(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】LED照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20250110BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20250110BHJP
H05B 45/3577 20200101ALI20250110BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20250110BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/20
H05B45/3577
H05B47/16
(21)【出願番号】P 2023516583
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 KR2021012136
(87)【国際公開番号】W WO2022055223
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0117551
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】323002853
【氏名又は名称】ペ ジン ウ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】ペ ジン ウ
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-113958(JP,A)
【文献】特開2018-181693(JP,A)
【文献】特表2014-520360(JP,A)
【文献】特開2020-098795(JP,A)
【文献】特開2008-258356(JP,A)
【文献】中国実用新案第210771671(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力光の明るさが減少するように調節するディミング機能を具現することができるLED照明システムにおいて、
互いに異なる色温度の光をそれぞれ発散することができるように構成される3個以上のLEDチャンネルを含むLED光源と、
前記3個以上のLEDチャンネルを電気的に駆動することができるように構成される電気回路と、を含み、
前記3個以上のLEDチャンネルのうち最も高い色温度の光を発散するLEDチャンネルの最大明るさに対する前記3個以上のLEDチャンネルのうち色温度が高いものから低い順にk番目LEDチャンネルの最大明るさの比率は、(N-k+1)
2
/(4*(N-1))(ここで1<k<=N、NはLEDチャンネルの個数)により算出される値より小さく、
前記電気回路は、前記出力光の明るさが減少するディミング時に、前記LED光源により得られる前記出力光の明るさと色温度が連動して共に減少するように前記3個以上のLEDチャンネルを駆動するように構成される
LED照明システム。
【請求項2】
前記電気回路は、前記ディミング機能による全てのディミングレベルで前記3個以上のLEDチャンネルのうちの少なくとも一つ以上を除いた残りのLEDチャンネルを駆動して前記ディミングレベルに応じた出力光を生成することができるように作動する、請求項1に記載のLED照明システム。
【請求項3】
前記電気回路は、前記3個以上のLEDチャンネルの個数より1個小さい個数のディミング制御区間に分割して前記3個以上のLEDチャンネルを駆動するように構成され、
前記電気回路は、前記各ディミング制御区間で前記3個以上のLEDチャンネルから選択される2個のLEDチャンネルの組み合わせのうちのいずれか一つの組み合わせを選択的に利用して前記ディミング機能によるディミングレベルに応じた前記出力光の明るさと色温度を具現することができるように構成される、請求項1に記載のLED照明システム。
【請求項4】
前記2個のLEDチャンネルの組み合わせは、前記3個以上のLEDチャンネルのうち、色温度の大きさが隣接した2個のLEDチャンネルからなる、請求項3に記載のLED照明システム。
【請求項5】
前記電気回路は、前記各ディミングレベルで前記選択されたLED組み合わせを構成する前記2個のLEDチャンネルのうちの1個以上のLEDチャンネルを駆動して前記ディミングレベルに応じた前記出力光の明るさと色温度が具現されるように構成される、請求項3または4に記載のLED照明システム。
【請求項6】
前記2個のLEDチャンネルの組み合わせにより生成される光は、色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するようにする光をそれぞれ生成するように構成される、請求項3または4に記載のLED照明システム。
【請求項7】
前記各LEDチャンネルは、色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム(MacAdam)楕円内に位置する光を発散する、請求項6に記載のLED照明システム。
【請求項8】
前記3個以上のLEDチャンネルのうち最も高い色温度を有する光を発散するLEDチャンネルは、380乃至500nm帯域で相対発光強度(relative emission intensity)の最大値が60%以上である光スペクトルを有し、
前記3個以上のLEDチャンネルのうち最も低い色温度を有する光を発散するLEDチャンネルは、380乃至500nm帯域で相対発光強度の最大値が30%以下である光スペクトルを有する
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明システム。
【請求項9】
ユーザーから所望するディミングレベルの入力を受けることができるように構成され、入力されたディミングレベルに該当するディミング信号を前記電気回路に出力するコントロールインターフェースをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明システム。
【請求項10】
前記電気回路は、タイマー機能を具現することができるように構成され、
前記電気回路は、前記タイマー機能が活性化した場合
、定められた時間の間に
最も低い色温度の光が自動にディミングされてから消灯されるように
、前記3個以上のLEDチャンネルのうち、最も低い色温度を有するLEDチャンネルを制御するか、また
は定められた時間の間に色温度が減少しながら自動にディミングされてから消灯されるように
、前記3個以上のLEDチャンネルのうち、最も低い色温度の光を発散するLEDチャンネルとその次に低い色温度の光を発散するLEDチャンネルとを制御する
請求項1~4のいずれか1項に記載のLED照明システム。
【請求項11】
前記3個以上のLEDチャンネルは、第1色温度を有する光を発散する少なくとも一つの第1LEDを有する第1LEDチャンネルと、前記第1色温度より低い第2色温度を有する少なくとも一つの第2LEDを有する第2LEDチャンネルと、前記第2色温度より低い第3色温度を有する少なくとも一つの第3LEDを有する第3LEDチャンネルと、を含み、
前記電気回路は、前記ディミング機能によるディミングレベルに該当する前記
LED光源から発散される混合光の明るさの大きさ別に前記第1乃至第3LEDチャンネルから選択される2個のLEDチャンネルの組み合わせのうちのいずれか一つを選択的に利用して所望する明るさおよび色温度が具現されるように制御する
請求項1に記載のLED照明システム。
【請求項12】
前記第1および第2LEDチャンネルはホワイト光を発散し、
前記第3LEDチャンネルはアンバー(amber)または赤色系の光を発散する
請求項
11に記載のLED照明システム。
【請求項13】
前記第1色温度は10,000K乃至4,000Kであり、前記第2色温度は3,500K乃至2,500Kであり、前記第3色温度は2,500K乃至1,000Kである、請求項
12に記載のLED照明システム。
【請求項14】
前記第1乃至第3LEDチャンネルは、色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置する光を発散する、請求項
11~13のいずれか一項に記載のLED照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明システムに関し、特に光ディミングにより光の相関色温度(CCT、Correlated Color Temperature)も連動して変化するように構成されたLED照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
長い寿命と優れたエネルギー効率を有するLED(Light Emitting Diode)が多様な種類の照明システムの光源として使用されており、LEDの光特性を改善して照明品質を改善しようとする多様な試みが行われている。このような試みの一例として出力光の明るさを徐々に減少させるディミング(dimming)機能を有するLED照明システムにおいて明るさの減少と共に相関色温度を徐々に下げる技術(いわゆる、ディム・トゥ・ウォーム(dim-to-warm)技術)が紹介されている。
【0003】
一例として、米国登録特許US7,288,902に白熱灯の明るさ変化に応じた色温度変化を模写するように互いに異なる色温度を有するLEDの駆動電流を制御する技術が開示されている。他の例として、米国登録特許US9,769,895に白熱灯のディミング特性と類似するようにホワイトLEDとレッドLEDの駆動電流を独立に制御する技術が開示されている。また他の例として、韓国登録特許10-2136773にディミング中に白熱電球の相関色温度を模写できるようにクールLED(cool LED)とウォームLED(warm LED)の作動電流を独立に制御する技術が開示されている。また他の例として、米国登録特許US8,330,394に光がディミングされることによって光の色がホワイトからレッドに変化するようにLEDの作動電圧を制御する技術が開示されている。
【0004】
このような既存の技術は、LED照明システムのディミング中に相関色温度が連動して変化するようにする手段を提示しているが、白熱電球の光特性を模写するように明るさの減少に応じて相関色温度がウォーム(warm)になるようにする方案を提示するに過ぎない。したがって、ディミング中に明るさと相関色温度の要求される相関関係を考慮して所望する光特性を具現しながらLED照明システムを最適化することが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7288902号明細書
【文献】米国特許第9769895号明細書
【文献】韓国登録特許第10-2136773号公報
【文献】米国特許第8330394号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、互いに異なる相関色温度を有する複数のLEDを利用してディミング中に要求される明るさと相関色温度に応じて構造および製造費用の面で最適化したディム・トゥ・ウォーム機能を有するLED照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例によると、出力光の明るさが減少するように調節するディミング機能を具現することができるLED照明システムは、互いに異なる色温度の光をそれぞれ発散することができるように構成される3個以上のLEDチャンネルを含むLED光源と、前記3個以上のLEDチャンネルを電気的に駆動することができるように構成される電気回路と、を含む。前記電気回路は、前記出力光の明るさが減少するディミング時に、前記LED光源により得られる前記出力光の明るさと色温度が連動して共に減少するように前記3個以上のLEDチャンネルを駆動するように構成される。
【0008】
前記電気回路は、前記ディミング機能による全てのディミングレベルで前記3個以上のLEDチャンネルのうちの少なくとも一つ以上を除いた残りのLEDチャンネルを駆動して前記ディミングレベルに応じた出力光を生成することができるように作動することができる。
【0009】
前記電気回路は、前記3個以上のLEDチャンネルの個数より1個小さい個数のディミング制御区間に分割して前記3個以上のLEDチャンネルを駆動するように構成され得、前記電気回路は、前記各ディミング制御区間で前記3個以上のLEDチャンネルから選択される2個のLEDチャンネルの組み合わせのうちのいずれか一つの組み合わせを選択的に利用して前記ディミングレベルに応じた前記出力光の明るさと色温度を具現することができるように構成され得る。
【0010】
前記2個のLEDチャンネルの組み合わせは、前記3個以上のLEDチャンネルのうち、色温度の大きさが隣接した2個のLEDチャンネルからなることができる。
【0011】
前記電気回路は、前記それぞれのディミングレベルで前記選択されたLED組み合わせを構成する前記2個のLEDチャンネルのうちの1個以上のLEDチャンネルを駆動して前記ディミングレベルに応じた前記出力光の明るさと色温度が具現されるように構成され得る。
【0012】
前記2個のLEDチャンネルの組み合わせにより生成される光は、色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するようにする光をそれぞれ生成するように構成され得る。
【0013】
前記各LEDチャンネルは、色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム(MacAdam)楕円内に位置する光を発散することができる。
【0014】
前記3個以上のLEDチャンネルのうち最も高い色温度を有する光を発散するLEDチャンネルは、380乃至500nm帯域で相対発光強度(relative emission intensity)の最大値が60%以上である光スペクトルを有することができ、前記3個以上のLEDチャンネルのうち最も低い色温度を有する光を発散するLEDチャンネルは、380乃至500nm帯域で相対発光強度の最大値が30%以下である光スペクトルを有することができる。
【0015】
本発明の他の実施例によるLED照明システムは、ユーザーから所望するディミングレベルの入力を受けることができるように構成され、入力されたディミングレベルに該当するディミング信号を前記電気回路に出力するコントロールインターフェースをさらに含むことができる。
【0016】
前記電気回路は、タイマー機能を具現することができるように構成され得、前記電気回路は、前記タイマー機能が活性化した場合、前記最も低い色温度を有するLEDチャンネルを発散される光が定められた時間の間に自動にディミングされてから消灯されるように制御するか、または前記最も低い色温度を有するLEDチャンネルとその次に低い色温度を有するLEDチャンネルを発散される混合光が定められた時間の間に色温度が減少しながら自動にディミングされてから消灯されるように制御することができる。
【0017】
前記3個以上のLEDチャンネルのうち最も高い色温度の光を発散するLEDチャンネルの最大明るさに対する前記3個以上のLEDチャンネルのうち色温度が高いものから低い順にk番目LEDチャンネルの最大明るさの比率は、(N-k+1)2/(4*(N-1))(ここで1<k<=N)により算出される値より小さくてもよい。
【0018】
前記3個以上のLEDチャンネルは、第1色温度を有する光を発散する少なくとも一つの第1LEDを有する第1LEDチャンネルと、前記第1色温度より低い第2色温度を有する少なくとも一つの第2LEDを有する第2LEDチャンネルと、前記第2色温度より低い第3色温度を有する少なくとも一つの第3LEDを有する第3LEDチャンネルと、を含むことができ、前記電気回路は、前記ディミングレベルに該当する前記混合光の明るさの大きさ別に前記第1乃至第3LEDチャンネルから選択される2個のLEDチャンネルの組み合わせのうちのいずれか一つを選択的に利用して所望する明るさおよび色温度が具現されるように制御することができる。
【0019】
前記第1および第2LEDチャンネルはホワイト光を発散することができ、前記第3LEDチャンネルはアンバー(amber)または赤色系の光を発散することができる。
【0020】
前記第1色温度は10,000K乃至4,000Kであり、前記第2色温度は3,500K乃至2,500Kであり、前記第3色温度は2,500K乃至1,000Kであり得る。
【0021】
前記第1乃至第3LEDチャンネルは、色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置する光を発散することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、互いに異なる色温度を有する光をそれぞれ発散する3個以上のLEDチャンネルを備え、ディミング進行中の各区間で色温度が隣り合う2個のLEDチャンネルを利用して混合光を生成することによって、広い範囲の色温度にかけて色表現が可能なようにすると共に、色度図上の黒体軌跡を類似して追うことができる色表現が可能になる。
【0023】
さらに、ディミングレベルの増加により明るさが暗くなる時、明るさと色温度が連動して共に減少するようにすることによって、色温度が低いウォームな光を発散するLEDチャンネルの最大明るさが減少することができ、これによって低い色温度を有する光を発散するLEDチャンネルのLED個数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例によるLED照明システムのブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例によるLED照明システムの互いに異なる色温度を有する3個のLEDチャンネルの光の概略的な座標が表示された色度図を示す。
【
図3】
図2の色度図に表示された3個の光のうち、色温度が相対的に高い2個の光の組み合わせにより具現され得る混合光の軌跡が表示された色度図を示す。
【
図4】
図2の色度図に表示された3個の光のうち、色温度が相対的に低い2個の光の組み合わせにより具現され得る混合光の軌跡が表示された色度図を示す。
【
図5】
図2の色度図に表示された3個の光を利用してディミングレベルに応じた目標明るさと目標色温度を示すグラフの一例を示す。
【
図6】
図5に示された目標明るさと目標色温度を具現するためのディミングレベルに応じた3個の光の明るさを示すグラフの一例を示す。
【
図7】本発明の他の実施例によるLED照明システムの互いに異なる色温度を有する3個のLEDチャンネルの光の概略的な座標が表示された色度図を示す。
【
図8】
図7の色度図に表示された3個の光のうち、色温度が相対的に高い2個の光の組み合わせにより具現され得る混合光の軌跡が表示された色度図を示す。
【
図9】
図7の色度図に表示された3個の光のうち、色温度が相対的に低い2個の光の組み合わせにより具現され得る混合光の軌跡が表示された色度図を示す。
【
図10】
図7の色度図に表示された3個の光を利用してディミングレベルに応じた目標明るさと目標色温度を示すグラフの一例を示す。
【
図11】
図10に示された目標明るさと目標色温度を具現するためのディミングレベルに応じた3個の光の明るさを示すグラフの一例を示す。
【
図12】本発明の実施例による互いに異なる色温度を有する3個のLEDチャンネルの光の例示的な座標が表示された色度図を示す。
【
図13】従来技術による互いに異なる色温度を有する2個の光の座標が表示された色度図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について詳しく説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施例によるLED照明システムのブロック図を示す。
図1を参照すると、LED光源10は、3個以上、例えばN(3以上の自然数)個のLEDチャンネル11、12、13を備える。各LEDチャンネル11、12、13は、一つ以上のLEDをそれぞれ備え、相対的に最も高い色温度から最も低い色温度まで互いに異なる色温度を有する光をそれぞれ発散するように構成される。ここで色温度は、相関色温度(CCT、Correlated Color Temperature)を意味し、以下では単に色温度と称する。
【0027】
本発明の実施例によるLED照明システムは、デスク用ランプ、天井や壁に設置されるランプなど任意の形態の照明装置で具現され得る。
【0028】
LEDチャンネル#1 11は、N個のLEDチャンネルのうち最も高い色温度の光を発散し、残りのLEDチャンネルはチャンネル番号の増加により漸次に低い色温度の光を発散する。したがって、LEDチャンネル#N 13が相対的に最も低い色温度の光を発散する。以下で3個のLEDチャンネルを含む2つの実施例について説明するが、LEDチャンネルの個数はそれに限定されず、4個以上のLEDチャンネルを備えることもできる。各LEDチャンネル11、12、13は、該当する色温度の光を発散する一つ以上のLEDを含むことができ、例えば多様な色温度を有するホワイトLED、レッド(red)およびアンバー(amber)系のLEDなど多様な色温度と色を有する光を発散するLEDを光源として含むことができる。
【0029】
ドライバー(driver)20は、各LEDチャンネル11、12、13を電気的に駆動することができるように構成される。例えば、ドライバー20は、各LEDチャンネル11、12、13に駆動電流を印加して各LEDチャンネル11、12、13を選択的に駆動することができる電気回路で構成され得る。例えば、ドライバー20は、所望する大きさの電流が供給されるようにすることができる電流ドライバー、定電圧を印加することができる定電圧ドライバー、および任意の方式でLEDチャンネルのLEDを駆動することができる電気回路で構成され得る。
図1に示されているように、ドライバー20は、各LEDチャンネル11、12、13をそれぞれ駆動することができるように各LEDチャンネル11、12、13別に備えられる3個以上のドライバー21、22、23を含むことができる。
【0030】
コントロールユニット(control unit)30は、入力されるディミング(dimming)信号により各LEDチャンネル11、12、13で発散される光の明るさが調節されるようにドライバー20を制御することができるように構成される。ディミング信号は、コントロールインターフェース40を通じてコントロールユニット30に入力され得る。コントロールユニット30は、マイクロプロセッサー、メモリおよび関連ハードウェアとソフトウェアを含むことができ、以下で説明する制御ロジックによりドライバー20を制御することができるようにプログラムされ得る。
【0031】
コントロールインターフェース40は、ユーザーから所望するディミングレベル(dimming level)の入力を受けることができるように構成される。ユーザーがコントロールインターフェース40を利用して所望するディミングレベルを入力すると、コントロールインターフェース40は入力されたディミングレベルに該当するディミング信号を生成してコントロールユニット30に出力し、コントロールユニット30は伝達されたディミング信号によりドライバー20を駆動する制御信号を出力することができる。この時、コントロールユニット30は入力されたディミングレベルを具現するために各LEDチャンネル11、12、13を駆動するための駆動電流をディミングテーブル50から獲得することができる。ディミングテーブル50は、各ディミング信号に該当するディミングレベル(つまり、光の明るさレベル)を具現するための各LEDチャンネル11、12、13の駆動電流に関するデータを含むルックアップテーブル(lookup table)で構成され得る。他の例として、コントロールユニット30は、予め定められた関数を利用して入力されたディミングレベルに該当する駆動電流を算出することもできる。
【0032】
コントロールインターフェース40は、コントロールユニット30、ドライバー20およびLED光源30などの照明システムの本体を構成する要素と一体に形成されることもでき、別途に遠隔で構成されて有線または無線方式で連結されることもできる。またコントロールインターフェース40は、ロータリーまたはスライディングノブ(knob)、タッチスクリーン方式の入力手段などユーザーが所望するディミングレベルを入力することができるように構成される任意のインターフェースで具現され得る。
【0033】
コントロールユニット30は、ディミング信号が示すディミングレベルの増加によりLED光源10から発散される混合光の明るさと色温度が連動して共に減少するように制御する。ここでディミングレベルの増加は、光の明るさが徐々に暗くなることを意味する。例えば、ディミングレベルは1段階から21段階、総21個のレベルを備えることができ、1段階のディミングレベルは明るさが最大である状態を示し、21段階のディミングレベルは明るさが0である状態を示すことができる。この過程で1段階から21段階へディミングレベルが増加するほど明るさが徐々に減少するように設定され得る。本発明の実施例ではディミングレベルの増加により明るさが減少するようにすると共に、明るさに連動して色温度も減少するように構成される。これによって、ディミングにより明るさが減少することに伴い色温度も連動して減少するようにすることによって、ディミングの進行により色温度が低いウォームな(warm)光を作ることができるため、ディム・トゥ・ウォーム機能を具現することができる。低いディミングレベルでは色温度が高く、明るい混合光が作られるようにして業務、学習などの用途で使用することができ、高いディミングレベルでは色温度が低い暗い混合光が作られるようにして休息、睡眠などの用途で使用することができる。
【0034】
さらに、本発明の実施例によると、コントロールユニット30は、ディミングレベルの増加により設定される連続的なN-1個の制御区間によりドライバー20を制御するように構成される。色温度が隣接する2個のLEDチャンネルのうちの1個以上が各制御区間での混合光を得るために利用される。例えば、色温度が増加する順に配列された1番からN番までのN個のLEDチャンネルを利用する場合、ディミングレベルが最も低い制御区間では1番および2番LEDチャンネルのうちの1個以上を利用して混合光を生成し、その次のディミングレベルの制御区間では2番および3番LEDチャンネルのうちの1個以上を利用して混合光を生成する。このような方式により各制御区間で色温度の大きさが隣接する2個のLEDチャンネルを順次に利用してディミングが行われ、最後の制御区間では最も低い色温度であるN番LEDチャンネルとその前のLEDチャンネルのうちの1個以上を利用して混合光を生成する。このような方式の各制御区間で隣接する色温度を有する2個のLEDチャンネルを利用して混合光を生成するため、ディミング進行中に色度図(chromaticity diagram)上で所望する軌跡に近似する光特性を具現することができる。これについては再び後述する。
【0035】
各LEDチャンネル11、12、13は、色度図上で黒体軌跡(black body locus)上の座標で10-ステップのマクアダム(MacAdam)楕円内に位置する光を発散することができる。
【0036】
N個のLEDチャンネルのうち最も高い色温度を有する光を発散するLEDチャンネル11は、380乃至500nm帯域で相対発光強度(relative emission intensity)の最大値が60%以上である光スペクトルを有する光を発散することができ、N個のLEDチャンネルのうち最も低い色温度を有する光を発散するLEDチャンネル13は、380乃至500nm帯域で相対発光強度の最大値が30%以下である光スペクトルを有する光を発散することができる。混合光の明るさが明るい低いディミングレベルで混合光の大きい部分を占める高い色温度を有する光がメラトニン分泌を抑制する460nm付近のスペクトルを多く含むようにし、混合光の明るさが暗い高いディミングレベルで混合光の大きい部分を占める低い色温度を有する光が460nm付近のスペクトルを小さく含むようにすることによって、高い明るさ状態ではメラトニン分泌を抑制して集中力を高めることができるようにし、低い明るさ状態ではメラトニン分泌および睡眠を助けることができる。
【0037】
一方、本発明の実施例によると、コントロールユニット30は、タイマー(timer)機能を具現することができるように構成され得る。タイマー機能が活性化した場合、N個のLEDチャンネルのうち最も低い色温度を有するLEDチャンネルを駆動してディミングが行われるようにすることができ、具体的に最も低い色温度の光が定められた時間の間に自動にディミングされてから消灯されるようにすることができる。一方、他の例では、タイマー機能が活性化した場合、N個のLEDチャンネルのうち最も低い色温度の光を発散するLEDチャンネル(つまり、N番目LEDチャンネル)とその次に低い色温度の光を発散するLEDチャンネル(つまり、N-1番目LEDチャンネル)を共に駆動して色温度が減少しながら徐々にディミングされてから消灯されるようにすることもできる。
【0038】
一方、本発明の他の実施例によるLED照明システムは、携帯電話などの無線充電のための無線充電機能を備えることができる。本発明の実施例によるLED照明システムがデスクランプなどの形態で具現される場合、無線充電のための携帯電話の置きパッドを備えることができ、ユーザーが携帯電話を置き台に載置することによって携帯電話の無線充電が行われ得る。無線充電機能の具現のための電気回路などについての詳細な説明は省略する。
【0039】
N個のLEDチャンネルで構成されるシステムにおいて色温度はディミングレベルの増加により線形的に減少し、明るさの変化はm次多項式で減少するものと表現される場合、k番目LEDチャンネルとk-1番目LEDチャンネルを混合する区間でk番目LEDチャンネルのk-1番目LEDチャンネルに対する混合比率(y
k)は次の数式1で表され得る。
【数1】
ここでxは、ディミングレベルを正規化した値であって、0乃至1の間の値であり、「1」は最も明るい明るさ状態である最も低いディミングレベルに該当し、「0」は消灯された状態である最も高いディミングレベルに該当する。
【0040】
色温度が最も高い1番目チャンネルの最大明るさに対するk番目チャンネルの明るさ比率(L
k)は次の数式2で表される。
【数2】
ここでL
totalは、ディミングレベルに応じたシステム全体明るさを、システム最大明るさを基準に正規化した値であって、0乃至1の間の値であり、「1」はシステム全体明るさがシステム最大明るさと同一の状態を示し、「0」はシステム全体明るさが0である消灯状態を示す。
【0041】
この時、システム全体明るさ(L
total)はx
mであるため、1番目チャンネルの最大明るさに対するk番目チャンネルの明るさ比率(L
k)は次の数式3で表される。
【数3】
前記区間でk番目LEDチャンネルの明るさが最大になる地点は、L
kの微分値が0になる地点であり、前記数式3を微分すると次の数式4が得られる。
【数4】
前記数式4でL
k’に0を代入してk番目LEDチャンネルの明るさが最大になる地点(x
max)は次の数式5で表される。
【数5】
したがって、数式3のx値に数式5のx
maxを代入するとk番目LEDチャンネルの最大明るさ(L
k_max)は次の数式6で表される。
【数6】
例えば、計3個のLEDチャンネル(N=3)から構成されたシステムにおいて、2番目チャンネル(k=2)のディミングレベルの変換に応じた最大明るさ(L
2_max)は、多項式次数であるmが増加することによって、mが1である時は0.500、mが2である時は0.296、mが3である時は0.211、mが3である時は0.211、mが4である時は0.164、mが5である時は0.134のように減少する。つまり、ディミングレベルに応じたシステムの明るさ変化が非線形になるほど2番目以上のチャンネルの必要な最大明るさは減少する。人間の目は明るさの変化にログ関数的に反応するため、照明システムの明るさの変化はそれと反対の指数関数的に増加してこそ人間は明るさが線形的に増加すると感じるようになる。したがって、照明システムの明るさの変化は非線形的に増加することが好ましい。
【0042】
したがって、k番目LEDチャンネルの最大明るさは、m=1である1次多項式の場合より小さいことが好ましく、前記数式6にm=1を代入するとk番目LEDチャンネルの最大明るさ(L
k_max)は次の数式7で表される。
【数7】
ここで1<k<=Nである。
【0043】
したがって、本発明の実施例によると、N個のLEDチャンネルのうち最も高い色温度の光を発散するLEDチャンネルの最大明るさに対するk番目LEDチャンネルの最大明るさの比率は、(N-k+1)2/(4*(N-1))(ここで1<k<=N)により算出される値より小さく設定され得る。
【0044】
本発明の実施例によるLED照明システムは、互いに異なる3個の色温度の光をそれぞれ発散する3個のLEDチャンネルを含む。この場合、3個の色温度のうち最も高い色温度は10,000K乃至4,000Kの間の値であり、中間色温度は3,500K乃至2,500Kの間の値であり、最も低い色温度は2,500K乃至1,000Kの間の値であり得る。また各色温度を有する3個の光は色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置する光であり得る。このような3個の色温度をそれぞれ有する3個のLEDチャンネルを利用し、明るさが相対的に明るい低いディミングレベルに該当する区間では、10,000K乃至4,000Kの間に属する最も高い色温度を有する光と3,500K乃至2,500Kの間に属するその次に高い色温度を有する光とにより混合光が作られ、明るさが相対的に暗い高いディミングレベルに該当する区間では、3,500K乃至2,500Kの間に属する色温度を有する光と2,500K乃至1,000Kの間に属する最も低い色温度を有する光とにより混合光が作られる。このような3個の互いに異なる色温度を有するLEDチャンネルのうち連続する色温度のLEDチャンネルを順次に利用してディミングが行われるため、色度図上で黒体軌跡を類似して追う色表現が可能になる。
【0045】
より具体的に説明すると、既存のチューナブル(tunable)ホワイトLEDを利用する一般的な照明製品は、6,500K乃至2,700K範囲で明るさと色温度を独立に変化させることができるように構成されるが、この場合には
図2に示された色度図の黒体軌跡上で6,500Kに該当する座標と2,700Kに該当する座標とを連結する直線区間に沿って色表現が行われ、当該直線が黒体軌跡から大きく外れないため、黒体軌跡を類似して追う色表現が可能である。しかし、色温度の表現範囲をより広げるために2,500K以下まで領域を拡大すると、
図2に示されているように2,500K付近で黒体軌跡が大きく曲がるため、黒体軌跡を類似して追う色表現が不可である。例えば、
図13に示されているように、色度図上で黒体軌跡301上のほぼ6,500Kの座標601に該当する光とほぼ2,050Kの座標602に該当する光とを既に知られた方式のとおり混合すると、2個の座標601、602を連結する直線603上の座標を有する混合光が得られる。この時、直線603の相当部分の座標は黒体軌跡から大きく外れ、一部座標604の10-ステップのマクアダム楕円は黒体軌跡を外れるようになり、これによって黒体軌跡を類似して追う色表現をすることができない。また他の従来技術の例として、互いに異なる色の3個の光、例えば緑色光、青色光、そして赤色光を混合して色度図上の所望する軌跡、例えば黒体軌跡を追う色表現をするディミング技術があるが、このような既存の技術では3個の光の色度図上の座標を連結する三角形の全体領域内の色表現が可能であり、必要な場合には精密に黒体軌跡を追う色表現が可能であるが、ディミングに応じた明るさと色温度が互いに連動して制御されず、制御が複雑であり、照明システムの製造費用が大きく上昇するという問題がある。本発明はこのような問題を解決し、広い範囲の色温度表現が可能であると共に、黒体軌跡を類似して追う色表現を可能にする方法を提供し、本発明の実施例によるLED照明システムは、互いに異なる色温度を有する3個以上のLEDチャンネルを利用するが、区間別に色温度の大きさが隣接する2個のLEDチャンネルをそれぞれ利用することによって、黒体軌跡を類似して追いながら広い色温度範囲の色表現が可能になる。例えば、本発明の実施例では、
図12に示されているように、色度図上で黒体軌跡301上のほぼ6,500Kの座標501に該当する光、ほぼ3,000Kの座標502に該当する光、そしてほぼ1,750Kの座標503に該当する光を利用し、明るさが相対的に明るいディミング区間では色温度が高い座標501、502に該当する2個の光を混合し、明るさが相対的に低いディミング区間では色温度が低い座標502、503に該当する2個の光を混合することによって、広い色温度範囲にかけて黒体軌跡301を類似して追う2個の直線504、505上の色表現が可能である。
図2などに示された色度図において色温度を示す背景部分は白黒で表示されているが、通常使用される色度図の色温度と同一の分布を有すると理解され得る。
【0046】
以下、互いに異なる3個の色温度の光をそれぞれ発散する3個のLEDチャンネルを含む実施例について説明する。具体的な例として、互いに異なる色温度の光をそれぞれ生成する3個のLEDチャンネルを利用する二つの実施例、つまり、互いに異なる色温度を有するホワイト光をそれぞれ生成する3個のホワイトLEDチャンネルを使用する実施例、および互いに異なる色温度を有するホワイト光を生成する2個のホワイトLEDチャンネルおよびアンバー光を生成する一つのアンバーLEDチャンネルを使用する実施例について説明する。下表1と
図2乃至
図6は3個のホワイトLEDチャンネルを使用する実施例を説明するためのものであり、下表2と
図7乃至
図11は2個のホワイトLEDチャンネルと1個のアンバーLEDチャンネルを使用する実施例を説明するためのものである。これら二つの例は、本発明の実施例を説明するための例示的なものであり、LEDチャンネルの個数、生成される光の色温度などは多様に変更され得る。
【0047】
実施例1:ホワイト6,500K-ホワイト3,000K-ホワイト2,000K
色温度6,500K(Kelvin)のホワイト光を生成するLEDチャンネル、色温度3,000Kのホワイト光を生成するLEDチャンネル、そして色温度2,000Kのホワイト光を生成するLEDチャンネルが使用される。各LEDチャンネルは当該色温度のホワイト光を生成する1個以上のLEDを含むことができる。
【0048】
図2には3個のLEDチャンネルでそれぞれ生成される6,500Kのホワイト光の座標(x-yスケール)101、3,000Kのホワイト光の座標102、および2,000Kのホワイト光の座標103がCIE(International Commission on Illumination)カラーチャート上に表示された色度図(chromaticity diagram)が示されており、追加で黒体軌跡(black body locus)301が示されている。図面に示されているように、使用される3個のホワイト光は黒体軌跡301上の座標を有するホワイト光である。
【0049】
互いに異なる色温度の光を発散するLEDチャンネルが3個である場合、つまり、N=3である場合、N-1個、つまり、2個の制御区間に分割してディミング制御が行われる。ディミングレベルが低い相対的に明るい制御区間では色温度が高い隣接した2個の光、つまり、6,500Kのホワイト光および3,000Kのホワイト光を生成する2個のLEDチャンネルを利用して混合光が生成され、ディミングレベルが増加して相対的に暗い制御区間では色温度が低い隣接した2個の光、つまり、3,000Kのホワイト光および2,000Kのホワイト光を生成する2個のLEDチャンネルを利用して混合光が生成される。
【0050】
図3には相対的に明るい第1制御区間で6,500Kのホワイト光および3,000Kのホワイト光の混合により得られ得る光の座標軌跡111が示されており、軌跡111の一座標112が例示的に表示されている。この時、6,500Kのホワイト光および3,000Kのホワイト光の混合により得られ得る光の座標の軌跡111は、6,500Kのホワイト光の座標101および3,000Kのホワイト光の座標102を連結する直線と一致する。
図3に図面符号113により指示された楕円は、混合光の座標112の光の10-ステップのマクアダム楕円を示す。本発明の実施例では隣接する色温度のLEDチャンネルで生成される光の混合により得られる混合光が色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するように構成され、これは
図3の混合光の座標軌跡111上の任意の座標での10-ステップのマクアダム楕円が黒体軌跡301の少なくとも一部を含むものと対等であると解釈され得る。
【0051】
一方、
図4には相対的に暗い第2制御区間で3,000Kのホワイト光および2,000Kのホワイト光の混合により得られ得る光の座標軌跡121が示されており、軌跡121の一座標122が例示的に表示されている。この時、3,000Kのホワイト光および2,000Kのホワイト光の混合により得られ得る光の座標の軌跡121は、3,000Kのホワイト光の座標102および2,000Kのホワイト光の座標103を連結する直線と一致する。
図4に図面符号123により指示された楕円は混合光の座標122の光の10-ステップのマクアダム楕円を示す。第1制御区間と同様に、第2制御区間でも隣接する色温度のLEDチャンネルで生成される光の混合により得られる混合光が色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するように構成され、これは
図4の混合光の座標軌跡121上の任意の座標での10-ステップのマクアダム楕円が黒体軌跡301の少なくとも一部を含むものと対等であると解釈され得る。
【0052】
隣接する色温度の光の混合により得られ得る混合光が黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するようにすることによって、ディミング進行中に黒体軌跡に近似する混合光が維持され得る。
【0053】
表1は6,500Kホワイト光、3,000Kホワイト光、2,000Kホワイト光を利用してディミングレベルに応じた目標明るさと目標色温度を具現するための各光の明るさを例示的に示す。表1で各ホワイト光の明るさは目標明るさと目標色温度を達成することができる値で計算されたものであり、小数第二位を四捨五入した値で記載されている。ディミングレベルのNoはディミングレベルの各段階を順次にナンバリングしたものであり、%値はディミング段階を100%から0%まで同一の大きさで順次に減少させた値である。例えば、目標明るさは各光の明るさを合算した値であり、目標色温度は各光の色温度の明るさの大きさに応じた加重平均値で概略的に算出され、各光の明るさはこれら条件を満たす値で決定され得る。
【0054】
【表1】
一方、
図5は、表1のディミングレベル別の目標明るさと目標色温度の百分率をグラフでそれぞれ示したものであり、
図6は、表1のディミングレベル別の各光の明るさをグラフで示したものである。表1で目標明るさは最も低いディミングレベルであるディミングレベルNo.1でシステムの最大明るさに設定され、最も高いディミングレベルであるディミングレベルNo.21で消灯されると設定されており、
図5では目標明るさが最大明るさに対する当該ディミングレベルの明るさの百分率で示されている。表1で目標色温度はディミングレベルNo.1で使用される3個の光のうち最も高い色温度である6,500Kに設定されており、ディミングレベルNo.21で最も低い色温度である2,000Kに設定されており、
図6には目標明るさが6,500Kの色温度を100%にし、2,000Kの色温度を0%にした時、各ディミングレベルの目標色温度の百分率で示されている。表1、
図5および
図6を参照すると、互いに異なる3個(N=3)のLEDチャンネルを用いてディム・トゥ・ウォーム機能を具現する時、2個(N-1)の制御区間C11、C12に分割してディミング制御が行われる。
図5および
図6で横軸はディミングレベルの百分率を示し、最も右側の100%が最大明るさに点灯された最も低いディミングレベルに該当し、原点の0%が消灯された最も高いディミングレベルに該当する。つまり、ディミングレベルの増加により
図5および
図6で横軸の右側から左側に移動する経路に従うようになる。
【0055】
まず、第1制御区間C11では最も高い色温度を有する6,500Kの光とその次に高い色温度を有する3,000Kの光とを混合して混合光を生成する。第1制御区間C11はディミングレベル100%から25%までの区間である。第1制御区間C11でディミングレベルの増加により相対的に高い色温度を有する6,500Kホワイト光の明るさは徐々に減少させ、相対的に低い色温度を有する3,000Kホワイト光の明るさは徐々に増加させてから再び減少させる。
【0056】
次に、第2制御区間C12で中間色温度を有する3,000Kの光と最も低い色温度を有する2,000Kの光とを混合して混合光を生成する。第2制御区間C12はディミングレベル20%から0%までの区間である。この制御区間C12でディミングレベルの増加により相対的に高い色温度を有する3,000Kホワイト光の明るさは徐々に減少させ、相対的に低い色温度を有する2,000K光の明るさは増加させてから減少させる。このように、各制御区間C11、C12でディミングレベルが増加する時、隣接する2個のLEDチャンネルのうち、色温度が高いLEDチャンネルの明るさを徐々に減少させ、色温度が低いLEDチャンネルの明るさを徐々に増加させてから減少させることによって、明るさの百分率が
図5に示されているようにディミングレベルの増加により非線形的に減少する傾向を有するようになる。明るさの百分率が
図5に示されているようにディミングレベルの線形的変化により非線形的に変化すると、ユーザーは明るさがディミングレベルの線形的変化により線形的に変化すると認識するようになる。これは人間の肉眼が相対的に明るい時は明るさ変化に鈍感であり、相対的に暗い時は明るさ変化に敏感であるという点に起因する。相対的に明るい低いディミングレベルではディミングレベルの変化により明るさ変化を大きくすることによってユーザーは明るさがディミングレベルの線形的変化に合わせて類似する線形的変化をすると認識するようになる。これによって、ディミングレベルの線形的変化に対応して明るさが線形的に変化すると認識され得る高品質の照明システムが提供され得る。
【0057】
2個の制御区間C11、C12でディミングレベルの変化に応じた前記のような各光の明るさの変化により
図5に示されているように目標明るさの百分率はディミングレベルにより非線形的に変化し、目標色温度の百分率はディミングレベルにより線形的に変化するようにすることができる。例えば、目標明るさの百分率は、ディミングレベルに対する二次以上の多項関数または指数関数の形態に非線形的に変化し、目標色温度の百分率は、一次関数の形態に変化するようにすることができる。特に目標明るさの百分率をディミングレベルにより非線形的に変化するようにすることによって、ディミング過程中に明るさ変化がディミングレベルの線形的変化により線形的に変化すると肉眼により認識されるように作ることができる。
【0058】
実施例2:ホワイト6,500K-ホワイト2,700K-アンバー1,700K
色温度6,500K(Kelvin)のホワイト光を生成するLEDチャンネル、色温度2,700Kのホワイト光を生成するLEDチャンネル、そして色温度1,700Kのアンバー光を生成するLEDチャンネルが使用される。各LEDチャンネルは当該色温度のホワイト光またはアンバー光を生成する1個以上のLEDを含むことができる。前記実施例1に関する説明と重複する説明は省略する。本発明の他の実施例ではアンバー系の光の代わりにレッド系の光が使用されることもできる。
【0059】
図7には3個のLEDチャンネルでそれぞれ生成される6,500Kのホワイト光の座標201、2,700Kのホワイト光の座標102、および1,700Kのホワイト光の座標203がCIEカラーチャート上に表示された色度図が示されており、追加で黒体軌跡301が示されている。図面に示されているように、使用される2個のホワイト光は黒体軌跡301上の座標を有するホワイト光であり、アンバー光は黒体軌跡301上の一座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置する座標を有する光である。
【0060】
実施例1と同様に、2個の制御区間に分割してディミング制御が行われる。ディミングレベルが低い相対的に明るい制御区間では、色温度が高い隣接した2個の光、つまり、6,500Kのホワイト光および2,700Kのホワイト光を生成する2個のLEDチャンネルを利用して混合光が生成され、ディミングレベルが増加して相対的に暗い制御区間では、色温度が低い隣接した2個の光、つまり、2,700Kのホワイト光および1,700Kのアンバー光を生成する2個のLEDチャンネルを利用して混合光が生成される。
【0061】
図8には相対的に明るい第1制御区間で6,500Kのホワイト光および2,700Kのホワイト光の混合により得られ得る光の座標軌跡211が示されており、軌跡211の一座標212が例示的に表示されている。この時、6,500Kのホワイト光および2,700Kのホワイト光の混合により得られ得る光の座標の軌跡211は、6,500Kのホワイト光の座標201および2,700Kのホワイト光の座標202を連結する直線と一致する。
図8に図面符号213により指示された楕円は、混合光の座標212の光の10-ステップのマクアダム楕円を示す。本発明の実施例では隣接する色温度のLEDチャンネルで生成される光の混合により得られる混合光が色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するように構成され、これは
図8の混合光の座標軌跡211上の任意の座標での10-ステップのマクアダム楕円が黒体軌跡301の少なくとも一部を含むものと対等であると解釈され得る。
【0062】
一方、
図9には相対的に暗い第2制御区間で2,700Kのホワイト光および1,700Kのアンバー光の混合により得られ得る光の座標軌跡221が示されており、軌跡221の一座標222が例示的に表示されている。この時、2,700Kのホワイト光および1,700Kのアンバー光の混合により得られ得る光の座標の軌跡221は、2,700Kのホワイト光の座標202および1,700Kのアンバー光の座標203を連結する直線と一致する。
図9に図面符号223により指示された楕円は、混合光の座標222の光の10-ステップのマクアダム楕円を示す。第1制御区間と同様に、第2制御区間でも隣接する色温度のLEDチャンネルで生成される光の混合により得られる混合光が色度図上で黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するように構成され、これは
図9の混合光の座標軌跡221上の任意の座標での10-ステップのマクアダム楕円が黒体軌跡301の少なくとも一部を含むものと対等であると解釈され得る。
【0063】
隣接する色温度の光の混合により得られ得る混合光が黒体軌跡上の座標で10-ステップのマクアダム楕円内に位置するようにすることによって、ディミング進行中に黒体軌跡に近似する混合光が維持され得る。
【0064】
表2は6,500Kホワイト光、2,700Kホワイト光、1,700Kアンバー光を利用してディミングレベルに応じた目標明るさと目標色温度を具現するための各光の明るさを例示的に示す。表2で各光の明るさは目標明るさと目標色温度を達成できる値で計算されたものであり、小数第二位を四捨五入した値で記載されている。
【0065】
【表2】
一方、
図10は、表2のディミングレベル別の目標明るさと目標色温度の百分率をグラフでそれぞれ示したものであり、
図11は、表2のディミングレベル別の各光の明るさをグラフで示したものである。
【0066】
表2、
図10および
図11を参照すると、実施例1と同様に、2個の制御区間C21、C22に分割してディミング制御が行われる。まず、第1制御区間C21では、最も高い色温度を有する6,500Kの光とその次に高い色温度を有する2,700Kの光とを混合して混合光を生成する。第1制御区間C21はディミングレベル100%から40%までの区間である。第1制御区間C21でディミングレベルの増加により相対的に高い色温度を有する6,500Kホワイト光の明るさは徐々に減少させ、相対的に低い色温度を有する2,700Kホワイト光の明るさは徐々に増加させてから再び減少させる。次に、第2制御区間C22で中間色温度を有する2,700Kの光と最も低い色温度を有する1,700Kの光とを混合して混合光を生成する。第2制御区間C22はディミングレベル35%から0%までの区間である。この制御区間C22でディミングレベルの増加により相対的に高い色温度を有する2,700Kホワイト光の明るさは徐々に減少させ、相対的に低い色温度を有する1,700Kのアンバー光の明るさは増加させてから減少させる。このような各光の明るさ制御により、前述したとおり、明るさの百分率がディミングレベルの線形的変化により非線形的に変化する傾向を有することができ、これによって、ユーザーは明るさがディミングレベルの線形的変化に合わせて類似する線形的変化をすると認識するようになる。
【0067】
以上で本発明の実施例を説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、本発明の実施例から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更および修正を含む。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、LED照明システムに関し、照明装置に適用され得るため、産業上の利用可能性がある。