(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】スケーリング方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04L 41/40 20220101AFI20250110BHJP
H04L 41/0897 20220101ALI20250110BHJP
【FI】
H04L41/40
H04L41/0897
(21)【出願番号】P 2023539985
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(86)【国際出願番号】 CN2020141795
(87)【国際公開番号】W WO2022141293
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】李 世涛
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/099035(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/222595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想化ネットワーク機能VNFスケーリング方法であって、前記方法は、
VNFMによって、NFVOからVNFスケールアウト要求を受信するステップであって、前記要求が、VNFインスタンス情報、ならびにスケール態様およびステップを示すインジケーション情報を含む、ステップと、
前記VNFMによって前記VNFスケールアウト要求に基づき、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定するステップと、
前記VNFMによって、前記VDUおよび前記対応するサブネットの生成をVIM
に要求するステップと
を含む、仮想化ネットワーク機能VNFスケーリング方法。
【請求項2】
前記VNFMによって前記VNFスケールアウト要求に基づき、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定する前記ステップは、
前記VNFMによって、対応するVNFDを前記VNFインスタンス情報に基づいて見つけ、前記インジケーション情報に基づいて前記VNFDに問い合わせて、生成される必要がある前記VDUおよび前記対応するサブネットに関する前記情報を決定するステップを含み、
前記VNFDは、スケール態様パラメータ情報およびスケールステップパラメータ情報を含み、前記スケールステップパラメータ情報は、サブネット情報を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サブネット情報は、以下の、サブネットの量、ならびに各サブネットに割り当てられることが可能なIPアドレスのタイプおよび範囲、のうちの1つまたは複数を含む請求
項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スケールステップパラメータ情報は、前記生成されたVDUが前記サブネットに接続されているかどうかを示すパラメータをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記VNFMによって、リンクポート(linkport)の生成を前記VIM
に要求するステップをさらに含み、前記VDUは、前記リンクポートを介して前記サブネットに接続される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記VNFMによって、VNFスケールイン要求をNFVOから受信するステップであって、前記要求が、VNFインスタンス情報、ならびにスケール態様およびステップを示すインジケーション情報を含む、ステップと、
前記VNFMによって前記VNFスケールイン要求に基づいて、削除される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定するステップと、
前記VNFMよって前記VIM
に、前記VDUおよび前記対応するサブネットの削除を要求するステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記VNFMによって前記VNFスケールイン要求に基づき、削除される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定する前記ステップは、
前記VNFMによって、対応するVNFDを前記VNFインスタンス情報に基づいて見つけ、前記インジケーション情報に基づいて前記VNFDに問い合わせて、削除される必要がある前記VDUおよび前記対応するサブネットに関する前記情報を決定するステップを含み、
前記VNFDは、スケール態様パラメータ情報およびスケールステップパラメータ情報を含み、前記スケールステップパラメータ情報は、サブネット情報を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サブネット情報は、以下の、サブネットの量、ならびに各サブネットに割り当てられることが可能なIPアドレスのタイプおよび範囲、のうちの1つまたは複数を含む請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークサービスNSスケーリング方法であって、前記方法は、
NFVOによって、NSスケールアウト要求を受信するステップであって、前記要求が、NSインスタンス情報、ならびにスケール態様およびステップを示すインジケーション情報を含む、ステップと、
前記NFVOによって前記NSスケールアウト要求に基づき、生成される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定するステップと、
前記NFVOによって、前記VNFおよび前記対応するサブネットの生成をVIM
にVNFMを介して要求するステップと
を含む、ネットワークサービスNSスケーリング方法。
【請求項10】
前記NFVOによって前記NSスケールアウト要求に基づき、生成される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定する前記ステップは、
前記VNFMによって、対応するNSDを前記NSインスタンス情報に基づいて見つけ、前記インジケーション情報に基づいて前記NSDに問い合わせて、生成される必要がある前記VNFおよび前記対応するサブネットに関する前記情報を決定するステップを含み、
前記NSDは、スケール態様パラメータ情報およびスケールステップパラメータ情報を含み、前記スケールステップパラメータ情報は、サブネット情報を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サブネット情報は、以下の、サブネットの量、ならびに各サブネットに割り当てられることが可能なIPアドレスのタイプおよび範囲、のうちの1つまたは複数を含む請求
項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スケールステップパラメータ情報は、前記生成されたVNFが前記サブネットに接続されているかどうかを示すパラメータをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記VNFMによって、リンクポート(linkport)の生成を前記VIM
に要求するステップをさらに含み、前記VNFは、前記リンクポートを介して前記サブネットに接続される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記NFVOによって、NSスケールイン要求を受信するステップであって、前記要求が、NSインスタンス情報、ならびにスケール態様およびステップを示すインジケーション情報を含む、ステップと、
前記NFVOによって前記NSスケールイン要求に基づいて、削除される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定するステップと、
前記NFVO
によって前記VIM
に、VNFMを介して前記VNFおよび前記対応するサブネットの削除を要求するステップと
をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記NFVOによっ
てNSスケールイン要求に基づき、削除される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定する前記ステップは、
前記VNFMによって、対応するNSDを前記NSインスタンス情報に基づいて見つけ、前記インジケーション情報に基づいて前記NSDに問い合わせて、削除される必要がある前記VNFおよび前記対応するサブネットに関する前記情報を決定するステップを含み、
前記NSDは、スケール態様パラメータ情報およびスケールステップパラメータ情報を含み、前記スケールステップパラメータ情報は、サブネット情報を含む請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記サブネット情報は、以下の、サブネットの量、ならびに各サブネットに割り当てられることが可能なIPアドレスのタイプおよび範囲、のうちの1つまたは複数を含む請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の前記方法を実施するように構成されたモジュールを備える、スケーリング装置。
【請求項18】
プロセッサを備えるスケーリング装置であって、前記プロセッサはメモリに結合され、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記装置が請求項1乃至8のいずれか一項に記載の前記方法を実施することを可能にするために、前記メモリ内の前記コンピュータプログラムを呼び出すように構成される、スケーリング装置。
【請求項19】
請求項9乃至16のいずれか一項に記載の前記方法を実施するように構成されたモジュールを備える、スケーリング装置。
【請求項20】
プロセッサを備えるスケーリング装置であって、前記プロセッサはメモリに結合され、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記装置が請求項9乃至16のいずれか一項に記載の前記方法を実施することを可能にするために、前記メモリ内の前記コンピュータプログラムを呼び出すように構成される、スケーリング装置。
【請求項21】
NFVO、VNFM、およびVIMを備えるスケーリングシステムであって、前記VNFMは、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、スケーリングシステム。
【請求項22】
NFVO、VNFM、およびVIMを備えるスケーリングシステムであって、前記NFVOは、請求項9乃至16のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、スケーリングシステム。
【請求項23】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されたときに、請求項1乃至
8または請求項9乃至16のいずれか一項に記載の前記方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ネットワーク機能仮想化(Network Function Virtualization,NFV)の分野に関し、詳細には、仮想化ネットワーク機能(Virtualized Network Function,VNF)またはネットワークサービス(Network Service,NS)スケーリング(Scaling)方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク機能仮想化(NFV,Network Function Virtualization)とは、ネットワークサービス(NS,Network Service)の迅速で効率的な配備および動作を実装するために、およびネットワーク投資支出CAPEXおよび運用支出OPEXを低減させるために、情報技術(IT,Information Technology)分野の仮想化技術を使用することによって、電気通信ネットワーク事業者が共通のサーバ、スイッチ、ストレージデバイスのいくつかの電気通信ネットワーク機能(コアネットワーク機能など)に対して、ソフトウェアとハードウェアの分離を実施する技術のことである。NFV技術に基づいて、電気通信ネットワーク機能は、ソフトウェアの形で実装され、共通サーバハードウェア上で実行されることが可能であり、また、新たな装置を設置する必要なしに、必要に応じてネットワークの異なる物理的位置に移動され、インスタンス化され(Instantiated)、配備されることが可能である。
【0003】
図1は、既存のETSI NFV標準で提供されるVNF記述子または記述テンプレート(VNF記述子、VNFD)設計インスタンスを示す。VNFDは、2つの仮想化配備ユニット(Virtualization Deployment Unit,VDU)、すなわち、VDU_1およびVDU_2を含む。各VDUは、CP_1とCP_2を記述または定義するために使用される1つの接続点記述子または記述テンプレート(Connection Point Descriptor,CPD)と、仮想リンク(Virtual Link,VL)を記述または定義するために使用される1つの仮想リンク記述子または記述テンプレート(Virtual Link Descriptor,VLD)とに関連付けられており、VLはVDU_1とVDU_2を接続するために使用される。
【0004】
CP_1に含まれる情報は以下のようであってよい。
address_data:
address_type: ip_address
l3_address_data:
ip_address_assignment:真
floating_ip_activated:真
ip_address_type:ipv4
number_of_ip_address:6
【0005】
前述の情報は、CP_1のIPアドレス要件に関する情報を記述しており、ip_address_typeパラメータは、CPで必要とされるIPアドレスタイプがipv4であることを示し、number_of_ip_addressパラメータは、CPで必要とされるIPアドレスの最小数が6であることを示している。
【0006】
同様の情報がCP_2に含まれ、以下のようであってよい。
address_data:
address_type:ip_address
l3_address_data:
ip_address_assignment:真
floating_ip_activated:真
ip_address_type:ipv4
number_of_ip_address:10
【0007】
前述の情報は、CP_2のIPアドレス要件に関する情報を記述しており、ip_address_typeパラメータは、CPで必要とされるIPアドレスタイプがipv4であることを示し、number_of_ip_addressパラメータは、CPで必要とされるIPアドレスの最小数が10であることを示している。
【0008】
VLDに含まれる情報は以下のようであってよい。
vl_profile:
virtual_link_protocol_data:
-associated_layer_protocol:イーサネット
l2_protocol_data:
network_type:vlan
-associated_layer_protocol:ipv4
l3_protocol_data:
ip_version:ipv4
ip_allocation_pools:
- start_ip_address:192.168.1.1
- end_ip_address:192.168.1.100
【0009】
前述の情報は、VDU間のネットワーク接続の要件情報を記述しており、要件情報は、レイヤ2ネットワーク情報l2_protocol_data、およびレイヤ3ネットワーク情報l3_protocol_dataを含む。l3_protocol_dataは、レイヤ3ネットワーク接続がipv4に基づいていることを示し、ip_allocation_poolsは、レイヤ3ネットワークのIPアドレスリソースプールに関する情報を定義しており、IPアドレスリソースプールが100個のIPアドレスを含むことを知るために、開始IPアドレスは192.168.1.1であり、最終IPアドレスは192.168.1.100である。
【0010】
VNFDはさらに、スケーリング情報を含む。たとえば、2つのスケーリングレベルが以下のように定義され得る。
1.VDU_1の3つのインスタンス、およびVDU_2の4つのインスタンスと、
2.VDU_1の6つのインスタンス、およびVDU_2の8つのインスタンス。
【0011】
レベル1では、3つのVDU_1で必要とされるIPアドレスの量は3×6=18と計算され、4つのVDU_2で必要とされるIPアドレスの量は4×10=40と計算され得る。したがって、必要とされるIPアドレスの総量は18+40=58となる。これらのVDUインスタンスは、VLDを使用して生成されたVLにすべて接続される。VLに含まれるIPアドレスプールは合計100個のIPアドレスを含むので、IPアドレス割り当て要件が満たされることが可能である。
【0012】
レベル2では、6つのVDU_1で必要とされるIPアドレスの量は6×6=24と計算され、8つのVDU_2で必要とされるIPアドレスの量は8×10=80と計算され得る。したがって、必要とされるIPアドレスの総量は24+80=104となる。これらのVDUインスタンスは、VLDを使用して生成されたVLにすべて接続される。VLに含まれるIPアドレスプールは合計100個のIPアドレスを含む。この場合、明らかに、VLはIPアドレス割り当て要件を満たすことができない。
【0013】
現在の標準規格で定義されているVNFD、またはネットワークサービス記述子もしくはネットワークサービス記述テンプレート(Network Service Descriptor,NSD)については、特にスケーリングシナリオについては、VDUまたはVNFの量の増加だけが考慮されており、VLについては、接続帯域幅だけが調整されており、割り当てられることが可能なIPアドレスの量などの他の因子は考慮されていない。VNFDまたはNSDは、VNF配備またはNS配備の初期段階で設計される。VLのために大きいIPアドレスリソースプールを直接計画することは、無駄が生じることがあるので(IPアドレスリソースプールは、特定のレベルへのスケーリングアウト時にだけ使用される)、また、たとえ計画されたIPアドレスリソースプールが大きくても、スケーリング時にIPアドレスが不足し得るので、困難である。
【発明の概要】
【0014】
本発明の実施形態は、従来技術のVNFまたはNSのスケーリング処理において割り当てられるIPアドレスの不足を回避するためのスケーリング方法および装置を提供する。
【0015】
前述の目的を達成するために、以下の技術的解決策が本出願の実施形態に使用される。
【0016】
第1の態様によれば、本出願の実施形態は、以下を含むスケーリング方法を提供する。すなわち、VNFMが、NFVOからVNFスケールアウト要求を受信し、この要求は、VNFインスタンス情報と、スケール態様およびステップを示すインジケーション情報とを含み、VNFMは、VNFスケールアウト要求に基づいて、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定し、VNFMは、VDU、およびVIMからの対応するサブネットの生成を要求する。
【0017】
可能な実装では、VNFMが、VNFスケールアウト要求に基づいて、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定することは、以下を含む。すなわち、VNFMは、対応するVNFDをVNFインスタンス情報に基づいて見つけ、インジケーション情報に基づいてVNFDに問い合わせて、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定する。VNFDは、スケール態様パラメータ情報およびスケールステップパラメータ情報を含み、このスケールステップパラメータ情報はサブネット情報を含む。
【0018】
可能な実装では、サブネット情報は、以下の、サブネットの量、ならびに各サブネットに割り当てられることが可能なIPアドレスのタイプおよび範囲、のうちの1つまたは複数を含む。スケールステップパラメータ情報は、生成されたVDUがサブネットに接続されているかどうかを示すパラメータをさらに含む。
【0019】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は、以下を含むスケーリング方法を提供する。NFVOがNSスケールアウト要求を受信し、この要求は、NSインスタンス情報と、スケール態様およびステップを示すインジケーション情報とを含み、NFVOは、NSスケールアウト要求に基づいて、生成される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定し、NFVOは、VNF、およびVIMからの対応するサブネットの生成を、VNFMを介して要求する。
【0020】
可能な実装では、NFVOが、NSスケールアウト要求に基づいて、生成される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定することは、以下を含む。すなわち、VNFMは、対応するNSDをNSインスタンス情報に基づいて見つけ、インジケーション情報に基づいてNSDに問い合わせて、生成される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定する。NSDは、スケール態様パラメータ情報およびスケールステップパラメータ情報を含み、このスケールステップパラメータ情報はサブネット情報を含む。
【0021】
第3の態様によれば、本出願の実施形態は、第1の態様または第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つによる方法を実装するために、通信装置を提供する。装置は、前述の方法を実施するように構成された対応するユニットまたはコンポーネントを含む。装置に含まれるユニットは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって実装されてもよい。装置は、たとえば、端末、もしくはチップ、チップシステム、または前述の方法を実装する際に端末をサポートすることができるプロセッサであってもよい。
【0022】
第4の態様によれば、本出願の実施形態は、第2の態様または第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つによる方法を実装するために、通信装置を提供する。装置は、前述の方法を実施するように構成された対応するユニットまたはコンポーネントを含む。装置に含まれるユニットは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアによって実装されてもよい。装置は、たとえば、ネットワークデバイス、もしくはチップ、チップシステム、または前述の方法を実装する際にネットワークデバイスをサポートすることができるプロセッサであってもよい。
【0023】
第5の態様によれば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令が実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つによる方法を実施することが可能にされる。
【0024】
第6の態様によれば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムまたは命令を記憶する。コンピュータプログラムまたは命令が実行されると、コンピュータは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のうちのいずれか1つによる方法を実施することが可能にされる。
【0025】
第7の態様によれば、本出願の実施形態は、スケーリングシステムを提供する。このシステムは、第1の態様または第2の態様の任意の可能な方法でNFVO、VNFM、およびVIMによって実施されるステップを実装するようにそれぞれ構成されているNFVO、VNFM、およびVIMを含む。
【0026】
上記で提供される任意の通信装置、チップ、コンピュータ可読媒体、コンピュータプログラム製品、通信システムなどは、上記で提示された対応する方法を実施するように構成されていると理解されてよい。したがって、通信装置、チップ、コンピュータ可読媒体、コンピュータプログラム製品、通信システムなどによって達成されることが可能である有益な効果は、従来技術でVNFまたはNSがスケールアウトされたときに割り当てられるIPアドレスの不足を回避すること、および従来技術で大きいIPアドレスリソースプールを直接定義することに起因するリソースの浪費を回避することである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来技術のVNFD設計インスタンスの概略図である。
【
図2】本出願の実施形態によるNFVネットワークシステムのアーキテクチャの概略図である。
【
図3】本出願の実施形態による各NFVネットワーク要素の通信装置のハードウェア構造の概略図である。
【
図4】本出願の実施形態1によるスケーリング(スケーリングアウト)方法の概略的なフローチャートである。
【
図5】本出願の実施形態2によるスケーリング(スケーリングアウト)方法の概略的なフローチャートである。
【
図6】本出願の実施形態3によるスケーリング(スケーリングイン)方法の概略的なフローチャートである。
【
図7】本出願の実施形態4によるNSD設計インスタンスの概略図である。
【
図8】本出願の実施形態4によるスケーリング(スケーリングアウト)方法の概略的なフローチャートである。
【
図9】本出願の実施形態5によるスケーリング(スケーリングイン)方法の概略的なフローチャートである。
【
図10】本出願の実施形態による通信装置の構造を示す概略図である。
【
図11】本出願の実施形態による通信システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付の図面を参照して、本出願の実施形態の実装を詳細に説明する。
【0029】
図2は、本出願の実施形態によるNFVシステム20のアーキテクチャの概略図である。NFVシステム20は、たとえば、データセンタ(
図2に示されるデータセンタ201またはデータセンタ206)、オペレータネットワーク、またはローカルエリアネットワークとして実装される、様々なネットワークで使用され得る。NFVシステム20は、NFV管理およびオーケストレーションシステム(NFV management and orchestration,NFV MANO)201、NFVインフラストラクチャ(NFV infrastructure,NFVI)202、複数のVNF203、複数のエレメント管理(element management,EM)204、および運用サポートシステム/業務サポートシステム(operation support system/business support system,OSS/BSS)205を含む。
【0030】
NFV MANO 201は、NFVI 202およびVNF 203を監視および管理するように構成され得る。NFV MANO 201は、NFVオーケストレータ(NFV orchestrator,NFVO)2011、1つまたは複数のVNFマネージャ(VNF managers,VNFMs)2012、およびVIM 2013を含み得る。NFVO 2011は、仮想化サービスのライフサイクルを管理し、仮想リソースをNFVI 202内で割り当ておよびスケジューリングするようになど、構成され得る。さらに、NFVO 2011は、リソース関連要求を実行するために、1つまたは複数のVNFM 2012と通信することもある。NFVO 2011はさらに、VNF203のステータス情報を収集するために、VNFM2012に構成情報を送信することもある。加えて、NFVO 2011 は、リソースの割り当ておよび/または予約を実施し、仮想化ハードウェアリソースの構成情報およびステータス情報を交換するために、VIM 2013とさらに通信することもある。VNFM2012は、1つまたは複数のVNFのライフサイクルを管理するように、たとえば、VNF203をインスタンス化(instantiate)し、VNF203を更新(update)し、VNF203に問い合わせ(query)し、VNF203をスケーリング(scale)し、VNF203を終了(terminate)させるように、構成され得る。さらに、VNFM 2012は、VNFライフサイクル管理を完了し構成情報およびステータス情報を交換するために、VNF203と通信することもある。複数のVNFMがNFVシステムに含まれ得る。異なるVNFMが、異なるタイプのVNFのライフサイクルを管理することができる。VIM 2013は、VNF 203と、コンピューティングハードウェア2024、ストレージハードウェア2025、ネットワークハードウェア2026、仮想コンピューティング(virtual computing)2021、仮想ストレージ2022、および仮想ネットワーク2023との間の相互作用を制御および管理し得る。たとえば、VIM 2013は、インフラストラクチャリソースを管理すること、および機能(たとえば、NFVI障害情報を収集すること)を割り当て(たとえば、リソースを仮想コンテナへ追加し)実行することを含む、リソース管理機能を実施し得る。VNFM 2012とVIM 2013は、リソースの割り当てを要求する、仮想化ハードウェアリソースの構成情報およびステータス情報を交換する、などのために互いに通信し得る。
【0031】
図2のNFVI 202は、ハードウェアリソースレイヤ、仮想化レイヤ(virtualization layer)、および仮想リソースレイヤを含む。仮想化環境の配備は、NFVI 202に含まれるハードウェアリソース、ソフトウェアリソース、またはハードウェアリソースとソフトウェアリソースの組み合わせに基づいて完了される。言い換えれば、ハードウェアリソースレイヤおよび仮想化レイヤは、VNF 203に使用されるべき仮想化リソース(たとえば、別の形の仮想マシンおよび仮想コンテナ)を提供するために使用される。ハードウェアリソースレイヤは、コンピューティング(computing)ハードウェア2024、ストレージハードウェア2025、およびネットワークハードウェア2026を含む。コンピューティングハードウェア2024は、市販されている既存のハードウェア、および/またはユーザカスタム化ハードウェアであってよく、処理およびコンピューティングリソースを提供するように構成されている。ストレージハードウェア2025は、ネットワークで提供されるストレージ容量、またはストレージハードウェア2025のストレージ容量(サーバ内のローカルメモリ)であってよい。実装解決策では、コンピューティングハードウェア2024およびストレージハードウェア2025のリソースは、集中化されることがある。ネットワークハードウェア2026は、スイッチ、ルータ、および/またはスイッチング機能を有するように構成されている任意の他のネットワークデバイスであってよい。ネットワークハードウェア2026は、複数のドメインにわたってもよく、1つまたは複数のトランスポートネットワークによって相互接続された複数のネットワークを含み得る。NFVI 202内の仮想化レイヤは、ハードウェアリソースを物理レイヤから抽象化し、VNF 203を切り離して、仮想化リソースをVNF 203に提供し得る。仮想リソースレイヤは、仮想コンピューティング2021、仮想ストレージ2022、および仮想ネットワーク2023を含む。仮想コンピューティング2021および仮想ストレージ2022は、仮想マシンおよび/または別の仮想コンテナの形でVNF 203に提供され得る。たとえば、1つまたは複数のVNF 203は、1つの仮想マシン(virtual machine,VM)に配備されてもよい。仮想化レイヤは、ネットワークハードウェア2026を抽象化して仮想ネットワーク2023を形成し、この仮想ネットワーク2023は仮想スイッチ(virtual switch)を含んでもよく、仮想スイッチは仮想マシン間を接続するように構成されている。
【0032】
ハードウェアに関して、コンピューティングハードウェア2024、ストレージハードウェア2025、およびネットワークハードウェア2026は、複数のサブラック、複数のラック、さらには複数の機器室を含むことがある。ソフトウェアに関しては、1つのVIM 2013が存在してもよく、または複数のVIMが存在し、異なるハードウェアリソースを別個に管理してもよい。
【0033】
EM 204は、従来の電気通信システムにおけるネットワーク要素構成および管理のためのシステムである。NFVシステムにおいて、EM 204はまた、VNFを構成および管理し、VNFMに対する新たなVNFのインスタンス化などのライフサイクル管理動作を開始するように構成され得る。
【0034】
OSS/BSS 205は、様々なエンドツーエンドの電気通信サービスをサポートする。OSSによってサポートされる管理機能は、ネットワーク構成、サービス提供、障害管理などを含む。BSSは、注文、支払い、収入などを処理するように構成されてもよく、製品管理、注文管理、収益管理、および顧客管理をサポートする。
【0035】
図2に示されたNFVシステム20は、単に例として使用されており、本出願の技法的解決策を限定するものではない。当業者には、特定の実装処理において、NFVシステム20が別のネットワーク要素をさらに含み得ること、およびネットワーク要素の量が特定の要件に基づいて決定されてもよいことが理解されるはずである。これは限定されない。
【0036】
任意選択で、本出願のこの実施形態における
図2の各ネットワーク要素、たとえば、NFVO 2011、VIM 2013、またはOSS/BSS 205は、装置内の機能モジュールであってもよい。機能モジュールは、ハードウェアデバイス内の要素、ハードウェア上で実行されるソフトウェア機能モジュール、またはプラットフォーム(たとえば、クラウドプラットフォーム)上でインスタンス化された仮想化機能であってもよいと理解されてよい。
【0037】
たとえば、
図2の各ネットワーク要素は、
図3の通信装置30によって実装され得る。
図3は、本出願の実施形態で使用されてもよい通信装置のハードウェア構造の概略図である。通信装置30は、少なくとも1つのプロセッサ301および少なくとも1つの通信インターフェイス304を含み、本出願の実施形態で提供される方法を実装するように構成される。通信装置30は、通信回線302およびメモリ303をさらに含み得る。
【0038】
プロセッサ301は、汎用中央処理装置(central processing unit,CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、または本出願の解決策のプログラム実行を制御するように構成された1つまたは複数の集積回路であってよい。
【0039】
通信ライン302は、前述のコンポーネント間で情報を転送するための経路、たとえばバスを含み得る。
【0040】
通信インターフェイス304は、他のデバイスまたは通信ネットワークと通信するように構成される。通信インターフェイス304は、トランシーバなどの任意の装置であってよく、たとえば、イーサネットインターフェイス、無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)インターフェイス、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)インターフェイス、トランシーバ、ピン、バス、またはトランシーバ回路であってもよい。
【0041】
メモリ303は、静的な情報および命令を記憶することができる読み出し専用メモリ(read-only memory,ROM)もしくは他のタイプのスタティックストレージデバイス、または情報および命令を記憶することができるランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)もしくは他のタイプのダイナミックストレージデバイスであってよく、または、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory,EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory,CD-ROM)もしくは他のコンパクトディスクストレージ媒体、光ディスクストレージ媒体(コンパクトディスク、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスクなどを含む)および磁気ディスクストレージ媒体もしくは他の磁気ストレージデバイス、または、予想されるプログラムコードを命令またはデータ構造の形で保持もしくは記憶するように構成されることが可能であり、コンピュータによってアクセス可能である他の任意の媒体であってもよいが、これらに限定されない。メモリは独立して存在してもよく、通信ライン302を介してプロセッサ301に結合される。メモリ303は、代替として、プロセッサ301と一体化されてもよい。本出願のこの実施形態で提供されるメモリは一般に、不揮発性であり得る。メモリ303は、本出願の実施形態において提供される解決策を実施するためのコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成され、プロセッサ301は、コンピュータ実行可能命令の実行を制御する。プロセッサ301は、メモリ303に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行して、本出願の実施形態で提供される方法を実装するように構成される。
【0042】
本出願の実施形態におけるコンピュータ実行可能命令は、アプリケーションプログラムコードと呼ばれることもある。これは、本出願の実施形態において特に限定されない。
【0043】
本出願のこの実施形態における結合は、電気的形式、機械的形式、または他の形式の装置、ユニットまたはモジュールの間の間接的結合または通信接続であってもよく、装置、ユニットまたはモジュールの間の情報交換のために使用される。
【0044】
実施形態において、プロセッサ301は、1つまたは複数のCPU、たとえば、
図3のCPU 0およびCPU 1を含み得る。
【0045】
実施形態において、通信装置30は、複数のプロセッサ、たとえば、
図3のプロセッサ301およびプロセッサ305を含み得る。プロセッサのそれぞれは、シングルコア(single-CPU)プロセッサであっても、マルチコア(multi-CPU)プロセッサであってもよい。本明細書のプロセッサは、データ(たとえば、コンピュータプログラム命令)を処理するように構成された1つまたは複数のデバイス、回路、および/または処理コアであってよい。
【0046】
通信装置30は、汎用デバイスであっても専用デバイスであってもよい。特定の実装では、通信装置30は、デスクトップコンピュータ、ネットワークサーバ、または
図3のものと同様の構造を有するデバイスであってもよい。本出願の実施形態において、通信装置30のタイプは限定されない。
【0047】
図4から
図9を参照して、以下では、本出願の実施形態で提供されるスケーリング方法について詳細に説明する。
【0048】
本出願の以下の実施形態におけるネットワーク要素間のメッセージの名称、メッセージ中のパラメータの名称などは単なる例であり、特定の実装には他の名称があり得ることに留意されたい。これは、本出願の実施形態において特に限定されない。
【0049】
本出願の実施形態において、「/」は、関連する対象物間の「または」関係を表し得ることに留意されたい。たとえば、A/Bは、AまたはBを表し得る。「および/または」は、関連する対象物間に3つの関係が存在することを表すために使用され得る。たとえば、Aおよび/またはBは、以下の3つの場合を表し得る。すなわち、Aだけが存在する、AとBの両方が存在する、およびBだけが存在する。AおよびBは単数形であっても複数形であってもよい。
【0050】
本出願の実施形態における技法的解決策を説明しやすくするために、本出願発明の実施形態では、「第1の」および「第2の」などの用語が、同一または同様の機能を伴う技法的特徴を区別するために使用されることがある。「第1の」および「第2の」などの用語は、量および実行順序を限定せず、「第1の」および「第2の」などの用語は、明確な差異を示さない。本出願の実施形態において、「例示的」または「たとえば」などの用語は、例、説明、または記述を表すために使用される。「例示的」または「たとえば」を用いて記述されるいかなる実施形態または設計方式も、別の実施形態または設計方式よりも好ましい、または多くの利点を有するとして説明されているものではない。「例示的」または「たとえば」などの用語の使用は、関連する概念を理解しやすいように特定の手法で提示するものである。
【0051】
本出願の実施形態では、技術的特徴について、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「A」、「B」、「C」、および「D」などの用語は、技法的特徴に関して技法的特徴を区別するために使用され、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「A」、「B」、「C」、および「D」によって記述される技法的特徴間には、時系列的順序またはサイズ順序がないことに留意されたい。
【0052】
本出願の実施形態において同じ機能を有している、同一ステップもしくはステップまたは技法的特徴は、異なる実施形態において相互に参照され得ると理解されてよい。
【0053】
本出願の実施形態において、NFVO、VIM、および/またはVNFMが、本出願の実施形態におけるステップの一部または全部を実施し得ると理解されてよい。これらのステップは単なる例である。本出願の実施形態において、別のステップ、または様々なステップの変形形態がさらに実施されてもよい。加えて、ステップは、本出願の実施形態で提示された順序とは異なる順序で実施されてもよく、また、本出願の実施形態におけるすべてのステップが実施される必要があるとは限らない。
【0054】
本出願の実施形態において、ネットワーク接続を確立するための方法の実行体の具体的な構成は、本出願の実施形態で提供される方法が実装されることが可能であれば、本出願の実施形態では特に限定されない。たとえば、本出願の実施形態で提供されるネットワーク接続を確立する方法は、NFVOによって、またはNFVOで使用されるコンポーネント、たとえばチップによって実施されてもよい。これは本出願では限定されない。代替として、本出願の実施形態で提供されるネットワーク接続を確立する方法は、VIMによって、またはVIMで使用されるコンポーネント、たとえばチップによって実施されてもよい。これは本出願では限定されない。代替として、本出願の実施形態で提供されるネットワーク接続を確立する方法は、VNFMによって、またはVNFMで使用されるコンポーネント、たとえばチップによって実施されてもよい。これは本出願では限定されない。以下の実施形態では、ネットワーク接続を確立する方法がNFVO、VIM、およびVNFMによって別個に実施される例が、説明のために用いられる。
【0055】
図4は、本発明の実施形態1のフローチャートである。実施形態1および実施形態2は両方とも、VNFスケーリング(「スケーリング」とも呼ばれる)におけるスケーリングアウト(Scale Out)処理を説明する。主な違いは、新たに生成されたVDUを新たに生成されたサブネットに接続する、または関連付ける必要があるかどうかにある。実施形態1では、接続または関連付けが要求され、実施形態2では、接続または関連付けが要求されない。
【0056】
以下では、実施形態1の具体的な実装ステップについて説明する。
【0057】
401。NFVOが、VNF専用のスケーリング要求(略して「VNFスケーリング要求」)をVNFMへ送信する。この実施形態において、要求は、具体的にはスケールアウト(Scale Out)要求であり、この要求は、VNFインスタンス情報(たとえば、VNFインスタンスID)と、スケール態様またはスケール範囲(Aspect)およびステップ(Step)を示すインジケーション情報とを含む。
【0058】
前述の専門用語または名称(態様およびステップなど)の具体的な意味については、既存のNFV標準規格(IFA011 v4.1.1など)の関連する説明を参照されたい。スケール態様(Aspect)を示すインジケーション情報は、主にAspectIdを含み、IDはVNFDで定義されたスケール態様に対応し、VNFDのスケール態様は、VDUおよびVLの名称、量および/または特徴などの特定の、および関連する情報を含む。ステップを示すインジケーション情報は主に、態様のスケーリングステップ、たとえば、ステップ1またはステップ2を含む。
【0059】
402。VNFMは、VNFスケールアウト要求を受信し、対応するVNFDを要求内のVNFインスタンス情報に基づいて見つけ、インジケーション情報に基づいてVNFDに問い合わせて、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定する。
【0060】
従来技術でVNFDに定義されている態様は、以下の表に示されるように、スケーリング詳細パラメータScalingDeltaを含む。
【0061】
【0062】
vduDeltaおよびvirtualLinkBitRateDeltaなどのパラメータが主に含まれる。vduDeltaパラメータは、主に関連VDUインスタンスの量である、VDUスケーリング詳細パラメータを表す。virtualLinkBitRateDeltaパラメータは、主に関連仮想リンクのビットレートである、仮想リンクスケーリング詳細パラメータを表す。
【0063】
本発明のこの実施形態では、既存のVNFDに含まれるScalingDelta中のvirtualLinkBitRateDeltaAspectパラメータが、以下のように変更され拡張される。
【0064】
【0065】
既存のVNFDのvirtualLinkBitRateDeltaの名称は、virtualLinkDeltaに変更されてもよく(または名称は変更されなくてもよい)、含まれる特定のパラメータは以下の通りである。
【0066】
【0067】
上記のNumberofSubnet、SubnetInfo、およびDedicatedOrNotは、本発明のこの実施形態で新たに追加されたパラメータである。
【0068】
異なるステップが、前述の拡張に基づいてVNFDで定義される。たとえば、以下の2つのステップが定義され得る。
ステップ1:VDU_1の合計3つのインスタンス、VDU_2の合計4つのインスタンス、および4GbpsのVLビットレートと、
ステップ2:VDU_1の合計6つのインスタンス、VDU_2の合計8つのインスタンス、および8GbpsのVLビットレート。
【0069】
加えて、ステップ2では、新たに追加されたパラメータ、すなわち、NumberofSubnet:N(Nは1以上の整数)と、SubnetInfo(コンテンツL3ProtocolDataを含む)と、DedicatedOrNot:真/偽とが含まれ、または関連付けられる。DedicatedOrNot:真/偽は任意選択(Optional)である。Nが1の場合、それは、1つのサブネットが生成される必要があることを示す。前述のパラメータL3ProtocolDataは、IPアドレスタイプおよび範囲を含む、サブネットを生成するのに必要とされる情報を以下のように定義する。
L3_Protocol_Data:
IP_version:L3ProtocolData
ip_allocation_pools
- start_ip_address:192.168.10.1
- end_ip_address:192.168.10.100
【0070】
Nが1よりも大きい場合には、SubnetInfoパラメータの量もまたNである。NumberofSubnetパラメータは任意選択であるため、NumberofSubnetパラメータがない場合には、追加されるべきサブネットの量がSubnetInfoパラメータの量と同じであり、1つのサブネットが、それに応じてSubnetInfoパラメータごとに追加される。
【0071】
DedicatedOrNot:真/偽は、新たに生成されたサブネットが、上記の新たに生成されたVDUと接続される、または関連付けられる必要があるかどうかを示す。真は、新たに生成されたサブネットが、新たに生成されたVDUと接続される、または関連付けられる必要があることを示す。偽は、新たに生成されたVDUインスタンスが、新サブネットインスタンスと関連付けられる必要がないことを示す。新たに生成されたVDUインスタンスはまず、VL内の既存のサブネットインスタンスと関連付けられてよく、サブネットインスタンスが得られない場合には、新サブネット情報と関連付けられてよい。実施形態1では、DedicatedOrNotの値は真である。
【0072】
VNFスケールアウト要求を受信した後、VNFMはまず、要求内のVNFインスタンス情報、たとえば、VNFインスタンスIDに基づいて、対応するVNFDを見つける。このVNFDは拡張VNFDである。次に、VNFMは、インジケーション情報に基づいてVNFDに問い合わせる。具体的には、VNFMは、インジケーション情報に含まれる態様IDに基づいてVNFDを検索して、スケール態様またはスケール範囲を決定する。次に、VNFMは、インジケーション情報中のステップ情報に基づいてVNFDを検索して、必要なスケールステップおよび関連するコンテンツを決定する。たとえば、VNFスケールアウト要求内の態様IDがID XXXである場合には、VNFMはVNFDを検索して、VNFD内のID XXXに対応する態様がVDU_1、VDU_2、およびVLを含むと決定する。加えて、VNFスケールアウト要求内のステップインジケーション情報がステップ2である場合には、VNFMはVNFDを検索して、前述の例のステップ2で、6つのVDU_1インスタンスおよび8つのVDU_2インスタンスが生成される必要があり、VLビットレートが8Gbpsであり、1つの新サブネットが生成される必要がある、と決定する。特定のインスタンス化パラメータがL3ProtocolDataに含まれ、新たに生成されたVDUは、サブネットと関連付けられる必要がある。新たに生成されたVDUの量は、対応するステップでのVDUの量から、スケーリングされていないVNFに含まれるVDUの量を差し引いたものである。この例では、合計6つのVDU_1インスタンスおよび8つのVDU_2インスタンスがステップ2で生成される必要がある。新たに生成されたVDU_1インスタンスおよびVDU_2インスタンスの量はそれぞれ、6であるVDU_1インスタンスンの量から、スケーリングされていないVNF内のVDU_1インスタンスの量(たとえば3)を差し引いたもの、および、8であるVDU_2インスタンスの量から既存のVNF内のVDU_2インスタンスの量(たとえば6)を差し引いたものである。この場合、新たに生成されたVDU_1インスタンスおよびVDU_2インスタンスの量はそれぞれ、3および2となる。生成されるべきサブネットの量を決定する手法は、前述の生成されるべきVDUのものとは異なる。NumberofSubnet:1は、1つの新サブネットが生成される必要があることを示し、既存のVNFの仮想リンクVL内の既存のサブネットの量は考慮されない。
【0073】
403。VNFMは、リソース付与要求を、言い換えれば、新VDUインスタンスリソースおよび新サブネットリソースを含む、生成される必要がありステップ402で決定されるリソースの生成を許可させる要求を、NFVOへ送信する。サブネットリソースについては、要求は以下を含む。
AddResource:
Type:Subnet
ResourceTemplateId:VLD(VNFD内のVLDのID)
L3ProtocolData
【0074】
404。NFVOは、許可承認メッセージをVNFMへ返し、このメッセージは、VIMアクセス情報などを保持する。
【0075】
405。VNFMは、新サブネットインスタンスの生成のために、ステップ402で決定されたサブネットに関する情報に基づいてVIMに適用され、このサブネットは、新IPアドレス範囲またはリソースプールに関する情報を含み、これは、たとえば、以下の通りであり得る。
- start_ip_address:192.168.10.1
- end_ip_address:192.168.10.100
【0076】
406。サブネットが生成された後、VIMは、サブネットインスタンス生成完了通知メッセージおよびインスタンス情報をVNFMへ返す。
【0077】
407。サブネット生成完了通知メッセージを受信した後、VNFMは、リンクポートの生成のための、NFVOに対する許可要求を開始する。この要求は以下の情報を保持する。
AddResource:
タイプ:リンクポート
サブネットインスタンス情報
【0078】
これは、生成される必要があるリンクポートが、新たに生成されたサブネットインスタンスと関連付けられていることを示す。
【0079】
408。NFVOは、許可承認メッセージをVNFMへ送信する。
【0080】
409。VNFMは、リンクポート生成をVIMに対して開始し、関連付けられる必要があるサブネットインスタンスに関する情報が保持される。
【0081】
410。VNFMは、新VDUインスタンスの生成のためにVIMに適用され、ステップ402で決定されたVDUのタイプおよびVDU量が保持され、新たに生成されたリンクポートに関する情報が保持される。
【0082】
411。VDUインスタンスが生成された後、VIMは、リンクポートを介してVDUインスタンスを、新たに生成されたサブネットと関連付け、この新たに生成されたサブネットは、IPアドレスをVDUインスタンスに割り当てる。
【0083】
本発明のこの実施形態では、NumberofSubnetおよびSubnetInfoなどのパラメータは、新たに定義されたVNFDに追加される。したがって、スケーリングアウト時に、対応する量のIPアドレスが(異なるステップに対応する)スケールアウトサイズに基づいて割り当てられて、新たに生成されたVDUのアドレス要求が動的に満たされ得る。これは、従来技術でVNFがスケールアウトされたときに割り当てられるIPアドレスの不足を回避するとともに、従来技術で大きいIPアドレスリソースプールを直接定義することに起因するリソースの浪費を回避することができる。
【0084】
図5は、実施形態2のフローチャートである。実施形態2と実施形態1の相違点は、新たに生成されたVDUが、新たに生成されたサブネットと接続される、または関連付けられる必要がない点にある。
【0085】
以下では、実施形態2の具体的な実装ステップについて説明する。
【0086】
501。このステップは、実施形態1のステップ401と同じである。
【0087】
502。実施形態1のステップ402との違いは、VNFDで定義されたステップ2に含まれるDedicatedOrNotの値が偽であり、新たに追加されたVDUインスタンスが、新たに生成されたサブネットインスタンスと関連付けられる必要がないことを示している点にある。
【0088】
503から506。ステップは、実施形態1のステップ403から406と同じである。
【0089】
507。VNFDのステップ2のDedicatedOrNotの値は偽である。したがって、新VDUインスタンスは、新サブネットインスタンスと関連付けられる必要がない。したがって、VNFMによってNFVOに対して開始されるリンクポート許可要求は、リンクポート情報だけを保持し、サブネット情報は保持しない。たとえば、以下が示され得る。
AddResource:
タイプ:リンクポート
【0090】
508。このステップは、実施形態1のステップ408と同じである。
【0091】
509。VNFMは、リンクポートの生成のためにVIMに適用される。VNFMが、IPアドレスが元のVLネットワークのサブネットに割り当てられることが可能であると決定した場合、新たに生成されたリンクポートは、既存のサブネット情報と関連付けられる。そうでない場合、新たに生成されたリンクポートは、新サブネット情報と関連付けられる。
【0092】
510。このステップは、実施形態1のステップ410と同じである。
【0093】
511。VDUインスタンスが生成された後、VIMは、リンクポートを介してVDUインスタンスを既存のサブネットと関連付ける(この場合、IPアドレスはまた、元のVLネットワークのサブネットに割り当てられることも可能である)。既存のサブネットは、IPアドレスをVDUインスタンスに割り当てるか、またはVDUインスタンスを新たに生成されたサブネットと関連付け、新たに生成されたサブネットは、IPアドレスをVDUインスタンスに割り当てる。
【0094】
図6は、本発明の実施形態3のフローチャートである。実施形態3は、実施形態1または2の後に続くステップを示し、VNFスケーリングイン(Scale In)処理について説明する。
【0095】
以下では、実施形態3の具体的な実装ステップについて説明する。
【0096】
601。NFVOは、VNF専用のスケーリング要求をVNFMへ送信する。この実施形態では、要求は、特にスケールイン(Scale In)要求であり、この要求は、VNFインスタンス情報(たとえば、VNFインスタンスID)と、スケール態様(Aspect)およびステップ(Step)を示すインジケーション情報とを含む。
【0097】
たとえば、現在のVNFがステップ2にあり、ステップ1がインジケーション情報中に示されている場合、VNFは、ステップ2からステップ1へスケールインされる。
【0098】
602。VNFMは、VNFスケールイン要求を受信し、対応するVNFDを要求内のVNFインスタンス情報に基づいて見つけ、インジケーション情報に基づいてVNFDに問い合わせて、削除される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定する。この実施形態では、実施形態1のものと同じであるVNFDがなお使用され、VNFDは以下の2つのステップをなお含む。
ステップ1:VDU_1の合計3つのインスタンス、VDU_2の合計4つインスタンス、および4GbpsのVLビットレートと、
ステップ2:VDU_1の合計6つのインスタンス、VDU_2の合計8つのインスタンス、8GbpsのVLビットレート、NumberofSubnet:1、L3ProtocolData、およびDedicatedOrNot:真。
【0099】
この場合、VNFがステップ2からステップ1へスケールインされるときに、VDU_1の3つのインスタンスが低減される必要があり、VDU_2の4つのインスタンスが低減される必要があり、1つのサブネット(実施形態1で新たに生成されたサブネットと同様)がVLから削除される必要がある。
【0100】
603。VNFMは、付与(Grant)要求をNFVOへ送信する。付与要求のRemoveResourceパラメータは、削除される必要があるサブネットリソース、コンピューティングリソース(VDUに対応)およびリンクポートリソースに関する記述情報を含む。
【0101】
604。VNFMは、NFVOから許可承認メッセージを受信する。
【0102】
605。VNFMは、対応するサブネットリソース、VUDに対応する仮想マシンリソース、およびリンクポートリソースなどの削除のために、VIMに適用される。
【0103】
606。VIMは、リソース削除成功メッセージをVNFMへ送信する。
【0104】
607。VNFMは、スケールイン完了メッセージをNFVOへ送信する。
【0105】
本発明の実施形態は、ネットワークサービス(Network Service,NS)のスケーリングシナリオにさらに拡張され得る。
図7は、NS記述子(NSDescriptor,NSD)設計インスタンスの概略図である。このインスタンスは主に、VNFを記述するVNFD、たとえば、図中のVNF_1およびVNF_2を記述する対応するVNFD 1およびVNFD 2と、仮想リンクVLを記述するNsVldと、VNFの外部接続点(External Connection Point,ExtCp)を記述する記述子(Descriptor)とを含む。図中のVnfExtCP_1およびVnfExtCP_2は、VNF_1およびVNF_2の外部接続点である。
【0106】
前述の実施形態1から実施形態3は、スケーリングがVNFに対して実施されるシナリオについて説明している。スケーリングがNSに対して実施されるとき、IPアドレス不足問題が、VNF_1とVNF_2を対応して接続するためのNsVldでも発生する。前述の問題はまた、本発明の以下の実施形態4および実施形態5でNSスケーリング処理を使用することによっても解決され得る。
【0107】
図8は、本発明の実施形態4によるNSスケーリング(Scale)のフローチャートであり、具体的にはスケーリングアウトのフローチャートである。実施形態4の具体的なステップは以下の通りである。
【0108】
801。NFVOが、OSS/BSSからNS専用のスケーリング要求(略して「NSスケーリング要求」)を受信する。この実施形態では、要求は、具体的にはスケールアウト(Scale Out)要求であり、この要求は、NSインスタンス情報(たとえば、NSインスタンスID)と、スケール態様(Aspect)およびステップ(Step)を示すインジケーション情報とを含む。
【0109】
802。NFVOは、スケールアウト要求を受信し、対応するNSDを要求内のNSインスタンス情報に基づいて見つけ、インジケーション情報に基づいてNSDに問い合わせて、生成される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定する。
【0110】
NSDコンテンツについて、この実施形態では、NsLevelのvirtualLinkToLevelMapping情報(VNFDのScalingDeltaのvirtualLinkBitRateDeltaと同様)が主に拡張される。
【0111】
拡張されたvirtualLinkToLevelMappingは、以下の情報を含む。
【0112】
【0113】
新たな拡張に基づいて、以下の2つのステップがNsLevelで定義され得る(以下の具体的な番号は例として使用されている)。
ステップ1:VNF_1の合計3つのインスタンス、VNF_2の合計4つのインスタンス、および4GbpsのVLビットレートと、
ステップ2:VNF_1の合計6つのインスタンス、VNF_2の合計8つのインスタンス、および8GbpsのVLビットレート。
【0114】
加えて、ステップ2では、新たに追加されたパラメータ、すなわち、NumberofSubnet:N(Nは1以上の整数)と、SubnetInfo(コンテンツL3ProtocolDataを含む)と、DedicatedOrNot:真/偽とが含まれ、または関連付けられる。DedicatedOrNot:真/偽は任意選択(Optional)である。
【0115】
前述の新たに追加されたパラメータの意味は、実施形態1および実施形態2のものと同様であり、詳細について本明細書では再度説明されない。この実施形態では、DedicatedOrNotの値は真である。
【0116】
スケールアウト要求を受信した後、NFVOはまず、要求内のNSインスタンス情報、たとえば、NSインスタンスIDに基づいて、対応するNSDを見つける。このNSDは拡張NSDである。次に、NFVOは、インジケーション情報に基づいてNSDに問い合わせる。具体的には、NFVOは、インジケーション情報中の態様に基づいてNSDを検索して、スケール(Scale)対象物または態様を決定する。次に、NFVOは、インジケーション情報中のステップに基づいてNSDを検索して、必要なスケールステップを決定する。たとえば、VNFスケールアウト要求内の態様がステップ2でVNF_1、VNF_2、およびVLを含む場合、VNFMはNSDを検索して、前述の例のステップ2で、6つのVNF_1インスタンスおよび8つのVNF_2インスタンスが生成される必要があり、VLビットレートが8Gbpsであり、1つの新サブネットが生成される必要がある、と決定する。特定のインスタンス化パラメータがL3ProtocolDataに含まれ、新たに生成されたVNFは、サブネットと関連付けられる必要がある。新たに生成されたVNFの量は、対応するステップでのVNFの量から、スケーリングされていないVNFに含まれるVNFの量を差し引いたものである。この例では、合計6つのVNF_1インスタンスおよび8つのVNF_2インスタンスがステップ2で生成される必要がある。新たに生成されたVNF_1インスタンスおよびVNF_2インスタンスの量はそれぞれ、6であるVNF_1インスタンスンの量から、スケーリングされていないVNFのVNF_1インスタンスの量(たとえば2)を差し引いたもの、および、8であるVNF_2インスタンスの量から既存のVNFのVNF_2インスタンスの量(たとえば5)を差し引いたものである。この場合、新たに生成されたVNF_1インスタンスおよびVNF_2インスタンスの量はそれぞれ、4および3となる。生成されるべきサブネットの量を決定する手法は、前述の生成されるべきVNFのものとは異なる。NumberofSubnet:1は、1つの新サブネットが生成される必要があることを示し、既存のVNFの仮想リンクVL内の既存のサブネットの量は考慮されない。
【0117】
803。NFVOは、VLに関する情報(ステップ2情報)に基づいて、元のVLインスタンスについて1つの新サブネットが生成される必要があり、サブネットの生成のためにVIMに適用されると決定する。
【0118】
804。NFVOは、生成される必要がある新VNFインスタンスに基づいて、VNFインスタンス化要求をVNFMへ送信し、この要求は、VNFが接続される必要があるVLインスタンスに関する情報を保持する(VnfExtCp_1を使用することによって)。NSDのNslevelで定義されたステップ2のDedicatedOrNotの値が真であるので、VLインスタンス情報は、ステップ803で新たに生成されたサブネットインスタンスに関する情報をさらに含む。
【0119】
805。任意選択で、ステップ804が、新VNFインスタンスが接続されるサブネットのリンクポート情報を含まない場合、VNFMは付与要求をNFVOへ送信し、新リンクポートの生成を認可し、同じサブネットインスタンスとの関連付け情報をaddResourceに追加する。
【0120】
806。NFVOは、許可承認メッセージをVNFMへ送信する。
【0121】
807。VNFMは、リンクポートの生成のためにVIMに適用され、新サブネットに関する情報が含まれる。
【0122】
808。VNFMは、生成する必要がある新VNFインスタンスについて、新VNFインスタンスの生成のためにVIMに適用され、VnfExtCp_1および新たに生成されたリンクポートを使用してサブネットに接続する。
【0123】
809。VIMは、VNFインスタンスを生成するためにVDUを生成し、リンクポートを介して、VNFインスタンスを新たに生成されたサブネットと関連付ける。
【0124】
本発明の実施形態5は、NSスケーリングにおけるスケールイン(Scale In)処理であり、VNFのスケールイン処理と同様である。
図9に示されるように、具体的なステップは以下の通りである。
【0125】
901。NFVOは、OSS/BSSからNS専用のスケーリング(Scale)要求を受信する。この実施形態では、要求は、特にスケールイン(Scale In)要求であり、この要求は、NSインスタンス情報(たとえば、NSインスタンスID)と、スケール態様(Aspect)およびステップ(Step)を示すインジケーション情報とを含む。
【0126】
たとえば、現在のVNFがステップ2にあり、ステップ1がインジケーション情報中に示されている場合、NSは、ステップ2からステップ1へスケールインされる。
【0127】
902。NSスケールイン要求を受信した後、NFVOは、対応するNSDを要求内のNSインスタンスID情報に基づいて見つけ、インジケーション情報に基づいてNSDに問い合わせて、削除される必要があるVNFおよび対応するサブネットに関する情報を決定する。この実施形態では、実施形態4のものと同じNSDがなお使用され、2つのステップがNsLevelに以下のように定義され得る(以下の具体的な数値は例として使用されている)。
ステップ1:VNF_1の合計3つのインスタンス、VNF_2の合計4つインスタンス、および4GbpsのVLビットレートと、
ステップ2:VNF_1の合計6つのインスタンス、VNF_2の合計8つのインスタンス、および8GbpsのVLビットレート。
【0128】
加えて、新パラメータ、すなわち、NumberofSubnet:1、SubnetInfo(コンテンツL3ProtocolDataを含む)、およびDedicatedOrNot:真/偽が、ステップ2に追加される。DedicatedOrNot:真/偽は任意選択(Optional)である。
【0129】
この場合、NSがステップ2からステップ1へスケールインされるときに、VNF_1の3つのインスタンスが低減される必要があり、VNF_2の4つのインスタンスが低減される必要があり、1つのサブネットがVLから削除される必要がある。
【0130】
903。NFVOは、対応するサブネットリソース、VNFに含まれる異なるVDUに対応する仮想マシンリソース、リンクポートリソースなどの削除のために、VIMに適用される。
【0131】
904。VIMは、リソースを削除し、リソース削除成功メッセージをNFVOへ送信する。
【0132】
前述の実施形態における方法ステップのNFVO、VNFM、またはVIMのアクションは、メモリ403に記憶されたアプリケーションプログラムコードを呼び出すことで、
図4に示された通信装置40内のプロセッサ401によって実施されてよい。これは、実施形態において限定されない。
【0133】
上記では主に、本出願の実施形態で提供される解決策をネットワーク要素間の相互作用の観点から説明している。前述の機能を実装するために、NFVO、VNFM、VIMなどは、機能を実施するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むと理解されてよい。当業者であれば、本明細書に開示された実施形態に記載された例のユニットおよびアルゴリズム動作との組み合わせで、本出願は、ハードウェア、またはハードウェアとコンピュータソフトウェアの組み合わせによって実装されることが可能であると容易に認識できるはずである。機能がハードウェアによって実施されるか、それともコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実施されるかは、特定の用途および技法的解決策の設計制約に依存する。当業者であれば、特定の用途ごとに、記載された機能を実装するために異なる方法を使用し得るが、その実装が本出願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0134】
本出願の実施形態において、機能モジュール分割が、前述の方法例に基づいて、NFVO、VNFM、VIMなどに対して実施されてもよい。たとえば、各機能モジュールは、対応する各機能に基づいた分割によって得られてもよく、または2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形で実装されてもよく、またはソフトウェア機能モジュールの形で実装されてもよい。本出願の実施形態において、モジュール分割は例であり、単なる論理上の機能分割であることに留意されたい。実際の実装時には、別の分割手法が使用されてもよい。
【0135】
たとえば、各機能モジュールが、統合された手法で分割によって得られる場合では、
図10は、通信装置100の構造の概略図である。通信装置100は、トランシーバモジュール1001、および処理モジュール1002を含む。
【0136】
たとえば、通信装置100は、VNFMの機能を実装するように構成される。たとえば、通信装置100は、
図4に示される実施形態、
図5に示される実施形態、または
図6に示される実施形態におけるVNFMである。
【0137】
本出願のこの実施形態において、通信装置100は、VNFMであってもよく、VNFMに使用されるチップであってもよく、またはVNFMの機能を有する他の複合デバイス、コンポーネントなどであってもよい。通信装置100がVNFMである場合、トランシーバモジュール1001はトランシーバであってもよい。トランシーバは、アンテナ、無線周波数回路などを含み得る。処理モジュール1002は、たとえばベースバンドプロセッサであるプロセッサ(または処理回路)であってもよく、ベースバンドプロセッサは、1つまたは複数のCPUを含み得る。通信装置100が、VNFMの機能を有するコンポーネントである場合、トランシーバモジュール1001は、無線周波数ユニットであってもよく、処理モジュール1002は、たとえばベースバンドプロセッサであるプロセッサ(または処理回路)であってもよい。通信装置100がチップシステムである場合、トランシーバモジュール1001は、チップ(たとえば、ベースバンドチップ)の入出力インターフェイスであってもよく、処理モジュール1002は、チップシステムのプロセッサ(または処理回路)であってもよく、1つまたは複数の中央処理装置を含み得る。本出願のこの実施形態におけるトランシーバモジュール1001は、トランシーバまたはトランシーバ関連回路コンポーネントによって実装されてもよく、また、処理モジュール1002は、プロセッサまたはプロセッサ関連回路コンポーネント(処理回路とも呼ばれる)によって実装されてもよいことを理解されたい。
【0138】
たとえば、トランシーバモジュール1001は、
図4に示される実施形態のVNFMによって実施されるすべての送受信動作、たとえば、S401およびS403を実行するように構成されてもよく、および/または本明細書に記載された技術の別の処理をサポートするように構成されてもよい。処理モジュール1002は、
図4に示されている実施形態のVNFMによって送受信動作を除いて、すべての実施される動作、たとえばS402を実施するように構成されてもよく、および/または本明細書に記載された技術の別の処理をサポートするように構成されてもよい。
【0139】
別の例では、トランシーバモジュール1001は、
図6に示される実施形態のVNFMによって実施されるすべての送受信動作、たとえば、S601およびS603を実行するように構成されてもよく、および/または本明細書に記載された技術の別の処理をサポートするように構成されてもよい。処理モジュール1002は、
図6に示されている実施形態のVNFMによって送受信動作を除いて、すべての実施される動作、たとえばS602を実施するように構成されてもよく、および/または本明細書に記載された技術の別の処理をサポートするように構成されてもよい。
【0140】
通信装置100が、VNFMの機能を実装するように構成されている場合、通信装置100によって実装されることが可能な別の機能については、
図4から
図6、
図8、
図9に示された実施形態の関連説明を参照されたい。詳細については再度説明されない。
【0141】
同様に、たとえば、通信装置100は、NFVOの機能を実装するように構成されてもよい。たとえば、通信装置100は、
図8に示される実施形態または
図9に示される実施形態のNFVOであり、または、
図4から
図6に示される実施形態のNFVOであってもよい。詳細については再度説明されない。
【0142】
本出願のこの実施形態において、通信装置100は、VIMであってもよいし、VIMに使用されるチップであってもよいし、VIMの機能を有する他の複合デバイス、コンポーネントなどであってもよい。通信装置100がVIMである場合、トランシーバモジュール1001はトランシーバであってもよい。トランシーバは、アンテナ、無線周波数回路などを含み得る。処理モジュール1002は、たとえばベースバンドプロセッサである、プロセッサ(または処理回路)であってもよく、ベースバンドプロセッサは、1つまたは複数のCPUを含み得る。通信装置100が、VIMの機能を有するコンポーネントである場合、トランシーバモジュール1001は、無線周波数ユニットであってもよく、処理モジュール1002は、たとえばベースバンドプロセッサである、プロセッサ(または処理回路)であってもよい。通信装置100がチップシステムである場合、トランシーバモジュール1001は、チップ(たとえば、ベースバンドチップ)の入出力インターフェイスであってもよく、処理モジュール1002は、チップシステムのプロセッサ(または処理回路)であってもよく、1つまたは複数の中央処理装置を含み得る。本出願のこの実施形態におけるトランシーバモジュール1001は、トランシーバまたはトランシーバ関連回路コンポーネントによって実装されてもよく、処理モジュール1002は、プロセッサまたはプロセッサ関連回路コンポーネント(処理回路とも呼ばれる)によって実装されてもよいことを理解されたい。
【0143】
たとえば、トランシーバモジュール1001は、
図4から
図6、
図8、および
図9に示される実施形態のVIMによって実施されるすべての送受信動作を実施するように構成されてもよく、処理モジュール1002は、
図4から
図6、
図8、および
図9に示される実施形態のVIMによって実施される動作を、送受信動作を除いてすべて実施するように構成されてもよく、および/または本明細書に記載された技術の別の処理をサポートするように構成されてもよい。
【0144】
図11は、通信システムの概略構成図である。
図11に示されるように、通信システム110は、NFVO 1101、VNFM 1102、およびVIM 1103を含み得る。
図11は単なる例示的な図であることに留意されたい。
図11に示された通信システム110に含まれるネットワーク要素およびネットワーク要素の量は、本出願の実施形態では限定されていない。
【0145】
VNFM 1102は、前述の実施形態においてVNFMの機能を実装するように構成される。たとえば、VNFM 1102は、NFVO 1101からスケーリング要求情報を受信するように、要求情報に基づいてVNFDに問い合わせるように、生成される必要があるVDUおよび対応するサブネットに関する情報を決定するように、ならびに、VDUおよび対応するサブネットの生成のためにVIM 1103に適用されるように、構成され得る。
【0146】
NFVO 1101は、前述の方法実施形態においてNFVOの機能を実装するように構成され、VIM 1103は、前述の方法実施形態においてVIMの機能を実装するように構成される。詳細については再度説明されない。
【0147】
前述の方法実施形態におけるステップのすべての関連する内容は、通信システム110の対応するネットワーク要素についての機能説明が参照されてよく、詳細については本明細書では再び説明されないことに留意されたい。
【0148】
実装に関する前述の説明は、当業者が、便宜的で簡潔な説明を目的として、前述の機能モジュールの分割が説明のための例として用いられていることを明確に理解できるようにする。実際の適用時に、前述の機能は、異なるモジュールに割り当てられ、要望通りに実装されることが可能であり、すなわち、装置の内部構造が異なる機能モジュールに分割されて、上述の機能の全部または一部が実装される。
【0149】
本出願で提供されたいくつかの実施形態では、開示された装置および方法は、他の手法で実装されてもよいことを理解されたい。たとえば、説明された装置実施形態は単なる例である。たとえば、モジュールまたはユニット分割は、単なる論理上の機能分割であり、実際の実装時には他の分割であってもよい。たとえば、複数のユニットまたはコンポーネントが、別の装置になるように組み合わされても統合されてもよく、またはいくつかの機能が無視されても実施されなくてもよい。加えて、表示または議論された相互結合もしくは直接結合もしくは通信接続は、いくつかのインターフェイスを介して実装されてもよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的形式、機械的形式、または他の形式で実装されてもよい。
【0150】
別々の部分として説明されたユニットは、物理的に分離していてもいなくてもよく、また、ユニットとして表示された部分は、1つまたは複数の物理的ユニットであっても、1つの場所に置かれていても、または異なる場所に分散されていてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択され得る。
【0151】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形で実装されてもよく、またはソフトウェア機能ユニットの形で実装されてもよい。
【0152】
統合ユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、統合ユニットは可読記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づいて、本出願の実施形態の技法的解決策が基本的に、または従来技術に寄与する部分、または技法的解決策の全部もしくは一部が、ソフトウェア製品の形で実装され得る。ソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されており、デバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップなどであってよい)またはプロセッサ(processor)に命令して、本出願の実施形態に記載された方法のステップの全部または一部を実施するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、取り外し可能ハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなどの、プログラムコードを記憶できる任意の媒体を含む。
【0153】
前述の説明は、本出願の単なる具体的な実装であるが、本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願に開示された技法的範囲内の変形または置換は、本出願の保護範囲に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲によって決まるものとする。