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特許7618104高温腐食性液体の圧力および流量を測定するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】高温腐食性液体の圧力および流量を測定するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20250110BHJP
   G01F 1/36 20060101ALI20250110BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20250110BHJP
【FI】
G01L19/06 A
G01F1/36
G01F1/00 C
G01F1/00 X
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024518755
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(86)【国際出願番号】 US2022043345
(87)【国際公開番号】W WO2023048991
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】17/485,670
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523224589
【氏名又は名称】フローサーブ・プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FLOWSERVE PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パリッシュ・ポール・ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン・マイケル・ピー.
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-013532(JP,A)
【文献】特開平04-232514(JP,A)
【文献】特公昭50-015142(JP,B1)
【文献】特開平10-153506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温プロセス液体による損傷からプロセス液体圧力センサを保護しつつ、前記プロセス液体の圧力の測定を可能にするように構成されている圧力測定装置であって、
プロセス液体導管と流体連通し、前記プロセス液体が導入される垂直管と、
前記垂直管とガス連通し、前記垂直管にバッファガスを導入するバッファガス送給ラインと、
垂直管内の前記バッファガスとガス連通し、前記バッファガスを介して前記プロセス液体の圧力を測定するプロセス液体圧力センサと、
前記垂直管内の液体/ガス界面のレベルを決定するように構成されている界面レベル感知デバイスと、
前記垂直管とガス連通するバッファガス送給ラインと、
前記バッファガス送給ラインにおけるバッファガスの圧力および/または容積を調節するように構成されているバッファガス圧力レギュレータと、
前記垂直管から前記バッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されているバッファガス隔離バルブと、
前記バッファガス送給ラインと熱連通するバッファガス温度センサと、
前記バッファガスが前記バッファガス送給ラインにある前またはある間に前記バッファガスを加熱するように構成されているバッファガスヒータと、
前記界面レベル感知デバイスおよび前記バッファガス圧力レギュレータと信号通信し、前記垂直管における前記液体/ガス界面を指定の高さに調整するように前記バッファガス圧力レギュレータを制御するように構成されているコントローラと、を備える、圧力測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力測定装置であって、
前記界面レベル感知デバイスは、超音波レベルセンサーである、圧力測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の圧力測定装置であって、さらに、
前記バッファガス送給ラインとガス連通するバッファガス圧力センサを備える、圧力測定装置。
【請求項4】
プロセス液体導管を流れバルブを通る高温プロセス液体の流量の測定を可能にするように構成されている流量測定装置であって、
圧力測定装置であって、
前記バルブの上流側で前記プロセス液体導管と流体連通し、前記プロセス液体が導入される第1の垂直管、および前記バルブの下流側で前記プロセス液体導管と流体連通し、前記プロセス液体が導入される第2の垂直管と、
前記第1および第2の垂直管とガス連通し、前記第1および第2の垂直管にバッファガスを導入する少なくとも1つのバッファガス送給ラインと、
前記第1の垂直管内の前記バッファガスとガス連通し、前記バルブの上流側で前記バッファガスを介して前記プロセス液体の入口圧力を測定するように構成されている第1のプロセス液体圧力センサ、および前記第2の垂直管内の前記バッファガスとガス連通し、前記バルブの下流側で前記バッファガスを介して前記プロセス液体の出口圧力を測定するように構成されている第2のプロセス液体圧力センサと、を備える圧力測定装置と、
前記プロセス液体の温度を感知するように構成されている少なくとも1つのプロセス液体温度センサと、
前記第1および第2のプロセス液体圧力センサならびに前記少なくとも1つのプロセス液体温度センサと信号通信するコントローラであって、前記少なくとも1つのプロセス液体温度センサによって測定された前記プロセス液体の温度、ならびに前記第1および第2のプロセス液体圧力センサによってそれぞれ測定された前記プロセス液体の前記入口圧力および前記出口圧力に従って、前記バルブを通る前記プロセス液体の流量を決定するように構成されているコントローラと、
を備え、
前記圧力測定装置は、さらに、
前記第1の垂直管内の液体/ガス界面のレベルを決定するように構成されている第1の界面レベル感知デバイス、および前記第2の垂直管内の液体/ガス界面のレベルを決定するように構成されている第2の界面レベル感知デバイス、と、
前記少なくとも1つのバッファガス送給ラインにおけるバッファガスの圧力および/または容積を調節するように構成されている少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータと、
前記第1および第2の垂直管から前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されている少なくとも1つのバッファガス隔離バルブと、
前記少なくとも1つのバッファガス送給ラインと熱連通する少なくとも1つのバッファガス温度センサと、
前記バッファガスが前記少なくとも1つのバッファガス送給ラインにある前またはある間に前記バッファガスを加熱するように構成されている少なくとも1つのバッファガスヒータと、を備え、
前記コントローラは、さらに、前記第1および第2の界面レベル感知デバイスならびに前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータと信号通信し、前記第1および第2の垂直管における前記液体/ガス界面を指定の高さに調整するように前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータを制御するように構成されている、流量測定装置。
【請求項5】
請求項に記載の流量測定装置であって、
前記少なくとも1つのプロセス液体温度センサは、前記バルブ内の前記プロセス液体の温度を測定するように構成されているプロセス液体温度センサを含む、流量測定装置。
【請求項6】
請求項に記載の流量測定装置であって、
前記少なくとも1つのバッファガス送給ラインは、前記第1および第2の垂直管とガス連通する1つのバッファガス供給ラインを含み、
前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータは、前記1つのバッファガス送給ラインにおけるバッファガスの圧力および/または容積を調節するように構成されており、
前記少なくとも1つのバッファガス隔離バルブは、前記第1の垂直管から前記1つのバッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されている第1のバッファガス隔離バルブと、前記第2の垂直管から前記1つのバッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されている第2のバッファガス隔離バルブとを備える、流量測定装置。
【請求項7】
請求項に記載の流量測定装置であって、
前記少なくとも1つのバッファガス温度センサは、それぞれ前記第1および第2の垂直管に近接する場所で前記少なくとも1つのバッファガス送給ラインにおける前記バッファガスの第1および第2の温度をそれぞれ測定するように構成されている第1および第2のバッファガス温度センサを備える、流量測定装置。
【請求項8】
請求項に記載の流量測定装置であって、さらに、
それぞれ前記第1および第2のプロセス液体圧力センサに近接する場所で前記少なくとも1つのバッファガス送給ラインにおける前記バッファガスの圧力を測定するように構成されている第1および第2のバッファガス圧力センサを備える、流量測定装置。
【請求項9】
バルブを通る高温プロセス液体の流量を測定する方法であって、
請求項に記載の流量測定装置を設け、
バッファガスを前記第1および第2の垂直管に注入し、
前記バッファガスの温度が前記高温プロセス液体の温度と実質的に等しくなるまで前記バッファガスを加熱し、
前記プロセス液体を前記プロセス液体導管および前記バルブを通して流し、
前記第1および第2の垂直管内のそれぞれ第1および第2の液体/ガス界面レベルを調整するために、前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータを調整し、
前記少なくとも1つのバッファガス隔離バルブを閉じて、前記第1および第2の垂直管から前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータを隔離し、
前記第1および第2のプロセス液体圧力センサならびに前記少なくとも1つのプロセス液体温度センサから前記コントローラによって受信された圧力および温度測定値に従って、前記バルブを通る前記プロセス液体の前記流量を前記コントローラによって決定し、
前記決定されたプロセス液体流量をユーザに提供すること
を備える、方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、
前記流量測定装置の前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータは、バッファガス圧力レギュレータを1つだけ含み、前記第1および第2の液体/ガス界面レベルは、前記バッファガス圧力レギュレータによって同時に調整される、方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法であって、
前記流量測定装置の前記少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータは、バッファガス圧力レギュレータを1つだけ含み、前記第1および第2の液体/ガス界面レベルを調整することは、前記第1の垂直管における前記液体/ガス界面レベルを調整しつつ前記バッファガス圧力レギュレータから前記第2の垂直管を隔離し、前記第2の垂直管における前記液体/ガス界面レベルを調整しつつ前記バッファガス圧力レギュレータから前記第1の垂直管を隔離することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【政府権益の声明】
【0001】
本発明の一部は、契約番号DE-NA0003525の下で政府の資金援助を伴ってなされたものであり、政府に一定の権利が存在する場合がある。
【関連出願】
【0002】
本出願は、2021年9月27日に出願された米国特許出願第17/485,670号の利益を主張し、上記の開示は、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0003】
本発明は、液体の流れを制御するための装置に関し、より詳細には、高温および/または腐食性液体の圧力および/または流量を測定するための装置に関する。
【背景技術】
【0004】
プロセス液体の流れを制御する際、多くの場合、液体の温度、圧力、および/または流量を測定および監視することが望ましい。通常、プロセス液体の温度は、プロセス液体と接触する内側を有する熱伝導性バリアの外側に対して温度センサを適用することによって測定することができる。この手法は、高温および/または腐食性プロセス液体に適用可能である。
【0005】
しかし、流されるプロセス液体が高温であり、かつ/または腐食性が高い場合、ほとんどの従来のセンサは、プロセス液体の圧力および流量の測定には適さない。
【0006】
したがって、流される高温および/または腐食性プロセス液体の圧力および/または流量を測定することができる装置および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、高温および/または腐食性プロセス液体の圧力、実施形態ではその流量も測定するための装置および方法である。これは、垂直管を介して圧力センサをプロセス液体導管に接続し、かつプロセス液体の腐食作用から圧力センサを隔離する垂直管にバッファガスのカラムを確立し、実施形態ではまた調節することによって達成される。さらに、垂直管におけるバッファガスのカラムの温度はプロセス液体の温度に近いが、バッファガスの熱容量および熱伝導率がはるかに低いため、プロセス液体の高温による損傷から圧力センサが保護される。
【0008】
実施形態では、バルブを通るプロセス液体の流量は、上述のような垂直管によって接続されたガス緩衝圧力センサ(gas-buffered pressure sensor)を使用して、バルブの上流と下流の両方の圧力を測定することによって決定される。加えて、プロセス液体の温度は、例えばバルブ自体の中で測定される。これらの測定により、流量は、既知の式に従って決定することができる。例えば、米国特許第5,251,148号で教示されている方法を適用することができ、米国特許第5,251,148号は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0009】
本発明の第1の一般的な態様は、腐食性および/または高温プロセス液体による損傷からプロセス液体圧力センサを保護しつつ、プロセス液体の圧力の測定を可能にするように構成されている圧力測定装置である。圧力測定装置は、垂直管を介してプロセス液体導管と流体連通するプロセス液体圧力センサと、垂直管内の液体/ガス界面のレベルを決定するように構成されている界面レベル感知デバイスと、垂直管とガス連通するバッファガス送給ラインと、バッファガス送給ラインにおけるバッファガスの圧力および/または容積を調節するように構成されているバッファガス圧力レギュレータとを含む。
【0010】
実施形態では、界面レベル感知デバイスは、超音波レベルセナーである。
【0011】
上記の実施形態のいずれも、垂直管からバッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されているバッファガス隔離バルブをさらに含むことができる。
【0012】
上記の実施形態のいずれにおいても、バッファガス隔離バルブは、常閉バルブとすることができる。
【0013】
上記の実施形態のいずれも、プロセス液体圧力センサおよび界面レベル感知デバイスと信号通信するコントローラをさらに含むことができる。
【0014】
上記の実施形態のいずれにおいても、コントローラは、バッファガス圧力レギュレータを制御することができる。これらの実施形態のいくつかでは、コントローラは、垂直管における液体/ガス界面を指定の高さに調整するようにバッファガス圧力レギュレータを制御するように構成されている。
【0015】
上記の実施形態のいずれも、バッファガス送給ラインとガス連通するバッファガス圧力センサをさらに含むことができる。
【0016】
上記の実施形態のいずれも、バッファガス送給ラインと熱連通するバッファガス温度センサをさらに含むことができる。
【0017】
上記の実施形態のいずれも、バッファガスがバッファガス送給ラインにある前またはその間にバッファガスを加熱するように構成されているバッファガスヒータをさらに含むことができる。
【0018】
本発明の第2の一般的な態様は、バルブを通る腐食性および/または高温プロセス液体の流れの測定を可能にするように構成されている流量測定装置である。流量測定装置は、第1の一般的な態様による圧力測定装置であって、第1の垂直管を介してバルブの上流側でプロセス液体導管と流体連通する第1のプロセス液体圧力センサ、および第2の垂直管を介してバルブの下流側でプロセス液体導管と流体連通する第2のプロセス液体圧力センサを備える圧力測定装置と、第1および第2の界面レベル感知デバイスが、第1および第2の垂直管にそれぞれ関連付けられ、プロセス液体の温度を感知するように構成されているプロセス液体温度センサと、第1および第2のプロセス液体圧力センサならびに温度センサと信号通信するコントローラであって、プロセス液体温度センサによって測定されたプロセスの温度、ならびに第1および第2のプロセス液体圧力センサによってそれぞれ測定されたプロセス液体の入口および出口圧力に従って、バルブを通るプロセス液体の流量を決定するように構成されているコントローラとを含む。
【0019】
実施形態では、プロセス液体温度センサは、バルブ内のプロセス液体の温度を測定するように構成されている
【0020】
上記の実施形態のいずれにおいても、圧力測定装置は、第1の垂直管からバッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されている第1のバッファガス隔離バルブと、第2の垂直管からバッファガス圧力レギュレータを隔離するように構成されている第2のバッファガス隔離バルブとを含むことができる。
【0021】
上記の実施形態のいずれも、それぞれ第1および第2の垂直管に近接する場所でバッファガス送給ラインにおけるバッファガスの第1および第2の温度をそれぞれ測定するように構成されている第1および第2のバッファガス温度センサをさらに含むことができる。
【0022】
上記の実施形態のいずれも、それぞれ第1および第2のプロセス液体圧力センサに近接する場所でバッファガス送給ラインにおけるバッファガスの圧力を測定するように構成されている第1および第2のバッファガス圧力センサをさらに含むことができる。
【0023】
本発明の第3の一般的な態様は、バルブを通る腐食性および/または高温プロセス液体の流れを測定する方法である。方法は、第2の一般的な態様による流量測定装置を設け、バッファガスを第1および第2の垂直管に注入し、プロセス液体をプロセス液体導管およびバルブを通して流し、ことで第1および第2の垂直管内のそれぞれ第1および第2の液体/ガス界面レベルを調整するために、少なくとも1つのバッファガス圧力レギュレータを調整し、第1および第2のプロセス液体圧力センサならびにプロセス液体温度センサからコントローラによって受信された圧力および温度測定値に従って、バルブを通るプロセス液体の流量をコントローラによって決定し、決定されたプロセス液体流量をユーザに提供することを含む。
【0024】
実施形態では、方法は、第1および第2の液体/ガス界面レベルの調整後、バッファガス圧力レギュレータから第1および第2の垂直管を隔離することをさらに含む。
【0025】
上記の実施形態のいずれにおいても、バッファガス圧力レギュレータの少なくとも1つは、プロセス液体の流量を決定するステップ中に垂直管の少なくとも1つとのガス連通を維持することができる。
【0026】
上記の実施形態のいずれにおいても、流量測定装置は、バッファガス圧力レギュレータを1つだけ含むことができ、第1および第2の液体/ガス界面レベルは、バッファガス圧力レギュレータによって同時に調整することができる。
【0027】
そして、上記の実施形態のいずれにおいても、流量測定装置は、バッファガス圧力レギュレータを1つだけ含むことができ、第1および第2の液体/ガス界面レベルを調整することは、第1の垂直管における液体/ガス界面レベルを調整しつつプロセス液体圧力レギュレータから第2の垂直管を隔離し、第2の垂直管における液体/ガス界面レベルを調整しつつプロセス液体圧力レギュレータから第1の垂直管を隔離することを含むことができる。
【0028】
本明細書に記載の特徴および利点は包括的なものではなく、特に、多くの追加の特徴および利点は、図面、明細書、および特許請求の範囲を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。さらに、本明細書で使用される言語は、主に読みやすさおよび指示を目的として選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の一実施形態によるガス緩衝圧力センサのブロック図である。
【0030】
図2図2は、本発明の方法の実施形態を示すフロー図である。
【0031】
図3図3は、バルブを通るプロセス液体の流量を測定するように構成されている本発明の一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、高温および/または腐食性プロセス液体の圧力、実施形態ではその流量も測定するための装置および方法である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の装置は、プロセス液体を通して搬送するように構成されているプロセス液体導管104に垂直管102によって接続された少なくとも1つのプロセス液体圧力センサ100を含む。装置は、垂直管102とガス連通するバッファガス送給ライン106と、バッファガス圧力レギュレータ108と、プロセス液体とバッファガスとの間の界面112の垂直管102内の高さ122を監視することができる、超音波センサなどの液体/ガス遷移レベルセンサ110とを含むバッファガス制御システムをさらに備える。実施形態では、バッファガスは、窒素ガスである。
【0034】
実施形態では、バッファガス制御システムは、バッファガス圧力センサ114、バッファガス温度センサ116、バッファガスヒータ118、ならびに/または液体/ガス界面112の高さ122および/もしくはプロセス液体圧力センサ100によって測定される垂直管102におけるバッファガス圧力を監視することができるコントローラ(図示せず)をさらに含む。実施形態では、コントローラはさらに、バッファガス圧力レギュレータを制御することができ、それによって垂直管内の液体/ガス界面112の高さ122を調整および調節するように、バッファガス送給ライン106におけるバッファガスの圧力および/または容積を調節することができる。これらの実施形態のいくつかでは、液体ガス界面112の高さ122は始動段階中にのみ調節され、その後、バッファガスレギュレータ108は垂直管102から隔離される。他の実施形態では、液体/ガス界面112の高さ122の調節は、始動段階に続く動作段階中に継続される。
【0035】
図2を参照すると、本発明の方法によれば、始動段階210中、バッファガス送給ラインが垂直管102とガス連通して載置され、バッファガスが垂直管102に導入される200。
【0036】
まだ存在していない場合には、次に、プロセス液体がプロセス液体導管106に導入される202。バッファガスの圧力および/または容積は、垂直管102内のバッファガスとプロセス液体との間の界面112が超音波センサ110または他の液体/ガス界面測定デバイスによって測定される所望の液体/ガス界面高さ122に確立されるまで、バッファガスレギュレータ108を使用して調整される204。実施形態では、バッファガスは、プロセス液体がプロセス液体導管を通って流れ始める前の始動段階中に垂直管に導入され、バッファガスの圧力および/または容積は、最初はプロセス液体の予想される圧力以上に設定される。これにより、プロセス液体がプロセス液体導管を通って流れ始めると、始動段階210中を含めて圧力バルブから`常に安全な距離にプロセス液体が維持されることが確実になる。
【0037】
図2の実施形態では、始動段階210が完了すると、バッファガス送給ライン106に設けられた「常閉」バルブ120(図面では「N.C.」とラベル付けされている)が閉じられ206、それによって垂直管102からバッファガスの源が隔離され、その後、垂直管102におけるバッファガスの圧力は、プロセス液体の圧力が変動したとしてもプロセス液体の圧力と等しいままとなる208。他の実施形態では、バッファガス圧力レギュレータ108は、所望の高さ122に液体/ガス界面112を維持するために、始動段階210の終了後であっても垂直管102とのガス連通を維持する。界面高さ122が一定に保たれる限り、垂直管102内のバッファガス圧力は、プロセス液体の圧力と等しくなる。それによって圧力センサは、垂直管102におけるバッファガスによってプロセス液体から熱的および化学的に保護されたままで、垂直管におけるバッファガスの圧力を監視することによってプロセス液体の圧力を測定および監視することができる208。
【0038】
実施形態では、始動段階210は、垂直管102内のバッファガスがプロセス液体との温度平衡ならびに圧力平衡に迅速に達することを確実にするために、プロセス液体の温度に近い温度までバッファガスを加熱すること200をさらに含む。
【0039】
図3を参照すると、本発明の実施形態では、装置は、バルブ300を通るプロセス液体の流量を測定するように構成されている。これらの実施形態によれば、ガス緩衝圧力センサ100は、垂直管102を介して、バルブ300の上流と下流の両方でプロセス液体導管104に取り付けられる。加えて、プロセス液体の温度を監視することができるプロセス液体温度センサ302が設けられる。図3の実施形態では、プロセス液体温度センサは、バルブ300自体に設置され、プロセス液体がバルブ300を通過する際のプロセス液体の温度を測定するように構成されている。
【0040】
バッファガス送給ライン106は、圧力センサ100の両方の垂直管102に接続される。図3の実施形態では、単一のバッファガス送給ライン106が垂直管の両方に接続され、単一のバッファガス圧力レギュレータ108を使用して垂直管102の両方におけるバッファガス圧力および/または容積を調整し、それによって垂直管102における所望の高さ122に液体/ガス界面112を確立する。垂直管102における液体/ガス界面112の高さ122は同時に調整することができ、または常閉隔離バルブ120を使用して垂直管102の一方から、次いで他方から順番にバッファガス送給ライン106を隔離することができ、それにより液体/ガス界面112の高さ122は、別々に調整および最適化することが可能である。さらに他の実施形態では、別々のバッファガス圧力レギュレータ(図示せず)が使用され、垂直管102の各々における液体/ガス界面高さを制御する。
【0041】
始動段階210が完了し、プロセス液体がバルブ300を通って流れると、2つのガス緩衝圧力センサ100およびプロセス液体温度センサ302によって報告される測定値を使用してバルブ300を通るプロセス液体の流量を計算することができ、そして計算した流量をユーザに提示することができる。実施形態では、流量が実質的にリアルタイムでユーザに報告されるように、計算はコントローラまたは別のコンピューティングデバイスによって自動的に実施される。
【0042】
本発明の実施形態に関する前述の説明は、例示および説明を目的として提示されている。この提出物のあらゆるページ、およびそのすべての内容は、どのような特徴付け、識別、または番号付けがされていても、本出願内の形式または配置に関係なく、あらゆる目的で本出願の実質的な部分と見なされる。本明細書は、網羅的であること、または本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図したものではない。本開示に照らして、多くの修正および変形が可能である。
【0043】
本出願は限られた数の形態で示されているが、本発明の範囲はこれらの形態にのみ限定されるものではなく、様々な変更および修正が可能である。本明細書に提示される開示は、本発明の範囲内に含まれる特徴のすべての可能な組み合わせを明示的に開示していない。様々な実施形態に関して本明細書に開示された特徴は、一般に、本発明の範囲から逸脱することなく交換され、自己矛盾していない任意の組み合わせに組み合わせることが可能である。特に、以下の従属請求項に提示される限定は、従属請求項が互いに論理的に不適合でない限り、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数および任意の順序でそれらの対応する独立請求項と組み合わせることができる。
図1
図2
図3