(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ハブシステム及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20250110BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20250110BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20250110BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J3/38 110
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2022105712
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】江口 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】井上 学
(72)【発明者】
【氏名】上浦 将来
(72)【発明者】
【氏名】山内 恒樹
(72)【発明者】
【氏名】名嘉 丈博
(72)【発明者】
【氏名】篠田 尚信
(72)【発明者】
【氏名】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 和貴
(72)【発明者】
【氏名】西澤 研
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅人
(72)【発明者】
【氏名】原 ルミ子
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-083290(JP,A)
【文献】国際公開第2021/071923(WO,A1)
【文献】特開2017-108527(JP,A)
【文献】特許第4461192(JP,B1)
【文献】特開2017-034752(JP,A)
【文献】国際公開第2021/255826(WO,A1)
【文献】特開2017-034751(JP,A)
【文献】特開2016-100683(JP,A)
【文献】特開2022-027241(JP,A)
【文献】特開2018-201282(JP,A)
【文献】特開2009-055713(JP,A)
【文献】特開2008-269084(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025383(WO,A1)
【文献】特開2012-182519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/38
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する通信部と、
前記電力データと、前記電力データの計測時刻を示す時刻情報と、を対応付けてデータベースに保存する制御部と、
前記データベースと、
前記電力データの送受信に際し、前記電力データに係る前記分散リソースの識別情報とパスワードによって認証を行う認証部と、
を備え、
前記通信部は、前記電力データの送受信先である他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段を備え、
前記認証部は、最初に前記他装置から前記識別情報と所定の初期パスワードを取得すると、前記分散リソースごとに固有のパスワードを生成し、
前記通信部は、生成された前記固有のパスワードを前記他装置へ送信する、
ハブシステム。
【請求項2】
分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する通信部と、
前記電力データと、前記電力データの計測時刻を示す時刻情報と、を対応付けてデータベースに保存する制御部と、
前記データベースと、
を備え、
前記通信部は、前記電力データの送受信先である他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段を備え、
前記制御部は、前記電力データを送受信したこと及び送受信した時刻、前記電力データを前記データベースへ保存したこと及び保存時刻をログファイルへ記録する、
ハブシステム。
【請求項3】
ハブシステムが、
分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段を用いて、前記他装置から前記電力データを受信し、
前記電力データと前記電力データの計測時刻を示す時刻情報とを対応付けてデータベースに保存し、
前記電力データの送受信に際し、前記電力データに係る前記分散リソースの識別情報とパスワードによって認証を行い、
前記認証に関し、最初に前記他装置から前記識別情報と所定の初期パスワードを取得すると、前記分散リソースごとに固有のパスワードを生成し、生成された前記固有のパスワードを前記他装置へ送信する、
通信制御方法。
【請求項4】
ハブシステムが、
分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段を用いて、前記他装置から前記電力データを受信し、
前記電力データと前記電力データの計測時刻を示す時刻情報とを対応付けてデータベースに保存し、
前記電力データを送受信したこと及び送受信した時刻、前記電力データを前記データベースへ保存したこと及び保存時刻をログファイルへ記録する、
通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハブシステム及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバと機器の間での電力に関するデータのやり取りを仲介する通信装置が開示されている。一般に太陽光発電や蓄電池などの分散リソース(DER:Distributed Energy Resources:)やPCS(Power Conditioning System:電力制御システム)などの周辺装置との通信に用いる通信プロトコルは、分散リソース(DER)や周辺装置のメーカに依存しており、それらの装置と通信を行って、分散リソース(DER)が発電等した電力に関するデータを取得しようとした場合、メーカ独自の通信プロトコルを標準プロトコルに変換するエッジ端末の設置が必要とされる。また、分散リソース(DER)等と通信を行うのではなく、分散リソース(DER)のメーカが運営するデータセンタのサーバ等(所謂クラウド)と通信を行って、データを取得しなければならない場合がある。
【0003】
電力に関するデータのやり取りにおいて、通信装置は、非同期でデータ転送を行うことが多い。送信側の装置は受信側の装置の状況にかかわらずデータを通信装置へ送信し、送信したデータは、一旦、通信装置によって保存される。受信側の装置は、都合の良いとき(例えば、処理のピーク時以外)に通信装置からデータを取得する。非同期なメッセージングシステムでは、データの配信がFIFO(First In First Out)で行われることが多いが、その場合、データの時刻同期は行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分散リソース(DER)の電力取引に係る情報処理を行うプラットフォームを考えた場合、多数の分散リソース(DER)に係る電力に関するデータ(例えば、発電電力)を収集し、一元管理する必要がある。その場合、通信プロトコルや通信先(分散リソース(DER)等の装置と通信するか、クラウドと通信するか)の違いを吸収して、様々な装置から多様なデータを収集し、管理できる必要がある。例えば、データ管理に関しては、各装置から収集したデータの時刻同期が必要となる。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するハブシステム及び通信制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のハブシステムは、分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する通信部と、前記電力データと前記電力データの計測時刻を示す時刻情報とを対応付けてデータベースに保存する制御部と、前記データベースと、を備え、前記通信部は、前記電力データの送受信先である他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段を備える。さらに、前記電力データの送受信に際し、前記電力データに係る前記分散リソースの識別情報とパスワードによって認証を行う認証部、を備え、前記認証部は、最初に前記他装置から前記識別情報と所定の初期パスワードを取得すると、前記分散リソースごとに固有のパスワードを生成し、前記通信部は、生成された前記固有のパスワードを前記他装置へ送信してもよい。又は前記制御部は、前記電力データを送受信したこと及び送受信した時刻、前記電力データを前記データベースへ保存したこと及び保存時刻をログファイルへ記録してもよい。
【0008】
本開示の通信制御方法によれば、ハブシステムが、分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段を用いて、前記他装置から前記電力データを受信し、前記電力データと前記電力データの計測時刻を示す時刻情報とを対応付けてデータベースに保存する。前記電力データの送受信に際し、前記電力データに係る前記分散リソースの識別情報とパスワードによって認証を行い、最初に前記他装置から前記識別情報と所定の初期パスワードを取得すると、前記分散リソースごとに固有のパスワードを生成し、生成された前記固有のパスワードを前記他装置へ送信してもよい。前記電力データを送受信したこと及び送受信した時刻、前記電力データを前記データベースへ保存したこと及び保存時刻をログファイルへ記録してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示のハブシステム及び通信制御方法によれば、通信プロトコルが異なる複数の装置から電力に関するデータを収集し、各データの時刻を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るハブシステムの一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る電力データの保存および抽出処理について説明する図である。
【
図3】実施形態に係るハブシステムの動作を示す第1のフローチャートである。
【
図4】実施形態に係るハブシステムの動作を示す第2のフローチャートである。
【
図5】実施形態のハブシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、本開示のハブシステムについて、
図1~
図5を参照しながら説明する。
(構成)
図1は、実施形態に係るハブシステムの一例を示す図である。
ハブシステム10は、多数の分散リソース(DER)が発電又は充放電等する電力又は電力量など分散リソース(DER)の電力に関するデータ(電力データと称する。電力データには、分散リソース(DER)にて発電や充放電等される電力量や、電力、電圧、電流、力率の瞬時値などのうちの何れか又は複数(全部でもよい)と、これらの値を計測した計測時刻が含まれる。力率は、電力に対し有効電力と無効電力を分けるための計算に使用する。)を収集および保存し、他システムへ電力データの提供を行うIoT(Internet of Things)ハブシステムである。分散リソース(DER)とは、例えば、PV(photovoltaics:太陽光発電設備)、ESS(Energy Storage System:電力貯蔵システム)、小型火力発電装置などである。ハブシステム10は、通信部11と、制御部12と、時刻同期部13と、認証登録部14と、データ処理部15と、データベース16と、を備える。
【0012】
通信部11は、通信モジュールやデバイスドライバ、クラウドドライバ(クラウドとの通信に用いるドライバ等の各種ソフトウェアのこと。クラウドドライバには、例えば、WebAPIが含まれる。)、API等を備え、これらを使用して、他装置・他システムとの通信やデータの入出力を行う。通信部11は、メーカ独自の通信プロトコルに対応した通信モジュール、標準的な通信プロトコルに対応した通信モジュールなど、様々な種類の通信モジュール(ソフトウェア)や通信デバイス(ハードウェア)およびその通信デバイスの動作に必要なデバイスドライバを有しており、分散リソース(DER)の種類やメーカを限定せずに、多種多様な分散リソース(DER)およびその周辺装置と通信可能に構成されている。
図1の例では、ハブシステム10は、上位システム1、クラウド4a,4b、エッジ端末9a,9b、ユニットコントローラ7bなどと通信可能な通信モジュールや通信デバイスおよびその通信デバイスのデバイスドライバを備えており、クラウド4a等の他装置とデータの送受信を行う。なお、通信モジュール等は、ハブシステム10と通信を行う他装置に応じて追設が可能であってもよい。また、通信モジュール、通信デバイス、デバイスドライバ、クラウドドライバ、API等は通信手段の一例である。
【0013】
例えば、PV2aは、PCS3aと接続され、PCS3aは、PV2aが発電した電力を交流電力に変換して負荷へ供給するとともに、PV2aが発電した電力の大きさを含む電力データをPV2aのメーカが運営するクラウド4aへ送信する。電力データには、例えば、PV2aの識別情報とPV2aによって発電された電力等(電力量、電力、電圧、電流、力率など、以下同様)の情報が含まれる。同様に、PCS3bは、PV2bに関する電力データをクラウド4aへ送信する。PCS3cは、PV2cに関する電力データをクラウド4aへ送信する。クラウド4aは、PCS3a~3cから送信される時々刻々の電力データを取得して自システムに保存するとともに、電力データに時刻情報(例えば、PCS3aから電力データを受信した時刻を、その電力データに含まれる電力等の計測時刻として付加する。)とPV2a~2cの認証用のパスワードを付加してハブシステム10へ送信する。通信部11は、クラウド4aから送信される電力データを取得し、取得した電力データを制御部12へ出力する。
【0014】
ESS5aは、PCS3dと接続され、PCS3dは、ESS5aが負荷との間で充放電する電力に関して、直流電力と交流電力の変換を行ったり、充放電される電力の大きさを含む電力データをESS5aのメーカが運営するクラウド4bへ送信したりする。同様に、PCS3eは、ESS5bの充放電に関する電力データをクラウド4bへ送信する。電力データには、例えば、ESS5aの識別情報と充放電された電力等の情報が含まれる。クラウド4bは、ESS5a,5bから送信される時々刻々の充放電に関する電力データを取得して自システムに保存するとともに、電力データに時刻情報(例えば、PCS3dから電力データを受信した時刻を、その電力データに含まれる電力等の計測時刻として付加する。)とESS5a,5bの認証用のパスワードを付加してハブシステム10へ送信する。通信部11は、クラウド4bから送信される電力データを取得し、取得した電力データを制御部12へ出力する。
【0015】
発電設備6aは、ユニットコントローラ7aによって制御される。ユニットコントローラ7aは、発電設備6aによって発電される電力等の情報、電力等の計測時刻と、発電設備6aの識別情報などを含む電力データをエッジ端末9aへ送信する。エッジ端末9aは、発電設備6aから送信される時々刻々の電力データを取得し、発電設備6aの認証用のパスワードを付加した電力データをハブシステム10へ送信する。通信部11は、エッジ端末9aから送信される電力データを取得し、取得した電力データを制御部12へ出力する。
【0016】
発電設備6bは、ユニットコントローラ7bによって制御される。ユニットコントローラ7bは、発電設備6bによって発電された電力等の情報、電力等の計測時刻と、発電設備6bの識別情報および認証用のパスワードを含む電力データをハブシステム10へ送信する。通信部11は、ユニットコントローラ7bから送信される電力データを取得し、取得した電力データを制御部12へ出力する。
【0017】
スマートメータ8は、エッジ端末9bと接続され、エッジ端末9bは、スマートメータ8から電力データを取得し、電力データをエッジ端末9bへ送信する。電力データには、スマートメータ8が計測した電力等と、電力等の計測時刻と、スマートメータ8の識別情報などが含まれる。エッジ端末9bは、スマートメータ8から送信される時々刻々の電力データを取得し、認証用のパスワードを付加した電力データをハブシステム10へ送信する。通信部11は、エッジ端末9bから送信される電力データを取得し、取得した電力データを制御部12へ出力する。
【0018】
このほかにも、通信部11は、他装置・他システムから情報を取得することができる。例えば、通信部11は、日本卸電力取引所において決定された電力価格、気象データ、需要家の負荷、配線系統のデータなどを取得してもよい。また、通信部11は、上位システム1から、電力データを要求する情報を取得する。通信部11は、この要求に応じた電力データを上位システム1へ送信する。上位システム1とは、例えば、配電系統領域内の電力取引に利用される分散リソース市場取引装置である。分散リソース市場取引装置は、市場の運営者(DMO)によって運営される基盤システム(プラットフォーム)である。この電力取引市場では、ある配電系統を管理する配電系統運用者(DSO)と、市場参加者との間で電力の取引が行われる。市場参加者は、当該配電系統に連系される分散リソース(DER)の所有者、または、複数の分散リソース(DER)を束ねて管理するアグリゲータ等である。分散リソース市場取引装置(上位システム1)は、取引に係る電力データ(例えば、どれぐらいの電力量を取引するか等)をハブシステム10へ要求する。ハブシステム10は、通信部11を通じて、この要求を受信し、要求された電力データを分散リソース市場取引装置(上位システム1)へ送信する。
【0019】
制御部12は、電力データの入出力や保存などを行う。例えば、制御部12は、通信部11が取得した電力データを、例えば、APIを使用してデータベース16に書き込んで保存する。その際、制御部12は、他装置(
図1のクラウド4a、4b、エッジ端末9a、9b、ユニットコントローラ7b等)から取得した電力データと時刻情報を対応付けて、データベース16に記録する。時刻情報には、電力データに含まれる電力等の計測時刻を用いることができる。また、電力データは、分散リソース(DER)のメーカごとに異なるデータ形式(データフォーマット)で送信される場合がある。これに対し、制御部12は、様々なデータ形式を所定のデータ形式に変換する。例えば、制御部12は、複数のデータ形式を記憶している。また、電力データの一部には、データ形式を表すコード情報が含まれている。そして、制御部12は、このコード情報に基づいてデータ形式を特定し、特定したデータ形式に則って電力データを解析する。制御部12は、電力データを解析すると必要なデータだけを抜き出して、所定の統一されたデータ形式に変換し、変換後の電力データと時刻情報を対応付けてデータベース16に記録する(例えば、変換後のデータ形式に時刻の項目があれば、その項目に計測時刻を設定して記録する。)。なお、ユーザは、任意のデータ形式をハブシステム10に登録することができてもよい。
【0020】
通信部11が、上位システム1から電力データを要求する情報を取得すると、制御部12は、データ処理部15を使用して、要求された電力データをデータベース16から抽出する。制御部12は、データ処理部15によって抽出された電力データを、通信部11を介して上位システム1へ送信する。
【0021】
制御部12は、イベントのログデータを記録するロギング機能を有している。イベントとは、例えば、電力データの送受信、保存、抽出などである。例えば、通信部11がクラウド4aから電力データを受信すると、制御部12は、取得時刻、取得したデータ件数、データの取得元の識別情報(この例の場合、クラウド4aの識別情報)などをデータベース16が記憶するイベントログファイルに追記する。クラウド4aから取得した電力データのデータベース16への保存が完了すると、制御部12は、その完了時刻、保存したデータの送信元の識別情報(この例の場合、クラウド4aの識別情報)などをデータベース16のイベントログファイルに追記する。上位システム1から電力データの要求を取得すると、制御部12は、要求があった時刻、要求の取得元の識別情報(この例の場合、上位システム1の識別情報)、要求の内容などをデータベース16のイベントログファイルに追記する。上位システム1の要求に対して、要求された電力データの上位システム1への送信が完了すると、制御部12は、その完了時刻、送信したデータ数、送信先の識別情報(この例の場合、上位システム1の識別情報)などをデータベース16のイベントログファイルに追記する。
【0022】
時刻同期部13は、ハブシステム10のシステム時刻を調整および管理する。例えば、時刻同期部13は、外部のNTPサーバに現在の時刻を問い合わせて、ハブシステム10のシステム時刻をNTPサーバの時刻に同期させる。また、時刻同期部13は、時刻合わせをクラウド4a,4bと行う。例えば、時刻同期部13は、定期的にクラウド4a,4bに時刻の確認信号を送信する。これに対し、クラウド4a,4bは、自身の時刻の情報を時刻同期部13へ返信する。例えば、クラウド4aの時刻が狂っている場合、時刻同期部13はクラウド4aに時刻の修正を指示する指令信号を送信する。クラウド4aは、この指令信号に基づいて時刻合わせを行う。クラウド4bについても同様である。これにより、ハブシステム10とクラウド4a,4bの時刻が同期し、電力データに含まれる時刻情報の正確性が担保される。
【0023】
認証登録部14は、ハブシステム10に接続される分散リソース(DER)(
図1の例ではPV2a~2c、ESS5a~5b、発電装置6a~6b)の認証および登録を行う。ハブシステム10に接続される分散リソース(DER)の各々には、分散リソース(DER)の種類ごとに予め固有の識別情報が割り当てられている。そして、例えば、PV2aから最初に電力データを、PCS3a、クラウド4aを介して、ハブシステム10へ送信する場合、クラウド4aは、PV2aの識別情報と、全ての分散リソース(DER)に共通の所定の初期パスワードとをハブシステム10へ送信し、PV2aの登録を要求する。認証登録部14は、PV2aの識別情報と初期パスワードによって認証を行う。PV2aの識別情報が、予めデータベース16に登録されていて、この識別情報と初期パスワードによって認証が行われてもよい。PV2aの認証に成功すると、認証登録部14は、データベース16に新規の分散リソース(DER)としてPV2aの情報(例えば、識別情報、種類や名称、メーカ名、分散リソース(DER)の設置場所の位置情報など)を登録する。また、PV2aの登録が完了すると、認証登録部14は、PV2aに固有のパスワードを新たに発行し、通信部11を介してクラウド4aへ固有パスワードを通知する。クラウド4aは、PV2aの識別情報とパスワードを対応付けて記憶する。一方、制御部12は、認証登録部14によって発行された固有パスワードをPV2aの識別情報と対応付けてデータベース16に記録する。次回以降、PV2aの電力データをクラウド4aからハブシステム10へ送信する際には、電力データとともにPV2aの固有のパスワードが送信される。認証登録部14は、クラウド4aから送信されたPV2aの識別情報と固有パスワードによって認証を行い、認証が成功した場合に限り、電力データの受信を許可する。
【0024】
データ処理部15は、データベース16に保存されたデータの処理を行う。例えば、上位システム1から、分散リソース(DER)の識別情報と電力データの計測時刻を抽出条件として指定した電力データの要求があると、制御部12は、APIを使用してデータ処理部15へこの抽出条件を満たす電力データを抽出するように指示する。データ処理部15は、抽出条件に基づいて、データベース16から電力データを抽出する。上記例の場合、データ処理部15は、指定された分散リソース(DER)の識別情報を有し、指定された電力等の電力データの計測時刻に該当する時刻情報が付加された電力データを、データベース16から抽出する。
【0025】
データベース16は、クラウド4a,4b、エッジ端末9a,9b等から取得した電力データ、各分散リソース(DER)の識別情報および固有のパスワード、イベントログファイルなどを記憶する。
【0026】
次に
図2を参照して、電力データの保存と抽出について説明する。非同期通信を行う場合、データの処理方式がFIFOであれば、データの取得順にデータが送信される為、送受信のタイミングがずれると、受信側は所望のデータを受け取ることができない可能性がある。これに対し、本実施形態では、受信した電力データをデータベース16にて保存し、他装置から電力データの要求があると、要求に応じた電力データをデータベース16から抽出し、他装置へ提供する。これにより、非同期であっても、他装置が所望する電力データを提供することができる。
【0027】
図2は、電力データの保存および抽出処理について説明する図である。
制御部12は、通信部11を介して、クラウド4aから、計測時刻00:00:00が付加された電力等を含む電力データ1A~3Aを取得し、計測時刻00:05:00が付加された電力等を含む電力データ1B~3Bを取得し、計測時刻00:10:00が付加された電力等を含む電力データ1C~3Cを取得する。制御部12は、電力データに含まれる電力等の値とそれぞれの計測時刻を対応付けてデータベース16へ記録する。つまり、電力データ1A~3Aの電力等には、時刻00:00:00が対応付けられ、電力データ1B~3Bの電力等には、時刻00:05:00が対応付けられ、電力データ1C~3Cの電力等には、時刻00:10:00が対応付けられてデータベース16に記録される。同様に、制御部12は、通信部11を介してクラウド4Bから、計測時刻00:05:00が付加された電力等を含む電力データ4~6を取得すると、各データの電力等に時刻00:05:00を対応付けてデータベース16へ記録する。また、制御部12は、通信部11を介してエッジ端末9aから、計測時刻00:05:00と、この時刻に計測された電力等を含む電力データ7~9を取得すると、電力データ7~9の電力等と時刻00:05:00を対応付けてデータベース16へ記録する。
【0028】
次に、上位システム1は、データ種類と時刻を抽出条件として指定して、抽出条件を満たす電力データをハブシステム10へ要求する。制御部12は、通信部11を介してこの要求を取得すると、APIを使って、抽出条件をデータ処理部15へ通知し、電力データの抽出を指示する。例えば、要求された計測時刻が00:05:00で、要求されたデータ種類に該当するのが、電力データ1A、1B、1C、5、9だとすると、データ処理部15は、データベース16から電力データ1B,5,9を抽出して、抽出したデータを通信部11へ出力する。通信部11は、電力データ1b、5、9を上位システム1へ送信する。また、これらの処理に関して、制御部12は、各処理のログを、イベントログファイルに記録する。
【0029】
ここで、電力データを記録する際に時刻情報を付加する(対応付ける)意味について説明する。
(1)例えば配電領域内で電力市場取引を行う場合、電力取引の精算は、電力供給者(分散リソース(DER)の所有者)が取引約定日の約定時間帯(供給開示時刻から供給終了時刻までの時間帯)において実際に供給した電力(例えば、スマートメータ等で時々刻々と計測した電力の実測値)と毎時の供給電力の計画値との比較に基づいて計算する。このような計算を行う為には、供給電力の実測値データに計測時刻の情報を付加することが必要となる。特に、配電領域における市場運営者(DMO)が複数の市場参加者(分散リソース(DER)の所有者)と電力取引を行う場合には、各分散リソース(DER)に紐づく様々な計測時刻における供給電力の実測値データの各々が、それぞれ異なる通信遅れ時間をもって順不同で送受信されるため、供給電力の実測値データに計測時刻の情報を付加することが不可欠となる。
【0030】
(2)配電系統領域内における分散リソース市場取引装置(上位システム1)では、配電系統における所定の地点ごとの電力量(kWh)と合わせ、電圧(V)や電流(A)といった電力の瞬時値データを取得する。分散リソース市場取引装置(上位システム1)では、それらデータを取得して、配電系統の各地点における電圧値や電流値が系統の許容範囲に入っているか(地点ごとに異常がないか)を確認する。どの地点の電圧等が異常なのかを知るためには、各地点における同じ時刻で取得した当該電圧等のデータを比較して計算等する(同時刻における各地点の状況を見比べる)必要があるため、電圧等のデータの計測時刻を付加することが不可欠となる。
【0031】
(動作)
<データ登録>
次にクラウド4aとハブシステム10の通信を例に、ハブシステム10の動作について説明する。
図3は、ハブシステム10の動作を示す第1のフローチャートである。
PV2aの電力データをハブシステム10へ送信するのが初回であるとする。クラウド4aがPCS3aからPV2aの電力データを受信する(ステップS1)。クラウド4aは、PV2aの識別情報と所定の初期パスワードとをハブシステム10へ送信し、PV2aの登録を要求する(ステップS2)。
【0032】
ハブシステム10では、通信部11が登録の要求を受信し、制御部12が認証登録部14にPV2aの識別情報と初期パスワードとを送信して認証を要求する。認証登録部14は、PV2aの認証を行って、認証結果を制御部12へ通知する。認証が成功した場合、制御部12は、PV2aをデータベース16へ登録する(ステップS3)。また、認証登録部14は、PV2aの固有のパスワードを発行する(ステップS3)。制御部12は、認証登録部14が発行した固有のパスワードを取得し、通信部11を介して、クラウド4aへPV2aの固有のパスワードを送信する(ステップS4)。
【0033】
制御部12は、上記の処理に関して、例えば、(1)クラウド4aからの登録要求の受信、(2)PV2aの登録、(3)クラウド4aへのPV2aの固有パスワードの送信といった各イベントをイベントログファイルへ追記する。
【0034】
クラウド4aは、PV2a固有のパスワードをPV2aの識別情報と対応付けて記憶する(ステップS5)。クラウド4aは、PV2aの電力データに時刻情報と固有パスワードを付加して、ハブシステム10へ送信する(ステップS6)。
【0035】
ハブシステム10では、通信部11が電力データを受信し、制御部12が認証登録部14にPV2aの識別情報と固有パスワードとを送信して認証を要求する。認証登録部14は、PV2aの認証を行って(ステップS7)、認証の成否を制御部12へ通知する。認証に成功すると、制御部12は、クラウド4aから送信された電力データを所定のデータ形式に変換して、電力等の計測値と時刻情報とを対応付けてデータベース16へ書き込み保存する(ステップS8)。制御部12は、通信部11を介して、クラウド4aへ電力データの保存完了などの処理結果を通知する(ステップS9)。
【0036】
制御部12は、上記の処理ステップS5~S9に関して、例えば、(1)クラウド4aからの電力データの受信、(2)認証の成否、(3)電力データの保存といった各イベントをイベントログファイルへ追記する。
【0037】
なお、上記の説明では、初回の登録処理と電力データの保存処理とを2回に分けて実行する場合を例に説明を行ったが、ステップS2の登録要求時に電力データを送信し、固有パスワードの発行とともに電力データを保存するようにしてもよい。
【0038】
電力データの送信2回目以降の処理について簡単に説明する。クラウド4aがPCS3aからPV2aの電力データを受信する(ステップS10)。クラウド4aは、電力データに時刻情報とPV2aの固有パスワードを付加してハブシステム10へ送信する(ステップS11)。
【0039】
ハブシステム10では、通信部11が電力データを受信し、認証登録部14がPV2aの識別情報と固有パスワードを用いて認証を行う(ステップS12)。認証に成功すると、制御部12は、クラウド4aから送信された電力データを所定のデータ形式に変換して、電力等の計測値と時刻情報とを対応付けてデータベース16へ保存する(ステップS13)。制御部12は、通信部11を介して、クラウド4aへ電力データの保存完了などの処理結果を通知する(ステップS14)。制御部12は、例えば、(1)クラウド4aからの電力データの受信、(2)認証の成否、(3)電力データの保存といった各イベントの発生をイベントログファイルへ追記する。
【0040】
<データ抽出>
次に上位システム1とハブシステム10の通信を例にハブシステム10の動作について説明する。
図4は、ハブシステム10の動作を示す第2のフローチャートである。
上位システム1が、ハブシステム10へ抽出条件を指定して、電力データを要求する(ステップS21)。抽出条件には、例えば、電力データの電力量、電力、電圧、電流、力率などに対応付けられた時刻情報(計測時刻)に対する条件(例えば、対応付けられた時刻がXX:XX:XX~YY:YY:YYの範囲にあること等)、分散リソース(DER)の種類、電力の大きさ、分散リソース(DER)の位置情報などが含まれていてもよい。また、電力データの要求には、上位システム1の識別情報および固有パスワードが含まれる。
【0041】
ハブシステム10では、通信部11が要求を受信し、制御部12が認証登録部14に上位システム1の識別情報と固有パスワードとを送信して認証を要求する。認証登録部14は、上位システム1の認証を行う(ステップS22)。認証に成功すると、制御部12は、抽出条件をデータ処理部15へ通知し、電力データの抽出を指示する。データ処理部15は、抽出条件を満たす電力データをデータベース16から抽出し(ステップS23)、制御部12へ出力する。制御部12は、通信部11を介して、抽出された電力データを上位システム1へ送信する(ステップS24)。
【0042】
制御部12は、上記の処理に関して、例えば、(1)上位システム1から要求の受信、(2)認証の成否、(3)電力データの抽出、(4)抽出した電力データの送信といった各イベントをイベントログファイルへ追記する。
【0043】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、通信プロトコルやデータ形式が異なる複数の他装置から、それらの違いを吸収して電力データを収集および保存し、各電力データの時刻を管理することができる。また、抽出条件に基づいて、電力データを抽出して他装置へ送信することができる。多様な分散リソース(DER)やその周辺装置および他システムと連携して、電力データの送受信を行うことができるので、例えば、分散リソース(DER)に係る電力取引の情報処理を行うプラットフォームに適用して利用することができる。また、分散リソース(DER)等と通信を行う際には、識別情報と固有パスワードによる認証を行うので、データの安全性を確保することができる。また、初回登録時に、固有パスワードを自動的に発行し、管理することができるので、ハブシステム10に登録される分散リソース(DER)の数が膨大になっても、パスワード管理の手間を軽減することができる。また、イベントログファイルに電力データの送受信などの履歴を記録しておくことができるので、ハブシステム10の利用状況や各分散リソース(DER)の稼働状況を把握したり、事故発生時の原因究明に役立てたりすることができる。
【0044】
なお上記の実施形態では、
図1の構成を例に説明を行ったが、ハブシステム10の構成は、
図1の例に限定されない、例えば、時刻同期部13、認証登録部14、データ処理部15は、制御部12と同じコンピュータに実装されてもよい。その場合、制御部12と時刻同期部13、認証登録部14、データ処理部15の通信にはAPIは必ずしも必要なく、他の手段でデータのやり取りを行ってもよい。あるいは、制御部12と、時刻同期部13、認証登録部14、データ処理部15の全部または一部は、一体的に構成されていてもよい。
【0045】
図5は、ハブシステム10のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述のハブシステム10は、1台又は複数台のコンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0046】
なお、ハブシステム10の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0047】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0048】
<付記>
実施形態に記載のハブシステム及び通信制御方法は、例えば以下のように把握される。
【0049】
(1)第1の態様に係るハブシステムは、分散リソース(DER(Distributed Energy Resources))が発電又は充放電する電力に関する電力データ(電力量、電力、電圧、電流、力率など)を送受信する通信部と、前記電力データと、前記電力データの計測時刻を示す時刻情報(電力量、電力、電圧、電流、力率などの測定時刻、電力などの瞬時値は各値の計測時刻、電力量の場合は計測の開始時刻および/又は終了時刻など)と、を対応付けてデータベースに登録する制御部と、前記データベースと、を備え、前記通信部は、前記電力データの送受信先である他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段(通信モジュール、通信デバイスおよびデバイスドライバ、API、WebAPI(クラウドドライバ)など)を備える。
これにより、通信プロトコルが異なる複数の他装置から分散リソース(DER)が発電等した電力に関する電力データを収集し、各データの時刻を管理することができる。また、電力データをデータベースに保存しておくことができる。
【0050】
(2)第2の態様に係るハブシステムは、(1)のハブシステムであって、前記通信部は、前記他装置から、前記時刻情報を含む抽出条件が指定された前記電力データを要求する情報を受信し、前記制御部(制御部12とデータ処理部15)は、前記抽出条件を満たす前記電力データを前記データベースから抽出し、前記通信部は、抽出された前記電力データを前記他装置へ送信する。
これにより、データベースに保存した電力データの中から必要なデータを抽出し、他装置にて活用することができる。電力データをデータベースに保存し、任意に抽出可能とすることで、電力データが分散リソース(DER)側から送信されてから時間が経っても、所望の電力データを参照することができる。
【0051】
(3)第3の態様に係るハブシステムは、(1)~(2)のハブシステムであって、前記制御部は、前記電力データを所定のデータ形式に変換して前記データベースに登録する。
通信プロトコルのみならず、電力データのデータ形式についてもメーカ独自のフォーマットに対応することで、電力データの一元管理が容易になる。
【0052】
(4)第4の態様に係るハブシステムは、(1)~(3)のハブシステムであって、前記電力データの送受信に際し、前記電力データに係る前記分散リソースの識別情報とパスワードによって認証を行う認証部、をさらに備える。
これにより、無制限に他装置が接続されることを防ぎ、認証が成功した分散リソース(DER)に関する電力データのみを収集、保存および提供することができる。
【0053】
(5)第5の態様に係るハブシステムは、(4)のハブシステムであって、前記認証部は、最初に前記他装置から前記識別情報と所定の初期パスワードを取得すると、前記分散リソースごとに固有のパスワードを発行し、前記通信部は、発行された前記固有のパスワードを前記他装置へ送信する。
これにより、分散リソース(DER)ごとにパスワードを設定する手間を省くことができる。
【0054】
(6)第6の態様に係るハブシステムは、(1)~(5)のハブシステムであって、前記制御部は、前記電力データを送受信したこと及び送受信した時刻、前記電力データを前記データベースへ保存したこと及び保存時刻をログファイルへ記録する。
これにより、電力データの受信、保存、送信の証跡を残すことができる。
【0055】
(7)第7の態様に係る通信制御方法では、ハブシステムが、分散リソースが発電又は充放電する電力に関する電力データを送受信する他装置が通信に用いる通信プロトコルに応じた通信手段(通信モジュール、通信デバイスおよびデバイスドライバ、API、WebAPI(クラウドドライバ)など)を用いて、前記他装置から前記電力データを受信し、前記電力データと、前記電力データの計測時刻を示す時刻情報と、を対応付けてデータベースに保存する。
【符号の説明】
【0056】
1・・・上位システム
2a~2c・・・PV
3a~3e・・・PCS
4a、4b・・・クラウド
5a~5b・・・ESS
6a~6b・・・発電装置
7a~7b・・・ユニットコントローラ
8・・・スマートメータ
9a~9b・・・エッジ端末
10・・・ハブシステム
11・・・通信部
12・・・制御部
13・・・時刻同期部
14・・・認証登録部
15・・・データ処理部
16・・・データベース
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース