の下」は、上と下をすべて表すことができる。装置は、例えば、90度回転してもよく、他の方向を向いてもよく、この場合、空間関係の用語はこれに合わせて解釈されなければならない。また、ある層が他の2層の「間」にあると表現した時、2層の間に当該層のみあってもよいが、1つ以上の他の層がさらにあってもよい。
【0053】
ここで使用された用語は、特定の実施例を説明する目的で使用するに過ぎず、本発明を制限しようとするものではない。ここで、「実質的に」、「約」、「概して」およびこれと類似する表現は、近似を表す表現に過ぎず、「程度」を表すのではなく、当業者が分かる測定値または計算値の固有の誤差を表すのに使用する。
【0054】
ここで、数を特に言及しなければ、単数または複数の場合をすべて含む。ある特徴、段階、動作、部分、成分などを「含む」という表現は、当該部分以外に、他の特徴、段階、動作、部分、成分なども含み得ることを意味する。「および/または」という表現は、挙げられたもののうちの1つまたは2以上のすべての組み合わせを含む。挙げられたものの前に記載した「少なくとも1つ」などの表現は、そのもの全体を修飾するもので、そのそれぞれを修飾するものではない。また、本発明の実施例を説明する際に使う「できる(てもよい)」という表現は、「本発明の1つ以上の実施例」に適用可能であることを意味する。「例示的な」という用語は、例または図面を示す。「使用」、「利用」などは、これと類似する他の表現と共に似た意味で使用される。
【0055】
部分、層、領域、成分などが他の部分、層、領域、成分の「上に」あるか、「連結されて」いると記載した場合、「直」上にあるか、または「直接」連結されている場合のみならず、中間に他の部分、層、領域、成分などがさらに介在している場合も含む。しかし、「真上に」あるか、「直接連結」されていると記載すれば、中間に他の部分がないことを意味する。
【0056】
ここに記載した数値範囲は、当該範囲内に含まれる同じ正確度のすべての部分範囲(sub-range)を含む。例えば、「1.0~10.0」または「1.0と10.0の間」の範囲は、最小値1.0と最大値10.0およびその間にあるすべての部分範囲、つまり、1.0以上の最小値と10.0以下の最大値を有する部分範囲、例えば、2.4~7.6を含む。ここで言及した最大値はその中に含まれ、それより小さいすべての数値限界を含み、本明細書に記載した最小値はその中に含まれ、それより大きいすべての数値限界を含む。
【0057】
以上、CDRおよびCTLEパラメータを制御するシステムおよび方法の実施例について説明および図示したが、当業者であればこのような実施例を変更および修正することもできる。したがって、ここで提示した原理により構成された他のCDRおよびCTLEパラメータを制御するシステムおよび方法も本発明に含まれる。本発明は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される。
【符号の説明】
【0058】
105:直列送信機
110:直列受信機
115:チャネル
120:連続時間線形等化器(CTLE)
125:クロックおよびデータ復旧回路(CDR)
130:基準電圧制御回路
135:等化器制御回路
137:決定フィードバック等化器
225、230、255、405、425:サンプラ
235、240:マルチプレクサ
245、260、410、430:パターンフィルタ
250:フリップフロップ
265、415、435:累算器
270、275、420、455:デジタル-アナログ変換器
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D