(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20250110BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2023075829
(22)【出願日】2023-05-01
【審査請求日】2023-05-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0151233
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】モ ソ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リム ヒ-チュル
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0075871(US,A1)
【文献】特開2005-310805(JP,A)
【文献】特開昭63-274144(JP,A)
【文献】特表2005-529488(JP,A)
【文献】特開2012-104264(JP,A)
【文献】特表2018-517920(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0207397(US,A1)
【文献】特開2021-47331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/64-21/66
G03F 7/20- 7/24
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上のプロセッサを含
み、オーバーレイターゲット(overlay target)イメージを用いて下部薄膜層パターンと上部薄膜層パターンの整列状態を検査するオーバーレイ計測装備を含み、
前記プロセッサは、
前記オーバーレイターゲットイメージを受信し、
前記オーバーレイターゲットイメージを、全体イメージよりも小さい大きさに調整し、
前記調整されたイメ-ジにおける第1対角線に基づいて、互いに対称となる第1テンプレート及び第2テンプレートを定義し、
前記第1テンプレートのイメージと第2テンプレートのイメージの間の前記第1対角線を基準に対称な類似度を表す第1相関関係値を計算して、ラフセンター座標を計算し、
前記オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおける前記ラフセンター座標を通る第2対角線に基づいて、対称となる第3テンプレート及び第4テンプレートを定義し、
前記第3テンプレートのイメージと前記第4テンプレートのイメージの間の前記第2対角線を基準に対称な類似度を表す第2相関関係値を計算して、
前記オーバーレイターゲットイメージのファインセンター座標を計算
し、
前記ファインセンター座標に基づいて、ステージをターゲット位置に移動させることにより、オーバーレイキーをセンタリングする、
相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、ラフセンター座標を計算する場合、
さらに第1相関検索領域を定義して、前記第1相関検索領域における前記第1テンプレート
の前記イメージと前記第2テンプレート
の前記イメージとの間の
前記第1相関関係値を計算する、
請求項1に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項3】
前記第1相関検索領域は、前記調整されたイメージの全体領域と定義される、
請求項2に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項4】
前記第1テンプレートと前記第2テンプレートは、予め設定された大きさの横及び縦の値を
有する、
請求項3に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレート
位置と第2テンプレート
位置を探し、探した前記第1テンプレート
位置及び前記第2テンプレート
位置の座標を用いて、前記ラフセンター座標を計算する、
請求項2に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記ファインセンター座標を計算する場合、
さらに前記原本イメージにおける前記ラフセンター座標を基準に第2相関関係検索領域を定義して、前記第2相関関係検索領域内の
第3テンプレートの前記イメージと第4テンプレートの前記イメージとの間の前記第2相関関係値を計算する、
請求項1に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
最も大きい相関関係値に対応する
第3テンプレート位置と第4テンプレート位置を探し、
探した前記第3テンプレート位置及び前記第4テンプレート位置の座標を用いて、前記ファインセンター座標を計算する、
請求項6に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記ファインセンター座標を基にセンタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録する、
請求項1に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム。
【請求項9】
下部薄膜層パターンと上部薄膜層パターンの整列状態を検査するためのオーバーレイターゲット(overlay target)イメージを全体イメージよりも小さい大きさに調整し、
前記調整されたイメージにおける第1対角線に基づいて、互いに対称である第1テンプレート及び第2テンプレートを定義し、
前記第1テンプレートのイメージと前記第2テンプレートのイメージの間の前記第1対角線を基準に対称な類似度を表す第1相関関係値を計算して、ラフセンター座標を
計算し、
前記オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおける前記ラフセンター座標を通る第2対角線に基づいて、対称となる第3テンプレート及び第4テンプレートを定義し、
前記第3テンプレートのイメージと前記第4テンプレートのイメージの間の前記第2対角線を基準に対称な類似度を表す第2相関関係値を計算して、
前記オーバーレイターゲットイメージのファインセンター座標を
計算し、
前記ファインセンター座標に基づいて、ステージをターゲット位置に移動させることにより、オーバーレイキーをセンタリングする、
相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項10】
前記
ラフセンター座標を計算することは、さらに、
前記調整されたイメージにおける第1相関検索領域を定義する
ことと、
前記第1相関検索領域における前記第1テンプレートと前記第2テンプレートとの間の前記第1相関関係値を計算する
ことと、を含む、
請求項9に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項11】
前記第1相関検索領域は、前記調整されたイメージの全体領域と定義される、
請求項10に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項12】
前記第1テンプレートと前記第2テンプレートは、予め設定された大きさの横及び縦の値を
有する、
請求項11に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項13】
前記ラフセンター座標を計算する
ことは、
最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレート
位置と第2テンプレート
位置を探す
ことと、
探した前記第1テンプレート
位置及び前記第2テンプレート
位置の座標を用いて、前記ラフセンター座標を計算する
こととを含む、
請求項10に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項14】
前記ファイン
センター座標を計算することは、さらに、
前記原本イメージにおける前記ラフセンター座標を基準に第2相関関係検索領域を定義する
ことと、
前記第2相関関係検索領域内の
前記第3テンプレートの前記イメージと前記第4テンプレートの前記イメージとの
前記第2相関関係値を計算する
ことと、を含む、
請求項9に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項15】
前記ファインセンター座標を計算する
ことは、
最も大きい相関関係値に対応する
第3テンプレート位置と第4テンプレート位置を探す
ことと、
探した前記第3テンプレート位置及び前記第4テンプレート位置の座標を用いて、前記ファインセンター座標を計算する
こととを含む、
請求項14に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【請求項16】
前記ファインセンター座標を基にセンタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録する
ことをさらに含む、
請求項9に記載の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体工程に関し、より詳細は、半導体工程における相関関係に基づくオーバーレイキーをセンタリングするシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程では、ウエハ表面に感光膜(Photo Resist)を形成し、ステッパー(stepper)を用いた露光工程において、レチクル(reticle)上のウエハ表面上の感光膜に転写し、露光工程が完了した感光膜を現像する。その後、現象した感光膜を、エッチングマスクを用いてウエハ表面をエッチングするフォトリソグラフィ(Photolithography)工程によって、ウエハ表面に回路パターンを形成し、フォトリソグラフィ工程を繰り返してウエハ表面に回路パターンを有する多層膜を形成して、半導体素子が製造される。
【0003】
半導体工程において、半導体基板に微細パターンを形成するために行われる露光工程は、半導体基板上にフォトレジスト(Photo-Resist)を塗布し、フォトレジストが塗布された半導体基板に熱を加えて、マスクに形成されたパターンを半導体基板の表面にパターンを一致させた後、部分的に光を透過させて、当該部位のフォトレジストを露光し、露光工程後、現像液を噴射して、露光時、光の透過した部分又は光の透過していない部分を化学作用によって除去し、半導体基板にパターンを形成した後に整列状態を測定して、垂直整列度を計測する。
【0004】
一方、半導体チップをウエハ上に作るため上部薄膜層と下部薄膜層の垂直整列度をオーバーレイ(overlay)と言い、光学オーバーレイ計測装置は、オーバーレイキー(overlay key)を用いて、半導体基板上に形成されたパターンと現在工程で形成されたパターンの整列状態を検査して微細不良を検出し、半導体工程上の不良を検出する。
【0005】
半導体基板の微細パターンらの整列状態を測定して検査するオーバーレイ工程は、半導体基板上に多層レイヤからなる複数の薄膜層に形成された下部薄膜層パターンと上部薄膜層パターンとが正確に整列されたかを確認するために、オーバーレイマーク(overlay mark)を用いて上部薄膜層と下部薄膜層の整列状態を確認する。
【0006】
光学オーバーレイ測定計測装備は、半導体工程で極めて高精密測定により、複数の層で積み重ねた半導体基板上に、多層レイヤからなる複数の薄膜層に形成された下部薄膜層パターンと上部薄膜層パターンとが正確に整列されたかを、オーバーレイマークを用いて回路パターンが正しく整列されたかを測定する。
【0007】
オーバーレイマークの整列度を測定するためには、PR(Pattern Recognition)アクション(Action)が先行されなければならない。
【0008】
レシピ(Recipe)に入力されたターゲット(Overlay Key)ポジション(Position)にステージ(Stage)を移動させるとき、ハードウェア(ロボット、ステージ等)の再現性(Repeatability)の影響から正確な位置を探すのに限界がある。
【0009】
PRアクションは、これを補正する技術であって、レシピに登録のモデルイメージと、FOV(Field of View)上のライブ(Live)イメージとがマッチング(Matching)する位置をセンター(Center)と検出して、オフセット(offset)だけさらにステージ移動(Stage Move)させる。
【0010】
ところが、イメージ間の1:1マッチングを通じてさらにステージ移動する方式は、レシピに登録のイメージがウエハ全般のあらゆるターゲットのイメージに取り替えられる場合に可能である。
【0011】
工程上の影響によって、オーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)が大きい場合、PR失敗(Fail)が発生し得る。
【0012】
よって、PR失敗を補い、オーバーレイキーのセンター座標を探して、正確にセンタリングする技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
韓国登録特許第10-1604789号(2016年3月14日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、工程上の理由で発生したオーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)を克服し、PR(Pattern Recognition)を行うために、相関関係に基づくオーバーレイキーをセンタリングするシステム及びその方法を提供することにある。
【0015】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、少なくとも1つ以上のプロセッサを含むオーバーレイ計測装備を含み、プロセッサは、オーバーレイターゲット(overlay target)イメージを受信し、オーバーレイターゲットイメージを全体イメージよりも小さい大きさに調整し、調整されたイメージにおける第1相関関係値を計算して、ラフセンター座標を計算し、オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおける前記ラフセンター座標を基準に第2相関関係値を計算して、ファインセンター座標を計算する。
【0017】
一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、オーバーレイターゲット(overlay target)イメージを予め設定された大きさに調整し、調整されたイメージにおける第1相関関係値を計算して、ラフセンター座標を計算するラフ検索(Rough Search)ステップと、オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおけるラフセンター座標を基準に第2相関関係値を計算して、ファインセンター座標を計算するファイン検索(Fine Search)ステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
実施形態によれば、相関関係に基づいてオーバーレイキーを正確にセンタリングすることにより、半導体基板の微細パターンらの整列状態を正確に測定して検査することができる。
【0019】
また、オーバーレイキーパターンの座標を正確に探すことにより、オーバーレイ計測の精密度を向上させることができる。
【0020】
また、オーバーレイキー別のバリエーションが大きい場合に発生し得るPR(Pattern Recognition)失敗を防止することができる。
【0021】
また、PRパラメータに敏感に反応するレイヤの場合に発生し得るPRミスリーディング(MisReading)を補うことができる。
【0022】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明するとともに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】PR(Pattern Recognition)アクションを説明するための図面である。
【
図2】一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンターを探す方法の流れ図である。
【
図3】
図2の相関関係検索領域を例示した図面である。
【
図4】
図2の相関関係検索領域を例示した図面である。
【
図5】
図2の相関関係検索領域を例示した図面である。
【
図6】
図2の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンターを探す方法を例示した図面である。
【
図7】
図2の相関関係を計算するためテンプレートの定義を示す図面である。
【
図8】一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
前述した目的、手段及び効果は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0025】
以下では、工程上の理由で発生したオーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)を克服し、PR(Pattern Recognition)を行うために、相関関係に基づくオーバーレイキーをセンタリングするシステム及びその方法を開示する。
【0026】
実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法を説明する前に、本明細書で使われる用語の意味を定義する。
【0027】
明細書において、オーバーレイ(overlay)は、半導体チップをウエハ上に作るため上部薄膜層と下部薄膜層の垂直整列度と定義することができる。
【0028】
明細書において、オーバーレイキー(overlay key)は、光学オーバーレイ計測装置における半導体基板上に形成されたパターンと、現在工程で形成されたパターンの整列状態を検査して微細不良を検出し、半導体工程上の不良を検出するのに用いられるものであると定義することができる。
【0029】
明細書において、PRUは、オーバーレイの計測を行うためオーバーレイキーを認識するものであって、FOV(Field of View)内でオーバーレイキーをセンタリングすることを含むことができる。
【0030】
明細書において、ターゲットファインダは、プロセッサが搭載されたPC端末、オーバーレイ計測装備で具現することができる。一例では、ターゲットファインダは、相関関係に基づくオーバーレイキーのセンター座標を計算するアプリケーションであってもよい。
【0031】
図1は、PR(Pattern Recognition)アクション(action)を説明するための図面である。
【0032】
ターゲット(Overlay Key)ポジションにステージを移動させるとき、計測装備の再現性(Repeatability)の影響から正確な位置を探すのに限界がある。
【0033】
PRアクションは、これを補正する技術であって、レシピに登録のモデルイメージと、FOV上のライブイメージとがマッチングする位置をセンターと検出して、オフセットだけさらにステージ移動(Stage Move)させる。
【0034】
ところが、イメージ間の1:1マッチングを通じてさらにステージ移動させる方式は、レシピに登録のイメージがウエハ全般のあらゆるターゲットのイメージに取り替えられる場合に可能である。
【0035】
工程上の影響によって、オーバーレイキーのイメージ間のバリエーション(Variation)が大きい場合、PR失敗(Fail)が発生し得る。
【0036】
このために本実施形態は、入力映像において、小さい大きさのテンプレート映像と一致する部分を探すテンプレートマッチング関数を用いて、オーバーレイキーのセンター位置を検出する。一例では、入力映像としてライブ映像、つまり計測しながら獲得する映像に対してテンプレート映像と一致する部分を探すテンプレートマッチング関数を用いて、センター位置を検出することができる。
【0037】
半導体チップをウエハ上に作るため上部薄膜層と下部薄膜層の垂直整列度をオーバーレイ(overlay)と言い、光学オーバーレイ計測装置は、オーバーレイキー(overlay key)を用いて半導体基板上に形成されたパターンと、現在工程で形成されたパターンの整列状態を検査して微細不良を検出し、半導体工程上の不良を検出する。
【0038】
一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及び方法は、入力関数と対象関数がどれほど類似であるかについて測定できる道具を用いて類似性を測定することができる。一例では、イメージに活用する場合、両イメージがどれほど類似であるかについて測定できる道具を用いて相関関係値を導出することができる。
【0039】
確率論と統計学で使用される相関分析(Correlation Analysis)は、両変数間の扇形的関係を分析する方法である。このとき、両変数間の関係の強度を相関関係(Correlation又はCorrelation Coefficient)と言う。
【0040】
統計的相関関係の分析では、ピアソン相関係数(Pearson Correlation Coefficient)分析、スピアマンの相関係数(Spearman Correlation Coefficient)分析など、様々な技法が存在する。
【0041】
実施形態は、入力映像における小さい大きさのテンプレート映像と一致する部分を探すテンプレートマッチング関数を用いることができる。
【0042】
テンプレートマッチング原理は、テンプレートを入力映像の左側上端から右側下端まで、全ての部分と比較してスキャンする。
【0043】
テンプレートマッチング関数は、相関関係値を示す方法による様々なテンプレートマッチング関数を含むことができる。
【0044】
図2は、一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンターを探す方法の流れ図である。
【0045】
図2を参照すると、相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、ラフ検索ステップ(S10)及びファイン検索ステップ(S50)を含む。
【0046】
先ず、ラフ検索ステップ(S10)は、オーバーレイターゲットイメージを予め設定された大きさに調整し、調整されたイメージにおける第1相関関係値を計算して、ラフセンター座標を計算する。
【0047】
ラフ検索ステップ(S10)について説明すると、次のとおりである。
【0048】
オーバーレイターゲットイメージを予め設定された大きさに調整する(S20)。一例では、ターゲットファインダは、測定装備からオーバーレイターゲットイメージを受信し、オーバーレイターゲットイメージの大きさを1/2に減らすことができる。これは、テンプレートマッチング関数の処理時間を最小化する。ここで、ターゲットファインダは、相関関係に基づくオーバーレイキーのセンター座標を計算するアプリケーションであるか、プロセッサを備えたPC端末であってもよい。
【0049】
次いで、調整されたイメージにおける第1テンプレートと第2テンプレート並びに第1相関検索領域を定義して、第1相関検索領域における第1テンプレートと第2テンプレートとの間の第1相関関係値らを計算する(S30)。
【0050】
【0051】
図3~
図5を参照すると、一例では、第1相関検索領域は、調整されたイメージの全体領域と定義することができる。
【0052】
第1テンプレート1と第2テンプレート2は、予め設定された大きさの横及び縦の値を有し、対角線を基準に互いに対称になるように定義することができる。
【0053】
一例では、実施形態は、第1テンプレート1のイメージと第2テンプレート2のイメージを180度回転したイメージと比較して、類似度を相関関係値に示すことができる。他の一例では、第1テンプレート1のイメージを第1テンプレート1と第2テンプレート2との間の対角線を基準に反転させたイメージと第2テンプレート2のイメージとを比較して、類似度を相関関係値に示すことができる。
【0054】
一例では、実施形態は、第1テンプレート1と第2テンプレート2の類似度が高いほど、相関関係値を高い値に示すことができる。
【0055】
図6は、
図2の相関関係に基づくオーバーレイキーのセンターを探す方法を例示した図面である。
【0056】
図2及び
図6を参照すると、調整されたイメージの全体領域内における第1テンプレート1と第2テンプレート2の第1相関関係値らを基にラフセンター座標を計算する(S40)。
【0057】
ラフセンター座標計算について具体的に説明すると、第1相関関係値らのうち最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレート1と第2テンプレート2を探し、第1テンプレート1と第2テンプレート2の座標(X1,Y1)を用いて、ラフセンター座標(Cx,Cy)を計算する。
【0058】
一例では、ラフセンター座標(Cx)は、X1+テンプレートの横(又は幅)に計算することができ、ラフセンター座標(Cy)は、Y1+テンプレートの縦(又は高さ)に計算することができる。
【0059】
次に、ファイン検索ステップ(S50)は、オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおけるラフセンター座標を基準に第2相関関係値を計算して、ファインセンター座標を計算する。
【0060】
ファイン検索ステップについて説明すると、次のとおりである。
【0061】
ファイン検索ステップは、ラフセンター座標を基準に第2相関関係検索領域を定義する(S60)。
【0062】
図7は、
図2の相関関係を計算するためテンプレートの定義を示す図面である。
【0063】
図7を参照すると、原本イメージにおけるラフセンター座標を基準に第2相関関係検索領域を定義する。一例では、第2相関関係検索領域は、ラフセンター座標を基準に第1テンプレート又は第2テンプレートの幅と高さの2倍の値を有するように定義することができる。
【0064】
原本イメージにおけるラフセンター座標を基準に第1テンプレートと第2テンプレート領域を定義する。一例では、第1テンプレートと第2テンプレートは、ラフセンター座標を通る対角線を基準に互いに対称になる領域と定義することができる。
【0065】
そして、原本イメージの第2相関関係検索領域内の第1テンプレートと第2テンプレートとの第2相関関係値らを計算する(S70)。
【0066】
一例では、第1テンプレート1のイメージと第2テンプレート2のイメージを 180度回転したイメージと比較して、類似度による第2相関関係値を計算することができる。または、第1テンプレート1のイメージと第2テンプレート2のイメージを反転させたイメージと比較して、類似度による第2相関関係値を計算することができる。
【0067】
そして、第2相関関係値らを基に前記ファインセンター座標を計算する(S80)。
【0068】
ファインセンター座標を計算する過程は、第2相関関係値らのうち最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレートと第2テンプレートを探し、探した第1テンプレート又は第2テンプレートの座標を用いてファインセンター座標を計算する。
【0069】
図8は、一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステム及びその方法の流れ図である。
【0070】
図8を参照すると、ターゲットファインダは、ラフ検索ステップによってラフセンター座標を計算し、ファイン検索ステップによってファインセンター座標を計算する。
【0071】
ラフ検索ステップは、プロセッシング時間を最小化するために、全体イメージの大きさを縮小する。一例では、全体イメージの大きさを1/2大きさにリサイズ(Resize)するか、1/4大きさにリサイズすることができる。もちろん、これに限定されるものではなく、センター座標を計算するプロセッシング時間を最小化できる技術思想内における変更実施が可能である。
【0072】
第1テンプレート1と第2テンプレート2を
図5のように定義する。リサイズしたイメージの全体領域を第1相関関係検索領域と定義する。
【0073】
第1相関関係検索領域内における第1テンプレートと第2テンプレートとの相関関係値を計算する。相関関係値が最も大きいテンプレートを探し、これを用いてラフセンター座標を計算する。
【0074】
ファインセンター座標のラフ検索で探したラフセンター座標を基準に、第2相関関係領域を定義する。原本イメージにおいて、第2相関関係領域における第1テンプレートと第2テンプレートとの間の相関関係値を計算する。
【0075】
相関関係値が最も大きいテンプレートを探し、これを用いてファインセンター座標を計算する。
【0076】
一例では、オーバーレイ計測装備は、内部にターゲットファインダを備えて、計算されたファインセンター座標をレシピに登録するか、登録されたレシピのファインセンター座標を用いてステージをターゲットセンターに移動させることができる。このとき、オーバーレイ計測装備は、第1ケースとして、ターゲットファインダを用いてレシピにPRUイメージを登録することができる。オーバーレイ計測装備は、第2ケースとして、ターゲットファインダを用いてエディットレシピ(EditRecipe)のうちターゲットセンターにステージを移動させることができる。
【0077】
このように、一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリングシステムは、少なくとも1つ以上のプロセッサを含むオーバーレイ計測装備を含み、プロセッサは、オーバーレイターゲット(overlay target)イメージを受信し、オーバーレイターゲットイメージを全体イメージよりも小さい大きさに調整し、調整されたイメージにおける第1相関関係値を計算して、ラフセンター座標を計算し、前記オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおける前記ラフセンター座標を基準に第2相関関係値を計算して、ファインセンター座標を計算する。
【0078】
オーバーレイ計測装備において、プロセッサは、ラフセンター座標を計算する場合、オーバーレイターゲットイメージを予め設定された大きさに調整し、調整されたイメージにおける第1テンプレートと第2テンプレート並びに第1相関検索領域を定義して、第1相関検索領域における第1テンプレートと第2テンプレートとの間の第1相関関係値らを計算し、第1相関関係値らを基にラフセンター座標を計算する。
【0079】
第1相関検索領域は、調整されたイメージの全体領域と定義される。
【0080】
第1テンプレートと第2テンプレートは、予め設定された大きさの横及び縦の値を有し、対角線を基準に互いに対称になるように定義される。
【0081】
プロセッサは、第1相関関係値らのうち、最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレートと第2テンプレートを探し、探した第1テンプレート又は第2テンプレートの座標を用いてラフセンター座標を計算する。
【0082】
プロセッサは、ファインセンター座標を計算する場合、ラフセンター座標を基準に第2相関関係検索領域を定義して、原本イメージにおける第2相関関係検索領域内の第1テンプレートと第2テンプレートとの第2相関関係値らを計算し、第2相関関係値らを基にファインセンター座標を計算する。
【0083】
プロセッサは、第2相関関係値らのうち、最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレートと第2テンプレートを探し、第1テンプレート又は第2テンプレートの座標を用いてファインセンター座標を計算する。
【0084】
オーバーレイ計測装備は、ファインセンター座標を基にセンタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録する。
【0085】
そして、一実施形態による相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、オーバーレイターゲットイメージを予め設定された大きさに調整し、調整されたイメージにおける相関関係値を計算して、ラフセンター座標を計算するラフ検索ステップと、オーバーレイターゲットイメージの原本イメージにおけるラフセンター座標を基準に相関関係値を計算して、ファインセンター座標を計算するファイン検索ステップとを含む。
【0086】
ラフ検索ステップは、オーバーレイターゲットイメージを予め設定された大きさに調整するステップと、調整されたイメージにおける第1テンプレートと第2テンプレート並びに第1相関検索領域を定義するステップと、第1相関検索領域における第1テンプレートと第2テンプレートとの間の第1相関関係値らを計算するステップと、第1相関関係値らを基にラフセンター座標を計算するステップと、を含む。
【0087】
第1相関検索領域は、調整されたイメージの全体領域と定義される。
【0088】
第1テンプレートと前記第2テンプレートは、予め設定された大きさの横及び縦の値を有し、対角線を基準に互いに対称になるように定義される。
【0089】
ラフセンター座標を計算するステップは、第1相関関係値らのうち、最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレートと第2テンプレートを探すステップと、第1テンプレート又は第2テンプレートの座標を用いてラフセンター座標を計算するステップとを含む。
【0090】
ファイン検索ステップは、ラフセンター座標を基準に第2相関関係検索領域を定義するステップと、原本イメージにおける第2相関関係検索領域内の第1テンプレートと第2テンプレートとの第2相関関係値らを計算するステップと、第2相関関係値らを基に前記ファインセンター座標を計算するステップと、を含む。
【0091】
ファインセンター座標を計算するステップは、第2相関関係値らのうち、最も大きい相関関係値に対応する第1テンプレートと第2テンプレートを探すステップと、第1テンプレート又は第2テンプレートの座標を用いてファインセンター座標を計算するステップとを含む。
【0092】
相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、ファインセンター座標を基にセンタリングされたオーバーレイキーのイメージをレシピに登録するステップをさらに含む。
【0093】
相関関係に基づくオーバーレイキーのセンタリング方法は、ファインセンター座標を基にステージをターゲット位置に移動させて、オーバーレイキーをセンタリングするステップをさらに含む。
【0094】
実施形態によれば、相関関係に基づくオーバーレイキーを正確にセンタリングすることにより、半導体基板の微細パターンらの整列状態を正確に測定して検査することができる。
【0095】
また、オーバーレイキーパターンのセンター座標を正確に探すことにより、半導体工程の精密度を向上させることができる。
【0096】
また、オーバーレイキー別のバリエーションが高い場合に発生し得るPR(Pattern Recognition)失敗を防止することができる。
【0097】
また、PRパラメータに敏感に反応するレイヤの場合に発生し得るPRミスリーディングを補うことができる。
【0098】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者によって様々な変形を行えることは明らかである。なお、本発明の実施形態を前述しながら本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。