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特許7617846エアロゾル発生製品、製造方法及びその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】エアロゾル発生製品、製造方法及びその応用
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20250110BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20250110BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20250110BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20250110BHJP
   A24D 3/06 20060101ALI20250110BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20250110BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D1/20
A24D3/02
A24D3/04
A24D3/06
A24F40/42
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021551885
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2019115101
(87)【国際公開番号】W WO2020177361
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-08-31
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】201910159181.5
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521389756
【氏名又は名称】南通醋酸▲繊▼▲維▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521389767
【氏名又は名称】珠▲海▼醋酸▲繊▼▲維▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521389778
【氏名又は名称】昆明醋酸▲繊▼▲維▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】曹 建国
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 占平
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】曹 建▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】于 涛
(72)【発明者】
【氏名】夏 建峰
(72)【発明者】
【氏名】▲繆▼ 建▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】沈 晶晶
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲廣▼美
(72)【発明者】
【氏名】ポール・バズビー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・バンドレン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・コムズ
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】水野 治彦
【審判官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/201123(WO,A1)
【文献】特表2017-518041(JP,A)
【文献】特表2018-530318(JP,A)
【文献】特表2014-509833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/20
A24F40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル霧化ユニットと煙ガス冷却ユニットとを備え、前記煙ガス冷却ユニットは前記エアロゾル霧化ユニットによって生成された煙流れの下流側に位置し、
前記煙ガス冷却ユニットは、顆粒状物質が集まって形成した構造であり、前記構造は、煙ガスが通るための隙間、及び少なくとも1つの連続的な煙ガスの通道を含み、
前記煙ガス冷却ユニットは、基礎顆粒と接着剤顆粒と包み材料とを含み、接着剤顆粒と接着剤顆粒との間、接着剤顆粒と基礎顆粒との間、及び基礎顆粒と基礎顆粒との間は接触点を形成して複数の箇所で物理的結合し、包み材料は外側を包んで多孔質構造の条棒を形成し、
前記煙ガス冷却ユニットは、エアロゾルが通ることができる縦横方向の貫通穴を有する多孔材料を備え、
前記基礎顆粒は、不活性顆粒又は膜層を外覆した不活性化の活性顆粒であることを特徴とする、エアロゾル発生製品。
【請求項2】
前記煙ガス冷却ユニットを通る煙流れの下流側に位置するろ過ユニットを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項3】
前記煙ガス冷却ユニットを通る煙流れの上流側に位置する中空ユニットを更に含むことを特徴とする、請求項2に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項4】
煙ガスが通るための前記煙ガス冷却ユニットの隙間は、3次元の非線形網状隙間であることを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項5】
前記煙ガス冷却ユニットを条棒状にすることを特徴とする、請求項3に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項6】
