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特許76179432本のキャリアテープのテープ端の両面を接続テープで繋ぎ合わせる方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】2本のキャリアテープのテープ端の両面を接続テープで繋ぎ合わせる方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022563551
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(86)【国際出願番号】 JP2020043528
(87)【国際公開番号】W WO2022107342
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】前田 晴章
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 広己
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-212280(JP,A)
【文献】特開2004-161420(JP,A)
【文献】特開2007-295002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本のキャリアテープのテープ端を突き合せるとともに隙間を設けた状態で、前記2本のキャリアテープのテープ端の両面を接続テープで繋ぎ合わせる方法であって、
前記2本のキャリアテープのテープ端の少なくとも一方に切り欠きが形成されており、
前記切り欠きが前記2本のキャリアテープのテープ端の隙間であって、前記2本のキャリアテープのテープ端を前記接続テープで繋ぎ合わせる方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本のキャリアテープを接続テープで繋ぎ合わせる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、2本のキャリアテープを接続テープで繋ぎ合わせる方法に関して記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-201208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、2本のキャリアテープを接続テープで適切に繋ぎ合わせることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、2本のキャリアテープのテープ端を突き合せるとともに隙間を設けた状態で、前記2本のキャリアテープのテープ端の両面を接続テープで繋ぎ合わせる方法であって、前記2本のキャリアテープのテープ端の少なくとも一方に切り欠きが形成されており、前記切り欠きが前記2本のキャリアテープのテープ端の隙間であって、前記2本のキャリアテープのテープ端を前記接続テープで繋ぎ合わせる方法を開示する。
【0006】
【0007】
【発明の効果】
【0008】
本明細書では、2本のキャリアテープのテープ端を突き合せるとともに隙間を設けた状態で、2本のキャリアテープのテープ端の両面を接続テープで繋ぎ合わせる。また、2本のキャリアテープのテープ端を接続テープで繋ぎ合わせるためにキャリアテープのテープ端が非一直線に切断される。また、2本のキャリアテープの少なくとも一方のテープ端に切り欠きが形成されるように切断され、位置決めされた2本のキャリアテープに接続テープを貼付することで、2本のキャリアテープが接続テープで連結される。これにより、2本のキャリアテープを接続テープで適切に繋ぎ合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】部品実装機を示す斜視図である。
図2】部品装着装置を示す斜視図である。
図3】テープフィーダを示す斜視図である。
図4】テープ化部品を示す図である。
図5】テープフィーダの内部を示す拡大斜視図である。
図6】スプライシング鋏を示す斜視図である。
図7】スプライシング鋏を示す平面図である。
図8】スプライシング鋏により切断されるキャリアテープを示す図である。
図9】スプライシング鋏により切断されたキャリアテープを示す図である。
図10】スプライシング治具を示す平面図である。
図11】スプライシング治具を示す側面図である。
図12】スプライシングテープがセットされたスプライシング治具を示す図である。
図13】2本のキャリアテープがセットされたスプライシング治具を示す図である。
図14】スプライシング治具においてスプライシングテープにより連結された2本のキャリアテープを示す図である。
図15】スプライシングテープにより連結された2本のキャリアテープを示す図である。
図16】スプライシング鋏を示す斜視図である。
図17】スプライシング鋏を示す平面図である。
図18】スプライシング鋏により切断されるキャリアテープを示す図である。
図19】スプライシング鋏により切断されたキャリアテープを示す図である。
図20】スプライシング鋏により切断されるキャリアテープを示す図である。
図21】スプライシング鋏により切断されたキャリアテープを示す図である。
図22】2本のキャリアテープがセットされたスプライシング治具を示す図である。
図23】スプライシングテープにより連結された2本のキャリアテープを示す図である。
図24】スプライシング鋏により切断されたキャリアテープを示す図である。
図25】スプライシングテープにより連結された2本のキャリアテープを示す図である。
図26】テープ端を突き合せるとともに隙間を設けた状態の2本のキャリアテープを示す図である。
図27】スプライシングテープにより連結された2本のキャリアテープを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0011】
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、マークカメラ26、パーツカメラ28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0012】
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0013】
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、吸着ノズル(図2参照)66を有しており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動する。また、各作業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に作業者が工具を用いることなく着脱可能に位置決めして装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動する。
【0014】
マークカメラ26は、鉛直線上において下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動する。これにより、マークカメラ26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。また、パーツカメラ28は、図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、鉛直線上において上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、作業ヘッド60、62の部品保持具77に保持された部品を撮像する。
【0015】
ばら部品供給装置30は、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置30は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0016】
部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置32は、トレイ型部品供給装置96とフィーダ型部品供給装置98とを有している。トレイ型部品供給装置96は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置98は、テープフィーダ100によって部品を供給する装置である。以下に、テープフィーダ100について説明する。なお、ばら部品供給装置30および、部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品、太陽電池の構成部品、パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
【0017】
テープフィーダ100は、図3に示すように、フィーダ本体102を含み、そのフィーダ本体102において、フレーム40の端部に設けられた装着台(図1参照)104に作業者が工具を用いることなく着脱可能に位置決めして装着される。テープフィーダ100は、テープ化部品106からラジアルリード部品108を切り離し、切り離したラジアルリード部品108を供給する装置である。
【0018】
テープ化部品106は、図4に示すように、複数のラジアルリード部品108とキャリアテープ110とから構成されている。ラジアルリード部品108は、部品本体112と、その部品本体112の底面から同じ方向に延び出す2本のリード線114とを含む。そして、ラジアルリード部品108の2本のリード線114が、下端部において、キャリアテープ110にテーピングされている。また、キャリアテープ110には、複数の送り穴118が等ピッチ(P)で形成されている。なお、送り穴118の形成ピッチは、送り穴118の中心と、その送り穴118の隣の送り穴118の中心との間の距離である。そして、複数のラジアルリード部品108も、送り穴118の形成ピッチと同じピッチ(P)で、キャリアテープ110にテーピングされている。
【0019】
なお、送り穴118のキャリアテープ110への形成位置とラジアルリード部品108のキャリアテープ110へのテーピング位置とは、キャリアテープ110の延びる方向において半ピッチ(P/2)分、ズレている。このため、隣り合う2個の送り穴118の中間において、ラジアルリード部品108がキャリアテープ110にテーピングされており、隣り合う2個のラジアルリード部品108の中間において、送り穴118がキャリアテープ110に形成されている。
【0020】
また、テープフィーダ100は、図5に示すように、ガイド機構120と送出装置122とリード切断装置126とを有している。それらガイド機構120と送出装置122とリード切断装置126とは、フィーダ本体102の内部に配設されている。なお、テープフィーダ100の説明において、リード切断装置126が配設されている側を前方側と記載し、その前方側と反対側を後方側と記載する場合がある。
【0021】
ガイド機構120は、1対のガイドレール128により構成されており、それら1対のガイドレール128は、フィーダ本体102の上端面において、対向した状態で前後方向に延びるように、配設されている。そして、1対のガイドレール128の間に、テープ化部品106のキャリアテープ110が、キャリアテープ110の幅方向が上下方向に延びた状態、つまり、立設した状態で挿入されている。なお、キャリアテープ110が立設した状態は、キャリアテープ110とテープフィーダ100の上面とが概して直角に交差する状態であり、キャリアテープ110にテーピングされたリード線114が上下方向に延びる状態である。そして、キャリアテープ110に保持されたラジアルリード部品108は、1対のガイドレール128の間から上方に延び出す。
【0022】
また、送出装置122は、爪部材(図示省略)と送出用エアシリンダ130とを有している。爪部材は、1対のガイドレール128の下方において、前後方向にスライド可能に配設されており、送出用エアシリンダ130の作動により前後方向にスライドする。また、爪部材は、1対のガイドレール128の間に挿入されたテープ化部品106の送り穴118に係合している。そして、爪部材が前方に向かってスライドすることで、テープ化部品106が前方に向かって送り出される。なお、爪部材の1回のスライド量は、テープ化部品106への送り穴118の形成ピッチと同じ長さとされている。また、爪部材が後方に向かってスライドする際に、爪部材の送り穴118への係合は解除される。これにより、爪部材が前後方向に1往復することで、送り穴118の形成ピッチに相当する量、テープ化部品106が前方に向かって送り出される。
【0023】
また、送出装置122によりテープ化部品106が送り出される方向、つまり、送出装置122の前方に、リード切断装置126が配設されている。リード切断装置126は、固定部材146と揺動部材148とリード切断用エアシリンダ(図示省略)とを含む。固定部材146と揺動部材148とは、送出装置122により送り出されたテープ化部品106のキャリアテープ110を挟んだ状態で配設されている。
【0024】
固定部材146は、上下方向に延びる姿勢で固定的に配設されており、固定部材146の上端部が、キャリアテープ110にテーピングされたリード線114と対向している。なお、固定部材146の上端には、固定側挟持プレート152が配設されている。また、揺動部材148は、キャリアテープ110を挟み、固定部材146と対向した状態で、上下方向に延びる姿勢で配設されている。そして、揺動部材148は、上端部を固定部材146に向って接近・離間させる方向に揺動可能とされている。また、揺動部材148は、リード切断用エアシリンダの作動により、制御可能に揺動する。また、揺動部材148の上端部は、キャリアテープ110にテーピングされたリード線114と対向しており、揺動部材148の上端には、揺動側挟持プレート154が配設されている。
【0025】
これにより、揺動部材148が、リード切断用エアシリンダの作動により搖動することで、揺動部材148の揺動側挟持プレート154が固定部材146の固定側挟持プレート152に接近・離間する。また、揺動側挟持プレート154の固定側挟持プレート152と対向する側縁には、1対の切欠156が形成されている。それら1対の切欠156は、ラジアルリード部品108の1対のリード線114の線径、及び、ピッチに応じた形状のものが位置決めされた状態で着脱可能に取り付けられている。
【0026】
このような構造により、揺動部材148が、上端部を固定部材146に接近させる方向に揺動することで、キャリアテープ110にテーピングされているラジアルリード部品108の1対のリード線114が、固定側挟持プレート152と揺動側挟持プレート154とによって挟持される。この際、揺動側挟持プレート154の1対の切欠156の内部に、1対のリード線114が入り込み、位置決めされる。これにより、それら1対のリード線114を有するラジアルリード部品108が、所定の位置において保持される。
【0027】
また、揺動側挟持プレート154の下方には、揺動側カッタ(図示省略)が配設されており、固定側挟持プレート152の下方には、その搖動側カッタと対向するように、固定側カッタ(図示省略)が位置決めされた状態で着脱可能に取り付けられている。このため、固定側挟持プレート152と揺動側挟持プレート154とに挟持された1対のリード線114が、揺動側カッタと固定側カッタとにより切断される。これにより、ラジアルリード部品108がキャリアテープ110から切り離されて、そのラジアルリード部品108が、揺動側挟持プレート154により位置決めされた位置において供給される。つまり、ラジアルリード部品108のリード線114が揺動側挟持プレート154の1対の切欠156で位置決めされ、固定側挟持プレート152と揺動側挟持プレート154とによって挟持された位置が、供給位置となり、その供給位置において、ラジアルリード部品108が供給される。
【0028】
部品実装機10では、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、マークカメラ26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。なお、回路基材12には、ラジアルリード部品108のリード線114を挿入するための複数の貫通穴(図示省略)が形成されており、マークカメラ26の撮像データに基づいて、回路基材12に形成されている貫通穴の位置が演算される。
【0029】
また、ばら部品供給装置30若しくは、部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。具体的には、例えば、テープフィーダ100は、リード切断装置126によりリード線114が切断され、固定側挟持プレート152と揺動側挟持プレート154とにより挟持された位置において、ラジアルリード部品108を供給する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、テープフィーダ100のリード切断装置126の上方、つまり、供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によってラジアルリード部品108の部品本体112を吸着保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、パーツカメラ28の上方に移動し、パーツカメラ28によって、吸着ノズル66に保持されたラジアルリード部品108が撮像される。これにより、ラジアルリード部品108のリード線114の先端位置が演算される。
【0030】
次に、演算された1対のリード線の先端位置と回路基材の1対の貫通穴の位置とが重なるように、作業ヘッド移動装置64のX方向移動装置68及びY方向移動装置70の作動が制御される。そして、作業ヘッド移動装置64のZ方向移動装置72の作動により、ラジアルリード部品108を保持した作業ヘッドが下降する。これにより、ラジアルリード部品108のリード線114が、回路基材12の貫通穴に挿入されて、ラジアルリード部品108が回路基材12に装着される。
【0031】
このように、部品実装機10では、テープフィーダ100においてテープ化部品106から切り離されたラジアルリード部品108が回路基材12に装着されるが、テープフィーダ100からのラジアルリード部品108の供給により、テープ化部品106にテーピングされているラジアルリード部品108の残量が少なくなると、スプライシング作業が実行される。つまり、テープフィーダ100に挿入されているテープ化部品106のキャリアテープ(以下、「使用中キャリアテープ」と記載する)の終端と、そのテープ化部品106と同じ種類のテープ化部品106のキャリアテープ(以下、「新キャリアテープ」と記載する)の始端とをスプライシングテープによって繋ぎ合わせる作業(スプライシング作業)が実行される。
【0032】
具体的には、まず、作業者が、使用中キャリアテープの終端及び、新キャリアテープの始端をスプライシング鋏により切断する。スプライシング鋏160は、図6及び図7に示すように、第1刃体162と第2刃体164とテープ支持体166とにより構成されている。第1刃体162及び第2刃体164は、概して矩形の長板形状とされており、互いの中央部においてリベット168により軸支されている。そして、第1刃体162と第2刃体164とがリベット168を中心に揺動することで、第1刃体162に一直線状に形成された第1刃170と、第2刃体164に一直線状に形成された第2刃172とが摺接する。また、第1刃体162の第1刃170と反対側の端部に第1ハンドル176が配設され、第2刃体164の第2刃172と反対側の端部に第2ハンドル178が配設されている。これにより、作業者が第1ハンドル176及び第2ハンドル178を接近・離間させることで、第1刃170及び第2刃172が開閉し、第1刃170と第2刃172との間に挟まれたものが切断される。
【0033】
また、テープ支持体166は、支持体本体180と2個の固定ピン182とを有している。支持体本体180が概してブロック状をなし、第2刃体164の第2刃172と反対側の面に固定されている。支持体本体180の上面は、第2刃172の刃先と同一面上に位置しており、その支持体本体180の上面に、2個の固定ピン182が配設されている。2個の固定ピン182は、第2刃体164の延びる方向と直交する方向に並んで配設されており、それら2個の固定ピン182の間の距離、詳しくは、1個の固定ピン182の中心と、もう1個の固定ピン182の中止との間の距離は、テープ化部品106のキャリアテープ110への送り穴118の形成ピッチ(P)と同じである。また、2個の固定ピン182のうちの第2刃体164に近い固定ピン182の中心と、第2刃体164の第2刃172との間の距離も、テープ化部品106のキャリアテープ110への送り穴118の形成ピッチ(P)と同じである。なお、固定ピン182の外径は、送り穴118の内径より僅かに小さい。
【0034】
このような構造のスプライシング鋏160を用いて、作業者は、使用中キャリアテープ及び、新キャリアテープを切断する。なお、スプライシング鋏160により使用中キャリアテープ及び新キャリアテープを切断する方法は同じであるため、以下の説明において、使用中キャリアテープと新キャリアテープと纏めてキャリアテープ110と記載する。ただし、使用中キャリアテープと新キャリアテープとを区別する必要がある場合には、使用中キャリアテープ110a若しくは新キャリアテープ110bと記載する。
【0035】
作業者は、まず、スプライシング鋏160の第1ハンドル176と第2ハンドル178とを離間させて、第1刃170と第2刃172とを離間させる。そして、作業者は、第1刃170と第2刃172との間にキャリアテープ110を配置する。この際、作業者は、図8に示すように、キャリアテープ110を支持体本体180の上に載置し、キャリアテープ110の隣り合う2個の送り穴118に、2個の固定ピン182を挿入する。なお、上述したように、2個の固定ピン182の間の距離は、キャリアテープへの送り穴118の形成ピッチ(P)と同じであるため、2個の固定ピン182を2個の送り穴118に挿入することで、テープ化部品106がスプライシング鋏160において位置決めされる。また、2個の固定ピン182のうちの第2刃体164に近い固定ピン182の中心と、第2刃体164の第2刃172との間の距離も送り穴118の形成ピッチ(P)と同じであるため、固定ピン182が挿入された送り穴118の隣の送り穴118の中心が、第1刃170及び第2刃172の開閉方向において、それらの刃先と一致する。また、第1刃170及び第2刃172の刃先とキャリアテープとは直交する。そして、作業者が第1ハンドル176と第2ハンドル178とを接近させることで、第1刃170と第2刃172とによりキャリアテープを切断する。このため、図9に示すように、キャリアテープが、送り穴118の中心で、キャリアテープの延びる方向と直交する方向に一直線状に切断される。これにより、キャリアテープのテープ端が、半分に切断された送り穴118を除いて、キャリアテープの延びる方向と直交する一直線の形状となる。
【0036】
そして、上述した方法により、作業者が使用中キャリアテープ及び新キャリアテープを切断すると、スプライシング治具を用いて使用中キャリアテープと新キャリアテープとをスプライシングテープによって連結、つまり、繋ぎ合わせる。スプライシング治具190は、図10及び図11に示すように、ベース192と、4個の第1固定ピン194と、1個の第2固定ピン196と、1対のクランプ板198とにより構成されている。ベース192は、概して矩形の板形状をなし、そのベース192の長手方向を左右方向と記載し、長手方向と直交する水平な方向を前後方向と記載する。
【0037】
そのベース192の上面には、4個の第1固定ピン194がベース192の前後方向における一方の側において、左右方向に並んで等ピッチで配設されている。また、第1固定ピン194の配設ピッチは、テープ化部品106のキャリアテープ110への送り穴118の形成ピッチ(P)の2倍のピッチ(2×P)である。なお、第1固定ピン194の配設ピッチは、第1固定ピン194の中心と、その第1固定ピン194の隣の第1固定ピン194の中心との間の距離である。また、第1固定ピン194の外径は、送り穴118の内径より僅かに小さい。なお、ベース192の4個の第1固定ピン194が配設されている側を前方側と記載し、反対側を後方側と記載する。また、4個の第1固定ピン194の各々を区別する場合には、図10での左側から順番に、第1固定ピン194a,第1固定ピン194b,第1固定ピン194c,第1固定ピン194dと記載する。
【0038】
また、左右方向に並んで配設された4個の第1固定ピン194のうちの内側に配設された2個の第1固定ピン194b,cの中心から後方側に向かってズレた位置に第2固定ピン196が配設されている。なお、第1固定ピン194と第2固定ピン196との前後方向におけるズレ量は、キャリアテープ110の幅寸法(W:図4参照)と同じである。キャリアテープ110の幅寸法は、キャリアテープ110の延びる方向と直交する方向でのキャリアテープ110の寸法である。また、第2固定ピン196の外径は、後述するスプライシングテープ(図12参照)200に形成されている挿入穴(図12参照)202の内径より僅かに小さい。
【0039】
また、1対のクランプ板198は概して矩形の板形状をなし、ベース192の左右方向の両端部において前後方向に延びるように配設されている。各クランプ板198は、ベース192の前後方向における中央付近に立設されている支持台206の上端において、左右方向に延びる軸208を中心に揺動可能に支持されている。そして、各クランプ板198の後方側の端部とベース192との間にコイルスプリング210が圧縮された状態で配設されている。これにより、各クランプ板198の前端部が、コイルスプリング210の弾性力によってベース192に向って付勢されている。なお、クランプ板198の前端部は上方に向って僅かに屈曲されており、その屈曲された前端部が、コイルスプリング210の弾性力によってベース192の上端面に密着している。なお、1対のクランプ板198の各々を区別する場合には、図10での左側から順番に、クランプ板198a,クランプ板198bと記載する。
【0040】
このような構造のスプライシング治具190に、作業者は、図12にしめすように、スプライシングテープ200をセットする。スプライシングテープ200は、概して矩形をなし、長手方向における1辺(以下、「長辺」と記載する)の寸法が送り穴118の形成ピッチ(P)の2倍の寸法(2×P)であり、長手方向と直交する方向における1辺(以下、「短辺」と記載する)の寸法がキャリアテープ110の幅寸法(W)の2倍の寸法(2×W)である。また、スプライシングテープ200の1対の短辺の各々の中央に、V溝212が形成されている。このため、短辺の前方側の端とV溝212との間の距離、及び、短辺の後方側の端とV溝212との間の距離はキャリアテープ110の幅寸法(W)となる。また、スプライシングテープ200の1対の短辺の各々には、短辺の前方側の端とV溝212との中央に半円形状の凹み214と、短辺の後方側の端とV溝212との中央に半円形状の凹み216とが形成されている。このため、前後方向における半円形状の凹み214と半円形状の凹み216との間の距離はキャリアテープ110の幅寸法(W)となる。なお、半円状の凹み214,216の内径は、送り穴118の内径より僅かに大きい。さらに、スプライシングテープ200には、1対の短辺に形成された1対の半円形状の凹み216を結ぶ直線上であって、1対の短辺の中央に挿通穴202が形成されている。なお、挿通穴202の内径は、送り穴118の内径より僅かに大きい
【0041】
そして、スプライシングテープ200の一方の面は粘着面であり、作業者が、粘着面を上方に向けた状態でスプライシングテープ200を図12に示すように、スプライシング治具190にセットする。詳しくは、スプライシングテープ200の半円形状の1対の凹み214にスプライシング治具190の2個の第1固定ピン194b,cが入り込むとともに、スプライシングテープ200の挿通穴202にスプライシング治具190の第2固定ピン196が挿通するように、作業者がスプライシングテープ200をスプライシング治具190にセットする。
【0042】
そして、作業者は、スプライシング鋏160により切断した使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとを、図13に示すようにスプライシング治具190にセットする。詳しくは、新キャリアテープ110bのテープ端、つまり、始端の半分に切断された送り穴118を1番目の送り穴として、その1番目の送り穴の隣の送り穴、つまり、2番目の送り穴に第1固定ピン194bが挿入され、4番目の送り穴に第1固定ピン194aが挿入されるように、作業者は新キャリアテープ110bをスプライシング治具190にセットする。これにより、新キャリアテープ110bの裏面が、1番目の送り穴と2番目の送り穴との間においてスプライシングテープ200の粘着面に貼付される。なお、作業者が新キャリアテープ110bをスプライシング治具190にセットする際に、クランプ板198aの後端をコイルスプリング210の弾性力に抗して押下することで、クランプ板198aの前端をベース192の上面から離間させて、クランプ板198aの前端とベース192の上面との間に新キャリアテープ110bの一部を挿入する。そして、作業者がクランプ板198aの後端を離すことで、新キャリアテープ110bの一部がコイルスプリング210の弾性力によって、クランプ板198aの前端とベース192の上面との間に挟まれる。これにより、新キャリアテープ110bがベース192の上面に押さえ付けられ、送り穴118からの第1固定ピン194a,bの抜けが防止される。
【0043】
また、使用中キャリアテープ110aのテープ端、つまり、終端の半分に切断された送り穴118を1番目の送り穴として、その1番目の送り穴の隣の送り穴、つまり、2番目の送り穴に第1固定ピン194cが挿入され、4番目の送り穴に第1固定ピン194dが挿入されるように、作業者は使用中キャリアテープ110aをスプライシング治具190にセットする。これにより、使用中キャリアテープ110aの裏面が、1番目の送り穴と2番目の送り穴との間においてスプライシングテープ200の粘着面に貼付される。なお、作業者が使用中キャリアテープ110aをスプライシング治具190にセットする際に、クランプ板198bの後端をコイルスプリング210の弾性力に抗して押下することで、クランプ板198bの前端をベース192の上面から離間させて、クランプ板198bの前端とベース192の上面との間に使用中キャリアテープ110aの一部を挿入する。そして、作業者がクランプ板198bの後端を離すことで、使用中キャリアテープ110aの一部がコイルスプリング210の弾性力によって、クランプ板198bの前端とベース192の上面との間に挟まれる。これにより、使用中キャリアテープ110aがベース192の上面に押さえ付けられ、送り穴118からの第1固定ピン194c,dの抜けが防止される。
【0044】
このように、スプライシング鋏160により切断された使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとがスプライシング治具190にセットされると、新キャリアテープ110bの始端と使用中キャリアテープ110aの終端とが第1固定ピン194bと第1固定ピン194cとの間で対向し、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとが一直線上に配置される。また、新キャリアテープ110bの始端で半分に切断された送り穴118と使用中キャリアテープ110aの終端で半分に切断された送り穴118とによって1つの送り穴が形成される。これにより、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとが、それらを繋ぎ合わせる位置に位置決めしてセットされる。
【0045】
そして、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとが位置決めしてセットされると、作業者は、スプライシングテープ200の露出している部分、つまり、スプライシングテープ200の1対の凹み216及び挿通穴202が形成されている部分を、使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bに向って折り曲げる。これにより、図14に示すように、スプライシングテープ200の粘着面が、新キャリアテープ110bの表面の1番目の送り穴と2番目の送り穴との間及び、使用中キャリアテープ110aの表面の1番目の送り穴と2番目の送り穴との間に貼付される。
【0046】
このように、作業者がスプライシングテープ200と使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとをスプライシング治具190にセットして、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとにスプライシングテープ200を貼付することで、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとがスプライシングテープ200により連結される。なお、スプライシングテープ200により連結された使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bでは、図15に示すように、新キャリアテープ110bの2番目の送り穴118及び、使用中キャリアテープ110aの2番目の送り穴118はスプライシングテープ200の半円形状の凹み216から露出しており、使用中キャリアテープ110aの半分に切断された1番目の送り穴と新キャリアテープ110bの半分に切断された1番目の送り穴とにより形成される送り穴はスプライシングテープ200の挿通穴202から露出している。これにより、連結された使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとの連結位置での送り穴118への爪部材の係合が担保される。なお、図15では、キャリアテープ110にテーピングされているラジアルリード部品108の図示が省略されている。
【0047】
ただし、キャリアテープにはラジアルリード部品108のリード線114がテーピングされているため、キャリアテープはデコボコしている。このため、上述した方法により使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとの2本のキャリアテープがスプライシングテープ200により連結された場合において、デコボコしたキャリアテープからスプライシングテープ200が剥がれる虞がある。そして、2本のキャリアテープを連結するスプライシングテープ200がキャリアテープから剥がれると、テープフィーダ100の内部において詰まり等が生じて、部品実装機10による作業が停止する。そこで、2本のキャリアテープを連結するスプライシングテープ200の密着力を向上させることが望まれる。このようなことに鑑みて、スプライシング鋏160でなく、新たなスプライシング鋏を用いてキャリアテープを切断し、キャリアテープのテープ端に切り欠きを形成することで、2本のキャリアテープがスプライシングテープ200により連結される際のスプライシングテープ200の密着力を向上させている。
【0048】
具体的には、図16及び図17に示すスプライシング鋏220を新たに用いる。このスプライシング鋏220も、スプライシング鋏160と同様に、第1刃体222と第2刃体224とテープ支持体226とにより構成されている。スプライシング鋏220の第1刃体222及び第2刃体224は、スプライシング鋏160の第1刃体162及び第2刃体164と殆ど同じ構造をしているため、異なる部位のみ説明する。
【0049】
スプライシング鋏160の第1刃体162及び第2刃体164の刃先は一直線形状であったが、スプライシング鋏220の第1刃体222及び第2刃体224の刃先は先端部において概して45度、屈曲している。このため、第1刃体222の第1刃230は、第1刃体222と第2刃体224とを軸支するリベット232から刃先の先端に向って一直線状に延びる第1直線刃236と、その第1直線刃236の先端から45度屈曲する方向に延び出す第1屈曲刃238とにより構成されている。また、第2刃体224の第2刃240は、リベット232から刃先の先端に向って一直線状に延びる第2直線刃242と、その第2直線刃242の先端から45度屈曲する方向に延び出す第2屈曲刃244とにより構成されている。
【0050】
また、スプライシング鋏220のテープ支持体226も、スプライシング鋏160のテープ支持体166と略同様の形状であり、支持体本体250と2個の固定ピン252とにより構成されている。支持体本体250も、スプライシング鋏160の支持体本体180と同様に、第2刃体224に固定されている。ただし、支持体本体250は、第2刃体224の第2刃240を構成する第2直線刃242及び第2屈曲刃244に連続するように、第2刃体224に固定されているため、支持体本体250の形状は、スプライシング鋏160の支持体本体180の形状と僅かに異なっている。また、2個の固定ピン252も、スプライシング鋏160の2個の固定ピン182と同様に、支持体本体250の上面に配設されている。このため、2個の固定ピン252の間の距離、つまり、1個の固定ピン252の中心と、もう1個の固定ピン252の中止との間の距離は、キャリアテープ110への送り穴118の形成ピッチ(P)と同じである。また、2個の固定ピン252のうちの第2刃体224に近い固定ピン252の中心と、第2刃体224の第2刃240との間の距離も、送り穴118の形成ピッチ(P)と同じである。なお、2個の固定ピン252を結ぶ直線は、第2刃240の第2直線刃242と交差する。このため、2個の固定ピン252のうちの第2刃体224に近い固定ピン252の中心と、第2刃240の第2直線刃242との間の距離が、送り穴118の形成ピッチ(P)と同じである。また、固定ピン252の外径も、送り穴118の内径より僅かに小さい。
【0051】
このような構造のスプライシング鋏220を用いて、作業者は、使用中キャリアテープ110a及び、新キャリアテープ110bを切断する。なお、スプライシング鋏220により使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bを切断する方法は異なるため、まず、スプライシング鋏220により新キャリアテープ110bを切断する方法について説明する。
【0052】
作業者は、スプライシング鋏220の第1ハンドル260と第2ハンドル262とを離間させて、第1刃230と第2刃240とを離間させる。そして、作業者は、第1刃230と第2刃240との間に新キャリアテープ110bを配置する。この際、作業者は、図18に示すように、新キャリアテープ110bのラジアルリード部品108が延び出していない縁から、新キャリアテープ110bを第1刃230と第2刃240との間に挿入して、第1刃230と第2刃240との間に配置する。なお、キャリアテープのラジアルリード部品108が延び出していない縁を、キャリアテープの下縁と記載し、キャリアテープのラジアルリード部品108が延び出している縁を、キャリアテープの上縁と記載する。
【0053】
そして、作業者は、新キャリアテープ110bを支持体本体250の上に載置し、新キャリアテープ110bの隣り合う2個の送り穴118に、2個の固定ピン252を挿入する。これにより、新キャリアテープ110bがスプライシング鋏220において位置決めされる。また、2個の固定ピン252のうちの第2刃体224に近い固定ピン252の中心と、第2刃240の第2直線刃242との間の距離は、送り穴118の形成ピッチ(P)と同じであるため、固定ピン252が挿入された送り穴118の隣の送り穴118の中心が、第1刃230及び第2刃240の開閉方向において、第1刃230の第1直線刃236及び第2刃240の第2直線刃242の刃先と一致する。なお、第1刃230の第1屈曲刃238及び第2刃240の第2屈曲刃244の刃先は、第1刃230及び第2刃240の開閉方向において、その送り穴118と一致しない。また、第1刃230の第1直線刃236及び第2刃240の第2直線刃242の刃先と新キャリアテープ110bとは直交する。そして、作業者が第1ハンドル260と第2ハンドル262とを接近させることで、第1刃230と第2刃240とにより新キャリアテープ110bを切断する。この際、新キャリアテープ110bは、送り穴118を含み、その送り穴の上方から新キャリアテープ110bの下縁に渡って第1直線刃236と第2直線刃242とにより切断され、送り穴118の上方から新キャリアテープ110bの上縁に渡って第1屈曲刃238と第2屈曲刃244とにより切断される。このため、図19に示すように、新キャリアテープ110bは、送り穴118を含み、その送り穴の上方から新キャリアテープ110bの下縁に渡ってキャリアテープの延びる方向と直交する方向に一直線状に切断され、送り穴118の上方から新キャリアテープ110bの上縁に渡って45度に切り欠かれた状態で切断される。これにより、新キャリアテープのテープ端が、半分に切断された送り穴118を除いて、送り穴118の上方から新キャリアテープ110bの下縁に渡ってキャリアテープの延びる方向と直交する一直線の形状となり、送り穴118の上方から新キャリアテープ110bの上縁に渡って45度に切り欠かれた形状となる。つまり、新キャリアテープがスプライシング鋏220により切断されることで、新キャリアテープのテープ端が、半分に切断された送り穴118を除いて、切り欠きを有する非一直線に切断される。なお、新キャリアテープのテープ端の新キャリアテープの延びる方向と直交する一直線状の部位を、直線テープ端270と記載し、新キャリアテープのテープ端の切り欠かれた部位を、切欠テープ端272と記載する。
【0054】
次に、スプライシング鋏220により使用中キャリアテープ110aを切断する方法について説明する。作業者は、スプライシング鋏220の第1ハンドル260と第2ハンドル262とを離間させて、第1刃230と第2刃240とを離間させる。そして、作業者は、第1刃230と第2刃240との間に使用中キャリアテープ110aを配置する。この際、作業者は、図20に示すように、使用中キャリアテープ110aのラジアルリード部品108が延び出している縁、つまり、上縁から、使用中キャリアテープ110aを第1刃230と第2刃240との間に挿入して、第1刃230と第2刃240との間に配置する。
【0055】
そして、作業者は、使用中キャリアテープ110aを支持体本体250の上に載置し、使用中キャリアテープ110aの隣り合う2個の送り穴118に、2個の固定ピン252を挿入する。これにより、使用中キャリアテープ110aがスプライシング鋏220において位置決めされる。また、固定ピン252が挿入された送り穴118の隣の送り穴118の中心が、第1刃230及び第2刃240の開閉方向において、第1刃230の第1直線刃236及び第2刃240の第2直線刃242の刃先と一致する。なお、第1刃230の第1屈曲刃238及び第2刃240の第2屈曲刃244の刃先は、第1刃230及び第2刃240の開閉方向において、その送り穴118と一致しない。また、第1刃230の第1直線刃236及び第2刃240の第2直線刃242の刃先と使用中キャリアテープ110aと直交する。そして、作業者が第1ハンドル260と第2ハンドル262とを接近させることで、第1刃230と第2刃240とにより使用中キャリアテープ110aを切断する。この際、使用中キャリアテープ110aは、送り穴118を含み、その送り穴の下方から使用中キャリアテープ110aの上縁に渡って第1直線刃236と第2直線刃242とにより切断され、送り穴118の下方から使用中キャリアテープ110aの下縁に渡って第1屈曲刃238と第2屈曲刃244とにより切断される。このため、図21に示すように、使用中キャリアテープ110aは、送り穴118を含み、その送り穴の下方から使用中キャリアテープ110aの上縁に渡ってキャリアテープの延びる方向と直交する方向に一直線状に切断され、送り穴118の下方から使用中キャリアテープ110aの下縁に渡って45度に切り欠かれた状態で切断される。これにより、使用中キャリアテープのテープ端が、半分に切断された送り穴118を除いて、送り穴118の下方から使用中キャリアテープ110aの上縁に渡ってキャリアテープの延びる方向と直交する一直線の形状となり、送り穴118の下方から使用中キャリアテープ110aの下縁に渡って45度に切り欠かれた形状となる。つまり、使用中キャリアテープがスプライシング鋏220により切断されることで、使用中キャリアテープのテープ端が、半分に切断された送り穴118を除いて、切り欠きを有する非一直線に切断される。なお、使用中キャリアテープのテープ端の使用中キャリアテープの延びる方向と直交する一直線状の部位を、直線テープ端280と記載し、使用中キャリアテープのテープ端の切り欠かれた部位を、切欠テープ端282と記載する。
【0056】
そして、上述した方法により、作業者が使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bを切断すると、スプライシング治具190を用いて使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとをスプライシングテープ200によって連結、つまり、繋ぎ合わせる。具体的には、まず、作業者は、スプライシングテープ200を図12に示すようにスプライシング治具190にセットする。なお、スプライシングテープ200のスプライシング治具190へのセット方法は、従来と同様である。
【0057】
そして、作業者は、スプライシングテープ200をスプライシング治具190にセットすると、スプライシング鋏220により切断した使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとを、図22に示すようにスプライシング治具190にセットする。なお、スプライシング鋏220により切断された使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bのスプライシング治具190へのセット方法は、スプライシング鋏160により切断された使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bのスプライシング治具190へのセット方法と同じである。
【0058】
このように、スプライシング鋏220により切断された使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとがスプライシング治具190にセットされると、新キャリアテープ110bのテープ端と使用中キャリアテープ110aのテープ端とが第1固定ピン194bと第1固定ピン194cとの間で対向し、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとが一直線上に配置される。この際、新キャリアテープ110bのテープ端の切欠テープ端272と使用中キャリアテープ110aのテープ端の直線テープ端280とが対向し、新キャリアテープ110bのテープ端の直線テープ端270と使用中キャリアテープ110aのテープ端の切欠テープ端282とが対向する。このため、新キャリアテープ110bのテープ端の切欠テープ端272と使用中キャリアテープ110aのテープ端の直線テープ端280とが離間し、新キャリアテープ110bのテープ端の直線テープ端270と使用中キャリアテープ110aのテープ端の切欠テープ端282とが離間する。つまり、新キャリアテープ110bのテープ端の切欠テープ端272と使用中キャリアテープ110aのテープ端の直線テープ端280との間に隙間が生じ、新キャリアテープ110bのテープ端の直線テープ端270と使用中キャリアテープ110aのテープ端の切欠テープ端282との間にも隙間が生じる。また、新キャリアテープ110bのテープ端で半分に切断された送り穴118と使用中キャリアテープ110aのテープ端で半分に切断された送り穴118とによって1つの送り穴が形成される。これにより、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとが、それらを繋ぎ合わせる位置に位置決めしてセットされる。
【0059】
そして、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとが位置決めしてセットされると、作業者は、従来の手法と同様にスプライシングテープ200を折り曲げる。これにより、図14に示すように、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとがスプライシングテープ200により連結される。なお、スプライシング鋏220により切断された使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとがスプライシングテープ200により連結された状態においても、図23に示すように、新キャリアテープ110bの送り穴118及び、使用中キャリアテープ110aの送り穴118はスプライシングテープ200の半円形状の凹み216から露出しており、使用中キャリアテープ110aの半分に切断された送り穴と新キャリアテープ110bの半分に切断された送り穴とにより形成される送り穴はスプライシングテープ200の挿通穴202から露出している。これにより、連結された使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとの連結位置での送り穴118への爪部材の係合が担保される。なお、図23においても、キャリアテープ110にテーピングされているラジアルリード部品108の図示が省略されている。
【0060】
また、スプライシング鋏220により切断された使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとがスプライシングテープ200により連結されると、新キャリアテープ110bの切欠テープ端272と使用中キャリアテープ110aの直線テープ端280との隙間(図23での斜線部)、及び、新キャリアテープ110bの直線テープ端270と使用中キャリアテープ110aの切欠テープ端282との隙間(図23での斜線部)において、キャリアテープの裏面に貼付されたスプライシングテープ200の粘着面と、キャリアテープの表面に貼付されたスプライシングテープ200の粘着面とが密着する。このように、キャリアテープの両面からスプライシングテープ200の粘着面とスプライシングテープ200の粘着面とが密着すると、非常に大きな密着力が生じる。これにより、新キャリアテープ110bと使用中キャリアテープ110aとの2本のキャリアテープがスプライシングテープ200により連結される際のスプライシングテープ200の密着力が向上し、2本のキャリアテープを連結するスプライシングテープ200の剥がれを好適に防止することができる。
【0061】
なお、使用中キャリアテープ110a及び新キャリアテープ110bは、2本のキャリアテープの一例である。スプライシングテープ200は、接続テープの一例である。スプライシング鋏220は、切断装置の一例である。
【0062】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、キャリアテープのテープ端が、キャリアテープの延びる方向と直交する直線テープ端と、その直線テープ端を概して45度に切り欠いた切欠テープ端とを含む非一直線に切断されているが、種々の形状の非一直線に切断されてもよい。具体的には、例えば、図24に示すように、キャリアテープのテープ端を、概して「く」の字型に切断してもよい。そして、使用中キャリアテープ110aのテープ端と新キャリアテープ110bのテープ端とを概して「く」の字型に切断し、上述した方法により、スプライシングテープ200により繋ぎ合わせると、図25に示すように、新キャリアテープ110bの「く」の字型に切断されたテープ端と、使用中キャリアテープ110aの「く」の字型に切断されたテープ端との隙間(図25での斜線部)において、キャリアテープの裏面に貼付されたスプライシングテープ200の粘着面と、キャリアテープの表面に貼付されたスプライシングテープ200の粘着面とが密着する。このように、キャリアテープのテープ端を「く」の字型に切断した場合においても、新キャリアテープ110bと使用中キャリアテープ110aとの2本のキャリアテープがスプライシングテープ200により連結される際のスプライシングテープ200の密着力を向上させることができる。また、キャリアテープのテープ端は「く」の字型に限定されず、一直線に切断されなければ、つまり、非一直線に切断されればよい。例えば、キャリアテープのテープ端は、曲線形状,複数の直線が交差する形状,直線と曲線とにより構成される形状等の形状に切断されてもよい。このように、キャリアテープのテープ端が非一直線に切断されることで、キャリアテープのテープ端に、ギザギザの形状,くにゃくにゃの形状,波形状,凹凸形状,段差形状等の切り欠きが形成される。なお、送り穴118はキャリアテープに形成されているものであるため、キャリアテープのテープ端で送り穴が切断されて、その送り穴が半円形状となった場合であっても、その半円形状の送り穴はテープ端の切り欠きではない。つまり、キャリアテープのテープ端の切り欠きは、スプライシング鋏等の切断装置により非一直線に切断された部位である。
【0063】
また、上記実施例では、連結される使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとの2本のキャリアテープのテープ端が非一直線に切断されているが、それら2本のキャリアテープのうちの一方のテープ端が非一直線に切断されてもよい。
【0064】
また、上記実施例では、スプライシングテープ200がセットされたスプライシング治具190に、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとの2本のキャリアテープがセットされることで、キャリアテープの裏面にスプライシングテープ200が貼付され、スプライシングテープ200が折り曲げられることで、キャリアテープの表面にスプライシングテープ200が貼付される。つまり、2本のキャリアテープがスプライシング治具190にセットされた状態で、キャリアテープの両面にスプライシングテープ200が貼付される。一方、スプライシング治具190にセットされた2本のキャリアテープの表面にスプライシングテープを貼付した後に、それら2本のキャリアテープをスプライシング治具190から取り外して、それら2本のキャリアテープをひっくり返した状態で、再度、スプライシング治具190にセットして、2本のキャリアテープの表面にスプライシングテープを貼付してもよい。
【0065】
また、上記実施例では、作業者がスプライシング鋏220を用いて切断した2本のキャリアテープを、スプライシング治具190を用いて連結しているが、スプライシング治具190を用いずに2本のキャリアテープを連結してもよい。具体的には、作業者が、図26に示すように、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとを、それぞれのテープ端を対向させた状態で一直線上に配置する。この際、使用中キャリアテープ110aと新キャリアテープ110bとの2本のキャリアテープのテープ端を突き合わせる。これにより、使用中キャリアテープ110aの直線テープ端280と新キャリアテープ110bの直線テープ端270とが接触する。そして、新キャリアテープ110bのテープ端で半分に切断された送り穴118と使用中キャリアテープ110aのテープ端で半分に切断された送り穴118とによって1つの送り穴が形成される。また、新キャリアテープ110bの切欠テープ端272と使用中キャリアテープ110aの直線テープ端280との間に隙間が生じ、新キャリアテープ110bの直線テープ端270と使用中キャリアテープ110aの切欠テープ端282との間に隙間が生じる。そして、作業者が、使用中キャリアテープ110aのテープ端と新キャリアテープ110bのテープ端との両面にスプライシングテープ200を貼付することで、図27に示すように、使用中キャリアテープ110aのテープ端と新キャリアテープ110bのテープ端とがスプライシングテープ200により連結される。このように、作業者がスプライシング治具190を用いることなく、2本のキャリアテープのテープ端を突き合せるとともに隙間を設けた状態で、2本のキャリアテープのテープ端の両面をスプライシングテープ200で繋ぎ合わせた場合においても、新キャリアテープ110bの切欠テープ端272と使用中キャリアテープ110aの直線テープ端280との隙間(図27での斜線部)、及び、新キャリアテープ110bの直線テープ端270と使用中キャリアテープ110aの切欠テープ端282との隙間(図27での斜線部)において、キャリアテープの裏面に貼付されたスプライシングテープ200の粘着面と、キャリアテープの表面に貼付されたスプライシングテープ200の粘着面とが密着する。これにより、2本のキャリアテープがスプライシングテープ200により連結される際のスプライシングテープ200の密着力を向上させることができる。
【0066】
また、上記実施例では、2本のキャリアテープ110のテープ端を突き合せるとともに隙間を設けた状態で、2本のキャリアテープのテープ端の両面をスプライシングテープ200で繋ぎ合わせているが、2本のキャリアテープのテープ端を離間させることで隙間を設けた状態に位置決めして、2本のキャリアテープのテープ端の両面をスプライシングテープ200で繋ぎ合わせても良い。この場合のテープ端の形状は、共に、切り欠きを有さない一直線形状であっても良い。このような場合の、2本のキャリアテープのテープ端の離間した隙間は、切り欠きと同様の効果を奏する。つまりは、繋ぎ合わせる位置に位置決めしてセットされた2本のキャリアテープのうちの一方のテープ端と他方のテープ端との少なくとも一部が離間している状態で、2本のキャリアテープを両側からスプライシングテープで連結すれば良い。
【0067】
また、上記実施例では、2本のキャリアテープ110の送り穴118が露出するようにスプライシングテープを貼着しているが、送り穴をキャリアテープの切り欠きとして利用しても良い。
【0068】
また、上記実施例では、2本のキャリアテープ110を、テープ端を重ならせることなくスプライシングテープ200で繋ぎ合わせているが、2本のキャリアテープ110をテープ端の少なくとも一部を重ならせてスプライシングテープで繋ぎ合わせても良い。
【0069】
また、上記実施例では、作業者がスプライシング鋏220とスプライシング治具190とを用いて手作業でスプライシング作業を行っているが、オートスプライシング機構などを用いて自動でスプライシング作業を行ってもよい。つまり、角チップなどがテーピングされたテープ化部品を自動でスプライシングするためのオートスプライシング機構が開発されているが、そのようなオートスプライシング機構をラジアルリード部品のテープ化部品に適用し、そのラジアルリード部品のテープ化部品用のオートスプライシング機構において、キャリアテープのテープ端を自動で非一直線に切断し、非一直線に切断されたテープ端をスプライシングテープにより自動で連結してもよい。
【0070】
また、本発明は、部品本体112から同じ方向に向って1対のリード線114が延び出すラジアルリード部品108のテープ化部品106に本発明が適用されているが、部品本体から反対方向に向って1対のリード線が延び出すアキシャルリード部品のテープ化部品に本発明が適用されてもよい。また、角チップ等がテーピングされたテープ化部品に本発明が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
110a:使用中キャリアテープ(キャリアテープ) 110b:新キャリアテープ(キャリアテープ) 200:スプライシングテープ(接続テープ) 220:スプライシング鋏(切断装置)
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