(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H10F 39/12 20250101AFI20250110BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20250110BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2022517520
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 JP2021008486
(87)【国際公開番号】W WO2021220610
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2020079022
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 美智子
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-28241(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021541(WO,A1)
【文献】特開2016-225584(JP,A)
【文献】特開2006-295125(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0054103(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0351605(US,A1)
【文献】国際公開第2016/114154(WO,A1)
【文献】特開2019-140252(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043654(WO,A1)
【文献】特開2011-258728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を集光する複数のマイクロレンズと、
集光された前記入射光が含む特定波長の光を透過する複数のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタを透過した特定波長の光が入射される複数の光電変換部と、
前記カラーフィルタ間に配置され、前記カラーフィルタの周囲を囲む複数段の導波路壁部とを備え、
複数段の前記導波路壁部それぞれは、瞳補正がされた位置に形成されている
固体撮像装置。
【請求項2】
前記導波路壁部は、前記カラーフィルタよりも屈折率の低い低屈折材料を含む
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記導波路壁部の高さは、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記光電変換部側の段の前記導波路壁部の高さよりも、前記マイクロレンズ側の段の前記導波路壁部の高さが低い
請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記カラーフィルタは、複数段のフィルタ構成部材を含み、
前記フィルタ構成部材の材料は、複数段の前記フィルタ構成部材のうちの、二段以上の前記フィルタ構成部材間で互いに異なっている
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
最も前記マイクロレンズ側の段の前記フィルタ構成部材の材料の粘性よりも、他の段の前記フィルタ構成部材の材料の粘性が低い
請求項5に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記導波路壁部の幅は、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記マイクロレンズ側の段の前記導波路壁部の幅よりも、前記光電変換部側の段の前記導波路壁部の幅が広い
請求項7に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記導波路壁部のずれ量は、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記光電変換部側の段の前記導波路壁部のずれ量よりも、前記マイクロレンズ側の段の前記導波路壁部のずれ量が大きい
請求項9に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
複数段の前記導波路壁部の全体の高さは、前記カラーフィルタの高さと異なっている
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
複数段の前記導波路壁部の全体の高さは、前記カラーフィルタの高さよりも高い
請求項11に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記光電変換部は、裏面照射型構造である
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記マイクロレンズの高さは、300nm以下である
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
入射光を集光する複数のマイクロレンズと、集光された前記入射光が含む特定波長の光を透過する複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した特定波長の光が入射される複数の光電変換部と、前記カラーフィルタ間に配置され、前記カラーフィルタの周囲を囲む複数段の導波路壁部とを備え、複数段の前記導波路壁部それぞれは、瞳補正がされた位置に形成されている固体撮像装置と、
被写体からの像光を前記固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路とを備える
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光電変換部、透明絶縁層、カラーフィルタ及びマイクロレンズがこの順に積層されてなる画素領域を有する固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の固体撮像装置では、カラーフィルタ間に低屈折材料を含む分離部を配置し、カラーフィルタをコアとし分離部(導波路壁部)をクラッドとして導波路を形成して、カラーフィルタ内で入射光が拡散することを防止し、各画素の感度を向上させている。
また、画素領域の端部側(高像高)では、入射光はマイクロレンズに斜めに入射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の固体撮像装置では、例えば、入射光が斜めに入射された場合、入射光が導波路壁部のマイクロレンズ側にあたり、入射光の一部が導波路壁部でけられ(散乱され)、散乱光が隣接画素に侵入して、混色を生じる可能性がある。
本開示は、画素の感度を高めるとともに、混色を防止可能な固体撮像装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の固体撮像装置は、(a)入射光を集光する複数のマイクロレンズと、(b)集光された入射光が含む特定波長の光を透過する複数のカラーフィルタと、(c)カラーフィルタを透過した特定波長の光が入射される複数の光電変換部と、(d)カラーフィルタ間に配置され、カラーフィルタの周囲を囲む複数段の導波路壁部とを備え、(e)複数段の導波路壁部それぞれは、瞳補正がされた位置に形成されている。
【0006】
本開示の電子機器は、(a)入射光を集光する複数のマイクロレンズと、集光された入射光が含む特定波長の光を透過する複数のカラーフィルタと、カラーフィルタを透過した特定波長の光が入射される複数の光電変換部と、カラーフィルタ間に配置され、カラーフィルタの周囲を囲む複数段の導波路壁部とを備え、複数段の導波路壁部それぞれは、瞳補正がされた位置に形成されている固体撮像装置と、(b) 被写体からの像光を固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、(c)固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る固体撮像装置の全体構成を示す図である。
【
図2】
図1のA-A線で破断して固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図3】各段の導波路壁部のずれ方向を示す図である。
【
図5A】固体撮像装置の製造工程の流れを示す図である。
【
図5B】固体撮像装置の製造工程の流れを示す図である。
【
図5C】固体撮像装置の製造工程の流れを示す図である。
【
図5D】固体撮像装置の製造工程の流れを示す図である。
【
図5E】固体撮像装置の製造工程の流れを示す図である。
【
図6】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図7】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図8】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図9】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図10】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図11】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図12】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る電子機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の実施形態に係る固体撮像装置1及び電子機器の一例を、
図1~
図13を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順序で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。また、本明細書に記載された効果は例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0009】
1.第1の実施形態:固体撮像装置
1-1 固体撮像装置の全体の構成
1-2 要部の構成
1-3 カラーフィルタ層の形成方法
1-4 変形例
2.第2の実施形態:電子機器への応用例
【0010】
〈1.第1の実施形態:固体撮像装置〉
[1-1 固体撮像装置の全体の構成]
本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置1について説明する。
図1は、本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置1の全体を示す概略構成図である。
図1の固体撮像装置1は、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
図13に示すように、固体撮像装置1(101)は、光学レンズ102を介して被写体からの像光(入射光106)を取り込み、撮像面上に結像された入射光106の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
図1に示すように、固体撮像装置1は、基板2と、画素領域3と、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8とを備えている。
【0011】
画素領域3は、基板2上に、二次元アレイ状に規則的に配列された複数の画素9を有している。画素9は、
図2に示した光電変換部23と、複数の画素トランジスタ(不図示)とを有している。複数の画素トランジスタとしては、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、アンプトランジスタの4つのトランジスタを採用できる。また、例えば、選択トランジスタを除いた3つのトランジスタを採用してもよい。
【0012】
垂直駆動回路4は、例えば、シフトレジスタによって構成され、所望の画素駆動配線10を選択し、選択した画素駆動配線10に画素9を駆動するためのパルスを供給し、各画素9を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路4は、画素領域3の各画素9を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素9の光電変換部23において受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線11を通してカラム信号処理回路5に供給する。
【0013】
カラム信号処理回路5は、例えば、画素9の列毎に配置されており、1行分の画素9から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路5は画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
水平駆動回路6は、例えば、シフトレジスタによって構成され、水平走査パルスをカラム信号処理回路5に順次出力して、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から信号処理が行われた画素信号を水平信号線12に出力させる。
【0014】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線12を通して、順次に供給される画素信号に対し信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を用いることができる。
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等に出力する。
【0015】
[1-2 要部の構成]
次に、
図1の固体撮像装置1の詳細構造について説明する。
図2は、
図1のA-A線で破断した場合の、固体撮像装置1の断面構成を示す図である。
図2に示すように、固体撮像装置1は、基板2、絶縁膜13、遮光膜14及び平坦化膜15がこの順に積層されてなる受光層16を備えている。また、受光層16の平坦化膜15側の面(以下、「裏面S1」とも呼ぶ)には、カラーフィルタ層17及びマイクロレンズアレイ18がこの順に積層されてなる集光層19が形成されている。さらに、受光層16の基板2側の面(以下、「表面S2」とも呼ぶ)には、配線層20及び支持基板21がこの順に積層されている。なお、受光層16の裏面S1と平坦化膜15の裏面とは同一の面であるため、以下の記載では、平坦化膜15の裏面についても「裏面S1」と表す。また、受光層16の表面S2と基板2の表面とは同一の面であるため、以下の記載では、基板2の表面についても「表面S2」と表す。
【0016】
基板2は、例えば、シリコン(Si)からなる半導体基板によって構成され、画素領域3を形成している。画素領域3には、光電変換部23を含む複数の画素9が二次元アレイ状に配置されている。光電変換部23のそれぞれは、基板2に埋設されてフォトダイオードを構成し、入射光22の光量に応じた信号電荷を生成し、生成した信号電荷を蓄積する。
また、各光電変換部23は、画素分離部24によって物理的に分離されている。画素分離部24は、各光電変換部23を取り囲むように、格子状に形成されている。画素分離部24は、基板2の絶縁膜13との対向面(以下、「裏面S3」とも呼ぶ)側から深さ方向に形成された有底のトレンチ部25(溝部)を有している。トレンチ部25は、内側面及び底面が画素分離部24の外形を形成するように、格子状に形成されている。また、トレンチ部25の内部には、基板2の裏面S3側を覆う絶縁膜13が埋め込まれている。
【0017】
絶縁膜13は、基板2の裏面S3側全体(受光面側全体)、及びトレンチ部25の内部を連続的に被覆している。絶縁膜13の材料としては、例えば、絶縁物を用いることができる。具体的には、シリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiN)を採用できる。また、遮光膜14は、隣接する画素9へ光が漏れ込まないように、絶縁膜13の裏面S4側の一部に、複数の光電変換部23のそれぞれの受光面側を開口する格子状に形成されている。また、平坦化膜15は、受光層16の裏面S1が凹凸がない平坦面となるように、遮光膜14を含む絶縁膜13の裏面S5側全体(受光面側全体)を連続的に被覆している。
【0018】
カラーフィルタ層17は、平坦化膜15の裏面S1側(受光面側)に、導波路モジュール26を画素9毎に有している。導波路モジュール26は、複数段の導波路27が積層されて構成されている。
図2では、導波路27の段数が三段であり、また導波路壁部29全段の高さとフィルタ構成部材28全段の高さとが同一である場合を例示している。導波路27のそれぞれはフィルタ構成部材28及び導波路壁部29(分離部)を備えている。
フィルタ構成部材28は、マイクロレンズ30で集光された入射光22が含む特定波長の光を透過する光学フィルタである。特定波長の光としては、例えば、赤色光、緑色光、青色光を採用できる。また、同一の導波路モジュール26に含まれるフィルタ構成部材28のそれぞれとしては、同一色の光を透過するフィルタ構成部材28を用いている。これにより、導波路モジュール26が有する複数段のフィルタ構成部材28を含んで、カラーフィルタ33を形成している。カラーフィルタ33を透過した特定波長の光は、光電変換部23に入射される。また、マイクロレンズ30側から見た場合の、フィルタ構成部材28の配列パターンとしては、例えば、ベイヤー配列を採用できる。フィルタ構成部材28の材料としては、例えば、屈折率1.4~1.9の有機系のガラス材料を採用できる。
【0019】
導波路壁部29は、同じ導波路27に含まれるフィルタ構成部材28の周囲を囲むように形成されている。また、導波路壁部29は、同一段に存在し、互いに隣接する導波路27間で共用されている。即ち、各段の導波路壁部29は、同じ段のフィルタ構成部材28を取り囲むように、格子状に形成されている。言い換えると、全段のフィルタ構成部材28によるカラーフィルタ33間に、複数段の導波路壁部29が配置されている。導波路壁部29の材料としては、例えば、同じ導波路27に含まれるフィルタ構成部材28よりも屈折率の低い低屈折材料を採用できる。低屈折材料としては、例えば、屈折率1.0~1.2の低屈折率樹脂を採用できる。これにより、導波路27は、相対的に屈折率の高いフィルタ構成部材28によってコアを形成し、相対的に屈折率の低い導波路壁部29によってクラッドを形成している。また、
図2では、各段の導波路壁部29の高さ、幅及び材料が同一の場合を例示している。即ち、各段の導波路壁部29は、同一形状、同一材料の部材となっている。なお、「導波路壁部29の幅」とは、基板2の裏面S3(受光面)に垂直な断面の、基板2の裏面S3(受光面)と平行な方向における、導波路壁部29の幅である。例えば、マイクロレンズ30側から導波路壁部29を見た場合に、導波路壁部29が延びている方向と交差(直交等)する方向における導波路壁部29の長さが挙げられる。
【0020】
また、複数段の導波路壁部29それぞれは、個別に瞳補正がされた位置に形成されている。即ち、画素領域3の端部側(高像高)では、各導波路モジュール26に含まれる、複数の導波路27それぞれに瞳補正が行われている。具体的には、互いに積層された導波路壁部29のそれぞれは、
図2及び
図3に示すように、光電変換部23側の段の導波路壁部29よりもマイクロレンズアレイ18側(マイクロレンズ30側)の段の導波路壁部29の方が画素領域3の中心部側にずれている。
図2では、下段の導波路壁部29の中心軸は画素分離部24の中心軸と一致しており、中段の導波路27の中心軸は下段の導波路壁部29の中心軸よりも画素領域3の中心部側にずれており、上段の導波路壁部29の中心軸は中段の導波路27の中心軸よりも画素領域3の中心部側にずれている。また、
図3では、マイクロレンズアレイ18側から見て、画素領域3の中心部よりも
図3の左側の領域の導波路モジュール26は中段及び上段の導波路壁部29が
図3の右側にずれており、画素領域3の中心部よりも
図3の下側の領域の導波路モジュール26は中段及び上段の導波路壁部29が
図3の上側にずれており、画素領域3の中心部よりも
図3の左下側の領域の導波路モジュール26は中段及び上段の導波路壁部29が
図3の右上側にずれている。なお、
図3では、導波路壁部29のずれ状態の把握のしやさからフィルタ構成部材28を省略している。また、
図3では各段の導波路壁部29のずれ量が同一の場合を例示している。
【0021】
また、
図4に示すように、最上段の導波路壁部29と最下段の導波路壁部29とのずれ量は、マイクロレンズアレイ18側から見て、画素領域3の中心部からの距離が遠いほど大きくする。
図4では、画素領域3の中心部の導波路モジュール26における導波路壁部29間のずれ量(=0)<画素領域3の中心部から少し離れた領域の導波路モジュール26における導波路壁部29間のずれ量<画素領域3から大きく離れた領域の導波路モジュール26における導波路壁部29間のずれ量、となっている。また、互いに積層された導波路壁部29のうちの、マイクロレンズアレイ18側の段の導波路壁部29のずれ量は、光電変換部23側の段の導波路壁部29の幅xに対し、±x/2の範囲内となっている。即ち、ずれ量は互いに積層された導波路壁部29間に隙間がないように決定されている。
【0022】
また、導波路壁部29の最適なずらし量zは、例えば、スネルの法則から算出することができる。具体的には、
図2に示すように、入射光22の入射角A[deg]、フィルタ構成部材28(カラーフィルタ33)の屈折率n、ずらされる導波路壁部29の高さyに基づき、下記(1)式に従って算出できる。
z=y×tanB ………(1)
SinB=n/sinA
ここで、B[deg]はフィルタ構成部材28(カラーフィルタ33)の屈折角度である。
【0023】
ここで、画素領域3の端部側(高像高)では入射光22が斜めに入射される。これに対し、導波路モジュール26では、導波路壁部29が瞳補正された位置に形成されるため、斜めに入射された入射光22が導波路壁部29のマイクロレンズアレイ18側(
図2の丸印34の部分)にあたることを防止でき、入射光22が導波路壁部29で散乱されることを防止できる。また、マイクロレンズ30では、マイクロレンズ30の回折作用で入射光22の一部が回折され、回折された入射光22が広がる。これに対し、導波路モジュール26では、斜めに入射する入射光22と平行な方向に延びるようにジグザグの導波路が形成されるため、フィルタ構成部材28と導波路壁部29との界面で光を反射でき、広がった入射光22が画素9の中心側に戻され、入射光22の他の画素9への進入を抑制できる。
【0024】
マイクロレンズアレイ18は、カラーフィルタ層17の裏面S5側(受光面側)に、マイクロレンズ30を画素9毎に有している。マイクロレンズ30のそれぞれは、被写体からの像光(入射光22)を導波路モジュール26を介して光電変換部23内に集光する。
また、画素領域3の端部側(高像高)では、マイクロレンズ30それぞれに瞳補正が行われている。具体的には、マイクロレンズ30のそれぞれは、
図2に示すように、導波路モジュール26よりも画素領域3の中心部側にずれている。また、マイクロレンズ30は、低背化されて形成されている。マイクロレンズ30の高さHは、例えば、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。高さHとしては、例えば、マイクロレンズ30の頂部と底面との間の距離を採用できる。マイクロレンズ30を低背化することにより、マイクロレンズ30の回折作用で入射光22の一部が回折されたとしても、回折された入射光22が広がる前に、回折された入射光22全部を導波路モジュール26内に導くことができ、入射光22が隣接する画素9へ入射することを防止することができる。
【0025】
配線層20は、基板2の表面S2側に形成されており、層間絶縁膜31と、層間絶縁膜31を介して複数層に積層された配線32とを含んで構成されている。そして、配線層20は、複数層の配線32を介して、各画素9を構成する画素トランジスタを駆動する。
支持基板21は、配線層20の基板2に面する側とは反対側の面に形成されている。支持基板21は、固体撮像装置1の製造段階において、基板2の強度を確保するための基板である。支持基板21の材料としては、例えば、シリコン(Si)を用いることができる。
【0026】
以上の構成を有する固体撮像装置1では、基板2の裏面側(受光層16の裏面S1側)から光が照射され、照射された光がマイクロレンズ30及び導波路モジュール26を透過し、透過した光が光電変換部23で光電変換されて、信号電荷が生成される。そして、生成された信号電荷が、基板2の表面S2側に形成された画素トランジスタを介して、配線32で形成された
図1に示した垂直信号線11によって画素信号として出力される。
【0027】
[1-3 カラーフィルタ層の形成方法]
次に、固体撮像装置1における、カラーフィルタ層17の形成方法について説明する。
まず、
図5Aに示すように、受光層16の裏面S1に、
図3に示した下段、中段及び上段の導波路27のうちの、下段の導波路27の導波路壁部29を形成する。続いて、
図5Bに示すように、形成した導波路壁部29で囲まれた空間それぞれにフィルタ構成部材28を形成して、下段の導波路27を形成する。続いて、
図5Cに示すように、下段の導波路27の導波路壁部29の上に、中段の導波路27の導波路壁部29を、下段の導波路27の導波路壁部29よりも画素領域3の中心部側にずらして形成する。続いて、
図5Dに示すように、形成した導波路壁部29で囲まれた空間それぞれにフィルタ構成部材28を形成して、中段の導波路27を形成する。続いて、
図5Eに示すように、中段の導波路27の導波路壁部29の上に、上段の導波路27の導波路壁部29を、中段の導波路27の導波路壁部29よりも画素領域3の中心部側にずらして形成し、形成した導波路壁部29で囲まれた空間それぞれにフィルタ構成部材28を形成して、上段の導波路27を形成する。これにより複数の導波路モジュール26を有するカラーフィルタ層17が得られる。
【0028】
以上説明したように、第1の実施形態の固体撮像装置1では、カラーフィルタ33間に、カラーフィルタ33の周囲を囲む複数段の導波路壁部29を備える構成とした。そして、複数段の導波路壁部29それぞれを、瞳補正がされた位置に形成する構成とした。
それゆえ、カラーフィルタ33をコアとし複数段の導波路壁部29をクラッドとした導波路を形成でき、カラーフィルタ33内で入射光22が他の画素9に拡散することを抑制でき、各画素9の感度を向上できる。また、通常、画素領域3の端部側では入射光22が斜めに入射されるが、斜めに入射された入射光22が導波路壁部29のマイクロレンズ30側(
図2の丸印34の部分)にあたることを防止でき、入射光22が導波路壁部29でけられることを防止でき、各画素9の感度をさらに向上することができる。また、散乱光が他の画素9に侵入して混色を生じることを防止することができる。それゆえ、画素9の感度を高めるとともに、混色を防止可能な固体撮像装置1を提供することができる。
【0029】
また、第1の実施形態の固体撮像装置1では、裏面照射型構造、つまり、配線層20が形成された基板2の表面S2とは反対側の基板2の裏面S1を受光面として、基板2の裏面S1側から、入射光22が入射される構造とした。それゆえ、入射光22は、配線層20の制約を受けることなく、光電変換部23に入射される。そのため、光電変換部23の開口を広く取ることができ、例えば、表面照射型よりも、高感度化を図ることができる。
【0030】
[1-4 変形例]
(1)なお、第1の実施形態では、導波路壁部29の段数を三段とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図6及び
図7に示すように、三段より少なくてもよく、三段より多くてもよい。
図6は、導波路壁部29が二段の場合を例示している。また、
図7は、導波路壁部29が四段の場合を例示している。導波路壁部29の段数を三段より多くすることで、導波路モジュール26全体で形成される導波路をより大きく傾けることができ、高CRA(chie ray angle)が必要とされるモバイル機器に好適である。
【0031】
(2)また、第1の実施形態では、最上段の導波路壁部29と最下段の導波路壁部29とのずれ量を、画素領域3の中心部からの距離が遠いほど大きくする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、マイクロレンズアレイ18側から見て、画素領域3の中心部からの距離が所定距離以下の領域の導波路壁部29には瞳補正を行わず、画素領域3の中心部からの距離が所定距離よりも大きい領域の導波路壁部29にのみ瞳補正を行う構成としてもよい。この場合、瞳補正としては、画素領域3の中心部からの距離によらず最上段の導波路壁部29と最下段の導波路壁部29とのずれ量を一定としてもよい。
【0032】
(3)また、第1の実施形態では、導波路壁部29の各段の高さを同一とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、導波路壁部29の高さが、複数段の導波路壁部29のうちの、二段以上の導波路壁部29間で互いに異なっている構成としてもよい。具体的には、
図8に示すように、導波路壁部29の高さを各段で互いに異ならせ、さらに、マイクロレンズ30側の段の導波路壁部29の高さを光電変換部23側の段の導波路壁部29の高さよりも低くしてもよい。
ここで、例えば、導波路モジュール26の形成時に、一段目の導波路27において、導波路壁部29とフィルタ構成部材28とが同じ高さである場合、二段目の導波路壁部29は、一段目の導波路壁部29とフィルタ構成部材28との両方で支えられる。しかしながら、例えば、一段目の導波路27において、導波路壁部29がフィルタ構成部材28よりも高くなってしまった場合、二段目の導波路壁部29は、一段目のフィルタ構成部材28で支えられず、一段目の導波路27のみで支えることになるので、倒れる可能性がある。これに対し、マイクロレンズ30側の段の導波路壁部29の高さを、光電変換部23側の段の導波路壁部29よりも低くする構成とすることで、導波路壁部29が倒れ難くなるため、導波路壁部29を比較的容易に形成できる。また例えば、導波路壁部29の各段の高さを低くする構成に比べ、導波路壁部29の段数を低減でき、製造コストを低減できる。
【0033】
(4)また、第1の実施形態では、複数段のフィルタ構成部材28のそれぞれの材料を、同一とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、フィルタ構成部材28の材料が、複数段のフィルタ構成部材28のうちの、二段以上のフィルタ構成部材28間で互いに異なっている構成としてもよい。具体的には、
図9に示すように、最もマイクロレンズ30側の段のフィルタ構成部材28の材料の粘性よりも、その他の段のフィルタ構成部材28の材料の粘性を低くしてもよい。
図9では、三段目のフィルタ構成部材28の材料の粘性よりも、一段目及び二段目のフィルタ構成部材28の材料の粘性が低くなっている。フィルタ構成部材28の材料としては、例えば、カラーフィルター用レジスト樹脂を採用できる。
ここで、例えば、導波路モジュール26の形成時に、一段目の導波路27において、フィルタ構成部材28の表面に凹凸がある場合、二段目の導波路壁部29は、二段目の導波路壁部29の一部が一段目のフィルタ構成部材28の凹凸上に設けられるので、倒れる可能性がある。それゆえ、凹凸がある場合には、フィルタ構成部材28の形成後に、フィルタ構成部材28表面を研磨して平坦にする必要がある。これに対し、最もマイクロレンズ30側の段のカラーフィルタ33の材料の粘性よりもその他の段のカラーフィルタ33の材料の粘性を低くする構成とすることで、一段目及び二段目のフィルタ構成部材28の表面の凹凸を低減することができ、フィルタ構成部材28表面の研磨工程を削減できる。
【0034】
(5)また、第1の実施形態では、導波路壁部29の各段の幅を同一とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、導波路壁部29の幅が、複数段の導波路壁部29のうちの、二段以上の導波路壁部29間で互いに異なっている構成としてもよい。具体的には、
図10に示すように、導波路壁部29の幅を各段で互いに異ならせ、さらに、光電変換部23側の段の導波路壁部29の幅を、マイクロレンズ30側の段の導波路壁部29の幅よりも広くしてもよい。
ここで、例えば、導波路モジュール26の形成時に、一段目の導波路27において、導波路壁部29とフィルタ構成部材28とが同じ高さである場合、二段目の導波路壁部29は、一段目の導波路壁部29とフィルタ構成部材28との両方で支えられる。しかしながら、例えば、一段目の導波路27において、導波路壁部29がフィルタ構成部材28よりも高くなってしまった場合、二段目の導波路壁部29は、一段目のフィルタ構成部材28で支えられず、一段目の導波路27のみで支えることになるので、倒れる可能性がある。これに対し、光電変換部23側の段の導波路壁部29の幅をマイクロレンズ30側の段の導波路壁部29の幅よりも広くする構成とすることで、導波路壁部29間の接触面積を増大でき、導波路壁部29が倒れ難くなるため導波路壁部29を比較的容易に形成できる。
【0035】
(6)また、第1の実施形態では、導波路壁部29の各段のずれ量を同一とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、導波路壁部29のずれ量が、複数段の導波路壁部29のうちの、二段以上の導波路壁部29間で互いに異なっている構成としてもよい。具体的には
図11に示すように、導波路壁部29のずれ量を各段で互いに異ならせ、さらにマイクロレンズ30側の段の導波路壁部29のずれ量を、光電変換部23側の段の導波路壁部29のずれ量よりも大きくしてもよい。
図11では、ずれ量の大小関係は、三段目の導波路壁部29と四段目の導波路壁部29とのずれ量>ニ段目の導波路壁部29と三段目の導波路壁部29とのずれ量>一段目の導波路壁部29とニ段目の導波路壁部29とのずれ量の順となっている。
ここで、マイクロレンズ30で集光された入射光22は、マイクロレンズ30とフィルタ構成部材28との界面で屈折するため、入射角よりも屈折角が小さくなる。入射光22の屈折角は、マイクロレンズ30の屈折率n
1とフィルタ構成部材28の屈折率n
2との比率(n
2/n
1)が大きくなるほど
図11に示すように大幅に小さくなる。これに対し、マイクロレンズ30側の段の導波路壁部29のずれ量を、光電変換部23側の段の導波路壁部29のずれ量よりも大きくする構成とすることで、斜めに入射された入射光22が導波路壁部29のマイクロレンズ30側(
図11の丸印34の部分)にあたることを防止しつつ、マイクロレンズ30で集光された光を各段の導波路壁部29にあたらずに光電変換部23まで進ませることができる。これにより、各画素9の感度をより向上できる。
また、このような構成を採用する場合、
図8に示すように、複数段の導波路壁部29のそれぞれを光電変換部23側の段の導波路壁部29よりもマイクロレンズ30側の段の導波路壁部29の方が高さを低くする構成を組み合わせることで、マイクロレンズ30側の段の導波路壁部29のずれ量を増大し易く、導波路壁部29を比較的容易に形成できる。
【0036】
(7)また、第1の実施形態では、複数段の導波路壁部29の全体の高さをカラーフィルタ33の高さと同一とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、複数段の導波路壁部29の全体の高さがカラーフィルタ33の高さと異なっている構成としてもよい。具体的には、
図12に示すように、複数段の導波路壁部29の全体の高さは、カラーフィルタ33の高さよりも高くしてもよい。
図12では、五段目の導波路壁部29の上端側が、カラーフィルタ33から突き出し、マイクロレンズ30間に位置している。
ここで、例えば、複数段の導波路壁部29の全体の高さをカラーフィルタ33の高さよりも低くした場合、最上段の導波路壁部29が倒れ難くなるため、導波路壁部29を比較的容易に形成でき、プロセス難易度を低下できる。しかしながら、マイクロレンズ30と導波路壁部29との距離が長くなるため、マイクロレンズ30で回折されて広がった入射光22全てを導波路モジュール26内に導くことができず、導波路効果が弱まる可能性がある。また、入射光22の一部が隣接する画素9のカラーフィルタ33を通るため、入射光22が弱められ、各画素9の感度が低下する可能性がある。これに対し、複数段の導波路壁部29の全体の高さをカラーフィルタ33の高さよりも高くする構成とすることで、回折された入射光22が広がる前に、回折された入射光22全部を導波路モジュール26内に導くことができ、導波路効果を強めることができる。また、入射光22が隣接する画素9のカラーフィルタ33を通らないため、各画素9の感度を向上できる。
【0037】
〈2.第2の実施形態:電子機器への応用例〉
本開示に係る技術(本技術)は、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、又は、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用されてもよい。
図13は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る電子機器(例えば、カメラ)の概略的な構成の一例を示す図である。
図13に示すように、電子機器100は、固体撮像装置101と、光学レンズ102と、シャッタ装置103と、駆動回路104と、信号処理回路105とを備えている。
【0038】
光学レンズ102は、被写体からの像光(入射光106)を固体撮像装置101の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置101内に一定期間にわたって信号電荷が蓄積される。シャッタ装置103は、固体撮像装置101への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路104は、固体撮像装置101の転送動作及びシャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路104から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置101の信号転送を行なう。信号処理回路105は、固体撮像装置101から出力される信号(画素信号)に各種信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、或いはモニタに出力される。
なお、固体撮像装置1を適用できる電子機器100としては、カメラに限られるものではなく、他の電子機器にも適用することができる。例えば、携帯電話機やタブレット端末等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置に適用してもよい。
【0039】
以上、本開示に係る技術が適用され得る電子機器の一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、固体撮像装置101に適用され得る。具体的には、
図1の固体撮像装置1は、固体撮像装置101に適用できる。固体撮像装置101に本開示に係る技術を適用することにより、より良好な撮影画像を得ることができる。
【0040】
なお、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
入射光を集光する複数のマイクロレンズと、
集光された前記入射光が含む特定波長の光を透過する複数のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタを透過した特定波長の光が入射される複数の光電変換部と、
前記カラーフィルタ間に配置され、前記カラーフィルタの周囲を囲む複数段の導波路壁部とを備え、
複数段の前記導波路壁部それぞれは、瞳補正がされた位置に形成されている
固体撮像装置。
(2)
前記導波路壁部は、前記カラーフィルタよりも屈折率の低い低屈折材料を含む
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記導波路壁部の高さは、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
前記(1)又は(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記光電変換部側の段の前記導波路壁部の高さよりも、前記マイクロレンズ側の段の前記導波路壁部の高さが低い
前記(3)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記カラーフィルタは、複数段のフィルタ構成部材を含み、
前記フィルタ構成部材の材料は、複数段の前記フィルタ構成部材のうちの、二段以上の前記フィルタ構成部材間で互いに異なっている
前記(1)から(4)の何れかに記載の固体撮像装置。
(6)
最も前記マイクロレンズ側の段の前記カラーフィルタの材料の粘性よりも、他の段の前記カラーフィルタの材料の粘性が低い
前記(5)に記載の固体撮像装置。
(7)
前記導波路壁部の幅は、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
前記(1)から(6)の何れかに記載の固体撮像装置。
言い換えると、この(7)は、「基板2の裏面S3(受光面)に垂直な断面の、基板2の裏面S3(受光面)と平行な方向における、前記導波路壁部の幅は、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
前記(1)から(6)の何れかに記載の固体撮像装置。」とも言える。
(8)
前記マイクロレンズ側の段の前記導波路壁部の幅よりも、前記光電変換部側の段の前記導波路壁部の幅が広い
前記(7)に記載の固体撮像装置。
(9)
前記導波路壁部のずれ量は、複数段の前記導波路壁部のうちの、二段以上の前記導波路壁部間で互いに異なっている
前記(1)から(8)の何れかに記載の固体撮像装置。
(10)
前記光電変換部側の段の前記導波路壁部のずれ量よりも、前記マイクロレンズ側の段の前記導波路壁部のずれ量が大きい
前記(9)に記載の固体撮像装置。
(11)
複数段の前記導波路壁部の全体の高さは、前記カラーフィルタの高さと異なっている
前記(1)から(10)の何れかに記載の固体撮像装置。
(12)
複数段の前記導波路壁部の全体の高さは、前記カラーフィルタの高さよりも高い
前記(11)に記載の固体撮像装置。
(13)
前記光電変換部は、裏面照射型構造である
前記(1)から(12)の何れかに記載の固体撮像装置。
(14)
前記マイクロレンズの高さは、300nm以下である
前記(1)から(13)の何れかに記載の固体撮像装置。
(15)
入射光を集光する複数のマイクロレンズと、集光された前記入射光が含む特定波長の光を透過する複数のカラーフィルタと、前記カラーフィルタを透過した特定波長の光が入射される複数の光電変換部と、前記カラーフィルタ間に配置され、前記カラーフィルタの周囲を囲む複数段の導波路壁部とを備え、複数段の前記導波路壁部それぞれは、瞳補正がされた位置に形成されている固体撮像装置と、
被写体からの像光を前記固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路とを備える
電子機器。
【符号の説明】
【0041】
1…固体撮像装置、2…基板、3…画素領域、4…垂直駆動回路、5…カラム信号処理回路、6…水平駆動回路、7…出力回路、8…制御回路、9…画素、10…画素駆動配線、11…垂直信号線、12…水平信号線、13…絶縁膜、14…遮光膜、15…平坦化膜、16…受光層、17…カラーフィルタ層、18…マイクロレンズアレイ、19…集光層、20…配線層、21…支持基板、22…入射光、23…光電変換部、24…画素分離部、25…トレンチ部、26…導波路モジュール、27…導波路、28…フィルタ構成部材、29…導波路壁部、30…マイクロレンズ、31…層間絶縁膜、32…配線、33…カラーフィルタ、34…丸印、100…電子機器、101…固体撮像装置、102…光学レンズ、103…シャッタ装置、104…駆動回路、105…信号処理回路、106…入射光