前記煙ガス冷却ユニットの隙間率は40%~90%であることを特徴とする、請求項5に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項7】
前記顆粒状物質は、煙ガスの温度を低減することができ、煙ガスの有効成分に対して低い吸収率を有する顆粒状物質であることを特徴とする、請求項2に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項8】
前記不活性顆粒は、外覆膜層の厚さが0~0.2mmであり、前記膜層が顆粒全体の質量の0~50%を占め、前記不活性化の活性顆粒は、外覆膜層の厚さが0.001~0.2mmであり、顆粒全体の質量の0.001~50%を占めることを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項9】
前記不活性顆粒は、煙ガスのエアロゾル中の3.0mg/cm未満のニコチンを吸着する顆粒であることを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項10】
前記不活性顆粒は、有機顆粒又は無機顆粒を含み、前記無機顆粒は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム球、ガラス珠、二酸化ケイ素、鉄、銅、アルミニウム、金、白金、ケイ酸マグネシウム球又は硫酸カルシウムを含み、前記有機顆粒は、酢酸繊維素、酢酸プロピオン酸繊維素、酢酸酪酸繊維素、微結晶繊維素、ショ糖粉末、糊精、乳糖、粉砂糖、ブドウ糖、マンニトール、でんぷん、メチル繊維繊維素、エチル繊維素、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリヒドロキシブチレート、ポリε-カプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシアルカノエート又はデンプンベースの熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項11】
前記活性顆粒は、煙ガスのエアロゾル中の3.0mg/cm以上のニコチンを吸着する顆粒であることを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項12】
前記活性顆粒は、分子篩、活性炭、珪藻土、沸石、真珠岩、セラミック、海泡石、漂白土又はイオン交換樹脂を含み、前記不活性顆粒は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム球、ガラス珠、二酸化ケイ素、鉄、銅、アルミニウム、金、白金、ケイ酸マグネシウム球又は硫酸カルシウムを含むことを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項13】
前記膜層は、成膜材料からなることを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項14】
前記成膜材料は、酢酸繊維素、酢酸プロピオン酸繊維素、酢酸酪酸繊維素、ヒドロキシプロピル繊維素、ヒドロキシプロピルメチル繊維素、メチル繊維素、エチル繊維素、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンエチレンジエチルアミンアセテート、スチレンマレイン酸コポリマー、スチレン-ビニルピリジンコポリマー、酢酸フタル酸繊維素、フタル酸メチルヒドロキシプロピル繊維素、酢酸繊維素/ポリエチレングリコール、メチル繊維素/ポリエチレングリコール、カルボキシメチル繊維素/ポリエチレングリコール、ヒプロメロース/ポリエチレングリコール、エチル繊維素/ポリエチレングリコール又はアクリル樹脂/ポリエチレングリコール又はポリ乳酸を含むことを特徴とする、請求項13に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項15】
前記基礎顆粒の形状は、球形、準球形、餅状、薄片状、帯状、針形、多辺形、切子面形又はランダム形状を含むことを特徴とする、請求項に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項16】
前記基礎顆粒は、少なくとも1次元において50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロン又は250ミクロンの下限から5000ミクロン、2000ミクロン、1000ミクロン、900ミクロン又は700ミクロンの上限までの平均直径を有することを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項17】
前記接着剤顆粒は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリビニル化合物、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、スチレン-アクリロニトリル、スチレン-ブタジエン、スチレン-マレイン酸、酢酸繊維素、酢酸酪酸繊維素、可塑化繊維素プラスチック、プロピオン酸繊維素、エチル繊維素、それらのいずれか誘導体又はそれらのいずれかコポリマーから選択した少なくとも1つ及びそれらの組合せを含むことを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項18】
前記接着剤顆粒の形状は、球状、星状、粒状、馬鈴薯状、不規則な形状及びそれらの組合せを含むことを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項19】
前記接着剤顆粒は、少なくとも1次元において5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン又は150ミクロンの下限から500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、250ミクロン又は200ミクロンの上限までの平均直径を有することを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項20】
多孔質冷却部分における前記接着剤顆粒の割合は0.1%~99%であり、基礎顆粒の含有量は1%~99%であることを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項21】
孔質冷却部分における前記接着剤顆粒の割合は15%~33%であることを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項22】
前記基礎顆粒の含有量は67%~85%であることを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項23】
前記包み材料は、重さ20~40g、厚さ0.08~0.12mmの成型紙であることを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾル発生製品。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項に記載のエアロゾル発生製品を使用する加熱不燃性たばこの煙ガスの温度の低減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙巻たばこの技術分野に属し、煙処理、特にタバコの煙ガスの温度を低減するための製品に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的なたばこ規制環境がますます厳しくなり、消費者の健康への関心が高まるにつれて、たばこの有害成分の放出量を大幅に低減する新型のたばこ製品は世界各国のたばこ業界の開発の焦点になりつつある。加熱不燃性たばこは、特殊な熱源を利用してカットタバコ(400°C以下)を加熱するだけで燃焼しない新型のたばこ製品であることにより、煙中の有害成分の放出量を大幅に低減することができる。現在、加熱不燃性たばこには一般に煙ガスの温度が高いという問題があるので、それが煙の刺激や灼熱感を引き起こし、喫煙の快適さを低下させる。ろ過や換気や希釈を増やす従来の技術的手段を採用して煙ガスの温度を低減すれば、製品の喫煙量がさらに減少し、製品の喫煙体験にさらに影響を与える。したがって、加熱不燃性たばこの煙ガスの温度を低減することは、加熱不燃性たばこの重要な技術である。中国特許CN104203015は、エアロゾル冷却ユニットを備えたエアロゾル発生製品を開示しており、当該製品の冷却ユニットは、ひだ付けポリ乳酸膜層によって構成されている。中国特許CN107259638Aは、ポリ塩化ビニルやポリ乳酸などの原料によって作られた多層状喫煙棒を含む、煙ガスの温度を低減し、香りを高める機能を備えた低温タバコを開示している。煙ガスの温度の低減ができる上記の条棒は、主に、ポリマー材料のガラス転移、すなわちガラス状態から高弾性状態へ転移して熱を吸収することにより、たばこ製品の煙ガスの温度を低減する。ただし、ポリマーにはガラス転移を起こすと、溶融又は融合結合が発生する問題があるため、最初に煙ガスに接触するエアロゾル冷却ユニットの端にあるポリマー材料には、すぐに激しい接着と崩壊を起こし、細孔を塞いてひだ付けポリマーの内部を煙ガスがスムーズに流れることができないので、冷却表面積が減少し、煙ガスの温度が過度に高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の技術的要件及び先行技術の欠陥を目指して、本発明の目的は、煙ガスの温度を迅速に低減することができるエアロゾル発生製品及び関連方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明によって採用される技術的解決策は次のとおりである:
【0005】
エアロゾル発生製品はエアロゾル霧化ユニットと煙ガス冷却ユニットとを備え、前記煙ガス冷却ユニットは前記エアロゾル霧化ユニットによって生成された煙流れの下流側に位置する。
【0006】
さらに、煙ガス冷却ユニットを通る煙流れの下流側に位置するろ過ユニットを更に含む。
【0007】
オプションで、煙ガス冷却ユニットを通る煙流れの上流側に位置する中空ユニットを更に含む。
【0008】
オプションで、前記煙ガス冷却ユニットは、顆粒状物質が集まって形成した構造であり、前記構造は、煙ガスが通るための隙間、及び少なくとも1つの連続的な煙ガスの通道を含む。
【0009】
オプションで、煙ガスが通るための前記煙ガス冷却ユニットの隙間は、3次元の非線形網状隙間である。
【0010】
オプションで、前記煙ガス冷却ユニットを条棒状にする。
【0011】
オプションで、前記煙ガス冷却ユニットの隙間率は40%~90%である。
【0012】
オプションで、前記煙ガス冷却ユニットは、基礎顆粒と接着剤顆粒と包み材料とを含み、接着剤顆粒と接着剤顆粒と、接着剤顆粒と基礎顆粒と、及び基礎顆粒と基礎顆粒との間は接触点を形成して複数の箇所で物理的結合し、包み材料は外側を包んで多孔質構造の条棒を形成する。
【0013】
オプションで、前記顆粒状物質は、煙ガスの温度を低減することができ、煙ガスの有効成分に対して低い吸収率を有する顆粒状物質である。
【0014】
オプションで、前記基礎顆粒は、不活性顆粒又は膜層を外覆した不活性化の活性顆粒である。
【0015】
オプションで、前記不活性顆粒は、外覆膜層の厚さが0~0.2mmであり、前記膜層が顆粒全体の質量の0~50%を占め、明らかに、外覆膜層の厚さ又は顆粒全体の質量の割合がゼロである場合、不活性顆粒が膜層を外覆しないことを意味し、
【0016】
基礎顆粒が活性顆粒である場合、不活性化処理を必要とし、前記不活性化の活性顆粒は、外覆膜層の厚さが0.001~0.2mmであり、顆粒全体の質量の0.001~50%を占める。
【0017】
オプションで、前記不活性顆粒は、煙ガスのエアロゾル中のニコチンを吸着する3.0mg/cm未満の顆粒である。
【0018】
