(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 312A
(21)【出願番号】P 2021017598
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】友田 拓
【審査官】小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000276(JP,A)
【文献】特開2015-196011(JP,A)
【文献】特開2002-058813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを決定可能な決定手段と、
第1の遊技状態、又は、当該第1の遊技状態よりも有利度の高い第2の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、
遊技機の外部へ
所定期間出力される特定外部情報を出力可能な出力手段と、を備え、
設定手段は、所定条件の成立に基づき特別遊技の終了後に第2の遊技状態を設定可能であるものの、連続して所定条件が成立した回数である連続成立回数が上限回数に到達した場合、当該所定条件の成立に基づき特別遊技の終了後に第1の遊技状態を設定可能であり、
出力手段は、所定の開始時点から連続成立回数が上限回数に到達することに基づく所定の終了時点までの間において継続して
前記特
定外部情報を出力可能であるとともに、複数の第2の遊技状態に跨って当該特
定外部情報を出力可能
な遊技機であって、
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤が設けられた第1枠部と、
前記第1枠部の正面側に位置する第2枠部と、
前記第2枠部の上部に設けられた装飾部と、
前記遊技領域の上部に設けられ、当該遊技領域のうちの右側に相当する特定遊技領域へ遊技球を誘導可能な誘導通路と、
前記誘導通路を構成し、前記遊技領域の外周側に位置する外側通路面と、を備え、
前記遊技盤の盤面に対して直交する方向に延びる仮想線のうち、前記外側通路面の最上端を通る仮想線を第1基準線とし、
前記第1基準線と直交し上下方向に延びる仮想鉛直線が、前記装飾部の下面における最も背面側と交わる位置を第1基準位置とし、
前記仮想鉛直線が、前記装飾部の下面における最下端と交わる位置を第2基準位置とすると、
前記第1基準位置は前記第1基準線よりも下方に位置し、かつ前記第1基準線から前記第1基準位置までの距離が遊技球の直径以下であり、
前記第2基準位置は前記第1基準線よりも下方に位置し、かつ前記第1基準線から前記第2基準位置までの距離が遊技球の直径以上であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球を契機として特別遊技の実行の可否を決定する当否抽選及び当該当否抽選の結果を示す特別図柄の決定が行われるとともに、特別図柄の変動表示が実行され、上述の当否抽選の結果が特別遊技を実行する旨(大当たりの当選)であることを示す大当たり図柄の停止表示が行われることにより多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。
このような遊技機においては、決定された大当たり図柄の種別に応じて、当該決定に基づく特別遊技の終了後における遊技状態の有利度を異ならせるように設定することが一般的に行われている。たとえば、所定の大当たり図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後に相対的に有利度の低い遊技状態(低確率遊技状態)が設定され、所定の大当たり図柄と異なる特定の大当たり図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後に相対的に有利度の高い遊技状態(高確率遊技状態)が設定される遊技機が知られている。そして、このような遊技機においては、特定の大当たり図柄が連続して決定されることにより特別遊技及び有利度の高い遊技状態が繰り返し設定される場合に、特別遊技の実行回数等に応じて演出を進行させるようなことも行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機では、特別遊技が開始されてから当該特別遊技が終了するまでを1回の特別遊技の実行として取り扱い、この1回の特別遊技の実行ごとに、遊技や演出を進行させるとともに、遊技機の外部に設けられ特別遊技の実行回数の表示や管理を行う外部装置に対して特別遊技が実行された旨を示す外部情報(大当たり情報、大当たり信号)を出力することで、遊技や演出の進行にリンクさせて特別遊技の実行を管理することが一般的に行われている。
しかし、近年では、遊技性や演出性を向上させるべく、上述のように特別遊技及び有利度の高い遊技状態が繰り返し設定されている期間においては、1回の特別遊技の実行ごとではなく、当該期間を1回の特別遊技の実行としてみなし、遊技や演出を進行させるような試みも行われており、特別遊技の実行の管理手法として、従来と異なる新たな手法の登場が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、特別遊技の実行に関する新たな管理手法を提供可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
(1)本発明は、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを決定可能な決定手段と、第1の遊技状態、又は、当該第1の遊技状態よりも有利度の高い第2の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、遊技機の外部へ所定期間出力される特定外部情報を出力可能な出力手段と、を備え、設定手段は、所定条件の成立に基づき特別遊技の終了後に第2の遊技状態を設定可能であるものの、連続して所定条件が成立した回数である連続成立回数が上限回数に到達した場合、当該所定条件の成立に基づき特別遊技の終了後に第1の遊技状態を設定可能であり、出力手段は、所定の開始時点から連続成立回数が上限回数に到達することに基づく所定の終了時点までの間において継続して前記特定外部情報を出力可能であるとともに、複数の第2の遊技状態に跨って当該特定外部情報を出力可能な遊技機であって、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤が設けられた第1枠部と、前記第1枠部の正面側に位置する第2枠部と、前記第2枠部の上部に設けられた装飾部と、前記遊技領域の上部に設けられ、当該遊技領域のうちの右側に相当する特定遊技領域へ遊技球を誘導可能な誘導通路と、前記誘導通路を構成し、前記遊技領域の外周側に位置する外側通路面と、を備え、前記遊技盤の盤面に対して直交する方向に延びる仮想線のうち、前記外側通路面の最上端を通る仮想線を第1基準線とし、前記第1基準線と直交し上下方向に延びる仮想鉛直線が、前記装飾部の下面における最も背面側と交わる位置を第1基準位置とし、前記仮想鉛直線が、前記装飾部の下面における最下端と交わる位置を第2基準位置とすると、前記第1基準位置は前記第1基準線よりも下方に位置し、かつ前記第1基準線から前記第1基準位置までの距離が遊技球の直径以下であり、前記第2基準位置は前記第1基準線よりも下方に位置し、かつ前記第1基準線から前記第2基準位置までの距離が遊技球の直径以上であることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る遊技機においては、所定の開始時点から連続成立回数が上限回数に到達することに基づく所定の終了時点までの間において継続して特定の外部情報が出力されるとともに、複数の第2の遊技状態に跨って当該特定の外部情報が出力されるようになっている。
これにより、外部装置において、特別遊技の1回の実行ごとではなく、複数の第2の遊技状態及び特別遊技が繰り返し実行される期間をまとめて、1回の特別遊技の実行として管理可能となり、特別遊技の実行に関する新たな管理手法を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特別遊技の実行に関する新たな管理手法を提供可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図5】パチンコ機の操作ハンドルの枠カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図6】パチンコ機の操作ハンドルに関する官能試験の結果の説明図である。
【
図7】パチンコ機における初期位置にある操作ハンドルを示す拡大概略図である。
【
図8】パチンコ機における最大回転位置にある操作ハンドルを示す拡大概略図である。
【
図9】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図10】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の可動片制御テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図19】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板における第1ゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における外部情報出力制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図39】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図40】パチンコ機の変動演出の態様、特別遊技関連して実行される各種演出の態様の一例を示す図である。
【
図41】パチンコ機の変動演出の態様、特別遊技関連して実行される各種演出の態様の一例を示す図である。
【
図42】パチンコ機の変動演出の態様、特別遊技関連して実行される各種演出の態様の一例を示す図である。
【
図43】パチンコ機の変動演出の態様、特別遊技関連して実行される各種演出の態様の一例を示す図である。
【
図44】変形例に係るパチンコ機の装飾部及び上部誘導通路近辺の拡大右側断面図である。
【
図45】変形例に係るパチンコ機のレールベース、外レール及び遊技盤の斜視図である。
【
図46】変形例に係るパチンコ機の外レールの概略図である。
【
図47】変形例に係るパチンコ機のレールベース、遊技盤の拡大断面図である。
【
図48】変形例に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0012】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成され、パチンコ機Pの前扉3を構成する扉枠3aと、を備えている。
また、本体枠2及び扉枠3aは、扉枠3aを閉じ両者が一体となった状態で、機枠1を開閉する(すなわち、本体枠2及び扉枠3aが一体となることで機枠1を開閉可能な枠部が構成され、この枠部が機枠1を開閉する)ことも可能となっている。
【0013】
また、本体枠2の上縁から下縁までの長さ(本体枠2の高さ)は、扉枠3aの上縁から下縁までの長さ(扉枠3aの高さ)よりもやや長く、本体枠2の左縁から右縁までの長さ(本体枠2の横幅)は、扉枠3aの左縁から右縁までの長さ(扉枠3aの横幅)よりもやや長くなっている。したがって、扉枠3aを閉じると、扉枠3aの下縁よりも本体枠2の下縁の方がやや下側に位置し、かつ、扉枠3aの右縁よりも本体枠2の右縁の方がやや右側に位置することとなる(
図7、
図8参照)。
なお、扉枠3a及び本体枠2の高さや横幅は同一として、扉枠3aを閉じると、扉枠3aの下縁と本体枠2の下縁とが一致し、かつ、扉枠3aの右縁と本体枠2の右縁とが一致するように構成してもよい。
また、扉枠3a及び本体枠2は、上述のように、それぞれ別個に開閉可能な枠体として構成されるものでなくてもよい。たとえば、扉枠3a及び本体枠2を収容可能であって機枠1に開閉自在に取り付けられる枠体である外枠(特に図示しておらず)を設け、扉枠3a及び本体枠2が収容された状態の外枠が機枠1を開閉するように構成してもよい。
【0014】
機枠1の左下部には、
図1に示すように、音声出力装置としてのスピーカ10が設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、扉枠3aには、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカ10と、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、扉枠3aにより構成される前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3(扉枠3a)を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
ここで、操作ハンドル5について、詳述する。
図4及び
図5に示すように、操作ハンドル5は、大別して、扉枠3aに固定されるベース510と、このベース510に回転操作可能に支持され、常態において位置する初期位置から所定角度の範囲内で回転する操作枠550と、この操作枠550の前面を覆う枠カバー570と、を備えている。
【0020】
特に図示していないが、ベース510は、扉枠3aに固定した際に正面方向へ向けて開口する略円筒状の部材であり、このベース510内には、各種の構成部品を取り付けるための孔や突起が形成されているとともに、各種構成部品を収容するための収容空間が設けられている。
【0021】
操作枠550は、ベース510に相対回転可能に支持されるものであり、ベース510の開口に対向する円環状のリング体551と、このリング体551内に設けられる平板状の平板部552と、を備えている(
図5参照)。リング体551の外周面には、外方へ突出する3つの指掛突起551a、551b、551cが設けられており、この指掛突起551a、551b、551cに遊技者が指を掛けることで、容易に操作枠550の回転操作を行うことができるようになっている。
【0022】
上述の平板部552には、操作枠550の回転軸方向に貫通するとともに、当該操作枠550の周方向に沿って湾曲する長孔状の案内孔553が一対設けられている。この案内孔553には、ベース510から突出するガイド軸518が挿通可能となっており、操作枠550がベース510に支持された状態で、案内孔553がガイド軸518に案内されて操作枠550が回転自在となっている。
また、平板部552の正面側(枠カバー570側)には、操作枠550の中心位置において正面方向に立設する突起554が設けられており、この突起554の近傍には、正面方向に突出するバネ保持片555が設けられている。
【0023】
枠カバー570は、操作枠550の前面を覆った際に背面方向へ向けて開口する略半球状の部材である。この枠カバー570は、その背面側において、案内孔553に挿通されたベース510のガイド軸518とネジ止めされるようになっており、これにより、枠カバー570はベース510に固定されることとなる。また、この枠カバー570の背面側には、操作枠550の突起554が相対回転可能に挿入可能な背面穴(図示しておらず)が設けられており、枠カバー570が操作枠550の前面を覆った際には、操作枠550の突起554が背面穴に挿入されることとなる。
以上のようにネジ止めされることにより、操作枠550は、枠カバー570とベース510との間に、回転自在に挟持されるようになっている。
【0024】
そして、操作ハンドル500が組み立てられた状態においては、ベース510のガイド軸518が操作枠550の案内孔553に挿通されており、ガイド軸518が案内孔553の周方向端部に当接すると、操作枠550のそれ以上の回転が規制される。すなわち、ガイド軸518及び案内孔553は、操作枠550の回転を案内するとともに、回転角度を一定範囲内に規制するストッパとして機能することとなる。
【0025】
また、
図5に示すように、操作枠550の突起554の外周にはコイルスプリング581が巻回されている。
このコイルスプリング581は、一端が案内孔553に挿通されたベース510のガイド軸518の外周面に巻き付けられているとともに、他端がバネ保持片555に掛け止めされており、ガイド軸518を介して操作枠550を反時計回りに回転させるように常時付勢している。すなわち、操作枠550に対して、当該操作枠550の回転軸を中心に反時計回りの回転力を常時作用させている。これにより、操作枠550は、常態において、コイルスプリング581の弾性力により、ガイド軸518が、案内孔553における操作枠550の回転方向と反対方向の端部に当接した初期位置に位置することとなる(
図5参照)。
【0026】
また、操作枠550が初期位置に位置している状態において、時計回りの回転力を当該操作枠550に作用させると、当該操作枠550は、コイルスプリング581の弾性力に抗して時計回りに回転する。そして、操作枠550に対する時計回りの回転力を解除すると、操作枠550はコイルスプリング581の弾性力によって反時計回りに回転し、初期位置に復帰することとなる。
【0027】
また、この操作ハンドル5においては、コイルスプリング581の巻回量や回転量等を調節することで、操作枠550に対して常時作用させている反時計回りの回転力(付勢力)を調節し、操作枠550の時計回り方向への回転に必要な操作トルクを下記のように設定している。
【0028】
具体的には、操作ハンドル5の初期位置からの回転に必要な操作トルク(以下、第1操作トルクともいう)、操作ハンドル5の初期位置から左打ち基準位置までの回転に必要な操作トルク(以下、第2操作トルクともいう)、及び、操作ハンドル5の左打ち基準位置から最大回転位置までの回転に必要な操作トルク(以下、第3操作トルクともいう)に関し、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度となるとともに、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度となるように設定されている。
たとえば、上述の操作ハンドル5において、第1操作トルクはおよそ6.8N・mm(N・mmは、操作トルクを示す単位であるニュートンミリメートル。以下、同様。)、第2操作トルクはおよそ13.6N・mm、第3操作トルクはおよそ23.8N・mmとすることができる。なお、第1操作トルクのおよそ6.8N・mmは、操作ハンドル5を初期位置から若干時計回りに回転させた状態から、操作枠550に対する時計回りの回転力を解除したときに、当該操作枠550が初期位置に復帰できる最小値である。
【0029】
なおここで、左打ち基準位置とは、遊技領域12のうち、発射された遊技球が第2遊技領域12bよりも第1遊技領域12aへ進入しやすく、当該遊技球が後述する第1始動入賞口15へ入球される可能性が高い所定の領域(いわゆる、ぶっこみ)へ遊技球を打ち込むことが可能な発射強度となる操作ハンドル5の位置である。また、最大回転位置とは、操作枠550の時計回りへの回転が規制されることとなる操作ハンドル5の位置(すなわち、ガイド軸518が、案内孔553における操作枠550の回転方向の端部に当接する位置)である。
【0030】
また、上述の操作ハンドル5においては、初期位置から左打ち基準位置までの操作ハンドル5の操作角度(回転角度。以下、第1操作角度ともいう)が、初期位置から最大回転位置までの操作ハンドル5の操作角度(以下、第2操作角度ともいう)の半分以下程度となるように設定されている。なお、第1操作角度は概ね45度~60度の範囲とするのが望ましく、第2操作角度は概ね100度~120度の範囲とするのが望ましい。たとえば、上述の操作ハンドル5において、第1操作角度はおよそ45度、第2操作角度はおよそ100度とすることができる。
【0031】
以上のように、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度となるように設定することで、初期位置から左打ち基準位置までの間における操作トルクが急激に増加せず、遊技者の操作負担を軽減することができる。また、初期位置から左打ち基準位置に至るまでに急激に操作負荷が大きくなる印象を与えてしまうことを防止可能となり、遊技者に操作ハンドル5の操作疲れを感じ難くさせることができる。
また、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度となるように設定することで、左打ち基準位置から最大回転位置までの間における操作トルクが急激に増加せず、初期位置から左打ち基準位置まで操作ハンドル5を回転させたときの操作負荷、及び、左打ち基準位置から最大回転位置まで操作ハンドル5を回転させたときの操作負荷に大きな差が生じないため、遊技者の操作負担を軽減することができる。また、初期位置から最大回転位置に至るまでの間において、最大回転位置に近づけば近づく程急激に操作負荷が大きくなる印象を与えてしまうことを防止可能となり、遊技者に操作ハンドル5の操作疲れを感じ難くさせることができる。
【0032】
以下、上述の操作ハンドル5の実施例を、比較例と対比しつつ説明する。
実施例における操作ハンドル5は、上述のように、第1操作トルクがおよそ6.8N・mm、第2操作トルクがおよそ13.6N・mm、第3操作トルクがおよそ23.8N・mmとなるように設定した。すなわち、実施例における操作ハンドル5は、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度であるという条件(以下、第1条件ともいう)を満たすとともに、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度であるという条件(以下、第2条件ともいう)を満たしている。
これに対して、比較例における操作ハンドル5は、第1操作トルクがおよそ31N・mm、第2操作トルクがおよそ69N・mm、第3操作トルクがおよそ152N・mmとなるように設定した。すなわち、比較例における操作ハンドル5は、上述の第1条件及び第2条件をいずれも満たしていない。
【0033】
そして、上述の実施例における操作ハンドル5、及び、比較例における操作ハンドル5を用いて、初期位置から左打ち基準位置までの操作ハンドル5の回転を所定回数(たとえば100回)行ったときの疲労感(以下、前半疲労感ともいう)、及び、左打ち基準位置から最大回転位置までの操作ハンドル5の回転を所定回数(たとえば100回)行ったときの疲労感(以下、後半疲労感ともいう)を、被験者が実際に操作ハンドル5を回転操作する官能試験によって評価した。
図6に示すように、実施例における操作ハンドル5においては、前半疲労感及び後半疲労感はいずれも小さかったものの、比較例における操作ハンドル5においては、前半疲労感及び後半疲労感はいずれも大きく、実施例における操作ハンドル5は比較例における操作ハンドル5に対し、いずれの疲労感についても評価が優れている。
したがって、上記の結果から明らかなように、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度という範囲、及び、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度という範囲は、上述の疲労感の観点から適正であるといえる。
【0034】
また、上述の操作ハンドル5は、扉枠3a(本体枠2)と下記のような位置関係となるように、扉枠3aに設けられている。なお、以下では、操作枠550のリング体551の外周面に沿って並設されている3つの指掛突起のうち、操作ハンドル5が初期位置にあるときに左側に位置する指掛突起551aを第1指掛突起551a、中央に位置する指掛突起551bを第2指掛突起551b、右側に位置する指掛突起551cを第3指掛突起551cともいう。
【0035】
具体的には、上述の操作ハンドル5は、枠カバー570の中心位置C(扉枠3aに取り付けられた状態で正面側に最も突出する位置)から扉枠3aの下縁までの距離DA1が約40.0mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の下縁までの距離DA2が約45.0mmであるとともに、中心位置Cから扉枠3aの右縁までの距離DA3が約49.1mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の右縁までの距離DA4が約51.1mmとなる位置に設けられている(
図7参照)。
【0036】
ここで、上述の操作ハンドル5は、中心位置Cからリング体551の外周面までの距離DBが約34.6mm、中心位置Cから第1指掛突起551aの突設端(第1指掛突起551aにおける、リング体551の外周面から最も突設した位置)までの距離DC1が約53.4mm、中心位置Cから第2指掛突起551bの突設端(第2指掛突起551bにおける、リング体551の外周面から最も突設した位置)までの距離DC2が約45.6mm、及び、中心位置Cから第3指掛突起551cの突設端(第3指掛突起551cにおける、リング体551の外周面から最も突設した位置)までの距離DC3が約39.3mmとなるように構成されている(
図7参照)。
また、上述の操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの左方やや上側に位置し、第2指掛突起551bは中心位置Cのほぼ直上に位置し、第3指掛突起551cは中心位置Cの右方やや上側に位置するようになっている(
図7参照)。
【0037】
すなわち、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも中心位置Cよりも上側に位置しているため、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出しないようになっている(
図7参照)。
また、上述のように、中心位置Cから第3指掛突起551cの突設端までの距離DC3が約39.3mm、中心位置Cから扉枠3aの右縁までの距離DA3が約49.1mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の右縁までの距離DA4が約51.1mmであるため、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている(
図7参照)。
【0038】
一方、上述の操作ハンドル5が初期位置から第2操作角度(およそ100度)回転し最大回転位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの上方やや右側に位置し、第2指掛突起551bは中心位置Cの右方やや下側に位置し、第3指掛突起551cは中心位置Cの下方やや右側に位置するようになっている(
図8参照)。また、第3指掛突起551cの突設端は、扉枠3a(本体枠2)の下縁よりも上側であって、かつ、扉枠3a(本体枠2)の右縁よりも左側に位置するようになっている(
図8参照)。
【0039】
すなわち、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3a(本体枠2)の下端よりも上側に位置しているため、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出しないようになっている(
図8参照)。
また、上述のように、中心位置Cから第2指掛突起551bの突設端までの距離DC2が約45.6mm、中心位置Cから扉枠3aの右縁までの距離DA3が約49.1mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の右縁までの距離DA4が約51.1mmであるため、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている(
図8参照)。
【0040】
さらに、上述のように、操作ハンドル5が初期位置にあるとき及び最大回転位置にあるときのいずれであっても、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている。
これにより、特に図示していないが、操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置に至るまでのいずれの回転位置にあるときであっても、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている。
【0041】
また、上述のように、中心位置Cから第1指掛突起551aの突設端までの距離DC1が約53.4mm、中心位置Cから第2指掛突起551bの突設端までの距離DC2が約45.6mm、中心位置Cから第3指掛突起551cの突設端までの距離DC3が約39.3mmとなっており、リング体551の外周面から最も離れている(リング体551の外周面から最も突出している)のは第1指掛突起551aの突設端である。
また、上述のように、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの左方やや上側に位置し、操作ハンドル500が最大回転位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの上方やや右側に位置しているため、上述の最大回転位置における第1指掛突起551aの高さ位置は、上述の初期位置における第1指掛突起551aの高さ位置よりも高くなっている。
すなわち、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときの第1指掛突起551の突設端は、操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置まで回転する際に突設端が通る回転軌道の最下点には位置しないようになっている。
【0042】
以上のように、上述の操作ハンドル5は、当該操作ハンドル5が初期位置にあるときに、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b、第3指掛突起551cのいずれもが、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないとともに、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときに、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b、第3指掛突起551cのいずれもが、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないこととなるように設けられている。
これにより、たとえば、パチンコ機Pを島に設置する作業を行うようなときに、一時的に、パチンコ機Pをホールの床等に置いたり、壁に立て掛けたりするような場合であっても、指掛突起551a、551b、551cが床や壁に接触し操作ハンドル5が破損するような事態を防止することができる。
【0043】
また、上述の操作ハンドル5は、当該操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置に至るまでのいずれの回転位置にあるときであっても、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている。
これにより、上述のように、パチンコ機Pをホールの床等に置いたり、壁に立て掛けたりしたときに、操作ハンドル5がいかなる回転位置となっていたとしても、指掛突起551a、551b、551cが床や壁に接触し操作ハンドル5が破損するような事態を防止することができる。
【0044】
また、リング体551の外周面から最も離れている突設端を備えた第1指掛突起551aの当該突設端は、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときにおいて、当該操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置まで回転する際に当該突設端が通る回転軌道の最下点には位置しないようになっている。
これにより、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときに、指掛突起551a、551b、551cが扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出することを確実に防止することができる。
【0045】
なお、上述の操作ハンドル5に設ける指掛突起の数は、3個に限定されるものではなく、操作ハンドル5と扉枠3a(本体枠2)とが上述のような関係となっていれば、2個以下であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0046】
また、上述の操作ハンドル5における中心位置Cから各指掛突起までの距離、初期位置や最大回転位置における各指掛突起の位置、中心位置Cから扉枠3a(本体枠2)までの距離等については、上述の値に限定されるものではなく、操作ハンドル5と扉枠3a(本体枠2)とが上述のような関係となっていれば、任意の値とすることができる。
【0047】
また、上述の操作ハンドル5は、指掛突起551a、551b、551cが扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁の両方よりも下方に突出せず、また、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁の両方よりも右方に突出しないようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、少なくとも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁のうち、下側に位置する下縁よりも下方に突出しないようにしてもよい。同様に、少なくとも、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁のうち、右側に位置する右縁よりも右方に突出しないようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0048】
また、上述の操作ハンドル5は、扉枠3aに設けるのではなく、機枠1や本体枠2等、パチンコ機Pのいずれかの箇所に設けるようにしてもよい。そして、機枠1や本体枠2に操作ハンドル5を設けた場合には、操作ハンドル5と機枠1や本体枠2とが上述のような関係となるように設定することができる。
【0049】
また、上述の操作ハンドル5は、第1指掛突起551aがリング体551の外周面から最も離れている突設端を備えるのではなく、他の指掛突起(第2指掛突起551bや第3指掛突起551c)がリング体551の外周面から最も離れている突設端を備えるようにしてもよい。そして、この場合にも、当該突設端が、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときにおいて、当該操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置まで回転する際に当該突設端が通る回転軌道の最下点には位置しないように設定することができる。
【0050】
遊技領域12の説明に戻る。
遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14、第1始動入賞口15(始動領域)、第2始動入賞口16(始動領域)、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置としての第1アタッカー装置170及び第2アタッカー装置180と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、
図3においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
【0051】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置(第1遊技領域12aの下部)に設けられている。一般入賞口14へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。そして、一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0052】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0053】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0054】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、後述する大当たりの当選か否か(以下、大当たりの当否ともいう)を判定するための当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に応じて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。決定され得る特別図柄には複数の種別が設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行等の遊技利益が付与されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0055】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方(遊技領域12の右上部の位置(第2遊技領域12bの上部))に設けられている。ゲート20は、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ通過可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球は通過できないようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2遊技領域12bへ進入した遊技球の多くがゲート20を通過するように構成されている。
ゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0056】
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pには、アタッカー装置として、第1アタッカー装置170及び第2アタッカー装置180の2つが設けられている。
図3に示すように、第1アタッカー装置170は演出表示装置21の左下方(第1遊技領域12aの下部)に設けられており、第2アタッカー装置180は演出表示装置21の右下方(第2遊技領域12bの下部)に設けられている。
【0057】
第1アタッカー装置170は、遊技球が入球可能な第1大入賞口171と、この第1大入賞口171を開閉する第1開閉扉172と、を備えている。常態においては、第1開閉扉172が閉じられ第1大入賞口171は閉鎖されているため、当該第1大入賞口171への遊技球の入球は不可能となっているものの、所定の特別遊技が実行されると、第1開閉扉172が開き第1大入賞口171が開放されることにより、第1大入賞口171への遊技球の入球が可能となる。上述の特別遊技中には第1大入賞口171が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっている。第1大入賞口171へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では14個)の賞球が払い出される。
この第1大入賞口171へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0058】
第2アタッカー装置180は、遊技球が入球可能な第2大入賞口181と、この第2大入賞口181を開閉する第2開閉扉182と、を備えている。常態においては、第2開閉扉182が閉じられ第2大入賞口181は閉鎖されているため、当該第2大入賞口181への遊技球の入球は不可能となっているものの、所定の特別遊技が実行されると、第2開閉扉182が開き第2大入賞口181が開放されることにより、第2大入賞口181への遊技球の入球が可能となる。上述の特別遊技中には第2大入賞口181が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっている。第2大入賞口181へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では14個)の賞球が払い出される。
この第2大入賞口181へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0059】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後には、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種類に応じた遊技状態が設定されるようになっている。
【0060】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、第1大入賞口171及び第2大入賞口181のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0061】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、当否抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0062】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置としてのスピーカ10や、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図1参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0063】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0064】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0065】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0066】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図9に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0067】
また、
図9に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0068】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0069】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(当否抽選、特別図柄の決定、特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう))、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動ともいう)等)、遊技者にとって有利な特別遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図9に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0070】
また、
図9に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、第1大入賞口171へ遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出センサ173と、第2大入賞口181へ遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出センサ183と、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するアウト口検出センサ等を設けてもよい。
【0071】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する可動片ソレノイド16cと、第1大入賞口171の第1開閉扉172を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド174と、第2大入賞口181の第2開閉扉182を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド184と、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、第1大入賞口171、第2大入賞口181の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0072】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0073】
図9に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0074】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0075】
また、発射払出制御基板200には、
図9に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0076】
さらに、発射払出制御基板200には、
図9に示すように、扉枠3a(前扉3)の開放状態を検出する扉枠開放検出センサ3bと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0077】
扉枠開放検出センサ3bは、扉枠3a(前扉3)が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、扉枠3a(前扉3)の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、扉枠開放検出センサ3bは、扉枠3a(前扉3)が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、扉枠3a(前扉3)が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0078】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0079】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図9に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0080】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0081】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図9に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0082】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介してスピーカ10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0083】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0084】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、スピーカ10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、スピーカ10からの音声出力を制御する。
【0085】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0086】
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として設定値1の1段階が定められており、後述する当否抽選における大当たりの当選の確率は1通りのみとなっている。この出玉に関する設定としては、上述の内容に限定されるものではなく、複数段階(たとえば、設定値1から設定値6までの6段階等)を定め、この設定値の違いにより、大当たりの当選の確率が異なるようにしてもよい。
【0087】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態ともいう)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態ともいう)、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態ともいう)、又は、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率非時短遊技状態ともいう)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0088】
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する当否抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、当否抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、当否抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0089】
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0090】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に基づく遊技利益が対応付けられた特別図柄が決定される。そして、この当否抽選によって大当たりに当選すると、第1大入賞口171又は第2大入賞口181が開放され当該第1大入賞口171又は当該第2大入賞口181へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の終了後は、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
【0091】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球、第1大入賞口171への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、第2大入賞口181への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中、高確率非時短遊技状態中及び後述する大当たり図柄X1又はX2の決定に基づく特別遊技中は、第1大入賞口171へ遊技球が入球し又は遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び後述する大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技中は、第2大入賞口181へ遊技球が入球し、又は遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態中、高確率非時短遊技状態中及び大当たり図柄X1又はX2の決定に基づく特別遊技中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0092】
当否抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、各種判定や決定に用いられる乱数として、当否抽選の結果(大当たり又はハズレ)の判定(抽選結果の決定)に用いられる当否乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の当否乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当否乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、当否抽選の結果に基づく特別図柄の変動表示及び当該当否抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、変動態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0093】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0094】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0095】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1保留数という)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2保留数という)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
【0096】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選の結果を判定するための当否乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114を有している。
なお、特図遊技に関するテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0097】
当否乱数判定テーブル110は、当否抽選の結果(大当たりか否か)を判定するためのものであって、
図10(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当否乱数が取得される。そして、当否抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの当否乱数判定テーブル110が選択され、取得された当否乱数と選択された当否乱数判定テーブル110とに基づいて当否抽選が行われる。
【0098】
図10(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、当否乱数が1000~3966であった場合に大当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、3967~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aおける大当たりの当選の確率はおよそ1/22.1となる。
【0099】
また、
図10(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、当否乱数が1000~4313であった場合に大当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、4314~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/19.8となる。
【0100】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される当否乱数(1000~3966)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される当否乱数(1000~4313)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される当否乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりの当選と判定されることとなる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選と判定される数値範囲は、連続する数値の範囲により構成されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、間にハズレとなる数値を含む不連続な数値の範囲により構成してもよい。
【0101】
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図11(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の当否抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、上述のいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0102】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として9種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0103】
図11(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~184であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が185であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が186~188であったときに大当たり図柄X3が決定され、特別図柄乱数が189であったときに大当たり図柄X4が決定され、特別図柄乱数が190~198であったときに大当たり図柄X5が決定され、特別図柄乱数が199であったときに大当たり図柄X6が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は92.5%、大当たり図柄X2が決定される確率は0.5%、大当たり図柄X3が決定される確率は1.5%、大当たり図柄X4が決定される確率は0.5%、大当たり図柄X5が決定される確率は4.5%、大当たり図柄X6が決定される確率は0.5%となっている。
【0104】
図11(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~114であったときに大当たり図柄X7が決定され、特別図柄乱数が115~128であったときに大当たり図柄X8が決定され、特別図柄乱数が129~199であったときに大当たり図柄X9が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X7が決定される確率は57.5%、大当たり図柄X8が決定される確率は7%、大当たり図柄X9が決定される確率は35.5%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各特別図柄乱数判定テーブル111において、異なる大当たり図柄が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0105】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たりの当選となった場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0106】
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりの当選となった場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に、第1大入賞口ソレノイド174又は第2大入賞口ソレノイド184を通電(作動)させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図12(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たりに当選し大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、が設けられている。
【0107】
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、
図12(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、第1大入賞口171が1.0秒開放するか又は第1大入賞口171に1個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~2ラウンドまで計2回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、第1開閉扉172が閉位置から開位置に変位して開位置に1.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという開閉パターンで作動することにより第1大入賞口171が1回開放され、各ラウンド遊技間に第1大入賞口171が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は1.0秒に設定されている。
【0108】
大当たりに当選し大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9が決定された場合には、
図12(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、第2大入賞口181が29.0秒開放するか又は第2大入賞口181に2個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、第2開閉扉182が閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという開閉パターンで作動することにより第2大入賞口181が1回開放され、各ラウンド遊技間に第2大入賞口181が閉鎖する時間は1.0秒に設定されている。
【0109】
そして、大当たり図柄X1又はX2の決定に基づく特別遊技中には概ね28個の賞球を獲得可能となっており、大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技中には概ね280個の賞球を獲得可能となっている。すなわち、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合よりも、大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9が決定された場合の方が多い。
【0110】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の実行契機となった大当たり時に決定された大当たり図柄の種別に応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。
【0111】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態)において高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され高確率遊技状態(高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態)へ移行した後、低確率遊技状態へ移行することなく連続して上述の大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続高確設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では7回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に低確率遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、低確率遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が連続して上限回数(7回)決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、高確率遊技状態の設定が対応付けられているものの強制的に低確率遊技状態が設定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、連続高確設定回数をカウントするための連続高確設定回数カウンタ(メインRAM103の所定の記憶領域により構成)が設けられており、高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され当該決定に基づく特別遊技が実行されるごとに、連続高確設定回数カウンタのカウント値が1インクリメントされるようになっている。本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの大当たり図柄にも高確率遊技状態の設定が対応付けられているため、特別遊技が実行されると必ず連続高確設定回数カウンタのカウント値が1インクリメントされる。そして、この連続高確設定回数カウンタのカウント値が上限回数に到達した場合、特別遊技の終了後に低確率遊技状態が設定されることとなる。
【0112】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13(a)~(f)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1遊技状態設定テーブル113aと、大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2遊技状態設定テーブル113bと、大当たり図柄X3又はX4が決定された場合に参照される第3遊技状態設定テーブル113cと、大当たり図柄X5又はX6が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル113dと、大当たり図柄X7又はX8が決定された場合に参照される第5遊技状態設定テーブル113eと、大当たり図柄X9が決定された場合に参照される第6遊技状態設定テーブル113fと、が設けられている。
【0113】
具体的には、
図13(a)に示すように、第1遊技状態設定テーブル113aによれば、大当たり図柄X1が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数(7回)に非到達の場合、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数ともいう)は10000回に設定される。
これに伴って、大当たり当選時(当否抽選時)の遊技状態が通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態(すなわち、非時短遊技状態)であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態(すなわち、時短遊技状態)であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数ともいう)は10000回に設定される。
【0114】
すなわち、大当たり図柄X1が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合において、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率非時短遊技状態が設定され、この高確率非時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/19.8となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率非時短遊技状態が継続することとなる。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。なお、上述の如く、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/19.8となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0115】
一方、大当たり図柄X1が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は23回に設定される。
【0116】
すなわち、大当たり図柄X1が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
【0117】
また、
図13(b)に示すように、第2遊技状態設定テーブル113bによれば、大当たり図柄X2が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数は10000回に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
【0118】
すなわち、大当たり図柄X2が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合において、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率非時短遊技状態が設定され、この高確率非時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。
【0119】
一方、大当たり図柄X2が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は23回に設定される。
【0120】
すなわち、大当たり図柄X2が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
【0121】
また、
図13(c)に示すように、第3遊技状態設定テーブル113cによれば、大当たり図柄X3又はX4が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数は10000回に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は14回に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
【0122】
すなわち、大当たり図柄X3又はX4が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合において、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が14回導出されるまで継続可能となる。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。
【0123】
一方、大当たり図柄X3又はX4が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は14回に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は23回に設定される。
【0124】
すなわち、大当たり図柄X3又はX4が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が14回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が14回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
【0125】
また、
図13(d)に示すように、第4遊技状態設定テーブル113dによれば、大当たり図柄X5又はX6が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数は10000回に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は14回に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
【0126】
すなわち、大当たり図柄X5又はX6が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合において、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が14回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が14回導出されると、高確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより高確率非時短遊技状態が設定される。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。
【0127】
一方、大当たり図柄X5又はX6が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定され、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は23回に設定される。
【0128】
すなわち、大当たり図柄X5又はX6が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
また、上述の場合において、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
【0129】
また、
図13(e)に示すように、第5遊技状態設定テーブル113eによれば、大当たり図柄X7又はX8が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数は10000回に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態、高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態及び低確率時短遊技状態のいずれであっても、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
【0130】
すなわち、大当たり図柄X7又はX8が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、大当たり当選時の遊技状態にかかわらず、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。
【0131】
一方、大当たり図柄X7又はX8が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態及び高確率非時短遊技状態のいずれであっても、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は23回に設定される。
【0132】
すなわち、大当たり図柄X7又はX8が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、大当たり当選時の遊技状態にかかわらず、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が23回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
【0133】
また、
図13(f)に示すように、第6遊技状態設定テーブル113fによれば、大当たり図柄X9が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数は10000回に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が通常遊技状態、高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態及び低確率時短遊技状態のいずれであっても、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
【0134】
すなわち、大当たり図柄X9が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、大当たり当選時の遊技状態にかかわらず、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この高確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続可能となる。
【0135】
一方、大当たり図柄X9が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定される。
これに伴って、大当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態及び高確率非時短遊技状態のいずれであっても、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される。
【0136】
すなわち、大当たり図柄X9が決定され、かつ連続高確設定回数が上限回数に到達した場合には、大当たり当選時の遊技状態にかかわらず、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この低確率時短遊技状態は大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで継続可能となる。そして、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されると、低確率遊技状態はそのままに時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより通常遊技状態が設定される。
【0137】
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出(特別図柄の変動表示)の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに、変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
【0138】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0139】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、テーブルA、テーブルB及びテーブルCを備えている(
図14参照)。
テーブルAは、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際に参照される変動パターンテーブル114である。テーブルBは、通常遊技状態中或いは高確率非時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて設定される時短回数14回の高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて設定される時短回数10000回の高確率時短遊技状態における1回目から所定回数目(本形態では14回目)までの変動、又は、連続高確設定回数が上限回数に到達し設定される低確率時短遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際に参照される変動パターンテーブル114である。テーブルCは、高確率非時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて設定される時短回数10000回の高確率時短遊技状態における所定回数目より後の変動、又は、高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて設定される時短回数10000回の高確率時短遊技状態において変動パターンコマンドを決定する際に参照される変動パターンテーブル114である。
【0140】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態や変動回数に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合には、当該時点における第1保留数が参照され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合には、当該時点における第2保留数が参照される。
【0141】
図14(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され(すなわち、当否抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が40秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「80秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0142】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「80秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0143】
大当たり図柄X1又はX2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合には、変動パターン乱数が0~249であったときに(変動パターン乱数がいずれの値であっても)「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A0H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合には、変動パターン乱数が0~249であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A4H」が決定される。
なお、大当たり図柄X1又はX2が決定され得るのは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合である(
図11(a)参照)。したがって、大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、現時点の第1保留数が参照される。
【0144】
大当たり図柄X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「80秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
【0145】
図14(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「80秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「80秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
【0146】
図14(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「0.5秒変動」の変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が0.5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定される。
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9が決定された場合には、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「0.5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A5H」が決定される。
【0147】
なお、本形態に係るパチンコ機Pが備える変動パターンテーブル114としては、上述の内容に限定されるものではない。
たとえば、遊技状態や変動回数に加え、遊技球が入球した始動入賞口(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)の種類ごとに定められた変動パターンテーブル114を設けるようにしてもよい。そして、変動パターンコマンド(変動パターン)を決定する場合には、当該時点の遊技状態、変動回数、遊技球が入球した始動入賞口に応じた変動パターンテーブル114を参照し、この変動パターンテーブル114に基づいて変動パターンコマンドを決定するようにしてもよい。
【0148】
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出及び特別図柄の変動表示の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は20秒、後半部分の変動時間は40秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値60秒(=20秒+40秒)が、変動演出全体及び特別図柄の変動表示全体の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「05H」、「A0H」、「A4H」、「A5H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体及び特別図柄の変動表示全体が実行されるようになっている。
【0149】
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。なお、後述するが、この特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(本形態では0.5秒)が経過するまで行われる。
【0150】
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0151】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル115に基づいて、行われる。
【0152】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0153】
当たり決定乱数判定テーブル115は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図15(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中、高確率非時短遊技状態中)、特別遊技中に参照される第1判定テーブル115aと、時短遊技状態中(すなわち、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中)に参照される第2判定テーブル115bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は、普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中であれば、第1判定テーブル115aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル115aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル115bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル115bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0154】
図15(a)に示すように、第1判定テーブル115aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル115aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、
図15(b)に示すように、第2判定テーブル115bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル115bにおいて当たりとなる確率は65500/65536(およそ99/100)となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0155】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル116及び可動片制御テーブル117を備えている。
【0156】
普通図柄変動パターン決定テーブル116は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル116に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図16に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、0.6秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0157】
また、可動片制御テーブル117は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、可動片制御テーブル117に定められた態様で開閉するようになっている。
【0158】
図17に示すように、遊技状態が非時短遊技状態又は特別遊技中の可動片16bの作動においては、可動片16bは1回のみ開放され、この1回の開放における開放時間が0.2秒に設定されている。すなわち、非時短遊技状態の場合又は特別遊技中は、可動片ソレノイド16cが通電制御されることにより、0.2秒開放した後に閉鎖するという態様で可動片16bが作動するようになっている。なお、特に図示していないが、可動片16bによる0.2秒の1回の開放が終了するまでに第2始動入賞口16に所定個数(本形態では10個)の遊技球が入球した場合には、その時点で可動片16bの作動が終了することとなる。
【0159】
また、遊技状態が時短遊技状態の場合の可動片16bの作動においては、可動片16bが2回開放されるとともに、1回の開放における開放時間が1.2秒、可動片16bが閉鎖してから次に可動片16bが開放されるまでの閉鎖時間(インターバル時間)が1秒に設定されている。すなわち、時短遊技状態の場合には、可動片ソレノイド16cが通電制御されることにより、1.2秒開放した後に1秒閉鎖するという開閉動作を2回繰り返すという態様で可動片16bが作動するようになっている。なお、特に図示していないが、可動片16bによる1.2秒の2回の開放が終了するまでに第2始動入賞口16に所定個数(10個)の遊技球が入球した場合には、その時点で可動片16bの作動が終了することとなる。
【0160】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。したがって、時短遊技状態中は非時短遊技状態中よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら当否抽選の機会を獲得できることとなる。
【0161】
なお、遊技状態が時短遊技状態の場合には、上述のように、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理として、第2判定テーブル115b(非時短遊技状態よりも当たりとなる確率が高く設定された当たり決定乱数判定テーブル115)による普通図柄の抽選、時短遊技状態用の変動時間(非時短遊技状態よりも短い変動時間)の決定、及び、時短遊技状態用の開放パターン(非時短遊技状態よりも総開放時間が長い開放パターン)による開放制御の全てが行われていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、上述の処理の少なくともいずれか1つが行われるようにしてもよい。
【0162】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
次に、本形態に係るパチンコ機Pの遊技性について、
図18の状態遷移図を参照して説明する。なお、
図18の状態遷移図では、通常遊技状態や高確率非時短遊技状態において、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが指示されているにもかかわらず第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出したことで、第2始動入賞口16へ遊技球が入球して大当たりに当選した場合や、高確率時短遊技状態や低確率時短遊技状態において、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが指示されているにもかかわらず第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出したことで、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりに当選した場合の遊技状態の設定(遷移)についても記載してあるが、以下では、設定中の遊技状態に応じて行われる、第1遊技領域12a又は第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しの指示に従って遊技を進行させた場合について説明を行う。また、以下では、工場出荷後やリセット後の初期状態において設定される通常遊技状態中に遊技者が遊技を開始したものとする。
【0163】
通常遊技状態においては連続高確設定回数が0回(上限回数に到達するまでの残りが7回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定される(
図11(a)参照)。
そして、通常遊技状態中に大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技(概ね28個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が高確率非時短遊技状態(高確回数は10000回)に設定され、通常遊技状態中に大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態(高確回数は10000回、時短回数は14回)に設定される(
図13(a)、
図18参照)。
【0164】
また、上述のように、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの当選により決定される大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)にはいずれも高確率非時短遊技状態又は高確率時短遊技状態(すなわち、高確率遊技状態)の設定が対応付けられているため、大当たりの当選(大当たり図柄の決定)ごとに連続高確設定回数が1回増加する。すなわち、連続高確設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが6回)となる。
【0165】
高確率非時短遊技状態中は、通常遊技状態中と同様に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定される(
図11(a)参照)。
そして、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数(7回)に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率非時短遊技状態(高確回数は10000回)に設定され、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図13(a)、
図18参照)。
また、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数はいずれも10000回)に設定され、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図13(b)、
図18参照)。
また、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態(高確回数は10000回、時短回数は14回)に設定され、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図13(c)、
図18参照)。
また、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数はいずれも10000回)に設定され、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態(時短回数は100回)に設定される(
図13(d)、
図18参照)。
【0166】
また、上述のように、高確率非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの当選により決定される大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)にはいずれも高確率非時短遊技状態又は高確率時短遊技状態の設定が対応付けられているため、大当たりの当選(大当たり図柄の決定)ごとに連続高確設定回数が1回増加する。
【0167】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態中における大当たりの当選確率はおよそ1/22.1、高確率遊技状態中における大当たりの当選確率はおよそ1/19.8に設定されていることから(
図10(a)及び(b)参照)、いずれの遊技状態であっても大当たりに当選する可能性が高い。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1が決定される確率が92.5%であるため(
図11(a)参照)、第1遊技領域12aへの遊技球の打ち出しが指示されている通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中には、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定される可能性が極めて高い。
すなわち、通常遊技状態中及び高確率非時短遊技状態中には、頻繁に大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定される可能性が高い。
【0168】
すると、通常遊技状態中に遊技者が遊技を開始した場合において、大当たりの当選に基づいて連続して大当たり図柄X1が決定されると、連続高確設定回数が上限回数(7回)に到達するまで、当該大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技の実行を介して高確率非時短遊技状態が繰り返し設定される。そして、高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X1の決定に基づき、連続高確設定回数が上限回数に到達すると、当該決定に基づく特別遊技を介して通常遊技状態が設定される。
すなわち、大当たり図柄X1が連続して決定されると、通常遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:1回))→1回目の高確率非時短遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:2回))→2回目の高確率非時短遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:3回))→3回目の高確率非時短遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:4回))→4回目の高確率非時短遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:5回))→5回目の高確率非時短遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:6回))→6回目の高確率非時短遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:7回))→通常遊技状態→(大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技(連続高確設定回数:1回))→高確率非時短遊技状態→・・・のように、特別遊技を介して通常遊技状態及び1回目~6回目の高確率非時短遊技状態が繰り返し設定されることとなる。
【0169】
そして、上述のように、通常遊技状態中に大当たり図柄X3、X4、X5或いはX6が決定された場合、又は、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3或いはX4が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数が10000回及び時短回数が14回に設定される(
図13(c)及び(d)、
図18参照)。
高確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X7、X8又はX9が決定される(
図11(b)参照)。
そして、高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7又はX8が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が再度、高確率時短遊技状態(高確回数は10000回)に設定され、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態(時短回数は23回)に設定される(
図13(e)、
図18参照)。
また、高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X9が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が再度、高確率時短遊技状態(高確回数は10000回)に設定され、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態(時短回数は100回)に設定される(
図13(f)、
図18参照)。
【0170】
また、上述のように、高確率時短遊技状態中における第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選により決定される大当たり図柄(X7、X8、X9)にはいずれも高確率時短遊技状態の設定が対応付けられているため、大当たりの当選(大当たり図柄の決定)ごとに連続高確設定回数が1回増加する。
【0171】
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定されると、連続高確設定回数が上限回数に到達していない限り、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数14回の高確率時短遊技状態が設定される。そして、この時短回数14回の高確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選すると、いずれの大当たり図柄(X7、X8、X9)が決定された場合にも、連続高確設定回数が上限回数に到達していない限り、当該決定に基づく特別遊技の終了後に再度、高確率時短遊技状態が設定された上で時短回数が10000回に設定されるようになっている。
ここで、上述のように、高確率遊技状態における大当たりの当選確率はおよそ1/19.8であるため、時短回数10000回の高確率時短遊技状態は、実質的に次の大当たりに当選するまで継続することとなる。すると、時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定された後は、連続高確設定回数が上限回数に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返されることとなる。
【0172】
そして、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される回数は、時短回数14回の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された時点の連続高確設定回数によって変化する。これにより、14回の高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定されてから連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されるまでの一連の期間において獲得可能な賞球の総数も変化するようになっている。
【0173】
以下、場合を分けて、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される回数、及び、上述の一連の期間において獲得可能な賞球の総数について具体的に説明する。
(1)通常遊技状態中に大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
通常遊技状態においては連続高確設定回数は0回であるため、大当たり図柄X3、X4、X5又はX6の決定により連続高確設定回数は1回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行された後、1回目の高確率時短遊技状態が設定される。
そして、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定により連続高確設定回数は2回となり、当該決定に基づく2回目の特別遊技が実行された後、2回目の高確率時短遊技状態が設定される。
その後、連続高確設定回数が上限回数である7回に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される。具体的には、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は3回)に基づく3回目の特別遊技の実行→3回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は4回)に基づく4回目の特別遊技の実行→4回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は5回)に基づく5回目の特別遊技の実行→5回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は6回)に基づく6回目の特別遊技の実行→6回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は7回)に基づく7回目の特別遊技の実行が行われることとなる。
すなわち、(1)の場合には、14回の高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定されてから連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されるまでの一連の期間においては、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~7回目の計6回の特別遊技が繰り返し実行され概ね1680個(280個×6回)の賞球を獲得できることとなる。そして、通常遊技状態における大当たり図柄X3、X4、X5又はX6の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね1960個の賞球を獲得可能となる。
【0174】
(2)1回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
1回目の高確率非時短遊技状態においては連続高確設定回数は1回であるため、大当たり図柄X3又はX4の決定により連続高確設定回数は2回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行された後、1回目の高確率時短遊技状態が設定される。
そして、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定により連続高確設定回数は3回となり、当該決定に基づく2回目の特別遊技が実行された後、2回目の高確率時短遊技状態が設定される。
その後、連続高確設定回数が上限回数である7回に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される。具体的には、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は4回)に基づく3回目の特別遊技の実行→3回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は5回)に基づく4回目の特別遊技の実行→4回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は6回)に基づく5回目の特別遊技の実行→5回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は7回)に基づく6回目の特別遊技の実行が行われることとなる。
すなわち、(2)の場合には、上述の一連の期間においては、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~6回目の計5回の特別遊技が繰り返し実行され概ね1400個(280個×5回)の賞球を獲得できることとなる。そして、1回目の高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね1680個の賞球を獲得可能となる。
【0175】
(3)2回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
2回目の高確率非時短遊技状態においては連続高確設定回数は2回であるため、大当たり図柄X3又はX4の決定により連続高確設定回数は3回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行された後、1回目の高確率時短遊技状態が設定される。
そして、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定により連続高確設定回数は4回となり、当該決定に基づく2回目の特別遊技が実行された後、2回目の高確率時短遊技状態が設定される。
その後、連続高確設定回数が上限回数である7回に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される。具体的には、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は5回)に基づく3回目の特別遊技の実行→3回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は6回)に基づく4回目の特別遊技の実行→4回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は7回)に基づく5回目の特別遊技の実行が行われることとなる。
すなわち、(3)の場合には、上述の一連の期間においては、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~5回目の計4回の特別遊技が繰り返し実行され概ね1120個(280個×4回)の賞球を獲得できることとなる。そして、2回目の高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね1400個の賞球を獲得可能となる。
【0176】
(4)3回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
3回目の高確率非時短遊技状態においては連続高確設定回数は3回であるため、大当たり図柄X3又はX4の決定により連続高確設定回数は4回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行された後、1回目の高確率時短遊技状態が設定される。
そして、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定により連続高確設定回数は5回となり、当該決定に基づく2回目の特別遊技が実行された後、2回目の高確率時短遊技状態が設定される。
その後、連続高確設定回数が上限回数である7回に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される。具体的には、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は6回)に基づく3回目の特別遊技の実行→3回目の高確率時短遊技状態の設定→大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は7回)に基づく4回目の特別遊技の実行が行われることとなる。
すなわち、(4)の場合には、上述の一連の期間においては、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~4回目の計3回の特別遊技が繰り返し実行され概ね840個(280個×3回)の賞球を獲得できることとなる。そして、3回目の高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね1120個の賞球を獲得可能となる。
【0177】
(5)4回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
4回目の高確率非時短遊技状態においては連続高確設定回数は4回であるため、大当たり図柄X3又はX4の決定により連続高確設定回数は5回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行された後、1回目の高確率時短遊技状態が設定される。
そして、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定により連続高確設定回数は6回となり、当該決定に基づく2回目の特別遊技が実行された後、2回目の高確率時短遊技状態が設定される。
その後、連続高確設定回数が上限回数である7回に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返される。具体的には、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定(連続高確設定回数は7回)に基づく3回目の特別遊技の実行が行われることとなる。
すなわち、(5)の場合には、上述の一連の期間においては、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~3回目の計2回の特別遊技が繰り返し実行され概ね560個(280個×2回)の賞球を獲得できることとなる。そして、4回目の高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね840個の賞球を獲得可能となる。
【0178】
(6)5回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
5回目の高確率非時短遊技状態においては連続高確設定回数は5回であるため、大当たり図柄X3又はX4の決定により連続高確設定回数は6回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行された後、1回目の高確率時短遊技状態が設定される。
そして、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定により連続高確設定回数は7回となり、当該決定に基づく2回目の特別遊技が実行される。
すなわち、(6)の場合には、14回の高確率時短遊技状態において大当たり図柄X7、X8又はX9が決定されると連続高確設定回数に到達するため、上述の一連の期間においては、1回の特別遊技(2回目の特別遊技のみ)が実行され概ね280個(280個×1回)の賞球を獲得できることとなる。そして、5回目の高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね560個の賞球を獲得可能となる。
【0179】
(7)6回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定された場合
6回目の高確率非時短遊技状態においては連続高確設定回数は6回であるため、大当たり図柄X3又はX4の決定により連続高確設定回数は7回となり、当該決定に基づく1回目の特別遊技が実行される。
すなわち、(7)の場合には、上述の一連の期間に滞在することなく、6回目の高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく1回目の特別遊技の実行に基づく賞球、すなわち、概ね280個の賞球を獲得可能となる。
【0180】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の1回目の高確率時短遊技状態(時短回数14回)中に大当たりに当選した後に設定される2回目~7回目の高確率時短遊技状態(時短回数10000回)では、当否抽選の結果が大当たり又はハズレのいずれであっても、特別図柄の変動表示(変動演出)の変動時間が0.5秒となっている(
図14(c)参照)。したがって、2回目以降は、特別遊技が終了してから次に大当たりに当選して特別遊技が開始されるまでの期間が短くなり、上述の一連の期間中は、間をあまり空けることなく特別遊技が連続して実行されることとなる。
これにより、上述の一連の期間においては、まるで出玉の異なる1の特別遊技が実行されているような印象を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0181】
また、通常遊技状態中又は1回目~5回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定されたものの、当該決定に基づく特別遊技の終了後に設定された時短回数14回の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選しなかった場合には、当該大当たり図柄の決定に基づく1回目の特別遊技が実行されるのみで、当該高確率時短遊技状態の終了後に高確率非時短遊技状態へ移行する(
図18参照)。
すなわち、通常遊技状態又は1回目~5回目の高確率非時短遊技状態から大当たり図柄X3又はX4の決定に基づく特別遊技の実行を介して高確率時短遊技状態へ移行したものの、当該高確率時短遊技状態中に大当たりに当選せず高確率非時短遊技状態へ移行した場合には、大当たり図柄X3又はX4が決定されてから高確率時短遊技状態が終了するまでの期間において、1回の特別遊技が実行され概ね280個(280個×1回)の賞球を獲得できることとなる。
【0182】
なお、上述の如く、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく特別遊技(概ね28個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数が10000回に設定される(
図11(a)、
図13(b)参照)。同様に、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していなければ、当該決定に基づく1回目の特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数が10000回に設定される(
図11(d)、
図13(b)参照)。
すなわち、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2、X5又はX6が決定された場合には、大当たり図柄X3又はX4が決定された場合のように時短回数14回の高確率時短遊技状態中における大当たりの当選(特別遊技の実行)を経由せずに、直接、時短回数10000回の高確率時短遊技状態へ移行し、その後、連続高確設定回数が上限回数に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返されることとなる。
【0183】
そして、上述のように、高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合、連続高確設定回数が上限回数に到達していれば、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、時短回数が23回(大当たり図柄X7又はX8が決定された場合)又は100回(大当たり図柄X9が決定された場合)に設定される(
図13(e)及び(f)、
図18参照)。
また、低確率時短遊技状態に設定されることで、連続高確設定回数はリセットされ0回となる。
低確率時短遊技状態中は、高確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X7、X8又はX9が決定される(
図11(b)参照)。
そして、低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能)の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数はいずれも10000回)に設定される(
図13(e)及び(f)参照)。
【0184】
すなわち、低確率時短遊技状態は、時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されてから連続高確設定回数が上限回数に到達するまでの期間が終了した後に設定されるが、この低確率時短遊技状態中に大当たりに当選すると、いずれの大当たり図柄(X7、X8、X9)が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定された上で時短回数が10000回に設定される。
したがって、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選すると(いわゆる引き戻しがなされると)、再度、連続高確設定回数が上限回数に到達するまで、特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定が繰り返されることとなる。
なお、低確率時短遊技状態では連続高確設定回数が0回となることから、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選してから連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されるまでの期間において繰り返される特別遊技の実行及び高確率時短遊技状態の設定は、上述の(1)の場合と同様となる。すなわち、当該期間においては、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~7回目の計6回の特別遊技が繰り返し実行され概ね1680個(280個×6回)の賞球を獲得でき、低確率時短遊技状態における大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく1回目の特別遊技で獲得できる賞球(280個)を含め概ね1960個の賞球を獲得可能となる。
【0185】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X3或いはX4の決定に基づく時短回数14回の高確率時短遊技状態が設定されるか、又は、高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X2、X5或いはX6の決定に基づく時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されるまでは、大当たり図柄X1又はX2の決定及び特別遊技の実行を介して、通常遊技状態→1回目の高確率非時短遊技状態→2回目の高確率非時短遊技状態→3回目の高確率非時短遊技状態→4回目の高確率非時短遊技状態→5回目の高確率非時短遊技状態→6回目の高確率非時短遊技状態→通常遊技状態・・・という遊技状態の遷移を繰り返すようになっている。また、この遊技状態の遷移を繰り返している間は、連続高確設定回数が0回~7回の間で変化する。
そして、時短回数14回の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8或いはX9が決定されるか、又は、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2、X5或いはX6が決定されることにより、時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されると、連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されるまでの期間において、高確率時短遊技状態を介して繰り返し特別遊技が実行されるようになっている、また、当該期間中に実行される特別遊技の回数は、時短回数10000回の高確率時短遊技状態の設定の契機となった大当たり図柄が決定された際の連続高確回数によって変化することとなる。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定された際の連続高確設定回数に応じて、当該高確率時短遊技状態が設定されてから低確率時短遊技状態が設定されるまでの期間において実行される特別遊技の回数が変化し、これにより、当該期間において遊技者が獲得可能な賞球の総数も変化するため、斬新な遊技感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0186】
(外部情報(外部信号)の出力)
本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101は、パチンコ機Pの外部に設置された装置であって遊技に関する情報の管理や表示が可能な外部装置(たとえば、ホールコンピュータや、特別遊技の実行回数、特別図柄の変動表示の回数(特別図柄の変動回数)、特別遊技の実行中や時短遊技状態中である旨等を表示可能な外部表示装置等)に対して、所定の外部情報(以下、外部信号ともいう)を出力できるようになっている。
【0187】
本形態に係るパチンコ機Pでは、出力可能な外部情報として、パチンコ機Pにおいて特別遊技が実行されていると外部装置に認識させるための大当たり情報(以下、大当たり信号ともいう)が設けられている。
なお、出力可能な外部情報としては、大当たり情報に限定されるものではなく、パチンコ機Pにおいて特別図柄の変動表示が実行されたと外部装置に認識させるための変動情報(変動信号)や、パチンコ機Pにおいて所定の時短遊技状態(高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態)が設定されていると外部装置に認識させるための時短情報(時短信号)等を設けてもよい。
【0188】
以下、場合を分けて、外部情報の出力を具体的に説明する。
(A)通常遊技状態中に大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定された場合、及び、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X5又はX6が決定された場合
この場合、メインCPU101は、上述の大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の開始から終了までの間、上述の大当たり情報を外部装置に出力する(すなわち、当該特別遊技の開始時に大当たり情報の出力を開始し、当該特別遊技の終了時に大当たり情報の出力を終了する)。
すなわち、(A)の場合には、上述の1回目の特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ、時短回数14回の高確率時短遊技状態又は1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の開始から、当該特別遊技の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力される。
【0189】
そして、(A)の場合においては、上述の1回目の特別遊技の開始から終了までの間、大当たり情報が外部装置に出力されることにより、外部装置においては、上述の1回目の特別遊技の開始から終了までを1回の特別遊技として認識することが可能となる。したがって、1回目の特別遊技の開始から終了までの間は、外部表示装置においては一の特別遊技の実行中である旨の報知を行うことができ、ホールコンピュータにおいては一の特別遊技の実行中であると把握することができる。また、上述の1回目の特別遊技の開始に伴って大当たり情報の出力が開始されること(又は、上述の1回目の特別遊技の終了に伴って大当たり情報の出力が終了すること)に基づき、外部表示装置において特別遊技の実行回数が表示されている場合には、表示中の特別遊技の実行回数が1カウントアップされ、ホールコンピュータにおいて特別遊技の実行回数が記憶(管理)されている場合には、記憶されている特別遊技の実行回数が1カウントアップされることとなる。
【0190】
(B)時短回数14回の高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
この場合、メインCPU101は、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから連続高確設定回数が上限回数に到達する契機となった大当たり図柄の決定に基づく特別遊技が終了するまでの間、大当たり情報を外部装置に出力する。
すなわち、(B)の場合には、上述の2回目の特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の開始から、連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ低確率時短遊技状態が設定される契機となる特別遊技)の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力される。したがって、この間において、高確率時短遊技状態を介して複数回の特別遊技が実行されるときには、1の特別遊技が終了し次の特別遊技が開始されるまでの間に設定される高確率時短遊技状態中も途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力されることとなる。
【0191】
そして、(B)の場合においては、上述の2回目の特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでの間、途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力されることにより、外部装置においては、上述の2回目の特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでを1回の特別遊技として認識することが可能となる。すなわち、上述の間において複数回の特別遊技が実行される場合であっても、外部装置では1回の特別遊技が実行されたものと認識されることとなる。したがって、上述の2回目の特別遊技の開始から上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでの間は、外部表示装置においては一の特別遊技の実行中である旨の報知を行うことができ、ホールコンピュータにおいては一の特別遊技の実行中であると把握することができる。また、上述の2回目の特別遊技の開始に伴って大当たり情報の出力が開始されること(又は、上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技の終了に伴って大当たり情報の出力が終了されること)に基づき、外部表示装置において特別遊技の実行回数が表示されている場合には、表示中の特別遊技の実行回数が1カウントアップされ、ホールコンピュータにおいて特別遊技の実行回数が記憶(管理)されている場合には、記憶されている特別遊技の実行回数が1カウントアップされることとなる。
【0192】
たとえば、上述の(1)の場合(通常遊技状態中に大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合)には、連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されるまでに、高確率時短遊技状態を介しつつ2回目~7回目の特別遊技が実行されることから、2回目の特別遊技が開始されてから7回目の特別遊技が終了するまでの間、途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力される。そして、外部装置では、2回目の特別遊技の開始から7回目の特別遊技の終了までを、1回の特別遊技として認識する。
また、たとえば、上述の(6)の場合(5回目の高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合)には、2回目の特別遊技が終了すると低確率時短遊技状態が設定されることから、2回目の特別遊技が開始されてから当該特別遊技が終了するまでの間、大当たり情報が外部装置に出力される。そして、外部装置では、2回目の特別遊技の開始から終了までを、1回の特別遊技として認識する。
【0193】
(C)高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X5又はX6の決定に基づき時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定された後、当該高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
この場合には(B)と同様に、メインCPU101は、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから連続高確設定回数が上限回数に到達する契機となった大当たり図柄の決定に基づく特別遊技が終了するまでの間、大当たり情報を外部装置に出力する。
すなわち、(C)の場合には、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ2回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の開始から、連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力される。
【0194】
そして、(C)の場合においても、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでの間、途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力されることにより、外部装置においては、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでを1回の特別遊技として認識することが可能となる。したがって、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技の開始から上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでの間は、外部表示装置においては一の特別遊技の実行中である旨の報知を行うことができ、ホールコンピュータにおいては一の特別遊技の実行中であると把握することができる。また、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技の開始に伴って大当たり情報の出力が開始されること(又は、上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技の終了に伴って大当たり情報の出力が終了されること)に基づき、外部表示装置において特別遊技の実行回数が表示されている場合には、表示中の特別遊技の実行回数が1カウントアップされ、ホールコンピュータにおいて特別遊技の実行回数が記憶(管理)されている場合には、記憶されている特別遊技の実行回数が1カウントアップされることとなる。
【0195】
(D)低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合
この場合には(C)と同様に、メインCPU101は、大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから連続高確設定回数が上限回数に到達する契機となった大当たり図柄の決定に基づく特別遊技が終了するまでの間、大当たり情報を外部装置に出力する。
すなわち、(D)の場合にも、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の開始から、連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力される。
【0196】
そして、(D)の場合においても、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでの間、途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力されることにより、外部装置においては、上述の大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでを1回の特別遊技として認識することが可能となる。
具体的には、(D)の場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されるまでに、高確率時短遊技状態を介しつつ1回目~7回目の特別遊技が実行されることから、1回目の特別遊技が開始されてから7回目の特別遊技が終了するまでの間、途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力される。そして、外部装置では、1回目の特別遊技の開始から7回目の特別遊技の終了までを、1回の特別遊技として認識する。
なお、外部装置における処理は(C)の場合と同様であるため、説明を割愛する。
【0197】
(E)通常遊技状態中に大当たり図柄X1又はX2が決定された場合、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定された場合、及び、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2が決定され連続高確設定回数が上限回数に到達した場合
この場合、上述の大当たり図柄の決定に基づく特別遊技(概ね28個の賞球を獲得可能であって、かつ通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)が実行されるものの、メインCPU101は、当該特別遊技の実行中は大当たり情報を外部装置に出力しない。
そして、(E)の場合においては、上述の特別遊技の実行に基づいて大当たり情報が外部装置に出力されないことにより、外部装置においては上述の特別遊技の実行が認識されない。したがって、パチンコ機Pにおいて上述の特別遊技が実行されても、外部表示装置においては一の特別遊技の実行中である旨の報知を行わず、ホールコンピュータにおいては一の特別遊技の実行中であると把握しない。また、外部表示装置において特別遊技の実行回数が表示されている場合であっても、表示中の特別遊技の実行回数が1カウントアップされることはなく、ホールコンピュータにおいて特別遊技の実行回数が記憶(管理)されている場合であっても、記憶されている特別遊技の実行回数が1カウントアップされることはない。
【0198】
(F)高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2が決定され連続高確設定回数が上限回数に到達していなかった場合
この場合、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技は、(E)と同様に概ね28個の賞球を獲得可能であるが、(E)と異なり1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態の設定の契機となるものである。
そして、この場合には(C)と同様に、メインCPU101は、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が開始されてから連続高確設定回数が上限回数に到達する契機となった大当たり図柄の決定に基づく特別遊技が終了するまでの間、大当たり情報を外部装置に出力する。
すなわち、(F)の場合には、上述の大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技の開始から、連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技(概ね280個の賞球を獲得可能であって、かつ低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技)の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力される。
【0199】
そして、(F)の場合においても、上述の大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでの間、途切れることなく大当たり情報が外部装置に出力されることにより、外部装置においては、上述の大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が開始されてから上述の連続高確設定回数が上限回数に到達した際に実行される特別遊技が終了するまでを1回の特別遊技として認識することが可能となる。
なお、外部装置における処理は(C)の場合と同様であるため、説明を割愛する。
【0200】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短回数14回の高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合や、高確率非時短遊技状態中の大当たり図柄X5又はX6の決定に基く1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態中に大当たり図柄X7、X8又はX9が決定された場合には、当該大当たり図柄X7、X8又はX9の決定に基づく特別遊技の開始から、連続高確設定回数が上限回数に到達する契機となった大当たり図柄の決定に基づく特別遊技が終了するまでの間において継続して大当たり情報を出力可能であり、上述の間において複数回の高確率時短遊技状態が設定される場合には、この複数回の高確率時短遊技状態に跨って大当たり情報を出力可能となっている。
これにより、パチンコ機Pの仕様が、複数回の特別遊技をまとめて1回の特別遊技が実行されたものとみなして遊技や演出を進行させるようなものであった場合にも、外部装置において、当該パチンコ機Pの仕様とリンクした各種情報の報知(特別遊技の実行回数の表示、特別遊技の実行中の報知等)を実行させることが可能となる。そして、パチンコ機Pの仕様と外部装置における各種情報の報知とがリンクしていることから、遊技を行っている遊技者に対して矛盾を感じさせることを防止することができ、ひいては遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0201】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図19のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0202】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0203】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0204】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図20のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0205】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0206】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0207】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、扉枠3a(前扉3)の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0208】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、第1大入賞口検出センサ173、第2大入賞口検出センサ183からの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。また、メインCPU101は、入球した入賞口の種別及び払い出された賞球の個数を示す賞球コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、遊技球が入球した入賞口及び払い出された賞球の個数が副制御基板300に伝達されることとなる。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための可動片ソレノイドデータ、第1大入賞口171又は第2大入賞口181の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0209】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データを出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、次のステップ209に進む。
ステップ209において、メインCPU101は、外部装置に対する外部情報の出力を制御する外部情報出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0210】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づくゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づく第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づく第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0211】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0212】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶する。そして、ゲート検出時処理を終了する。
【0213】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0214】
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0215】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0216】
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0217】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0218】
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0219】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
【0220】
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0221】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0222】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0223】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0224】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、当否抽選の実行回数(特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
【0225】
ステップ806において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当否乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当否乱数とに基づいて、当否抽選の結果を導出する当否判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選又はハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6)又はハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選又はハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X7、X8又はX9)又はハズレ図柄の種別(Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0226】
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンド(変動パターン)を決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
【0227】
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0228】
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0229】
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1保留数、第2保留数)、現時点の遊技状態、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した内容に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ902に進む。
【0230】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0231】
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0232】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
【0233】
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
【0234】
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間(0.5秒)を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0235】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0236】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0237】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわちハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0238】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0239】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいてメインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1又はX2であればラウンド数として「2」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3、X4、X5、X6、X7、X8又はX9であればラウンド数として「10」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0240】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認した上で、当該遊技状態及び停止表示されたハズレ図柄の種別(Z1又はZ2)を副制御基板300に伝達するための遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0241】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0242】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0243】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、第1大入賞口171又は第2大入賞口181の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0244】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0245】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0246】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0247】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0248】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0249】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、連続高確設定回数カウンタのカウント値を1インクリメントする。そして、次のステップ1302に進む。
【0250】
ステップ1302において、メインCPU101は、連続高確設定回数カウンタのカウント値が上限回数(7回)に到達したか否かを判定する。そして、上限回数に到達していないと判定した場合、ステップ1305に進む。一方、上限回数に到達したと判定した場合、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。そして、次のステップ1304に進む。
【0251】
ステップ1304において、メインCPU101は、連続高確設定回数カウンタのカウント値をクリア(リセット)する。これにより、連続高確設定回数カウンタのカウント値が0となる。そして、ステップ1306に進む。
また、上述のステップ1302で連続高確設定回数カウンタのカウント値が上限回数に到達していないと判定した場合に進むステップ1305において、メインCPU101は、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、次のステップ1306に進む。
【0252】
ステップ1306において、メインCPU101は、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかを設定する時短・非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選時の遊技状態及び決定された大当たり図柄の種類に応じて、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかを設定する。非時短遊技状態を設定する場合には時短遊技フラグをオフにし、時短遊技状態を設定する場合には時短遊技フラグをオンにする。また、時短遊技状態が設定された場合には、大当たり当選時の遊技状態及び決定された大当たり図柄の種類に応じた時短回数をセットする。そして、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1308に進む。
【0253】
ステップ1308において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0254】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0255】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0256】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0257】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル115(第1判定テーブル115a又は第2判定テーブル115bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中又は特別遊技中である場合には第1判定テーブル115aを参照し、時短遊技状態中である場合には第2判定テーブル115bを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0258】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0259】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態が非時短遊技状態、時短遊技状態又は特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル116を参照して、現時点のパチンコ機Pの状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中又は特別遊技中である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態中である場合には、普図変動時間タイマカウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0260】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態を変動開始時のパチンコ機Pの状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0261】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0262】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間(本形態では0.5秒)を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0263】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0264】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0265】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0266】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0267】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動中であるか否かを判定する。そして、可動片16bが作動中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0268】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時のパチンコ機Pの状態が、非時短遊技状態中、時短遊技状態中又は特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、可動片制御テーブル117を参照し、上述のステップ1802で確認したパチンコ機Pの状態に応じて、可動片ソレノイド16cの制御データとして、可動片16bの開放回数、可動片16bの1開放あたりの開放時間、インターバル時間を取得しセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0269】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、可動片16bの開放時間が経過したか又は否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0270】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0271】
次に、上述したステップ209の外部情報出力制御処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1900において、メインCPU101は、大当たり情報の出力中であるか否かを判定する。そして、出力中であると判定した場合、ステップ1903に進む。一方、出力中でないと判定した場合、次のステップ1901に進む。
ステップ1901において、メインCPU101は、大当たり情報の出力開始時点(上述の(A)~(D)及び(F)の特別遊技開始時点)であるか否かを判定する。そして、出力開始時点でないと判定した場合、外部情報出力制御処理を終了する。一方、出力開始時点であると判定した場合、次のステップ1902に進む。
【0272】
ステップ1902において、メインCPU101は、大当たり情報の出力を開始する。そして、外部情報出力制御処理を終了する。
また、上述のステップ1900で大当たり情報は出力中であると判定した場合に進むステップ1903において、メインCPU101は、大当たり情報の出力終了時点(上述の(A)~(D)及び(F)の特別遊技終了時点)であるか否かを判定する。そして、出力終了時点でないと判定した場合、外部情報出力制御処理を終了する。一方、出力終了時点であると判定した場合、次のステップ1904に進む。
【0273】
ステップ1904において、メインCPU101は、大当たり情報の出力を終了する。そして、外部情報出力制御処理を終了する。
【0274】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
【0275】
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により当否抽選の結果を報知し得る変動演出が実行される。
この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
【0276】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(
図38(a)及び(b)、
図39(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄もという)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄もという)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄ともいう)という順番で停止表示される(
図38(c)~(e)、
図39(c)~(e)参照)。
【0277】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中、高確率非時短遊技状態中は、演出表示装置21の表示部21aの中央で上述の演出図柄50の変動表示が行われる(
図38、
図39参照)
そして、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の当否抽選の結果が大当たりの当選であって、かつ大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図39(e)、
図40(b)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果が大当たりの当選であることが報知される。
【0278】
これに対して、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の当否抽選の結果がハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図38(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果がハズレであることが示される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の当否抽選の結果が大当たりの当選であって、かつ大当たり図柄X1又はX2が決定された場合にも、当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されるようになっている(
図43(b)及び(d)参照)。すなわち、この場合には、当否抽選の結果は大当たりの当選であるものの、遊技者に対しては当否抽選の結果がハズレであると認識させるようにしている。
【0279】
そして、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の当否抽選の結果が大当たりの当選であって、かつ大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示された後に、特別遊技が実行される旨を報知する特別遊技実行報知A(本形態では、「チャレンジBONUS!」という画像の表示)が実行される(
図40(c)参照)。
なお、特別遊技実行報知Aが実行された上で特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後に、特別図柄の変動表示の回数が所定回数に到達するまでに大当たりの当選を目指すという遊技が実行される旨の印象を与える後述の特定状態突入演出が実行される。そのため、特別遊技実行報知Aの実行により、特別遊技の終了後に上述のような遊技が実行されるとの印象を遊技者に対して抱かせることができるようになっている。
【0280】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数14回の高確率時短遊技状態が設定され、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数14回の高確率時短遊技状態(連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合)又は低確率時短遊技状態(連続高確設定回数が上限回数に到達した場合)が設定され、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態(連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合)又は低確率時短遊技状態(連続高確設定回数が上限回数に到達した場合)が設定される(
図13(c)~(d)参照)。そして、いずれの場合であっても、特別遊技実行報知Aが実行されるようになっている。
したがって、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選し、大当たり図柄X3、X4、X5又はX6が決定された場合には、同様の態様(特別遊技実行報知A)にて特別遊技が実行される旨の報知が行われることとなる。また、いずれの場合に実行される特別遊技においても10ラウンドのラウンド遊技が実行される(
図12(b)参照)。さらに、上述のいずれの特別遊技においても、特別遊技を盛り上げるための特別遊技中演出や第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を報知する右打ち報知(本形態では、「→→→右打ち」という画像の表示)が行われるが(
図40(d)参照)、いずれも同様の態様により実行される。そのため、特別遊技が実行される旨の報知、特別遊技の実行態様や演出態様によっては、当該特別遊技の終了後に設定される遊技状態を認識することができず、特別遊技終了後に設定される遊技状態に対する期待感を煽ることができるとともに、上述のように、特別図柄の変動表示の回数が所定回数に到達するまでに大当たりの当選を目指す遊技が実行されるとの印象を遊技者に与えることができるようになっている。
なお、特に図示していないが、通常遊技状態中及び高確率非時短遊技状態中はいずれも、同じ背景画像や同じ態様での変動演出が実行されるようになっており、演出の見た目からは通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれが設定されているのかを把握することができない。すなわち、いずれの遊技状態において大当たりに当選したのかも把握することができないようになっている。
【0281】
そして、上述の特別遊技が終了すると、特別図柄の変動表示の回数が所定回数(本形態では、14回)に到達するまでに大当たりの当選を目指すという遊技が実行されている印象を与えるための特定状態突入演出が実行される(
図40(e)参照)。
この特定状態突入演出では、特別図柄の変動表示の回数が所定回数に到達するまでに大当たりの当選を目指すという遊技が開始された旨の印象を与える示唆画像(本形態では、「チャレンジゾーン突入!」という画像)の表示、及び右打ち報知が行われるとともに、所定回数のカウントダウン表示が開始される(
図40(e)参照)。
【0282】
上述したように、上述の特別遊技の終了後には、時短回数14回の高確率時短遊技状態、1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態のいずれかが設定されるものの、いずれの遊技状態が設定された場合であっても、上述の特定状態突入演出が実行されるようになっている。
このようにしたことで、いずれの遊技状態が設定された場合であっても、まるで時短回数14回の高確率時短遊技状態が設定され、この時短回数14回の高確率時短遊技状態中に大当たりに当選させ、最も有利度の高い遊技状態である時短回数10000回の高確率時短遊技状態の設定を目指すという遊技が実行されるとの印象を遊技者に対して与えることができ、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
【0283】
その後、特別図柄の変動表示が行われるごとに、所定回数のカウントダウン表示が進行する(
図40(f)参照)。そして、時短回数14回の高確率時短遊技状態又は1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されていた場合において、特別図柄の変動表示が14回行われるまでに大当たりに当選すると、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示された後に、特別遊技が実行される旨を報知する特別遊技実行報知B(本形態では、「レベルアップBONUS!レベル1」という画像の表示)が実行される(
図40(g)~(h)参照)。
特別遊技の実行中は特別遊技演出が実行され(
図40(i)参照)、特別遊技が終了すると、連続高確設定回数が上限回数に非到達の場合には、時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されるとともに、特別遊技の実行が継続しているような印象を与える継続示唆画像(本形態では、「レベルアップBONUS 継続!」という画像)が表示される。この時短回数10000回の高確率時短遊技状態中は、演出表示装置21の表示部21aの左下隅において小さいサイズの演出図柄50による変動表示が実行される(
図40(i)等参照)。
そして、次に大当たりに当選すると、表示部21aの左下隅において全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示された後に、新たに特別遊技が実行される旨を報知する特別遊技実行報知Cが実行される(
図41(a)参照)。この特別遊技実行報知Cでは、継続中の特別遊技が再開されるような印象を与える再開示唆画像(本形態では、「レベルアップ!レベル2」という画像)が表示される(
図41(b)参照)。
その後は、上述と同様に、特別遊技の実行中は特別遊技演出が実行され(
図41(c)参照)、連続高確設定回数が上限回数に到達するまで時短回数10000回の高確率時短遊技状態及び特別遊技の実行に伴って、継続示唆画像及び再開示唆画像の表示が行われる。そして、連続高確設定回数が上限回数に到達すると、特別遊技の終了後に、継続していた特別遊技が終了したような印象を与える終了示唆画像(本形態では、「レベルアップBONUS終了」という画像)が表示されるとともに、特別遊技実行報知Aの実行契機となった特別遊技から特別遊技実行報知Cの実行契機となった特別遊技までの特別遊技の実行回数及び賞球の獲得総数を報知する結果報知画像が表示される(
図41(c)参照)。
上述のような演出が実行されることにより、遊技者に対して、特別遊技実行報知Bの実行契機となった特別遊技が開始されてから特別遊技実行報知Cの実行契機となった特別遊技が終了するまでを、1回の特別遊技の実行であるように印象付けることができ、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
【0284】
そして、連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定されると、上述の終了示唆画像及び結果報知画像が表示された後に、低確率時短遊技状態が設定された旨を報知する低確報知画像(本形態では、「リベンジゾーン突入!」という画像)が表示及び右打ち報知が行われるとともに、所定回数(本形態では23回又は100回)のカウントダウン表示が開始される(
図41(d)参照)。
その後、特別図柄の変動表示が行われるごとに、所定回数のカウントダウン表示が進行する(
図41(f)参照)。そして、特別図柄の変動表示が所定回数行われるまでに大当たりに当選すると、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示された後に、低確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技が実行される旨を報知する特別遊技実行報知D(本形態では、「マックスレベルBONUS!レベル1」という画像の表示)が実行される(
図41(g)参照)。
その後は、連続高確設定回数が上限回数に至るまで(時短回数10000回の高確率時短遊技状態を介して7回の特別遊技が実行されるまで)継続示唆画像及び再開示唆画像の表示が繰り返し実行されることとなる。
なお、上述の特定状態突入演出が実行された際に低確率時短遊技状態が設定されていた場合において、特別図柄の変動表示が14回行われるまでに大当たりに当選したときにも、上述と同様に、特別遊技実行報知Dの実行が行われ、その後、連続高確設定回数が上限回数に至るまで継続示唆画像及び再開示唆画像の表示が繰り返し実行される。
【0285】
また、上述の特定状態突入演出が実行された際に1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されていた場合において、特別図柄の変動表示が14回行われるまでに大当たりに当選しなかったときには、14回目の特別図柄の変動表示が終了した際に、時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定されていた旨を報知する高確設定報知画像(本形態では、「レベルアップBONUS 昇格!」という画像)が表示された後、継続示唆画像が表示される(
図42(a)~(e)参照)。
その後は、連続高確設定回数が上限回数に至るまで継続示唆画像及び再開示唆画像の表示が繰り返し実行されることとなる。
【0286】
また、上述のように、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の当否抽選の結果が大当たりの当選であって、かつ大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、当否抽選の結果がハズレであった場合と同様の態様で演出図柄50が停止表示される(
図43(b)及び(d)参照)。そして、演出図柄50の停止表示後に特別遊技が実行されるが、この特別遊技の実行中は、第1大入賞口171へ遊技球を入球される旨を指示する入球指示画像(本形態では、「アタッカーを狙って!」という画像)が表示される(
図43(b)及び(d)参照)。
【0287】
ここで、上述のように、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X2が決定された場合には、連続高確設定回数が上限回数に到達していない限り、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定される(
図13(b)参照)。そして、この場合には、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了時に、上述の高確設定報知画像が表示された後、継続示唆画像が表示される(
図43(e)及び(f)参照)。
その後は、連続高確設定回数が上限回数に至るまで継続示唆画像及び再開示唆画像の表示が繰り返し実行されることとなる。
【0288】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31における特別図柄の停止表示とほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で当否抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0289】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターン(
図39(d)参照)が設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
【0290】
上述の各演出においては、画像の表示のみならず、所定の音声を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0291】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で変動演出乱数を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンド及び取得された変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。
【0292】
(変形例)
上述の実施の形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄の種別に応じた遊技状態が特別遊技の終了後に設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、特別遊技中の遊技結果に応じた遊技状態が特別遊技の終了後に設定されるようにしてもよい。
具体的には、第1大入賞口171や第2大入賞口181の内部に遊技球が進入可能な特別領域を設け、特別遊技中に所定個数(たとえば1個)の遊技球が特別領域に進入した場合に、当該特別遊技の終了後に高確率遊技状態が設定されるようにしてもよい。そして、このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様に、上述のような遊技結果(特別領域に所定個数の遊技球が進入)となった特別遊技が連続して所定の上限回数実行されたときには、当該特別遊技の終了後に強制的に低確率遊技状態が設定されるようにして、上述の実施の形態と同様の遊技、演出、大当たり情報の出力に関する制御を実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、特別遊技中の遊技の興趣を高めることができる。
【0293】
また、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの大当たり図柄が決定された場合にも当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、複数の大当たり図柄のうちの特定の大当たり図柄が決定された場合にのみ当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0294】
また、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pでは、連続成立回数の上限回数は予め定められた回数(7回)となっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、1回目の高確率遊技状態の設定契機となった大当たり当選時に決定された大当たり図柄の種類に応じて、異なる上限回数が設定されるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、通常遊技状態中の当否抽選により大当たりに当選した場合において、大当たり図柄X1又はX2が決定されたときには上述の上限回数が3回に設定され、大当たり図柄X3又はX5が決定されたときには上述の上限回数が5回に設定され、大当たり図柄X4又はX6が決定されたときには上述の上限回数が7回に設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、連続して高確率遊技状態が設定される回数のバリエーションが豊富となるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0295】
また、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pでは、高確率非時短遊技状態中に大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の開始から終了までの間、大当たり情報が外部装置に出力され、当該特別遊技の終了後に1回目の時短回数10000回の高確率時短遊技状態が設定された場合には、この高確率時短遊技状態中は大当たり情報が出力されず、この高確率時短遊技状態中に大当たりに当選すると、当該当選に基づく特別遊技の開始から連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力されるようになっていたが、大当たり情報の出力の態様としてはこれに限定されるものではない。
たとえば、高確率非時短遊技状態中における大当たり図柄X5又はX6の決定に基づく特別遊技の開始から連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態の設定の契機となる特別遊技の終了までの間、継続して大当たり情報が外部装置に出力されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0296】
また、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の開始に伴って大当たり情報の出力を開始し、特別遊技の終了に伴って大当たり情報の出力を終了するようになっていたが、出力の開始や終了のタイミングはこれに限定されるものではない。
たとえば、特別遊技の実行の契機となる大当たり図柄の変動表示が終了し当該大当たり図柄が停止表示された時点、特別遊技中の1ラウンド目のラウンド遊技が開始された時点等から、大当たり情報の出力を開始するようにしてもよい。また、特別遊技が終了し次の特別図柄の変動表示が開始された時点、特別遊技中の最後のラウンド遊技が終了した時点等で、大当たり情報の出力を終了するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏することとなる。
【0297】
また、上述の実施の形態に係るパチンコ機Pでは、連続高確設定回数の上限回数を設けることで高確率遊技状態の連続的な設定に関し制限が課せられるようになっていたが、時短遊技状態の連続的な設定に関しても、同様の制限を課すようにしてもよい。
たとえば、非時短遊技状態において時短遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され時短遊技状態へ移行した後、非時短遊技状態へ移行することなく連続して上述の大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(連続時短設定回数)が予め定められた上限回数に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、非時短遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が連続して上限回数決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、時短遊技状態の設定が対応付けられているものの強制的に非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。そして、このようにした場合にも、矛盾の無い範囲で上述の実施の形態と同様の遊技、演出、大当たり情報の出力に関する制御を適用するようにしてもよい。
【0298】
また、上述の実施の形態における扉枠3aやレール13a、13bの構造は下記のようにしてもよい。
前扉3は、正面中央に開口部を備えた扉枠(特に図示しておらず)と、扉枠3aの開口部を覆いかつ前後に配置された2枚の透明板4a、4bとから構成されている(
図55参照)。また、この前扉3には、上述の実施の形態と同様の構成部品(上皿6、受皿7、操作ハンドル5、スピーカ等)が設けられている他、扉枠3aの上部(前扉3の上部)には、たとえば、パチンコ機Pのタイトルロゴやモチーフ等を模した立体物等、所定形状の意匠を構成する装飾部610が設けられている(
図44参照)。
【0299】
装飾部610は、扉枠3aの上部から正面側に張り出した側断面視略台形の庇状部材であり、大別して、装飾部610の正面を構成する正面板611と、装飾部610の上面を構成する天板612と、装飾部610の下面を構成する底板613とから構成されている(
図44参照)。
また、底板613は、最も背面側に位置し正面側の端部近傍において下方に向けて凸となるように湾曲した曲面613aと、曲面613aにおける正面側の端部から下方に立設する立設面613bと、立設面613bの下端から正面方向へ向けて次第に低くなるように傾斜する傾斜面613cと、傾斜面613cの正面側の端部において正面板611と連接する水平面613dとから構成されている(
図44参照)。この底板613は、曲面613a、立設面613b、傾斜面613c、水平面613dの順に、正面方向へ向けて次第に高さ位置が概ね低くなるように形成されている(
図44参照)。
【0300】
遊技盤11は、正面視略矩形の板状部材であり(
図45、
図48参照)、上述の如く、遊技盤11の盤面には、一対のレール13a、13bが設けられている。そして、このレール13a、13bによって略円形状に仕切られた領域が遊技領域12となる。
なお、以下では、レール13a、13bのうち外側に位置するレール13a(遊技盤11の外周に近い方のレール)を外レール13aともいうものとし、内側に位置するレール13b(遊技盤11の外周から遠い方のレール)を内レール13bともいうものとする。
【0301】
外レール13aは、遊技球の直径よりも大きい幅を有する長尺の金属製薄板状部材であり、遊技盤11の盤面に設置されるレールベース620のベース面621上に沿って取り付けられる(支持される)ようになっている(
図45参照)。
ここで、レールベース620は、正面視略C字型の板状部材であって、遊技盤11の盤面に設置された際に右下方に向けて開口し、かつ遊技領域12(遊技盤11)の略中央部分を中心とする円弧状(すなわち、左方に向けて凸となる円弧状)となるように切り欠かれたものである。そして、この切り欠きにより形成された切り欠き面がベース面621となる(
図45参照)。
また、レールベース620を遊技盤11の盤面に設置すると、上述のベース面621は、遊技領域12の左下部(第1遊技領域12aの左下部)に位置しアウト口19から左方に離れた始端位置P1から、遊技盤11の左端部P2及び上端部P3を経て、遊技領域12の右上部(第2遊技領域12bの右上部)に位置する終端位置P4まで至るようになっている(
図45、
図48参照)。
【0302】
また、特に図示していないが、ベース面621の終端位置P4近傍における短手方向の略中央の位置(レールベース620を遊技盤11の盤面に設置した際に、ベース面621における遊技盤11側に位置する円弧状長辺L1(以下、後方長辺L1ともいう)から正面側に位置する円弧状長辺L2(以下、前方長辺L2ともいう)までの長さの略半分の位置(以下、中央位置ともいう))には、横長長方形スリット状の終端案内嵌合孔622が設けられている。
【0303】
さらに、ベース面621における始端位置P1から終端位置P4までの間には、後方長辺L1に沿って、ベース面621から突出する案内突起623が複数設けられている(
図45参照)。
また、特に図示していないが、上述のベース面621に設けられている案内突起623の数は、始端位置P1から左端部P2までの範囲H1(以下、第1の範囲H1ともいう)においては、左端部P2から上端部P3までの範囲H2(以下、第2の範囲H2ともいう)以上であり、かつ、上端部P3から終端位置P4までの範囲H3(以下、第3の範囲H3ともいう)以上となっている。具体的には、第1の範囲H1には、たとえば3個の案内突起623を設け、第2の範囲H2には、たとえば2個の案内突起623を設け、第3の範囲H3には、たとえば1個の案内突起623を設けることができる。
また、特に図示していないが、上述のベース面621における左端部P2及び上端部P3には、案内突起623が設けられておらず、ベース面621に設けられた各案内突起623の配置間隔は不均等となっている。
【0304】
そして、上述のベース面621に取り付けられる外レール13aは、ベース面621とほぼ同一の大きさとなっている。具体的には、外レール13aの長手方向の長さは、ベース面621の始端位置P1から終端位置P4までの長さとほぼ同一となっており、外レール13aの短手方向の長さ(外レール13aの幅)は、ベース面621の前方長辺L2から後方長辺L1までの長さ(ベース面621の奥行方向の幅)とほぼ同一となっている(
図45参照)。したがって、外レール13aをベース面621に取り付けると、この外レール13aも、始端位置P1から、左端部P2及び上端部P3を経て、終端位置P4まで至ることとなる(
図45、
図48参照)。
【0305】
また、外レール13aには、当該外レール13aをベース面621上に沿って取り付ける際に上述の終端案内嵌合孔622と対応する位置に、当該終端案内嵌合孔622に嵌合可能な終端案内突起632が設けられており、また、上述の案内突起623と対応する位置に、当該案内突起623を嵌合可能な案内嵌合孔633が設けられている(
図45、
図46参照)。
すなわち、この外レール13aに設けられている案内嵌合孔633の数は、上述の案内突起623と同様に、第1の範囲H1においては、第2の範囲H2以上であり、かつ、第3の範囲H3以上となっている。
また、上述の案内突起623と同様に、外レール13aの左端部P2及び上端部P3には、案内嵌合孔633が設けられておらず、外レール13aに設けられた各案内嵌合孔633の配置間隔は不均等となっている。
【0306】
そして、終端案内突起632を終端案内嵌合孔622に嵌め合わせるとともに、各案内突起623を対応する案内嵌合孔633に嵌め合わせることにより(
図47参照)、外レール13aをベース面621に取り付けることができる。すなわち、ベース面621に設けられた終端案内嵌合孔622及び案内突起623、並びに、外レール13aに設けられた終端案内突起632及び案内嵌合孔633は、外レール13aをベース面621に取り付ける際の取り付け位置を案内するためのものであり、これらの構成により、外レール13aをベース面621の適切な位置に容易に取り付けることができる。
【0307】
内レール13bは、外レール13aとほぼ同一の幅を有する長尺の合成樹脂製薄板状部材であり、外レール13aと遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように遊技盤11の盤面に立設され(
図48参照)、アウト口19のやや左側(始端位置P1よりも右側)の位置から、遊技領域12の左上部(第1遊技領域12aの左上部)であって上端部P3よりも左下方となる位置にかけて、左方に凸となる円弧状に配置されている(
図48参照)。
【0308】
そして、外レール13aと内レール13bとで挟まれた空間部分の前面が透明板4bの背面と対向することにより、発射装置により発射された遊技球が通過可能な左部誘導通路640が形成されている(
図48参照)。
この左部誘導通路640は、遊技領域12の下部に位置する通路入口641と、遊技領域12の上部に位置する通路出口642とを備えており、発射装置により発射された遊技球は、通路入口641、左部誘導通路640内及び通路出口642を経て、遊技領域12に到達可能となっている。
また、上述の如く、左部誘導通路640を形成する外レール13a及び内レール13bは、左方に向けて凸となる円弧状となっているため、遊技球は、自身に発生する遠心力によって外レール13aの表面643(内レール13bと対峙する面)に接触した状態で、左部誘導通路640内を移動しやすくなっている(
図47参照)。特に、少なくとも遊技領域12に到達可能な発射強度で発射された遊技球については、外レール13aの表面643に接触した状態を維持しながら左部誘導通路640内を移動する。
【0309】
ここで、左部誘導通路640を遊技球が通過する際、外レール13aにおける、遊技球の接点からベース面621の後方長辺L1と対峙する端辺R1までの範囲は遊技球が接触することはない。そして、上述の案内嵌合孔633はいずれも、この範囲内において後方長辺L1に沿って設けられている(
図47参照)。すなわち、上述の案内嵌合孔633は、外レール13aにおける遊技球が接触しない範囲に設けられるようになっている。
【0310】
また、特に図示していないが、外レール13aは、左部誘導通路640を通過する遊技球が正面側(透明板4a、4b側)へ移動し難くなるような傾き(遊技球が遊技盤11側へ移動し易くなるような傾き)に調整されている。すなわち、外レール13aは、遊技球が外レール13aの表面643及び遊技盤11の盤面に接触した状態で左部誘導通路640内を移動しやすいように構成されている。
【0311】
また、遊技領域12の上部には、外レール13aの表面643と遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙する天面651を備えた飾り部材650が、遊技盤11の盤面から立設されている(
図48参照)。そして、外レール13aの表面643と飾り部材650の天面651とで挟まれた空間部分の前面が透明板4bの背面と対向することにより、遊技球が通過可能な上部誘導通路660が形成されている(
図48参照)。
この上部誘導通路660は、第1遊技領域12aの上部に位置する通路入口661と、第2遊技領域12bの上部に位置する通路出口662とを備えており、所定以上の発射強度で発射された遊技球は、左部誘導通路640、通路入口661、上部誘導通路660内及び通路出口662を経て、第2遊技領域12bに到達可能となっている。すなわち、上部誘導通路660は、所定以上の発射強度で発射された遊技球を、第2遊技領域12bに案内するものである。
また、遊技球は、自身に発生する遠心力によって外レール13aの表面643に接触した状態で、上部誘導通路660内を移動しやすくなっている。特に少なくとも第2遊技領域12bに到達可能な発射強度で発射された遊技球については、外レール13aの表面643に接触した状態を維持しながら上部誘導通路660内を移動する。
【0312】
ここで、上述の装飾部610と上部誘導通路660(外レール13aの表面643、飾り部材650の天面651)との位置関係については、下記のように設定されている。
【0313】
具体的には、上部誘導通路660を構成する外レール13aの表面643における最上端を通り、遊技盤11の盤面に対して直交する仮想線を第1基準線SL1とし、この第1基準線SL1と直交し上下方向に延びる仮想鉛直線ILのいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最後端と交わる位置を第1基準位置SP1とし、上述の仮想鉛直線ILのいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最下端と交わる位置を第2基準位置SP2とする。
そして、第1基準位置SP1は第1基準線SL1よりも下方に位置し、かつ第1基準線SL1から第1基準位置SP1までの距離D1が遊技球の直径以下であり、第2基準位置SP2は第1基準線SL1よりも下方に位置し、かつ第1基準線SL1からの距離D2が遊技球の直径以上であるように設定されている(
図44参照)。
遊技球の直径は11mmであることから、たとえば、第1基準線SL1から第1基準位置SP1までの距離D1は4mmとすることができ、第1基準線SL1から第2基準位置SP2までの距離D2は40mmとすることができる。なお、これら各距離D1、D2は上述の値に限定されるものではなく、上述の関係を満たしていれば任意に設定することができる。
【0314】
また、飾り部材650の天面651における、上述の外レール13aの表面643の最上端の直下に対応する位置を通り、遊技盤11の盤面に対して直交する仮想線を第2基準線SL2とし、この第2基準線SL2と直交し上下方向に延びる仮想鉛直線のいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最後端と交わる位置を第3基準位置SP3とし、上述の仮想鉛直線のいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最下端と交わる位置を第4基準位置SP4とする。なおここでは、上述の第1基準位置SP1と第3基準位置SP3とは同一の位置となり、上述の第2基準位置SP2と第4基準位置SP4とは同一の位置となる。
そして、第3基準位置SP3(第1基準位置SP1)は第2基準線SL2よりも上方に位置し、かつ第2基準線SL2から第3基準位置SP3までの距離D3が遊技球の半径以上であり、第4基準位置SP4(第2基準位置SP2)は第2基準線SL2よりも下方に位置し、かつ第2基準線SL2から第4基準位置SP4までの距離D4が遊技球の直径以上であるように設定されている(
図44参照)。
遊技球の直径は11mmであることから、たとえば、第2基準線SL2から第3基準位置SP3(第1基準位置SP1)までの距離D3は14mmとすることができ、第2基準線SL2から第4基準位置SP4(第2基準位置SP2)までの距離D4は22mmとすることができる。なお、これら各距離D3、D4は上述の値に限定されるものではなく、上述の関係を満たしていれば任意に設定することができる。
【0315】
以上のように、第2基準位置SP2は第1基準線SL1よりも下方であって、第1基準線SL1からの距離D2を遊技球の直径以上としたことで、前扉3に設ける装飾部610を大型化することができる。さらに、第1基準位置SP1は第1基準線SL1よりも下方であって、第1基準線SL1からの距離D1を遊技球の直径以下としたことで、上述のように装飾部610を大型化しつつも、たとえば、最大の発射強度で遊技球が打ち出される等、遊技球が外レール13aの表面643に沿って上部誘導通路660内を移動する場合に、当該移動する遊技球の視認性を確保することができる。
また、第4基準位置SP4(第2基準位置SP2)は第2基準線SL2よりも下方であって、第2基準線SL2からの距離D4を遊技球の直径以上としたことで、前扉3に設ける装飾部610を大型化することができる。さらに、第3基準位置SP3(第1基準位置SP1)は第2基準線SL2よりも上方であって、第2基準線SL2からの距離D3を遊技球の半径以上としたことで、上述のように装飾部610を大型化しつつも、たとえば、最大の発射強度よりも弱い強度で遊技球が打ち出される等、遊技球が飾り部材650の天面651に沿って上部誘導通路660内を移動する場合に、当該移動する遊技球の視認性を確保することができる。
また、上述の実施の形態は、大当たり及び特別遊技の実行を経由せずに(時短発動回数カウンタの時短発動回数への到達や、時短遊技状態を設定する旨が定められた特別図柄(ハズレ図柄、小当たり図柄、時短図柄等)の決定等)時短遊技状態へ移行するようにしてもよい。そして、このように従来よりも時短遊技状態への移行機会が多いパチンコ機では、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す機会が多くなる。これにより、上部誘導通路660内を遊技球が通過する機会も多くなるため、上述のように構成することは極めて効果的である。
【0316】
なお、上述の第1基準線SL1との位置関係、及び、上述の第2基準線SLとの位置関係については両方とも満たすように設定してもよいし、いずれか一方のみを満たすように設定してもよい。
また、上部誘導通路660の内面のうち、下側(内側)に位置する内面は、飾り部材650の天面651により構成されていたが、これに限定されるものではなく、遊技盤11から立設する仕切り部材の天面等により構成してもよい。
【0317】
また、以上のように、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数を、第1の範囲H1においては、第2の範囲H2以上であり、かつ、第3の範囲H3以上としたことで、外レール13aのうち、発射された遊技球から受ける衝撃が大きい(すなわち、発射装置から近い)始端位置P1側については、レールベース620のベース面621に確実に取り付けることができ、外レール13aが取り付け位置からずれる、振動する等により、遊技球を発射強度通りの位置まで案内できず、設計値通りに出玉を発生させることができないといった事態を防止することができる。
特に、上述のような従来よりも時短遊技状態への移行機会が多いパチンコ機では、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す機会が多くなる。これにより、第2遊技領域12bへ遊技球が到達可能な発射強度(たとえば、最も強い発射強度等)で遊技球を打ち出す期間が長くなり、上述の始端位置P1側において遊技球から受ける衝撃の影響も大きくなるため、上述のように構成することは極めて効果的である。
また、外レール13aのうち、発射された遊技球から受ける衝撃が小さい(すなわち、発射装置から遠い)終端位置P4側については、案内嵌合孔633の数が相対的に少ないことから、レールベース620のベース面621への取り付けや外レール13aの加工が容易となる。
さらに、外レール13a(ベース面621)の左端部P2においては、発射された遊技球に基づく左方向への衝撃力が最も大きくなり、また、外レール13a(ベース面621)の上端部P3においては、発射された遊技球に基づく上方向への衝撃力が最も大きくなるところ、これらの位置には案内嵌合孔633(案内突起623)を設けないようにしたことから、上述の外レール13aのずれや振動をより効率的に防止することができる。
また、上述のような従来よりも時短遊技状態への移行機会が多く設けられているパチンコ機では、必然的に長時間に亘ってパチンコ機が稼働し、外レール13aの不具合や劣化等が生じやすくなり、当該外レール13aの修理や交換を行う機会が増えることとなるが、上述のように構成したことで、外レール13aの修理や交換等の作業時は、作業者の習熟度によることなく、遊技球の誘導に影響を及ぼさないような適切な外レール13aの取り付けが容易となる。
【0318】
なお、上述の案内嵌合孔633(案内突起623)は、外レール13a(ベース面621)の始端位置P1から終端位置P4までの範囲に亘って設けるところ、外レール13aにおいて、発射された遊技球からの衝撃を受けやすく負荷のかかりやすい範囲は、遊技仕様によって異なるものであることから、案内嵌合孔633(案内突起623)を、始端位置P1から終端位置P4までの均等に配置するのは望ましくなく、遊技仕様ごとの配置とするのが望ましい。そのため、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数や配置については、下記のように種々の態様としてもよい。
たとえば、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第1の範囲H1の方が第2の範囲H2よりも多く、かつ、第2の範囲H2の方が第3の範囲H3よりも多くなるようにしてもよい。
また、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第1の範囲H1においては第2の範囲H2以上であり、かつ、第2の範囲H2においては第3の範囲H3以上であるようにしてもよい。
また、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第1の範囲H1においては第3の範囲H3以上であり、かつ、第2の範囲H2においては第3の範囲H3以上であるようにしてもよい。
また、第3の範囲H3には、案内嵌合孔633(案内突起623)を設けないようにしてもよい。すなわち、第3の範囲H3の案内嵌合孔633(案内突起623)の数は0としてもよい。
【0319】
また、外レール13a(ベース面621)において、始端位置P1から左端部P2までの範囲を第4の範囲H4とし、左端部P2から終端位置P4までの範囲を第5の範囲H5とし、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第4の範囲H4の方が第5の範囲H5よりも多くなるようにしてもよい。たとえば、第4の範囲H4における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を3個、第5の範囲H4における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を2個としてもよい。
【0320】
また、外レール13a(ベース面621)において、始端位置P1から上端部P3までの範囲を第6の範囲H6とし、上端部P3から終端位置P4までの範囲を第7の範囲H7とし、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第6の範囲H6の方が第7の範囲H7よりも多くなるようにしてもよい。たとえば、第6の範囲H6における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を5個、第5の範囲H4における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を0個としてもよい。
【0321】
また、外レール13a(ベース面621)において、始端位置P1から終端位置P4までの中間の位置を中間位置PCとするとともに、始端位置P1から中間位置PCまでの範囲を第8の範囲H8とし、中間位置PCから終端位置P4までの範囲を第9の範囲H9とし、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第8の範囲H8の方が第9の範囲H9よりも多くなるようにしてもよい。たとえば、第8の範囲H8における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を4個、第9の範囲H9における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を1個としてもよい。
以上のようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0322】
また、外レール13aに案内嵌合孔633が設けられ、レールベース620のベース面621に案内突起623が設けられていたが、これに限定されるものではなく、外レール13aに案内突起623を設け、レールベース620のベース面621に案内嵌合孔633を設けてもよい。同様に、外レール13aに終端案内嵌合孔622を設け、レールベース620のベース面621に終端案内突起632を設けてもよい。
【0323】
また、外レール13aをレールベース620のベース面621に案内して取り付けるための構成は、案内突起623及び案内嵌合孔633に限定されるものではなく、取り付けピン及び当該取り付けピンを挿入可能な挿入孔としてもよいし、案内突起及び当該案内突起を係止可能な切り欠きとしてもよい。
【0324】
また、レールベース620は、遊技盤11と別体となっていたが、これに限定されるものではなく、遊技盤11と一体成型され、遊技盤11の盤面から立設されるようにしてもよい。
【0325】
なお、上述の実施の形態、各種変形例における構成、設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の実施の形態におけるステップ806の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における低確率遊技状態は、本発明の第1の遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態における高確率遊技状態は、本発明の第2の遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1303やステップ1305の処理を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、上述の実施の形態における外部情報出力制御処理を実行するメインCPU101は、本発明の出力手段に相当する。また、上述の実施の形態における高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄の決定は、本発明の所定条件の成立に相当する。また、上述の実施の形態における連続高確設定回数は、本発明の連続成立回数に相当する。また、上述の実施の形態における時短回数10000回の高確率時短遊技状態の設定契機となる特別遊技の開始時点は、本発明の所定の開始時点に相当する。また、上述の実施の形態における連続高確設定回数が上限回数に到達し低確率時短遊技状態が設定される契機となる特別遊技の終了時点は、本発明の所定の終了時点に相当する。また、上述の実施の形態における大当たり情報は、本発明の外部情報に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態の変形例における外レール13aは、本発明のレールに相当する。また、上述の実施の形態の変形例における案内嵌合孔633は、本発明の案内部に相当する。
【符号の説明】
【0326】
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM