(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ユーザの認知訓練装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20250110BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G09B19/00 G
(21)【出願番号】P 2023198245
(22)【出願日】2023-11-22
【審査請求日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0084349
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523442312
【氏名又は名称】ドゥブゥ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ソル・ビ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】フン・カン
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ウン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ミンジ・キム
(72)【発明者】
【氏名】イェ・ジン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ドュ・ラ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒェ・ジン・カム
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-533044(JP,A)
【文献】特開2019-197209(JP,A)
【文献】特表2017-518856(JP,A)
【文献】特表2016-504638(JP,A)
【文献】特開2005-070465(JP,A)
【文献】特開2003-099543(JP,A)
【文献】特開2002-358000(JP,A)
【文献】国際公開第2002/019295(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-G09B 19/26
A63F 13/00-A63F 13/98
A63F 9/24
A61B 5/00-A61B 5/398
A61B 10/00
G06Q 50/20-G06Q 50/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの認知訓練装置により遂行されるユーザの認知訓練方法において、
ユーザの認知発達水準に必要な認知機能
ら及び前記認知機能
らと
各々マッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成するステップ;
前記生成された授業及び課題を前記ユーザに提供するステップ;及び、
前記提供された授業及び課題に対して前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップ;を含
み、
前記授業及び課題を生成するステップは、前記認知機能ら及び前記少なくとも一つのタグのうち少なくとも一つの認知機能及び少なくとも一つのタグを互いに異なるように組み合わせて授業及び課題を生成し、
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記互いに異なるように組み合わせられた少なくとも一つの認知機能及び少なくとも一つのタグに対する前記ユーザの認知発達水準を追跡する、ユーザの認知訓練方法。
【請求項2】
前記課題は、目標課題を遂行するために必要な少なくとも一つの小単位課題を含み、前記少なくとも一つの小単位課題は、最下位課題から前記目標課題まで難易度が段階的に増加されて前記ユーザに提供される、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項3】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記提供された授業及び課題の難易度構成が前記ユーザの認知発達水準に符合するかを検証して前記課題の難易度構成をカスタマイズする、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項4】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザの認知発達水準を追跡し、前記追跡されたユーザの認知発達水準に基づいて前記ユーザの発達月齢目標値に合うように前記認知カリキュラムをカスタマイズする、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項5】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、
以前の回次の遂行結果データによって次の回次の授業コンテンツまたは課題の割り当て難易度を再構成する、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項6】
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザが授業コンテンツの特定難易度課題に対する遂行水準向上に追加的な訓練が必要であると判断された場合、特定難易度課題に対する追加訓練機会を提供する踏み石コンテンツを前記ユーザに一時的に提供するステップをさらに含む、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項7】
前記提供された課題を遂行するために前記ユーザの認知発達水準で前記ユーザが必要な最適化されたプロンプト(Prompt)を提供するステップをさらに含み、前記プロンプトの種類または強度は、前記ユーザが遂行した複数の遂行結果データのうち少なくとも一つの遂行結果データに基づいて決定する、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項8】
前記提供された課題を成功した場合、陽性強化(Positive Reinforcement)方式の補償として強化(Reinforcement)を提供するステップをさらに含み、前記強化の種類または強度は、前記提供された課題と関連した少なくとも一つの要素に基づいて決定される、請求項1に記載のユーザの認知訓練方法。
【請求項9】
ユーザと認知訓練と関連した入出力動作を遂行するユーザ入出力モジュール;
一つ以上のプログラムを格納するメモリ;及び、
前記格納された一つ以上のプログラムを実行するプロセッサ;を含み、
前記プロセッサは、
ユーザの認知発達水準に必要な認知機能
ら及び前記認知機能
らと
各々マッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成し、
前記生成された授業及び課題を前記ユーザに提供し、
前記提供された授業及び課題に対して前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記認知カリキュラムをカスタマイズ
し、
前記認知機能ら及び前記少なくとも一つのタグのうち少なくとも一つの認知機能及び少なくとも一つのタグを互いに異なるように組み合わせて授業及び課題を生成し、
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記互いに異なるように組み合わせられた少なくとも一つの認知機能及び少なくとも一つのタグに対する前記ユーザの認知発達水準を追跡する、ユーザの認知訓練装置。
【請求項10】
前記課題は、目標課題を遂行するために必要な少なくとも一つの小単位課題を含み、前記少なくとも一つの小単位課題は、最下位課題から前記目標課題まで難易度が段階的に増加されて前記ユーザに提供される、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記提供された授業及び課題の難易度構成が前記ユーザの認知発達水準に符合するかを検証して前記課題の難易度構成をカスタマイズする、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザの認知発達水準を追跡し、前記追跡されたユーザの認知発達水準に基づいて前記ユーザの発達月齢目標値に合うように前記認知カリキュラムをカスタマイズする、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
以前の回次の遂行結果データによって次の回次の授業コンテンツまたは課題の割り当て難易度を再構成する、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザが授業コンテンツの特定難易度課題に対する遂行水準向上に追加的な訓練が必要であると判断された場合、特定難易度課題に対する追加訓練機会を提供する踏み石コンテンツを前記ユーザに一時的に提供する、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記提供された課題を遂行するために前記ユーザの認知発達水準で前記ユーザが必要な最適化されたプロンプト(Prompt)を提供する、前記プロンプトの種類または強度は、前記ユーザが遂行した複数の遂行結果データのうち少なくとも一つの遂行結果データに基づいて決定する、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記提供された課題を成功した場合、陽性強化(Positive Reinforcement)方式の補償として強化(Reinforcement)を提供し、前記強化の種類または強度は、前記提供された課題と関連した少なくとも一つの要素に基づいて決定される、請求項
9に記載のユーザの認知訓練装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの認知訓練装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
児童の認知技術を開発することは、子供と青少年の学習過程と学業成就度の向上に非常に重要である。認知障害を有する子供は、独立的に日常生活をしにくいだけでなく、環境が提供する有意味な刺激を処理しくにいため、自分の環境を自ら構造化して組織化しにくい。認知訓練は、このような子供の潜在力を活性化させて子供自分に意味のある活動が妨害を受けることを減らそうとする。認知訓練の一次的な課題は、認知障害を改善して子供の日常生活活動及び学業遂行能力を上げることで、自分に価値のある活動を可能にすると同時に独立的な活動を遂行するようにし、生活の質を上げて意味のある活動遂行を最適化しようとする。しかし、このような認知訓練が非常に重要であるにもかかわらず、現在効果的な治療手段や訓練道具が開発されていない。
【0003】
従来の認知訓練技術には児童に最も必要な基礎認知技術が体系的に定義されていない。具体的な発達過程が定義されていない認知技術に対して認知訓練段階が体系的に定義されていない。また、数学のように学習概念と学習段階がよく定義されている分野とは違って、認知訓練分野には体系的な発達プロセスに対する定義や学習のためのカリキュラムが存在しなくて児童の発達月齢に合った体系的な認知訓練が行われていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、具体的な発達過程が定義されていない認知機能に対して認知カリキュラムをユーザにカスタマイズして認知訓練を体系的に提供するための、ユーザの認知訓練装置及び方法を提供しようとする。
【0005】
ただし、本発明の解決しようとする課題は、これに限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から外れない範囲の環境へも多様に拡張されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によると、ユーザの認知訓練装置により遂行されるユーザの認知訓練方法において、ユーザの認知発達水準に必要な認知機能及び前記認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成するステップ;前記生成された授業及び課題を前記ユーザに提供するステップ;及び、前記提供された授業及び課題に対して前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップ;を含む、ユーザの認知訓練方法が提供される。
【0007】
前記課題は、目標課題を遂行するために必要な少なくとも一つの小単位課題を含み、前記少なくとも一つの小単位課題は、最下位課題から前記目標課題まで難易度が段階的に増加されて前記ユーザに提供される。
【0008】
前記授業及び課題を生成するステップは、前記認知機能及び前記少なくとも一つのタグの各々を互いに異なるように組み合わせて授業及び課題を生成する。
【0009】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記提供された授業及び課題の難易度構成が前記ユーザの認知発達水準に符合するかを検証して前記課題の難易度構成をカスタマイズする。
【0010】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに対する前記ユーザの認知発達水準を追跡する。
【0011】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザの認知発達水準を追跡し、前記追跡されたユーザの認知発達水準に基づいて前記ユーザの発達月齢目標値に合うように前記認知カリキュラムをカスタマイズする。
【0012】
前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップは、以前の回次の遂行結果データによって次の回次の授業コンテンツまたは課題の割り当て難易度を再構成する。
【0013】
前記方法は、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザが授業コンテンツの特定難易度課題に対する遂行水準向上に追加的な訓練が必要であると判断された場合、特定難易度課題に対する追加訓練機会を提供する踏み石コンテンツを前記ユーザに一時的に提供するステップをさらに含む。
【0014】
前記方法は、前記提供された課題を遂行するために前記ユーザの認知発達水準で前記ユーザが必要な最適化されたプロンプト(Prompt)を提供するステップをさらに含み、前記プロンプトの種類または強度は、前記ユーザが遂行した複数の遂行結果データのうち少なくとも一つの遂行結果データに基づいて決定する。
【0015】
前記方法は、前記提供された課題を成功した場合、陽性強化(Positive Reinforcement)方式の補償として強化(Reinforcement)を提供するステップをさらに含み、前記強化の種類または強度は、前記提供された課題と関連した少なくとも一つの要素に基づいて決定される。
【0016】
一方、本発明の他の実施例によると、ユーザと認知訓練と関連した入出力動作を遂行するユーザ入出力モジュール;一つ以上のプログラムを格納するメモリ;及び、前記格納された一つ以上のプログラムを実行するプロセッサ;を含み、前記プロセッサは、ユーザの認知発達水準に必要な認知機能及び前記認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成し、前記生成された授業及び課題を前記ユーザに提供し、前記提供された授業及び課題に対して前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記認知カリキュラムをカスタマイズする、ユーザの認知訓練装置が提供される。
【0017】
前記課題は、目標課題を遂行するために必要な少なくとも一つの小単位課題を含み、前記少なくとも一つの小単位課題は、最下位課題から前記目標課題まで難易度が段階的に増加されて前記ユーザに提供される。
【0018】
前記プロセッサは、前記認知機能及び前記少なくとも一つのタグの各々を互いに異なるように組み合わせて授業及び課題を生成する。
【0019】
前記プロセッサは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記提供された授業及び課題の難易度構成が前記ユーザの認知発達水準に符合するかを検証して前記課題の難易度構成をカスタマイズする。
【0020】
前記プロセッサは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに対する前記ユーザの認知発達水準を追跡する。
【0021】
前記プロセッサは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザの認知発達水準を追跡し、前記追跡されたユーザの認知発達水準に基づいて前記ユーザの発達月齢目標値に合うように前記認知カリキュラムをカスタマイズする。
【0022】
前記プロセッサは、以前の回次の遂行結果データによって次の回次の授業コンテンツまたは課題の割り当て難易度を再構成する。
【0023】
前記プロセッサは、前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記ユーザが授業コンテンツの特定難易度課題に対する遂行水準向上に追加的な訓練が必要であると判断された場合、特定難易度課題に対する追加訓練機会を提供する踏み石コンテンツを前記ユーザに一時的に提供する。
【0024】
前記プロセッサは、前記提供された課題を遂行するために前記ユーザの認知発達水準で前記ユーザが必要な最適化されたプロンプト(Prompt)を提供する、前記プロンプトの種類または強度は、前記ユーザが遂行した複数の遂行結果データのうち少なくとも一つの遂行結果データに基づいて決定する。
【0025】
前記プロセッサは、前記提供された課題を成功した場合、陽性強化(Positive Reinforcement)方式の補償として強化(Reinforcement)を提供し、前記強化の種類または強度は、前記提供された課題と関連した少なくとも一つの要素に基づいて決定される。
【発明の効果】
【0026】
開示された技術は、次の効果を有することができる。ただし、特定実施例が次の効果を全て含むべきであり、または次の効果のみを含むべきであるという意味ではないため、開示された技術の権利範囲は、これにより制限されると理解されてはならない。
【0027】
本発明の実施例は、具体的な発達過程が定義されていない認知機能に対して認知カリキュラムをユーザにカスタマイズして認知訓練を体系的に提供できる。
【0028】
本発明の実施例は、ユーザが遂行した実際遂行結果データに基づいてユーザ発達月齢によって目標を定義し、ユーザの認知機能の発達水準を追跡して基礎的な認知機能から上位の認知機能までしっかり築くことができるように認知カリキュラムをカスタマイズして提供できる。
【0029】
本発明の実施例は、回次別授業コンテンツを以前の回次の授業遂行結果データによって毎回再構成することによって、ユーザの遂行結果に合うカスタマイズ授業を出題することができる。
【0030】
本発明の実施例は、回次別授業進行フローをユーザの入力及び遂行結果データによって異なるように構成することによって、ユーザの遂行結果に合うカスタマイズ授業を出題することができる。
【0031】
本発明の実施例は、授業コンテンツ別にユーザにカスタマイズされた段階的プロンプトまたは強化を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法に対する流れ図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る認知カリキュラムで使われる認知機能及び認知機能とマッピングされた少なくとも一つのタグを示した図である。
【
図3】認知機能別月齢別目標対比達成比率を示した図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る認知訓練方法で授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ方法を示した流れ図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る認知訓練方法で回次別授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ動作を示した図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るカスタマイズ授業出題方法を示した流れ図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る行動強化のためのトークン提供方式を示した図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1を示した図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1を示した図である。
【
図10】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1を示した図である。
【
図11】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1を示した図である。
【
図12】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1を示した図である。
【
図13】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図14】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図15】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図16】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図17】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図18】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図19】ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【
図20】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる他の課題例示3を示した図である。
【
図21】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる他の課題例示3を示した図である。
【
図22】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる最下位難易度及び踏み石コンテンツ例示を示した図である。
【
図23】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができ、特定実施例を図面に例示して詳細な説明に具体的に説明しようとする。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定するものではなく、本発明の技術的思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むと理解されることができる。本発明を説明するにあたって、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0034】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われることができるが、構成要素が用語により限定されるものではない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0035】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。本発明で使用した用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図、判例、または新しい技術の出現などによって変わることができる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分でその意味を詳細に記載する。したがって、本発明で使われる用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0036】
単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴がや数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないと理解されなければならない。
【0037】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたって、同じまたは対応する構成要素は同じ図面番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0038】
図1は、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法に対する流れ図である。
【0039】
本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法は、ユーザの認知訓練装置により遂行される。
【0040】
ステップS101において、認知訓練装置は、ユーザの発達月齢に必要な認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成する。
【0041】
ステップS102において、認知訓練装置は、生成された授業及び課題をユーザに提供する。
【0042】
ステップS103において、認知訓練装置は、提供された授業及び課題に対してユーザが遂行した遂行結果データに基づいて認知カリキュラムをカスタマイズする。
【0043】
図2は、本発明の一実施例に係る認知カリキュラムで使われる認知機能及び認知機能とマッピングされた少なくとも一つのタグを示した図である。
【0044】
数学のように学習概念と学習段階がよく定義されている分野とは違って、認知分野は、体系的な発達プロセスに対する定義や学習のためのカリキュラムが存在しない。
【0045】
本発明の一実施例に係る認知カリキュラムは、認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグ(例えば、属性タグ、知識タグ、日常技術タグ、適応行動タグ等)に基づいて定義される。認知訓練装置は、認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグを基準に授業及び課題を生成することができる。一例として、24乃至84ヶ月児童に最も必要な基礎認知機能が選ばれて認知カリキュラムが定義されることができる。具体的な発達過程が定義されていない認知機能に対して訓練段階が定義されることができる。このように、本発明の一実施例に係る認知訓練方法には児童(例えば、24乃至84ヶ月等)に焦点を当ててこの時期に習得すべき基礎認知機能が定義され、それぞれの認知機能を習得するための最適の訓練段階が定義されることができる。また、認知訓練装置は、ユーザの発達月齢で知るべき主要概念を認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに分類して該当要素をまんべんなく取り扱うように課題を生成することができる。認知訓練装置は、授業コンテンツ企画時、授業コンテンツが主要に取り扱う認知機能を先に選定し、各認知機能の習得段階を反映して授業コンテンツを難易度別に生成できる。
【0046】
実施例として、認知カリキュラムに含まれる課題の定義、検証及び修正プロセスを調べる。
【0047】
第一、認知訓練装置は、ユーザの発達月齢に必要であり、またはあらかじめ選ばれた認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて目標課題を定義する。
【0048】
第二、認知訓練装置は、目標課題を遂行するために経るべき下位段階が何であるか、そしてどのような小単位課題を遂行しなければならないかを先に把握する。
【0049】
第三、認知訓練装置は、目標課題の下位要素のうち最も簡単であり、または単純な小単位の課題から学習するように目標課題の最下位段階を構成する。このとき、認知訓練装置は、最下位段階である小単位課題で一個または二個ずつ要素を増して漸進的に目標課題に近づくなるように難易度体系を構成することができる。認知訓練装置は、DTT(Discrete Trial Training)方式と類似するように上位遂行課題である目標課題を細分化してユーザに提供することによって、段階的に一要素ずつ訓練させる仲裁方式を利用することができる。
【0050】
一例として、目標課題の下位要素のうち最も簡単であり、または単純な小単位の課題から目標課題に近づくなるように学習する課題例示を調べる。例えば、目標課題は、道のうえにある氷を最小操作で移す課題にする。
【0051】
前記目標課題を解決するときに要求される技術を細分化した段階別技術は、下記の通りである。
【0052】
1.1ブロックを動かせる方法理解
【0053】
2.2ブロックのうち縦に置かれたものを動く方法理解
【0054】
3.目標に対する理解(道のうえの氷を道のそとに移動)
【0055】
4.目標と関連がないブロックは、操作しない行動統制力
【0056】
5.二つの種類のブロックが一回に登場した時、種類に合うように移動させる転換能力
【0057】
6.2ブロックのうち横に置かれたものを動く方法理解
【0058】
7.道のうえにある氷を移すために必須な直前操作が何であるかを判断する技術(妨害要素が無い)
【0059】
8.道のうえにある氷を最小操作で移すための2段階連鎖操作が何であるかを判断する技術(妨害要素がある)
【0060】
9.三つの種類のブロックが一回に登場した時、種類に合うように移動させる転換能力
【0061】
10.道のうえにある氷を最小操作で移すための2段階連鎖操作が何であるかを判断する技術(妨害要素が無い)
【0062】
11.道のうえにある氷を最小操作で移すための2段階以上の連鎖操作が何であるかを判断する技術
【0063】
認知訓練装置は、前記目標課題の下位要素を段階的に取り扱うことができるように難易度別に小単位問題を構成することができる。
【0064】
一方、認知訓練装置は、ユーザが課題を遂行した実際遂行結果データを介して低い段階から漸進的に一段階ずつ上がるように難易度が構成されたかを把握して検証できる。
【0065】
例えば、認知訓練装置は、ユーザが遂行した遂行結果データを介して、難易度格差が大きい区間があるか、または課題を適切に細分化して段階的な学習が可能に難易度体系を構成したかなどを遂行結果データを介して把握できる。
【0066】
このような難易度カスタマイズロジックにより、ユーザは、授業別に、課題別に自分に最適化された難易度に定着するようになることができる。このとき、認知訓練装置は、難易度別に定着したユーザの平均年齢と分布を把握する分析を進行することができる。認知訓練装置は、難易度毎に平均的に留まる期間、難易度変化推移などを把握して難易度構成を検証し、必要時に修正及び高度化させることができる。
【0067】
前述したように、認知訓練方法に使われる授業の課題、すなわち、問題は、認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグから個別的に選ばれて構成されることができる。主に認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグで複数の要素が混合されて問題が構成されることができる。このような問題構成例示を調べる。
【0068】
第一、特定問題は、同じ認知機能を取り扱っているとしても、どのような認知機能の組み合わせであるかによって問題生成方式や設計方式が変わることができる。例示として、認知機能で視空間推論能力と構成力(spatial construction)を取り扱う問題例示1と視空間推論能力と視知覚技術(そのうち視覚弁別及び物体知覚力)を取り扱う問題例示2が異なるように生成されることができる。
【0069】
第二、同じ認知機能を取り扱っているが、互いに異なる属性タグを取り扱う問題が互いに異なるように生成されることができる。例示として、聴覚的注意力、聴覚的記憶力、連合記憶力、視覚的弁別力などを取り扱う問題は、それぞれの属性タグによって互いに変わることができる。例示として、「色」属性タグを取り扱う問題例示及び「数」属性タグを取り扱う問題例示は、互いに異なるように生成されることができる。
【0070】
第三、一部同じ認知機能を取り扱っているが、共に含まれている「認知機能」及び「知識」タグが互いに異なる問題で生成されることができる。例示として、認知機能である位置知覚力(perception of spatial relations)を取り扱う問題で位置知覚力と聴覚的主義記憶力を共に訓練し、上下左右のような空間概念を取り扱う問題例示が生成されることができる。また、認知機能である位置知覚力を取り扱う問題で位置知覚力と作業記憶(working memory)を共に訓練して順序概念を取り扱う問題例示が生成されることができる。
【0071】
図3は、認知機能別月齢別目標対比達成比率を示した図である。
【0072】
本発明の一実施例に係る認知訓練装置は、ユーザが遂行した実際遂行結果データに基づいて月齢別目標を定義し、ユーザ(例えば、児童等)の認知機能発達水準を追跡して基礎的な認知機能から上位概念の認知機能までしっかり築くことができるように認知カリキュラムをカスタマイズして提供できる。
【0073】
一例として、認知訓練装置は、児童の年齢別に発達させるべき認知機能を定義し、児童の年齢に合うように到達していない場合、下位段階からゆっくり訓練して基礎からしっかり築くように訓練させることができる。
【0074】
以後、認知訓練装置は、ユーザの実際遂行結果データに基づいて引き続いて月齢別目標を検証して高度化させることができる。
図3に示す認知機能別月齢別目標対比達成比率例示では6ヶ月単位で表現されているが、特定月齢単位に限定されるものではない。例えば、認知機能Aaa乃至Abcの各々に対して月齢別に100.00%、xx.00%、または0.00%のように設定されることができる。認知訓練装置は、ユーザの遂行結果データがたまるにつれて引き続いて認知機能別月齢別目標対比達成比率をさらに精巧化させることができる。
【0075】
また、認知訓練装置は、認知機能だけでなく、取り扱う認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグによる遂行水準差も把握できる。これはさらに高度化されたカリキュラムのカスタマイズメカニズムを可能にできる。ここで、授業毎に取り扱う認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグが付いているため、認知訓練装置は、認知機能だけでなく、認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグによっても発達月齢到達水準を把握することができる。例えば、記憶力を取り扱う問題のうち、色、形などの視覚的要素を記憶する技術及び数字を記憶する技術において遂行水準差が発生できる。または、視覚情報処理は概して上手であるが、数に対する情報処理は発達月齢対比熟練度が低い場合など、概念理解、知識理解水準などに対する発達情報も把握できる。このように、認知訓練装置は、多側面で認知機能の発達水準をトラッキングして認知カリキュラムをカスタマイズすることができる。
【0076】
図4は、本発明の一実施例に係る認知訓練方法で授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ方法を示した流れ図である。
【0077】
ステップS201において、認知訓練装置は、ユーザのアプリ実行によって認知訓練アプリを始める。
【0078】
ステップS202において、認知訓練装置は、ユーザにオンボーディングコンテンツを提供して認知訓練アプリの使用のための準備過程を遂行する。
【0079】
ステップS203において、認知訓練装置は、ユーザと入出力動作を介して1回次診断テストを遂行する。
【0080】
ステップS204において、認知訓練装置は、1回次診断テスト結果を分析して2回次診断テストの難易度を割り当てる。
【0081】
ステップS205において、認知訓練装置は、ユーザと入出力動作を介して2回次診断テストを遂行する。
【0082】
ステップS206において、認知訓練装置は、2回次診断テスト結果を分析してカスタマイズ授業カリキュラムをユーザ個別的にカスタマイズする。
【0083】
ステップS207において、認知訓練装置は、個別的にカスタマイズされた授業カリキュラムによって個別カスタマイズされた授業コンテンツをユーザに提供する。
【0084】
ステップS208において、認知訓練装置は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて授業結果を分析する。
【0085】
ステップS209において、認知訓練装置は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて授業カリキュラムをユーザに合うようにカスタマイズし、ユーザカスタマイズされた授業コンテンツを提供するステップS207から再び遂行する。
【0086】
図5は、本発明の一実施例に係る認知訓練方法で回次別授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ動作を示した図である。
【0087】
まず、回次別授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ動作は、授業初期に授業コンテンツ及び診断テストを共に進行し、診断テスト結果に基づいて次の回次の割り当て難易度を設定する。以後、回次別授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ動作は、授業コンテンツを提供し、授業結果に基づいて次の回次の割り当て難易度を設定することができる。
【0088】
実施例として、回次別授業コンテンツ及び認知カリキュラムのカスタマイズ動作は、授業コンテンツがAからIまであると仮定し、一日分のカリキュラムは、必須コンテンツ3個(カスタマイズ授業)と仮定する。しかし、本発明の一実施例は、特定授業コンテンツやコンテンツの特定個数に限定されるものではない。
【0089】
ステップS301において、認知訓練装置は、ユーザのアプリ実行によって認知訓練アプリを始め、ユーザにオンボーディングコンテンツを提供する。ここで、オンボーディングコンテンツは、児童ユーザがアプリ及び入出力モジュールの構造とUIに適応し、アプリ使用時に要求されるタブ、ドラッグ及びドラッグアンドドロップなどの操作を習うようにする。オンボーディングコンテンツは、アプリ実行初期に一回登場して以後には登場しない。
【0090】
ステップS302において、認知訓練装置は、1回次授業コンテンツA乃至Iを提供し、1回次診断テストを進行する。認知訓練装置は、回次別日付けに合うホーム画面を提供する。例えば、1日次ホーム画面は、一日分のカリキュラムに該当する授業に進入できる画面であって、ユーザの授業サムネイルのクリック時に授業に進入するようになる。ここで、1~2回次には全ての授業に対して診断テストが進行される。一日分のカリキュラムの中から順序は関係無しに児童が選択して一つずつ完了することができる。一日分のカリキュラムに含まれている授業個数は、児童別に異なることもある。始める時は3個が基本セッティングである。このとき、選択型コンテンツが付加的に提供されることができる。選択型コンテンツは、カスタマイズ授業対比自由度を高めた遊びコンテンツであって、必須カリキュラムではない。選択型コンテンツは、児童が所望する場合にのみプレーできる。各授業コンテンツに対して1回次診断テストが進行される。
【0091】
ステップS303において、認知訓練装置は、1回次授業コンテンツ及び診断テストが完了した後、1回次診断テスト結果を分析して2回次診断テストの割り当て難易度を設定する。
【0092】
ステップS304において、認知訓練装置は、2回次授業コンテンツA乃至Iを提供し、2回次診断テストを進行する。認知訓練装置は、1回次と同様に2回次でも授業コンテンツ及び診断テストを進行する。
【0093】
ステップS305において、認知訓練装置は、2回次授業コンテンツ及び診断テストが完了した後、2回次診断テスト結果を分析して3回次診断テストの割り当て難易度を設定する。
【0094】
ステップS306において、認知訓練装置は、3回次授業コンテンツA乃至Iを提供する。
【0095】
ステップS307において、認知訓練装置は、3回次授業コンテンツが完了した後、3回次授業結果を分析して4回次授業コンテンツの難易度を設定する。
【0096】
ステップS308において、認知訓練装置は、4回次授業コンテンツA乃至Iを提供し、4回次授業結果に基づいて5回次授業コンテンツの難易度を設定する。以後、認知訓練装置は、以前の回次と同様に次の回次の授業を繰り返して進行する。
【0097】
図6は、本発明の一実施例に係るカスタマイズ授業出題方法を示した流れ図である。
【0098】
図6は、本発明の一実施例に係るカスタマイズ授業出題方法の例示を示し、1乃至4段階プロンプトと1乃至2段階強化子が設定されている。各回次の問題別特定段階のプロンプトや特定段階の強化子に限定されない。
【0099】
図6に示すように、ステップS401において、認知訓練装置は、n-1回次授業を進行する。授業コンテンツは1乃至n個であり、個人別に回次別授業個数は異なることもある。
【0100】
ステップS402において、認知訓練装置は、ユーザが1次試みで問題正答を提出するかを確認する。
【0101】
ステップS403において、認知訓練装置は、ユーザが1次試みで問題正答を提出した場合、2段階強化子を提供する。
【0102】
ステップS404において、認知訓練装置は、ユーザが1次試みで問題正答を提出することができなかった場合、1段階プロンプトを提供する。ここで、誤答回数、操作回数の最大許容値が存在し、認知訓練装置は、最大許容値超過時に授業を強制終了することができる。授業毎に定義された問題別/セット別の誤答回数及び操作回数の最大許容値が定義されている。
【0103】
ステップS405において、認知訓練装置は、ユーザが2次試みで問題正答を提出するかを確認する。
【0104】
ステップS406において、認知訓練装置は、ユーザが2次試みで問題正答を提出した場合、1段階強化子を提供する。認知訓練装置は、2次試みで問題正答を提出したため、1次試みで提供された2段階強化子より低い1段階強化子を提供する。
【0105】
ステップS407において、認知訓練装置は、ユーザが2次試みで問題正答を提出することができなかった場合、2段階プロンプトを提供する。認知訓練装置は、2次試みで問題正答を提出することができなかったため、1次試みで提供された1段階プロンプトより高い2段階プロンプトを提供する。
【0106】
ステップS408において、認知訓練装置は、問題正答試みを繰り返して遂行した後、最大段階(例えば、4段階等)プロンプトまで提供できる。
【0107】
以後、ステップS409において、認知訓練装置は、問題別または問題セット別に少なくとも一つの遂行結果データ(例えば、誤答回数、誤答パターン、所要時間、操作回数及び操作方式等)を記録する。
【0108】
ステップS410において、認知訓練装置は、各目標技術別にn-1回次授業データに基づいてn回次授業難易度を調整する。
【0109】
このように、認知訓練装置は、以前の回次の授業遂行結果データを分析し、分析結果によって次の回次の授業コンテンツを毎度再構成できる。ここで、認知訓練装置は、回次内の授業登場回数、授業登場頻度または授業別難易度を再構成することができる。
【0110】
また、認知訓練装置は、回次別授業進行フローをユーザ入力及び遂行結果データによって異なるように進行できる。認知訓練装置は、ユーザが課題完了時まで何回の試みが行われるか、すなわち、誤答回数を確認することができる。認知訓練装置は、一部授業コンテンツに対しては市道別に所要される時間とユーザ操作回数によってもプロンプトと強化子を差をつけて適用することができる。すなわち、認知訓練装置は、少なくとも一つの遂行結果データ(例えば、誤答回数、誤答パターン、所要時間、操作回数及び操作方式等)を考慮してプロンプトの種類または大きさ及び強化子の種類または強度を適用することができる。
【0111】
プロンプト提供動作を調べると、少なくとも一つの遂行結果データがプロンプトの強度を決定することができる。認知訓練装置は、プロンプト提供動作の基本的な原理として、子供が自ら課題を遂行することができるように、初めは小さな助けを提供し、順次大きな助けを提供することができる。または、認知訓練装置は、適切な水準の助けを提供し、遂行水準によって子供が自ら課題を遂行することができるように、初めは大きな助けを提供し、順次小さな助けを提供することもできる。
【0112】
また、認知訓練装置は、授業コンテンツ別にカスタマイズされた段階的プロンプト提供動作を遂行することができる。一例として、言語プロンプトのみ提供されることが最も弱い水準の1段階プロンプトであり、順次段階が高まるほど混合プロンプトの形態を有することができる。すなわち、認知訓練装置は、視覚プロンプトを2個以上同時に提供したり、言語指示と共に視覚プロンプトを提供したり、後では正答選択を誘導する動作的プロンプトを提供したりすることによって、子供が自ら課題を解決する経験をするようにする。
【0113】
一方、強化子の段階に対して調べると、認知訓練装置は、陽性強化方式で強化子をユーザに提供できる。陽性強化方式は、課題遂行にかけた努力に上昇する水準の強化子を提供することである。そのため、認知訓練装置は、何らのプロンプト無しに自ら課題を成功的に遂行した場合、より強い強化子を提供し、提供されたプロンプトで助けてもらって課題を遂行した場合、より弱い強化子を提供することができる。
【0114】
前記において、DTT(Discrete Trial Training)方式は、窮極的な作業を管理可能な複数の段階に分ける方式を示す。このとき、子供が完全に熟達される時まで与えられた段階を繰り返して提供できる。
【0115】
プロンプト(Prompt)は、課題の難易度と評価された支援必要性水準によって所望の反応を誘導することができる適切な水準の支援を提供することを示す。
【0116】
強化(Reinforcement)は、正しい応答による補償を提供して児童が未来に正しい応答を遂行するように動機を付与することを示す。
【0117】
認知訓練装置は、認知発達が遅延された児童の基礎的な認知機能の習得を助けるためにプロンプトまたは強化子をデジタル仲裁環境内に適用させて提供できる。また、認知訓練装置は、DTT(Discrete Trial Training)方式をデジタル環境に適用して基礎的な認知機能を習得させることができる。認知訓練装置は、認知機能に対応される課題を複数の段階と要素に細分化して初期には子供が遂行可能な最も基礎的な水準の課題を提供し、強化子とプロンプトを介して認知技術を順次増加させることができる。ここで、認知機能の細部領域別に最も単純化された課題から一層高度化された課題まで段階別訓練が行われ、認知訓練装置は、ユーザの課題遂行過程で得られる実時間遂行結果データによって適切なプロンプトを選択してユーザに提供できる。
【0118】
すなわち、認知訓練装置は、必要時に適切な水準のプロンプトをユーザにカスタマイズして提供し、認知機能に対応される課題が成功した場合、それによる強化子(例えば、補償、所望の遊び、誉め等)を提供してますます認知機能を向上させることができる。
【0119】
以下、認知訓練装置により提供されるDTT動作、プロンプト及び強化子提供動作に対して詳細に説明する。
【0120】
認知訓練装置は、認知機能をより小さい段階に分けて新しい認知機能を訓練させることができる。認知訓練装置は、児童が現在遂行することができない課題を細分化し、まず、やさしくて単純な段階から訓練を始める。認知訓練装置は、児童が課題遂行時に誤反応をし、または課題を一定時間内に遂行することができなかった場合、プロンプト(prompt)を提供することができる。認知訓練装置は、課題遂行のために適正な水準のプロンプトを提供することによって子供が課題を遂行することができるように支援できる。
【0121】
認知訓練装置は、遂行成功時に行動強化のための強化子を提供することができる。このとき、認知訓練装置は、課題を成功的に遂行した場合、行動強化のための強化子(例えば、誉めまたは強化子などの補償)を直ちに提供できる。
【0122】
以後、認知訓練装置は、一段階に熟練される時まで前記過程を繰り返し、提供されるプロンプトの大きさと量を徐々に減らしていくことができる。認知訓練装置は、プロンプトがなくても自ら課題を遂行することができる場合、次の段階に進める。このとき、課題と課題との間には3乃至5秒くらい間を空けて子供が課題の開始と終了を明確に分かる。
【0123】
プロンプト(Prompt)に対して詳細に調べると、ユーザが自ら該当技術を遂行することができるように体系的に助けを提供することを示す。認知訓練装置は、ユーザが目標課題を遂行するために必要な最小限のプロンプトを提供する。これによって、ユーザに提供される助けに対する依存が生じないようにできる。
【0124】
ここで、認知訓練装置は、必要な最小限のプロンプトを提供するためには該当児童に最も効果的なプロンプト方式を把握することができる。これを介して、認知訓練装置は、多様なプロンプト方式を組み合わせ、組み合わせられたプロンプトをユーザに提供できる。
【0125】
例えば、言語プロンプト(Verbal Prompt)は、具体的な指示繰り返しで提供されることができる。言語プロンプトは、代替命令を提供し、または口頭で手掛かりを提供することである。大きさ/視覚プロンプト(Visual Prompt)は、正答に対する情報を提供するためにユーザが見る手掛かりを提供することである。動作的なプロンプト(Gestural Prompt)は、正答を直接的に指す方式で手掛かりを提供することである。その他、登場後に維持されるヒントを活用する場合もあり、ヒントを一時的に提供した後に消えて子供の独立的な問題遂行機会を提供する場合もある。認知訓練装置は、このように多様な方法のうち最も効果的なプロンプトを提供するために、子供の遂行結果データに基づいてプロンプトの種類または程度をカスタマイズすることができる。
【0126】
一方、認知訓練装置は、陽性強化(Positive Reinforcement)方式の補償として強化を提供することができる。陽性強化は、目標とした行動が発生した直後にユーザが選好する刺激を提供することによって行動を増加させることを示す。
【0127】
陽性強化のために、第一、認知訓練装置は、陽性強化を即刻提供することができる。課題遂行直後に即刻補償へ連結されることができる。
【0128】
第二、認知訓練装置は、課題の難易度または遂行回数などに合うように陽性強化を提供することができる。認知訓練装置は、ユーザが新しい課題または既存より難易度が高い課題に挑戦時、ユーザに一層大きい補償を提供することができる。
【0129】
第三、認知訓練装置は、陽性強化を漸進的に提供できる。例示として、認知訓練装置は、ユーザが小さい課題を遂行するたびに小さい補償反応を提供し、小さい課題を複数個完遂する時に一層大きい補償反応を提供することができる。
【0130】
第四、認知訓練装置は、陽性強化を一貫性のあるように提供できる。認知訓練装置は、問題セット終了によって誉めを提供することができる。
【0131】
第五、認知訓練装置は、陽性強化をユーザが満たすように充分に提供できる。例示として、認知訓練装置は、一日分の目標授業を全て完了時にプレーゾーンを開けてユーザに提供できる。認知訓練装置は、プレーゾーン内では所望の遊びを自由に利用できるようにする。
【0132】
第六、認知訓練装置は、ユーザの選好度を把握して選好度が高い強化子を提供することができる。例示として、認知訓練装置は、特定遊びに対するユーザの選好度を把握して選好度が高い遊びを強化子として提供できる。このとき、認知訓練装置は、ユーザが所望する遊びをできるプレーゾーン(自由遊び空間)内に強化子に対する児童の選好度を把握することができるコンテンツを提供することができる。認知訓練装置は、児童のコンテンツ選択(choice)、活動強度(level of activity)、そしてコンテンツ滞留時間(play duration)などのデータに基づいて素材、遊び方式、遊び経験要素などに対する児童の選好度を把握することができる。ここで、強化子は、子供の選好度を把握して難しい課題であるほど選好度が高い強化子を提供する等、強化子に差をつけることが効果的である。やさしい課題を遂行した時と難しい課題を遂行した時に同じ補償が与えられると、強化子の効果が落ち、または強化子に対する依存が生じることができる。認知訓練装置は、子供のコンテンツ別選好度または体感難易度などに対する情報を養育者から受けて児童のプレーデータと共に報告選好度を把握することができる。
【0133】
一方、認知訓練装置は、溶暗法(fade out)のように課題遂行に必要な反応に助けを提供する手掛かりを順次に減らして、後では手掛かりがなくても反応できるようにする。
【0134】
例示として、釣り遊びで例示と同じ形または同じ色である物体を探す問題が提供されることができる。同じ色探しと同じ形探しが交互に指示されるため、認知転換が要求される。または、指示を聞いて指示に合うように課題を遂行しなければならないため、聴覚注意力と記憶力が必要になる。
【0135】
ここで、認知訓練装置は、(1)形または色の概念未確立、(2)認知転換難しさ、(3)聴覚情報に対する注意力及び記憶力不足などで問題解決が難しい子供のために低い段階では前記のような難しさにもかかわらず、正答へ誘導する装置を多く提供し、当てることに対する強化を提供することができる。認知訓練装置は、このようなプロンプト及び強化を介して課題の難易度が上がるほどますます手掛かりを消えるようにすることで、子供が自ら課題を遂行することができるように支援できる。
【0136】
認知訓練装置は、行動形成法のように目標行動にもっと近接する行動を連続的に強化して新しい行動を発達させることができる。これは漸進的接近法と称される。例示として、認知訓練装置は、かたつむりを探す課題で目標物移動速度及び持続すべき時間をますます増やしていくデザインが課題に適用されることができる。認知訓練装置は、2.5秒のゆるい速度で目標物を移動し、以後、8秒以上の速い速度で目標物を移動させることができる。
【0137】
一方、本発明の一実施例に係る認知訓練方法に使われるカスタマイズ授業ヒント体系に対して説明する。
【0138】
第一、ヒントとは、児童の問題遂行失敗経験を最小化し、自ら遂行することができるように助けを提供するための装置を意味する。認知訓練装置は、無エラー学習(Errorless Learning)方式でカスタマイズ授業ヒントを提供することができる。無誤学習(Errorless Learning)は、試行錯誤を介した学習(trial-and-error learning)またはエラーを介した学習とは対照的な学習戦略である。認知関連障害がある児童の場合、自ら入力したエラーとその行動の結果を関連付けて記憶する可能性が高い。すなわち、治療者が提供した手掛かりまたは以後の修正過程を記憶するよりは、自ら提出した誤答をよく記憶する。他人の助けよりは自分の行動をはるかに明確に記憶するためである。無誤学習を介しては誰かが知らせたり見せたりするよりは、自ら行動することを介して習う。失敗をする機会を最小化させて記憶に残っている失敗も最小化させることである。このために、治療者は、学習者がエラーを最小化することができるようにプロンプトを必要なほど提供しなければならなく、あまり多くの試行錯誤を経ないようにする。
【0139】
第二、認知訓練装置は、問題類型別チュートリアルでは最大プロンプトを提供した後、最小プロンプトに変更できる。問題類型別チュートリアルは、児童が要求される技術を持っていない状態であることを仮定し、最大プロンプトから最小プロンプトへ進行される。すなわち、認知訓練装置は、最も大きいヒントを提供し、一段階ずつヒントの大きさを減らして子供が問題を自ら解くことができるように基礎練習をする機会を提供することができる。ここで、認知訓練装置は、チュートリアルを毎回同じく提供し、または後では児童のカスタマイズ授業使用周期を考慮してチュートリアルをカスタマイズして提供できる。
【0140】
第三、認知訓練装置は、問題内のヒントをチュートリアルと反対に、最小プロンプトを提供した後、最大プロンプトに変更して提供できる。例示として、プロンプトは、主に1段階から3乃至4段階ヒントで構成され、登場条件は、主に誤答回数が基準になるが、一部類型では操作回数や時間制限超過などが条件になる場合もある。
【0141】
第四、認知訓練装置は、児童が自ら課題を解決する経験で終了することができるように支援する。それで、認知訓練装置は、最後の段階ヒントをとてもやさしい変形課題(modified task)である問題類型を提供することができる。これは運動する時、初心者は変形動作をすることと類似する概念である。最後の段階の変形課題は、主に選択肢を大部分除去し、または児童が概して失敗することができない水準の課題で難易度を大きく下げる方式に課題を変形したものである。
【0142】
第五 、ヒント方式は、言語プロンプト、視覚プロンプト、動作的なプロンプト、モデリング(modeling)、及び変形課題に分類されることができる。
【0143】
第六、問題類型別ヒントは、類型にカスタマイズされて定義されることができる。例えば、特定例示問題は、持続的な視覚集中力と視覚追跡能力が要求される問題であるため、ユーザが課題を失敗すれば失敗するほど事実上集中すべき時間が増え続ける。認知訓練装置は、その理由で、1次試みに失敗すれば直ちに難易度をぐっと下げ、または集中時間をぐっと減らした変形課題を提供することができる。また、問題類型毎にヒントの段階別構成は異なるが、概して2段階以後からは混合プロンプトの形態が提供されることができる。例えば、認知訓練装置は、追加言語指示と共に視覚プロンプトを提供し、または難易度を下げた変形課題が登場した以後には変形課題に追加的な視覚プロンプトまで提供する等、以前段階ヒントに追加的なヒントを載せる方式を提供することができる。
【0144】
図7は、本発明の一実施例に係る行動強化のためのトークン提供方式を示した図である。
【0145】
認知訓練装置は、ユーザの行動強化のためにトークンシステムを活用することができる。
図7に示すように、一日分の目標授業を一つ完了するたびに星が与えられる。星を3個集めると、自由に遊びが可能なプレーゾーン進入が可能になる。
【0146】
図8乃至
図12は、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1を示した図である。
【0147】
図8乃至
図12に示すように、ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示1としてかたつむり探し課題を説明する。
【0148】
かたつむり探し課題は、3乃至4個のかたつむりの巣のうちかたつむりがどこに入るかをよく見守り、かたつむりの巣が移動する時、集中して目で追うべき問題である。かたつむりの巣がめちゃめちゃにかき混ぜられるため、空いているかたつむりの巣に視線を奪われない主義統制力が要求され、物体を目でついて行く視覚追跡機能が必要な問題である。難易度が高まるほど集中すべき時間が長くなり、かたつむりの巣が混ぜられる時の移動速度も速くなる。
【0149】
図9に示すように、かたつむりの一部が見られるかたつむりの巣が視覚プロンプト(Visual Prompt)として提供されることができる。
【0150】
図10に示すように、特定かたつむりの巣を目立たせてユーザがクリックするように指示する動作的なプロンプト(Gestural Prompt)が提供されることができる。
【0151】
図11及び
図12に示すように、強化子が課題完遂に対する即刻的な視覚的及び聴覚的補償で反応してユーザに提供されることができる。
【0152】
図13乃至
図19は、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる他の課題例示2を示した図である。
【0153】
図13乃至
図19に示すように、ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示2としてロボット研究所課題を説明する。
【0154】
図13に示すように、ロボット研究所課題は、与えられた2~3個のピースが結合されて完成された形態を探す問題である。ピースをどのように結合するかを把握しなければならなく、また、ピースを結合する場合に完成される形態を判断することができる空間知覚能力、そのうち構成能力が要求される。
【0155】
ロボット研究所問題は、ユーザのターゲット月齢が上がるにつれて漸進的に高い認知機能を訓練するように定義されることができる。
【0156】
図14に示すように、1段階としてターゲット月齢が24~36である場合、最も低い現在の段階では物体を半分に切った二つのピースが少し間隔を開けて配置されている。この二つのピースが結合された物体の完成形態を把握することが問題の目標である。この段階では主に視知覚機能のうち物体知覚が要求され、まだ構成能力や推論力は必要でない。
【0157】
図15に示すように、2段階としてターゲット月齢が37~48である場合、以前段階より高い水準の視知覚機能と空間能力のうち基礎的な構成能力が必要である。物体が二つのピースに分けられて対角線にずれて配置されている形態を見て二つのピースが結合された物体の完成形態を把握すべき段階である。
【0158】
図16に示すように、3段階としてターゲット月齢が49~72である場合、物体の二つのピースの位置が上下または左右に変わったまま例示が与えられる。例示を見てピースが結合された形態を想像することができる以前段階対比高い水準の構成能力が要求される。
【0159】
図17に示すように、4段階としてターゲット月齢が73~78である場合、物体の三つのピースの位置がかき混ぜられたまま例示が与えられる。例示を見てピースが結合された形態を想像することができる高度な空間構成能力と推論能力が要求される最も高い段階である。
【0160】
図18及び
図19には強化の例示が示されている。
図18に示すように、小さい課題を遂行するたびに小さい補償反応が提供されることができる。
図19に示すように、小さい課題を複数個完遂した時、一層大きい補償反応が提供されることができる。
【0161】
図20及び
図21は、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる他の課題例示3を示した図である。
【0162】
図20及び
図21に示すように、ユーザの認知訓練方法で使われる課題例示3として釣り遊び課題を説明する。
【0163】
図20に示すように、釣り遊び課題は、指示変更によって行動の転換が要求される問題である。同じ色探し(2001)と同じ形探し(2002、2003)との間の転換を訓練させるために、初めは反応を助ける大きい手掛かりを提供し、順次減らす方式に構成されることができる。
【0164】
例示として、選択肢として正答のみが提供されることができる。形に対する概念が確立されていない、または認知転換が難しい子供もだれでも正解し、正答に対する強化が提供されるように設計された難易度である。または、直前段階と指示及び正答が同じな問題が出題されることができる。または、直前段階と指示は異なるが、正答が同じな問題が出題されることができる。または、直前段階と指示が同じであるが、選択肢が変わった問題が出題されることができる。または、Aレベル問題より選択肢が増えたBレベル問題に変わって出題されることができる。
【0165】
図21に示すように、視覚的な手掛かり(Visual cue)が活用されることができる。認知訓練装置は、デジタル方式によって多様な方式で視覚的プロンプトを提供することができる。例示として、同じ色探し問題では例示の色のみが強調されるように形態を消し(2101)、または同じ形探し問題では例示の形のみが強調されるように色を消す(2102)ものが提供されることができる。
【0166】
図22は、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法で使われる最下位難易度及び踏み石コンテンツ例示を示した図である。
【0167】
認知訓練装置は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいてユーザが授業コンテンツの特定難易度課題に対する遂行水準向上に追加的な訓練が必要であると判断された場合、特定難易度課題に対する追加訓練機会を提供する踏み石コンテンツを前記ユーザに一時的に提供できる。ここで、踏み石コンテンツは、ユーザが特定授業をよく遂行するために必要な追加訓練を提供する課題である。踏み石コンテンツは、特定授業の特定難易度レベルにマッチングされているコンテンツであって、ユーザの遂行結果データによって一時的に提供されることができる。
【0168】
図22に示す例示のように、「ぽちゃんぽちゃん」という授業は、一部遮られた物体4個を見て、対をなす同じ物体を探す問題であり、物体知覚力と視空間的な推論機能を訓練する課題である。
図22の上側の例示画面は、「ぽちゃんぽちゃん」の最下位難易度の例示画面(2201)である。
【0169】
もし、ユーザが最下位難易度を遂行しにくい、または追加訓練が必要な状況であることが遂行結果データを介して確認される場合、認知訓練装置は、「ぽちゃんぽちゃん」の1段階踏み石コンテンツをユーザに提供できる。
図22の下側の例示画面は、「ぽちゃんぽちゃん」の最下位難易度(例えば、1段階等)の踏み石コンテンツ例示画面(2202)である。
【0170】
認知訓練装置は、遂行結果データに基づいて「ぽちゃんぽちゃん」が要求する認知機能及び認知機能とマッピングされたタグに対する追加訓練が必要であるということが判断される時点から回次内の授業構成にこの踏み石コンテンツを一時的に含んで提供できる。以後、認知訓練装置は、踏み石コンテンツを持続的に提供し、遂行結果データでこれ以上踏み石コンテンツが必要でないと判断される時点から授業構成から除外できる。
【0171】
すなわち、踏み石コンテンツは、特定課題において、ユーザが次の難易度段階に上がるとき、本課題が取り扱う一部認知機能及びマッピングされたその他のタグに対して追加的な訓練が必要な場合に一時的に登場するコンテンツである。このような踏み石コンテンツは、課題難易度の上昇時に緩衝効果もあり、ユーザが解きがたい、またはまだ習得していない技術に対する追加的な練習機会を提供することができる。このような踏み石コンテンツは、ユーザの遂行結果データに基づいて指定された条件が満たされる場合、一時的に提供されることができる。遂行結果データ上にこれ以上必要でないと判断されると、踏み石コンテンツはこれ以上登場しない。
【0172】
図23は、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練装置の構成図である。
【0173】
図23に示すように、本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練装置100は、ユーザ入出力モジュール110、メモリ120、及びプロセッサ130を含む。しかし、図示された構成要素の全てが必須構成要素ではない。図示された構成要素より多い構成要素によりユーザの認知訓練装置100が具現されることもでき、それより少ない構成要素によってもユーザの認知訓練装置100が具現されることもできる。
【0174】
以下、
図23のユーザの認知訓練装置100の各構成要素の具体的な構成及び動作を説明する。
【0175】
ユーザ入出力モジュール110は、ユーザと認知訓練と関連した入出力動作を遂行する。
【0176】
メモリ120は、ユーザの認知訓練と関連した一つ以上のプログラムを格納する。
【0177】
プロセッサ130は、メモリ120に格納された一つ以上のプログラムを実行する。プロセッサ130は、ユーザの認知発達水準に必要な認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成し、生成された授業及び課題をユーザに提供し、提供された授業及び課題に対してユーザが遂行した遂行結果データに基づいて認知カリキュラムをカスタマイズする。ここで、認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグには属性タグ、知識タグ、日常技術タグ、適応行動タグなどが含まれることができる。
【0178】
実施例によると、課題は、目標課題を遂行するために必要な少なくとも一つの小単位課題を含み、少なくとも一つの小単位課題は、最下位課題から目標課題まで難易度が段階的に増加されてユーザに提供されることができる。
【0179】
実施例によると、プロセッサ130は、認知機能及び少なくとも一つのタグの各々を互いに異なるように組み合わせて授業及び課題を生成することができる。
【0180】
実施例によると、プロセッサ130は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて提供された授業及び課題の難易度構成がユーザの認知発達水準に符合するかを検証して課題の難易度構成をカスタマイズすることができる。ここで、難易度カスタマイズとは、常に難易度を上げるという意味だけでなく、プロセッサ130は、ユーザの認知発達水準が退行し、遂行水準が低くなる時には難易度を自動で下げることができる。それで、ユーザが低い段階から再び認知発達水準を確かめて上がることができる。
【0181】
実施例によると、プロセッサ130は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて認知機能及び認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに対するユーザの認知発達水準を追跡することができる。
【0182】
実施例によると、プロセッサ130は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいてユーザの認知発達水準を追跡し、追跡されたユーザの認知発達水準に基づいてユーザの発達月齢目標値に合うように認知カリキュラムをカスタマイズすることができる。ここで、年齢別または月齢別目標値は、ユーザの発達状況を追跡して把握するときに指標となることができる。しかし、認知カリキュラムをカスタマイズするにはユーザの身体年齢よりは発達月齢がより重要な尺度になることができる。プロセッサ130は、この発達月齢に合うように認知カリキュラムをカスタマイズする方式を遂行することができる。
【0183】
実施例によると、プロセッサ130は、以前の回次の遂行結果データによって次の回次の授業コンテンツまたは課題の割り当て難易度を再構成することができる。
【0184】
実施例によると、プロセッサ130は、ユーザが遂行した遂行結果データに基づいてユーザが授業コンテンツの難易度上昇に追加的な訓練が必要であると判断された場合、難易度上昇に対する追加的な練習機会を提供することができる。
【0185】
実施例によると、プロセッサ130は、提供された課題を遂行するためにユーザの認知発達水準でユーザが必要な最適化されたプロンプト(Prompt)を提供する、プロンプトの種類または強度は、ユーザが遂行した複数の遂行結果データのうち少なくとも一つの遂行結果データに基づいて決定できる。ここで、ユーザが必要な最適化されたプロンプトは、無条件少ないものではなく、ユーザが必要な以上に過剰なヒントを提供しないということを意味する。誤答回数、誤答パターン、所要時間、操作回数、操作方式など、さらに多くの要素に対するデータのうち少なくとも一つのデータに基づいてプロンプトが調節されることができる。
【0186】
実施例によると、プロセッサ130は、提供された課題を成功した場合、陽性強化(Positive Reinforcement)方式の補償として強化(Reinforcement)を提供し、強化の種類または強度は、提供された課題と関連した少なくとも一つの要素に基づいて決定されることができる。ここで、課題の特性、課題の難易度、遂行回数、ユーザ選好度、該当回次に扱った認知機能、知識タグ及び属性タグなどのような様々な要素のうち少なくとも一つの要素に基づいて強化子が決定されることができる。
【0187】
一方、プロセッサにより実行される時、前記プロセッサにとって方法を実行するようにする命令語を格納するための非一時的コンピュータで読み取り可能な格納媒体であって、前記方法は:ユーザの認知発達水準に必要な認知機能及び前記認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成するステップ;前記生成された授業及び課題を前記ユーザに提供するステップ;及び、前記提供された授業及び課題に対して前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップ;を含む、非一時的コンピュータで読み取り可能な格納媒体が提供されることができる。
【0188】
一方、本発明の一実施例によると、以上で説明された多様な実施例は、機器(machine)(例:コンピュータ)で読み取ることができる格納媒体(machine-readable storage media)に格納された命令語を含むソフトウェアで具現されることができる。機器は、格納媒体から格納された命令語を呼び出し、呼び出された命令語によって動作が可能な装置であって、開示された実施例による電子装置(例:電子装置(A))を含むことができる。命令がプロセッサにより実行される場合、プロセッサが直接、またはプロセッサの制御下に他の構成要素を利用して命令に該当する機能を遂行することができる。命令は、コンパイラまたはインタープリターにより生成または実行されるコードを含むことができる。機器で読み取ることができる格納媒体は、非一時的(non-transitory)格納媒体の形態で提供されることができる。ここで、「非一時的」は、格納媒体が信号(signal)を含まずに実在(tangible)するということを意味し、データが格納媒体に半永久的または臨時的に格納されることを区分しない。
【0189】
また、本発明の一実施例によると、以上で説明された多様な実施例による方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されることができる。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者と購買者との間に取引することができる。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取ることができる格納媒体(例:compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で、またはアプリケーションストア(例:プレーストアTM)を介してオンラインで、配信されることができる。オンライン配信の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリのような格納媒体に少なくとも一時的に格納されるが、臨時的に生成されることができる。
【0190】
また、本発明の一実施例によると、以上で説明された多様な実施例は、ソフトウェア(software)、ハードウェア(hardware)またはこれらの組み合わせを利用してコンピュータ(computer)またはこれと類似の装置で読み取ることができる記録媒体内で具現されることができる。一部場合において、本明細書で説明される実施例がプロセッサ自体で具現されることができる。ソフトウェア的な具現によると、本明細書で説明される手順及び機能のような実施例は、別途のソフトウェアモジュールで具現されることができる。ソフトウェアモジュールの各々は、本明細書で説明される一つ以上の機能及び動作を遂行することができる。
【0191】
一方、前述した多様な実施例による機器のプロセシング動作を遂行するためのコンピュータ命令語(computer instructions)は、非一時的コンピュータで読み取り可能な媒体(non-transitory computer-readable medium)に格納されることができる。このような非一時的コンピュータで読み取り可能な媒体に格納されたコンピュータ命令語は、特定機器のプロセッサにより実行された時、前述した多様な実施例に係る機器での処理動作を特定機器が遂行するようにする。非一時的コンピュータで読み取り可能な媒体とは、レジスタ、キャッシュ、メモリなどのように短い瞬間データを格納する媒体ではなく、半永久的にデータを格納し、機器により読み取り(reading)が可能な媒体を意味する。非一時的コンピュータで読み取り可能な媒体の具体的な例では、CD、DVD、ハードディスク、ブルーレイディスク、USB、メモリカード、ROMなどがある。
【0192】
また、前述した多様な実施例による構成要素(例:モジュールまたはプログラム)の各々は、単数または複数の個体で構成されることができ、前述した該当サブ構成要素のうち一部サブ構成要素が省略され、または他のサブ構成要素が多様な実施例により含まれることができる。代替的にまたは追加的に、一部構成要素(例:モジュールまたはプログラム)は、一つの個体に統合され、統合される以前のそれぞれの該当構成要素により遂行される機能を同一または類似するように遂行することができる。多様な実施例による、モジュール、プログラムまたは他の構成要素により遂行される動作は、順次的、並列的、繰り返し的またはフュアリスティクスに実行され、または少なくとも一部動作が異なる順序に実行され、または省略され、または他の動作が追加されることができる。
【0193】
以上、本発明の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明は、前述した特定の実施例に限定されるものではなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を外れない限り、当該開示に属する技術分野において通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であり、このような変形実施は、本発明の技術的思想や見通しから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0194】
100 認知訓練装置
110 ユーザ入出力モジュール
120 メモリ
130 プロセッサ
【要約】
【課題】本発明は、ユーザの認知訓練装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例に係るユーザの認知訓練方法は、ユーザの認知発達水準に必要な認知機能及び前記認知機能とマッピングされる少なくとも一つのタグに基づいて定義された認知カリキュラムによってユーザの認知機能を訓練させるための授業及び課題を生成するステップ、前記生成された授業及び課題を前記ユーザに提供するステップ、及び前記提供された授業及び課題に対して前記ユーザが遂行した遂行結果データに基づいて前記認知カリキュラムをカスタマイズするステップ、を含む。
【選択図】
図1