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特許7617997溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラム
(51)【国際特許分類】
   B23K 31/00 20060101AFI20250110BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250110BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20250110BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20250110BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
B23K31/00 M
B23K31/00 K
G06T7/00 350C
G06T7/70 A
G06V10/82
H04N7/18 K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023171869
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2024-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼野 寛人
(72)【発明者】
【氏名】西村 久樹
(72)【発明者】
【氏名】成田 真庸
(72)【発明者】
【氏名】釼持 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】菊地 輝
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2023-0091245(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0091248(KR,A)
【文献】特開平04-315531(JP,A)
【文献】中国実用新案第219633068(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 31/00
G06T 7/00
G06T 7/70
G06V 10/82
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部と制御部を備え、
前記撮影部は、隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影可能に構成されており、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像データから各金属ピンの位置を特定するピン位置特定処理と、
特定した各金属ピンの位置に基づいて、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定処理と
を実行可能に構成されており、
前記溶接位置特定処理において、前記制御部は、前記一対の金属ピンの中間位置を溶接位置の候補として仮定し、
前記一対の金属ピンの各中心位置と、前記溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布を抽出し、前記直線上の各金属ピンの間における輝度値が最も低い位置を前記溶接位置として特定する
溶接位置特定システム。
【請求項2】
前記ピン位置特定処理は、
前記画像データから前記金属ピンの位置の候補を特定するピン位置候補特定処理と、
各金属ピンの中心位置を特定する中心位置特定処理と
を含む
請求項1に記載の溶接位置特定システム。
【請求項3】
前記ピン位置候補特定処理は、前記画像データから色検出により前記一対の金属ピンを含む長方形領域を特定するピン領域特定処理を有する
請求項2に記載の溶接位置特定システム。
【請求項4】
撮影部と制御部を備え、
前記撮影部は、隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影可能に構成されており、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像データから各金属ピンの位置を特定するピン位置特定処理と、
特定した各金属ピンの位置に基づいて、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定処理と
を実行可能に構成されており、
前記ピン位置特定処理は、
前記画像データから前記金属ピンの位置の候補を特定するピン位置候補特定処理と、
各金属ピンの中心位置を特定する中心位置特定処理と
を含み、
前記ピン位置候補特定処理は、前記画像データから色検出により前記一対の金属ピンを含む長方形領域を特定するピン領域特定処理と、前記画像データから機械学習により各金属ピンの中心位置の候補を特定する中心位置候補特定処理とを有し、
前記制御部は、前記機械学習により前記中心位置の候補を特定したか否かを判定する候補特定判定処理を実行可能に構成されており、
前記中心位置の候補を特定しなかった場合には、前記中心位置特定処理において、前記ピン領域特定処理で特定した前記長方形領域内の輝度変化に基づいて、各金属ピンの前記中心位置を特定し、
前記中心位置の候補を特定した場合には、前記中心位置特定処理において、前記中心位置の候補の周辺の色分布に基づいて前記中心位置を特定する
溶接位置特定システム。
【請求項5】
撮影部と制御部を備え、
前記撮影部は、隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影可能に構成されており、
前記制御部は、
前記撮影部が撮影した画像データから各金属ピンの位置を特定するピン位置特定処理と、
特定した各金属ピンの位置に基づいて、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定処理と
を実行可能に構成されており、
前記ピン位置特定処理は、
前記画像データから前記金属ピンの位置の候補を特定するピン位置候補特定処理と、
各金属ピンの中心位置を特定する中心位置特定処理と
を含み、
前記ピン位置候補特定処理は、前記画像データから色検出により前記一対の金属ピンを含む長方形領域を特定するピン領域特定処理を有し、
前記中心位置特定処理において、前記制御部は、前記ピン領域特定処理で特定した前記長方形領域の少なくとも2方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの前記中心位置を特定する
溶接位置特定システム。
【請求項6】
前記ピン領域特定処理において、前記制御部は、HSV色空間での色検出により前記一対の金属ピンの領域を特定する
請求項3~5のいずれか1項に記載の溶接位置特定システム。
【請求項7】
前記ピン位置候補特定処理は、前記画像データから機械学習により各金属ピンの中心位置の候補を特定する中心位置候補特定処理を有する
請求項2~のいずれか1項に記載の溶接位置特定システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記長方形領域の長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの中心位置の候補を特定し、前記中心位置の候補を通る短辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの前記中心位置を特定する
請求項に記載の溶接位置特定システム。
【請求項9】
前記中心位置特定処理において、前記制御部は、前記中心位置の候補の周辺の色分布に基づいて各金属ピンの前記中心位置を特定する
請求項に記載の溶接位置特定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加工対象の製品を撮影するカメラと、エッジ抽出部と、不変エッジ取得部と、加工プログラム補正部と、溶接ロボットとを備える溶接機がある(特許文献1等)。特許文献1の溶接機において、エッジ抽出部は、カメラによって製品を撮影した撮影画像よりエッジ画像を抽出する。また、不変エッジ取得部は、エッジ画像のうち、加工プログラムで設定されている溶接点に対して位置のずれが発生しない不変面におけるエッジ画像を不変エッジ画像として取得する。
【0003】
補正量取得部は、不変エッジ取得部が取得したマスタ不変エッジ画像とワーク不変エッジ画像とをパターンマッチングさせて、両者のずれ量を、溶接点に対する補正量として取得する。さらに、加工プログラム補正部は、溶接点を補正量だけ補正して、ワークを溶接加工するための補正加工プログラムを生成する。そして、溶接ロボットは、ワークを補正加工プログラムに基づいて溶接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6286276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、電気モータ等に使用させる隣接する金属ピン同士を溶接する場合、溶接対象が小さく、溶接位置の許容範囲も限られているため、溶接ロボットの制御プログラムの位置決めのわずかなズレが大きな溶接誤差に影響するという問題があり、金属ピンの位置関係を正確に解析し、適切な溶接位置を導き出す必要がある。
【0006】
本発明の一態様は、溶接品質を向上させることができる溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る溶接位置特定システムは、撮影部と制御部を備え、前記撮影部は、隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影可能に構成されており、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像データから各金属ピンの位置を特定するピン位置特定処理と、特定した各金属ピンの位置に基づいて、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定処理とを実行可能に構成されている。
【0008】
本発明の一態様に係る溶接位置特定方法は、撮影部により隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影する撮影工程と、撮影した画像データから前記金属ピンの位置を特定するピン位置特定工程と、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定工程とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係る溶接位置特定プログラムは、隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影部に撮影させる撮影処理と、撮影した画像データから前記金属ピンの位置を特定するピン位置特定処理と、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定処理とを制御装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラムによれば、撮影部で撮影した画像データから金属ピンの位置を特定し、特定した位置に基づいて溶接位置を特定するため、溶接品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る溶接位置特定システムを示す概略図である。
図2図2は、本実施形態の溶接治具を示す概略図である。
図3図3は、本実施形態の制御装置を示す機能ブロック図である。
図4図4は、本実施形態のカメラが撮影した画像データの一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態の画像データの隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を示す概略図である。
図6図6は、本実施形態のピン領域特定処理を示す概略図である。
図7図7は、本実施形態の中心位置候補特定処理を示す概略図である。
図8図8は、本実施形態の第1の中心位置特定処理を示す概略図である。
図9図9は、本実施形態の第1の中心位置特定処理を示す概略図である。
図10図10は、本実施形態の第1の中心位置特定処理を示す概略図である。
図11図11は、本実施形態の第2の中心位置特定処理を示す概略図である。
図12図12は、本実施形態の溶接位置特定処理を示す概略図である。
図13図13は、本実施形態の溶接位置特定処理を示す概略図である。
図14図14は、本実施形態の溶接位置特定処理を示す概略図である。
図15図15は、本実施形態の溶接位置特定方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
[本実施形態に係る溶接位置特定システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る溶接位置特定システムを示す概略図である。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る溶接位置特定システム1を概説する。本実施形態に係る溶接位置特定システム1は、概略的には、図1に示すように、撮影部として機能するカメラ50と、制御装置100とを備える。また、溶接位置特定システム1は、溶接治具10と溶接ヘッド30を備える。
【0014】
図2は、本実施形態の溶接治具を示す概略図である。
溶接治具10は、図2に示すように、溶接する複数の金属ピンP(平角線)を取り付け可能に構成されている。また、溶接治具10は、回動部を有し、回転可能に構成されている。なお、溶接治具10は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0015】
溶接ヘッド30は、図1に示すように、溶接治具10の上方に配置されており、隣接した一対の金属ピンPを溶接可能に構成されている。溶接ヘッド30には、レーザ発振器(図示せず)により発振されたレーザビームが光ファイバによりに送られる。溶接ヘッド30は、ノズル(図示せず)からレーザ光を金属ピンPに照射することにより、隣接した一対の金属ピンPを溶接する。
【0016】
また、溶接ヘッド30は、直交座標移動装置等に取り付けられており、溶接治具10上を前後、左右及び奥行き方向の3軸方向に移動自在に構成されている。また、溶接ヘッド30は、傾動軸及び回動軸を有し、レーザ光の照射方向を自在に変更することができる。なお、溶接ヘッド30は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0017】
図4は、本実施形態のカメラが撮影した画像データの一例を示す図である。
カメラ50は、レンズ及びイメージセンサが1つずつ配されており、図1及び図4に示すように、隣接した一対の金属ピンPを少なくとも含む領域を撮影可能となるように、溶接治具10の上方に配置されている。本実施形態において、カメラ50は、図1に示すように、溶接治具10に取り付けられている複数の金属ピンPを上方から撮影するように構成されている。
【0018】
カメラ50は、撮影した画像データ122を制御装置100に供給するよう構成されている。なお、本実施形態に係るカメラ50は、カメラ50からデジタル信号(画像データ122)を直接制御装置100に出力する構成であってもよいし、カメラ50から出力されたアナログ信号(撮影画像信号)をA/Dコンバータ(図示せず)等でデジタル信号(画像データ122)に変換して制御装置100に出力する構成であってもよい。
【0019】
図3は、本実施形態の制御装置を示す機能ブロック図である。
制御装置100は、図3に示すように、制御部110と記憶部120を含む。本実施形態に係る制御装置100は、例えば、数値制御装置や、デスクトップパソコン(desktop personal computer)、ノートパソコン(laptop computer)、タブレット(tablet)端末等の電子計算機である。
【0020】
制御装置100は、カメラ50を制御可能に構成されている。また、制御装置100は、カメラ50が撮影した画像データ122を取得し、記憶部120に格納する。さらに、制御装置100は、溶接ヘッド30を制御可能に構成されてもよい。
【0021】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を有する統合型演算処理装置により構成される。制御部110は、図3に示すように、ピン位置特定部112と、中心位置特定部114と、溶接位置特定部116とを含む。
【0022】
制御部110は、カメラ50が撮影した画像データ122から各金属ピンPの位置を特定するピン位置特定処理と、特定した各金属ピンPの位置に基づいて、一対の金属ピンPの溶接位置Wを特定する溶接位置特定処理とを実行可能に構成されている。ピン位置特定処理は、画像データ122から金属ピンPの位置の候補を特定するピン位置候補特定処理と、各金属ピンPの中心位置Cを特定する中心位置特定処理とを含む。
【0023】
本実施形態において、金属ピンPの中心位置Cは、原則として、溶接治具10に取り付けられた金属ピンPを上方から平面視した際の金属ピンPの図心位置をいうが、これに限定されない。例えば、金属ピンPの先端部が凸状に形成されている場合には、先端部の頂点(凸状の最も高い位置)を中心位置Cとして特定してもよい。
【0024】
図5は、本実施形態の画像データの隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を示す概略図である。図6は、本実施形態のピン領域特定処理を示す概略図である。
ピン位置特定部112は、ピン位置候補特定処理を実行可能に構成されている。ピン位置候補特定処理は、図5及び図6に示すように、画像データ122から色検出により一対の金属ピンPを含む長方形領域Aを特定するピン領域特定処理を有する。
【0025】
なお、説明の便宜上、本実施形態において、画像データ122は、溶接治具10に取り付けられた一部の金属ピンPのみが写った画像データであるものとして説明するが、これに限定されず、画像データ122は、図4に示すように、全ての金属ピンPが写った画像データであってもよい。
【0026】
ピン領域特定処理において、ピン位置特定部112は、HSV色空間での色検出により一対の金属ピンPの領域を特定する。具体的には、ピン位置特定部112は、溶接治具10の表面の色と、金属ピンPの表面の色の違いに基づいて、色検出により一対の金属ピンPの領域を特定する。また、ピン位置特定部112は、画像データ122に白飛びした領域がある場合、周辺の画像領域から補間することができる。
【0027】
図7は、本実施形態の中心位置候補特定処理を示す概略図である。
また、ピン位置候補特定処理は、図7に示すように、画像データ122から機械学習により各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定する中心位置候補特定処理を有する。ピン位置候補特定処理において、ピン位置特定部112は、記憶部120に格納されている教師データ124に基づいて、画像データ122の解析を行い、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定する。
【0028】
本実施形態において、教師データ124は、金属ピンPのみを含む画像を正解データ(Positive画像)、金属ピンPを含まない画像を非正解データ(Negative画像)として作成されており、ピン位置特定部112は、カスケード型識別器(Cascade detector)を使用して解析を行うよう構成されている。
【0029】
図8は、本実施形態の第1の中心位置特定処理を示す概略図である。
中心位置特定部114は、中心位置特定処理を実行可能に構成されている。本実施形態において、中心位置特定部114は、画像処理による第1の中心位置特定処理と、機械学習による第2の中心位置特定処理とを実行可能に構成されている。第1の中心位置特定処理において、中心位置特定部114は、図8に示すように、ピン領域特定処理で特定した長方形領域Aの少なくとも2方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定する。
【0030】
図9及び図10は、本実施形態の第1の中心位置特定処理を示す概略図である。
具体的には、中心位置特定部114は、図8及び図9に示すように、長方形領域Aの長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定し、中心位置の候補CCを通る短辺方向の輝度変化に基づいて、図10に示すように、各金属ピンPの中心位置Cを特定する。
【0031】
図11は、本実施形態の第2の中心位置特定処理を示す概略図である。
第2の中心位置特定処理において、中心位置特定部114は、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて各金属ピンPの中心位置Cを特定する。具体的には、中心位置特定部114は、図11に示すように、ピン位置特定部112が中心位置候補特定処理で画像データ122から機械学習により特定した各金属ピンPの中心位置の候補CCの周辺から同一の色若しくは近似する色が多く分布している領域を探索し、金属ピンPの中心位置Cとして特定する。
【0032】
また、中心位置特定部114は、機械学習により中心位置の候補CCを特定したか否かを判定する候補特定判定処理を実行可能に構成されており、判定結果に基づいて、第1の中心位置特定処理と第2の中心位置特定処理を使い分けることができる。
【0033】
具体的には、中心位置特定部114は、ピン位置特定部112が中心位置の候補CCを特定しなかった場合には、第1の中心位置特定処理を実行し、ピン位置特定部112がピン領域特定処理で特定した長方形領域A内の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定する。また、中心位置特定部114は、ピン位置特定部112が中心位置の候補CCを特定した場合には、第2の中心位置特定処理を実行し、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて各金属ピンPの中心位置Cを特定する。
【0034】
図12図14は、本実施形態の溶接位置特定処理を示す概略図である。
溶接位置特定部116は、溶接位置特定処理を実行可能に構成されている。溶接位置特定処理において、溶接位置特定部116は、図12に示すように、一対の金属ピンPの中間位置を溶接位置の候補として仮定する。そして、溶接位置特定部116は、一対の金属ピンPの各中心位置Cと、溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布を抽出し、図13及び図14に示すように、直線上の各金属ピンPの間における輝度値が最も低い位置を溶接位置Wとして特定する。
【0035】
また、溶接位置特定部116は、溶接位置特定処理の前処理として、一対の金属ピンPの各中心位置Cと、溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布に平滑化処理を実行してもよい。平滑化処理を実行することにより、直線上に極端に輝度値が低い位置があった場合に、その位置を誤って溶接位置Wとして特定することを防止できるという利点がある。
【0036】
以上の構成を備える制御部110は、特定した溶接位置Wに基づいて、金属ピンPを溶接するための溶接ヘッド30の制御プログラムを作成可能に構成されている。また、制御部110は、特定した溶接位置Wに基づいて、溶接ヘッド30の制御プログラムを補正可能に構成されている。
【0037】
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有すると共に、様々なデータを読み書き可能に記憶する。記憶部120は、図2に示すように、画像データ122と、教師データ124と、溶接位置特定プログラム126とを格納する。さらに、記憶部120は、制御装置100の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0038】
溶接位置特定プログラム126は、隣接した一対の金属ピンPを少なくとも含む領域を撮影部(本実施形態において、カメラ50)に撮影させる撮影処理と、撮影した画像データ122から金属ピンPの位置を特定するピン位置特定処理と、一対の金属ピンPの溶接位置Wを特定する溶接位置特定処理とを制御装置100に実行させる。また、溶接位置特定プログラム126は、溶接治具10に取り付けられる金属ピンPの個数情報を含む。溶接治具10に取り付けられる金属ピンPの個数情報を含むことにより、画像データ122に含まれる金属ピンPの検出漏れを防止することができるという利点を有している。
【0039】
[本実施形態に係る溶接位置特定方法]
次に、本実施形態に係る溶接位置特定システム1の溶接位置特定方法について説明する。本実施形態に係る溶接位置特定システム1の溶接位置特定方法は、概略的には、撮影部(本実施形態において、カメラ50)により隣接した一対の金属ピンPを少なくとも含む領域を撮影する撮影工程と、撮影した画像データ122から金属ピンPの位置を特定するピン位置特定工程と、一対の金属ピンPの溶接位置Wを特定する溶接位置特定工程とを備える。
【0040】
図15は、本実施形態の溶接位置特定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、カメラ50は、隣接した一対の金属ピンPを少なくとも含む領域を撮影する(図15のS1:撮影工程)。具体的には、溶接治具10に取り付けられた複数の金属ピンPを撮影する。そして、制御装置100の制御部110は、カメラ50が撮影した画像データ122を取得する。
【0041】
次に、制御装置100の制御部110は、カメラ50が撮影した画像データ122から各金属ピンPの位置を特定する(図15のS10:ピン位置特定工程)。以下、ピン位置特定工程について詳述する。まず、制御部110のピン位置特定部112は、画像データ122から金属ピンPの位置の候補を特定する(図15のS11:ピン位置候補特定工程)。
【0042】
ピン位置候補特定工程において、ピン位置特定部112は、画像データ122から色検出により一対の金属ピンPを含む長方形領域Aを特定する(図15のS111:ピン領域特定工程)。具体的には、ピン位置特定部112は、HSV色空間での色検出により、溶接治具10の表面の色と、金属ピンPの表面の色の違いに基づいて、一対の金属ピンPの領域を特定する。
【0043】
また、ピン位置候補特定工程において、ピン位置特定部112は、画像データ122から機械学習により各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定する(図15のS112:中心位置候補特定工程)。具体的には、ピン位置特定部112は、記憶部120の教師データ124に基づいて、カスケード型識別器を使用して画像データ122から各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定する。
【0044】
次に、中心位置特定部114は、各金属ピンPの中心位置Cを特定する(中心位置特定工程)。具体的には、中心位置特定部114は、中心位置候補特定工程において、ピン位置特定部112が機械学習により中心位置の候補CCを特定したか否かを判定する(図15のS12:候補特定判定工程)。
【0045】
中心位置特定部114は、ピン位置特定部112が中心位置の候補CCを特定した場合(図15のS12にてYES)には、特定した中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて中心位置Cを特定する(図15のS13:第2の中心位置特定工程)。具体的には、中心位置特定部114は、中心位置の候補CCの周辺から同一色又は近似色が多く分布している領域を検出し、金属ピンPの中心位置Cとして特定する。
【0046】
一方で、中心位置特定部114は、ピン位置特定部112が中心位置の候補CCを特定しなかった場合(図15のS12にてNO)には、ピン位置特定部112がピン領域特定工程で特定した長方形領域A内の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定する(図15のS14:第1の中心位置特定工程)。具体的には、中心位置特定部114は特定した長方形領域Aの長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定し、中心位置の候補CCを通る短辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定する。
【0047】
その後、溶接位置特定部116は、ピン位置特定処理で特定した各金属ピンPの位置に基づいて、一対の金属ピンPの溶接位置Wを特定する(図15のS20:溶接位置特定工程)。具体的には、溶接位置特定部116は、一対の金属ピンPの中間位置を溶接位置の候補として仮定し、一対の金属ピンPの各中心位置Cと、溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布を抽出して直線上の各金属ピンPの間における輝度値が最も低い位置を溶接位置Wとして特定する。以上の工程により、本実施形態に係る溶接位置特定システム1による一連の溶接位置特定方法が実行される。
【0048】
[本実施形態に係る溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラムの利点]
以上説明したように、本実施形態に係る溶接位置特定システム1は、撮影部(本実施形態において、カメラ50)と制御部110を備え、撮影部は、隣接した一対の金属ピンPを少なくとも含む領域を撮影可能に構成されており、制御部110は、撮影部が撮影した画像データ122から各金属ピンPの位置を特定するピン位置特定処理と、特定した各金属ピンPの位置に基づいて、一対の金属ピンPの溶接位置Wを特定する溶接位置特定処理とを実行可能に構成されている。
【0049】
そして、本実施形態に係る溶接位置特定システム1は、このような構成を備えることにより、撮影部で撮影した画像データ122から金属ピンPの位置を特定し、特定した金属ピンPの位置に基づいて一対の金属ピンPの溶接位置Wを特定するため、溶接品質を向上させることができるという利点を有している。
【0050】
また、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、ピン位置特定処理は、画像データ122から金属ピンPの位置の候補を特定するピン位置候補特定処理と、各金属ピンPの中心位置Cを特定する中心位置特定処理とを含む。このような構成を備えることにより、溶接位置Wの解析処理(溶接位置Wの特定に必要な処理)を軽減させることができるという利点がある。
【0051】
さらに、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、ピン位置候補特定処理は、画像データ122から色検出により一対の金属ピンPを含む長方形領域Aを特定するピン領域特定処理を有する。このような構成を備えることにより、例えば、エッジ抽出による金属ピンPの形状検出をするよりも誤検出を軽減することができるという利点を有している。
【0052】
またさらに、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、ピン領域特定処理において、制御部110は、HSV色空間での色検出により一対の金属ピンPの領域を特定する。このような構成を備えることにより、彩度や明度の違いも考慮して一対の金属ピンPの領域特定するため、より正確に領域を特定することができ、ひいては溶接品質を向上させることができるという利点を有している。
【0053】
また、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、ピン位置候補特定処理は、画像データ122から機械学習により各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定する中心位置候補特定処理を有する。このような構成を備えることにより、短時間で中心位置の候補CCを特定することができるという利点を有している。
【0054】
さらに、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、制御部110は、中心位置特定処理において、ピン領域特定処理で特定した長方形領域Aの少なくとも2方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定する。このような構成を備えることにより、中心位置の候補CCを特定しなくても中心位置Cを特定することができるという利点を有している。
【0055】
またさらに、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、制御部110は、長方形領域Aの長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定し、中心位置の候補CCを通る短辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定する。このような構成を備えることにより、効率よく正確に中心位置Cを特定することができるため、溶接品質を向上させることができるという利点を有している。
【0056】
また、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、制御部110は、中心位置特定処理において、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて各金属ピンPの中心位置Cを特定する。このような構成を備えることにより、輝度変化に基づいて特定するよりも高速でより正確な中心位置Cを特定することができるため、さらに溶接品質を向上させることができるという利点を有している。
【0057】
さらに、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、ピン位置候補特定処理は、画像データ122から色検出により一対の金属ピンPを含む長方形領域Aを特定するピン領域特定処理を有し、制御部110は、機械学習により中心位置の候補CCを特定したか否かを判定する候補特定判定処理を実行可能に構成されており、中心位置の候補CCを特定しなかった場合には、中心位置特定処理において、ピン領域特定処理で特定した長方形領域A内の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定し、中心位置の候補CCを特定した場合には、中心位置特定処理において、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて中心位置Cを特定する。このような構成を備えることにより、中心位置の候補CCがある場合には、より精度の高い第2の中心位置特定処理を自動的に選択することができるため、溶接品質をより向上させることができるという利点を有している。
【0058】
またさらに、本実施形態に係る溶接位置特定システム1において、制御部110は、溶接位置特定処理において、一対の金属ピンPの中間位置を溶接位置の候補として仮定し、一対の金属ピンPの各中心位置Cと、溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布を抽出し、直線上の各金属ピンPの間における輝度値が最も低い位置を溶接位置Wとして特定する。このような構成を備えることにより、精度よく溶接位置を特定できるため、溶接品質を向上させることができるという利点を有している。
【0059】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0060】
例えば、上述した実施形態において、ピン位置特定処理は、画像データ122から金属ピンPの位置の候補を特定するピン位置候補特定処理と、各金属ピンPの中心位置Cを特定する中心位置特定処理とを含むものとして説明したが、これに限定されない。ピン位置特定処理は、ピン位置候補特定処理と中心位置特定処理の両方を含まなくてもよいし、いずれか一方のみを含んでもよい。
【0061】
上述した実施形態において、ピン位置候補特定処理は、画像データ122から色検出により一対の金属ピンPを含む長方形領域Aを特定するピン領域特定処理を有するものとして説明したが、これに限定されず、ピン位置候補特定処理はピン領域特定処理を有さなくてもよい。
【0062】
上述した実施形態において、ピン領域特定処理において、制御部110は、HSV色空間での色検出により一対の金属ピンPの領域を特定するものとして説明したが、これに限定されない。ピン領域特定処理において、制御部110は、HSV色空間での色検出により一対の金属ピンPの領域を特定しなくてもよい。例えば、制御部110は、RGB色空間での色検出により一対の金属ピンPの領域を特定してもよい。
【0063】
上述した実施形態において、ピン位置候補特定処理は、画像データ122から機械学習により各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定する中心位置候補特定処理を有するものとして説明したが、これに限定されず、ピン位置候補特定処理は、中心位置候補特定処理を有さなくてもよい。
【0064】
上述した実施形態において、制御部110は、中心位置特定処理において、ピン領域特定処理で特定した長方形領域Aの少なくとも2方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定するものとして説明したが、これに限定されない。制御部110は、中心位置特定処理において、ピン領域特定処理で特定した長方形領域Aの少なくとも2方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定しなくてもよい。例えば、制御部110は、長方形領域Aの1方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定してもよい。
【0065】
上述した実施形態において、制御部110は、長方形領域Aの長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定し、中心位置の候補CCを通る短辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの中心位置Cを特定するものとして説明したが、これに限定されない。制御部110は、長方形領域Aの長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定し、中心位置の候補CCを通る短辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの中心位置Cを特定しなくてもよい。例えば、制御部110は、長方形領域Aの短辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置の候補CCを特定し、中心位置の候補CCを通る長辺方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの中心位置Cを特定してもよい。また、制御部110は、長方形領域Aの斜め方向の輝度変化に基づいて、各金属ピンの中心位置Cを特定してもよい。
【0066】
上述した実施形態において、制御部110は、中心位置特定処理において、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて各金属ピンPの中心位置Cを特定するものとして説明したが、これに限定されない。制御部110は、中心位置特定処理において、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて各金属ピンPの中心位置Cを特定しなくてもよい。
【0067】
上述した実施形態において、ピン位置候補特定処理は、画像データ122から色検出により一対の金属ピンPを含む長方形領域Aを特定するピン領域特定処理を有し、制御部110は、機械学習により中心位置の候補CCを特定したか否かを判定する候補特定判定処理を実行可能に構成されており、中心位置の候補CCを特定しなかった場合には、中心位置特定処理において、ピン領域特定処理で特定した長方形領域A内の輝度変化に基づいて、各金属ピンPの中心位置Cを特定し、中心位置の候補CCを特定した場合には、中心位置特定処理において、中心位置の候補CCの周辺の色分布に基づいて中心位置Cを特定するものとして説明したが、これに限定されない。制御部110は、候補特定判定処理を実行できなくてもよい。
【0068】
上述した実施形態において、制御部110は、溶接位置特定処理において、一対の金属ピンPの中間位置を溶接位置の候補として仮定し、一対の金属ピンPの各中心位置Cと、溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布を抽出し、直線上の各金属ピンPの間における輝度値が最も低い位置を溶接位置Wとして特定するものとして説明したが、これに限定されない。制御部110は、溶接位置特定処理において、一対の金属ピンPの中間位置を溶接位置の候補として仮定し、一対の金属ピンPの各中心位置Cと、溶接位置の候補とを通る直線上の輝度分布を抽出し、直線上の各金属ピンPの間における輝度値が最も低い位置を溶接位置Wとして特定しなくてもよい。
【0069】
上述した実施形態において、カメラ50は、天井面等の溶接治具10の上方に取り付けられるものとして説明したが、これに限定されず、カメラ50は、溶接ヘッド30に内蔵され、溶接ヘッド30がレーザ光を射出する方向と同じ方向に向けられていてもよい。また、カメラ50は、溶接ヘッド30の外側に取り付けられてもよい。また、制御装置100は、カメラ50が溶接ヘッド30に内蔵され、若しくは溶接ヘッド30の外側に取り付けられる場合、溶接ヘッド30(カメラ50)の姿勢に合わせて、画像データ122を回転させてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 溶接位置特定システム
10 溶接治具
30 溶接ヘッド
50 カメラ
100 制御装置
110 制御部
112 ピン位置特定部
114 中心位置特定部
116 溶接位置特定部
120 記憶部
122 画像データ
124 教師データ
126 溶接位置特定プログラム
A 長方形領域
C 中心位置
CC 中心位置の候補
P 金属ピン
W 溶接位置
【要約】
【課題】溶接品質を向上させることができる溶接位置特定システム、溶接位置特定方法及び溶接位置特定プログラム。
【解決手段】撮影部と制御部を備え、前記撮影部は、隣接した一対の金属ピンを少なくとも含む領域を撮影可能に構成されており、前記制御部は、前記撮影部が撮影した画像データから各金属ピンの位置を特定するピン位置特定処理と、特定した各金属ピンの位置に基づいて、前記一対の金属ピンの溶接位置を特定する溶接位置特定処理とを実行可能に構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15