オプションで、前記不活性顆粒は、有機又は無機顆粒を含み、前記無機顆粒は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム球、ガラス珠、二酸化ケイ素、鉄、銅、アルミニウム、金、白金、ケイ酸マグネシウム球又は硫酸カルシウムを含み、前記有機顆粒は、酢酸繊維素、酢酸プロピオン酸繊維素、酢酸酪酸繊維素、微結晶繊維素、ショ糖粉末、糊精、乳糖、粉砂糖、ブドウ糖、マンニトール、でんぷん、メチル繊維繊維素、エチル繊維素、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリヒドロキシブチレート、ポリε-カプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシアルカノエート又はデンプンベースの熱可塑性樹脂を含む。
【0019】
オプションで、前記活性顆粒は、煙ガスのエアロゾル中のニコチンを吸着する3.0mg/cm以上の顆粒である。
【0020】
オプションで、前記活性顆粒は、分子篩、活性炭、珪藻土、沸石、真珠岩、セラミック、海泡石、漂白土又はイオン交換樹脂を含み、前記不活性顆粒は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム球、ガラス珠、二酸化ケイ素、鉄、銅、アルミニウム、金、白金、ケイ酸マグネシウム球又は硫酸カルシウムを含む。
【0021】
オプションで、前記膜層は、成膜材料からなる。
【0022】
オプションで、前記成膜材料は、酢酸繊維素、酢酸プロピオン酸繊維素、酢酸酪酸繊維素、ヒドロキシプロピル繊維素、ヒドロキシプロピルメチル繊維素、メチル繊維素、エチル繊維素、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンエチレンジエチルアミンアセテート、スチレンマレイン酸コポリマー、スチレン-ビニルピリジンコポリマー、酢酸フタル酸繊維素、フタル酸メチルヒドロキシプロピル繊維素、酢酸繊維素/ポリエチレングリコール、メチル繊維素/ポリエチレングリコール、カルボキシメチル繊維素/ポリエチレングリコール、ヒプロメロース/ポリエチレングリコール、エチル繊維素/ポリエチレングリコール又はアクリル樹脂/ポリエチレングリコール又はポリ乳酸を含む。
【0023】
オプションで、前記基礎顆粒の形状は、球形、準球形、餅状、薄片状、帯状、針形、多辺形、切子面形又は臨機形状を含む。
【0024】
オプションで、前記基礎顆粒は、少なくとも1次元において50ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロン又は250ミクロンの下限から5000ミクロン、2000ミクロン、1000ミクロン、900ミクロン又は700ミクロンの上限までの平均直径を有する。
【0025】
オプションで、前記接着剤顆粒は、ポリエチレン、ポリプロピレン(D7)、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリビニル化合物、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、スチレン-アクリロニトリル、スチレン-ブタジエン、スチレン-マレイン酸、酢酸繊維素、酢酸酪酸繊維素、可塑化繊維素プラスチック、プロピオン酸繊維素、エチル繊維素、それらのいずれか誘導体又はそれらのいずれかコポリマーから選択した少なくとも1つ及びそれらの組合せを含む。
【0026】
オプションで、前記接着剤顆粒の形状は、球状、星状、粒状、馬鈴薯状、不規則な形状及びそれらの組合せを含む。
【0027】
オプションで、前記接着剤顆粒は、少なくとも1次元において5ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン又は150ミクロンの下限から500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、250ミクロン又は200ミクロンの上限までの平均直径を有する。
【0028】
オプションで、前記接着剤顆粒は、約0.10g/cm~約0.55g/cmのかさ密度を有し得り、その間にあるいずれかサブセット(例えば、約0.17g/cm~約0.50g/cm又は約0.20g/cm~約0.47g/cm)を含む。
【0029】
前記包み材料は、重さ20~40g、厚さ0.08~0.12mmの成型紙である。
【0030】
上記のエアロゾル発生製品の加熱不燃性たばこへの応用。
【0031】
アセテートトウの濾過棒を備えた参照エアロゾル発生製品と比較して、本発明に煙ガス冷却機能ユニットを含むエアロゾル発生製品は、良好な冷却効果を有し、温度を少なくとも2℃低減する。
【0032】
参照たばこ3R4Fと比較して、本発明に煙ガス冷却ユニットを含むエアロゾル発生製品は、フェノールに対して良好な吸着効果を有し、削減は93.2%に達する可能性がある。
【0033】
本発明は、煙ガス冷却機能を有するユニットを備えたエアロゾル発生製品を提供する。この製品は、複数のユニットを含み、条棒の複合成形で条棒を組み合わせることにより形成される。前記ユニットは、エアロゾル霧化ユニットと、複合成形製品内において前記エアロゾル霧化ユニットの下流側に位置する煙ガス冷却ユニットとを含む。煙ガス冷却ユニットは、いくつかの用途で、基礎顆粒を含む被覆多孔材料によって構成される。当該多孔材料は、隙間率が40%から90%であり、閉鎖圧力降下が2mmHO/mm未満を長くする。該当煙ガス冷却ユニットは、基礎顆粒と高分子接着剤とを含む。基礎顆粒と高分子接着剤を混合した後、それらを加熱して、基礎顆粒と接着剤と、及び接着剤と接着剤との間を複数の接触点で結合させて、被覆の長状多孔材料を形成する。加熱不燃性たばこのエアロゾルが冷却ユニットを通過する時、基礎顆粒の表面膜層及び接着剤は、相変化と吸熱を起こし、冷却ユニットの内部材料が立体配置構造になって熱エネルギーを横方向へ便利に伝導することにより、より良い冷却効果を達成する。また、多孔材料は元の形状を維持し、煙ガスのスムーズな通過を確保する。多孔材料には貫通穴があるため、低い吸気抵抗を維持しながら大きな冷却面積を有することにより、煙ガスの流動を確保し、喫煙消費者の体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた2段式のエアロゾル発生製品の概略図である。
図2図2は、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた3段式のエアロゾル発生製品の概略図である。
図3図3は、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた4段式のエアロゾル発生製品の概略図である。
図4図4は、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた4段式のエアロゾル発生製品の概略図である。
図5図5は、現行技術による4段式のエアロゾル発生製品の概略図である(アセテートトウを含む参照サンプル)。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、煙ガスの温度を迅速に低減することができるエアロゾル発生製品及び関連方法に関する。
【0036】
エアロゾル発生製品は、複数のユニットが条棒の複合成形で条棒を組み合わせることにより形成される。前記ユニットは、エアロゾル霧化ユニットと、前記エアロゾル霧化ユニットの下流側に位置する煙ガス冷却ユニットとを含む。煙ガス冷却ユニットは、いくつかの用途で、酢酸繊維素顆粒を含む被覆多孔材料によって構成される。前記多孔材料は、縦横方向の貫通穴、40%から90%の隙間率、少なくとも5mg/mmの酢酸繊維素顆粒の面積負荷率及び2mmHO/mm未満を長くする閉鎖圧力降下を有する。煙ガス冷却ユニットを通るエアロゾルは冷却される。
【0037】
多孔材料の空隙体積は、酢酸繊維素顆粒が空間を占めた後の残り自由空間である。空隙体積を決めるために、先ず酢酸繊維素顆粒に対して粒度に基づく上下限直径の平均値を算出し、次に酢酸繊維素の密度計で体積を算出する(当該平均直径に基づく球形を想定)。中国特許CN103330283による隙間率の計算式で隙間率を算出する。
【0038】
本明細書で使用された「閉鎖圧力降下」という用語は、安定した条件下で17.5mL/秒の体積流量にする出口端において空気流がサンプルを通る場合と、サンプルを測定装置に完全に密閉して空気流がパッケージを通過できない場合との、サンプルの両端間の静圧差を指す。本発明には、2007年6月に発行されたCORESTA(「たばこ科学研究共同センター」)の推奨方法41に従って、閉鎖圧力降下を測定した。より高い閉鎖圧力降下は、喫煙者が喫煙してより大きな力を使用しなければならないことを意味する。
【0039】
図面及び実施形態と併せて本発明はを以下でさらに説明する。
【0040】
実施例1
図1に示されたように、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた2段式のエアロゾル発生製品10は、エアロゾル霧化ユニット20及び煙ガス冷却ユニット30という2つのユニットを含む。当該2つのユニットは、条棒の複合巻きたばこ製造機でシガレットペーパー50を用いて順次かつ同軸に条棒11に組み立てられる。前記エアロゾル霧化ユニット20は、条棒の最遠位端13に位置し、煙ガス冷却ユニット30は、エアロゾル霧化ユニットの下流側にあり、条棒11は、口端12を備える。条棒11を巻きたばこ製造機で複合組合せる場合、その条棒11は約45mmの長さ、約7.2mmの外径、約6.9mmの内径を有する。
【0041】
エアロゾル霧化ユニット20は、フィラメント状又はプリーツ状のタバコ材料を含み、紙巻たばこ製造装置によって巻かれることにより、濾紙(図示せず)によって包まれて棒を形成する。前記たばこ材料は添加剤を含み、前記添加剤はエアロゾルを形成するためのグリセリンとプロピレングリコールを有する。
【0042】
煙ガス冷却ユニット30は、エアロゾル霧化ユニットの下流側に位置し、酢酸繊維素顆粒を含む多孔条棒であり、成形紙31によって包まれている。当該多孔条棒は、約33mmの長さ、約7.2mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。この実施形態において、煙ガス冷却ユニットは、特定の条件下で、膜層を外覆した酢酸繊維素顆粒及び超高分子量ポリエチレン接着剤を加熱結合することにより形成される。超高分子量ポリエチレン接着剤は、その溶融温度で複数の接触点に顆粒と接着剤顆粒とを機械結合する。接着剤は、その溶融温度でほとんど流動しないので、顆粒間に形成された隙間の貫通が確実になることにより、煙ガス冷却ユニット30の長さに沿って延びる複数の通道を形成する。当該多孔条棒は、Ticona、LLCから生産された25wt%のGUR2105と、ポリエチレングリコール/ヒドロキシプロピルメチル繊維素膜層によつて包まれる酢酸繊維素顆粒(平均直径は1.2 mm、75wt%)からなる。当該多孔条棒は、GUR2015樹脂と酢酸繊維素顆粒を混合し、次に加熱した混合物に圧力を加えずに金型に混合物を充填(自由焼結)することにより製造される。当該金型を200℃で40分間加熱した後、多孔条棒を金型から取り出し、冷却し、重さ20g、厚さ0.08mmの成形紙31で包む。当該条棒を同じ長さに切る。
【0043】
煙ガス冷却ユニットは10mg/mmの酢酸繊維素顆粒を含み、5.5mmHOの閉鎖圧力降下、72%の隙間率を有する。
【0044】
図1に示されたエアロゾル発生製品は、エアロゾル霧化ユニットの側部に発熱体を挿入してエアロゾル霧化ユニット内のタバコ材料を加熱し、タバコ材料から揮発性化合物を放出する。消費者は、エアロゾル発生製品10の口端12で喫煙する時、これらの揮発性化合物は、凝縮霧化されてエアロゾルを形成し、条棒11を介して消費者の口に伝える。前記エアロゾルを吸って煙ガス冷却ユニット30を通る熱交換により、エアロゾルの温度を低減する。
【0045】
国家標準GB/T19609-2004で指定されている喫煙モデルに従って喫煙を模倣し、カナダの深層喫煙モード(HCI)を採用する。各経口喫煙のエアロゾル主流の温度に対する煙ガス冷却ユニットの影響を調査し、アセテートトウを含む参照エアロゾル発生製品と比較した(図5を参照)。熱電対温度プローブは、フィルターチップ40の中心から5mm離れた口端に位置する。試験結果を表1に示す。
【0046】
表1 エアロゾル主流の温度に対する試験結果
【表1】
【0047】
実施例2
図2に示されたように、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた3段式のエアロゾル発生製品10は、エアロゾル霧化ユニット20、煙ガス冷却ユニット30及びフィルターチップ40という3つのユニットを含む。前記エアロゾル霧化ユニット20は、条棒の最遠位端13に位置し、煙ガス冷却ユニット30は、エアロゾル霧化ユニットの下流側にあり、フィルターチップ40は、煙ガス冷却ユニットの下流側にあり、条棒11は、口端12を備える。当該3つのユニットは、シガレットペーパー50によってしっかり包まれて順次かつ同軸に条棒11に組み立てられる。条棒11を複合組合せる場合、その条棒11は約45mmの長さ、約7.2mmの外径、約6.9mmの内径を有する。
【0048】
エアロゾル霧化ユニット20は、フィラメント状又はプリーツ状のタバコ材料を含み、紙巻たばこ製造装置によって巻かれることにより、濾紙(図示せず)によって包まれて棒を形成する。前記たばこ材料は添加剤を含み、前記添加剤はエアロゾルを形成するためのグリセリンとプロピレングリコールを有する。
【0049】
煙ガス冷却ユニット30は、エアロゾル霧化ユニット20の下流側に隣接し、酢酸繊維素顆粒を含む多孔条棒であり、成形紙31によって包まれている。この実施形態において、煙ガス冷却ユニットは、特定の条件下で、膜層を外覆した酢酸繊維素顆粒及び超高分子量ポリエチレン接着剤を加熱結合することにより形成される。超高分子量ポリエチレン接着剤は、その溶融温度で複数の接触点に顆粒と接着剤顆粒とを機械結合する。接着剤は、その溶融温度でほとんど流動しないので、顆粒間に形成された隙間の貫通が確実になることにより、煙ガス冷却ユニット30の長さに沿って延びる複数の通道を形成する。当該多孔条棒は、Ticona、LLCから生産された25wt%のGUR2105と、ポリエチレングリコール/ヒドロキシプロピルメチル繊維素膜層によつて包まれる酢酸繊維素顆粒(平均直径は1.2mm、75wt%)からなる。当該多孔条棒は、GUR2015樹脂と酢酸繊維素顆粒を混合し、次に加熱した混合物に圧力を加えずに金型に混合物を充填(自由焼結)することにより製造される。当該金型を200℃で40分間加熱した後、多孔条棒を金型から取り出し、冷却し、重さ20g、厚さ0.08mmの成形紙31で包む。当該条棒を同じ長さに切る。
【0050】
当該多孔条棒の煙ガス冷却ユニットは10mg/mmの酢酸繊維素顆粒を含み、約25mmの長さ、約7.2mmの外径、約6.9mmの内径、4.2mmHOの閉鎖圧力降下及び72%の隙間率を有する。
【0051】
フィルターチップ40は、従来のアセテートトウ条棒を用い、8mmの長さ、約7.2mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。
【0052】
図2に示されたエアロゾル発生製品は、エアロゾル霧化ユニットの側部に発熱体を挿入してエアロゾル霧化ユニット内のタバコ材料を加熱し、タバコ材料から揮発性化合物を放出する。消費者は、エアロゾル発生製品10の口端12で喫煙する時、これらの揮発性化合物は、凝縮霧化されてエアロゾルを形成し、条棒11を介して消費者の口に伝える。
【0053】
前記エアロゾルを吸って煙ガス冷却ユニット30を通る熱交換により、エアロゾルの温度を低減し、エアロゾル中の水分を遮断するだけでなく、エアロゾル中のフェノールのろ過効率も向上したことになる。
【0054】
国家標準GB/T19609-2004で指定されている喫煙モデルに従って喫煙を模倣し、カナダの深層喫煙モード(HCI)を採用する。ケンブリッジフィルターを用いて分類物質を遮断し、フェノールをHPLC蛍光で定量測定する。各経口喫煙のエアロゾル主流の温度及びエアロゾル主流におけるフェノールの総含有量に対する煙ガス冷却ユニットの影響を調査し、アセテートトウ冷却ユニットを含む参照エアロゾル発生製品と参照タバコ3R4Fと比較した(図5を参照)。熱電対温度プローブは、フィルターチップ40の中心から5mm離れた口端に位置する。試験結果を表2及び表3に示す。
【0055】
表2 エアロゾル主流の温度に対する試験結果
【表2】
【0056】
表3 フェノールの総含有量に対する比較試験
【表3】
【0057】
実施例3
図3に示されたように、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた4段式のエアロゾル発生製品10は、エアロゾル霧化ユニット20、中空酢酸繊維素管60、煙ガス冷却ユニット30及びフィルターチップ40という4つのユニットを含む。当該4つのユニットは、シガレットペーパー50によってしっかり包まれて順次かつ同軸に条棒11に組み立てられる。前記エアロゾル霧化ユニット20は、条棒の最遠位端13に位置し、中空酢酸繊維素管60は、エアロゾル霧化ユニットの下流側にあり、煙ガス冷却ユニット30は、中空酢酸繊維素管の下流側にあり、フィルターチップ40は、煙ガス冷却ユニットの下流側にあり、条棒11は、口端12を備える。条棒11を巻きたばこ製造機で複合組合せる場合、その条棒11は約45mmの長さ、約7.2mmの外径、約6.9mmの内径を有する。エアロゾル霧化ユニット20は、フィラメント状又はプリーツ状のタバコ材料を含み、紙巻たばこ製造装置によって巻かれることにより、濾紙(図示せず)によって包まれて棒を形成する。前記たばこ材料は添加剤を含み、前記添加剤はエアロゾルを形成するためのグリセリンとプロピレングリコールを有する。中空酢酸繊維素管60は、エアロゾル霧化ユニットの下流側に隣接し、酢酸繊維素からなる。エアロゾルを先ず中空部分で混合し、次に緩衝冷却する。
【0058】
煙ガス冷却ユニット30は、中空管60の下流側に隣接し、酢酸繊維素顆粒を含む多孔条棒である。この実施形態において、煙ガス冷却ユニット30は、特定の条件下で、膜層を外覆した酢酸繊維素顆粒及び超高分子量ポリエチレン接着剤を加熱結合することにより形成される。超高分子量ポリエチレン接着剤は、その溶融温度で複数の接触点に顆粒と接着剤顆粒とを機械結合する。接着剤は、その溶融温度でほとんど流動しないので、顆粒間に形成された隙間の貫通が確実になることにより、煙ガス冷却ユニット30の長さに沿って延びる複数の通道を形成する。当該多孔条棒は、Ticona、LLCから生産された25wt%のGUR2105と、ポリエチレングリコール/ヒドロキシプロピルメチル繊維素膜層によつて包まれる酢酸繊維素顆粒(平均直径は1.2 mm、75wt%)からなる。当該多孔条棒は、GUR2015樹脂と酢酸繊維素顆粒を混合し、次に加熱した混合物に圧力を加えずに金型に混合物を充填(自由焼結)することにより製造される。当該金型を200℃で40分間加熱した後、多孔条棒を金型から取り出し、冷却し、重さ20g、厚さ0.08mmの成形紙31で包む。当該条棒を同じ長さに切る。
【0059】
煙ガス冷却ユニットは10mg/mmの酢酸繊維素顆粒を含み、3mmHOの閉鎖圧力降下及び72%の隙間率を有する。
【0060】
フィルターチップ40は、従来の酢酸繊維素条棒を用い、8mmの長さ、約7.12mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。
【0061】
中空管60は酢酸繊維素からなり、7mmの長さ、約7.12mmの外径及び約3.5mmの内径を有する。
【0062】
図3に示されたエアロゾル発生製品は、エアロゾル霧化ユニットの側部に発熱体を挿入してエアロゾル霧化ユニット内のタバコ材料を加熱し、タバコ材料から揮発性化合物を放出する。消費者は、エアロゾル発生製品10の口端12で喫煙する時、これらの揮発性化合物は、凝縮霧化されてエアロゾルを形成し、条棒11を介して消費者の口に伝える。
【0063】
前記エアロゾルを吸って煙ガス冷却ユニット30を通る熱交換により、エアロゾルの温度を低減し、エアロゾル中の水分を遮断するだけでなく、エアロゾル中のフェノールのろ過効率も向上したことになる。
【0064】
国家標準GB / T19609-2004で指定されている喫煙モデルに従って喫煙を模倣し、カナダの深層喫煙モード(HCI)を採用する。ケンブリッジフィルターを用いて分類物質を遮断し、フェノールをHPLC蛍光で定量測定する。各経口喫煙のエアロゾル主流の温度及びエアロゾル主流におけるフェノールの総含有量に対する煙ガス冷却ユニットの影響を調査し、アセテートトウ冷却ユニットを含む参照エアロゾル発生製品と参照タバコ3R4Fと比較した(図5を参照)。熱電対温度プローブは、フィルターチップ40の中心から5mm離れた口端に位置する。試験結果を表4及び表5に示す。
【0065】
表4 エアロゾル主流の温度に対する試験結果
【表4】
【0066】
表5 フェノールの総含有量に対する比較試験
【表5】
【0067】
実施例4
図4に示されたように、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた4段式のエアロゾル発生製品10は、エアロゾル霧化ユニット20、煙ガス冷却ユニット30、ひだ付け及びギャザー付けポリ乳酸膜層シート70及びフィルターチップ40という4つのユニットを含む。当該4つのユニットは、シガレットペーパー50によってしっかり包まれて順次かつ同軸に条棒11に組み立てられる。前記エアロゾル霧化ユニット20は、条棒の最遠位端13に位置し、煙ガス冷却ユニット30は、エアロゾル霧化ユニットの下流側にあり、ひだ付け及びギャザー付けポリ乳酸膜層シート70は、煙ガス冷却ユニットの下流側にあり、フィルターチップ40は、ギャザー付けポリ乳酸膜層シートの下流側にあり、条棒11は、口端12を備える。条棒11を巻きたばこ製造機で複合組合せる場合、その条棒11は約45mmの長さ、約7.2mmの外径、約6.9mmの内径を有する。
【0068】
エアロゾル霧化ユニット20は、フィラメント状又はプリーツ状のタバコ材料を含み、紙巻たばこ製造装置によって巻かれることにより、濾紙(図示せず)によって包まれて棒を形成する。前記たばこ材料は添加剤を含み、前記添加剤はエアロゾルを形成するためのグリセリンとプロピレングリコールを有する。
【0069】
煙ガス冷却ユニット30は、エアロゾル霧化ユニットの下流側に隣接し、酢酸繊維素顆粒を含む多孔条棒であり。該多孔条棒は、約7mmの長さ、約7.2mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。この実施形態において、煙ガス冷却ユニットは、特定の条件下で、膜層を外覆した酢酸繊維素顆粒及び超高分子量ポリエチレン接着剤を加熱結合することにより形成される。超高分子量ポリエチレン接着剤は、その溶融温度で複数の接触点に顆粒と接着剤顆粒とを機械結合する。接着剤は、その溶融温度でほとんど流動しないので、顆粒間に形成された隙間の貫通が確実になることにより、煙ガス冷却ユニット30の長さに沿って延びる複数の通道を形成する。当該多孔条棒は、Ticona、LLCから生産された25wt%のGUR2105と、ポリエチレングリコール/ヒドロキシプロピルメチル繊維素膜層によつて包まれる酢酸繊維素顆粒(平均直径は1.2mm、75wt%)からなる。当該多孔条棒は、GUR2015樹脂と酢酸繊維素顆粒を混合し、次に加熱した混合物に圧力を加えずに金型に混合物を充填(自由焼結)することにより製造される。当該金型を200℃で40分間加熱した後、多孔条棒を金型から取り出し、冷却し、重さ20g、厚さ0.08mmの成形紙71で包む。当該条棒を同じ長さに切る。
【0070】
煙ガス冷却ユニットは10mg/mmの酢酸繊維素顆粒を含み、7mmの長さ、1.2mmHOの閉鎖圧力降下及び72%の隙間率を有する。
【0071】
ひだ付け及びギャザー付けポリ乳酸膜層シート70は、18mmの長さ、約7.2mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。ポリ乳酸膜層シートの厚さは50μmである。
【0072】
フィルターチップ40は、従来の酢酸繊維素条棒を用い、8mmの長さ、約7.12mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。
【0073】
図4に示されたエアロゾル発生製品は、エアロゾル霧化ユニットの側部に発熱体を挿入してエアロゾル霧化ユニット内のタバコ材料を加熱し、タバコ材料から揮発性化合物を放出する。消費者は、エアロゾル発生製品10の口端12で喫煙する時、これらの揮発性化合物は、凝縮霧化されてエアロゾルを形成し、条棒11を介して消費者の口に伝える。前記エアロゾルを吸って煙ガス冷却ユニット30を通る熱交換により、エアロゾルの温度を低減する。
【0074】
国家標準GB/T19609-2004で指定されている喫煙モデルに従って喫煙を模倣し、カナダの深層喫煙モード(HCI)を採用する。各経口喫煙のエアロゾル主流の温度に対する煙ガス冷却ユニットの影響を調査し、アセテートトウ冷却ユニットを含む参照エアロゾル発生製品と比較した。熱電対温度プローブは、フィルターチップ40の中心から5mm離れた口端に位置する。試験結果を表6に示す。
【0075】
表6 エアロゾル主流の温度に対する試験結果
【表6】
【0076】
実施例5
図3に示されたように、本発明による煙ガスの温度を低減するためのユニットを備えた4段式のエアロゾル発生製品10は、エアロゾル霧化ユニット20、中空酢酸繊維素管60、煙ガス冷却ユニット30及びフィルターチップ40という4つのユニットを含む。当該4つのユニットは、シガレットペーパー50によってしっかり包まれて順次かつ同軸に条棒11に組み立てられる。前記エアロゾル霧化ユニット20は、条棒の最遠位端13に位置し、中空酢酸繊維素管60は、エアロゾル霧化ユニットの下流側にあり、煙ガス冷却ユニット30は、中空酢酸繊維素管の下流側にあり、フィルターチップ40は、煙ガス冷却ユニットの下流側にあり、条棒11は、口端12を備える。条棒11を巻きたばこ製造機で複合組合せる場合、その条棒11は約45mmの長さ、約7.2mmの外径、約6.9mmの内径を有する。エアロゾル霧化ユニット20は、フィラメント状又はプリーツ状のタバコ材料を含み、紙巻たばこ製造装置によって巻かれることにより、濾紙(図示せず)によって包まれて棒を形成する。前記たばこ材料は添加剤を含み、前記添加剤はエアロゾルを形成するためのグリセリンとプロピレングリコールを有する。中空酢酸繊維素管60は、エアロゾル霧化ユニットの下流側に隣接し、酢酸繊維素からなる。エアロゾルを先ず中空部分で混合し、次に緩衝冷却する。
【0077】
煙ガス冷却ユニット30は、中空管60の下流側に隣接し、酢酸繊維素顆粒を含む多孔条棒である。この実施形態において、煙ガス冷却ユニット30は、特定の条件下で、膜層を外覆した酢酸繊維素顆粒及び超高分子量ポリエチレン接着剤を加熱結合することにより形成される。超高分子量ポリエチレン接着剤は、その溶融温度で複数の接触点に顆粒と接着剤顆粒とを機械結合する。接着剤は、その溶融温度でほとんど流動しないので、顆粒間に形成された隙間の貫通が確実になることにより、煙ガス冷却ユニット30の長さに沿って延びる複数の通道を形成する。当該多孔条棒は、Ticona、LLCから生産された25wt%のGUR2105と、ヒプロメロース膜層によつて包まれる酢酸繊維素顆粒(平均直径は1.2mm、75wt%)からなる。当該多孔条棒は、GUR2015樹脂と酢酸繊維素顆粒を混合し、次に加熱した混合物に圧力を加えずに金型に混合物を充填(自由焼結)することにより製造される。当該金型を200℃で40分間加熱した後、多孔条棒を金型から取り出し、冷却し、重さ20g、厚さ0.08mmの成形紙31で包む。当該条棒を同じ長さに切る。
【0078】
煙ガス冷却ユニットは8.6mg/mmの酢酸繊維素顆粒を含み、4.7mmHOの閉鎖圧力降下及び73.6%の隙間率を有する。
【0079】
フィルターチップ40は、従来の酢酸繊維素条棒を用い、8mmの長さ、約7.12mmの外径及び約6.9mmの内径を有する。
【0080】
中空管60は酢酸繊維素からなり、7mmの長さ、約7.12mmの外径及び約3.5mmの内径を有する。
【0081】
図3に示されたエアロゾル発生製品は、エアロゾル霧化ユニットの側部に発熱体を挿入してエアロゾル霧化ユニット内のタバコ材料を加熱し、タバコ材料から揮発性化合物を放出する。消費者は、エアロゾル発生製品10の口端12で喫煙する時、これらの揮発性化合物は、凝縮霧化されてエアロゾルを形成し、条棒11を介して消費者の口に伝える。
【0082】
前記エアロゾルを吸って煙ガス冷却ユニット30を通る熱交換により、エアロゾルの温度を低減する。
【0083】
国家標準GB/T19609-2004で指定されている喫煙モデルに従って喫煙を模倣し、カナダの深層喫煙モード(HCI)を採用する。各経口喫煙のエアロゾル主流の温度に対する煙ガス冷却ユニットの影響を調査し、アセテートトウ冷却ユニットを含む参照エアロゾル発生製品と比較した(図5を参照)。熱電対温度プローブは、フィルターチップ40の中心から5mm離れた口端に位置する。試験結果を表7に示す。
【0084】
表7 エアロゾル主流の温度に対する試験結果
【表7】
【0085】
図5に示されたように、現行技術による4段式のエアロゾル発生製品10(参照サンプル)は、エアロゾル霧化ユニット20、中空酢酸繊維素管60、高い単デニール酢酸繊維素濾過棒72及びフィルターチップ40という4つのユニットを含む。前記エアロゾル霧化ユニット20は、条棒の最遠位端13に位置し、中空酢酸繊維素管60は、エアロゾル霧化ユニットの下流側にあり、高い単デニール酢酸繊維素濾過棒72は、中空酢酸繊維素管60の下流側にあり、フィルターチップ40は、高い単デニール酢酸繊維素濾過棒72の下流側にあり、条棒11は、口端12を備える。当該4つのユニットは、シガレットペーパー50によってしっかり包まれて順次かつ同軸に条棒11に組み立てられる。
【0086】
実施形態に対する上記の説明は、当該技術分野の当業者が本発明を理解し適用し易いためである。当業者は、明らかに本実施形態に様々な修正を行い易く、創造的な働きなしに本発明に記載の一般原理を他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本実施形態に限定されない。当業者の本発明の開示による本発明の範囲から逸脱なしの改善及び修正は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0087】
10 エアロゾル発生製品
11 条棒
20 エアロゾル霧化ユニット
30 煙ガス冷却ユニット
図1
図2
図3
図4
図5